説明

繊維ベースガスケット、ガラス製造システム、および、熱電池誘導のブリスタを低減させる方法

【課題】ガラス製造システムにおいて、ガラス製造用装置の連結部間から外気が侵入することにより引き起こされる、熱電池誘導のブリスタに起因した損害に対処する。
【解決手段】カプセル172とフュージョンドロー装置150との間の連結部180に、繊維ベースガスケット102を設置する。繊維ベースガスケット102は繊維ベース材料を含み、この繊維ベース材料の密度および圧縮は、単位表面積当たりの気体透過速度を22.5ml/min/cm2未満とするものである。このときの表面積は、ガスケット内側の表面積に基づくものである。この繊維ベース材料が、カプセル内およびフュージョンドロー装置内において、熱電池誘導のブリスタ生成を低減させ、その結果ブリスタに起因する損害のレベルを低減させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、繊維ベースガスケット、ガラス製造システム、および、熱電池誘導のブリスタを低減させる方法に関する。一実施の形態において、繊維ベースガスケットは、第1のガラス製造用装置(下降管を包囲しているカプセルなど)と第2のガラス製造用装置(注入口を包囲しているフュージョンドロー装置など)との間の連結部に設置される。
【背景技術】
【0002】
液晶ディスプレイ(LCD)などのフラットパネルディスプレイ装置は、平坦な板ガラスを利用している。平坦な板ガラスを製造するための好適な技術は、特許文献1および特許文献2(これらの内容は参照することにより本書に組み込まれる)に記載されている、フュージョンプロセス(例えば、ダウンドロープロセス)である。フュージョンプロセスにおいて平坦な板ガラスは、例えば白金または白金合金などの貴金属を含んだ槽を使用して作製される。貴金属は一般に、ほとんどのガラスに関して不活性であると考えられており、すなわち板ガラスに欠陥を生じさせないはずである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】米国特許第3,338,696号明細書
【特許文献2】米国特許第3,682,609号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、貴金属を使用すると、依然として板ガラスに欠陥を生じさせることがあるため、これは必ずしも真実ではない。例えば、フュージョンプロセスを利用しているガラス製造システムでは、現在、ガラス製造用装置の連結部間から外気が侵入することにより引き起こされる熱電池誘導のブリスタに起因した、許容できないレベルの損害を被っている。この問題は、フュージョンプロセスを利用してより大きな板ガラス(例えば、2.2m×2.5m(第8世代サイズのガラス)またはより大きな板ガラス)を製造するガラス製造システムにおいて特に顕著である。すなわち、この欠点および他の欠点に対処して良質の板ガラスを製造するために、ガラス製造システムを強化する必要がある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
繊維ベースガスケット、ガラス製造システム、および従来技術の上記欠点に対処する方法を、本願の独立クレームに記載する。繊維ベースガスケット、ガラス製造システム、および熱電池誘導のブリスタを低減させる方法の、有利な実施形態を、従属クレームに記載する。
【0006】
一態様において、本発明は、第1ガラス製造用装置と第2ガラス製造用装置との間の連結部に設置される繊維ベースガスケットを提供する。この繊維ベースガスケットは繊維ベース材料を含み、この繊維ベース材料の密度および圧縮は、単位表面積当たりの気体透過速度を22.5ml/min/cm2未満とするものであり、このときこの表面積は、ガスケット内側の表面積に基づく。この繊維ベース材料は、第1ガラス製造用装置内および第2ガラス製造用装置内における、熱電池誘導のブリスタ生成を低減させる。
【0007】
別の態様において、本発明はガラス製造システムを提供し、このガラス製造システムは、(a)その中でガラスバッチ材料を溶解して溶融ガラスを形成する、溶解槽、(b)溶解槽から溶融ガラスを受け入れる溶解−清澄管、(c)溶解−清澄管から溶融ガラスを受け入れ、かつこの溶融ガラスから泡を除去する、清澄槽、(d)清澄槽から溶融ガラスを受け入れる清澄器−攪拌チャンバ管であって、これに取り付けられたレベル検出用直立管を備えている、清澄器−攪拌チャンバ管、(e)清澄器−攪拌チャンバ管から溶融ガラスを受け入れ、かつこの溶融ガラスを混合する、攪拌チャンバ、(f)攪拌チャンバから溶融ガラスを受け入れる攪拌チャンバ−ボウル接続管、(g)攪拌チャンバ−ボウル接続管から溶融ガラスを受け入れるボウル、(h)ボウルから溶融ガラスを受け入れる下降管、(i)清澄槽と、清澄器−攪拌チャンバ管と、レベル検出用直立管と、攪拌チャンバと、攪拌チャンバ−ボウル接続管と、ボウルと、溶解−清澄管の少なくとも一部と、および下降管の少なくとも一部とを囲むように位置している、カプセル、(j)注入口、成形槽、および牽引ローラアセンブリ、を含んでいるフュージョンドロー装置であって:注入口が下降管から溶融ガラスを受け入れ;成形装置が、注入口から溶融ガラスを受け入れ、かつ板ガラスを成形し;さらに、牽引ローラアセンブリが、板ガラスを受け入れ、かつこの板ガラスを延伸する、フュージョンドロー装置、(k)延伸された板ガラスを受け入れ、かつこの延伸された板ガラスを独立した板ガラスに分離する、移動アンビル装置、および(l)カプセルの開口とフュージョンドロー装置の開口との間の、下降管が注入口と連係している連結部に設置されている、第1繊維ベースガスケット;を備え、第1繊維ベースガスケットの密度および圧縮が、単位表面積当たりの気体透過速度を22.5ml/min/cm2未満とするものであり、このときこの表面積がガスケット内側の表面積に基づくものであることを特徴とする。
