説明

置換インドールの新規製造方法

本発明は、治療薬として有用な置換インドール類の新規製造方法に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、治療薬として有用である、置換インドールの新規製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
WO 04/106302 は、呼吸器疾患の処置に有用な一連の置換インドール類を開示している。
新規の方法により、当業界で開示されたものより有効な特定の化合物を開発した。
【発明の開示】
【0003】
第1の態様において、本発明は、従って、式(I):
【化1】

の化合物もしくはその薬学的に許容される塩またはそれらの溶媒和物の製造方法であって、式(II):
【化2】

[式中、Rは、エステル形成基である。]の化合物を脱エステル化し、所望によりその後、薬学的に許容される塩もしくは溶媒和物を形成することを含む方法を提供する。
【0004】
該反応は、塩基の存在下で行われ、次に酸、およびケトンもしくはエステル含有溶媒または該溶媒の混合物または該溶媒を含む混合物で処理される。式(II)の化合物を、塩基(例えば水酸化アルカリ金属塩)と、適当な溶媒(例えば有機アルコール) 中、好ましくは高温で、反応させる。次に、反応混合物を、高温で、ケトンもしくはエステル含有溶媒の存在下、酸で処理し、式(I)の化合物を得る。ケトン含有溶媒およびエステル含有溶媒の使用は、驚くべきことに、結晶成長を促進することが分かった。適当な溶媒は、酢酸エチル、酢酸n−プロピル、およびMIBK、ならびにその混合物を含む。好ましくはMIBKを用いる。好ましくは、式(II)の化合物を、n−プロパノール中、水性水酸化ナトリウムで、高温で、例えば約68℃で処理する。好ましくは、Rは、フェニル、ベンジル、またはC1−6アルキル(例えばメチルもしくはエチル)であり、好ましくは、RはC1−6アルキルであり、より好ましくはエチルである。
【0005】
式(II)の化合物は、式(III):
【化3】

[式中、Rは水素であるか、または式(II)で定義した通りである。]の化合物を、水素化し、次に得られたアミンをアセチル化剤(例えば塩化アセチル)で処理することによって、製造される。好ましくは、Rは式(II)で定義したエステル形成基である。水素化は、標準的な条件を用いて、例えば、水素雰囲気下、高圧で、例えば約4barの圧力下で、白金触媒を用いて行われ得る。この還元はまた、亜ジチオン酸ナトリウムでも行われ得る。得られたアミンを(所望により、例えば酢酸エチル/イソヘキサンで結晶化することによって、単離する)、塩化アセチルで、溶媒中(例えば酢酸エチル)、環境温度もしくは高温で、好ましくは約40℃で処理する。
【0006】
式(III)の化合物は、式(IV):
【化4】

の化合物を、式(V):
【化5】

[式中、Rは式(II)で定義した通りであり、そしてXはハロゲンである。]の化合物と反応させることによって、製造され得る。好ましくは、Rがエチルであり、そしてXがブロモであって、その結果、式(V)の化合物がブロモ酢酸エチルである。反応は、塩基(例えば炭酸カリウム)の存在下、水/アセトニトリル中で行われる。
【0007】
式(IV)の化合物は、式(VI):
【化6】

の化合物を、式(VII):
【化7】

[式中、Rはクロロであるか、またはクロロに変換される基、例えばアミノもしくは水素である。]の化合物と反応させることによって、製造され得る。好ましくは、Rはクロロである。式(VI)の化合物と式(VII)の化合物の反応は、適当な塩基(例えばメタノール中ナトリウム メトキシド)を用いて、高温で、またはトリクロロイソシアン酸のような試薬を用いて、溶媒中(例えば酢酸エチルもしくはジクロロメタン)で行われ得る。
【0008】
本発明の別の態様において、式(II)の化合物は、式(VIII):
【化8】

[式中、Rは水素であるか、または式(II)で定義した通りである。]の化合物から、式(VII)の化合物と反応させることによって、製造され得る。反応は、上記のトリクロロイソシアン酸を用いて行われ得る。この反応は、式(I)の化合物を直接製造するために用いられ得るので、Rが水素であるときに有益である。
【0009】
式(VIII)の化合物は、式(IX):
【化9】

