総合輸送システム及び方法
本発明の目的は、個人用車両を共用する、人々のための総合輸送方法及びシステムであり、車両をピックアップし又戻すための自動手段が設けられている複数の駐車建造物が設けられている区域内において移動するために、複数の車両(5)が一群の利用者は利用するために用意されている。本発明により、公共交通機関網(R、M)が設けられている地域がある都市区域のために、公共交通機関網の少なくとも或る数の乗換駅から徒歩数分でアクセスできる短い距離に駐車建造物が設けられており、それら駐車建造物は、少ない地表面積の垂直移動システムに少なくとも10台の車両を収容できる形式であり、個人用車両は、利用者にとって公共交通機関網を補完する手段を構成しており、利用者はいつでも、公共交通機関網の停車駅の出口で車両をピックアップして個々の旅程を遂行でき、目的地に非常に近い、又は公共交通機関網に乗換えて旅程を続行するための乗換駅に近い駐車建造物(T)の受入れスペース(12)に車両を戻すことができる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、公共輸送網を完璧なものにするように、所与の住民の自由使用のために置かれた一群の自動車(乃至は自律移動体)によって、限られた領域、特に都市部内の人々の個別的な及び総合的な輸送のためのシステム及び方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
現在、密度の高い都市領域は、ますます汚染されており、自家用車が走り回ることによってますます混雑している。この問題を解決するために公共輸送システムが開発された。
【0003】
しかし、通常の道路システムを使用するバス輸送も依然として汚染源であり、移動速度が低い。その理由は、確保されているバスレーンを利用した場合でも、少なくとも交差点において自家用車による妨げを受けて、その結果、平均速度は比較的低いまま止まるためである。
【0004】
例えば地下鉄のような地下輸送システムは、汚染源にはほとんどならず、且つその移動速度は良好である。しかし、たとえ密度の高い地下鉄システムが20世紀の初めにいくつかの都市で建設できたとしても、その延長には非常に費用がかかり、或る限られた線しか又は既存の鉄道線を利用する場合しか延長することができない。更に、都市の拡大は、家庭と仕事場との間を移動する人々の移動距離を長くしている。
【0005】
都心へのアクセスを容易にするために、多くの場合既存の鉄道線を利用して、地域的な輸送システムが構築されている。しかし、鉄道線は、多くの場合都心から放射状に延びるように組織されており、周辺の町や郊外の地域同士を結ぶ周辺の鉄道が存在することは稀である。
【0006】
従って、自家用車を使用することは、多くの人々にとって、少なくとも地域的な公共輸送網にアクセスするために必要な輸送手段であり、そのため、車両の駐車場を建設しなけばならず、それは、駐車する車両の数に見合う広大な土地が必要とされるために、市区町村にとって大きな費用負担になる。
【0007】
立体駐車場をつくったとしても、アクセスランプが必要であり且つ各階に循環通路が必要であり、結果として、各駐車車両毎の必要スペースは、25m2を必要とする。従って、立体駐車場は、相当量のスペースを占有することになり、地面で考えても、都市部の地価を考慮すれば、有益性があると言うには余りに高価である。土地に係る状況が許容可能な都市においては、地下駐車建造物を作るために公共財産を利用できるが、駐車可能な車両の数が不十分であり且つ費用がかかり過ぎる。
【0008】
更に、このように使われる自家用車は、ほとんどの時間、地上に静止したままである。
【0009】
何れにしても、自動車交通量の増加及びその結果としての環境汚染の深刻化を考えると、自家用車の乗り入れを制限するとか、都市中心部に課金システムを導入して自家用車の利用を制限するとかのような過激と言うこともできる新しい解決策を捜すことが必要である。
【0010】
より遠隔から来ている通勤者のために、都心へのアクセスできる公共交通機関への乗換え駅に近い都市周辺部に大きな駐車領域を建設することができる。一方、公共交通機関網は、十分な密度を有していることは稀であり、しばしば、人々は最終目的地に到達するために長い距離を歩くことが必要である。
【0011】
都市中心部の回り都市化した市町村の間に環状線を作ったとしても、公共交通機関の可能性は常に制限され、実現するに非常に費用が掛かる。従って、多くの場合、自家用車への依存は必要である。
【0012】
他の選択肢はタクシーを利用することである。しかし、タクシーを見つけることが困難なほどタクシーが少ない特に都市中心より外側では、タクシー利用は困難になる。
【0013】
我々が自家用車の利用を避けたい場合、もう1つの可能性は、例えば鉄道の駅又は空港に近くのレンタカー店からの車を借りて、最終的に、別のレンタカー店に借りた車を返すことである。しかし、このシステムは、むしろ高価であり、遠い都市間の長い距離移動の場合及び1日以上の期間の利用の場合のみ、実用的であるかもしれない。
【0014】
自家用車の利用の必要なく、限られた地域内の人々の移動を容易にするために、自動車の共同利用(カーシェアリング)システムが提案されている。
【特許文献1】EP-A-0991031
【0015】
例えば、特許文献EP-A-0991031は、遊園地内の異なる目的地の間の個人の移動を可能にする共同利用システムを開示している。この種類の公園は明らかに自家用車の使用を禁止しており、そして、シャトルシステムの利用は、アトラクション会場とアトラクション会場との間に移動できるようにしているが、一方、そのたびに長い待ちが必要である。従って、この文書は、各場所で複数の車両が利用可能であるように、ホテルに隣接して設けられた駐車場及び公園内の様々なアトラクション会場に隣接して設けられた駐車場の間に分散された独立した車両の共用システムを提案している。各来場者は、駐車場への入場を許可する制御システムにリンクされた車両利用許可証を取得して、来場者は、車両を駐車場から出して、アトラクション会場への移動手段として車両を利用し、そのアトラクション会場に、その車両を駐車することもでき、その後、その車両を他の来場者が利用することもできる。この方法では、来場者が、公園に滞在の間中車両を借りて、その来場者が各アトラクション会場にいる間中そのアトラクション会場にその車両が停車させたままにするのではなく、或るアトラクション会場に駐車させた車両を、そのアトラクション会場から出て行く別の来訪者が直ぐに利用することができる。この場合、用意する車両の数並びに各駐車場の大きさは、各来訪者がアトラクション会場から出てゆくときに来訪者自身の裁量で車両を発見できるように、来訪者の数と各アトラクションの公演時間の長さとに応じて計算できる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0016】
本発明者は、都市部での車両の循環を効率的にするための車両の収容及び共同利用のための総合的なシステムを創造するアイデアを持った。そのアイデアでは、公共交通機関網を補う手段として一群の自動車の利用を可能にし、何時でも利用者自身の裁量で車両を有することが保証されている利用者は、年中心部で利用者自身の自家用車を利用しなくなるであろうし、又は、その利用者が都市の外から来た人である場合には、都市周辺部に利用者自身の自家用車を駐車させておくことを受け入れ、ここに提案する総合的輸送機関を利用するであろう。
【0017】
本発明者は、その目的のためには、沢山の条件が満足されねばらないことは理解している。
【0018】
まず第一に、公共交通機関について始めた研究によれば、短い距離でない限り徒歩での移動は、大多数の利用者にとって受容れ難いことがわかった。例えば、ローカルな輸送機関網の間や地域的な輸送機関網との間に接続されている高密度な公共交通機関網の便利さを享受しているパリ(又は他の類似した大都会)のような都市においては、利用者は、(動く歩道が利用できない限り)4、5分又は300mから最大500mを越える徒歩での乗換え時間を我慢することは困難と思われた。
【0019】
カーシェアリングシステムで公共交通機関網を補って完全なものにするためには、車両を収容する駐車用車庫が接続駅の直ぐ近くに位置している必要がある。
【0020】
これにより、非常に沢山の駐車用車庫を、空き地が乏しく且つ地価が非常に高い都市領域全体に分布させることができる。
【0021】
更に、各利用者が、開いている車両を直ぐにも見つけたいであろうし、そして、遊園地で利用者の数よりはるかに大きいであろう利用者の数を考えるならば、各車庫は、沢山の車両を収容できなければならないであろうし、実際上は、システムがサービスを提供する公共交通機関の乗換駅にもよるが、15〜20の車両を収容できなければならないであろう。
【0022】
同時に、車両を返す各利用者は、可能な限り最短の時間で公共交通機関に乗換えることができるように、非常に速く車を返したいであろう。
【0023】
従って、本発明の目的は、上記した問題の全てを解決する、カーシェアリングシステムを利用した個々の及び総合的な輸送の新しい方法を提供することである。
【0024】
本発明によるならば、複数の停車駅が存在し、異なる路線が合流するところに乗換駅が設けられている公共交通機関網がある大都市圏である領域において、上記公共交通機関網の少なくとも複数の所定の乗換駅から徒歩数分の短い距離に駐車用建造物を設置し、上記駐車用建造物は、最小の土地面積で少なくとも10台以上の自動車を収容できる垂直移動形式であり、各駐車用建造物は、戻り車両が直ぐに入庫できる少なくとも1つの入口スペースと、利用者が直ぐに利用可能な待ち車両が駐車している出口スペースとを有しており、上記自動車は、いつでも利用者が、上記公共交通機関網の乗換駅の出口で車両を借り出して、その車両をそれぞれの移動のために使用し、そして、その車両を、公共交通機関網による利用者の移動を更に続けるための乗換駅の直近に位置する駐車用建造物の入口のオープンスペースに戻すことができる、公共交通機関網を完全なものにする補完手段である。
【0025】
上記した目的のために、本発明の好ましい実現手段によるならば、自動化された各駐車用建造物は、入口スペースの1台以上の車両を入庫して、1台以上の車両を戻せるように1つ以上の空きスペースが直ちに利用できるように上昇するコラムと、一人以上の先行する利用者により車両が既に出庫された後に、出口パレットにおいて一人以上の利用者が出庫できるように新たな1台以上の利用可能な車両を直ちに利用できるように下降するコラムとの2つのコラムに沿って駐車パレットが垂直に移動する立体駐車場形式である。
【0026】
従って、本発明は、大都市圏の人々の輸送するための総合的なシステムを提供する。当該システムは、
個々の停車駅と輸送路線が交差する乗換駅とを有する少なくとも1つの公共交通機関網と、
利用者群の利用に供される自動車群であって、各自動車は、当該自動車に乗り且つ運転するためのキーシステムが設けられており、一方、利用者群の各利用者には、上記自動車を運転する権利を付与する個人化された(personalized)車両利用証が付与されている。
