緩み判定具
【課題】 螺合によって部材を締結する締結手段に生じた緩みを、遠く離れた位置から目視によって容易に確認する。
【解決手段】 ボルト11およびナット12a、12bの緩みを視認するための緩み判定具20であって、ボルト11およびナット12a、12bの螺合によって軸方向に押圧され、外周面に周方向に延びる保持溝21aが形成されたワッシャ21と、所定の締付けトルクによるワッシャ21の軸方向の弾性変形によって保持溝21aに挟持される緩み判定部材22と、を備え、緩み判定部材22は、締付トルクが所定値以下に低下した場合に、自重によって保持溝21aから離脱する、ことを特徴とする。
【解決手段】 ボルト11およびナット12a、12bの緩みを視認するための緩み判定具20であって、ボルト11およびナット12a、12bの螺合によって軸方向に押圧され、外周面に周方向に延びる保持溝21aが形成されたワッシャ21と、所定の締付けトルクによるワッシャ21の軸方向の弾性変形によって保持溝21aに挟持される緩み判定部材22と、を備え、緩み判定部材22は、締付トルクが所定値以下に低下した場合に、自重によって保持溝21aから離脱する、ことを特徴とする。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、部材を締結するボルトおよびナットなどの締結手段に生じた緩みを、遠く離れた位置から目視によって容易に確認することが可能な緩み判定具に関する。
【背景技術】
【0002】
送電線は、碍子を介して鉄塔に絶縁された状態で支持されている。碍子の先端部には、送電線をクランプする架線金具が設けられており、送電線の一部は架線金具に取付けられたボルトおよびナットを締め付けることによって碍子側に固定されている。架線金具のボルト、ナットは、経年により風や振動などの影響によってゆるんでくることがあるので、ボルトおよびナットに緩みが生じているか否かを定期的な巡視によりチェックしている。
【0003】
従来から、締結部の緩みを発見しやすくするための技術として、ばね座金の緩み表示器が知られている(例えば、特許文献1参照。)。このばね座金の緩み表示器は、ばね座金の段差部にばね材よりなる台部を固定し、台部には台部と一体で斜めに持ち上がった傾斜部を設け、傾斜部にはばね座金外周側面より外側に突起部を立てたものである。
【0004】
また、ボルトの締めつけを容易に確認することができ、しかもボルトの緩みをも検知することができるボルト締め付け確認具に関する技術が知られている(例えば、特許文献2参照。)。このボルト締め付け確認具は、多角形のボルト頭部に着脱自在に嵌合するキャップと、該キャップに一体的若しくは別体として取り付けたインジケータとを具備し、該インジケータの向きによって、ボルト締めつけの有無及びボルトの緩みを検知するものである。
【0005】
また、確実にねじの緩みが検知できる方法、及び緩み検知器に関する技術が知られている(例えば、特許文献3参照。)。この方法および装置は、ナットに回転方向の位置を示す目印を設け、ボルトに、基台をクリップ状の締結部材で形成し、目印に対向する基準片を備える基準部材を設ける。そして、基準片からの目印の変位を目視で検出して、ナットの緩みを検知するものである。
【0006】
さらに、ネジやボルトの緩みを検出することができるネジ緩み検出用被膜に関する技術が知られている(例えば、特許文献4参照。)。このネジ緩み検出用被膜は、ネジがゆるんだ際に当該被膜が発色しネジの緩みを視認できるようになるものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開平8−193613号公報
【特許文献2】特開平11−159513号公報
【特許文献3】特開2005−233289号公報
【特許文献4】特開2008−096236号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、送電線を固定する架線金具のボルトおよびナットの緩みをチェックするための巡視は、一般に地上やヘリコプタを利用して上空から目視によって行うので、ボルトおよびナットの緩みを発見しにくいという問題がある。すなわち、この巡視は、遠く離れた位置からボルトおよびナットの緩みを目視によって判断する必要があり、ボルトおよびナットの緩みを容易に発見できないという問題がある。
【0009】
また、特許文献1〜3に記載された技術はいずれも、締結部材に生じた緩みを、特定の部材の変位によって検知するものであり、この変位はごく小さいものである。このため、鉄塔上など高所で使用されている締結部材に適用した場合には、地上から変位を目視で確認するのは困難である。さらに、特許文献4に記載された発明は、ネジ締結部を通常通り締結した後に、当該被膜を塗布する必要があるため、手間と時間とを要する。
【0010】
部材を締結するボルトおよびナットなどの締結手段に生じた緩みを、遠く離れた位置から目視によって容易に確認する必要性は、送電線の巡視だけでなく、高層建築物などの他の分野においても存在する。
【0011】
