締結具
ワーク・ピースを金属基板に固定するための、高強度鋼から作られた一体形締結具であって、細長い実質的に平坦なボディを含み、このボディは、ボディの長さに実質的に沿って伸びるボイドを規定し、また、クラウンを含み、このクラウンは、前記平坦なボディの一端で前記平坦なボディから外側に伸びる実質的に対称的な半割り部材で形成され、且つそれとともに一体的に形成されている。把持及び締め付け部材が、前記細長いボディの中の前記ボイドの中に配置され、その各端で前記ボディに添付され、それから外側に伸びる少なくとも第一及び第二の歯を形成する。前記把持及び締め付け部材は、回転される。前記ワーク・ピース及び前記金属基板を通る開口を作り出すために、前記細長いボディの反対側の端部に形成された、貫通する先端部を有し、この貫通する先端部は、前記先端から前記ボディの幅の方へ進むに従って漸増的に拡大する複数の段差から形成されている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、締結具に係り、特に、薄片状のワーク・ピースを金属基板を取り付けるために使用される締結具であって、適切な電動工具の使用により挿入される締結具に係る。
【背景技術】
【0002】
本発明は、米国特許第6,659,700号の中に示された締結具、及びその中に開示されている締結具に対する改良であって、その締結具は、先行技術として図1の中に示されている。
自己貫通型の建設用の締結具に対するニーズが良く知られている。これらの締結具は、密度がより低い薄片状のワーク・ピース材料(即ち、石膏乾式壁、セメント製品、層状ガラス繊維など)を貫通して、それらを、薄肉の金属から作られた金属基板枠の支持壁(スタッドなど)に接続することが可能である。そのような締結具は、弾性復元力を有する保持及び締め付け部材を含んでいて、この締結具は、金属の貫通プロセスの間に、平面または平面の間に沿って移動し、その後、その最初の形状に戻ることが可能であって、それにより、組み合わされた摩擦及び機械的なロックを作り出すことになる。薄片状から金属スタッドまでの壁締結部材の様々なデザインが、これまで長年の間、存在して来た。
【0003】
一つの進歩したタイプが、図1の中に示されているように、上記の米国特許第6,659,700号の中に記載されている。それは、90度またはほぼ90度で折り曲げられたヘッド10を備えた締結具を有していて;平坦な細長いボディ12が、ボディの中のボイド15の中に配置され、且つ締結具ボディの平面に対して角度を有して捩じられた少なくとも一つの、薄くされた、弾性的な尖叉(tine)14と;尖叉14のエッジの上にある小さな、等間隔に配置され、同じ形に形成された歯16と;一体物の薄い金属シートから全体が作られた剣状の穂先18と;を含んでいる。挿入の後に、電動工具により作り出される速度により、締結具ボディ及び尖叉は、穂先に続いて、密度がより小さいワーク・ピース材料を通過し、その後、穂先により開けられた金属基板の中の孔を通過する。この歯の付いた尖叉は、基板金属スタッドの抵抗に適合していて、ボディ平面に対して平行にほぼ平坦な状態まで回転する。金属基板を通過した後、歯の付いた尖叉は、ほぼその最初の形状まで回転して戻り、歯が金属基板の下側に機械的なロックを作り出すことになる。
【0004】
締結具の、底部金属スタッドを貫通する能力、及び金属スタッドからのその後退抵抗は、締結具を形成するために使用される材料に大きく依存する。このようにして、例えば、バネ鋼の金属などのような、高強度の薄い金属シートを使用することが望ましい。製造を容易にするために、従来のダイスを用いて、容易に成形され、切断され、且つ折り曲げられることが可能な、軟らかい可鍛性の材料を使用することが望ましいであろう。しかしながら、そのような製品は、十分な炭素量が不足しているので、加熱及び焼き入れ、次いで焼き戻しにより十分に強度を上げることが可能でない。高強度鋼(バネ鋼)より低い材料を使用するプロセスは、薄い締結具ボディの、湾曲に対して抵抗する十分な完全性を可能にしないであろう。それに加えて、尖叉は、本質的に捩じりバネであって、このコンポーネントの弾性復元力を維持する材料を要求し、それ故に、バネ鋼が使用されなければならない。
【0005】
従来、このタイプの締結具では、ヘッドが、締結具ボディのトップから、何らかの形態に材料を折り曲げることにより形成される。そのようなヘッドを組み込んだ締結具の発明は、湾曲を介する打ち抜き作業の中で形成される。このヘッドは、T字,L字またはU字の形状であっても良いが、全てが湾曲プロセスにより作り出される。これらの形状は、少なくとも二つのサイドに沿って鋭利なエッジを作り出す(平坦な金属からヘッドを形成する湾曲の性質のため)。これらの鋭利なエッジは、密度がより小さい薄片状のワーク・ピースのトップ・レイヤを切り裂き、それによって、このスタイルのヘッドを産業上容認可能な基準から外れたものにする。
【0006】
これまでに見出されているところによれば、折り曲げタブから形成される締結具ヘッドでは、締結具の材料の厚さは、石膏乾式壁などのような最も軟らかい薄片状のワーク・ピースの場合において上首尾でない。ヘッドが、一つの方向にあるいは反対方向に向いていても、何れにせよ、三つの全てのサイドに沿って鋭利なエッジを有していて、石膏乾式壁のトップの薄片状のワーク・ピースの紙のレイヤを切り裂き、それにより、ヘッドのこの形状を産業界において受け容れられないものにしている。例え、複数のレイヤからなる締結具材料が折り曲げられる場合であっても、最も遠い延長部分に半径を形成することが用いられ、ヘッドのエッジは、依然として、そのような鋭利さの90度のエッジを含んでいて、乾式壁材料のトップ紙のレイヤを切断することになる。
【0007】
先行技術についてのもう一つの問題は、一体形の金属から作られた自己貫通型の締結具が、尖った剣状のデザインであることである。これまでに見出されているところによれば、自己貫通型の穂先が金属基板を貫通するとき、今日の剣のスタイルの穂先は、基板を、取り付けられる材料から遠ざける方向に、金属の塑性(記憶)が超えられるような程度まで曲げる。このために、金属は、その当初の形状に戻ることが可能でなく、その結果として、ギャップが、金属スタッドとスタッドに固定されるワーク・ピース材料との間に形成されることになる。これは、緩く従って産業界で受け容れられない締結継手をもたらすことになる。これは、何れかのスタイルの穂先が、一つの連続的な作業の中で、締結具ボディの幅まで貫通されたスロットを広げるときに生ずる、と言うことが発見されている。
【0008】
先行技術の、一体形の金属から作られ、且つ弾性的な捩じられた尖叉を含む、自己貫通型の締結具についてのもう一つの問題は、締結具ボディと尖叉との間の取り付けの領域である。もし、尖叉接続が、かなりの幅を有し、且つ湾曲のモーメントが取り付け領域に近い場合には、この領域は、取り付けプロセスの間に加えられるトルクの力のために、取り付け領域の引き裂きまたは破壊を生じ、それにより、尖叉の完全性を損なう可能性がある。
【0009】
歯の付いた尖叉を備えた、先行技術の発明の自己貫通型の締結具に付いてのもう一つの問題は、時折、より薄い基板金属(25ゲージより薄い)及びより柔らかい金属(即ち、アルミニウム)が、尖叉を適切に戻すような堅さまたは抵抗をもたらさないことがあると言うことである。それ故に、歯の付いた尖叉が、金属基板を切るかあるいはそれを引き裂くかの何れかとなり、それにより、個々の歯が機械的なロックを達成するために要求される正にそのポイントで、形成された開口またはスロットから材料を取り除くことになる。
【0010】
先行技術の、一体形の金属から作られ、多数の、より小さな、等間隔に配置され且つ同じ形に形成された歯を尖叉エッジの上に備えた、弾性的な捩じられた尖叉を含むところの、自己貫通型の締結具についてのもう一つの問題は、そのような歯は、尖叉が適切に機能することを可能にする際に上首尾でなく、従って、それらが金属基板の底部の下を適切に締め付けないと言うことである。先行技術の締結具において、ワーク・ピース材料のその厚さが金属スタッドに固定されるように、歯は非差別的であるようにデザインされていた。即ち、ワーク・ピース材料の幾つかの異なる厚さ(或る範囲の中の)が、尖叉に沿う歯の配置に関係なく、同一の締結具を用いて取り付けられることが可能である。多数の小さな歯は、締結具が停止したときに、互いに向かい合う二つの歯が噛み合う(catch)ものと考えられていた。しかし、これが起こらないことが見出されている。尖叉の歯のこのデザインは、金属基板に穿けられた開口の中を通過するとき、戻りの滑らかな遷移領域、及びその後のほぼ当初の位置への尖叉の復帰(回転)をもたらすことがない。
【0011】
底部またはその近くで始まるより小さな歯の場合には、尖叉取り付け具は、適切な戻りを可能にしない。上向きのこれらの歯が戻された位置にあるスロットの中を通過する代わりに、尖叉上で上向きのこれらの同じ歯が、金属基板に穿けられたスロットの中に横方向に切り込む鋸歯として振舞い、それにより、個々の歯が機械的なロックをもたらすために要求される正確なポイントで、材料をスロットから取り除く。それに加えて、一つの歯は、取り付けの間に締結具が停止するとき、自己貫通型の穂先により作り出される穿孔の中にあっても良い。その歯は、尖叉が回転してほぼその以前の位置に戻ることを可能にすることなく、更に、金属スタッドの下側にある歯が、金属スタッドの底部の下側で機械的な締め付け状態を達成することを可能にすることもない。それに加えて、これらのより小さな歯は、最大の後退抵抗のために要求される金属基板の下側への圧力を不十分にする。
【0012】