【0008】
さらに別の態様において、本発明は、ガラス製造システムにおいて熱電池誘導のブリスタ生成を低減する方法を含む。このガラス製造システムは、(a)その中でガラスバッチ材料を溶解して溶融ガラスを形成する、溶解槽、(b)溶解槽から溶融ガラスを受け入れる溶解−清澄管、(c)溶解−清澄管から溶融ガラスを受け入れ、かつこの溶融ガラスから泡を除去する、清澄槽、(d)清澄槽から溶融ガラスを受け入れる清澄器−攪拌チャンバ管であって、これに取り付けられたレベル検出用直立管を備えている、清澄器−攪拌チャンバ管、(e)清澄器−攪拌チャンバ管から溶融ガラスを受け入れ、かつこの溶融ガラスを混合する、攪拌チャンバ、(f)攪拌チャンバから溶融ガラスを受け入れる攪拌チャンバ−ボウル接続管、(g)攪拌チャンバ−ボウル接続管から溶融ガラスを受け入れるボウル、(h)ボウルから溶融ガラスを受け入れる下降管、(i)清澄槽と、清澄器−攪拌チャンバ管と、レベル検出用直立管と、攪拌チャンバと、攪拌チャンバ−ボウル接続管と、ボウルと、溶解−清澄管の少なくとも一部と、および下降管の少なくとも一部とを囲むように位置している、カプセル、(j)注入口、成形槽、および牽引ローラアセンブリ、を含んでいるフュージョンドロー装置であって:注入口が下降管から溶融ガラスを受け入れ;成形装置が、注入口から溶融ガラスを受け入れ、かつ板ガラスを成形し;さらに、牽引ローラアセンブリが、板ガラスを受け入れ、かつこの板ガラスを延伸する、フュージョンドロー装置、および(k)延伸された板ガラスを受け入れ、かつこの延伸された板ガラスを独立した板ガラスに分離する、移動アンビル装置、を備えたものである。この方法は、(a)カプセルの開口とフュージョンドロー装置の開口との間の、下降管が注入口と連係している連結部に、第1繊維ベースガスケットを設置するステップ、および(b)第1繊維ベースガスケットの単位表面積当たりの気体透過速度を22.5ml/min/cm2未満とするように第1繊維ベースガスケットを圧縮するステップであって、このときこの表面積がガスケット内側の表面積に基づくものであるステップ、を含む。
【0009】
本発明のさらなる態様は、一部は以下の詳細な説明、図面、および任意の請求項の中で明記され、そして一部は詳細な説明から導かれるであろうし、あるいは本発明を実施することにより理解できるであろう。前述の一般的な説明および以下の詳細な説明の両方は、単に例示的かつ説明的なものであり、開示される本発明を限定するものではないことを理解されたい。
【0010】
以下の詳細な説明を添付の図面とともに参照すると本発明をより完全に理解できるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明の実施形態による、1以上の繊維ベースガスケットを組み込み、かつフュージョンドロー法を用いて板ガラスを製造する、例示的なガラス製造システムの概略図
【図2】図1に示したガラス製造システムの、第1繊維ベースガスケット、下降管、および注入口に関連したエリアを示す詳細な概略図
【図3】図1に示したガラス製造システムの繊維ベースガスケットとして使用可能な、異なる密度を有した4つの例示的な繊維ベース材料における、ガスケットの圧縮(%)に対する単位面積当たりのガスケットの空気透過速度(ml/min/cm2)をプロットした図
【図4A】図3に示したプロットを生成するために用いたデータを得るのに使用した、実験装置の概略図
【図4B】図3に示したプロットを生成するために用いたデータを得るのに使用した、実験装置の写真
【図4C】図3に示したプロットを生成するために用いたデータを得るのに使用した、実験装置の写真
【図4D】図3に示したプロットを生成するために用いたデータを得るのに使用した、実験装置の写真
【図5】本発明の実施形態による、第1ガラス製造用装置と第2ガラス製造用装置との間の連結部に設置された繊維ベースガスケットの概略図
【発明を実施するための形態】
【0012】
図1を参照すると、例示的なガラス製造システム100の概略図が示されている。このガラス製造システム100は、本発明の実施形態に従って、1以上の繊維ベースガスケット102、104、106、および108(4つのみ図示した)を組み込み、かつフュージョンドロー法を使用して板ガラス113を製造する。ガラス製造システム100は、溶解槽110、溶解−清澄管115、清澄槽120、清澄器−攪拌チャンバ管125(この管から延びているレベル検出用直立管127を含む)、攪拌チャンバ130(例えば、混合槽130)、攪拌チャンバ−ボウル接続管135、ボウル140(例えば、送出槽140)、下降管145、フュージョンドロー装置(FDM)150(注入口155、成形装置160、および牽引ローラアセンブリ165を含む)、および移動アンビル装置(TAM)170を含む。