緑化用棚形成体および緑化棚
【課題】強風や自動車の衝突にあっても植生基盤が飛散しない緑化用棚形成体および緑化棚を提供する。
【解決手段】緑化用棚形成体30は、支柱4にボルト5によって固定されるボルト通し孔6を有する垂直面である固定部位面31、この固定部位面31から前方に折られて下向き傾斜で前方に延びた上部板面32、この上部板面32から下方に垂直に折られて下方に延びた前部板面33、この前部板面33から後方に折られて下向き傾斜で後方に延びた下部板面34、この下部板面34から下方に垂直に折られて下方に延びた固定部位面35とからなっている。
【解決手段】緑化用棚形成体30は、支柱4にボルト5によって固定されるボルト通し孔6を有する垂直面である固定部位面31、この固定部位面31から前方に折られて下向き傾斜で前方に延びた上部板面32、この上部板面32から下方に垂直に折られて下方に延びた前部板面33、この前部板面33から後方に折られて下向き傾斜で後方に延びた下部板面34、この下部板面34から下方に垂直に折られて下方に延びた固定部位面35とからなっている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、擁壁、壁面、塀などの緑化用棚形成体および緑化棚に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の緑化棚は、メッシュ材料によって形成されたもので、全面開口した上部面および側面形状が逆三角形の植生基盤収納部を形成する、傾斜形態である前部面と、この前部面の下部が固定されてなる背部面とからなる緑化用棚形成体を、階段状にコンクリート斜面に配置してなる形態の緑化棚が知られている。(例えば特許文献1)
また、支柱前面から後方に向けて棚板を斜めに差込むための斜めの凹みからなる棚板差込部を多段設け、間隔を開けて配置した複数本の支柱に棚板を多段に設けてなる、棚の上部が全面開口である緑化棚が知られている。(例えば特許文献2)
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平10−306446号公報(図10)
【特許文献2】特開2009−254347号公報
【非特許文献】
【0004】
【非特許文献1】特になし
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上述した特許文献1、2の技術はいずれも、上部が全面開口形態であるため植生基盤の上部面が露出した形態であり、このため、台風などの強風によって植生基盤が吹き飛ばされてしまう、種子を蒔いた直後は強風で種子も飛び散ってしまう、また、大雨が降り注ぐと種子や出た直後の芽などが流水で流亡してしまうという欠点を有するものであった。
このため、植物の生育域がまばらになるなど、生育植物状態になってもイメージしていた景観、美観が得られないという欠点を有するものであった。
また、道路側壁の緑化棚(家屋、建造物の塀をふくむ)とした場合では、自動車が衝突した場合にも植生基盤が飛散してその片付けで交通制限が長時間になる、心ない通行人が植生基盤を掘り出し飛散させてしまうという欠点があった。
また、河川護岸・水路・砂防堰堤等の流速があり流木や流石のある場所においては、種子が流亡してしまう、棚そのものが破損してしまう、かような場所には設置できないという欠点があった。
また、前方の突出した各棚板(植生基盤収納部)の上部開口部のみの植物の生育であるため、各棚板の前面部は植物が生育しない板面のままである。このため緑化棚を景観的にくまなく緑で覆い尽くす緑化ができ難い、各棚板の前面部位が緑化棚の景観の一部を形成する、それによって、緑化面積が少なくなっているという欠点を有するものであった。
また、特許文献2の技術は、棚板差込部が形成された決まった前後厚みの支柱を使用することが前提となるので、植生基盤の分量を増やすことには限界があり、そのため灌水装置を常設条件にし、あるいは定期的な水まきを条件にするものであった。
また、植生基盤を新しいものに交換する場合は、生育した植物も植生基盤とともに取り出し廃棄ないし植え替えを行わなくてはならないという欠点を有するものであった。
【0006】
本発明は以上のような従来技術の欠点に鑑み、強風や自動車の衝突にあっても植生基盤が飛散しない緑化用棚形成体および緑化棚を提供することを目的としている。
また、前方に突出した植生基盤収納部を多段で設けた凸凹多段形態の緑化棚において、少なくとも各緑化棚の上面、前面に植物が育成して景観的には緑化棚全面が緑化されているような景観を実現し、それによって緑化面積を増やすことができる緑化用棚形成体および緑化棚を提供することを目的としている。
また、生育した植物を残して植生基盤の交換を可能とする緑化用棚形成体および緑化棚を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために本発明は以下のような構成としている。
<請求項1記載の発明>
鋼板に多数の切り込み入れ押し拡げあるいは引き延ばして傾斜状の壁間に形成した孔の多数によって網目状鋼板に形成してなる、あるいは鋼板に設けた多数の切り込み部分を押し出し形成した顎状の壁や傾斜状の壁の間に形成した孔の多数によって網目状鋼板に形成してなるエキスパンドメタルメッシュ、上部面を形成する前記エキスパンドメタルメッシュからなる上部板面と、この上部板面とで植生基盤を収納する植生基盤収納部を形成するように、該上部板面の前方側から後方に延びた前記エキスパンドメタルメッシュからなる下部板面と、前記上部板面と前記下部板面との後方に形成される前記植生基盤収納部の開口である後方開口部とからなることを特徴とする緑化用棚形成体である。
「該上部板面の前方側から後方に延びた・・・下部板面」とは、上部板面から直接的に延びた下部板面という形態、上部板面から前部板面を経由して間接的に該上部板面から延びた下部板面という形態、のいずれの形態も技術的範囲に含まれる者である。
<請求項2記載の発明>
上部板面の前方側と下部板面の前方側の間にエキスパンドメタルメッシュにより形成された前部板面を設けてなる特徴とする請求項1記載の緑化用棚形成体である。
<請求項3記載の発明>
上部板面の後方端から支柱や壁面に固定される部位となる第1の固定部位面が立ち上げられ、下部板面の後方端から支柱や壁面の固定される部位となる第2の固定部位面が立ち下げられてなることを特徴とする請求項1、2のいずれか1項に記載の緑化用棚形成体である。
<請求項4記載の発明>
植生基盤収納部が複数棚形成され、この複数棚の形成が1枚のエキスパンドメタルメッシュを折り曲げて形成したものであることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の緑化用棚形成体である。
<請求項5記載の発明>
植生基盤収納部を形成するエキスパンドメタルメッシュの内側面に種子入り植生シートが貼られてなることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の緑化用棚形成体である。
<請求項6記載の発明>
植生基盤収納部に保水性と通気性のあるウレタン製発泡材からなる植生基盤が収納されてなることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の緑化用棚形成体である。
<請求項7記載の発明>
複数本の支柱と、この支柱に緑化棚を形成する形態で取り付けられた請求項1〜5のいずれか1項に記載された緑化用棚形成体とからなることを特徴とする緑化棚である。
【発明の効果】
【0008】
本発明にあっては次に列挙する効果を奏する。
<請求項1記載の発明の効果>
鋼板に多数の切り込み入れ押し拡げあるいは引き延ばして傾斜状の壁間に形成した孔の多数によって網目状鋼板に形成してなる、あるいは鋼板に設けた多数の切り込み部分を押し出し形成した顎状の壁や傾斜状の壁の間に形成した孔の多数によって網目状鋼板に形成してなるエキスパンドメタルメッシュ、
上部面を形成する前記エキスパンドメタルメッシュからなる上部板面と、
この上部板面とで植生基盤を収納する植生基盤収納部を形成するように、該上部板面の前方側から後方に延びた前記エキスパンドメタルメッシュからなる下部板面と、
前記上部板面と前記下部板面との後方に形成される前記植生基盤収納部の開口である後方開口部とからなることを特徴とする緑化用棚形成体であるので、次に述べるような効果を奏する。
すなわち、
(1)支柱、擁壁、壁などの棚形成ベースに前方に凸形態で突出する緑化用棚形成体を一段棚、あるいは複数段棚を形成するように取付け緑化棚を形成し、あるいは、支柱間に緑化用棚形成体を一段棚、あるいは複数段棚を形成するように取付け緑化棚を形成し、植生基盤収納部に現地用土、保水通気性のあるウレタン製発泡材、粉砕した木皮片と土の混合植生材などの植生基盤を収納し、植生基盤の表側に種子を蒔いた状態とするのであるが、植生基盤、種子ともに鋼板からなる強靱なエキスパンドメタルメッシュ内に位置されるので、上部面、下部面、前部面はエキスパンドメタルメッシにより囲われ、背部面(後方)はエキスパンドメタルメッシあるいは塞がれる。すなわち、前方に突出した凸形態の植生基盤および種子の四方が完全に塞がれた状態となるので、台風のような強風があっても植生基盤および種子が飛散することがないという効果を奏する。
(2)前記(1)によって、大雨があても殆どの種子は流亡することなく、生育しエキスパンドメタルメッシュないで根をはり、生育植物がイメージした景観、美観で生えそろう緑化棚を実現するという効果を奏する。
また、緑化用棚形成体内で種子から生育させるので、メッシュ内層で根を張り巡らす状態となり、これよって、河川護岸・水路・砂防堰堤等の流速があり流木や流石が当る場所に使用しても植物・基盤材の流亡が無い、かような場所にも設置して緑化を可能にするという効果を奏する。
(3)自動車の衝突の衝撃に対しても多くの場合は、鋼板からなる強靱なエキスパンドメタルメッシュが潰れ曲がるだけであり、あるいは一部が破ける程度であるので、中の植生基盤の飛散が少量で済み、車両事故が発生しても植生基盤材等が飛散しないので、交通制限を短時間にできるという効果を奏する。
また、自動車が衝突しても極めて良好な緩衝機能を発揮するので交通事故による被害を軽減させることが期待できるという効果を奏する。
また、分厚い消音特性のある植生基盤によって、自動車の走行音を消音軽減するという効果を奏する。
また、通行人等がいたずらで植生基盤を掘り返すなどということができないという効果を奏する。
よって、高速道路を含む自動車道路の側壁に緑化棚を形成するのに適しているものである。
(4)前方の突出した緑化用棚形成体の上部板面、前部板面、下部板面の全ての面が網目状鋼板であるエキスパンドメタルメッシュによって形成されているので、多数の穴から植物が生育して外に伸び出して、少なくとも緑化用棚形成体の上部板面および前部板面を緑化することを実現するという効果を奏する。これによって、景観的には緑化棚全面が緑化されているような景観を実現し、それによって緑化面積を増やすことができるという効果を奏する。
植物によっては、下部板面も緑化可能である。
メッシュの網目からの植物の生長であり、これに持っても適した草丈の低い植物(主にグランドカバープランツ)を選択することが最適であり、このような使用とした場合には植物の剪定作業をしなくてもよいことになり、草丈の低い植物(主にグランドカバープランツ)を選択することにより、保水の有効期間が長期化できるものである。
(5)一般的には、緑化用棚形成体は支柱前面にボルトや溶接などによって取り付けられるものであるので、特別な仕様の支柱の使用に限定されない形態を実現しており、支柱の前後幅は自由に選択できるという効果を奏する。これによって、支柱の前後幅を広いものにすることによって、収納する植生基盤の分量を多くして保水量を高めて灌水装置を常設あるいは定期的な水まきをしなくてもよい、自然の降雨だけによって緑化が保持される緑化棚を実現することを可能とするものである。
(6)密着性の無いないし弱い植生基盤を使用することによって、植生基盤を例えば予め設けてある下方開口を開口してとりだすことができるとともに、網の目を通り抜けて成長している植物はエキスパンドメタルメッシによって該エキスパンドメタルメッシ上に保持されるので、新しい混合植生基盤を投入して既存の植物を新しい植生基盤で生育させることができるという効果を奏する。
また、密着性の強い植生基盤であっても水崩壊性のものであれば、流水によって植生基盤を荒い流し除くことによって、網の目を通り抜けて成長している植物はエキスパンドメタルメッシによって該エキスパンドメタルメッシ上に保持された状態とし、新しい混合植生基盤を投入して既存の植物を新しい植生基盤で生育させることができるという効果を奏する。
(7)部分的に枯れた部位は、エキスパンドメタルメッシの孔の植生基盤を細棒なでほじくり出し、種子を練り込んだ土などの種子入り植生基盤を該孔に押し込むことによって、簡単に補修できるという効果を奏する。
<請求項2記載の発明の効果>
上部板面の前方側と下部板面の前方側の間にエキスパンドメタルメッシュにより形成された前部板面を設けることを特徴とする請求項1記載の緑化用棚形成体であるので、このような構成としても請求項1記載の発明と同様な効果を奏する。
<請求項3記載の発明の効果>
上部板面の後方端から支柱や壁面(建造物の壁面、擁壁面など)に固定される部位となる第1の固定部位面が立ち上げられ、下部板面の後方端から支柱や壁面の固定される部位となる第2の固定部位面が立ち下げられてなることを特徴とする請求項1、2のいずれか1項に記載の緑化用棚形成体であるので、請求項1、2のいずれか1項に記載の発明と同様な効果を奏するとともに次に述べるような効果を奏する。
すなわち、
第1の固定部位面、第2の固定部位面のフランジ効果によって、緑化用棚形成体の強度をたかめるとともに、支柱や壁面への緑化用棚形成体の取付けを容易かつ堅固にするという効果を奏する。
<請求項4記載の発明の効果>
植生基盤収納部が複数棚形成され、この複数棚の形成が1枚のエキスパンドメタルメッシュを折り曲げて形成したものであることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の緑化用棚形成体であるので、請求項1〜3のいずれか1項に記載の発明と同様な効果を奏するとともに次に述べるような効果を奏する。
すなわち、
複数棚が1枚のエキスパンドメタルメッシュを折り曲げて形成したものであるので、強度が堅固であり且つ低コストにできるという効果を奏する。
<請求項5記載の発明の効果>
