説明

耐圧構造物

【課題】すり合わせ面におけるクラックや剥離の発生を抑制することができる耐圧構造物を提供する。
【解決手段】本発明の耐圧構造物100は、第1すり合わせ面111を有するガラス製の第1構造部110と、第1すり合わせ面111と接合する第2すり合わせ面121を有するガラス製の第2構造部120と、第1すり合わせ面111及び第2すり合わせ面121のそれぞれの面に形成された金属膜211、221と、からなることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、その内部に観測機器を収容し、海底に沈められることによって当該観測機器により海底観測を行い、これを海底から回収した後、当該観測機器によって観測されたデータを取得するようにして利用される耐圧構造物に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ガラス製ですり合わせ面を有する2つの半球状部材から構成される、海底地震計などの観測機器などのハウジングとて用いられる耐圧構造物が知られている。このような耐圧構造物として、例えば、特許文献1(特表2003−517571号公報)には、互いに接触するぴったり合う表面(すり合わせ面)を有する二つの半球を含み、このぴったり合う表面を互いに接触させ、その結果、赤道部の回りの接合部における外表面が平滑で同一面である、一つの球を形成する耐圧ガラス体であって、その二つの半球が、ぴったり合う接触表面の間で、硬化接着剤から成る接着結合層によって互いに結合されていることを特徴とする耐圧ガラス体が開示されている。
【特許文献1】特表2003−517571号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
特許文献1に記載の耐圧ガラス体は、二つの半球の接触表面に硬化接着剤から成る接着結合層を設けることによって結合する構成となっているおり、主として1回の利用が想定されている。これに対して、出願人は、2つの半球状部材から構成される耐圧構造物のすり合わせ面には、接着剤などの結合剤を用いることなく、繰り返し利用するようにしている。すなわち、このような耐圧構造物には、内部に観測機器を収容し海底観測を行い、それを回収して観測機器からデータを取得する、そして、再び、内部に観測機器を収容し海底観測を行い、それを回収して観測機器からデータを取得する、というように繰り返し利用する。このような繰り返し利用によれば、耐圧構造物は、加圧→減圧→加圧→減圧・・の過程が繰り返され、応力が繰り返しかかることとなる。そして、このような応力によって、従来の耐圧構造物のすり合わせ面においては、クラックや剥離が発生する、という問題があった。そして、従来の耐圧構造物においては、このようなクラックや剥離が端緒となり、耐圧構造物の圧壊や部分的欠損を引き起こし、耐圧構造物の繰り返し利用回数の制限や、観測機器からのデータ回収に対する信頼性低下、という問題が発生していた。
【課題を解決するための手段】
【0004】
上記課題を解決するために、請求項1に係る発明は、第1すり合わせ面を有する第1構造部と、前記第1すり合わせ面と接合する第2すり合わせ面を有する第2構造部と、前記第1すり合わせ面又は第2すり合わせ面のいずれかのすり合わせ面のうち、少なくとも一方のすり合わせ面に形成された金属膜と、からなることを特徴とする耐圧構造物である。
【0005】
また、請求項2に係る発明は、第1すり合わせ面を有する第1構造部と、前記第1すり合わせ面と接合する第2すり合わせ面を有する第2構造部と、前記第1すり合わせ面及び第2すり合わせ面のそれぞれのすり合わせ面に形成された金属膜と、からなることを特徴とする耐圧構造物である。
【0006】
また、請求項3に係る発明は、第1すり合わせ面を有する第1構造部と、前記第1すり合わせ面と接合する第2すり合わせ面を有する第2構造部と、前記第1構造部の外周面と前記第1すり合わせ面との境界部である第1外側縁から、前記第1すり合わせ面を経て、
前記第1構造部の内周面と前記第1すり合わせ面との境界部である第1内側縁までに至る面に形成された金属膜と、前記第2構造部の外周面と前記第2すり合わせ面との境界部である第2外側縁から、前記第2すり合わせ面を経て、前記第2構造部の内周面と前記第2すり合わせ面との境界部である第2内側縁までに至る面に形成された金属膜と、からなることを特徴とする耐圧構造物である。
【0007】
また、請求項4に係る発明は、第1すり合わせ面を有する第1構造部と、前記第1すり合わせ面と接合する第2すり合わせ面を有する第2構造部と、前記第1すり合わせ面から、前記第1構造部の内周面と前記第1すり合わせ面との境界部である第1内側縁までに至る面に形成された金属膜と、前記第2すり合わせ面から、前記第2構造部の内周面と前記第2すり合わせ面との境界部である第2内側縁までに至る面に形成された金属膜と、からなることを特徴とする耐圧構造物である。