さらに、ガラス製造システム100はカプセル172を含み、このカプセル172は、清澄槽120と、清澄器−攪拌チャンバ管125と、レベル検出用直立管127と、攪拌チャンバ130と、攪拌チャンバ−ボウル接続管135と、ボウル140と、溶解−清澄管115の少なくとも一部と、および下降管145の少なくとも一部とを囲むように位置している。カプセル172は箱型のものとして図示されているが、実際には被覆される要素115、120、125、127、130、135、140、および145にもっとよく似た、これらの要素に物理的により近接して位置付けられる形状とされるであろう。典型的には、要素115、120、125、127、130、135、140、145、および155は、白金や、白金ロジウム、白金イリジウム、およびこれらの混合物などの白金含有金属から作製されるが、これらの要素は、パラジウム、レニウム、ルテニウム、およびオスミウムなどの他の耐火性金属や、あるいはこれらの合金を含んでもよい。成形装置160(例えば、アイソパイプ160)は、典型的には、セラミック材料またはガラスセラミック耐火材料から作製される。
【0013】
溶解槽110では、ガラスバッチ材料が矢印112で示すように導入され、これが溶解されて溶融ガラス114を形成する。清澄槽120(例えば、清澄管120)は、溶解−清澄管115を用いて溶解槽110に接続される。清澄槽120は、溶解槽110から溶融ガラス114を受け入れる(この段階では図示されていない)、高温の処理エリアを有し、ここで溶融ガラス114から泡が除去される。清澄槽120は清澄器−攪拌チャンバ接続管125で攪拌チャンバ130に接続される。攪拌チャンバ130は攪拌チャンバ−ボウル接続管135でボウル140に接続される。ボウル140は下降管145を通して溶融ガラス114(図示なし)をFDM150内へと送出する。
【0014】
FDM150は、注入口155、成形槽160(例えば、アイソパイプ160)、および牽引ローラアセンブリ165を含む。注入口155は溶融ガラス114(図示なし)を下降管145から受け入れ、次いで注入口155から溶融ガラス114(図示なし)が成形槽160へと流れる。成形槽160は溶融ガラス114(図示なし)を受け入れる開口162を含み、この溶融ガラス114がトラフ164へと流れ入って溢れ出し、さらに2つの対向面166aおよび166bを流れ落ちた後に底部168で融合して板ガラス109を成形する。牽引ローラアセンブリ165は板ガラス109を受け入れて、延伸された板ガラス111を作り出す。TAM170は延伸された板ガラス111を受け入れて、この延伸された板ガラス111を独立した板ガラス113に分離する。
【0015】
背景技術の項で論じたように、従来のガラス製造システム(繊維ベースガスケット102、104、106、および108を除いて、ガラス製造システム100に類似している)は、熱電池誘導のブリスタ生成によって現在許容できないレベルの損害を被っている。この熱電池誘導のブリスタ生成は、ガラス製造用装置の連結部間で外気が侵入することにより引き起こされる。配向ブリスタは、白金製送出システムの、特に下降管145および/または注入口155付近の外側表面に外気が衝突することによって電気化学的に誘導される電池に引き起こされるものがもとになっていると最終的には確定された。この問題に対処するために、ガラス製造システム100では繊維ベースガスケット102を利用し、これをカプセル172の開口182とFDM150の開口184との間の、下降管145が注入口155と連係しているエリア付近の連結部180に設置する(注:以下で論じるように、ガラス製造システム100は、所望であれば追加の繊維ベースガスケット104、106、108を利用してもよい)。この問題が、従来のガラス製造システムの下降管145および注入口155でどのようにして発見されたか、また繊維ベースガスケット102を使用してこの問題がどのように解決されたかに関する詳細な論考について、図2〜4を参照して次に論じる。
【0016】
図2を参照すると、図1に示したガラス製造システム100の下降管145および注入口155に関連するエリアの詳細な概略図が示されている。この概略図は正確な縮尺ではなく、カプセル172(下降管145を囲むように位置している)とFDM150との間の連結部180に設置された繊維ベースガスケット102を含めた、下降管145および注入口155に関連するエリアの主な部分を示すために提供される。注入口155は断熱用耐火物および交流加熱巻線229に包囲され、これらもFDM150内に位置している。下降管145および注入口155に関連するエリアは4つの独立したゾーン202、204、206、および208を有し、これらのゾーンは、下降管145の外側表面218および注入口155の外側表面224に接触する可能性のある気体(例えば、外気)の侵入を防ぐため、シールまたは均圧のいずれかによって環境遮断されるべきである。4つのゾーン202、204、206、および208は、夫々、下降管145の周りに位置しているカプセル172、特に注入口155周りのFDM150の内部雰囲気、下降管145および注入口155(すなわち、FDM150)に関連するエリアを包囲している周囲雰囲気、および繊維ベースガスケット102の内部のエリアを含む。実際には、これらの4つのゾーン202、204、206、および208は完全にシールされているものではなく、かつこれらはカプセル圧力P1、FDM圧力P2、FDMエンクロージャ/周囲圧力P3、および繊維ベースガスケット102の内部の圧力P4を含んだ4つの異なる圧力を有し得る。圧力P1、P2、およびP3は測定可能であるが、圧力P4は測定されるものではなく圧力P1、P2、およびP3の何らかの平均である。
