説明

織物タイプの入力装置

【課題】本発明は、織物タイプの入力装置に関する。本発明に係る織物タイプの入力装置は、導電材料でパターニングされた織物を用いて形成されるので、異物感を最小減に抑えることができる。
【解決手段】本発明に係る織物タイプの入力装置は、織物と、前記織物上に導電材料がパターニングされたリードパターンと、をそれぞれ含む、第1の織物タイプの電極、及び、第2の織物タイプの電極が、互いに対向するように設けられた織物タイプの電極部と、前記第1の織物タイプの電極と、前記第2の織物タイプの電極が、互いに離隔するように、前記第1の織物タイプの電極と、前記第2の織物タイプの電極との間に配され、かつ、離隔された前記第1の織物タイプの電極と前記第2の織物タイプの電極とを互いに接触させる接続孔が形成されている織物タイプの基板部と、前記織物タイプの電極部に入力信号を送ると共に、前記送られた入力信号を感知する制御部と、を有していることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、織物タイプの入力装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、ノートパソコン、PDA、移動通信用端末のような携帯型電子機器の使用の増大につれ、携帯可能な電子機器の入力装置として使用されるキーボードも携帯できるように製作され、また、販売されている。概して、携帯可能なキーボードは、シリコンで構成されて、使用者がそれをたたんだり、衣服に取り付けたりして携帯することができる。しかしながら、シリコンで構成された携帯可能なキーボードのような入力装置は、衣服とはまったく異なる素材で製造されるので、衣服に取り付けたり、または、挿入されたりした場合に、使用者に異物感を感じさせるという不便さを招き得る。
【0003】
一方で、従来、薄膜トランジスターを用いた入力装置が存在していた。このような入力装置を具現するためには、織物とは異なる特性を有する更なる周辺機器が必要となる。したがって、このような入力装置が取り付けられた衣服を着用した場合、使用者は入力装置から異物感を感じられる。また、このような従来型入力装置が取り付けられた衣服を洗濯する際には、依然として入力装置と衣服を分離しなければならないという不便さが存在していた。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
前記問題を解決するために、本発明は、異物感を最小限に抑えた、洗濯可能なデジタル入力装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本願の請求項1に係る発明は、織物と、前記織物上に導電材料がパターニングされたリードパターンと、をそれぞれ含む、第1の織物タイプの電極、及び、第2の織物タイプの電極が、互いに対向するように設けられた織物タイプの電極部;前記第1の織物タイプの電極と、前記第2の織物タイプの電極が、互いに離隔するように、前記第1の織物タイプの電極と、前記第2の織物タイプの電極との間に配され、かつ、離隔された前記第1の織物タイプの電極と前記第2の織物タイプの電極とを互いに接触させる接続孔が形成されている織物タイプの基板部;及び、前記織物タイプの電極部に入力信号を送ると共に、前記送られた入力信号を感知する制御部を有していることを特徴とする織物タイプの入力装置を提供する。
【0006】
本願の請求項2に係る発明では、請求項1に記載された織物タイプの入力装置において、前記導電材料が、銀、ポリマー、ナイロン、または、サイクロヘキサノンを含むことを特徴とする。
【0007】
本願の請求項3に係る発明では、請求項1に係る織物タイプの入力装置において、前記制御部が、前記第1の織物タイプの電極に接続されて、前記入力信号を送る信号供給部と、前記第2の織物タイプの電極に接続されて、前記送られた入力信号を感知する信号感知部と、を含むことを特徴とする。
【0008】
本願の請求項4に係る発明では、請求項3に係る織物タイプの入力装置において、前記織物タイプの入力装置が、前記制御部と前記織物タイプの電極部間に前記入力信号を伝達する信号伝達部を含み;前記信号伝達部が、前記第1の織物タイプの電極と前記信号供給部との間をつなぐ第1の接続線と、前記第2の織物タイプの電極と前記信号感知部との間をつなぐ第2の接続線と、を含み;そして、前記第1の接続線、及び、前記第2の接続線が、導電性繊維を含むことを特徴とする。
【0009】
本願の請求項5に係る発明では、請求項1に係る織物タイプの入力装置において、前記制御部が、前記織物タイプの電極部に外部から圧力が加えられた場合に、前記第1の織物タイプの電極、及び、前記第2の織物タイプの電極のそれぞれのリードパターンが前記接続孔を通じて互いに接続されることによって、前記織物タイプの電極に送られた入力信号を感知するものであることを特徴とする。