【0008】
また、請求項5に係る発明は、第1すり合わせ面を有する第1構造部と、前記第1すり合わせ面と接合する第2すり合わせ面を有するガラス製の第2構造部と、前記第1すり合わせ面及び第2すり合わせ面のそれぞれの面に形成された第1種金属膜と、前記第1種金属膜の上に形成された第2種金属膜と、からなることを特徴とする耐圧構造物である。
【0009】
また、請求項6に係る発明は、第1すり合わせ面を有する第1構造部と、前記第1すり合わせ面と接合する第2すり合わせ面を有する第2構造部と、前記第1構造部の外周面と前記第1すり合わせ面との境界部である第1外側縁から、前記第1すり合わせ面を経て、前記第1構造部の内周面と前記第1すり合わせ面との境界部である第1内側縁までに至る面に形成された第1種金属膜と、前記第2構造部の外周面と前記第2すり合わせ面との境界部である第2外側縁から、前記第2すり合わせ面を経て、前記第2構造部の内周面と前記第2すり合わせ面との境界部である第2内側縁までに至る面に形成された第1種金属膜と、前記第1種金属膜の上に形成された第2種金属膜と、からなることを特徴とする耐圧構造物である。
【0010】
また、請求項7に係る発明は、第1すり合わせ面を有する第1構造部と、前記第1すり合わせ面と接合する第2すり合わせ面を有する第2構造部と、前記第1すり合わせ面から、前記第1構造部の内周面と前記第1すり合わせ面との境界部である第1内側縁までに至る面に形成された第1種金属膜と、前記第2すり合わせ面から、前記第2構造部の内周面と前記第2すり合わせ面との境界部である第2内側縁までに至る面に形成された第1種金属膜と、前記第1種金属膜の上に形成された第2種金属膜と、からなることを特徴とする耐圧構造物である。
【0011】
また、請求項8に係る発明は、請求項1乃至請求項7に記載の耐圧構造物において、前記第1構造部及び前記第2構造部がそれぞれ半球状部材であることを特徴とする。
【0012】
また、請求項9に係る発明は、請求項1乃至請求項7に記載の耐圧構造物において、前記第1構造部及び前記第2構造部がそれぞれ半円状筒部材であることを特徴とする。
【0013】
また、請求項10に係る発明は、請求項1乃至請求項7に記載の耐圧構造物において、前記第1構造部及び前記第2構造部がそれぞれ半楕円体状部材であることを特徴とする。
【0014】
また、請求項11に係る発明は、すり合わせ面を有する複数の構造部からなり、前記複数の構造部が有するすり合わせ面同士を接合させたとき閉空間を形成する耐圧構造物において、前記すり合わせ面には金属膜が形成されることを特徴とする。
【0015】
また、請求項12に係る発明は、請求項1乃至請求項11に記載の耐圧構造物において
、前記第1構造部及び前記第2構造部はガラス製であることを特徴とする。
【0016】
また、請求項13に係る発明は、請求項1乃至請求項11に記載の耐圧構造物において、前記第1構造部及び前記第2構造部はセラミックス製であることを特徴とする。
【発明の効果】
【0017】
本発明の耐圧構造物によれば、第1構造部の第1すり合わせ面、第2構造部の第2すり合わせ面に形成された金属膜によって、すり合わせ面の補強が行われることなり、耐圧構造物のすり合わせ面におけるクラックや剥離の発生を抑制することができる。また、耐圧構造物のすり合わせ面におけるクラックや剥離の発生抑制に伴い、耐圧構造物の繰り返し利用回数の制限が緩和されたり、観測機器からのデータ回収に対する信頼性が向上したりする、といった効果を享受することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照しつつ説明する。図1は本発明の実施の形態に係る耐圧構造物を構成する2つの半球状部材の断面を示す図であり、図2は本発明の実施の形態に係る耐圧構造物を構成する2つの半球状部材のすり合わせ面を拡大して示す図である。図2の拡大図は、図1のAに示される部分を拡大して示したものである。なお、2つの半球状部材のすり合わせ面を接合したときの接合部は、耐圧構造物の赤道部に相当する箇所となるが、図1及び図2は、この赤道部を含む面に対して直交し、かつ耐圧構造物の中心を通る任意の平面で切ったときの断面が示されるものである。以後に示す図1及び図2と類似する図についても同様のものとする。
【0019】
図1及び図2において、100は耐圧構造物、110は第1構造部、111は第1すり合わせ面、120は第2構造部、121は第2すり合わせ面、211は金属膜、221は金属膜をそれぞれ示している。
