説明

緩下剤

【課題】保存中に崩壊性が損なわれることなく、使用感に優れ、緩下作用を速効的かつ効率的に個人差も無く発現する緩下剤を提供することを目的とする。
【解決手段】塩類下剤(例えば、酸化マグネシウムなど)、ジメチルポリシロキサン、ラウリル硫酸ナトリウムおよび糖アルコール(例えば、キシリトールなど)を含有することを特徴とする緩下剤。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、塩類下剤、ジメチルポリシロキサン、ラウリル硫酸ナトリウムおよび糖アルコールを含有することを特徴とする緩下剤に関する。
【背景技術】
【0002】
酸化マグネシウムなどの塩類下剤は、腸内で難溶性の塩(例えば、炭酸塩、重炭酸塩)となって浸透圧を上げ、腸管内容物に水分を引き込み、この刺激により腸管の蠕動運動を亢進して緩下作用を示す。このため、塩類下剤は副作用の少ない緩下剤として用いられている。しかしながら、塩類下剤を単独で使用する場合は、緩下作用を奏するものの、その作用の発現までに時間を要し、またその作用の発現について個人差があるという問題がある。
【0003】
この問題を解決するために、酸化マグネシウムにプランタゴオバタを配合した製剤が提案されている(特許文献1)。しかしながら、この製剤は、緩下作用を発現するまでの時間がなお不十分であった。そこで、本発明者らは先に、塩類下剤にジメチルポリシロキサンを配合することにより緩下作用を発現するまでの時間を十分短縮でき、かつ緩下作用の発現の個人差についても改善が見られることを見出し、特許出願を行った(特願2005−199433号)。
しかしながら、ジメチルポリシロキサンを配合した錠剤とした場合、該錠剤の崩壊性が保存中に悪くなり、製品の安定性という点で不具合が見られた。
【特許文献1】特開2001−199894号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、ジメチルポリシロキサンを配合しても、経時的な崩壊性の悪化がなく、服用感に優れ、緩下作用を速効的かつ効率的に個人差も無く発現する緩下剤を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、塩類下剤とジメチルポリシロキサンとを配合する緩下剤にさらにラウリル硫酸ナトリウムと糖アルコールとを配合することにより、ジメチルポリシロキサンの有する“作用発現までの時間短縮効果”を保持しつつ、経時的な崩壊性の悪化がなく、かつ刺激性がなく、服用感が良好な緩下剤が得られることを見出し、この知見に基づいてさらに研究を進め、本発明を完成するに至った。
【0006】
すなわち、本発明は、
(1) (a)塩類下剤、(b)ジメチルポリシロキサン、(c)ラウリル硫酸ナトリウムおよび(d)糖アルコールを含有することを特徴とする緩下剤、
(2) 塩類下剤が酸化マグネシウムまたは水酸化マグネシウムであることを特徴とする前記(1)の緩下剤、
(3) 塩類下剤が酸化マグネシウムであることを特徴とする前記(1)記載の緩下剤、
(4) 糖アルコールが、キシリトール、エリスリトール、ソルビトールまたはマンニトールである前記(1)〜(3)のいずれかに記載の緩下剤、
(5) 糖アルコールが、キシリトールである前記(1)〜(3)のいずれかに記載の緩下剤、
(6) ジメチルポリシロキサンの配合量が、塩類下剤1質量部に対して0.01〜0.6質量部である前記(1)に記載の緩下剤、
(7) ラウリル硫酸ナトリウムの配合量が、ジメチルポリシロキサン1質量部に対して0.14〜0.33質量部である前記(1)に記載の緩下剤、
(8) 糖アルコールの配合量が、ラウリル硫酸ナトリウム1質量部に対して0.17〜12質量部である前記(1)に記載の緩下剤、
(9) 塩類下剤1質量部に対して、ジメチルポリシロキサン0.01〜0.6質量部、ラウリル硫酸ナトリウム0.0125〜0.03質量部および糖アルコール0.0025〜0.15質量部を含有する前記(1)記載の緩下剤、
(10) 塩類下剤が酸化マグネシウムまたは水酸化マグネシウムであり、その配合量が1日当たり500〜2500mgの投与量となるような量である前記(9)記載の緩下剤、
