説明

緑化構造物およびその施工方法

【課題】 生育から施工までを苗箱単位で一貫して取り扱うことができ、かつ、高効率的に施工することができて環境にも優しい緑化構造物およびその施工方法を提供すること。
【解決手段】 生育苗箱1の容器内部において、植栽シート2を敷設して、
匍匐植物Pの匍匐茎sを上側土壌層3Bの上面に向けて生長させる一方、この匍匐茎sの節jから発根した根rを、底側土壌層3A側に根付かせて、かつ、前記植栽シート2の微細孔部21を貫通させることによって定着せしめるとともに、当該匍匐植物Pを上側土壌層3Bの上面に繁茂させ、
こうして匍匐植物Pを繁茂させた植栽シート2を、前記底側土壌層3Aおよび上側土壌層3Bと共に前記生育苗箱1から取り外して、これら複数の植栽シート2・2…を、隣接させながら対象地表面上に順次敷設するという技術的手段を採用した。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、緑化技術の改良、更に詳しくは、生育から施工までを苗箱単位で一貫して取り扱うことができ、かつ、高効率的に施工することができて環境にも優しい緑化構造物およびその施工方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
周知のとおり、土木建設現場において、法面成形のために切土または盛土工事を行った場合には、斜面の洗掘等を防止するために法面保護工事を行う必要があり、従来、法面に対して種子を吹き付けて植物を繁茂させて緑化構造物を形成している(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
しかしながら、かかる緑化構造物の施工にあっては、種子を吹き付けるために、大掛かりな設備が必要であり、コストがかかり過ぎてしまうという問題があった。
【0004】
また、法面の緑化の際には、植栽したシート材を敷設するものも存在するが、このシート材がビニール製であるものが多いため、このビニール製シートが施工後にも残留してしまい、環境に悪影響を与えてしまうという問題があった。
【0005】
更にまた、近年では、「ヒートアイランド現象(人工排熱の増加、人工被覆の増加および自然空間の喪失という都市における人工化の過剰な進展から生ずる、熱大気汚染をいう。)」が環境問題となっており、熱中症などの健康影響や二酸化炭素排出量の増加などの影響をもたらすおそれがあるため、その対策として、建築物の屋上に花壇などの緑化構造物が設置されている。
【0006】
しかしながら、建築物の屋上は、直射日光により非常に高温になったり、あるいは梅雨の時期には水分が過剰になることもあったりと、植物が生育する条件としては非常に厳しいという問題があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開平5−247943号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明者は、従来の緑化構造物について研究していたところ、植物の繁茂力を最大限に引き出すとともに、その植物の生育に適した環境を構築することができれば、法面工事等の土木建設現場や、屋上のような過酷な環境であっても、短期間で地表面を被覆することができ、しかも、維持やメンテナンスも容易であろうとの着想を得た。
【0009】
そして、全く新しい緑化構造によって同作用を得られないかと思案した結果、繁茂力が強い植物を採用して、かつ、好ましい生長環境において別途に生育したものをそのまま使用することにより、施工負担およびメンテナンスを軽減するという解決策を思い付いた。
【0010】
そこで、本発明者は、クマツヅラ科イワダレソウ属の匍匐植物(例えば、イワダレソウ(Phyla-nodiflora)やヒメイワダレソウ(Phyla-canescens、Lippia-canescens)など)が繁茂力に優れており、しかも、茎部の節々から根を下ろす特性を備えている点に着目するとともに、経年後に自然分解する生分解性材料が環境にも優しいことから、これらを組み合わせて採用してみたところ、本発明を完成するに至った。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明者が上記技術的課題を解決するために採用した手段を、添付図面を参照して説明すれば、次のとおりである。
