説明

美容・健康増進装置

【課題】従来人体の皮膚表面全体をまんべんなくマッサージするのに要した時間と労力を解消する皮膚面に沿って摺動し皮膚面に低周波又は高周波の電気エネルギーを供給する美容・健康増進装置を提供する。
【解決手段】皮膚面に当接して前記電気エネルギーを供給する皮膚接触器具が、軸心に金属棒を挿通した杆状手持ち部と、その先端に直角に取着された導電性を有する杆体とでT字形体を構成し、同杆体には固定又は回転自在に軸支された複数の通電導子体を取着してなり、かつ前記杆体が人体表面形状に沿った湾曲形状をなす美容・健康増進装置による。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、人体の皮膚面に沿って手動で摺動し、皮膚面に低周波又は高周波の電気エネルギーを供給する美容・健康増進装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、球体を利用して人体の皮膚面に沿って手動で摺動してマッサージ効果を発揮するマッサージ美容器が多数開示されている。
特許文献1は、棒状本体の左先端に球体回転磁石部を右先端に球体回転水晶部を設け左右一体化したエステマッサージ美容器であり、回転する球体磁石部と球体水晶部を左右に分けることによって球体磁石の回転マッサージで血流の流れを促進する又球体水晶部の球体水晶の回転波動による細胞の活力促進と皮膚表面の熱を下げ皮膚を引き締めマッサージとエステ美容の効果がある左右ボールマッサージエステ美容器が開示されている。
【0003】
特許文献2は、電気的筋肉刺激装置を用いて一対の電極から低周波刺激信号と高周波刺激信号を同時かつランダムに通電することにより、表情筋を刺激してその動きを活性化させてフェイスラインを引き締める表情筋引き締め工程と、微弱電流を通電しながら皮膚マッサージを施すことにより、コラーゲン生成と血行を促進させる代謝促進工程と、海藻エキスと植物エキスを配合したパック剤を塗布し、所定時間の経過後に取り除くパック工程とを施すフェイシャル美容施術法が開示されている。
フェイシャル美容施術法によれば、衰えや機能低下が生じた表情筋を活性化させて、豊かな表情が生成されるようにする。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】実用新案登録第3145941号公報
【特許文献2】特開2008−173230号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、特許文献1では、棒状本体の左右先端に設けられた1個ずつの球体磁石と球体水晶を交互に切り替えてマッサージとエステ美容を行う方法であるため、皮膚表面全体を満遍なくマッサージとエステ美容を行うとするには時間と労力を必要とする問題があった。
また、特許文献2では、一対の電極に低周波と高周波の刺激信号を通電することによる表情筋引き締め工程と、施術者が手にはめた導電型のトレーニング・グローブにより微弱電流を通電しながら首筋及びフェイス各部に皮膚マッサージを施す工程の2工程が必要であり、やはり時間と労力を必要とする問題があった。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者は、上記に鑑み鋭意研究の結果、次の手段によりこの課題を解決した。
(1)人体の皮膚面に沿って摺動し皮膚面に低周波又は高周波の電気エネルギーを供給する美容・健康増進装置において、
皮膚面に当接して前記電気エネルギーを供給する皮膚接触器具が、
軸心に金属棒を挿通した杆状手持ち部と、その先端に直角に取着された導電性を有する杆体とでT字形体を構成し、同杆体には固定又は回転自在に軸支された複数の通電導子体を取着してなり、かつ前記杆体が人体表面形状に沿った湾曲形状をなすものであることを特徴とする美容・健康増進装置。
(2)前記複数の通電導子体が、球体であることを特徴とする前項(1)に記載の皮膚接触型導電装置。