先行技術の、一体形の金属から作られた自己貫通型の締結具についてのもう一つの問題は、締結具の二次的な製造プロセスの間に、締結具が、固まりまたは相互に絡み合って、それにより、締結具を適切に熱処理し、メッキし、そして揃える能力を損なう可能性があると言うことである。最大の問題の領域は、締結具の穂先が、もう一方の締結具の尖叉の周囲を取り囲む内側のボイドの中に、それ自身を実質的に挿入するときにある。先行技術の締結具では、ボディの厚さ、尖叉、及びボイドがかなり小さいので、、どのプロセスも、未だ打ち抜きがされていないボイドの中に存在する材料のプロファイル打ち抜きのみから、絡み防止(anti-nesting)デバイスの形成を可能にしない。
【0013】
締結具の様々な形状(一部は金属貫通能力を含んでいる)は、以下の先行技術文献(特許番号/発明者)の中に開示されている:
米国特許第 1,338,988 号/Kinoshita;
米国特許第 1,417,818 号/Frost;
米国特許第 1,934,134 号/McChesney;
米国特許第 2,1 号/10,959;Lombard;
米国特許第 2,155,893 号/Fulton;
米国特許第 2,168,854 号/Agnew;
米国特許第 2,319,058 号/Hansman;
米国特許第 2,353,579 号/Miller;
米国特許第 2,382,474 号/Gambo;
米国特許第 2,530,229 号/Clark;
米国特許第 2,543,212 号/Waara;
米国特許第 2,564,643 号/Hall;
米国特許第 2,614,450 号/Oltz et al.;
米国特許第 2,740,505 号/Flora;
米国特許第 2,751,052 号/Flora;
米国特許第 2,958,562 号/Jones;
米国特許第 3,618,447 号/Gains;
米国特許第 3,675,958 号/Duffy;
米国特許第 3,800,653 号/Barth et al.;
米国特許第 3,882,755 号/Enstrom;
米国特許第 3,973,295 号/Janke;
米国特許第 3,983,779 号/Dimas;
米国特許第 5,152,582 号/Magnuson;
米国特許第 5,597,280 号/Stern;
米国特許第 5,846,019 号/Kuhns;
仏国特許第 1.202.255 号;
英国仮出願第 192,492 号明細書(1921年11月 3日出願、1923年 2月 5日許可)
【先行技術文献】
【特許文献】
【0014】
【特許文献1】米国特許第6,659,700号明細書
【発明の概要】
【0015】
以上のようにして、高強度金属の単一の部材から構成される自己貫通型の金属締結具に対する、産業界におけるニーズがある。この金属締結具は、一体に組み込まれたヘッドを含んでいて、このヘッドは、鋭利なエッジを有しておらず、且つ乾式壁材料のトップの紙のレイヤ切断することがない。この金属締結具は、貫通する穂先を有し、この穂先は、その弾性の範囲を超えて金属基板を曲げることなく、漸増的且つ徐々に金属基板の中に開口を形成する。この金属締結具は、締結具で形成された締め付け及び把持部材の取り付け部材を有していて、この取り付け部材は、取り付け領域を引き裂くまたは破壊する応力を作用させることなく、前記把持及び締め付け部材のより大きい回転を可能にする。この金属締結具は、前記把持及び締め付け部材の上に間隔を開けて配置された歯を含み、これらの歯は、金属基板への異なるサイズのワーク・ピース材料の取り付けを可能にする。この金属締結具は、当該締結具の中で、絡み防止(anti-nesting)デバイスの形成を可能にする。
【0016】
ワーク・ピースを金属基板に固定するための、高強度鋼から作られた一体形締結具であって、この締結具は、第一及び第二の端部と、第一及び第二の互いに対向して配置された面と、第一及び第二のサイド・エッジと、を有する細長い実質的に平坦なボディを含んでいる。クラウンが、ボディの第一及び第二の面から外側に伸びる、実質的に対称的な半割り部材から形成され、貫通する先端部が、前記金属基板の中に漸増的開口を作り出すために、ボディの第二の端部に形成され、前記ボディの上の、少なくとも一つの把持及び締め付け部材が、前記ワーク・ピース及び前記金属基板を一緒に締め付ける。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】図1は、先行技術の締結具の透視図である。
【図2】図2は、本発明の締結具の透視図である。
【図3】図3は、本発明の原理に基づいて構成された締結具の前面立面図である。
【図4】図4は、図2の中に示された締結具の側面図である。
【図5】図5は、図2の締結具及び製造の中間ステージを示す前面立面図である。
【図6】図6は、図5の側面図である。
【図7】図7は、本発明の締結具を形成するために使用される、漸進的な打ち抜きを示す。
【図8】図8は、貫通する穂先をより詳細に示す、本発明の締結具の部分図である。
【図9】図9は、本発明の締結具の部分図であって、その中に締め付け及び把持部材が形成されるやり方が、その上の把持歯を特に参照して示されている。
【図10】図10は、ワーク・ピースを第一の寸法の金属スタッドに取り付ける本発明の締結具を示す。
【図11】図11は、ワーク・ピースの金属基板への取り付けを示していて、ワーク・ピースはより小さな寸法である。
【図12】図12は、本発明の締結具上での絡み防止部材の形成を示す。
【図13】図13は、本発明の締結具の代替的な実施形態を示していて、この実施形態は、把持及び締め付け部材を含み、この部材は、そのような締め付け及び把持部材を受けるように設けられたボイドの全体の長さを実質的に伸ばす。
【発明を実施するための形態】
【0018】
図面を、特にその図2を参照すると、本発明の締結具20が透視図で示されている。この締結具20は、第一の端部24及び第二の端部26を有する平坦な細長いボディ22を含んでいる。ボディ22は、第一の平坦な表面または面28、及び、平坦な細長いボディ22の反対サイドの第二の平坦な表面または面30を含んでいる。ボディはまた、第一のサイド・エッジ32及び第二のサイド・エッジ34を含んでいる。ボディの第一の端部24に隣接して、クラウン37が配置され、このクラウンは、第一の平坦な表面28及び第二の平坦な表面30から外側に径方向にそれぞれ伸びる、第一(36)及び第二(38)の実質的に対称的な半割り部材から形成されている。
【0019】
貫通するリップ(piercing lip)40が、ボディ22の第二の端部26に形成され、締め付け及び把持部材42が、締め付け及び把持部材42の各端で、平坦なボディ22に接続されている。把持及び締め付け部材42は、第一の歯44を含み、この歯は、最初のルート幅(“W”で示されているような)から、より小さなルート幅(46で示されているような)まで、把持及び締め付け部材の幅を減少させることにより形成されている。第二の歯48は、第一の歯44からクラウンの方へ上向きに変位され、第二のルート幅46から上向きに且つ外側に伸びている。歯44及び48は、異なる幅のワーク・ピースを金属基板に締め付けるために使用される。図2の中に示されているような締結具20の様々なコンポーネントの更なる詳細は、残りの図の中に示されており、以下において、より詳細に説明されることになる。
【0020】
図3は、図2の中に示されているような締結具の前面立面図であり、そして、図4は、その側面図である。図3及び4の中に示されているように、クラウンの対称的な半割り部材36及び38は、第一のストラップ50及び第二のストラップ52により相互に接続され、これらのストラップは、平坦な細長いボディ22の第一及び第二のサイド・エッジ32及び34にそれぞれ配置されている。これらのストラップ50及び52は、特に図4の中に示されているように、それらの中央部分で約180度曲げられ、クラウンの二つの対称的な半割り部材が揃えられるようにし、それによって、それらが第一及び第二の平坦な面28及び30から外側に径方向に伸びることになる。特に図4の中(並びに図2の透視図)にも示されているように、クラウンの第一及び第二の対称的な半割り部材36及び38の外側の外周は、参照符号54で示されているように、鋭利なエッジが無いように弧状に形成されている。そのような鋭利なエッジは、以上に記載されているように、金属スタッドに固定される壁ボードの表面の中に切り込み易い。
【0021】
図3の中により詳細に示されているように、把持及び締め付け部材42は、平坦なボディ22の実質的に中央に形成されたボイド54の中に配置されている。把持及び締め付け部材は、ボディ22と一体的に形成され、且つその下側の端部56で、その第二の端部26に隣接するボディ22に接続されているが、貫通する先端部40からは位置がずらされている。把持及び締め付け部材の上側の端部58は、ボディ22の第二の端部24に隣接して接続されているが、それから間隔を空けて配置されている。把持及び締め付け部材42はまた、ボイド60を規定していて、このボイドは、第一の歯44に隣接して、上向きに、穂先の方へ、その下側の端部56で接続の実質的に近傍から伸びている。図2,3及び4の中に示されているように、把持及び締め付け部材42は、捩じられまたは回転され、それによって、歯44及び48が、ボディ22の第一及び第二の面28及び30から外側に伸びることになる。
【0022】
本発明の締結具は、高強度材料から、好ましくはバネ鋼から形成され、十分に薄い。即ち、この締結具は、ボディ22の厚さと比べて薄くなるように形成されていて、それにより、この締結具は、金属基板を通って挿入されるときボディ22のボイドの中で平坦な位置の方へ動き易いが、静止したときには、図2,3及び4の中に示されているような位置に戻り、それにより、ワーク・ピースを金属スタッドに締め付けるようになっている。把持及び締め付け部材42の中にボイド60を設けることにより、把持及び締め付け部材のこの捩り及び戻りが容易になり、また、把持及び締め付け部材が、ボディに対するその接続穂先56及び58で壊れる傾向を取り除く。
【0023】