【0012】
即ち、本発明は、地表面上において緑化構造物を施工する方法であって、
上部が開口した箱体であって、略矩形の底板11に排水孔11a・11a…を有する生育苗箱1の容器内部において、この底板11の上面に、多数の微細孔部21・21…を有する生分解性材料をシート状に成形した植栽シート2を敷設して、
次いで、この植栽シート2の上面に土壌Dを覆土して底側土壌層3Aを形成し、
この底側土壌層3Aの上面に匍匐植物Pを載置した後、この匍匐植物Pの上から、更に土壌Dを覆土して上側土壌層3Bを形成することにより、当該匍匐植物Pを被覆埋設するとともに、この積層体を生育苗箱1内において押し固めて、
然る後、前記匍匐植物Pの匍匐茎sを上側土壌層3Bの上面に向けて生長させる一方、この匍匐茎sの節jから発根した根rを、前記底側土壌層3A側に根付かせて、かつ、前記植栽シート2の微細孔部21を貫通させることによって定着せしめるとともに、当該匍匐植物Pを上側土壌層3Bの上面に繁茂させ、
こうして匍匐植物Pを繁茂させた植栽シート2を、前記底側土壌層3Aおよび上側土壌層3Bと共に前記生育苗箱1から取り外して、
これら複数の植栽シート2・2…を、隣接させながら対象地表面上に順次敷設するという技術的手段を採用したことによって、緑化構造物の施工方法を完成させた。
【0013】
また、本発明は、上記課題を解決するために、必要に応じて上記手段に加え、植栽シート2の端縁部22を、生育苗箱1の枠縁壁12の外側に出すようにするという技術的手段を採用することができる。
【0014】
更にまた、本発明は、上記課題を解決するために、必要に応じて上記手段に加え、植栽シート2の端縁部22の上に、隣り合う植栽シート2上の土壌層3を載置して、対象地表面上に順次隣接させながら敷設するという技術的手段を採用することができる。
【0015】
更にまた、本発明は、上記課題を解決するために、必要に応じて上記手段に加え、生育苗箱1で生育する匍匐植物Pをヒメイワダレソウにするという技術的手段を採用することができる。
【0016】
更にまた、本発明は、上記課題を解決するために、必要に応じて上記手段に加え、底側土壌層3Aおよび上側土壌層3Bには、、培養土、軽量土、おが屑の少なくとも一つを含む土壌Dを用いるという技術的手段を採用することができる。
【0017】
また、本発明は、地表面上において設置する緑化構造物であって、
多数の微細孔部21・21…を有する生分解性材料をシート状に成形した植栽シート2の上面に底側土壌層3Aが形成され、
この底側土壌層3Aの上面に匍匐植物Pが載置され、
この匍匐植物Pの上から、更に上側土壌層3Bが形成されて、当該匍匐植物Pが被覆埋設されているとともに、この積層体が押し固められており、
前記匍匐植物Pの匍匐茎sが上側土壌層3Bの上面に向けて生長している一方、この匍匐茎sの節jから発根した根rが、前記底側土壌層3A側に根付いて、かつ、前記植栽シート2の微細孔部21に貫通していることによって定着しているとともに、当該匍匐植物Pが上側土壌層3Bの上面に繁茂しており、
こうして匍匐植物Pが繁茂した複数の植栽シート2・2…が、隣接して対象地表面上に順次敷設されているようにするという技術的手段を採用したことによって、緑化構造物を完成させた。
【発明の効果】
【0018】
本発明にあっては、生育苗箱の容器内部において植栽シートを敷設して、次いで、この植栽シートの上面に土壌を覆土して底側土壌層を形成し、この底側土壌層の上面に匍匐植物を載置した後、この匍匐植物の上から、更に土壌を覆土して上側土壌層を形成することにより、当該匍匐植物を被覆埋設するとともに、この積層体を生育苗箱内において押し固めて、
然る後、前記匍匐植物の匍匐茎を上側土壌層の上面に向けて生長させる一方、この匍匐茎の節から発根した根を、前記底側土壌層側に根付かせて、かつ、前記植栽シートの微細孔部を貫通させることによって定着せしめるとともに、当該匍匐植物を上側土壌層の上面に繁茂させ、
こうして匍匐植物を繁茂させた植栽シートを、前記底側土壌層および上側土壌層と共に前記生育苗箱から取り外して、これら複数の植栽シートを、隣接させながら対象地表面上に順次敷設することによって、生育から施工までを苗箱単位で一貫して取り扱うことができて、非常に効率的である。
【0019】