(3)前記複数の通電導子体が、楕円球体であることを特徴とする前項(1)に記載の美容・健康増進装置。
(4)前記湾曲形状の杆体が、前記杆状手持ち部の先端との直交軸をなし、杆体を軸芯として回転でき、かつ所望の位置で固定できる構成としたことを特徴とする前項(1)〜(3)のいずれか1項に記載の美容・健康増進装置。
(5)前記複数の通電導子体が、杆体の中央から両先端部に向けてその径が順次減少、又は増大するように形成されてなることを特徴とする前項(1)〜(4)のいずれか1項に記載の美容・健康増進装置。
(6)前記複数の通電導子体のうち、杆体の両先端に軸支されたもののみが杆体に固定され、他の通電導子体は回転自在に軸支されてなることを特徴とする前項(1)〜(5)のいずれか1項に記載の美容・健康増進装置。
(7)前記杆体の軸部が、クランクハンドル状に屈曲してなることを特徴とする前項(1)〜(6)のいずれか1項に記載の美容・健康増進装置。
(8)前記杆状手持ち部と前記杆体とが着脱可能に構成されてなることを特徴とする前項(1)〜(7)のいずれか1項に記載の美容・健康増進装置。
(9)前記杆体が、人体表面部位の異なる形状に対応するよう異なった湾曲形状を有する複数種の杆体を備えてなることを特徴とする前項(1)〜(8)のいずれか1項に記載の美容・健康増進装置。
(10)前記杆体が、弾力性、形状復元力を有する金属バネ材製のものであることを特徴とする前項(1)〜(9)のいずれか1項に記載の美容・健康増進装置。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、次のような効果が発揮される。
1.本発明の請求項1の発明によれば、
人体の皮膚面に当接して前記電気エネルギーを供給する皮膚接触通電器具が、
軸心に金属棒を挿通した杆状手持ち部と、その先端に直角に取着された導電性を有する杆体とでT字形体を構成し、同杆体には固定又は回転自在に軸支された複数の通電導子体を取着してなり、かつ前記杆体が人体表面形状に沿った湾曲形状をなすものであり、
前記T字状の導電性を有する杆体の複数の通電導子体を人体の皮膚面に沿って摺動できるので皮膚に対する優れた接触感効果を得ることができる。
【0008】
また、前記杆体が人体表面形状に沿った湾曲形状になっているため、体内の臓器、筋肉、骨格等で皮膚表面が複雑に湾曲していても的確にフィットして、複数の通電導子体から人体の皮膚面に低周波又は高周波の電気エネルギーを効率よく供給でき美容・健康増進に優れた効果を発揮することができる。
【0009】
2.本発明の請求項2の発明によれば、
請求項1の効果に加えて、前記複数の通電導子体が、球体なので、人体の皮膚面に沿ってなめらかに摺動でき、皮膚に対するより優れた接触感が得られる。
【0010】
また、皮膚を押圧しながら摺動することにより、球体のほぼ半分が皮膚と接触することになり、優れたマッサージ効果と、さらに、皮膚との接触面積が増大して電気抵抗値が低下するため電気エネルギーがさらに強く効率的に伝達され、美容・健康増進に優れた効果を発揮することができる。
【0011】
さらにまた、前記電気エネルギーの供給パワーが一定であっても、皮膚に対する押圧力を強弱制御することにより、皮膚との接触面積が変化して電気抵抗値が変わるため電気エネルギーを効果的に強弱変化させながら伝達することができ、美容・健康増進に優れた効果を発揮することができる。
【0012】
3.本発明の請求項3の発明によれば、
請求項1の効果に加えて、前記複数の通電導子体が、楕円球体なので、人体の皮膚面に沿ってなめらかに摺動できるので皮膚に対するより優れた接触感が得られる。
【0013】
また、皮膚を押圧しながら摺動することにより、楕円球体のほぼ半分が皮膚と接触することになり、優れたマッサージ効果と、皮膚との接触面積が増大して電気抵抗値が低下するため電気エネルギーがさらに強く効率的に伝達され、美容・健康増進に優れた効果を発揮することができる。
