説明

繊維ベースセラミック基材およびその製造方法

【課題】
【解決手段】
基材が高温に曝露されても結晶シリカすなわちクリストバライトを形成しない安定した化合物の形成を促進する無機バインダーを使用することで、安価なアルミノシリケート繊維からセラミック基材物質が形成される。このアルミノシリケート繊維は有機バインダー、無機バインダーおよび液体を含む添加物と混合され、可塑性混合物を形成する。この可塑性混合物は素地基材に形成され、その後にセラミック基材に硬化される。繊維ベース組成は、濾過、断熱、および高温処理並びに化学反応に利用できる堅牢な多孔質構造物を形成させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は一般的に断熱、濾過及び/又は触媒ホストのごとき高温化学反応処理用の繊維ベース(系)セラミック基材(基質)に関する。本発明は特にアルミノシリケート(アルミノケイ酸塩)(aluminosilicate)繊維ベースセラミック基材およびその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
大抵の繊維ベースセラミック基材は排気ガス濾過材、断熱材および化学反応器内の触媒ホストとして高温処理のために使用される。繊維ベースセラミック基材は高温耐久性を提供し、高強度であり、化学的に不活性である。この材料を利用して所望する利用条件を満たす超高温に耐久性のある堅牢性を備えた構造物を製造することが可能である。この基材物質組成を提供するベースとなるセラミック繊維(ファイバ)は種々な製法にて様々な材料から製造することができる。例えば、セラミック材料はゾルゲルから繊維に延伸紡糸することや、繊維状にメルトスピン(溶融紡糸)することができる。
【0003】
化学的および熱的に安定した高強度を有した繊維ベースセラミック基材は一般的に高性能で高温耐久性を有した(従って高価な)セラミック繊維から製造される。例えば、多結晶ムライト繊維は非常に安定しており、1700℃以上で物理的に安定している。これら高性能物質は、その物質を繊維形態に加工するのに利用される特殊な製造工程と、繊維を製造するのに要求される原料の純度と品質の高さのために製造コストが大幅に増大する。ガラス質アルミノシリケートのごとき安価な材料からの繊維ベース基材は高性能とは無縁であった。なぜなら、そのような材料は高温に曝されると失透し(非ガラス質となり)、結晶化して低強度の物質に変質し、最悪の場合には有害化する危険を伴うからである。従って、優れた化学耐久性および熱耐久性を備えた安価な繊維を使用して製造できる繊維ベースセラミック基材が求められている。
【発明の概要】
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は化学的および熱的に安定した堅牢多孔質基材を製造するために、主要原料として安価なアルミノシリケート繊維を使用したセラミック基材を提供する。
【0007】
一般に、本発明は、約15重量%から約72重量%のアルミナを含有した安価なアルミノシリケートと、混合されて可塑性混合物を形成する無機バインダー(結合剤)、有機バインダーおよび液体(本明細書における“液体”とは一般的な“流体”を含む)とで成る添加物とから製造される繊維ベースセラミック基板の製造方法を提供する。この可塑性混合物は素地基板に形成され、有機バインダーを除去し、アルミノシリケート繊維と無機バインダーとを焼結させるように加熱され、安定した非結晶ガラスで結合された正常所在型(in-situ)であるムライトの構造体が形成される。このように高性能材料に類似した性能を備えた、あるいはそれを超える性能を備えた材料が大幅に低価格で得られ、処理コストも安い。
【0008】
その方法は以下の特徴の少なくとも一部を備えている。実施形態によっては、無機バインダーは酸化セリウムを含む。同様に無機バインダーはビーガム(veegum)またはベントナイトのような様々な種類のクレイバインダー(粘土結合剤)(clay binder)を含むことができる。クレイ無機バインダーは酸化カルシウム及び/又は酸化マグネシウムの様々な組成を有することができる。実施形態によっては、無機バインダーはガラスフリットでよい。実施形態によっては、無機バインダーは繊維である。
【0009】
実施形態によっては、無機バインダーは得られる構造物の熱膨張率を低減させるように選択できる。例えば、無機バインダーとしての酸化チタンの使用によって、元々の有機アルミノシリケート繊維よりも低いCTE(熱膨張率)を有した非結晶(無形)ガラス結合多結晶構造物が形成される。
【0010】
実施形態によっては、素地基板は、例えば真空鋳造(減圧注型)ボードのごとき鋳造(注型)プロセスで成型される。他の実施形態ではハニカム基材が押出成型される。実施形態によっては、最終基材の空孔度を高めるために添加剤は空孔形成剤を含む。
【0011】