上記公共交通機関網の内の特定な複数の停車駅の近くに配置された複数の自動化駐車建造物であって、各自動化駐車建造物が、最小の土地面積で少なくとも10台以上の自動車を収容できる立体式であり、且つ、使用された後の1台以上の自動車を即座に入庫するための少なくとも1台分以上の空きスペースと、1人以上の利用者が出庫して利用可能な1台以上の自動車を収容したスペースとを地上レベルに有している、複数の自動化駐車建造物とを具備しており、
大都市圏又は都市の周辺部又は郊外の地区内の目的地に通う必要がある各利用者は、その行程の一部に公共交通機関網を利用し、その行程の他の部分に、自動車を利用して通うことができ、徒歩での移動を最小にし、且つ、自動車のピックアップ(出庫)及び戻し(入庫)のための待ち時間が短くできるものである。
【0027】
効果として、駐車建造物の下方部を、入庫及び出庫のレベルより下に埋め込んで、建造物の地上高さを減少することができる。
【0028】
本発明の好ましい別の特徴によれば、電気自動車又はハイブリッド自動車を使用して、各車両収容スペースには、車両が駐車建造物に収容されている間に車両のバッテリーを再充電するための手段が設けられる。
【0029】
本発明の好ましい更に別の特徴によれば、各個人化車両利用証は、自動車が使用される時間量又は走行距離に従って、車両を利用する個人化車両利用権保有者のための支払い手段を構成する。
【0030】
好ましくは、各個人化車両利用証は、個人化された(personalized)コードを有するスマートカードからなり、その個人化されたコードを入力すると、カード保有者が、車両を借り出すために必要な全操作を実行でき、且つ車両を利用するための支払いもできるようにプログラムされている。更に、スマートカードは、或る期間中の或る領域全体に亘る公共交通機関の利用券として利用することもできる。
【0031】
本発明は、都心の自動車交通を減少させるだけでなく、潜在的に自動車交通を解消する利点を有している。本発明は更に、公共交通機関システムを通常殆ど恩恵を利用できない辺鄙な郊外を含む大都市圏全体に適用することができる。
【0032】
特に効果的な別の特徴によれば、都市中心が、領域的な輸送網を利用できる環状郊外地域で囲まれている大都市圏の場合、その領域的な輸送網の少なくとも或る数の駅に、複数の待ち車両が収容されている自動化駐車建造物を設けて、領域的な輸送網を利用する利用者が、駅に降りたら直ぐに車両を利用して、最終目的地に係わりなくその旅程を続けて、そして、車両を借り出した自動化駐車建造物か又は最終目的地に近い自動化駐車建造物に車両を戻すことができる。
【0033】
特に、領域的な輸送網の路線が互いに遠く離れている通常の場合、領域的な輸送網を直接利用できない区域に、自動化駐車建造物に徒歩で容易に行けるように複数の自動化駐車建造物を分散配置して、利用者が車両を借り出して、その車両を受け入れることができる自動化駐車建造物が設けられている領域的な輸送網の駅、又は最終目的地に近い別の自動化駐車建造物に戻すことができる。
【0034】
しかし、本発明は更に、大都市と、比較的大きな距離離れているが自動車の走行範囲に適している小さな周辺都市との間の接続を容易にする。その場合、小さな周辺都市には、都市の規模に応じて1つ以上の自動化駐車建造物を設けて、利用者が大都市の輸送システムに行くことができ、又は自家用車を使用せずに他の周辺都市に行くことができる一方、その旅程を済ますにかかった時間分だけの支払いで済むようにできる。
【0035】
本発明の他の有利な特徴は、非限定的な例として示す都市輸送システムについての、添付図面を参照した以下の説明から明らかになる筈である。
【0036】
図1は、複数の公共交通機関網を備えている都市の例を模式的に図示しているものであり、例えば地下鉄線又は地表鉄道線M1、M2、...Miに沿って停車駅S及び乗換駅Cが位置しており、コミュータ鉄道線R1、R2に駅G1、G2が位置している。
【0037】
従来の交通システムでは、地点P1にいて、地点P2に行くために公共交通機関を利用した利用者は、最も近い駅S1に行き、路線M1を利用して乗換駅C1まで行き、次いで、路線M4に乗換えて、地点P2に最も近い駅S2まで行く。もし利用者は、旅程時間が余りに長いと判断すれるならば、利用者はタクシーを呼んで地点P1から地点P2へ直接行くことができる。しかし、交通費が高くなる。
【0038】
更に、同一利用者が、地点P2に到着した後、更に例えば地点P3に行くかもしれない。地点P2と地点P3との距離は徒歩で行くにはあまりに遠く、利用者は、駅S2まで戻り路線M4に乗って乗換駅C2まで行って、路線M5に乗換え、更に駅C3で路線M2に乗換えて、目的地点P3に最も近い駅S3で降りなければならない。
【0039】
このような移動行程は、本当に長く且つ複雑であり、徒歩で移動し且つ長い待ち時間が必要な乗換駅の沢山な乗換えを必要とする。
【0040】
一方、以下に説明する本発明によるシステムによれば、移動時間を短縮でき、乗換え地点での待ち時間を短くして公共交通機関を補う手段となる個人的な移動手段を利用者が利用できるより簡単な移動手段が実現できる。このシステムにおいて、該当領域に、好ましくは公共交通機関の乗換駅近く、又は他の戦略的な場所に、或る数の例えば15〜20以上の自動車が収容される或る数の自動化駐車建造物T1、T2、...Tiが設けられる。
【0041】
このような方法によれば、地点P1から路線M2に乗車した利用者は、乗換駅C1で降りて、その乗換駅C1に近い駐車建造物T2で車を探し、自由に利用者自身の旅程を選んで地点P2に移動し、更に、同じ車で、利用者の第2の目的地P3に向かって移動を続けて、その後、自動化駐車建造物T3に車を預けて、公共交通機関の乗換駅M2に行き、乗換駅C4で乗換えて路線M1で駅S1に戻る。
【0042】
しかし、個々の旅程の各々が各人に利用可能な移動手段によってなされる範囲において、利用者は、複数の選択肢から選択できる。例えば、利用者は最初の駅C4で路線M1を降りて、最も近い駐車建造物T1で車をピックアップして、利用者自身の旅程を自由に選択して、地点P2及びP3を通って移動して、最終的に駐車建造物T1に戻って、車を戻し、利用者が来た同じ路線M1に戻る。
【0043】
従って、本発明によるシステムによれば、好ましくは大量輸送システム又は駅、商業ゾーン、病院、大学又は多様な様式の乗換えプラットホームのような都市内の他の戦略地点に近く、領域全体に亘って分布した沢山の駐車建造物に非常に多数の車両が用意されるならば、アクセスカードを購入した多数の人々が利用可能な範囲で、タクシー又は普通のレンタカーに比較して適切な価格で利用者に非常に多岐に亘る自由自在性をもたらすことができる。
【0044】
上述したように、自家用車の走行を減らすために、我々がすでに指示を出した、利用者が利用できるようにされた自動車は、大量輸送システムを本当に補完する必要があり、そして、全領域に分布される自動化駐車建造物は、車の出庫及び入庫を迅速にできて、乗換えに伴う全時間量が数分で済ませることができねばならない。
【0045】
かかる目的のために、使われる自動化駐車建造物は、図2から図6に模式的に図示している立体式である場に合特に有利である。
【0046】
この形式の駐車建造物は、タワーの形の建物2内部に2つの平行なコラム11、11’を構成しているボックス1又は保管パレットを積み重ねた組立体を一般に具備している。その建物2内部には、図4に模式的に図示する機構3が、ボックス1を動かすように保持している。
【0047】
この機構は、タワー2の頂部及び底部にそれぞれ置かれた2つのスプロケット31及び32の間に張られたチェーンドライブ3から成り、2つのスプロケット31及び32は、モータ(不図示)によって水平軸30及び30’のまわりを回転するようになされている。
【0048】
従って、チェーンドライブ3が、2つの平行な垂直部分、それぞれ上昇部分33及び下降部分33’からなり、嵌め込み手段35によってチェーン3に対して直角に保持されたアーム34が取り付けられている。
【0049】
各ボックス1は、その上部が、アーム34の自由端36に、吊下げ懸架を可能にする関節継手によって取り付けられている。
【0050】
この方法により、図4に図示するように、チェーンドライブ3の2つの平行な垂直部分33及び下降部分33’に沿って、アーム34は水平に延びており。ボックス1は、2つの平行で垂直なコラム11、11’に沿って重ね合わされている。スプロケットホイール31及び32が回転させられると、コラム11のボックスは、頂部に向かって垂直に移動し、コラム11’のボックスは底部に向かって垂直に移動する。スプロケットホイール31及び32の周りを通るとき、アーム34が軸30及び30’の周りをまわるときはアーム34は半径方向に向いたままであり、一方、ボックスは、吊下げられているので、水平状態を維持している。
【0051】
上昇コラム11及び下降コラム11’との間の平衡を維持するようにパレット1に保管される車を分散することができる。
【0052】
このようにして、タワー2は軽量フレーム、好ましくは軽量金属フレームでつくることができる。
【0053】
図5及び図6に示すように、チェーンドライブ3は、2つのチェーン3a及び3bから構成され、各パレット1は、アーム34a及び34bに吊下げられ、それら一対のアームは、上方位置及び下方位置において、2つの互いに離隔されたスプロケットホイール31a及び31bの周りを回転する。
【0054】
タワーの基部21は、安定性を確保するに十分な深さの地中に埋められており、入出庫プラットホームは、図4に示すように地上レベルに、又は、中間レベルに設けられる。
【0055】
この態様において、チェーンドライブ3に噛合わせてスプロケットホイール31及び32を回転させると、下降コラム11’のボックス12又は上昇コラム11のボックス13を、入出庫プラットホーム4の高さに持ってくることができる。図7及び図8において、使用後に車5を戻す方法を模式的に図示している。
【0056】
ルーフカバーが設けられている戻しレーン41は、タワー2の最下部にプラットホーム4に置かれ、タワー2の構造の基部に開く開閉ドア22につながっている。
【0057】
利用者が車を戻しレーン41に駐車した後、利用者は、カードリーダ7に利用者の戻りを登録し、駐車建造物2に委託されたサービスエージェント20が車を受け取り、チェーンドライブ3の変位によって入出庫プラットホーム4の高さに合わされている空の保管ボックス3に入れる。
【0058】
好ましくは、車5は電気自動車又はハイブリッド自動車であり、そして、各保管ボックス1は、電源に配線されている充電ポスト23を備えている。
【0059】
図9に示すように、新しい利用者によって車51が引き出され新しい車52と入れ替えられたために、又は、別の車が駐車建造物の到着口に戻ってきて入口のボックス12に保管されるために、車5は、チェーンドライブ3の変位の結果として駐車建造物内部を徐々に上昇してゆく。