(11) さらに、結晶セルロースを含有することを特徴とする前記(1)〜(10)のいずれかに記載の緩下剤、および
(12) さらに、クロスカルメロースナトリウムまたはカルメロースカルシウムを含有することを特徴とする前記(1)〜(11)にいずれかに記載の緩下剤
に関する。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、保存中に崩壊性が悪化することなく、使用感に優れ、緩下作用を速効的かつ効率的に個人差も無く発現する緩下剤が提供される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
本発明の緩下剤は、(a)塩類下剤、(b)ジメチルポリシロキサン、(c)ラウリル硫酸ナトリウムおよび(d)糖アルコールを含有することを特徴とする。
【0009】
本発明に用いられる塩類下剤としては、例えば、酸化マグネシウム、水酸化マグネシウム、硫酸マグネシウム、炭酸マグネシウムなどが挙げられ、好ましくは酸化マグネシウムまたは水酸化マグネシウムである。これらは単独でまたは二種以上を混合して用いることができる。塩類下剤の配合量は、緩下剤全体に対して、好ましくは35〜80質量%、より好ましくは40〜75質量%である。通常、塩類下剤の配合量は、1日当たり500〜2500mgの投与量となるような量である。
なお、塩類下剤として、酸化マグネシウムを用いる場合は、ジメチルポリシロキサンを分散しやすくするために、粒度分布の異なるものの混合物を用いるのが好ましい。例えば、500μm(ふるいのサイズ)を99%以上通過し、75μmを通過するものが10%以下の粒度分布をもつ酸化マグネシウム(細粒グレード)と75μmを通過するものが80%以上の粒度分布をもつ酸化マグネシウム(Gグレード)が、1:0.5〜2の質量比である混合物を用いるのが好ましい。
【0010】
また、本発明におけるジメチルポリシロキサン[一般名:ジメチコン(Dimethicone)]は、CH[(CHSiO]Si(CHの分子式を有するシリコーン油の1種である。本発明に係るジメチルポリシロキサンとしては、特に限定されないが、25℃における動粘度が20〜3000mm/sのものが好ましく、100〜1000mm/sのものがより好ましく、100〜500mm/sのものがさらに好ましい。なお、動粘度は、日本工業規格(JIS Z 8803 液体の粘度−測定方法)に記載の方法などに従って測定される。
ジメチルポリシロキサンの配合量は、塩類下剤1質量部に対して、好ましくは0.01〜0.6質量部であり、より好ましくは0.08〜0.5質量部であり、さらに好ましくは0.1〜0.4質量部である。
【0011】
本発明におけるラウリル硫酸ナトリウムとは、CH(CH10CHSONaの分子式を有する陰イオン界面活性剤の一種である。ラウリル硫酸ナトリウムの配合量は、特に制限されないが、ジメチルポリシロキサン1質量部に対して、好ましくは0.14〜0.33質量部であり、より好ましくは0.14〜0.28質量部であり、さらに好ましくは0.16〜0.25質量部である。
【0012】
本発明に用いられる糖アルコールとしては、例えば、キシリトール、エリスリトール、ソルビトール、マンニトールなどが挙げられ、これらのうち、好ましくはキシリトールである。糖アルコールの配合量は、特に制限されないが、ラウリル硫酸ナトリウム1質量部に対して、好ましくは0.17〜12質量部であり、より好ましくは0.2〜4.4質量部であり、さらに好ましくは0.21〜2.4質量部である。
【0013】
本発明の緩下剤の成分である塩類下剤、ジメチルポリシロキサン、ラウリル硫酸ナトリウムおよび糖アルコールの配合比率は、塩類下剤1質量部に対して、ジメチルポリシロキサンが0.01〜0.6質量部、ラウリル硫酸ナトリウムが0.0125〜0.03質量部および糖アルコールが0.0025〜0.15質量部であるのが好ましい。
【0014】
本発明に係る緩下剤の剤形は、経口投与可能なものであれば限定されるものではないが、例えば、錠剤、顆粒剤などが挙げられ、好ましくは錠剤である。
【0015】
