線収束型の超音波探触子
【課題】超音波探傷検査に用いられ、被検査材に超音波ビームを線収束させて送信しそのエコーを受信する線収束型の超音波探触子であって、超音波ビームの収束方向(走査方向)と直角な幅方向で探傷感度のばらつきを抑制でき、探傷能率を向上できる超音波探触子を提供する。
【解決手段】超音波探触子は、超音波の送受信口3が、超音波ビームを収束させる方向と直角な幅方向に延在する一対の直線11で挟まれた平行部10と、この平行部10の両端それぞれに連なる半円21で形成された先細り部20と、から構成される。先細り部20は、円弧、または連続した複数の直線で形成される構成に変形することができる。
【解決手段】超音波探触子は、超音波の送受信口3が、超音波ビームを収束させる方向と直角な幅方向に延在する一対の直線11で挟まれた平行部10と、この平行部10の両端それぞれに連なる半円21で形成された先細り部20と、から構成される。先細り部20は、円弧、または連続した複数の直線で形成される構成に変形することができる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、超音波探傷検査で用いられる超音波探触子に関し、特に、被検査材に超音波ビームを線収束させて送信しそのエコーを受信する線収束型の超音波探触子に関する。
【背景技術】
【0002】
超音波探傷検査は、鋼管や鋼材などの内部欠陥や表層欠陥を検出する非破壊検査として広く採用されている。超音波探傷では、探触子から送信される超音波ビームを被検査材に入射し、被検査材からの反射波(エコー)を探触子で受信し、受信したエコー中にきず(欠陥)からのエコーが存在するか否かを判定する。これにより、被検査材内の欠陥の有無、欠陥がある場合はその位置や大きさなどを検出することができる。
【0003】
超音波探傷において、厚みの厚い被検査材や、超音波の透過度が悪い被検査材を対象とする場合、超音波が減衰し弱くなるため、被検査材における探傷領域の最も遠い部分まで十分な強度の超音波が到達し難く、探傷が困難となる。この場合、超音波ビームを収束させて送信する収束型の超音波探触子を用いることが有効である。
【0004】
収束型の超音波探触子は、JIS Z2350に規定され、例えば、特許文献1に開示されるように、一次元の曲率を有するレンズによって超音波ビームを一方向から線状に収束させる線収束型のものと、二次元の曲率を有するレンズによって超音波ビームを点状に収束させる点収束型のものがある。これらのうち、線収束型の探触子は、一走査線上で幅広く探傷を行えるため、探傷面が広範な被検査材を探傷するのに適している。
【0005】
図1は、線収束型の超音波探触子を用いて垂直探傷を行う状況を説明する図である。線収束型の超音波探触子1を用いて、板状の被検査材Wを探傷する場合、図1中の実線矢印で示すように、探触子1を被検査材Wの探傷面の一端から他端まで一方向に移動させて走査し、続いて、探触子1を走査方向と直角な方向に所定のピッチPずらし、今度は探触子1を被検査材Wの探傷面の他端から一端まで逆方向に移動させて走査する。このような走査とずらしを繰り返し、被検査材Wの探傷面全域の超音波探傷を行う。走査の過程では、超音波探触子1は、超音波ビームを収束させる方向(以下、「収束方向」ともいう)と走査方向が一致するように配置される。
【0006】
従来の線収束型の超音波探触子1において、被検査材Wの探傷面と対向する端面2は、矩形または図1に示すような円形であり、その全域が超音波の送受信口に相当する。この超音波探触子は、次の特質を有する。
【0007】
図2は、従来の線収束型の超音波探触子から送信される超音波ビームにおいて、収束方向と直角な面内でのビームプロファイルを示す図であり、同図(a)は超音波送受信口が矩形である場合を、同図(b)は超音波送受信口が円形である場合をそれぞれ示す。同図(a)、(b)には、各ビームプロファイルに対応する超音波送受信口の形状を併記し、超音波ビームの収束方向および走査方向、並びに幅方向も併記している。
【0008】
矩形の超音波送受信口を有する従来の探触子の場合、ビームプロファイルは、図2(a)に示すように、両端付近に超音波ビームの強度(エコー強度)のピークが現れ、中央でエコー強度が急激に低下する分布となる。円形の超音波送受信口を有する従来の探触子の場合は、ビームプロファイルは、図2(b)に示すように、両端から緩やかにエコー強度が増加し、中央でエコー強度のピークが現れる分布となる。超音波探傷では、エコー強度の最も高い部分を基準にして感度を設定する。
【0009】
しかし、超音波送受信口が矩形で、図2(a)に示すビームプロファイルを有する探触子を用いた場合、エコー強度がピークとなる両端付近では、感度の高い探傷を行えるが、そのさらに外側と中央では、エコー強度が著しく低く、感度の低い探傷になる。超音波送受信口が円形で、図2(b)に示すビームプロファイルを有する探触子を用いた場合は、エコー強度がピークとなる中央では、感度の高い探傷を行えるが、その外側では、エコー強度が著しく低く、感度の低い探傷になる。
【0010】
すなわち、従来の線収束型の探触子は、超音波送受信口が矩形、円形のいずれの場合も、収束方向(走査方向)と直角な幅方向の部位ごとに、探傷の感度が大きく異なる。このため、探触子の部位によっては過検出または欠陥の見逃しが問題となる。
