説明

置換されたリレン誘導体

一般式(I)で示され、置換基及び変数が以下の意味を有するリレン誘導体:リレンは、多環式の共役環系を意味し、前記環系は、少なくとも1個のペリレン単位(式II)を有し、ヘテロ原子を環原子として含んでよく、−CO−基を含む基によって官能化されていてよく、かつ/又は基Aとは異なる更なる置換基を有してよい;Aは、式(III)で示される基を意味する;Xは、酸素又は硫黄を意味する;Rは、所望により置換されたアルキル、シクロアルキル、アリール、ヘタリール、−U−アリール(Uは、基−O−、−S−、−NR2−、−CO−、−SO−又は−SO2−を意味する)又はC1〜C12−アルコキシ、C1〜C6−アルキルチオ、−C≡CR2、−CR2=CR22、ヒドロキシ、メルカプト、ハロゲン、シアノ、ニトロ、−NR34、−NR3COR4、−CONR34、−SO2NR34、−COOR3又は−SO33の同一もしくは異なる基を意味する;R1は、水素又は基Rの1つの同一もしくは異なる基を意味する;R2は、水素又はアルキルを意味し、その際、基R2は、それらが複数ある場合には、同一もしくは異なってよい;R3、R4は、互いに無関係に、水素、所望により置換されたアルキル、アリール又はヘタリールを意味する;nは、1〜8を意味する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般式I
【化1】

[式中、置換基及び変数は、以下の意味を有する:
リレンは、多環式の共役環系を意味し、前記環系は、少なくとも1個のペリレン単位
【化2】

を有し、ヘテロ原子を還元しとして含んでよく、−CO−基を含む基によって官能化されていてよく、かつ/又は基Aとは異なる更なる置換基を有してよい;
Aは、式
【化3】

で示される基を意味し、その際、基Aは、n>1の場合に、同一もしくは異なってよい;
Xは、酸素もしくは硫黄を意味する;
Rは、同一もしくは異なる以下の(i)〜(v)の基を意味する:
(i)C1〜C30−アルキル、
前記のC1〜C30−アルキルの炭素鎖は、1もしくは複数の基−O−、−S−、−NR2−、−N=CR2−、−N=CR2−、−C≡C−、−CR2=CR2−、−CO−、−SO−及び/又は−SO2−によって中断されていてよく、かつ前記のC1〜C30−アルキルは、C1〜C12−アルコキシ、C1〜C6−アルキルチオ、−C≡CR2、−CR2=CR22、ヒドロキシ、メルカプト、ハロゲン、シアノ、ニトロ、−NR34、−NR3COR4、−CONR34、−SO2NR34、−COOR3、−SO33、飽和もしくは不飽和のC4〜C7−シクロアルキル(その炭素骨格は、1もしくは複数の基−O−、−S−、−NR2−、−N=CR2−、−CR2=CR2−、−CO−、−SO−及び/又は−SO2−によって中断されていてよい)及び/又はアリールによって一置換もしくは多置換されていてよく、その際、アリール及びシクロアルキルは、それぞれ、C1〜C18−アルキル及び/又はアルキルについての置換基として上述した基によって一置換もしくは多置換されていてよく、その際、多くとも1個のアルキル基Rは1位において第三級炭素原子を有してよい;
(ii)C3〜C8−シクロアルキル、
前記のC3〜C8−シクロアルキルの炭素骨格は、1もしくは複数の基−O−、−S−、−NR2−、−N=CR2−、−CR2=CR2−、−CO−、−SO−及び/又は−SO2−によって中断されていてよく、かつ前記のC3〜C8−シクロアルキルには、更なる飽和もしくは不飽和の5員ないし7員の環員が縮合されていてよく前記環系の炭素骨格は、1もしくは複数の基−O−、−S−、−NR2−、−N=CR2−、−CR2=CR2−、−CO−、−SO−及び/又は−SO2−によって中断されていてよく、その際、全環系は、C1〜C18−アルキル、C1〜C12−アルコキシ、C1〜C6−アルキルチオ、−C≡CR2、−CR2=CR22、ヒドロキシ、メルカプト、ハロゲン、シアノ、ニトロ、−NR34、−NR3COR4、−CONR34、−SO2NR34及び/又は−COOR3によって一置換もしくは多置換されていてよく、その際、多くとも1個のシクロアルキル基Rは1位において第三級炭素原子を有してよい;
(iii)アリールもしくはヘタリール、
前記のアリールもしくはヘタリールには、それぞれ、更なる飽和もしくは不飽和の5員ないし7員の環が縮合されていてよく、前記環の炭素骨格は、1もしくは複数の基−O−、−S−、−NR2−、−N=CR2−、−CR2=CR2−、−CO−、−SO−及び/又は−SO2−によって中断されていてよく、その際、全環系は、C1〜C18−アルキル、C1〜C12−アルコキシ、C1〜C6−アルキルチオ、−C≡CR2、−CR2=CR22、ヒドロキシ、メルカプト、ハロゲン、シアノ、ニトロ、−NR34、−NR3COR4、−CONR34、−SO2NR34、−COOR3、−SO33、アリール及び/又はヘタリール(それぞれ、C1〜C18−アルキル、C1〜C12−アルコキシ、ヒドロキシ、メルカプト、ハロゲン、シアノ、ニトロ、−NR34、−NR3COR4、−CONR34、−SO2NR34、−COOR3及び/又は−SO33によって一置換もしくは多置換されていてよい)によって一置換もしくは多置換されていてよい;
(iv)基−U−アリール、
前記基は、アリール基(iii)についての置換基として上述した基によって一置換もしくは多置換されていてよく、その際、Uは、基−O−、−S−、−NR2−、−CO−、−SO−又は−SO2−を意味する;
(v)C1〜C12−アルコキシ、C1〜C6−アルキルチオ、−C≡CR2、−CR2=CR22、ヒドロキシ、メルカプト、ハロゲン、シアノ、ニトロ、−NR34、−NR3COR4、−CONR34、−SO2NR34、−COOR3又は−SO33
R′は、水素、Rについて挙げた基(i)、(ii)、(iii)、(iv)及び(v)の1つの同一もしくは異なる基を意味し、その際、アリール基(i)及びシクロアルキル基(ii)は1位において第三級炭素原子を有してよい;
2は、水素又はC1〜C18−アルキルを意味し、その際、基R2は、それらが複数ある場合には、同一もしくは異なってよい;
3、R4は、互いに無関係に、水素、C1〜C18−アルキル、アリールもしくはヘタリールを意味し、
前記のC1〜C18−アルキルの炭素鎖は、1もしくは複数の基−O−、−S−、−CO−、−SO−及び/又は−SO2−によって中断されていてよく、かつ前記のC1〜C18−アルキルは、C1〜C12−アルコキシ、C1〜C6−アルキルチオ、ヒドロキシ、メルカプト、ハロゲン、シアノ、ニトロ及び/又は−COOR2によって一置換もしくは多置換されていてよい;
前記のアリールもしくはヘタリールには、それぞれ、更なる飽和もしくは不飽和の5員ないし7員の環が縮合されていてよく、前記環の炭素骨格は、1もしくは複数の基−O−、−S−、−CO−及び/又は−SO2−によって中断されていてよく、その際、全環系は、C1〜C12−アルキル及び/又はアルキルについての置換基として上述した基によって一置換もしくは多置換されていてよい;
nは、1〜8を意味する]で示される新規のリレン誘導体に関する。
【0002】
更に、本発明は、リレン誘導体Iを、高分子の有機材料及び無機材料の着色のために、電磁線を吸収及び/又は放出する水性ポリマー分散液の製造のために、ヒトの眼に視認できない赤外光を吸収する標識及びマーキングの作製のために、熱管理のための赤外吸収体として、プラスチック部材の溶接処理に際してのIRレーザ放射線を吸収する材料として、レーザ標識及びレーザ表記のために、有機電子装置における半導体として、ディスプレイ用途におけるフィルタもしくは発光体として、化学ルミネセンスの用途における発光体として、検出法における標識基として、並びに光電池中の活性成分として用いる使用に関する。
【0003】
ペリレンテトラカルボン酸ジイミド、ペリレンジカルボン酸イミド、相応の酸無水物及びこれらの化合物のより高級の同族体が、蛍光色素として、かつNIR吸収体として特に関心が持たれている。
【0004】
使用媒体へのその可溶性の向上のために、通常は、前記化合物のリレン骨格中にフェノキシ置換基又はチオフェノキシ置換基が導入される。前記置換基は、特に非置換の又はp位で、例えばt−アルキルによって置換されたフェノキシ基もしくはチオフェノキシ基(WO−A−97/22607号、WO−A−03/104232号、WO−A−96/22332号、WO−A−02/76988号並びに旧ドイツ国特許出願第10 2005 018241.0号及び同第10 2005 021362.6号)である。
【0005】
WO−A−02/14414号においては、更に、星型ポリマーの合成を可能にするペリレンテトラカルボン酸ジイミドが記載されている。そのペリレン骨格は、フェノキシ基によって置換されており、該フェノキシ基は、更にパラ位に反応性基を有する。
【0006】
最後に、旧ドイツ国特許出願第10 2004 057585.1号においては、リレンテトラカルボン酸ジイミドであって、そのリレン骨格が環状アミノ基によって置換されているものが記載され、前記基がジイミドの吸収を深色にシフトさせる。
【0007】
本発明の課題は、リレン誘導体の光学特性を更に改善すること、特にその吸収帯の勾配を高めることであった。
【0008】
従って、冒頭に定義した式Iで示されるリレン誘導体が見出された。
【0009】
更に、式I中の置換基及び変数が以下の意味を有する好ましいリレン誘導体が見出された:
Rは、以下の(i)〜(v)の同一もしくは異なる基を意味する:
(i)C1〜C30−アルキル、
前記のC1〜C30−アルキルは1位に第三級炭素原子を有さず、前記のC1〜C30−アルキルの炭素鎖は、1もしくは複数の基−O−、−S−、−NR2−、−C≡C−、−CR2=CR2−及び/又は−CO−によって中断されていてよく、かつ前記のC1〜C30−アルキルは、C1〜C12−アルコキシ、ヒドロキシ及び/又はハロゲンによって一置換もしくは多置換されていてよい;
(ii)C3〜C8−シクロアルキル、
前記のC3〜C8−シクロアルキルは1位に第三級炭素原子を有さず、前記のC3〜C8−シクロアルキルの炭素骨格は、1もしくは複数の基−O−、−S−、−NR2−、−CR2=CR2−及び/又は−CO−によって中断されていてよく、かつC1〜C18−アルキル、C1〜C12−アルコキシ及び/又はC1〜C6−アルキルチオによって一置換もしくは多置換されていてよい;
(iii)アリールもしくはヘタリール、
前記のアリールもしくはヘタリールには、それぞれ、更なる飽和もしくは不飽和の5員ないし7員の環が縮合されていてよく、前記環の炭素骨格は、1もしくは複数の基−O−、−S−、−NR2−、−N=CR2−、−CR2=CR2−、−CO−、−SO−及び/又は−SO2−によって中断されていてよく、その際、全環系は、C1〜C18−アルキル、C1〜C12−アルコキシ、−C≡CR2、−CR2=CR22、ヒドロキシ、ハロゲン、−NR34、−NR3COR4、−CONR34、−SO2NR34、−COOR3及び/又は−SO33によって一置換もしくは多置換されていてよい;
(iv)基−U−アリール、
前記基は、アリール基(iii)についての置換基として上述した基によって一置換もしくは多置換されていてよく、その際、Uは、基−O−、−S−、−NR2−、−CO−、−SO−又は−SO2−を意味する;
(v)C1〜C12−アルコキシ、C1〜C6−アルキルチオ、−C≡CR2、−CR2=CR22、ヒドロキシ、メルカプト、ハロゲン、シアノ、ニトロ、−NR34、−NR3COR4、−CONR34、−SO2NR34、−COOR3又は−SO33
R′は、水素、Rについて挙げた基(i)、(ii)、(iii)、(iv)及び(v)の1つの同一もしくは異なる基を意味し、その際、アルキル基(i)及びシクロアルキル基(ii)は1位において第三級炭素原子を有してよい;
2は、水素又はC1〜C18−アルキルを意味する;
3、R4は、互いに無関係に、水素、C1〜C18−アルキル、アリールもしくはヘタリールを意味し、
前記のC1〜C18−アルキルは、C1〜C6−アルコキシ、ヒドロキシ、ハロゲン及び/又はシアノによって一置換もしくは多置換されていてよい;
前記のアリールもしくはヘタリールは、それぞれ、C1〜C6−アルキル及び/又はアルキルについての置換基として上述した基によって一置換もしくは多置換されていてよい;
nは、1〜6を意味する。
【0010】
特に好ましい式Iのリレン誘導体は、結局は、以下の置換基及び変数の意味を有する:
Aは、式
【化4】

で示される基を意味し、その際、基Aは、n>1の場合に同一である;
Rは、以下の(i)〜(v)の同一もしくは異なる基を意味する:
(i)C1〜C18−アルキル、
前記のC1〜C18−アルキルは1位に第三級炭素原子を有さず、前記のC1〜C18−アルキルの炭素鎖は、1もしくは複数の基−O−、−S−、−NR2−及び/又は−CO−によって中断されていてよく、かつ前記のC1〜C18−アルキルは、C1〜C12−アルコキシ、ヒドロキシ及び/又はハロゲンによって一置換もしくは多置換されていてよい;
(ii)C3〜C8−シクロアルキル、
前記のC3〜C8−シクロアルキルは1位に第三級炭素原子を有さず、かつC1〜C18−アルキル及び/又はC1〜C12−アルコキシによって一置換もしくは多置換されていてよい;
(iii)アリールもしくはヘタリール、
前記のアリールもしくはヘタリールは、それぞれ、C1〜C18−アルキル、C1〜C12−アルコキシ、ヒドロキシ及び/又はハロゲンによって一置換もしくは多置換されていてよい;
(iv)基−U−アリール、
前記基は、アリール基(iii)についての置換基として上述した基によって一置換もしくは多置換されていてよく、その際、Uは、基−O−、−S−又は−NR2−を意味する;
(v)C1〜C12−アルコキシ、ヒドロキシ、ハロゲン又はシアノ;
R′は、水素、Rについて挙げた基(i)、(ii)、(iii)、(iv)及び(v)の1つの同一もしくは異なる基を意味し、その際、アルキル基(i)及びシクロアルキル基(ii)は1位に第三級炭素原子を有してよい;
2は、水素又はC1〜C6−アルキルを意味する;
3、R4は、互いに無関係に、水素、C1〜C18−アルキル、アリールもしくはヘタリールを意味し、
前記のC1〜C18−アルキルは、C1〜C6−アルコキシ、ヒドロキシ、ハロゲン及び/又はシアノによって一置換もしくは多置換されていてよい;
前記のアリールもしくはヘタリールは、それぞれ、C1〜C6−アルキル及び/又はアルキルについての置換基として上述した基によって一置換もしくは多置換されていてよい;
nは、1〜6を意味する。
【0011】
本発明によるリレン誘導体Iは、少なくとも1個のペリレン単位
【化5】

を有する、多環式の共役環系を有する。
【0012】
その多環式の共役環系は、ヘテロ原子を環原子として有してよい。これらのヘテロ原子のための例は、窒素原子、酸素原子及び硫黄原子である。
【0013】
更に、該環系は、−CO−基を有する基によって官能化されていてよい。
【0014】
該環系は、一官能化もしくは多官能化させる基を有してよい。複数の官能化させる基が含まれている場合には、これらは、同一もしくは異なってよい。
【0015】
前記の官能化させる基のための好ましい例は、−CO−基自体の他には、
【化6】