本発明の緩下剤が錠剤または顆粒剤として製造される場合において、錠剤または顆粒に適度な硬度や崩壊性を持たせるために、上記成分(a)〜(d)に加えて、さらに適当な結合剤や崩壊剤などを配合することができる。
【0016】
かかる結合剤としては、例えば、結晶セルロース、ゼラチン、アラビアゴム、ポリビニルピロリドン、エチルセルロースなどが挙げられるが、特に結晶セルロースが好ましい。結晶セルロースとしては、例えば、市販のセオラス(登録商標、旭化成ケミカルズ株式会社)、セルフィア(登録商標、旭化成ケミカルズ株式会社)、VIVAPUR(東亜化成株式会社)などを用いることができる。
【0017】
本発明の緩下剤における上記結晶セルロースの含有率は、特に限定されないが、12〜30質量%であり、好ましくは15〜20質量%である。
【0018】
また、崩壊剤としては、例えば、クロスカルメロースナトリウム、カルメロースカルシウム、デンプン(例えば、トウモロコシデンプン、バレイショデンプンなど)、低置換度ヒドロキシプロピルセルロースなどが挙げられるが、クロスカルメロースナトリウムまたはカルメロースカルシウムがとりわけ好ましい。クロスカルメロースナトリウムとしては、例えば、市販のキッコレート(登録商標、旭化成ケミカルズ株式会社)などを用いることができる。
【0019】
本発明の緩下剤における上記クロスカルメロースナトリウムまたはカルメロースカルシウムの含有率は、特に限定されないが、通常2〜10質量%であり、好ましくは4〜8質量%である。
【0020】
また、本発明の緩下剤には、上記結合剤及び崩壊剤などの添加剤に加え、必要により製薬学的に許容される他の添加剤をさらに配合してもよい。該添加剤としては、例えば、糖類(例えば、乳糖など)、デンプン(例えば、トウモロコシデンプン、バレイショデンプンなど)、デキストリン、炭酸カルシウムなどの賦形剤、ステアリン酸マグネシウム、タルク、マクロゴール、水素添加植物油または軽質無水ケイ酸などの滑沢剤、あるいはアセスルファムカリウム、アスパルテーム、果糖、サッカリンナトリウムなどの矯味剤などが挙げられる。
【0021】
また、顆粒剤及び錠剤には、適当なコーティング剤で剤皮を施してもよい。コーティング剤としては、例えば、ゼラチン、白糖、アラビアゴム、カルナウバロウなどが挙げられる。
【0022】
本発明に係る緩下剤には、緩下作用を有する他の成分(例えば、アロエ、センナ、ダイオウなどの植物性緩下剤、ビサコジル、ピコスルファートナトリウムなど)、佐薬成分(例えば、乾燥酵母、亜麻仁、カンゾウ、トウヒ、ウイキョウ、オウバク、ケイヒ、センブリなど)、ビタミン類(例えば、ビタミンB、ビタミンB、ニコチン酸アミド、パントテン酸カルシウムなど)などを配合することができる。
【0023】
本発明に係る緩下剤は、製剤技術分野で採用されている常法にしたがって、顆粒剤、錠剤などとして製造することができる。
【実施例】
【0024】
以下に、試験例および実施例を挙げて本発明を説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、試験例および実施例におけるジメチルポリシロキサンの動粘度は、25℃における動粘度である。
【0025】
[試験例1]
(錠剤の作製)
酸化マグネシウム細粒(500μm通過99%以上、75μm通過10%以下の粒度分布の酸化マグネシウム;協和化学工業株式会社製、以下同)を攪拌混合造粒機(株式会社パウレック製)で撹拌下、ジメチルポリシロキサン(動粘度:350mm/s)を添加し、分散させ、分散体を得た。該分散体を乾式整粒機(株式会社パウレック製)で粉砕し、ついで、軽質無水ケイ酸と酸化マグネシウムG(75μm通過80%以上の粒度分布の酸化マグネシウム;協和化学工業株式会社製、以下同)を添加し、V字型混合機(株式会社入江商会製)にて混合した。さらに、結晶セルロース(商品名:セオラスKG802、旭化成ケミカルズ株式会社製)、クロスカルメロースナトリウム(商品名:キッコレートND−2HS、旭化成ケミカルズ株式会社製)を添加後、ラウリル硫酸ナトリウムおよび甘味剤を添加し、V字型混合機にて混和し均一とした後に、ステアリン酸カルシウムを混合して均一の粉末を得た。該粉末を1日量が6錠になるようにロータリー型打錠機(株式会社菊水製作所製)にて打錠して錠剤とした。酸化マグネシウム、ジメチルポリシロキサン、軽質無水ケイ酸、結晶セルロース、クロスカルメロースナトリウムおよびステアリン酸カルシウムの量は、下記表1に記載する通りとした。ラウリル硫酸ナトリウムおよび甘味剤は、下記表2記載の量を用いた。