[式中、Rは水素であるか、または式(II)で定義した通りである。]の化合物から、化合物(V)の水素化について先に記載した条件と同様の条件を用いて、水素化し、続いて、得られたアミンを反応させることによって、製造され得る。好ましくは、Rは式(II)で定義した通りであり、より好ましくは、Rはエチルである。
【0010】
化合物(IX)は、式(VI)の化合物から、例えばブロモ酢酸エチルのような化合物と、化合物(IV)の反応について上に記載した条件と同様の条件を用いて反応させることによって、製造され得る。
【0011】
さらにさらなる本発明の態様において、式(III)の化合物は、上で定義した式(IX)の化合物から、上で定義した式(VII)の化合物と、化合物(VI)および(VII)の反応について上で記載した条件と同様の条件を用いて、TCCAを用いて反応させることによって、製造され得る。
【0012】
本明細書中で開示した全ての新規の中間体は、本発明のさらなる態様を形成する。従って、本発明は、さらなる態様において、式(VIII)および(IX)の化合物を提供する。
下記の実施例は、本発明を説明する。
【実施例】
【0013】
実施例1
3−(4−クロロフェニルスルファニル)−2−メチル−4−ニトロ−1H−インドール
【化10】

【0014】
方法A
メタノール中のナトリウム メトキシド(4.1kg, 25%(w/w), 19mol)を、メタノール(6.47kg)中の、2−メチル−4−ニトロ−1H−インドール(1.52kg, 8.6mol)およびビス(p−クロロフェニル)ジスルフィド(2.48kg, 8.6mol)の懸濁液に、撹拌しながら加え、メタノール(0.67kg)で内壁洗浄を行なった。次に混合物を60〜65℃で、3.5時間加熱した。水(6.1kg)を反応混合物に加えた。次にそれを20℃まで冷却し、この温度で7分間撹拌した。固体を濾過によって集め、水(2×4kg)で、次に酢酸エチル(2×4kg)で洗浄し、次に真空オーブン中、40℃で乾燥した。3−(4−クロロフェニルスルファニル)−2−メチル−4−ニトロ−1H−インドール(2.57kg)を、明黄色の固体として得た(収率93%)。
1H NMR (400 MHz, D6-DMSO) δ 7.77 (d, J = 7.9 Hz, 1H), 7.63 (d, J = 7.6 Hz, 1H), 7.27 (m, 3H), 6.92 (d, J = 8.8 Hz, 2H), 2.48 (s, 3H).
LC-MS (ES+): 319 (100%, MH+).
【0015】
方法B
トリクロロイソシアン酸(450mg, 1.9mmol)を、酢酸エチル(10ml)中のビス(p−クロロジフェニル)ジスルフィド(1.63g, 5.7mmol)の溶液に、環境温度で加えると、橙色の懸濁液が生成した。環境温度で30分間撹拌後、穏やかな発熱となるよう制御するために水浴を用いて冷却しながら、酢酸エチル(10ml)中の2−メチル−4−ニトロ−1H−インドール(2.0g, 11.3mmol)の懸濁液を加え、酢酸エチル (4ml)で洗浄した。環境温度で40分間撹拌を続けた。水性重炭酸ナトリウム(5%, 20ml)および水(20ml)を加え、得られた懸濁液を環境温度で45分間撹拌した。固体を濾過によって集め、水(2×10ml)で、次に酢酸エチル(2×10ml)で内壁洗浄を行い、次に、真空オーブン中、45℃で乾燥し、3−(4−クロロフェニルスルファニル)−2−メチル−4−ニトロ−1H−インドール(2.9g; 81%)を、黄色/褐色の固体として得た。
【0016】
[3−(4−クロロフェニルスルファニル)−2−メチル−4−ニトロ−1H−インドール−1−イル]酢酸エチルエステル:方法A
【化11】