【0010】
本願の請求項6に係る発明は、織物と、前記織物上に導電材料がパターニングされたリードパターンと、をそれぞれ含む、第1の織物タイプの電極、及び、第2の織物タイプの電極が、互いに対向するように設けられた織物タイプの電極部;前記第1の織物タイプの電極と、前記第2の織物タイプの電極間の離隔距離を提供し、かつ、前記離隔距離が弾性的に変えられるように設けた弾性部;及び、前記織物タイプの電極部の静電容量における変化を感知する感知部を有していることを特徴とする織物タイプの入力装置を提供する。
【0011】
本願の請求項7に係る発明では、請求項6に係る織物タイプの入力装置において、前記織物タイプの入力装置が、前記織物タイプの電極部と前記感知部との間をつなぐ接続部を含み;前記接続部が、前記第1の織物タイプの電極と前記感知部の一端との間をつなぐ第1の接続線と、前記第2の織物タイプの電極と前記感知部の他端との間をつなぐ第2の接続線と、を含み;そして、前記第1の接続線、及び、前記第2の接続線が、導電性繊維を含むことを特徴とする。
【0012】
本願の請求項8に係る発明では、請求項6に係る織物タイプの入力装置において、前記導電材料が、銀、ポリマー、ナイロン、または、サイクロヘキサノンを含むことを特徴とする。
【0013】
本願の請求項9に係る発明では、請求項6に係る織物タイプの入力装置において、前記感知部が、前記織物タイプの電極部に外部から圧力が加えられた場合に、前記第1の織物タイプの電極と前記第2の織物タイプの電極間の離隔距離における変化に基づいた前記静電容量における変化を感知するものであることを特徴とする。
【0014】
本願の請求項10に係る発明では、請求項6に係る織物タイプの入力装置において、前記弾性部が、スポンジ、及び、織物のうち一方、または、両方を含むことを特徴とする。
【0015】
本願の請求項11に係る発明は、織物と、前記織物上に導電材料がパターニングされた第1のリードパターン及び第2のリードパターンと、を含む織物タイプの電極部;及び、前記織物タイプの電極部の静電容量における変化を感知する感知部を有していることを特徴とする織物タイプの入力装置を提供する。
【0016】
本願の請求項12に係る発明では、請求項11に係る織物タイプの入力装置において、前記織物タイプの入力装置が、前記織物タイプの電極部と前記感知部との間をつなぐ接続部を含み;前記接続部が、前記第1のリードパターンと前記感知部の一端との間をつなぐ第1の接続線と、前記第2のリードパターンと前記感知部の他端との間をつなぐ第2の接続線と、を含み;そして、前記第1の接続線、及び、前記第2の接続線が、導電性繊維を含むことを特徴とする。
【0017】
本願の請求項13に係る発明では、請求項11に係る織物タイプの入力装置において、前記導電材料が、銀、ポリマー、ナイロン、または、サイクロヘキサノンを含むことを特徴とする。
【0018】
本願の請求項14に係る発明では、請求項11に係る織物タイプの入力装置において、前記第1のリードパターンと、前記第2のリードパターンが、インターデジタル形態でパターニングされていることを特徴とする。
【0019】
本願の請求項15に係る発明では、請求項11に係る織物タイプの入力装置において、前記感知部が、前記織物タイプの電極部とユーザーとの接触による、前記第1のリードパターンと前記第2のリードパターン間に生じる、前記静電容量における変化を感知するものであることを特徴とする。
【0020】
本願の請求項16に係る発明は、織物と、前記織物上に導電材料がパターニングされたリードパターンと、それぞれを含む、第1の織物タイプの電極、及び、第2の織物タイプの電極が、互いに対向するように設けられた織物タイプの電極部;前記第1の織物タイプの電極と、前記第2の織物タイプの電極間の離隔距離を提供し、かつ、前記離隔距離が弾性的に変えられるように設けた弾性部;及び、前記織物タイプの電極部に所定の周波数、及び、強度を有する第1の信号を送ると共に、前記送られた第1の信号によって誘導される前記第2の信号の強度における変化を感知する制御部を有していることを特徴とする織物タイプの入力装置を提供する。
【0021】
本願の請求項17に係る発明では、請求項16に係る織物タイプの入力装置において、前記制御部が、前記第1の織物タイプの電極に前記入力信号を送る信号供給部と、前記第2の織物タイプの電極に誘導される前記第2の信号の強度を感知する信号感知部と、を含むことを特徴とする。