【0011】
この問題に対し、超音波送受信口が円形の探触子を用いた超音波探傷においては、走査線をずらすピッチを小さく設定することにより、エコー強度がピークとなる探触子中央の超音波ビームを限定して用い、感度のばらつきを抑えた探傷を行うことができる。しかし、この場合は、探傷の能率が大幅に低下する。走査線をずらすピッチを小さくすると、走査の回数が増加し、これに伴って探傷時間が増大するからである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0012】
【特許文献1】特開2001−108661号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
本発明の目的は、次の特性を有する線収束型の超音波探触子を提供することである:
(1)収束方向(走査方向)と直角な幅方向で探傷感度のばらつきを抑制できること;
(2)探傷能率を向上できること。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明の要旨は、次の通りである。
【0015】
(I)超音波探傷検査に用いられ、被検査材に超音波ビームを線収束させて送信しそのエコーを受信する線収束型の超音波探触子であって、
当該超音波探触子は、
超音波の送受信口が、超音波ビームを収束させる方向と直角な幅方向に延在する一対の直線で挟まれた平行部と、この平行部の両端それぞれに連なる先細り部と、から構成されること、
を特徴とする線収束型の超音波探触子。
【0016】
上記(I)の超音波探触子は、前記先細り部が、半円、円弧、または連続した複数の直線で形成される構成とすることができる。
【0017】
また、上記(I)の超音波探触子は、前記先細り部が、半円、およびこの半円と前記平行部の前記直線とをつなぐ直線で形成される構成を採用したり、前記先細り部が、円弧、およびこの円弧と前記平行部の前記直線とをつなぐ直線で形成される構成を採用することができる。
【0018】
(II)超音波探傷検査に用いられ、被検査材に超音波ビームを線収束させて送信しそのエコーを受信する線収束型の超音波探触子であって、
当該超音波探触子は、
超音波の送受信口が、超音波ビームを収束させる方向と直角な幅方向に長軸を有する楕円形であること、
を特徴とする線収束型の超音波探触子。
【発明の効果】
【0019】
本発明の線収束型の超音波探触子は、下記の顕著な効果を有する:
(1)収束方向(走査方向)と直角な幅方向で探傷感度のばらつきを抑制できること;
(2)探傷能率を向上できること。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】線収束型の超音波探触子を用いて探傷を行う状況を説明する図である。
【図2】従来の線収束型の超音波探触子から送信される超音波ビームにおいて、収束方向と直角な面内でのビームプロファイルを示す図である。
【図3】線収束型の超音波探触子から送信される超音波ビームにおいて、収束方向と直角な面内での理想的なビームプロファイルを示す図である。
【図4】本発明の第1実施形態である線収束型の超音波探触子の超音波送受信口を示す図である。
【図5】本発明の第2実施形態である線収束型の超音波探触子の超音波送受信口を示す図である。
【図6】本発明の第3実施形態である線収束型の超音波探触子の超音波送受信口を示す図である。
【図7】本発明の第4実施形態である線収束型の超音波探触子の超音波送受信口を示す図である。
【図8】本発明の第5実施形態である線収束型の超音波探触子の超音波送受信口を示す図である。
【図9】本発明の第6実施形態である線収束型の超音波探触子の超音波送受信口を示す図である。
【図10】実施例1の線収束型の超音波探触子から送信される超音波ビームにおいて、収束方向と直角な面内でのビームプロファイルを示す図である。
【図11】実施例2の線収束型の超音波探触子から送信される超音波ビームにおいて、収束方向と直角な面内でのビームプロファイルを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
上記目的を達成するには、探触子から送信される超音波ビームのビームプロファイルを幅方向の全域にわたり強度差を少なくし平坦化させることが理想的である。
【0022】
図3は、線収束型の超音波探触子から送信される超音波ビームにおいて、収束方向と直角な面内での理想的なビームプロファイルを示す図である。同図に示すように、平坦化されたビームプロファイルの超音波ビームを送信する探触子を用いて探傷を行った場合、エコー強度が幅方向の全域にわたり均一であることから、走査線をずらすピッチを小さく設定しなくても、探傷感度のばらつきを抑制することができ、探傷能率を向上させることができる。
【0023】
本発明者らは、矩形の超音波送受信口を有する従来の探触子の場合に、両端付近でエコー強度のピークが現れ、中央でエコー強度が急激に低下する要因が、超音波送受信口の矩形の角部の存在にあることを究明し、超音波ビームのビームプロファイルを平坦化させる手法について鋭意検討を重ねた。その結果、超音波ビームのビームプロファイルを平坦化させるには、超音波送受信口の形状に着目し、矩形の角部を抹消させるのが有効であることを知見した。