次に、図5,6及び7を特に参照して、以上に記載されたヘッド・デザインの問題に対する解決策が説明される。この解決策は、材料のトップ部分からの、ヘッドの二つの対称的な半割り部材36及び38の引き抜き加工によるものであって、締結具ボディを形成し、ここで、図6の中に示されているように、半割り部材の一方は、他方のほぼ鏡像であって、他の半割り部材のヘッドの上方に配置されている。もし、全体のヘッド・トップ表面が残ることが可能である場合には、それは、ヘッドの半割り部材が配置するために曲げられたときに、亀裂を生じて、二つのヘッドの半割り部材が破壊されて分離されることになる。湾曲領域が亀裂を生ずる理由は、それが、深絞りプロセスの間に加工硬化されていることにある。これに対する解決策は、図5の中に示されているように、中心接続領域の中の、ボイド62の形状の逃げである。しかしながら、ヘッドの最後の外側領域は、既に加工硬化されているので、ヘッド周囲のサイドの二つの接続ストラップまたはバンド50及び52(これらは、このボイドの上に伸び、湾曲の間及びその後で二つのヘッドの半割り部材を一緒に保持している)は、亀裂または分離を生ずることなく、それらの完全性を維持するようになる。
【0024】
深絞りプロセスは、漸進的な打ち抜きプロセスの中で、複数の段差の形状の各ヘッドの半割り部材を形成することであって、図7の中で64,66,68,70及び72で示されているように、毎回、材料を最後の形状に多少近付ける。各ヘッドの半割り部材は、滑らかな外側の弧状のリム54で形成されている。トップ・ヘッドの半割り部材が、折り曲げられて他の半割り部材と組み合わされるとき、取り付けポイントが二つの半割り部材の間にあることが必要である。トップ・ヘッドの半割り部材の湾曲の後、その底部に取り付けられたタブ74が、締結具ボディの中の嵌め合い用の孔76の中に嵌め込まれ、それにより、締結具ヘッドの半割り部材を一緒に固定する。
【0025】
それに加えて、他のタブの形態の材料が、ヘッドの半割り部材のサイドから伸びても良い。そのような付加的なタブは、折り曲げを更に留めるために使用されることが可能であり、ボディの中の嵌め合い用の孔を通るタブの実質的な部分の圧縮(即ち“かしめ”)を介してヘッドをボディに結合する。ヘッドの二つの半割り部材が一緒に固定された後に、二つの接続バンドが、図3の、それらの折り曲げ姿勢(ヘッドの上方を伸びる)で残されても良く、または、もう一つの段差の中で剪断されて一緒にスエージされても良く、ヘッド・トップと揃うことになる。
【0026】
次に図8を特に参照すると、以上に記載された締結具の穂先金属基板またはスタッドの曲がりの問題に対する解決策は、穂先78の組み込みによるものであって、この穂先は、穂先の貫通の間の、このスタッドの曲がりを減少させ、それにより、その最初の形状に戻ることを可能にする。そのような締結具の穂先は、“段差状の”穂先であって、その理由は複数の、上向きの段差が形成されているからである。穂先は、狭い、角度が付けられた、貫通する穂先80は、直線状のサイド82及び84で始まり、外側へ、漸進的により広い穂先平面86及び88まで、進む。各段差は、角度が付けられた遷移領域90,92を、最後の段差から次のより広い段差まで、有している。遷移領域は、切断の鋭利さのために、94,96で示されているように、ベベルが付けられていても付けられていなくても良い。しかしながら、段差の間のこの遷移領域の後で、各段差の側面は、締結具のサイド32,34に対して平行である
代替的に、貫通する穂先78の中の各段差の側面・エッジは、100,102で示されているように、ボディの長手方向の軸98の方へ内側に傾斜が付けられていても良く、穂先による貫通のステップの間に、金属基板がその当初の位置に戻ることを可能にする。これらの段差の目的は、金属の漸増的な貫通を可能にすることにある。角度が付けられ且つ狭い穂先の先頭は、最小の幅を介しての、金属への穂先の最初の貫通を可能にする。その後、穂先のサイドは、ボディに対して平行のまたは内側に傾斜が付けられて、最初の貫通により作り出された孔を通って、その後に続き、金属の更なる曲がりを生ずることがない。
【0027】
このミリ秒の“静止”期間の間に、以下の二つの事が生じている:即ち、金属基板は、その降伏点を超えて曲げられることがなく、そして、金属基板は、穂先の更なる貫通の前に、その当初の位置に戻るための時間を有している。この貫通の後で、孔は、次の段差まで、遷移領域により次第に広げられる。金属基板の中での貫通及びそれに続く孔の形成は、漸増的且つ漸進的であって、それにより、金属基板の過剰な曲がりが回避される。材料は、その当初の形状に戻ることが可能であり、また、ワーク・ピースと金属基板の間の締結の接続部は、その完全性が維持される。
【0028】
次に、図9を特に参照しながら、ボディへのその取り付け点での、締め付け及び把持部材が引き裂きまたは亀裂を生じさせる問題に対する解決策が示される。これは、取り付け領域106の中に及びその僅か上方に、クラウンの方へ上向きにボイド60を形成することにより達成される。この内部のボイド60は、取り付けサイトにフォークを作り出し、それらは、二つの脚部108,110を作り出す。取り付けの間に、締め付け及び把持部材が回転されたとき、これらの脚部108,110は、独立したトーション・バーとして振舞い、異なる平面上で異なる円弧を捩じる。これは、取り付け領域106に作用する応力を減少させて、ボディ104の取り付けの失敗の問題を取り除く。
【0029】
次に、図12を特に参照すると、多数の、小さな、等間隔に配置され、同じ形に形成された把持歯の使用により生ずる問題が、締結具ヘッドから予め定められた距離に、たった二つまたは三つの歯を設けることにより首尾良く解決される。ここで、滑らかな(歯の無い)の距離が、歯の間の締め付け及び把持部材のルートで、減少されている。これらの歯は、先行技術の歯と比べてより大きな距離、離れていて、今やより広く且つ高く形成されることが可能であり、それにより、下側にある孔が穿けられた金属基板の上により大きな圧力表面をもたらしながら、それらの剪断強度を増大させて、より大きな後退抵抗をもたらす。これらの歯は、上側の(より薄いワーク・ピース)歯48とは反対に、底部の歯44(より厚いワーク・ピース)に対して、異なる形状である。
【0030】
底部の歯44は、締め付け及び把持部材のボディ104のルート領域の最大の幅から作られ、その後、ボディ104のサイドに対して垂直に、ボディ104の縦の平面の中に切り込んで、それにより、ボディ104のルート幅を減少させる。歯を形成するところの、直ぐ次の反対の縁の遥かに外側106,108は、ボディ104のルート幅から僅かに且つ上向きに、外側に突出していて、歯のトップに、ボディ104のサイド及び湾曲した終端部に対して実質的に垂直に、僅かに弧状の(カップ状の)形状をもたらす。これは、後退の力を歯の端部の方に向けることを助ける。
【0031】
上側の歯48は、今や減少されたルート110で、その底部のボディ104の接続を開始し、半径端部112,114に対して鋭角に外向きに進行し、それらの半径端部は、締結具ボディ22のサイドに対してほぼ垂直に内向きに曲がり、ボディ104のルートとのその接続まで進む。この歯48の構造はまた、ボディ104のサイド及び湾曲した終端部に対して実質的に垂直に、歯のトップに対して僅かに弧状の(カップ状の)形状をもたらす。金属基板の中に穿けられた孔の中に入る第一の歯44は、図10の中に示されているように、より厚い(即ち、5/8インチ(15.9mm)または3/4インチ(19.0mm))ワーク・ピースに対して、予め設定されている。最大のボディ104のルートから作られているので、その歯は、容易に、締め付け及び把持部材の後に従って、穿けられた金属の孔の中に入り、把持及び締め付け部材の戻り(回転)を始める。
【0032】
この歯が金属基板の底部の下側を通り過ぎた後に、締結具が、取り付けを終了する場合には、この底部の歯44の直ぐ上方の、減少されたボディ104のルート、及び歯のボイドは、ほぼその当初の位置に戻るボディ104の首尾良い復帰(回転)を可能にする。もし、上側の、第二の歯48が、図11の中に示されているように、より薄いワーク・ピース(即ち、1/4インチ(6.4mm)または3/8インチ(9.5mm))に対して予め設定されている場合には、第一の、底部の歯44が、金属基板の中に穿けられた孔の中を通過し、次いで、減少されたボディ104のルートが、それに次いで、第二の歯48の底部の鋭角が、この第二の歯の回転を助ける。
【0033】
この第二の歯の半径端部は、見出すこと(“finding”)を助け、金属基板に穿けられた孔の中を通過する。この歯48のトップ(ボディ・エッジに対して垂直の)はまた、僅かに弧状の(カップ状の)形状を有している。これは、後退の力をこの歯48の端部の方へ向けることを助ける。この第二のスタイルの歯、及び減少された、滑らかなボディ104のルートは、もし、更により薄いワーク・ピースが固定されることが望まれる場合には、第二の歯の上方で再現されることが可能である。しかしながら、統括しているルールは、図10及び11の中に見られるように、滑らかな、減少されたボディ104のルートと歯との間の距離が、最小で、金属の厚さの距離及び穂先の貫通の間に形成される押し出された金属116,118の距離でなければならないと言うことである。
【0034】
締結具の絡み(nesting)の問題に対する解決策が、絡み防止(anti-nesting)タブ120,122,124及び126をボイド54の中に形成することにより(図12)、見出された。漸進的な打ち抜きで使用される従来の工具は、打ち抜きプロセスの間にその完全性を維持するために、最小の厚さを要求するので、ボイド54の領域の中に伸ばされる絡み防止タブの形状を打ち抜くプロファイルは、今日、実行可能ではない。それ故に、タブが、ボディ材料を薄くし且つボイド領域の中に押し出すことにより、形成されなければならない。この薄くし且つ押し出すための材料は、この部材が更なる材料をもたらすことがない程度に、材料が既に薄くされているので、締め付け及び把持部材から調達可能なものではない。それに加えて、ボディ104に沿う突出部は、その性能を損なうことになるであろう。これらの絡み防止タブは、熱処理、焼き戻し、または電動工具のマガジンの中への挿入のために締結具の連続するロールへの成形などのような、通常の製造プロセスの間の、一方の締結具ヘッドまたは穂先のもう一方の中へ挿入を、首尾良く防止する程に近くに配置される。