【0017】
図示のように、気体(例えば、外気)はいくつかの経路210、212、および214からこれら4つのゾーン202、204、206、および208に漏れ入る可能性がある。特に、気体(カプセル雰囲気)は、熱電対孔222から経路210を介して、下降管145の外側表面218と耐火断熱材および巻線220との間の間隙216内へと入ってくる可能性がある。一旦この間隙216の中に入ると、気体は下降管145の外側表面218の周りで動き回り得る。所望であれば、熱電対孔222内の熱電対223とカプセル172との間に位置する空間を、繊維ベースガスケット102に使用されている材料と類似のまたは同一の圧縮繊維材料225(繊維ベースガスケット225)でシールしてもよい。気体が漏れ入る第2の経路212は、FDM150内部の、注入口155の外側表面224の周りである。一例において、下降管145と耐火断熱材および巻線220との間の間隙216は約1/4インチ(約0.635cm)であり、一方注入口155と断熱用耐火物および交流加熱巻線229との間には1/8インチ(約0.3175cm)の間隙226が存在し、そして注入口155と環状ブロックスペーサ230との間には1/16インチ(約0.1587cm)の間隙228が存在している。実際には、これらの要素はかなり大きな公差で作製され得るため、これらの間隙216、226、および228はこれよりもかなり大きくなる可能性もある。すなわち、気体(雰囲気)は潜在的に経路210および212を介して漏れ入って、下降管145および注入口155と接触する可能性がある。しかしながら、気体が繊維ベースガスケット102を通って漏れ入る可能性のある第3の経路214が、経路210および212に比べてより問題を有するものであり、これが本書で取り組む課題の1つである。
【0018】
図示の繊維ベースガスケット102は、下降管のカプセル172とFDMの環状ブロックスペーサ230との間の連結部180に位置している。これまで、従来のガラス製造システムでは、Unifrax I LLC社で製造されたFiberfrax Durablanket "S"の商標名で販売されている材料から作製した繊維ベースガスケットを、この連結部に使用していた(以下の表1および2参照)。Fiberfrax Durablanket "S"から作製された従来の繊維ベースガスケットの繊維の直径は2.5〜3.5μmの範囲であり、製造者供給時のその非圧縮材料の密度は6lb/ft3(約96.11kg/m3)であり、これを約50%圧縮まで圧縮した。ここで、本書において圧縮とは、繊維ベースガスケットの容積を、製造者によって供給されたときの元々の容積から減少させる割合と定義する。しかしながら、従来の繊維ベースガスケットは非常に多孔質であり、圧力差が0.01水柱インチ(2.5パスカル)を下回るときでさえ、かなりの空気をそこに透過させ得ることがプロセスエビデンス(process evidence)によって示唆された。この空気の透過によってかなりの外気が侵入し、下降管145や注入口155の周りに気体の流れが生じてこれらを冷却し、その結果、熱電池誘導のブリスタ生成に起因する許容できないレベルの損害がもたらされた。
【0019】
さらにプロセスエビデンスによって、熱電池誘導のブリスタのレベルは、下降管145および注入口155に関連するエリア内への外気の侵入を制御することによって低減または完全に除去できる可能性があることが示された。本発明は、下降管145と注入口155との間のガスケット102の圧縮を増加させることによって、および/または(圧縮前の)ガスケット102の密度を増加させることによって、これを達成するものである。言わば、繊維ガスケット102が適切な密度および/または圧縮レベルを有している場合には、気体侵入に対するシールまたはバリアとして機能し得、すなわち熱電池によるブリスタ生成の主たる一因の1つに対処し得ることが見出された。特に、繊維ガスケット102の密度および圧縮が、単位表面積当たりの気体透過速度を22.5ml/min/cm2未満とするものである場合には、熱電池によるブリスタ生成の主たる一因の1つにこれが対処し得ることが分かった。なお、この表面積はガスケット内側の表面積に基づくものである。いかにしてこれを見出したかについては、図3〜4を参照して以下で論じる。
【0020】
図3を参照すると、異なる密度を有する4つの例示的な繊維ベース材料302a、302b、302c、および302dにおけるガスケットの圧縮(%)に対するガスケットの単位面積当たりの空気透過速度(ml/min/cm2)を、圧力差5パスカルで空気の流量を変化させて、プロットしたものが示されている。空気透過速度をy軸上に表し、そしてガスケットの圧縮をx軸に表す。4つの例示的な繊維ベース材料302a、302b、302c、および302dの外径は4インチ(約10.16cm)、かつ内径は2インチ(約5.08cm)であり、それぞれ以下のようなものである。
【0021】
(1)繊維ベース材料302a(密度2.2lb/ft3(約35.24kg/m3)、商標名 RSMAT-3000)
