説明

緩衝仕切り付包装用箱

【課題】外部から加わる衝撃の向きによらず収容物を緩衝的に保護することができ、組み立てが容易な緩衝仕切り付包装用箱を提供することを目的とする。
【解決手段】外箱体S1の内側に、底部形成板72と保持形成板74から成る緩衝用仕切り部S3を、折り畳み可能に備える。底部形成板72は、正面板22から延設された連結部76と、連結部76の上端から連続し底蓋と対面する底部80と、底部80から連続して立ち上がる第一仕切部84を有する。保持部形成板74は、第一支持部79から延設された第二支持部92と、第二支持部92の上端から連続し底部96と対面する保持部96と、保持部96から連続して立ち上がり第一仕切部84とも連続する第二仕切部99を有する。保持部96には、収容物Wを挿通可能な透孔96aを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、外側筒状体の内側に緩衝用仕切りが一体に設けられ、筒状の瓶などの収容物を保護する緩衝仕切り付包装用箱に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、化粧水や薬液、清涼飲料等を瓶に入れた商品は、紙製等の包装箱に収容され、運搬、保管、陳列がされているものがある。このような包装箱は、収容した瓶などを保護し、中でがたつかないように、包装箱内を仕切る緩衝用の仕切り片が設けられている。
【0003】
例えば、特許文献1に開示されているように、瓶などの収容物を収容する包装箱であって、箱体形成片に展開した状態で、4つの周壁が周壁折目で区切られて連接され、その連接方向の両側端辺に収容物の胴部及び底部を支承するためのU字状の連結支承片が縦折目で区切って設けられた包装箱がある。この包装箱は、組み立てた状態で、周壁折目を折り曲げ周壁で矩形の筒状体を構成し、連結支承片が縦折目で折り曲げられ筒状体の内側の対角線の位置で重ねて接着され、収容物の側面と底面を連結支承片のU字の内側で保持するものである。また、収容物の側面を4方向から保持するため、別部材であるU字状の補助支承片を用意し、上記連結支承片と交差するように係合させ、筒状体のもう一方の対角線の位置に配置する構成も開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平10−316132号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1の包装箱の場合、ブランクシートから打ち抜かれた1枚の箱体形成片から構成しようとすると、上記のように、収容物の側面を2方向からしか保持できず、連結支承片が配置されていない方向に衝撃が加わると、収容物を保護することができない。また、4方向から保持する場合は、別部材であるU字状の補助支承片を用意しなければならず、組み立てが面倒であるとともに、部品数が増えることから部材管理の面でも煩雑である。
【0006】
この発明は、上記背景技術に鑑みて成されたもので、外部から加わる衝撃の向きによらず収容物を緩衝的に保護することができ、組み立てが容易な緩衝仕切り付包装用箱を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、一枚のブランクシートから一体的に打ち抜かれた箱体形成片から成り、前記箱体形成片を組み立てた状態で、矩形の外箱体を形成して成る緩衝仕切り付包装用箱であって、前記箱体形成片の各面の連接方向の端部に、底部形成板及び保持部形成板から成る緩衝用仕切り部が連接され、前記底部形成板と前記保持部形成板は、互いに所定箇所を糊付けされて前記外箱体内に設けられるとともに、前記外箱体を組み立てた状態で前記外箱体内に折り畳み可能に設けられ、前記底部形成板には収容物を前記外箱体の底蓋から所定間隔を空けて支持する底部が設けられ、前記保持部形成板には収容物を保持する透孔が形成されている緩衝仕切り付包装用箱である。
【0008】
