説明

締着アセンブリ

【課題】信頼性が高く且つ設置および取外しが容易な締着アセンブリを提供すること。
【解決手段】本締着アセンブリの締着手段は、第1および第2連結部材上に形成された第1および第2係合手段であって、形状が相補的であり、相互に対して接続されることで、第2連結部材の第1連結部材に対する挿入/解除をするための確実な角度的挿入/解除位置を規定し得、且つ、第1連結部材の内側における所定の軸心方向位置に第2連結部材を位置決めすることにより解除可能であるという第1および第2係合手段と、第1および第2連結部材上に形成された第3および第4係合手段であって、形状が相補的であり、且つ、第1方向とは逆の第2方向において所定の軸心方向位置から軸心方向に第2連結部材を移動させることにより、角度的挿入/解除位置とは異なる第2連結部材の更なる角度的位置において相互に対して接続され得るという第3および第4係合手段とを含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、特に航空機用途のための締着アセンブリに関する。
【背景技術】
【0002】
公知の如く、2つ以上の連結部材を繋止して固着するために、ボルト、ネジ、および、保持リングが通常は使用される。
【0003】
この種の締着システムは常に、設置および取外しのための特殊工具を必要とする。
【0004】
重量低減が重要な問題であるという航空機用途において、各連結部材は、該連結部材自体に加えて他の部品を必要とするという欠点も有している。また一定の場合には、円筒状の連結部材同士を相互にネジ止めもしくはボルト締めするときの様に、これらの連結部材はネジおよびボルトに対する孔を備えた環状フランジを備えねばならない。
【0005】
最後に、アルミニウムもしくはマグネシウム製の連結部材と協働する鋼鉄製の保持リングを用いる場合、電気的に引起こされる腐食現象が生じ得る。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の目的は、信頼性が高く且つ設置および取外しが容易な締着アセンブリであって、上述の形式の公知の締着システムに典型的に伴う上記欠点に対する簡素で低コストの解決策を提供するという締着アセンブリを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に依れば、請求項1に権利請求された締着アセンブリが提供される。
【0008】
添付図面を参照し、例示的にのみ、本発明の非限定的な2つの好適実施形態が記述される。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本発明の教示に従うと共に第1および第2の連結部材を備えるという締着アセンブリを特徴付ける回転シャフト・シールユニットの分解斜視図である。
【図2】図1のユニットの拡大縮尺の前面図であり、第1および第2の連結部材は最終的な角度的および軸心的な繋止位置に在る。
【図3】図2におけるIII-III線に沿う断面図である。
【図4】図2および図3のユニットの拡大縮尺の斜視断面図である。
【図5】図1のユニットの分解斜視断面図である。
【図6】本発明の教示に従う締着アセンブリを特徴付ける航空機用のオイル供給口のキャップ・ユニットの斜視図である。
【図7】開かれたときにおける図6のユニットの斜視図である。
【図8】図6のユニットの部分的な側断面図である。
【図9】図6のユニットの縮小縮尺の分解斜視図である。
【図10】図6のユニットの連結部材の前面図である。
【図11】図10におけるXI-XI線に沿う断面図である。
【図12】図6のユニットの他方の連結部材の拡大縮尺の前面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
図1から図5における番号1は全体として、軸心Aを有するシャフト2に対し、本発明の教示に従い、同様に軸心Aを有する締着アセンブリ3を特徴付けるシールユニットを表している。
【0011】
締着アセンブリ3は、シャフト2上の所定の軸心方向位置に環状シール4を繋止する役割を果たす。
【0012】
更に詳細には、締着アセンブリ3は実質的に、軸心Aを有する筒状の第1連結部材5と;同様に軸心Aを有すると共に、該軸心Aと一致する挿入方向Bにおいて上記連結部材5の内側に同軸的に挿入可能な筒状の第2連結部材6と;連結部材5および6を相互に対して所定の角度的および軸心的な繋止位置に繋止する解除可能な締着手段7と;を備える。