(2)繊維ベース材料302b(密度6lb/ft3(約96.11kg/m3)、商標名 Durablanket "S")
(3)繊維ベース材料302c(密度8lb/ft3(約128.14kg/m3)、商標名 Durablanket "S")
(4)繊維ベース材料302d(密度9.5lb/ft3(約152.17kg/m3)、商標名 SB-2000)
注:上に記載した繊維ベース材料302a、302b、302c、および302dの密度は、圧縮前の、製造者により供給された際の材料の密度である。
【0022】
現在、下降管145と注入口155との間の連結部180をシールするために使用されているガスケットの材料は、50%圧縮の6lb/ft3(約96.11kg/m3)のDurablanket "S"であり、空気流456ml/minで、望ましくない空気透過速度22.5ml/min/cm2(図3の円304参照)となった。したがって、本発明の繊維ガスケット102は、22.5ml/min/cm2未満の空気透過速度をもたらす密度と圧縮とを組み合わせた任意の繊維ベース材料を含み得、ここで表面積はガスケット内側の表面積に基づくものである。結果として、繊維ガスケット102が含み得る繊維ベース材料の密度と圧縮との組合せは、空気透過速度を22.5ml/min/cm2未満とする多くのものとすることができる。圧縮をより高いレベルとし、および/または繊維ベース材料の密度をより高くすると、繊維ガスケット102を通過する気体の流れを制限するのに有利であり、かつ下降管145および注入口155での対流熱伝達や熱電池によるブリスタを低減させるのにも有利な条件となる。
【0023】
表1および2は、図3にプロットして示したデータを生成するために実験で使用した、4つの例示的なガスケット材料302a、302b、302c、および302dの性質および組成を記載したものである。
【表1】

【0024】
*「公称材料密度」とは、圧縮前の、製造者による供給時の材料密度を意味する。本書においては「圧縮」という用語を、繊維ベースガスケットの容積を、製造者によって供給されたときの元々の容積から減少させる割合と定義する。
【表2−1】

【表2−2】

【0025】
上述した筋書では、下降管145と注入口155の付近のエリアにおける連結部180をシールするためのいくつかの異なる材料と方法の改善とについて論じた。ガラス製造システム100には他にも、気体の侵入に対するシールまたはバリアとして働いて、熱電池誘導のブリスタ生成に起因する損害のレベルを低減させる、繊維ベースガスケット102と同種の例えば繊維ベースガスケット104、106、108、および225などを利用し得るエリアが存在する。この点に関してガラス製造システム100は、(1)カプセル172の開口187とレベル検出用直立管127の開口188との間の連結部186に設置された第2繊維ベースガスケット104、(2)カプセル172の開口190と攪拌チャンバ130の上部の開口191との間の連結部189に設置された第3繊維ベースガスケット106、および(3)カプセル172の開口193とボウル140の上部の開口194との間の連結部192に設置された第4繊維ベースガスケット108、のうちの1以上を含み得る。同様に、ガラス製造システム100は、カプセル172の熱電対孔222をシールする図2に示した繊維ベースガスケット225と同様のものを、センサや他の装置を受容するためにカプセル172に設けられた、または存在している、他の孔の位置でさらに使用してもよい。繊維ベースガスケット104、106、108、および225の夫々の密度および圧縮は、表面積をガスケット内側の表面積に基づくものとした場合、単位表面積当たりの気体透過速度を22.5ml/min/cm2未満とするものである。
【0026】
繊維ベースガスケット102、104、106、108、および225は、単位表面積当たりの気体透過速度を、ガラス製造システム100内でうまく機能し得る22.5ml/min/cm2未満とすることができるものであれば、多くの様々な繊維ベース材料組成、繊維直径、繊維と非繊維化材料との比率、材料の密度、および材料の圧縮を有するものとしてもよい。以下に、繊維ベースガスケット102、104、106、108、および225と関連付け得るような材料の性質および特性を例示的に記載する。
【0027】
1.繊維ベースガスケット102、104、106、108、および225は、繊維ベースの材料を含む。
【0028】
2.繊維ベースガスケット102、104、106、108、および225は、0〜100%のシリカ、0〜100%のアルミナ、0〜100%のジルコニア、および種々の濃度の他の酸化物を含有している、繊維を含む。
【0029】
3.繊維ベースガスケット102、104、106、108、および225は、直径0.5μm超の繊維を含む。
【0030】
4.繊維ベースガスケット102、104、106、108、および225の最大使用温度は500℃超である。
【0031】
5.繊維ベースガスケット102、104、106、108、および225の繊維率(fiber index)は>20%である。繊維率とは、ショットまたは非繊維化材料を含めた材料の総重量に対する、繊維化された材料の割合(重量)である。
【0032】
6.繊維ベースガスケット102、104、106、108、および225は、有機または無機結合剤を含むものでもよいし、あるいは含まないものでもよい。