前記底部形成板には、前記連接方向に延設されその境界を第一折罫線で区切られた連結部と、前記連結部の前記連接方向の端部から前記連接方向に延設された第一支持部と、前記第一支持部の一方の端部であって前記外箱体の上蓋側から前記連接方向と直角に延設され、前記第一支持部との境界が第二折罫線で区切られた底部と、前記底部の前記上蓋側の端部から前記連接方向と直角に延設され、前記底部との境界が自身の幅よりも短い第三折罫線で区切られた第一仕切部と、前記第一仕切部の他方の端部であって前記外箱体の底蓋側から前記連接方向と直角に延設された脚部とが設けられ、
前記保持部形成板には、前記第一支持部の前記連接方向の端部から前記連接方向に延設され、前記第一支持部との境界が第四折罫線で区切られた第二支持部と、前記第二支持部の前記上蓋側の端部から前記連接方向と直角に延設され、内側領域に収容物の胴部が挿通される透孔が形成され、前記第二支持部との境界が第五折罫線で区切られた保持部と、前記保持部の前記上蓋側の端部から前記連接方向と直角に延設され、前記保持部との境界が前記第六折罫線で区切られ、前記第一仕切部と隣接する部分が前記第一仕切部と連続し、その境界が前記第四折罫線の延長線上にある第七折罫線で区切られた第二仕切部とが設けられ、
前記箱体形成片を組み立てた状態で、前記第四及び第六折罫線が正折りされ、前記第二仕切部の裏面が前記第一仕切部の裏面に糊付され、前記第二支持部の裏面が前記第一支持部又は前記連結部の裏面に糊付けされ、前記第一折罫線が正折りされ、前記第二支持部の表面が前記正面板の裏面に糊付されて前記外箱体の内側に前記緩衝用仕切り部が折り畳まれて位置し、
前記第二折罫線を逆折りし第三折罫線を正折りすることによって、前記第一支持部と前記脚部とで支持された前記底部が、前記底蓋の上方に隙間を空けて対面し、前記第五折罫線を正折りし第六折罫線を逆折りすることによって、前記保持部が前記底部の上方に隙間間を空けて対面するものである。
【0009】
前記緩衝用仕切り部は、折り畳み状態から収容物を収容可能に開いた状態で、前記外箱体の側面との間に説明書を収容可能な隙間を形成可能に設けられている。
【発明の効果】
【0010】
本発明の緩衝仕切り付包装用箱は、収容物の胴部側面が、保持部形成板の透孔の内周縁によって全ての方向で緩衝的に保持されるとともに、収容物の底面が、底部形成板の底部によって支持されるので、外側筒状体の外周面のどの方向から衝撃が加わっても、保持部及び底部が衝撃を吸収することができ、収容物に大きな衝撃が伝わらない。
【0011】
また、この緩衝仕切り付包装用箱は、ブランクシートから打ち抜かれた一枚の箱体形成片で構成できるので、部材の管理が容易である。さらに、組み立ては、箱体形成片を折り曲げて糊付けした後、折り畳まれている状態を引き起こして外箱体を形成する動作と、第一仕切部及び第二仕切部を底蓋の方向押し下げて保持部と底部を倒す動作の2つの動作を行うだけでよいので作業効率がよい。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】この発明の緩衝仕切り付包装用箱の一実施形態の外観を示す斜視図である。
【図2】この実施形態の緩衝仕切り付包装用箱の展開した箱体形成片を裏面から見た平面図である。
【図3】この実施形態の緩衝仕切り付包装用箱の組み立て方法を説明する平面図である。
【図4】この実施形態の緩衝仕切り付包装用箱の組み立て方法を説明する平面図である。
【図5】この実施形態の緩衝仕切り付包装用箱の組み立て方法を説明する平面図である。
【図6】この実施形態の緩衝仕切り付包装用箱の組み立て方法を説明する平面図である。
【図7】この実施形態の緩衝仕切り付包装用箱の組み立て方法を説明する平面図である。
【図8】この実施形態の緩衝仕切り付包装用箱の組み立て方法を説明する平面図である。
【図9】この実施形態の緩衝仕切り付包装用箱の組み立て方法を説明する断面図(a),(b)である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、この発明の緩衝仕切り付包装用箱の一実施形態について、図面に基づいて説明する。この実施形態の緩衝仕切り付包装用箱10は、厚紙等のブランクシートから一体的に打ち抜かれた箱体形成片12を折り曲げて糊付けし、2アクションで組み立て可能に形成された箱体である。組み立てられた緩衝仕切り付包装用箱10は、図1に示すように、略矩形で縦長の外箱体S1を有し、その内側に所定の緩衝用仕切り部S3が設けられ、ガラス瓶等のように衝撃に弱い円筒状の収容物Wを緩衝的に保持する構造を備えている。