である。
【0016】
置換基R1は、この場合に、水素、C1〜C30−アルキル、C3〜C8−シクロアルキル、アリールもしくはヘタリールを意味し、その際、
前記のC1〜C30−アルキルの炭素鎖は、1もしくは複数の基−O−、−S−、−NR2−、−N=CR2−、−C≡C−、−CR2=CR2−、−CO−、−SO−及び/又は−SO2−によって中断されていてよく、かつ前記のC1〜C30−アルキルは、請求項1においてRについて挙げた基(ii)、(ii)、(iv)及び/又は(v)によって一置換もしくは多置換されていてよい;
前記のC3〜C8−シクロアルキルには、更なる飽和もしくは不飽和の5員ないし7員の環が縮合されていてよく、前記環の炭素骨格は、1もしくは複数の基−O−、−S−、−NR2−、−N=CR2−、−CR2=CR2−、−CO−、−SO−及び/又は−SO2−によって中断されていてよく、その際、全環系は、請求項1においてRについて挙げた基(i)、(ii)、(iii)、(iv)及び/又は(v)によって一置換もしくは多置換されていてよい;
前記のアリールもしくはヘタリールには、それぞれ、更なる飽和もしくは不飽和の5員ないし7員の環が縮合されていてよく、前記環の炭素骨格は、1もしくは複数の基−O−、−S−、−NR2−、−N=CR2−、−CR2=CR2−、−CO−、−SO−及び/又は−SO2−によって中断されていてよく、その際、全環系は、請求項1においてRについて挙げた基(i)、(ii)、(iii)、(iv)、(v)及び/又はアリールアゾ及び/又はヘタリールアゾ(それぞれ、C1〜C10−アルキル、C1〜C6−アルコキシ及び/又はシアノによって置換されていてよい)によって一置換もしくは多置換されていてよい。
【0017】
2並びにR3及びR4は、この場合に、請求項1において挙げた意味を有する。
【0018】
好ましくは、R1は、水素、C1〜C30−アルキル、C5〜C8−シクロアルキル、フェニル、ナフチル、ピリジルもしくはピリミジルを意味し、その際、
前記のC1〜C30−アルキルの炭素鎖は、1もしくは複数の基−O−及び/又は−CO−によって中断されていてよく、かつ前記のC1〜C30−アルキルは、C1〜C6−アルコキシ、シアノ及び/又はアリール(C1〜C18−アルキル及び/又はC1〜C6−アルコキシによって一置換もしくは多置換されていてよい)によって一置換もしくは多置換されていてよい;
前記のC5〜C8−シクロアルキルは、C1〜C12−アルキルによって一置換もしくは多置換されていてよい;
前記のフェニル、ナフチル、ピリジルもしくはピリミジルは、それぞれ、C1〜C18−アルキル、C1〜C6−アルコキシ、ハロゲン、シアノ、ニトロ、−CONR34、−SO2NR34及び/又はフェニルアゾ及び/又はナフチルアゾ(それぞれ、C1〜C10−アルキル、C1〜C6−アルコキシ及び/又はシアノによって一置換もしくは多置換されていてよい)によって一置換もしくは多置換されていてよい。
【0019】
3及びR4は、その場合に、請求項2において挙げた、好ましいリレン誘導体Iについて上述した意味を有する。
【0020】
特に好ましくは、R1は、水素、C1〜C30−アルキル、C5〜C8−シクロアルキル、フェニル、ナフチル、ピリジルもしくはピリミジルを意味し、その際、
前記のC1〜C30−アルキルの炭素鎖は、1もしくは複数の基−O−及び/又は−CO−によって中断されていてよく、かつ前記のC1〜C30−アルキルは、C1〜C6−アルコキシ、シアノ及び/又はアリール(C1〜C18−アルキル及び/又はC1〜C6−アルコキシによって一置換もしくは多置換されていてよい)によって一置換もしくは多置換されていてよい;
前記のC5〜C8−シクロアルキルは、C1〜C6−アルキルによって一置換もしくは多置換されていてよい;
前記のフェニル、ナフチル、ピリジルもしくはピリミジルは、それぞれ、C1〜C18−アルキル、C1〜C6−アルコキシ、ハロゲン、シアノ、ニトロ、−CONR34、−SO2NR34及び/又はフェニルアゾ及び/又はナフチルアゾ(それぞれ、C1〜C10−アルキル、C1〜C6−アルコキシ及び/又はシアノによって一置換もしくは多置換されていてよい)によって一置換もしくは多置換されていてよい。
【0021】
3及びR4は、その場合に、請求項3において挙げた、特に好ましいリレン誘導体Iについて上述した意味を有する。
【0022】
殊に好ましい基R1は、オルト,オルト′−二アルキル置換されたアリール基であり、とりわけ、基Aの成分でもあるアリール基、又は中間炭素原子を介してイミド窒素原子に結合されている直鎖状アルキル鎖である。前記の基R1について選択される例は、2,6−ジメチルフェニル、2,6−ジイソプロピルフェニル、2,6−ジイソプロピル−4−ブチルフェニル、5−ウンデシル、7−トリデシル及び9−ペンタデシルである。
【0023】
Mは、結局は、水素、アルカリ金属カチオン、NH4+又はNR34+を意味し、その際、アルカリ金属カチオン、例えばリチウムカチオン、ナトリウムカチオン、カリウムカチオン又はセシウムカチオンが特に好ましい。
【0024】
好ましいリレン誘導体Iのための例としては、ペリレン誘導体、テリレン誘導体、クアテリレン誘導体、ペンタリレン誘導体及びヘキサリレン誘導体が挙げられる。
【0025】
一般に好ましい官能化されたリレン誘導体のための例は、以下のものである:
ペリレン−3,4:9,10−テトラカルボン酸ジイミド、ペリレンテトラカルボン酸、その塩及び無水物、ペリレンテトラカルボン酸モノイミド一無水物及びペリレンテトラカルボン酸(二無水物)もしくはペリレンテトラカルボン酸モノイミド一無水物と芳香族のα,ω−ジアミンとの、特に1,2−ジアミノベンゼン誘導体及び1,8−ジアミノナフタリン誘導体との縮合生成物;
テリレン−3,4:11,12−テトラカルボン酸ジイミド、テリレンテトラカルボン酸、その塩及び無水物、テリレンテトラカルボン酸モノイミド一無水物及びテリレンテトラカルボン酸(二無水物)もしくはテリレンテトラカルボン酸モノイミド一無水物と芳香族のα,ω−ジアミンとの、特に1,2−ジアミノベンゼン誘導体及び1,8−ジアミノナフタリン誘導体との縮合生成物;
クアテリレン−3,4:13,14−テトラカルボン酸ジイミド、クアテリレンテトラカルボン酸、その塩及び無水物、クアテリレンテトラカルボン酸モノイミド一無水物及びクアテリレンテトラカルボン酸(二無水物)もしくはクアテリレンテトラカルボン酸モノイミド一無水物と芳香族のα,ω−ジアミンとの、特に1,2−ジアミノベンゼン誘導体及び1,8−ジアミノナフタリン誘導体との縮合生成物;
ペンタリレン−3,4:15,16−テトラカルボン酸ジイミド及びヘキサリレン−3,4:17,18−テトラカルボン酸ジイミド;
ペリレン−3,4−ジカルボン酸イミド及びペリレンジカルボン酸、その塩、無水物及び芳香族のα,ω−ジアミンとの、特に1,2−ジアミノベンゼン誘導体及び1,8−ジアミノナフタリン誘導体との縮合生成物;
テリレン−3,4−ジカルボン酸イミド及びテリレンジカルボン酸、その塩、無水物及び芳香族のα,ω−ジアミンとの、特に1,2−ジアミノベンゼン誘導体及び1,8−ジアミノナフタリン誘導体との縮合生成物;
クアテリレン−3,4−ジカルボン酸イミド及びクアテリレンジカルボン酸、その塩、無水物及び芳香族のα,ω−ジアミンとの、特に1,2−ジアミノベンゼン誘導体及び1,8−ジアミノナフタリン誘導体との縮合生成物;
リレンテトラカルボン酸もしくはリレンテトラカルボン酸二無水物の縮合生成物は、一縮合生成物もしくは二縮合生成物であってよい。二縮合生成物は、対称形もしくは非対称形で存在してよく、一般に両方の形の混合物として存在する。
【0026】
特に好ましくは、上述のリレンテトラカルボン酸ジイミド及びリレンジカルボン酸イミドであり、その際、リレンテトラカルボン酸ジイミドが殊に好ましい。
【0027】
本発明によるリレン誘導体Iは、式
【化7】

で示される少なくとも1個の基によって置換されている。
【0028】
(チオ)フェノキシ基Aは、両方のオルト位で基Rによって置換されている。両方の基Rは、同一もしくは異なってよいが、好ましくは同一である。
【0029】
(チオ)フェノキシ基Aは、1箇所の、二箇所の又は全三箇所の他の環位置において、同一もしくは不同一の、水素とは異なる基R′によって置換されていてもよい。その際、好ましくは、パラ位における付加的な置換である。
【0030】
基Rは、冒頭に挙げたように、アルキル基(i)及びシクロアルキル基(ii)、アリールもしくはヘタリール基(iii)、(iv)又は置換基(v)であってよく、その際、前記の(i)及び(ii)の多くとも1個は1位に第三級炭素原子を有してよいが、好ましくは前記の(i)及び(ii)のいずれも1位に第三級炭素原子を有さず、前記の(iii)は、基−O−、−S−もしくは−NR2−を介して(チオ)フェノキシ基に結合されていてよい。
【0031】
可能な基R′は、基Rに相当し、その際、アルキル基及びシクロアルキル基は、ここでも、制限されることなく、第三級炭素原子を1位に有してよい。
【0032】
好ましい基R(及びR′)は、請求項2が引用され、特に好ましい基R(及びR′)は、請求項3が引用される。
【0033】
殊に好ましい基R′は、その際、アルキル基、シクロアルキル基及びフェニル基であり、とりわけ第二級もしくは第一級炭素原子を1位に有するアルキル基R′並びにメチル基、そして第二級炭素原子を1位に有するシクロアルキル基R′であり、その際、前記の第二級炭素原子を1位に有するアルキル基及びシクロアルキル基は、特に強調されるべきである。
【0034】
本発明による式中にある基R及びR′並びにR2〜R4のための例を更に以下に列記する。
【0035】
殊に好ましい基Aの例は、以下のものである:
2,6−ジメチルフェノキシ、2,6−ジエチルフェノキシ、2,6−ジイソプロピルフェノキシ、2,6−ジ(2−ブチル)フェノキシ、2,6−ジ(n−ブチル)フェノキシ、2,6−ジ(2−ヘキシル)フェノキシ、2,6−ジ(n−ヘキシル)フェノキシ、2,6−ジ(2−ドデシル)フェノキシ、2,6−ジ(n−ドデシル)フェノキシ、2,6−ジシクロヘキシルフェノキシ、2,6−ジフェニルフェノキシ、2,6−ジメチル−4−(n−ブチル)フェノキシ、2,6−ジエチル−4−(n−ブチル)フェノキシ、2,6−ジイソプロピル−4−(n−ブチル)フェノキシ、2,6−ジ(2−ブチル)−4−(n−ブチル)フェノキシ、2,4,6−トリ(n−ブチル)フェノキシ、2,6−ジ(2−ヘキシル)−4−(n−ブチル)フェノキシ、2,6−ジ(n−ヘキシル)−4−(n−ブチル)フェノキシ、2,6−ジ(2−ドデシル)−4−(n−ブチル)−フェノキシ、2,6−ジ(n−ドデシル)−4−(n−ブチル)フェノキシ、2,6−ジシクロヘキシル−4−(n−ブチル)フェノキシ、2,6−ジフェニル−4−(n−ブチル)フェノキシ、2,6−ジメチル−4−(n−ノニル)フェノキシ、2,6−ジエチル−4−(n−ノニル)フェノキシ、2,6−ジイソプロピル−4−(n−ノニル)フェノキシ、2,6−ジ(2−ブチル)−4−(n−ノニル)フェノキシ、2,6−ジ(2−ブチル)−4−(n−ノニル)フェノキシ、2,6−ジ(2−ヘキシル)−4−(n−ノニル)フェノキシ、2,6−ジ(n−ヘキシル)−4−(n−ノニル)フェノキシ、2,6−ジ(2−ドデシル)−4−(n−ノニル)フェノキシ、2,6−ジ(n−ドデシル)−4−(n−ノニル)フェノキシ、2,6−ジシクロヘキシル−4−(n−ノニル)フェノキシ、2,6−ジフェニル−4−(n−ノニル)フェノキシ、2,6−ジメチル−4−(n−オクタデシル)フェノキシ、2,6−ジエチル−4−(n−オクタデシル)フェノキシ、2,6−ジイソプロピル−4−(n−オクタデシル)フェノキシ、2,6−ジ(2−ブチル)−4−(n−オクタデシル)フェノキシ、2,6−ジ(2−ブチル)−4−(n−オクタデシル)フェノキシ、2,6−ジ(2−ヘキシル)−4−(n−オクタデシル)フェノキシ、2,6−ジ(n−ヘキシル)−4−(n−オクタデシル)フェノキシ、2,6−ジ(2−ドデシル)−4−(n−オクタデシル)フェノキシ、2,6−ジ(n−ドデシル)−4−(n−オクタデシル)フェノキシ、2,6−ジシクロヘキシル−4−(n−オクタデシル)フェノキシ、2,6−ジメチル−4−(t−ブチル)フェノキシ、2,6−ジエチル−4−(t−ブチル)フェノキシ、2,6−ジイソプロピル−4−(t−ブチル)フェノキシ、2,6−ジ(2−ブチル)−4−(t−ブチル)フェノキシ、2,6−ジ(n−ブチル)−4−(t−ブチル)フェノキシ、2,6−ジ(2−ヘキシル)−4−(t−ブチル)フェノキシ、2,6−ジ(n−ヘキシル)−4−(t−ブチル)フェノキシ、2,6−ジ(2−ドデシル)−4−(t−ブチル)フェノキシ、2,6−ジ(n−ドデシル)−4−(t−ブチル)フェノキシ、2,6−ジシクロヘキシル−4−(t−ブチル)フェノキシ、2,6−ジフェニル−4−(t−ブチル)フェノキシ、2,6−ジメチル−4−(t−オクチル)フェノキシ、2,6−ジエチル−4−(t−オクチル)フェノキシ、2,6−ジイソプロピル−4−(t−オクチル)フェノキシ、2,6−ジ(2−ブチル)−4−(t−オクチル)フェノキシ、2,6−ジ(n−ブチル)−4−(t−オクチル)フェノキシ、2,6−ジ(2−ヘキシル)−4−(t−オクチル)フェノキシ、2,6−ジ(n−ドデシル)−4−(t−オクチル)フェノキシ、2,6−ジ(2−ドデシル)−4−(t−オクチル)フェノキシ、2,6−ジ(n−ドデシル)−4−(t−オクチル)フェノキシ、2,6−ジシクロヘキシル−4−(t−オクチル)フェノキシ及び2,6−ジフェニル−4−(t−オクチル)フェノキシ;
2,6−ジメチルチオフェノキシ、2,6−ジエチルチオフェノキシ、2,6−ジイソプロピルチオフェノキシ、2,6−ジ(2−ブチル)チオフェノキシ、2,6−ジ(n−ブチル)チオフェノキシ、2,6−ジ(2−ヘキシル)チオフェノキシ、2,6−ジ(n−ヘキシル)チオフェノキシ、2,6−ジ(2−ドデシル)チオフェノキシ、2,6−ジ(n−ドデシル)チオフェノキシ、2,6−ジシクロヘキシルチオフェノキシ、2,6−ジフェニルチオフェノキシ、2,6−ジメチル−4−(n−ブチル)チオフェノキシ、2,6−ジエチル−4−(n−ブチル)チオフェノキシ、2,6−ジイソプロピル−4−(n−ブチル)チオフェノキシ、2,6−ジ(2−ブチル)−4−(n−ブチル)チオフェノキシ、2,4,6−トリ(n−ブチル)チオフェノキシ、2,6−ジ(2−ヘキシル)−4−(n−ブチル)チオフェノキシ、2,6−ジ(n−ヘキシル)−4−(n−ブチル)チオフェノキシ、2,6−ジ(2−ドデシル)−4−(n−ブチル)−チオフェノキシ、2,6−ジ(n−ドデシル)−4−(n−ブチル)チオフェノキシ、2,6−ジシクロヘキシル−4−(n−ブチル)チオフェノキシ、2,6−ジフェニル−4−(n−ブチル)チオフェノキシ、2,6−ジメチル−4−(n−ノニル)チオフェノキシ、2,6−ジエチル−4−(n−ノニル)チオフェノキシ、2,6−ジイソプロピル−4−(n−ノニル)チオフェノキシ、2,6−ジ(2−ブチル)−4−(n−ノニル)チオフェノキシ、2,6−ジ(2−ブチル)−4−(n−ノニル)チオフェノキシ、2,6−ジ(2−ヘキシル)−4−(n−ノニル)チオフェノキシ、2,6−ジ(n−ヘキシル)−4−(n−ノニル)チオフェノキシ、2,6−ジ(2−ドデシル)−4−(n−ノニル)チオフェノキシ、2,6−ジ(n−ドデシル)−4−(n−ノニル)チオフェノキシ、2,6−ジシクロヘキシル−4−(n−ノニル)チオフェノキシ、2,6−ジフェニル−4−(n−ノニル)チオフェノキシ、2,6−(ジメチル)−4−(n−オクタデシル)チオフェノキシ、2,6−(ジエチル)−4−(n−オクタデシル)チオフェノキシ、2,6−ジイソプロピル−4−(n−オクタデシル)チオフェノキシ、2,6−ジ(2−ブチル)−4−(n−オクタデシル)チオフェノキシ、2,6−ジ(2−ブチル)−4−(n−オクタデシル)チオフェノキシ、2,6−ジ(2−ヘキシル)−4−(n−オクタデシル)チオフェノキシ、2,6−ジ(n−ヘキシル)−4−(n−オクタデシル)チオフェノキシ、2,6−ジ(2−ドデシル)−4−(n−オクタデシル)チオフェノキシ、2,6−ジ(n−ドデシル)−4−(n−オクタデシル)チオフェノキシ、2,6−ジシクロヘキシル−4−(n−オクタデシル)チオフェノキシ、2,6−ジメチル−4−(t−ブチル)チオフェノキシ、2,6−ジエチル−4−(t−ブチル)チオフェノキシ、2,6−ジイソプロピル−4−(t−ブチル)チオフェノキシ、2,6−ジ(2−ブチル)−4−(t−ブチル)チオフェノキシ、2,6−ジ(n−ブチル)−4−(t−ブチル)チオフェノキシ、2,6−ジ(2−ヘキシル)−4−(t−ブチル)チオフェノキシ、2,6−ジ(n−ヘキシル)−4−(t−ブチル)チオフェノキシ、2,6−ジ(2−ドデシル)−4−(t−ブチル)チオフェノキシ、2,6−ジ(n−ドデシル)−4−(t−ブチル)チオフェノキシ、2,6−ジシクロヘキシル−4−(t−ブチル)チオフェノキシ、2,6−ジフェニル−4−(t−ブチル)チオフェノキシ、2,6−ジメチル−4−(t−オクチル)チオフェノキシ、2,6−ジエチル−4−(t−オクチル)チオフェノキシ、2,6−ジイソプロピル−4−(t−オクチル)チオフェノキシ、2,6−ジ(2−ブチル)−4−(t−オクチル)チオフェノキシ、2,6−ジ(n−ブチル)−4−(t−オクチル)チオフェノキシ、2,6−ジ(2−ヘキシル)−4−(t−オクチル)チオフェノキシ、2,6−ジ(n−ヘキシル)−4−(t−オクチル)チオフェノキシ、2,6−ジ(2−ドデシル)−4−(t−オクチル)チオフェノキシ、2,6−ジ(n−ドデシル)−4−(t−オクチル)チオフェノキシ、2,6−ジシクロヘキシル−4−(t−オクチル)チオフェノキシ及び2,6−ジフェニル−4−(t−オクチル)チオフェノキシ。
【0036】
本発明による基Aの他に、リレン誘導体Iは、更なる置換基をリレン骨格中に有してよい。
【0037】
更なる可能な置換基は、例えば(チオ)フェノキシ基Y
【化8】