【0060】
各車両が、上昇コラム11から下降コラム11’に段段と移行してゆき、或る時間の間、タワー2内に保管された状態にあり、その間に、バッテリを再充電することができる。
【0061】
バッテリを再充電するに必要な時間を確保できるように、各タワーにおいて用意される車の数は、予想使用頻度に適合させることができる。
【0062】
上述したように、上昇コラム11及び下降コラム11’を有する立体式駐車建造物を使用することにより、2つのコラムと、それら2つのコラムの間に必要なスペースとによって決定される土地面積内に多数の車5を保管することができる。
【0063】
更に、標準的な多床式駐車建造物に比較して、車を垂直に移動させる自動駐車建造物は、利用者が建造物の内部に入らないので、アクセスランプが不要であり、車両の高さによって決定される各床の高さの違いがない。
【0064】
従って、図2から図5に示すように、従来の駐車建造物において必要な土地面積に比較して1/3から1/4の少ない土地面積に15台から20台又はそれ以上の車を駐車させることができる。実際、駐車可能な車の数は、駐車建造物の高さと、駐車建造物に利用可能な土地面積とにのみ関係する。
【0065】
実際問題として、標準的な多床式駐車建造物が、車両1台当たり25平方メートルの土地面積を占領するのに対して、高さ30メートルのタワー内に2つのコラムを有する立体式駐車建造物は、幅及び奥行きそれぞれ10メートル子か占有せず、車庫面積を最小にでき、例えば、保管車両1台当たり3から5平方メートルの土地面積で済む。
【0066】
この形式の車庫を利用することにより、車庫の占有土地面積を減少でき、都市中心部でも、例えば15台から30台又はそれ以上の沢山の車を収容できるような沢山の自動化駐車建造物を実現でき、公共交通機関の乗換え駅に立つ利用者は、利用可能な車を発見できる。
【0067】
車を収容したボックスを増分的に垂直に移動させることにより、戻された車をボックスに入庫した後、そのボックスを空のボックス12と直ぐに替えることができ、更に、利用者が車51を出した後、未だ利用者が決まっていない新しい車を出口スペース13に直ぐに置くことができる。
【0068】
この方法により、立体式駐車建造物は、車の利用者に利用可能にすべき車のための条件の全てに応えることができ、路線を乗換えるときに必要な移動と同程度の徒歩移動及び待ち時間で、乗換駅に近くで自動車を調達又は返却できることが各利用者に保障された、公共交通機関網の本当の補完手段を構成する。
【0069】
この点に関して、利用者のために予め用意される車両の大きな数並びに予測される利用頻度により、車両が公共交通機関網の補完手段になることを考えるならば、代理人に各駐車建造物を委ねて、車両のピックアップ及び返却のための動作を監督させることは費用的に効果的であろう。そして、処理をより速くするために、代理人なしの完全に自動化したシステムも考えられる。
【0070】
図10及び図11は、利用者の車両利用証を駐車建造物出口22’に置かれたカ−ドリーダ71に提示して、依頼者であることが確認された新規な利用者によって車がピックアップされることを模式的に図解している。
【0071】
サービスエージェント20又は自動化システムは、入出庫プラットホーム4の位置に予め置かれた車両51を前進させて、車両ピックアップゾーン42に位置させる。
【0072】
必要ならば、サービスエージェントが任意の必要な確認をした後、利用者は車をスタートさせて利用者自信の旅程を行い、同一駐車建造物又は都市内の別の場所の他の駐車建造物に車を戻す。
【0073】
上述したように、同一の個人化車両利用証は、車をピックアップ又は戻すためにどのような駐車建造物への入場許可証と、車の鍵の開錠及び施錠を制御すする手段と、どのような車の始動手段と、使用時間又は結果的には走行距離に基づく車利用料の支払い手段とを同時に構成させることもできる。
【0074】
更に別の利点として、車両利用証は、秘密コード付きのスマートカードとして構成することもでき、利用者の秘密コードをログインした後に、カードの保有者が、車を予約し、使用に対する支払いするために必要な全操作を遂行することができる。
【0075】
スマートカードは、入出庫プラットホームが安全な領域であるならば、入出庫プラットホームに入ることを許可し、駐車建造物の入口端末7又は出口71でスマートカードを提示することによって、その保有者が認識される。
【0076】
図13に示されるように、利用者は、リーダ81にスマートカード8を挿入して、車を開錠して車をスタートさせるためにキーボード82に利用者のコードを入力することができる。
【0077】
車が動き出したならば、又は、カードが出口端末71のカードリーダに挿入されたならば、カウンタ83はカウントを開始し、車が戻されてカードが入口端末7に挿入されたならば、カウンタ83はカウントを停止する。
【0078】
公共輸送機関に対する補完手段としての車の利用を容易にするために、利用者が取得したカードは、所定の期間の間、都市区域の所定の領域全体に亘って公共輸送機関網を利用するパスを更に構成することができる。インターネットにリンクされる各利用者の携帯電話により、各利用者が車両の予約及び車の起動を認可する個人のコードを得るようにもできる。
【0079】
2つの良くバランスが取って重ねられたコラムに車両を保管することにより、駐車建造物は、比較的安い、そして、限られたスペースしか占有しない相当軽量な建造物として構成することができる。
【0080】
更に、正常なサービスの間、駐車建造物に入る人はおらず、従って、床板は必要なく、喚起通気システムは単純化することができることは注目されたい。
【0081】
図12に示されるように、駐車建造物は、例えば、橋塔の建設のために使われる穴開け技術によって、地中に様々な深さに埋め込むことができる。
【0082】
都市内の駐車建造物の配置、及び当然として、土地の状態の性質に従い、埋め込み部分21と地上部分24の相対的な高さを変えることできる。
【0083】
このような特徴により、都心中心部に沢山の駐車建造物を容易に配置することができる。
【0084】
当然、本発明は、一例としてのみ上述した実施例の詳細に限定されるものではなく、例えば均等な手段を使用している全ての変形例を含むものである。
【0085】
例えば、システムが頻繁に利用されることが予想できる場合、例えば、幅15〜16メートルのスペースに40台以上の車を収容できる図14に模式的に示すような2プラットホームのシステム、又は、幅及び奥行きが15メートルのスペースに80台以上の車を収容できる図15に模式的に示すような4プラットホームのシステムのようなより大きな寸法の駐車建造物をつくることも可能である。
【0086】
更には、ガス放出による都市の汚染を減らすために電気自動車又はハイブリッド自動車を使用することが好ましい。しかし、自動化駐車建造物内の車両の移動には、車を走らせるためのエンジンは必要ないので、システムは更に、普通のガソリン車にも適用できる。
【0087】
更に、駐車建造物の大きさを最小にするために同一車両又はコンパクトカーを使用すると特に利点がある。しかし、駐車建造物の寸法特徴に合った寸法特徴を有する様々な異なる形式の車両を使用することも可能である。
【0088】
多数の利用者による利用を容易にする一方で、利用者がそれらの自家用車の使用を避けることを促すために、異なる形式の車両の中から、殆どスペースを取らない車両、例えば大きい手荷物スペースを有する2人乗りの車、又は4人乗りの車、又は、手荷物又は他の物を容易に載せることができるピックアップ型の車を選択することも可能である。
【0089】
駐車建造物のコラム11、11’に沿って異なる形式の車を分散させて、委託された代理人の制御により又は自動化システムの適用により、利用者が選択した車が出口レーンに位置付けられるようにできる。
【0090】
旅程が完全に自由自在である一方、車両を利用した時間の長さに応じて請求されるので、利用者は、例えば都心と郊外との間の、又は大都会の周りの衛星都市の間の長い距離の行程を移動することできることも注目されたい。
【0091】
従って、駐車建造物T6は、ローカル輸送路線R1の駅G3の近くに置かれてもよい。又、駐車建造物T7は、都市からの比較的大きい距離にある空港G4の近くに置かれてもよい。
【0092】
しかし、地価が自動化駐車建造物の建設を正当化しない場合でも、都市内に位置する駐車建造物内に置かれた車両の形式と同一形式の或る数の車両を地上駐車で利用者の利用に供することもできる。なぜならば、これら車両はどれでも、車両利用証、又はスマートカード、又は個人化アクセスコードを与えるインターネット・コネクションによって、鍵を開けて運転することができるためである。
【0093】
この場合、飛行機で到着した利用者のために、空港G4に近い駐車建造物T7で自動車をピックアップして、利用者が望むように自由に移動して、その後、駐車建造物T6に車を戻して、ローカル輸送網の路線R1に乗ることもできる。
【0094】
更に、図16に模式的に図解するように、駐車建造物のために必要とされる床面積が最小であることにより、都市区域の中心部のまわりに沢山の駐車建造物を分散して建設することが可能である。
【0095】
図16において、複数のローカル輸送路線R1、R2、R3、R4及び郊外間輸送路線R5を図示した。収容容量が大きな地上駐車場A1、A2、...が各路線の終点に設けられ、遠方からの利用者が利用者の自家用車を駐車することができ、一方、自動車のための自動化駐車建造物T’1、T’2、...は、終点で予測される使用頻度に適した容量を有している。
【0096】
この態様では、遠方の都市から来た利用者が、利用者の自家用車を駐車場A1に残し、都心に向か路線R1に乗車するか、又は、駐車建造物T’1の自動車を利用して郊外の任意の場所に行くことができ、その場所において、利用者は、車を預けることができる別の駐車建造物T’5を見付けることができ、従って、帰りの旅程のために、利用者は、別の自動車を直ぐに得ることができ、駐車場A1に戻ることができる。
【0097】
更に、郊外、例えばP’1に在住しており、他の郊外、例えばP’2へ行きたい人は、その人の居住地に近い駐車建造物T’5で車をピックアップして、公共交通機関の駅S6に行き、その駅に近い駐車建造物T’6に車を置き、公共交通機関を利用して駅S7に行き、その駅に近い駐車建造物T’7で別の車をピックアップして、目的地近くの駐車建造物T’8に車を戻すことができる。
【0098】
充分な数の自動化駐車建造物が或る領域全体に亘って分散配置されているならば、移動時間を短縮できる移動方法を利用者が選択できる沢山の可能性があることは理解できよう。
【0099】
従って、ローカル路線(領域輸送路線)の間の乗換えが都市区域の中心部のみ通常確保されている場合、公共交通機関網を補完する本発明による共用システムにより、駐車建造物を備えている駅で第1の路線R1から降車して、自動車をピックアップして、駐車建造物を備えている駅で第2の路線R1に接続し、その車を駐車建造物してから路線R4に乗車することができ、都市中心部まで行くことなく乗換えができる。
