説明

織物用の画像データ処理装置、画像データ処理方法、及び画像データ処理のためのコンピュータプログラム

【課題】柄の境界付近の明度を変更して、織物の柄の輪郭が明瞭にされる。画像全体の中の文字画像のみを、織物の単位組織より細かい糸単位で形成し、文字が小さくても文字の縦横の比率が大きく変わらない。
【解決手段】カラー画像データの境界がスキャンされ(ステップ05、06)、この境界を挟む柄の明度が大きい方の明度がより大きくされ(ステップ09〜13)、明度が小さい方の明度が寄り小さくされる(ステップ16〜18)。画像全体の中の文字の大きさに応じて(図6のステップ64)、縦横比率が歪まない最適な文字の一画素であって、織物の単位組織より細かい糸単位の一画素が決定され(ステップ65、67、70、73)、この糸単位に応じた色が文字画像の色とされる(ステップ68、71、74、76)。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、織物用の画像データ処理装置などに関し、特に画像データに基づいて、織物に織られる各柄の境界または輪郭を明瞭にする装置及び写真と文字の混合画像を調和する装置などに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、写真などの画像データを加工処理して、この加工された画像データに基づいて、紋紙を作って織物を織り、この織物に当該画像データに対応した柄・模様・部位を形成するものがある。また、このような写真画像データを基にして織物を織るときに、この織物の中に文字の柄も入れたいことがある。
【0003】
しかしながら、このような織物に形成される柄の境界は、明瞭ではない場合があった。このことは、特に、上記画像データとして写真画像データが用いられた場合には、著しかった。また、このような画像データに合わせて、文字画像データを取り込み、文字の柄を織り込むとき、文字の縦横の比率が変化してしまうことがあった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特公平7−62852号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、上述した課題を解決するためになされたものであり、本発明の目的は、画像データを基にして、織物の柄を織る場合に、この柄の境界または輪郭を明瞭にすることにある。また、本発明の目的は、このような画像データの中の文字データを織物の柄にするときには、文字の縦横の比率が大きく変わらないようにすることにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するため、本発明は、境界を挟んだ各領域の明度または彩度を判定し、この明度または彩度の高い方の領域の明度または彩度を所定の幅にわたってより高くする、 またはこの明度または彩度の低い方の領域の明度または彩度を所定の幅にわたってより低くするようにした。
【0007】
また、本発明は、取り込まれた、カラー写真画像と文字画像とからなる、上記カラー画像のうち、文字画像については、多数色の糸の経糸及び緯糸の多数色の一組の中のさらに細かい一本または複数本の糸を、一画素単位として、上記織機に送って、画素の細かい織物を織らせるようにした。
【発明の効果】
【0008】
これにより、織物の柄の境界または輪郭を挟む各領域の明度または彩度の差が互いに大きくなって、境界または輪郭を挟むが色柄の差が大きくなって、色柄の境界または輪郭が明瞭な織物を織ることができる。
【0009】
また、文字画像については写真画像より細かい画素単位で処理できるので、文字の柄の縦横の比率が変わらない。この場合、織物の文字の柄の色の選択できる幅は狭くなるが、文字柄で選ばれる柄は、カラー画像の部分とは異なり、多色糸の中の一色または二色程度で十分であるため、それほど問題は生じない。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】織物用の画像データ処理装置、画像データ処理方法を実現するための装置、画像データ処理のためのコンピュータプログラムを実行する装置の全体回路を示す。
【図2】カラー画像データによって織られる織物の織機で織られる織物の経糸と緯糸との単位組織(完全組織)11の一例を示す。
【図3】画像データ処理の中の行方向/横方向及び斜め方向に隣接する領域の明度変更処理のフローチャートを示す。
【図4】画像データ処理の中の列方向/縦方向に隣接する領域の明度変更処理のフローチャートを示す。
【図5】画像データ処理の中の狭い幅部分の領域とこれを挟む領域の明度変更処理のフローチャートを示す。
【図6】画像データ処理の中の文字画像データを処理するフローチャートを示す。
【発明を実施するための形態】
【0011】
(1)全体回路
図1は織物用の画像データ処理装置、画像データ処理方法を実現するための装置、画像データ処理のためのコンピュータプログラムを実行する装置、織機制御装置の全体回路を示す。この全体回路は、コントローラ(中央処理演算装置であるCPU、ROM、RAMなど)1を中心に、アドレス信号及びデータ信号が双方向に伝達されるアドレス/データバスライン2を介して入力部3、出力部4、インターフェース部5、情報記憶部6、プログラム/データ記憶部7等と電気的に接続されて構成されている。
【0012】
入力部3は、デジタルカメラなどの撮影装置、イメージスキャナなどの画像読み取り装置などの画像入力装置、キーボ−ド、マウス、タッチパネル、デジタイザなどの文字入力装置などからなっている。画像入力装置からは、織物に柄にする画像データが入力され取り込まれる。この画像データには写真、絵画、文字、図形、記号などの画像データがある。
【0013】
文字入力装置からは、文字のコードデータが入力され、所望のフォント、タイプフェースに応じて画像データに変換され、これが文字画像データとして取り込まれる。この文字入力装置からは、文章データのほか、上記画像データを処理するためのコマンド、設定・指示データ、その他の情報が入力される。
【0014】
出力部4は、ディスプレイ、プリンタなどから構成されており、写真の画像データ、文字の画像データ、柄の織物を織るための、種々の情報の入力画面、制御画面、出力画面などが表示画面に表示/印刷されるなどの出力処理が行われる。
【0015】
インターフェース部5には、外部入力装置と外部出力装置とからなる外部装置が接続される。外部入力装置には、上述のデジタルカメラ、イメージスキャナなどの画像入力装置、画像記憶装置、他のパソコン、自動織機などの織物を織る装置つまり織機8についてのコンピュータなどがある。外部出力装置には、画像記憶装置、他のパソコン、自動織機などの織物を織る装置つまり織機8についてのコンピュータなどがある。
【0016】
このインターフェース部5を通じて、上記画像データのほか、その他のデータ、コマンド、設定・指示データ、その他の情報、プログラムが送受される。このインターフェース部5には、LAN回線、電話回線、インターネット回線なども接続され、同様に上記画像データなどが送受される。
【0017】
上記コンピュータを備えた自動織機などの織物を織る装置(以下織機という)装置つまり織機8は、多数色の糸を織って織物を織る織機であり、この多数色の糸に対応した色相のカラー画像を受信して、当該カラー画像に沿った柄の織物を織る。