本発明のこれら、および他の特徴は以下の解説によりさらに明らかとなるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明による繊維ベースセラミック基材の成型法のフローチャートである。
【図2】背景技術によるアルミナとシリカの化合物の2元状態図である。
【図3】背景技術によるアルミナ、シリカおよび酸化カルシウムの化合物の3元状態図である。
【図4】本発明に従った方法の硬化ステップのフローチャートである。
【図5】本発明に従った繊維ベースセラミック基材の走査電子顕微鏡画像である。
【図6】基材内の結晶相の組成を図示する本発明の代表的実施例のX線回折分析図である。
【0013】
以下において本発明の詳細な説明を行う。しかしながら、本発明は様々な形態にて例示が可能である。従って、ここで開示されている特定の形態は本発明を限定するものではなく、実質的に全てのシステム、構造または手法の細部においてどのように本発明を利用するかを当業専門家に教示する代表的な基礎知識として提供されている。
【0014】
セラミック繊維ベース基材物質は高温断熱、濾過および触媒反応補助に利用できる。任意形態のこの物質は、触媒コンバータ、NOx(窒素酸化物)吸着剤、DeNoxフィルタ、多機能フィルタ、溶融金属移送機構およびフィルタ、熱交換機コア、化学処理剤、固定床反応器、水素脱硫材、水素添加分解材または水素処理材およびエンジン排気ガスフィルタとして高温環境下で使用できる。
【0015】
繊維の微小構造により提供される多孔性および高性能表面は、小体積であっても優れた強度を提供し、熱衝撃や物理的劣化を発生させずに大きく急激な温度変化に対して耐久性を示す。セラミック繊維もまた、燃焼チャンバの裏打材として、および衝撃耐久性を必要とする高温環境で使用される真空鋳造ボード等の堅牢で高温断熱性であるパネルの製造に使用できる。鋳造プロセスは窯炉付属材やセッタタイルのごときセラミック繊維製の堅牢構造物の製造にも利用できる。
【0016】
従来技術によるアルミノシリケートベースセラミック材料の高温処理はクリストバライトの形成を促進することが判明している。この物質は、操業中にこの基材に曝露されている作業員、特に除去、洗浄または再建のために基材を取り扱わる作業員に健康障害を引き起こす可能性が指摘されている。クリストバライトは、埃形態で長期に滞在する発ガン物質として指定されているシリカの結晶相であり、別な発ガン物質の除去を試みる際に新規な健康障害要因を発生させる。本発明は、高温操業環境時にクリストバライトを形成せずにアルミノシリケート繊維のセラミック繊維ベース基材を形成し、クリストバライトの形成を阻止することができる。
【0017】
図1において本発明のアルミノシリケート繊維ベース基材製造方法100が図示されている。一般的に添加物130および液体140と共にアルミノシリケート繊維120が混合150されてプラスチック(可塑剤)バッチとされる。この可塑剤バッチは素地基板160に形成されて硬化処理170される。アルミノシリケート繊維120と添加物130は化学的に安定した化合物で結合したムライトの繊維構造物を形成するが、続く加熱処理時にクリストバライトを形成しない。
【0018】
アルミノシリケート繊維120は一般的に耐火材として使用される。なぜなら使用される原料が安価に入手でき、溶融紡糸(メルトスパン)またはブロー紡糸のごとき溶融繊維形成プロセスで材料の繊維化ができるためである。当初に繊維形態で提供されるときにはアルミノシリケート繊維120は非結晶状態またはガラス状態である。図2で示すアルミナ(Al)およびシリカ(SiO)の状態図は背景技術のものである。アルミナ含有量が約15%から72%(重量または質量に対する割合)であるアルミノシリケート物質が約1600℃までの温度に曝露されると、この非結晶組成物は多結晶ムライトおよび非結晶または結晶シリカを形成する。脱ガラス化および結晶化プロセスは900℃程度の温度で開始するが、反応度/変換度は温度の増加と共に増大する。
【0019】
ムライトとはSiO-Al系物質のなかで唯一の化学的に安定した中間段階物質に与えられた鉱物組成名である。ムライトは通常は3Al・2SiO(すなわち、60モル%のAlと40モル%のSiO)と命名されている。しかし、この名称は誤解を招き易い。なぜなら、ムライトは実際には固溶体であり、1600℃以下では約60モル%から63モル%のアルミナである平衡組成限界を有するからである。ムライトはその優れた高温特性により付与されるアルミノシリケート物質の望ましい状態である。この物質は熱衝撃に対する優れた抵抗性と、その低別膨張率により付与される望ましい熱応力分布とを有しており、機械的強度が大きく、インターロックする結晶構造を備えている。さらにムライトは比較的に低熱伝導性であり、磨耗抵抗性が高い。これらの特性は高温でもさほど影響を受けず、この基材の高温での利用性を維持する。
【0020】