そこで、この発明は、前記の課題を解決し、螺合によって部材を締結する締結手段に生じた緩みを、遠く離れた位置から目視によって容易に確認することが可能な緩み判定具を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0012】
前記の課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、螺合によって部材を締結する締結手段の緩みを視認するための緩み判定具であって、前記締結手段の螺合によって軸方向に押圧され、外周面に周方向に延びる保持溝が形成されたワッシャと、前記締結手段の所定の締付けトルクによる前記ワッシャの軸方向の弾性変形によって前記保持溝に挟持される緩み判定部材と、を備え、前記緩み判定部材は、前記締結手段の締付トルクが所定値以下に低下した場合に、自重によって前記保持溝から離脱する、ことを特徴とする。
【0013】
この発明によれば、締結手段の締付トルクが所定値以下に低下した場合に、自重によって保持溝から離脱する。
【0014】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載された締結部材用緩み検知具において、前記緩み判定部材は、半径方向外方に膨出し内周側が前記保持溝に挟持される挟持部と、前記挟持部の外周部から軸方向に延び所定の色彩が施された前記締結手段を覆う、軸心を中心として分割された被覆部を有していることを特徴とする。
【0015】
請求項3に記載の発明は、前記緩み判定部材の前記保持溝に挟持される部位は、先端部にいくにつれて厚みが徐々に小となるくさび状に形成されていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0016】
請求項1に記載の発明によれば、緩み判定部材は、締結手段の締付トルクが所定値以下に低下した場合に、自重によって保持溝から離脱するので、締結手段に緩みが生じていることを緩み判定部材の有無によって判断できる。これにより、遠く離れた位置からでも締結手段の緩みを目視によって容易に確認することができ、締結手段の緩み点検作業の能率を著しく高めることができる。
【0017】
請求項2に記載の発明によれば、緩み判定部材は、挟持部の外周部から軸方向に延び所定の色彩が施された締結手段を覆う分割被覆部を有しているので、緩み判定部材が自重によって保持溝から離脱した際は、所定の色彩が施された締結手段が露出することになり、締結手段の緩みの発見が著しく容易となる。
【0018】
請求項3に記載の発明によれば、緩み判定部材の保持溝に挟持される部位は、くさび状に形成されているので、締結手段に僅かな緩みが生じた場合でも、緩み判定部材は保持溝から離脱しやすくなり、緩み発生を早期に発見することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明の実施の形態1に係る緩み判定具を架線金具に取り付けた状態を示す正面図である。
【図2】図1の緩み判定具を取り付けた状態を示す正面図である。
【図3】図1の緩み判定具を取り付けた状態を示す正面図(一部断面)である。
【図4】図1の緩み判定具のワッシャを示す平面図である。
【図5】図1の緩み判定具のワッシャを示す側面図である。
【図6】図4のA−A断面図である。
【図7】図1の緩み判定具の緩み判定部材を示す平面図である。
【図8】図7の断面図である。
【図9】図2のナットが緩み、緩み判定具が脱落した状態を示す正面図である。
【図10】図3のナットが緩み、緩み判定具が脱落した状態を示す正面図である。
【図11】図1の緩み判定具を示す分解斜視図である。
【図12】本発明の実施の形態2に係る緩み判定具を取り付けた状態を示す正面図である。
【図13】図12の緩み判定具を取り付けた状態を示す正面図(一部断面)である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
つぎに、この発明の実施の形態について図面を用いて詳しく説明する。
【0021】
(実施の形態1)
図1ないし図11は、この発明の実施の形態1を示している。緩み判定具20は、図1に示すように、送電線Eと碍子100とを固定する架線金具10の締結手段としてのボルト11およびナット12a、12bの緩みを視認するものである。
【0022】
すなわち、架線金具10は、図1に示すように、碍子100の先端部に設けられ、送電線Eをクランプするもので、この架線金具10に取り付けられたボルト11およびナット12a、12bを螺合して締め付けることによって、送電線Eは碍子100側に固定され、さらに碍子100は鉄塔Tに固定されるようになっている。ここで、ナット12a、12bには、後述する緩み判定部材22とは異なる色彩(例えば、赤色)が施されている。
【0023】