であり、前記基Yは、少なくとも1つのオルト位において置換されておらず、かつ有利には主に置換基を有さない(R′=H)。
【0038】
更なる可能な置換基は、ハロゲン原子、例えばフッ素、塩素、臭素もしくはヨウ素、とりわけ塩素もしくは臭素である。一般に、ハロゲン原子は、当初にリレン骨格中に導入されていたハロゲン原子の基A(又はY)による交換が完全に行われていない場合に、リレン誘導体I中に含まれている。
【0039】
最後に、リレン誘導体Iは、環状アミノ基Pによって置換されていてもよい。
【0040】
置換基Pは、窒素原子を介して結合された5員ないし9員の環であり、前記環の炭素鎖は、1もしくは複数の基−O−、−S−、−NR2−、−CO−及び/又は−SO2−によって中断されていてよく、そこには、1もしくは2個の不飽和もしくは飽和の4員ないし8員の環が縮合されていてよく、その炭素鎖は、同様に、前記基及び/又は−N=によって中断されていてよく、その際、全環系は、ヒドロキシ、ニトロ、−NR34、−COOR3、−CONR34及び/又は−NR2COR3;C1〜C30−アルキル;C5〜C8−シクロアルキル;アリールもしくはヘタリールによって一置換もしくは多置換されていてよく、
前記のC1〜C30−アルキルの炭素鎖は、1もしくは複数の基−O−、−S−、−NR2−、−CO−及び/又は−SO2−によって中断されていてよく、かつ前記のC1〜C30−アルキルは、シアノ、ヒドロキシ、ニトロ、C1〜C6−アルコキシ、−COOR3、−CONR34、アリール(C1〜C18−アルキル及び/又はC1〜C6−アルコキシによって一置換もしくは多置換されていてよい)及び/又は窒素原子を介して結合された5員ないし7員の複素環式の基(更なるヘテロ原子を有してよく、芳香族であってよい)によって一置換もしくは多置換されていてよい;
前記のC5〜C8−シクロアルキルの炭素骨格は、1もしくは複数の基−O−、−S−及び/又は−NR2−によって中断されていてよく、かつ/又は前記のC5〜C8−シクロアルキルは、C1〜C6−アルキルによって一置換もしくは多置換されていてよい;
前記のアリールもしくはヘタリールは、それぞれ、C1〜C18−アルキル、C1〜C6−アルコキシ、シアノ、ニトロ、ハロゲン、−CONR34、−NR3COR4、−SO33、−SO2NR34及び/又はアリールアゾもしくはヘタリールアゾ(それぞれ、C1〜C10−アルキル、C1〜C6−アルコキシ又はシアノによって置換されていてよい)によって一置換もしくは多置換されていてよい。
【0041】
好ましくは、Pは、窒素原子を介して結合される、5員ないし7員の環を意味し、前記環の炭素鎖は、1もしくは複数の基−O−、−S−、−NR2−、−CO−及び/又は−SO2−によって中断されていてよく、前記環には、1もしくは2個の飽和もしくは不飽和の4員ないし8員の環が縮合されていてよく、前記環の炭素鎖は、同様に前記の基及び/又は−N=によって中断されていてよく、その際、全環系は、C1〜C24−アルキルによって一置換されていてよく、前記アルキルは、C1〜C18−アルキルを置換基として有してよいアリールによって置換されていてよい。
【0042】
特に好ましい基Pは、環状アミンのピペリジン、ピロリジン、ピペラジン、モルホリン及びチオモルホリン(1,4−チアジン)を基礎とし、その際、ピペリジン、ピロリジン、ピペラジン及びモルホリンが好ましく、ピペリジンが特に好ましい。
【0043】
環状の基礎アミンは、化学的に変性されていてよいが、好ましくは前記アミンは、変性されていない。化学的に変性された基礎アミンのための例として、詳細に、以下のものが挙げられる:
ピペリジン、2−及び3−メチルピペリジン、6−エチルピペリジン、2,6−及び3,5−ジメチルピペリジン、2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、4−ベンジルピペリジン、4−フェニルピペリジン、ピペリジン−4−オール、ピペリジン−4−カルボン酸、ピペリジン−4−カルボン酸メチルエステル、ピペリジン−4−カルボン酸エチルエステル、ピペリジン−4−カルボン酸アミド、2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−オン、2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イルアミン、デカヒドロキノリン及びデカヒドロイソキノリン;
ピロリジン、2−メチルピロリジン、2,5−ジメチルピロリジン、2,5−ジエチルピロリジン、トロパノール、ピロリジン−2−カルボン酸メチルエステル、ピロリジン−2−カルボン酸エチルエステル、ピロリジン−2−カルボン酸ベンジルエステル、ピロリジン−2−カルボン酸アミド、2,2,5,5−テトラメチルピロリジン−3−カルボン酸、2,2,5,5−テトラメチルピロリジン−3−カルボン酸メチルエステル、2,2,5,5−テトラメチルピロリジン−3−カルボン酸エチルエステル、2,2,5,5−テトラメチルピロリジン−3−カルボン酸ベンジルエステル、ピロリジン−3−イルアミン、(2,6−ジメチルフェニル)ピロリジン−2−イルメチルアミン、(2,6−ジイソプロピルフェニル)ピロリジン−2−イルメチルアミン及びドデカヒドロカルバゾール;
ピペラジン、ジケトピペラジン;1−ベンジルピペラジン、1−フェネチルピペラジン、1−シクロヘキシルピペラジン、1−フェニルピペラジン、1−(2,4−ジメチルフェニル)ピペラジン、1−(2−、3−及び4−メトキシフェニル)ピペラジン、1−(2−、3−及び4−エトキシフェニル)ピペラジン、1−(2−、3−及び4−フルオロフェニル)ピペラジン、1−(2−、3−及び4−クロロフェニル)ピペラジン、1−(2−、3−及び4−ブロモフェニル)ピペラジン、1−、2−及び3−ピリジン−2−イルピペラジン及び1−ベンゾ[1,3]ジオキソール−4−イルメチルピペラジン;
モルホリン、2,6−ジメチルモルホリン、3,3,5,5−テトラメチルモルホリン、モルホリン−2−及び−3−イルメタノール、モルホリン−2−及び−3−イル酢酸、モルホリン−2−及び−3−イル酢酸メチルエステル、モルホリン−2−及び−3−イル酢酸エチルエステル、3−モルホリン−3−イルプロピオン酸メチルエステル、3−モルホリン−3−イルプロピオン酸エチルエステル、3−モルホリン−3−イルプロピオン酸−t−ブチルエステル、モルホリン−2−及び−3−イルアセトアミド、3−モルホリン−3−イル−プロピオン酸アミド、3−ベンジルモルホリン、3−メチル−2−フェニルモルホリン、2−及び3−フェニルモルホリン、2−(4−メトキシフェニル)モルホリン、2−(4−トリフルオロメチルフェニル)モルホリン、2−(4−クロロフェニル)モルホリン、2−(3,5−ジクロロフェニル)モルホリン、モルホリン−2−及び−3−カルボン酸、モルホリン−3−カルボン酸メチルエステル、3−ピリジン−3−イルモルホリン、5−フェニルモルホリン−2−オン、2−モルホリン−2−イルエチルアミン及びフェノキサジン;
チオモルホリン、2−及び3−フェニルチオモルホリン、2−及び3−(4−メトキシフェニル)チオモルホリン、2−及び3−(4−フルオロフェニル)チオモルホリン、2−及び3−(4−トリフルオロメチルフェニル)チオモルホリン、2−及び3−(2−クロロフェニル)チオモルホリン、4−(2−アミノエチル)チオモルホリン、3−ピリジン−3−イルチオモルホリン、3−チオモルホリンカルボン酸、6,6−ジメチル−5−オキソ−3−チオモルホリンカルボン酸、3−チオモルホリノン及び2−フェニルチオモルホリン−3−オン並びにチオモルホリンオキシド及び−ジオキシド。
【0044】
置換基Pの導入によって、リレン誘導体Iの吸収の更なる深色のシフトがもたらされうる。
【0045】
リレン誘導体Iの上述の基による置換は、ペリレン誘導体、テリレン誘導体、クアテリレン誘導体、ペンタリレン誘導体及びヘキサリレン誘導体の例で詳細に説明されるべきである。
【0046】
ここで、本発明によるペリレン誘導体、テリレン誘導体及びクアテリレン誘導体は、好ましくは一般式Ia
【化9】

[式中、まだ定義していない置換基及び変数は、以下の意味を有する:
Bは、互いに、式(a)、(b)もしくは(c)
【化10】

の基に結合されて、6員環を形成するか、
両方の基は、水素もしくは基−COOMを意味するか、又は両方の基の一方が基AもしくはHalを意味し、かつもう一方の基が水素を意味する;
B′は、Bとは無関係に、互いに、式(a)、(b)もしくは(c)の基に結合されて、6員環を形成するか、
又は両方の基は、水素もしくは基−COOMを意味する;
Eは、1,2−フェニレン、1,8−もしくは2,3−ナフチレン又は2,3−もしくは3,4−ピリジレンを意味し、それぞれ、C1〜C12−アルキル、C1〜C6−アルコキシ、ヒドロキシ、ニトロ及び/又はハロゲンによって置換されていてよく、その際、基Eは、それらが式I中に多数ある場合には、同一もしくは異なってよい;
mは、0、1もしくは2を意味する;
nは、1〜8、とりわけ1〜6を意味する;
pは、0〜5を意味し、その際、n+p≦8が適用される;とりわけ1〜2を意味し、その際、n+p≦6が適用される;
yは、0〜5を意味し、その際、n+p+y≦8が適用される;とりわけ0〜5を意味し、その際、n+p+y≦6が適用される;
zは、0〜6を意味し、その際、n+p+y+z≦10が適用される;とりわけ0〜5を意味し、その際、n+p+y≦6が適用される]に相当する。
【0047】
変数n(置換基Aの数)、p(環状アミノ基Pの数)、y((チオ)フェノキシ基Yの数)及びz(ハロゲン原子Halの数)は、その際、個々のリレン誘導体Iaについて、特に以下の意味を有する:
ペリレン誘導体Ia(m=0):
nは、1〜4である;
pは、0〜2であり、その際、n+p≦4である;
yは、0〜4であり、その際、n+p+y≦4である;
zは、0〜4であり、その際、n+p+y+z≦6である。
【0048】
テリレン誘導体Ia(m=1):
nは、1〜6である;
pは、0〜3であり、その際、n+p≦6である;
yは、0〜3であり、その際、n+p+y≦6である;
zは、0〜5であり、その際、n+p+y+z≦8である。
【0049】
クアテリレン誘導体Ia(m=2):
nは、1〜8である;
pは、0〜5であり、その際、n+p≦8である;
yは、0〜5であり、その際、n+p+y≦8である;
zは、0〜6であり、その際、n+p+y+z≦10である。
【0050】
特に、変数n、p、y及びzの以下の意味が好ましい:
ペリレン誘導体Ia(m=0):
nは、1又は2である;
pは、0である;
yは、0である;
zは、0である。
【0051】
テリレン誘導体Ia(m=1):
nは、1〜4である;
pは、0である;
yは、0である;
zは、0〜3であり、その際、n+z≦4が適用される。
【0052】
クアテリレン誘導体Ia(m=2):
nは、1〜6である;
pは、0である;
yは、0である;
zは、0〜5であり、その際、n+z≦6が適用される。
【0053】
有利には、ペリレンテトラカルボン酸誘導体Iaは、二置換(とりわけ1,7−位又は1,6−位)又は四置換(とりわけ1,6,7,12−位)されており、有利には2個の基Aを含む。ペリレンジカルボン酸誘導体Iaの場合に、ペリ位(9位)の、特に基A又はハロゲン原子による更なる置換も可能である。
【0054】
テリレンテトラカルボン酸誘導体Iaは、有利には四置換(とりわけ1,6,9,14−位)されており、特に少なくとも2個の基Aを含む。テリレンジカルボン酸誘導体の場合にも、ペリ位(11位)での、とりわけハロゲン原子による置換が可能である。
【0055】
最後に、クアテリレンテトラカルボン酸誘導体Iaは、有利には四置換(とりわけ1,6,11,16−位)又は六置換(とりわけ1,6,8,11,16,18位又は1,6,8,11,16,19−位)されており、有利には4個の基Aを含む。ペリ位(13位)での、特にハロゲン原子による置換は、クアテリレンジカルボン酸誘導体の場合には、更にあらためて可能である。
【0056】
しばしば、リレン誘導体Iaは、前記の詳細に挙げた生成物がそれぞれ主割合をなしている、種々の置換度を有する生成物の混合物の形で生ずる。
【0057】
特に有利なリレン誘導体Iaは、ペリレン−、テリレン−及びクアテリレン−テトラカルボン酸ジイミド及びペリレン−、テリレン−及びクアテリレン−ジカルボン酸イミドであり、その際、リレンテトラカルボン酸ジイミドが殊に好ましい。
【0058】
特に、ジイミド及びモノイミドIaが好ましく、前記イミドIaは、そのイミド窒素原子で、同様にオルト,オルト′−二置換を有する、従って特に基A中に含まれるフェニル基に相当するアリール基によって置換されている。それというのも、前記のリレン誘導体Iaは、特に急勾配の吸収帯を示すからである。
【0059】
本発明によるペンタリレン誘導体及びヘキサリレン誘導体は、特に式Ib
【化11】