【0014】
図2は、箱体形成片12を裏面から見た展開図である。箱体形成片12は、糊付片14から順に、糊付片14、第一側面板16、背面板18、第二側面板20、正面板22が互いに平行に連接して形成され、互いに平行な折罫線23,24,26,28で各々区切られている。糊付片14、第一側面板16、背面板18、第二側面板20及び正面板22は、連接する幅方向がほぼ同じ長さであり、連接方向は、第一側面板16及び第二側面板20がほぼ等しく短く、糊付片14、背面板18及び正面板22がほぼ等しい長さになっている。
【0015】
背面板18の、上記連接方向に対して直角な一端部(図2における右側の端部)に、組み立て状態で上蓋となる上蓋片30と差込片32とが順に連接され、各々折罫線34,36で区切られている。上蓋片30の折罫線34から折罫線36までの長さは、第一、第二側面板16,20の連接方向長さにほぼ等しく、差込片32の折罫線36から先端までの長さは、上蓋片30の上記長さの1/5程度に設けられている。
【0016】
背面板18の折罫線34と反対側の端部には、組み立て状態で底蓋となる第一底蓋片38が折罫線40で区切られて設けられている。第一底蓋片38の折罫線40から折罫線40に対して平行な端部38aまでの長さは、第一、第二側面板16,20の連接方向長さの1/2の幅に設けられている。そして、端部38aの中心から第二側面板20側の部分は、端部38aよりも外側に幅広に形成された差込片42となる。また第一底蓋片56の第一側面板16近傍には、三角形の糊付片44が折罫線46で区切られて設けられ、折罫線46は折罫線40に対して鋭角で交差する方向に設けられている
第一側面板16の、背面板18の折罫線34に隣接する端部には、台形状のフラップ48が折罫線50で区切られて設けられている。また、第一側面板16の折罫線50と反対側の端部には、三角状のフラップ52が折罫線54で区切られて設けられている。
【0017】
第二側面板20の、背面板18の折罫線34に隣接する端部には、フラップ48とほぼ同形のフラップ56が折罫線58で区切られて設けられている。また、第二側面板20の折罫線58と反対側の端部には、フラップ52とほぼ同形のフラップ60が折罫線62で区切られて設けられている。
【0018】
正面板22の、第二側面板20の折罫線62と隣接する端部には、組み立て状態で底蓋となる第二底蓋片64が折罫線66で区切られて設けられている。第二底蓋片64の折罫線66から折罫線66に対して平行な端部64aまでの長さは、第一、第二側面板16,20の連接方向長さの1/2の幅に設けられている。そして、端部64aの中心からフラップ60と反対側の部分は、端部64aよりも外側に幅広に形成された差込片68となる。また第二底蓋片64のフラップ60近傍には、三角形の糊付片69が折罫線70で区切られて設けられ、折罫線70は折罫線66に対して鋭角で交差する方向に設けられている。
【0019】
さらに、正面板22の連接方向の端部に、緩衝用仕切り部S3を構成する底部形成板72、保持部形成板74が順に連接されている。底部形成板72には、正面板22の底蓋側の端部から上記連接方向に延設された連結部76が、正面板22との境界を第一折罫線78で区切られて設けられている。連結部76の底蓋側の端部に、幅狭の第一支持部79が上記連接方向に延設されている。第一支持部79の上蓋側の端部に、上記連接方向と直角に延設された底部80が、第一支持部79との境界を第二折罫線82で区切られて設けられている。底部80の上蓋側の端部から上記連接方向と直角に第一仕切部84が延設され、底部80との境界を第三折罫線86で区切られて設けられている。第一仕切部84の底蓋側の領域の幅は、第三折罫線86の長さよりも長く、上蓋側の領域の幅は、正面板22側に台形状に突出部84aが突出している分さらに幅広になっている。また、第一仕切部84の底蓋側の端部であって第三折罫線86の両端部分に、上記連接方向と直角に一対の脚部88が延設されている。ここでは、底部80近傍に略L字状の切り込み88aを入れることによって脚部88が設けられている。また、底部80が連結部76に隣接する部分は、切り込み90によって区切られている。