緩み判定具20は、図2、図3に示すように、ワッシャ21と緩み判定部材22とを備えている。ワッシャ21は、図4に示すように、円環上で、ボルト11およびナット12a、12bの螺合によって軸方向に押圧されて挟持され、図5、図6に示すように、外周面の略中央部に周方向に全周に亘って延びる保持溝21aが形成されている。この保持溝21aは、外周側から内周側に向かってテーパがつけられ、くびれ状に形成されている。ここで、ワッシャ21の外周は、ナット12a、12bの外周よりも大に設定され、保持溝21aの内周はナット12a、12bの外周よりも小に設定されている。また、ワッシャ21は、ボルト11およびナット12a、12bの締付トルクが所定値以上の場合は、ボルト11およびナット12a、12bによって軸方向に押圧されて弾性変形するようになっている。さらにまた、ワッシャ21の外周には、緩み判定部材22とは異なる色彩(例えば、赤色)が施されている。
【0024】
緩み判定部材22は、図3に示すように、ボルト11およびナット12a、12bの所定の締付けトルクによるワッシャ21の軸方向の押圧による弾性変形によって、保持溝21aに挟持されるものである。この緩み判定部材22は、図7、図8に示すように、半径方向外方に膨出し内周側が保持溝21aに挟持される挟持部22aと、挟持部22aの外周部から軸方向に延び所定の色彩(例えば、青色)が施されたボルト11およびナット12を覆う半円筒状の被覆部22bを有している。挟持部22aは、図3に示すように、先端部にいくにつれて厚みが徐々に小となるくさび状に形成され、内周はワッシャ21の保持溝21aの内周と等しく、保持溝21aと係合可能となっている。この挟持部22aは、ボルト11およびナットナット12a、12bの締付トルクが所定値以下の場合は、保持溝21aと当接し、ボルト11およびナット12a、12bの締付トルクが所定値以上の場合は、保持溝21aに押圧されて狭持さるようになっている。また、挟持部22aの外周(被覆部22bの内周)は、ワッシャ21およびナット12a、12bの外周よりも大に設定されている。つまり、被覆部22bの内周とナット12a、12bとの間に形成された空間部Sにおいて、ラチェットなどの工具が使用可能となっている。また、この緩み判定部材22は、被覆部22bが遠く離れた位置からでも視認可能となる方向に配置され、細いワイヤなどの線状材(図示略)によって架線金具10に固定されている。
【0025】
そして、後述するように、この緩み判定部材22は、ワッシャ21の保持溝21aに狭持部22aを係合させ、かつ、ボルト11およびナット12a、12bが締結されてワッシャ21が狭持された状態で、ワッシャ21の保持溝21aによって狭持部22aが狭持されるようになっている。さらに、緩み判定部材22は、ボルト11およびナット12a、12bの締付トルクが所定値以下に低下した場合に、図9、図10に示すように、自重によって保持溝21aから離脱するようになっている。
【0026】
次に、このような構成の緩み判定具20の取付方法および作用について説明する。まず、図11に示すように、ワッシャ21、ナット12a、12bの順にこれらの孔を架線金具10のボルト11に挿入し、さらに、緩み判定部材22の狭持部22aをワッシャ21の保持溝21aに係合させるようにして位置させる。ここで、緩み判定部材22は、被覆部22bが遠く離れた位置からでも視認可能となる方向に位置させる。そして、2つのナット12a、12bを締め付ける。これにより、図2、図3に示すように、挟持部22aは保持溝21aによって軸方向に押圧され、緩み判定具20が架線金具10に取り付けられる。このとき、ワッシャ21およびナット12aは、被覆部22bによって外周が覆われた状態となっているため、遠く離れた位置からでも架線金具10の締結部には青色に着色された被覆部22bを視認することができる。
【0027】
そして、ボルト11およびナット12a、12bに緩みが生じた場合は、緩み判定部材22の狭持部22aへの押圧が解放され、緩み判定部材22は保持溝21aから離脱しやすくなる。その後、図9、図10に示すように、緩み判定部材22が保持溝21aから離脱した場合には、ワッシャ21、ナット12aの赤色が露出することになる。緩み判定部材22は、細いワイヤ(図示略)を介して架線金具10に一端が連結されているので、ワッシャ21から離脱しても、地上に落下することはない。
【0028】
このようにして、架線金具10の点検時には、地上またはヘリから架線金具10の締結部を確認し、青色に着色された被覆部22bを確認することができれば、ボルト11およびナット12a、12bには緩みが生じていないことが分かる。また、青色に着色された被覆部22bが確認できず、ワッシャ21、ナット12aの赤色が露出していることが確認されれば、ボルト11およびナット12a、12bには緩みが生じていることが分かる。そして、緩みが生じている箇所については、作業員が昇塔し、離脱した緩み判定部材22を所定位置に戻した状態でボルト11およびナット12a、12bを所定値以上の締付トルクで再度螺合し、締結させる。
【0029】