【0018】
プログラム/データ記憶部7(内部記憶媒体/手段)はフラッシュメモリ、EEPROM、EPROM、CD−ROMなどROM等の不揮発性メモリと、RAM、キャッシュメモリ、ハードディスク、磁気カード、磁気ディスク、CD−RAM、DVD(デジタルビデオディスク)等が用いられた一時記憶メモリという大別して2種類の記憶装置(記憶手段)から構成されている。
【0019】
そして、プログラム/データ記憶部7のROMには、織物用の画像データ処理装置(全体回路)で実行されるプログラムや各種処理に使用される汎用データが記憶される。このプログラムは後述するフローチャートに対応している。また、プログラム/データ記憶部7の一時記憶メモリには、プログラム処理中のデータの一時的な蓄積等、つまりワーキングメモリ若しくはキャッシュメモリとして用いられる。
【0020】
また、情報記憶部6(外部記憶補助媒体/手段、補助記憶媒体)は、磁気ディスク、光ディスク、フレキシブルディスク(プロッピィーディスク)、磁気ドラム、磁気テープ、メモリカード、CD−RAM、CD−ROM、DVDなどの大量情報記憶/保存メディアとそれらのメディアへの情報書き込み/読み出し装置等(ドライブ装置、インターフェイス回路)から構成されている。
【0021】
なお、場合によって、織物用の画像データ処理装置は、情報記憶部6のROM内に予め記憶されたプログラムによって単一の処理が行われる専用装置とされ、情報記憶部6に保存されたプログラムが、適宜、プログラム/データ記憶部7のRAM内に呼び込まれて起動される汎用のコンピュータ装置とされる。この場合は、情報記憶部6には、コントローラ1によって実行される基本ソフト(オペレーティングソフト)、システムソフト、応用プログラムを含む各プログラムが保存されている。
【0022】
そして、織物用の画像データ処理装置の電源立ち上げ時、または新たなプログラムの起動時等において、情報記憶部6から読み出され、プログラム/データ記憶部7のRAM等に一時的に保存されると共に、コントローラ1によって実行される。つまり、織物用の画像データ処理装置によって実行されるプログラムが、情報記憶部6に保存されており、適宜読み出されてコントローラ1によって実行される。
【0023】
この場合、新たなプログラムへの変更は、情報記憶部6内に保存されているプログラム自体が置き換えられるか、若しくはプログラムの保存されているCD−ROM、磁気ディスク、フレキシブル磁気ディスク等が交換される(インストール/転送される)ことで行われる。
【0024】
また、プログラム/データ記憶部7のEPROMに保存されたプログラムを専用に実行するコンピュータ装置の場合には、同じように、CD−ROM、磁気ディスク、フレキシブル磁気ディスク等が交換される(インストール/転送される)ことに呼応してEPROM等の書き換えが行われるか、またはROM自体の交換によって達成される。
【0025】
なお、このプログラムの新規置き換えは、場合によって、上記インターフェース部5を通じて、インターネット回線、電話回線、公衆回線またはLAN回線を介して接続されている他のコンピュータなどの外部装置から送られてくる。つまり、コンピュータ装置(全体回路)で実行されるプログラムが、情報記憶部6に対して直接的に交換されたり、インターネットなどの通信網を介して外部装置から送られてきたもので交換されたりする。
【0026】
したがって、場合によって、織物用の画像データ処理装置(全体回路)において実行されるプログラムが、起動の度毎に、外部装置から送られてくる。つまり、織物用の画像データ処理装置の情報記憶部6に応用プログラムが保存されておらず、外部装置から送られてくるプログラムを実行する端末装置の役目のみが、本発明の織物用の画像データ処理装置(全体回路)に与えられる。さらには、外部装置からプログラムとそのプログラムによって処理されるデータが共に送られてきて、そのプログラムによってデータ処理がなされた後、その結果が外部装置に送り返される。
【0027】
また、コンピュータ装置で実行されるプログラムは、場合によって、OSなどの基本プログラムを基に、応用プログラムが実行されるような、一般的なコンピュータシステムによるプログラムであり、OSを含む統一化された一つのプログラムのみが実行される専用のコンピュータシステムである。よって、それらの統一化されたプログラムが外部装置から与えられるし、応用プログラムまたは基本プログラムまたはプログラムの一部のみが外部装置から送られてきて実行される。
【0028】
なお、場合によって、本コンピュータ装置に予め別のオペレーティングシステム、システムプログラム(OS)、その他のプログラムが記憶され、上記プログラムはこれらのOS、その他のプログラムとともに実行される。このプログラムは本装置(コンピュータ本体)にインストールされ実行されるときに、別のプログラムとともにまたは単独で請求項(特許請求の範囲)または末尾の他の発明の効果の各請求項に記載された処理・機能を実行させる。
【0029】
また、場合によって、このプログラムの一部または全部が本装置以外の1つ以上の別装置に記憶されて実行され、本装置と別装置との間には通信手段を介して、これから処理するデータ/既に処理されたデータ/プログラムが送受され、本装置及び別装置全体として、本発明が実行される。これらの通信手段はインターネット通信システムなどである。
【0030】
(2)織機で織られる織物の経糸と緯糸との単位組織(完全組織)
図2はカラー画像データによって織られる織物の織機で織られる織物の経糸と緯糸との単位組織(完全組織)11の一例を示す。このようなカラー画像データは、縦及び横に渡たる多数の画素/ドットから成っている。この多数の画素の一つ一つにつき、色の三属性の色相データ、明度データ、彩度データが数値化されて記憶される
【0031】
色相データは赤R、オレンジYR、黄Y、緑G、青B、紫P、黄緑GY、青緑BG、青紫PB、赤紫RPなどの有彩色の色合いを示し、所定ビット数例えば8ビットで256色が表され、本実施形態では8色の色合いであらわされる。明度データは、色の明るさ/暗さの度合いを示し、所定ビット数例えば6ビットで8×8=64段階の明度が表される。彩度データは、色の鮮やかさの度合いを示し、3ビットで8段階の彩度が表される。
【0032】
ここで、上記織機で織られる織物の経糸は、例えば白と黒とが交互に配置される。この織物の緯糸は、例えば赤R、オレンジYR、黄Y、緑G、青B、紫P、白、黒の8色が配置される。この8色は上記色相データの8色の色合いに対応している。このような各色の糸が各単位組織(完全組織)11/各組織12で表に多く出るとその色が強くなり、各単位組織(完全組織)11/各組織12で裏に多く隠れるとその色が弱くなる。これらの色の強弱が各色ごとに織られて上記色相及び彩度があらわされる。
【0033】
したがって、上記色相データは、これら8色の糸が各単位組織11/各組織12で表に出る量、つまり紋紙データに反映される。また、上記彩度データは、これらの各色の一つの色の糸において、当該糸が各単位組織11/各組織12で表に出る量、つまり紋紙データに反映される。よって、彩度データは色相での一部もなす。
【0034】
