説明

緊急臨界回避装置

【課題】 従来、臨界系核分裂動力炉の安全は定量的な災害を想定して、その災害に遭遇しても、これに耐えて機能を喪失しないよう設計されてきた。定量的な想定には限界があり、決して100%の安全を保障するものではない。すなわち、安全性を担保するために壊れないように設計することには限界がある。発想を変えて定性的な事故を想定すると安全性の本質が変わる。「壊れないから安全」を実現することが不可能だが、「安全に壊す」ことは可能である。この「安全に壊す」機能を原子炉のシステムの一部として試みられた前例が無い。
【解決手段】 本発明は、臨界系核分裂炉において、「冷却機能喪失」という定性的な事故を想定して、「壊れても安全」になるような装置を具体的に考慮して、さらに、原子炉の系内に誘発性放射線吸収物質を蓄え、短時間にこれを炉心に充填することで原子炉を「安全に壊す」装置を原子炉に組み込む概念と方法を具体的に提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、臨界系核分裂原子力動力炉に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、臨界系核分裂動力炉の安全はそのシステム機能が壊れないことを目標として取り組まれてきた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】 公開2008−249348
【0004】
【非特許文献1】 設置許可申請における安全設計の概要2010年4月10日改訂 独立行政法人 原子力安全基盤機構
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところが、従来の想定を前提とした安全設計は、想定を超えた場合の対応が欠落しており、炉心の冷却機能が停止することは考慮されていない。外部からの遮断など、何らかの経緯で原子炉がその冷却機能もしくは制御機能を逸した場合、炉自体を臨界値を下回る状態に強制する手段が無い。特に臨界系核分裂炉は、外部から遮断されると冷却機能を失い燃料が溶融し、メルトダウンと呼ばれる危険な状態を起こす可能性を持つ。
【0006】
また、ウラン235を燃料とする原子力動力炉において、事後策として、特許文献1に見られるような誘発性放射線である中性子を吸収させる目的でホウ酸などを冷却液に混合させて炉心内に充填させる手段などが提案されているが、冷却液の漏失等、構造が壊れている場合の効果が期待できない。
【課題を解決するための手段】
【0007】
そこで、事故など有事の際、炉心内が臨界状態にならないための半永久的な緊急措置として、中性子など連鎖反応の引き金になる放射線を吸収する流動形状の固体物質を急速に炉心に充填する装置を原子炉に付加することで、原子炉を強制的に安全停止させて「安全に壊す」最終手段を提供する。
【0008】
本装置は原子炉システムが機能しなくなり、メルトダウンなど原子力動力炉周辺に多大な影響を及ぼす事故を防ぐ手段が尽きた状況下で使用することを目的とする。最終手段として使用される場合、外部に依存することなく原子炉に付帯する装置として、あらかじめ誘発性放射線を吸収する流動形状の固体物質をホッパーに蓄えて、炉内にこの吸収物質をリリースする。
【0009】
ホッパーに蓄えた誘発性放射線吸収物質を短時間にリリースする目的でホッパーの側壁や底部に開閉する扉を設けて機械的に動作するリリース機構を備える。
【0010】
上記の機械的なリリース機構は、事故などで原子炉の機能が失われている場合を考慮して手動による動作を実装する。扉の開閉機構は、機械的な動作の他に、開閉機械の動作を外部から手動でも実行するクランクを設ける。この際、本来の開閉機構だけではなく、ホッパー側壁や底部の扉を構成するヒンジピン等、吸収物質を保持する部品を破壊するリリース機構を備えることで解決する。
【0011】