以上のように、この緩み判定具20によれば、緩み判定部材22は、ボルト11およびナット12a、12bの締付トルクが所定値以下に低下した場合に、自重によって保持溝21aから離脱するので、ボルト11およびナット12a、12bに緩みが生じていることを緩み判定部材22の有無や色彩によって判断できる。これにより、遠く離れた位置からでもボルト11およびナット12a、12bの緩みを目視によって容易に確認することができ、ボルト11およびナット12a、12bの緩み点検作業の能率を著しく高めることができる。
【0030】
また、緩み判定部材22は、挟持部22aの外周部から軸方向に延び青色の色彩が施されたボルト11およびナット12aを覆う半円筒状の被覆部22bを有しているので、緩み判定部材22が自重によって保持溝21aから離脱した際は、緩み判定部材22とは異なる赤色が施されたワッシャ21およびナット12aが露出することになり、ボルト11およびナット12a、12bの緩みの発見が著しく容易となる。
【0031】
さらに、緩み判定部材22の保持溝21aに挟持される部位は、くさび状に形成されているので、ボルト11およびナット12a、12bに僅かな緩みが生じた場合でも、緩み判定部材22は保持溝21aから離脱しやすくなり、緩み発生を早期に発見することが可能となる。
【0032】
さらに、既設の架線金具10に変更を加えずに、緩み判定具20を取り付けることができるため、既設のすべての架線金具10に対して、容易に緩み判定具20を適用することができる。
【0033】
(実施の形態2)
図12、図13は、この発明の実施の形態2を示している。この実施の形態では、ワッシャ23の保持溝23a、緩み判定部材24の狭持部24aが、実施の形態1のワッシャ21の保持溝21a、緩み判定部材22の狭持部22aと異なる。このため、実施の形態1と同等の構成については、同一符号を付することで、その説明を省略する。
【0034】
ワッシャ23の保持溝23aは、ワッシャ23の軸方向の下端部側(台座10aと当接する側)の外周に沿って形成されている。つまり、保持溝23aは、ワッシャ23の外周面の下端を周方向に沿ってテーパを付けて切り落とした形状に形成されている。
【0035】
緩み判定部材24の狭持部24aは、図12に示すように、下面側は水平に保たれ、上面側は傾斜するように形成され、内周はワッシャ23の保持溝23aの内周と等しく、保持溝23aと係合可能なくさび形状となっている。
【0036】
そして、このような保持溝23aに狭持部24aを係合させた状態で、ボルト11およびナット12a、12bを締結すると、狭持部24aは保持溝23aと台座10aとによって、軸方向に押圧されて挟持される。
【0037】
このような実施の形態によれば、緩み判定部材24が取り付けられた状態では、被覆部24bによってワッシャ23の全体が被覆されるので、ワッシャ23が全く外観に現れず、緩み判定部材24が離脱した場合との差異がより明確になり、視認しやすくなる。
【0038】
以上、この発明の実施の形態について説明したが、具体的な構成は、これらの実施の形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計の変更等があっても、この発明に含まれる。例えば、実施の形態1のワッシャ21aとナット12a、12bは赤色に、緩み判定部材22aは青色に着色されたものとして説明したが、ワッシャ21aとナット12a、12bまたは緩み判定部材22aのいずれか一方のみを着色するようにしてもよい。また、ワッシャ21の保持溝21a、緩み判定部材22の狭持部22aは、全周に亘って形成されるようにして説明したが、一部分のみに形成するようにしてもよい。さらにまた、締結手段としてボルト11およびナット12a、12bを例として説明したが、螺合によって部材を締結するものであれば、ボルト11およびナット12a、12bに限らず適用可能である。さらに、架線金具10に限らず、高層建築物などの締結部など遠く離れた位置から目視によって確認する必要が高いものに適用できることはもちろんである。
【符号の説明】
【0039】
10 架線金具
11 ボルト(締結手段)
12 ナット(締結手段)
20 緩み判定具
21 ワッシャ
21a 保持溝
22 緩み判定部材
22a 挟持部
22b 被覆部
100 碍子
E 送電線
T 鉄塔
【技術分野】
【0001】
この発明は、部材を締結するボルトおよびナットなどの締結手段に生じた緩みを、遠く離れた位置から目視によって容易に確認することが可能な緩み判定具に関する。
【背景技術】
【0002】
送電線は、碍子を介して鉄塔に絶縁された状態で支持されている。碍子の先端部には、送電線をクランプする架線金具が設けられており、送電線の一部は架線金具に取付けられたボルトおよびナットを締め付けることによって碍子側に固定されている。架線金具のボルト、ナットは、経年により風や振動などの影響によってゆるんでくることがあるので、ボルトおよびナットに緩みが生じているか否かを定期的な巡視によりチェックしている。
【0003】
従来から、締結部の緩みを発見しやすくするための技術として、ばね座金の緩み表示器が知られている(例えば、特許文献1参照。)。このばね座金の緩み表示器は、ばね座金の段差部にばね材よりなる台部を固定し、台部には台部と一体で斜めに持ち上がった傾斜部を設け、傾斜部にはばね座金外周側面より外側に突起部を立てたものである。
