説明

美容装置

【課題】美容装置において、より容易に美容効果を得ることにある。
【解決手段】両エアバッグ14の膨張及び収縮が繰り返されることで、両エアバッグ14間の皮膚を押圧するマッサージが行われる。また、マッサージに伴いエアバッグ14と皮膚とが接触する部分にRF電極21,22が設けられている。このため、マッサージと同時にRF電極21,22を介して高周波電流を供給することができる。すなわち、自動でマッサージを受けられるとともに、高周波電流によって皮膚が加熱される相乗効果にていっそう血行が促進される。これにより、より容易に美容効果が得られる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、美容装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、美容の分野において、微弱電流を肌に与えることで美容効果が得られることが知られている。この原理を利用した美容装置として、例えば、特許文献1に示される構成が採用されている。この美容装置は、施術者が手に嵌めるグローブを備え、このグローブには装置本体から低周波電流が供給される。すなわち、施術者は、グローブを嵌めた状態の手で被施術者にマッサージを施す。これにより、グローブから皮膚に低周波電流が供給される。従って、マッサージ及び低周波電流の相乗効果により血行を促進させることができる。これにより、肌の弛みやむくみが改善されて肌を引き締める美容効果が得られる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2008−173230号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、上記特許文献1に示される美容装置は、主にエステティックサロンにおいて使用されるものであって、マッサージは他人に施してもらうことを想定している。従って、この美容装置を個人的に使用する場合には、自らでマッサージを行う必要があり、面倒であった。
【0005】
この発明は、こうした実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、より容易に美容効果が得られる美容装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
以下、上記目的を達成するための手段について説明する。
第1の発明は、皮膚との接触を介して皮膚に電流を供給する複数の電極を備えた美容装置において、マッサージ機構を備えたことをその要旨としている。
【0007】
第2の発明においては、前記マッサージ機構はポンプの駆動により同時に膨張及び収縮する一対のエアバッグを備え、前記電極は前記両エアバッグの互いに対向する位置に設けられるとともに、前記各エアバッグの膨張及び収縮に伴い前記両電極の面間距離が増減することをその要旨としている。
【0008】
第3の発明においては、前記マッサージ機構はアクチュエータの駆動により互いに接離する一対の揉み玉を備え、前記電極は前記両揉み玉の互いに対向する位置に設けられるとともに、前記揉み玉の接離に伴い前記両電極の面間距離が増減することをその要旨としている。
【0009】
第4の発明においては、前記マッサージ機構は電力に基づき振動する振動部を備え、前記電極のうち少なくとも1つは前記振動部に設けられていることをその要旨としている。
第5の発明は、前記電極への電流の供給を制御する制御装置を備え、前記制御装置は、前記電極の面間距離が最大面間距離より小さい一定距離以下となったとき前記電極に電流を供給することをその要旨としている。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、美容装置において、より容易に美容効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】第1の実施形態における美容装置の構成図。
【図2】第1の実施形態における美容装置の内部構成を示した断面図。
【図3】第1の実施形態における(a)及び(b)はエアバッグの収縮状態及び膨張状態を示す美容装置の施療子の拡大図。
【図4】第1の実施形態における制御プログラムの処理手順を示したフローチャート。
【図5】第2の実施形態における美容装置の内部構成を示した断面図。
【図6】第2の実施形態における美容装置の施療子の拡大図。
【図7】第3の実施形態における美容装置の内部構成を示した断面図。
【発明を実施するための形態】
【0012】
(第1の実施形態)