しかし、織物において彩度データは色相データとは別の機能もある。例えば青緑の色を出すには、上記緑と青の糸が各単位組織11/各組織12で表に出され、他の色の糸は裏に隠される。この緑の糸と青の糸とは、1本ずつ表に出ても、4本ずつ表に出ても、8本ずつ表に出ても、同じ青緑の色となるが、彩度は異なり、1本から8本になるにしたがって、彩度は高くなり、上記彩度データも大きくなる。これが上記色相とは別の彩度データの独自の機能である。
【0035】
また、経糸の黒が各単位組織11/各組織12で表に多く出ると暗く明度が下がり、各単位組織11/各組織12で裏に多く隠れると明るく明度が上がり、経糸の白が各単位組織11/各組織12で表に多く出るとさらに明るく明度が上がり、各単位組織11/各組織12で裏に多く隠れると暗く明度が下がる。したがって、上記明度データは、この黒と白の糸が各単位組織11/各組織12で表に出る量、つまり紋紙データに反映される。
【0036】
上記8ビット256色の色相データの下位データを切り取る、例えば上位5ビット32色に色相を粗くすると、織物の経糸8本及び緯糸8本、4×8=32組織に対応できる。ここで経糸は白1本と黒1本とで一単位なので、表せる色の数では経糸8本は4単位とされる。上記明度データ、彩度データは、上記のビット数でも、上記の白黒8本の経糸及び8色の緯糸に対応できるが、下位データが切り取られてもよい。
【0037】
上記8ビット256色の色相データの下位データを切り取る、例えば上位4ビット16色または3ビット8色に色相を粗くすると、上記カラー画像データの各領域/各柄が、より広い範囲にわたって同じ色/同じ色相に変換される。
【0038】
(3)隣接する領域の明度変更処理
図3は画像データ処理の中の行方向/横方向及び斜め方向に隣接する領域の明度変更処理のフローチャートを示す。まず、イニシャライズ処理が実行され(ステップ00)、上記情報記憶部6、プログラム/データ記憶部7のエラーチェック、その他の初期化が行われる。
【0039】
次いで、上記インターフェース部5に接続されたデジタルカメラまたはスキャナ等の撮影機器からまたは情報記憶部6からカラー画像データが取り込まれる(ステップ01)。そして、このカラー画像データの縦および横の画素数/ドット数が、織る織物の縦及び横の寸法、つまり経糸本数と緯糸本数に合わせて変更される(ステップ02)。この織物の経糸本数は、織物の横幅が複数に分割される場合には、全体の経糸本数が分割された経糸本数が横の画素数/ドット数となる。
【0040】
次いで、このカラー画像データの各画素の色相データが、織る織物の多色糸の色の本数に合わせて変更される(ステップ03)。例えば、この色相データの基本色が10色であり、他色の緯糸楽音8色であれば、色相データの基本色は8色に変換される。
【0041】
そして、この細かい色相のカラー画像データの色相データの下位データが削除されて、8ビットが4ビットまたは3ビットにされ、細かい色相がより粗くされる(ステップ04)。これにより、色/色相の近い領域/柄が同じ色/色相の領域にまとめられる。この色まとめ後のカラー画像データは、上記8色ずつの緯糸及び8本の経糸で実現できる色相よりも粗い。
【0042】
このような色まとめによって、実際は微妙に色が変化している領域/柄であっても、広い範囲にわたって、同じ色にされる。例えば、顔部分、頭髪部分、天井部分、壁部分、床部分、山部分、空部分、地面部分などが、同じ色に統一される。
【0043】
次いで、このカラー画像データの色相データがスキャン、例えば左上端から横方向に各画素/各ドットが順次スキャンされ、右上端まで達すると、二行目にシフトし、左端から右端までスキャンされ、これが三行目以降も繰り返され、右下端までスキャンされる(ステップ05)。
【0044】
そして、このスキャンで色相が変わる画素の座標/位置、つまり境界点が検出され(ステップ06)、この境界点を挟む両色相データが左右横方向つまり画素行方向に所定画素/所定ドット例えば5画素/5ドットあり(ステップ07)、さらに、この境界点の上下縦つまり画素列方向に沿っても、上記両色相データが所定画素/所定ドット例えば10画素/ドットあれば(ステップ08)、この境界点を挟んだ両領域/両柄の明度データが判定される(ステップ09)。
【0045】
この判定で、明るい方の明度データにつき、当該明度データの値を上位へ所定ビット、例えば1ビットまたは2ビットシフトされて、2倍または4倍に大きくされる(ステップ11)。次いで、この処理が上記所定画素/所定ドット例えば5画素/5ドットの幅にわたって繰り返され(ステップ12)、上記色相データの異なる領域/柄に達するまで、列方向/縦方向にさらに繰り返される(ステップ13)。
【0046】
こうして、縦及び斜め縦に伸びる境界または輪郭について、明るい方をより明るくする明度データ変更処理は実行される。この明度データ変更処理は、上記ステップ04の色相が粗くされたカラー画像データではなく、この色相が粗くされる前の、ステップ04の処理の直前の織物を織るカラー画像データに対して実行される。こうして、織物の柄/領域の境界または輪郭を挟む各領域/柄の明度の差が大きくなって、織物の色柄の境界または輪郭が明瞭になる。
【0047】
さらに、上記ステップ09の判定で、暗い方の明度データにつき、当該明度データの値が下位へ所定ビット、例えば1ビットまたは2ビットシフトされて、1/2倍または1/4倍に小さくされる(ステップ16)。次いで、この処理が上記所定画素/所定ドット例えば5画素/5ドットの幅にわたって繰り返され(ステップ17)、上記色相データの異なる領域/柄に達するまで、列方向/縦方向にさらに繰り返される(ステップ18)。
【0048】
以上の明度変更処理は、境界点を挟んだ他の領域/柄についても、さらには別の境界点についても実行され、これらが上記カラー画像データ全体にわたって実行される(ステップ19)。こうして、縦及び斜め縦に伸びる境界または輪郭について、暗い方をより暗くする明度データ変更処理は実行される。
【0049】
この明度データ変更処理は、上記ステップ04の色相が粗くされたカラー画像データではなく、この色相が粗くされる前の、ステップ04の処理の直前の織物を織るカラー画像データに対して実行される。こうして、織物の柄/領域の境界または輪郭を挟む各領域/柄の明度の差が大きくなって、織物の色柄の境界または輪郭が明瞭になる。
【0050】
以上のステップ11〜19の明度データ変更処理において、いったん明度データが変更された画素/ドットにはフラグが立てられ、当該明度データ変更処理、およびこれ以降のステップ31〜38の明度データ変更処理で重複して明度データは変更されない。
【0051】
上記ステップ04で、色/色相の近い領域/柄が同じ色/色相の領域にまとめられているので、上記境界または輪郭を横方向に挟んだ各領域/各柄の明度の差が少なければ、このようなこの境界または輪郭にわたる明度データ変更処理は実行されない。よって、不用意に境界または輪郭が強調されてしまうこともない。
【0052】
(4)隣接する領域の明度変更処理
図4は画像データ処理の中の列方向/縦方向に隣接する領域の明度変更処理のフローチャートを示す。上記ステップ05のスキャンで、列方向/縦方向についても、色相が変わる画素の座標/位置、つまり境界点が検出される(ステップ26)。