[式中、置換基及び変数D及びmは、以下の意味を有する:
Dは、水素、基Aもしくは基Yの同一もしくは異なる基を意味し、その際、基Dの少なくとも1個は、基Aを意味する;
mは、1又は2を意味する]に相当する。
【0060】
有利には、ペンタリレン誘導体及びヘキサリレン誘導体Ibは、それぞれ1,6,13,18−位もしくは1,6,15,20−位で四置換されており、有利には少なくとも2個の基Aを含む。
【0061】
一般に、リレン誘導体Ibは、前記の詳細に挙げた生成物がそれぞれ主割合をなしている、種々の置換度を有する生成物の混合物の形で生ずる。
【0062】
リレン誘導体Ibの場合にも、イミド窒素原子で、オルト,オルト′−二置換を有するアリール基によって置換されている誘導体が好ましい。それというのも、前記誘導体が明らかに急勾配な吸収帯を示すからである。
【0063】
最後に、本発明による式中にある基R、R′及びR1〜R4並びにそれらの置換基の例として、以下に詳細に挙げる:
メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、t−ブチル、ペンチル、イソペンチル、ネオペンチル、t−ペンチル、ヘキシル、2−メチルペンチル、ヘプチル、1−エチルペンチル、オクチル、2−エチルヘキシル、イソオクチル、ノニル、イソノニル、デシル、イソデシル、ウンデシル、ドデシル、トリデシル、イソトリデシル、テトラデシル、ペンタデシル、ヘキサデシル、ヘプタデシル、オクタデシル、ノナデシル及びエイコシル(前記の名称のイソオクチル、イソノニル、イソデシル及びイソトリデシルは、慣用名であり、オキソ合成により得られるアルコールに由来する);
2−メトキシエチル、2−エトキシエチル、2−プロポキシエチル、2−イソプロポキシエチル、2−ブトキシエチル、2−及び3−メトキシプロピル、2−及び3−エトキシプロピル、2−及び3−プロポキシプロピル、2−及び3−ブトキシプロピル、2−及び4−メトキシブチル、2−及び4−エトキシブチル、2−及び4−プロポキシブチル、3,6−ジオキサヘプチル、3,6−ジオキサオクチル、4,8−ジオキサノニル、3,7−ジオキサオクチル、3,7−ジオキサノニル、4,7−ジオキサオクチル、4,7−ジオキサノニル、2−及び4−ブトキシブチル、4,8−ジオキサデシル、3,6,9−トリオキサデシル、3,6,9−トリオキサウンデシル、3,6,9−トリオキサドデシル、3,6,9,12−テトラオキサトリデシル及び3,6,9,12−テトラオキサテトラデシル;
2−メチルチオエチル、2−エチルチオエチル、2−プロピルチオエチル、2−イソプロピルチオエチル、2−ブチルチオエチル、2−及び3−エチルチオプロピル、2−及び3−エチルチオプロピル、2−及び3−プロピルチオプロピル、2−及び3−ブチルチオプロピル、2−及び3−エチルチオプロピル、2−及び3−プロピルチオプロピル、2−及び3−ブチルチオプロピル、2−及び4−メチルチオブチル、2−及び4−エチルチオブチル、2−及び4−プロピルチオブチル、3,6−ジチアヘプチル、3,6−ジチアオクチル、4,8−ジチアノニル、3,7−ジチアオクチル、3,7−ジチアノニル、2−及び4−ブチルチオブチル、4,8−ジチアデシル、3,6,9−トリチアデシル、3,6,9−トリチアウンデシル、3,6,9−トリチアドデシル、3,6,9,12−テトラチアトリデシル及び3,6,9,12−テトラチアテトラデシル;
2−モノメチル−及び2−モノエチルアミノエチル、2−ジメチルアミノエチル、2−及び3−ジメチルアミノプロピル、3−モノイソプロピルアミノプロピル、2−及び4−モノプロピルアミノブチル、2−及び4−ジメチルアミノブチル、6−メチル−3,6−ジアザヘプチル、3,6−ジメチル−3,6−ジアザヘプチル、3,6−ジアザオクチル、3,6−ジメチル−3,6−ジアザオクチル、9−メチル−3,6,9−トリアザデシル、3,6,9−トリメチル−3,6,9−トリアザデシル、3,6,9−トリアザウンデシル、3,6,9−トリメチル−3,6,9−トリアザウンデシル、12−メチル−3,6,9,12−テトラアザトリデシル及び3,6,9,12−テトラメチル−3,6,9,12−テトラアザトリデシル;
(1−エチルエチリデン)アミノエチレン、(1−エチルエチリデン)アミノプロピレン、(1−エチルエチリデン)アミノブチレン、(1−エチルエチリデン)アミノデシレン及び(1−エチルエチリデン)アミノドデシレン;
プロパン−2−オン−1−イル、ブタン−3−オン−1−イル、ブタン−3−オン−2−イル及び2−エチルペンタン−3−オン−1−イル;
2−メチルスルホキシドエチル、2−エチルスルホキシドエチル、2−プロピルスルホキシドエチル、2−イソプロピルスルホキシドエチル、2−ブチルスルホキシドエチル、2−及び3−メチルスルホキシドプロピル、2−及び3−エチルスルホキシドプロピル、2−及び3−プロピルスルホキシドプロピル、2−及び3−ブチルスルホキシドプロピル、2−及び4−メチルスルホキシドブチル、2−及び4−エチルスルホキシドブチル、2−及び4−プロピルスルホキシドブチル並びに4−ブチルスルホキシドブチル;
2−メチルスルホニルエチル、2−エチルスルホニルエチル、2−プロピルスルホニルエチル、2−イソプロピルスルホニルエチル、2−ブチルスルホニルエチル、2−及び3−メチルスルホニルプロピル、2−及び3−エチルスルホニルプロピル、2−及び3−プロピルスルホニルプロピル、2−及び3−ブチルスルホニルプロピル、2−及び4−メチルスルホニルブチル、2−及び4−エチルスルホニルブチル、2−及び4−プロピルスルホニルブチル及び4−ブチルスルホニルブチル;
カルボキシメチル、2−カルボキシエチル、3−カルボキシプロピル、4−カルボキシブチル、5−カルボキシペンチル、6−カルボキシヘキシル、8−カルボキシオクチル、10−カルボキシデシル、12−カルボキシドデシル及び14−カルボキシテトラデシル;
スルホメチル、2−スルホエチル、3−スルホプロピル、4−スルホブチル、5−スルホペンチル、6−スルホヘキシル、8−スルホオクチル、10−スルホデシル、12−スルホドデシル及び14−スルホテトラデシル;
2−ヒドロキシエチル、2−及び3−ヒドロキシプロピル、1−ヒドロキシプロピ−2−イル、3−及び4−ヒドロキシブチル、1−ヒドロキシブチ−2−イル及び8−ヒドロキシ−4−オキサオクチル;
2−シアノエチル、3−シアノプロピル、3−及び4−シアノブチル、2−メチル−3−エチル−3−シアノプロピル、7−シアノ−7−エチルヘプチル及び4−メチル−7−メチル−7−シアノヘプチル;
2−クロロエチル、2−及び3−クロロプロピル、2−、3−及び4−クロロブチル、2−ブロモエチル、2−及び3−ブロモプロピル及び2−、3−及び4−ブロモブチル;
2−ニトロエチル、2−及び3−ニトロプロピル及び2−、3−及び4−ニトロブチル;
メトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、ブトキシ、イソブトキシ、s−ブトキシ、t−ブトキシ、ペントキシ、イソペントキシ、ネオペントキシ、t−ペントキシ及びヘキソキシ;
メチルチオ、エチルチオ、プロピルチオ、イソプロピルチオ、ブチルチオ、イソブチルチオ、s−ブチルチオ、t−ブチルチオ、ペンチルチオ、イソペンチルチオ、ネオペンチルチオ、t−ペンチルチオ及びヘキシルチオ;
エチニル、1−及び2−プロピニル、1−、2−及び3−ブチニル、1−、2−、3−及び4−ペンチニル、1−、2−、3−、4−及び5−ヘキシニル、1−、2−、3−、4−、5−、6−、7−、8−及び9−デシニル、1−、2−、3−、4−、5−、6−、7−、8−、9−、10−及び11−ドデシニル及び1−、2−、3−、4−、5−、6−、7−、8−、9−、10−、11−、12−、13−、14−、15−、16−及び17−オクタでシニル;
エテニル、1−及び2−プロペニル、1−、2−及び3−ブテニル、1−、2−、3−及び4−ペンテニル、1−、2−、3−、4−及び5−ヘキセニル、1−、2−、3−、4−、5−、6−、7−、8−及び9−デセニル、1−、2−、3−、4−、5−、6−、7−、8−、9−、10−及び11−ドデセニル及び1−、2−、3−、4−、5−、6−、7−、8−、9−、10−、11−、12−、13−、14−、15−、16−及び17−オクタデセニル;
メチルアミノ、エチルアミノ、プロピルアミノ、イソプロピルアミノ、ブチルアミノ、イソブチルアミノ、ペンチルアミノ、ヘキシルアミノ、ジメチルアミノ、メチルエチルアミノ、ジエチルアミノ、ジプロピルアミノ、ジイソプロピルアミノ、ジブチルアミノ、ジイソブチルアミノ、ジペンチルアミノ、ジヘキシルアミノ、ジシクロペンチルアミノ、ジシクロヘキシルアミノ、ジシクロヘプチルアミノ、ジフェニルアミノ及びジベンジルアミノ;
ホルミルアミノ、アセチルアミノ、プロピオニルアミノ及びベンゾイルアミノ;
カルバモイル、メチルアミノカルボニル、エチルアミノカルボニル、プロピルアミノカルボニル、ブチルアミノカルボニル、ペンチルアミノカルボニル、ヘキシルアミノカルボニル、ヘプチルアミノカルボニル、オクチルアミノカルボニル、ノニルアミノカルボニル、デシルアミノカルボニル及びフェニルアミノカルボニル;
アミノスルホニル、N,N−ジメチルアミノスルホニル、N,N−ジエチルアミノスルホニル、N−メチル−N−エチルアミノスルホニル、N−メチル−N−ドデシルアミノスルホニル、N−ドデシルアミノスルホニル、(N,N−ジメチルアミノ)エチルアミノスルホニル、N,N−(プロポキシエチル)ドデシルアミノスルホニル、N,N−ジフェニルアミノスルホニル、N,N−(4−t−ブチルフェニル)オクタデシルアミノスルホニル及びN,N−ビス(4−クロロフェニル)アミノスルホニル;
メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、プロポキシカルボニル、イソプロポキシカルボニル、ヘキソキシカルボニル、ドデシルオキシカルボニル、オクタデシルオキシカルボニル、フェノキシカルボニル、(4−t−ブチルフェノキシ)カルボニル及び(4−クロロフェノキシ)カルボニル;
メトキシスルホニル、エトキシスルホニル、プロポキシスルホニル、イソプロポキシスルホニル、ブトキシスルホニル、イソブトキシスルホニル、t−ブトキシスルホニル、ヘキソキシスルホニル、ドデシルオキシスルホニル、オクタデシルオキシスルホニル、フェノキシスルホニル、1−及び2−ナフチルオキシスルホニル、(4−t−ブチルフェノキシ)スルホニル及び(4−クロロフェノキシ)スルホニル;
ジフェニルホスフィノ、ジ(o−トリル)ホスフィノ及びジフェニルホスフィンオキシド;
塩素、臭素及びヨウ素;
フェニルアゾ、2−ナフチルアゾ、2−ピリジルアゾ及び2−ピリミジルアゾ;
シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、2−及び3−メチルシクロペンチル、2−及び3−エチルシクロペンチル、シクロヘキシル、2−、3−及び4−メチルシクロヘキシル、2−、3−及び4−エチルシクロヘキシル、3−及び4−プロピルシクロヘキシル、3−及び4−イソプロピルシクロヘキシル、3−及び4−ブチルシクロヘキシル、3−及び4−s−ブチルシクロヘキシル、3−及び4−t−ブチルシクロヘキシル、シクロヘプチル、2−、3−及び4−メチルシクロヘプチル、2−、3−及び4−エチルシクロヘプチル、3−及び4−プロピルシクロヘプチル、3−及び4−イソプロピルシクロヘプチル、3−及び4−ブチルシクロヘプチル、3−及び4−s−ブチルシクロヘプチル、3−及び4−t−ブチルシクロヘプチル、シクロオクチル、2−、3−、4−及び5−メチルシクロオクチル、2−、3−、4−及び5−エチルシクロオクチル及び3−、4−及び5−プロピルシクロオクチル;3−及び4−ヒドロキシシクロヘキシル、3−及び4−ニトロシクロヘキシル及び3−及び4−クロロシクロヘキシル;
1−、2−及び3−シクロペンテニル、1−、2−、3−及び4−シクロヘキセニル、1−、2−及び3−シクロヘプテニル及び1−、2−、3−及び4−シクロオクテニル;
2−ジオキサニル、1−モルホリニル、1−チオモルホリニル、2−及び3−テトラヒドロフリル、1−、2−及び3−ピロリジニル、1−ピペラジル、1−ジケトピペラジル及び1−、2−、3−及び4−ピペリジル;
フェニル、2−ナフチル、2−及び3−ピリル、2−、3−及び4−ピリジル、2−、4−及び5−ピリミジル、3−、4−及び5−ピラゾリル、2−、4−及び5−イミダゾリル、2−、4−及び5−チアゾリル、3−(1,2,4−トリアジル)、2−(1,3,5−トリアジル)、6−キナルジル、3−、5−、6−及び8−キノリニル、2−ベンゾオキサゾリル、2−ベンゾチアゾリル、5−ベンゾチアジアゾリル、2−及び5−ベンゾイミダゾリル及び1−及び5−イソキノリル;
1−、2−、3−、4−、5−、6−及び7−インドリル、1−、2−、3−、4−、5−、6−及び7−イソインドリル、5−(4−メチルイソインドリル)、5−(4−フェニルイソインドリル)、1−、2−、4−、6−、7−及び8−(1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリニル)、3−(5−フェニル)−(1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリニル)、5−(3−ドデシル−(1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリニル)、1−、2−、3−、4−、5−、6−、7−及び8−(1,2,3,4−テトラヒドロキノリニル)及び2−、3−、4−、5−、6−、7−及び8−クロマニル、2−、4−及び7−キノリニル、2−(4−フェニルキノリニル)及び2−(5−エチルキノリニル);
2−、3−及び4−メチルフェニル、2,4−、3,5−及び2,6−ジメチルフェニル、2,4,6−トリメチルフェニル、2−、3−及び4−エチルフェニル、2,4−、3,5−及び2,6−ジエチルフェニル、2,4,6−トリエチルフェニル、2−、3−及び4−プロピルフェニル、2,4−、3,5−及び2,6−ジプロピルフェニル、2,4,6−トリプロピルフェニル、2−、3−及び4−イソプロピルフェニル、2,4−、3,5−及び2,6−ジイソプロピルフェニル、2,4,6−トリイソプロピルフェニル、2−、3−及び4−ブチルフェニル、2,4−、3,5−及び2,6−ジブチルフェニル、2,4,6−トリブチルフェニル、2−、3−及び4−イソブチルフェニル、2,4−、3,5−及び2,6−ジイソブチルフェニル、2,4,6−トリイソブチルフェニル、2−、3−及び4−s−ブチルフェニル、2,4−、3,5−及び2,6−ジ−s−ブチルフェニル及び2,4,6−トリ−s−ブチルフェニル;2−、3−及び4−メトキシフェニル、2,4−、3,5−及び2,6−ジメトキシフェニル、2,4,6−トリメトキシフェニル、2−、3−及び4−エトキシフェニル、2,4−、3,5−及び2,6−ジエトキシフェニル、2,4,6−トリエトキシフェニル、2−、3−及び4−プロポキシフェニル、2,4−、3,5−及び2,6−ジプロポキシフェニル、2−、3−及び4−イソプロポキシフェニル、2,4−及び2,6−ジイソプロポキシフェニル及び2−、3−及び4−ブトキシフェニル;2−、3−及び4−クロロフェニル及び2,4−、3,5−及び2,6−ジクロロフェニル;2−、3−及び4−ヒドロキシフェニル及び2,4−、3,5−及び2,6−ジヒドロフェニル;2−、3−及び4−シアノフェニル;3−及び4−カルボキシフェニル;3−及び4−カルボキサミドフェニル、3−及び4−N−メチルカルボキサミドフェニル及び3−及び4−N−エチルカルボキサミドフェニル;3−及び4−アセチルアミノフェニル、3−及び4−プロピオニルアミノフェニル及び3−及び4−ブチリルアミノフェニル;3−及び4−N−フェニルアミノフェニル、3−及び4−N−(o−トリル)アミノフェニル、3−及び4−(m−トリル)アミノフェニル及び3−及び4−(p−トリル)アミノフェニル;3−及び4−(2−ピリジル)アミノフェニル、3−及び4−(3−ピリジル)アミノフェニル、3−及び4−(4−ピリジル)アミノフェニル、3−及び4−(2−ピリミジル)アミノフェニル及び4−(4−ピリミジル)アミノフェニル;
4−フェニルアゾフェニル、4−(1−ナフチルアゾ)フェニル、4−(2−ナフチルアゾ)フェニル、4−(4−ナフチルアゾ)フェニル、4−(2−ピリイルアゾ)フェニル、4−(3−ピリジルアゾ)フェニル、4−(4−ピリジルアゾ)フェニル、4−(2−ピリミジルアゾ)フェニル、4−(4−ピリミジルアゾ)フェニル及び4−(5−ピリミジルアゾ)フェニル;
フェノキシ、フェニルチオ、2−ナフトキシ、2−ナフチルチオ、2−、3−及び4−ピリジルオキシ、2−、3−及び4−ピリジルチオ、2−、4−及び5−ピリミジルオキシ及び2−、4−及び5−ピリミジルチオ。
【0064】
本発明によるリレン誘導体Iの特徴である置換基Aは、有利には、相応のハロゲン化された(有利には塩素化された、又はとりわけ臭素化された)リレン誘導体と、一般式II
【化12】