【0026】
(刺激性の評価)
パネラー3名により、上記で作製した錠剤6錠(1日量)を口腔内で約2分間保持し、下記基準で刺激性を判定した。結果は下記表2の通りである。
判定基準
◎:刺激を感じない。
○:僅かに刺激を感じる。
△:刺激を感じる。
【0027】
【表1】

【0028】
【表2】

【0029】
[試験例2]
ラウリル硫酸ナトリウムの配合量および甘味剤の配合量を下記表3の通りとする以外は、試験例1と同様にして錠剤を得た。この錠剤を用いて、試験例1と同様にして刺激性を評価した。その結果は下記表3の通りである。
【表3】

【0030】
[試験例3]
ラウリル硫酸ナトリウムの配合量を下記表4の通りとし、キシリトールの配合量を60mgとする以外は、試験例1と同様にして錠剤を得た。なお、ラウリル硫酸ナトリウムおよびキシリトールを添加しないで調製した錠剤を対照とした。作製した錠剤をガラス瓶に入れ、40℃で表4に示す期間保存したのち、第14改正日本薬局方の崩壊試験法(試験液:水)により錠剤の崩壊時間を測定した。結果は下記表4の通りである。
【0031】
【表4】

【0032】
[実施例1]
酸化マグネシウム細粒 1000質量部
酸化マグネシウムG 1000質量部
ジメチルポリシロキサン(動粘度:350mm/s) 180質量部
ラウリル硫酸ナトリウム 25質量部
キシリトール 60質量部
軽質無水ケイ酸 30質量部
結晶セルロース 450質量部
クロスカルメロースナトリウム 120質量部
ステアリン酸カルシウム 30質量部
【0033】
酸化マグネシウム細粒を攪拌混合造粒機(株式会社パウレック製)で撹拌下、ジメチルポリシロキサンを添加し、分散させ、分散体を得た。該分散体を乾式整粒機(株式会社パウレック製)で粉砕し、ついで、軽質無水ケイ酸と酸化マグネシウムGを添加し、V字型混合機(株式会社入江商会製)にて混合した。さらに、結晶セルロース(商品名:セオラスKG802、旭化成ケミカルズ株式会社製)、クロスカルメロースナトリウム(商品名:キッコレートND−2HS、旭化成ケミカルズ株式会社製)を添加後、ラウリル硫酸ナトリウムおよびキシリトールを添加し、V字型混合機にて混和し均一とした後に、ステアリン酸カルシウムを混合して均一の粉末を得た。該粉末を6錠当たり酸化マグネシウム(細粒グレード+Gグレード)含量が2000mgになるようにロータリー型打錠機(株式会社菊水製作所製)にて打錠して錠剤とした。
【0034】
[実施例2]
酸化マグネシウム細粒 1000質量部
酸化マグネシウムG 1000質量部
ジメチルポリシロキサン(動粘度:350mm/s) 180質量部
ラウリル硫酸ナトリウム 45質量部
キシリトール 60質量部
軽質無水ケイ酸 30質量部
結晶セルロース 450質量部
クロスカルメロースナトリウム 120質量部
ステアリン酸カルシウム 30質量部
【0035】
上記成分を用い、実施例1と同様にして錠剤(酸化マグネシウム含量:6錠当たり2000mg)を得た。
【0036】
[実施例3]
酸化マグネシウム細粒 1000質量部
酸化マグネシウムG 1000質量部
ジメチルポリシロキサン(動粘度:350mm/s) 180質量部
ラウリル硫酸ナトリウム 25質量部
キシリトール 30質量部
アスパルテーム 30質量部
軽質無水ケイ酸 30質量部
結晶セルロース 450質量部
クロスカルメロースナトリウム 120質量部
ステアリン酸カルシウム 30質量部
【0037】
上記成分を用い、実施例1においてキシリトールの代わりにキシリトールとアスパルテームとを用いる以外は、実施例1と同様にして錠剤(酸化マグネシウム含量:6錠当たり2000mg)を得た。
【0038】
[実施例4]
酸化マグネシウム細粒 1000質量部
酸化マグネシウムG 1000質量部
ジメチルポリシロキサン(動粘度:350mm/s) 180質量部
ラウリル硫酸ナトリウム 25質量部
エリスリトール 60質量部
