縁無薄畳の敷設方法
【課題】縁無薄畳を敷設領域に効率よく敷設できるとともに、壁との間の隙間が見えることがない縁無薄畳の敷設方法を提供する。
【解決手段】敷設領域Sの壁面下端部に、上端部にカバー部5cが形成された見切り材5を取り付ける見切材取付工程と、定形縁無薄畳2を基準面Aおよび隣接面Bから順次前記敷設領域Sに敷設していく定形縁無薄畳敷設工程と、定形縁無薄畳群15の外周面15a,15bと、第1対向面Cおよび第2対向面Dとの間に、調整縁無薄畳3を敷設領域Sに敷設していくとともに、第1対向面Cと第2対向面Dとが交差する角部に調整縁無薄畳3を敷設する調整縁無薄畳敷設工程と、壁面下端部に定形縁無薄畳2および調整縁無薄畳3を見切り材5を介して当接する際、定形縁無薄畳2および調整縁無薄畳3の縁部上面に、見切り材5のカバー部5cが被せられる見切材被せ工程とを含む。
【解決手段】敷設領域Sの壁面下端部に、上端部にカバー部5cが形成された見切り材5を取り付ける見切材取付工程と、定形縁無薄畳2を基準面Aおよび隣接面Bから順次前記敷設領域Sに敷設していく定形縁無薄畳敷設工程と、定形縁無薄畳群15の外周面15a,15bと、第1対向面Cおよび第2対向面Dとの間に、調整縁無薄畳3を敷設領域Sに敷設していくとともに、第1対向面Cと第2対向面Dとが交差する角部に調整縁無薄畳3を敷設する調整縁無薄畳敷設工程と、壁面下端部に定形縁無薄畳2および調整縁無薄畳3を見切り材5を介して当接する際、定形縁無薄畳2および調整縁無薄畳3の縁部上面に、見切り材5のカバー部5cが被せられる見切材被せ工程とを含む。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、縁無薄畳の敷設方法に関する。
【背景技術】
【0002】
畳を和室等の敷設領域に敷設する方法の一例として特許文献1に記載の技術が知られている。この技術は、部屋の大きさから割り出した畳の大きさよりも若干大きめに規格化した畳を準備する工程と、該規格化した畳を現場に持ち込む工程と、持ち込んだ畳を順次敷き込む工程と、畳を敷設しようとしたときに、この畳を敷設しようとする領域に入り切らない畳を切断して該領域に適合する大きさに調整する工程と、この大きさ調整した畳を敷き込む工程とを有することを特徴としている。
畳を敷き込む工程および調整する工程では、先ず、搬入した畳のうち4枚を部屋の一隅から敷き込み、次に、残る4つの領域に関して、畳の長さ寸法や幅寸法を適宜調整した後、これらを敷き込むようにしている。
また、大きさ調整した畳を敷き込んだ後、この畳に沿う部屋のL字状の縁部に、縁帯材料を配置しており、これによって縁部の隙間を隠すことができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2000−213150号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、上記従来の畳の敷設方法では、大きさ調整した畳を敷き込んだ後、この畳に沿う部屋のL字状の縁部に縁帯材料を配置することによって、縁部の隙間を隠している。
一方、複数の畳を敷き込んでなる畳群の外周部の外側には、特に壁との間に隙間が生じ易い。すなわち、和室等の畳を敷設する敷設領域の縁部には、壁と、敷居や床の間の床框等を構成する框部材とが適宜配置されているが、壁は框部材に比して施工誤差が生じ易いので、畳群の外周部の外側には、特に壁との間に隙間が生じ易い。
したがって、上記従来の畳の敷設方法では、規格化した畳を敷き込む場合も、この畳と壁との間に隙間が生じることがあり、見映えが悪くなるおそれがあった。
また、上記従来の畳の敷設方法では、まず畳4枚を部屋の一隅から敷き込むようにしているが、部屋の四隅のうちどの隅を基準として敷き込むかについては何ら記載されていない。したがって、基準の取り方によっては隙間の生じる位置が異なってしまうので、効率的に畳を敷設し難いという問題もある。
【0005】
本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、縁無薄畳を平面視正方形状または長方形状の敷設領域に効率よく敷設できるとともに、壁との間の隙間が見えることがない縁無薄畳の敷設方法を提供することを課題としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、例えば図1等に示すように、縁無薄畳1を平面視正方形状または長方形状の敷設領域Sに敷設する縁無薄畳の敷設方法であって、
図1(a)に示すように、前記敷設領域Sの四辺部SA、SB、SC、SDは、平面視において壁b2,b3,c2,c3,d1と、敷居や床の間の床框等を構成する框部材a1,a2,b1,c1とを適宜配置することによって構成されており、
前記敷設領域Sの四辺部SA、SB、SC、SDのうち、前記框部材の合計長が最も長い一辺部SAの前記敷設領域側Sを向く面を基準面Aとし、前記一辺部SAと直交する二つの他辺部SB,SDのうち、前記框部材の合計長が長い他辺部SBの前記敷設領域側を向きかつ前記基準面Aと直交する面を隣接面Bとするとともに、前記基準面Aと対向する面を第1対向面Cとし、前記隣接面Bと対向する面を第2対向面Dとし、
まず、図1、図10〜図13に示すように、前記敷設領域Sの四辺部SA、SB、SC、SDのうち前記敷設領域側を向く壁b2,b3,c2,c3,d1の壁面下端部に、上端部にカバー部5cが形成された見切り材5を取り付ける見切材取付工程と、
この見切材取付工程後、図1(e)に示すように、規格化された縁無薄畳である定形縁無薄畳2を、前記基準面Aおよび隣接面Bから順次前記敷設領域Sに、定形縁無薄畳2,2どうしが当接するようにして敷設していく定形縁無薄畳敷設工程と、
この定形縁無薄畳敷設工程後、図1(e)〜図1(g)に示すように、複数の定形縁無薄畳2を敷設してなる定形縁無薄畳群15の外周面15a,15bと、前記第1対向面Cおよび前記第2対向面Dとの間に、この間に納まるように定形縁無薄畳2を切断してなる調整縁無薄畳3を前記敷設領域Sに敷設していくとともに、前記第1対向面Cと第2対向面Dとが交差する角部に前記調整縁無薄畳3を敷設する調整縁無薄畳敷設工程と、
図7および図9に示すように、前記壁面下端部に前記定形縁無薄畳2および調整縁無薄畳3を、前記見切り材5を介して当接する際に、前記定形縁無薄畳2および調整縁無薄畳3の縁部上面に、前記見切り材5のカバー部5cが被せられる見切材被せ工程とを含むことを特徴とする。
【0007】
請求項1に記載の発明によれば、定形縁無薄畳敷設工程で、定形縁無薄畳2を基準面Aおよび隣接面Bから順次前記敷設領域Sに、定形縁無薄畳2,2どうしが当接するようにして敷設していき、その後、調整縁無薄畳敷設工程で、定形縁無薄畳群15の外周面15a,15bと、第1対向面Cおよび第2対向面Dとの間に、調整縁無薄畳3を敷設領域Sに敷設していくとともに、第1対向面Cと第2対向面Dとが交差する角部に調整縁無薄畳3を敷設するので、縁無薄畳(2,3)を平面視正方形状または長方形状の敷設領域Sに効率よく敷設できる。
また、見切材取付工程で、敷設領域Sの四辺部SA、SB、SC、SDのうち敷設領域側を向く壁b2,b3,c2,c3,d1の壁面下端部に、見切り材5を取り付け、見切材被せ工程で、壁面下端部に定形縁無薄畳2および調整縁無薄畳3を、見切り材5を介して当接する際に、定形縁無薄畳2および調整縁無薄畳3の縁部上面に、見切り材5のカバー部5cが被せられるので、定形縁無薄畳2および調整縁無薄畳3と壁b2,b3,c2,c3,d1との間の隙間がカバー部5cによって覆われて見えることがなく、また、切断した面も覆われて見えることがないので、見映えがよくなる。
さらに、調整縁無薄畳工程で、定形縁無薄畳群15の外周面15a,15bと、第1対向面Cおよび前記第2対向面Dとの間に、この間に納まるように定形縁無薄畳2を切断してなる調整縁無薄畳3を前記敷設領域Sに敷設していくとともに、前記第1対向面Cと第2対向面Dとが交差する角部に前記調整縁無薄畳3を敷設するので、調整縁無薄畳3と、第1対向面Cおよび第2対向面Dとの間の隙間をほとんど無くすることがきる。したがって、調整縁無薄畳3の縁部上面に被せる見切り材5のカバー部5cの長さを小さくでき、この点においても見映えがよくなる。
【0008】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の縁無薄畳の敷設方法において、
前記調整縁無薄畳敷設工程では、例えば図1(e)に示すように、前記第2対向面Dと、前記定形縁無薄畳群15の外周面15aとの間に前記調整縁無薄畳3を敷設した後、図1(f)〜図1(h)に示すように、前記第1対向面Cと、前記定形縁無薄畳群15の外周面15bとの間に前記調整縁無薄畳3を敷設していくに際し、前記第1対向面Cと第2対向面Dとが交差する角部に調整縁無薄畳を敷設した後、この角部に敷設した調整縁無薄畳に隣接する最後の調整縁無薄畳3を敷設することを特徴とする。
【0009】
請求項2に記載の発明によれば、第2対向面Dと、定形縁無薄畳群15の外周面15aとの間に調整縁無薄畳3を敷設することによって、隣接面Bと第2対向面Dとの間に、縁無薄畳(2,3)を敷き詰めることができ、その後、第1対向面Cと、定形縁無薄畳群15の外周面15bとの間に調整縁無薄畳3を敷設していくに際し、第1対向面Cと第2対向面Dとが交差する角部に調整縁無薄畳3を敷設した後、この角部に敷設した調整縁無薄畳3に隣接する最後の調整縁無薄畳3を敷設することによって、基準面Aと第1対向面Cとの間および前記角部に縁無薄畳3を敷き詰めることができる。これによって、敷設領域に縁無薄畳(定形縁無薄畳2および調整縁無薄畳3)を敷き詰めることができる。また、前記角部に調整縁無薄畳3を敷設した後、この角部に敷設した調整縁無薄畳3に隣接する最後の調整縁無薄畳3を敷設するので、角部に最後に調整縁無薄畳3を敷設する場合に比して、最後の調整縁無薄畳3を容易に敷設できる。
【0010】
請求項3に記載の発明は、例えば図1(c)に示すように、請求項1または2に記載の縁無薄畳の敷設方法において、
前記見切材取付工程と前記縁無薄畳敷設工程との間で、