本願の請求項18に係る発明では、請求項16に係る織物タイプの入力装置において、前記織物タイプの入力装置が、前記制御部と前記織物タイプの電極部間に前記第1の信号、及び、第2の信号を伝達する信号伝達部を含み;前記信号伝達部は、前記信号供給部と前記第1の織物タイプの電極間を電気的につなぐ第1の接続線と、前記信号感知部と前記第2の織物タイプの電極と間を電気的につなぐ第2の接続線を含み;そして、前記第1の接続線、及び、前記第2の接続線が、導電性繊維を含むことを特徴とする。
【0022】
本願の請求項19に係る発明では、請求項16に係る織物タイプの入力装置において、前記導電材料が、銀、ポリマー、ナイロン、または、サイクロヘキサノンを含むことを特徴とする。
【0023】
本願の請求項20に係る発明では、請求項16に係る織物タイプの入力装置において、前記リードパターンが、らせん状のコイルの形態でパターニングされていることを特徴とする。
【0024】
本願の請求項21に係る発明では、請求項16に係る織物タイプの入力装置において、前記制御部が、前記第1の織物タイプの電極に前記第1の信号が送られ、かつ、前記織物タイプの電極に外部から圧力が加えられた場合に、前記第1の織物タイプの電極および第2の織物タイプの電極間の離隔距離における変化に基づいて前記第2の織物タイプの電極に誘導される前記第2の信号の強度における変化を感知するものであることを特徴とする。
【発明の効果】
【0025】
本発明に係る織物タイプの入力装置は、導電材料でパターニングされた織物を用いて形成されるので、異物感を最小限にすることができ、さらには、衣服と分離することなく洗濯することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0026】
以下では、添付した図面に基づいて、本発明の好ましい実施形態についてより詳しく説明する。
【0027】
[第1の実施形態]
図1は、本発明の第1の実施形態に係る、スイッチング方式を用いた織物タイプの入力装置を示した図面である。
【0028】
図1に基づくと、本発明の第1の実施形態に係る織物タイプの入力装置は、織物タイプの電極部(100)と、織物タイプの基板部(110)と、制御部(120)と、を含む。
【0029】
織物タイプの電極部(100)は、所定の離隔距離(D1)だけ離隔し、かつ、互いに対向するように設けられた、第1の織物タイプの電極(101)、及び、第2の織物タイプの電極(103)を有する。第1の織物タイプの電極(101)は、織物(101a)と、その織物(101a)上に導電材料がパターニングされたリードパターン(101b)と、を含む。第2の織物タイプの電極(103)は、織物(103a)と、その織物(103a)上に導電材料がパターニングされたリードパターン(103b)と、を含む。第1の織物タイプの電極(101)、および、第2の織物タイプの電極(103)に形成されたリードパターン(101b、103b)は、概してマスクを通じて織物(101a,101b)上に導電材料を蒸着または塗布することによって、形成される。そのような導電材料として、銀、ポリマー、ナイロン、または、 サイクロヘキサノンが用いられる。
【0030】
織物タイプの基板部(110)は、第1の織物タイプの電極(101)と第2の織物タイプの電極(103)とが互いに離隔するように、織物タイプの電極部(101)と第2の織物タイプの電極(103)との間に配される。したがって、織物タイプの基板部(110)は織物タイプの電極(101)と第2の織物タイプの電極(103)との間に所定の離隔距離(D1)を提供する。織物タイプの基板部(110)における所定の領域には、離隔された(即ち、間隔をおいて配された)第1の織物タイプの電極(101)と第2の織物タイプの電極(103)とが互いに接触できるように上下に貫通された接続孔(111)が設けられている。例えば、第1の織物タイプの電極(101)に圧力が加えられる場合、第1の織物タイプの電極(101)が接続孔(111)を通じて第2の織物タイプの電極(103)と接触するようになる。第1の織物タイプの電極(101)と第2の織物タイプの電極(103)が接触した場合、各々のリードパターン(101b、103b)もまた互いに接触するようになり、その結果、電気的につながる。また、第1の織物タイプの電極(101)に加えられる圧力が除かれた場合、第1の織物タイプの電極(101)、および、第2の織物タイプの電極(103)が有している織物の弾力性によって、接触されていた各リードパターン(101b、103b)は互いに離れるようになる。
【0031】