高温で化学的に安定したムライトとは異なり、シリカは長い時間1000℃を超える温度に曝露されるとクリストバライトの結晶状態に結晶化する特性を有する。この物質は比較的に小さな力で崩壊するため、アルミノシリケートベース基材におけるクリストバライトの形成は構造的強度を実質的に低減させる。前述したように、特に作業員が、高温に長時間曝露された後の基材の利用時または処理時に基材から発生するであろう空中漂流性の小粒子を吸引したときに健康被害の可能性が存在する。例えば、基材が燃焼チャンバまたは燃焼窯炉の断熱に使用されるなら、窯炉の定期的な保守または修繕は保守人員に対して健康障害を引き起こす可能性がある。また、基材が使用中に破損したり亀裂が発生したりしている場合には、基材がディーゼル排気粒子フィルタ等である高温排気ガスの濾過に使用されるならクリストバライト粒子が発生する可能性がある。
【発明を実施するための形態】
【0021】
本発明によれば、添加物130は、基材がその後に長時間高温に曝露されるときにクリストバライトの形成を阻止するため、硬化ステップ170の最中にムライトが形成される際に繊維に残留するシリカ(遊離シリカ)と反応する無機バインダー物質を含む。
【0022】
添加物130の無機バインダーはアルミノシリケート繊維120と反応し、操業中に様々な形態でクリストバライトの形成を阻止する。1つの形態は、硬化ステップ170の最中に繊維からのシリカの形成過程を変化させることである。遊離シリカを添加物130と反応させることで安定ガラス化合物を形成することができる。さらに、図3の代表的な3元状態図の投影面で示すように添加物130の組成物は、反応によって繊維120からアルミナおよびシリカの3元系物質または他の複合物質を形成することができる。一般的にライムとして知られる酸化カルシウム(CaO)を含んだ添加物130は硬化ステップ170中にアルミナおよびシリカと反応し、安定ガラス結合状態のムライトを形成する。操業中にクリストバライトの形成を阻止する別な形態は、添加物130を繊維のシリカと反応させ、結晶の種をなくしてクリストバライトの形成が阻止されるように整然とした結晶構造を持たない非結晶化合物を形成させることである。
【0023】
以下で詳細に解説している本発明の代表的な実施形態では、マグネシウムアルミナシリケートを含むビーガムクレイ、カルシウムマグネシウムアルミナシリケートを含むベントナイトクレイ、セリウム、酸化チタンおよびガラスフリットその他は添加物130にて無機バインダーとして含まれることができる。例えば、陶器の釉コーティングに使用されるフェロフリット3851はアルミナ(26.8重量%)、シリカ(48.9重量%)、マグネシア(23.8重量%)および酸化カルシウム(0.5重量%)を含む。これは無機バインダーとして利用できる。異なる組成を有するその他の物質でも利用が可能である。典型的には、これら無機バインダーは粉末状または粒子状で提供される。あるいは、無機バインダーを少なくとも部分的に繊維状で提供することもできる。
【0024】
図1で示す方法100で使用されるアルミノシリケート繊維120は、一般的にバラバラまたは刻んだ繊維の状態で耐火物質として使用される。代表的な実施形態ではユニフラックス社(ニューヨーク州ナイアガラフォール市)のFIBERFRAX HS−95Cまたはサーマルセラミックス社(ジョージア州オーガスタ市)のCERAFIBERあるいは他の類似した溶融紡糸や溶融ブロー紡糸されたアルミノシリケート繊維が使用できる。典型的には、アルミナ/シリカ含有量は、50から60重量%のアルミナと、残りのシリカである。
【0025】
しかし本発明の方法は、約15重量%から72重量%の範囲のアルミナと、残り部分のシリカであるアルミナ/シリカ含有物であっても可能である。アルミノシリケート繊維120の繊維径は基材の意図する利用法によって決定されるべきものである。例えば、高温濾過処理のための空孔構造が望まれるときには繊維径は、濾過対象の粒子の特性に対して最良である濾材が得られるよう、形成される空孔サイズを考慮しなければならない。ディーゼル排気粒子フィルタの例として、3から10ミクロン径繊維での約15ミクロンである空孔サイズが、煤粒子に対する低背圧により優れたトラップ効率を提供することが証明されている。空孔度が必須の要素ではない場合には、優れた強度と寸法的均質性を備え、様々な繊維径を有した、さらに高密度な物質を真空鋳造または鋳造基材のために得ることができる。
【0026】
添加物130は前述したように、続く硬化処理工程170中にムライト構造物を結合させる安定ガラスを形成するためにアルミノシリケート繊維と反応する無機バインダー物質を含んでいる。さらに、添加物130は、続く成型ステップ160中に利用することができる有機バインダー、押出成型助剤または成型助剤、レオロジー調整剤、および処理助剤並びに可塑剤を含むことができる。例えば、添加物130として含まれることができる有機バインダーはメチルセルロース、ヒドロキシプロプルメチルセルロース(HPMC)、エチルセルロース、およびそれらの組み合わせを含むことができる。
【0027】