3−(4−クロロフェニルスルファニル)−2−メチル−4−ニトロ−1H−インドール(3.76kg, 11.8mol)および炭酸カリウム(1.80kg, 13.0mol)を、アセトニトリル(32.7kg)に懸濁した。水(0.53kg)、およびアセトニトリル(5.75kg)中のブロモ酢酸エチル(2.17kg, 13.0mol)の溶液を加え、アセトニトリル(2.97kg)で内壁洗浄を行った。混合物を50℃で6時間加熱し、次に20℃まで放冷し、この温度に終夜保った。水(35.4kg)を反応混合物に加え、15℃で30分間撹拌を続けた。固体生成物を濾過によって集め、アセトニトリル(2.95kg)で洗浄し、次に、真空オーブン中、40℃で、[3−(4−クロロフェニルスルファニル)−2−メチル−4−ニトロ−1H−インドール−1−イル]酢酸エチルエステル(4.33kg; 91%)を、明黄色の固体として得た。
1H NMR (300 MHz, D6-DMSO) δ 7.97 (dd, J = 8.3, 0.8 Hz, 1H), 7.65 (dd, J = 7.9, 0.8 Hz, 1H), 7.34 (t, J = 8.1 Hz, 1H), 7.26 (m, 2H), 6.92 (m, 2H), 5.40 (s, 2H), 4.19 (q, J = 7.0 Hz, 2H), 2.45 (s, 3H), 1.22 (t, J = 7.1 Hz, 3H).
LC-MS (ES+): 405 (100%, MH+), 407 (MH+).
【0017】
[4−アセチルアミノ−3−(4−クロロフェニルスルファニル)−2−メチル−1H−インドール−1−イル]酢酸エチルエステル:方法A
【化12】

酢酸エチル(24.2kg)中の[3−(4−クロロフェニルスルファニル)−2−メチル−4−ニトロ−1H−インドール−1−イル]酢酸エチルエステル(1.99kg, 4.92mol)の溶液を、1% Pt/C触媒ペースト(1.39kg, 44%(w/w))の存在下、4barの水素圧下で水素化した。2時間後、水素の取り込みが止まり、反応混合物を不活性化し、次に、セライト(2.60kg)で濾過した。固体を酢酸エチル(3×8kg)で洗浄し、合わせた濾液を残りの体積が26Lになるまで蒸留し、酢酸エチル中の[4−アミノ−3−(4−クロロフェニルスルファニル)−2−メチルインドール−1−イル]酢酸エチルエステルの溶液を得た。この溶液を4℃まで冷却し、次にトリエチルアミン(0.50kg, 4.94mol)を加え、酢酸エチル(0.82kg)で内壁洗浄を行った。酢酸エチル(3kg)中の塩化アセチル(0.39kg, 4.97mol)の溶液を加え、酢酸エチル(0.76kg)で内壁洗浄を行った。反応混合物を40℃で17時間加熱し、次に水(16.9kg)を加えた。24.6kgの留出液が除去されるまで、反応混合物を蒸留し、次に20℃まで冷却した。固体生成物を濾過によって集め、水(1.9kg)で、アセトニトリル(1.6kg)で洗浄し、真空オーブン中、40℃で乾燥し、[4−アセチルアミノ−3−(4−クロロフェニルスルファニル)−2−メチル−1H−インドール−1−イル]酢酸エチルエステル(1.69kg; 82%)を、灰白色の固体として得た。
1H NMR (300 MHz, DMSO) δ 9.51 (s, 1H), 7.46 (d, J = 7.5 Hz, 1H), 7.36 - 7.25 (m, 3H), 7.11 (t, J = 8.0 Hz, 1H), 6.97 (d, J = 8.7 Hz, 2H), 5.24 (s, 2H), 4.18 (q, J = 7.1 Hz, 2H), 2.39 (s, 3H), 1.86 (s, 3H), 1.21 (t, J = 7.1 Hz, 3H).
LC-MS (ES+): 417 (100%, MH+), 419 (MH+).
【0018】
[4−アセチルアミノ−3−(4−クロロフェニルスルファニル)−2−メチル−1H−インドール−1−イル]酢酸
【化13】