【0020】
保持部形成板74には、第一支持部79の上記連接方向の端部に延設された第二支持部92が、第一支持部79との境界を第四折罫線94で区切られて設けられている。第二支持部92の上蓋側の端部に、上記前記連接方向と直角に延設された保持部96が、第二支持部92との境界を第五折罫線98で区切られて設けられている。第五折罫線98の位置は、第二折罫線82よりも上蓋側の位置にある。また、保持部96の内側領域に、収容物Wの胴部外径よりも僅かに大きな透孔96aが形成されている。保持部96の上記上蓋側の端部に、上記連接方向と直角に延設された第二仕切部99が、保持部96との境界を第六折罫線100で区切られて設けられている。第五折罫線98と第六折罫線100との間隔は、第二折罫線82と第三折罫線86との間隔とほぼ等しい。また、第二仕切部99は、第一仕切部84と隣接する端部が第一仕切部84と連続しており、その境界が、第四折罫線94の延長線上にある第七折罫線102で区切られている。また、ここでは、第二支持部92及び保持部96が底部形成板72に隣接する部分は、切り込み104によって区切られている。
【0021】
次に、緩衝仕切り付包装用箱10の組み立て方法の一例について、図2〜図9に基づいて説明する。ここで、図2〜図8は箱体形成片12の裏面を見たものであり、以下、箱体形成片12の表面が凸になる折り方を正折り、そして裏面が凸になる折り方を逆折りと称する。
【0022】
まず、図3に示すように、連結部76の裏面に糊106を、第一仕切部84の突出部84aの裏面に糊108をそれぞれ塗布し、図4に示すように、第四、第七折罫線94,102を正折りする。これにより、連結部76の裏面が第二支持部92の裏面に糊付され、突出部84aの裏面が第二仕切部99の裏面に糊付される。次に、図4に示すように、第二支持部92の第四折罫線94寄りの部分の表面に糊110を塗布し、図5に示すように、第一折罫線78を正折りする。これにより、第二支持部92の表面が正面板22の裏面に糊付される。次に、図6に示すように、折罫線40,54,62,66を正折りし、さらに、糊付片44の折罫線46と糊付片69の折罫線70をそれぞれ逆折りする。そして、糊付片69の裏面に糊112を塗布し、図7に示すように、折罫線28を正折りする。これにより、糊付片69の裏面がフラップ60の表面に糊付される。次に、図7に示すように、糊付片44の裏面に糊114を、糊付片14の裏面に糊116をそれぞれ塗布し、図8に示すように、折罫線24を正折りする。これにより、糊付片44の裏面が、フラップ52の表面に糊付され、糊付片14の裏面が正面板22の表面に糊付される。このようにして箱体形成片12は折り畳み状態となり、この状態で出荷される。
【0023】
次に、収容物を収容し包装する工場等において立体的形状に組み立てる。まず、折罫線23,26を各々90度に正折りし、糊付片14、第一側面板16、背面板18、第二側面板20及び正面板22を四角形の外側筒状体S1にする(以下、第一の動作と称す)。すると、第一底蓋片38は背面板18からフラップ52とともに引き起こされて折罫線40で直角に正折りされ、同時に第二底蓋片64は正面板22からフラップ60と共に引き起こされて折罫線66で直角に正折りされる。さらに第一底蓋片38の差込片42が第二底蓋片64の端部64aの裏面に差し込まれ、第二底蓋片64の差込片68が第一底蓋片38の端部38aの裏面に差し込まれ、互いに確実に係止されて底蓋を形成する。
【0024】
このとき、底部形成板72と保持部形成板74は、図9(a)に示すように、平坦な状態で正面板22の内側に重なるように位置し、第一、第二仕切部84,99の端部が外側筒状体S1の上蓋側の開口から突出している。なお、図9の模式図では、第一、第二底蓋片38,64等が重なり合って構成されている底蓋を底蓋116で表わし、外側筒状体S1の底蓋116と反対側の開口に設けられている上蓋片30及びフラップ48,56は省略してある。