最終構造物の空孔度を増大するために空孔形成剤を添加剤130として含ませることができる。空孔形成剤は非反応性物質であり、混合ステップ150および続く成型ステップ160中に可塑混合物に含まれているが、硬化ステップ170中に熱分解、熱劣化または揮発によって容易に除去される。例えば、微小ワックス乳剤、フェノール樹脂粒子、小麦粉、スターチ、または炭素粒子を、続く硬化ステップ170の最中に燃尽する添加剤130として含ませることができる。粒子形状分布またはアスペクト比によって変わるが、空孔形成剤は成型ステップ160の最中に繊維整合性または配向特性も付与することができる。中空球体またはエアロゲルのごとき低密度形態で提供されると無機バインダーは空孔形成剤としても振舞うことができる。
【0028】
可塑剤のごとき他の処理助剤またはレオロジー調整剤が添加剤130として添加可能であり、続く成型ステップ160の最中に可塑性混合物の成形性を改善または最良化する。様々なタイプの溶剤が利用可能ではあるが、典型的には、結合剤のごとき添加物、または液体内でのコロイド状縣濁物あるいはゾル状縣濁物として混合物内に導入できる他の添加物と関連して液体と共に水が利用される。レオロジー測定が混合ステップ150の最中に実施でき、成型ステップ160のために望ましいレオロジーと対比させて混合物のレオロジーが評価される。過剰な液体は望ましくないであろう。なぜなら、硬化ステップ170の最中に過剰な収縮が発生し、基材に亀裂を発生させる可能性があるからである。
【0029】
アルミノシリケート繊維120、添加物130および液体140は混合ステップ150で混合され、成型ステップ160のために所望するレオロジーを備えたに均質物体を形成するようにそれら物質を均等に分布させる。この混合ステップは乾燥混合、湿潤混合、せん断混合および混練、等々により実行される。このような混合は、繊維、粒子および液体を分解して分布させ、または凝塊分解させるために必須であるせん断力を付与しながら物質を均質物体に均等に分布させるために必要である。成型ステップ160のために望まれる所望のレオロジー特性を備えた均質で均一な物質分布状態を得るため、混合、せん断および混練の程度並びに混合処理時間は、繊維の特性(繊維長、繊維径、等々)、および添加物130の種類と量、および液体140の種類と量によって決定される。
【0030】
成型プロセスは、混合ステップ150の可塑性混合物を望む形状の素地基材に形成する任意タイプの処理であっても構わない。非限定的な例として、成型ステップ160は押出成型、真空鋳造、および注型、等々でよい。本発明の繊維ベースセラミック基材の成型ステップ160は、粉末ベースセラミック基材物質の成型ステップに類似する。ハニカム基材の押出成型時に、HPMCのごとき適した可塑助剤を含み、適したレオロジーを備えた可塑性混合物が加圧下でハニカム形態の型に押し入れられ、後処理で所望長に切断される連続的ハニカムブロックが形成される。ハニカム型がハニカム導通路のサイズと形状を決定するが、押出型の設計によっては方形、三角形、六角形または他の多角形の導通路とすることもできる。さらに、幅広入口導通路を有した非対称形の導通路等である別デザインであっても適した押出型を使用して成型できる。成型ステップ160に使用される押出成型システムは、典型的には、例えば、ピストン式押出成型機やスクリュー式押出成型機である粉末ベースセラミック物質の押出成型に使用されるタイプのものである。専門家であれば、混合ステップ150の特定の作業が成型ステップ160の最中にスクリュー式押出機によって実行できることを理解しよう。真空鋳造プロセスおよび他の注型プロセスであっても、基材を形成し、その後の処理のためにその形状を維持する特性を有した可塑性混合物のレオロジーと可塑性を備えた素地基材とするように可塑性混合物を形成することができる。一般的に、成型ステップ160は、続く硬化ステップ170の最中にその形状と相対的繊維配置が維持できるように十分な素地強度を備えた素地基材を製造する。
【0031】
アルミノシリケート繊維170、添加物130および液体140の可塑性混合物での素地基材の形成、および続く基材の硬化ステップは、以下で解説するようにセラミック基材内に相互絡巻した繊維のユニークな微小構造体を製造する。続く硬化ステップ170の後に、添加物130と液体140の一部が除去され、基材を通じて相対的な繊維空間を維持していれば、得られる構造体は非常に多孔質となることができる。成型ステップ時の繊維の移動と整合作用の結果、基材内で空孔部は均等に分布し、繊維間の空間により開放空孔ネットワークが形成される。さらに、基材表面は、基材の内部領域で区別される相互ロック状態および相互接続状態である繊維の二次元マットにさらに近親していると考えられる。この構造は相互ロック状態および相互接続状態である繊維の三次元構造であり、導通路壁の表面は完全な平坦形態ではない。繊維端は表面から角度を有して突出しているであろう。基材がディーゼル排気粒子フィルタ等のフィルタとして使用されるときにはこれら突起繊維は特に有益である。なぜなら、これら突起は煤の核形成、凝集形成あるいはトラップ部位として機能でき、効率的で均質な煤“ケーキ”を形成するからである。導通路壁の表面でのこれら部位の分配によって、粒子の均質堆積が提供され、よってフィルタでの煤粒子の捕獲効率が高められ、煤の均質な堆積と再生が可能となる。