前記敷設領域Sの床面に、前記基準面Aから前記定形縁無薄畳2の一辺の長さと等しいピッチで墨打ちを前記基準面Aと平行に行うとともに、前記隣接面Bから前記定形縁無薄畳2の一辺の長さと等しいピッチで墨打ちを前記隣接面Bと平行に行うことで、前記床面に墨打ち線10を描く墨打ち工程と、
この墨打ち工程後、前記基準面Aと平行に両面接着テープ11を前記床面に貼り付ける両面接着テープ貼付工程とを行い、
この両面接着テープ貼付工程では、前記基準面Aの際位置と、前記第1対向面Cの際位置と、前記基準面Aと平行な前記墨打ち線10の両側位置と、前記墨打ち線10から前記ピッチの半分の半ピッチだけ離間した中間位置とにおいて、前記床面に両面接着テープ11を貼り付け、
前記定形縁無薄畳敷設工程および前記調整縁無薄畳敷設工程において、それぞれ前記床面に前記定形縁無薄畳2および調整縁無薄畳3を敷設する際に、前記両面接着テープ11にその離型紙を剥がして前記定形縁無薄畳2および調整縁無薄畳3を貼り付けることを特徴とする。
【0011】
請求項3に記載の発明によれば、墨打ち工程によって床面に墨打ち線10を描いた後、両面接着テープ貼付工程で、基準面Aの際位置と、第1対向面Cの際位置と、基準面Aと平行な墨打ち線10の両側位置と、墨打ち線10からピッチの半分の半ピッチだけ離間した中間位置とにおいて、床面に両面接着テープ11を貼り付けるので、敷設領域Sに敷設されるべき定形縁無薄畳2と調整縁無薄畳3とを固定するための、両面接着テープ11を最適な位置に配置できる。
そして、定形縁無薄畳敷設工程および調整縁無薄畳敷設工程において、それぞれ床面に定形縁無薄畳2および調整縁無薄畳3を敷設する際に、両面接着テープ11にその離型紙を剥がして定形縁無薄畳2および調整縁無薄畳3を貼り付けるので、これら定形縁無薄畳2および調整縁無薄畳3を順番よく確実に床面に固定できる。
【0012】
請求項4に記載の発明は、請求項1〜3のいずれか一項に記載の縁無薄畳の敷設方法において、
例えば図12に示すように、前記見切材取付工程では、前記見切り材5の下面を前記床面に当接するとともに、見切り材5の背面を前記壁面下端部に両面接着テープ6で接着固定した後、止着材8を見切り材5を通して前記壁面下端部に打ち込むことを特徴とする。
【0013】
請求項4に記載の発明によれば、見切り材5を床面に当接した状態で壁面下端部に強固に密着固定できる。
【0014】
請求項5に記載の発明は、請求項1〜4のいずれか一項に記載の縁無薄畳の敷設方法において、
例えば図1(b)に示すように、前記見切材取付工程と、前記定形縁無薄畳敷設工程との間で、複数の定形縁無薄畳2を、前記基準面Aおよび隣接面Bから順次前記敷設領域Sに、前記定形縁無薄畳2,2どうしが当接するようにして仮敷設した後、前記壁b2の壁面下端部と定形縁無薄畳2との間の隙間および隣り合う定形縁無薄畳2,2どうしの目地ずれを確認し、その後仮敷設した定形縁無薄畳2を敷設領域Sから取り外すことを特徴とする。
【0015】
請求項5に記載の発明によれば、定形縁無薄畳2を仮敷設した後、壁b2の壁面下端部と定形縁無薄畳2との間の隙間および隣り合う定形縁無薄畳2,2どうしの目地ずれを確認することによって、その後の定形縁無薄畳敷設工程での、定形縁無薄畳2の敷設を確実に行うことができる。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、定形縁無薄畳を基準面および隣接面から順次前記敷設領域に、定形縁無薄畳どうしが当接するようにして敷設していき、その後、定形縁無薄畳群の外周面と、第1対向面および第2対向面との間に、調整縁無薄畳を敷設領域に敷設していくとともに、第1対向面と第2対向面とが交差する角部に調整縁無薄畳を敷設するので、縁無薄畳(定形縁無薄畳および調整縁無薄畳)を平面視正方形状または長方形状の敷設領域に効率よく敷設できる。
また、敷設領域の四辺部のうち敷設領域側を向く壁の壁面下端部に、見切り材を取り付け、壁面下端部に定形縁無薄畳および調整縁無薄畳を、見切り材を介して当接する際に、定形縁無薄畳および調整縁無薄畳の縁部上面に、見切り材のカバー部が被せられるので、定形縁無薄畳および調整縁無薄畳と壁との間の隙間がカバー部によって覆われて見えることがなく、また、切断した面も覆われて見えることがないので、見映えがよくなる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明に係る縁無薄畳の敷設方法の一例を示すもので、その工程図である。
【図2】同、縁無薄畳を敷設した状態を示す平面図である。
【図3】同、定形縁無薄畳を示す断面図である。
【図4】同、見切り材を示す断面図である。
【図5】同、図1におけるA−A線およびB−B線断面図である。
【図6】同、図1におけるC−C線断面図である。
【図7】同、図1におけるD−D線断面図である。
【図8】同、図1におけるE−E線断面図である。
【図9】同、図1におけるF−F線およびG−G線断面図である。
【図10】同、見切り材を壁と床に当接した状態を示す要部断面図である。
【図11】同、見切り材の要部断面図である。
【図12】同、見切り材を壁に取り付けた状態を示す断面図である。
【図13】同、見切り材を壁のコーナ部に取り付けた状態を示す斜視図である。
【図14】同、両面接着テープに縁無薄畳を貼り付ける方法を示す断面図である。
【図15】同、縁無薄畳を壁際に納める方法を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。
図1は本発明に係る縁無薄畳の敷設方法の一例を示す工程図、図2は縁無薄畳を敷設した状態を示す平面図、図3は本発明で使用される縁無薄畳を示す断面図、図4は本発明で使用される見切り材を示す断面図である。
【0019】
本実施の形態では、図1(a)および図2に示すように、平面視略正方形状の敷設領域Sに、複数の縁無薄畳1を敷設するようになっている。敷設領域Sは例えば住宅に設けられた和室であり、この敷設領域Sの四辺部SA、SB、SC、SDは、平面視において壁と、敷居や床の間の床框等を構成する框部材とを適宜配置することによって構成されている。
辺部SAは敷居を構成する框部材a1と、床の間Tの床框を構成する框部材a2とが平面視一直線上に配置されることによって構成されている。辺部SBは敷居を構成する框部材b1と、この框部材b1の両側に配置された壁b2,b3とが平面視一直線上に配置されることによって構成されている。辺部SCは、敷居を構成する框部材c1と、この框部材c1の両側に配置された壁c2,c3とが平面視一直線上に配置されることによって構成されている。なお、壁c3と壁b3とは平面視において直角に配置されている。辺部SDは壁d1によって平面視一直線状に構成されている。壁d1は床の間Tを構成する壁は含まず、前記框部材a2の端部と壁c2の端部との間に配置されたものとする。壁d1は框部材a2および壁c2と平面視において直角に配置されている。
【0020】
本実施の形態で使用する縁無薄畳1は、大きく分けて、規格化された定形縁無薄畳2と、定形縁無薄畳2を切断してなる調整縁無薄畳3との二種類がある。
定形縁無薄畳2は、図2および図3に示すように、平面視正方形状に形成され、繊維を絡み合わせて多気孔の正方形板状に成形したボード2aと、このボード2aの上面および四周側面に貼り付けられた不織布2bと、この不織布2bの表面に貼り付けられた表面材(畳表)2cとから構成されている。
調整縁無薄畳3は、図1、図8、図9等に示すように、定形縁無薄畳2をその一辺と平行に切断してなるものや、定形縁無薄畳2をその直角に交わるニ辺とそれぞれ平行に切断してなるものがあり、その切断面は前記不織布2bおよび表面材2cによって覆われておらず、ボード2aの切断面が露出している。
【0021】
本実施の形態で使用する見切り材5は、図4に示すように、横断面略L字状に形成された長尺(図4において紙面と直交する方向に長尺)なものであり、基板5aとこの基板5aの端部から直角に立ち上がる側板部5bと、この側板部5bの上端から直角に折れ曲がるカバー部5cとから構成されている。また、見切り材5の側板部5bの背面には両面接着テープ6が貼り付けられている。
【0022】
次に、本発明に係る縁無薄畳の敷設方法について説明する。
まず、図1(a)に示すように、基準面A1、隣接面B、第1対向面C、第2対向面Dを決定する。
基準面A1は、敷設領域Sの四辺部SA,SB,SC,SDのうち、框部材の合計長が最も長い一辺部SAの敷設領域S側を向く面とする。つまり、框部材a1,a2の合計の長さが一番長いので、一辺部SAの敷設領域S側を向く面を基準面Aとする。
隣接面Bは、一辺部SAと直交する二つの他辺部SB,SDのうち、框部材の合計長が長い他辺部SBの敷設領域S側を向きかつ基準面Aと直交する面とする。
第1対向面Cは基準面Aと対向する、辺部SCの敷設領域側を向く面であり、第2対向面Dは隣接面Bと対向する、辺部SDの敷設領域側を向く面である。
【0023】
上記のようにして、基準面A、隣接面B、第1対向面C、第2対向面Dを決定した後、まず、敷設領域Sの四辺部SA,SB,SC,SDのうち敷設領域S側を向く壁b2,b3,c2,c3,d1の壁面下端部に見切り材5を取り付ける(見切材取付工程)。
この場合、まず敷設領域Sの床面(下地面)のゴミ・ホコリ等をよく拭き取って取り除いた後、図10〜図12に示すように、見切り材5の両面接着テープ6の離型紙6aを剥がした上で、見切り材5の基板5aを床面に擦らせながら側板部5の背面を壁面下端部に押し付けて接着する。次に、見切り材5の基板5aを養生テープ7で床面に止めつけた後、フィニッシュネイル(仕上釘)等の止着材8を、見切り材5の側板部5aを通して壁面下端部に打ち込むことによって、見切り材5を固定する。また、見切り材5を固定する際に、図13に示すように、直交する壁(壁b3と壁c3、壁c2と壁d1)の角部においては、見切り材5,5の基板5a,5aの重なり部分をカッターで取り除いて、基板5a,5aどうしが重ならないようにする。
【0024】
次に、図1(b)に示すように、複数の定形縁無薄畳2を、基準面Aおよび隣接面Bから順次敷設領域Sに、定形縁無薄畳2,2どうしが当接するようにして仮敷設する。