【0004】
また、ボルトの締めつけを容易に確認することができ、しかもボルトの緩みをも検知することができるボルト締め付け確認具に関する技術が知られている(例えば、特許文献2参照。)。このボルト締め付け確認具は、多角形のボルト頭部に着脱自在に嵌合するキャップと、該キャップに一体的若しくは別体として取り付けたインジケータとを具備し、該インジケータの向きによって、ボルト締めつけの有無及びボルトの緩みを検知するものである。
【0005】
また、確実にねじの緩みが検知できる方法、及び緩み検知器に関する技術が知られている(例えば、特許文献3参照。)。この方法および装置は、ナットに回転方向の位置を示す目印を設け、ボルトに、基台をクリップ状の締結部材で形成し、目印に対向する基準片を備える基準部材を設ける。そして、基準片からの目印の変位を目視で検出して、ナットの緩みを検知するものである。
【0006】
さらに、ネジやボルトの緩みを検出することができるネジ緩み検出用被膜に関する技術が知られている(例えば、特許文献4参照。)。このネジ緩み検出用被膜は、ネジがゆるんだ際に当該被膜が発色しネジの緩みを視認できるようになるものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開平8−193613号公報
【特許文献2】特開平11−159513号公報
【特許文献3】特開2005−233289号公報
【特許文献4】特開2008−096236号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、送電線を固定する架線金具のボルトおよびナットの緩みをチェックするための巡視は、一般に地上やヘリコプタを利用して上空から目視によって行うので、ボルトおよびナットの緩みを発見しにくいという問題がある。すなわち、この巡視は、遠く離れた位置からボルトおよびナットの緩みを目視によって判断する必要があり、ボルトおよびナットの緩みを容易に発見できないという問題がある。
【0009】
また、特許文献1〜3に記載された技術はいずれも、締結部材に生じた緩みを、特定の部材の変位によって検知するものであり、この変位はごく小さいものである。このため、鉄塔上など高所で使用されている締結部材に適用した場合には、地上から変位を目視で確認するのは困難である。さらに、特許文献4に記載された発明は、ネジ締結部を通常通り締結した後に、当該被膜を塗布する必要があるため、手間と時間とを要する。
【0010】
部材を締結するボルトおよびナットなどの締結手段に生じた緩みを、遠く離れた位置から目視によって容易に確認する必要性は、送電線の巡視だけでなく、高層建築物などの他の分野においても存在する。
【0011】
そこで、この発明は、前記の課題を解決し、螺合によって部材を締結する締結手段に生じた緩みを、遠く離れた位置から目視によって容易に確認することが可能な緩み判定具を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0012】
前記の課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、螺合によって部材を締結する締結手段の緩みを視認するための緩み判定具であって、前記締結手段の螺合によって軸方向に押圧され、外周面に周方向に延びる保持溝が形成されたワッシャと、前記締結手段の所定の締付けトルクによる前記ワッシャの軸方向の弾性変形によって前記保持溝に挟持される緩み判定部材と、を備え、前記緩み判定部材は、前記締結手段の締付トルクが所定値以下に低下した場合に、自重によって前記保持溝から離脱する、ことを特徴とする。
【0013】
この発明によれば、締結手段の締付トルクが所定値以下に低下した場合に、自重によって保持溝から離脱する。
【0014】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載された締結部材用緩み検知具において、前記緩み判定部材は、半径方向外方に膨出し内周側が前記保持溝に挟持される挟持部と、前記挟持部の外周部から軸方向に延び所定の色彩が施された前記締結手段を覆う、軸心を中心として分割された被覆部を有していることを特徴とする。
【0015】
請求項3に記載の発明は、前記緩み判定部材の前記保持溝に挟持される部位は、先端部にいくにつれて厚みが徐々に小となるくさび状に形成されていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0016】
請求項1に記載の発明によれば、緩み判定部材は、締結手段の締付トルクが所定値以下に低下した場合に、自重によって保持溝から離脱するので、締結手段に緩みが生じていることを緩み判定部材の有無によって判断できる。これにより、遠く離れた位置からでも締結手段の緩みを目視によって容易に確認することができ、締結手段の緩み点検作業の能率を著しく高めることができる。
【0017】