【0013】
更に詳細には、連結部材5は、シャフト2、シール4および連結部材6に対する中心部(seat)8を画成し、且つ、連結部材6は、シャフト2を無拘束的に収容する中心部9を画成すると共に、該連結部材6は、使用に際してシャフト2と連結部材5との間の径方向に介設されると共に、該連結部材6の内側には、突出してシャフト2の外側の側部表面10と協働するシール4が嵌合される。
【0014】
連結部材5は軸心Aを有する円筒状側壁11を有し、該側壁は両端部にて、径方向内側に突出する夫々の隆起縁部12、13を有している。更に詳細には、縁部12は、連結部材6が方向Bにおいて連結部材5の内側に挿入されるときに該連結部材6により最初に遭遇される縁部である。
【0015】
連結部材6もまた、軸心Aを有する実質的に円筒状の側壁14を有し、該側壁は、方向Bにおいて連結部材5の内側に最初に挿入される該側壁の軸心方向端部15の近傍に、シール4により係合される内側環状溝16と、O-リング21により係合される外側環状溝20とを有する。
【0016】
連結部材6の側壁14は、軸心方向端部15とは逆である該側壁の軸心方向端部22にて、軸心Aに関して相互に逆側の直径方向にて外方に突出する2つのキー23を有する。
【0017】
各キー23は、側壁14の外側の側部表面24から延在すると共に、該キーは、曲線状プレートの形態の第1部分25と、同様にプレートの形態の第2部分26であって、径方向的に且つ角度的に部分25の輪郭内に位置し且つ方向Bにおいて部分25から上流に配置されるという第2部分26とを備える。更に詳細には、図1および図5において更に明瞭に示される如く、各キー23の部分26は、関連部分25の面であって、軸心方向端部15の方を向く面とは逆であるという面から軸心Aに平行な方向に突出する。
【0018】
示された例において各部分25は、軸心Aの回りで約60°にわたり延在すると共に、関連部分26の角度的延在長の約6倍である。但し、両方の部分25および26の示された角度的延在長が必須でないことは明らかである。
【0019】
連結部材5の縁部12は、軸心Aに関して相互に逆側の直径方向に配置された2つの輪郭形成凹所27であって、夫々のキー23の部分25の形状と相補的であるという輪郭形成凹所27を有している。
【0020】
連結部材5の縁部12はまた、軸心Aに関して相互に逆側の直径方向に配置された更なる2つの輪郭形成凹所28であって、夫々のキー23の部分26の形状と相補的であり、且つ、夫々の凹所27から角度的に離間されたという輪郭形成凹所28も有している。
【0021】
示された例において各凹所28は、連結部材5の縁部12の直径であって、各凹所27が当該直径に沿い整列されるという直径に直交するという直径に沿い、整列される。
【0022】
実使用において、夫々のキー23の部分25は各凹所27に係合することで、連結部材6を連結部材5の内側に挿入するための、または、連結部材5および6を解除するための確実な角度的位置を規定する。各凹所27、および、夫々のキー23の部分25は、連結部材6を連結部材5の内側における所定の軸心方向位置へと移動させることにより、解除可能である。示された例において、本明細書において以下においては限定的軸心方向位置と称される上記所定の軸心方向位置は、連結部材6を連結部材5の内側に挿入するときに連結部材5の縁部12を通過したキー23の挿入により定義される。換言すると、上記限定的軸心方向位置において、連結部材6の各キー23は、連結部材5の縁部12を越えて縁部13に向けて位置される。
【0023】
夫々のキー23の部分26は、連結部材5および6の繋止位置を規定するために、方向Bとは逆の繋止方向Cへと、上記限定的軸心方向位置から軸心方向に連結部材6を移動させることにより、該連結部材6の更なる角度的位置であって上記角度的挿入/解除位置とは異なるという更なる角度的位置において、夫々の凹所28に係合する。
【0024】
締着アセンブリ3はまた、連結部材5の縁部13と連結部材6の軸心方向端部15との間に介設された弾性手段30であって、方向Cにおいて連結部材6に対して推力を及ぼすという弾性手段30も備える。連結部材6が、各キー23の部分26が連結部材5の夫々の凹所28に係合するという上記角度的位置に在るとき、縁部12は、連結部材6の各キー23の部分25に対する軸心方向停止部であって、弾性手段30により方向Cに押圧されるという軸心方向停止部を画成する。