【図面の簡単な説明】
【0100】
【図1】本発明による輸送システムを備えている町の全体図である。
【図2】自動化ガレージの正面図である。
【図3】自動化ガレージの側面図である。
【図4】車両を収容するための機構の横断面図である。
【図5】車両を収容するための機構の水平断面図である。
【図6】車両を収容するための機構の機能を斜視図で模式的に図示している。
【図7】駐車建造物において、使用後の戻された車両を側面から模式的に図示している。
【図8】駐車建造物において、使用後の戻された車両を上から模式的に図示している。
【図9】車両が収容されている駐車建造物の部分立面図である。
【図10】車両を借り出す利用者を側面図で模式的に図示している。
【図11】車両を借り出す利用者を上から模式的に図示している。
【図12】駐車建造物の様々な配置態様を図示している。
【図13】支払システムを模式的に図解している。
【図14】2つの可能な実現方法の一方の水平断面図を図示している。
【図15】2つの可能な実現方法の他方の水平断面図を図示している。
【図16】郊外又は新しい都市に囲まれている主要都市に本発明の適用した例を図解している。
【技術分野】
【0001】
本発明は、公共輸送網を完璧なものにするように、所与の住民の自由使用のために置かれた一群の自動車(乃至は自律移動体)によって、限られた領域、特に都市部内の人々の個別的な及び総合的な輸送のためのシステム及び方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
現在、密度の高い都市領域は、ますます汚染されており、自家用車が走り回ることによってますます混雑している。この問題を解決するために公共輸送システムが開発された。
【0003】
しかし、通常の道路システムを使用するバス輸送も依然として汚染源であり、移動速度が低い。その理由は、確保されているバスレーンを利用した場合でも、少なくとも交差点において自家用車による妨げを受けて、その結果、平均速度は比較的低いまま止まるためである。
【0004】
例えば地下鉄のような地下輸送システムは、汚染源にはほとんどならず、且つその移動速度は良好である。しかし、たとえ密度の高い地下鉄システムが20世紀の初めにいくつかの都市で建設できたとしても、その延長には非常に費用がかかり、或る限られた線しか又は既存の鉄道線を利用する場合しか延長することができない。更に、都市の拡大は、家庭と仕事場との間を移動する人々の移動距離を長くしている。
【0005】
都心へのアクセスを容易にするために、多くの場合既存の鉄道線を利用して、地域的な輸送システムが構築されている。しかし、鉄道線は、多くの場合都心から放射状に延びるように組織されており、周辺の町や郊外の地域同士を結ぶ周辺の鉄道が存在することは稀である。
【0006】
従って、自家用車を使用することは、多くの人々にとって、少なくとも地域的な公共輸送網にアクセスするために必要な輸送手段であり、そのため、車両の駐車場を建設しなけばならず、それは、駐車する車両の数に見合う広大な土地が必要とされるために、市区町村にとって大きな費用負担になる。
【0007】
立体駐車場をつくったとしても、アクセスランプが必要であり且つ各階に循環通路が必要であり、結果として、各駐車車両毎の必要スペースは、25m2を必要とする。従って、立体駐車場は、相当量のスペースを占有することになり、地面で考えても、都市部の地価を考慮すれば、有益性があると言うには余りに高価である。土地に係る状況が許容可能な都市においては、地下駐車建造物を作るために公共財産を利用できるが、駐車可能な車両の数が不十分であり且つ費用がかかり過ぎる。
【0008】
更に、このように使われる自家用車は、ほとんどの時間、地上に静止したままである。
【0009】
何れにしても、自動車交通量の増加及びその結果としての環境汚染の深刻化を考えると、自家用車の乗り入れを制限するとか、都市中心部に課金システムを導入して自家用車の利用を制限するとかのような過激と言うこともできる新しい解決策を捜すことが必要である。
【0010】
より遠隔から来ている通勤者のために、都心へのアクセスできる公共交通機関への乗換え駅に近い都市周辺部に大きな駐車領域を建設することができる。一方、公共交通機関網は、十分な密度を有していることは稀であり、しばしば、人々は最終目的地に到達するために長い距離を歩くことが必要である。
【0011】
都市中心部の回り都市化した市町村の間に環状線を作ったとしても、公共交通機関の可能性は常に制限され、実現するに非常に費用が掛かる。従って、多くの場合、自家用車への依存は必要である。
【0012】
他の選択肢はタクシーを利用することである。しかし、タクシーを見つけることが困難なほどタクシーが少ない特に都市中心より外側では、タクシー利用は困難になる。
【0013】
我々が自家用車の利用を避けたい場合、もう1つの可能性は、例えば鉄道の駅又は空港に近くのレンタカー店からの車を借りて、最終的に、別のレンタカー店に借りた車を返すことである。しかし、このシステムは、むしろ高価であり、遠い都市間の長い距離移動の場合及び1日以上の期間の利用の場合のみ、実用的であるかもしれない。
【0014】
自家用車の利用の必要なく、限られた地域内の人々の移動を容易にするために、自動車の共同利用(カーシェアリング)システムが提案されている。
【特許文献1】EP-A-0991031
【0015】
例えば、特許文献EP-A-0991031は、遊園地内の異なる目的地の間の個人の移動を可能にする共同利用システムを開示している。この種類の公園は明らかに自家用車の使用を禁止しており、そして、シャトルシステムの利用は、アトラクション会場とアトラクション会場との間に移動できるようにしているが、一方、そのたびに長い待ちが必要である。従って、この文書は、各場所で複数の車両が利用可能であるように、ホテルに隣接して設けられた駐車場及び公園内の様々なアトラクション会場に隣接して設けられた駐車場の間に分散された独立した車両の共用システムを提案している。各来場者は、駐車場への入場を許可する制御システムにリンクされた車両利用許可証を取得して、来場者は、車両を駐車場から出して、アトラクション会場への移動手段として車両を利用し、そのアトラクション会場に、その車両を駐車することもでき、その後、その車両を他の来場者が利用することもできる。この方法では、来場者が、公園に滞在の間中車両を借りて、その来場者が各アトラクション会場にいる間中そのアトラクション会場にその車両が停車させたままにするのではなく、或るアトラクション会場に駐車させた車両を、そのアトラクション会場から出て行く別の来訪者が直ぐに利用することができる。この場合、用意する車両の数並びに各駐車場の大きさは、各来訪者がアトラクション会場から出てゆくときに来訪者自身の裁量で車両を発見できるように、来訪者の数と各アトラクションの公演時間の長さとに応じて計算できる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0016】
本発明者は、都市部での車両の循環を効率的にするための車両の収容及び共同利用のための総合的なシステムを創造するアイデアを持った。そのアイデアでは、公共交通機関網を補う手段として一群の自動車の利用を可能にし、何時でも利用者自身の裁量で車両を有することが保証されている利用者は、年中心部で利用者自身の自家用車を利用しなくなるであろうし、又は、その利用者が都市の外から来た人である場合には、都市周辺部に利用者自身の自家用車を駐車させておくことを受け入れ、ここに提案する総合的輸送機関を利用するであろう。
【0017】
本発明者は、その目的のためには、沢山の条件が満足されねばらないことは理解している。
【0018】
まず第一に、公共交通機関について始めた研究によれば、短い距離でない限り徒歩での移動は、大多数の利用者にとって受容れ難いことがわかった。例えば、ローカルな輸送機関網の間や地域的な輸送機関網との間に接続されている高密度な公共交通機関網の便利さを享受しているパリ(又は他の類似した大都会)のような都市においては、利用者は、(動く歩道が利用できない限り)4、5分又は300mから最大500mを越える徒歩での乗換え時間を我慢することは困難と思われた。
【0019】
カーシェアリングシステムで公共交通機関網を補って完全なものにするためには、車両を収容する駐車用車庫が接続駅の直ぐ近くに位置している必要がある。
【0020】
これにより、非常に沢山の駐車用車庫を、空き地が乏しく且つ地価が非常に高い都市領域全体に分布させることができる。
【0021】
更に、各利用者が、開いている車両を直ぐにも見つけたいであろうし、そして、遊園地で利用者の数よりはるかに大きいであろう利用者の数を考えるならば、各車庫は、沢山の車両を収容できなければならないであろうし、実際上は、システムがサービスを提供する公共交通機関の乗換駅にもよるが、15〜20の車両を収容できなければならないであろう。
【0022】
同時に、車両を返す各利用者は、可能な限り最短の時間で公共交通機関に乗換えることができるように、非常に速く車を返したいであろう。
【0023】
従って、本発明の目的は、上記した問題の全てを解決する、カーシェアリングシステムを利用した個々の及び総合的な輸送の新しい方法を提供することである。
【0024】
本発明によるならば、複数の停車駅が存在し、異なる路線が合流するところに乗換駅が設けられている公共交通機関網がある大都市圏である領域において、上記公共交通機関網の少なくとも複数の所定の乗換駅から徒歩数分の短い距離に駐車用建造物を設置し、上記駐車用建造物は、最小の土地面積で少なくとも10台以上の自動車を収容できる垂直移動形式であり、各駐車用建造物は、戻り車両が直ぐに入庫できる少なくとも1つの入口スペースと、利用者が直ぐに利用可能な待ち車両が駐車している出口スペースとを有しており、上記自動車は、いつでも利用者が、上記公共交通機関網の乗換駅の出口で車両を借り出して、その車両をそれぞれの移動のために使用し、そして、その車両を、公共交通機関網による利用者の移動を更に続けるための乗換駅の直近に位置する駐車用建造物の入口のオープンスペースに戻すことができる、公共交通機関網を完全なものにする補完手段である。
【0025】
上記した目的のために、本発明の好ましい実現手段によるならば、自動化された各駐車用建造物は、入口スペースの1台以上の車両を入庫して、1台以上の車両を戻せるように1つ以上の空きスペースが直ちに利用できるように上昇するコラムと、一人以上の先行する利用者により車両が既に出庫された後に、出口パレットにおいて一人以上の利用者が出庫できるように新たな1台以上の利用可能な車両を直ちに利用できるように下降するコラムとの2つのコラムに沿って駐車パレットが垂直に移動する立体駐車場形式である。
【0026】
従って、本発明は、大都市圏の人々の輸送するための総合的なシステムを提供する。当該システムは、
個々の停車駅と輸送路線が交差する乗換駅とを有する少なくとも1つの公共交通機関網と、