【0024】
本発明は、その知見に基づき完成させたものである。以下に、本発明の線収束型の超音波探触子の好ましい態様について説明する。
【0025】
1.探触子における超音波送受信口の形状
<第1実施形態>
図4は、本発明の第1実施形態である線収束型の超音波探触子の超音波送受信口を示す図である。同図には、超音波ビームの収束方向および走査方向、並びに幅方向を併記している。後述する第2〜第6実施形態の探触子を説明する図5〜図9でも同様に併記する。
【0026】
図4に示すように、第1実施形態の探触子は、超音波送受信口3が、平行部10と一対の先細り部20とから構成される。平行部10は、超音波ビームの収束方向(走査方向)と直角な幅方向に延在する一対の直線11で挟まれた領域である。先細り部20は、平行部10の両端それぞれに連なる領域である。特に、第1実施形態では、各先細り部20が、平行部10の各直線11につながる半円21で形成されている。
【0027】
<第2実施形態>
図5は、本発明の第2実施形態である線収束型の超音波探触子の超音波送受信口を示す図である。第2実施形態の探触子は、前記図4に示す第1実施形態の探触子を基本とし、超音波送受信口3を構成する先細り部20の形状を変形させたものである。後述する第3〜第5実施形態の探触子でも同様である。
【0028】
図5に示すように、第2実施形態の探触子では、各先細り部20が、平行部10の各直線11につながる円弧22で形成されている。その円弧22の半径は、平行部10の直線11同士の間隔の1/2よりも大きい。
【0029】
<第3実施形態>
図6は、本発明の第3実施形態である線収束型の超音波探触子の超音波送受信口を示す図であり、同図(a)は先細り部を形成する連続した直線が2本である場合を、同図(b)はその直線が3本である場合をそれぞれ示す。
【0030】
図6(a)、(b)に示すように、第3実施形態の探触子では、各先細り部20が、平行部10の各直線11につながる連続した複数の直線23で形成されている。具体的には、図6(a)に示す各先細り部20は、連続した2本の直線23で形成され、菱形の半分に相当するものである。図6(b)に示す各先細り部20は、連続した3本の直線23で形成され、正六角形の半分に相当するものである。
【0031】
<第4実施形態>
図7は、本発明の第4実施形態である線収束型の超音波探触子の超音波送受信口を示す図であり、同図(a)は先細り部を形成する半円が平行部の直線と1本ずつの直線でつながっている場合を、同図(b)はその半円が平行部の直線と2本ずつの直線でつながっている場合をそれぞれ示す。
【0032】
図7(a)、(b)に示すように、第4実施形態の探触子では、各先細り部20が、半円24、およびこの半円24と平行部10の直線11とをつなぐ直線25で形成されている。具体的には、図7(a)に示す各先細り部20は、半円24が、1本ずつの直線25により平行部10の各直線11とつながって構成される。図7(b)に示す各先細り部20は、半円24が、連続した2本ずつの直線25により平行部10の各直線11とつながって構成される。それらの半円24の半径は、平行部10の直線11同士の間隔の1/2よりも小さい。
【0033】
<第5実施形態>
図8は、本発明の第5実施形態である線収束型の超音波探触子の超音波送受信口を示す図であり、同図(a)は先細り部を形成する円弧が平行部の直線と1本ずつの直線でつながっている場合を、同図(b)はその円弧が平行部の直線と2本ずつの直線でつながっている場合をそれぞれ示す。
【0034】
図8(a)、(b)に示すように、第5実施形態の探触子では、各先細り部20が、円弧26、およびこの円弧26と平行部10の直線11とをつなぐ直線27で形成されている。具体的には、図8(a)に示す各先細り部20は、円弧26が、1本ずつの直線27により平行部10の各直線11とつながって構成される。図8(b)に示す各先細り部20は、円弧26が、連続した2本ずつの直線27により平行部10の各直線11とつながって構成される。それらの円弧26の半径は、平行部10の直線11につながる直線27と組み合わせて先細り部20となる限り、大きさを限定しない。
【0035】
<第6実施形態>
図9は、本発明の第6実施形態である線収束型の超音波探触子の超音波送受信口を示す図である。図9に示すように、第6実施形態の探触子は、超音波送受信口3が楕円形である。この楕円形の超音波送受信口3は、超音波ビームの収束方向(走査方向)と直角な幅方向に楕円の長軸を配置させたものである。実用的には、長軸の長さ(長径)xを短軸の長さ(短径)yの4倍以上とするのが好ましい。
【0036】
上記第1〜第6実施形態に示す本発明の探触子は、いずれも、超音波送受信口が超音波ビームの収束方向と直角な幅方向に扁平で、その両端部が先細りとなっており、従来の探触子の超音波送受信口のような矩形の角部が存在しないことから、幅方向の全域にわたり超音波ビームのエコー強度を均一にすることができる。その結果、本発明の探触子を用いて超音波探傷を行った場合、走査線をずらすピッチを小さく設定しなくても、探傷感度のばらつきを抑制することができ、探傷能率を向上させることができる。