【0053】
この境界点を挟む両色相データが上下縦方向つまり画素列方向に所定画素/所定ドット例えば5画素/5ドットあり(ステップ27)、さらに、この境界点の左右横方向つまり画素行方向に沿っても、上記両色相データが所定画素/所定ドット例えば10画素/ドットあれば(ステップ28)、この境界を上下縦方向に挟んだ両領域/両柄の明度データが判定される(ステップ29)。
【0054】
この判定で、明るい方の明度データにつき、当該明度データの値が上位へ所定ビット、例えば1ビットまたは2ビットシフトされて、2倍または4倍に大きくされる(ステップ31)。次いで、この処理が上記所定画素/所定ドット例えば5画素/5ドットの縦幅にわたって繰り返され(ステップ32)、上記色相データの異なる領域/柄に達するまで、行方向/横方向にさらに繰り返される(ステップ33)。
【0055】
こうして、縦及び斜め縦に伸びるに伸びる境界または輪郭だけでなく、ほぼ真横に伸びる境界または輪郭についても、明るい方をより明るくする明度データ変更処理は実行される。この明度データ変更処理は、上記ステップ04の色相が粗くされたカラー画像データではなく、この色相が粗くされる前の、ステップ04の処理の直前の織物を織るカラー画像データに対して実行される。こうして、織物の柄/領域の境界または輪郭を挟む各領域/柄の明度の差が大きくなって、織物の色柄の境界または輪郭が明瞭になる。
【0056】
さらに、上記ステップ29の判定で、暗い方の明度データにつき、上記所定画素/所定ドット例えば5画素/5ドットの縦幅にわたって、当該明度データの値を下位へ所定ビット、例えば1ビットまたは2ビットシフトされて、1/2倍または1/4倍に小さくされる(ステップ36)。次いで、この処理が上記所定画素/所定ドット例えば5画素/5ドットの縦幅にわたって繰り返され(ステップ37)、上記色相データの異なる領域/柄に達するまで、行方向/横方向にさらに繰り返される(ステップ38)。
【0057】
以上の明度変更処理は、境界点を挟んだ他の領域/柄についても、さらには別の境界点についても実行され、これらが上記カラー画像データ全体にわたって実行される(ステップ39)。こうして、縦及び斜め縦に伸びるに伸びる境界または輪郭だけでなく、ほぼ真横に伸びる境界または輪郭についても、暗い方をより暗くする明度データ変更処理は実行される。
【0058】
この明度データ変更処理は、上記ステップ04の色相が粗くされたカラー画像データではなく、この色相が粗くされる前の、ステップ04の処理の直前の織物を織るカラー画像データに対して実行される。こうして、織物の柄/領域の境界または輪郭を挟む各領域/柄の明度の差が大きくなって、織物の色柄の境界または輪郭が明瞭になる。
【0059】
以上のステップ31〜39の明度データ変更処理において、いったん明度データが変更された画素/ドットにはフラグが立てられ、当該または他の明度データ変更処理で重複して明度データは変更されない。
【0060】
上記ステップ04で、色/色相の近い領域/柄が同じ色/色相の領域にまとめられているので、上記境界または輪郭を縦方向に挟んだ各領域/各柄の明度の差が少なければ、このような境界または輪郭にわたる明度データ変更処理は実行されない。よって、不用意に境界または輪郭が強調されてしまうこともない。なお、このようなステップ04の色まとめ処理は省略されてもよい。これにより、色/色相の近い領域/柄の境界または輪郭についても明瞭にされる。
【0061】
(5)狭い幅部分の領域とこれを挟む領域の明度変更処理
図5は画像データ処理の中の狭い幅部分の領域とこれを挟む領域の明度変更処理のフローチャートを示す。上記ステップ07及び27で、色相の変わる領域の幅が上記所定以上つまり上記5ビット以上ない場合には(ステップ07、27)、この図4の処理が実行される。
【0062】
この狭い幅部分の領域を挟む隣接する領域/柄の色相データが読み出され(ステップ46)、この狭い幅部分の領域を挟む両色相データが左右横方向つまり画素行方向に所定画素/所定ドット例えば5画素/5ドットあり(ステップ47)、さらに、この狭い幅部分の領域の上下縦つまり画素列方向に沿っても、上記両色相データが所定画素/所定ドット例えば10画素/ドットあれば(ステップ48)、この狭い幅部分の領域とこれを挟んだ両領域/両柄の明度データが判定される(ステップ49)。
【0063】
この判定で、明るい方の明度データにつき、当該明度データの値が上位へ所定ビット、例えば1ビットまたは2ビットシフトされて、2倍または4倍に大きくされる(ステップ51)。なお、この明るい方が狭い幅部分の領域であれば、この狭い幅全体にわたって明度データが大きくされる。
【0064】
次いで、この処理が上記所定画素/所定ドット例えば5画素/5ドットの幅にわたって繰り返され(ステップ52)、上記色相データの異なる領域/柄に達するまで、縦の列方向に沿い上記狭い幅部分の領域に沿ってさらに繰り返される(ステップ53)。
【0065】
こうして、縦及び斜め縦に伸びる狭い幅部分の領域とこれを挟む領域について、明るい方をより明るくする明度データ変更処理が実行される。この明度データ変更処理は、上記ステップ04の色相が粗くされたカラー画像データではなく、この色相が粗くされる前の、ステップ04の処理の直前の織物を織るカラー画像データに対して実行される。こうして、織物の柄/領域の狭い幅部分の領域とこれを挟む各領域/柄の明度の差が大きくなって、織物の色柄の境界または輪郭が明瞭になる。
【0066】
さらに、上記ステップ49の判定で、暗い方の明度データにつき、当該明度データの値が下位へ所定ビット、例えば1ビットまたは2ビットシフトされて、1/2倍または1/4倍に小さくされる(ステップ56)。なお、この暗い方が狭い幅部分の領域であれば、この狭い幅全体にわたって明度データが小さくされる。
【0067】
次いで、この処理が上記所定画素/所定ドット例えば5画素/5ドットの幅にわたって繰り返され(ステップ57)、上記色相データの異なる領域/柄に達するまで、縦の列方向に沿い上記境界に沿ってさらに繰り返される(ステップ58)。
【0068】
以上の明度変更処理は、残りの狭い幅部分またはこれを挟んだ残り領域/柄についても、さらには別の狭い幅部分とこれを挟んだ他の領域/柄についても実行され、これらが上記カラー画像データ全体にわたって実行される(ステップ59)。
【0069】
こうして、縦及び斜め縦に伸びる狭い幅部分の領域とこれを挟む領域について、暗い方をより暗くする明度データ変更処理は実行される。この明度データ変更処理は、上記ステップ04の色相が粗くされたカラー画像データではなく、この色相が粗くされる前の、ステップ04の処理の直前の織物を織るカラー画像データに対して実行される。こうして、織物の柄/領域の狭い幅部分の領域とこれを挟む各領域/柄の明度の差が大きくなって、織物の色柄の境界または輪郭が明瞭になる。
【0070】
以上のステップ51〜59の明度データ変更処理において、いったん明度データが変更された画素/ドットにはフラグが立てられ、当該明度データ変更処理、および他の明度データ変更処理で重複して明度データは変更されない。
【0071】
なお、この狭い幅部分の領域とこれを挟む領域の明度変更処理においても、上述のステップ26〜38と同様に、列方向/縦方向についても、狭い幅部分の領域とこれを挟む領域の明度変更処理が実行されてもよい。