以下、本発明にかかる美容装置を具体化した第1の実施形態について図1〜図4を参照して説明する。本例における美容装置においては、皮膚への高周波電流の供給と同時にマッサージを施すことができる。
【0013】
まず、美容装置における高周波電流に関する構成について説明する。
図1に示すように、美容装置は、制御装置11と、RF(Radio Frequency)発信機15と、一対のRF電極21,22と、を備える。制御装置11は、RF発信機15に制御信号を出力する。RF発信機15は、例えば、図示しないバッテリからの直流電流を高周波電流(交流電流)に変換するインバータを備える。RF発信機15は、制御信号に基づき変換した高周波電流をRF電極21,22へ供給する。
【0014】
RF電極21,22が肌に当てられたとき、皮膚がRF電極21,22間を接続する電気的抵抗となる。これにより、RF発信機15及びRF電極21,22を備えた回路が電気的に閉じて、同回路に高周波電流が流れる。この回路の経路、詳しくは両RF電極21,22間には皮膚が存在するため、皮膚に高周波電流を供給することができる。ここで、皮膚は電気的抵抗として作用する。従って、皮膚にて電気エネルギが熱エネルギとして消費されるため、皮膚を温めて血行の促進を図ることができる。
【0015】
次に、美容装置におけるマッサージに関する構成について説明する。
美容装置は、2つのエアバッグ14の給気及び排気を行うポンプ13を備える。制御装置11は、ポンプ13に給気又は排気を要求する旨の制御信号を出力する。ポンプ13は、制御信号に基づき給排気経路20を通じてエアバッグ14の給気又は排気を行う。このとき、ポンプ13はバッテリからの電力に基づき駆動する。これらエアバッグ14の給排気を通じて後述するマッサージ効果が得られる。なお、美容装置の電源は、バッテリに限らず商用電源であってもよい。この場合、美容装置のバッテリを省略できる。
【0016】
また、図1に示すように、美容装置は、ユーザによって操作される電源スイッチ16を備える。電源スイッチ16は、図2に示すように、装置の外形をなす樹脂製のハウジング30に取り付けられている。電源スイッチ16が操作されると、その旨の操作信号が制御装置11に出力される。図1に示すように、制御装置11は、電源スイッチ16からの操作信号を受けると、自身のメモリ11aに記憶される制御プログラムに従って、RF発信機15及びポンプ13を通じてRF電極21,22及び2つのエアバッグ14を制御する。この制御プログラムについては後で詳述する。また、制御装置11は、エアバッグ14の給気及び排気時間、並びに高周波電流の供給時間等を計測するタイマ11bを備える。
【0017】
次に、エアバッグ14及びRF電極21,22を備える施療子について、図2及び図3を参照しつつ説明する。
図2に示すように、一対の施療子17L,17Rはハウジング30の底面から突出して設けられている。施療子17L,17Rは、ユーザの皮膚に当てられる部分であって、これらを通じてマッサージや高周波電流の供給が行われる。
【0018】
ここでは、左側の施療子17Lについて代表して説明する。ハウジング30の底面には棒状の固定部18が突出して設けられている。固定部18の内面(右側の施療子17R側の面)には、エアバッグ14が設けられている。図3(a)に示すように、エアバッグ14の内側には支持板19が設けられている。この支持板19がエアバッグ14を介して固定部18に締結されることで、エアバッグ14は固定部18に固定されている。固定部18の内部には、その延出方向に沿って、ポンプ13及びエアバッグ14を連通する給排気経路20が設けられている。給排気経路20は、固定部18の内部から支持板19をその厚さ方向に貫通して、エアバッグ14の内部空間と連通している。これにより、ポンプ13が駆動することで、給排気経路20を通じてエアバッグ14の給排気が可能となる。
【0019】
また、エアバッグ14の支持板19に対向する部分には、同部分を内外から挟み込む保持板27a,27bが設けられている。保持板27bは、エアバッグ14の外側において、その面が右側の施療子17Rを向いている。また、保持板27bの外面にはRF電極21が嵌め込まれている。
【0020】
固定部18の内部には、その延出方向に沿って、RF発信機15及びRF電極21間を接続する導線38が通っている。この導線38は、固定部18の内部から支持板19をその厚さ方向に貫通して、エアバッグ14の内部空間においてばね部(ねじりコイルばね)29に接続されている。ばね部29の一端は支持板19に、ばね部29の他端は、保持板27a,27bをそれらの厚さ方向に貫通してRF電極21に接続されている。よって、RF電極21はばね部29を介して導線38、ひいてはRF発信機15に接続されている。
【0021】