【0033】
*ほとんどの繊維ベース材料は、ショットともよばれる非繊維化材料をある程度含んでいる。非繊維化材料は、繊維製造プロセスの副生成物である。Unifraxなどの製造者は、その製造者の材料がいくらかの量の非繊維化材料を含んでいる場合であっても、その材料を繊維から作製されていると称する。繊維ベース材料は典型的には、ほんのわずかな割合のショットしか含まないが、ショットの含有量はやや高めになる可能性がある。
【0034】
図4A〜4Dを参照すると、図3に示したプロット用データを生成するために用いたデータを得るのに使用した、実験装置400の概略図および写真が示されている。この実験装置400を使用して、例示的な繊維ベースガスケット402(例えば、繊維ベース材料302a、302b、302c、および302d)を通る空気の透過をシミュレートした。図示のように、実験装置400は、空気を絞り弁406および流量計408に通して供給する圧縮空気シリンダ404を含み、この絞り弁406および流量計408を、繊維ベースガスケット402を通る空気の透過速度を制御および測定するために使用した(経路410参照)。流量計408を通過すると、空気はねじ込み式フランジ414と閉止フランジ416とを有する圧力槽412に入った(図4B参照)。ねじ込み式フランジ414は4つの孔418(3つが示されている)を有するものであった(図4B参照)。閉止フランジ416は4つの孔420を有し、かつ、栓として機能することを意味する、先を遮るようなものであった(図4C参照)。2つのフランジ414および416を、 4つのボルト422および4つのナット424で接続した。この構成により、流量計408を通って流れた全ての空気は、経路410を経由して繊維ベースガスケット402を強制的に透過することになった。圧力計426を、管427を介して圧力槽412のポート425にさらに接続した(図4Bおよび4D参照)。
【0035】
以下の手順を用いて、各ガスケット材料302a、302b、302c、および302dをテストした。ガスケット材料302a(例えば)をドーナツ状に切断してガスケット402を形成し、このとき内径(例えば、2インチの内径)と外径(例えば、4インチの外径)との両方にコアドリルを使用した。ガスケット402をその後2つのフランジ414および416の間に設置し、フランジボルト422を初期間隙の位置まで締めた。この間隙は、2つのフランジ414および416の間にスペーサ428をいくつか設けることで設定した(図4A〜4C参照)。このスペーサ428を使用して、繊維ベースガスケット402の圧縮を設定した。その後、空気を流量計408に流し、このとき圧力計426が繊維ベースガスケット402の上流で所望の圧力を示すまで絞り弁406を調節した。いくつかの空気透過速度/槽圧力測定値の組合せが得られ、このとき繊維ベースガスケット402を通る空気透過速度は流量計408を通る空気の流量に等しいものであった。このような測定値があり得たのは、空気が繊維ベースガスケット402のみを通って逃れ得るような漏れ止め接続を実験装置400が有していたためである。
【0036】
空気の透過速度とガスケットの圧縮との間の関係は、スペーサ428の長さと絞り弁406を通る気体の流量とを調節することによって得られた。圧力計426は、繊維ベースガスケット402の上流の、圧力槽412内の圧力を測定した。この圧力測定値は、繊維ベースガスケット402を横切る圧力差を与えるものであった(注:図3のデータ点は圧力差5パスカルで得られた)。その後スペーサ428を取り除き、より小さいスペーサ428を加え、さらにボルト422を締めることによって、2つのフランジ414および416間の間隙を狭めた。上述の手順を、いくつかの異なるサイズの間隙に対して繰り返した。この設定および手順により、いくつかの異なる材料におけるガスケットの圧縮の範囲に亘り、層圧力を一定としたときの空気透過速度の範囲が得られた。この実験装置400を用いて作られたデータを使用して、下降管145および注入口155に関連する繊維ベースガスケット102に対する適切な密度および圧縮を決定した。
【0037】
図5を参照すると、本発明の実施形態による、第1ガラス製造用装置506と第2ガラス製造用装置508との間の連結部504に設置された、繊維ベースガスケット502の概略図が示されている。繊維ベースガスケット502は、単位表面積当たりの気体透過速度を22.5ml/min/cm2未満として第1ガラス製造用装置内および第2ガラス製造用装置内での熱電池誘導のブリスタ生成を低減させる、密度および圧縮を有する。したがって、本発明の繊維ベースガスケットは、図1を参照して上述したガラス製造システム100だけではなく、任意の種類のガラス溶融システムに使用することができる。
【0038】
これまで述べたことから、本発明が、ガラス溶融システムにおいて使用するために最適化された密度および/または圧縮を有する繊維ベースガスケット102、104、106、108、および225に関するものであることは、当業者には明らかであろう。ガスケット材料が最適化された、またはガスケット材料の圧縮を増加させた、繊維ベースガスケット102、104、106、108、および225によれば、1以上のガラス溶融装置付近の空気の動きが減少し、これにより1以上のガラス溶融装置の表面上の対流熱伝達が減少する。これが最終的に1以上のガラス溶融装置の表面上の温度勾配を減少させ、すなわち熱電池誘導のブリスタの発現を低下させる。繊維ベースガスケット102、104、106、108、および225はいくつかの利点を有するが、そのいくつかを以下に示す。