水性水酸化ナトリウム(1M, 11.7kg)を、1−プロパノール(8.2kg)中の[4−アセチルアミノ−3−(4−クロロフェニルスルファニル)−2−メチル−1H−インドール−1−イル]酢酸エチルエステル(2.20kg, 5.28mol)の溶液に加え、混合物を68℃まで加熱した。40℃に冷却した後、溶液を濾過し、フィルターを水(1kg)で洗浄し、次にメチル イソブチル ケトン(17.8kg)(80℃まで前もって加熱した)を濾液に加えた。水性塩酸(1M, 12.2kg)を、90分間に亘って加え、次に混合物を19℃に冷却した。結晶性の固体を濾過によって集め、水(2×4kg)、酢酸エチル(6kg)で洗浄し、次に真空オーブン中、40℃で乾燥し、[4−アセチルアミノ−3−(4−クロロフェニルスルファニル)−2−メチル−1H−インドール−1−イル]酢酸(1.87kg; 91%)を、白色の結晶として得た。
1H NMR (400 MHz, D6-DMSO) δ 9.51 (s, 1H), 7.47 (d, J = 7.6 Hz, 1H), 7.38 - 7.24 (m, 3H), 7.11 (t, J = 8.1 Hz, 1H), 6.98 (d, J = 8.5 Hz, 2H), 5.12 (s, 2H), 2.40 (s, 3H), 1.86 (s, 3H).
LC-MS (ES+): 389 (100%, MH+), 391 (MH+).
【0019】
(4−ニトロ−2−メチル−1H−インドール−1−イル)−酢酸エチルエステル
【化14】

水(4.5ml)、炭酸カリウム(25.9g, 187mmol)、およびブロモ酢酸エチル(20.8ml, 188mmol)を、アセトニトリル(225ml)中の2−メチル−4−ニトロ−1H−インドール(30g, 170mmol)の懸濁液に連続して加え、混合物を60℃で16時間加熱した。環境温度まで放冷した後、水(225ml)を加え、得られた混合物を分離し、次に濾過した。固体を水(2×75ml)で、次にIMS(2×75ml)で洗浄し、次に真空オーブン中で乾燥し、(4−ニトロ−2−メチル−1H−インドール−1−イル)−酢酸エチルエステル(32.15g; 72%)を得た。
1H-NMR (300 MHz, D6-DMSO) δ 8.04 (d, J = 8.1 Hz, 1H), 7.93 (d, J = 8.1 Hz, 1H), 7.27 (t, J = 8.1 Hz, 1H), 6.93 (s, 1H), 5.25 (s, 2H), 4.17 (q, J = 7.1 Hz, 2H), 2.44 (s, 3H), 1.21 (t, J = 7.1 Hz, 3H)
LC-MS (ES+): 263 (100%, MH+)
【0020】
[3−(4−クロロフェニルスルファニル)−2−メチル−4−ニトロ−1H−インドール−1−イル]酢酸エチルエステル:方法B
【化15】

トリクロロイソシアン酸(0.30g, 1.3mmol)を、環境温度で、酢酸エチル(10ml)中のビス(p−クロロフェニル)ジスルフィド(1.08g, 3.8mmol)の溶液に加えると、黄色の懸濁液が生成した。この温度で、30分間撹拌後、穏やかな発熱となるよう制御するために水浴を用いて冷却しながら、酢酸エチル(10ml)中の(4−ニトロ−2−メチル−1H−インドール−1−イル)−酢酸エチルエステル(2.0g, 7.6mmol)のスラリーを加え、酢酸エチル(4ml)で内壁洗浄を行った。環境温度で35分間撹拌を続けた。水性重炭酸ナトリウム(5%, 20ml)を加え、次に水(20ml)を加えた。45分間撹拌した後、酢酸エチルを蒸発によって除去し、固体生成物を濾過によって集め、水(2×10ml)で、次に50%(v/v) 水性アセトニトリル(2×10ml)で洗浄し、次に、真空オーブン中、45℃で終夜乾燥し、[3−(4−クロロフェニルスルファニル)−2−メチル−4−ニトロ−1H−インドール−1−イル]酢酸エチルエステル(2.95g; 96%)を、明黄色の固体として得た。
【0021】
(4−アミノ−2−メチル−1H−インドール−1−イル)−酢酸エチルエステル
【化16】