植生基盤収納部を形成するエキスパンドメタルメッシュの内側面に種子入り植生シートが貼られてなることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の緑化用棚形成体であるので、請求項1〜4のいずれか1項に記載の発明と同様な効果を奏するとともに次に述べるような効果を奏する。
すなわち、植生基盤収納部を形成するエキスパンドメタルメッシュの内側面に種子入り植生シートが貼られてなるので、植生シートの内側にあるいはサンドイッチ形態で種子を保護することにより流水、強風での種子の飛散をいっそう強固に止め、また、種子の量を最小限にでき、よって、最小限の種子で生育植物のまんべんなく生育した景観、美観に優れた緑化を実現するという効果を奏する。
また、植物を植生シート内の種子から生育させることにより、メッシュ内層で根を張り巡らす状態となり、これよって、河川護岸・水路・砂防堰堤等の流速のある場所に使用しても植物・基盤材の流亡が無い、かような場所にも設置して緑化を可能にするという効果を奏する。
<請求項6記載の発明の効果>
植生基盤収納部に保水性と通気性のあるウレタン製発泡材からなる植生基盤が収納されてなることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の緑化用棚形成体であるので、請求項1〜5のいずれか1項に記載の発明と同様な効果を奏するとともに次に述べるような効果を奏する。
すなわち、
軽量部材であるウレタン製発泡材からなる植生基盤が収納されているので、設置作業が行いやすく且つ短時間の作業にできるという効果を奏する。
<請求項7記載の発明の効果>
複数本の支柱と、この支柱に緑化棚を形成する形態で取り付けられた請求項1〜5のいずれか1項に記載された緑化用棚形成体とからなることを特徴とする緑化棚であるので、請求項1〜5のいずれか1項に記載の発明と同様な効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本発明の実施例1の緑化棚の組立斜視図。
【図2】本発明の実施例1の緑化棚の左側面図、正面図および底面図。
【図3】本発明の実施例1の緑化用棚形成体の左側面図および中間一部省略正面図。
【図4】本発明の実施例1のエキスパンドメタルメッシュMの参考正面図および参考A−A線切断端面図。
【図5】本発明の実施例1の植物が生育した状態を示す部分断面図。
【図6】本発明の実施例1の植生基盤を収納した状態の断面図。
【図7】本発明の実施例1の植生基盤を収納した状態の断面図。
【図8】本発明の実施例1の他の植生基盤を収納した状態の断面図。
【図9】本発明の実施例1の緑化用棚形成体の左側面図、平面図、正面図および背面図。
【図10】本発明の実施例2の緑化棚の左側面図、正面図および底面図。
【図11】本発明の実施例2の緑化棚のバリエーションを示す側面図。
【図12】本発明の実施例2の緑化棚の他のバリエーションを示す側面図。
【図13】本発明の実施例2の緑化用棚形成体の中間一部省略正面図、中間一部省背面図、中間一部省底面図、左側面図おおび緑化棚を形成した状態の参考斜視図。
【図14】本発明の実施例3の緑化用棚形成体の中間一部省正面図、中間一部省背面図、中間一部省底面図、左側面図おおび緑化棚を形成した状態の参考斜視図。
【図15】本発明の実施例4の緑化用棚形成体の平面図、正面図、背面図および左側面図。
【図16】本発明の実施例5の塞ぎプレート付き支柱および突起付き固定ベルトの斜視図。
【図17】本発明の実施例6の塞塞ぎプレート付き固定ベルトの斜視図。
【図18】本発明の実施例7の塞ぎプレート付き支柱および突起付き固定ベルトの斜視図。
【図19】本発明の実施例8の緑化用棚形成体の他の形態を示す側面図。
【図20】本発明の実施例9の緑化用棚形成体の他の形態を示す側面図。
【図21】その他の発明の実施例1の緑化用棚形成体の左側面図、右側面図、正面図、平面図、底面図および背面図。
【図22】その他の発明の実施例1の緑化棚の側面図および正面図。
【図23】その他の発明の実施例1の緑化棚の植物の植栽状態図。
【図24】その他の発明の実施例1の支柱の内側側面図、緑化棚の平面図および底面図。
【図25】その他の発明の実施例2の緑化棚の組立側面図および正面図。
【図26】その他の発明の実施例3の緑化用棚形成体の左側面図、右側面図、正面図、平面図、底面図および背面図。
【図27】その他の発明の実施例3の緑化棚の側面図および正面図。
【図28】その他の発明の実施例4の緑化棚の植栽状態図。
【図29】本発明の実施例1のエキスパンドメタルメッシュMの参考正面端面図、参考左側面端面図、参考右側面端面図、参考平面端面図および参考底面端面図。
【図30】本発明の実施例10の緑化用棚形成体の正面図。
【図31】本発明の実施例10の緑化用棚形成体の固定ベルトを省略した側面。
【図32】本発明の実施例10の緑化用棚形成体の支柱、固定ベルトおよび支柱を省略した斜視図。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明を実施するための最良の形態である実施例を説明する。但し、本発明をこれら実施例のみに限定する趣旨のものではない。また、後述する実施例の説明に当って、前述した実施例の同一構成部分には同一符号を付して重複する説明を省略する。
【実施例1】
【0011】
図1〜図9、図29に示す本発明の実施例において1は緑化用棚形成体であて、この緑化用棚形成体1は次のような構成となっている。
鋼板に多数の切り込み入れ押し拡げあるいは引き延ばして傾斜状の孔形成壁2の間に形成した菱形、扇形あるいは亀甲状等に形成した孔3の多数によって網目状鋼板に形成してなる、あるいは鋼板に設けた多数の切り込み部分を押し出し形成した顎状(傾斜状壁に含む)の孔形成壁2や傾斜状の孔形成壁2の間に形成した孔3の多数によって網目状鋼板に形成してなるエキスパンドメタルメッシュM、緑化用棚形成体1はこのエキスパンドメタルメッシュM(以下「メッシュM」ともいう)の一枚を折り曲げて形成したものである。
すなわち、
支柱4a、4b、4c(アンカーが埋め込まれた壁面などでもよい)にボルト5によって固定されるボルト通し孔6を有する垂直面である固定部位面7a、この固定部位面7aから前方に折られて下向き傾斜で前方に延びた上部板面8a、この上部板面8aから下方に垂直に折られて下方に延びた前部板面9a、この前部板面9aから後方に折られて下向き傾斜で後方に延びた下部板面10a、上部板面8aと前部板面9aと下部板面10aとで形成された植生基盤を収納する植生基盤収納部11a、上部板面8aと下部板面10aとの後方に形成される植生基盤収納部11aの開口である後方開口部12aとからなる棚13aと、
下部板面10aから下向き垂直に折り下げられた垂直面であるボルト通し孔6を有する固定部位面7b、この固定部位面7bから前方に折られて下向き傾斜で前方に延びた上部板面8b、この上部板面8bから下方に垂直に折られて下方に延びた前部板面9b、この前部板面9bから後方に折られて下向き傾斜で後方に延びた下部板面10b、上部板面8bと前部板面9bと下部板面10bとで形成された植生基盤を収納する植生基盤収納部11b、上部板面8bと下部板面10bとの後方に形成される植生基盤収納部11bの開口である後方開口部12bとからなる棚13bと、
下部板面10bから下向き垂直に折り下げられた垂直面であるボルト通し孔6を有する固定部位面7c、この固定部位面7cから前方に折られて下向き傾斜で前方に延びた上部板面8c、この上部板面8cから下方に垂直に折られて下方に延びた前部板面9c、この前部板面9cから後方に折られて下向き傾斜で後方に延びた下部板面10c、上部板面8cと前部板面9cと下部板面10cとで形成された植生基盤を収納する植生基盤収納部11c、上部板面8cと下部板面10cとの後方に形成される植生基盤収納部11cの開口である後方開口部12cとからなる棚13cと、
下部板面10cから下向き垂直に折り下げられた垂直面であるボルト通し孔6を有する固定部位面7d、この固定部位面7dから前方に折られて下向き傾斜で前方に延びた上部板面8d、この上部板面8dから下方に垂直に折られて下方に延びた前部板面9d、この前部板面9dから後方に折られて下向き傾斜で後方に延びた下部板面10d、この下部板面10dから下向き垂直に折り下げられた垂直面であるボルト通し孔6を有する固定部位面7e、上部板面8dと前部板面9dと下部板面10dとで形成された植生基盤を収納する植生基盤収納部11d、上部板面8dと下部板面10dとの後方に形成される植生基盤収納部11dの開口である後方開口部12dとからなる棚13dとからなっている。
【0012】
上部板面、前部板面および下部板面により形成された棚の側面形状が横向き台形である。このような横向き台形としたことにより、緑化棚上方開口より投入した植生基盤材が植生基盤収納部の隅々にまでまんべんなく行き渡る形態を実現するとともに、強度のある形態を実現している。
【0013】
前部板面9a、9b、9c、9dにおいては、孔形成壁2がその下部を後方下に位置し上部を前方上に位置した、孔3が孔形成壁2の上方にその開口を位置する形態とされ、それぞれの孔3と孔形成壁2で小さな植生鉢ないし植物が孔3からメッシュMの外に上に向かって成長して行く孔を形成し、上部板面8a、8b、8c、8dにおいては、孔形成壁2がその下部を前方下に位置し上部を後方上に位置した、孔3が孔形成壁2の開口を後方に位置する形態とされ、それぞれの孔3からメッシュMの外に上に向かって成長して行く孔を形成した形態となっている。
固定部位面7a、7b、7c、7dには支柱4a、4b、4cのねじ穴14に重なるねじ通し孔25が設けられている。
【0014】
上部板面の傾斜下り角度を略45度とし(45度の傾斜角度の)孔形成壁2が垂直に立った状態から前方に傾いた状態とするのもよい。この場合下部板面は略水平とするのがよく、これによって、植物が生える上部板面と前部板面の面積すなわち緑化面積が増えることになる。
また、上部板面を略水平にするのもよい。
【0015】
立設されたあるいは壁面に固定された、前面に所定の間隔で設けられたねじ穴14(ナット溶接でもよい。あるいはねじ穴とせずねじ通し孔としてナット締めとするのもよい。)を有する支柱4a、4b、4cに、緑化用棚形成体1が該緑化用棚形成体1の表面形状に形とられた固定ベルト15a、15b、15cとボルト5によって固定され、支柱4a、4b、4c上部に被せ固定される上部被せ材24が設けられて緑化棚16が形成されている。
上部被せ材24内には水を供給するためのパイプ22は設けられている。
固定ベルト固定ベルト15a、15b、15cの凹み部位には、ねじ穴14に重なるねじ通し孔23が設けられている。
緑化用棚形成体1は上方に連設して設けることも、横に連設して設けることもできるものであり、横連設の場合は図1のようにねじ通し孔23同士が重なる側部重なり部25を形成しておこなう。また図示していないが、上連設の場合は下位置の緑化用棚形成体1の最上部の固定部位面7aに上位置の緑化用棚形成体1の最下部の固定部位面7eが重ねられてボルトにより固定される。
【0016】
支柱間に緑化用棚形成体1を一段棚、あるいは複数段棚を形成するように取付け緑化棚を形成する形態もある。このような形態は主にプランターや塀として好適である。
【0017】
図6に示すように、緑化用棚形成体1の内側面全面に種子・肥料入りの植生シート17(植生シート間に種子が挟まれる形態)が貼られ、植生基盤収納部11a〜11dには吸水性、保水性、通気性のある合成樹脂製の発泡植生基盤18(ウレタン製発泡植生基盤が好適である)が充填、塊の嵌め込みなどによって埋め尽くす形態で設けられている。背面壁は道路側壁、構造物壁などのコンクリート壁25である。
【0018】
また、図7に示すように、緑化用棚形成体1の内側面全面に種子・肥料入りの植生シート17(植生シート間に種子が挟まれる形態)が貼られ、植生基盤収納部11a〜11dには現地の用土からなる現地用土植生基盤20を現地にて詰め込んでいる。
吸水性、保水性、通気性のある合成樹脂製の発泡植生基盤18(ウレタン製発泡植生基盤が好適である)が充填、塊の嵌め込みなどによって埋め尽くす形態で設けられている。
背面プレート19は緑化用棚形成体1の背面に直接隙間無く固定された隙間の無い形態でもよい。
背部にはエキスパンドメタルメッシュMからなる背面プレート19が固定部位面7a、7b、7c、7dとの間に隙間をあけて配置されている。
【0019】
また、図8に示すように、粉砕木皮、土、肥料を混合してなる混合植生基盤21を現地にて詰め込む、あるいは前もって詰め込んである形態を示している。植生シート17は上部板面と前部板面の範囲に設け、さらに、植生シート17を背面プレート19の内側面に設け、背面プレート19からも外に向かって植物が生育して背面側も緑化されるようにしている。表も裏(背面)緑化された塀などを実現するものである。
自然土壌を主成分とした育成基盤材に街路樹の剪定材・間伐材等のリサイクル資材等を保水材とした混合植生基盤とするのがよい。
こうした混合植生基盤は専用の充填用バークブロワーで行うのが作業効率上好適である。
【0020】
また、種子を混ぜた糊状植生部材(バインダー)をはけ塗り、ローラ塗り、噴射塗りなどによってメッシュMの内側面に予め塗布して提供されるもの、現場で塗布するものもよい。糊状植生部材は生分解性のものがよい。
また、植生基盤そのものに種子を混合させておくのもよい。
また、現場緑化棚形成後に上部板面および前部板面に向けて種子を吹き付けるなどして孔3内に種子を蒔くようにしてもよい。この場合、種子蒔きの後に生分解性のバインダーを表から塗布して、種子が強風で飛散しないようにするのがよい。
また、現場緑化棚形成後に上部板面および前部板面に向けて粘着性の生分解性バインダーを薄く塗布し、その後種子を吹き付けるなどで蒔いて粘着性バインダーに種子をくっつけて強風や雨でも飛散しないようにするのも可能である。
【0021】
また、密着性の無いないし弱い混合植生基盤を用いることによって、混合植生基盤を交換する場合にあっては、緑化用棚形成体1を支柱4から外すのであるが、この外した状態でも、網目(孔3)を通り抜けて根は内側に茎及び葉は外に出して成長した植物はメッシュMによって該メッシュM上に保持されている。古い混合植生基盤を取り除き、植物付きの緑化用棚形成体1を支柱に取付け、新しい混合植生基盤を投入して既存の植物を新しい植生基盤で生育させることができるものである。
また、密着性の強い植生基盤であっても水崩壊性のものであれば、流水によって植生基盤を荒い流し除くことによって、網の目を通り抜けて成長している植物はエキスパンドメタルメッシによって該エキスパンドメタルメッシ上に保持された状態とし、新しい混合植生基盤を投入して既存の植物を新しい植生基盤で生育させることができるものである。