【0035】
本発明の締結具の使用を最大にするために、25ゲージと比べて薄く且つ鋼より柔らかい金属(アルミニウムなどのような)の中に、以上に記載されたタイプの歯の付いた締め付け及び把持部材であって、ボディ104の長さの距離の大半で上向きに伸ばされたボイドを有するものが、図13の中に示されている。このボディ104のデザインは、二つの脚部を作り出す中央のボイド128を含んでいる。取り付けの間に、ボディ104が回転されたときに、これらの脚部は、独立したトーション・バーとして振舞うより大きな“モーメント”を有していて、異なる平面上での異なる円弧の捩じりは、より大きな弾性復元力をもたらし、それにより、より薄く且つより柔らかい材料の中で適切に回転する。
【0036】
以上のようにして、ワーク・ピースを金属基板に固定するための高強度鋼から作られた改善された一体形の締結具が開示された。この締結具は、同様な機能を実現する先行技術の締結具問題を克服するものである。
【技術分野】
【0001】
この発明は、締結具に係り、特に、薄片状のワーク・ピースを金属基板を取り付けるために使用される締結具であって、適切な電動工具の使用により挿入される締結具に係る。
【背景技術】
【0002】
本発明は、米国特許第6,659,700号の中に示された締結具、及びその中に開示されている締結具に対する改良であって、その締結具は、先行技術として図1の中に示されている。
自己貫通型の建設用の締結具に対するニーズが良く知られている。これらの締結具は、密度がより低い薄片状のワーク・ピース材料(即ち、石膏乾式壁、セメント製品、層状ガラス繊維など)を貫通して、それらを、薄肉の金属から作られた金属基板枠の支持壁(スタッドなど)に接続することが可能である。そのような締結具は、弾性復元力を有する保持及び締め付け部材を含んでいて、この締結具は、金属の貫通プロセスの間に、平面または平面の間に沿って移動し、その後、その最初の形状に戻ることが可能であって、それにより、組み合わされた摩擦及び機械的なロックを作り出すことになる。薄片状から金属スタッドまでの壁締結部材の様々なデザインが、これまで長年の間、存在して来た。
【0003】
一つの進歩したタイプが、図1の中に示されているように、上記の米国特許第6,659,700号の中に記載されている。それは、90度またはほぼ90度で折り曲げられたヘッド10を備えた締結具を有していて;平坦な細長いボディ12が、ボディの中のボイド15の中に配置され、且つ締結具ボディの平面に対して角度を有して捩じられた少なくとも一つの、薄くされた、弾性的な尖叉(tine)14と;尖叉14のエッジの上にある小さな、等間隔に配置され、同じ形に形成された歯16と;一体物の薄い金属シートから全体が作られた剣状の穂先18と;を含んでいる。挿入の後に、電動工具により作り出される速度により、締結具ボディ及び尖叉は、穂先に続いて、密度がより小さいワーク・ピース材料を通過し、その後、穂先により開けられた金属基板の中の孔を通過する。この歯の付いた尖叉は、基板金属スタッドの抵抗に適合していて、ボディ平面に対して平行にほぼ平坦な状態まで回転する。金属基板を通過した後、歯の付いた尖叉は、ほぼその最初の形状まで回転して戻り、歯が金属基板の下側に機械的なロックを作り出すことになる。
【0004】
締結具の、底部金属スタッドを貫通する能力、及び金属スタッドからのその後退抵抗は、締結具を形成するために使用される材料に大きく依存する。このようにして、例えば、バネ鋼の金属などのような、高強度の薄い金属シートを使用することが望ましい。製造を容易にするために、従来のダイスを用いて、容易に成形され、切断され、且つ折り曲げられることが可能な、軟らかい可鍛性の材料を使用することが望ましいであろう。しかしながら、そのような製品は、十分な炭素量が不足しているので、加熱及び焼き入れ、次いで焼き戻しにより十分に強度を上げることが可能でない。高強度鋼(バネ鋼)より低い材料を使用するプロセスは、薄い締結具ボディの、湾曲に対して抵抗する十分な完全性を可能にしないであろう。それに加えて、尖叉は、本質的に捩じりバネであって、このコンポーネントの弾性復元力を維持する材料を要求し、それ故に、バネ鋼が使用されなければならない。
【0005】
従来、このタイプの締結具では、ヘッドが、締結具ボディのトップから、何らかの形態に材料を折り曲げることにより形成される。そのようなヘッドを組み込んだ締結具の発明は、湾曲を介する打ち抜き作業の中で形成される。このヘッドは、T字,L字またはU字の形状であっても良いが、全てが湾曲プロセスにより作り出される。これらの形状は、少なくとも二つのサイドに沿って鋭利なエッジを作り出す(平坦な金属からヘッドを形成する湾曲の性質のため)。これらの鋭利なエッジは、密度がより小さい薄片状のワーク・ピースのトップ・レイヤを切り裂き、それによって、このスタイルのヘッドを産業上容認可能な基準から外れたものにする。
【0006】
これまでに見出されているところによれば、折り曲げタブから形成される締結具ヘッドでは、締結具の材料の厚さは、石膏乾式壁などのような最も軟らかい薄片状のワーク・ピースの場合において上首尾でない。ヘッドが、一つの方向にあるいは反対方向に向いていても、何れにせよ、三つの全てのサイドに沿って鋭利なエッジを有していて、石膏乾式壁のトップの薄片状のワーク・ピースの紙のレイヤを切り裂き、それにより、ヘッドのこの形状を産業界において受け容れられないものにしている。例え、複数のレイヤからなる締結具材料が折り曲げられる場合であっても、最も遠い延長部分に半径を形成することが用いられ、ヘッドのエッジは、依然として、そのような鋭利さの90度のエッジを含んでいて、乾式壁材料のトップ紙のレイヤを切断することになる。
【0007】
先行技術についてのもう一つの問題は、一体形の金属から作られた自己貫通型の締結具が、尖った剣状のデザインであることである。これまでに見出されているところによれば、自己貫通型の穂先が金属基板を貫通するとき、今日の剣のスタイルの穂先は、基板を、取り付けられる材料から遠ざける方向に、金属の塑性(記憶)が超えられるような程度まで曲げる。このために、金属は、その当初の形状に戻ることが可能でなく、その結果として、ギャップが、金属スタッドとスタッドに固定されるワーク・ピース材料との間に形成されることになる。これは、緩く従って産業界で受け容れられない締結継手をもたらすことになる。これは、何れかのスタイルの穂先が、一つの連続的な作業の中で、締結具ボディの幅まで貫通されたスロットを広げるときに生ずる、と言うことが発見されている。
【0008】
先行技術の、一体形の金属から作られ、且つ弾性的な捩じられた尖叉を含む、自己貫通型の締結具についてのもう一つの問題は、締結具ボディと尖叉との間の取り付けの領域である。もし、尖叉接続が、かなりの幅を有し、且つ湾曲のモーメントが取り付け領域に近い場合には、この領域は、取り付けプロセスの間に加えられるトルクの力のために、取り付け領域の引き裂きまたは破壊を生じ、それにより、尖叉の完全性を損なう可能性がある。
【0009】
歯の付いた尖叉を備えた、先行技術の発明の自己貫通型の締結具に付いてのもう一つの問題は、時折、より薄い基板金属(25ゲージより薄い)及びより柔らかい金属(即ち、アルミニウム)が、尖叉を適切に戻すような堅さまたは抵抗をもたらさないことがあると言うことである。それ故に、歯の付いた尖叉が、金属基板を切るかあるいはそれを引き裂くかの何れかとなり、それにより、個々の歯が機械的なロックを達成するために要求される正にそのポイントで、形成された開口またはスロットから材料を取り除くことになる。
【0010】
先行技術の、一体形の金属から作られ、多数の、より小さな、等間隔に配置され且つ同じ形に形成された歯を尖叉エッジの上に備えた、弾性的な捩じられた尖叉を含むところの、自己貫通型の締結具についてのもう一つの問題は、そのような歯は、尖叉が適切に機能することを可能にする際に上首尾でなく、従って、それらが金属基板の底部の下を適切に締め付けないと言うことである。先行技術の締結具において、ワーク・ピース材料のその厚さが金属スタッドに固定されるように、歯は非差別的であるようにデザインされていた。即ち、ワーク・ピース材料の幾つかの異なる厚さ(或る範囲の中の)が、尖叉に沿う歯の配置に関係なく、同一の締結具を用いて取り付けられることが可能である。多数の小さな歯は、締結具が停止したときに、互いに向かい合う二つの歯が噛み合う(catch)ものと考えられていた。しかし、これが起こらないことが見出されている。尖叉の歯のこのデザインは、金属基板に穿けられた開口の中を通過するとき、戻りの滑らかな遷移領域、及びその後のほぼ当初の位置への尖叉の復帰(回転)をもたらすことがない。
【0011】
底部またはその近くで始まるより小さな歯の場合には、尖叉取り付け具は、適切な戻りを可能にしない。上向きのこれらの歯が戻された位置にあるスロットの中を通過する代わりに、尖叉上で上向きのこれらの同じ歯が、金属基板に穿けられたスロットの中に横方向に切り込む鋸歯として振舞い、それにより、個々の歯が機械的なロックをもたらすために要求される正確なポイントで、材料をスロットから取り除く。それに加えて、一つの歯は、取り付けの間に締結具が停止するとき、自己貫通型の穂先により作り出される穿孔の中にあっても良い。その歯は、尖叉が回転してほぼその以前の位置に戻ることを可能にすることなく、更に、金属スタッドの下側にある歯が、金属スタッドの底部の下側で機械的な締め付け状態を達成することを可能にすることもない。それに加えて、これらのより小さな歯は、最大の後退抵抗のために要求される金属基板の下側への圧力を不十分にする。
【0012】