【0037】
2.探触子の作製
本発明の探触子は、被検査材の探傷面と対向する端面の輪郭が所望の超音波送受信口の形状となるように、成形して得ることができるが、既存する従来の探触子を利用することもできる。
【0038】
例えば、超音波を吸収するシート状の吸音材を所望の超音波送受信口の形状で型抜きし、型抜きした吸音材を既存の探触子の端面に貼り付けることにより、本発明の探触子を得ることができる。既存の探触子の端面を所望の超音波送受信口の形状でマスキングし、マスキングした領域外の露出域に、硬化後に超音波吸収機能を有する吸音材を塗布し、硬化させた後にマスキングを取り除くことによっても、本発明の探触子を得ることができる。吸音材としては、ポリスチレン、シリコン樹脂、エポキシ樹脂などを適用できる。
【0039】
このように、既存する従来の探触子を利用して探触子を作製する方法は、探触子の調達コストを抑制できる点で極めて有効である。
【実施例】
【0040】
本発明の効果を確認するため、下記の試験を行った。
【0041】
<実施例1>
実施例1では、上記した第1実施形態の探触子、すなわち、超音波送受信口が平行部と一対の半円の先細り部から成る探触子を作製し、幅方向の各部位でエコー強度を測定した。探触子を作製するに際しては、既存する矩形端面の探触子を利用し、その端面に、所望の超音波送受信口の形状で型抜きしたポリスチレンのシートを貼り付けた。実施例1での超音波送受信口の寸法形状は次の通りである。
・平行部の幅方向長さa1:11.85mm
・平行部の収束方向長さb1:3.95mm
・幅方向全長c1:15.8mm
【0042】
図10は、実施例1の線収束型の超音波探触子から送信される超音波ビームにおいて、収束方向と直角な面内でのビームプロファイルを示す図である。同図には、ビームプロファイルに対応する超音波送受信口の形状を併記し、超音波ビームの収束方向および走査方向、並びに幅方向も併記している。後述する図11でも同様に併記する。
【0043】
同図に示す結果から次のことが明らかになった。エコー強度が幅方向で均一化された。エコー強度のばらつきは、幅方向部位が約3.5mm〜14.5mmの範囲の約11mm内で最大3dBに抑制され、約2.5mm〜15.5mmの範囲の約13mm内でも最大6dBに抑制された。
【0044】
<実施例2>
実施例2では、上記した第2実施形態の探触子、すなわち、超音波送受信口が平行部と一対の円弧の先細り部から成る探触子を、上記の実施例1と同様の手法で作製し、幅方向の各部位でエコー強度を測定した。実施例2での超音波送受信口の寸法形状は次の通りである。
・平行部の幅方向長さa2:15.5mm
・平行部の収束方向長さb2:3.95mm
・幅方向全長c2:15.8mm
【0045】
図11は、実施例2の線収束型の超音波探触子から送信される超音波ビームにおいて、収束方向と直角な面内でのビームプロファイルを示す図である。同図に示す結果から次のことが明らかになった。エコー強度が幅方向で概ね均一化された。エコー強度のばらつきは、幅方向部位が約2.5mm〜14.5mmの範囲の約12mm内で最大3dBに抑制され、約2mm〜15mmの範囲の約13mm内でも最大6dBに抑制された。
【産業上の利用可能性】
【0046】
本発明は、鋼管や鋼材などの超音波探傷検査に有効に利用できる。
【符号の説明】
【0047】
1:超音波探触子、 2:端面、 3:超音波送受信口、
10:平行部、 11:直線、
20:先細り部、 21:半円、 22:円弧、 23:直線、
24:半円、 25:直線、 26:円弧、 27:直線、
W:被検査材、 P:ピッチ
【技術分野】
【0001】
本発明は、超音波探傷検査で用いられる超音波探触子に関し、特に、被検査材に超音波ビームを線収束させて送信しそのエコーを受信する線収束型の超音波探触子に関する。
【背景技術】
【0002】
超音波探傷検査は、鋼管や鋼材などの内部欠陥や表層欠陥を検出する非破壊検査として広く採用されている。超音波探傷では、探触子から送信される超音波ビームを被検査材に入射し、被検査材からの反射波(エコー)を探触子で受信し、受信したエコー中にきず(欠陥)からのエコーが存在するか否かを判定する。これにより、被検査材内の欠陥の有無、欠陥がある場合はその位置や大きさなどを検出することができる。
【0003】
超音波探傷において、厚みの厚い被検査材や、超音波の透過度が悪い被検査材を対象とする場合、超音波が減衰し弱くなるため、被検査材における探傷領域の最も遠い部分まで十分な強度の超音波が到達し難く、探傷が困難となる。この場合、超音波ビームを収束させて送信する収束型の超音波探触子を用いることが有効である。
【0004】
収束型の超音波探触子は、JIS Z2350に規定され、例えば、特許文献1に開示されるように、一次元の曲率を有するレンズによって超音波ビームを一方向から線状に収束させる線収束型のものと、二次元の曲率を有するレンズによって超音波ビームを点状に収束させる点収束型のものがある。これらのうち、線収束型の探触子は、一走査線上で幅広く探傷を行えるため、探傷面が広範な被検査材を探傷するのに適している。