請求項2に記載の発明によれば、緩み判定部材は、挟持部の外周部から軸方向に延び所定の色彩が施された締結手段を覆う分割被覆部を有しているので、緩み判定部材が自重によって保持溝から離脱した際は、所定の色彩が施された締結手段が露出することになり、締結手段の緩みの発見が著しく容易となる。
【0018】
請求項3に記載の発明によれば、緩み判定部材の保持溝に挟持される部位は、くさび状に形成されているので、締結手段に僅かな緩みが生じた場合でも、緩み判定部材は保持溝から離脱しやすくなり、緩み発生を早期に発見することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明の実施の形態1に係る緩み判定具を架線金具に取り付けた状態を示す正面図である。
【図2】図1の緩み判定具を取り付けた状態を示す正面図である。
【図3】図1の緩み判定具を取り付けた状態を示す正面図(一部断面)である。
【図4】図1の緩み判定具のワッシャを示す平面図である。
【図5】図1の緩み判定具のワッシャを示す側面図である。
【図6】図4のA−A断面図である。
【図7】図1の緩み判定具の緩み判定部材を示す平面図である。
【図8】図7の断面図である。
【図9】図2のナットが緩み、緩み判定具が脱落した状態を示す正面図である。
【図10】図3のナットが緩み、緩み判定具が脱落した状態を示す正面図である。
【図11】図1の緩み判定具を示す分解斜視図である。
【図12】本発明の実施の形態2に係る緩み判定具を取り付けた状態を示す正面図である。
【図13】図12の緩み判定具を取り付けた状態を示す正面図(一部断面)である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
つぎに、この発明の実施の形態について図面を用いて詳しく説明する。
【0021】
(実施の形態1)
図1ないし図11は、この発明の実施の形態1を示している。緩み判定具20は、図1に示すように、送電線Eと碍子100とを固定する架線金具10の締結手段としてのボルト11およびナット12a、12bの緩みを視認するものである。
【0022】
すなわち、架線金具10は、図1に示すように、碍子100の先端部に設けられ、送電線Eをクランプするもので、この架線金具10に取り付けられたボルト11およびナット12a、12bを螺合して締め付けることによって、送電線Eは碍子100側に固定され、さらに碍子100は鉄塔Tに固定されるようになっている。ここで、ナット12a、12bには、後述する緩み判定部材22とは異なる色彩(例えば、赤色)が施されている。
【0023】
緩み判定具20は、図2、図3に示すように、ワッシャ21と緩み判定部材22とを備えている。ワッシャ21は、図4に示すように、円環上で、ボルト11およびナット12a、12bの螺合によって軸方向に押圧されて挟持され、図5、図6に示すように、外周面の略中央部に周方向に全周に亘って延びる保持溝21aが形成されている。この保持溝21aは、外周側から内周側に向かってテーパがつけられ、くびれ状に形成されている。ここで、ワッシャ21の外周は、ナット12a、12bの外周よりも大に設定され、保持溝21aの内周はナット12a、12bの外周よりも小に設定されている。また、ワッシャ21は、ボルト11およびナット12a、12bの締付トルクが所定値以上の場合は、ボルト11およびナット12a、12bによって軸方向に押圧されて弾性変形するようになっている。さらにまた、ワッシャ21の外周には、緩み判定部材22とは異なる色彩(例えば、赤色)が施されている。
【0024】
緩み判定部材22は、図3に示すように、ボルト11およびナット12a、12bの所定の締付けトルクによるワッシャ21の軸方向の押圧による弾性変形によって、保持溝21aに挟持されるものである。この緩み判定部材22は、図7、図8に示すように、半径方向外方に膨出し内周側が保持溝21aに挟持される挟持部22aと、挟持部22aの外周部から軸方向に延び所定の色彩(例えば、青色)が施されたボルト11およびナット12を覆う半円筒状の被覆部22bを有している。挟持部22aは、図3に示すように、先端部にいくにつれて厚みが徐々に小となるくさび状に形成され、内周はワッシャ21の保持溝21aの内周と等しく、保持溝21aと係合可能となっている。この挟持部22aは、ボルト11およびナットナット12a、12bの締付トルクが所定値以下の場合は、保持溝21aと当接し、ボルト11およびナット12a、12bの締付トルクが所定値以上の場合は、保持溝21aに押圧されて狭持さるようになっている。また、挟持部22aの外周(被覆部22bの内周)は、ワッシャ21およびナット12a、12bの外周よりも大に設定されている。つまり、被覆部22bの内周とナット12a、12bとの間に形成された空間部Sにおいて、ラチェットなどの工具が使用可能となっている。また、この緩み判定部材22は、被覆部22bが遠く離れた位置からでも視認可能となる方向に配置され、細いワイヤなどの線状材(図示略)によって架線金具10に固定されている。
【0025】