【0072】
また、境界または輪郭に接する複数の領域または柄のうち、上記ステップ11〜13、31〜33、51〜53の明るい方をより明るくする明度変更処理は省略されてもよい。さらに、境界または輪郭に接する複数の領域または柄のうち、上記ステップ16〜18、36〜38、56〜58の暗い方をより暗くする明度変更処理は省略されてもよい。
【0073】
上記ステップ26〜39のほぼ真横方向に伸びる境界または輪郭に沿って、縦上下の領域/柄の明度の変更処理は省略されてもよい。上記ステップ11、16、31、36、51、56の明度を大きくするまたは小さくする処理では、明度データではなく彩度データを大きくまたは小さくしてもよい。この場合でも、織物の色柄の境界または輪郭を明瞭にできる。
【0074】
上記ステップ07、17で所定以上あるかどうか判定される各領域の幅の画素数/ドット数と、ステップ11、16、31、36、51、56で明度データが変更される幅の画素数/ドット数とは同じであった。これにより、明度データが変更される幅の画素数/ドット数が上記判定される幅である5画素/5ドットから不足することがなく、カラー画像データ全体にわたって、明度データが変更される幅が均一となる。
【0075】
なお、明度データが変更されるべき幅の画素数/ドット数は、所定以上あるかどうか判定される各領域の幅の画素数/ドット数と異なっていてもよく、例えば小さくてもよい。これにより、細い境界または輪郭で各領域/柄を区別することができる。また、逆に大きくてもよい。これにより、太い境界または輪郭で各領域/柄を区別することができる。
【0076】
明度データまたは彩度が変更されるべき幅の画素数/ドット数、及び/または所定以上あるかどうか判定される各領域の幅の画素数/ドット数は、上記ステップ11〜18、51〜58では8色の緯糸の多数色の糸の方向に沿っている。これにより、この幅を多色の緯糸に沿って、明度または彩度を変更でき、特に彩度の変更には好都合である。しかし、緯糸には白黒も入っているので、明度の変更にも好都合である。
【0077】
明度データまたは彩度が変更されるべき幅の画素数/ドット数、及び/または所定以上あるかどうか判定される各領域の幅の画素数/ドット数は、上記ステップ31〜38では白黒の経糸の2色の糸の方向に沿っている。これにより、この幅を白黒の経糸に沿って、明度または彩度を変更でき、特に明度の変更には好都合である。
【0078】
以上のように、取り込まれた上記カラー画像データは写真画像が望ましく、写真画像において顕著な効果を奏するが、写真画像以外の画像、例えば絵の画像、模様の画像等でもよい。このようなカラー写真画像データについては、上記多数色の糸の経糸及び緯糸の多数色の一組を、一画素単位として、上記織機に送られ、画素の細かい織物が織られる。
【0079】
(6)文字画像データの処理
図6は画像データ処理の中の文字画像データを処理するフローチャートを示す。上記織物に文字も織り込むことが選択されている場合(ステップ61)、カラー画像データに対して、文字コードデータが入力され、この文字のフォントまたはタイプフェースのコードデータが入力されると、文字コードデータがフォントまたはタイプフェースに応じて画像データに変換され、これが文字画像データとして取り込まれる(ステップ62)。
【0080】
また、文字の画像データそのものが入力されても、これが文字画像データとして取り込まれる(ステップ62)。そして、この文字画像データが織り込まれる文字位置データが入力され(ステップ63)、この文字の大きさが入力されると(ステップ64)、最適な文字の一画素が判断される(ステップ64)。
【0081】
このような文字位置と文字の大きさは、例えば上記カラー画像がディスプレイに表示され、これに対してマウスなどで、方形状の枠(範囲)が指定されると、文字位置と文字の大きさが指定される。この文字画像データは上記カラー画像データの右下に位置することが多い。
【0082】
上記ステップ46の入力された文字の大きさ(枠)に最適な文字の一画素/一ドットの判断では、この大きさ(枠)に文字を入れると、枠と文字の間に大きな隙間ができず、しかも文字の形が歪まない文字の一画素/一ドットが判断される。文字の一画素/一ドットが小さくなると、文字の形もより歪まなくなる。
【0083】
この判断では、上記緯糸8色8本×経糸白黒8本の一単位組織11/一組ではなく、単位組織12の中の白または黒の一本に8分割、白黒2本に4分割、白黒4本に2分割、または分割のない8本のままの変更なしのいずれかが選択される。このような文字の一画素/一ドットの単位の判定は、上記コントローラ1によって判断されるが、操作者が入力部3から入力/選択してもよいし、予め一種類の画素/ドットに限定されて選択できなくてもよい。
【0084】
上記単位組織12の中の白または黒の一本の8分割が選択されると(ステップ65)、文字画像の一画素/一ドットが8分割されたさらに細かい白または黒の一本分まで小さくされる(ステップ67)。これにより、文字画像が歪まなくなる。次いで、この画素/ドットが小さくされた文字の色は白または黒のいずれしか選べないので、選択できる文字の色の白と黒が表示される(ステップ68)。
【0085】
上記単位組織12の中の白黒2本の4分割または白黒4本の2分割が選択されると(ステップ65)、文字画像の一画素/一ドットが4分割または2分割されたさらに細かい白黒の二本分または四本分まで小さくされる(ステップ70)。
【0086】
これにより、文字画像が歪まなくなる。次いで、この画素/ドットが小さくされた文字の色は白、黒のほか、中間の種々の明度/彩度の灰色の合成色が選べるので、選択できる文字の色の白と黒と種々の灰色の合成色とが表示される(ステップ71)。
【0087】
上記白黒8本のままの変更なしが選択されると(ステップ65)、文字画像の一画素/一ドットは分割されず、そのまま八本のままとされる(ステップ73)。この場合でも、文字画像が歪まなくなる。次いで、この画素/ドットが変更されなかった文字の色は白、黒のほか、さらに細かい中間の種々の明度/彩度の灰色の合成色が選べるので、選択できる文字の色の白と黒と種々の灰色の合成色とが表示される(ステップ74)。
【0088】
上記のような提示される種々の文字の色に対して、操作者が文字の色を選択すると(ステップ76)、上記カラー画像データ内の上記文字位置データに応じた位置に、上記大きさデータに応じた大きさで、この選択された色で、上記文字画像データが合成される(ステップ77)。なお、このような文字画像の色は、コントローラ1によって自動的に選択されても良いし、予め一色に限定されて選択できなくてもよい。
【0089】
こうして、上記文字画像の色は、上記細かい一本の色または複数本の合成色のいずれかと同じ色を選択できる。これにより、文字画像の色も糸の色の範囲内で任意に選択できる。なお、上記灰色の合成色のさらに細かい灰色については、操作者が選ぶが、灰色全体としては、白、黒と同様に、単位組織12の中のさらに細かい一本または複数本の選択に応じて自動的に選択されるといえる。
【0090】