また、部分的に枯れた部位は、エキスパンドメタルメッシの孔の植生基盤を細棒なでほじくり出し、種子を練り込んだ土などの種子入り植生基盤を該孔に押し込むことによって、簡単に補修できる。
メッシュの網目からの植物の生長であり、これに持っても適した草丈の低い植生基盤からの水分吸収の少ないグランドカバー(地面を覆うように広がる、背の低い植物)に向いた常用多年草植物を選択することが最適であり、このような使用とした場合には植物の剪定作業をしなくてもよいことになり、草丈の低いダイカンドラ、テイフブレア、シロツメクサなどの多年草常緑植物を選択することにより、保水の有効期間が長期化できるものである。
また、常用植物としてはヒメイワダレソウ・セダム・コケ類等もよい。
【0022】
エキスパンドメタルメッシュMは、厚み1.2mmの亜鉛メッキ鋼板を使用し、孔の開口を形成しる傾斜状の孔形成壁2(顎部分)の傾斜角度は略45度であり、孔の横ピッチは15mmのものか35mmのものを(15mm〜40mmのものが好適である)、収納する植生基盤の内容によって、あるいは植生する植物によって使い分けている。
エキスパンドメタルメッシュMは現在最も低価格で耐候性のある亜鉛メッキ鋼板がコスト的にはよいのであるが、亜鉛メッキのものに限定されず、ステンレスのようなメッキを必要としない鋼板、他のメッキによるものなどが使用でき、鋼板であるので廃棄の場合は100%鉄くずとしてリサイクルがされるものである。
【実施例2】
【0023】
図10〜図13に示す本発明の実施例2において前記実施例1と主に異なる点は、棚の前後長さを実施例1の緑化用棚形成体1の2倍程度の長さとし、且つ、棚が一つである緑化用棚形成体30を形成した点にある。
具体的には、緑化用棚形成体30は、支柱4にボルト5によって固定されるボルト通し孔6を有する垂直面である固定部位面31、この固定部位面31から前方に折られて下向き傾斜で前方に延びた上部板面32、この上部板面32から下方に垂直に折られて下方に延びた前部板面33、この前部板面33から後方に折られて下向き傾斜で後方に延びた下部板面34、この下部板面34から下方に垂直に折られて下方に延びた固定部位面35とからなっている。
緑化用棚形成体30を複数本の支柱4にボルト5によって棚段を形成するように取り付けて緑化棚36を形成する。図10では4枚の緑化用棚形成体30によって4段棚を形成しているが何段でも可能である。
上部板面32、前部板面33および下部板面34により形成された側面形状が横向き台形である。このような横向き台形としたことにより、強度のある形態を実現している。
【0024】
図11において、支柱4には多数のねじ穴14(ねじ通し孔としト止めとするのもよい)
が設けられている。具体的には、固定部位面31と固定部位面35の縁をつき合わせた状態での取付け(図11の(a)図)、固定部位面31と固定部位面35を重ねた状態での支柱上方位置とした取付け(図11の(b)図)、固定部位面31と固定部位面35を重ねた状態での支柱下方位置とした取付け(図11の(c)図)形態を示している。
特に、図11の(b)図、図11の(c)図のように、固定部位面31と固定部位面35を重ねた状態での取付け固定は、固定部位面31と固定部位面35の二重構造となり、上方からの荷重に強い形態を実現するとともに、全体としても堅固性を高めることができる。
【0025】
図12において、支柱4に緑化棚の棚段を形成する緑化用棚形成体30と緑化用棚形成体30の間にメッシュMからなるプレート39が設けられた形態を示している。
プレート39は固定部位面31、固定部位面35と重ねられた形態でボルト5により固定されている。
緑化用棚形成体30は該緑化用棚形成体30を一回り大きくした形態で横幅が支柱4と同程度かそれより狭い幅のねじ通し孔41を有する固定ベルト40によって、プレート39と固定部位面31、プレート39と固定部位面35を重ねた上からボルト5によって固定される。
プレート39はメッシュMに限定されず、例えば、広告プレート、LEDなどの発光体を設けた発光プレートなど多様なものがある。また、その幅も多様である。
プレート39を最下部に設けており、該最下部のプレート39を取り外すことによって、密着性の無いないし弱い混合植生基盤の場合においては、あけた最下部の開口から該植生基盤をとりだすことができるとともに、網目(孔3)を通り抜けて根は内側に茎及び葉は外に出して成長した植物はメッシュMによって該メッシュM上に保持されるので、新しい混合植生基盤を投入して既存の植物を新しい植生基盤で生育させることができる。
垂直面であるプレート39面も植物成長する緑化面とすることができる。
【実施例3】
【0026】
図14に示す本発明の実施例3において前記実施例1と主に異なる点は、棚13a、13b、13c、13dを個別に分離した形態の、一つの棚である緑化用棚形成体44を形成した点にある。
固定ベルト15は固定ベルト15aと同じものである。
使用形態は前記実施例2と同様である。
【実施例4】
【0027】
図15に示す本発明の実施例4において前記実施例2と主に異なる点は、緑化用棚形成体30と同じ形態の棚47a、47b、47c、47dを一枚のエキスパンドメタルメッシュMを折り曲げて、多段棚の緑化用棚形成体48を形成した点にある。
使用形態は前記実施例1と同様である。
【実施例5】
【0028】
図16に示す本発明の実施例5において前記実施例1と主に異なる点は、外側となる支柱4の側部に緑化用棚形成体1の側部開口を塞ぐ一枚プレートで形成した塞ぎプレート部50を複数枚(本実施例では4枚)設けた塞ぎプレート付き支柱51を形成した点にある。
また、固定ベルト15の側部に塞ぎプレート50の外側面が係って、該塞ぎプレート50が外側に反るのを防ぐ突起52を適宜設けてなる突起付き固定ベルト53を形成した点にある。
実際の設置では塞ぎプレート付き支柱は緑化棚の左右に必要となるので、塞ぎプレート付き支柱51と対称のものが必要となる。
塞ぎプレート部50は、それぞれが分離したプレートでもよい。
【実施例6】
【0029】
図17に示す本発明の実施例6において前記実施例1と主に異なる点は、固定ベルト15の側部に緑化用棚形成体1の側部開口を塞ぐ塞ぎプレート50設けた塞ぎプレート付き固定ベルト55を形成した点にある。
実際の設置では塞ぎプレート付き支柱は緑化棚の左右に必要となるので、塞ぎプレート付き固定ベルト55と対称のものが必要となる。
【実施例7】
【0030】
図18に示す本発明の実施例7において前記実施例1と主に異なる点は、外側となる支柱4の側部に緑化用棚形成体1の側部開口を塞ぐエキスパンドメタルメッシュM一枚プレートで形成した塞ぎプレート部57を複数枚(本実施例では4枚)設けた塞ぎプレート付き支柱58を形成した点にある。
また、エキスパンドメタルメッシュM一枚プレートで形成した固定ベルト15と同形態の固定ベルト60の側部に塞ぎプレート58の外側面が係って、該塞ぎプレート58が外側に反るのを防ぐ突起52を適宜設けてなる突起付き固定ベルト59を形成した点にある。
実際の設置では塞ぎプレート付き支柱は緑化棚の左右に必要となるので、塞ぎプレート付き支柱58対称のものが必要となる。
塞ぎプレート部57は、それぞれが分離したプレートでもよい。
固定ベルト面60の前部板面9a、9b、9c、9dに対応する前部面の孔形成壁2は、該前部板面9a、9b、9c、9dの孔形成壁2の向きと同様となっている。また、塞ぎプレート58も同様の孔形成壁2向きとなっている。
固定ベルト60面の孔3から緑化用棚形成体1内の種子が発芽し育った植物が外に芽吹き成長して緑化される。
また、塞ぎプレート58の内面に植生シートを貼り付けることにより、塞ぎプレート58の孔3からも植物が外に成長し緑化される。
【実施例8】
【0031】
図19に示す本発明の実施例8において前記実施例1と主に異なる点は、道路側である支柱4の表側に緑化用棚形成体1を設け、敷地側である該支柱4の裏側に緑化用棚形成体44を4枚設けてなる緑化棚62を形成した点にある。
植生基盤を除去する場合は敷地側の緑化用棚形成体44を1、2個外して行えばできるので、歩行者や自動車の交通の妨げとならず、且つ、安全に交換作業を進めることができる。
支柱4の頭部にはエキスパンドメタルメッシュMで形成した、側面M字形の上部被せ部材63が最上部のボルト5によって緑化用棚形成体とともに固定して被せられ、上部被せ部材63の谷間には水を散水するパイプ22が設けられている。
【実施例9】
【0032】
図20に示す本発明の実施例9において前記実施例1と主に異なる点は、緑化用棚形成体の他の形態である、緑化用棚形成体66、緑化用棚形成体67、緑化用棚形成体68を示しているところにある。
(1)緑化用棚形成体66はエキスパンドメタルメッシュMで半円弧形態で突出形成した4段の棚70を形成してなり、該棚70は上方部位が上部板面71を形成、前方部位が前部板面72を形成し、下方部位が下部板面73を形成してなっている。
植物は主に上部板面71と前部板面72に生育する。
(2)緑化用棚形成体67はエキスパンドメタルメッシュMで逆さ直角三角形形態で突出形成した4段の棚75を形成してなり、該棚75は水平上部位が上部板面76を形成、下部側後方引き傾斜面が前部板面77を形成してなっている。
植物は主に上部板面71と前部板面72に生育する。
(3)緑化用棚形成体68はエキスパンドメタルメッシュMで直角三角形形態で突出形成した4段の前部板面を有さない形態である棚79を形成してなり(一段ずつでもよい)、該棚79は傾斜面部位が上部板面80(実質「前部板面」とみることもできる)が形成され、該上部板面80の下部を奥(後方)に水平に折り曲げ(角度を付けた折り曲げでもよい)て支柱4から離し植生基盤収納部(実施例1では植生基盤収納部11a〜が該当)を形成するための水平面である(傾斜面でもよい)下部板面81を形成してなっている。
上部板面80が上部端から下部端まで前方に下り傾斜した広い前面メッシュ壁を形成しているので、それは下方に行くほど支柱から離れ上方に行くほど支柱に近づく構造であることから、上部から投入した植生土(現地の土など)が上部板面80内面に当接しながら積み上げられて行くことを実現し、よって、上部板面80の上方に植生土が入らない、ないし小さな空間で済む、押さえの弱い部位が生じない植生土の詰め込み状態を実現するものである。
上部板面80部位のエキスパンドメタルメッシュMの孔3の開口は上方を向く形態となるので、植物は広い占有面積の上部板面80に生育し、緑化棚の前面を広範囲に満遍なく緑化状態にできる。
上部板面80の傾斜は45度〜80度程度がよく、より良くは60度〜75度程度がよい。
上部板面80(実質「前部板面」とみることもできる)は、下部板面81から見て上部に位置していることから上部板面としている。
【実施例10】
【0033】
図30、図31、図32に示す本発明の実施例10において前記実施例1と主に異なる点は、棚の形態を、上部板面を傾斜角度を65度〜75度(図では略70度)の上部板面135とし、この上部板面135の下部を奥(後方)に略直角に折り曲げて形成した傾斜角度略20度の下部板面136とし、上部板面135の上部側を内側に折り曲げ上部内側に植生土が入る空間を形成する上部板上方折り曲げ部137を形成し、一枚のエキスパンドメタルメッシュMで2段の前部板面を有さない棚138としてなるは緑化用棚形成体139を形成した点にある。
上部板面135が上部端から下部端まで前方に下り傾斜した広い前面メッシュ壁を形成しているので、それは下方に行くほど支柱から離れ上方に行くほど支柱に近づく構造であることから、上部から投入した植生土(現地の土など)が上部板面135内面に当接しながら積み上げられて行くことを実現し、よって、上部板面135の上方に植生土が入らないで土の入らない空間が生じることがない、ないし小さな空間で済む、また、押さえの弱い部位が生じない植生土の詰め込み状態を実現するものである。
上部板面135部位のエキスパンドメタルメッシュMの孔3の開口は上方を向く形態となるので、植物は広い占有面積の上部板面135に生育し、緑化棚の前面を広範囲に満遍なく緑化状態にできる。
上部板面135の傾斜は45度〜135度程度がよく、より良くは60度〜75度程度がよい。
上部板面135(実質「前部板面」とみることもできる)は、下部板面81から見て上部に位置していることから上部板面としている。
棚138の内壁面には、植生マット40が設けられ、該植生マット40の内側ないし外面には植物の種が仕込まれている。植生マット40はそれだけでも植物の栄養源となり且つ保水性があり耐腐食性ものである。具体的には、アジアの熱帯地域に分布する高木「カポック」の果実から作られた天然繊維を、カポック繊維袋、麻袋ないし合成樹脂製袋にパッチワーク状に縫った袋などが好適である。主な目的は保水性を維持するためである。
また、緩勾配5分以上の場合は、土が充填出来ないので麻袋でメッシュの内側形状の土袋を作って、種子入りの土を充填し、土袋を置いた上に棚138を被せる方法とする。
【0034】
≪附記≫
<その他の発明>
<その他の発明の名称> 緑化用棚形成体および緑化棚
<技術分野>
<0001>
その他の発明は、擁壁、壁面、塀などの緑化用棚形成体および緑化棚に関する。
<背景技術>
<0002>
支柱前面から後方に向けて棚板を斜めに差込むための斜めの凹みからなる棚板差込部を多段設け、間隔を開けて配置した複数本の支柱に棚板(緑化用棚形成体)を多段に設けてなる、各棚の上部が全面開口である緑化棚が知られている。(例えば特許文献1)
<先行技術文献>
<特許文献>
<0003>
<特許文献1> 特開2009−254347号公報
<非特許文献>
<0004>
<非特許文献1> 特になし
<その他の発明の概要>
<その他の発明が解決しようとする課題>
<0005>
上述した特許文献1の技術は、緑化棚の緑化において棚板の前部板面は単なる板であるので該前部面を緑化できない、よって、緑化面積が狭くなる、植物生育後も棚板の前部面の殆どが露出して見える、あるいは植物の間から見えるなど景観的にも良好ではない景観になるという欠点を有してした。
<0006>
その他の発明は以上のような従来技術の欠点に鑑み、緑化面積を増やすことができる緑化用棚形成体および緑化棚を提供することを目的としている。
<その他の発明の効果>
<0007>
その他の発明にあっては次に列挙する効果を奏する。
<その他の発明の請求項1の効果>
鋼板に多数の切り込み入れ押し拡げあるいは引き延ばして傾斜状の壁間に形成した孔の多数によって網目状鋼板に形成してなる、あるいは鋼板に設けた多数の切り込み部分を押し出し形成した顎状の壁や傾斜状の壁の間に形成した孔の多数によって網目状鋼板に形成してなるエキスパンドメタルメッシュ、