で示されるオルト,オルト′−二置換された(チオ)フェノールHAとを反応させることによって、リレン骨格中に導入することができる。
【0065】
前記反応は、適宜、塩基及び非求核性の溶剤の存在下で実施される。
【0066】
しかしながら、(チオ)フェノールHAを、予め(チオ)フェノレートに変換させてもよい。この場合に、求核置換において、塩基の存在を省くことができる。
【0067】
不完全なハロゲン交換によって、前記のようにして、基Aもハロゲン原子も環系上の置換基として有するリレン誘導体を得ることもできる。
【0068】
ハロゲン化されたリレン誘導体での求核置換は、基Aの他に別の付加的な置換基を有するリレン誘導体Iを製造する可能性をも提供する。
【0069】
ここで、基Aも、オルト,オルト′−二置換されていない他の(チオ)フェノキシ基も置換基として有するリレン誘導体Iは、容易に、(チオ)フェノールHAもしくはHYでの(チオ)フェノキシル化と、それぞれの別の(チオ)フェノールHYもしくはHAとの補足的な反応又は両方の(チオ)フェノールとの並行反応とによって製造することができる。
【0070】
付加的な置換基として環状アミノ基Pを有するリレン誘導体Iは、同様に、従ってオルト,オルト′−二置換された(チオ)フェノールHAでの(チオ)フェノキシル化と、アミンHPとの補足的な反応とによって、又はまずアミンHPとの部分的な反応と、次いで補足的な(チオ)フェノキシル化とによって、又はしかしながらハロゲン化されたリレン誘導体とHA及びHPとの並行反応によって得ることができる。
【0071】
少なくとも3個の異なる置換基の組み合わせを有するリレン誘導体Iは、もちろん相応して製造できる。
【0072】
ハロゲン化されたリレン誘導体と(チオ)フェノールHAとの反応は、以下で、ペリレン−、テリレン−及びクアテリレン−テトラカルボン酸ジイミド及び−ジカルボン酸モノイミド(以下に、"リレンカルボン酸イミド"と呼称する)の例で詳細に記載する。
【0073】
非求核性の溶剤としては、前記の反応のためには、とりわけ極性の非プロトン性の溶剤、特に脂肪族のカルボン酸アミド(有利には、N,N−ジ−C1〜C4−アルキル−C1〜C4−カルボン酸アミド)及びラクタム、例えばジメチルホルムアミド、ジエチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、ジメチルブチルアミド及びN−メチルピロリドンが適している。
【0074】
非求核性溶剤としては、また、非極性非プロトン性溶剤を使用してもよいが、この溶剤は好ましくない。例としては、芳香族炭化水素、例えばベンゼン、トルエン及びキシレンが挙げられる。
【0075】
もちろん、溶剤混合物を使用することもできる。
【0076】
溶剤の量は、ハロゲン化されたリレン誘導体の可溶性に依存する。一般に、ハロゲン化されたリレン誘導体の1gあたりに、2〜200ml、特に3〜150mlの溶剤が必要となる。
【0077】
塩基としては、とりわけ無機の及び有機のアルカリ金属含有のもしくはアルカリ土類金属含有の塩基が適しており、その際、アルカリ金属含有の塩基が特に適している。無機塩基のための例は、アルカリ金属の及びアルカリ土類金属の炭酸塩及び炭酸水素塩、水酸化物、水素化物及びアミドである。有機塩基のための例は、アルカリ金属の及びアルカリ土類金属を基礎とする、アルコレート(特にC1〜C10−アルコレート、とりわけt−C4〜C6−アルコレート)、(フェニル)アルキルアミド(特にビス(C1〜C4−アルキル)アミド)及びトリフェニルメチルメタレートである。好ましい塩基は、炭酸塩及び炭酸水素塩であり、その際、炭酸塩が特に好ましい。好ましいアルカリ金属は、リチウム、ナトリウム、カリウム及びセシウムであり、特に適したアルカリ土類金属は、マグネシウム及びカルシウムである。
【0078】
金属含有の塩基のための例として、詳細に挙げる:炭酸リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム及び炭酸セシウム;炭酸水素ナトリウム及び炭酸水素カリウム;水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム及び水酸化セシウム;水素化リチウム、水素化ナトリウム及び水素化カリウム;リチウムアミド、ナトリウムアミド及びカリウムアミド;リチウムメチレート、ナトリウムメチレート、カリウムメチレート、リチウムエチレート、ナトリウムエチレート、カリウムエチレート、ナトリウムイソプロピレート、カリウムイソプロピレート、ナトリウム−t−ブチレート、カリウム−t−ブチレート、リチウム(1,1−ジメチル)オクチレート、ナトリウム(1,1−ジメチル)オクチレート及びカリウム(1,1−ジメチル)オクチレート;リチウムジメチルアミド、リチウムジエチルアミド、リチウムジイソプロピルアミド、ナトリウムジイソプロピルアミド、リチウムヘキサメチルジシラジド、ナトリウムヘキサメチルジシラジド、カリウムヘキサメチルジシラジド、トリフェニルメチルリチウム、トリフェニルメチルナトリウム及びトリフェニルメチルカリウム。
【0079】
これらの金属含有塩基の他に、純粋に有機的な窒素含有の塩基も適している。
【0080】
このために適した例は、アルキルアミン、特にトリ(C2〜C6−アルキル)アミン、例えばトリエチルアミン、トリプロピルアミン及びトリブチルアミン、アルコールアミン、特にモノ−、ジ−及びトリ−(C2〜C4−アルコール)アミン、例えばモノ−、ジ−及びトリエタノールアミン、及び複素環式の塩基、例えばピリジン、4−(N,N−ジメチルアミノ)ピリジン、(4−ピロリジノ)ピリジン、N−メチル−ピペリジン、N−メチルピペリドン、N−メチルモルホリン、N−メチル−2−ピロリドン、ピリミジン、キノリン、イソキノリン、キナルジン、ジアザビシクロオクタン(DABCO)、ジアザビシクロノネン(DBN)及びジアザビシクロウンデセン(DBU)である。
【0081】
もちろん、塩基混合物を使用することもできる。
【0082】
殊に好ましい塩基は、炭酸リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム及び炭酸セシウムである。
【0083】
一般に、(チオ)フェノールHAの1モルあたり、0.4当量の塩基が必要となる。特に好適な使用量は、金属塩基については、HAの1モルあたりに、0.4〜3当量、特に0.4〜1.2当量である。純粋に有機的な塩基の場合に、使用量は、HAの1モルあたりに、有利には0.4〜10当量、特に有利には0.4〜3当量である。有機塩基を溶剤として同時に使用する場合に、これは特に複素環式の塩基の場合であるが、量的な制限は、もちろん不必要である。
【0084】
反応は、相転移触媒の存在下で実施できる。
【0085】
相転移触媒としては、とりわけ第四級アンモニウム塩及びホスホニウム塩、例えばテトラ(C1〜C8−アルキル)アンモニウムハロゲニド及び−テトラフルオロボレート、ベンジルトリ(C1〜C8−アルキル)アンモニウムハロゲニド及び−テトラフルオロボレート、並びにテトラ(C1〜C8−アルキル)−及びテトラフェニルホスホニウムハロゲニド及びクラウンエーテルが適している。ハロゲニドは、一般に、フッ化物、塩化物、臭化物及びヨウ化物であり、その際、塩化物及び臭化物が好ましい。特に適した例は、詳細には、テトラエチルアンモニウムクロリド、テトラブチルアンモニウムブロミド、テトラブチルアンモニウムヨージド、テトラブチルアンモニウムテトラフルオロボレート及びベンジルトリエチルアンモニウムクロリド、テトラブチルホスホニウムブロミド及びテトラフェニルホスホニウムクロリド及び−ブロミド、18−クラウン−6、12−クラウン−4及び15−クラウン−5である。
【0086】
相転移触媒が使用される場合に、その使用量は、通常は、(チオ)フェノールの1モルあたりに、0.4〜10当量、特に0.4〜3当量である。
【0087】
一般に、交換されるべきハロゲン原子の1モルあたりに、1〜10モル、有利には1〜5モルの(チオ)フェノールHAが使用される。ハロゲン原子の部分的な交換のみが行われることが望ましい場合には、(チオ)フェノール量は、交換されるべきハロゲン原子の1モルあたりに、1〜1.5モル、有利には1〜1.2モルにまで低下させることが推奨される。
【0088】
反応温度は、基質の反応性に依存し、そして一般には、30〜150℃の範囲にある。
【0089】
反応時間は、通常は0.5〜96時間、特に2〜72時間である。
【0090】
プロセス工学的には、種々の手段をとることができる。反応相手をまず混合して、次いで一緒に反応温度にまで加温することができる。特に、より高い置換度を達成するために、まず(チオ)フェノールHAの一部のみと塩基を入れ、そして残りを、場合により、より反応性の位置で反応された生成物の中間単離の後にはじめて後に添加することが好ましいことがある。
【0091】
得られたリレンカルボン酸イミドIaの単離は、無機塩基を使用した場合には、以下のように行うことができる:
沈殿した無機塩をまず濾別し、次いでリレンカルボン酸イミドIaを、脂肪族アルコール、例えばメタノール、エタノール、イソプロパノール、ブタノール又はエチレングリコールモノブチルエーテルの添加によるか、水もしくは水/アルコール混合物の添加によるか、又は溶剤の蒸発によって沈殿させ、引き続き濾別することができる。
【0092】
しかしながら、無機塩を、沈殿したリレンカルボン酸イミドIaと一緒に濾別し、そして水での洗浄及び/又は希釈された無機酸、例えば塩酸又は硫酸での洗浄によって洗出させることができる。
【0093】
所望であれば、得られたリレンカルボン酸イミドIaを、付加的な精製のために、濾過又はシリカゲル上でのカラムクロマトグラフィーに供することもできる。溶出剤としては、その場合に、特に、ハロゲン化された脂肪族炭化水素、例えば塩化メチレン及びクロロホルム、脂肪族及び芳香族の炭化水素、例えばシクロヘキサン、石油エーテル、ベンゼン、トルエン及びキシレン、脂肪族アルコール、例えばメタノール及びエタノール並びに脂肪族カルボン酸エステル、例えば酢酸エチルエステルが適しており、これらは、有利には混合物の形で使用される。
【0094】
部分的にのみ(チオ)フェノキシル化されたリレンカルボン酸イミドIaの場合に、なおも含まれるハロゲンは、所望であれば除去することができる。これは、好ましくは、WO−A−02/76988号に記載されるように、遷移金属触媒による、反応条件下で不活性な溶剤の存在下での、又は不活性な窒素塩基性もしくは芳香族の溶剤の存在下で塩基誘導させた、還元的脱ハロゲン化によって実施できる。
【0095】
脱ハロゲン化は、反応生成物の単離の前に、(チオ)フェノキシル化で生じた反応混合物中で行うことができる。しかしながら、所望であれば、該反応生成物は、まず中間単離をして、場合により更に精製することもできる。塩基誘導された脱ハロゲン化は、(チオ)フェノキシル化と直接的に結合してもよく、その際、初めから強塩基をより大量に使用し、そして反応混合物を(チオ)フェノキシル化を行った後により高温に加熱する。
【0096】
還元的脱ハロゲン化のためには、還元剤として、とりわけ錯水素化物、特にホウ水素化物、例えばホウ水素化ナトリウム及び元素の水素が適している。
【0097】
還元剤の量は、錯水素化物の場合には、一般に、脱離されるハロゲン原子の1モルあたりに、1〜8当量、有利には2〜5当量である。
【0098】
水素による還元の場合には、反応が終わるまで多くの水素が添加される。この場合に、水素圧1〜100バールで作業されるが、一般に水素圧は、1バール付近で十分である。
【0099】
還元剤として錯水素化物を使用する場合に、遷移金属触媒として、特にパラジウム化合物、例えばパラジウムアセテート、ジクロロ(1,5−シクロオクタジエン)パラジウム(II)、ジクロロ[1,1′−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]パラジウム(II)、トリ(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)及びテトラキス(トリス−o−トリルホスフィン)パラジウム(0)が適している。
【0100】
還元剤として水素を使用する場合には、同様に、上述の遷移金属を使用してよいが、有利には活性炭上パラジウムが使用される。
【0101】
一般に、脱離されるハロゲン原子の1モルあたりに、0.5〜10モル%、有利には0.5〜5モル%の触媒が使用される。
【0102】
不活性溶剤としては、特に、脂肪族カルボン酸ニトリル、例えばアセトニトリル及びプロピオニトリル、脂肪族カルボン酸アミド、例えばN,N−ジメチルホルムアミド及びN,N−ジメチルアセトアミド及びラクタム、た問えばN−メチルピロリドンが適している。
【0103】
溶剤量は、一般に、脱ハロゲン化されるリレンカルボン酸イミドIaの1gあたりに、10〜100mlの溶剤である。
【0104】
錯水素化物での還元的な脱ハロゲン化の場合に、保護ガス下で作業することが推奨される。
【0105】
反応温度は、錯水素化物を使用する場合には、通常は、20〜100℃であり、水素による還元の場合には、20〜50℃である。
【0106】
反応時間は、一般に、5〜100時間、有利には12〜60時間である。
【0107】
還元的脱ハロゲン化は、直接的に(チオ)フェノキシル化に引き続き行うことができ、その際、反応混合物を室温に冷却し、還元剤及び触媒を添加し、次いで該混合物を所望の反応温度に加熱する。しかしながら、所望であれば、(チオ)フェノキシル化された生成物を、まず中間単離して、場合により更に精製することもできる。
【0108】
塩基誘導された脱ハロゲン化のためには、塩基として、特にアルカリ金属水酸化物、例えば水酸化カリウム及び水酸化ナトリウム、アルカリ金属炭酸塩、炭酸カリウム、炭酸ナトリウム及び炭酸セシウム、第二級の及び第三級のアルコールのアルカリ金属アルコレート、例えばリチウム−、ナトリウム−及びカリウムイソプロピレート及び−t−ブチレート並びに立体障害窒素塩基、例えばDABCO、DBN及びDBUが適している。
【0109】
一般に、脱離されるハロゲン原子の1モルあたりに、1〜3当量、有利には1〜1.5当量の塩基が使用される。
【0110】
溶剤としては、(チオ)フェノキシル化の場合と同じ溶剤を使用することができる。
【0111】
溶剤量は、目的に応じて、脱ハロゲン化されるリレンカルボン酸イミドIaの1gあたりに、2〜200ml、特に3〜100mlである。
【0112】
反応温度は、通常は、50〜200℃、有利には60〜130℃の範囲である。
【0113】
脱ハロゲン化は、保護ガス下で行うことが推奨される。
【0114】
塩基誘導された脱ハロゲン化は、一般に、5〜72時間、とりわけ10〜48時間で完了する。
【0115】
本発明による官能化された全てのペリレン−、テリレン−及びクアテリレン誘導体Iaの製造のためには、有利には、例えば、WO−A−97/22607号、WO−A−03/104232号及びWO−A−96/22332号に記載されている相応のハロゲン化されたリレンテトラカルボン酸ジイミドから出発する。
【0116】
(チオ)フェノキシル化の後に、ジアミドを、次いで、所望であれば、鹸化によって、リレンテトラカルボン酸二無水物Ia又はリレンテトラカルボン酸モノイミド一無水物Iaに変換することができる。
【0117】
リレンテトラカルボン酸モノイミド一無水物Iaを、脱カルボキシル化して、リレンジカルボン酸イミドIaを得て、該イミドから、再び鹸化によって相応のリレンジカルボン酸無水物Iaを得ることができる。
【0118】
もちろん、リレンジカルボン酸イミドIaを、前記のように、ハロゲン化されたリレンジカルボン酸イミドの(チオ)フェノキシル化によって製造することもできる。