軽質無水ケイ酸 30質量部
結晶セルロース 450質量部
クロスカルメロースナトリウム 120質量部
ステアリン酸カルシウム 30質量部
【0039】
上記成分を用い、実施例1においてキシリトールの代わりにエリスリトールを用いる以外は、実施例1と同様にして錠剤(酸化マグネシウム含量:6錠当たり2000mg)を得た。
[実施例5]
酸化マグネシウム細粒 1000質量部
酸化マグネシウムG 1000質量部
ジメチルポリシロキサン(動粘度:350mm/s) 180質量部
ラウリル硫酸ナトリウム 25質量部
D−マンニトール 60質量部
軽質無水ケイ酸 30質量部
結晶セルロース 450質量部
クロスカルメロースナトリウム 120質量部
ステアリン酸カルシウム 30質量部
【0040】
上記成分を用い、実施例1においてキシリトールの代わりにD−マンニトールを用いる以外は、実施例1と同様にして錠剤(酸化マグネシウム含量:6錠当たり2000mg)を得た。
[実施例6]
酸化マグネシウム細粒 1000質量部
酸化マグネシウムG 1000質量部
ジメチルポリシロキサン(動粘度:350mm/s) 180質量部
ラウリル硫酸ナトリウム 25質量部
D−ソルビトール 60質量部
軽質無水ケイ酸 30質量部
結晶セルロース 450質量部
クロスカルメロースナトリウム 120質量部
ステアリン酸カルシウム 30質量部
【0041】
上記成分を用い、実施例1においてキシリトールの代わりにD−ソルビトールを用いる以外は、実施例1と同様にして錠剤(酸化マグネシウム含量:6錠当たり2000mg)を得た。
【産業上の利用可能性】
【0042】
本発明に係る緩下剤は、保存期間中に崩壊性が損なわれることなく、使用感に優れ、緩下作用を速効的かつ効率的に個人差も無く発現するので便秘の改善に有用である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
(a)塩類下剤、(b)ジメチルポリシロキサン、(c)ラウリル硫酸ナトリウムおよび(d)糖アルコールを含有することを特徴とする緩下剤。
【請求項2】
塩類下剤が酸化マグネシウムまたは水酸化マグネシウムであることを特徴とする請求項1記載の緩下剤。
【請求項3】
塩類下剤が酸化マグネシウムであることを特徴とする請求項1記載の緩下剤。
【請求項4】
糖アルコールがキシリトール、エリスリトール、ソルビトールまたはマンニトールである請求項1〜3のいずれかに記載の緩下剤。
【請求項5】
糖アルコールがキシリトールである請求項1〜3のいずれかに記載の緩下剤。
【請求項6】
ジメチルポリシロキサンの配合量が、塩類下剤1質量部に対して0.01〜0.6質量部である請求項1に記載の緩下剤。
【請求項7】
ラウリル硫酸ナトリウムの配合量が、ジメチルポリシロキサン1質量部に対して0.14〜0.33質量部である請求項1に記載の緩下剤。
【請求項8】
糖アルコールの配合量が、ラウリル硫酸ナトリウム1質量部に対して0.17〜12質量部である請求項1に記載の緩下剤。
【請求項9】
塩類下剤1質量部に対して、ジメチルポリシロキサン0.01〜0.6質量部、ラウリル硫酸ナトリウム0.0125〜0.03質量部および糖アルコール0.0025〜0.15質量部を含有する請求項1記載の緩下剤。
【請求項10】
塩類下剤が酸化マグネシウムまたは水酸化マグネシウムであり、その配合量が1日当たり500〜2500mgの投与量となるような量である請求項9記載の緩下剤。
【請求項11】
さらに、結晶セルロースを含有することを特徴とする請求項1〜10のいずれかに記載の緩下剤。
【請求項12】
さらに、クロスカルメロースナトリウムまたはカルメロースカルシウムを含有することを特徴とする請求項1〜11にいずれかに記載の緩下剤。

【公開番号】特開2008−115085(P2008−115085A)
【公開日】平成20年5月22日(2008.5.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−297592(P2006−297592)
【出願日】平成18年11月1日(2006.11.1)
【出願人】(592066572)天藤製薬株式会社 (5)
【Fターム(参考)】