前部面を形成する前記エキスパンドメタルメッシュからなる立ち上がった形態の前部板面と、この前部板面の下部から後方に延びて下部面を形成する下部板面と、この下部板面から立ち下がった形態の後部板面とからなるとともに、
前記前部板面において前記孔の開口が該前部板面の前方に突出した前記孔形成壁の上に位置する向きとされてなることを特徴とする緑化用棚形成体であるので、次に述べるような効果を奏する。
すなわち、
(1)支柱の間に複数枚セットして多段棚の緑化棚を形成して使用する。
種子を前部板面の内側に配置することによって、エキスパンドメタルメッシュの孔(網目)から外に植物を生育させて、該前部板面を緑化することができるので、上部開放面の緑化に加えて前部板面での緑化がなされ、その分緑化面積を広げることができるという効果を奏する。
また、景観的にも前部板面が見えない殆どが緑化面となった景観を実現するという効果を奏する。
(2)密着性の無いないし弱い植生基盤を使用することによって、植生基盤を例えば予め設けてある下方開口を開口してとりだすことができるとともに、網の目を通り抜けて成長している植物はエキスパンドメタルメッシによって該エキスパンドメタルメッシ上に保持されるので、新しい混合植生基盤を投入して既存の植物を新しい植生基盤で生育させることができるという効果を奏する。
また、密着性の強い植生基盤であっても水崩壊性のものであれば、流水によって植生基盤を荒い流し除くことによって、網の目を通り抜けて成長している植物はエキスパンドメタルメッシによって該エキスパンドメタルメッシ上に保持された状態とし、新しい混合植生基盤を投入して既存の植物を新しい植生基盤で生育させることができるという効果を奏する。
メッシュの網目からの植物の生長であり、これに持っても適した草丈の低い植生基盤からの水分吸収の少ないグランドカバー(地面を覆うように広がる、背の低い植物)に向いた常用多年草植物を選択することが最適であり、このような使用とした場合には植物の剪定作業をしなくてもよいことになり、草丈の低いダイカンドラ、テイフブレア、シロツメクサなどの多年草常緑植物を選択することにより、保水の有効期間が長期化できるものである。
また、常用植物としてはヒメイワダレソウ・セダム・コケ類等もよい。
(3)部分的に枯れた部位は、エキスパンドメタルメッシの孔の植生基盤を細棒なでほじくり出し、種子を練り込んだ土などの種子入り植生基盤を該孔に押し込むことによって、簡単に補修できるという効果を奏する。
<その他の発明の請求項2記載の効果>
一対の支柱と、この支柱間に緑化棚を形成する形態で取り付けられた請求項1に記載された緑化用棚形成体とからなることを特徴とする緑化棚であるので、その他の発明の請求項1に記載のその他の発明と同様な効果を奏する。
<その他の発明を実施するための形態>
<0008>
以下、その他の発明を実施するための最良の形態である実施例(以下「その他の発明の実施例」という)を説明する。但し、その他の発明をこれら実施例のみに限定する趣旨のものではない。また、後述する実施例の説明に当って、前述した実施例の同一構成部分には同一符号を付して重複する説明を省略する。
<実施例1>
<0009>
図4、図21〜図24、図29に示すその他の発明の実施例1において100は緑化用棚形成体であって、緑化用棚形成体100は次のような構成となっている。
鋼板に多数の切り込み入れ押し拡げあるいは引き延ばして傾斜状の孔形成壁2の間に形成した菱形、扇形あるいは亀甲状等に形成した孔3の多数によって網目状鋼板に形成してなる、あるいは鋼板に設けた多数の切り込み部分を押し出し形成した傾斜壁(顎状壁を含む)である孔形成壁2によって形成した孔3の多数によって網目状鋼板に形成してなるエキスパンドメタルメッシュM、緑化用棚形成体100はこのエキスパンドメタルメッシュM(以下「メッシュM」ともいう)の一枚を折り曲げて形成したものであり、前部面を形成する前記エキスパンドメタルメッシュMからなる垂直に立ち上がった形態の前部板面101と、この前部板面101の下部から後方に斜め下り(傾斜角度約45度)形態で延びて下部面を形成する下部板面102と、この下部板面102から垂直に立ち下がった形態の後部板面103とからなるとともに、
前記前部板面101において前記孔3の開口が該前部板面101の前方に突出した孔形成壁2の上に位置する向きとされてなるものである。
<0010>
前部板面101においては、孔形成壁2がその下部を後方下に位置し上部を前方上に位置した、孔3が孔形成壁2の上方にその開口を位置する形態とされ、それぞれの孔3と孔形成壁2で小さな植生鉢ないし植物が孔3からメッシュMの外に上に向かって成長して行く小開口を形成している。
前部板面101の内側面には種子を有する植生シート(図示せず省略)が貼り付けられ、水をやると発芽し孔3(網目)から外に成長し、内の植生基盤には根を張って行くので、強風にも吹き飛ばない形態で緑化面積を増やしている。
<0011>
緑化用棚形成体100によって緑化棚97を形成するための支柱98は、立設される筒形態であり、筒形態の支柱本体99には、その内側壁面に緑化用棚形成体100の側部が差し込まれる棚形成体差込孔104が5段形成され、該棚形成体差込孔104の後方に背面パネル105(ここではエキスパンドメタルメッシMを使用)が差し込まれる背面パネル差込孔106が形成され、この背面パネル差込孔106の下部と連絡して前方の水平延びる底パネル107が差し込まれる底パネル差込孔108が形成され、支柱本体99の上方と下方にはその内側壁面および外側壁面に水平に貫通してなるねじ棒109を通すためのねじ通し孔110が形成され、支柱本体99の底部には転倒防止部材111を設けた構成となっている。
支柱98、98を対抗させ、5枚の緑化用棚形成体100を5つの棚形成体差込孔104、104に一枚ずつ差し込み、背面パネル差込孔106、106に背面パネル105を差し込み、底パネル差込孔108、108に底パネル107を差し込み、この状態にしてねじ通し孔110、110にねじ棒109を通しナット112で締め付け支柱98、98を連結し、支柱98、98、5枚の緑化用棚形成体100、背面パネル105、底パネル107を一体化させて緑化棚97を形成する。
前部板面101の上部縁には安全カバー113が被せられている。
底パネル差込孔108は底パネル107よりも2倍以上の幅があり、底パネル107を前後に斜めにして底パネル差込孔108から外すことができる。底パネル差込孔に代えて内側に突出した底パネル107の側面縁が載る突出部としてもよい。
緑化棚97形成後に最上部の開口から植生基盤18が投入される。
<0012>
密着性の無いないし弱い混合植生基盤を用いることによって、混合植生基盤を交換する場合にあっては、底パネル107を外し植生基盤を底側から抜き出すのであるが、網目(孔3)を通り抜けて根は内側に茎及び葉は外に出して成長した前部板面101の植物はメッシュMによって該メッシュM上に保持された状態となっている。古い混合植生基盤を取り除き、底パネル107で底を塞ぎ、新しい混合植生基盤を投入して前部板面101に生えた植物を新しい植生基盤でその緑化を維持し生育させることができるものである。
また、密着性の強い植生基盤であっても水崩壊性のものであれば、流水によって植生基盤を荒い流し除くことによって、網の目を通り抜けて成長している植物はエキスパンドメタルメッシMによって該エキスパンドメタルメッシM上に保持された状態とし、新しい混合植生基盤を投入して新しい植生基盤で生育させることができるものである。
また、部分的に枯れた部位は、エキスパンドメタルメッシMの孔の植生基盤を細棒なでほじくり出し、種子を練り込んだ土などの種子入り植生基盤を該孔に押し込むことによって、簡単に補修できる。
メッシュの網目からの植物の生長であり、これに持っても適した草丈の低い植生基盤からの水分吸収の少ないグランドカバー(地面を覆うように広がる、背の低い植物)に向いた常用多年草植物を選択することが最適であり、このような使用とした場合には植物の剪定作業をしなくてもよいことになり、草丈の低いダイカンドラ、テイフブレア、シロツメクサなどの多年草常緑植物を選択することにより、保水の有効期間が長期化できるものである。
また、常用植物としてはヒメイワダレソウ・セダム・コケ類等もよい。
<実施例2>
<0013>
図25に示すその他の発明の実施例2において前記実施例10と主に異なる点は、支柱を筒形態の傾斜63度の支柱本体117としてなる支柱118とし、一対の支柱118と5枚の緑化用棚形成体100によって緑化棚119を形成した点にある。
<実施例3>
<0014>
図26、図27に示すその他の発明の実施例3において前記実施例10と主に異なる点は、緑化用棚形成体を下部板面を傾斜角度約50度で前後幅を長くした下部板面125としてなる緑化用棚形成体120とし、支柱を筒形態の支柱本体121とし、支柱本体121に緑化用棚形成体120が差し込まれる4段の棚形成体差込孔123が形成されてなる支柱122とし、一対の支柱122と4枚の緑化用棚形成体120によって緑化棚124を形成した点にある。
緑化用棚形成体120同士の上下間隔を広くしたものである。
<実施例4>
<0015>
図28に示すその他の発明の実施例4において前記実施例10と主に異なる点は、緑化用棚形成体を前部板面を上下幅7cm〜10cmとした前部板面130とし、下部板面を傾斜角度約35度とした下部板面131とし、後部板面を上下幅7cm〜10cmとした後部板面132としてなる緑化用棚形成体133を形成した点にある。
前部板面130の植生面積を広くしたものである。
【産業上の利用可能性】
【0035】
本発明は壁面の緑化、緑化棚、プランターなどを製造、設置する産業で利用される。
【符号の説明】
【0036】
M:エキスパンドメタルメッシュ、
1:緑化用棚形成体、
2:孔形成壁、
3:孔、
4、4a、4b、4c:支柱、
5:ボルト、
6:ボルト通し孔、
7a、7b、7c、7d:固定部位面、
8a、8b、8c、8d:上部板面、
9a、9b、9c、9d:前部板面、
10a、10b、10c、10d:下部板面、
11a、11b、11c、11d:植生基盤収納部、
12a、12b、12c、12d:後方開口部、
13a、13b、13c、13d:棚、
14:ねじ穴、
15、15a、15b、15c:固定ベルト、
16:緑化棚、
17:植生シート、
18:発泡植生基盤、
19:背面プレート、
20:現地用土植生基盤、
21:混合植生基盤、
22:パイプ、
23:ねじ通し孔、
24:上部被せ材、
25:コンクリート壁、
30:緑化用棚形成体、
31:固定部位面、
32:上部板面、
33:前部板面、
34:下部板面、
35:固定部位面、
36:緑化棚、
39:プレート、
40:固定ベルト、
41:ねじ通し孔、
44:緑化用棚形成体、
47a、47b、47c、47d:棚、
48:緑化用棚形成体、
50:塞ぎプレート、
51:塞ぎプレート付き支柱、
52:突起、
53:突起付き固定ベルト、
55:塞ぎプレート付き固定ベルト55、
57:塞ぎプレート部、
58:塞ぎプレート付き支柱、
59:突起付き固定ベルト、
60:固定ベルト、
62:緑化棚、
63:上部被せ部材、
66:緑化用棚形成体、
67:緑化用棚形成体、
68:緑化用棚形成体、
70:棚、
71:上部板面、
72:前部板面、
73:下部板面、
75:棚、
76:上部板面、
77:前部板面、
79:棚、
80:上部板面、
81:下部板面、
97:緑化棚、
98:支柱、
99:支柱本体、
100:緑化用棚形成体、
101:前部板面、
102:下部板面、
103:後部板面、
104:棚形成体差込孔、
105:背面パネル、
106:背面パネル差込孔、
107:底パネル、
108:底パネル差込孔、
109:ねじ棒、
110:ねじ通し孔、
111:転倒防止部材、
112:ナット、
113:安全カバー、
117:支柱本体、
118:支柱、
119:緑化棚、
120:緑化用棚形成体、
121:支柱本体、
122:支柱、
123:棚形成体差込孔、
124:緑化棚、
125:下部板面、
130:前部板面、
131:下部板面、
132:後部板面、
133:緑化用棚形成体、
135:、
136:、
137:、
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【技術分野】
【0001】
本発明は、擁壁、壁面、塀などの緑化用棚形成体および緑化棚に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の緑化棚は、メッシュ材料によって形成されたもので、全面開口した上部面および側面形状が逆三角形の植生基盤収納部を形成する、傾斜形態である前部面と、この前部面の下部が固定されてなる背部面とからなる緑化用棚形成体を、階段状にコンクリート斜面に配置してなる形態の緑化棚が知られている。(例えば特許文献1)
また、支柱前面から後方に向けて棚板を斜めに差込むための斜めの凹みからなる棚板差込部を多段設け、間隔を開けて配置した複数本の支柱に棚板を多段に設けてなる、棚の上部が全面開口である緑化棚が知られている。(例えば特許文献2)
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平10−306446号公報(図10)
【特許文献2】特開2009−254347号公報
【非特許文献】
【0004】
【非特許文献1】特になし
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上述した特許文献1、2の技術はいずれも、上部が全面開口形態であるため植生基盤の上部面が露出した形態であり、このため、台風などの強風によって植生基盤が吹き飛ばされてしまう、種子を蒔いた直後は強風で種子も飛び散ってしまう、また、大雨が降り注ぐと種子や出た直後の芽などが流水で流亡してしまうという欠点を有するものであった。
このため、植物の生育域がまばらになるなど、生育植物状態になってもイメージしていた景観、美観が得られないという欠点を有するものであった。
また、道路側壁の緑化棚(家屋、建造物の塀をふくむ)とした場合では、自動車が衝突した場合にも植生基盤が飛散してその片付けで交通制限が長時間になる、心ない通行人が植生基盤を掘り出し飛散させてしまうという欠点があった。
また、河川護岸・水路・砂防堰堤等の流速があり流木や流石のある場所においては、種子が流亡してしまう、棚そのものが破損してしまう、かような場所には設置できないという欠点があった。