制御部(120)は第1の織物タイプの電極(101)のリードパターン(101b)と接続された信号供給部(121)、および、第2の織物タイプの電極(103)のリードパタン(103b)と接続された信号感知部(123)を含む。信号供給部(121)は、第1の織物タイプの電極(101)に電流のような入力信号を送る。信号感知部(123)は、第1の織物タイプの電極(101)に送られた入力信号を第2の織物タイプの電極(103)から感知する役割を果たす。したがって、各々のリードパターン(101b、103b)が織物タイプの基板部(110)の接続孔(111)を通じて互いに接続された場合、信号供給部(121)から送られた入力信号は信号感知部(123)により感知される。それにより、織物タイプの入力装置は、信号感知部(123)で入力信号を感知することによって、ユーザーの入力を受け入れる。
【0032】
信号伝達部(131,133)は、織物タイプの電極部(100)と制御部(120)との間を電気的につなげて、入力信号を伝達する。信号伝達部(131,133)は、第1の織物タイプの電極(101)と信号供給部(121)との間をつなぐ第1の接続線(131)、及び、第2の織物タイプの電極(103)と信号感知部(123)との間をつなぐ第2の接続線(133)を含む。第1の接続線(131)、及び、第2の接続線(133)は、導電繊維を含んでも良い。 第1の接続線(131)、及び、第2の接続線(133)は、各々のリードパターン(101b、103b)に縫い付けられて、織物タイプの電極部(100)に電気的に接続される。
【0033】
[第2の実施形態]
図2は、本発明の2の実施形態に係る静電容量変化感知方式を用いた織物タイプの入力装置を表したものである。
【0034】
図2に基づくと、本発明の第2の実施形態に係る織物タイプの入力装置は、織物タイプの電極部(200)と、弾性部(210)と、感知部(220)と、を含む。
【0035】
織物タイプの電極部(200)は、互いに対向するように設けられた第1の織物タイプの電極(201)、及び、第2の織物タイプの電極(203)を含む。第1の織物タイプの電極(201)は、織物(201a)と、その織物(201a)上に導電材料がパターニングされたリードパターン(201b)と、を含む。第2の織物タイプの電極(203)は、織物(203a)と、その織物(203a)上に導電材料がパターニングされたリードパターン(203b)と、を含む。第1の織物タイプの電極(201)、及び、第2の織物タイプの電極(203)は、二つのリードパターン(201b、203b)を電極層とするコンデンサをなす。第1の織物タイプの電極(201)、および、第2の織物タイプの電極(203)にそれぞれ形成されたリードパターン(201b、203b)は、概してマスクを通じて織物(201a,201b)上に導電材料を蒸着または塗布することによって、形成される。そのような導電材料として、銀、ポリマー、ナイロン、または、 サイクロヘキサノンが用いられる。
【0036】
弾性部(210)は、第1の織物タイプの電極(201)と第2の織物タイプの電極(203)との間に配される。したがって、弾性部(210)は第1の織物タイプの電極(201)と第2の織物タイプの電極(203)との間に離隔距離(D2)を提供する。弾性部(210)はスポンジまたは織物を含ませて形成されたものであるから、弾力性を有する。よって、弾性部(210)は第1の織物タイプの電極(201)と第2の織物タイプの電極(203)間の離隔距離(D2)を弾性的に変えることができる。例えば、第1の織物タイプの電極(201)に圧力が加えられた場合、第1の織物タイプの電極(201)と第2の織物タイプの電極(203)間の離隔距離(D2)が短くなる。第1の織物タイプの電極(201)に加えられた圧力が除去されると、離隔距離(D2)はもとの状態に戻る。したがって、第2の実施形態に係る織物タイプの入力装置は、第1の織物タイプの電極(201)および第2の織物タイプの電極(203)がそれぞれ有する織物(201a,203a)の弾力性と、弾性部(210)が有する弾性とを用いてスイッチング動作を行うことができる。
【0037】
感知部(220)は、第1の織物タイプの電極(201)のリードパターン(201b)と第2の織物タイプの電極(203)のリードパターン(203b)とにそれぞれ接続されて、第1の織物タイプの電極(201)と第2の織物タイプの電極(203)間の離隔距離における変化に沿ったリードパターン(201b、203b)の静電容量における変化を感知する。言い換えるならば、第1の織物タイプの電極(201)と第2の織物タイプの電極(203)間の離隔距離(D2)が変われば、各リードパターン(201b、203b)の静電容量が変わるが、それを感知部(220)が感知することになる。したがって、第2の実施形態に係る織物タイプの入力装置は第1の織物タイプの電極(201)と第2の織物タイプの電極(203)間の静電容量における変化を感知することで、ユーザーの入力を受け入れる。