この場合、基準面Aと隣接面Bとが交差する角部の床面に、1番目の定形縁無薄畳2を基準面Aおよび隣接面Bに当接した状態で仮敷設し、順次、2番目および3番目の定形縁無薄畳2,2を基準面Aに沿って該基準面Aに当接した状態で仮敷設していき、次に、4番目の定形縁無薄畳2を横に隣り合う定形縁無薄畳2および隣接面Bに当接した状態で仮敷設し、順次、5番目および6番目の定形縁無薄畳2,2を既に敷設した定形縁無薄畳2,2に沿って該定形縁無薄畳2,2に当接した状態で仮敷設していき、次に、7番目の定形縁無薄畳2を横に隣り合う定形縁無薄畳2および隣接面Bに当接した状態で仮敷設し、順次、8番目および9番目の定形縁無薄畳2,2を既に敷設した定形縁無薄畳2,2に沿って該定形縁無薄畳2,2に当接した状態で仮敷設していく。なお、図1(b)には、定形縁無薄畳2の仮敷設の順番が円の中に付した数字として記載されている。
【0025】
定形縁無薄畳2を仮敷設していく場合、表面が市松模様となるように定形縁無薄畳2の向きを変えながら仮敷設していく。つまり、前後左右に隣接する定形縁無薄畳2,2の表面材(畳表)2c,2cの柄方向が互いに直交するように配置する。定形縁無薄畳2の裏面には、図1(b)に示すような矢印によって柄の方向が印刷されているので、この柄の方向を参考にして、定形縁無薄畳2を仮敷設していく。
そして、定形縁無薄畳2を仮敷設したら、壁b2の壁面下端部と定形縁無薄畳2との間の隙間および隣り合う定形縁無薄畳2,2のどうしの目地ずれを確認する。そして、壁b2の壁面下端部と定形縁無薄畳2との間の隙間および隣り合う定形縁無薄畳2,2のどうしの目地ずれが、許容値より大きい場合、定形縁無薄畳2の仮敷設状態を適度に調整して、許容値内に納まることを確認する。適度に調整しても、許容値内に納まらない場合、敷設領域Sの角の直角が出ていない可能性がある。したがって、実際に敷設領域Sの角の直角が出ていない場合、本発明に係る敷設方法は中止して、他の方法で敷設する。
そして、前記目地ずれ等が許容値に納まっていることを確認したら、仮敷設した定形縁無薄畳2を敷設領域Sから取り外す。
【0026】
次に、図1(c)に示すように、敷設領域Sの床面に、基準面Aから定形縁無薄畳2の一辺の長さと等しいピッチで墨打ちを基準面Aと平行に行うとともに、隣接面Bから定形縁無薄畳2の一辺の長さと等しいピッチで墨打ちを隣接面Bと平行に行うことで、床面に墨打ち線を格子状に描く(墨打ち工程)。
墨打ちの際の測定は、基準面Aには見切り材5が取り付けられていないので、基準面Aを基準として測定していき、隣接面Bには見切り材5が取り付けられているので、この見切り材5の側板部5bの表面を基準として測定していく。
【0027】
この墨打ち工程後、図1(d)に示すように、基準面Aと平行に両面接着テープ11・・・を床面に貼り付ける(両面接着テープ貼付工程)。
この両面接着テープ貼付工程では、基準面Aの際位置と、第1対向面Cの際位置と、基準面Aと平行な墨打ち線10の両側位置と、墨打ち線10から前記ピッチの半分の半ピッチだけ離間した中間位置とにおいて、床面に両面接着テープ11を貼り付ける。
また、両面接着テープ11の貼り方向と直交する敷居(框部材)b1があるので、貼り上がり後の両面接着テープ11の厚みによる段差不具合防止のため、敷居c1の脇に平行に両面接着テープ11を貼り付ける。
なお、前記両面接着テープ11は、図14に示すように、上から圧力をかけない間は横ずらし可能で、圧力をかけると固定される特殊なテープである。したがって、両面接着テープ11を貼り付けた後は、両面接着テープ11を上から踏み付けることのないように注意する。
【0028】
次に、図1(e)に示すように、前記定形縁無薄畳2を、基準面Aおよび隣接面Bから順次敷設領域Sに、定形縁無薄畳2,2どうしが当接するようにして敷設していく(定形縁無薄畳敷設工程)。
この定形縁無薄畳敷設工程では、図1(b)に示す仮敷設工程の場合と同様にして、定形縁無薄畳2を敷設していく。この場合、床面に貼り付けられている両面接着テープ11の離型紙を、定形縁無薄畳2を敷設する際にその都度剥がしたうえで、該両面接着テープ11に定形縁無薄畳2を接着する。そして、定形縁無薄畳2の縁と、墨打ち線10との間に大きなずれがないか、また定形縁無薄畳2と、框部材a1,a2,b1や見切り材5との間に目隙がないかなどを確認し、必要であれば、図14に示すように、横方向に多少ずらして調整したうえで、うまく納まったら、上から定形縁無薄畳2を押さえ付けて圧着する。
上記のようにして定形縁無薄畳2を敷設していくことによって、図5に示すように、床の間Tの框部材a2および框部材(敷居)a1に定形縁無薄畳2が隙間無く当接され、図6に示すように、框部材(敷居)b1に定形縁無薄畳2が隙間無く当接される。
また、上記のような定形縁無薄畳敷設工程において、最初の定形縁無薄畳2を基準面Aと隣接面Bとが交差する角部の床面に敷設して貼り付ける場合、図7に示すように、定形縁無薄畳2を、見切り材5を介して壁b2の下端部当接する際に、定形縁無薄畳2の縁部上面に、見切り材5のカバー部5cが被せられる(見切材被せ工程)。
【0029】
上記のような定形縁無薄畳敷設工程後、図1(e)〜図1(g)に示すように、複数の定形縁無薄畳2を敷設してなる定形縁無薄畳群15の外周面15a,15bと、前記第2対向面Dおよび第1対向面Cとの間に、この間に納まるように定形縁無薄畳2を切断してなる調整縁無薄畳3を第2対向面D、第1対向面Cおよび外周面15a,15bに当接するようにして敷設領域Sに敷設していくとともに、第1対向面Cと第2対向面Dとが交差する角部に調整縁無薄畳3を敷設する(調整縁無薄畳敷設工程)。なお、図1(e)〜図1(g)には、調整縁無薄畳3の仮敷設の順番が円の中に付した数字として記載されている。
【0030】
この調整縁無薄畳敷設工程では、まず図1(e)に示すように、定形縁無薄畳群15の外周面15aと、第2対向面Dとの間に、調整縁無薄畳3を第2対向面Dおよび外周面15aに当接するようにして床面に敷設する。この場合、前記外周面15aと、第2対向面Dに取り付けられている見切り材5の側板部5bの表面との間の長さを測定し、この測定値に合せて、定形縁無薄畳2をカッターによって切断して調整縁無薄畳3を3枚用意する。定形縁無薄畳2は正方形状であるので、その表面の柄の方向を考慮して、定形縁無薄畳2をその一辺と平行に切断する。そして、3枚の調整縁無薄畳3を順次、第2対向面Dに沿って仮置きする。その際、調整縁無薄畳3を見切り材5にはめ込まず、上から乗せてみて、定形縁無薄畳群15と重なって入らないなど、うまく納まらない場合、調整縁無薄畳3を再度切断して調整する。
そして、仮置きしてうまく納まりそうであれば、床面に貼り付けてある両面接着テープ11の離型紙を剥がして、図15に示すように、調整縁無薄畳3を見切り材5に差し込むようにして納めて、床面に順次左側から番号順に敷設して両面接着テープ11によって固定する。
上記のようにして調整縁無薄畳3を敷設していくことによって、図5に示すように、床の間Tの框部材a2に調整縁無薄畳3が隙間無く当接される。
また、図9に示すように、調整縁無薄畳3を、見切り材5を介して壁d1の下端部当接する際に、調整縁無薄畳3の縁部上面に、見切り材5のカバー部5cが被せられる(見切材被せ工程)。
【0031】
次に、図1(f)および図1(g)に示すように、定形縁無薄畳群15の外周面15bと、第1対向面Cとの間に、調整縁無薄畳3を第1対向面Cおよび外周面15bに当接するようにして床面に敷設する。この場合、前記外周面15bと、第1対向面Cに取り付けられている見切り材5の側板部5bの表面との間の長さを測定し、この測定値に合せて、定形縁無薄畳2をカッターによって切断して調整縁無薄畳3を1枚用意する。また、前記外周面15bと框部材c1の側面との間の間の長さを測定し、この測定値に合せて、定形縁無薄畳2をカッターによって切断して調整縁無薄畳3を2枚用意する。定形縁無薄畳2は正方形状であるので、その表面の柄の方向を考慮して、定形縁無薄畳2をその一辺と平行に切断する。
そして、まず図1(f)に示すように、隣接面Bと第1対向面Cとが直角に交差する角部の床面に調整縁無薄畳3を敷設する。この場合、壁b3,c3に見切り材5,5が直交して取り付けられているので、壁c3に取り付けられている見切り材5に調整縁無薄畳3を差し込んだうえで、この調整縁無薄畳3を縦方向にずらしながら壁b3に取り付けられている見切り材5に差し込む。なお、調整縁無薄畳3を見切り材5に差し込む前に、床面に貼り付けられている両面接着テープ11の離型紙を剥がしておき、この両面接着テープ11によって調整縁無薄畳3を固定する。
そして、図9に示すように、調整縁無薄畳3を、壁c3に取り付けられている見切り材5を介して壁c3の下端部に当接する際に、調整縁無薄畳3の縁部上面に、見切り材5のカバー部5cが被せられる(見切材被せ工程)。また、図7に示すように、調整縁無薄畳3を、壁b3に取り付けられている見切り材5を介して壁b3の下端部に当接する際に、調整縁無薄畳3の縁部上面に、見切り材5のカバー部5cが被せられる(見切材被せ工程)。
【0032】
次に、図1(g)に示すように、定形縁無薄畳群15の外周面15bと、第1対向面C(框部材c1の側面)との間に、調整縁無薄畳3を外周面15bおよび第1対向面C(框部材c1の側面)に当接するようにして床面に敷設する。これによって、図8に示すように、框部材c1に調整縁無薄畳3が隙間無く当接される。なお、調整縁無薄畳3を敷設する前に、床面に貼り付けられている両面接着テープ11の離型紙を剥がしておき、この両面接着テープ11によって調整縁無薄畳3を固定する。
【0033】
次に、次の調整縁無薄畳3を、直前に固定した調整縁無薄畳3と第1対向面C(框部材c1の側面)とに当接するようにして床面に仮置きする。
次に、仮置きした調整縁無薄畳3と第2対向面Dに取り付けられている見切り材5の側板部5bの表面との間の長さおよび、第1対向面Cと第2対向面Dとが交差する角部の横に固定されている調整縁無薄畳3と、第1対向面Cに取り付けられている見切り材5の側板部5bの表面との間の長さを測定し、この測定値に合せて、定形縁無薄畳2をカッターによって直交する2方向で切断して調整縁無薄畳3を得る。
そして、この調整縁無薄畳3を第1対向面Cと第2対向面Dとが交差する角部に仮置きして、2枚の調整縁無薄畳3,3が納まるかを確認し、一旦これら調整縁無薄畳3,3を取り外す。