また、前方の突出した各棚板(植生基盤収納部)の上部開口部のみの植物の生育であるため、各棚板の前面部は植物が生育しない板面のままである。このため緑化棚を景観的にくまなく緑で覆い尽くす緑化ができ難い、各棚板の前面部位が緑化棚の景観の一部を形成する、それによって、緑化面積が少なくなっているという欠点を有するものであった。
また、特許文献2の技術は、棚板差込部が形成された決まった前後厚みの支柱を使用することが前提となるので、植生基盤の分量を増やすことには限界があり、そのため灌水装置を常設条件にし、あるいは定期的な水まきを条件にするものであった。
また、植生基盤を新しいものに交換する場合は、生育した植物も植生基盤とともに取り出し廃棄ないし植え替えを行わなくてはならないという欠点を有するものであった。
【0006】
本発明は以上のような従来技術の欠点に鑑み、強風や自動車の衝突にあっても植生基盤が飛散しない緑化用棚形成体および緑化棚を提供することを目的としている。
また、前方に突出した植生基盤収納部を多段で設けた凸凹多段形態の緑化棚において、少なくとも各緑化棚の上面、前面に植物が育成して景観的には緑化棚全面が緑化されているような景観を実現し、それによって緑化面積を増やすことができる緑化用棚形成体および緑化棚を提供することを目的としている。
また、生育した植物を残して植生基盤の交換を可能とする緑化用棚形成体および緑化棚を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために本発明は以下のような構成としている。
<請求項1記載の発明>
鋼板に多数の切り込み入れ押し拡げあるいは引き延ばして傾斜状の壁間に形成した孔の多数によって網目状鋼板に形成してなる、あるいは鋼板に設けた多数の切り込み部分を押し出し形成した顎状の壁や傾斜状の壁の間に形成した孔の多数によって網目状鋼板に形成してなるエキスパンドメタルメッシュ、上部面を形成する前記エキスパンドメタルメッシュからなる上部板面と、この上部板面とで植生基盤を収納する植生基盤収納部を形成するように、該上部板面の前方側から後方に延びた前記エキスパンドメタルメッシュからなる下部板面と、前記上部板面と前記下部板面との後方に形成される前記植生基盤収納部の開口である後方開口部とからなることを特徴とする緑化用棚形成体である。
「該上部板面の前方側から後方に延びた・・・下部板面」とは、上部板面から直接的に延びた下部板面という形態、上部板面から前部板面を経由して間接的に該上部板面から延びた下部板面という形態、のいずれの形態も技術的範囲に含まれる者である。
<請求項2記載の発明>
上部板面の前方側と下部板面の前方側の間にエキスパンドメタルメッシュにより形成された前部板面を設けてなる特徴とする請求項1記載の緑化用棚形成体である。
<請求項3記載の発明>
上部板面の後方端から支柱や壁面に固定される部位となる第1の固定部位面が立ち上げられ、下部板面の後方端から支柱や壁面の固定される部位となる第2の固定部位面が立ち下げられてなることを特徴とする請求項1、2のいずれか1項に記載の緑化用棚形成体である。
<請求項4記載の発明>
植生基盤収納部が複数棚形成され、この複数棚の形成が1枚のエキスパンドメタルメッシュを折り曲げて形成したものであることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の緑化用棚形成体である。
<請求項5記載の発明>
植生基盤収納部を形成するエキスパンドメタルメッシュの内側面に種子入り植生シートが貼られてなることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の緑化用棚形成体である。
<請求項6記載の発明>
植生基盤収納部に保水性と通気性のあるウレタン製発泡材からなる植生基盤が収納されてなることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の緑化用棚形成体である。
<請求項7記載の発明>
複数本の支柱と、この支柱に緑化棚を形成する形態で取り付けられた請求項1〜5のいずれか1項に記載された緑化用棚形成体とからなることを特徴とする緑化棚である。
【発明の効果】
【0008】
本発明にあっては次に列挙する効果を奏する。
<請求項1記載の発明の効果>
鋼板に多数の切り込み入れ押し拡げあるいは引き延ばして傾斜状の壁間に形成した孔の多数によって網目状鋼板に形成してなる、あるいは鋼板に設けた多数の切り込み部分を押し出し形成した顎状の壁や傾斜状の壁の間に形成した孔の多数によって網目状鋼板に形成してなるエキスパンドメタルメッシュ、
上部面を形成する前記エキスパンドメタルメッシュからなる上部板面と、
この上部板面とで植生基盤を収納する植生基盤収納部を形成するように、該上部板面の前方側から後方に延びた前記エキスパンドメタルメッシュからなる下部板面と、
前記上部板面と前記下部板面との後方に形成される前記植生基盤収納部の開口である後方開口部とからなることを特徴とする緑化用棚形成体であるので、次に述べるような効果を奏する。
すなわち、
(1)支柱、擁壁、壁などの棚形成ベースに前方に凸形態で突出する緑化用棚形成体を一段棚、あるいは複数段棚を形成するように取付け緑化棚を形成し、あるいは、支柱間に緑化用棚形成体を一段棚、あるいは複数段棚を形成するように取付け緑化棚を形成し、植生基盤収納部に現地用土、保水通気性のあるウレタン製発泡材、粉砕した木皮片と土の混合植生材などの植生基盤を収納し、植生基盤の表側に種子を蒔いた状態とするのであるが、植生基盤、種子ともに鋼板からなる強靱なエキスパンドメタルメッシュ内に位置されるので、上部面、下部面、前部面はエキスパンドメタルメッシにより囲われ、背部面(後方)はエキスパンドメタルメッシあるいは塞がれる。すなわち、前方に突出した凸形態の植生基盤および種子の四方が完全に塞がれた状態となるので、台風のような強風があっても植生基盤および種子が飛散することがないという効果を奏する。
(2)前記(1)によって、大雨があても殆どの種子は流亡することなく、生育しエキスパンドメタルメッシュないで根をはり、生育植物がイメージした景観、美観で生えそろう緑化棚を実現するという効果を奏する。
また、緑化用棚形成体内で種子から生育させるので、メッシュ内層で根を張り巡らす状態となり、これよって、河川護岸・水路・砂防堰堤等の流速があり流木や流石が当る場所に使用しても植物・基盤材の流亡が無い、かような場所にも設置して緑化を可能にするという効果を奏する。
(3)自動車の衝突の衝撃に対しても多くの場合は、鋼板からなる強靱なエキスパンドメタルメッシュが潰れ曲がるだけであり、あるいは一部が破ける程度であるので、中の植生基盤の飛散が少量で済み、車両事故が発生しても植生基盤材等が飛散しないので、交通制限を短時間にできるという効果を奏する。
また、自動車が衝突しても極めて良好な緩衝機能を発揮するので交通事故による被害を軽減させることが期待できるという効果を奏する。
また、分厚い消音特性のある植生基盤によって、自動車の走行音を消音軽減するという効果を奏する。
また、通行人等がいたずらで植生基盤を掘り返すなどということができないという効果を奏する。
よって、高速道路を含む自動車道路の側壁に緑化棚を形成するのに適しているものである。
(4)前方の突出した緑化用棚形成体の上部板面、前部板面、下部板面の全ての面が網目状鋼板であるエキスパンドメタルメッシュによって形成されているので、多数の穴から植物が生育して外に伸び出して、少なくとも緑化用棚形成体の上部板面および前部板面を緑化することを実現するという効果を奏する。これによって、景観的には緑化棚全面が緑化されているような景観を実現し、それによって緑化面積を増やすことができるという効果を奏する。
植物によっては、下部板面も緑化可能である。
メッシュの網目からの植物の生長であり、これに持っても適した草丈の低い植物(主にグランドカバープランツ)を選択することが最適であり、このような使用とした場合には植物の剪定作業をしなくてもよいことになり、草丈の低い植物(主にグランドカバープランツ)を選択することにより、保水の有効期間が長期化できるものである。
(5)一般的には、緑化用棚形成体は支柱前面にボルトや溶接などによって取り付けられるものであるので、特別な仕様の支柱の使用に限定されない形態を実現しており、支柱の前後幅は自由に選択できるという効果を奏する。これによって、支柱の前後幅を広いものにすることによって、収納する植生基盤の分量を多くして保水量を高めて灌水装置を常設あるいは定期的な水まきをしなくてもよい、自然の降雨だけによって緑化が保持される緑化棚を実現することを可能とするものである。
(6)密着性の無いないし弱い植生基盤を使用することによって、植生基盤を例えば予め設けてある下方開口を開口してとりだすことができるとともに、網の目を通り抜けて成長している植物はエキスパンドメタルメッシによって該エキスパンドメタルメッシ上に保持されるので、新しい混合植生基盤を投入して既存の植物を新しい植生基盤で生育させることができるという効果を奏する。
また、密着性の強い植生基盤であっても水崩壊性のものであれば、流水によって植生基盤を荒い流し除くことによって、網の目を通り抜けて成長している植物はエキスパンドメタルメッシによって該エキスパンドメタルメッシ上に保持された状態とし、新しい混合植生基盤を投入して既存の植物を新しい植生基盤で生育させることができるという効果を奏する。
(7)部分的に枯れた部位は、エキスパンドメタルメッシの孔の植生基盤を細棒なでほじくり出し、種子を練り込んだ土などの種子入り植生基盤を該孔に押し込むことによって、簡単に補修できるという効果を奏する。
<請求項2記載の発明の効果>
上部板面の前方側と下部板面の前方側の間にエキスパンドメタルメッシュにより形成された前部板面を設けることを特徴とする請求項1記載の緑化用棚形成体であるので、このような構成としても請求項1記載の発明と同様な効果を奏する。
<請求項3記載の発明の効果>
上部板面の後方端から支柱や壁面(建造物の壁面、擁壁面など)に固定される部位となる第1の固定部位面が立ち上げられ、下部板面の後方端から支柱や壁面の固定される部位となる第2の固定部位面が立ち下げられてなることを特徴とする請求項1、2のいずれか1項に記載の緑化用棚形成体であるので、請求項1、2のいずれか1項に記載の発明と同様な効果を奏するとともに次に述べるような効果を奏する。
すなわち、
第1の固定部位面、第2の固定部位面のフランジ効果によって、緑化用棚形成体の強度をたかめるとともに、支柱や壁面への緑化用棚形成体の取付けを容易かつ堅固にするという効果を奏する。
<請求項4記載の発明の効果>
植生基盤収納部が複数棚形成され、この複数棚の形成が1枚のエキスパンドメタルメッシュを折り曲げて形成したものであることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の緑化用棚形成体であるので、請求項1〜3のいずれか1項に記載の発明と同様な効果を奏するとともに次に述べるような効果を奏する。
すなわち、
複数棚が1枚のエキスパンドメタルメッシュを折り曲げて形成したものであるので、強度が堅固であり且つ低コストにできるという効果を奏する。
<請求項5記載の発明の効果>
植生基盤収納部を形成するエキスパンドメタルメッシュの内側面に種子入り植生シートが貼られてなることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の緑化用棚形成体であるので、請求項1〜4のいずれか1項に記載の発明と同様な効果を奏するとともに次に述べるような効果を奏する。
すなわち、植生基盤収納部を形成するエキスパンドメタルメッシュの内側面に種子入り植生シートが貼られてなるので、植生シートの内側にあるいはサンドイッチ形態で種子を保護することにより流水、強風での種子の飛散をいっそう強固に止め、また、種子の量を最小限にでき、よって、最小限の種子で生育植物のまんべんなく生育した景観、美観に優れた緑化を実現するという効果を奏する。
また、植物を植生シート内の種子から生育させることにより、メッシュ内層で根を張り巡らす状態となり、これよって、河川護岸・水路・砂防堰堤等の流速のある場所に使用しても植物・基盤材の流亡が無い、かような場所にも設置して緑化を可能にするという効果を奏する。
<請求項6記載の発明の効果>
植生基盤収納部に保水性と通気性のあるウレタン製発泡材からなる植生基盤が収納されてなることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の緑化用棚形成体であるので、請求項1〜5のいずれか1項に記載の発明と同様な効果を奏するとともに次に述べるような効果を奏する。
すなわち、
軽量部材であるウレタン製発泡材からなる植生基盤が収納されているので、設置作業が行いやすく且つ短時間の作業にできるという効果を奏する。
<請求項7記載の発明の効果>
複数本の支柱と、この支柱に緑化棚を形成する形態で取り付けられた請求項1〜5のいずれか1項に記載された緑化用棚形成体とからなることを特徴とする緑化棚であるので、請求項1〜5のいずれか1項に記載の発明と同様な効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本発明の実施例1の緑化棚の組立斜視図。
【図2】本発明の実施例1の緑化棚の左側面図、正面図および底面図。
【図3】本発明の実施例1の緑化用棚形成体の左側面図および中間一部省略正面図。
【図4】本発明の実施例1のエキスパンドメタルメッシュMの参考正面図および参考A−A線切断端面図。
【図5】本発明の実施例1の植物が生育した状態を示す部分断面図。
【図6】本発明の実施例1の植生基盤を収納した状態の断面図。
【図7】本発明の実施例1の植生基盤を収納した状態の断面図。
【図8】本発明の実施例1の他の植生基盤を収納した状態の断面図。
【図9】本発明の実施例1の緑化用棚形成体の左側面図、平面図、正面図および背面図。
【図10】本発明の実施例2の緑化棚の左側面図、正面図および底面図。
【図11】本発明の実施例2の緑化棚のバリエーションを示す側面図。
【図12】本発明の実施例2の緑化棚の他のバリエーションを示す側面図。
【図13】本発明の実施例2の緑化用棚形成体の中間一部省略正面図、中間一部省背面図、中間一部省底面図、左側面図おおび緑化棚を形成した状態の参考斜視図。
【図14】本発明の実施例3の緑化用棚形成体の中間一部省正面図、中間一部省背面図、中間一部省底面図、左側面図おおび緑化棚を形成した状態の参考斜視図。
【図15】本発明の実施例4の緑化用棚形成体の平面図、正面図、背面図および左側面図。
【図16】本発明の実施例5の塞ぎプレート付き支柱および突起付き固定ベルトの斜視図。
【図17】本発明の実施例6の塞塞ぎプレート付き固定ベルトの斜視図。