右側の施療子17Rも上記左側の施療子17Lを図2の左右方向に反転させた態様で同様に構成されている。すなわち、施療子17L,17Rの両RF電極21,22は互いに対面している。
【0022】
次に、エアバッグ14の給排気時の作用について説明する。
図3(a)に示すように、エアバッグ14が排気された状態にあるとき、ばね部29の弾性力によって支持板19及び保持板27aは比較的接近した距離に保たれている。この状態において、給排気経路20を介してエアバッグ14内に空気が供給されると、エアバッグ14は左右方向に膨張していく。これに伴い、ばね部29の弾性力に抗して支持板19及び保持板27aは離間していく。そして、図3(b)に示すように、エアバッグ14は膨張した状態となる。この膨張状態においてはRF電極21,22間の距離が最も小さい一定距離Dとなる。このとき、RF電極21,22に高周波電流が供給される。
【0023】
膨張状態において、給排気経路20を介してエアバッグ14の空気が排気されると、ばね部29の弾性力により支持板19及び保持板27aは接近していく。これにより、図3(a)に示したように、エアバッグ14は収縮状態に戻る。
【0024】
ここで、膨張状態における両施療子17L,17Rの保持板27b間の距離は、収縮状態に比べて、エアバッグ14の左右方向における膨張分だけ小さくなる。よって、保持板27b間に皮膚が存在する場合には、その皮膚を左右両側から押圧することができる。従って、エアバッグ14が膨張及び収縮を繰り返すことで、皮膚を押圧するマッサージを行うことができる。
【0025】
また、エアバッグ14は、皮膚の形状に応じて膨張可能である。このため、RF電極21,22の面に対して皮膚の表面が傾斜している場合でも、エアバッグ14が膨張するのに伴い、RF電極21,22は皮膚の表面に沿った角度をなす。これにより、RF電極21,22と皮膚との接触面積は確保される。
【0026】
このように、膨張状態においては、RF電極21,22と皮膚との接触面積が最も大きい。そして、この接触面積が最大のときに、RF電極21,22から皮膚に高周波電流が供給される。これにより、RF電極21,22と皮膚との接触面積が少ないことに起因して生じる電流集中を抑制することができる。また、RF電極21,22が皮膚に深く入り込んだ状態で高周波電流が供給されるため、皮膚の深部まで高周波電流を供給することができる。また、皮膚の局部、例えば経穴(つぼ)を狙って高周波電流を供給することができる。このように、マッサージと同時に高周波電流を皮膚に供給することができるため、血行が促進されて、肌の引き締め等の美容効果が得られる。
【0027】
次に、制御装置11が実行する制御プログラムについて、図4のフローチャートを参照しつつ説明する。当該フローチャートは、メモリ11aに格納された制御プログラムに従い実行される。
【0028】
当該制御プログラムは電源スイッチ16からの操作信号を受けると開始される。まず、タイマ11bを介して時間Taの計測が開始される(S101)。そして、マッサージ動作が一往復に亘って行われる(S102)。このマッサージ動作は、時間Taが一定時間T0に達するまで連続的に行われ(S103でNO)、時間Taが一定時間T0に達したとき(S103でYES)、時間Taの計測が終了されて(S104)、制御プログラムが終了される。この時間T0は、ユーザの好みや、マッサージとともに高周波電流を連続供給するのに適切な時間を加味して設定される。
【0029】
具体的に、ステップS102におけるマッサージ動作について説明する。
まず、ポンプ13を通じてエアバッグ14に給気が開始される(S111)。給気の開始と同時にタイマ11bを介して給気する時間Tbの計測が開始される(S112)。そして、時間Tbが一定時間T1に達するのを待つ(S113でNO)。この一定時間T1は、給気開始からエアバッグ14が膨張状態になるまでの時間を基準に設定されている。時間Tbが一定時間T1に達したとき(S113でYES)、ポンプ13を通じて給気が停止される(S114)。そして、時間Tbの計測が終了される(S115)。
【0030】
次に、RF発信機15を通じて、RF電極21,22から皮膚に高周波電流の供給が開始される(S116)。高周波電流の供給の開始と同時にタイマ11bを介して高周波電流を供給する時間Tcの計測が開始される(S117)。そして、時間Tcが一定時間T2に達するのを待つ(S118でNO)。この一定時間T2は、皮膚の加熱を通じて血行促進が期待できる時間を基準に設定されている。時間Tcが一定時間T2に達したとき(S118でYES)、高周波電流の供給が停止される(S119)。そして、時間Tcの計測が終了される(S120)。