【0014】
さらにまた、前記電気エネルギーの供給パワーが一定であっても、皮膚に対する押圧力を強弱制御することにより、皮膚との接触面積が変化して電気抵抗値が変わるため電気エネルギーを効果的に強弱変化させながら伝達することができ、美容・健康増進に優れた効果を発揮することができる。
【0015】
4.本発明の請求項4の発明によれば
請求項1〜3の効果に加えて、前記湾曲形状の杆体が、前記杆状手持ち部の先端との直交軸をなし、杆体を軸芯として回転でき、かつ所望の位置で固定できるので、顔面、頸部、腕、足、腹部及び臀部など皮膚面の部位、形状に合わせて、又は本皮膚接触器具の摺動方向及び摺動角度に合わせて、湾曲方向を前向き又は下向き等自在に設定し、マッサージ方向、部位及び形状に最も適した形態とすることができ、人体の各部に的確にフィットし、優れたマッサージ効果が得られる。 同時に、複数の通電導子体から人体の皮膚面に低周波又は高周波の電気エネルギーを効率よく供給でき美容・健康増進に優れた効果を発揮することができる。
【0016】
5.本発明の請求項5の発明によれば
請求項1〜4の効果に加えて、前記複数の通電導子体が、杆体の中央から両先端部に向けてその径が順次減少、又は増大するように形成されているので、
顔面、頸部、腕、足、腹部及び臀部など皮膚面の部位、形状、又は本皮膚接触器具の摺動方向及び摺動角度に係わらず、前記複数の通電導子体の押圧力を均等にしたり、中央部の大径(又は小径)通電導子体のみ、又は小径(又は大径)通電導子体のみに押圧力を加えるなどの対応ができ、マッサージ効果を高めることができる。同時に、各通電導子体から人体の皮膚面に低周波又は高周波の電気エネルギーを効率よく供給でき美容・健康増進に優れた効果を発揮することができる。
【0017】
6.本発明の請求項6の発明によれば
請求項1〜5の効果に加えて、前記複数の通電導子体のうち、杆体の両先端に軸支されたもののみが杆体に固定され、他の通電導子体は回転自在に軸支されているので、
前記固定された通電導子体を皮膚表面に押し当てるように前記杆状手持ち部の握り角度を調整し、そのまま皮膚面を強弱制御して摺動すると、皮膚面と固定された通電導子体の摩擦熱と電気エネルギーが大となり接触する皮膚面の皮下組織を活性化できる。
また、他の通電導子体は回転自在に軸支されているので、皮膚上を摺動しても皮膚に対する優れた接触感を得ることができる。
【0018】
7.本発明の請求項7の発明によれば
請求項1〜6の効果に加えて、前記杆体の軸部が、クランクハンドル状に屈曲しているので、
皮膚接触器具を皮膚表面各部を摺動する際に杆状手持ち部を握った手が皮膚に触れることなくスムーズに摺動できる。
【0019】
8.本発明の請求項8の発明によれば
請求項1〜7の効果に加えて、前記杆状手持ち部と前記杆体とが着脱可能に構成されているので、
形状の異なる通電導子体又は径の大小の異なる配列の通電導子体が取り付けられた複数種の腕部を持つ杆体を用意し、交換しながら使用目的別に迅速に対応することができる。
【0020】
9.本発明の請求項9の発明によれば
請求項1〜8の効果に加えて、前記杆体が、人体表面部位の異なる形状に対応するよう異なった湾曲形状を有する複数種の杆体を備えているので、
湾曲形状の異なる杆体又は杆体の異なる取付方向のものや、形状の異なる通電導子体又は径の大小の異なる配列の通電導子体が取り付けられた杆体をそれぞれ使用目的別に用意することができるので、使用部位により任意に選択でき、優れた美容・健康増進効果が得られる。
【0021】
10.本発明の請求項10の発明によれば
請求項1〜9の効果に加えて、前記杆体が、弾力性、形状復元力を有する金属バネ材製のものなので、