利用者群の利用に供される自動車群であって、各自動車は、当該自動車に乗り且つ運転するためのキーシステムが設けられており、一方、利用者群の各利用者には、上記自動車を運転する権利を付与する個人化された(personalized)車両利用証が付与されている。
上記公共交通機関網の内の特定な複数の停車駅の近くに配置された複数の自動化駐車建造物であって、各自動化駐車建造物が、最小の土地面積で少なくとも10台以上の自動車を収容できる立体式であり、且つ、使用された後の1台以上の自動車を即座に入庫するための少なくとも1台分以上の空きスペースと、1人以上の利用者が出庫して利用可能な1台以上の自動車を収容したスペースとを地上レベルに有している、複数の自動化駐車建造物とを具備しており、
大都市圏又は都市の周辺部又は郊外の地区内の目的地に通う必要がある各利用者は、その行程の一部に公共交通機関網を利用し、その行程の他の部分に、自動車を利用して通うことができ、徒歩での移動を最小にし、且つ、自動車のピックアップ(出庫)及び戻し(入庫)のための待ち時間が短くできるものである。
【0027】
効果として、駐車建造物の下方部を、入庫及び出庫のレベルより下に埋め込んで、建造物の地上高さを減少することができる。
【0028】
本発明の好ましい別の特徴によれば、電気自動車又はハイブリッド自動車を使用して、各車両収容スペースには、車両が駐車建造物に収容されている間に車両のバッテリーを再充電するための手段が設けられる。
【0029】
本発明の好ましい更に別の特徴によれば、各個人化車両利用証は、自動車が使用される時間量又は走行距離に従って、車両を利用する個人化車両利用権保有者のための支払い手段を構成する。
【0030】
好ましくは、各個人化車両利用証は、個人化された(personalized)コードを有するスマートカードからなり、その個人化されたコードを入力すると、カード保有者が、車両を借り出すために必要な全操作を実行でき、且つ車両を利用するための支払いもできるようにプログラムされている。更に、スマートカードは、或る期間中の或る領域全体に亘る公共交通機関の利用券として利用することもできる。
【0031】
本発明は、都心の自動車交通を減少させるだけでなく、潜在的に自動車交通を解消する利点を有している。本発明は更に、公共交通機関システムを通常殆ど恩恵を利用できない辺鄙な郊外を含む大都市圏全体に適用することができる。
【0032】
特に効果的な別の特徴によれば、都市中心が、領域的な輸送網を利用できる環状郊外地域で囲まれている大都市圏の場合、その領域的な輸送網の少なくとも或る数の駅に、複数の待ち車両が収容されている自動化駐車建造物を設けて、領域的な輸送網を利用する利用者が、駅に降りたら直ぐに車両を利用して、最終目的地に係わりなくその旅程を続けて、そして、車両を借り出した自動化駐車建造物か又は最終目的地に近い自動化駐車建造物に車両を戻すことができる。
【0033】
特に、領域的な輸送網の路線が互いに遠く離れている通常の場合、領域的な輸送網を直接利用できない区域に、自動化駐車建造物に徒歩で容易に行けるように複数の自動化駐車建造物を分散配置して、利用者が車両を借り出して、その車両を受け入れることができる自動化駐車建造物が設けられている領域的な輸送網の駅、又は最終目的地に近い別の自動化駐車建造物に戻すことができる。
【0034】
しかし、本発明は更に、大都市と、比較的大きな距離離れているが自動車の走行範囲に適している小さな周辺都市との間の接続を容易にする。その場合、小さな周辺都市には、都市の規模に応じて1つ以上の自動化駐車建造物を設けて、利用者が大都市の輸送システムに行くことができ、又は自家用車を使用せずに他の周辺都市に行くことができる一方、その旅程を済ますにかかった時間分だけの支払いで済むようにできる。
【0035】
本発明の他の有利な特徴は、非限定的な例として示す都市輸送システムについての、添付図面を参照した以下の説明から明らかになる筈である。
【0036】
図1は、複数の公共交通機関網を備えている都市の例を模式的に図示しているものであり、例えば地下鉄線又は地表鉄道線M1、M2、...Miに沿って停車駅S及び乗換駅Cが位置しており、コミュータ鉄道線R1、R2に駅G1、G2が位置している。
【0037】
従来の交通システムでは、地点P1にいて、地点P2に行くために公共交通機関を利用した利用者は、最も近い駅S1に行き、路線M1を利用して乗換駅C1まで行き、次いで、路線M4に乗換えて、地点P2に最も近い駅S2まで行く。もし利用者は、旅程時間が余りに長いと判断すれるならば、利用者はタクシーを呼んで地点P1から地点P2へ直接行くことができる。しかし、交通費が高くなる。
【0038】
更に、同一利用者が、地点P2に到着した後、更に例えば地点P3に行くかもしれない。地点P2と地点P3との距離は徒歩で行くにはあまりに遠く、利用者は、駅S2まで戻り路線M4に乗って乗換駅C2まで行って、路線M5に乗換え、更に駅C3で路線M2に乗換えて、目的地点P3に最も近い駅S3で降りなければならない。
【0039】
このような移動行程は、本当に長く且つ複雑であり、徒歩で移動し且つ長い待ち時間が必要な乗換駅の沢山な乗換えを必要とする。
【0040】
一方、以下に説明する本発明によるシステムによれば、移動時間を短縮でき、乗換え地点での待ち時間を短くして公共交通機関を補う手段となる個人的な移動手段を利用者が利用できるより簡単な移動手段が実現できる。このシステムにおいて、該当領域に、好ましくは公共交通機関の乗換駅近く、又は他の戦略的な場所に、或る数の例えば15〜20以上の自動車が収容される或る数の自動化駐車建造物T1、T2、...Tiが設けられる。
【0041】
このような方法によれば、地点P1から路線M2に乗車した利用者は、乗換駅C1で降りて、その乗換駅C1に近い駐車建造物T2で車を探し、自由に利用者自身の旅程を選んで地点P2に移動し、更に、同じ車で、利用者の第2の目的地P3に向かって移動を続けて、その後、自動化駐車建造物T3に車を預けて、公共交通機関の乗換駅M2に行き、乗換駅C4で乗換えて路線M1で駅S1に戻る。
【0042】
しかし、個々の旅程の各々が各人に利用可能な移動手段によってなされる範囲において、利用者は、複数の選択肢から選択できる。例えば、利用者は最初の駅C4で路線M1を降りて、最も近い駐車建造物T1で車をピックアップして、利用者自身の旅程を自由に選択して、地点P2及びP3を通って移動して、最終的に駐車建造物T1に戻って、車を戻し、利用者が来た同じ路線M1に戻る。
【0043】
従って、本発明によるシステムによれば、好ましくは大量輸送システム又は駅、商業ゾーン、病院、大学又は多様な様式の乗換えプラットホームのような都市内の他の戦略地点に近く、領域全体に亘って分布した沢山の駐車建造物に非常に多数の車両が用意されるならば、アクセスカードを購入した多数の人々が利用可能な範囲で、タクシー又は普通のレンタカーに比較して適切な価格で利用者に非常に多岐に亘る自由自在性をもたらすことができる。
【0044】
上述したように、自家用車の走行を減らすために、我々がすでに指示を出した、利用者が利用できるようにされた自動車は、大量輸送システムを本当に補完する必要があり、そして、全領域に分布される自動化駐車建造物は、車の出庫及び入庫を迅速にできて、乗換えに伴う全時間量が数分で済ませることができねばならない。
【0045】
かかる目的のために、使われる自動化駐車建造物は、図2から図6に模式的に図示している立体式である場に合特に有利である。
【0046】
この形式の駐車建造物は、タワーの形の建物2内部に2つの平行なコラム11、11’を構成しているボックス1又は保管パレットを積み重ねた組立体を一般に具備している。その建物2内部には、図4に模式的に図示する機構3が、ボックス1を動かすように保持している。
【0047】
この機構は、タワー2の頂部及び底部にそれぞれ置かれた2つのスプロケット31及び32の間に張られたチェーンドライブ3から成り、2つのスプロケット31及び32は、モータ(不図示)によって水平軸30及び30’のまわりを回転するようになされている。
【0048】
従って、チェーンドライブ3が、2つの平行な垂直部分、それぞれ上昇部分33及び下降部分33’からなり、嵌め込み手段35によってチェーン3に対して直角に保持されたアーム34が取り付けられている。
【0049】
各ボックス1は、その上部が、アーム34の自由端36に、吊下げ懸架を可能にする関節継手によって取り付けられている。
【0050】
この方法により、図4に図示するように、チェーンドライブ3の2つの平行な垂直部分33及び下降部分33’に沿って、アーム34は水平に延びており。ボックス1は、2つの平行で垂直なコラム11、11’に沿って重ね合わされている。スプロケットホイール31及び32が回転させられると、コラム11のボックスは、頂部に向かって垂直に移動し、コラム11’のボックスは底部に向かって垂直に移動する。スプロケットホイール31及び32の周りを通るとき、アーム34が軸30及び30’の周りをまわるときはアーム34は半径方向に向いたままであり、一方、ボックスは、吊下げられているので、水平状態を維持している。
【0051】
上昇コラム11及び下降コラム11’との間の平衡を維持するようにパレット1に保管される車を分散することができる。
【0052】
このようにして、タワー2は軽量フレーム、好ましくは軽量金属フレームでつくることができる。
【0053】
図5及び図6に示すように、チェーンドライブ3は、2つのチェーン3a及び3bから構成され、各パレット1は、アーム34a及び34bに吊下げられ、それら一対のアームは、上方位置及び下方位置において、2つの互いに離隔されたスプロケットホイール31a及び31bの周りを回転する。
【0054】
タワーの基部21は、安定性を確保するに十分な深さの地中に埋められており、入出庫プラットホームは、図4に示すように地上レベルに、又は、中間レベルに設けられる。
【0055】
この態様において、チェーンドライブ3に噛合わせてスプロケットホイール31及び32を回転させると、下降コラム11’のボックス12又は上昇コラム11のボックス13を、入出庫プラットホーム4の高さに持ってくることができる。図7及び図8において、使用後に車5を戻す方法を模式的に図示している。
【0056】
ルーフカバーが設けられている戻しレーン41は、タワー2の最下部にプラットホーム4に置かれ、タワー2の構造の基部に開く開閉ドア22につながっている。
【0057】
利用者が車を戻しレーン41に駐車した後、利用者は、カードリーダ7に利用者の戻りを登録し、駐車建造物2に委託されたサービスエージェント20が車を受け取り、チェーンドライブ3の変位によって入出庫プラットホーム4の高さに合わされている空の保管ボックス3に入れる。
【0058】
好ましくは、車5は電気自動車又はハイブリッド自動車であり、そして、各保管ボックス1は、電源に配線されている充電ポスト23を備えている。
【0059】