【0119】
リレンテトラカルボン酸二無水物Iaは、脱カルボキシル化によって変換して、官能化されていないリレンIaにすることができ、又は芳香族ジアミンH2N−E−NH2との反応によって変換して、相応の二縮合生成物及び一縮合生成物とすることができる。
【0120】
リレンテトラカルボン酸モノイミド一無水物Iaから、最後に芳香族ジアミンH2N−E−NH2との反応によって、相応のリレンテトラカルボン酸モノイミド半縮合生成物が得られる。
【0121】
前記の再官能化の結果は、テリレン誘導体及びクアテリレン誘導体の例で、旧ドイツ国特許出願第10 2005 021362.6号に記載されている。
【0122】
本発明によるペンタリレン−及びヘキサリレンテトラカルボン酸ジイミドIbは、最後に、基A(及び所望であれば基Y)で置換されたペリレン−及びテリレンジカルボン酸イミドのカップリング反応によって、もしくは相応して置換されたテリレンジカルボン酸イミドのホモカップリングによって得ることができる。前記のカップリング反応は、旧ドイツ国特許出願第10 2005 018241.0号に詳細に記載されている。
【0123】
本発明によるリレン誘導体Iは、急勾配の吸収帯を特徴としている。従って、該誘導体は、ブリリアントな吸収色相もしくは蛍光色相を呈する。蛍光を発する本発明によるリレン誘導体Iは、更に、蛍光量子収率が高められている。同時に、その吸収極大は、基Aによって置換されていないそれぞれ相応の個々のものに対して長波長にシフトしており、これは、多くの用途について、入射光のより改善された利用性をもたらす。
【0124】
本発明によるリレン誘導体Iは、問題なく、有機材料及び無機材料に導入でき、かつ従って全ての一連の使用目的のためにも適しており、その使用目的のうちの幾つかを以下に例示する。
【0125】
これらは、一般に、塗料、印刷インキ及びプラスチックの着色の為に使用できる。
【0126】
ペリレン誘導体及びテリレン誘導体Iは、電磁スペクトルの可視領域に吸収を示し、その際特に、ペリレン誘導体Iの場合に電磁スペクトルの可視領域にあるその蛍光の点で優れている。
【0127】
より高級のリレン誘導体Iは、特にその吸収能に基づき、電磁スペクトルの近赤外領域において関心が持たれている。
【0128】
本発明によるリレン誘導体Iは、電磁線を吸収及び/又は放出する水性ポリマー分散液の製造のために使用することができる。蛍光を発するポリマー分散液は、テリレン誘導体I及び、特にペリレン誘導体Iの場合に生ずるが、一方でより高級の同族体の場合に、電磁スペクトルの近赤外領域において吸収を示すポリマー分散液が得られる。
【0129】
更に、特により高級のリレン誘導体Iは、電磁スペクトルの近赤外領域におけるその顕著な吸収に基づき、ヒトの眼に視認できない紫外光を吸収する標識及びマーキングの作製のために、熱管理のための赤外線吸収体として、かつプラスチック部材の溶接処理に際してのIRレーザ放射線吸収性材料として適している。前記の用途は、例えばDE−A−10 2004 018547号及びWO−A−02/77081号及びWO−A−04/05427号に詳細に記載されている。
【0130】
より高級のリレン誘導体Iは、有利には、レーザ標識及びレーザ表記のためにも使用できる。この場合に、リレン誘導体Iによって吸収されたレーザ光は、プラスチックの加熱をもたらし、その加熱は、その発泡又は付加的に含まれる色素の転化を引き起こし、こうして標識もしくは表記がなされる。
【0131】
更に、本発明によるリレン誘導体Iは、有機電子機器における半導体として使用することができる。前記の分野に属する幾つかの使用例は、電界効果トランジスタ及び電子写真である。
【0132】
本発明によるリレン誘導体Iは、ディスプレイ用途のためのフィルタ又は発光体としても使用することができる。その際、可視領域に吸収を示し、蛍光を発するリレン誘導体I、従ってとりわけペリレン誘導体Iは、LCDディスプレイ及びOLEDディスプレイ用の吸収性のカラーフィルタとして又は蛍光性の発光体として関心が持たれる一方で、NIRに吸収を示すより高級のリレン誘導体Iは、特にNIR放射線に対する保護フィルタとして機能しうる。
【0133】
最後に、リレン誘導体Iは、また、化学発光における発光体としても使用することができる。ここで、改めて、ペリレンを及びテリレンを基礎とする蛍光色素が特に適している。
【0134】
ペリレンを基礎とする及びテリレンを基礎とする蛍光色素は、更に、検出法における、特に生存細胞を含む生物学的試料の診断法及び分析法における標識基として関心が持たれている。
【0135】
とりわけ、本発明によるリレン誘導体I、特にペリレン誘導体を及びテリレン誘導体は、従って光電池における活性成分としても使用することができる。
【0136】
実施例
実施例1: N,N′−ビス(2,6−ジイソプロピルフェニル)−1,7−及び−1,6−ビス(2,6−ジイソプロピルフェノキシ)ペリレン−3,4:9,10−テトラカルボン酸ジイミド(Ia1)
2.6g(3ミリモル)の、N,N′−ビス(2,6−ジイソプロピルフェニル)−1,7−及び−1,6−ジブロモペリレン−3,4:9,10−テトラカルボン酸ジイミドの混合物(異性体比 75:25)と1.39g(7.5ミリモル)の2,6−ジイソプロピルフェノールを150mlのN−メチルピロリドン中に入れた混合物に、1.24g(9ミリモル)の炭酸カリウムを添加した。次いで、該混合物を95℃にまで加熱し、そして前記温度で4時間撹拌した。室温にまで冷却した後に、ゆっくりと150mlの水を添加した。更に1時間撹拌した後に、沈殿した生成物を濾別し、続けて少しずつ、全体で300mlの10質量%硫酸で、水で、そして少量のエタノールで洗浄し、そして真空中で乾燥させた。
【0137】
2.4g(75%)のリレン誘導体混合物Ia1が、紫色の固体の形で得られ、それを更なる精製のために、シリカゲル上での、溶出剤としてトルエンを用いたカラムクロマトグラフィーに供した。
【0138】
吸収:λmax(CH2Cl2)=557nm;
放出:λmax(CH2Cl2)=575nm。
【0139】
Ia1のUVスペクトルは、N,N′−ビス(2,6−ジイソプロピルフェニル)−1,7−及び−1,6−ビス(4−t−オクチルフェノキシ)ペリレン−3,4:9,10−テトラカルボン酸ジイミド(V1)の混合物のUVスペクトルと比較して、長波長にシフトした吸収極大(V1:λmax(吸収)(CH2Cl2)=543nm)を有する明らかにより急勾配の吸収帯を示す。
【0140】
リレン誘導体混合物Ia1及びV1を、それぞれ0.02質量%でPMMAに入れ、そして5.5×5.5cmの辺長の射出成形体に加工した。
【0141】
リレン誘導体混合物Ia1を含む射出成形体は、明らかにより高い端蛍光(Kantenfluoreszenz)を示し、明らかにブリリアントな青色の色相を呈した。
【0142】
実施例2: N,N′−ビス(2,6−ジイソプロピルフェニル)−1,6,9,14−テトラ(2,6−ジイソプロピルフェノキシ)テリレン−3,4:11,12−テトラカルボン酸ジイミド(Ia2)
3.45g(3ミリモル)のN,N′−ビス(2,6−ジイソプロピルフェニル)−1,6,9,14−テトラブロモテリレン−3,4:11,12−テトラカルボン酸ジイミドと2.8g(15ミリモル)の2,6−ジイソプロピルフェノールを200mlのN−メチルピロリドン中に入れた混合物に、2.48g(18ミリモル)の炭酸カリウムを添加した。次いで、該混合物を80℃にまで加熱し、そして前記温度で5時間撹拌した。室温にまで冷却した後に、50mlの水を添加した。更に10時間撹拌した後に、沈殿した生成物を濾別し、まず少しずつ、全体で400mlの10質量%硫酸で、引き続き水で中性になるまで洗浄し、そして真空中で乾燥させた。
【0143】
4.25g(92%)のリレン誘導体Ia2が、緑色の固体の形で得られ、それを更なる精製のために、シリカゲル上での、溶出剤としてトルエンを用いたカラムクロマトグラフィーに供した。
【0144】
f値(石油エーテル/酢酸エステル 8:1)=0.8;
吸収:λmax(CH2Cl2)=694nm; 質量吸光E=90l g-1 cm-1
放出:λmax(CH2Cl2)=720nm。
【0145】
実施例3: N,N′−ビス(2,6−ジイソプロピルフェニル)−1,6,11,16−テトラ(2,6−ジイソプロピルフェノキシ)クアテリレン−3,4:13,14−テトラカルボン酸ジイミド(Ia3)
12.9g(9ミリモル)の、N,N′−ビス(2,6−ジイソプロピルフェニル)−1,6,8,11,16,18−及び−1,6,8,11,16,19−ヘキサブロモクアテリレン−3,4:13,14−テトラカルボン酸ジイミドのほぼ同じ部分からなる混合物と、8.4g(45ミリモル)の2,6−ジイソプロピルフェノールを600mlのN−メチルピロリドン中に入れた混合物に、2.52g(18ミリモル)の炭酸カリウムを4時間で添加した。次いで、該混合物を、まず100℃に加熱し、この温度で2時間撹拌し、次いで110℃に2時間、引き続き120℃に2時間加熱した。前記温度で、更に2.0g(11ミリモル)の2,6−ジイソプロピルフェノール及び0.63g(4.5ミリモル)の炭酸カリウムを添加した。更に120℃で5時間撹拌した後に、該混合物を室温に冷却した。
【0146】
この場合に主成分として生ずるN,N′−ビス(2,6−ジイソプロピルフェニル)−1,6,11,16−テトラ(2,6−ジイソプロピルフェノキシ)−8,18−及び−8,19−ジブロモクアテリレン−3,4:13,14−テトラカルボン酸ジイミドの脱ハロゲン化のために、得られた反応混合物を、1.98g(52ミリモル)のホウ水素化ナトリウム及び0.12g(0.1ミリモル)のテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)と混合し、そして70℃に13時間加熱した。
【0147】
室温にまで冷却した後に、生成物を、まず300mlの水を、そしてついで100mlの10質量%硫酸をゆっくりと添加することによって沈殿させ、濾別し、まず少しずつ、全体で400mlの10質量%硫酸で、そして次いで水で中性になるまで洗浄し、そして真空中で乾燥させた。
【0148】
12.8g(78%)のリレン誘導体Ia3が、緑色の固体の形で得られ、それを更なる精製のために、シリカゲル上での、溶出剤としてトルエンを用いたカラムクロマトグラフィーに供した。
【0149】
f値(石油エーテル/酢酸エステル 8:1)=0.5;
吸収:λmax(CH2Cl2)=802nm; 質量吸光E=98l g-1 cm-1
【0150】
Ia3のUVスペクトルは、N,N′−ビス(2,6−ジイソプロピルフェニル)−1,6,11,16−テトラ(4−t−オクチルフェノキシ)クアテリレン−3,4:13,14−テトラカルボン酸ジイミド(V3)のUVスペクトルと比較して、急勾配の深色にシフトした吸収帯を示し、可視領域により低い残留吸収(V3:λmax(吸収)(CH2Cl2)=778nm)を示す。
【0151】
実施例4: N,N′−ビス(2,6−ジイソプロピルフェニル)−1,6,11,16−テトラ(2,6−ジイソプロピルフェノキシ)−8,18−及び−8,19−ジブロモクアテリレン−3,4:13,14−テトラカルボン酸ジイミド(Ia4)
18.0g(13ミリモル)の、N,N′−ビス(2,6−ジイソプロピルフェニル)−1,6,8,11,16,18−及び−1,6,8,11,16,19−ヘキサブロモクアテリレン−3,4:13,14−テトラカルボン酸ジイミドのほぼ同じ部分からなる混合物、640mlのN−メチルピロリドン、9.18g(52ミリモル)の2,6−ジイソプロピルフェノール及び4.34g(31ミリモル)の炭酸カリウムの混合物を、80℃に加熱し、そして前記温度で27時間撹拌した。
【0152】
室温に冷却した後に、反応混合物を、2lの10質量%硫酸中で沈殿させた。生成物を濾別し、まず少しずつ、全体で500mlの10質量%硫酸で洗浄し、そして次いでエタノールで洗浄し、そして真空中で乾燥させた。
【0153】
22.1g(定量的反応)リレン誘導体混合物Ia4が緑色の固体の形で得られ、それを更なる精製のためにシリカゲル上での、溶出剤としてのトルエン/塩化メチレン混合物(9:1)を用いたカラムクロマトグラフィーに供した。
【0154】
実施例5: N−(2,6−ジイソプロピルフェニル)−9−(2,6−ジイソプロピルフェノキシ)ペリレン−3,4−ジカルボン酸イミド(Ia5)
7.0g(25ミリモル)のN−(2,6−ジイソプロピルフェニル)−9−ブロモペリレン−3,4−ジカルボン酸イミド、2.3g(25ミリモル)の2,6−ジイソプロピルフェノール、100mlのN−メチルピロリドン及び3.45g(50ミリモル)の炭酸カリウムの混合物を、100℃に3時間加熱した。室温にまで冷却した後に、17mlの水を添加した。沈殿した生成物を濾別し、まず135mlの5質量%硫酸で洗浄し、そして次い水で中性になるまで洗浄し、そして真空中で乾燥させた。
【0155】
7.7g(50%)のリレン誘導体Ia5が、紫色の固体の形で得られ、それを更なる精製のために、溶出剤としてのトルエン/酢酸エステル混合物(60:1)を用いてシリカゲルを介して濾過した。
【0156】
f値(トルエン/酢酸エステル 60:1)=0.24。
【0157】
実施例6: N,N′−ビス(2,6−ジイソプロピルフェニル)−1,6,9,14−テトラ(2,6−ジメチルチオフェノキシ)テリレン−3,4:11,12−テトラカルボン酸ジイミド(Ia6)
0.8g(0.7ミリモル)のN,N′−ビス(2,6−ジイソプロピルフェニル)−1,6,9,14−テトラブロモテリレン−3,4:11,12−テトラカルボン酸ジイミドを50mlのN−メチルピロリドン中に溶かした溶液を、0.4g(2.8ミリモル)の2,6−ジメチルチオフェノール及び0.57g(7ミリモル)の炭酸カリウムと混合し、そして40℃に加熱した。40℃で4時間撹拌した後に、80mlの5質量%硫酸を添加した。沈殿した生成物を濾別し、続けて水で、2質量%の苛性ソーダ液で、水で、そしてエタノールで洗浄し、そして真空中で乾燥させた。
【0158】
1.1g(定量的反応)のIa6が、緑色の固体の形で得られ、それを更なる精製のために、シリカゲル上での、溶出剤としてトルエンを用いたカラムクロマトグラフィーに供した。
【0159】
f値(トルエン/酢酸エステル 10:1)=0.69;
吸収:λmax(CH2Cl2)=702nm; 質量吸光E=60l g-1 cm-1
放出:λmax(CH2Cl2)=757nm; 弱い蛍光。
【0160】
実施例7: N,N′−ビス(2,6−ジイソプロピルフェニル)−1,6,11,16−テトラ(2,6−ジイソプロピルフェノキシ)−8,18−及び−8,19−ジピペリジルクアテリレン−3,4:13,14−テトラカルボン酸ジイミド(Ia7)
0.6g(0.3ミリモル)の実施例4で得られたカラムクロマトグラフィーにより精製されたリレン誘導体混合物と、5.3g(6.2ml、62ミリモル)のピペリジンからなる混合物を、90℃に温度調節された油浴中で120時間加熱した。室温にまで冷却した後に、該反応混合物を30mlのメタノールと30mlの水の混合物に沈殿させた。生成物を濾別し、11mlのメタノールで洗浄し、15mlの15質量%硫酸中で3時間撹拌し、次いで再び濾別し、そして水で中性になるまで洗浄した。
【0161】
0.54g(90%)のリレン誘導体混合物Ia7が、緑色の固体の形で得られた。その固体は、Maldi−MSによれば、副次的な量のテトラフェノキシモノピペリジルモノブロモ誘導体及びテトラフェノキシモノピペリジル誘導体を含有していた。
【0162】
吸収:λmax(N−メチルピロリドン)=822nm;質量吸光E=34.4l g-1 cm-1