【0032】
繊維の整合、空孔サイズ、空孔分布、核形成、凝集形成、および捕獲部位分布、並びに壁面と内部領域との間の空孔特性は成型ステップ160のパラメータを適宜変更することで制御できる。例えば、混合物のレオロジー、繊維の繊維径およびアスペクト比の分布、添加物の特性、成型圧力および成型速度は得られる基材の構造で所望する特徴が達成されるように変化させることができる。
【0033】
硬化ステップ170は図4でさらに詳しく解説されている。硬化ステップ170は3段階の連続工程として実施できる。すなわち液体除去ステップ180と、有機物除去ステップ190と、焼結ステップ200とである。第1段階の液体除去ステップ180では、素地基材は強制対流を利用し、あるいは利用せずに比較的に低温で液体を除去することで乾燥される。熱空気対流加熱、真空フリーズ乾燥、溶剤抽出、マイクロ波または電磁/電波周波数(RF)乾燥法、あるいはそれらの組み合わせ手段のごとき、液体を除去する素地基材の比較的に低温による様々な加熱方法が存在する。押し出された素地基材内の液体はあまり急速に基材から脱水すべきではない。収縮による乾燥亀裂の発生を排除するためである。典型的には水を利用するシステムにおいては、素地基材は90℃から150℃の温度に約1時間曝露されて乾燥される。もちろん実際の乾燥時間は基材のサイズと形状によって異なる。大きな部材は完全乾燥までの時間が長い。マイクロ波またはRFエネルギーによる乾燥の場合には、液体自身または押出成型された物質内の他の成分は放射線を吸収し、材料内全体にさらに均等に熱を発生させる。液体除去ステップ180の最中に、添加物130として使用される物質の選択によって、バインダーとして機能する物質は凝結またはゲル化し、基材の取扱いのために基材に十分な素地強度を付与する。
【0034】
素地基材の乾燥が完了すると、または液体除去ステップ180によって液体130が実質的に除去されると、次の段階の硬化ステップ170は有機物除去ステップ190に進行する。この段階の硬化ステップ170は熱分解、熱劣化あるいは揮発作用によって添加物120の有機成分を除去し、実質的にアルミノシリケート繊維120と添加物130の無機成分のみを残す。有機物除去ステップ190の後に、有機物バイダ燃焼除去およびその後の空孔形成剤燃焼除去のごとき一連の成分除去ステップをさらに続けることができる。その際、添加物120の有機成分は、硬化ステップ170が順番に成分を除去することができるように選択される。例えば、HPMCがバインダーとして使用されると、約300℃で熱分解する。炭素粒子の空孔形成剤が使用されると、酸素の存在下で約600℃から900℃に加熱されると炭素は二酸化炭素に酸化されるであろう。同様に、小麦粉またはスターチが空孔形成剤として使用されると300℃から600℃で熱分解する。従って、HPMCを添加物130のバインダー成分および添加物130の炭素粒子空孔形成剤成分として使用した場合には、素地基材を2段階の焼結処理に曝し、バインダーを除去し、続いて空孔形成剤を除去することで、素地基材を有機物除去ステップ190で処理することができる。この例では、バインダーの燃焼除去は、300℃から600℃にて一定時間処理し、続いて600℃以上であるが、アルミノシリケート繊維120または添加物130の無機バインダーのごとき無機成分の脱ガラス化温度以下で空孔形成剤を燃焼除去させることで実行できる。処理温度が順番となっている硬化ステップによって、成型プロセス160の実施に必要な添加物130の制御された除去と、基材の最終微小構造を増強とが提供される。
【0035】
あるいは、硬化ステップ170は処理環境を熱的及び/又は化学的に制御することで任意の数の段階にまで順番に制御することができる。例えば、有機物バインダーのごとき第1有機成分を選択的に除去するため、処理環境にアルゴン、窒素またはヘリウム等の不活性ガスをパージ処理した不活性環境下にて特定の温度で、あるいは真空環境で加熱することで、または不活性ガスの低部分圧によりパージ処理した部分真空下で有機物除去ステップ190を第1段階で実施することができる。続く段階では、酸素を硬化処理環境内に導入開始して維持することで、空孔形成剤等の第2有機成分を燃焼除去できる。さらに、有機物除去ステップ190は、基材内での放熱反応が温度を過剰に上昇させないように、熱的または化学的に制御されることが必要である。この種の制御は加熱環境のプロセス制御あるいは加熱環境内への酸素流量を制御することで可能である。
【0036】