したがって、本発明の緑化構造物およびその施工方法によれば、生分解性材料のシートは、施工後に分解されて土壌内に残留することがないので、環境にも優しく、撤去の手間も不要である。
【0020】
しかも、施工が容易であって、メンテナンスの必要もないので、施工コストやランニングコストを大幅に縮小することもできることから、産業上の利用価値は頗る大きいと云える。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本発明の実施形態の緑化構造物の施工工程を表わす斜視図である。
【図2】本発明の実施形態の植栽シートを表わす拡大図である。
【図3】本発明の実施形態の緑化構造物の施工工程を表わす説明断面図である。
【図4】本発明の実施形態の緑化構造物の施工工程を表わす説明断面図である。
【図5】本発明の実施形態の緑化構造物の施工工程を表わす説明断面図である。
【図6】本発明の実施形態の匍匐植物を表わす側面図である。
【図7】本発明の実施形態の緑化構造物の施工工程を表わす説明断面図である。
【図8】本発明の実施形態の緑化構造物の施工工程を表わす説明断面図である。
【図9】本発明の実施形態の緑化構造物の施工工程を表わす説明断面図である。
【図10】本発明の実施形態の緑化構造物の施工工程を表わす斜視図である。
【図11】本発明の実施形態の緑化構造物を表わす斜視図である。
【図12】本発明の実施形態の緑化構造物の施工工程を表わす説明断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
本発明を実施するための形態を具体的に図示した図面に基づいて更に詳細に説明すると次のとおりである。
【0023】
本発明の実施形態を図1から図12に基づいて説明する。図1中、符号1で指示するものは生育苗箱であり、この生育苗箱1は、上部が開口した箱体であって、略矩形の底板11に排水孔11a・11a…を有する。本実施形態では、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレン(PE)、ポリエチレンテレフタレート(PET)などの熱可塑性樹脂を射出成形して作製するが、金属や木材、レンガなどであっても良い。
【0024】
また、符号2で指示するものは植栽シートであり、この植栽シート2は、多数の微細孔部21・21…を有する生分解性材料をシート状に成形したものである(図2参照)。本実施形態では、トウモロコシ等のデンプンから作られたポリ乳酸繊維を原料とし、将来的に、加水分解と微生物分解により水と炭酸ガスに分解する。
【0025】
更にまた、符号3で指示するものは土壌層であり、この土壌層3は底側土壌層3Aと上側土壌層3Bとから成り、土壌Dを敷き詰めて形成する。本実施形態では、この土壌Dに、培養土、軽量土、おが屑の少なくとも一つを含ませることができる。
【0026】
本実施形態における培養土としては、植物の栽培に通常使用されている基本用土(赤玉土、黒土、川砂など)、改良用土(腐葉土、ピートモスなど)、調整用土(バーミキュライト、パーライト、チャフコン、ゼオライト、珪酸白土、石灰、草木灰など)を採用することができ、天然土壌や人工土壌を単独または混合して用いることができる。また、軽量土としては、真珠岩系パーライト等の岩石の焼成物やリサイクルセラミック、火山砂利等から得られる無機質系人工土壌、分解の遅い針葉樹(スギ、ヒノキ)の樹皮やココピート(登録商標)、ピートモス、草炭等を加工して得られる有機質系人工土壌、あるいは軽量無機質骨材に有機質資材を混合加工した有機無機混合型人工土壌などを用いることができる。この軽量土を用いることにより、重量の面でも建物に負担が少なく、保水性・通水性が向上する。更にまた、木工工場などで発生するおが屑を用いることにより、資源の有効活用および生長促進のための肥料とすることができる。
【0027】
しかして、本発明は、地表面上において設置する緑化構造物であって、この構造物を施工する手順を以下に説明する。
【0028】
まず、上部が開口した箱体であって、略矩形の底板11に排水孔11a・11a…を有する生育苗箱1の容器内部において、この底板11の上面に、多数の微細孔部21・21…を有する生分解性材料をシート状に成形した植栽シート2(本実施形態では0.7mm以上)を敷設する(図3参照)。
【0029】
次いで、この植栽シート2の上面に土壌Dを覆土して底側土壌層3Aを形成する(図4参照)。本実施形態では、約1cmの厚みにする。