【特許請求の範囲】
【請求項1】
一般式I
【化1】

[式中、置換基及び変数は、以下の意味を有する:
リレンは、多環式の共役環系を意味し、前記環系は、少なくとも1個のペリレン単位
【化2】

を有し、ヘテロ原子を環原子として有してよく、−CO−基を含む基によって官能化されていてよく、かつ/又は基Aとは異なる更なる置換基を有してよい;
Aは、式
【化3】

で示される基を意味し、その際、基Aは、n>1の場合に、同一もしくは異なってよい;
Xは、酸素又は硫黄を意味する;
Rは、以下の(i)〜(v)の同一もしくは異なる基を意味する:
(i)C1〜C30−アルキル、
前記のC1〜C30−アルキルの炭素鎖は、1もしくは複数の基−O−、−S−、−NR2−、−N=CR2−、−C≡C−、−CR2=CR2−、−CO−、−SO−及び/又は−SO2−によって中断されていてよく、かつ前記のC1〜C30−アルキルは、C1〜C12−アルコキシ、C1〜C6−アルキルチオ、−C≡CR2、−CR2=CR22、ヒドロキシ、メルカプト、ハロゲン、シアノ、ニトロ、−NR34、−NR3COR4、−CONR34、−SO2NR34、−COOR3、−SO33、飽和もしくは不飽和のC4〜C7−シクロアルキル(その炭素骨格は、1もしくは複数の基−O−、−S−、−NR2−、−N=CR2−、−CR2=CR2−、−CO−、−SO−及び/又は−SO2−によって中断されていてよい)及び/又はアリールによって一置換もしくは多置換されていてよく、その際、アリール及びシクロアルキルは、それぞれ、C1〜C18−アルキル及び/又はアルキルについての置換基として上述した基によって一置換もしくは多置換されていてよく、その際、多くとも1個のアルキル基Rは1位に第三級炭素原子を有してよい;
(ii)C3〜C8−シクロアルキル、
前記のC3〜C8−シクロアルキルの炭素骨格は、1もしくは複数の基−O−、−S−、−NR2−、−N=CR2−、−CR2=CR2−、−CO−、−SO−及び/又は−SO2−によって中断されていてよく、かつ前記のC3〜C8−シクロアルキルには、更なる飽和もしくは不飽和の5員ないし7員の環が縮合されていてよく、前記環の炭素骨格は、1もしくは複数の基−O−、−S−、−NR2−、−N=CR2−、−CR2=CR2−、−CO−、−SO−及び/又は−SO2−によって中断されていてよく、その際、全環系は、C1〜C18−アルキル、C1〜C12−アルコキシ、C1〜C6−アルキルチオ、−C≡CR2、−CR2=CR22、ヒドロキシ、メルカプト、ハロゲン、シアノ、ニトロ、−NR34、−NR3COR4、−CONR34、−SO2NR34及び/又は−COOR3によって一置換もしくは多置換されていてよく、その際、多くとも1個のシクロアルキル基Rは1位に第三級炭素原子を有してよい;
(iii)アリールもしくはヘタリール、
前記のアリールもしくはヘタリールには、それぞれ、更なる飽和もしくは不飽和の5員ないし7員の環が縮合されていてよく、前記環の炭素骨格は、1もしくは複数の基−O−、−S−、−NR2−、−N=CR2−、−CR2=CR2−、−CO−、−SO−及び/又は−SO2−によって中断されていてよく、その際、全環系は、C1〜C18−アルキル、C1〜C12−アルコキシ、C1〜C6−アルキルチオ、−C≡CR2、−CR2=CR22、ヒドロキシ、メルカプト、ハロゲン、シアノ、ニトロ、−NR34、−NR3COR4、−CONR34、−SO2NR34、−COOR3、−SO33、アリール及び/又はヘタリール(それぞれ、C1〜C18−アルキル、C1〜C12−アルコキシ、ヒドロキシ、メルカプト、ハロゲン、シアノ、ニトロ、−NR34、−NR3COR4、−CONR34、−SO2NR34、−COOR3及び/又は−SO33によって一置換もしくは多置換されていてよい)によって一置換もしくは多置換されていてよい;
(iv)基−U−アリール、
前記基は、アリール基(iii)についての置換基として上述した基によって一置換もしくは多置換されていてよく、その際、Uは、基−O−、−S−、−NR2−、−CO−、−SO−又は−SO2−を意味する;
(v)C1〜C12−アルコキシ、C1〜C6−アルキルチオ、−C≡CR2、−CR2=CR22、ヒドロキシ、メルカプト、ハロゲン、シアノ、ニトロ、−NR34、−NR3COR4、−CONR34、−SO2NR34、−COOR3又は−SO33
R′は、水素、Rについて挙げた基(i)、(ii)、(iii)、(iv)及び(v)の1つの同一もしくは異なる基を意味し、その際、アルキル基(i)及びシクロアルキル基(ii)は1位に第三級炭素原子を有してよい;
2は、水素又はC1〜C18−アルキルを意味し、その際、基R2は、それらが複数ある場合には、同一もしくは異なってよい;
3、R4は、互いに無関係に、水素、C1〜C18−アルキル、アリールもしくはヘタリールを意味し、
前記のC1〜C18−アルキルの炭素鎖は、1もしくは複数の基−O−、−S−、−CO−、−SO−及び/又は−SO2−によって中断されていてよく、かつ前記のC1〜C18−アルキルは、C1〜C12−アルコキシ、C1〜C6−アルキルチオ、ヒドロキシ、メルカプト、ハロゲン、シアノ、ニトロ及び/又は−COOR2によって一置換もしくは多置換されていてよい;
前記のアリールもしくはヘタリールには、それぞれ、更なる飽和もしくは不飽和の5員ないし7員の環が縮合されていてよく、前記環の炭素骨格は、1もしくは複数の基−O−、−S−、−CO−及び/又は−SO2−によって中断されていてよく、その際、全環系は、C1〜C12−アルキル及び/又はアルキルについての置換基として上述した基によって一置換もしくは多置換されていてよい;
nは、1〜8を意味する]で示されるリレン誘導体。
【請求項2】
請求項1に記載の式Iで示されるリレン誘導体であって、式中、置換基及び変数が以下の意味を有する:
Rは、以下の(i)〜(v)の同一もしくは異なる基を意味する:
(i)C1〜C30−アルキル、
前記のC1〜C30−アルキルは1位に第三級炭素原子を有さず、前記のC1〜C30−アルキルの炭素鎖は、1もしくは複数の基−O−、−S−、−NR2−、−C≡C−、−CR2=CR2−及び/又は−CO−によって中断されていてよく、かつ前記のC1〜C30−アルキルは、C1〜C12−アルコキシ、ヒドロキシ及び/又はハロゲンによって一置換もしくは多置換されていてよい;
(ii)C3〜C8−シクロアルキル、
前記のC3〜C8−シクロアルキルは1位に第三級炭素原子を有さず、前記のC3〜C8−シクロアルキルの炭素骨格は、1もしくは複数の基−O−、−S−、−NR2−、−CR2=CR2−及び/又は−CO−によって中断されていてよく、かつ前記のC3〜C8−シクロアルキルは、C1〜C18−アルキル、C1〜C12−アルコキシ及び/又はC1〜C6−アルキルチオによって一置換もしくは多置換されていてよい;
(iii)アリールもしくはヘタリール、
前記のアリールもしくはヘタリールには、それぞれ、更なる飽和もしくは不飽和の5員ないし7員の環が縮合されていてよく、前記環の炭素骨格は、1もしくは複数の基−O−、−S−、−NR2−、−N=CR2−、−CR2=CR2−、−CO−、−SO−及び/又は−SO2−によって中断されていてよく、その際、全環系は、C1〜C18−アルキル、C1〜C12−アルコキシ、−C≡CR2、−CR2=CR22、ヒドロキシ、ハロゲン、−NR34、−NR3COR4、−CONR34、−SO2NR34、−COOR3及び/又は−SO33によって一置換もしくは多置換されていてよい;
(iv)基−U−アリール、
前記基は、アリール基(iii)についての置換基として上述した基によって一置換もしくは多置換されていてよく、その際、Uは、基−O−、−S−、−NR2−、−CO−、−SO−又は−SO2−を意味する;
(v)C1〜C12−アルコキシ、C1〜C6−アルキルチオ、−C≡CR2、−CR2=CR22、ヒドロキシ、メルカプト、ハロゲン、シアノ、ニトロ、−NR34、−NR3COR4、−CONR34、−SO2NR34、−COOR3又は−SO33
R′は、水素、Rについて挙げた基(i)、(ii)、(iii)、(iv)及び(v)の1つの同一もしくは異なる基を意味し、その際、アルキル基(i)及びシクロアルキル基(ii)は1位に第三級炭素原子を有してよい;
2は、水素又はC1〜C18−アルキルを意味する;
3、R4は、互いに無関係に、水素、C1〜C18−アルキル、アリールもしくはヘタリールを意味し、
前記のC1〜C18−アルキルは、C1〜C6−アルコキシ、ヒドロキシ、ハロゲン及び/又はシアノによって一置換もしくは多置換されていてよい;
前記のアリールもしくはヘタリールは、それぞれ、C1〜C6−アルキル及び/又はアルキルについての置換基として上述した基によって一置換もしくは多置換されていてよい;
nは、1〜6を意味する、リレン誘導体。
【請求項3】
請求項1に記載の一般式Iで示されるリレン誘導体であって、その式中、置換基及び変数が以下の意味を有する:
Aは、式
【化4】

で示される基を意味し、その際、基Aは、n>1の場合に同一である;
Rは、以下の(i)〜(v)の同一もしくは異なる基を意味する:
(i)C1〜C18−アルキル、
前記のC1〜C18−アルキルは1位に第三級炭素原子を有さず、前記のC1〜C18−アルキルの炭素鎖は、1もしくは複数の基−O−、−S−、−NR2−及び/又は−CO−によって中断されていてよく、かつ前記のC1〜C18−アルキルは、C1〜C12−アルコキシ、ヒドロキシ及び/又はハロゲンによって一置換もしくは多置換されていてよい;
(ii)C3〜C8−シクロアルキル、
前記のC3〜C8−シクロアルキルは1位に第三級炭素原子を有さず、かつC1〜C18−アルキル及び/又はC1〜C12−アルコキシによって一置換もしくは多置換されていてよい;
(iii)アリールもしくはヘタリール、
前記のアリールもしくはヘタリールは、それぞれ、C1〜C18−アルキル、C1〜C12−アルコキシ、ヒドロキシ及び/又はハロゲンによって一置換もしくは多置換されていてよい;
(iv)基−U−アリール、
前記基は、アリール基(iii)についての置換基として上述した基によって一置換もしくは多置換されていてよく、その際、Uは、基−O−、−S−又は−NR2−を意味する;
(v)C1〜C12−アルコキシ、ヒドロキシ、ハロゲン又はシアノ;
R′は、水素、Rについて挙げた基(i)、(ii)、(iii)、(iv)及び(v)の1つの同一もしくは異なる基を意味し、その際、アルキル基(i)及びシクロアルキル基(ii)は1位に第三級炭素原子を有してよい;
2は、水素又はC1〜C6−アルキルを意味する;
3、R4は、互いに無関係に、水素、C1〜C18−アルキル、アリールもしくはヘタリールを意味し、
前記のC1〜C18−アルキルは、C1〜C6−アルコキシ、ヒドロキシ、ハロゲン及び/又はシアノによって一置換もしくは多置換されていてよい;
前記のアリールもしくはヘタリールは、それぞれ、C1〜C6−アルキル及び/又はアルキルについての置換基として上述した基によって一置換もしくは多置換されていてよい;
nは、1〜6を意味する、リレン誘導体。
【請求項4】
一般式Ia
【化5】

[式中、置換基及び変数は以下の意味を有する:
Bは、互いに、式(a)、(b)又は(c)
【化6】

で示される基に結合されて、6員環を形成するか、
両方の基が水素もしくは基−COOMを意味するか、又は両方の基の一方が基A又はHalを意味し、かつもう一方の基が水素を意味する;
B′は、Bとは無関係に互いに、式(a)、(b)もしくは(c)で示される基に結合されて、6員環を形成するか、又は両方の基が水素もしくは基−COOMを意味する;
Aは、式
【化7】