【0025】
第一の動作が終わると、次に、緩衝用仕切り部S3の第一、第二仕切部84,99の端部を指で摘み、図9(b)に示すように、背面板18側に寄せるようにして底蓋116の方向に押し込む(以下、第二の動作と称す)。すると、第一支持部79の第二折罫線82が逆折りされ、第一仕切部84の第三折罫線86が正折りされて底部80が倒れ、脚部88の先端が底蓋116に当接される。その結果、底部80が、第一支持部79と脚部88とで支持され、底蓋116の上方に隙間を空けてほぼ水平に保持される。同時に、第二支持部92の第五折罫線98が正折りされ、第二仕切部99の第六折罫線100が逆折りされて保持部96も倒れる。その結果、保持部96が、第二支持部92と第二仕切部99によって支持され、底部80の上方にほぼ水平に保持される。
【0026】
次に、円筒状の収容物Wを、上蓋側から保持部96の透孔96a内に挿通する。収容物Wは、底面が底部80上に支持され、胴部側面のほぼ中央が保持部96の透孔96aの内周縁に保持される。
【0027】
また、緩衝仕切り付包装用箱10には、図9(b)に示すように、背面板18と第一仕切部84との間に、取扱説明書などを折り畳んで収納する隙間S2が設けられている。取扱説明書は、収容物Wを収納した後で隙間S2に差し込むのが一般的である。しかし、隙間S2が比較的狭く設計されている場合は差し込みにくいので、例えば、上記第一の動作の後、背面板18と第一仕切部84との隙間が広くなっている状態で取扱説明書を差し込み、その後で上記第二の動作を行うようすれば、取扱説明書を容易に収納することができる。
【0028】
そして、折罫線50,58を各々90度に正折りしてフラップ48,56を倒し、さらに折罫線34,36を各々90度に正折りし、差込片32を正面板22の裏面側に差し込み、上蓋片30で外側筒状体S1の上方開口部を閉鎖する。
【0029】
以上説明したように、緩衝仕切り付包装用箱10は、第一側面板16、背面板18、第二側面板20、正面板22及び糊付片14で構成された外側筒状体S1の内側に、底部形成板72及び保持部形成板74によって緩衝用仕切り部S3が形成される。そして、収容物Wは、自身の胴部側面が保持部96の透孔96aの内周縁によって全ての方向で緩衝的に保持され、自身の底面が底蓋の上方に隙間を空けて設けられる底部80によって支持されるので、外側筒状体S1の外周面のどの方向から衝撃が加わっても、保持部96及び底部80が衝撃を吸収することができ、収容物Wに大きな衝撃が伝わらない。
【0030】
また、ブランクシートから打ち抜かれた1枚の箱体形成片12で構成されているので、部材の管理が容易である。また、組み立ては、箱体形成片12を折り曲げて糊付けした後、折り畳まれている状態を引き起こして外側筒状体S1を形成する第一の動作と、第一、第二仕切部84,99を摘んで底蓋の方向に押し下げて保持部96と底部80を倒す第二の動作の2アクションで行われるので、非常に作業効率がよい。
【0031】
なお、この発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、収容物の外形に応じて各部の形状を自由に変更することができる。例えば、胴部側面の外径が同じで背の高い収容物を包装する場合、外側筒状体、第一仕切部及び第二仕切部を上蓋側に長くし、さらに、第五折罫線及び第六折罫線を、間隔そのままで上蓋側に寄せて設ければよい。そうすれば、底部と保持部との間隔が広くなり、背の高い収容物であっても、胴部側面の中央に保持部を設けることができる。また、収容物が断面四角形又は多角形の筒状体の場合は、保持部の透孔の形状を筒状体の形状に合わせて変更すれば、収容物の胴部側面を適正に保持することができる。
【0032】
また、上蓋及び底蓋の構成は自由であり、例えば、上記実施形態の上蓋片と差込片、及び2枚のフラップで成る上蓋の構成を底蓋に適用してもよい。また、周知の改ざん防止手段や開封容易化手段が設けられた上蓋及び下蓋に変更してもよい。
【符号の説明】
【0033】
10 緩衝仕切り付包装用箱
12 箱体形成片
14 糊付片