【0030】
そして、この底側土壌層3Aの上面に匍匐植物Pを載置する(図5参照)。本実施形態では、この匍匐植物Pをヒメイワダレソウにすることができる。なお、匍匐植物Pは、図6に示すように、匍匐茎sが伸びて生長するとともに、それぞれの節jから根rが発根して土壌Dに根付く生態を呈するものである。
【0031】
本実施形態においてヒメイワダレソウを採用する主な理由を以下に列記する。
(イ)他の植物よりも被覆密度が高く、密集して全面を覆う。
(ロ)約4か月に亘り、白い小花が無数に咲くことから、景観が良い。
(ハ)草丈が低く5〜7cmで耐踏圧性に強い。
(ニ)芝のように刈り込む必要がなく、手入れが簡単である。
(ホ)多年草で冬は枯死したようになるが、春の気温上昇と共に新葉が芽をふく。
(ヘ)外来種であるが既存の生態系を変えない。
(ト)根量が多く、土をしっかり抱え込む。
(チ)カメムシが寄生しない。
【0032】
次に、匍匐植物Pの上から、更に土壌Dを覆土して上側土壌層3Bを形成して(本実施形態では約1cm)、当該匍匐植物Pを被覆埋設するとともに、この積層体を生育苗箱1内において押し固める(図7参照)。匍匐植物Pは、土壌Dの自重や踏み固めによって、より生長を促進させることができる。
【0033】
然る後、前記匍匐植物Pの匍匐茎sを上側土壌層3Bの上面に向けて生長させる一方、この匍匐茎sの節jから発根した根rを、前記底側土壌層3A側に根付かせて、かつ、前記植栽シート2の微細孔部21を貫通させることによって定着せしめるとともに、当該匍匐植物Pを上側土壌層3Bの上面に繁茂させる(図8参照)。本実施形態では、季節(気温)にもよるが、約2か月間で繁茂する。
【0034】
こうして匍匐植物Pを繁茂させた植栽シート2を、前記底側土壌層3Aおよび上側土壌層3Bと共に前記生育苗箱1から取り外す(図9および図10参照)。
【0035】
本実施形態では、植栽シート2の端縁部22を、生育苗箱1の枠縁壁12の外側に出しておくことができる。具体的には、植栽シート2の隅角部の一つを生育苗箱1の底板11の隅角部に合致させた状態で敷設して、二方の端縁部22を外側に出す。そして、この端縁部22を手で掴んで持ち上げ、下面をへら板などですくい上げることによって、生育苗箱1からの取り出し作業を容易にすることができる。なお、端縁部22を上下左右の全てを外側に出しておくことも当然に可能である。
【0036】
そして、これら複数の植栽シート2・2…を、隣接させながら対象地表面上に順次敷設する(図11参照)。
【0037】
この際、本実施形態では、図12に示すように、植栽シート2の端縁部22の上に、隣り合う植栽シート2上の土壌層3を載置して、対象地表面上に順次隣接させながら敷設する
ことができ、このオーバーラップ部分によって、より対象地表面上に安定的に施工することができる。
【0038】
また、本発明の緑化構造物は、施工後に繁茂した匍匐植物Pの上に自由に乗ることができて、歩いたり寝そべったりすることができるので、公園や河川敷の法面、ビルの屋上などの休憩スペースとしても非常に適している。
【0039】
本発明は、概ね上記のように構成されるが、図示の実施形態に限定されるものでは決してなく、「特許請求の範囲」の記載内において種々の変更が可能であって、例えば、生育苗箱1の材質や大きさは、自由に変更することができる。
【0040】
また、匍匐植物Pの種類も環境等に応じて、適宜変更することができ、これら何れのものも本発明の技術的範囲に属する。
【産業上の利用可能性】
【0041】
法面保護工事には、種子の吹き付け作業のために大掛かりな設備が必要であり、コストがかかり過ぎていたが、本発明の緑化構造物およびその施工方法によれば、施工が容易であって、メンテナンスの必要もないので、施工コストやランニングコストを大幅に縮小することもできる。また、生分解性材料のシートは、施工後に分解されて土壌内に残留することがないので、環境にも優しく、撤去の手間も不要である。
【0042】
更にまた、大都市のヒートアイランド現象を防ぐためには、緑化を推進することが不可欠だが、地価が高く、活用できる土地はあまりない。そこで注目されたのが屋上であり、本発明によれば、匍匐植物の蒸散作用などによって、周囲の気温を下げるほか、断熱効果も高く省エネにつながり、騒音が低減され、建物の膨張・収縮による劣化を防ぎ、そしてビルに潤いを与え、訪れる人の憩いのスペースとしても活用できることから、屋上緑化においてもいろいろなメリットがある。