【図18】本発明の実施例7の塞ぎプレート付き支柱および突起付き固定ベルトの斜視図。
【図19】本発明の実施例8の緑化用棚形成体の他の形態を示す側面図。
【図20】本発明の実施例9の緑化用棚形成体の他の形態を示す側面図。
【図21】その他の発明の実施例1の緑化用棚形成体の左側面図、右側面図、正面図、平面図、底面図および背面図。
【図22】その他の発明の実施例1の緑化棚の側面図および正面図。
【図23】その他の発明の実施例1の緑化棚の植物の植栽状態図。
【図24】その他の発明の実施例1の支柱の内側側面図、緑化棚の平面図および底面図。
【図25】その他の発明の実施例2の緑化棚の組立側面図および正面図。
【図26】その他の発明の実施例3の緑化用棚形成体の左側面図、右側面図、正面図、平面図、底面図および背面図。
【図27】その他の発明の実施例3の緑化棚の側面図および正面図。
【図28】その他の発明の実施例4の緑化棚の植栽状態図。
【図29】本発明の実施例1のエキスパンドメタルメッシュMの参考正面端面図、参考左側面端面図、参考右側面端面図、参考平面端面図および参考底面端面図。
【図30】本発明の実施例10の緑化用棚形成体の正面図。
【図31】本発明の実施例10の緑化用棚形成体の固定ベルトを省略した側面。
【図32】本発明の実施例10の緑化用棚形成体の支柱、固定ベルトおよび支柱を省略した斜視図。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明を実施するための最良の形態である実施例を説明する。但し、本発明をこれら実施例のみに限定する趣旨のものではない。また、後述する実施例の説明に当って、前述した実施例の同一構成部分には同一符号を付して重複する説明を省略する。
【実施例1】
【0011】
図1〜図9、図29に示す本発明の実施例において1は緑化用棚形成体であて、この緑化用棚形成体1は次のような構成となっている。
鋼板に多数の切り込み入れ押し拡げあるいは引き延ばして傾斜状の孔形成壁2の間に形成した菱形、扇形あるいは亀甲状等に形成した孔3の多数によって網目状鋼板に形成してなる、あるいは鋼板に設けた多数の切り込み部分を押し出し形成した顎状(傾斜状壁に含む)の孔形成壁2や傾斜状の孔形成壁2の間に形成した孔3の多数によって網目状鋼板に形成してなるエキスパンドメタルメッシュM、緑化用棚形成体1はこのエキスパンドメタルメッシュM(以下「メッシュM」ともいう)の一枚を折り曲げて形成したものである。
すなわち、
支柱4a、4b、4c(アンカーが埋め込まれた壁面などでもよい)にボルト5によって固定されるボルト通し孔6を有する垂直面である固定部位面7a、この固定部位面7aから前方に折られて下向き傾斜で前方に延びた上部板面8a、この上部板面8aから下方に垂直に折られて下方に延びた前部板面9a、この前部板面9aから後方に折られて下向き傾斜で後方に延びた下部板面10a、上部板面8aと前部板面9aと下部板面10aとで形成された植生基盤を収納する植生基盤収納部11a、上部板面8aと下部板面10aとの後方に形成される植生基盤収納部11aの開口である後方開口部12aとからなる棚13aと、
下部板面10aから下向き垂直に折り下げられた垂直面であるボルト通し孔6を有する固定部位面7b、この固定部位面7bから前方に折られて下向き傾斜で前方に延びた上部板面8b、この上部板面8bから下方に垂直に折られて下方に延びた前部板面9b、この前部板面9bから後方に折られて下向き傾斜で後方に延びた下部板面10b、上部板面8bと前部板面9bと下部板面10bとで形成された植生基盤を収納する植生基盤収納部11b、上部板面8bと下部板面10bとの後方に形成される植生基盤収納部11bの開口である後方開口部12bとからなる棚13bと、
下部板面10bから下向き垂直に折り下げられた垂直面であるボルト通し孔6を有する固定部位面7c、この固定部位面7cから前方に折られて下向き傾斜で前方に延びた上部板面8c、この上部板面8cから下方に垂直に折られて下方に延びた前部板面9c、この前部板面9cから後方に折られて下向き傾斜で後方に延びた下部板面10c、上部板面8cと前部板面9cと下部板面10cとで形成された植生基盤を収納する植生基盤収納部11c、上部板面8cと下部板面10cとの後方に形成される植生基盤収納部11cの開口である後方開口部12cとからなる棚13cと、
下部板面10cから下向き垂直に折り下げられた垂直面であるボルト通し孔6を有する固定部位面7d、この固定部位面7dから前方に折られて下向き傾斜で前方に延びた上部板面8d、この上部板面8dから下方に垂直に折られて下方に延びた前部板面9d、この前部板面9dから後方に折られて下向き傾斜で後方に延びた下部板面10d、この下部板面10dから下向き垂直に折り下げられた垂直面であるボルト通し孔6を有する固定部位面7e、上部板面8dと前部板面9dと下部板面10dとで形成された植生基盤を収納する植生基盤収納部11d、上部板面8dと下部板面10dとの後方に形成される植生基盤収納部11dの開口である後方開口部12dとからなる棚13dとからなっている。
【0012】
上部板面、前部板面および下部板面により形成された棚の側面形状が横向き台形である。このような横向き台形としたことにより、緑化棚上方開口より投入した植生基盤材が植生基盤収納部の隅々にまでまんべんなく行き渡る形態を実現するとともに、強度のある形態を実現している。
【0013】
前部板面9a、9b、9c、9dにおいては、孔形成壁2がその下部を後方下に位置し上部を前方上に位置した、孔3が孔形成壁2の上方にその開口を位置する形態とされ、それぞれの孔3と孔形成壁2で小さな植生鉢ないし植物が孔3からメッシュMの外に上に向かって成長して行く孔を形成し、上部板面8a、8b、8c、8dにおいては、孔形成壁2がその下部を前方下に位置し上部を後方上に位置した、孔3が孔形成壁2の開口を後方に位置する形態とされ、それぞれの孔3からメッシュMの外に上に向かって成長して行く孔を形成した形態となっている。
固定部位面7a、7b、7c、7dには支柱4a、4b、4cのねじ穴14に重なるねじ通し孔25が設けられている。
【0014】
上部板面の傾斜下り角度を略45度とし(45度の傾斜角度の)孔形成壁2が垂直に立った状態から前方に傾いた状態とするのもよい。この場合下部板面は略水平とするのがよく、これによって、植物が生える上部板面と前部板面の面積すなわち緑化面積が増えることになる。
また、上部板面を略水平にするのもよい。
【0015】
立設されたあるいは壁面に固定された、前面に所定の間隔で設けられたねじ穴14(ナット溶接でもよい。あるいはねじ穴とせずねじ通し孔としてナット締めとするのもよい。)を有する支柱4a、4b、4cに、緑化用棚形成体1が該緑化用棚形成体1の表面形状に形とられた固定ベルト15a、15b、15cとボルト5によって固定され、支柱4a、4b、4c上部に被せ固定される上部被せ材24が設けられて緑化棚16が形成されている。
上部被せ材24内には水を供給するためのパイプ22は設けられている。
固定ベルト固定ベルト15a、15b、15cの凹み部位には、ねじ穴14に重なるねじ通し孔23が設けられている。
緑化用棚形成体1は上方に連設して設けることも、横に連設して設けることもできるものであり、横連設の場合は図1のようにねじ通し孔23同士が重なる側部重なり部25を形成しておこなう。また図示していないが、上連設の場合は下位置の緑化用棚形成体1の最上部の固定部位面7aに上位置の緑化用棚形成体1の最下部の固定部位面7eが重ねられてボルトにより固定される。
【0016】
支柱間に緑化用棚形成体1を一段棚、あるいは複数段棚を形成するように取付け緑化棚を形成する形態もある。このような形態は主にプランターや塀として好適である。
【0017】
図6に示すように、緑化用棚形成体1の内側面全面に種子・肥料入りの植生シート17(植生シート間に種子が挟まれる形態)が貼られ、植生基盤収納部11a〜11dには吸水性、保水性、通気性のある合成樹脂製の発泡植生基盤18(ウレタン製発泡植生基盤が好適である)が充填、塊の嵌め込みなどによって埋め尽くす形態で設けられている。背面壁は道路側壁、構造物壁などのコンクリート壁25である。
【0018】
また、図7に示すように、緑化用棚形成体1の内側面全面に種子・肥料入りの植生シート17(植生シート間に種子が挟まれる形態)が貼られ、植生基盤収納部11a〜11dには現地の用土からなる現地用土植生基盤20を現地にて詰め込んでいる。
吸水性、保水性、通気性のある合成樹脂製の発泡植生基盤18(ウレタン製発泡植生基盤が好適である)が充填、塊の嵌め込みなどによって埋め尽くす形態で設けられている。
背面プレート19は緑化用棚形成体1の背面に直接隙間無く固定された隙間の無い形態でもよい。
背部にはエキスパンドメタルメッシュMからなる背面プレート19が固定部位面7a、7b、7c、7dとの間に隙間をあけて配置されている。
【0019】
また、図8に示すように、粉砕木皮、土、肥料を混合してなる混合植生基盤21を現地にて詰め込む、あるいは前もって詰め込んである形態を示している。植生シート17は上部板面と前部板面の範囲に設け、さらに、植生シート17を背面プレート19の内側面に設け、背面プレート19からも外に向かって植物が生育して背面側も緑化されるようにしている。表も裏(背面)緑化された塀などを実現するものである。
自然土壌を主成分とした育成基盤材に街路樹の剪定材・間伐材等のリサイクル資材等を保水材とした混合植生基盤とするのがよい。
こうした混合植生基盤は専用の充填用バークブロワーで行うのが作業効率上好適である。
【0020】
また、種子を混ぜた糊状植生部材(バインダー)をはけ塗り、ローラ塗り、噴射塗りなどによってメッシュMの内側面に予め塗布して提供されるもの、現場で塗布するものもよい。糊状植生部材は生分解性のものがよい。
また、植生基盤そのものに種子を混合させておくのもよい。
また、現場緑化棚形成後に上部板面および前部板面に向けて種子を吹き付けるなどして孔3内に種子を蒔くようにしてもよい。この場合、種子蒔きの後に生分解性のバインダーを表から塗布して、種子が強風で飛散しないようにするのがよい。
また、現場緑化棚形成後に上部板面および前部板面に向けて粘着性の生分解性バインダーを薄く塗布し、その後種子を吹き付けるなどで蒔いて粘着性バインダーに種子をくっつけて強風や雨でも飛散しないようにするのも可能である。
【0021】
また、密着性の無いないし弱い混合植生基盤を用いることによって、混合植生基盤を交換する場合にあっては、緑化用棚形成体1を支柱4から外すのであるが、この外した状態でも、網目(孔3)を通り抜けて根は内側に茎及び葉は外に出して成長した植物はメッシュMによって該メッシュM上に保持されている。古い混合植生基盤を取り除き、植物付きの緑化用棚形成体1を支柱に取付け、新しい混合植生基盤を投入して既存の植物を新しい植生基盤で生育させることができるものである。
また、密着性の強い植生基盤であっても水崩壊性のものであれば、流水によって植生基盤を荒い流し除くことによって、網の目を通り抜けて成長している植物はエキスパンドメタルメッシによって該エキスパンドメタルメッシ上に保持された状態とし、新しい混合植生基盤を投入して既存の植物を新しい植生基盤で生育させることができるものである。
また、部分的に枯れた部位は、エキスパンドメタルメッシの孔の植生基盤を細棒なでほじくり出し、種子を練り込んだ土などの種子入り植生基盤を該孔に押し込むことによって、簡単に補修できる。
メッシュの網目からの植物の生長であり、これに持っても適した草丈の低い植生基盤からの水分吸収の少ないグランドカバー(地面を覆うように広がる、背の低い植物)に向いた常用多年草植物を選択することが最適であり、このような使用とした場合には植物の剪定作業をしなくてもよいことになり、草丈の低いダイカンドラ、テイフブレア、シロツメクサなどの多年草常緑植物を選択することにより、保水の有効期間が長期化できるものである。
また、常用植物としてはヒメイワダレソウ・セダム・コケ類等もよい。
【0022】
エキスパンドメタルメッシュMは、厚み1.2mmの亜鉛メッキ鋼板を使用し、孔の開口を形成しる傾斜状の孔形成壁2(顎部分)の傾斜角度は略45度であり、孔の横ピッチは15mmのものか35mmのものを(15mm〜40mmのものが好適である)、収納する植生基盤の内容によって、あるいは植生する植物によって使い分けている。
エキスパンドメタルメッシュMは現在最も低価格で耐候性のある亜鉛メッキ鋼板がコスト的にはよいのであるが、亜鉛メッキのものに限定されず、ステンレスのようなメッキを必要としない鋼板、他のメッキによるものなどが使用でき、鋼板であるので廃棄の場合は100%鉄くずとしてリサイクルがされるものである。
【実施例2】
【0023】
図10〜図13に示す本発明の実施例2において前記実施例1と主に異なる点は、棚の前後長さを実施例1の緑化用棚形成体1の2倍程度の長さとし、且つ、棚が一つである緑化用棚形成体30を形成した点にある。
具体的には、緑化用棚形成体30は、支柱4にボルト5によって固定されるボルト通し孔6を有する垂直面である固定部位面31、この固定部位面31から前方に折られて下向き傾斜で前方に延びた上部板面32、この上部板面32から下方に垂直に折られて下方に延びた前部板面33、この前部板面33から後方に折られて下向き傾斜で後方に延びた下部板面34、この下部板面34から下方に垂直に折られて下方に延びた固定部位面35とからなっている。
緑化用棚形成体30を複数本の支柱4にボルト5によって棚段を形成するように取り付けて緑化棚36を形成する。図10では4枚の緑化用棚形成体30によって4段棚を形成しているが何段でも可能である。
上部板面32、前部板面33および下部板面34により形成された側面形状が横向き台形である。このような横向き台形としたことにより、強度のある形態を実現している。
【0024】
図11において、支柱4には多数のねじ穴14(ねじ通し孔としト止めとするのもよい)
が設けられている。具体的には、固定部位面31と固定部位面35の縁をつき合わせた状態での取付け(図11の(a)図)、固定部位面31と固定部位面35を重ねた状態での支柱上方位置とした取付け(図11の(b)図)、固定部位面31と固定部位面35を重ねた状態での支柱下方位置とした取付け(図11の(c)図)形態を示している。
特に、図11の(b)図、図11の(c)図のように、固定部位面31と固定部位面35を重ねた状態での取付け固定は、固定部位面31と固定部位面35の二重構造となり、上方からの荷重に強い形態を実現するとともに、全体としても堅固性を高めることができる。
【0025】
図12において、支柱4に緑化棚の棚段を形成する緑化用棚形成体30と緑化用棚形成体30の間にメッシュMからなるプレート39が設けられた形態を示している。