【0031】
次に、ポンプ13を通じてエアバッグ14の排気が開始される(S121)。排気の開始と同時にタイマ11bを介して排気する時間Tdの計測が開始される(S122)。そして、時間Tdが一定時間T3に達するのを待つ(S123でNO)。この一定時間T3は、排気開始からエアバッグ14が収縮状態になるまでの時間を基準に設定されている。時間Tdが一定時間T3に達したとき(S123でYES)、ポンプ13を通じて排気が停止される(S124)。そして、時間Tdの計測が終了される(S125)。
【0032】
この制御プログラムによれば、ユーザは電源スイッチ16を操作するだけで、適切な時間(一定時間T0)に亘りマッサージとともに高周波電流が供給される。従って、より容易に、血行を促進することで肌の引き締めの美容効果が得られる。
【0033】
以上、説明した実施形態によれば、以下の作用効果を奏することができる。
(1)両エアバッグ14の膨張及び収縮が繰り返されることで、両エアバッグ14間の皮膚を押圧するマッサージが行われる。また、マッサージに伴いエアバッグ14と皮膚とが接触する部分にRF電極21,22が設けられている。このため、マッサージと同時にRF電極21,22を介して高周波電流を供給することができる。すなわち、高周波電流によって皮膚が加熱されるとともに、自動でマッサージを受けられる。これにより、より容易に血行促進に伴う肌を引き締める美容効果が得られる。
【0034】
(2)RF電極21,22に供給される電力は、皮膚との最大接触面積に基づき設定されている。すなわち、RF電極21,22と皮膚とが最大接触面積にて接触している状態において、皮膚に電力が供給されることで、より効率の良い美容効果が得られる。例えば、RF電極21,22と皮膚との接触面積が小さい場合には電流集中が想定される。
【0035】
その点、本例では膨張状態においてRF電極21,22に高周波電流が供給される。すなわち、RF電極21,22と皮膚との接触面積が最大のときに、RF電極21,22から皮膚に高周波電流が供給されるため、より効率の良い美容効果が得られる。
【0036】
また、RF電極21,22への通電タイミングは、膨張状態に限られるので、常時、通電する場合に比べて消費電力を低減することができる。
(第2の実施形態)
以下、本発明にかかる美容装置を具体化した第2の実施形態について、図5及び図6を参照して説明する。この実施形態の美容装置は、図1に示す第1の実施形態の美容装置とほぼ同様の構成を備え、マッサージ機構が上記第1の実施形態と異なっている。以下、第1の実施形態との相違点を中心に説明する。
【0037】
本実施形態における美容装置は、ポンプ13、エアバッグ14及び給排気経路20が省略して構成されている。また、図5に模式的に示すように、ハウジング30の内部にモータ41を備える。モータ41は、出力軸を介してピニオン42を回転させる。ハウジング30の内部に延びる両固定部18には、ピニオン42の上下両側に屈曲されたラック部43が形成されている。ラック部43は、ピニオン42の上下両側においてそれぞれ噛み合い、ピニオン42の回転運動をラック部43、ひいては固定部18の左右方向への水平運動に変換する。すなわち、両固定部18は、ピニオン42の回転に伴いハウジング30の底部に形成される移動孔45に沿って互いに接近又は離間する方向に同時に移動する。
【0038】
また、本実施形態においては、エアバッグ14に替えて直方体状の揉み玉46が設けられている。揉み玉46は、例えば樹脂等により形成されている。ここでは、左側の施療子17Lについて代表して説明する。図6に示すように、揉み玉46には、その固定部18側に支持板48が嵌め込まれている。揉み玉46は、支持板48を介して固定部18に固定されている。また、揉み玉46の固定部18と反対側の面には、保持板49が嵌め込まれている。この保持板49の外面にはRF電極21が嵌め込まれている。導線38は、固定部18の内部から揉み玉46を貫通してRF電極21に接続されている。右側の施療子17Rも上記施療子17Lを図5の左右方向に反転させた態様で同様に構成される。
【0039】
制御装置11は、モータ41(ピニオン42)を正転方向及び逆転方向に交互に駆動させる。これにより、両揉み玉46は接近及び離間を繰り返す。両揉み玉46間に皮膚が存在する場合には、皮膚が左右両側から押圧されるマッサージが行われる。
【0040】