湾曲形状をなす杆体が人体表面形状に従った必要最小半径のもので、かつ弾力性、形状復元力の異なる金属バネ材を備えた杆体を用意すれば、前記杆状手持ち部の摺動方向及び摺動角度によって加える力を制御することにより、前記杆体が顔面、頸部、腕、足、腹部及び臀部など皮膚面の部位、形状に合わせて変形し、全ての通電導子体を皮膚面に同時に接触させて摺動でき、接触感に優れ、かつ皮膚面に低周波又は高周波の電気エネルギーを効率よく、かつ効果的に供給でき美容・健康増進に優れた効果を発揮することができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】本発明実施例の皮膚接触器具外観図。
【図2】本発明の皮膚接触器具による脚部皮膚マッサージ実施例模式図。
【図3】本発明の皮膚接触器具による腕部皮膚マッサージ実施例模式図。
【図4】本発明の皮膚接触器具による顔面部皮膚マッサージ実施例模式図。
【発明を実施するための形態】
【0023】
本発明を実施するための形態について図に基づき詳細に説明する。
人体の皮膚面に沿って摺動し皮膚面に電気信号発生装置11によって低周波又は高周波の電気エネルギーを供給する美容・健康増進装置1において、本発明の皮膚面に当接して前記電気エネルギーを供給する皮膚接触器具2は、軸心に金属棒10を挿通したプラスチック等非金属製の杆状手持ち部9と、その先端に直角に取着された導電性を有する杆体3と、同杆体3でT字形体を構成し、腕部4に固定又は回転自在に軸支された複数の球体(又は楕円球体)の通電導子体6a〜6cを取着してなり、かつ前記杆体の腕部4が人体表面形状に沿った湾曲形状をなすものであり、人体の皮膚面に沿って摺動し皮膚面に低周波又は高周波の電気エネルギーを供給するものである。
【0024】
図1に示すように、皮膚接触器具2は、ほぼT字状の導電性を有する杆体3の側方に延びる杆体の腕部4に複数(本実施例では3個×2)の球体(又は楕円球体)の通電導子体6a〜6cが固定、又は回転自在に軸支されている。
【0025】
前記湾曲形状の杆体の腕部4は、前記杆状手持ち部9の先端と直交軸をなす杆体の腕部4を軸芯として回転し、腕部固定ねじ7により所望の向きで固定できる。
【0026】
したがって、顔面、頸部、腕、足、腹部及び臀部など皮膚面の部位、形状に合わせて、又は本皮膚接触器具2の摺動方向及び摺動角度に合わせて、湾曲方向を前向き又は下向き等自在に設定し、マッサージ方向、部位及び形状に最も適した形態とすることができる。
【0027】
前記複数の通電導子体6a〜6cは、杆体の腕部4の中央から両先端部に向けてその径が順次減少(又は増大)するように形成されている。
【0028】
また、前記複数の通電導子体6a〜6cのうち、杆体の腕部4の両先端に軸支された最小径(又は最大径)の通電導子体6cのみが杆体の腕部4に固定され、他の通電導子体6a、6bは回転自在に軸支されている。
【0029】
前記杆体の軸部5が、クランクハンドル状に屈曲されているので、皮膚接触器具2を皮膚表面各部を摺動する際に杆状手持ち部9を握った手が皮膚に触れることなくスムーズに摺動できる。
【0030】
前記杆状手持ち部9に挿通された金属棒10の先端に刻設された図示しない雄ねじに螺合する軸固定ナット8により前記杆体の軸部5と金属棒10の先端が着脱可能に構成されているので、例えば、形状の異なる通電導子体6a〜6c、又は径の大小の異なる配列の通電導子体6a〜6cが取り付けられた杆体の腕部4を持つ複数の杆体3を用意し、交換しながら使用目的別に迅速に対応することができる。
【0031】
前記杆状手持ち部9に挿通された金属棒10の前記杆体の軸部5と逆方向の先端には、通電用のコード16が接続され、電気信号発生装置10(図2参照)から低周波又は高周波の電気エネルギーが供給される。
【0032】
以上、前記杆体の腕部4は湾曲形状をなす金属棒10であることとして記述したが、金属棒10に代えて、弾力性、形状復元力を有する金属バネ材としてもよい。
【0033】