酢酸エチル(75ml)中の(4−ニトロ−2−メチル−1H−インドール−1−イル)−酢酸エチルエステル(5.0g, 19mmol)の溶液を、3barの水素圧下、湿った1% Pt/C触媒ペースト(38%(w/w), 0.7g)の存在下、水素の取り込みが止まるまで(3時間)、水素化した。反応混合物を珪藻土で濾過し、固体を酢酸エチル(75ml)で洗浄した。濾液と洗浄液を2回の先の実験で得られた溶液(それぞれ2gスケールで同様の方法で行った)と合わせ、乾固するまで蒸発させ、(4−アミノ−2−メチル−1H−インドール−1−イル)−酢酸エチルエステル(8.59g; >100%)を、褐色の油状物として得た。本品は放置後固化した。
1H NMR (300 MHz, D6-DMSO) δ 6.73 (t, J = 7.9 Hz, 1H), 6.49 (d, J = 8.1 Hz, 1H), 6.28 (s, 1H), 6.15 (d, J = 7.5 Hz, 1H), 5.05 (br s, 2H), 4.89 (s, 2H), 4.13 (q, J = 7.1 Hz, 2H), 2.27 (s, 3H), 1.20 (t, J = 7.1 Hz, 3H).
LC-MS (ES+): 233 (100%, MH+).
【0022】
(4−アセチルアミノ−2−メチル−1H−インドール−1−イル)−酢酸エチルエステル
【化17】

上記で製造した(4−アミノ−2−メチル−1H−インドール−1−イル)−酢酸エチルエステル(8.59g)を、酢酸エチル(175ml)に溶解し、次にトリエチルアミン(5.2ml, 37mmol)を加え、次に塩化アセチル(2.6ml, 37mmol)を加えた。35℃までの発熱を観察し、濃い懸濁液を得た。4時間撹拌(その間に混合物を環境温度まで放冷)した後、水(85ml)を加え、酢酸エチルを真空下で蒸発させることによって除去した。固体を濾過によって集め、水(25ml)で洗浄し、次に50%(v/v) 水性アセトニトリル(50ml)で洗浄し、次に、真空オーブン中、50℃で終夜乾燥し、(4−アセチルアミノ−2−メチル−1H−インドール−1−イル)−酢酸エチルエステル(7.26g)を、灰白色の固体として得た。収率77%((4−ニトロ−2−メチル−1H−インドール−1−イル)−酢酸エチルエステルに基づく)。
1H NMR (300 MHz, D6-DMSO) δ 9.51 (s, 1H), 7.55 (d, J = 7.7 Hz, 1H), 7.07 (d, J = 8.1 Hz, 1H), 6.96 (t, J = 7.9 Hz, 1H), 6.50 (s, 1H), 5.02 (s, 2H), 4.14 (q, J = 7.1 Hz, 2H), 2.33 (s, 3H), 2.12 (s, 3H), 1.20 (t, J = 7.1 Hz, 3H).
LC-MS (ES+): 275 (100%, MH+).
【0023】
[4−アセチルアミノ−3−(4−クロロ−フェニルスルファニル)−2−メチル−1H−インドール−1−イル]−酢酸エチルエステル:方法B
【化18】

トリクロロイソシアン酸(0.15g, 0.65mmol)を、酢酸エチル(5.25ml)中のビス(p−クロロフェニル)ジスルフィド(0.55g, 1.9mmol)の溶液に、環境温度で加えると、黄色の懸濁液が生成した。この温度で15分間撹拌した後、穏やかな発熱となるよう制御するために水浴を用いて冷却しながら、酢酸エチル(5.25ml)中の(4−アセチルアミノ−2−メチル−1H−インドール−1−イル)−酢酸エチルエステル(1.05g, 3.8mmol)のスラリーを加え、酢酸エチル(2ml)で内壁洗浄を行った。環境温度で1時間15分間撹拌を続けた。水性重炭酸ナトリウム(5%, 10.5ml)を加え、次に水(10.5ml)を加えた。35分間撹拌した後、固体生成物を濾過によって集め、水(2×5ml)で洗浄し、次に、真空オーブン中、45℃で終夜乾燥し、[4−アセチルアミノ−3−(4−クロロフェニルスルファニル)−2−メチル−1H−インドール−1−イル]−酢酸エチルエステル(1.13g; 71%)を、灰色の固体として得た。
【0024】
(4−アセチルアミノ−2−メチル−1H−インドール−1−イル)酢酸
【化19】