【0038】
また、織物タイプの入力装置は、織物タイプの電極部(200)と感知部(220)との間を電気的につなぐ接続部(231,233)を含む。接続部(231,233)は、第1の織物タイプの電極(201)と感知部(220)の一端との間をつなぐ第1の接続線(231)、及び、第2の織物タイプの電極(203)と感知部(220)の他端との間をつなぐ第2の接続線(233)を含む。接続部(231,233)は、第1の織物タイプの電極(201)および第2の織物タイプの電極(203)から生じる静電容量における変化に関する信号を感知部(220)に送る。第1の接続線(231)と第2の接続線(233)は導電繊維を含んで、織物タイプの電極部(200)と感知部(220)とを互いに電気的につなぐ。また、第1の接続線(231)および第2の接続線(233)は各々のリードパターン(201b、203b)に縫い付けられて、織物タイプの電極部(200)に電気的につかがる。
【0039】
[第3の実施形態]
図3は本発明の第3の実施形態に係る静電容量変化感知方式を用いた織物タイプの入力装置を示したものである。
【0040】
図3に基づくと、本発明の第3の実施形態に係る織物タイプの入力装置は織物タイプの電極部(300)と、感知部(310)と、を含む。
【0041】
織物タイプの電極部(300)は、織物(301)と、その織物(301)上に導電材料がパターニングされた、第1のリードパターン(303)及び第2のリードパターン(305)と、を含む。第1のリードパターン(303)、および、第2のリードパターン(305)は、図3に示したように、インターデジタル(interdigital)形態で形成され得る。インターデジタル形態とは、第1のリードパターンの一方向に延在する導電材料の延長部と、第2のリードパターンの前記一方向と反対方向に延在する導電材料の延長部とが、前記一方向と直交する方向において、互い違いに配列されている形態をいう。第1のリードパターン(303)および第2のリードパターン(305)は、概してマスクを通じて織物(301)上に導電材料を蒸着または塗布することによって、形成される。そのような導電材料として、銀、ポリマー、ナイロン、または、 サイクロヘキサノンが用いられる。織物タイプの電極部(300)にユーザーの指などが触れた場合、第1のリードパターン(303)と第2のリードパターン(305)間の静電容量が変わる。
【0042】
感知部(310)は、織物タイプの電極部(300)における第1のリードパターン(303)と第2のリードパターン(305)との間に接続されて、織物タイプの電極部(300)で生じる静電容量における変化を感知する。したがって、織物タイプの入力装置は織物タイプの電極部(300)で生じる静電容量における変化を感知することで、ユーザーの入力を受け入れる。
【0043】
また、織物タイプの入力装置は、織物タイプの電極部(300)と感知部(310)との間を電気的につなぐ接続部(321、323)を含む。接続部(321,323)は第1のリードパターン(303)と感知部(310)の一端との間をつなぐ第1の接続線(321)、及び、第2のリードパターン(305)と感知部(310)の他端との間をつなぐ第2の接続線(323)を含む。接続線(321、323)は、織物タイプの電極部(300)から生じる静電容量における変化に関する信号を感知部(310)に送る。第1の接続線(321)および第2の接続線(323)は導電性繊維を含む。さらに、第1の接続線(321)および第2の接続線(323)は第1のリードパターン(303)及び第2のリードパターン(305)にそれぞれ縫い付けられて、織物タイプの電極部(300)に電気的につながれる。
【0044】
[第4の実施形態]
図4は、本発明の第4の実施形態に係る相互誘導インダクタンス変化感知方式を用いた織物タイプの入力装置を示したものである。
【0045】
図4に基づくと、本発明の第4の実施形態に係る織物タイプの入力装置は、織物タイプの電極部(400)と、弾性部(410)と、制御部(420)と、を含む。
【0046】
織物タイプの電極部(400)は、互いに対向するように形成された第1の織物タイプの電極(401)と、第2の織物タイプの電極(403)と、を含む。第1の織物タイプの電極(401)は、織物(401a)と、その織物(401a)上に導電材料がパターニングされたリードパターン(401b)と、を含む。第2の織物タイプの電極(403)は、織物(403a)と、その織物(403a)上に導電材料がパターニングされたリードパターン(403b)と、を含む。第1の織物タイプの電極(401)、および、第2の織物タイプの電極(403)にそれぞれ形成されたリードパターン(401b)、および、リードパターン(403b)は、概してマスクを通じて織物(401a)、及び、織物(401b)上にそれぞれ導電材料を蒸着、又は、塗布することによって形成される。そのような導電材料として、銀、ポリマー、ナイロン、または、 サイクロヘキサノンが用いられる。