前記杆体の腕部4を金属バネ材製のものとした場合は、湾曲形状をなす杆体の腕部4が人体表面形状に基づいて必要最小半径の金属バネ材製のものとして、かつ弾力性、形状復元力の異なる金属バネ材製のものを複数個用意すれば、前記杆状手持ち部9の摺動方向及び摺動角度によって加える力を制御することにより、前記杆体の腕部4が顔面、頸部、腕、足、腹部及び臀部など皮膚面の部位、形状に合わせて変形し、全ての通電導子体6a〜6cを皮膚面に同時に接触させて摺動できる。
【実施例1】
【0034】
図2に示すように、本発明の皮膚接触器具2を大きな凸面でなるヒップの皮膚面のマッサージに使用する場合、杆状手持ち部9によって移動方向に力F3と下方に押しつける力F1を与えると、通電導子体6aによって皮膚面に押圧力F5が与えられると同時に、通電導子体6cには皮膚の弾力により前記通電導子体6cの中心を支点として上向きの力が作用し、移動方向への力F3との合力により前方上向きの力F4が作用することになる。
【0035】
そのため、通電導子体6aと通電導子体6cの接触面積は大きくなり、この箇所の摩擦熱が発生し、さらに球体の接触面積が増大するため電気抵抗値は低下して電気エネルギーは強く伝達される。また、皮膚面をスムーズに移動しながら電気エネルギーを皮膚面に印加するには、両端の固定球を皮膚面から浮かせ、回転球のみに下方向力F5が働くようにして移動を容易にすることが好ましい。
【0036】
一方、固定球を皮膚面に押し当てるように杆状手持ち部9の握り角度を調整し、そのまま皮膚面を移動すると、皮膚面と固定球の摩擦熱と電気エネルギーが大きくなり接触する皮膚面の皮下組織を活性化できる。
【0037】
逆に杆状手持ち部9の握り角度を調整し皮膚接触器具2を持ち上げながら移動すれば、最小球通電導子体6cの接触面積は大きくなり最大球通電導子体6aは浮く状態となって接触面積は減少し、両端の固定球通電導子体6cによる押圧マッサージ効果が大となり、この施術方法はバストアップ、ヒップアップのような皮膚表面の段差がある部位の施術に有効である。
【0038】
ここで電気エネルギーを供給する電気信号発生装置11は、パルス発生回路12、出力回路13、電源回路14、及び電極板17で構成され、出力調整器15で出力エネルギーを強弱制御できる。またパルス発生回路11は、低周波又は高周波の正弦波、パルス波を切り替え発生することができる。
【実施例2】
【0039】
図3に示すように、本発明の皮膚接触器具2を腕、足などの部位で使用する場合、皮膚面積にバラツキが多いことからそれぞれの部位で通電導子体6a〜6cの押圧力と電気エネルギーが微妙に変化することとなる。そのため、皮膚面の形状に合わせた施術を行うことが必要となる。
【0040】
腕などのような手先に行くほど細くなる部位は、表皮に加わる杆体左右の力は通電導子体6ごとのバラツキが大となるが、図に示すようにある程度杆体3を接触させる向きと皮膚面を押す力とを調整すれば印加する電気エネルギーの配分を制御できる。
【実施例3】
【0041】
図4に示すように、本発明の皮膚接触器具2を顔で使用する場合、緩やかな段差の凹凸が多い顔面には、皮膚接触器具2の形状はまさに理にかなったものであり従来にない施術効果の発揮が取得できる。
【0042】
皮膚接触器具2を矢印A方向に平行移動するのみでなく、前記湾曲形状の杆体の腕部4の左側端に固定された通電導子体6cを基準軸として右側端の通電導子体6cを曲線状の矢印B方向に移動する、又はこの逆に右側端の通電導子体6cを基準軸として左側端の通電導子体6cを移動してもよい。
【0043】
さらに、頬のラインに沿って曲線状の矢印Cのように皮膚接触器具2を移動するようにマッサージすることも好ましく、また、のどの部位を直線状の矢印D方向に移動するのもよく、以上のように使いこなすことによって、移動方向による皮膚面への押圧力と電気エネルギーの強弱を適切に制御でき、多様な組み合わせでの美容・健康増進機能の発揮が可能となる。
【産業上の利用可能性】
【0044】
本発明の皮膚面に当接して前記電気エネルギーを供給する皮膚接触器具は、