【0025】
示された例において、弾性手段30は、非平坦で起伏状である環状弾性部材31を有する。
【0026】
特に図4および図5を参照すると、シール4は、O-リング33の介設を以て、連結部材6の側壁14における内側溝16に部分的に係合する環状体32と、該環状体32の内側周縁部から突出する2つの環状シール用唇部34であって、シャフト2の外側の側部表面10と協働するという環状シール用唇部34とを備える。
【0027】
ユニット1は、シャフト2は連結部材5の中心部8に無拘束的に係合し、連結部材6は連結部材5の外側に在り、シール4は連結部材6の内側環状溝16の内側に嵌装され、且つ、弾性部材31は、縁部13に当接して着座し乍ら、連結部材5の内側に嵌装される、という初期構成から、以下の如く組立てられる。
【0028】
この時点において、連結部材6は方向Bにおいて、各キー23が夫々の凹所27と軸心方向において整列されるという上記角度的挿入/解除位置へと移動され、且つ、連結部材6は、各部分25の外側縁部が夫々の凹所27の縁部に沿い摺動し且つ弾性部材31が圧縮されるまで、連結部材5の内側に挿入される。
【0029】
挿入は、各キー23が連結部材5の縁部12を完全に通過して挿入されたとき、すなわち、連結部材6が連結部材5の内側の上記限定的軸心方向位置に到達したときに、終結される。
【0030】
この時点において、連結部材6は軸心Aの回りにおいて、各キー23の部分26が夫々の凹所28と軸心方向において整列されるという上記角度的位置へと回転される。組立工により解除されたとき、連結部材6は弾性部材31により方向Cにおいて軸心方向に押圧されることから、各キー23の部分26は夫々の凹所28に係合し、且つ、各部分25は凹所28に隣接する縁部12の部分に当接して押圧される。
【0031】
ユニット1は、何らの工具を必要とせずに、弾性部材31に対抗して方向Bにおいて連結部材6を単に軸心方向に押圧し、各キー23を連結部材5の縁部12の裏側の上記限定的軸心方向位置へと復帰させることにより、容易に分解され得る。
【0032】
この時点において、連結部材6は軸心Aの回りにて、各キー23の部分25が夫々の凹所27と軸心方向において整列されるという上記角度的挿入/解除位置へと回転される。
【0033】
この場合も、組立工により解除されたとき、連結部材6は弾性部材31により外方に部分的に押圧されることから、夫々のキー23の部分25は各凹所27に係合する。
【0034】
図6から図9における番号1'は全体として、本発明の別の実施形態に従う締着アセンブリ3'を特徴付ける(不図示の)公知の航空機用のオイル供給口のためのキャップ・ユニットを示している。
【0035】
ユニット1'は実質的に、貫通オイル流中心部41を画成する受容部材40と、該受容部材40に対して解除可能に嵌合して中心部41をシールするキャップ42とを備える。
【0036】
この場合、締着アセンブリ3'は、中心部41をシールする位置にキャップ42を繋止する役割を果たす。
【0037】
ユニット1に関して記述された如く、締着アセンブリ3'は実質的に、軸心Aを有する筒状の第1連結部材5'と;同様に軸心Aを有すると共に、該軸心Aと一致する方向Bにおいて上記連結部材5'の内側に同軸的に挿入可能な筒状の第2連結部材6'と;連結部材5'および6'を相互に対して所定の角度的および軸心的な繋止位置に繋止する解除可能な締着手段7'と;を備える。
【0038】
示された例において、連結部材5'は受容部材40により画成され、且つ、連結部材6'はキャップ42の軸部により画成される。図7から図9に示された如く、キャップ42は、上記軸部すなわち連結部材6'に対して解除可能に固定されたヘッド部分43であって、該軸部すなわち連結部材6'から径方向に突出するというヘッド部分43も備える。
【0039】
連結部材5'(図6、図7、図8、図9、図12)は、軸心Aを有する側壁44であって、供給口の(不図示の)別の構成部材に対する接続のために螺条形成部分46を備えた円筒状第1部分45と、起伏状の外側縁部を有する略々円筒状の第2部分47であって、部分45よりも直径が大きく且つ該部分45に対して環状ショルダ48により接続されるという略々円筒状の第2部分47と、により画成されるという側壁44を備える。
【0040】