【0039】
・下降管145および注入口155の白金製の表面上での、気体の衝突および対流熱伝達を減少させる。
【0040】
・ガラス溶融システムの外側表面と接触する外気の露点が低いことに起因する、水素透過によるブリスタ生成を防ぐ。
【0041】
・下降管145および注入口155の白金製の表面上の、熱電池によるブリスタを低減する。これが最終的に、ガラスの損害低減と、製造中のガラスの選択率向上に繋がる。
【0042】
・現存のガラス製造システムを改良して1以上の繊維ベースガスケット102、104、106、108、および225を組み込むための材料のコストおよび時間は、繊維ベースガスケットを設けることによるガラスの損害の削減と比較すると、むしろ小さい。
【0043】
本発明のいくつかの実施形態について、添付の図面に示し、かつ前述の詳細な説明の中で説明してきたが、本発明は開示された実施形態に限られるものではなく、以下の請求項により明記および画成される本発明から逸脱していない、多くの再構成、改変および置換えが可能であることを理解されたい。
【符号の説明】
【0044】
100 ガラス製造システム
102、104、106、108、502 繊維ベースガスケット
109、111、113 板ガラス
110 溶解槽
115 溶解−清澄管
120 清澄槽
125 清澄器−攪拌チャンバ管
127 レベル検出用直立管
130 攪拌チャンバ
135 攪拌チャンバ−ボウル接続管
140 ボウル
145 下降管
150 フュージョンドロー装置
155 注入口
160 成形装置
165 牽引ローラアセンブリ
170 移動アンビル装置
172 カプセル
506、508 ガラス製造用装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1ガラス製造用装置(172、506)と第2ガラス製造用装置(150、127、130、140、508)との間の連結部(180、186、189、192、504)に設置される繊維ベースガスケット(102、104、106、108、502)であって、該繊維ベースガスケットが、
繊維ベース材料を含み、該繊維ベース材料の密度および圧縮が、単位表面積当たりの気体透過速度を22.5ml/min/cm2未満とするものであり、このとき前記表面積はガスケット内側の表面積に基づくものであり、ここで前記繊維ベース材料が、前記第1ガラス製造用装置内および前記第2ガラス製造用装置内における、熱電池誘導のブリスタ生成を低減させることを特徴とする繊維ベースガスケット。
【請求項2】
前記繊維ベース材料が、0〜100%のシリカ、0〜100%のアルミナ、0〜100%のジルコニア、および種々の濃度の他の酸化物、を含有している繊維を含むものであることを特徴とする請求項1記載の繊維ベースガスケット。
【請求項3】
前記繊維ベース材料の最大使用温度が500℃超であることを特徴とする請求項1記載の繊維ベースガスケット。
【請求項4】
前記繊維ベース材料の繊維率が20%超であり、ここで該繊維率が、非繊維化材料を含めた材料の総重量に対する、繊維化された材料の重量の割合であることを特徴とする請求項1記載の繊維ベースガスケット。
【請求項5】
前記繊維ベース材料が、直径0.5μm超の繊維を含むものであることを特徴とする請求項1記載の繊維ベースガスケット。
【請求項6】
ガラス製造システム(100)において、
その中でガラスバッチ材料を溶解して溶融ガラス(114)を形成する、溶解槽(110)、
前記溶解槽から前記溶融ガラスを受け入れる、溶解−清澄管(115)、
前記溶解−清澄管から前記溶融ガラスを受け入れ、かつ該溶融ガラスから泡を除去する、清澄槽(120)、
前記清澄槽から前記溶融ガラスを受け入れる清澄器−攪拌チャンバ管(125)であって、これに取り付けられたレベル検出用直立管(127)を備えている、清澄器−攪拌チャンバ管、
前記清澄器−攪拌チャンバ管から前記溶融ガラスを受け入れ、かつ該溶融ガラスを混合する、攪拌チャンバ(130)、
前記攪拌チャンバから前記溶融ガラスを受け入れる、攪拌チャンバ−ボウル接続管(135)、
前記攪拌チャンバ−ボウル接続管から前記溶融ガラスを受け入れる、ボウル(140)、
前記ボウルから前記溶融ガラスを受け入れる、下降管(145)、
前記清澄槽と、前記清澄器−攪拌チャンバ管と、前記レベル検出用直立管と、前記攪拌チャンバと、前記攪拌チャンバ−ボウル接続管と、前記ボウルと、前記溶解−清澄管の少なくとも一部と、および前記下降管の少なくとも一部とを囲むように位置している、カプセル(172)、
注入口(155)、成形槽(160)、および牽引ローラアセンブリ(165)、を含んでいるフュージョンドロー装置(150)であって、
前記注入口が前記下降管から前記溶融ガラスを受け入れ、
前記成形装置が、前記注入口から前記溶融ガラスを受け入れ、かつ板ガラス(109)を成形し、さらに、
前記牽引ローラアセンブリが、前記板ガラスを受け入れ、かつ該板ガラスを延伸することを特徴とする、フュージョンドロー装置、
前記延伸された板ガラス(111)を受け入れ、かつ該延伸された板ガラスを独立した板ガラス(113)に分離する、移動アンビル装置(170)、および