【0020】
本実施形態に係る耐圧構造物100は、その内部に観測機器を収容し、海底に沈められることによって当該観測機器により海底観測を行い、これを海底から回収した後、当該観測機器によって観測されたデータを取得するようにして利用されるものである。このような形態で利用される耐圧構造物100は、観測機器を水没から防ぐための密閉性と、観測機器を水中の高圧環境から守るための耐圧性とを兼ね備えるものでなくてはならない。
【0021】
このような密閉性および耐圧性を確保するために、上記のような観測機器のハウジングである耐圧構造物100は、二つの半球状のガラス部品―ガラス製の第1構造部110、第2構造部120―から形成されている。なお、本実勢形態では、第1構造部110、第2構造部120がガラス製である場合を例にとり説明しているが、本発明の耐圧構造物を構成する第1構造部、第2構造部の材質は他のもの―例えば、セラミックス―などでもよい。
【0022】
ガラス製の第1構造部110の第1すり合わせ面111、及び第2構造部120の第2すり合わせ面121は高い精度で研磨されており、それぞれが接合することで、確実な密閉性を担保することができるようになっている。これら第1すり合わせ面111及び第2すり合わせ面121は、耐圧構造物100の赤道部に相当する箇所に設けられており、水中の圧力による応力が、それぞれの半球状部材によって均等に分担されることで、耐圧構造物100は良好な耐圧性を確保することが可能となる。
【0023】
本発明の耐圧構造物100においては、これら第1すり合わせ面111には金属膜211が、また、第2すり合わせ面121には金属膜221が、すり合わせ面周上に一様に形成されている。耐圧構造物100は、内部に観測機器を収容し海底観測を行い、それを回
収して観測機器からデータを取得する、という海底観測過程を、繰り返すようにして利用するものである。すなわち、耐圧構造物100に対しては、上記のよう繰り返し利用によって加圧→減圧→加圧→減圧・・・の工程を経て、応力が繰り返しかかることとなる。特に、従来において、耐圧構造物の繰り返しの利用に伴う応力によって、すり合わせ面にクラックや剥離が発生する、という問題があった。すなわち、従来の耐圧構造物においては、このようなクラックや剥離が端緒となり、耐圧構造物の圧壊や部分的欠損を引き起こし、耐圧構造物の繰り返し利用回数の制限や、観測機器からのデータ回収に対する信頼性低下、という問題が発生していた。これに対し、本発明においては、耐圧構造物100において、第1すり合わせ面111及び第2すり合わせ面121には金属膜をそれぞれ形成することによって、このようなクラックや剥離を防止するものである。すなわち、本発明は第1すり合わせ面111及び第2すり合わせ面121に真空蒸着で金属膜をはり付け、当該金属膜でカバーされた部分の剥離を防止するようにしたものである。
【0024】
なお、本実施形態においては、2つの半球状部材のそれぞれのすり合わせ面に金属膜を形成するように構成しているが、2つの半球状部材のいずれか一方のすり合わせ面に金属膜を形成することによってもその効果を得ることができる。ただ、本実施形態のように両方の半球状部材のすり合わせ面に金属膜を形成する方がより高い効果が期待できるものと推測することができる。また、図1及び図2において、金属膜211、金属膜221の膜圧は図示するために誇張的に厚く描かれている。以降に示す同様の図においても、金属膜は誇張的に図示・表現されている。
【0025】
本実施形態においては、第1すり合わせ面111及び第2すり合わせ面121には、真空蒸着加工でクロムによって約10ミクロンの厚さのクロム膜(金属膜211及び金属膜221)を形成している。このような本実施形態に係る耐圧構造物100と、すり合わせ面に金属膜が形成されていない従来の耐圧構造物とを、高圧実験水槽を用いて同一条件で加圧・減圧する試験を行い、比較検討した。図3は本実施形態に係る耐圧構造物100と従来例に係る耐圧構造物とを比較するために行った加圧・減圧試験の条件を示すグラフである。
【0026】
図3のグラフに示すように、加圧・減圧試験においては、毎分15MPaで4分間加圧し60MPaとした後、毎分15MPaで4分間減圧することを1サイクルとして、このサイクルを50回繰り返す、ということを行った。この条件は、毎分1500m相当の速さで4分間沈降を行い、毎分1500m相当の速さで4分間浮上を行うことに相当し、実際の耐圧構造物が、毎分60m〜100m程度の速さで、浮沈されることを考慮すると、実際の使用条件より、過酷な条件であることが理解できる。
【0027】