(4−アセチルアミノ−2−メチル−1H−インドール−1−イル)−酢酸エチルエステル(2.0g, 7.3mmol)を、環境温度で、エタノール(10ml)中でスラリーとした。水性水酸化ナトリウム(1M, 10ml, 10mmol)を加え、混合物を50℃まで加熱した。次に、得られた溶液を環境温度まで放冷し、水性塩酸(1M, 11ml, 11mmol)を加えた。得られた固体を濾過によって集め、水(2×10ml)で洗浄し、次に、真空オーブン中、45℃で終夜乾燥し、(4−アセチルアミノ−2−メチル−1H−インドール−1−イル)酢酸(1.66g; 92%)を、灰白色の固体として得た。
1H NMR (300 MHz, D6-DMSO) δ 12.97 (s, 1H), 9.49 (s, 1H), 7.54 (d, J = 7.5 Hz, 1H), 7.07 (d, J = 8.1 Hz, 1H), 6.95 (t, J = 7.9 Hz, 1H), 6.49 (s, 1H), 4.91 (s, 2H), 2.33 (d, J = 0.8 Hz, 3H), 2.12 (s, 3H)
LC-MS (ES+): 247 (100%, MH+).
【0025】
[4−アセチルアミノ−3−(4−クロロフェニルスルファニル)−2−メチル−1H−インドール−1−イル]酢酸:方法B
【化20】

トリクロロイソシアン酸(0.13g, 0.56mmol)を、酢酸エチル(5ml)中のビス(p−クロロフェニル)ジスルフィド(0.47g, 1.6mmol)の溶液に、環境温度で加えると、黄色の懸濁液が生成した。この温度で15分間撹拌した後、穏やかな発熱となるよう制御するために水浴を用いて冷却しながら、酢酸エチル(10ml)中の(4−アセチルアミノ−2−メチル−1H−インドール−1−イル)酢酸(0.80g, 3.2mmol)のスラリーを加え、酢酸エチル(5ml)で内壁洗浄を行った。環境温度で1時間15分間撹拌を続けた。固体生成物を濾過によって集め、エタノール(2×10ml)で洗浄し、次に、真空オーブン中、45℃で終夜乾燥し、[4−アセチルアミノ−3−(4−クロロフェニルスルファニル)−2−メチル−1H−インドール−1−イル]酢酸(1.22g; 97%)を、灰白色の固体として得た。
【0026】
実施例2
(2−メチル−4−ニトロ−1H−インドール−1−イル)酢酸
【化21】

水性水酸化ナトリウム(1M, 25ml)を、エタノール(25ml)中の(4−ニトロ−2−メチル−1H−インドール−1−イル)酢酸エチルエステル(5.0g, 18.9mmol)の溶液に加え、混合物を40℃に温めた。この温度で70分間撹拌した後、混合物を環境温度まで放冷し、水性塩酸(1M, 27.5ml)を加えると、固体の沈殿が起こった。これを濾過によって集め、水(2×25ml)で洗浄し、次に、真空オーブン中、50℃で終夜乾燥し、(2−メチル−4−ニトロ−1H−インドール−1−イル)酢酸(4.18g; 94%)を、黄色の固体として得た。
1H-NMR (300MHz, D6-DMSO) δ 13.2 (s, 1H), 8.03 (d, J = 8.1 Hz, 1H), 7.93 (d, J = 8.1 Hz, 1H), 7.26 (t, J = 8.1 Hz, 1H), 6.92 (s, 1H), 5.13 (s, 2H), 2.45 (s, 3H)
LC-MS (ES+): 235 (100%, MH+)
【0027】
[3−(4−クロロフェニルスルファニル)−2−メチル−4−ニトロ−1H−インドール−1−イル]酢酸
【化22】

トリクロロイソシアン酸(0.51g, 2.2mmol)を、酢酸エチル(15ml)中のビス(p−クロロフェニル)ジスルフィド(1.84g, 6.4mmol)の溶液に、環境温度で加えると、黄色の懸濁液が生成した。この温度で5分間撹拌した後、酢酸エチル(30ml)中の(4−ニトロ−2−メチル−1H−インドール−1−イル)−酢酸(3.0g, 12.8mmol)のスラリーを加え、酢酸エチル(6ml)で内壁洗浄を行った。環境温度で40分間撹拌を続けた。固体生成物を濾過によって集め、酢酸エチル(2×10ml)で洗浄し、次に真空オーブン中、50℃で終夜乾燥し、[3−(4−クロロフェニルスルファニル)−2−メチル−4−ニトロ−1H−インドール−1−イル]酢酸(2.93g)を、明黄色の固体として得た。副生成物であるシアン酸は、後処理で除去されなかった。
1H NMR (300 MHz, D6-DMSO) δ 13.4 (s, 1H), 7.97 (dd, J = 8.3, 0.8 Hz, 1H), 7.64 (dd, J = 7.7, 0.8 Hz, 1H), 7.34 (t, J = 8.1 Hz, 1H), 7.25 (m, 2H), 6.92 (m, 2H), 5.28 (s, 2H), 2.45 (s, 3H).
LC-MS (ES+): 377 (100%, MH+), 379 (MH+).
【0028】
本生成物のニトロ基を還元し、次いで[4−アセチルアミノ−3−(4−クロロフェニルスルファニル)−2−メチル−1H−インドール−1−イル]酢酸エチルエステルの製造で上述した方法(方法A)と同様の方法でアミドを形成することによって、式(I)の化合物に変換し得る。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(I):
【化1】