また、上記細かい一本または複数本の組合せそれぞれに対応して、複数の文字画像の色が上記プログラム/データ記憶部7に記憶される。そして、上記細かい一本または複数本の組合せの選択に応じて、文字画像の色が自動的に選択される。これにより、文字画像の細かさの選択に応じて、文字の色が自動的に選択されるし、文字の色の選択に過誤が生じず、文字の色の選択が容易になる。
【0091】
なお、上記灰色の合成色のさらに細かい灰色については、操作者が選ぶが、灰色全体としては、白、黒と同様に、単位組織12の中のさらに細かい一本または複数本の選択に応じて自動的に選択されるといえる。
【0092】
上述の境界または輪郭に沿って若しくは狭い幅に沿って所定の幅の明度の差が広げられて変換されたカラー画像データは、上記インターフェース部5を通じて、上記織機のコンピュータに送られる(ステップ81)。これにより、境界または輪郭若しくは狭い幅に沿って明度の差が広げられ、境界または輪郭が明瞭な織物が織られる。
【0093】
また、以上のようにして一画素/一ドット単位が変換されて経緯比率が細かくされた文字画像データは、上記インターフェース部5を通じて、上記織機のコンピュータに送られる(ステップ82)。これにより、カラー画像データから区別して、文字画像データの箇所のみ、細かい一画素/一ドット単位で織り込まれ、文字画像データの経緯比率が細かく選ばれる。
【0094】
このように文字画像データのところのみ細かく分割すると、文字画像データのみを細かい画素/ドット単位で織り込むことができ、文字画像データの部分がカラー画像データに対してより細かく織り込まれる。これにより、文字画像データがカラー画像データに対して小さい面積でも、文字画像データの経緯の比率が変化してしまうことがない。
【0095】
この場合、上記白または黒の一本の8分割であれば、経緯比率を非常に細かく選べるが、選択できる色は白または黒と少なくなる。上記白黒2本の4分割または白黒4本の2分割であれば、選べる経緯比率は徐々に大まかになるが、選択できる色は白、黒のほか中間の灰色まで徐々に増える。上記白黒8本のままの変更なしであれば、選べる経緯比率はさらに大まかになるが、選択できる色は白、黒のほか中間の灰色の種類がさらに増える。
【0096】
(7)他の実施の形態
本発明は、上記実施形態に限定されず、種々変更可能である。例えば、上記織物の織られる一つの単位組織11の経糸及び緯糸の本数は8本であったが、7本以下でも、6本でも、9本以上でもよいし、経糸と緯糸との本数は上記のように同じでも異なっていてもよい。
【0097】
上記経糸は白4本黒4本計8本が交互に配置されるが、これは白2本黒2本計4本、または白1本黒1本計2本として処理されても同様である。また、緯糸6本の場合には、白、黒、赤R、黄Y、緑G、青Bの糸が選ばれる。
【0098】
上記経糸は、白と黒のほか、赤R、オレンジ(橙)YR、黄Y、緑G、青B、紫P等の有彩色の多色糸の一部または全部が組み込まれても良く、これらの有彩色の糸の一部のみまたは全部のみでも良いし、白だけ、黒だけでも良いし、上記緯糸は、赤R、オレンジYR、黄Y、緑G、青B、紫P、白、黒の8色のほか、これら以外の色の糸が組み込まれてもよいし、逆にこれらの一部でも良いし、白と黒の糸のみでもよいし、白だけ、黒だけでも良い。
【0099】
上記ステップ01で、取り込まれるカラー画像データが、すでに織物の経糸及び緯糸と多色糸の色に対応しており、大きさも織物の寸法に合致していれば、図3のステップ02、03の処理は省略される。上記ステップ07、08、27、28、47、48、63、64、65、67、68、70、71、73、74、76のステップのいずれか1つまたは複数若しくは全部が省略されてもよい。
【0100】
上記ステップ04の処理は省略されても良い。これにより、上記境界または輪郭を横方向に挟んだ各領域/各柄の明度または彩度の差が少なくても、境界または輪郭が明瞭に強調され、全ての境界/輪郭が明瞭にされる。また、ステップ04での色相データの削除する下位ビットが少なくなれば、各色に一つ一つまとめられる範囲が小さくなり、明瞭にされる境界/輪郭の数が多くなる。さらに、ステップ04での色相データの削除する下位ビットが多くなれば、各色に一つ一つまとめられる範囲が大きくなり、明瞭にされる境界/輪郭の数が少なくなる。
【0101】
上記カラー画像データは、有彩色のカラー画像のほか、白黒灰色の画像であってもよい。この場合色相データは、明度データまたは彩度データに置き換えられる。上記織られる織物はジャガード織のほか、コブラン織、ドビー織、タペット織、クランク織、つづれ織、タオル織、レピア織、むしろ織等なんでも良く、織り方も平織、斜文織、繻子織等なんでもよい。
【0102】
本発明は織機制御装置またはコンピュータなどにおいて実施され得るし、図1の回路は織機に付加/内蔵されて、図3〜図6の処理が織機で実行されても良いし、上述の織機は自動織機を指すが、手動織機、半自動織機が含められてもよい。上記各図の回路の機能はソフトウエア(フローチャート)によって実施されても良いし、上記各図のフローチャートの機能はハードウエア(回路)によって実施されてもよい。
【0103】
各請求項記載の発明は、当該発明をコンピュータに実行させるコンピュータプログラムを記憶した媒体、コンピュータプログラムの通信装置(方法)、織機制御装置(方法)としても実現可能である。上記図1の回路のいずれか1つまたは複数若しくは全部、図3、図4、図5、図6のステップのいずれか1つまたは複数若しくは全部は省略されてもよい。
【0104】
(8)他の発明の効果
[1]多数色の糸を織って織物を織る織機に対して、この多数色の糸に対応した色相のカラー画像を供給して、当該カラー画像に沿った織物を織る装置に対して、 コンピュータが、 取り込まれた、細かい色相のカラー画像データの色相をより粗くして、より広い領域にわたって同じ色相に変換し、 この変換されたカラー画像の色相の異なる各領域の境界を検出し、 この検出された境界からこの各領域が所定以上の幅があるか否か判定し、 この幅が所定以上であれば、この境界を挟んだ各領域の明度または彩度を判定し、上記細かい色相のカラー画像データに対して、この明度または彩度の高い方の領域の明度または彩度を所定の幅にわたってより高くする、 またはこの明度または彩度の低い方の領域の明度または彩度を所定の幅にわたってより低くし、 この明度または彩度が変換されたカラー画像データを上記織機に送って、境界または輪郭が明瞭な織物を織らせることを特徴とする織物用の画像データ処理方法。
【0105】
[2]多数色の糸を織って織物を織る織機に対して、この多数色の糸に対応した色相のカラー画像を供給して、当該カラー画像に沿った織物を織る装置についてのコンピュータに対して、 取り込まれた、細かい色相のカラー画像データの色相をより粗くして、より広い領域にわたって同じ色相に変換させ、 この変換されたカラー画像の色相の異なる各領域の境界を検出させ、 この検出された境界からこの各領域が所定以上の幅があるか否か判定させる処理と、 この幅が所定以上であれば、この境界を挟んだ各領域の明度または彩度を判定させ、 上記細かい色相のカラー画像データに対して、この明度または彩度の高い方の領域の明度または彩度を所定の幅にわたってより高くさせる、 またはこの明度または彩度の低い方の領域の明度または彩度を所定の幅にわたってより低くさせる処理とを実行させ、 この明度または彩度が変換されたカラー画像データを上記織機に送って、境界または輪郭が明瞭な織物を織らせることを特徴とする織物用の画像データ処理のためのコンピュータプログラム。