ここで、例えば、モータ41が正転方向に駆動されたとき両揉み玉46が接近して、逆転方向に駆動されたとき両揉み玉46が離間するとする。この場合において、本実施形態の制御の処理手順は、図4のフローチャートのステップS102(一往復のマッサージ動作)を以下のように置き換えたものとなる。すなわち、ステップS111において両揉み玉46が最も離間した初期位置にある状態でモータ41が正転方向に駆動される。そして、ステップS114において両揉み玉46が最も接近した位置でモータ41を停止させる。このとき、RF電極21,22間の距離が最も小さい一定距離Dとなる。ステップS116〜S120においては、第1の実施形態と同様に一定時間T2に亘って高周波電流が供給される。また、ステップS121においてモータ41を逆転方向に駆動させる。そして、ステップS124において両揉み玉46が初期位置に戻ったときモータ41を停止させる。ここで、時間Tb及び時間Tdは、両揉み玉46の最大可動位置間での移動に要する時間を基準に設定される。
【0041】
以上、説明した実施形態によれば、第1の実施形態の(1)及び(2)の作用効果に加え、以下の作用効果を奏することができる。
(3)揉み玉46は、中実状なので膨張状態のエアバッグ14に比して変形しにくい。このため、揉み玉46及びRF電極21,22を皮膚に対してより深い位置まで到達させることができる。これにより、RF電極21,22が皮膚にいっそう深く入り込んだ状態で高周波電流が供給される。従って、皮膚のより深部を加熱することができ、血行促進の効果を向上させることができる。
【0042】
また、RF電極21,22への通電タイミングは、RF電極21,22間の距離が一定距離Dとなったときに限られるので、消費電力を低減することができる。
(第3の実施形態)
以下、本発明にかかる美容装置を具体化した第3の実施形態について説明する。この実施形態の美容装置は、図1に示す第1の実施形態の美容装置とほぼ同様の構成を備え、マッサージ機構が上記第1の実施形態と異なっている。以下、第1の実施形態との相違点を中心に説明する。
【0043】
本実施形態における美容装置は、ポンプ13、エアバッグ14及び給排気経路20が省略して構成されている。また、図7に示すように、中空状の施療子54はハウジング30の下部に嵌め込まれている。施療子54の下面には一方のRF電極51が、ハウジング30の周面には他方のRF電極52が固定されている。すなわち、RF電極52は、ユーザが美容装置を使用するにあたって、ハウジング30を持ったときに接触する位置に設けられている。ユーザがRF電極52に触れている状態において、施療子54のRF電極51が皮膚に当てられると、RF電極51,52間の皮膚に高周波電流が供給される。これにより、上述のように肌の引き締め等の美容効果が得られる。なお、施療子54は振動部に相当する。
【0044】
また、ハウジング30の内部にはモータ58が設けられている。モータ58は、制御装置11からの制御信号に基づき、施療子54の内部に延びるシャフト57を回転させる。シャフト57の先端部には分銅55が偏心して固定されている。このため、シャフト57が回転すると、モータ58には偏心振動が発生する。この振動はハウジング30を介して施療子54に伝達される。これにより、施療子54は、ハウジング30に対して振動する。振動した施療子54を皮膚に当てることで、振動を通じたマッサージを行うことができる。このマッサージにおいても血行を促進させることができる。
【0045】
本実施形態においては、電源スイッチ16が操作されると、RF電極51,52に高周波電流が供給されるとともに、施療子54を振動させる。そして、再び電源スイッチ16が操作されると、高周波電流及び振動が停止される。
【0046】
以上、説明した実施形態によれば、第1の実施形態の(1)の作用効果に加え、以下の作用効果を奏することができる。
(4)施療子54を振動させることで、皮膚に振動を加えてマッサージを行うことができる。施療子54を肌に当てるだけなので、例えば、皮膚を摘むのが困難な部位であっても、マッサージを行うことができる。また、施療子54を肌に対してスライドさせつつ、肌の異なる位置に高周波電流の供給と同時にマッサージを施すことができる。よって、容易に肌の広範囲の部分に亘って美容効果を得ることができる。
【0047】
なお、上記実施形態は、これを適宜変更した以下の形態にて実施することができる。
・第2の実施形態においては、モータ41の駆動により両揉み玉46は接離していた。しかし、アクチュエータであればモータ41に限らず、ソレノイド等を用いてもよい。
【0048】