両端部にて、側壁44は、径方向内側に突出する夫々の隆起縁部49、50を有している。更に詳細には、縁部49は、連結部材6'が方向Bにおいて連結部材5'の内側に挿入されるときに該連結部材6'により最初に遭遇される縁部である。
【0041】
ショルダ48と螺条形成部分46との間において、側壁44の部分45の外側面は、O-リング52により係合された環状溝51を有している。
【0042】
連結部材6'は、軸心Aを有する実質的に円筒状の側壁53を有し、該側壁は、ヘッド部分43とは逆の軸心方向端部54の近傍に、軸心方向に離間され且つ夫々のO-リング56により係合される2つの外側環状溝55を有する。
【0043】
連結部材6'の側壁53がヘッド部分43に対して取付けられる箇所にて、該側壁は、軸心Aに関して相互に逆側の直径方向にて外方に突出する2つのキー60を有する。
【0044】
更に詳細には、各キー60は、側壁53の外側の側部表面61から突出すると共に、該キーは、曲線状プレートの形態の第1部分62と、同様にプレートの形態の第2部分63であって、径方向的に且つ角度的に部分62の輪郭内に位置し且つ方向Bにおいて部分62から上流に配置されるという第2部分63とを備える。更に詳細には、図9および図10において更に明瞭に示される如く、各キー60の部分63は、関連部分62の面であって、軸心方向端部54の方を向く面とは逆であるという面から軸心Aに平行な方向に突出する。
【0045】
示された例において各部分62は、軸心Aの回りで約60°にわたり延在すると共に、関連部分63の角度的延在長の約6倍である。但し、両方の部分62および63の示された角度的延在長が必須でないことは明らかである。
【0046】
連結部材5'の縁部49は、軸心Aに関して相互に逆側の直径方向に配置された2つの輪郭形成凹所65であって、夫々のキー60の部分62の形状と相補的であるという輪郭形成凹所65を有している。
【0047】
連結部材5'の縁部49はまた、軸心Aに関して相互に逆側の直径方向に配置された更なる2つの輪郭形成凹所66であって、夫々のキー60の部分63の形状と相補的であり、且つ、夫々の凹所65から角度的に離間されたという輪郭形成凹所66も有している。
【0048】
示された例において各凹所66は、連結部材5'の縁部49の直径であって、各凹所65が当該直径に沿い整列されるという直径に直交するという直径に沿い、整列される。
【0049】
実使用において、夫々のキー60の部分62は各凹所65に係合することで、連結部材6'を連結部材5'の内側に挿入するための、または、連結部材5'および6'を解除するための確実な角度的位置を規定する。各凹所65、および、夫々のキー60の部分62は、連結部材6'を連結部材5'の内側における所定の軸心方向位置へと移動させることにより、解除可能である。示された例において、本明細書において以下においては限定的軸心方向位置と称される上記所定の軸心方向位置は、連結部材6'を連結部材5'の内側に挿入するときに連結部材5'の縁部49を通過したキー60の挿入により定義される。換言すると、上記限定的軸心方向位置において、連結部材6'の各キー60は、連結部材5'の縁部49を越えて縁部50に向けて位置される。
【0050】
夫々のキー60の部分63は、連結部材5'および6'の繋止位置を規定するために、方向Bとは逆の繋止方向Cへと、上記限定的軸心方向位置から軸心方向に連結部材6'を移動させることにより、該連結部材6'の更なる角度的位置であって上記角度的挿入/解除位置とは異なるという更なる角度的位置において、夫々の凹所66に係合する。
【0051】
連結部材6'の更なる角度的位置は、連結部材5'の中心部41の内側に形成された夫々の停止部分68(図6)であって、縁部49から側壁44の部分45に向けて延在するという停止部分68上へと回転した各キー60の部分62により規定される。
【0052】
締着アセンブリ3の連結部材5においても同様の停止機構が配備されるが、図1から図5においては視認できない。
【0053】
締着アセンブリ3'はまた、方向Cにおいて連結部材6'に対して推力を及ぼす弾性手段70も備える。連結部材6'が、各キー60の部分63が連結部材5'の夫々の凹所66に係合するという上記角度的位置に在るとき、縁部49は、連結部材6'の各キー60の部分62に対する軸心方向停止部であって、弾性手段70により方向Cに押圧されるという軸心方向停止部を画成する。
【0054】