【0047】
弾性部(410)は、第1の織物タイプの電極(401)と第2の織物タイプの電極(403)とが互いに間隔するように、第1の織物タイプの電極(401)と第2の織物タイプの電極(403)との間に配される。したがって、弾性部(410)は、第1の織物タイプの電極(401)と第2の織物タイプの電極(403)との間に離隔距離(D3)を提供する。弾性部(410)はスポンジまたは織物などを含ませて形成されたものであるから、弾力性を有し得る。よって、弾性部(410)は、第1の織物タイプの電極(401)と第2の織物タイプの電極(403)間の離隔距離(D3)を弾性的に変えることができる。たとえば、第1の織物タイプの電極(401)に圧力が加えられた場合、各々のリードパターン(401b、403b)間の離隔距離(D3)が短くなる。そして、第1の織物タイプの電極(401)に加えられた圧力が除去されると、各々のリードパターン(401b、403b)間の離隔距離(D3)はもとの状態に戻る。したがって、この実施形態に係る織物タイプの入力装置は第1の織物タイプの電極(401)および第2の織物タイプの電極(403)がそれぞれ有する織物(401a,403a)の弾力性と、弾性部(410)が有する弾力性とに基づいて離隔距離(D3)が変わり、それにより、スイッチング動作が可能となる。
【0048】
制御部(420)は、第1の織物タイプの電極(401)のリードパターン(401b)と接続された信号供給部(421)と、第2の織物タイプの電極(403)のリードパターン(403b)と接続された信号感知部(423)と、を含む。信号供給部(421)は、第1の織物タイプの電極(401)のほうに所定の周波数、及び、強度を有する第1の信号を送る。信号感知部(423)は、第1の信号によって第2の織物タイプの電極(403)に誘導される第2の信号における強度の変化を感知する役割をする。例えば、信号供給部(421)から第1の織物タイプの電極(401)の方に第1の信号が供給され、そして、第1の織物タイプの電極(401)に外部からの圧力が加えられた場合、第1の織物タイプの電極(401)と第2の織物タイプの電極(403)間の離隔距離(D3)が変わる。離隔距離(D3)の変化によってリードパターン(401b、403b)間の相互誘導インダクタンスの値が変わる。そのとき、第2の織物タイプの電極(403)のリードパターン(403b)には、離隔距離(D3)における変化によって、第2の信号が誘導される。したがって、信号感知部(423)は第2の織物タイプの電極(403)のリードパターン(403b)に誘導される第2の信号の強度における変化を感知することによって、ユーザーからの入力を受け入れる。
【0049】
この実施形態に係る織物タイプの入力装置は、織物タイプの電極部(400)と制御部(420)との間を電気的につなぐ信号伝達部(431、433)を含む。信号伝達部(431,433)は、第1の織物タイプの電極(401)のリードパターン(401b)と信号供給部(421)との間をつなぐ第1の接続線(431)、及び、第2の織物タイプの電極(403)のリードパターン(403b)と信号感知部(423)との間をつなぐ第2の接続線(433)を含む。信号伝達部(431,433)は、信号供給部(421)から供給される第1の信号を第1の織物タイプの電極(401)に送り、そして、第2の織物タイプの電極(403)から誘導される第2の信号を制御部(420)に送る。第1の接続線(431)及び第2の接続線(433)は導電性繊維を含み、織物タイプの電極部(400)と制御部(420)との間を電気的につなぐ。また、第1の接続線(431)、及び、第2の接続線(433)は、各々のリードパターン(401b、403b)に縫い付けられ、それにより、織物タイプの電極部(400)に電気的につながれる。
【0050】
図5は、本発明の第1ないし第4の実施形態に係る織物タイプの入力装置のアレイを示したものである。
【0051】
図5に示すように、織物タイプの入力装置(510)は、複数の接続線(530)に接続されたアレイ(500)で形成され得る。複数の接続線(530)は、コントローラーに接続されて、織物タイプの入力装置(510)の入力のための信号を伝達することができる。また、アレイ(500)で形成された織物タイプの入力装置(510)上にはキーパッド(520)が設けられて、ユーザーがキーを押した場合に、それに沿った入力を区別することができるようになっている。