図9に示すように、新しい利用者によって車51が引き出され新しい車52と入れ替えられたために、又は、別の車が駐車建造物の到着口に戻ってきて入口のボックス12に保管されるために、車5は、チェーンドライブ3の変位の結果として駐車建造物内部を徐々に上昇してゆく。
【0060】
各車両が、上昇コラム11から下降コラム11’に段段と移行してゆき、或る時間の間、タワー2内に保管された状態にあり、その間に、バッテリを再充電することができる。
【0061】
バッテリを再充電するに必要な時間を確保できるように、各タワーにおいて用意される車の数は、予想使用頻度に適合させることができる。
【0062】
上述したように、上昇コラム11及び下降コラム11’を有する立体式駐車建造物を使用することにより、2つのコラムと、それら2つのコラムの間に必要なスペースとによって決定される土地面積内に多数の車5を保管することができる。
【0063】
更に、標準的な多床式駐車建造物に比較して、車を垂直に移動させる自動駐車建造物は、利用者が建造物の内部に入らないので、アクセスランプが不要であり、車両の高さによって決定される各床の高さの違いがない。
【0064】
従って、図2から図5に示すように、従来の駐車建造物において必要な土地面積に比較して1/3から1/4の少ない土地面積に15台から20台又はそれ以上の車を駐車させることができる。実際、駐車可能な車の数は、駐車建造物の高さと、駐車建造物に利用可能な土地面積とにのみ関係する。
【0065】
実際問題として、標準的な多床式駐車建造物が、車両1台当たり25平方メートルの土地面積を占領するのに対して、高さ30メートルのタワー内に2つのコラムを有する立体式駐車建造物は、幅及び奥行きそれぞれ10メートル子か占有せず、車庫面積を最小にでき、例えば、保管車両1台当たり3から5平方メートルの土地面積で済む。
【0066】
この形式の車庫を利用することにより、車庫の占有土地面積を減少でき、都市中心部でも、例えば15台から30台又はそれ以上の沢山の車を収容できるような沢山の自動化駐車建造物を実現でき、公共交通機関の乗換え駅に立つ利用者は、利用可能な車を発見できる。
【0067】
車を収容したボックスを増分的に垂直に移動させることにより、戻された車をボックスに入庫した後、そのボックスを空のボックス12と直ぐに替えることができ、更に、利用者が車51を出した後、未だ利用者が決まっていない新しい車を出口スペース13に直ぐに置くことができる。
【0068】
この方法により、立体式駐車建造物は、車の利用者に利用可能にすべき車のための条件の全てに応えることができ、路線を乗換えるときに必要な移動と同程度の徒歩移動及び待ち時間で、乗換駅に近くで自動車を調達又は返却できることが各利用者に保障された、公共交通機関網の本当の補完手段を構成する。
【0069】
この点に関して、利用者のために予め用意される車両の大きな数並びに予測される利用頻度により、車両が公共交通機関網の補完手段になることを考えるならば、代理人に各駐車建造物を委ねて、車両のピックアップ及び返却のための動作を監督させることは費用的に効果的であろう。そして、処理をより速くするために、代理人なしの完全に自動化したシステムも考えられる。
【0070】
図10及び図11は、利用者の車両利用証を駐車建造物出口22’に置かれたカ−ドリーダ71に提示して、依頼者であることが確認された新規な利用者によって車がピックアップされることを模式的に図解している。
【0071】
サービスエージェント20又は自動化システムは、入出庫プラットホーム4の位置に予め置かれた車両51を前進させて、車両ピックアップゾーン42に位置させる。
【0072】
必要ならば、サービスエージェントが任意の必要な確認をした後、利用者は車をスタートさせて利用者自信の旅程を行い、同一駐車建造物又は都市内の別の場所の他の駐車建造物に車を戻す。
【0073】
上述したように、同一の個人化車両利用証は、車をピックアップ又は戻すためにどのような駐車建造物への入場許可証と、車の鍵の開錠及び施錠を制御すする手段と、どのような車の始動手段と、使用時間又は結果的には走行距離に基づく車利用料の支払い手段とを同時に構成させることもできる。
【0074】
更に別の利点として、車両利用証は、秘密コード付きのスマートカードとして構成することもでき、利用者の秘密コードをログインした後に、カードの保有者が、車を予約し、使用に対する支払いするために必要な全操作を遂行することができる。
【0075】
スマートカードは、入出庫プラットホームが安全な領域であるならば、入出庫プラットホームに入ることを許可し、駐車建造物の入口端末7又は出口71でスマートカードを提示することによって、その保有者が認識される。
【0076】
図13に示されるように、利用者は、リーダ81にスマートカード8を挿入して、車を開錠して車をスタートさせるためにキーボード82に利用者のコードを入力することができる。
【0077】
車が動き出したならば、又は、カードが出口端末71のカードリーダに挿入されたならば、カウンタ83はカウントを開始し、車が戻されてカードが入口端末7に挿入されたならば、カウンタ83はカウントを停止する。
【0078】
公共輸送機関に対する補完手段としての車の利用を容易にするために、利用者が取得したカードは、所定の期間の間、都市区域の所定の領域全体に亘って公共輸送機関網を利用するパスを更に構成することができる。インターネットにリンクされる各利用者の携帯電話により、各利用者が車両の予約及び車の起動を認可する個人のコードを得るようにもできる。
【0079】
2つの良くバランスが取って重ねられたコラムに車両を保管することにより、駐車建造物は、比較的安い、そして、限られたスペースしか占有しない相当軽量な建造物として構成することができる。
【0080】
更に、正常なサービスの間、駐車建造物に入る人はおらず、従って、床板は必要なく、喚起通気システムは単純化することができることは注目されたい。
【0081】
図12に示されるように、駐車建造物は、例えば、橋塔の建設のために使われる穴開け技術によって、地中に様々な深さに埋め込むことができる。
【0082】
都市内の駐車建造物の配置、及び当然として、土地の状態の性質に従い、埋め込み部分21と地上部分24の相対的な高さを変えることできる。
【0083】
このような特徴により、都心中心部に沢山の駐車建造物を容易に配置することができる。
【0084】
当然、本発明は、一例としてのみ上述した実施例の詳細に限定されるものではなく、例えば均等な手段を使用している全ての変形例を含むものである。
【0085】
例えば、システムが頻繁に利用されることが予想できる場合、例えば、幅15〜16メートルのスペースに40台以上の車を収容できる図14に模式的に示すような2プラットホームのシステム、又は、幅及び奥行きが15メートルのスペースに80台以上の車を収容できる図15に模式的に示すような4プラットホームのシステムのようなより大きな寸法の駐車建造物をつくることも可能である。
【0086】
更には、ガス放出による都市の汚染を減らすために電気自動車又はハイブリッド自動車を使用することが好ましい。しかし、自動化駐車建造物内の車両の移動には、車を走らせるためのエンジンは必要ないので、システムは更に、普通のガソリン車にも適用できる。
【0087】
更に、駐車建造物の大きさを最小にするために同一車両又はコンパクトカーを使用すると特に利点がある。しかし、駐車建造物の寸法特徴に合った寸法特徴を有する様々な異なる形式の車両を使用することも可能である。
【0088】
多数の利用者による利用を容易にする一方で、利用者がそれらの自家用車の使用を避けることを促すために、異なる形式の車両の中から、殆どスペースを取らない車両、例えば大きい手荷物スペースを有する2人乗りの車、又は4人乗りの車、又は、手荷物又は他の物を容易に載せることができるピックアップ型の車を選択することも可能である。
【0089】
駐車建造物のコラム11、11’に沿って異なる形式の車を分散させて、委託された代理人の制御により又は自動化システムの適用により、利用者が選択した車が出口レーンに位置付けられるようにできる。
【0090】
旅程が完全に自由自在である一方、車両を利用した時間の長さに応じて請求されるので、利用者は、例えば都心と郊外との間の、又は大都会の周りの衛星都市の間の長い距離の行程を移動することできることも注目されたい。
【0091】
従って、駐車建造物T6は、ローカル輸送路線R1の駅G3の近くに置かれてもよい。又、駐車建造物T7は、都市からの比較的大きい距離にある空港G4の近くに置かれてもよい。
【0092】
しかし、地価が自動化駐車建造物の建設を正当化しない場合でも、都市内に位置する駐車建造物内に置かれた車両の形式と同一形式の或る数の車両を地上駐車で利用者の利用に供することもできる。なぜならば、これら車両はどれでも、車両利用証、又はスマートカード、又は個人化アクセスコードを与えるインターネット・コネクションによって、鍵を開けて運転することができるためである。
【0093】
この場合、飛行機で到着した利用者のために、空港G4に近い駐車建造物T7で自動車をピックアップして、利用者が望むように自由に移動して、その後、駐車建造物T6に車を戻して、ローカル輸送網の路線R1に乗ることもできる。
【0094】
更に、図16に模式的に図解するように、駐車建造物のために必要とされる床面積が最小であることにより、都市区域の中心部のまわりに沢山の駐車建造物を分散して建設することが可能である。
【0095】
図16において、複数のローカル輸送路線R1、R2、R3、R4及び郊外間輸送路線R5を図示した。収容容量が大きな地上駐車場A1、A2、...が各路線の終点に設けられ、遠方からの利用者が利用者の自家用車を駐車することができ、一方、自動車のための自動化駐車建造物T’1、T’2、...は、終点で予測される使用頻度に適した容量を有している。
【0096】
この態様では、遠方の都市から来た利用者が、利用者の自家用車を駐車場A1に残し、都心に向か路線R1に乗車するか、又は、駐車建造物T’1の自動車を利用して郊外の任意の場所に行くことができ、その場所において、利用者は、車を預けることができる別の駐車建造物T’5を見付けることができ、従って、帰りの旅程のために、利用者は、別の自動車を直ぐに得ることができ、駐車場A1に戻ることができる。
【0097】
更に、郊外、例えばP’1に在住しており、他の郊外、例えばP’2へ行きたい人は、その人の居住地に近い駐車建造物T’5で車をピックアップして、公共交通機関の駅S6に行き、その駅に近い駐車建造物T’6に車を置き、公共交通機関を利用して駅S7に行き、その駅に近い駐車建造物T’7で別の車をピックアップして、目的地近くの駐車建造物T’8に車を戻すことができる。
【0098】
充分な数の自動化駐車建造物が或る領域全体に亘って分散配置されているならば、移動時間を短縮できる移動方法を利用者が選択できる沢山の可能性があることは理解できよう。
【0099】