で示される基を意味し、その際、基Aは、n>1の場合に同一もしくは異なってよい;
Yは、式
【化8】

で示される(チオ)フェノキシ基を意味し、その際、基Yは、y>1の場合に同一もしくは異なってよい;
Xは、−O−又は−S−を意味する;
Rは、以下の(i)〜(v)の同一もしくは異なる基を意味する:
(i)C1〜C30−アルキル、
前記のC1〜C30−アルキルは1位に第三級炭素原子を有さず、前記のC1〜C30−アルキルの炭素鎖は、1もしくは複数の基−O−、−S−、−NR2−、−C≡C−、−CR2=CR2−及び/又は−CO−によって中断されていてよく、かつ前記のC1〜C30−アルキルは、C1〜C12−アルコキシ、ヒドロキシ及び/又はハロゲンによって一置換もしくは多置換されていてよい;
(ii)C3〜C8−シクロアルキル、
前記のC3〜C8−シクロアルキルは1位に第三級炭素原子を有さず、前記のC3〜C8−シクロアルキルの炭素骨格は、1もしくは複数の基−O−、−S−、−NR2−、−CR2=CR2−及び/又は−CO−によって中断されていてよく、かつ前記のC3〜C8−シクロアルキルは、C1〜C18−アルキル、C1〜C12−アルコキシ及び/又はC1〜C6−アルキルチオによって一置換もしくは多置換されていてよい;
(iii)アリールもしくはヘタリール、
前記のアリールもしくはヘタリールには、それぞれ、更なる飽和もしくは不飽和の5員ないし7員の環が縮合されていてよく、前記環の炭素骨格は、1もしくは複数の基−O−、−S−、−NR2−、−N=CR2−、−CR2=CR2−、−CO−、−SO−及び/又は−SO2−によって中断されていてよく、その際、全環系は、C1〜C18−アルキル、C1〜C12−アルコキシ、−C≡CR2、−CR2=CR22、ヒドロキシ、ハロゲン、−NR34、−NR3COR4、−CONR34、−SO2NR34、−COOR3及び/又は−SO33によって一置換もしくは多置換されていてよい;
(iv)基−U−アリール、
前記基は、アリール基(iii)についての置換基として上述した基によって一置換もしくは多置換されていてよく、その際、Uは、基−O−、−S−、−NR2−、−CO−、−SO−又は−SO2−を意味する;
(v)C1〜C12−アルコキシ、C1〜C6−アルキルチオ、−C≡CR2、−CR2=CR22、ヒドロキシ、メルカプト、ハロゲン、シアノ、ニトロ、−NR34、−NR3COR4、−CONR34、−SO2NR34、−COOR3又は−SO33
R′は、水素、Rについて挙げた基(i)、(ii)、(iii)、(iv)及び(v)の1つの同一もしくは異なる基を意味し、その際、アルキル基(i)及びシクロアルキル基(ii)は1位に第三級炭素原子を有してよい;
Pは、窒素原子を介して結合された5員ないし9員の環を意味し、前記環の炭素鎖は、1もしくは複数の−O−、−S−、−NR2−、−CO−及び/又は−SO2−によって中断されていてよく、そこには、1もしくは2個の不飽和もしくは飽和の4員ないし8員の環が縮合されていてよく、前記環の炭素鎖は、同様に前記基及び/又は−N=によって中断されていてよく、その際、全環系は、ヒドロキシ、ニトロ、−NR34、−COOR3、−CONR34及び/又は−NR2COR3;C1〜C30−アルキル;C5〜C8−シクロアルキル;アリールもしくはヘタリールによって一置換もしくは多置換されていてよく、
前記のC1〜C30−アルキルの炭素鎖は、1もしくは複数の基−O−、−S−、−NR2−、−CO−及び/又は−SO2−によって中断されていてよく、かつシアノ、ヒドロキシ、ニトロ、C1〜C6−アルコキシ、−COOR3、−CONR34、アリール(C1〜C18−アルキル又はC1〜C6−アルコキシによって置換されていてよい)及び/又は窒素原子を介して結合された5員ないし7員の複素環式の基(更に複素原子を有してよく、かつ芳香族であってよい)によって一置換もしくは多置換されていてよい;
前記のC5〜C8−シクロアルキルの炭素骨格は、1もしくは複数の基−O−、−S−及び/又は−NR2−によって中断されていてよく、かつ/又はC1〜C6−アルキルによって一置換もしくは多置換されていてよい;
前記のアリールもしくはヘタリールは、それぞれ、C1〜C18−アルキル、C1〜C6−アルコキシ、シアノ、ニトロ、ハロゲン、−CONR34、−NR3COR4、−SO33、−SO2NR34及び/又はアリールアゾもしくはヘタリールアゾ(それぞれC1〜C10−アルキル、C1〜C6−アルコキシ及び/又はシアノによって一置換もしくは多置換されていてよい)によって一置換もしくは多置換されていてよい;その際、
基Pは、p>1の場合に、同一もしくは異なってよい;
Halは、フッ素、塩素、臭素又はヨウ素を意味する;
Eは、1,2−フェニレン、1,8−もしくは2,3−ナフチレン又は2,3−もしくは3,4−ピリジレンを意味し、それぞれ、C1〜C12−アルキル、C1〜C6−アルコキシ、ヒドロキシ、ニトロ及び/又はハロゲンによって置換されていてよく、その際、基Eは、それらが式Ia中に複数ある場合に、同一もしくは異なってよい;
Mは、水素、アルカリ金属カチオン、NH4+又はNR34+を意味する;
1は、水素、C1〜C30−アルキル、C3〜C8−シクロアルキル、アリールもしくはヘタリールを意味し、
前記のC1〜C30−アルキルの炭素鎖は、1もしくは複数の基−O−、−S−、−NR2−、−N=CR2−、−C≡C−、−CR2=CR2−、−CO−、−SO−及び/又は−SO2−によって中断されていてよく、かつ前記のC1〜C30−アルキルは、Rについて挙げた基(ii)、(ii)、(iv)及び/又は(v)によって一置換もしくは多置換されていてよい;
前記のC3〜C8−シクロアルキルには、更なる飽和もしくは不飽和の5員ないし7員の環が縮合されていてよく、前記環の炭素骨格は、1もしくは複数の基−O−、−S−、−NR2−、−N=CR2−、−CR2=CR2−、−CO−、−SO−及び/又は−SO2−によって中断されていてよく、その際、全環系は、Rについて挙げた基(i)、(ii)、(iii)、(iv)及び/又は(v)によって一置換もしくは多置換されていてよい;
前記のアリールもしくはヘタリールには、それぞれ、更なる飽和もしくは不飽和の5員ないし7員の環が縮合されていてよく、前記環の炭素骨格は、1もしくは複数の基−O−、−S−、−NR2−、−N=CR2−、−CR2=CR2−、−CO−、−SO−及び/又は−SO2−によって中断されていてよく、その際、全環系は、Rについて挙げた基(i)、(ii)、(iii)、(iv)、(v)及び/又はアリールアゾ及び/又はヘタリールアゾ(それぞれC1〜C10−アルキル、C1〜C6−アルコキシ及び/又はシアノによって一置換もしくは多置換されていてよい)によって一置換もしくは多置換されていてよい;その際、
基R1は、それらが式Ia中に複数ある場合には、同一もしくは異なってよい;
2は、水素又はC1〜C18−アルキルを意味する;
3、R4は、互いに無関係に、水素、C1〜C18−アルキル、アリールもしくはヘタリールを意味し、
前記のC1〜C18−アルキルは、C1〜C6−アルコキシ、ヒドロキシ、ハロゲン及び/又はシアノによって一置換もしくは多置換されていてよい;
前記のアリールもしくはヘタリールは、それぞれ、C1〜C6−アルキル及び/又はアルキルについての置換基として上述した基によって一置換もしくは多置換されていてよい;
mは、0、1もしくは2を意味する;
nは、1〜8を意味する;
pは、0〜6を意味し、その際、n+p≦8が適用される;
yは、0〜7を意味し、その際、n+p+y≦8が適用される;
zは、0〜8を意味し、その際、n+p+y+z≦10が適用される]で示されるリレン誘導体。
【請求項5】
式Ib
【化9】

[式中、置換基及び変数は、以下の意味を有する:
Dは、水素、基A又は基Yの同一もしくは異なる基を意味し、その際、基Dの少なくとも1個が基Aを意味する;
Aは、式
【化10】

で示される基を意味する;
Yは、式
【化11】

で示される(チオ)フェノキシ基を意味する;
Xは、−O−又は−S−を意味する;
Rは、以下の(i)〜(v)の同一もしくは異なる基を意味する:
(i)C1〜C30−アルキル、
前記のC1〜C30−アルキルは1位に第三級炭素原子を有さず、前記のC1〜C30−アルキルの炭素鎖は、1もしくは複数の基−O−、−S−、−NR2−、−C≡C−、−CR2=CR2−及び/又は−CO−によって中断されていてよく、かつ前記のC1〜C30−アルキルは、C1〜C12−アルコキシ、ヒドロキシ及び/又はハロゲンによって一置換もしくは多置換されていてよい;
(ii)C3〜C8−シクロアルキル、
前記のC3〜C8−シクロアルキルは1位に第三級炭素原子を有さず、前記のC3〜C8−シクロアルキルの炭素骨格は、1もしくは複数の基−O−、−S−、−NR2−、−CR2=CR2−及び/又は−CO−によって中断されていてよく、かつ前記のC3〜C8−シクロアルキルは、C1〜C18−アルキル、C1〜C12−アルコキシ及び/又はC1〜C6−アルキルチオによって一置換もしくは多置換されていてよい;
(iii)アリールもしくはヘタリール、
前記のアリールもしくはヘタリールには、それぞれ、更なる飽和もしくは不飽和の5員ないし7員の環が縮合されていてよく、前記環の炭素骨格は、1もしくは複数の基−O−、−S−、−NR2−、−N=CR2−、−CR2=CR2−、−CO−、−SO−及び/又は−SO2−によって中断されていてよく、その際、全環系は、C1〜C18−アルキル、C1〜C12−アルコキシ、−C≡CR2、−CR2=CR22、ヒドロキシ、ハロゲン、−NR34、−NR3COR4、−CONR34、−SO2NR34、−COOR3及び/又は−SO33によって一置換もしくは多置換されていてよい;
(iv)基−U−アリール、
前記基は、アリール基(iii)についての置換基として上述した基によって一置換もしくは多置換されていてよく、その際、Uは、基−O−、−S−、−NR2−、−CO−、−SO−又は−SO2−を意味する;
(v)C1〜C12−アルコキシ、C1〜C6−アルキルチオ、−C≡CR2、−CR2=CR22、ヒドロキシ、メルカプト、ハロゲン、シアノ、ニトロ、−NR34、−NR3COR4、−CONR34、−SO2NR34、−COOR3又は−SO33
R′は、水素、Rについて挙げた基(i)、(ii)、(iii)、(iv)及び(v)の1つの同一もしくは異なる基を意味し、その際、アルキル基(i)及びシクロアルキル基(ii)は1位に第三級炭素原子を有してよい;
1は、水素、C1〜C30−アルキル、C3〜C8−シクロアルキル、アリールもしくはヘタリールを意味し、
前記のC1〜C30−アルキルの炭素鎖は、1もしくは複数の基−O−、−S−、−NR2−、−N=CR2−、−C≡C−、−CR2=CR2−、−CO−、−SO−及び/又は−SO2−によって中断されていてよく、かつ前記のC1〜C30−アルキルは、Rについて挙げた基(ii)、(ii)、(iv)及び/又は(v)によって一置換もしくは多置換されていてよい;
前記のC3〜C8−シクロアルキルには、更なる飽和もしくは不飽和の5員ないし7員の環が縮合されていてよく、前記環の炭素骨格は、1もしくは複数の基−O−、−S−、−NR2−、−N=CR2−、−CR2=CR2−、−CO−、−SO−及び/又は−SO2−によって中断されていてよく、その際、全環系は、Rについて挙げた基(i)、(ii)、(iii)、(iv)及び/又は(v)によって一置換もしくは多置換されていてよい;
前記のアリールもしくはヘタリールには、それぞれ、更なる飽和もしくは不飽和の5員ないし7員の環が縮合されていてよく、前記環の炭素骨格は、1もしくは複数の基−O−、−S−、−NR2−、−N=CR2−、−CR2=CR2−、−CO−、−SO−及び/又は−SO2−によって中断されていてよく、その際、全環系は、Rについて挙げた基(i)、(ii)、(iii)、(iv)、(v)及び/又はアリールアゾ及び/又はヘタリールアゾ(それぞれC1〜C10−アルキル、C1〜C6−アルコキシ及び/又はシアノによって一置換もしくは多置換されていてよい)によって一置換もしくは多置換されていてよい;その際、
基R1は、それらが式Ib中に複数ある場合には、同一もしくは異なってよい;
2は、水素又はC1〜C18−アルキルを意味する;
3、R4は、互いに無関係に、水素、C1〜C18−アルキル、アリールもしくはヘタリールを意味し、
前記のC1〜C18−アルキルは、C1〜C6−アルコキシ、ヒドロキシ、ハロゲン及び/又はシアノによって一置換もしくは多置換されていてよい;
前記のアリールもしくはヘタリールは、それぞれ、C1〜C6−アルキル及び/又はアルキルについての置換基として上述した基によって一置換もしくは多置換されていてよい;
mは、1又は2を意味する]で示されるリレン誘導体。
【請求項6】
請求項1から3までのいずれか1項に記載のリレン誘導体を、有機材料及び無機材料の着色のために用いる使用。
【請求項7】
請求項6に記載の使用であって、有機材料が、塗料、印刷インキ又はプラスチックであることを特徴とする使用。
【請求項8】
請求項1から3までのいずれか1項に記載のリレン誘導体を、電磁線を吸収及び/又は放出する水性ポリマー分散液の製造のために用いる使用。
【請求項9】
請求項1から3までのいずれか1項に記載のリレン誘導体を、ヒトの眼に視認できない赤外光を吸収する標識及びマーキングを作製するために用いる使用。
【請求項10】
請求項1から3までのいずれか1項に記載のリレン誘導体を、熱管理のための赤外線吸収体として用いる使用。
【請求項11】
請求項1から3までのいずれか1項に記載のリレン誘導体を、プラスチック部材の溶接処理に際してのIRレーザ放射線を吸収する材料として用いる使用。
【請求項12】
請求項1から3までのいずれか1項に記載のリレン誘導体を、レーザ標識及びレーザ表記のために用いる使用。
【請求項13】
請求項1から3までのいずれか1項に記載のリレン誘導体を、有機電子機器における半導体として用いる使用。
【請求項14】
請求項1から3までのいずれか1項に記載のリレン誘導体を、ディスプレイ用途におけるフィルタ又は発光体として用いる使用。
【請求項15】
請求項1から3までのいずれか1項に記載のリレン誘導体を、化学発光用途における発光体として用いる使用。
【請求項16】
請求項1から3までのいずれか1項に記載のリレン誘導体を、検出法における標識基として用いる使用。
【請求項17】
請求項1から3までのいずれか1項に記載のリレン誘導体を、光電池における活性成分として用いる使用。

【公表番号】特表2009−500438(P2009−500438A)
【公表日】平成21年1月8日(2009.1.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−520847(P2008−520847)
【出願日】平成18年7月6日(2006.7.6)
【国際出願番号】PCT/EP2006/063955
【国際公開番号】WO2007/006717
【国際公開日】平成19年1月18日(2007.1.18)
【出願人】(508020155)ビーエーエスエフ ソシエタス・ヨーロピア (2,842)
【氏名又は名称原語表記】BASF SE
【住所又は居所原語表記】D−67056 Ludwigshafen, Germany
【Fターム(参考)】