プレート39は固定部位面31、固定部位面35と重ねられた形態でボルト5により固定されている。
緑化用棚形成体30は該緑化用棚形成体30を一回り大きくした形態で横幅が支柱4と同程度かそれより狭い幅のねじ通し孔41を有する固定ベルト40によって、プレート39と固定部位面31、プレート39と固定部位面35を重ねた上からボルト5によって固定される。
プレート39はメッシュMに限定されず、例えば、広告プレート、LEDなどの発光体を設けた発光プレートなど多様なものがある。また、その幅も多様である。
プレート39を最下部に設けており、該最下部のプレート39を取り外すことによって、密着性の無いないし弱い混合植生基盤の場合においては、あけた最下部の開口から該植生基盤をとりだすことができるとともに、網目(孔3)を通り抜けて根は内側に茎及び葉は外に出して成長した植物はメッシュMによって該メッシュM上に保持されるので、新しい混合植生基盤を投入して既存の植物を新しい植生基盤で生育させることができる。
垂直面であるプレート39面も植物成長する緑化面とすることができる。
【実施例3】
【0026】
図14に示す本発明の実施例3において前記実施例1と主に異なる点は、棚13a、13b、13c、13dを個別に分離した形態の、一つの棚である緑化用棚形成体44を形成した点にある。
固定ベルト15は固定ベルト15aと同じものである。
使用形態は前記実施例2と同様である。
【実施例4】
【0027】
図15に示す本発明の実施例4において前記実施例2と主に異なる点は、緑化用棚形成体30と同じ形態の棚47a、47b、47c、47dを一枚のエキスパンドメタルメッシュMを折り曲げて、多段棚の緑化用棚形成体48を形成した点にある。
使用形態は前記実施例1と同様である。
【実施例5】
【0028】
図16に示す本発明の実施例5において前記実施例1と主に異なる点は、外側となる支柱4の側部に緑化用棚形成体1の側部開口を塞ぐ一枚プレートで形成した塞ぎプレート部50を複数枚(本実施例では4枚)設けた塞ぎプレート付き支柱51を形成した点にある。
また、固定ベルト15の側部に塞ぎプレート50の外側面が係って、該塞ぎプレート50が外側に反るのを防ぐ突起52を適宜設けてなる突起付き固定ベルト53を形成した点にある。
実際の設置では塞ぎプレート付き支柱は緑化棚の左右に必要となるので、塞ぎプレート付き支柱51と対称のものが必要となる。
塞ぎプレート部50は、それぞれが分離したプレートでもよい。
【実施例6】
【0029】
図17に示す本発明の実施例6において前記実施例1と主に異なる点は、固定ベルト15の側部に緑化用棚形成体1の側部開口を塞ぐ塞ぎプレート50設けた塞ぎプレート付き固定ベルト55を形成した点にある。
実際の設置では塞ぎプレート付き支柱は緑化棚の左右に必要となるので、塞ぎプレート付き固定ベルト55と対称のものが必要となる。
【実施例7】
【0030】
図18に示す本発明の実施例7において前記実施例1と主に異なる点は、外側となる支柱4の側部に緑化用棚形成体1の側部開口を塞ぐエキスパンドメタルメッシュM一枚プレートで形成した塞ぎプレート部57を複数枚(本実施例では4枚)設けた塞ぎプレート付き支柱58を形成した点にある。
また、エキスパンドメタルメッシュM一枚プレートで形成した固定ベルト15と同形態の固定ベルト60の側部に塞ぎプレート58の外側面が係って、該塞ぎプレート58が外側に反るのを防ぐ突起52を適宜設けてなる突起付き固定ベルト59を形成した点にある。
実際の設置では塞ぎプレート付き支柱は緑化棚の左右に必要となるので、塞ぎプレート付き支柱58対称のものが必要となる。
塞ぎプレート部57は、それぞれが分離したプレートでもよい。
固定ベルト面60の前部板面9a、9b、9c、9dに対応する前部面の孔形成壁2は、該前部板面9a、9b、9c、9dの孔形成壁2の向きと同様となっている。また、塞ぎプレート58も同様の孔形成壁2向きとなっている。
固定ベルト60面の孔3から緑化用棚形成体1内の種子が発芽し育った植物が外に芽吹き成長して緑化される。
また、塞ぎプレート58の内面に植生シートを貼り付けることにより、塞ぎプレート58の孔3からも植物が外に成長し緑化される。
【実施例8】
【0031】
図19に示す本発明の実施例8において前記実施例1と主に異なる点は、道路側である支柱4の表側に緑化用棚形成体1を設け、敷地側である該支柱4の裏側に緑化用棚形成体44を4枚設けてなる緑化棚62を形成した点にある。
植生基盤を除去する場合は敷地側の緑化用棚形成体44を1、2個外して行えばできるので、歩行者や自動車の交通の妨げとならず、且つ、安全に交換作業を進めることができる。
支柱4の頭部にはエキスパンドメタルメッシュMで形成した、側面M字形の上部被せ部材63が最上部のボルト5によって緑化用棚形成体とともに固定して被せられ、上部被せ部材63の谷間には水を散水するパイプ22が設けられている。
【実施例9】
【0032】
図20に示す本発明の実施例9において前記実施例1と主に異なる点は、緑化用棚形成体の他の形態である、緑化用棚形成体66、緑化用棚形成体67、緑化用棚形成体68を示しているところにある。
(1)緑化用棚形成体66はエキスパンドメタルメッシュMで半円弧形態で突出形成した4段の棚70を形成してなり、該棚70は上方部位が上部板面71を形成、前方部位が前部板面72を形成し、下方部位が下部板面73を形成してなっている。
植物は主に上部板面71と前部板面72に生育する。
(2)緑化用棚形成体67はエキスパンドメタルメッシュMで逆さ直角三角形形態で突出形成した4段の棚75を形成してなり、該棚75は水平上部位が上部板面76を形成、下部側後方引き傾斜面が前部板面77を形成してなっている。
植物は主に上部板面71と前部板面72に生育する。
(3)緑化用棚形成体68はエキスパンドメタルメッシュMで直角三角形形態で突出形成した4段の前部板面を有さない形態である棚79を形成してなり(一段ずつでもよい)、該棚79は傾斜面部位が上部板面80(実質「前部板面」とみることもできる)が形成され、該上部板面80の下部を奥(後方)に水平に折り曲げ(角度を付けた折り曲げでもよい)て支柱4から離し植生基盤収納部(実施例1では植生基盤収納部11a〜が該当)を形成するための水平面である(傾斜面でもよい)下部板面81を形成してなっている。
上部板面80が上部端から下部端まで前方に下り傾斜した広い前面メッシュ壁を形成しているので、それは下方に行くほど支柱から離れ上方に行くほど支柱に近づく構造であることから、上部から投入した植生土(現地の土など)が上部板面80内面に当接しながら積み上げられて行くことを実現し、よって、上部板面80の上方に植生土が入らない、ないし小さな空間で済む、押さえの弱い部位が生じない植生土の詰め込み状態を実現するものである。
上部板面80部位のエキスパンドメタルメッシュMの孔3の開口は上方を向く形態となるので、植物は広い占有面積の上部板面80に生育し、緑化棚の前面を広範囲に満遍なく緑化状態にできる。
上部板面80の傾斜は45度〜80度程度がよく、より良くは60度〜75度程度がよい。
上部板面80(実質「前部板面」とみることもできる)は、下部板面81から見て上部に位置していることから上部板面としている。
【実施例10】
【0033】
図30、図31、図32に示す本発明の実施例10において前記実施例1と主に異なる点は、棚の形態を、上部板面を傾斜角度を65度〜75度(図では略70度)の上部板面135とし、この上部板面135の下部を奥(後方)に略直角に折り曲げて形成した傾斜角度略20度の下部板面136とし、上部板面135の上部側を内側に折り曲げ上部内側に植生土が入る空間を形成する上部板上方折り曲げ部137を形成し、一枚のエキスパンドメタルメッシュMで2段の前部板面を有さない棚138としてなるは緑化用棚形成体139を形成した点にある。
上部板面135が上部端から下部端まで前方に下り傾斜した広い前面メッシュ壁を形成しているので、それは下方に行くほど支柱から離れ上方に行くほど支柱に近づく構造であることから、上部から投入した植生土(現地の土など)が上部板面135内面に当接しながら積み上げられて行くことを実現し、よって、上部板面135の上方に植生土が入らないで土の入らない空間が生じることがない、ないし小さな空間で済む、また、押さえの弱い部位が生じない植生土の詰め込み状態を実現するものである。
上部板面135部位のエキスパンドメタルメッシュMの孔3の開口は上方を向く形態となるので、植物は広い占有面積の上部板面135に生育し、緑化棚の前面を広範囲に満遍なく緑化状態にできる。
上部板面135の傾斜は45度〜135度程度がよく、より良くは60度〜75度程度がよい。
上部板面135(実質「前部板面」とみることもできる)は、下部板面81から見て上部に位置していることから上部板面としている。
棚138の内壁面には、植生マット40が設けられ、該植生マット40の内側ないし外面には植物の種が仕込まれている。植生マット40はそれだけでも植物の栄養源となり且つ保水性があり耐腐食性ものである。具体的には、アジアの熱帯地域に分布する高木「カポック」の果実から作られた天然繊維を、カポック繊維袋、麻袋ないし合成樹脂製袋にパッチワーク状に縫った袋などが好適である。主な目的は保水性を維持するためである。
また、緩勾配5分以上の場合は、土が充填出来ないので麻袋でメッシュの内側形状の土袋を作って、種子入りの土を充填し、土袋を置いた上に棚138を被せる方法とする。
【0034】
≪附記≫
<その他の発明>
<その他の発明の名称> 緑化用棚形成体および緑化棚
<技術分野>
<0001>
その他の発明は、擁壁、壁面、塀などの緑化用棚形成体および緑化棚に関する。
<背景技術>
<0002>
支柱前面から後方に向けて棚板を斜めに差込むための斜めの凹みからなる棚板差込部を多段設け、間隔を開けて配置した複数本の支柱に棚板(緑化用棚形成体)を多段に設けてなる、各棚の上部が全面開口である緑化棚が知られている。(例えば特許文献1)
<先行技術文献>
<特許文献>
<0003>
<特許文献1> 特開2009−254347号公報
<非特許文献>
<0004>
<非特許文献1> 特になし
<その他の発明の概要>
<その他の発明が解決しようとする課題>
<0005>
上述した特許文献1の技術は、緑化棚の緑化において棚板の前部板面は単なる板であるので該前部面を緑化できない、よって、緑化面積が狭くなる、植物生育後も棚板の前部面の殆どが露出して見える、あるいは植物の間から見えるなど景観的にも良好ではない景観になるという欠点を有してした。
<0006>
その他の発明は以上のような従来技術の欠点に鑑み、緑化面積を増やすことができる緑化用棚形成体および緑化棚を提供することを目的としている。
<その他の発明の効果>
<0007>
その他の発明にあっては次に列挙する効果を奏する。
<その他の発明の請求項1の効果>
鋼板に多数の切り込み入れ押し拡げあるいは引き延ばして傾斜状の壁間に形成した孔の多数によって網目状鋼板に形成してなる、あるいは鋼板に設けた多数の切り込み部分を押し出し形成した顎状の壁や傾斜状の壁の間に形成した孔の多数によって網目状鋼板に形成してなるエキスパンドメタルメッシュ、
前部面を形成する前記エキスパンドメタルメッシュからなる立ち上がった形態の前部板面と、この前部板面の下部から後方に延びて下部面を形成する下部板面と、この下部板面から立ち下がった形態の後部板面とからなるとともに、
前記前部板面において前記孔の開口が該前部板面の前方に突出した前記孔形成壁の上に位置する向きとされてなることを特徴とする緑化用棚形成体であるので、次に述べるような効果を奏する。
すなわち、
(1)支柱の間に複数枚セットして多段棚の緑化棚を形成して使用する。
種子を前部板面の内側に配置することによって、エキスパンドメタルメッシュの孔(網目)から外に植物を生育させて、該前部板面を緑化することができるので、上部開放面の緑化に加えて前部板面での緑化がなされ、その分緑化面積を広げることができるという効果を奏する。
また、景観的にも前部板面が見えない殆どが緑化面となった景観を実現するという効果を奏する。
(2)密着性の無いないし弱い植生基盤を使用することによって、植生基盤を例えば予め設けてある下方開口を開口してとりだすことができるとともに、網の目を通り抜けて成長している植物はエキスパンドメタルメッシによって該エキスパンドメタルメッシ上に保持されるので、新しい混合植生基盤を投入して既存の植物を新しい植生基盤で生育させることができるという効果を奏する。
また、密着性の強い植生基盤であっても水崩壊性のものであれば、流水によって植生基盤を荒い流し除くことによって、網の目を通り抜けて成長している植物はエキスパンドメタルメッシによって該エキスパンドメタルメッシ上に保持された状態とし、新しい混合植生基盤を投入して既存の植物を新しい植生基盤で生育させることができるという効果を奏する。
メッシュの網目からの植物の生長であり、これに持っても適した草丈の低い植生基盤からの水分吸収の少ないグランドカバー(地面を覆うように広がる、背の低い植物)に向いた常用多年草植物を選択することが最適であり、このような使用とした場合には植物の剪定作業をしなくてもよいことになり、草丈の低いダイカンドラ、テイフブレア、シロツメクサなどの多年草常緑植物を選択することにより、保水の有効期間が長期化できるものである。
また、常用植物としてはヒメイワダレソウ・セダム・コケ類等もよい。
(3)部分的に枯れた部位は、エキスパンドメタルメッシの孔の植生基盤を細棒なでほじくり出し、種子を練り込んだ土などの種子入り植生基盤を該孔に押し込むことによって、簡単に補修できるという効果を奏する。
<その他の発明の請求項2記載の効果>
一対の支柱と、この支柱間に緑化棚を形成する形態で取り付けられた請求項1に記載された緑化用棚形成体とからなることを特徴とする緑化棚であるので、その他の発明の請求項1に記載のその他の発明と同様な効果を奏する。
<その他の発明を実施するための形態>
<0008>
以下、その他の発明を実施するための最良の形態である実施例(以下「その他の発明の実施例」という)を説明する。但し、その他の発明をこれら実施例のみに限定する趣旨のものではない。また、後述する実施例の説明に当って、前述した実施例の同一構成部分には同一符号を付して重複する説明を省略する。
<実施例1>
<0009>
図4、図21〜図24、図29に示すその他の発明の実施例1において100は緑化用棚形成体であって、緑化用棚形成体100は次のような構成となっている。