示された例において、弾性手段70は、連結部材5'の側壁44の部分45内に収容された円筒状コイル・スプリング71であって、縁部50と連結部材6'との間に介設されるという円筒状コイル・スプリング71を備える。
【0055】
更に詳細には、側壁44の部分45は、オイル供給口の円筒状フィルタ74の軸心方向端部73により軸心方向に係合されることから、スプリング71は、側壁44の縁部50と、フィルタ74の端部73から径方向外方に突出する隆起縁部72との間に介設される。特に図8に示された如く、軸心方向においてフィルタ74の端部73と連結部材6'の軸心方向端部54との間には、軸心Aの回りに等しく離間された多数の貫通開口76を備えたプレート75が介設される。
【0056】
実使用において、キャップ42は受容部材40に嵌装されることで、以下に記述される如く中心部41をシールする。
【0057】
まず、キャップ42が、故に連結部材6'が、方向Bにおいて、各キー60が夫々の凹所65と軸心方向において整列されるという上記角度的挿入/解除位置へと移動され、且つ、連結部材6'は、各部分62の外側縁部が夫々の凹所65の縁部に沿い摺動し且つ弾性部材71が圧縮されるまで、連結部材5'の内側に挿入される。
【0058】
挿入は、各キー60が連結部材5'の縁部49を完全に通過して挿入されたとき、すなわち、連結部材6'が連結部材5'の内側の上記限定的軸心方向位置に到達したときに、終結される。
【0059】
この時点において、連結部材6'は軸心Aの回りにおいて、各キー60の部分63が夫々の凹所66と軸心方向において整列されるという上記角度的位置であって、連結部材5'の夫々の停止部分68上へと(図6において時計方向に)回転しているキー60の部分62により規定されるという上記角度的位置へと回転される。組立工により解除されたとき、連結部材6'は弾性部材71により方向Cにおいて軸心方向に押圧されることから、各キー60の部分63は夫々の凹所66に係合し、且つ、各部分62は凹所66に隣接する縁部49の部分に当接して押圧される。
【0060】
ユニット1'は、弾性部材71に対抗して方向Bにおいて連結部材6'を単に軸心方向に押圧し、各キー60を連結部材5'の縁部49の裏側の上記限定的軸心方向位置へと復帰させることにより、容易に開かれ得る。
【0061】
この時点において、連結部材6'は軸心Aの回りにて、各キー60の部分62が夫々の凹所65と軸心方向において整列されるという上記角度的挿入/解除位置へと回転される。
【0062】
組立工により解除されたとき、連結部材6'は弾性部材71により外方に部分的に押圧されることから、夫々のキー60の部分62は各凹所65に係合する。
【0063】
本発明に係る締着アセンブリ3、3'の利点は、上記の記述から明らかであろう。
【0064】
特にそれらは、付加的な部材、または、レンチ、ネジ回し、ペンチの如き特殊工具を必要とせずに、連結部材5、6および5'、6'を安全に所望位置に繋止し且つ該連結部材を解除することを実現することから、依然として同程度の安全さを維持し乍ら、繋止および解除が相当に簡素化される。
【0065】
更に、締着アセンブリ3、3'の総重量は、同一サイズの公知の解決策と比較して、低減される。
【0066】
最後に、記述された締着アセンブリ3、3'は、電気的に引起こされる腐食現象の排除を実現する。
【0067】
但し、記述かつ図示された締着アセンブリ3、3'に対しては、添付の各請求項において定義された保護範囲から逸脱せずに、変更が為され得ることは明らかである。
【符号の説明】
【0068】
3 締着アセンブリ
4 環状シール
5 第1連結部材
6 第2連結部材
7 締着手段
30 弾性手段

【特許請求の範囲】
【請求項1】
長手軸心(A)を有する締着アセンブリ(3、3')であって、前記軸心(A)と同軸的である筒状の第1連結部材(5、5')と、第1方向(B)において前記第1連結部材(5、5')の内側に同軸的に且つ少なくとも部分的に挿入可能な第2連結部材(6、6')と、前記第1および第2連結部材(5、5';6、6')を所定の角度的および軸心的な繋止位置において相互に対して繋止する解除可能な締着手段(7、7')とを備えるという締着アセンブリ(3、3')において、
前記締着手段(7、7')は、