従って、ローカル路線(領域輸送路線)の間の乗換えが都市区域の中心部のみ通常確保されている場合、公共交通機関網を補完する本発明による共用システムにより、駐車建造物を備えている駅で第1の路線R1から降車して、自動車をピックアップして、駐車建造物を備えている駅で第2の路線R1に接続し、その車を駐車建造物してから路線R4に乗車することができ、都市中心部まで行くことなく乗換えができる。
【図面の簡単な説明】
【0100】
【図1】本発明による輸送システムを備えている町の全体図である。
【図2】自動化ガレージの正面図である。
【図3】自動化ガレージの側面図である。
【図4】車両を収容するための機構の横断面図である。
【図5】車両を収容するための機構の水平断面図である。
【図6】車両を収容するための機構の機能を斜視図で模式的に図示している。
【図7】駐車建造物において、使用後の戻された車両を側面から模式的に図示している。
【図8】駐車建造物において、使用後の戻された車両を上から模式的に図示している。
【図9】車両が収容されている駐車建造物の部分立面図である。
【図10】車両を借り出す利用者を側面図で模式的に図示している。
【図11】車両を借り出す利用者を上から模式的に図示している。
【図12】駐車建造物の様々な配置態様を図示している。
【図13】支払システムを模式的に図解している。
【図14】2つの可能な実現方法の一方の水平断面図を図示している。
【図15】2つの可能な実現方法の他方の水平断面図を図示している。
【図16】郊外又は新しい都市に囲まれている主要都市に本発明の適用した例を図解している。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
一群の利用者が或る地域内の移動のために利用できるように複数の車両(5)が用意されており、前記地域には、複数の駐車建造物(T)が設けられており、前記駐車建造物には、使用後の車両を戻して当該駐車建造物内に保管するための、且つ車両を前記複数の駐車建造物の内の一つに戻すまで或る時間の間、或る距離に渡って前記地域内を個々に移動するために利用者が借り出すために保管車両をピックアップするための自動化手段が設けらている、個人用車両の共用による人々の総合輸送方法において、
前記地域は、停車駅(S)及び路線の交叉部にある乗換駅(C)を有する公共交通機関網(R、M)が設けらている都市区域であり、徒歩で数分以内の駐車建造物が、公共交通機関網の内の少なくとも或る数の乗換駅(C)から短い距離に配置されており、前記駐車建造物が、少ない土地面積で少なくとも10台の車両を収容できるように車両が垂直に移動できる形式であり、前記駐車建造物の各々が、入出庫プラットホームのレベルに、使用後の車両を即座に受け入れるために入口(13)に少なくとも1つの空の車両スペースと、利用者が車両を即座にピックアップできるように車両を収容している出口(12)の車両スペースとを有しており、前記車両(5)の各々は、利用者にとって前記公共交通機関網を補完する手段を構成しており、利用者がいつでも、前記公共交通機関網の停車駅の出口で車両をピックアップして個々の旅程を遂行し、利用者の目的地近くの又は前記公共交通機関網を利用して旅程を続けることができる乗換駅(C)近くの前記駐車建造物(T)の受け入れスペース(13)に車両を戻すことができることを特徴とする総合輸送方法。
【請求項2】
前記駐車建造物(T)の各々は、上昇コラム11と下降コラム11’との2つのコラムを保管ボックス(1)が垂直に変位する立体形式であり、入口スペースの車両を速やかに移動させて新しい車両を受け入れる準備が整った空のバックス(12)と即座に入れ替えるために、同時に、車両が利用者によってピックアップされた後、駐車建造物の出口スペース(13)に新しい車両が直ぐに利用可能であるようになされていることを特徴とする請求項1に記載の総合輸送方法。
【請求項3】
前記駐車建造物(T)の各々は、上昇コラム11と下降コラム11’との2つの保管ボックス(1)コラムを有する立体形式であり、一方のコラムの入出庫プラットホームのレベルの少なくとも空のボックスは、受入れスペース(12)を構成しており、他方のコラムではボックス(13)が利用可能な車両(51)を収容しており、前記駐車建造物は、入出庫レベルより上の上方部分が、駐車建造物は置かれた土地に適した高さであるように、任意の深さまで下方部分(21)が地中に埋められている建物に置かれていることを特徴とする請求項2に記載の総合輸送方法。
【請求項4】
前記都市区域は、中心部が周辺の郊外地域で囲まれており、領域的な公共交通システム(R1,R2、...)が利用可能であり、前記公共交通システムの少なくとも或る数の乗換駅には、利用可能な車両を収容した自動化駐車建造物(T’1,T’2、...)が設けられており、領域的な公共交通路線(R1)を利用する利用者は、停車駅の出口で、当該停車駅の近くに位置している駐車建造物(T)の車両(5)をピックアップして利用者自身の旅程を個別に続行して別の路線(R4)の停車駅に行き、その停車駅の近く位置している別の駐車建造物(T)に車両(5)を戻すことができることを特徴とする請求項1から3の何れか一項に記載の総合輸送方法。
【請求項5】
前記地域の内の、前記公共交通網の停車駅を利用できない区域に自動化駐車建造物(T’1,T’2、...)が設けられており、それら自動化駐車建造物は、利用者が、自動化駐車建造物の内の1つに徒歩で速やかに行くことができて、自動車をピックアップでき、車両を受け入れる駐車建造物が設けられている乗換駅又は利用者の目的地近くの別の駐車建造物に向かって車両を戻すことができるように分散されていることを特徴とする請求項1から4の何れか一項に記載の総合輸送方法。
【請求項6】
前記地域は、少なくとも2つの都市区域からなり、各都市区域には、自動化駐車建造物を有する公共交通システムが設けられており、前記2つの都市区域は、自動車(5)の利用が可能な距離離れており、一方の都市区域内の又は一方の都市区域から他方の都市区域へ自動車(5)を利用して移動可能であることを特徴とする請求項1から5の何れか一項に記載の総合輸送方法。
【請求項7】
前記地域は、都市区域の中心部の周りで、公共交通システムの停車駅にそれぞれ近くに、大量の自家用車を駐車させられる地上駐車場(A1,A2,...)が設けられており、公共交通システムの前記停車駅の各々には、前記自動化駐車建造物(T’1,T’2、...)が設けられており、地上駐車場の一つA1に自家用車を駐車させた後、利用者は、その目的地に応じて、公共交通システムの路線(R1)又は近くに位置している前記自動化駐車建造物(T’1)から自動車(5)をピックアップして、公共交通システムを利用できない地域(P’2)内の目的地に行き、その目的地近くの別の自動化駐車建造物に車両(5)を戻すことができることを特徴とする請求項1から6の何れか一項に記載の総合輸送方法。
【請求項8】
停車駅(S)及び路線の交叉部にある乗換駅(C)を有する少なくとも1つの公共交通機関網(R、M)と、
同一命令手段によって起動させられるロックシステム及び起動システムを備えている自動車(5)の一群であって、前記自動車(5,51)は、命令手段として機能する利用者自身の個人化車両利用証(8)を各々有している利用者群に利用可能になされている、一群の自動車(5)と、
前記公共交通機関網の内の或る停車駅の近くに位置する複数の自動化駐車建造物(T)であって、各自動化駐車建造物は、少ない地上面積で少なくとも10台の車両を収容できる、車両を垂直変位できる形式であり、入出庫プラットホームのレベルに、使用後の車両を即座に受け入れる少なくとも1つの開きスペース(12)と利用者がピックアップする用意が整っている利用可能な車両を収容しているスペース(13)とを有している、複数の自動化駐車建造物(T)と
を有しており、区域内の地点に移動する必要がある各利用者は、その旅程の一部を前記公共交通機関網で行い、他の部分を個人用車両で行い、徒歩移動を最小にし且つ車両をピックアップしそして車両を戻すための待ち時間を最小にしていることを特徴とする区域の人々のための総合交通システム。
【請求項9】
前記個人化車両利用証(8)の各々は、車両(5)の内のどの車両でも施錠/開錠及び始動を命令する手段を有しており、且つ前記複数の自動化駐車建造物(2)の内のどの自動化駐車建造物にも入ることができ、自動化駐車建造物(2)の出口スペース(12)で車両をピックアップし、自由移動の後に、前記自動化駐車建造物(2)のどれかの自動化駐車建造物(2)に入口スペース(13)に車両を戻すことができる認証手段を構成していることを特徴とする請求項8に記載の総合交通システム。
【請求項10】
前記個人化車両利用証(8)の各々は、走行距離又は経過時間に基づく車両(5)の利用に対する利用証保有者の支払い手段を構成していることを特徴とする請求項8又は9に記載の総合交通システム。
【請求項11】
前記個人化車両利用証(8)の各々は、個人アクセスコードを有するスマートカード(8)を構成しており、前記個人アクセスコードは、コードの認証の後、カード保有者が、車両をピックアップし更には車両を返却し更には使用に対する支払いをするために必要な全操作を実行することができるようにプログラムされていることを特徴とする請求項10に記載の総合交通システム。
【請求項12】
前記個人化車両利用証(8)は、一方で、前記公共交通網(R,M)を利用する認証手段として、他方で、前記自動化駐車建造物(T)及び前記自動車(5)を利用する認証手段並びに使用に対する支払い手段として機能するようにプログラムされているスマートカードであることを特徴とする請求項11に記載の総合交通システム。
【請求項13】
前記自動化駐車建造物へのアクセス並びにその中の自動車の利用は、その利用の全ての認証を得るために携帯電話又はインターネットサービスによってアクセス可能な中央制御システムによって認証されることを特徴とする請求項8に記載の総合交通システム。
【請求項14】
前記自動化駐車建造物は立体式であり、車両保管スペースとして機能し且つチェーンドライブ(3)から吊下げられている複数の重ねられたボックス(1)を具備しており、各保管ボックス(1)は、ボックスが垂直軸に沿って吊下げることができる取り付け手段によって前記チェーンドライブに取り付けられ、前記チェーンドライブは、2つの平行な水平軸(30、30’)の周りを回転する2つの互いに離れたスプロケット(31、32)の間に張られており、2つの回転スプロケット(31、32)の間の中間レベルの床板(4)に位置する少なくとも1つの入出庫ゾーンを通って、上昇方向(11)と下降方向(11’)との両方向へのボックス(1)の変位を制御するために、前記チェーンドライブ(3)の回転は、車両を収容しているボックス(12)が利用者によるピックアップのために入出庫ゾーン(4)のレベルに到達した瞬間に又は利用者が車両を戻すために空のボックス(13)が入出庫ゾーン(4)のレベルに到達した瞬間に停止することを特徴とする請求項8から13までの何れか一項に記載の総合交通システム。
【請求項15】
前記自動車は、電気自動車又はハイブリッド車であり、各保管スペース(1)には、当該車両が前記駐車建造物内に保管されている間に、車両のバッテリーを充電する手段(23)が設けられていることを特徴とする請求項8から14までの何れか一項に記載の総合交通システム。