【0106】
[3]多数色の糸を織って織物を織る織機に対して、この多数色の糸に対応した色相のカラー画像を供給して、当該カラー画像に沿った織物を織る装置に対して、 取り込まれた、細かい色相のカラー画像データの色相をより粗くして、より広い領域にわたって同じ色相に変換し、 この変換されたカラー画像の色相の異なる各領域の境界を検出し、 この検出された境界からこの各領域が所定以上の幅があるか否か判定する判定手段と、 この幅が所定以上であれば、この境界を挟んだ各領域の明度または彩度を判定し、 上記細かい色相のカラー画像データに対して、この明度または彩度の高い方の領域の明度または彩度を所定の幅にわたってより高くする、 またはこの明度または彩度の低い方の領域の明度または彩度を所定の幅にわたってより低くする変更手段とを備え、 この明度または彩度が変換されたカラー画像データを上記織機に送って、境界または輪郭が明瞭な織物を織らせることを特徴とする織物用の画像データ処理装置。
【0107】
[4]上記判定における所定以上の幅と、上記変更における所定の幅とは、同じであることを特徴とする請求項3記載の織物用の画像データ処理装置。これにより、明度データが変更される幅が上記判定される幅から不足することがなく、カラー画像データ全体にわたって、明度データが変更される幅が均一となる。
【0108】
[5]上記幅は上記多数色の糸の方向に沿っていることを特徴とする請求項4記載の織物用の画像データ処理装置。これにより、上記幅を多数色の糸に沿って、明度または彩度を変更でき、特に彩度の変更には好都合である。ここで、多数色の糸には白黒も入っていれば、明度の変更にも好都合である。
【0109】
[6]上記境界を挟んだ各領域の明度または彩度の差が少なければ、上記境界にわたる明度または彩度の変更を実行しないことを特徴とする請求項5記載の織物用の画像データ処理装置。これにより、明度の差が少なくてもともと輪郭がはっきりしない場合には、境界/輪郭をはっきりさせないで済む。
【0110】
[7]上記判定される幅が所定以上ない場合、この幅が所定以上ない領域を挟む隣接する領域の上記明度または彩度が同じまたは近似していれば、当該幅が所定以上ない領域の明度または彩度を、上記挟む隣接する領域の明度または彩度との差が大きくなるように、いれずれかまたは両方の明度または彩度を高くまたは低くすることを特徴とする請求項6記載の織物用の画像データ処理装置。これにより、上記所定以上ない狭い幅の領域についても、これを挟む領域に対して明度の差を大きくして、狭い幅の領域の境界/輪郭を明瞭にできる。
【0111】
[8]多数色の糸を織って織物を織る織機に対して、この多数色の糸に対応した色相のカラー画像を供給して、当該カラー画像に沿った織物を織る装置に対して、 コンピュータが、 取り込まれた、カラー写真画像と文字画像とからなる、上記カラー画像のうち、カラー写真画像データについては、上記多数色の糸の経糸及び緯糸の多数色の一組を、一画素単位として、上記織機に送って、画素の細かい織物を織らせ、 取り込まれた、カラー写真画像と文字画像とからなる、上記カラー画像のうち、上記文字画像については、上記多数色の糸の経糸及び緯糸の多数色の一組の中のさらに細かい一本または複数本の糸を、一画素単位として、上記織機に送って、画素の細かい織物を織らせることを特徴とする織物用の画像データ処理方法。
【0112】
[9]多数色の糸を織って織物を織る織機に対して、この多数色の糸に対応した色相のカラー画像を供給して、当該カラー画像に沿った織物を織る装置についてのコンピュータに対して、 取り込まれた、カラー写真画像と文字画像とからなる、上記カラー画像のうち、カラー写真画像データについては、上記多数色の糸の経糸及び緯糸の多数色の一組を、一画素単位として、上記織機に送って、画素の細かい織物を織らせる処理と、 取り込まれた、カラー写真画像と文字画像とからなる、上記カラー画像のうち、上記文字画像については、上記多数色の糸の経糸及び緯糸の多数色の一組の中のさらに細かい一本または複数本の糸を、一画素単位として、上記織機に送って、画素の細かい織物を織らせる処理とを実行させることを特徴とする織物用の画像データ処理のためのコンピュータプログラム。
【0113】
[10]多数色の糸を織って織物を織る織機に対して、この多数色の糸に対応した色相のカラー画像を供給して、当該カラー画像に沿った織物を織る装置に対して、 取り込まれた、カラー写真画像と文字画像とからなる、上記カラー画像のうち、カラー写真画像データについては、上記多数色の糸の経糸及び緯糸の多数色の一組を、一画素単位として、上記織機に送って、画素の細かい織物を織らせる写真画像処理手段と、 取り込まれた、カラー写真画像と文字画像とからなる、上記カラー画像のうち、上記文字画像については、上記多数色の糸の経糸及び緯糸の多数色の一組の中のさらに細かい一本または複数本の糸を、一画素単位として、上記織機に送って、画素の細かい織物を織らせる文字画像処理手段とを備えたことを特徴とする織物用の画像データ処理装置。
【0114】
[11]上記文字画像の色は、上記細かい一本の色または複数本の合成色のいずれかと同じ色を選択できることを特徴とする請求項10記載の画像データ処理装置。これにより、文字画像の色も糸の色の範囲内で任意に選択できる。
【0115】
[12]上記細かい一本または複数本の組合せそれぞれに対応して、複数の文字画像の色が記憶され、上記細かい一本または複数本の組合せの選択に応じて、文字画像の色が選択されることを特徴とする請求項11記載の画像データ処理装置。これにより、文字の色の選択に過誤が生じず、文字の色の選択が容易になる。
【産業上の利用可能性】
【0116】
柄の境界付近の明度を変更して、織物の柄の輪郭が明瞭にされる。画像全体の中の文字画像のみを、織物の単位組織より細かい糸単位で形成し、文字が小さくても文字の縦横の比率が大きく変わらない。
【0117】
カラー画像データの境界がスキャンされ(ステップ05、06)、この境界を挟む柄の明度が大きい方の明度がより大きくされ(ステップ09〜13)、明度が小さい方の明度が寄り小さくされる(ステップ16〜18)。
【0118】
画像全体の中の文字の大きさに応じて(図6のステップ64)、縦横比率が歪まない最適な文字の一画素であって、織物の単位組織より細かい糸単位の一画素が決定され(ステップ65、67、70、73)、この糸単位に応じた色が文字画像の色とされる(ステップ68、71、74、76)。
【符号の説明】
【0119】
1…コントローラ(CPU、ROM、RAMなど)、
2…アドレス/データバスライン、3…入力部、
4…出力部、5…インターフェース部、
6…情報記憶部、7…プログラム/データ記憶部、
8…織機(外部装置)、11…単位組織(完全組織)、
12…組織。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
多数色の糸を織って織物を織る織機に対して、この多数色の糸に対応した色相のカラー画像を供給して、当該カラー画像に沿った織物を織る装置に対して、
コンピュータが、