先行技術の、一体形の金属から作られた自己貫通型の締結具についてのもう一つの問題は、締結具の二次的な製造プロセスの間に、締結具が、固まりまたは相互に絡み合って、それにより、締結具を適切に熱処理し、メッキし、そして揃える能力を損なう可能性があると言うことである。最大の問題の領域は、締結具の穂先が、もう一方の締結具の尖叉の周囲を取り囲む内側のボイドの中に、それ自身を実質的に挿入するときにある。先行技術の締結具では、ボディの厚さ、尖叉、及びボイドがかなり小さいので、、どのプロセスも、未だ打ち抜きがされていないボイドの中に存在する材料のプロファイル打ち抜きのみから、絡み防止(anti-nesting)デバイスの形成を可能にしない。
【0013】
締結具の様々な形状(一部は金属貫通能力を含んでいる)は、以下の先行技術文献(特許番号/発明者)の中に開示されている:
米国特許第 1,338,988 号/Kinoshita;
米国特許第 1,417,818 号/Frost;
米国特許第 1,934,134 号/McChesney;
米国特許第 2,1 号/10,959;Lombard;
米国特許第 2,155,893 号/Fulton;
米国特許第 2,168,854 号/Agnew;
米国特許第 2,319,058 号/Hansman;
米国特許第 2,353,579 号/Miller;
米国特許第 2,382,474 号/Gambo;
米国特許第 2,530,229 号/Clark;
米国特許第 2,543,212 号/Waara;
米国特許第 2,564,643 号/Hall;
米国特許第 2,614,450 号/Oltz et al.;
米国特許第 2,740,505 号/Flora;
米国特許第 2,751,052 号/Flora;
米国特許第 2,958,562 号/Jones;
米国特許第 3,618,447 号/Gains;
米国特許第 3,675,958 号/Duffy;
米国特許第 3,800,653 号/Barth et al.;
米国特許第 3,882,755 号/Enstrom;
米国特許第 3,973,295 号/Janke;
米国特許第 3,983,779 号/Dimas;
米国特許第 5,152,582 号/Magnuson;
米国特許第 5,597,280 号/Stern;
米国特許第 5,846,019 号/Kuhns;
仏国特許第 1.202.255 号;
英国仮出願第 192,492 号明細書(1921年11月 3日出願、1923年 2月 5日許可)
【先行技術文献】
【特許文献】
【0014】
【特許文献1】米国特許第6,659,700号明細書
【発明の概要】
【0015】
以上のようにして、高強度金属の単一の部材から構成される自己貫通型の金属締結具に対する、産業界におけるニーズがある。この金属締結具は、一体に組み込まれたヘッドを含んでいて、このヘッドは、鋭利なエッジを有しておらず、且つ乾式壁材料のトップの紙のレイヤ切断することがない。この金属締結具は、貫通する穂先を有し、この穂先は、その弾性の範囲を超えて金属基板を曲げることなく、漸増的且つ徐々に金属基板の中に開口を形成する。この金属締結具は、締結具で形成された締め付け及び把持部材の取り付け部材を有していて、この取り付け部材は、取り付け領域を引き裂くまたは破壊する応力を作用させることなく、前記把持及び締め付け部材のより大きい回転を可能にする。この金属締結具は、前記把持及び締め付け部材の上に間隔を開けて配置された歯を含み、これらの歯は、金属基板への異なるサイズのワーク・ピース材料の取り付けを可能にする。この金属締結具は、当該締結具の中で、絡み防止(anti-nesting)デバイスの形成を可能にする。
【0016】
ワーク・ピースを金属基板に固定するための、高強度鋼から作られた一体形締結具であって、この締結具は、第一及び第二の端部と、第一及び第二の互いに対向して配置された面と、第一及び第二のサイド・エッジと、を有する細長い実質的に平坦なボディを含んでいる。クラウンが、ボディの第一及び第二の面から外側に伸びる、実質的に対称的な半割り部材から形成され、貫通する先端部が、前記金属基板の中に漸増的開口を作り出すために、ボディの第二の端部に形成され、前記ボディの上の、少なくとも一つの把持及び締め付け部材が、前記ワーク・ピース及び前記金属基板を一緒に締め付ける。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】図1は、先行技術の締結具の透視図である。
【図2】図2は、本発明の締結具の透視図である。
【図3】図3は、本発明の原理に基づいて構成された締結具の前面立面図である。
【図4】図4は、図2の中に示された締結具の側面図である。
【図5】図5は、図2の締結具及び製造の中間ステージを示す前面立面図である。
【図6】図6は、図5の側面図である。
【図7】図7は、本発明の締結具を形成するために使用される、漸進的な打ち抜きを示す。
【図8】図8は、貫通する穂先をより詳細に示す、本発明の締結具の部分図である。
【図9】図9は、本発明の締結具の部分図であって、その中に締め付け及び把持部材が形成されるやり方が、その上の把持歯を特に参照して示されている。
【図10】図10は、ワーク・ピースを第一の寸法の金属スタッドに取り付ける本発明の締結具を示す。
【図11】図11は、ワーク・ピースの金属基板への取り付けを示していて、ワーク・ピースはより小さな寸法である。
【図12】図12は、本発明の締結具上での絡み防止部材の形成を示す。
【図13】図13は、本発明の締結具の代替的な実施形態を示していて、この実施形態は、把持及び締め付け部材を含み、この部材は、そのような締め付け及び把持部材を受けるように設けられたボイドの全体の長さを実質的に伸ばす。
【発明を実施するための形態】
【0018】
図面を、特にその図2を参照すると、本発明の締結具20が透視図で示されている。この締結具20は、第一の端部24及び第二の端部26を有する平坦な細長いボディ22を含んでいる。ボディ22は、第一の平坦な表面または面28、及び、平坦な細長いボディ22の反対サイドの第二の平坦な表面または面30を含んでいる。ボディはまた、第一のサイド・エッジ32及び第二のサイド・エッジ34を含んでいる。ボディの第一の端部24に隣接して、クラウン37が配置され、このクラウンは、第一の平坦な表面28及び第二の平坦な表面30から外側に径方向にそれぞれ伸びる、第一(36)及び第二(38)の実質的に対称的な半割り部材から形成されている。
【0019】
貫通するリップ(piercing lip)40が、ボディ22の第二の端部26に形成され、締め付け及び把持部材42が、締め付け及び把持部材42の各端で、平坦なボディ22に接続されている。把持及び締め付け部材42は、第一の歯44を含み、この歯は、最初のルート幅(“W”で示されているような)から、より小さなルート幅(46で示されているような)まで、把持及び締め付け部材の幅を減少させることにより形成されている。第二の歯48は、第一の歯44からクラウンの方へ上向きに変位され、第二のルート幅46から上向きに且つ外側に伸びている。歯44及び48は、異なる幅のワーク・ピースを金属基板に締め付けるために使用される。図2の中に示されているような締結具20の様々なコンポーネントの更なる詳細は、残りの図の中に示されており、以下において、より詳細に説明されることになる。
【0020】
図3は、図2の中に示されているような締結具の前面立面図であり、そして、図4は、その側面図である。図3及び4の中に示されているように、クラウンの対称的な半割り部材36及び38は、第一のストラップ50及び第二のストラップ52により相互に接続され、これらのストラップは、平坦な細長いボディ22の第一及び第二のサイド・エッジ32及び34にそれぞれ配置されている。これらのストラップ50及び52は、特に図4の中に示されているように、それらの中央部分で約180度曲げられ、クラウンの二つの対称的な半割り部材が揃えられるようにし、それによって、それらが第一及び第二の平坦な面28及び30から外側に径方向に伸びることになる。特に図4の中(並びに図2の透視図)にも示されているように、クラウンの第一及び第二の対称的な半割り部材36及び38の外側の外周は、参照符号54で示されているように、鋭利なエッジが無いように弧状に形成されている。そのような鋭利なエッジは、以上に記載されているように、金属スタッドに固定される壁ボードの表面の中に切り込み易い。
【0021】
図3の中により詳細に示されているように、把持及び締め付け部材42は、平坦なボディ22の実質的に中央に形成されたボイド54の中に配置されている。把持及び締め付け部材は、ボディ22と一体的に形成され、且つその下側の端部56で、その第二の端部26に隣接するボディ22に接続されているが、貫通する先端部40からは位置がずらされている。把持及び締め付け部材の上側の端部58は、ボディ22の第二の端部24に隣接して接続されているが、それから間隔を空けて配置されている。把持及び締め付け部材42はまた、ボイド60を規定していて、このボイドは、第一の歯44に隣接して、上向きに、穂先の方へ、その下側の端部56で接続の実質的に近傍から伸びている。図2,3及び4の中に示されているように、把持及び締め付け部材42は、捩じられまたは回転され、それによって、歯44及び48が、ボディ22の第一及び第二の面28及び30から外側に伸びることになる。
【0022】
本発明の締結具は、高強度材料から、好ましくはバネ鋼から形成され、十分に薄い。即ち、この締結具は、ボディ22の厚さと比べて薄くなるように形成されていて、それにより、この締結具は、金属基板を通って挿入されるときボディ22のボイドの中で平坦な位置の方へ動き易いが、静止したときには、図2,3及び4の中に示されているような位置に戻り、それにより、ワーク・ピースを金属スタッドに締め付けるようになっている。把持及び締め付け部材42の中にボイド60を設けることにより、把持及び締め付け部材のこの捩り及び戻りが容易になり、また、把持及び締め付け部材が、ボディに対するその接続穂先56及び58で壊れる傾向を取り除く。