【0052】
本発明に係る織物タイプの入力装置は、導電材料でパターニングされた織物、及び、電気的接続のための導電性繊維を用いて形成されるので、異物感を最小減に抑えることができる。また、衣服と分離することなく、洗濯することができる。
【図面の簡単な説明】
【0053】
【図1】図1は、本発明の第1の実施形態に係る、スイッチング方式を用いた織物タイプの入力装置を示すものである。
【図2】図2は、本発明の2の実施形態に係る静電容量変化感知方式を用いた織物タイプの入力装置を表したものである。
【図3】図3は本発明の第3の実施形態に係る静電容量変化感知方式を用いた織物タイプの入力装置を示したものである。
【図4】図4は、本発明の第4の実施形態に係る相互誘導インダクタンス変化感知方式を用いた織物タイプの入力装置を示したものである。
【図5】図5は、本発明の第1ないし第4の実施形態に係る織物タイプの入力装置のアレイ(衣服に装着されたもの)を示したものである。
【符号の説明】
【0054】
100、200、300、400:織物タイプの電極部
110:織物タイプの基板部
210,410:弾性部
120,420:制御部
220,320:感知部


【特許請求の範囲】
【請求項1】
織物と、前記織物上に導電材料がパターニングされたリードパターンと、をそれぞれ含む、第1の織物タイプの電極、及び、第2の織物タイプの電極が、互いに対向するように設けられた織物タイプの電極部と、
前記第1の織物タイプの電極と、前記第2の織物タイプの電極が、互いに離隔するように、前記第1の織物タイプの電極と、前記第2の織物タイプの電極との間に配され、かつ、離隔された前記第1の織物タイプの電極と前記第2の織物タイプの電極とを互いに接触させる接続孔が形成されている織物タイプの基板部と、
前記織物タイプの電極部に入力信号を送ると共に、前記送られた入力信号を感知する制御部と、
を有していることを特徴とする織物タイプの入力装置。
【請求項2】
前記導電材料が、銀、ポリマー、ナイロン、または、サイクロヘキサノンを含むことを特徴とする請求項1に記載の織物タイプの入力装置。
【請求項3】
前記制御部が、前記第1の織物タイプの電極に接続されて、前記入力信号を送る信号供給部と、前記第2の織物タイプの電極に接続されて、前記送られた入力信号を感知する信号感知部と、を含むことを特徴とする請求項1に記載の織物タイプの入力装置。
【請求項4】
前記織物タイプの入力装置が、前記制御部と前記織物タイプの電極部間に前記入力信号を伝達する信号伝達部を含み、
前記信号伝達部が、前記第1の織物タイプの電極と前記信号供給部との間をつなぐ第1の接続線と、前記第2の織物タイプの電極と前記信号感知部との間をつなぐ第2の接続線と、を含み、そして、
前記第1の接続線、及び、前記第2の接続線が、導電性繊維を含む
ことを特徴とする請求項3に記載の織物タイプの入力装置。
【請求項5】
前記制御部が、前記織物タイプの電極部に外部から圧力が加えられた場合に、前記第1の織物タイプの電極、及び、前記第2の織物タイプの電極のそれぞれのリードパターンが前記接続孔を通じて互いに接続されることによって、前記織物タイプの電極部に送られた入力信号を感知するものであることを特徴とする請求項1に記載の織物タイプの入力装置。
【請求項6】
織物と、前記織物上に導電材料がパターニングされたリードパターンと、をそれぞれ含む、第1の織物タイプの電極、及び、第2の織物タイプの電極が、互いに対向するように設けられた織物タイプの電極部と、
前記第1の織物タイプの電極と、前記第2の織物タイプの電極間の離隔距離を提供し、かつ、前記離隔距離が弾性的に変えられるように設けた弾性部と、
前記織物タイプの電極部の静電容量における変化を感知する感知部と、
を有していることを特徴とする織物タイプの入力装置。
【請求項7】
前記織物タイプの入力装置が、前記織物タイプの電極部と前記感知部との間をつなぐ接続部を含み、
前記接続部が、前記第1の織物タイプの電極と前記感知部の一端との間をつなぐ第1の接続線と、前記第2の織物タイプの電極と前記感知部の他端との間をつなぐ第2の接続線と、を含み、そして、
前記第1の接続線、及び、前記第2の接続線が、導電性繊維を含む
ことを特徴とする請求項6に記載の織物タイプの入力装置。
【請求項8】
前記導電材料が、銀、ポリマー、ナイロン、または、サイクロヘキサノンを含むことを特徴とする請求項6に記載の織物タイプの入力装置。
【請求項9】
前記感知部が、前記織物タイプの電極部に外部から圧力が加えられた場合に、前記第1の織物タイプの電極と前記第2の織物タイプの電極間の離隔距離における変化に基づいた前記静電容量における変化を感知するものであることを特徴とする請求項6に記載の織物タイプの入力装置。