硬化ステップ170の有機物除去ステップ190の最中に、添加物120の有機成分が除去されるとき、アルミノシリケート繊維120の相対位置は、成型ステップ160で素地基材が形成されるときと実質的に同位置のままである。アルミノシリケート繊維は相互に絡まった状態にあり、添加物120の無機バインダーはそれらの保持を提供している。添加物120の有機成分が除去されるとき、無機バインダーのごとき無機成分は繊維を保持し続ける。有機物除去ステップ190の完了により、基材の機械的強度は非常に脆くなるため、基材の取扱いには細心の注意を必要とするであろう。有機物除去ステップ190と、続く焼結ステップ200とを同一窯内または窯炉内で実施し、取扱い作業による基材の損傷を最小限に抑えることは有利である。
【0037】
硬化ステップ170の最終段階は焼結ステップ200である。この段階では素地基材には実質的に液体130は存在せず、添加物120の有機成分は実質的に存在していない。素地基材は1000℃以上であるが、アルミノシリケート繊維の融点である1587℃以下に加熱される(図2の状態図参照)。典型的には1200℃から1500℃に加熱され、安定したムライト結晶相と安定した非結晶ガラスを形成する。この焼結ステップ200で素地基材が加熱されて焼結温度に維持されると、約60から63モル%のアルミナの平衡組成限界と、無機バインダー添加物130と反応して非結晶ガラスを形成する残り部分のシリカとであるアルミナとシリカがムライト固溶液に組み合わされると、ガラスアルミノシリケート繊維120は多結晶ムライトに変質する。
【0038】
得られる構造物の実際の組成および熱特性と化学特性は、繊維、無機バインダーおよび焼結時間と温度の選択によって決定される。例えば、適量のビーガム無機バインダー(酸化カルシウム−マグネシア−アルミナ−シリカクレイ)はムライトの熱膨張率とほぼ対応する熱膨張率のガラスを提供し、基材が熱衝撃を受けた際に内部応力は最小化される。ベントナイト無機バインダーと多量の酸化カルシウムは化学抵抗性が増強されたガラス組成物を提供するであろう。コロイダルシリカ等の形態であるシリカの添加は非結晶ガラスの形成を促進し、無機バインダーの他の成分とも反応して安定した非結晶ガラスを形成する。さらに、セリアベース無機バインダーは、ディーゼル排気ガスフィルタ及び/又はエンジン排気ガス制御に使用されるもののごとき触媒やウォシュコートと非常に相容性が高いガラス組成物を産出する。同様に、硝酸セリウム等のセリアを形成する化学剤は無機バインダーとして使用でき、安定した非結晶ガラスの組成を触媒コーティングと相容させるように補強する。さらに、燐酸アルミニウムが無機バインダーとして使用できる。酸性アルミナ燐酸塩とは燐酸(HPO)とアルミニウム塩(例:水酸化アルミニウム)の液状溶液のことであり、酸の割合は固状純粋燐酸アルミニウム(例:Al(POまたはAlPO)の形成に必要な割合を超える。燐酸自体は無機バインダーとして使用できるが、アルミニウムの追加は、安定した非結晶ガラスまたは安定した化合物の形成におけるアルミノシリケート繊維との反応性を増強させる。酸化チタン無機バインダーは、最終構造物の熱膨張率を効果的に低下させたガラス組成物を産出するであろう。これは高熱勾配が操業時に発生するような利用形態において特に有用であろう。
【0039】
図5は本発明の基材の走査電子顕微鏡画像である。アルミノシリケート繊維120と添加物130は元のアルミノシリカ繊維の繊維形態をほぼ維持する多結晶ムライト構造320を、繊維を包囲して結合している非結晶ガラス内に形成する。図6は、クリストバライトの痕跡がなく、ムライトと関連する唯一の結晶構造を明瞭に示す代表的実施例のX線回折(XRD)分析を図示する。
【0040】
例えば、繊維ベースセラミック基材は、以下記載の組成物の添加物130と、安価なアルミノシリケート繊維とを使用して製造される。この基材は、その形成時、あるいはその後に高温使用時にクリストバライトを発生させない。
【0041】
ビーガムを無機バインダーとして使用した第1の実施例では、可塑性混合物は、25.3重量%のアルミノシリケート繊維(約50/50アルミナ/シリカ)、無機バインダーとしての2.0重量%のビーガム、有機バインダーとして8.1重量%のヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)、32.9重量%の炭素粒子(0.325メッシュグレード)、および液体としての31.7重量%のDI水で作製された。これら物質は可塑性混合物に混入され、1インチ径のハニカム基材が押出成型された。この基材はRFによって乾燥され、有機物が除去された。続いて1500℃で1時間焼結処理され、安定した非結晶ガラスによって結合されたムライト構造物が得られた。
【0042】
無機バインダーとしてベントナイトを使用した第2実施例では、可塑性混合物は、24.2重量%のアルミノシリケート繊維(約50/50アルミナ/シリカ)、共同で無機バインダーを形成する2.2重量%のベントナイトと4.8重量%のコロイド状シリカ(50%濃度)、有機バインダーとして7.7重量%のヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)、31.4重量%の炭素粒子(0.325メッシュグレード)、および液体としての29.7重量%のDI水で作製された。これら物質は可塑性混合物に混入され、1インチ径のハニカム基材に押出成型された。この基材はRFによって乾燥され、有機物が除去された。続いて1500℃で1時間焼結処理され、安定した非結晶ガラスによって結合されたムライト構造物が得られた。