前記第1および第2連結部材(5、5';6、6')により夫々担持された第1および第2係合手段(27、65;25、62)であって、形状が相補的であり、相互に対して接続されることで、前記第2連結部材(6、6')の前記第1連結部材(5、5')に対する挿入/解除をするための確実な角度的挿入/解除位置を規定し得、且つ、前記第1連結部材(5、5')の内側における所定の軸心方向位置における前記第2連結部材(6、6')の位置決めの結果として解除可能であるという第1および第2係合手段(27、65;25、62)と、
前記第1および第2連結部材(5、5';6、6')により夫々担持された第3および第4係合手段(28、66;26、63)であって、形状が相補的であり、且つ、前記第1方向(B)とは逆の第2方向(C)において前記所定の軸心方向位置から軸心方向に前記第2連結部材(6、6')を移動させることにより、前記角度的挿入/解除位置とは異なる前記第2連結部材(6、6')の更なる角度的位置において相互に対して接続されることで前記第1および第2連結部材(5、5';6、6')の前記繋止位置を規定し得るという第3および第4係合手段(28、66;26、63)とを備え、
前記締着アセンブリ(3、3')は、前記第2連結部材(6、6')に対して前記第2方向(C)において推力を及ぼす弾性手段(30、70)と、前記第1連結部材(5、5')上に形成された停止手段(12、49)であって、前記第3および第4係合手段(28、66;26、63)が相互に係合される前記更なる角度的位置において前記第2連結部材(6、6')に対する軸心方向停止部を画成するという停止手段(12、49)とを備えることにより特徴付けられる、締着アセンブリ(3、3')。
【請求項2】
前記停止手段は、前記第1連結部材(5、5')の軸心方向端部から径方向内側に突出する隆起縁部(12、49)を備え、
前記第2連結部材(6、6')は、前記軸心(A)の回りに延在する該第2連結部材(6、6')の側部表面(24、61)から突出する少なくともひとつのキー(23、60)を備え、前記キー(23、60)は、前記第2係合手段を画成する輪郭形成第1部分(25、62)と、前記第4係合手段を画成する輪郭形成第2部分(26、63)であって、径方向的に且つ角度的に前記第1部分(25、62)の輪郭内に位置し且つ前記第1方向(B)において前記第1部分(25、62)から上流に配置されるという輪郭形成第2部分(26、63)とを備え、
前記第1係合手段は、前記第1連結部材(5、5')の前記隆起縁部(12、49)に形成された少なくともひとつの輪郭形成第1凹所(27、65)であって、前記キー(23、60)の前記第1部分(25、62)と形状が相補的であるという輪郭形成第1凹所(27、65)を備え、且つ、
前記第3係合手段は、前記軸心(A)の回りにおいて前記第1凹所(27、65)から所定の角度的距離にて前記第1連結部材(5、5')の前記隆起縁部(12、49)に形成された少なくともひとつの輪郭形成第2凹所(28、66)であって、前記キー(23、60)の前記第2部分(26、63)と形状が相補的であるという輪郭形成第2凹所(28、66)を備える、請求項1に記載のアセンブリ。
【請求項3】
前記第2連結部材(6、6')が前記更なる角度的位置に在り且つ前記第2凹所(28、66)が前記キー(23、60)の前記第2部分(26、63)により係合されたとき、前記第1連結部材(5、5')の前記隆起縁部(12、49)は、前記キー(23、60)の前記第1部分(25、62)に対する軸心方向停止部を画成する、請求項2に記載のアセンブリ。
【請求項4】
前記弾性手段(30、70)は、前記第2連結部材(6、6')と、前記第1連結部材(5、5')の一部分から径方向内側に突出して前記隆起縁部(12、49)に臨む更なる隆起縁部(13、50)との間に介設される、請求項3に記載のアセンブリ。
【請求項5】
前記第2連結部材(6')は、前記軸心(A)に関して相互に逆側の直径方向における2つの前記キー(23、60)を備え、且つ、
前記第1係合手段は、前記軸心(A)に関して相互に逆側の直径方向における2つの前記第1凹所(27、65)と、同様に前記軸心(A)に関して相互に逆側の直径方向において前記第1凹所(27、65)から所定の角度的距離における2つの前記第2凹所(28、66)とを備える、請求項3または請求項4に記載のアセンブリ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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