【請求項1】
一群の利用者が或る地域内の移動のために利用できるように複数の車両(5)が用意されており、前記地域には、複数の駐車建造物(T)が設けられており、前記駐車建造物には、使用後の車両を戻して当該駐車建造物内に保管するための、且つ車両を前記複数の駐車建造物の内の一つに戻すまで或る時間の間、或る距離に渡って前記地域内を個々に移動するために利用者が借り出すために保管車両をピックアップするための自動化手段が設けらている、個人用車両の共用による人々の総合輸送方法において、
前記地域は、停車駅(S)及び路線の交叉部にある乗換駅(C)を有する公共交通機関網(R、M)が設けらている都市区域であり、徒歩で数分以内の駐車建造物が、公共交通機関網の内の少なくとも或る数の乗換駅(C)から短い距離に配置されており、前記駐車建造物が、少ない土地面積で少なくとも10台の車両を収容できるように車両が垂直に移動できる形式であり、前記駐車建造物の各々が、入出庫プラットホームのレベルに、使用後の車両を即座に受け入れるために入口(13)に少なくとも1つの空の車両スペースと、利用者が車両を即座にピックアップできるように車両を収容している出口(12)の車両スペースとを有しており、前記車両(5)の各々は、利用者にとって前記公共交通機関網を補完する手段を構成しており、利用者がいつでも、前記公共交通機関網の停車駅の出口で車両をピックアップして個々の旅程を遂行し、利用者の目的地近くの又は前記公共交通機関網を利用して旅程を続けることができる乗換駅(C)近くの前記駐車建造物(T)の受け入れスペース(13)に車両を戻すことができることを特徴とする総合輸送方法。
【請求項2】
前記駐車建造物(T)の各々は、上昇コラム11と下降コラム11’との2つのコラムを保管ボックス(1)が垂直に変位する立体形式であり、入口スペースの車両を速やかに移動させて新しい車両を受け入れる準備が整った空のバックス(12)と即座に入れ替えるために、同時に、車両が利用者によってピックアップされた後、駐車建造物の出口スペース(13)に新しい車両が直ぐに利用可能であるようになされていることを特徴とする請求項1に記載の総合輸送方法。
【請求項3】
前記駐車建造物(T)の各々は、上昇コラム11と下降コラム11’との2つの保管ボックス(1)コラムを有する立体形式であり、一方のコラムの入出庫プラットホームのレベルの少なくとも空のボックスは、受入れスペース(12)を構成しており、他方のコラムではボックス(13)が利用可能な車両(51)を収容しており、前記駐車建造物は、入出庫レベルより上の上方部分が、駐車建造物は置かれた土地に適した高さであるように、任意の深さまで下方部分(21)が地中に埋められている建物に置かれていることを特徴とする請求項2に記載の総合輸送方法。
【請求項4】
前記都市区域は、中心部が周辺の郊外地域で囲まれており、領域的な公共交通システム(R1,R2、...)が利用可能であり、前記公共交通システムの少なくとも或る数の乗換駅には、利用可能な車両を収容した自動化駐車建造物(T’1,T’2、...)が設けられており、領域的な公共交通路線(R1)を利用する利用者は、停車駅の出口で、当該停車駅の近くに位置している駐車建造物(T)の車両(5)をピックアップして利用者自身の旅程を個別に続行して別の路線(R4)の停車駅に行き、その停車駅の近く位置している別の駐車建造物(T)に車両(5)を戻すことができることを特徴とする請求項1から3の何れか一項に記載の総合輸送方法。
【請求項5】
前記地域の内の、前記公共交通網の停車駅を利用できない区域に自動化駐車建造物(T’1,T’2、...)が設けられており、それら自動化駐車建造物は、利用者が、自動化駐車建造物の内の1つに徒歩で速やかに行くことができて、自動車をピックアップでき、車両を受け入れる駐車建造物が設けられている乗換駅又は利用者の目的地近くの別の駐車建造物に向かって車両を戻すことができるように分散されていることを特徴とする請求項1から4の何れか一項に記載の総合輸送方法。
【請求項6】
前記地域は、少なくとも2つの都市区域からなり、各都市区域には、自動化駐車建造物を有する公共交通システムが設けられており、前記2つの都市区域は、自動車(5)の利用が可能な距離離れており、一方の都市区域内の又は一方の都市区域から他方の都市区域へ自動車(5)を利用して移動可能であることを特徴とする請求項1から5の何れか一項に記載の総合輸送方法。
【請求項7】
前記地域は、都市区域の中心部の周りで、公共交通システムの停車駅にそれぞれ近くに、大量の自家用車を駐車させられる地上駐車場(A1,A2,...)が設けられており、公共交通システムの前記停車駅の各々には、前記自動化駐車建造物(T’1,T’2、...)が設けられており、地上駐車場の一つA1に自家用車を駐車させた後、利用者は、その目的地に応じて、公共交通システムの路線(R1)又は近くに位置している前記自動化駐車建造物(T’1)から自動車(5)をピックアップして、公共交通システムを利用できない地域(P’2)内の目的地に行き、その目的地近くの別の自動化駐車建造物に車両(5)を戻すことができることを特徴とする請求項1から6の何れか一項に記載の総合輸送方法。
【請求項8】
停車駅(S)及び路線の交叉部にある乗換駅(C)を有する少なくとも1つの公共交通機関網(R、M)と、
同一命令手段によって起動させられるロックシステム及び起動システムを備えている自動車(5)の一群であって、前記自動車(5,51)は、命令手段として機能する利用者自身の個人化車両利用証(8)を各々有している利用者群に利用可能になされている、一群の自動車(5)と、
前記公共交通機関網の内の或る停車駅の近くに位置する複数の自動化駐車建造物(T)であって、各自動化駐車建造物は、少ない地上面積で少なくとも10台の車両を収容できる、車両を垂直変位できる形式であり、入出庫プラットホームのレベルに、使用後の車両を即座に受け入れる少なくとも1つの開きスペース(12)と利用者がピックアップする用意が整っている利用可能な車両を収容しているスペース(13)とを有している、複数の自動化駐車建造物(T)と
を有しており、区域内の地点に移動する必要がある各利用者は、その旅程の一部を前記公共交通機関網で行い、他の部分を個人用車両で行い、徒歩移動を最小にし且つ車両をピックアップしそして車両を戻すための待ち時間を最小にしていることを特徴とする区域の人々のための総合交通システム。
【請求項9】
前記個人化車両利用証(8)の各々は、車両(5)の内のどの車両でも施錠/開錠及び始動を命令する手段を有しており、且つ前記複数の自動化駐車建造物(2)の内のどの自動化駐車建造物にも入ることができ、自動化駐車建造物(2)の出口スペース(12)で車両をピックアップし、自由移動の後に、前記自動化駐車建造物(2)のどれかの自動化駐車建造物(2)に入口スペース(13)に車両を戻すことができる認証手段を構成していることを特徴とする請求項8に記載の総合交通システム。
【請求項10】
前記個人化車両利用証(8)の各々は、走行距離又は経過時間に基づく車両(5)の利用に対する利用証保有者の支払い手段を構成していることを特徴とする請求項8又は9に記載の総合交通システム。
【請求項11】
前記個人化車両利用証(8)の各々は、個人アクセスコードを有するスマートカード(8)を構成しており、前記個人アクセスコードは、コードの認証の後、カード保有者が、車両をピックアップし更には車両を返却し更には使用に対する支払いをするために必要な全操作を実行することができるようにプログラムされていることを特徴とする請求項10に記載の総合交通システム。
【請求項12】
前記個人化車両利用証(8)は、一方で、前記公共交通網(R,M)を利用する認証手段として、他方で、前記自動化駐車建造物(T)及び前記自動車(5)を利用する認証手段並びに使用に対する支払い手段として機能するようにプログラムされているスマートカードであることを特徴とする請求項11に記載の総合交通システム。
【請求項13】
前記自動化駐車建造物へのアクセス並びにその中の自動車の利用は、その利用の全ての認証を得るために携帯電話又はインターネットサービスによってアクセス可能な中央制御システムによって認証されることを特徴とする請求項8に記載の総合交通システム。
【請求項14】
前記自動化駐車建造物は立体式であり、車両保管スペースとして機能し且つチェーンドライブ(3)から吊下げられている複数の重ねられたボックス(1)を具備しており、各保管ボックス(1)は、ボックスが垂直軸に沿って吊下げることができる取り付け手段によって前記チェーンドライブに取り付けられ、前記チェーンドライブは、2つの平行な水平軸(30、30’)の周りを回転する2つの互いに離れたスプロケット(31、32)の間に張られており、2つの回転スプロケット(31、32)の間の中間レベルの床板(4)に位置する少なくとも1つの入出庫ゾーンを通って、上昇方向(11)と下降方向(11’)との両方向へのボックス(1)の変位を制御するために、前記チェーンドライブ(3)の回転は、車両を収容しているボックス(12)が利用者によるピックアップのために入出庫ゾーン(4)のレベルに到達した瞬間に又は利用者が車両を戻すために空のボックス(13)が入出庫ゾーン(4)のレベルに到達した瞬間に停止することを特徴とする請求項8から13までの何れか一項に記載の総合交通システム。
【請求項15】
前記自動車は、電気自動車又はハイブリッド車であり、各保管スペース(1)には、当該車両が前記駐車建造物内に保管されている間に、車両のバッテリーを充電する手段(23)が設けられていることを特徴とする請求項8から14までの何れか一項に記載の総合交通システム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【公表番号】特表2009−528606(P2009−528606A)
【公表日】平成21年8月6日(2009.8.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−556819(P2008−556819)
【出願日】平成19年3月2日(2007.3.2)
【国際出願番号】PCT/FR2007/000371
【国際公開番号】WO2007/099234
【国際公開日】平成19年9月7日(2007.9.7)
【出願人】(508265365)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成21年8月6日(2009.8.6)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年3月2日(2007.3.2)
【国際出願番号】PCT/FR2007/000371
【国際公開番号】WO2007/099234
【国際公開日】平成19年9月7日(2007.9.7)
【出願人】(508265365)
【Fターム(参考)】
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