【0005】
図1は、線収束型の超音波探触子を用いて垂直探傷を行う状況を説明する図である。線収束型の超音波探触子1を用いて、板状の被検査材Wを探傷する場合、図1中の実線矢印で示すように、探触子1を被検査材Wの探傷面の一端から他端まで一方向に移動させて走査し、続いて、探触子1を走査方向と直角な方向に所定のピッチPずらし、今度は探触子1を被検査材Wの探傷面の他端から一端まで逆方向に移動させて走査する。このような走査とずらしを繰り返し、被検査材Wの探傷面全域の超音波探傷を行う。走査の過程では、超音波探触子1は、超音波ビームを収束させる方向(以下、「収束方向」ともいう)と走査方向が一致するように配置される。
【0006】
従来の線収束型の超音波探触子1において、被検査材Wの探傷面と対向する端面2は、矩形または図1に示すような円形であり、その全域が超音波の送受信口に相当する。この超音波探触子は、次の特質を有する。
【0007】
図2は、従来の線収束型の超音波探触子から送信される超音波ビームにおいて、収束方向と直角な面内でのビームプロファイルを示す図であり、同図(a)は超音波送受信口が矩形である場合を、同図(b)は超音波送受信口が円形である場合をそれぞれ示す。同図(a)、(b)には、各ビームプロファイルに対応する超音波送受信口の形状を併記し、超音波ビームの収束方向および走査方向、並びに幅方向も併記している。
【0008】
矩形の超音波送受信口を有する従来の探触子の場合、ビームプロファイルは、図2(a)に示すように、両端付近に超音波ビームの強度(エコー強度)のピークが現れ、中央でエコー強度が急激に低下する分布となる。円形の超音波送受信口を有する従来の探触子の場合は、ビームプロファイルは、図2(b)に示すように、両端から緩やかにエコー強度が増加し、中央でエコー強度のピークが現れる分布となる。超音波探傷では、エコー強度の最も高い部分を基準にして感度を設定する。
【0009】
しかし、超音波送受信口が矩形で、図2(a)に示すビームプロファイルを有する探触子を用いた場合、エコー強度がピークとなる両端付近では、感度の高い探傷を行えるが、そのさらに外側と中央では、エコー強度が著しく低く、感度の低い探傷になる。超音波送受信口が円形で、図2(b)に示すビームプロファイルを有する探触子を用いた場合は、エコー強度がピークとなる中央では、感度の高い探傷を行えるが、その外側では、エコー強度が著しく低く、感度の低い探傷になる。
【0010】
すなわち、従来の線収束型の探触子は、超音波送受信口が矩形、円形のいずれの場合も、収束方向(走査方向)と直角な幅方向の部位ごとに、探傷の感度が大きく異なる。このため、探触子の部位によっては過検出または欠陥の見逃しが問題となる。
【0011】
この問題に対し、超音波送受信口が円形の探触子を用いた超音波探傷においては、走査線をずらすピッチを小さく設定することにより、エコー強度がピークとなる探触子中央の超音波ビームを限定して用い、感度のばらつきを抑えた探傷を行うことができる。しかし、この場合は、探傷の能率が大幅に低下する。走査線をずらすピッチを小さくすると、走査の回数が増加し、これに伴って探傷時間が増大するからである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0012】
【特許文献1】特開2001−108661号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
本発明の目的は、次の特性を有する線収束型の超音波探触子を提供することである:
(1)収束方向(走査方向)と直角な幅方向で探傷感度のばらつきを抑制できること;
(2)探傷能率を向上できること。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明の要旨は、次の通りである。
【0015】
(I)超音波探傷検査に用いられ、被検査材に超音波ビームを線収束させて送信しそのエコーを受信する線収束型の超音波探触子であって、
当該超音波探触子は、
超音波の送受信口が、超音波ビームを収束させる方向と直角な幅方向に延在する一対の直線で挟まれた平行部と、この平行部の両端それぞれに連なる先細り部と、から構成されること、
を特徴とする線収束型の超音波探触子。
【0016】
上記(I)の超音波探触子は、前記先細り部が、半円、円弧、または連続した複数の直線で形成される構成とすることができる。
【0017】
また、上記(I)の超音波探触子は、前記先細り部が、半円、およびこの半円と前記平行部の前記直線とをつなぐ直線で形成される構成を採用したり、前記先細り部が、円弧、およびこの円弧と前記平行部の前記直線とをつなぐ直線で形成される構成を採用することができる。
【0018】
(II)超音波探傷検査に用いられ、被検査材に超音波ビームを線収束させて送信しそのエコーを受信する線収束型の超音波探触子であって、
当該超音波探触子は、
超音波の送受信口が、超音波ビームを収束させる方向と直角な幅方向に長軸を有する楕円形であること、
を特徴とする線収束型の超音波探触子。
【発明の効果】
【0019】
本発明の線収束型の超音波探触子は、下記の顕著な効果を有する:
(1)収束方向(走査方向)と直角な幅方向で探傷感度のばらつきを抑制できること;