【符号の説明】
【0043】
1 生育苗箱
11 底板
11a 排水孔
12 枠縁壁
2 植栽シート
21 微細孔部
22 端縁部
3 土壌層
3A 底側土壌層
3B 上側土壌層
P 匍匐植物
s 匍匐茎
j 節
r 根
D 土壌

【特許請求の範囲】
【請求項1】
地表面上において緑化構造物を施工する方法であって、
上部が開口した箱体であって、略矩形の底板(11)に排水孔(11a・11a…)を有する生育苗箱(1)の容器内部において、この底板(11)の上面に、多数の微細孔部(21・21…)を有する生分解性材料をシート状に成形した植栽シート(2)を敷設して、
次いで、この植栽シート(2)の上面に土壌(D)を覆土して底側土壌層(3A)を形成し、
この底側土壌層(3A)の上面に匍匐植物(P)を載置した後、この匍匐植物(P)の上から、更に土壌(D)を覆土して上側土壌層(3B)を形成することにより、当該匍匐植物(P)を被覆埋設するとともに、この積層体を生育苗箱(1)内において押し固めて、
然る後、前記匍匐植物(P)の匍匐茎(s)を上側土壌層(3B)の上面に向けて生長させる一方、この匍匐茎(s)の節(j)から発根した根(r)を、前記底側土壌層(3A)側に根付かせて、かつ、前記植栽シート(2)の微細孔部(21)を貫通させることによって定着せしめるとともに、当該匍匐植物(P)を上側土壌層(3B)の上面に繁茂させ、
こうして匍匐植物(P)を繁茂させた植栽シート(2)を、前記底側土壌層(3A)および上側土壌層(3B)と共に前記生育苗箱(1)から取り外して、
これら複数の植栽シート(2・2…)を、隣接させながら対象地表面上に順次敷設することを特徴とする緑化構造物の施工方法。
【請求項2】
植栽シート(2)の端縁部(22)を、生育苗箱(1)の枠縁壁(12)の外側に出すことを特徴とする請求項1記載の緑化構造物の施工方法。
【請求項3】
植栽シート(2)の端縁部(22)の上に、隣り合う植栽シート(2)上の土壌層(3)を載置して、対象地表面上に順次隣接させながら敷設することを特徴とする請求項1または2記載の緑化構造物の施工方法。
【請求項4】
生育苗箱(1)で生育する匍匐植物(P)をヒメイワダレソウにすることを特徴とする請求項1〜3の何れか一つに記載の緑化構造の施工方法。
【請求項5】
底側土壌層(3A)および上側土壌層(3B)には、培養土、軽量土、おが屑の少なくとも一つを含む土壌(D)を用いることを特徴とする請求項1〜4の何れか一つに記載の緑化構造物の施工方法。
【請求項6】
地表面上において設置する緑化構造物であって、
多数の微細孔部(21・21…)を有する生分解性材料をシート状に成形した植栽シート(2)の上面に底側土壌層(3A)が形成され、
この底側土壌層(3A)の上面に匍匐植物(P)が載置され、
この匍匐植物(P)の上から、更に上側土壌層(3B)が形成されて、当該匍匐植物(P)が被覆埋設されているとともに、この積層体が押し固められており、
前記匍匐植物(P)の匍匐茎(s)が上側土壌層(3B)の上面に向けて生長している一方、この匍匐茎(s)の節(j)から発根した根(r)が、前記底側土壌層(3A)側に根付いて、かつ、前記植栽シート(2)の微細孔部(21)に貫通していることによって定着しているとともに、当該匍匐植物(P)が上側土壌層(3B)の上面に繁茂しており、
こうして匍匐植物(P)が繁茂した複数の植栽シート(2・2…)が、隣接して対象地表面上に順次敷設されていることを特徴とする緑化構造物。
【請求項7】
植栽シート(2)の端縁部(22)の上に、隣り合う植栽シート(2)上の土壌層(3)が載置されて、対象地表面上に順次隣接させながら敷設されていることを特徴とする請求項6記載の緑化構造物。
【請求項8】
匍匐植物(P)がヒメイワダレソウであることを特徴とする請求項6または7記載の緑化構造物。
【請求項9】
底側土壌層(3A)および上側土壌層(3B)が、培養土、軽量土、おが屑の少なくとも一つを含むことを特徴とする請求項6〜8の何れか一つに記載の緑化構造物。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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