【0043】
無機バインダーとしてフリットを使用した第3実施例では、可塑性混合物は、23.0重量%のアルミノシリケート繊維(約50/50アルミナ/シリカ)、無機バインダーとして2.8重量%のフリット3851、有機バインダーとしての7.4重量%のヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)、空孔形成剤として30.0重量%の炭素粒子(0.325メッシュグレード)、および液体として36.8重量%のDI水で作製された。これら物質は可塑性混合物に混入され、1インチ径のハニカム基材に押出成型された。この基材はRFによって乾燥され、有機物が除去された。続いて1500℃で1時間焼結処理され、安定した非結晶ガラスによって結合されたムライト構造物が得られた。
【0044】
無機バインダーとして燐酸アルミニウムを使用した第4実施例では、可塑性混合物は、23.0重量%のアルミノシリケート繊維(約50/50アルミナ/シリカ)、無機バインダーとして2.8重量%の燐酸アルミニウム(Al(HPO))、有機バインダーとして7.4重量%のヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)、空孔度を向上させるための空孔形成剤として30.0重量%の炭素粒子(0.325メッシュグレード)、および液体としての36.8重量%のDI水で作製された。これら物質は可塑性混合物に混入され、1インチ径のハニカム基材に押出成型された。この基材はRFによって乾燥され、有機物が除去された。続いて1500℃で1時間焼結処理され、安定した非結晶ガラスによって結合されたムライト構造物が得られた。
【0045】
無機バインダーとしてコロイド状セリウムを使用した第5実施例では、可塑性混合物は、23.2重量%のアルミノシリケート繊維(約50/50アルミナ/シリカ)、無機バインダーとして9.3重量%のコロイド状セリウム、有機バインダーとして7.4重量%のヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)、空孔度を向上させるための空孔形成剤として30.1重量%の炭素粒子(0.325メッシュグレード)、および液体としての30.0重量%のDI水で作製された。これら物質は可塑性混合物に混入され、1インチ径のハニカム基材に押出成型された。この基材はRFによって乾燥され、有機物が除去された。続いて1500℃で1時間焼結処理され、安定した非結晶ガラスによって結合されたムライト構造物が得られた。
【0046】
無機バインダーとして二酸化チタンすなわちチタニア(TiO)を使用した第6実施例では、可塑性混合物は、22.5重量%のアルミノシリケート繊維(約50/50アルミナ/シリカ)、無機バインダーとして5.0重量%の二酸化チタン粒子、有機バインダーとして7.2重量%のヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)、空孔度を向上させるための空孔形成剤として29.3重量%の炭素粒子(0.325メッシュグレード)、および液体としての36.0重量%のDI水で作製された。これら物質は可塑性混合物に混入され、1インチ径のハニカム基材に押出成型された。この基材はRFによって乾燥され、有機物が除去された。続いて1500℃で1時間焼結処理され、安定した非結晶ガラスによって結合されたムライト構造物が得られた。
【0047】
無機バインダーとしてマグネシアシリケート繊維を使用した第7実施例では、可塑性混合物は、26.5重量%のアルミノシリケート繊維(約50/50アルミナ/シリカ)、共同で無機バインダーを形成する3.3重量%のISOFRAX生物溶性マグネシアシリケート繊維と5.2重量%のタルク粉末(マグネシウムシリケート)、有機バインダーとして6.6重量%のヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)、空孔度を向上させるための空孔形成剤として26.9重量%の炭素粒子(0.325メッシュグレード)、および液体としての31.5重量%のDI水で作製された。これら物質は可塑性混合物に混入され、1インチ径のハニカム基材に押出成型された。この基材はRFによって乾燥され、有機物が除去された。続いて1500℃で1時間焼結処理され、安定した非結晶ガラスによって結合されたムライト構造物が得られた。
【0048】
以上、本発明を本発明の実施形態を用いて詳細に解説した。本発明はそれら実施形態には限定されない。本発明の範囲内でそれら実施形態の細部には多数の変更を施すことが可能である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
セラミック基材の製造方法であって、