(2)探傷能率を向上できること。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】線収束型の超音波探触子を用いて探傷を行う状況を説明する図である。
【図2】従来の線収束型の超音波探触子から送信される超音波ビームにおいて、収束方向と直角な面内でのビームプロファイルを示す図である。
【図3】線収束型の超音波探触子から送信される超音波ビームにおいて、収束方向と直角な面内での理想的なビームプロファイルを示す図である。
【図4】本発明の第1実施形態である線収束型の超音波探触子の超音波送受信口を示す図である。
【図5】本発明の第2実施形態である線収束型の超音波探触子の超音波送受信口を示す図である。
【図6】本発明の第3実施形態である線収束型の超音波探触子の超音波送受信口を示す図である。
【図7】本発明の第4実施形態である線収束型の超音波探触子の超音波送受信口を示す図である。
【図8】本発明の第5実施形態である線収束型の超音波探触子の超音波送受信口を示す図である。
【図9】本発明の第6実施形態である線収束型の超音波探触子の超音波送受信口を示す図である。
【図10】実施例1の線収束型の超音波探触子から送信される超音波ビームにおいて、収束方向と直角な面内でのビームプロファイルを示す図である。
【図11】実施例2の線収束型の超音波探触子から送信される超音波ビームにおいて、収束方向と直角な面内でのビームプロファイルを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
上記目的を達成するには、探触子から送信される超音波ビームのビームプロファイルを幅方向の全域にわたり強度差を少なくし平坦化させることが理想的である。
【0022】
図3は、線収束型の超音波探触子から送信される超音波ビームにおいて、収束方向と直角な面内での理想的なビームプロファイルを示す図である。同図に示すように、平坦化されたビームプロファイルの超音波ビームを送信する探触子を用いて探傷を行った場合、エコー強度が幅方向の全域にわたり均一であることから、走査線をずらすピッチを小さく設定しなくても、探傷感度のばらつきを抑制することができ、探傷能率を向上させることができる。
【0023】
本発明者らは、矩形の超音波送受信口を有する従来の探触子の場合に、両端付近でエコー強度のピークが現れ、中央でエコー強度が急激に低下する要因が、超音波送受信口の矩形の角部の存在にあることを究明し、超音波ビームのビームプロファイルを平坦化させる手法について鋭意検討を重ねた。その結果、超音波ビームのビームプロファイルを平坦化させるには、超音波送受信口の形状に着目し、矩形の角部を抹消させるのが有効であることを知見した。
【0024】
本発明は、その知見に基づき完成させたものである。以下に、本発明の線収束型の超音波探触子の好ましい態様について説明する。
【0025】
1.探触子における超音波送受信口の形状
<第1実施形態>
図4は、本発明の第1実施形態である線収束型の超音波探触子の超音波送受信口を示す図である。同図には、超音波ビームの収束方向および走査方向、並びに幅方向を併記している。後述する第2〜第6実施形態の探触子を説明する図5〜図9でも同様に併記する。
【0026】
図4に示すように、第1実施形態の探触子は、超音波送受信口3が、平行部10と一対の先細り部20とから構成される。平行部10は、超音波ビームの収束方向(走査方向)と直角な幅方向に延在する一対の直線11で挟まれた領域である。先細り部20は、平行部10の両端それぞれに連なる領域である。特に、第1実施形態では、各先細り部20が、平行部10の各直線11につながる半円21で形成されている。
【0027】
<第2実施形態>
図5は、本発明の第2実施形態である線収束型の超音波探触子の超音波送受信口を示す図である。第2実施形態の探触子は、前記図4に示す第1実施形態の探触子を基本とし、超音波送受信口3を構成する先細り部20の形状を変形させたものである。後述する第3〜第5実施形態の探触子でも同様である。
【0028】
図5に示すように、第2実施形態の探触子では、各先細り部20が、平行部10の各直線11につながる円弧22で形成されている。その円弧22の半径は、平行部10の直線11同士の間隔の1/2よりも大きい。
【0029】
<第3実施形態>
図6は、本発明の第3実施形態である線収束型の超音波探触子の超音波送受信口を示す図であり、同図(a)は先細り部を形成する連続した直線が2本である場合を、同図(b)はその直線が3本である場合をそれぞれ示す。
【0030】
図6(a)、(b)に示すように、第3実施形態の探触子では、各先細り部20が、平行部10の各直線11につながる連続した複数の直線23で形成されている。具体的には、図6(a)に示す各先細り部20は、連続した2本の直線23で形成され、菱形の半分に相当するものである。図6(b)に示す各先細り部20は、連続した3本の直線23で形成され、正六角形の半分に相当するものである。
【0031】
<第4実施形態>
図7は、本発明の第4実施形態である線収束型の超音波探触子の超音波送受信口を示す図であり、同図(a)は先細り部を形成する半円が平行部の直線と1本ずつの直線でつながっている場合を、同図(b)はその半円が平行部の直線と2本ずつの直線でつながっている場合をそれぞれ示す。