【請求項10】
前記弾性部が、スポンジ、及び、織物のうち一方、または、両方を含むことを特徴とする請求項6に記載の織物タイプの入力装置。
【請求項11】
織物と、前記織物上に導電材料がパターニングされた第1のリードパターン及び第2のリードパターンと、を含む織物タイプの電極部と、
前記織物タイプの電極部の静電容量における変化を感知する感知部と、
を有していることを特徴とする織物タイプの入力装置。
【請求項12】
前記織物タイプの入力装置が、前記織物タイプの電極部と前記感知部との間をつなぐ接続部を含み、
前記接続部が、前記第1のリードパターンと前記感知部の一端との間をつなぐ第1の接続線と、前記第2のリードパターンと前記感知部の他端との間をつなぐ第2の接続線と、を含み、そして、
前記第1の接続線、及び、前記第2の接続線が、導電性繊維を含む
ことを特徴とする請求項11に記載の織物タイプの入力装置。
【請求項13】
前記導電材料が、銀、ポリマー、ナイロン、または、サイクロヘキサノンを含むことを特徴とする請求項11に記載の織物タイプの入力装置。
【請求項14】
前記第1のリードパターンと、前記第2のリードパターンが、インターデジタル形態でパターニングされていることを特徴とする請求項11に記載の織物タイプの入力装置。
【請求項15】
前記感知部が、前記織物タイプの電極部とユーザーとの接触による、前記第1のリードパターンと前記第2のリードパターン間に生じる、前記静電容量における変化を感知するものであることを特徴とする請求項11に記載の織物タイプの入力装置。
【請求項16】
織物と、前記織物上に導電材料がパターニングされたリードパターンとを、それぞれを含む、第1の織物タイプの電極、及び、第2の織物タイプの電極が、互いに対向するように設けられた織物タイプの電極部と、
前記第1の織物タイプの電極と、前記第2の織物タイプの電極間の離隔距離を提供し、かつ、前記離隔距離が弾性的に変えられるように設けた弾性部と、
前記織物タイプの電極部に所定の周波数、及び、強度を有する第1の信号を送ると共に、前記送られた第1の信号によって誘導される前記第2の信号の強度における変化を感知する制御部と、
を有していることを特徴とする織物タイプの入力装置。
【請求項17】
前記制御部が、前記第1の織物タイプの電極に前記入力信号を送る信号供給部と、前記第2の織物タイプの電極に誘導される前記第2の信号の強度を感知する信号感知部と、を含むことを特徴とする請求項16に記載の織物タイプの入力装置。
【請求項18】
前記織物タイプの入力装置が、前記制御部と前記織物タイプの電極部間に前記第1の信号、及び、第2の信号を伝達する信号伝達部を含み、
前記信号伝達部は、前記信号供給部と前記第1の織物タイプの電極間を電気的につなぐ第1の接続線と、前記信号感知部と前記第2の織物タイプの電極と間を電気的につなぐ第2の接続線を含み、そして、
前記第1の接続線、及び、前記第2の接続線が、導電性繊維を含む
ことを特徴とする請求項16に記載の織物タイプの入力装置。
【請求項19】
前記導電材料が、銀、ポリマー、ナイロン、または、サイクロヘキサノンを含むことを特徴とする請求項16に記載の織物タイプの入力装置。
【請求項20】
前記リードパターンが、らせん状のコイルの形態でパターニングされていることを特徴とする請求項16に記載の織物タイプの入力装置。
【請求項21】
前記制御部が、前記第1の織物タイプの電極に前記第1の信号が送られ、かつ、前記織物タイプの電極に外部から圧力が加えられた場合に、前記第1の織物タイプの電極および第2の織物タイプの電極間の離隔距離における変化に基づいて前記第2の織物タイプの電極に誘導される前記第2の信号の強度における変化を感知するものであることを特徴とする請求項16に記載の織物タイプの入力装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2009−266197(P2009−266197A)
【公開日】平成21年11月12日(2009.11.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−315242(P2008−315242)
【出願日】平成20年12月11日(2008.12.11)
【出願人】(592127149)韓国科学技術院 (129)
【氏名又は名称原語表記】KOREA ADVANCED INSTITUTE OF SCIENCE AND TECHNOLOGY
【住所又は居所原語表記】373−1,Gusung−dong,Yuseong−ku,Daejeon 305−701 KR
【Fターム(参考)】