上記の機構が機能しない状況や、危急を要する場合、最終手段としてホッパーに蓄えた誘発性放射線吸収物質を短時間にリリースするために、ホッパーの側壁や底部のパネルを分離ボルトなどで組み立てることで、破壊的に動作するリリース機構を備えることで解決する。
【発明の効果】
【0012】
従来、臨界系原子力動力炉の安全は災害を定量的に想定し、その想定範囲内の災害において系とその機能が失われないことを目標として施策されてきた。定量的施策は想定量が必ず存在し、その想定量を超える可能性は決してゼロにはならない。定量的災害という発想を、定性的事象に切り替える。たとえば、運転中に冷却水をすべて失い冷却機能が停止する。
【0013】
定性的有事の際、壊れないという考え方を放棄して、壊れても安全、もしくは、安全に壊す方法、ならびに装置が必要になる。
【0014】
このような考え方で臨界系核分裂動力炉の安全を見直すと、事故など有事の際、炉心内を臨界状態にならないための緊急措置として連鎖反応を誘発する放射線を吸収する物質を原子炉に充填する装置が必要不可欠であるにもかかわらず、一切考慮されてこなかった。本発明は、原子炉を強制的に安全停止させる最終手段を担保するものである。
【0015】
事故など有事の既存の事後策として、ホウ酸など、中性子を吸収する物質を冷却水に混合させて原子炉に注入し再臨界することを防ぐ方法が存在するとはいえ、そもそも冷却機能が停止した場合、ホウ酸を混合した冷却水を炉内に充填させること自体が可能かどうか危ういといえる。また、中性子を吸収する物質は、液体に限定する必要は無く、直径1センチメートル前後の球体や円筒状のペレットであってもその効果は変わらない。むしろ、有事の際、充填のためのアクセスを優先して、原子炉の一部として組み込まれていることが重要と考える。したがって、放射線吸収体を機械的に短時間でリリースできるホッパーを原子炉に付帯する装置として、誘発性放射線を吸収する物質をホッパーに蓄えた装置であることが本発明の特色である。
【0016】
従来、炉心に充填する誘発性放射線吸収物質は、冷却液に混合させて使用することで物質の選択肢が制限されていたが、ホッパーに蓄えた誘発性放射線吸収物質は、液体に限らず、むしろ固形のボールやペレットそして粉末を前提とすることができるので、これを短時間にリリースする目的でホッパーの側壁や底部に開閉する扉を設けて吸収物質を機械的に動作するリリースする機構を備える。
【0017】
有事であることを考慮して、上記の扉の機構が機能しない状況になった場合、外部から手動で扉を開閉して吸収体をリリースすることが出来る。この際、扉のヒンジ部分等、破壊的な動作を含めたリリース機構を備えることで、信頼性を高めている。
【0018】
有事であることを考慮して、上記の吸収体をリリースするためのあらゆる機構が機能しない状況になった場合、吸収体を短時間にリリースする目的でホッパーの側壁や底部のパネルの組み立て構造に分離ボルトなどを採用して破壊的に動作するリリース機構を最終手段として備えることで、原子炉自体の価値を超えて、周辺および環境への安全を優先させた装置でもある。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】 本発明を加圧水型原子炉(PWR)に実装した場合の断面図。
【図2】 上記、ホッパー部分の透視図。
【図3】 加圧水型原子炉(PWR)において機能する過程を三段階であらわす模式図。a.正常時:リリース機構が機能する前。b.動作中:リリース機構が作動し、吸収物質の充填中。c.動作後:吸収物質の充填完了。
【図4】 メルトダウンの過程を二段階であらわす模式図。a.炉心融解:核燃料が融解し、炉内に落ちる。b.再臨界メルトダウン:炉底部に落ちた溶融燃料が再集合し、メルトダウン。
【発明を実施するための形態】
【実施例】
【0020】
以下、本発明を加圧水型原子炉(PWR)で具体化した例を図面に基づいて説明する。
【0021】