取り込まれた、細かい色相のカラー画像データの色相をより粗くして、より広い領域にわたって同じ色相に変換し、 この変換されたカラー画像の色相の異なる各領域の境界を検出し、 この検出された境界からこの各領域が所定以上の幅があるか否か判定し、
この幅が所定以上であれば、この境界を挟んだ各領域の明度または彩度を判定し、上記細かい色相のカラー画像データに対して、この明度または彩度の高い方の領域の明度または彩度を所定の幅にわたってより高くする、 またはこの明度または彩度の低い方の領域の明度または彩度を所定の幅にわたってより低くし、
この明度または彩度が変換されたカラー画像データを上記織機に送って、境界または輪郭が明瞭な織物を織らせることを特徴とする織物用の画像データ処理方法。
【請求項2】
多数色の糸を織って織物を織る織機に対して、この多数色の糸に対応した色相のカラー画像を供給して、当該カラー画像に沿った織物を織る装置についてのコンピュータに対して、
取り込まれた、細かい色相のカラー画像データの色相をより粗くして、より広い領域にわたって同じ色相に変換させ、 この変換されたカラー画像の色相の異なる各領域の境界を検出させ、 この検出された境界からこの各領域が所定以上の幅があるか否か判定させる処理と、
この幅が所定以上であれば、この境界を挟んだ各領域の明度または彩度を判定させ、 上記細かい色相のカラー画像データに対して、この明度または彩度の高い方の領域の明度または彩度を所定の幅にわたってより高くさせる、 またはこの明度または彩度の低い方の領域の明度または彩度を所定の幅にわたってより低くさせる処理とを実行させ、
この明度または彩度が変換されたカラー画像データを上記織機に送って、境界または輪郭が明瞭な織物を織らせることを特徴とする織物用の画像データ処理のためのコンピュータプログラム。
【請求項3】
多数色の糸を織って織物を織る織機に対して、この多数色の糸に対応した色相のカラー画像を供給して、当該カラー画像に沿った織物を織る装置に対して、
取り込まれた、細かい色相のカラー画像データの色相をより粗くして、より広い領域にわたって同じ色相に変換し、 この変換されたカラー画像の色相の異なる各領域の境界を検出し、 この検出された境界からこの各領域が所定以上の幅があるか否か判定する判定手段と、
この幅が所定以上であれば、この境界を挟んだ各領域の明度または彩度を判定し、 上記細かい色相のカラー画像データに対して、この明度または彩度の高い方の領域の明度または彩度を所定の幅にわたってより高くする、 またはこの明度または彩度の低い方の領域の明度または彩度を所定の幅にわたってより低くする変更手段とを備え、
この明度または彩度が変換されたカラー画像データを上記織機に送って、境界または輪郭が明瞭な織物を織らせることを特徴とする織物用の画像データ処理装置。
【請求項4】
上記判定における所定以上の幅と、上記変更における所定の幅とは、同じであることを特徴とする請求項3記載の織物用の画像データ処理装置。
【請求項5】
上記幅は上記多数色の糸の方向に沿っていることを特徴とする請求項4記載の織物用の画像データ処理装置。
【請求項6】
上記境界を挟んだ各領域の明度または彩度の差が少なければ、上記境界にわたる明度または彩度の変更を実行しないことを特徴とする請求項5記載の織物用の画像データ処理装置。
【請求項7】
上記判定される幅が所定以上ない場合、この幅が所定以上ない領域を挟む隣接する領域の上記明度または彩度が同じまたは近似していれば、当該幅が所定以上ない領域の明度または彩度を、上記挟む隣接する領域の明度または彩度との差が大きくなるように、いれずれかまたは両方の明度または彩度を高くまたは低くすることを特徴とする請求項6記載の織物用の画像データ処理装置。
【請求項8】
多数色の糸を織って織物を織る織機に対して、この多数色の糸に対応した色相のカラー画像を供給して、当該カラー画像に沿った織物を織る装置に対して、
コンピュータが、
取り込まれた、カラー写真画像と文字画像とからなる、上記カラー画像のうち、カラー写真画像データについては、上記多数色の糸の経糸及び緯糸の多数色の一組を、一画素単位として、上記織機に送って、画素の細かい織物を織らせ、
取り込まれた、カラー写真画像と文字画像とからなる、上記カラー画像のうち、上記文字画像については、上記多数色の糸の経糸及び緯糸の多数色の一組の中のさらに細かい一本または複数本の糸を、一画素単位として、上記織機に送って、画素の細かい織物を織らせることを特徴とする織物用の画像データ処理方法。
【請求項9】
多数色の糸を織って織物を織る織機に対して、この多数色の糸に対応した色相のカラー画像を供給して、当該カラー画像に沿った織物を織る装置についてのコンピュータに対して、
取り込まれた、カラー写真画像と文字画像とからなる、上記カラー画像のうち、カラー写真画像データについては、上記多数色の糸の経糸及び緯糸の多数色の一組を、一画素単位として、上記織機に送って、画素の細かい織物を織らせる処理と、
取り込まれた、カラー写真画像と文字画像とからなる、上記カラー画像のうち、上記文字画像については、上記多数色の糸の経糸及び緯糸の多数色の一組の中のさらに細かい一本または複数本の糸を、一画素単位として、上記織機に送って、画素の細かい織物を織らせる処理とを実行させることを特徴とする織物用の画像データ処理のためのコンピュータプログラム。
【請求項10】
多数色の糸を織って織物を織る織機に対して、この多数色の糸に対応した色相のカラー画像を供給して、当該カラー画像に沿った織物を織る装置に対して、
取り込まれた、カラー写真画像と文字画像とからなる、上記カラー画像のうち、カラー写真画像データについては、上記多数色の糸の経糸及び緯糸の多数色の一組を、一画素単位として、上記織機に送って、画素の細かい織物を織らせる写真画像処理手段と、
取り込まれた、カラー写真画像と文字画像とからなる、上記カラー画像のうち、上記文字画像については、上記多数色の糸の経糸及び緯糸の多数色の一組の中のさらに細かい一本または複数本の糸を、一画素単位として、上記織機に送って、画素の細かい織物を織らせる文字画像処理手段とを備えたことを特徴とする織物用の画像データ処理装置。
【請求項11】
上記文字画像の色は、上記細かい一本の色または複数本の合成色のいずれかと同じ色を選択できることを特徴とする請求項10記載の画像データ処理装置。
【請求項12】
上記細かい一本または複数本の組合せそれぞれに対応して、複数の文字画像の色が記憶され、上記細かい一本または複数本の組合せの選択に応じて、文字画像の色が選択されることを特徴とする請求項11記載の画像データ処理装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate


【公開番号】特開2011−106080(P2011−106080A)
【公開日】平成23年6月2日(2011.6.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−35487(P2010−35487)
【出願日】平成22年2月21日(2010.2.21)
【特許番号】特許第4629150号(P4629150)
【特許公報発行日】平成23年2月9日(2011.2.9)
【出願人】(309018939)有限会社サン・オリオン (2)
【Fターム(参考)】