15重量%から72重量%の範囲のアルミナを含有するアルミノシリケート繊維を準備するステップと、
該アルミノシリケート繊維を、無機バインダー、有機バインダー、および液体(流体)で成る添加物と混合して可塑性混合物を形成するステップと、
該可塑性混合物を素地基材に成型するステップと、
該素地基材を加熱して前記液体と前記有機バインダーとを除去するステップと、
前記素地基材を焼結させ、前記アルミノシリケート繊維と前記無機バインダーとで、安定した非結晶ガラスによって結合されたムライト構造物を形成させるステップと、
を含んで成る製造方法。
【請求項2】
ムライト構造物はアルミノシリケート繊維間の空間によって提供される空孔を有していることを特徴とする請求項1記載の製造方法。
【請求項3】
添加物は空孔形成剤を含んでおり、該空孔形成剤は加熱ステップによって除去されることを特徴とする請求項2記載の製造方法。
【請求項4】
有機バインダーはセリアを含んでいることを特徴とする請求項1記載の製造方法。
【請求項5】
有機バインダーはコロイド状セリウムを含んでいることを特徴とする請求項1記載の製造方法。
【請求項6】
無機バインダーはマグネシウムアルミナシリケートを含んでいることを特徴とする請求項1記載の製造方法。
【請求項7】
無機バインダーはビーガムを含んでいることを特徴とする請求項6記載の製造方法。
【請求項8】
無機バインダーは酸化カルシウムを含んでいることを特徴とする請求項1記載の製造方法。
【請求項9】
無機バインダーはベントナイトを含んでいることを特徴とする請求項8記載の製造方法。
【請求項10】
無機バインダーは、非結晶ガラスの熱膨張率をムライトの熱膨張率にほぼ対応させるように選択されることを特徴とする請求項1記載の製造方法。
【請求項11】
無機バインダーは、非結晶ガラスの熱膨張率をアルミノシリケートの熱膨張率に対応して低下させるように選択されることを特徴とする請求項1記載の製造方法。
【請求項12】
無機バインダーは酸化チタンを含んでいることを特徴とする請求項11記載の製造方法。
【請求項13】
無機バインダーは繊維であることを特徴とする請求項1記載の製造方法。
【請求項14】
焼結ステップは1000℃を超える温度で実施されることを特徴とする請求項1記載の製造方法。
【請求項15】
可塑性混合物を素地基材に成型するステップは押出成型を含んでいることを特徴とする請求項1記載の製造方法。
【請求項16】
素地基材はハニカム形態であることを特徴とする請求項15記載の製造方法。
【請求項17】
セラミック基材であって、アルミノシリケート繊維から形成された多結晶ムライト繊維を含んでおり、前記アルミノシリケート繊維は15重量%から72重量%の範囲のアルミナを含有しており、前記多結晶ムライト繊維は前記アルミノシリケート繊維と無機バインダーとから形成された安定した非結晶ガラスで結合されて堅牢構造物を形成しており、該堅牢構造物は1000℃を超える温度に曝露されてもクリストバライトを形成しないことを特徴とするセラミック基材。
【請求項18】
多結晶ムライト繊維間の空間によって提供される空孔をさらに含んでいることを特徴とする請求項17記載のセラミック基材。
【請求項19】
堅牢構造物は押出成型によって提供されたハニカム形態を有していることを特徴とする請求項18記載のセラミック基材。
【請求項20】
無機バインダーは、酸化カルシウム、マグネシア、酸化セリウム、および酸化チタンから選択される少なくとも1種であることを特徴とする請求項18記載のセラミック基材。
【請求項21】
無機バインダーは繊維であることを特徴とする請求項20記載のセラミック基材。
【請求項22】
安定した非結晶ガラスは、多結晶ムライトの熱膨張率にほぼ対応する熱膨張率を有していることを特徴とする請求項17記載のセラミック基材。
【請求項23】
堅牢構造物は、アルミノシリケート繊維の熱膨張率よりも小さい熱膨張率を有していることを特徴とする請求項17記載のセラミック基材。

【図5】
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【図6】
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【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公表番号】特表2010−535147(P2010−535147A)
【公表日】平成22年11月18日(2010.11.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−520007(P2010−520007)
【出願日】平成20年5月13日(2008.5.13)
【国際出願番号】PCT/US2008/063494
【国際公開番号】WO2009/017865
【国際公開日】平成21年2月5日(2009.2.5)
【出願人】(507280435)ジーイーオー2 テクノロジーズ,インク. (12)
【Fターム(参考)】