・第1及び第2の実施形態においては、両RF電極21,22が最も接近したとき、すなわち、RF電極21,22間の距離が一定距離Dとなったときに、両RF電極21,22に高周波電流を供給していた。しかし、RF電極21,22に高周波電流を供給するタイミングはこれに限らない。例えば、両RF電極21,22間距離が一定距離Dより大きいしきい値以下となったとき、高周波電流を供給することにしてもよい。しきい値は、エアバッグ14又は揉み玉46にて皮膚が両側から押圧されて、皮膚と両RF電極21,22とが十分な接触面積にて接触すると想定されるRF電極21,22間の距離を基準に設定される。この場合、RF電極21,22間の距離がしきい値以下となったときに時間Tbが一定時間T2に達するように一定時間T2は設定される。また、電源スイッチ16が操作されたときから制御プログラムが終了するまで、常時、RF電極21,22に高周波電流が供給されていてもよい。
【0049】
・第3の実施形態においては、施療子54にRF電極51が設けられ、ハウジング30の周面にRF電極52が設けられていた。しかし、両RF電極51,52は、施療子54の同一面上に設けられていてもよい。
【0050】
・第3の実施形態においては、モータ58によりシャフト57を介して分銅55が回転させられることで、施療子54を振動させていた。しかし、施療子54を振動させることができるアクチュエータであれば、モータに限らず、例えば、電気エネルギを振動エネルギに変換する振動トランスデューサを使用してもよい。
【0051】
この振動トランスデューサを用いれば、第1及び第2の実施形態に、振動によるマッサージ機能を付加することができる。具体的には、施療子17L,17Rに振動トランスデューサを設けて、RF電極21,22と皮膚とが接触するタイミングで振動トランスデューサを介して皮膚に振動を加える。これにより、マッサージによる血行促進効果がさらに向上する。
【0052】
・第1〜第3の実施形態においては、RF電極は2つであったが、RF電極の数は複数であれば2つに限定されるものではない。
・第1及び第2の実施形態においては、電源スイッチ16が操作されることで、制御プログラムが実行されていた。しかし、美容装置は、操作により高周波電流が供給されるスイッチと、操作によりマッサージが開始されるスイッチとを備えていてもよい。この場合、両スイッチが操作されることで、上述した高周波電流及びマッサージによる美容効果が得られる。また、高周波電流及びマッサージの何れか一方を利用することも可能となる。
【0053】
・第1〜第3の実施形態においては、エアバッグ14、揉み玉46及び施療子54のマッサージを行う部分にRF電極21,22,51が設けられていた。しかし、RF電極とマッサージを行う部分とは別の位置に設けられていてもよい。
【0054】
・第1〜第3の実施形態においては、高周波電流を皮膚に供給していたが、低周波電流であってもよい。
【符号の説明】
【0055】
11…制御装置、13…ポンプ、17L,17R、54…施療子、14…エアバッグ、21,22、51,52…RF電極、46…揉み玉。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
皮膚との接触を介して皮膚に電流を供給する複数の電極を備えた美容装置において、
マッサージ機構を備えた美容装置。
【請求項2】
請求項1に記載の美容装置において、
前記マッサージ機構はポンプの駆動により同時に膨張及び収縮する一対のエアバッグを備え、
前記電極は前記両エアバッグの互いに対向する位置に設けられるとともに、前記各エアバッグの膨張及び収縮に伴い前記両電極の面間距離が増減する美容装置。
【請求項3】
請求項1に記載の美容装置において、
前記マッサージ機構はアクチュエータの駆動により互いに接離する一対の揉み玉を備え、
前記電極は前記両揉み玉の互いに対向する位置に設けられるとともに、前記揉み玉の接離に伴い前記両電極の面間距離が増減する美容装置。
【請求項4】
請求項1に記載の美容装置において、
前記マッサージ機構は電力に基づき振動する振動部を備え、
前記電極のうち少なくとも1つは前記振動部に設けられている美容装置。
【請求項5】
請求項2又は3に記載の美容装置において、
前記電極への電流の供給を制御する制御装置を備え、
前記制御装置は、前記電極の面間距離が最大面間距離より小さい一定距離以下となったとき前記電極に電流を供給する美容装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2011−194176(P2011−194176A)
【公開日】平成23年10月6日(2011.10.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−67291(P2010−67291)
【出願日】平成22年3月24日(2010.3.24)
【出願人】(000005832)パナソニック電工株式会社 (17,916)
【Fターム(参考)】