【0034】
次に、第1対向面Cと第2対向面Dとが交差する角部に調整縁無薄畳3を敷設する。この場合、図1(f)で示した場合と同様に、壁c2に取り付けられている見切り材5に調整縁無薄畳3を差し込んだうえで、この調整縁無薄畳3を縦方向にずらしながら壁d1に取り付けられている見切り材5に差し込む。なお、調整縁無薄畳3を見切り材5に差し込む前に、床面に貼り付けられている両面接着テープ11の離型紙を剥がしておき、この両面接着テープ11によって調整縁無薄畳3を固定する。
そして、図9に示すように、調整縁無薄畳3を、壁c2および壁d1に取り付けられている見切り材5を介して壁c2および壁d1の下端部に当接する際に、調整縁無薄畳3の縁部上面に、見切り材5のカバー部5cが被せられる(見切材被せ工程)。
【0035】
最後に、残り1枚の調整縁無薄畳3を敷設する。この場合、この調整縁無薄畳3を、縦方向に隣り合う調整縁無薄畳3と角部に敷設された前記調整縁無薄畳3との間に挿入して、框部材(敷居)c1に当接する。なお、調整縁無薄畳3を敷設する前に、床面に貼り付けられている両面接着テープ11の離型紙を剥がしておき、この両面接着テープ11によって調整縁無薄畳3を固定する。これによって、図8に示すように、框部材c1に調整縁無薄畳3が隙間無く当接されるとともに、縦方向に隣り合う調整縁無薄畳3に隙間無く当接する。
定形縁無薄畳2および調整縁無薄畳3を全て敷設したら、これらをその上から踏み込んで、両面接着テープ11に確実に圧着して終了する。
【0036】
以上のように、本実施の形態によれば、定形縁無薄畳敷設工程で、定形縁無薄畳2を基準面Aおよび隣接面Bから順次前記敷設領域Sに、定形縁無薄畳2,2どうしが当接するようにして敷設していき、その後、調整縁無薄畳敷設工程で、定形縁無薄畳群15の外周面15b,15aと、第1対向面Cおよび第2対向面Dとの間に、調整縁無薄畳3を敷設領域Sに敷設していくとともに、第1対向面Cと第2対向面Dとが交差する角部に調整縁無薄畳3を敷設するので、縁無薄畳2,3を平面視正方形状または長方形状の敷設領域に効率よく敷設できる。
また、見切材取付工程で、敷設領域Sの四辺部SA、SB、SC、SDのうち敷設領域側を向く壁b2,b3,c2,c3,d1の壁面下端部に、見切り材5を取り付け、見切材被せ工程で、壁面下端部に定形縁無薄畳2および調整縁無薄畳3を、見切り材5を介して当接する際に、定形縁無薄畳2および調整縁無薄畳3の縁部上面に、見切り材5のカバー部5cが被せられるので、定形縁無薄畳2および調整縁無薄畳3と壁b2,b3,c2,c3,d1との間の隙間がカバー部5cによって覆われて見えることがなく、また、切断した面も覆われて見えることがないので、見映えがよくなる。
さらに、調整縁無薄畳工程で、定形縁無薄畳群15の外周面15a,15bと、第1対向面Cおよび前記第2対向面Dとの間に、この間に納まるように定形縁無薄畳2を切断してなる調整縁無薄畳3を前記敷設領域Sに敷設していくとともに、前記第1対向面Cと第2対向面Dとが交差する角部に前記調整縁無薄畳3を敷設するので、調整縁無薄畳3と、第1対向面Cおよび第2対向面Dとの間の隙間をほとんど無くすることがきる。したがって、調整縁無薄畳3の縁部上面に被せる見切り材5のカバー部5cの長さを小さくでき、この点においても見映えがよくなる。
【0037】
また、第2対向面Dと、定形縁無薄畳群15の外周面15aとの間に調整縁無薄畳3を敷設することによって、隣接面Bと第2対向面Dとの間に、縁無薄畳2,3を敷き詰めることができ、その後、第1対向面Cと、定形縁無薄畳群15の外周面15bとの間に調整縁無薄畳3を敷設していくに際し、第1対向面Cと第2対向面Dとが交差する角部に調整縁無薄畳3を敷設した後、この角部に敷設した調整縁無薄畳3に隣接する最後の調整縁無薄畳3を敷設することによって、基準面Aと第1対向面Cとの間および前記角部に縁無薄畳3を敷き詰めることができる。これによって、敷設領域Sに縁無薄畳(定形縁無薄畳2および調整縁無薄畳3)を敷き詰めることができる。また、前記角部に調整縁無薄畳3を敷設した後、この角部に敷設した調整縁無薄畳3に隣接する最後の調整縁無薄畳3を敷設するので、角部に最後に調整縁無薄畳3を敷設する場合に比して、最後の調整縁無薄畳3を容易に敷設できる。
【0038】
さらに、墨打ち工程によって床面に墨打ち線10を描いた後、両面接着テープ貼付工程で、基準面Aの際位置と、第1対向面Cの際位置と、基準面Aと平行な墨打ち線10の両側位置と、墨打ち線10からピッチの半分の半ピッチだけ離間した中間位置とにおいて、床面に両面接着テープ11を貼り付けるので、敷設領域Sに敷設されるべき定形縁無薄畳2と調整縁無薄畳3とを固定するための、両面接着テープ11を最適な位置に配置できる。
そして、定形縁無薄畳敷設工程および調整縁無薄畳敷設工程において、それぞれ床面に定形縁無薄畳2および調整縁無薄畳3を敷設する際に、離型紙を剥がして両面接着テープ11に定形縁無薄畳2および調整縁無薄畳3を貼り付けるので、これら定形縁無薄畳2および調整縁無薄畳3を順番よく確実に床面に固定できる。
【0039】
また、見切材取付工程では、見切り材5の基板5a下面を床面に当接するとともに、見切り材5の側板部5bの背面を壁面下端部に両面接着テープ6で接着固定した後、止着材8を見切り材5を通して壁面下端部に打ち込むので、見切り材5を床面に当接した状態で壁面下端部に強固に密着固定できる。
また、定形縁無薄畳2を仮敷設した後、壁b2の壁面下端部と定形縁無薄畳2との間の隙間および隣り合う定形縁無薄畳2,2どうしの目地ずれを確認することによって、その後の定形縁無薄畳敷設工程での、定形縁無薄畳の敷設を確実に行うことができる。
【符号の説明】
【0040】
1 縁無薄畳
2 定形縁無薄畳(縁無薄畳)
3 調整縁無薄畳(縁無薄畳)
5 見切り材
5c カバー部
6 両面接着テープ
8 止着材
10 墨打ち線
11 両面接着テープ
15 定形縁無薄畳群
15a,15b 外周面
S 敷設領域
SA,SB,SC,SD 辺部
a1,a2,b1,c1 框部材
b2,b3,c2,c3,d1 壁
A 基準面
B 隣接面
C 第1対向面
D 第2対向面
【技術分野】
【0001】
本発明は、縁無薄畳の敷設方法に関する。
【背景技術】
【0002】
畳を和室等の敷設領域に敷設する方法の一例として特許文献1に記載の技術が知られている。この技術は、部屋の大きさから割り出した畳の大きさよりも若干大きめに規格化した畳を準備する工程と、該規格化した畳を現場に持ち込む工程と、持ち込んだ畳を順次敷き込む工程と、畳を敷設しようとしたときに、この畳を敷設しようとする領域に入り切らない畳を切断して該領域に適合する大きさに調整する工程と、この大きさ調整した畳を敷き込む工程とを有することを特徴としている。
畳を敷き込む工程および調整する工程では、先ず、搬入した畳のうち4枚を部屋の一隅から敷き込み、次に、残る4つの領域に関して、畳の長さ寸法や幅寸法を適宜調整した後、これらを敷き込むようにしている。
また、大きさ調整した畳を敷き込んだ後、この畳に沿う部屋のL字状の縁部に、縁帯材料を配置しており、これによって縁部の隙間を隠すことができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2000−213150号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、上記従来の畳の敷設方法では、大きさ調整した畳を敷き込んだ後、この畳に沿う部屋のL字状の縁部に縁帯材料を配置することによって、縁部の隙間を隠している。
一方、複数の畳を敷き込んでなる畳群の外周部の外側には、特に壁との間に隙間が生じ易い。すなわち、和室等の畳を敷設する敷設領域の縁部には、壁と、敷居や床の間の床框等を構成する框部材とが適宜配置されているが、壁は框部材に比して施工誤差が生じ易いので、畳群の外周部の外側には、特に壁との間に隙間が生じ易い。
したがって、上記従来の畳の敷設方法では、規格化した畳を敷き込む場合も、この畳と壁との間に隙間が生じることがあり、見映えが悪くなるおそれがあった。
また、上記従来の畳の敷設方法では、まず畳4枚を部屋の一隅から敷き込むようにしているが、部屋の四隅のうちどの隅を基準として敷き込むかについては何ら記載されていない。したがって、基準の取り方によっては隙間の生じる位置が異なってしまうので、効率的に畳を敷設し難いという問題もある。
【0005】
本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、縁無薄畳を平面視正方形状または長方形状の敷設領域に効率よく敷設できるとともに、壁との間の隙間が見えることがない縁無薄畳の敷設方法を提供することを課題としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、例えば図1等に示すように、縁無薄畳1を平面視正方形状または長方形状の敷設領域Sに敷設する縁無薄畳の敷設方法であって、
図1(a)に示すように、前記敷設領域Sの四辺部SA、SB、SC、SDは、平面視において壁b2,b3,c2,c3,d1と、敷居や床の間の床框等を構成する框部材a1,a2,b1,c1とを適宜配置することによって構成されており、
前記敷設領域Sの四辺部SA、SB、SC、SDのうち、前記框部材の合計長が最も長い一辺部SAの前記敷設領域側Sを向く面を基準面Aとし、前記一辺部SAと直交する二つの他辺部SB,SDのうち、前記框部材の合計長が長い他辺部SBの前記敷設領域側を向きかつ前記基準面Aと直交する面を隣接面Bとするとともに、前記基準面Aと対向する面を第1対向面Cとし、前記隣接面Bと対向する面を第2対向面Dとし、
まず、図1、図10〜図13に示すように、前記敷設領域Sの四辺部SA、SB、SC、SDのうち前記敷設領域側を向く壁b2,b3,c2,c3,d1の壁面下端部に、上端部にカバー部5cが形成された見切り材5を取り付ける見切材取付工程と、
この見切材取付工程後、図1(e)に示すように、規格化された縁無薄畳である定形縁無薄畳2を、前記基準面Aおよび隣接面Bから順次前記敷設領域Sに、定形縁無薄畳2,2どうしが当接するようにして敷設していく定形縁無薄畳敷設工程と、