鋼板に多数の切り込み入れ押し拡げあるいは引き延ばして傾斜状の孔形成壁2の間に形成した菱形、扇形あるいは亀甲状等に形成した孔3の多数によって網目状鋼板に形成してなる、あるいは鋼板に設けた多数の切り込み部分を押し出し形成した傾斜壁(顎状壁を含む)である孔形成壁2によって形成した孔3の多数によって網目状鋼板に形成してなるエキスパンドメタルメッシュM、緑化用棚形成体100はこのエキスパンドメタルメッシュM(以下「メッシュM」ともいう)の一枚を折り曲げて形成したものであり、前部面を形成する前記エキスパンドメタルメッシュMからなる垂直に立ち上がった形態の前部板面101と、この前部板面101の下部から後方に斜め下り(傾斜角度約45度)形態で延びて下部面を形成する下部板面102と、この下部板面102から垂直に立ち下がった形態の後部板面103とからなるとともに、
前記前部板面101において前記孔3の開口が該前部板面101の前方に突出した孔形成壁2の上に位置する向きとされてなるものである。
<0010>
前部板面101においては、孔形成壁2がその下部を後方下に位置し上部を前方上に位置した、孔3が孔形成壁2の上方にその開口を位置する形態とされ、それぞれの孔3と孔形成壁2で小さな植生鉢ないし植物が孔3からメッシュMの外に上に向かって成長して行く小開口を形成している。
前部板面101の内側面には種子を有する植生シート(図示せず省略)が貼り付けられ、水をやると発芽し孔3(網目)から外に成長し、内の植生基盤には根を張って行くので、強風にも吹き飛ばない形態で緑化面積を増やしている。
<0011>
緑化用棚形成体100によって緑化棚97を形成するための支柱98は、立設される筒形態であり、筒形態の支柱本体99には、その内側壁面に緑化用棚形成体100の側部が差し込まれる棚形成体差込孔104が5段形成され、該棚形成体差込孔104の後方に背面パネル105(ここではエキスパンドメタルメッシMを使用)が差し込まれる背面パネル差込孔106が形成され、この背面パネル差込孔106の下部と連絡して前方の水平延びる底パネル107が差し込まれる底パネル差込孔108が形成され、支柱本体99の上方と下方にはその内側壁面および外側壁面に水平に貫通してなるねじ棒109を通すためのねじ通し孔110が形成され、支柱本体99の底部には転倒防止部材111を設けた構成となっている。
支柱98、98を対抗させ、5枚の緑化用棚形成体100を5つの棚形成体差込孔104、104に一枚ずつ差し込み、背面パネル差込孔106、106に背面パネル105を差し込み、底パネル差込孔108、108に底パネル107を差し込み、この状態にしてねじ通し孔110、110にねじ棒109を通しナット112で締め付け支柱98、98を連結し、支柱98、98、5枚の緑化用棚形成体100、背面パネル105、底パネル107を一体化させて緑化棚97を形成する。
前部板面101の上部縁には安全カバー113が被せられている。
底パネル差込孔108は底パネル107よりも2倍以上の幅があり、底パネル107を前後に斜めにして底パネル差込孔108から外すことができる。底パネル差込孔に代えて内側に突出した底パネル107の側面縁が載る突出部としてもよい。
緑化棚97形成後に最上部の開口から植生基盤18が投入される。
<0012>
密着性の無いないし弱い混合植生基盤を用いることによって、混合植生基盤を交換する場合にあっては、底パネル107を外し植生基盤を底側から抜き出すのであるが、網目(孔3)を通り抜けて根は内側に茎及び葉は外に出して成長した前部板面101の植物はメッシュMによって該メッシュM上に保持された状態となっている。古い混合植生基盤を取り除き、底パネル107で底を塞ぎ、新しい混合植生基盤を投入して前部板面101に生えた植物を新しい植生基盤でその緑化を維持し生育させることができるものである。
また、密着性の強い植生基盤であっても水崩壊性のものであれば、流水によって植生基盤を荒い流し除くことによって、網の目を通り抜けて成長している植物はエキスパンドメタルメッシMによって該エキスパンドメタルメッシM上に保持された状態とし、新しい混合植生基盤を投入して新しい植生基盤で生育させることができるものである。
また、部分的に枯れた部位は、エキスパンドメタルメッシMの孔の植生基盤を細棒なでほじくり出し、種子を練り込んだ土などの種子入り植生基盤を該孔に押し込むことによって、簡単に補修できる。
メッシュの網目からの植物の生長であり、これに持っても適した草丈の低い植生基盤からの水分吸収の少ないグランドカバー(地面を覆うように広がる、背の低い植物)に向いた常用多年草植物を選択することが最適であり、このような使用とした場合には植物の剪定作業をしなくてもよいことになり、草丈の低いダイカンドラ、テイフブレア、シロツメクサなどの多年草常緑植物を選択することにより、保水の有効期間が長期化できるものである。
また、常用植物としてはヒメイワダレソウ・セダム・コケ類等もよい。
<実施例2>
<0013>
図25に示すその他の発明の実施例2において前記実施例10と主に異なる点は、支柱を筒形態の傾斜63度の支柱本体117としてなる支柱118とし、一対の支柱118と5枚の緑化用棚形成体100によって緑化棚119を形成した点にある。
<実施例3>
<0014>
図26、図27に示すその他の発明の実施例3において前記実施例10と主に異なる点は、緑化用棚形成体を下部板面を傾斜角度約50度で前後幅を長くした下部板面125としてなる緑化用棚形成体120とし、支柱を筒形態の支柱本体121とし、支柱本体121に緑化用棚形成体120が差し込まれる4段の棚形成体差込孔123が形成されてなる支柱122とし、一対の支柱122と4枚の緑化用棚形成体120によって緑化棚124を形成した点にある。
緑化用棚形成体120同士の上下間隔を広くしたものである。
<実施例4>
<0015>
図28に示すその他の発明の実施例4において前記実施例10と主に異なる点は、緑化用棚形成体を前部板面を上下幅7cm〜10cmとした前部板面130とし、下部板面を傾斜角度約35度とした下部板面131とし、後部板面を上下幅7cm〜10cmとした後部板面132としてなる緑化用棚形成体133を形成した点にある。
前部板面130の植生面積を広くしたものである。
【産業上の利用可能性】
【0035】
本発明は壁面の緑化、緑化棚、プランターなどを製造、設置する産業で利用される。
【符号の説明】
【0036】
M:エキスパンドメタルメッシュ、
1:緑化用棚形成体、
2:孔形成壁、
3:孔、
4、4a、4b、4c:支柱、
5:ボルト、
6:ボルト通し孔、
7a、7b、7c、7d:固定部位面、
8a、8b、8c、8d:上部板面、
9a、9b、9c、9d:前部板面、
10a、10b、10c、10d:下部板面、
11a、11b、11c、11d:植生基盤収納部、
12a、12b、12c、12d:後方開口部、
13a、13b、13c、13d:棚、
14:ねじ穴、
15、15a、15b、15c:固定ベルト、
16:緑化棚、
17:植生シート、
18:発泡植生基盤、
19:背面プレート、
20:現地用土植生基盤、
21:混合植生基盤、
22:パイプ、
23:ねじ通し孔、
24:上部被せ材、
25:コンクリート壁、
30:緑化用棚形成体、
31:固定部位面、
32:上部板面、
33:前部板面、
34:下部板面、
35:固定部位面、
36:緑化棚、
39:プレート、
40:固定ベルト、
41:ねじ通し孔、
44:緑化用棚形成体、
47a、47b、47c、47d:棚、
48:緑化用棚形成体、
50:塞ぎプレート、
51:塞ぎプレート付き支柱、
52:突起、
53:突起付き固定ベルト、
55:塞ぎプレート付き固定ベルト55、
57:塞ぎプレート部、
58:塞ぎプレート付き支柱、
59:突起付き固定ベルト、
60:固定ベルト、
62:緑化棚、
63:上部被せ部材、
66:緑化用棚形成体、
67:緑化用棚形成体、
68:緑化用棚形成体、
70:棚、
71:上部板面、
72:前部板面、
73:下部板面、
75:棚、
76:上部板面、
77:前部板面、
79:棚、
80:上部板面、
81:下部板面、
97:緑化棚、
98:支柱、
99:支柱本体、
100:緑化用棚形成体、
101:前部板面、
102:下部板面、
103:後部板面、
104:棚形成体差込孔、
105:背面パネル、
106:背面パネル差込孔、
107:底パネル、
108:底パネル差込孔、
109:ねじ棒、
110:ねじ通し孔、
111:転倒防止部材、
112:ナット、
113:安全カバー、
117:支柱本体、
118:支柱、
119:緑化棚、
120:緑化用棚形成体、
121:支柱本体、
122:支柱、
123:棚形成体差込孔、
124:緑化棚、
125:下部板面、
130:前部板面、
131:下部板面、
132:後部板面、
133:緑化用棚形成体、
135:、
136:、
137:、
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【特許請求の範囲】
【請求項1】
鋼板に多数の切り込み入れ押し拡げあるいは引き延ばして傾斜状の壁間に形成した孔の多数によって網目状鋼板に形成してなる、あるいは鋼板に設けた多数の切り込み部分を押し出し形成した顎状の壁や傾斜状の壁の間に形成した孔の多数によって網目状鋼板に形成してなるエキスパンドメタルメッシュ、
上部面を形成する前記エキスパンドメタルメッシュからなる上部板面と、
この上部板面とで植生基盤を収納する植生基盤収納部を形成するように、該上部板面の前方側から後方に延びた前記エキスパンドメタルメッシュからなる下部板面と、
前記上部板面と前記下部板面との後方に形成される前記植生基盤収納部の開口である後方開口部とからなることを特徴とする緑化用棚形成体。
【請求項2】
上部板面の前方側と下部板面の前方側の間にエキスパンドメタルメッシュにより形成された前部板面を設けてなる特徴とする請求項1記載の緑化用棚形成体。
【請求項3】
上部板面の後方端から支柱や壁面に固定される部位となる第1の固定部位面が立ち上げられ、下部板面の後方端から支柱や壁面の固定される部位となる第2の固定部位面が立ち下げられてなることを特徴とする請求項1、2のいずれか1項に記載の緑化用棚形成体。
【請求項4】
植生基盤収納部が複数棚形成され、この複数棚の形成が1枚のエキスパンドメタルメッシュを折り曲げて形成したものであることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の緑化用棚形成体。
【請求項5】
植生基盤収納部を形成するエキスパンドメタルメッシュの内側面に種子入り植生シートが貼られてなることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の緑化用棚形成体。
【請求項6】
植生基盤収納部に保水性と通気性のあるウレタン製発泡材からなる植生基盤が収納されてなることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の緑化用棚形成体。
【請求項7】
複数本の支柱と、この支柱に緑化棚を形成する形態で取り付けられた請求項1〜5のいずれか1項に記載された緑化用棚形成体とからなることを特徴とする緑化棚。
【請求項1】
鋼板に多数の切り込み入れ押し拡げあるいは引き延ばして傾斜状の壁間に形成した孔の多数によって網目状鋼板に形成してなる、あるいは鋼板に設けた多数の切り込み部分を押し出し形成した顎状の壁や傾斜状の壁の間に形成した孔の多数によって網目状鋼板に形成してなるエキスパンドメタルメッシュ、
上部面を形成する前記エキスパンドメタルメッシュからなる上部板面と、
この上部板面とで植生基盤を収納する植生基盤収納部を形成するように、該上部板面の前方側から後方に延びた前記エキスパンドメタルメッシュからなる下部板面と、
前記上部板面と前記下部板面との後方に形成される前記植生基盤収納部の開口である後方開口部とからなることを特徴とする緑化用棚形成体。
【請求項2】
上部板面の前方側と下部板面の前方側の間にエキスパンドメタルメッシュにより形成された前部板面を設けてなる特徴とする請求項1記載の緑化用棚形成体。
【請求項3】
上部板面の後方端から支柱や壁面に固定される部位となる第1の固定部位面が立ち上げられ、下部板面の後方端から支柱や壁面の固定される部位となる第2の固定部位面が立ち下げられてなることを特徴とする請求項1、2のいずれか1項に記載の緑化用棚形成体。
【請求項4】
植生基盤収納部が複数棚形成され、この複数棚の形成が1枚のエキスパンドメタルメッシュを折り曲げて形成したものであることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の緑化用棚形成体。
【請求項5】
植生基盤収納部を形成するエキスパンドメタルメッシュの内側面に種子入り植生シートが貼られてなることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の緑化用棚形成体。
【請求項6】
植生基盤収納部に保水性と通気性のあるウレタン製発泡材からなる植生基盤が収納されてなることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の緑化用棚形成体。
【請求項7】
複数本の支柱と、この支柱に緑化棚を形成する形態で取り付けられた請求項1〜5のいずれか1項に記載された緑化用棚形成体とからなることを特徴とする緑化棚。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図30】
【図31】
【図32】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図30】
【図31】
【図32】
【公開番号】特開2012−100648(P2012−100648A)
【公開日】平成24年5月31日(2012.5.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−94551(P2011−94551)
【出願日】平成23年4月20日(2011.4.20)
【出願人】(000212599)
【出願人】(597123320)東横テクノプラン株式会社 (5)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年5月31日(2012.5.31)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年4月20日(2011.4.20)
【出願人】(000212599)
【出願人】(597123320)東横テクノプラン株式会社 (5)
【Fターム(参考)】
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