前記カプセルの開口(182)と前記フュージョンドロー装置の開口(184)との間の、前記下降管が前記注入口と連係している連結部(180)に設置されている、第1繊維ベースガスケット(102)、
を備え、前記第1繊維ベースガスケットの密度および圧縮が、単位表面積当たりの気体透過速度を22.5ml/min/cm2未満とするものであり、このとき前記表面積がガスケット内側の表面積に基づくものであることを特徴とするガラス製造システム。
【請求項7】
前記カプセルの開口(187)と、前記レベル検出用直立管の開口(188)との間の連結部(186)に設置されている、第2繊維ベースガスケット(104)をさらに備え、該第2繊維ベースガスケットの密度および圧縮が、単位表面積当たりの気体透過速度を22.5ml/min/cm2未満とするものであり、このとき前記表面積がガスケット内側の表面積に基づくものであることを特徴とする請求項6記載のガラス製造システム。
【請求項8】
前記カプセルの開口(190)と、前記攪拌チャンバの上部の開口(191)との間の連結部(189)に設置されている、第3繊維ベースガスケット(106)をさらに備え、該第3繊維ベースガスケットの密度および圧縮が、単位表面積当たりの気体透過速度を22.5ml/min/cm2未満とするものであり、このとき前記表面積がガスケット内側の表面積に基づくものであることを特徴とする請求項6記載のガラス製造システム。
【請求項9】
前記カプセルの開口(193)と、前記ボウルの上部の開口(194)との間の連結部(192)に設置されている、第4繊維ベースガスケット(108)をさらに備え、該第4繊維ベースガスケットの密度および圧縮が、単位表面積当たりの気体透過速度を22.5ml/min/cm2未満とするものであり、このとき前記表面積がガスケット内側の表面積に基づくものであることを特徴とする請求項6記載のガラス製造システム。
【請求項10】
前記カプセル内の孔(222)に設置されている第5繊維ベースガスケット(225)をさらに備えていることを特徴とする請求項6記載のガラス製造システム。
【請求項11】
ガラス製造システム(100)において熱電池誘導のブリスタ生成を低減する方法であって、該ガラス製造システムが、
その中でガラスバッチ材料を溶解して溶融ガラス(114)を形成する、溶解槽(110)、
前記溶解槽から前記溶融ガラスを受け入れる、溶解−清澄管(115)、
前記溶解−清澄管から前記溶融ガラスを受け入れ、かつ該溶融ガラスから泡を除去する、清澄槽(120)、
前記清澄槽から前記溶融ガラスを受け入れる清澄器−攪拌チャンバ管(125)であって、これに取り付けられたレベル検出用直立管(127)を備えている、清澄器−攪拌チャンバ管、
前記清澄器−攪拌チャンバ管から前記溶融ガラスを受け入れ、かつ該溶融ガラスを混合する、攪拌チャンバ(130)、
前記攪拌チャンバから前記溶融ガラスを受け入れる、攪拌チャンバ−ボウル接続管(135)、
前記攪拌チャンバ−ボウル接続管から前記溶融ガラスを受け入れる、ボウル(140)、
前記ボウルから前記溶融ガラスを受け入れる、下降管(145)、
前記清澄槽と、前記清澄器−攪拌チャンバ管と、前記レベル検出用直立管と、前記攪拌チャンバと、前記攪拌チャンバ−ボウル接続管と、前記ボウルと、前記溶解−清澄管の少なくとも一部と、および前記下降管の少なくとも一部とを囲むように位置している、カプセル(172)、
注入口(155)、成形槽(160)、および牽引ローラアセンブリ(165)、を含んでいるフュージョンドロー装置(150)であって、
前記注入口が前記下降管から前記溶融ガラスを受け入れ、
前記成形装置が、前記注入口から前記溶融ガラスを受け入れ、かつ板ガラス(109)を成形し、さらに、
前記牽引ローラアセンブリが、前記板ガラスを受け入れ、かつ該板ガラスを延伸することを特徴とする、フュージョンドロー装置、および
前記延伸された板ガラス(111)を受け入れ、かつ該延伸された板ガラスを独立した板ガラス(113)に分離する、移動アンビル装置(170)、
を備えたものであり、該方法が、
前記カプセルの開口(182)と前記フュージョンドロー装置の開口(184)との間の、前記下降管が前記注入口と連係している連結部(180)に、第1繊維ベースガスケット(102)を設置するステップ、および、
前記第1繊維ベースガスケットの単位表面積当たりの気体透過速度を22.5ml/min/cm2未満とするように該第1繊維ベースガスケットを圧縮するステップであって、このとき前記表面積がガスケット内側の表面積に基づくものであるステップ、
を含むものであることを特徴とする方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4A】
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【図5】
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【図4B】
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【図4C】
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【図4D】
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