軸心に金属棒を挿通した杆状手持ち部と、その先端に直角に取着された導電性を有する杆体とでT字形体を構成し、同杆体は固定又は回転自在に軸支された複数の通電導子体を取着してなり、かつ前記杆体が人体表面形状に沿った湾曲形状をなすものであり、人体の皮膚面に沿って摺動し皮膚面に低周波又は高周波の電気エネルギーを供給する美容・健康増進装置である。
【符号の説明】
【0045】
1:美容・健康増進装置
2:皮膚接触器具
3:杆体
4:杆体の腕部
5:杆体の軸部
6a、6b、6c:通電導子体
7:腕部固定ねじ
8:軸固定ナット
9:杆状手持ち部
10:金属棒
11:電気信号発生装置
12:パルス発生回路
13:出力回路
14:電源回路
15:出力調整器
16:コード


【特許請求の範囲】
【請求項1】
人体の皮膚面に沿って摺動し皮膚面に低周波又は高周波の電気エネルギーを供給する美容・健康増進装置において、
皮膚面に当接して前記電気エネルギーを供給する皮膚接触器具が、
軸心に金属棒を挿通した杆状手持ち部と、その先端に直角に取着された導電性を有する杆体とでT字形体を構成し、同杆体には固定又は回転自在に軸支された複数の通電導子体を取着してなり、かつ前記杆体が人体表面形状に沿った湾曲形状をなすものであることを特徴とする美容・健康増進装置。
【請求項2】
前記複数の通電導子体が、球体であることを特徴とする請求項1に記載の美容・健康増進装置。
【請求項3】
前記複数の通電導子体が、楕円球体であることを特徴とする請求項1に記載の美容・健康増進装置。
【請求項4】
前記湾曲形状の杆体が、前記杆状手持ち部の先端との直交軸をなし、杆体を軸芯として回転でき、かつ所望の位置で固定できる構成としたことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の美容・健康増進装置。
【請求項5】
前記複数の通電導子体が、杆体の中央から両先端部に向けてその径が順次減少、又は増大するように形成されてなることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の美容・健康増進装置。
【請求項6】
前記複数の通電導子体のうち、杆体の両先端に軸支されたもののみが杆体に固定され、他の通電導子体は回転自在に軸支されてなることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の美容・健康増進装置。
【請求項7】
前記杆体の軸部が、クランクハンドル状に屈曲させてなることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の美容・健康増進装置。
【請求項8】
前記杆状手持ち部と前記杆体とが着脱可能に構成されてなることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の美容・健康増進装置。
【請求項9】
前記杆体が、人体表面部位の異なる形状に対応するよう異なった湾曲形状を有する複数種の杆体を備えてなることを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載の美容・健康増進装置。
【請求項10】
前記杆体が、弾力性、形状復元力を有する金属バネ材製のものであることを特徴とする請求項1〜9のいずれか1項に記載の美容・健康増進装置。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2011−83473(P2011−83473A)
【公開日】平成23年4月28日(2011.4.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−239109(P2009−239109)
【出願日】平成21年10月16日(2009.10.16)
【出願人】(597097401)有限会社ティケイ企画 (2)
【Fターム(参考)】