この定形縁無薄畳敷設工程後、図1(e)〜図1(g)に示すように、複数の定形縁無薄畳2を敷設してなる定形縁無薄畳群15の外周面15a,15bと、前記第1対向面Cおよび前記第2対向面Dとの間に、この間に納まるように定形縁無薄畳2を切断してなる調整縁無薄畳3を前記敷設領域Sに敷設していくとともに、前記第1対向面Cと第2対向面Dとが交差する角部に前記調整縁無薄畳3を敷設する調整縁無薄畳敷設工程と、
図7および図9に示すように、前記壁面下端部に前記定形縁無薄畳2および調整縁無薄畳3を、前記見切り材5を介して当接する際に、前記定形縁無薄畳2および調整縁無薄畳3の縁部上面に、前記見切り材5のカバー部5cが被せられる見切材被せ工程とを含むことを特徴とする。
【0007】
請求項1に記載の発明によれば、定形縁無薄畳敷設工程で、定形縁無薄畳2を基準面Aおよび隣接面Bから順次前記敷設領域Sに、定形縁無薄畳2,2どうしが当接するようにして敷設していき、その後、調整縁無薄畳敷設工程で、定形縁無薄畳群15の外周面15a,15bと、第1対向面Cおよび第2対向面Dとの間に、調整縁無薄畳3を敷設領域Sに敷設していくとともに、第1対向面Cと第2対向面Dとが交差する角部に調整縁無薄畳3を敷設するので、縁無薄畳(2,3)を平面視正方形状または長方形状の敷設領域Sに効率よく敷設できる。
また、見切材取付工程で、敷設領域Sの四辺部SA、SB、SC、SDのうち敷設領域側を向く壁b2,b3,c2,c3,d1の壁面下端部に、見切り材5を取り付け、見切材被せ工程で、壁面下端部に定形縁無薄畳2および調整縁無薄畳3を、見切り材5を介して当接する際に、定形縁無薄畳2および調整縁無薄畳3の縁部上面に、見切り材5のカバー部5cが被せられるので、定形縁無薄畳2および調整縁無薄畳3と壁b2,b3,c2,c3,d1との間の隙間がカバー部5cによって覆われて見えることがなく、また、切断した面も覆われて見えることがないので、見映えがよくなる。
さらに、調整縁無薄畳工程で、定形縁無薄畳群15の外周面15a,15bと、第1対向面Cおよび前記第2対向面Dとの間に、この間に納まるように定形縁無薄畳2を切断してなる調整縁無薄畳3を前記敷設領域Sに敷設していくとともに、前記第1対向面Cと第2対向面Dとが交差する角部に前記調整縁無薄畳3を敷設するので、調整縁無薄畳3と、第1対向面Cおよび第2対向面Dとの間の隙間をほとんど無くすることがきる。したがって、調整縁無薄畳3の縁部上面に被せる見切り材5のカバー部5cの長さを小さくでき、この点においても見映えがよくなる。
【0008】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の縁無薄畳の敷設方法において、
前記調整縁無薄畳敷設工程では、例えば図1(e)に示すように、前記第2対向面Dと、前記定形縁無薄畳群15の外周面15aとの間に前記調整縁無薄畳3を敷設した後、図1(f)〜図1(h)に示すように、前記第1対向面Cと、前記定形縁無薄畳群15の外周面15bとの間に前記調整縁無薄畳3を敷設していくに際し、前記第1対向面Cと第2対向面Dとが交差する角部に調整縁無薄畳を敷設した後、この角部に敷設した調整縁無薄畳に隣接する最後の調整縁無薄畳3を敷設することを特徴とする。
【0009】
請求項2に記載の発明によれば、第2対向面Dと、定形縁無薄畳群15の外周面15aとの間に調整縁無薄畳3を敷設することによって、隣接面Bと第2対向面Dとの間に、縁無薄畳(2,3)を敷き詰めることができ、その後、第1対向面Cと、定形縁無薄畳群15の外周面15bとの間に調整縁無薄畳3を敷設していくに際し、第1対向面Cと第2対向面Dとが交差する角部に調整縁無薄畳3を敷設した後、この角部に敷設した調整縁無薄畳3に隣接する最後の調整縁無薄畳3を敷設することによって、基準面Aと第1対向面Cとの間および前記角部に縁無薄畳3を敷き詰めることができる。これによって、敷設領域に縁無薄畳(定形縁無薄畳2および調整縁無薄畳3)を敷き詰めることができる。また、前記角部に調整縁無薄畳3を敷設した後、この角部に敷設した調整縁無薄畳3に隣接する最後の調整縁無薄畳3を敷設するので、角部に最後に調整縁無薄畳3を敷設する場合に比して、最後の調整縁無薄畳3を容易に敷設できる。
【0010】
請求項3に記載の発明は、例えば図1(c)に示すように、請求項1または2に記載の縁無薄畳の敷設方法において、
前記見切材取付工程と前記縁無薄畳敷設工程との間で、
前記敷設領域Sの床面に、前記基準面Aから前記定形縁無薄畳2の一辺の長さと等しいピッチで墨打ちを前記基準面Aと平行に行うとともに、前記隣接面Bから前記定形縁無薄畳2の一辺の長さと等しいピッチで墨打ちを前記隣接面Bと平行に行うことで、前記床面に墨打ち線10を描く墨打ち工程と、
この墨打ち工程後、前記基準面Aと平行に両面接着テープ11を前記床面に貼り付ける両面接着テープ貼付工程とを行い、
この両面接着テープ貼付工程では、前記基準面Aの際位置と、前記第1対向面Cの際位置と、前記基準面Aと平行な前記墨打ち線10の両側位置と、前記墨打ち線10から前記ピッチの半分の半ピッチだけ離間した中間位置とにおいて、前記床面に両面接着テープ11を貼り付け、
前記定形縁無薄畳敷設工程および前記調整縁無薄畳敷設工程において、それぞれ前記床面に前記定形縁無薄畳2および調整縁無薄畳3を敷設する際に、前記両面接着テープ11にその離型紙を剥がして前記定形縁無薄畳2および調整縁無薄畳3を貼り付けることを特徴とする。
【0011】
請求項3に記載の発明によれば、墨打ち工程によって床面に墨打ち線10を描いた後、両面接着テープ貼付工程で、基準面Aの際位置と、第1対向面Cの際位置と、基準面Aと平行な墨打ち線10の両側位置と、墨打ち線10からピッチの半分の半ピッチだけ離間した中間位置とにおいて、床面に両面接着テープ11を貼り付けるので、敷設領域Sに敷設されるべき定形縁無薄畳2と調整縁無薄畳3とを固定するための、両面接着テープ11を最適な位置に配置できる。
そして、定形縁無薄畳敷設工程および調整縁無薄畳敷設工程において、それぞれ床面に定形縁無薄畳2および調整縁無薄畳3を敷設する際に、両面接着テープ11にその離型紙を剥がして定形縁無薄畳2および調整縁無薄畳3を貼り付けるので、これら定形縁無薄畳2および調整縁無薄畳3を順番よく確実に床面に固定できる。
【0012】
請求項4に記載の発明は、請求項1〜3のいずれか一項に記載の縁無薄畳の敷設方法において、
例えば図12に示すように、前記見切材取付工程では、前記見切り材5の下面を前記床面に当接するとともに、見切り材5の背面を前記壁面下端部に両面接着テープ6で接着固定した後、止着材8を見切り材5を通して前記壁面下端部に打ち込むことを特徴とする。
【0013】
請求項4に記載の発明によれば、見切り材5を床面に当接した状態で壁面下端部に強固に密着固定できる。
【0014】
請求項5に記載の発明は、請求項1〜4のいずれか一項に記載の縁無薄畳の敷設方法において、
例えば図1(b)に示すように、前記見切材取付工程と、前記定形縁無薄畳敷設工程との間で、複数の定形縁無薄畳2を、前記基準面Aおよび隣接面Bから順次前記敷設領域Sに、前記定形縁無薄畳2,2どうしが当接するようにして仮敷設した後、前記壁b2の壁面下端部と定形縁無薄畳2との間の隙間および隣り合う定形縁無薄畳2,2どうしの目地ずれを確認し、その後仮敷設した定形縁無薄畳2を敷設領域Sから取り外すことを特徴とする。
【0015】
請求項5に記載の発明によれば、定形縁無薄畳2を仮敷設した後、壁b2の壁面下端部と定形縁無薄畳2との間の隙間および隣り合う定形縁無薄畳2,2どうしの目地ずれを確認することによって、その後の定形縁無薄畳敷設工程での、定形縁無薄畳2の敷設を確実に行うことができる。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、定形縁無薄畳を基準面および隣接面から順次前記敷設領域に、定形縁無薄畳どうしが当接するようにして敷設していき、その後、定形縁無薄畳群の外周面と、第1対向面および第2対向面との間に、調整縁無薄畳を敷設領域に敷設していくとともに、第1対向面と第2対向面とが交差する角部に調整縁無薄畳を敷設するので、縁無薄畳(定形縁無薄畳および調整縁無薄畳)を平面視正方形状または長方形状の敷設領域に効率よく敷設できる。
また、敷設領域の四辺部のうち敷設領域側を向く壁の壁面下端部に、見切り材を取り付け、壁面下端部に定形縁無薄畳および調整縁無薄畳を、見切り材を介して当接する際に、定形縁無薄畳および調整縁無薄畳の縁部上面に、見切り材のカバー部が被せられるので、定形縁無薄畳および調整縁無薄畳と壁との間の隙間がカバー部によって覆われて見えることがなく、また、切断した面も覆われて見えることがないので、見映えがよくなる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明に係る縁無薄畳の敷設方法の一例を示すもので、その工程図である。
【図2】同、縁無薄畳を敷設した状態を示す平面図である。
【図3】同、定形縁無薄畳を示す断面図である。
【図4】同、見切り材を示す断面図である。
【図5】同、図1におけるA−A線およびB−B線断面図である。
【図6】同、図1におけるC−C線断面図である。
【図7】同、図1におけるD−D線断面図である。
【図8】同、図1におけるE−E線断面図である。
【図9】同、図1におけるF−F線およびG−G線断面図である。
【図10】同、見切り材を壁と床に当接した状態を示す要部断面図である。
【図11】同、見切り材の要部断面図である。
【図12】同、見切り材を壁に取り付けた状態を示す断面図である。
【図13】同、見切り材を壁のコーナ部に取り付けた状態を示す斜視図である。
【図14】同、両面接着テープに縁無薄畳を貼り付ける方法を示す断面図である。
【図15】同、縁無薄畳を壁際に納める方法を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。
図1は本発明に係る縁無薄畳の敷設方法の一例を示す工程図、図2は縁無薄畳を敷設した状態を示す平面図、図3は本発明で使用される縁無薄畳を示す断面図、図4は本発明で使用される見切り材を示す断面図である。
【0019】