【0023】
次に、図5,6及び7を特に参照して、以上に記載されたヘッド・デザインの問題に対する解決策が説明される。この解決策は、材料のトップ部分からの、ヘッドの二つの対称的な半割り部材36及び38の引き抜き加工によるものであって、締結具ボディを形成し、ここで、図6の中に示されているように、半割り部材の一方は、他方のほぼ鏡像であって、他の半割り部材のヘッドの上方に配置されている。もし、全体のヘッド・トップ表面が残ることが可能である場合には、それは、ヘッドの半割り部材が配置するために曲げられたときに、亀裂を生じて、二つのヘッドの半割り部材が破壊されて分離されることになる。湾曲領域が亀裂を生ずる理由は、それが、深絞りプロセスの間に加工硬化されていることにある。これに対する解決策は、図5の中に示されているように、中心接続領域の中の、ボイド62の形状の逃げである。しかしながら、ヘッドの最後の外側領域は、既に加工硬化されているので、ヘッド周囲のサイドの二つの接続ストラップまたはバンド50及び52(これらは、このボイドの上に伸び、湾曲の間及びその後で二つのヘッドの半割り部材を一緒に保持している)は、亀裂または分離を生ずることなく、それらの完全性を維持するようになる。
【0024】
深絞りプロセスは、漸進的な打ち抜きプロセスの中で、複数の段差の形状の各ヘッドの半割り部材を形成することであって、図7の中で64,66,68,70及び72で示されているように、毎回、材料を最後の形状に多少近付ける。各ヘッドの半割り部材は、滑らかな外側の弧状のリム54で形成されている。トップ・ヘッドの半割り部材が、折り曲げられて他の半割り部材と組み合わされるとき、取り付けポイントが二つの半割り部材の間にあることが必要である。トップ・ヘッドの半割り部材の湾曲の後、その底部に取り付けられたタブ74が、締結具ボディの中の嵌め合い用の孔76の中に嵌め込まれ、それにより、締結具ヘッドの半割り部材を一緒に固定する。
【0025】
それに加えて、他のタブの形態の材料が、ヘッドの半割り部材のサイドから伸びても良い。そのような付加的なタブは、折り曲げを更に留めるために使用されることが可能であり、ボディの中の嵌め合い用の孔を通るタブの実質的な部分の圧縮(即ち“かしめ”)を介してヘッドをボディに結合する。ヘッドの二つの半割り部材が一緒に固定された後に、二つの接続バンドが、図3の、それらの折り曲げ姿勢(ヘッドの上方を伸びる)で残されても良く、または、もう一つの段差の中で剪断されて一緒にスエージされても良く、ヘッド・トップと揃うことになる。
【0026】
次に図8を特に参照すると、以上に記載された締結具の穂先金属基板またはスタッドの曲がりの問題に対する解決策は、穂先78の組み込みによるものであって、この穂先は、穂先の貫通の間の、このスタッドの曲がりを減少させ、それにより、その最初の形状に戻ることを可能にする。そのような締結具の穂先は、“段差状の”穂先であって、その理由は複数の、上向きの段差が形成されているからである。穂先は、狭い、角度が付けられた、貫通する穂先80は、直線状のサイド82及び84で始まり、外側へ、漸進的により広い穂先平面86及び88まで、進む。各段差は、角度が付けられた遷移領域90,92を、最後の段差から次のより広い段差まで、有している。遷移領域は、切断の鋭利さのために、94,96で示されているように、ベベルが付けられていても付けられていなくても良い。しかしながら、段差の間のこの遷移領域の後で、各段差の側面は、締結具のサイド32,34に対して平行である
代替的に、貫通する穂先78の中の各段差の側面・エッジは、100,102で示されているように、ボディの長手方向の軸98の方へ内側に傾斜が付けられていても良く、穂先による貫通のステップの間に、金属基板がその当初の位置に戻ることを可能にする。これらの段差の目的は、金属の漸増的な貫通を可能にすることにある。角度が付けられ且つ狭い穂先の先頭は、最小の幅を介しての、金属への穂先の最初の貫通を可能にする。その後、穂先のサイドは、ボディに対して平行のまたは内側に傾斜が付けられて、最初の貫通により作り出された孔を通って、その後に続き、金属の更なる曲がりを生ずることがない。
【0027】
このミリ秒の“静止”期間の間に、以下の二つの事が生じている:即ち、金属基板は、その降伏点を超えて曲げられることがなく、そして、金属基板は、穂先の更なる貫通の前に、その当初の位置に戻るための時間を有している。この貫通の後で、孔は、次の段差まで、遷移領域により次第に広げられる。金属基板の中での貫通及びそれに続く孔の形成は、漸増的且つ漸進的であって、それにより、金属基板の過剰な曲がりが回避される。材料は、その当初の形状に戻ることが可能であり、また、ワーク・ピースと金属基板の間の締結の接続部は、その完全性が維持される。
【0028】
次に、図9を特に参照しながら、ボディへのその取り付け点での、締め付け及び把持部材が引き裂きまたは亀裂を生じさせる問題に対する解決策が示される。これは、取り付け領域106の中に及びその僅か上方に、クラウンの方へ上向きにボイド60を形成することにより達成される。この内部のボイド60は、取り付けサイトにフォークを作り出し、それらは、二つの脚部108,110を作り出す。取り付けの間に、締め付け及び把持部材が回転されたとき、これらの脚部108,110は、独立したトーション・バーとして振舞い、異なる平面上で異なる円弧を捩じる。これは、取り付け領域106に作用する応力を減少させて、ボディ104の取り付けの失敗の問題を取り除く。
【0029】
次に、図12を特に参照すると、多数の、小さな、等間隔に配置され、同じ形に形成された把持歯の使用により生ずる問題が、締結具ヘッドから予め定められた距離に、たった二つまたは三つの歯を設けることにより首尾良く解決される。ここで、滑らかな(歯の無い)の距離が、歯の間の締め付け及び把持部材のルートで、減少されている。これらの歯は、先行技術の歯と比べてより大きな距離、離れていて、今やより広く且つ高く形成されることが可能であり、それにより、下側にある孔が穿けられた金属基板の上により大きな圧力表面をもたらしながら、それらの剪断強度を増大させて、より大きな後退抵抗をもたらす。これらの歯は、上側の(より薄いワーク・ピース)歯48とは反対に、底部の歯44(より厚いワーク・ピース)に対して、異なる形状である。
【0030】
底部の歯44は、締め付け及び把持部材のボディ104のルート領域の最大の幅から作られ、その後、ボディ104のサイドに対して垂直に、ボディ104の縦の平面の中に切り込んで、それにより、ボディ104のルート幅を減少させる。歯を形成するところの、直ぐ次の反対の縁の遥かに外側106,108は、ボディ104のルート幅から僅かに且つ上向きに、外側に突出していて、歯のトップに、ボディ104のサイド及び湾曲した終端部に対して実質的に垂直に、僅かに弧状の(カップ状の)形状をもたらす。これは、後退の力を歯の端部の方に向けることを助ける。
【0031】
上側の歯48は、今や減少されたルート110で、その底部のボディ104の接続を開始し、半径端部112,114に対して鋭角に外向きに進行し、それらの半径端部は、締結具ボディ22のサイドに対してほぼ垂直に内向きに曲がり、ボディ104のルートとのその接続まで進む。この歯48の構造はまた、ボディ104のサイド及び湾曲した終端部に対して実質的に垂直に、歯のトップに対して僅かに弧状の(カップ状の)形状をもたらす。金属基板の中に穿けられた孔の中に入る第一の歯44は、図10の中に示されているように、より厚い(即ち、5/8インチ(15.9mm)または3/4インチ(19.0mm))ワーク・ピースに対して、予め設定されている。最大のボディ104のルートから作られているので、その歯は、容易に、締め付け及び把持部材の後に従って、穿けられた金属の孔の中に入り、把持及び締め付け部材の戻り(回転)を始める。
【0032】
この歯が金属基板の底部の下側を通り過ぎた後に、締結具が、取り付けを終了する場合には、この底部の歯44の直ぐ上方の、減少されたボディ104のルート、及び歯のボイドは、ほぼその当初の位置に戻るボディ104の首尾良い復帰(回転)を可能にする。もし、上側の、第二の歯48が、図11の中に示されているように、より薄いワーク・ピース(即ち、1/4インチ(6.4mm)または3/8インチ(9.5mm))に対して予め設定されている場合には、第一の、底部の歯44が、金属基板の中に穿けられた孔の中を通過し、次いで、減少されたボディ104のルートが、それに次いで、第二の歯48の底部の鋭角が、この第二の歯の回転を助ける。
【0033】
この第二の歯の半径端部は、見出すこと(“finding”)を助け、金属基板に穿けられた孔の中を通過する。この歯48のトップ(ボディ・エッジに対して垂直の)はまた、僅かに弧状の(カップ状の)形状を有している。これは、後退の力をこの歯48の端部の方へ向けることを助ける。この第二のスタイルの歯、及び減少された、滑らかなボディ104のルートは、もし、更により薄いワーク・ピースが固定されることが望まれる場合には、第二の歯の上方で再現されることが可能である。しかしながら、統括しているルールは、図10及び11の中に見られるように、滑らかな、減少されたボディ104のルートと歯との間の距離が、最小で、金属の厚さの距離及び穂先の貫通の間に形成される押し出された金属116,118の距離でなければならないと言うことである。
【0034】
締結具の絡み(nesting)の問題に対する解決策が、絡み防止(anti-nesting)タブ120,122,124及び126をボイド54の中に形成することにより(図12)、見出された。漸進的な打ち抜きで使用される従来の工具は、打ち抜きプロセスの間にその完全性を維持するために、最小の厚さを要求するので、ボイド54の領域の中に伸ばされる絡み防止タブの形状を打ち抜くプロファイルは、今日、実行可能ではない。それ故に、タブが、ボディ材料を薄くし且つボイド領域の中に押し出すことにより、形成されなければならない。この薄くし且つ押し出すための材料は、この部材が更なる材料をもたらすことがない程度に、材料が既に薄くされているので、締め付け及び把持部材から調達可能なものではない。それに加えて、ボディ104に沿う突出部は、その性能を損なうことになるであろう。これらの絡み防止タブは、熱処理、焼き戻し、または電動工具のマガジンの中への挿入のために締結具の連続するロールへの成形などのような、通常の製造プロセスの間の、一方の締結具ヘッドまたは穂先のもう一方の中へ挿入を、首尾良く防止する程に近くに配置される。