図1は、本発明を加圧水型原子炉(PWR)の一部として実装した状態を示し、図2は、本発明でホッパーと呼ばれる誘発放射性吸収物質(6)を貯蔵し、これを炉内に充填するためのリリース機構を示す。図3は、動作中の状態を時系列で示す。
【0022】
図1において、加圧水型原子炉(PWR)は、反射体(11)、核燃料棒(12)、制御棒(13)からなる炉心、冷却液、減速材、炉壁と圧力容器天蓋(4)からなる圧力容器(10)、そして格納容器(3)と格納容器天蓋(1)で構成される。炉心の冷却液は冷却液導入口(14)から導かれ、高温になった冷却液は冷却液排出口(9)から取り出され、外部の熱交換器やタービンなど動力設備に送られて再び冷却液導入口(14)を通して原子炉内を循環する。
【0023】
本発明のホッパーは誘発性放射線吸収物質(6)を保持し、ホッパー内壁(22)の下部に、開閉する扉(8)を備える。この扉(8)はヒンジ(20)によって上部を中心に開閉することで誘発性放射線吸収物質(6)を炉心に充填させる。また、扉(8)の周辺のパネルフレーム(17)、および、ホッパー下部パネル(18)および外周フレーム(19)は、分離ボルトで組み付ける。ホッパー全体は、トーラス形状で、主軸(23)中央部は円柱形の空洞に成形されているので、アクチュエーター(2)による制御棒(13)の動作を干渉しない。炉心下部に整流トラップ(16)を設けて誘発性放射線吸収物質(6)が、炉心からこぼれ落ちることを防ぎ、有効な位置に充填することができる。
【0024】
図2の透視図に示すとおり、ホッパー自体はその断面が台形のトーラス形状で、主軸(23)を中心に断面台形の回転体に見立てることが出来る。主軸(23)中央部は、円柱形の空洞になっている。図2では、誘発性放射線吸収物質(6)はホッパー外壁(21)とホッパー内壁(22)の間に蓄えられる。ホッパー上部には蓋(21)が、また、ホッパーを形成する外壁(21)と内壁(22)の間には上鎹(5)と下鎹(7)が設けてあり、構造上、ホッパーの形状維持と分離ボルトによる破壊を容易にしている。
【0025】
誘発性放射線吸収物質(6)が原子炉の一部として組み込まれたホッパーの中に蓄えられていることで、あらかじめ、高温・高圧状態の原子炉内部にすでに再臨界を回避する材料を用意することが出来る。原子炉という閉じた系の中で、安全に停止することが可能になる。
【0026】
図1では、比較的小型のPWR型の低濃縮ウランを燃料とする軽水炉を想定している。このため、比較的少量の中性子吸収物質で、炉全体を臨界値内に収束させることができる場合を想定している。圧力容器(10)が小さく、また格納容器(3)の形状も制限がある。冷却液が運ぶ熱エネルギーの出口となる冷却液排出口(9)がホッパーより、低い位置に設定されている。この構造は循環効率が犠牲になる、とはいえ、既設の配管がそのまま利用でき、格納容器(3)の改造も最小限で出来るためである。このほかのタイプの原子力動力炉やプルサーマル燃料を使う場合は、異なるレイアウトとする。本説明では、既存のシステムに付加する場合を使って、既存のシステムとの相違をわかりやすく説明する意図をもって、既存システムに改造を加えない状況を使うことにした。
【0027】
緊急で非常な事象として、外部からの遮断−電源喪失、冷却液(軽水)の喪失、自動停止装置が制御棒(13)をすべて挿入し臨界状態を脱したが、崩壊熱で燃料の溶融がはじまり、メルトダウンが予測されるという状況で本発明の動作を説明する。
【0028】
冷却液喪失のため、圧力容器(10)内は高温・高圧のガスで充満する。ガスは熱伝導率が液体や金属と比べて低く、核燃料棒(12)が発生する崩壊熱を外に伝えにくく、圧力容器(10)を冷却しても、燃料溶融をとめることが出来ない。また、融解した燃料は重力に引かれて溶け落ち流れ、圧力容器(10)下部の半球形の底部の最も低い所に集まり、再臨界を起こす可能性もある。図3−aの状態。
【0029】