【0032】
図7(a)、(b)に示すように、第4実施形態の探触子では、各先細り部20が、半円24、およびこの半円24と平行部10の直線11とをつなぐ直線25で形成されている。具体的には、図7(a)に示す各先細り部20は、半円24が、1本ずつの直線25により平行部10の各直線11とつながって構成される。図7(b)に示す各先細り部20は、半円24が、連続した2本ずつの直線25により平行部10の各直線11とつながって構成される。それらの半円24の半径は、平行部10の直線11同士の間隔の1/2よりも小さい。
【0033】
<第5実施形態>
図8は、本発明の第5実施形態である線収束型の超音波探触子の超音波送受信口を示す図であり、同図(a)は先細り部を形成する円弧が平行部の直線と1本ずつの直線でつながっている場合を、同図(b)はその円弧が平行部の直線と2本ずつの直線でつながっている場合をそれぞれ示す。
【0034】
図8(a)、(b)に示すように、第5実施形態の探触子では、各先細り部20が、円弧26、およびこの円弧26と平行部10の直線11とをつなぐ直線27で形成されている。具体的には、図8(a)に示す各先細り部20は、円弧26が、1本ずつの直線27により平行部10の各直線11とつながって構成される。図8(b)に示す各先細り部20は、円弧26が、連続した2本ずつの直線27により平行部10の各直線11とつながって構成される。それらの円弧26の半径は、平行部10の直線11につながる直線27と組み合わせて先細り部20となる限り、大きさを限定しない。
【0035】
<第6実施形態>
図9は、本発明の第6実施形態である線収束型の超音波探触子の超音波送受信口を示す図である。図9に示すように、第6実施形態の探触子は、超音波送受信口3が楕円形である。この楕円形の超音波送受信口3は、超音波ビームの収束方向(走査方向)と直角な幅方向に楕円の長軸を配置させたものである。実用的には、長軸の長さ(長径)xを短軸の長さ(短径)yの4倍以上とするのが好ましい。
【0036】
上記第1〜第6実施形態に示す本発明の探触子は、いずれも、超音波送受信口が超音波ビームの収束方向と直角な幅方向に扁平で、その両端部が先細りとなっており、従来の探触子の超音波送受信口のような矩形の角部が存在しないことから、幅方向の全域にわたり超音波ビームのエコー強度を均一にすることができる。その結果、本発明の探触子を用いて超音波探傷を行った場合、走査線をずらすピッチを小さく設定しなくても、探傷感度のばらつきを抑制することができ、探傷能率を向上させることができる。
【0037】
2.探触子の作製
本発明の探触子は、被検査材の探傷面と対向する端面の輪郭が所望の超音波送受信口の形状となるように、成形して得ることができるが、既存する従来の探触子を利用することもできる。
【0038】
例えば、超音波を吸収するシート状の吸音材を所望の超音波送受信口の形状で型抜きし、型抜きした吸音材を既存の探触子の端面に貼り付けることにより、本発明の探触子を得ることができる。既存の探触子の端面を所望の超音波送受信口の形状でマスキングし、マスキングした領域外の露出域に、硬化後に超音波吸収機能を有する吸音材を塗布し、硬化させた後にマスキングを取り除くことによっても、本発明の探触子を得ることができる。吸音材としては、ポリスチレン、シリコン樹脂、エポキシ樹脂などを適用できる。
【0039】
このように、既存する従来の探触子を利用して探触子を作製する方法は、探触子の調達コストを抑制できる点で極めて有効である。
【実施例】
【0040】
本発明の効果を確認するため、下記の試験を行った。
【0041】
<実施例1>
実施例1では、上記した第1実施形態の探触子、すなわち、超音波送受信口が平行部と一対の半円の先細り部から成る探触子を作製し、幅方向の各部位でエコー強度を測定した。探触子を作製するに際しては、既存する矩形端面の探触子を利用し、その端面に、所望の超音波送受信口の形状で型抜きしたポリスチレンのシートを貼り付けた。実施例1での超音波送受信口の寸法形状は次の通りである。
・平行部の幅方向長さa1:11.85mm
・平行部の収束方向長さb1:3.95mm
・幅方向全長c1:15.8mm
【0042】
図10は、実施例1の線収束型の超音波探触子から送信される超音波ビームにおいて、収束方向と直角な面内でのビームプロファイルを示す図である。同図には、ビームプロファイルに対応する超音波送受信口の形状を併記し、超音波ビームの収束方向および走査方向、並びに幅方向も併記している。後述する図11でも同様に併記する。
【0043】
同図に示す結果から次のことが明らかになった。エコー強度が幅方向で均一化された。エコー強度のばらつきは、幅方向部位が約3.5mm〜14.5mmの範囲の約11mm内で最大3dBに抑制され、約2.5mm〜15.5mmの範囲の約13mm内でも最大6dBに抑制された。
【0044】
<実施例2>
実施例2では、上記した第2実施形態の探触子、すなわち、超音波送受信口が平行部と一対の円弧の先細り部から成る探触子を、上記の実施例1と同様の手法で作製し、幅方向の各部位でエコー強度を測定した。実施例2での超音波送受信口の寸法形状は次の通りである。