【0035】
本発明の締結具の使用を最大にするために、25ゲージと比べて薄く且つ鋼より柔らかい金属(アルミニウムなどのような)の中に、以上に記載されたタイプの歯の付いた締め付け及び把持部材であって、ボディ104の長さの距離の大半で上向きに伸ばされたボイドを有するものが、図13の中に示されている。このボディ104のデザインは、二つの脚部を作り出す中央のボイド128を含んでいる。取り付けの間に、ボディ104が回転されたときに、これらの脚部は、独立したトーション・バーとして振舞うより大きな“モーメント”を有していて、異なる平面上での異なる円弧の捩じりは、より大きな弾性復元力をもたらし、それにより、より薄く且つより柔らかい材料の中で適切に回転する。
【0036】
以上のようにして、ワーク・ピースを金属基板に固定するための高強度鋼から作られた改善された一体形の締結具が開示された。この締結具は、同様な機能を実現する先行技術の締結具問題を克服するものである。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ワーク・ピースを金属基板に固定するための、高強度鋼から作られた一体形締結具であって、
前記締結具は:
(a) 細長い実質的に平坦なボディを有し、この平坦なボディは、第一及び第二の端部、及び第一及び第二の互いに対向して配置された面、及び第一及び第二のサイド・エッジを有し;
(b) クラウンを有し、このクラウンは、その前記第一の端部の近傍で、前記平坦なボディの前記第一及び第二の面からそれぞれ外側に伸びる第一及び第二の実質的に対称的な半割り部材で形成され、前記第一及び第二の半割り部材は、前記平坦なボディと一体的に形成され;
(c) 貫通する先端部を有し、この貫通する先端部は、前記ワーク・ピース及び前記金属基板を通る開口を作り出すために、前記細長いボディの前記第二の端部に形成され;
(d) 少なくとも一つの把持及び締め付け部材を有し、この把持及び締め付け部材は、前記クラウンと前記貫通する先端部との間で前記細長いボディの上にあり、前記ワーク・ピースと前記金属基板を一緒に固定すること;
を特徴とする締結具。
【請求項2】
下記特徴を有する請求項1に記載の締結具:
前記平坦なボディは、その中を通る開口を形成し、前記第一及び第二の半割り部材の内の一つは、前記第一及び第二の半割り部材の内の前記一つを前記ボディに固定するために、前記開口の中に挿入されたタブを含んでいる。
【請求項3】
下記特徴を有する請求項1に記載の締結具:
前記第一及び第二の半割り部材は、前記第一及び第二のサイド・エッジにそれぞれ配置された第一及び第二のストラップにより相互に接続され、前記ストラップは、その中間部分で180度の湾曲を規定する。
【請求項4】
下記特徴を有する請求項1に記載の締結具:
前記第一及び第二の半割り部材は、滑らかな弧状の外周を有する、径方向に外側に伸びる実質的に丸い形状のクラウンを形成する。
【請求項5】
下記特徴を有する請求項1に記載の締結具:
前記貫通する先端部は、漸増的拡大する複数の段差を含んでいて、
最初の段差は、前記ボディの幅と比較して狭い幅、及び前記第一及び第二のサイド・エッジに対して実質的に平行のサイドを有し、
第二の段差は、前記最初の段差より大きいが前記ボディの幅より小さい幅、及び前記第一及び第二のサイド・エッジに対して実質的に平行のサイドを有している。
【請求項6】
下記特徴を有する請求項5に記載の締結具:
当該締結具は、前記最初の段差の前記サイドと前記第二の段差との間、及び前記第二の段差の前記サイドと前記ボディの前記サイド・エッジとの間に、角度が付けられた遷移領域を含んでいる。
【請求項7】
下記特徴を有する請求項6に記載の締結具:
前記段差のそれぞれの間の、前記角度が付けられた遷移領域には、ベベルが付けられている。
【請求項8】
下記特徴を有する請求項1に記載の締結具:
前記平坦なボディは、その中を通る第一のボイドを規定し、この第一のボイドは、隣接する前記クラウンから隣接する前記貫通する先端部まで、当該ボディの長さに沿って伸び、
前記把持及び締め付け部材は、前記第一のボイドの中に配置され、前記第一のボイドの各端で前記ボディに取り付けられ、
前記把持及び締め付け部材は、その中を通る第二のボイドを規定し、この第二のボイドは、当該ボディの中央に且つ長手方向に伸びている。
【請求項9】
下記特徴を有する請求項8に記載の締結具:
前記把持及び締め付け部材は、そこから外側に伸びる、第一及び第二の間隔を開けて配置された歯を含み、
前記クラウンからの前記歯の位置は、前記ワーク・ピース及び前記基板の厚さにより決定され、
前記第一の歯は、前記把持及び締め付け部材の幅に等しい幅を有し、且つ前記把持及び締め付け部材の幅を減少させることにより形成され、
前記第二のボイドは、前記貫通する穂先での、前記ボディに対する前記取り付け部の近傍で始まり、前記クラウンの方へ伸び、前記第一の歯で終了する。
【請求項10】
下記特徴を有する請求項8に記載の締結具:
前記第二のボイドは、前記把持及び締め付け部材全体の長さを実質的に伸ばす。
【請求項11】
下記特徴を有する請求項5に記載の締結具:
前記第二の段差の中の、前記最初の段差の側面は、それぞれ、前記締結具平坦なボディの長手方向の軸の方へ、内向きに角度が付けられている。
【請求項12】
下記特徴を有する請求項8に記載の締結具:
当該締結具は、前記第一のボイドの中へ伸びる少なくとも第一及び第二の絡み防止タブを、更に含んでいる。
【請求項13】
下記特徴を有する請求項12に記載の締結具:
前記絡み防止タブは、前記締結具平坦なボディの材料から形成されている。
【請求項14】
ワーク・ピースを金属基板に固定するための、高強度バネ鋼から作られた一体形締結具であって、
前記締結具は、
第一及び第二の端部、及び第一及び第二の互いに対向して配置された面、及び第一及び第二のサイド・エッジを有する、細長い実質的に平坦なボディと、
前記ワーク・ピース及び前記金属基板を通る開口を作り出すために、前記細長いボディの前記第二の端部に形成された、貫通する先端部と、
前記クラウンと前記貫通する先端部との間で、前記細長いボディの上にあり、ワーク・ピースと金属基板を一緒に固定する、少なくとも一つの把持及び締め付け部材と、
を含み、
前記締結具は、
その前記第一の端部の近傍で、前記ボディの第一及び第二の面からそれぞれ外側に伸びる、第一及び第二の実質的に対称的な半割り部材で形成されたクラウンを有し、
前記第一及び第二の半割り部材は、前記平坦なボディと一体的に形成されていること、を特徴とする一体形締結具。
【請求項15】
下記特徴を有する請求項9に記載の締結具:
前記第二の歯は、前記把持及び締め付け部材の前記減少された幅から外側に伸び、且つ、前記第一の歯と比べて前記クラウンの近くに配置されている。
【請求項16】
下記特徴を有する請求項10に記載の締結具:
前記歯のそれぞれは、弧状の上面及び湾曲した終端部を規定する、外側に且つ上向きに伸びるアームを有している。
【請求項17】
ワーク・ピースを金属基板に固定するための、高強度バネ鋼から作られた一体形締結具であって、
前記締結具は:
(a) 細長い実質的に平坦なボディを有し、このボディは、第一及び第二の端部、及び第一及び第二の互いに対向して配置された面、及び第一及び第二のサイド・エッジを有し、前記ボディは、前記ボディの実質的な部分に沿って長手方向に伸びる第一のボイドを規定し;
(b) クラウンを有し、このクラウンは、その前記第一の端部の近傍で、前記平坦なボディの前記第一及び第二の面からそれぞれ外側に伸びる、第一及び第二の実質的に対称的な半割り部材で形成され、前記第一及び第二の半割り部材は、前記平坦なボディと一体的に形成され;
(c) 貫通する先端部を有し、この貫通する端部は、漸増的拡大する複数の段差を有し、
最初の段差は、前記ボディの幅と比較して狭い幅、及び前記第一及び第二のサイド・エッジに対して実質的に平行のサイドを有し、第二の段差は、前記最初の段差より大きいが前記ボディの幅より小さい幅、及び前記第一及び第二のサイド・エッジに対して実質的に平行のサイドを有し;
(d) 把持及び締め付け部材を有し、この把持及び締め付け部材は、前記第一のボイドの中に配置され、且つ前記第一のボイドの各端で前記ボディに取り付けられ、前記把持及び締め付け部材は、その中を通る第二のボイドを規定し、この第二のボイドは、当該ボディの中央に且つ長手方向に伸びていること;
を特徴とする締結具。
【請求項18】
下記特徴を有する請求項17に記載の締結具:
前記把持及び締め付け部材は、その上で外側に伸びる、第一及び第二の間隔を開けて配置された歯を含み、
前記クラウンからの前記歯の位置は、前記ワーク・ピース及び前記基板の厚さにより決定され、
前記第一の歯は、前記把持及び締め付け部材の幅に等しい幅を有し、且つ把持及び締め付け部材の幅を減少させることにより形成され、
前記第二のボイドは、前記貫通する穂先での、前記ボディに対する前記取り付け部の近傍で始まり、前記クラウンの方へ伸び、前記第一の歯で終了する。
【請求項19】
下記特徴を有する請求項18に記載の締結具:
前記クラウンの前記第一及び第二の半割り部材は、径方向に外側に伸びる実質的に丸い形状のクラウンを形成し、
この実質的に丸い形状のクラウンは、滑らかな弧状の外周、及び前記ボディの前記第一及び第二のサイド・エッジの上にそれぞれ形成された第一及び第二のストラップを有し、
前記ストラップは、前記ボディの中に形成された開口の境界をなし、且つ前記ストラップは、その中間部分で180度の湾曲を規定する。