本実施の形態では、図1(a)および図2に示すように、平面視略正方形状の敷設領域Sに、複数の縁無薄畳1を敷設するようになっている。敷設領域Sは例えば住宅に設けられた和室であり、この敷設領域Sの四辺部SA、SB、SC、SDは、平面視において壁と、敷居や床の間の床框等を構成する框部材とを適宜配置することによって構成されている。
辺部SAは敷居を構成する框部材a1と、床の間Tの床框を構成する框部材a2とが平面視一直線上に配置されることによって構成されている。辺部SBは敷居を構成する框部材b1と、この框部材b1の両側に配置された壁b2,b3とが平面視一直線上に配置されることによって構成されている。辺部SCは、敷居を構成する框部材c1と、この框部材c1の両側に配置された壁c2,c3とが平面視一直線上に配置されることによって構成されている。なお、壁c3と壁b3とは平面視において直角に配置されている。辺部SDは壁d1によって平面視一直線状に構成されている。壁d1は床の間Tを構成する壁は含まず、前記框部材a2の端部と壁c2の端部との間に配置されたものとする。壁d1は框部材a2および壁c2と平面視において直角に配置されている。
【0020】
本実施の形態で使用する縁無薄畳1は、大きく分けて、規格化された定形縁無薄畳2と、定形縁無薄畳2を切断してなる調整縁無薄畳3との二種類がある。
定形縁無薄畳2は、図2および図3に示すように、平面視正方形状に形成され、繊維を絡み合わせて多気孔の正方形板状に成形したボード2aと、このボード2aの上面および四周側面に貼り付けられた不織布2bと、この不織布2bの表面に貼り付けられた表面材(畳表)2cとから構成されている。
調整縁無薄畳3は、図1、図8、図9等に示すように、定形縁無薄畳2をその一辺と平行に切断してなるものや、定形縁無薄畳2をその直角に交わるニ辺とそれぞれ平行に切断してなるものがあり、その切断面は前記不織布2bおよび表面材2cによって覆われておらず、ボード2aの切断面が露出している。
【0021】
本実施の形態で使用する見切り材5は、図4に示すように、横断面略L字状に形成された長尺(図4において紙面と直交する方向に長尺)なものであり、基板5aとこの基板5aの端部から直角に立ち上がる側板部5bと、この側板部5bの上端から直角に折れ曲がるカバー部5cとから構成されている。また、見切り材5の側板部5bの背面には両面接着テープ6が貼り付けられている。
【0022】
次に、本発明に係る縁無薄畳の敷設方法について説明する。
まず、図1(a)に示すように、基準面A1、隣接面B、第1対向面C、第2対向面Dを決定する。
基準面A1は、敷設領域Sの四辺部SA,SB,SC,SDのうち、框部材の合計長が最も長い一辺部SAの敷設領域S側を向く面とする。つまり、框部材a1,a2の合計の長さが一番長いので、一辺部SAの敷設領域S側を向く面を基準面Aとする。
隣接面Bは、一辺部SAと直交する二つの他辺部SB,SDのうち、框部材の合計長が長い他辺部SBの敷設領域S側を向きかつ基準面Aと直交する面とする。
第1対向面Cは基準面Aと対向する、辺部SCの敷設領域側を向く面であり、第2対向面Dは隣接面Bと対向する、辺部SDの敷設領域側を向く面である。
【0023】
上記のようにして、基準面A、隣接面B、第1対向面C、第2対向面Dを決定した後、まず、敷設領域Sの四辺部SA,SB,SC,SDのうち敷設領域S側を向く壁b2,b3,c2,c3,d1の壁面下端部に見切り材5を取り付ける(見切材取付工程)。
この場合、まず敷設領域Sの床面(下地面)のゴミ・ホコリ等をよく拭き取って取り除いた後、図10〜図12に示すように、見切り材5の両面接着テープ6の離型紙6aを剥がした上で、見切り材5の基板5aを床面に擦らせながら側板部5の背面を壁面下端部に押し付けて接着する。次に、見切り材5の基板5aを養生テープ7で床面に止めつけた後、フィニッシュネイル(仕上釘)等の止着材8を、見切り材5の側板部5aを通して壁面下端部に打ち込むことによって、見切り材5を固定する。また、見切り材5を固定する際に、図13に示すように、直交する壁(壁b3と壁c3、壁c2と壁d1)の角部においては、見切り材5,5の基板5a,5aの重なり部分をカッターで取り除いて、基板5a,5aどうしが重ならないようにする。
【0024】
次に、図1(b)に示すように、複数の定形縁無薄畳2を、基準面Aおよび隣接面Bから順次敷設領域Sに、定形縁無薄畳2,2どうしが当接するようにして仮敷設する。
この場合、基準面Aと隣接面Bとが交差する角部の床面に、1番目の定形縁無薄畳2を基準面Aおよび隣接面Bに当接した状態で仮敷設し、順次、2番目および3番目の定形縁無薄畳2,2を基準面Aに沿って該基準面Aに当接した状態で仮敷設していき、次に、4番目の定形縁無薄畳2を横に隣り合う定形縁無薄畳2および隣接面Bに当接した状態で仮敷設し、順次、5番目および6番目の定形縁無薄畳2,2を既に敷設した定形縁無薄畳2,2に沿って該定形縁無薄畳2,2に当接した状態で仮敷設していき、次に、7番目の定形縁無薄畳2を横に隣り合う定形縁無薄畳2および隣接面Bに当接した状態で仮敷設し、順次、8番目および9番目の定形縁無薄畳2,2を既に敷設した定形縁無薄畳2,2に沿って該定形縁無薄畳2,2に当接した状態で仮敷設していく。なお、図1(b)には、定形縁無薄畳2の仮敷設の順番が円の中に付した数字として記載されている。
【0025】
定形縁無薄畳2を仮敷設していく場合、表面が市松模様となるように定形縁無薄畳2の向きを変えながら仮敷設していく。つまり、前後左右に隣接する定形縁無薄畳2,2の表面材(畳表)2c,2cの柄方向が互いに直交するように配置する。定形縁無薄畳2の裏面には、図1(b)に示すような矢印によって柄の方向が印刷されているので、この柄の方向を参考にして、定形縁無薄畳2を仮敷設していく。
そして、定形縁無薄畳2を仮敷設したら、壁b2の壁面下端部と定形縁無薄畳2との間の隙間および隣り合う定形縁無薄畳2,2のどうしの目地ずれを確認する。そして、壁b2の壁面下端部と定形縁無薄畳2との間の隙間および隣り合う定形縁無薄畳2,2のどうしの目地ずれが、許容値より大きい場合、定形縁無薄畳2の仮敷設状態を適度に調整して、許容値内に納まることを確認する。適度に調整しても、許容値内に納まらない場合、敷設領域Sの角の直角が出ていない可能性がある。したがって、実際に敷設領域Sの角の直角が出ていない場合、本発明に係る敷設方法は中止して、他の方法で敷設する。
そして、前記目地ずれ等が許容値に納まっていることを確認したら、仮敷設した定形縁無薄畳2を敷設領域Sから取り外す。
【0026】
次に、図1(c)に示すように、敷設領域Sの床面に、基準面Aから定形縁無薄畳2の一辺の長さと等しいピッチで墨打ちを基準面Aと平行に行うとともに、隣接面Bから定形縁無薄畳2の一辺の長さと等しいピッチで墨打ちを隣接面Bと平行に行うことで、床面に墨打ち線を格子状に描く(墨打ち工程)。
墨打ちの際の測定は、基準面Aには見切り材5が取り付けられていないので、基準面Aを基準として測定していき、隣接面Bには見切り材5が取り付けられているので、この見切り材5の側板部5bの表面を基準として測定していく。
【0027】
この墨打ち工程後、図1(d)に示すように、基準面Aと平行に両面接着テープ11・・・を床面に貼り付ける(両面接着テープ貼付工程)。
この両面接着テープ貼付工程では、基準面Aの際位置と、第1対向面Cの際位置と、基準面Aと平行な墨打ち線10の両側位置と、墨打ち線10から前記ピッチの半分の半ピッチだけ離間した中間位置とにおいて、床面に両面接着テープ11を貼り付ける。
また、両面接着テープ11の貼り方向と直交する敷居(框部材)b1があるので、貼り上がり後の両面接着テープ11の厚みによる段差不具合防止のため、敷居c1の脇に平行に両面接着テープ11を貼り付ける。
なお、前記両面接着テープ11は、図14に示すように、上から圧力をかけない間は横ずらし可能で、圧力をかけると固定される特殊なテープである。したがって、両面接着テープ11を貼り付けた後は、両面接着テープ11を上から踏み付けることのないように注意する。
【0028】
次に、図1(e)に示すように、前記定形縁無薄畳2を、基準面Aおよび隣接面Bから順次敷設領域Sに、定形縁無薄畳2,2どうしが当接するようにして敷設していく(定形縁無薄畳敷設工程)。
この定形縁無薄畳敷設工程では、図1(b)に示す仮敷設工程の場合と同様にして、定形縁無薄畳2を敷設していく。この場合、床面に貼り付けられている両面接着テープ11の離型紙を、定形縁無薄畳2を敷設する際にその都度剥がしたうえで、該両面接着テープ11に定形縁無薄畳2を接着する。そして、定形縁無薄畳2の縁と、墨打ち線10との間に大きなずれがないか、また定形縁無薄畳2と、框部材a1,a2,b1や見切り材5との間に目隙がないかなどを確認し、必要であれば、図14に示すように、横方向に多少ずらして調整したうえで、うまく納まったら、上から定形縁無薄畳2を押さえ付けて圧着する。
上記のようにして定形縁無薄畳2を敷設していくことによって、図5に示すように、床の間Tの框部材a2および框部材(敷居)a1に定形縁無薄畳2が隙間無く当接され、図6に示すように、框部材(敷居)b1に定形縁無薄畳2が隙間無く当接される。
また、上記のような定形縁無薄畳敷設工程において、最初の定形縁無薄畳2を基準面Aと隣接面Bとが交差する角部の床面に敷設して貼り付ける場合、図7に示すように、定形縁無薄畳2を、見切り材5を介して壁b2の下端部当接する際に、定形縁無薄畳2の縁部上面に、見切り材5のカバー部5cが被せられる(見切材被せ工程)。
【0029】
上記のような定形縁無薄畳敷設工程後、図1(e)〜図1(g)に示すように、複数の定形縁無薄畳2を敷設してなる定形縁無薄畳群15の外周面15a,15bと、前記第2対向面Dおよび第1対向面Cとの間に、この間に納まるように定形縁無薄畳2を切断してなる調整縁無薄畳3を第2対向面D、第1対向面Cおよび外周面15a,15bに当接するようにして敷設領域Sに敷設していくとともに、第1対向面Cと第2対向面Dとが交差する角部に調整縁無薄畳3を敷設する(調整縁無薄畳敷設工程)。なお、図1(e)〜図1(g)には、調整縁無薄畳3の仮敷設の順番が円の中に付した数字として記載されている。
【0030】