そして、後述するように、この緩み判定部材22は、ワッシャ21の保持溝21aに狭持部22aを係合させ、かつ、ボルト11およびナット12a、12bが締結されてワッシャ21が狭持された状態で、ワッシャ21の保持溝21aによって狭持部22aが狭持されるようになっている。さらに、緩み判定部材22は、ボルト11およびナット12a、12bの締付トルクが所定値以下に低下した場合に、図9、図10に示すように、自重によって保持溝21aから離脱するようになっている。
【0026】
次に、このような構成の緩み判定具20の取付方法および作用について説明する。まず、図11に示すように、ワッシャ21、ナット12a、12bの順にこれらの孔を架線金具10のボルト11に挿入し、さらに、緩み判定部材22の狭持部22aをワッシャ21の保持溝21aに係合させるようにして位置させる。ここで、緩み判定部材22は、被覆部22bが遠く離れた位置からでも視認可能となる方向に位置させる。そして、2つのナット12a、12bを締め付ける。これにより、図2、図3に示すように、挟持部22aは保持溝21aによって軸方向に押圧され、緩み判定具20が架線金具10に取り付けられる。このとき、ワッシャ21およびナット12aは、被覆部22bによって外周が覆われた状態となっているため、遠く離れた位置からでも架線金具10の締結部には青色に着色された被覆部22bを視認することができる。
【0027】
そして、ボルト11およびナット12a、12bに緩みが生じた場合は、緩み判定部材22の狭持部22aへの押圧が解放され、緩み判定部材22は保持溝21aから離脱しやすくなる。その後、図9、図10に示すように、緩み判定部材22が保持溝21aから離脱した場合には、ワッシャ21、ナット12aの赤色が露出することになる。緩み判定部材22は、細いワイヤ(図示略)を介して架線金具10に一端が連結されているので、ワッシャ21から離脱しても、地上に落下することはない。
【0028】
このようにして、架線金具10の点検時には、地上またはヘリから架線金具10の締結部を確認し、青色に着色された被覆部22bを確認することができれば、ボルト11およびナット12a、12bには緩みが生じていないことが分かる。また、青色に着色された被覆部22bが確認できず、ワッシャ21、ナット12aの赤色が露出していることが確認されれば、ボルト11およびナット12a、12bには緩みが生じていることが分かる。そして、緩みが生じている箇所については、作業員が昇塔し、離脱した緩み判定部材22を所定位置に戻した状態でボルト11およびナット12a、12bを所定値以上の締付トルクで再度螺合し、締結させる。
【0029】
以上のように、この緩み判定具20によれば、緩み判定部材22は、ボルト11およびナット12a、12bの締付トルクが所定値以下に低下した場合に、自重によって保持溝21aから離脱するので、ボルト11およびナット12a、12bに緩みが生じていることを緩み判定部材22の有無や色彩によって判断できる。これにより、遠く離れた位置からでもボルト11およびナット12a、12bの緩みを目視によって容易に確認することができ、ボルト11およびナット12a、12bの緩み点検作業の能率を著しく高めることができる。
【0030】
また、緩み判定部材22は、挟持部22aの外周部から軸方向に延び青色の色彩が施されたボルト11およびナット12aを覆う半円筒状の被覆部22bを有しているので、緩み判定部材22が自重によって保持溝21aから離脱した際は、緩み判定部材22とは異なる赤色が施されたワッシャ21およびナット12aが露出することになり、ボルト11およびナット12a、12bの緩みの発見が著しく容易となる。
【0031】
さらに、緩み判定部材22の保持溝21aに挟持される部位は、くさび状に形成されているので、ボルト11およびナット12a、12bに僅かな緩みが生じた場合でも、緩み判定部材22は保持溝21aから離脱しやすくなり、緩み発生を早期に発見することが可能となる。
【0032】
さらに、既設の架線金具10に変更を加えずに、緩み判定具20を取り付けることができるため、既設のすべての架線金具10に対して、容易に緩み判定具20を適用することができる。
【0033】
(実施の形態2)
図12、図13は、この発明の実施の形態2を示している。この実施の形態では、ワッシャ23の保持溝23a、緩み判定部材24の狭持部24aが、実施の形態1のワッシャ21の保持溝21a、緩み判定部材22の狭持部22aと異なる。このため、実施の形態1と同等の構成については、同一符号を付することで、その説明を省略する。
【0034】
ワッシャ23の保持溝23aは、ワッシャ23の軸方向の下端部側(台座10aと当接する側)の外周に沿って形成されている。つまり、保持溝23aは、ワッシャ23の外周面の下端を周方向に沿ってテーパを付けて切り落とした形状に形成されている。
【0035】
緩み判定部材24の狭持部24aは、図12に示すように、下面側は水平に保たれ、上面側は傾斜するように形成され、内周はワッシャ23の保持溝23aの内周と等しく、保持溝23aと係合可能なくさび形状となっている。