本発明を起動させると、扉(8)の下部のパネルフレーム(17)のロックピンがはずれて、重力に引かれてホッパー内の吸収誘発性放射線吸収物質(6)が扉(8)をヒンジ(20)を中心に押し開けることで炉心への充填が始まる。図3−bの状態。誘発性放射線吸収物質(6)として、たとえば、劣化ウランなど核燃料に近い物性を持つ金属を使うと、融解した燃料は誘発性放射線吸収物質(6)を溶かし、熱を奪われるとともに、臨界値が大きくなり、再臨界を起こしにくくなる。また、核燃料棒(12)に発生する崩壊熱を圧力容器(10)に伝えることで外部からの冷却が可能になる。充填が完了すると図3−cの状態になる。
【0030】
有事の場合、何らかの理由で下部のパネルフレーム(17)のロックピンがはずれなかったり、ホッパー内の誘発性放射線吸収物質(6)が引っかかって充填が始まらない場合、ヒンジ(20)をとめているピンを手動で引き抜いたり、ヒンジ(20)をホッパーに取り付けている分離ボルトを爆裂させたり、ホッパー下部パネル(18)を取り付けている分離ボルトを爆裂させるなどの手段で充填を始める。部分的な破壊でも重点が始まらない場合、最終手段としてホッパーの内壁(22)、下部パネル(18)を構造に取り付けている分離ボルトを爆裂させることで破壊的に充填を強制する。
【0031】
本発明の性能は、使用する核燃料と炉心大きさに見合った誘発性放射線吸収物質(6)の物性とその形状の選択で大きく変わる。様々な材料が研究開発されているが、次の6点を選択のガイドラインとして選択する。
a.核燃料の崩壊生成物により、崩壊または分裂が誘発しない。
b.誘発性放射線の吸収率が高い。
c.核燃料の比重に近い。
d.融点が高く、融解熱が大きい。
e.熱伝導率が高い。
f.高温高圧の冷却液に溶けたり、化学的に反応しない。
【0032】
ホッパーに収納する誘発性放射線吸収物質(6)の形状は、ペレット、すなわち、球形および円柱形の様に、ホッパーからリリースする時、そして炉内に充填するとき流動性を持って、重力で一様に炉内の空間を埋める形状を選択する。特に炉心の構造により、反射板、燃料棒そして制御棒(13)のアッセンブリー内の隙間を基準として、球の直径をこれより小さくした形状とする。
【0033】
ホッパーからリリースされた、誘発性放射線吸収物質(6)が有効に炉心、すなわち、燃料棒や制御棒(13)のアッセンブリー周辺に有効に充填されるように、炉心下方にあたる位置にスノコ状の整流トラップ(16)を設ける。平常時、この整流トラップ(16)は冷却液の循環を妨げることがあってはならないので、冷却液の流路抵抗が小さくなるように、整流効果のある形状の穴を多数配列する。この穴は誘発性放射線吸収物質(6)のペレット(球形もしくは円柱形)を通さないように小さくする。整流トラップ(16)の材質として、融点が高く、核分裂生成物やそれが発生する放射線によって、核分裂を起こさない、たとえば、タングステンを使用する。
【0034】
本発明の起動時、燃料棒の融解がすでに発生しており、炉内の冷却液が喪失し手いる場合、溶融燃料(26)は整流トラップ(16)を貫通して、溶け落ちて圧力容器(10)の底部に溜り、再集合して溶融燃料(27)の状態になるおそれがある。これは圧力容器(10)の底部の形状が半球形など、溶け落ちた溶融燃料が重力に引かれて一箇所に集まり、再集合しやすいためである。このような形状の底部を持つ圧力容器(10)において、溶融して溶け落ちた燃料(26)が再臨界状態にならないようにする目的で、底部トラップ(15)を設ける。底部トラップ(15)の形状は、溶け落ちた燃料を再集合させないように溶け落ちた溶融燃料(27)を分離する構造を上側にもち、下側全体を使って溶け落ちた融解燃料の崩壊熱を圧力容器(10)底部に伝播させるために圧力容器(10)底部の形状に合わせて成形する。
【0035】
ホッパーに蓄える誘発性放射線吸収物質(6)の量は次の式で求める量を最小とする。
【数1】