この調整縁無薄畳敷設工程では、まず図1(e)に示すように、定形縁無薄畳群15の外周面15aと、第2対向面Dとの間に、調整縁無薄畳3を第2対向面Dおよび外周面15aに当接するようにして床面に敷設する。この場合、前記外周面15aと、第2対向面Dに取り付けられている見切り材5の側板部5bの表面との間の長さを測定し、この測定値に合せて、定形縁無薄畳2をカッターによって切断して調整縁無薄畳3を3枚用意する。定形縁無薄畳2は正方形状であるので、その表面の柄の方向を考慮して、定形縁無薄畳2をその一辺と平行に切断する。そして、3枚の調整縁無薄畳3を順次、第2対向面Dに沿って仮置きする。その際、調整縁無薄畳3を見切り材5にはめ込まず、上から乗せてみて、定形縁無薄畳群15と重なって入らないなど、うまく納まらない場合、調整縁無薄畳3を再度切断して調整する。
そして、仮置きしてうまく納まりそうであれば、床面に貼り付けてある両面接着テープ11の離型紙を剥がして、図15に示すように、調整縁無薄畳3を見切り材5に差し込むようにして納めて、床面に順次左側から番号順に敷設して両面接着テープ11によって固定する。
上記のようにして調整縁無薄畳3を敷設していくことによって、図5に示すように、床の間Tの框部材a2に調整縁無薄畳3が隙間無く当接される。
また、図9に示すように、調整縁無薄畳3を、見切り材5を介して壁d1の下端部当接する際に、調整縁無薄畳3の縁部上面に、見切り材5のカバー部5cが被せられる(見切材被せ工程)。
【0031】
次に、図1(f)および図1(g)に示すように、定形縁無薄畳群15の外周面15bと、第1対向面Cとの間に、調整縁無薄畳3を第1対向面Cおよび外周面15bに当接するようにして床面に敷設する。この場合、前記外周面15bと、第1対向面Cに取り付けられている見切り材5の側板部5bの表面との間の長さを測定し、この測定値に合せて、定形縁無薄畳2をカッターによって切断して調整縁無薄畳3を1枚用意する。また、前記外周面15bと框部材c1の側面との間の間の長さを測定し、この測定値に合せて、定形縁無薄畳2をカッターによって切断して調整縁無薄畳3を2枚用意する。定形縁無薄畳2は正方形状であるので、その表面の柄の方向を考慮して、定形縁無薄畳2をその一辺と平行に切断する。
そして、まず図1(f)に示すように、隣接面Bと第1対向面Cとが直角に交差する角部の床面に調整縁無薄畳3を敷設する。この場合、壁b3,c3に見切り材5,5が直交して取り付けられているので、壁c3に取り付けられている見切り材5に調整縁無薄畳3を差し込んだうえで、この調整縁無薄畳3を縦方向にずらしながら壁b3に取り付けられている見切り材5に差し込む。なお、調整縁無薄畳3を見切り材5に差し込む前に、床面に貼り付けられている両面接着テープ11の離型紙を剥がしておき、この両面接着テープ11によって調整縁無薄畳3を固定する。
そして、図9に示すように、調整縁無薄畳3を、壁c3に取り付けられている見切り材5を介して壁c3の下端部に当接する際に、調整縁無薄畳3の縁部上面に、見切り材5のカバー部5cが被せられる(見切材被せ工程)。また、図7に示すように、調整縁無薄畳3を、壁b3に取り付けられている見切り材5を介して壁b3の下端部に当接する際に、調整縁無薄畳3の縁部上面に、見切り材5のカバー部5cが被せられる(見切材被せ工程)。
【0032】
次に、図1(g)に示すように、定形縁無薄畳群15の外周面15bと、第1対向面C(框部材c1の側面)との間に、調整縁無薄畳3を外周面15bおよび第1対向面C(框部材c1の側面)に当接するようにして床面に敷設する。これによって、図8に示すように、框部材c1に調整縁無薄畳3が隙間無く当接される。なお、調整縁無薄畳3を敷設する前に、床面に貼り付けられている両面接着テープ11の離型紙を剥がしておき、この両面接着テープ11によって調整縁無薄畳3を固定する。
【0033】
次に、次の調整縁無薄畳3を、直前に固定した調整縁無薄畳3と第1対向面C(框部材c1の側面)とに当接するようにして床面に仮置きする。
次に、仮置きした調整縁無薄畳3と第2対向面Dに取り付けられている見切り材5の側板部5bの表面との間の長さおよび、第1対向面Cと第2対向面Dとが交差する角部の横に固定されている調整縁無薄畳3と、第1対向面Cに取り付けられている見切り材5の側板部5bの表面との間の長さを測定し、この測定値に合せて、定形縁無薄畳2をカッターによって直交する2方向で切断して調整縁無薄畳3を得る。
そして、この調整縁無薄畳3を第1対向面Cと第2対向面Dとが交差する角部に仮置きして、2枚の調整縁無薄畳3,3が納まるかを確認し、一旦これら調整縁無薄畳3,3を取り外す。
【0034】
次に、第1対向面Cと第2対向面Dとが交差する角部に調整縁無薄畳3を敷設する。この場合、図1(f)で示した場合と同様に、壁c2に取り付けられている見切り材5に調整縁無薄畳3を差し込んだうえで、この調整縁無薄畳3を縦方向にずらしながら壁d1に取り付けられている見切り材5に差し込む。なお、調整縁無薄畳3を見切り材5に差し込む前に、床面に貼り付けられている両面接着テープ11の離型紙を剥がしておき、この両面接着テープ11によって調整縁無薄畳3を固定する。
そして、図9に示すように、調整縁無薄畳3を、壁c2および壁d1に取り付けられている見切り材5を介して壁c2および壁d1の下端部に当接する際に、調整縁無薄畳3の縁部上面に、見切り材5のカバー部5cが被せられる(見切材被せ工程)。
【0035】
最後に、残り1枚の調整縁無薄畳3を敷設する。この場合、この調整縁無薄畳3を、縦方向に隣り合う調整縁無薄畳3と角部に敷設された前記調整縁無薄畳3との間に挿入して、框部材(敷居)c1に当接する。なお、調整縁無薄畳3を敷設する前に、床面に貼り付けられている両面接着テープ11の離型紙を剥がしておき、この両面接着テープ11によって調整縁無薄畳3を固定する。これによって、図8に示すように、框部材c1に調整縁無薄畳3が隙間無く当接されるとともに、縦方向に隣り合う調整縁無薄畳3に隙間無く当接する。
定形縁無薄畳2および調整縁無薄畳3を全て敷設したら、これらをその上から踏み込んで、両面接着テープ11に確実に圧着して終了する。
【0036】
以上のように、本実施の形態によれば、定形縁無薄畳敷設工程で、定形縁無薄畳2を基準面Aおよび隣接面Bから順次前記敷設領域Sに、定形縁無薄畳2,2どうしが当接するようにして敷設していき、その後、調整縁無薄畳敷設工程で、定形縁無薄畳群15の外周面15b,15aと、第1対向面Cおよび第2対向面Dとの間に、調整縁無薄畳3を敷設領域Sに敷設していくとともに、第1対向面Cと第2対向面Dとが交差する角部に調整縁無薄畳3を敷設するので、縁無薄畳2,3を平面視正方形状または長方形状の敷設領域に効率よく敷設できる。
また、見切材取付工程で、敷設領域Sの四辺部SA、SB、SC、SDのうち敷設領域側を向く壁b2,b3,c2,c3,d1の壁面下端部に、見切り材5を取り付け、見切材被せ工程で、壁面下端部に定形縁無薄畳2および調整縁無薄畳3を、見切り材5を介して当接する際に、定形縁無薄畳2および調整縁無薄畳3の縁部上面に、見切り材5のカバー部5cが被せられるので、定形縁無薄畳2および調整縁無薄畳3と壁b2,b3,c2,c3,d1との間の隙間がカバー部5cによって覆われて見えることがなく、また、切断した面も覆われて見えることがないので、見映えがよくなる。
さらに、調整縁無薄畳工程で、定形縁無薄畳群15の外周面15a,15bと、第1対向面Cおよび前記第2対向面Dとの間に、この間に納まるように定形縁無薄畳2を切断してなる調整縁無薄畳3を前記敷設領域Sに敷設していくとともに、前記第1対向面Cと第2対向面Dとが交差する角部に前記調整縁無薄畳3を敷設するので、調整縁無薄畳3と、第1対向面Cおよび第2対向面Dとの間の隙間をほとんど無くすることがきる。したがって、調整縁無薄畳3の縁部上面に被せる見切り材5のカバー部5cの長さを小さくでき、この点においても見映えがよくなる。
【0037】
また、第2対向面Dと、定形縁無薄畳群15の外周面15aとの間に調整縁無薄畳3を敷設することによって、隣接面Bと第2対向面Dとの間に、縁無薄畳2,3を敷き詰めることができ、その後、第1対向面Cと、定形縁無薄畳群15の外周面15bとの間に調整縁無薄畳3を敷設していくに際し、第1対向面Cと第2対向面Dとが交差する角部に調整縁無薄畳3を敷設した後、この角部に敷設した調整縁無薄畳3に隣接する最後の調整縁無薄畳3を敷設することによって、基準面Aと第1対向面Cとの間および前記角部に縁無薄畳3を敷き詰めることができる。これによって、敷設領域Sに縁無薄畳(定形縁無薄畳2および調整縁無薄畳3)を敷き詰めることができる。また、前記角部に調整縁無薄畳3を敷設した後、この角部に敷設した調整縁無薄畳3に隣接する最後の調整縁無薄畳3を敷設するので、角部に最後に調整縁無薄畳3を敷設する場合に比して、最後の調整縁無薄畳3を容易に敷設できる。
【0038】
さらに、墨打ち工程によって床面に墨打ち線10を描いた後、両面接着テープ貼付工程で、基準面Aの際位置と、第1対向面Cの際位置と、基準面Aと平行な墨打ち線10の両側位置と、墨打ち線10からピッチの半分の半ピッチだけ離間した中間位置とにおいて、床面に両面接着テープ11を貼り付けるので、敷設領域Sに敷設されるべき定形縁無薄畳2と調整縁無薄畳3とを固定するための、両面接着テープ11を最適な位置に配置できる。
そして、定形縁無薄畳敷設工程および調整縁無薄畳敷設工程において、それぞれ床面に定形縁無薄畳2および調整縁無薄畳3を敷設する際に、離型紙を剥がして両面接着テープ11に定形縁無薄畳2および調整縁無薄畳3を貼り付けるので、これら定形縁無薄畳2および調整縁無薄畳3を順番よく確実に床面に固定できる。
【0039】
また、見切材取付工程では、見切り材5の基板5a下面を床面に当接するとともに、見切り材5の側板部5bの背面を壁面下端部に両面接着テープ6で接着固定した後、止着材8を見切り材5を通して壁面下端部に打ち込むので、見切り材5を床面に当接した状態で壁面下端部に強固に密着固定できる。
また、定形縁無薄畳2を仮敷設した後、壁b2の壁面下端部と定形縁無薄畳2との間の隙間および隣り合う定形縁無薄畳2,2どうしの目地ずれを確認することによって、その後の定形縁無薄畳敷設工程での、定形縁無薄畳の敷設を確実に行うことができる。