・平行部の幅方向長さa2:15.5mm
・平行部の収束方向長さb2:3.95mm
・幅方向全長c2:15.8mm
【0045】
図11は、実施例2の線収束型の超音波探触子から送信される超音波ビームにおいて、収束方向と直角な面内でのビームプロファイルを示す図である。同図に示す結果から次のことが明らかになった。エコー強度が幅方向で概ね均一化された。エコー強度のばらつきは、幅方向部位が約2.5mm〜14.5mmの範囲の約12mm内で最大3dBに抑制され、約2mm〜15mmの範囲の約13mm内でも最大6dBに抑制された。
【産業上の利用可能性】
【0046】
本発明は、鋼管や鋼材などの超音波探傷検査に有効に利用できる。
【符号の説明】
【0047】
1:超音波探触子、 2:端面、 3:超音波送受信口、
10:平行部、 11:直線、
20:先細り部、 21:半円、 22:円弧、 23:直線、
24:半円、 25:直線、 26:円弧、 27:直線、
W:被検査材、 P:ピッチ
【特許請求の範囲】
【請求項1】
超音波探傷検査に用いられ、被検査材に超音波ビームを線収束させて送信しそのエコーを受信する線収束型の超音波探触子であって、
当該超音波探触子は、
超音波の送受信口が、超音波ビームを収束させる方向と直角な幅方向に延在する一対の直線で挟まれた平行部と、この平行部の両端それぞれに連なる先細り部と、から構成されること、
を特徴とする線収束型の超音波探触子。
【請求項2】
前記先細り部が、半円で形成されること、
を特徴とする請求項1に記載の線収束型の超音波探触子。
【請求項3】
前記先細り部が、円弧で形成されること、
を特徴とする請求項1に記載の線収束型の超音波探触子。
【請求項4】
前記先細り部が、連続した複数の直線で形成されること、
を特徴とする請求項1に記載の線収束型の超音波探触子。
【請求項5】
前記先細り部が、半円、およびこの半円と前記平行部の前記直線とをつなぐ直線で形成されること、
を特徴とする請求項1に記載の線収束型の超音波探触子。
【請求項6】
前記先細り部が、円弧、およびこの円弧と前記平行部の前記直線とをつなぐ直線で形成されること、
を特徴とする請求項1に記載の線収束型の超音波探触子。
【請求項7】
超音波探傷検査に用いられ、被検査材に超音波ビームを線収束させて送信しそのエコーを受信する線収束型の超音波探触子であって、
当該超音波探触子は、
超音波の送受信口が、超音波ビームを収束させる方向と直角な幅方向に長軸を有する楕円形であること、
を特徴とする線収束型の超音波探触子。
【請求項1】
超音波探傷検査に用いられ、被検査材に超音波ビームを線収束させて送信しそのエコーを受信する線収束型の超音波探触子であって、
当該超音波探触子は、
超音波の送受信口が、超音波ビームを収束させる方向と直角な幅方向に延在する一対の直線で挟まれた平行部と、この平行部の両端それぞれに連なる先細り部と、から構成されること、
を特徴とする線収束型の超音波探触子。
【請求項2】
前記先細り部が、半円で形成されること、
を特徴とする請求項1に記載の線収束型の超音波探触子。
【請求項3】
前記先細り部が、円弧で形成されること、
を特徴とする請求項1に記載の線収束型の超音波探触子。
【請求項4】
前記先細り部が、連続した複数の直線で形成されること、
を特徴とする請求項1に記載の線収束型の超音波探触子。
【請求項5】
前記先細り部が、半円、およびこの半円と前記平行部の前記直線とをつなぐ直線で形成されること、
を特徴とする請求項1に記載の線収束型の超音波探触子。
【請求項6】
前記先細り部が、円弧、およびこの円弧と前記平行部の前記直線とをつなぐ直線で形成されること、
を特徴とする請求項1に記載の線収束型の超音波探触子。
【請求項7】
超音波探傷検査に用いられ、被検査材に超音波ビームを線収束させて送信しそのエコーを受信する線収束型の超音波探触子であって、
当該超音波探触子は、
超音波の送受信口が、超音波ビームを収束させる方向と直角な幅方向に長軸を有する楕円形であること、
を特徴とする線収束型の超音波探触子。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2011−153898(P2011−153898A)
【公開日】平成23年8月11日(2011.8.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−15262(P2010−15262)
【出願日】平成22年1月27日(2010.1.27)
【出願人】(000002118)住友金属工業株式会社 (2,544)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年8月11日(2011.8.11)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年1月27日(2010.1.27)
【出願人】(000002118)住友金属工業株式会社 (2,544)
【Fターム(参考)】
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