【0036】
「数1」において、Mhは、ホッパーに蓄える誘発性放射線吸収物質(6)の質量、Mcは、誘発性放射線の吸収物質の総質量と核燃料の混合物の臨界質量、Mfは、圧力容器(10)内に装備される核燃料の最大質量、そして、Mrは、ホッパー内に付着する誘発性放射線吸収物質(6)の質量とする。
【0037】
「数1」において、McとMfの差があらわす質量分の誘発性放射線吸収物質が占有する体積が、圧力容器(10)内の整流トラップ(16)から上、燃料棒など炉心の頂上部の範囲にある隙間空間の容積より小さい場合、この容積と炉心上部1/3の空間容積を充填する誘発性放射線の吸収誘発性放射線吸収物質(6)の質量にMrを加えた質量をMhの最小値とする。
【符号の説明】
【0038】
1. 格納容器天蓋
2. アクチュエーター
3. 格納容器
4. 圧力容器天蓋
5. 上鎹
6. 誘発性放射線吸収物質
7. 下鎹
8. 扉
9. 冷却液排出口
10. 圧力容器
11. 反射体
12. 核燃料棒
13. 制御棒
14. 冷却液導入口
15. 底部トラップ
16. 整流トラップ
17. パネルフレーム
18. 下部パネル
19. 外周フレーム(ホッパー下部)
20. ヒンジ
21. 外壁
22. 内壁
23. 主軸
24. ホッパー天蓋
25. 燃料棒(加熱状態)
26. 溶融燃料
27. 溶融燃料(溶け落ちて再集合した状態)
28. 溶融燃料(メルトダウンして漏出した状態)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
臨界系核分裂原子力動力炉において事故など有事の際、壊れても安全、もしくは、安全に壊すという目的で、炉心内を臨界状態にならないための緊急措置として連鎖反応を誘発する放射線を吸収する固体物質を原子炉に充填する緊急臨界回避装置。
【請求項2】
誘発性放射線を吸収する固体物質を炉心に充填することで、これを媒体として、炉心または燃料棒の熱を圧力容器に直接誘導することで圧力容器全体をヒートシンクの機能を持たせる緊急臨界回避装置。
【請求項3】
「請求項1」または、「請求項2」の装置に、誘発性放射線を吸収する固体物質を蓄え、機械的に短時間に充填できるホッパーを原子炉の一部とした緊急臨界回避装置。
【請求項4】
「請求項3」の装置に、誘発性放射線を吸収する固体物質を短時間にリリースする目的でホッパーに開閉動作する機械的なリリース機構を備えた緊急臨界回避装置。
【請求項5】
「請求項3」の装置に、手動で誘発性放射線を吸収する固体物質を破壊的な動作を含めて充填するリリース機構を備えた緊急臨界回避装置。
【請求項6】
「請求項3」の装置に、誘発性放射線を吸収する固体物質を短時間に充填する目的でホッパーに分離ボルトなど破壊的に動作する構造を備えた緊急臨界回避装置。
【請求項7】
「請求項3」の装置に、誘発性放射線を吸収する固体物質を短時間に重力を使って充填する目的で、誘発性放射線を吸収する固体物質をペレットとして、球状もしくは転がりやすい形に加工してホッパーに蓄えた緊急臨界回避装置。
【請求項8】
「請求項3」の装置に、誘発性放射線を吸収する固体物質を炉心に充填する目的で、適切な位置に誘発性放射線を吸収する固体物質を留めるための整流トラップを備えた緊急臨界回避装置。
【請求項9】
圧力容器の底部が半球形など、溶け落ちた溶融燃料が重力に引かれて一箇所に集まり、再集合しやすい形状の圧力容器に、再臨界状態にならないようにする目的で、溶け落ちた融解燃料が再集合しに分離構造を上側にもち、下側全体を使って溶け落ちた融解燃料の崩壊熱を圧力容器底部に伝播する目的で、圧力容器底部の形状に合わせて整形された底部トラップを備えた緊急臨界回避装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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