【符号の説明】
【0040】
1 縁無薄畳
2 定形縁無薄畳(縁無薄畳)
3 調整縁無薄畳(縁無薄畳)
5 見切り材
5c カバー部
6 両面接着テープ
8 止着材
10 墨打ち線
11 両面接着テープ
15 定形縁無薄畳群
15a,15b 外周面
S 敷設領域
SA,SB,SC,SD 辺部
a1,a2,b1,c1 框部材
b2,b3,c2,c3,d1 壁
A 基準面
B 隣接面
C 第1対向面
D 第2対向面
【特許請求の範囲】
【請求項1】
縁無薄畳を平面視正方形状または長方形状の敷設領域に敷設する縁無薄畳の敷設方法であって、
前記敷設領域の四辺部は、平面視において壁と、敷居や床の間の床框等を構成する框部材とを適宜配置することによって構成されており、
前記敷設領域の四辺部のうち、前記框部材の合計長が最も長い一辺部の前記敷設領域側を向く面を基準面とし、前記一辺部と直交する二つの他辺部のうち、前記框部材の合計長が長い他辺部の前記敷設領域側を向きかつ前記基準面と直交する面を隣接面とするとともに、前記基準面と対向する面を第1対向面とし、前記隣接面と対向する面を第2対向面とし、
まず、前記敷設領域の四辺部のうち前記敷設領域側を向く壁の壁面下端部に、上端部にカバー部が形成された見切り材を取り付ける見切材取付工程と、
この見切材取付工程後、規格化された縁無薄畳である定形縁無薄畳を、前記基準面および隣接面から順次前記敷設領域に、定形縁無薄畳どうしが当接するようにして敷設していく定形縁無薄畳敷設工程と、
この定形縁無薄畳敷設工程後、複数の定形縁無薄畳を敷設してなる定形縁無薄畳群の外周面と、前記第1対向面および前記第2対向面との間に、この間に納まるように定形縁無薄畳を切断してなる調整縁無薄畳を敷設していくとともに、前記第1対向面と第2対向面とが交差する角部に前記調整縁無薄畳を敷設する調整縁無薄畳敷設工程と、
前記壁面下端部に前記定形縁無薄畳および調整縁無薄畳を、前記見切り材を介して当接する際に、前記定形縁無薄畳および調整縁無薄畳の縁部上面に、前記見切り材のカバー部が被せられる見切材被せ工程とを含むことを特徴とする縁無薄畳の敷設方法。
【請求項2】
請求項1に記載の縁無薄畳の敷設方法において、
前記調整縁無薄畳敷設工程では、前記第2対向面と、前記定形縁無薄畳群の外周面との間に前記調整縁無薄畳を敷設した後、
前記第1対向面と、前記定形縁無薄畳群の外周面との間に前記調整縁無薄畳を敷設していくに際し、前記第1対向面と第2対向面とが交差する角部に調整縁無薄畳を敷設した後、この角部に敷設した調整縁無薄畳に隣接する最後の調整縁無薄畳を敷設することを特徴とする縁無薄畳の敷設方法。
【請求項3】
請求項1または2に記載の縁無薄畳の敷設方法において、
前記見切材取付工程と前記縁無薄畳敷設工程との間で、
前記敷設領域の床面に、前記基準面から前記定形縁無薄畳の一辺の長さと等しいピッチで墨打ちを前記基準面と平行に行うとともに、前記隣接面から前記定形縁無薄畳の一辺の長さと等しいピッチで墨打ちを前記隣接面と平行に行うことで、前記床面に墨打ち線を描く墨打ち工程と、
この墨打ち工程後、前記基準面と平行に両面接着テープを前記床面に貼り付ける両面接着テープ貼付工程とを行い、
この両面接着テープ貼付工程では、前記基準面の際位置と、前記第1対向面の際位置と、前記基準面と平行な前記墨打ち線の両側位置と、前記墨打ち線から前記ピッチの半分の半ピッチだけ離間した中間位置とにおいて、前記床面に両面接着テープを貼り付け、
前記定形縁無薄畳敷設工程および前記調整縁無薄畳敷設工程において、それぞれ前記床面に前記定形縁無薄畳および調整縁無薄畳を敷設する際に、前記両面接着テープにその離型紙を剥がして前記定形縁無薄畳および調整縁無薄畳を貼り付けることを特徴とする縁無薄畳の敷設方法。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれか一項に記載の縁無薄畳の敷設方法において、
前記見切材取付工程では、前記見切り材の下面を前記床面に当接するとともに、見切り材の背面を前記壁面下端部に両面接着テープで接着固定した後、止着材を見切り材を通して前記壁面下端部に打ち込むことを特徴とする縁無薄畳の敷設方法。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれか一項に記載の縁無薄畳の敷設方法において、
前記見切材取付工程と、前記定形縁無薄畳敷設工程との間で、複数の定形縁無薄畳を、前記基準面および隣接面から順次前記敷設領域に、前記定形縁無薄畳どうしが当接するようにして仮敷設した後、前記壁の壁面下端部と定形縁無薄畳との間の隙間および隣り合う定形縁無薄畳どうしの目地ずれを確認し、その後仮敷設した定形縁無薄畳を敷設領域から取り外すことを特徴とする縁無薄畳の敷設方法。
【請求項1】
縁無薄畳を平面視正方形状または長方形状の敷設領域に敷設する縁無薄畳の敷設方法であって、
前記敷設領域の四辺部は、平面視において壁と、敷居や床の間の床框等を構成する框部材とを適宜配置することによって構成されており、
前記敷設領域の四辺部のうち、前記框部材の合計長が最も長い一辺部の前記敷設領域側を向く面を基準面とし、前記一辺部と直交する二つの他辺部のうち、前記框部材の合計長が長い他辺部の前記敷設領域側を向きかつ前記基準面と直交する面を隣接面とするとともに、前記基準面と対向する面を第1対向面とし、前記隣接面と対向する面を第2対向面とし、
まず、前記敷設領域の四辺部のうち前記敷設領域側を向く壁の壁面下端部に、上端部にカバー部が形成された見切り材を取り付ける見切材取付工程と、
この見切材取付工程後、規格化された縁無薄畳である定形縁無薄畳を、前記基準面および隣接面から順次前記敷設領域に、定形縁無薄畳どうしが当接するようにして敷設していく定形縁無薄畳敷設工程と、
この定形縁無薄畳敷設工程後、複数の定形縁無薄畳を敷設してなる定形縁無薄畳群の外周面と、前記第1対向面および前記第2対向面との間に、この間に納まるように定形縁無薄畳を切断してなる調整縁無薄畳を敷設していくとともに、前記第1対向面と第2対向面とが交差する角部に前記調整縁無薄畳を敷設する調整縁無薄畳敷設工程と、
前記壁面下端部に前記定形縁無薄畳および調整縁無薄畳を、前記見切り材を介して当接する際に、前記定形縁無薄畳および調整縁無薄畳の縁部上面に、前記見切り材のカバー部が被せられる見切材被せ工程とを含むことを特徴とする縁無薄畳の敷設方法。
【請求項2】
請求項1に記載の縁無薄畳の敷設方法において、
前記調整縁無薄畳敷設工程では、前記第2対向面と、前記定形縁無薄畳群の外周面との間に前記調整縁無薄畳を敷設した後、
前記第1対向面と、前記定形縁無薄畳群の外周面との間に前記調整縁無薄畳を敷設していくに際し、前記第1対向面と第2対向面とが交差する角部に調整縁無薄畳を敷設した後、この角部に敷設した調整縁無薄畳に隣接する最後の調整縁無薄畳を敷設することを特徴とする縁無薄畳の敷設方法。
【請求項3】
請求項1または2に記載の縁無薄畳の敷設方法において、
前記見切材取付工程と前記縁無薄畳敷設工程との間で、
前記敷設領域の床面に、前記基準面から前記定形縁無薄畳の一辺の長さと等しいピッチで墨打ちを前記基準面と平行に行うとともに、前記隣接面から前記定形縁無薄畳の一辺の長さと等しいピッチで墨打ちを前記隣接面と平行に行うことで、前記床面に墨打ち線を描く墨打ち工程と、
この墨打ち工程後、前記基準面と平行に両面接着テープを前記床面に貼り付ける両面接着テープ貼付工程とを行い、
この両面接着テープ貼付工程では、前記基準面の際位置と、前記第1対向面の際位置と、前記基準面と平行な前記墨打ち線の両側位置と、前記墨打ち線から前記ピッチの半分の半ピッチだけ離間した中間位置とにおいて、前記床面に両面接着テープを貼り付け、
前記定形縁無薄畳敷設工程および前記調整縁無薄畳敷設工程において、それぞれ前記床面に前記定形縁無薄畳および調整縁無薄畳を敷設する際に、前記両面接着テープにその離型紙を剥がして前記定形縁無薄畳および調整縁無薄畳を貼り付けることを特徴とする縁無薄畳の敷設方法。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれか一項に記載の縁無薄畳の敷設方法において、
前記見切材取付工程では、前記見切り材の下面を前記床面に当接するとともに、見切り材の背面を前記壁面下端部に両面接着テープで接着固定した後、止着材を見切り材を通して前記壁面下端部に打ち込むことを特徴とする縁無薄畳の敷設方法。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれか一項に記載の縁無薄畳の敷設方法において、
前記見切材取付工程と、前記定形縁無薄畳敷設工程との間で、複数の定形縁無薄畳を、前記基準面および隣接面から順次前記敷設領域に、前記定形縁無薄畳どうしが当接するようにして仮敷設した後、前記壁の壁面下端部と定形縁無薄畳との間の隙間および隣り合う定形縁無薄畳どうしの目地ずれを確認し、その後仮敷設した定形縁無薄畳を敷設領域から取り外すことを特徴とする縁無薄畳の敷設方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【公開番号】特開2011−69110(P2011−69110A)
【公開日】平成23年4月7日(2011.4.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−220877(P2009−220877)
【出願日】平成21年9月25日(2009.9.25)
【出願人】(307042385)ミサワホーム株式会社 (569)
【出願人】(000204985)大建工業株式会社 (419)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年4月7日(2011.4.7)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年9月25日(2009.9.25)
【出願人】(307042385)ミサワホーム株式会社 (569)
【出願人】(000204985)大建工業株式会社 (419)
【Fターム(参考)】
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