【0036】
そして、このような保持溝23aに狭持部24aを係合させた状態で、ボルト11およびナット12a、12bを締結すると、狭持部24aは保持溝23aと台座10aとによって、軸方向に押圧されて挟持される。
【0037】
このような実施の形態によれば、緩み判定部材24が取り付けられた状態では、被覆部24bによってワッシャ23の全体が被覆されるので、ワッシャ23が全く外観に現れず、緩み判定部材24が離脱した場合との差異がより明確になり、視認しやすくなる。
【0038】
以上、この発明の実施の形態について説明したが、具体的な構成は、これらの実施の形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計の変更等があっても、この発明に含まれる。例えば、実施の形態1のワッシャ21aとナット12a、12bは赤色に、緩み判定部材22aは青色に着色されたものとして説明したが、ワッシャ21aとナット12a、12bまたは緩み判定部材22aのいずれか一方のみを着色するようにしてもよい。また、ワッシャ21の保持溝21a、緩み判定部材22の狭持部22aは、全周に亘って形成されるようにして説明したが、一部分のみに形成するようにしてもよい。さらにまた、締結手段としてボルト11およびナット12a、12bを例として説明したが、螺合によって部材を締結するものであれば、ボルト11およびナット12a、12bに限らず適用可能である。さらに、架線金具10に限らず、高層建築物などの締結部など遠く離れた位置から目視によって確認する必要が高いものに適用できることはもちろんである。
【符号の説明】
【0039】
10 架線金具
11 ボルト(締結手段)
12 ナット(締結手段)
20 緩み判定具
21 ワッシャ
21a 保持溝
22 緩み判定部材
22a 挟持部
22b 被覆部
100 碍子
E 送電線
T 鉄塔
【特許請求の範囲】
【請求項1】
螺合によって部材を締結する締結手段の緩みを視認するための緩み判定具であって、
前記締結手段の螺合によって軸方向に押圧され、外周面に周方向に延びる保持溝が形成されたワッシャと、
前記締結手段の所定の締付けトルクによる前記ワッシャの軸方向の押圧によって前記保持溝に挟持される緩み判定部材と、を備え、
前記緩み判定部材は、前記締結手段の締付トルクが所定値以下に低下した場合に、自重によって前記保持溝から離脱する、
ことを特徴とする緩み判定具。
【請求項2】
前記緩み判定部材は、半径方向外方に膨出し内周側が前記保持溝に挟持される挟持部と、前記挟持部の外周部から軸方向に延びるとともに所定の色彩が施された前記締結手段を覆う周方向に分割された被覆部を有していることを特徴とする請求項1に記載の緩み判定具。
【請求項3】
前記緩み判定部材の前記保持溝に挟持される部位は、先端部にいくにつれて厚みが徐々に小となるくさび状に形成されていることを特徴とする請求項1に記載の緩み判定具。
【請求項1】
螺合によって部材を締結する締結手段の緩みを視認するための緩み判定具であって、
前記締結手段の螺合によって軸方向に押圧され、外周面に周方向に延びる保持溝が形成されたワッシャと、
前記締結手段の所定の締付けトルクによる前記ワッシャの軸方向の押圧によって前記保持溝に挟持される緩み判定部材と、を備え、
前記緩み判定部材は、前記締結手段の締付トルクが所定値以下に低下した場合に、自重によって前記保持溝から離脱する、
ことを特徴とする緩み判定具。
【請求項2】
前記緩み判定部材は、半径方向外方に膨出し内周側が前記保持溝に挟持される挟持部と、前記挟持部の外周部から軸方向に延びるとともに所定の色彩が施された前記締結手段を覆う周方向に分割された被覆部を有していることを特徴とする請求項1に記載の緩み判定具。
【請求項3】
前記緩み判定部材の前記保持溝に挟持される部位は、先端部にいくにつれて厚みが徐々に小となるくさび状に形成されていることを特徴とする請求項1に記載の緩み判定具。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2012−92950(P2012−92950A)
【公開日】平成24年5月17日(2012.5.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−242908(P2010−242908)
【出願日】平成22年10月29日(2010.10.29)
【出願人】(000211307)中国電力株式会社 (6,505)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年5月17日(2012.5.17)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年10月29日(2010.10.29)
【出願人】(000211307)中国電力株式会社 (6,505)
【Fターム(参考)】
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