16 第一側面板
18 背面板
20 第二側面板
22 正面板
30 上蓋片
38 第一底蓋片
48,52,56,60 フラップ
64 第二底蓋片
72 底部形成板
74 保持部形成板
76 連結部
78 第一折罫線
79 第一支持部
80 底部
82 第二折罫線
84 第一仕切部
86 第三折罫線
88 脚部
92 第二支持部
94 第四折罫線
96 保持部
96a 透孔
98 第五折罫線
99 第二仕切部
100 第六折罫線
102 第七折罫線
106,108,110,112,114,116 糊
S1 外箱体
S2 隙間
S3 緩衝用仕切り部


【特許請求の範囲】
【請求項1】
一枚のブランクシートから一体的に打ち抜かれた箱体形成片から成り、前記箱体形成片を組み立てた状態で、矩形の外箱体を形成して成る緩衝仕切り付包装用箱において、
前記箱体形成片の各面の連接方向の端部に、底部形成板及び保持部形成板から成る緩衝用仕切り部が連接され、前記底部形成板と前記保持部形成板は、互いに所定箇所を糊付けされて前記外箱体内に設けられるとともに、前記外箱体を組み立てた状態で前記外箱体内に折り畳み可能に設けられ、前記底部形成板には収容物を前記外箱体の底蓋から所定間隔を空けて支持する底部が設けられ、前記保持部形成板には収容物を保持する透孔が形成されていることを特徴とする緩衝仕切り付包装用箱。
【請求項2】
前記底部形成板には、前記連接方向に延設されその境界を第一折罫線で区切られた連結部と、前記連結部の前記連接方向の端部から前記連接方向に延設された第一支持部と、前記第一支持部の一方の端部であって前記外箱体の上蓋側から前記連接方向と直角に延設され、前記第一支持部との境界が第二折罫線で区切られた底部と、前記底部の前記上蓋側の端部から前記連接方向と直角に延設され、前記底部との境界が自身の幅よりも短い第三折罫線で区切られた第一仕切部と、前記第一仕切部の他方の端部であって前記外箱体の底蓋側から前記連接方向と直角に延設された脚部とが設けられ、
前記保持部形成板には、前記第一支持部の前記連接方向の端部から前記連接方向に延設され、前記第一支持部との境界が第四折罫線で区切られた第二支持部と、前記第二支持部の前記上蓋側の端部から前記連接方向と直角に延設され、内側領域に収容物の胴部が挿通される透孔が形成され、前記第二支持部との境界が第五折罫線で区切られた保持部と、前記保持部の前記上蓋側の端部から前記連接方向と直角に延設され、前記保持部との境界が前記第六折罫線で区切られ、前記第一仕切部の端部から連続し、その境界が前記第四折罫線の延長線上にある第七折罫線で区切られた第二仕切部とが設けられ、
前記箱体形成片を組み立てた状態で、前記第四及び第六折罫線が正折りされ、前記第二仕切部の裏面が前記第一仕切部の裏面に糊付され、前記第二支持部の裏面が前記第一支持部又は前記連結部の裏面に糊付けされ、前記第一折罫線が正折りされ、前記第二支持部の表面が前記正面板の裏面に糊付されて前記外箱体の内側に前記緩衝用仕切り部が折り畳まれて位置し、
前記第二折罫線を逆折りし第三折罫線を正折りすることによって、前記第一支持部と前記脚部とで支持された前記底部が、前記底蓋の上方に隙間を空けて対面し、前記第五折罫線を正折りし第六折罫線を逆折りすることによって、前記保持部が前記底部の上方に隙間間を空けて対面する請求項1記載の緩衝仕切り付包装用箱。
【請求項3】
前記緩衝用仕切り部は、折り畳み状態から収容物を収容可能に開いた状態で、前記外箱体の側面との間に説明書を収容可能な隙間を形成可能に設けられている請求項1記載の包装用箱。


【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate


【公開番号】特開2012−12026(P2012−12026A)
【公開日】平成24年1月19日(2012.1.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−147725(P2010−147725)
【出願日】平成22年6月29日(2010.6.29)
【出願人】(391019500)朝日印刷株式会社 (70)
【Fターム(参考)】