【請求項1】
ワーク・ピースを金属基板に固定するための、高強度鋼から作られた一体形締結具であって、
前記締結具は:
(a) 細長い実質的に平坦なボディを有し、この平坦なボディは、第一及び第二の端部、及び第一及び第二の互いに対向して配置された面、及び第一及び第二のサイド・エッジを有し;
(b) クラウンを有し、このクラウンは、その前記第一の端部の近傍で、前記平坦なボディの前記第一及び第二の面からそれぞれ外側に伸びる第一及び第二の実質的に対称的な半割り部材で形成され、前記第一及び第二の半割り部材は、前記平坦なボディと一体的に形成され;
(c) 貫通する先端部を有し、この貫通する先端部は、前記ワーク・ピース及び前記金属基板を通る開口を作り出すために、前記細長いボディの前記第二の端部に形成され;
(d) 少なくとも一つの把持及び締め付け部材を有し、この把持及び締め付け部材は、前記クラウンと前記貫通する先端部との間で前記細長いボディの上にあり、前記ワーク・ピースと前記金属基板を一緒に固定すること;
を特徴とする締結具。
【請求項2】
下記特徴を有する請求項1に記載の締結具:
前記平坦なボディは、その中を通る開口を形成し、前記第一及び第二の半割り部材の内の一つは、前記第一及び第二の半割り部材の内の前記一つを前記ボディに固定するために、前記開口の中に挿入されたタブを含んでいる。
【請求項3】
下記特徴を有する請求項1に記載の締結具:
前記第一及び第二の半割り部材は、前記第一及び第二のサイド・エッジにそれぞれ配置された第一及び第二のストラップにより相互に接続され、前記ストラップは、その中間部分で180度の湾曲を規定する。
【請求項4】
下記特徴を有する請求項1に記載の締結具:
前記第一及び第二の半割り部材は、滑らかな弧状の外周を有する、径方向に外側に伸びる実質的に丸い形状のクラウンを形成する。
【請求項5】
下記特徴を有する請求項1に記載の締結具:
前記貫通する先端部は、漸増的拡大する複数の段差を含んでいて、
最初の段差は、前記ボディの幅と比較して狭い幅、及び前記第一及び第二のサイド・エッジに対して実質的に平行のサイドを有し、
第二の段差は、前記最初の段差より大きいが前記ボディの幅より小さい幅、及び前記第一及び第二のサイド・エッジに対して実質的に平行のサイドを有している。
【請求項6】
下記特徴を有する請求項5に記載の締結具:
当該締結具は、前記最初の段差の前記サイドと前記第二の段差との間、及び前記第二の段差の前記サイドと前記ボディの前記サイド・エッジとの間に、角度が付けられた遷移領域を含んでいる。
【請求項7】
下記特徴を有する請求項6に記載の締結具:
前記段差のそれぞれの間の、前記角度が付けられた遷移領域には、ベベルが付けられている。
【請求項8】
下記特徴を有する請求項1に記載の締結具:
前記平坦なボディは、その中を通る第一のボイドを規定し、この第一のボイドは、隣接する前記クラウンから隣接する前記貫通する先端部まで、当該ボディの長さに沿って伸び、
前記把持及び締め付け部材は、前記第一のボイドの中に配置され、前記第一のボイドの各端で前記ボディに取り付けられ、
前記把持及び締め付け部材は、その中を通る第二のボイドを規定し、この第二のボイドは、当該ボディの中央に且つ長手方向に伸びている。
【請求項9】
下記特徴を有する請求項8に記載の締結具:
前記把持及び締め付け部材は、そこから外側に伸びる、第一及び第二の間隔を開けて配置された歯を含み、
前記クラウンからの前記歯の位置は、前記ワーク・ピース及び前記基板の厚さにより決定され、
前記第一の歯は、前記把持及び締め付け部材の幅に等しい幅を有し、且つ前記把持及び締め付け部材の幅を減少させることにより形成され、
前記第二のボイドは、前記貫通する穂先での、前記ボディに対する前記取り付け部の近傍で始まり、前記クラウンの方へ伸び、前記第一の歯で終了する。
【請求項10】
下記特徴を有する請求項8に記載の締結具:
前記第二のボイドは、前記把持及び締め付け部材全体の長さを実質的に伸ばす。
【請求項11】
下記特徴を有する請求項5に記載の締結具:
前記第二の段差の中の、前記最初の段差の側面は、それぞれ、前記締結具平坦なボディの長手方向の軸の方へ、内向きに角度が付けられている。
【請求項12】
下記特徴を有する請求項8に記載の締結具:
当該締結具は、前記第一のボイドの中へ伸びる少なくとも第一及び第二の絡み防止タブを、更に含んでいる。
【請求項13】
下記特徴を有する請求項12に記載の締結具:
前記絡み防止タブは、前記締結具平坦なボディの材料から形成されている。
【請求項14】
ワーク・ピースを金属基板に固定するための、高強度バネ鋼から作られた一体形締結具であって、
前記締結具は、
第一及び第二の端部、及び第一及び第二の互いに対向して配置された面、及び第一及び第二のサイド・エッジを有する、細長い実質的に平坦なボディと、
前記ワーク・ピース及び前記金属基板を通る開口を作り出すために、前記細長いボディの前記第二の端部に形成された、貫通する先端部と、
前記クラウンと前記貫通する先端部との間で、前記細長いボディの上にあり、ワーク・ピースと金属基板を一緒に固定する、少なくとも一つの把持及び締め付け部材と、
を含み、
前記締結具は、
その前記第一の端部の近傍で、前記ボディの第一及び第二の面からそれぞれ外側に伸びる、第一及び第二の実質的に対称的な半割り部材で形成されたクラウンを有し、
前記第一及び第二の半割り部材は、前記平坦なボディと一体的に形成されていること、を特徴とする一体形締結具。
【請求項15】
下記特徴を有する請求項9に記載の締結具:
前記第二の歯は、前記把持及び締め付け部材の前記減少された幅から外側に伸び、且つ、前記第一の歯と比べて前記クラウンの近くに配置されている。
【請求項16】
下記特徴を有する請求項10に記載の締結具:
前記歯のそれぞれは、弧状の上面及び湾曲した終端部を規定する、外側に且つ上向きに伸びるアームを有している。
【請求項17】
ワーク・ピースを金属基板に固定するための、高強度バネ鋼から作られた一体形締結具であって、
前記締結具は:
(a) 細長い実質的に平坦なボディを有し、このボディは、第一及び第二の端部、及び第一及び第二の互いに対向して配置された面、及び第一及び第二のサイド・エッジを有し、前記ボディは、前記ボディの実質的な部分に沿って長手方向に伸びる第一のボイドを規定し;
(b) クラウンを有し、このクラウンは、その前記第一の端部の近傍で、前記平坦なボディの前記第一及び第二の面からそれぞれ外側に伸びる、第一及び第二の実質的に対称的な半割り部材で形成され、前記第一及び第二の半割り部材は、前記平坦なボディと一体的に形成され;
(c) 貫通する先端部を有し、この貫通する端部は、漸増的拡大する複数の段差を有し、
最初の段差は、前記ボディの幅と比較して狭い幅、及び前記第一及び第二のサイド・エッジに対して実質的に平行のサイドを有し、第二の段差は、前記最初の段差より大きいが前記ボディの幅より小さい幅、及び前記第一及び第二のサイド・エッジに対して実質的に平行のサイドを有し;
(d) 把持及び締め付け部材を有し、この把持及び締め付け部材は、前記第一のボイドの中に配置され、且つ前記第一のボイドの各端で前記ボディに取り付けられ、前記把持及び締め付け部材は、その中を通る第二のボイドを規定し、この第二のボイドは、当該ボディの中央に且つ長手方向に伸びていること;
を特徴とする締結具。
【請求項18】
下記特徴を有する請求項17に記載の締結具:
前記把持及び締め付け部材は、その上で外側に伸びる、第一及び第二の間隔を開けて配置された歯を含み、
前記クラウンからの前記歯の位置は、前記ワーク・ピース及び前記基板の厚さにより決定され、
前記第一の歯は、前記把持及び締め付け部材の幅に等しい幅を有し、且つ把持及び締め付け部材の幅を減少させることにより形成され、
前記第二のボイドは、前記貫通する穂先での、前記ボディに対する前記取り付け部の近傍で始まり、前記クラウンの方へ伸び、前記第一の歯で終了する。
【請求項19】
下記特徴を有する請求項18に記載の締結具:
前記クラウンの前記第一及び第二の半割り部材は、径方向に外側に伸びる実質的に丸い形状のクラウンを形成し、
この実質的に丸い形状のクラウンは、滑らかな弧状の外周、及び前記ボディの前記第一及び第二のサイド・エッジの上にそれぞれ形成された第一及び第二のストラップを有し、
前記ストラップは、前記ボディの中に形成された開口の境界をなし、且つ前記ストラップは、その中間部分で180度の湾曲を規定する。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公表番号】特表2011−521184(P2011−521184A)
【公表日】平成23年7月21日(2011.7.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−509777(P2011−509777)
【出願日】平成21年5月15日(2009.5.15)
【国際出願番号】PCT/US2009/044229
【国際公開番号】WO2009/140648
【国際公開日】平成21年11月19日(2009.11.19)
【出願人】(510302917)イブニング・スター・インターナショナル,インコーポレイテッド (1)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成23年7月21日(2011.7.21)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年5月15日(2009.5.15)
【国際出願番号】PCT/US2009/044229
【国際公開番号】WO2009/140648
【国際公開日】平成21年11月19日(2009.11.19)
【出願人】(510302917)イブニング・スター・インターナショナル,インコーポレイテッド (1)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]