の化合物もしくはその薬学的に許容される塩またはそれらの溶媒和物の製造方法であって、式(II):
【化2】

[式中、Rは、エステル形成基である。]の化合物を、塩基の存在下で脱エステル化し、次に、酸およびケトンもしくはエステル含有溶媒で処理し、所望によりその後、薬学的に許容される塩もしくは溶媒和物を形成することを含む方法。
【請求項2】
RがC1−6アルキルである、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
Rがエチルである、請求項1もしくは2に記載の方法。
【請求項4】
有機アルコール溶媒中水酸化アルカリ金属塩を用いて行う、請求項1から3の何れか1項に記載の方法。
【請求項5】
n−プロパノール中水性水酸化ナトリウムを用いて行う、請求項1から4の何れか1項に記載の方法。
【請求項6】
約68℃の温度で行う、請求項1から5の何れか1項に記載の方法。
【請求項7】
酸処理を、酢酸エチル、酢酸n−プロピルおよびMIBK、ならびにそれらの混合物の存在下で行う、請求項1から5の何れか1項に記載の方法。
【請求項8】
酸処理を、MIBKの存在下で行う、請求項1から5の何れか1項に記載の方法。
【請求項9】
請求項1から8の何れか1項に記載の方法を用いて製造された、式(I)の化合物。
【請求項10】
式(I)もしくは式(II)の化合物の製造方法であって、式(VIII):
【化3】

[式中、Rは、水素であるか、または式(II)で定義した通りである。]の化合物を、式(VII):
【化4】

[式中、Rは、クロロであるか、またはクロロに変換され得る基である。]の化合物と反応させ、所望によりその後、薬学的に許容される塩もしくは溶媒和物を形成することを含む方法。
【請求項11】
式(II)の化合物または対応するカルボン酸の製造方法であって、式(III):
【化5】

[式中、Rは水素であるか、または式(II)で定義した通りである。]の化合物を、亜ジチオン酸ナトリウムで、または水素化によって還元し、次にアミド形成することを含む方法。
【請求項12】
式(III)の化合物または対応するカルボン酸の製造方法であって、式(IX):
【化6】

[式中、Rは水素であるか、または式(II)で定義した通りである。]の化合物を、式(VII):
【化7】

[式中、Rはクロロであるか、またはクロロに変換され得る基である。]の化合物と反応させることを含む方法。
【請求項13】
式(IV)の化合物の製造方法であって、式(VI):
【化8】

の化合物を、式(VII):
【化9】

[式中、Rはクロロであるか、またはクロロに変換され得る基である。]の化合物と反応させることによる方法。
【請求項14】
式(VIII):
【化10】

[式中、Rは、水素、フェニル、ベンジル、またはC1−6アルキルである。]の化合物。
【請求項15】
式(IX):
【化11】

[式中、Rは、水素、フェニル、ベンジル、またはC1−6アルキルである。]の化合物。

【公表番号】特表2008−526936(P2008−526936A)
【公表日】平成20年7月24日(2008.7.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−550831(P2007−550831)
【出願日】平成18年1月9日(2006.1.9)
【国際出願番号】PCT/GB2006/000060
【国際公開番号】WO2006/075139
【国際公開日】平成18年7月20日(2006.7.20)
【出願人】(391008951)アストラゼネカ・アクチエボラーグ (625)
【氏名又は名称原語表記】ASTRAZENECA AKTIEBOLAG
【Fターム(参考)】