上記のような試験条件で、本実施形態に係る耐圧構造物100と従来例に係る耐圧構造物とを晒し、試験終了後、それぞれのすり合わせ面の剥離状況を目視によって観察を行った。本実施形態に係る耐圧構造物100では、すり合わせ面の剥離は多少発生していたが、従来例に係る耐圧構造物のすり合わせ面に比較して剥離量の大幅な低減を確認することができた。
【0028】
このように、本発明の耐圧構造物100によれば、第1構造部110の第1すり合わせ面111、第2構造部120の第2すり合わせ面121に形成された金属膜(211、221)によって、すり合わせ面の補強が行われることなり、耐圧構造物100のすり合わせ面におけるクラックや剥離の発生を抑制することができる。また、耐圧構造物100のすり合わせ面におけるクラックや剥離の発生抑制に伴い、耐圧構造物100の繰り返し利用回数の制限が緩和されたり、観測機器からのデータ回収に対する信頼性が向上したりする、といった効果を享受することができる。
【0029】
なお、上記の実施形態においては、第1すり合わせ面111及び第2すり合わせ面121に、真空蒸着でクロムの金属膜をはり付けるようにしたが、ガラスに対する蒸着強度が高い金属であれば、例えば、金やチタンなどのその他の金属を用いることも可能である。
【0030】
ここで、耐圧構造物100による1回の海底観測過程について説明する。耐圧構造物100は、大気圧中において、第1構造部110と第2構造部120の中に観測機器を収容した上で、第1すり合わせ面111及び第2すり合わせ面121を合わせて、不図示のポートを介して内部を真空引きし、第1構造部110と第2構造部120を不可分の状態とする。そして、耐圧構造物100のすり合わせ部(赤道)に、水密を保つためにゴムを施し、その上にテーピングで目張り行う。さらに、耐圧構造物100のすり合わせ部(赤道)と直交する2方向からステンレス製のバンドで締め付けを行い、プラスチック製のカバーで外側を覆う。このような状態で、海底に沈められることによって当該観測機器により海底観測を行う。このような海底観測における深度は、6000m程度が想定されている。
【0031】
耐圧構造物100を海底に沈める速度は前記した通りである。次に、耐圧構造物100に収容された観測機器により海底観測が実施される。この海底観測期間は、観測機器の持続時間に依存するものであるが、通常1週間から10日間が想定されている。このような期間に海底観測が行われた後、耐圧構造物100は海底から回収され、陸上で耐圧構造物100が開かれ、前記観測機器によって観測されたデータが取得される。以上のような過程が、1回分の海底観測過程となる。
【0032】
次に、本発明の他の実施形態について説明する。図4は本発明の他の実施の形態に係る耐圧構造物を構成する2つの半球状部材の断面を示す図であり、図5は本発明の他の実施の形態に係る耐圧構造物を構成する2つの半球状部材のすり合わせ面を拡大して示す図である。図4及び図5において、112は第1内周面、113は第1外周面、114は第1内側縁、115は第1外側縁、122は第2内周面、123は第2外周面、124は第2内側縁、125は第2外側縁をそれぞれ示している。その他の図4及び図5において、先の実施形態と同様の参照番号が付された構成については、先の実施形態の構成と同様のものを示している。
【0033】
第1内周面112は第1構造部110の内側の面であり、第1外周面113は第1構造部110の外側の面であり、それぞれの面と第1すり合わせ面111との境界部が、第1内側縁114及び第1外側縁115である。第1内側縁114及び第1外側縁115は、稜線である場合もあれば、第1すり合わせ面111近傍を一周するような若干の幅を有する面である場合もある。
【0034】
第2内周面122は第2構造部120の内側の面であり、第2外周面123は第2構造部120の外側の面であり、それぞれの面と第2すり合わせ面121との境界部が、第2内側縁124及び第2外側縁125である。第2内側縁124及び第2外側縁125は、稜線である場合もあれば、第2すり合わせ面121近傍を一周するような若干の幅を有する面である場合もある。
【0035】
先の実施形態においては、第1すり合わせ面111及び第2すり合わせ面121に、真空蒸着加工で金属膜211及び金属膜221を形成したが、本実施形態においては、金属膜211は、第1構造部110の第1外周面113と第1すり合わせ面111との境界部である第1外側縁115から、第1すり合わせ面111を経て、第1構造部110の第1内周面112と第1すり合わせ面111との境界部である第1内側縁114までに至る面に形成されている。また、金属膜221は第2構造部120の第2外周面123と第2すり合わせ面121との境界部である第2外側縁125から、第2すり合わせ面121を経
て、第2構造部の第2内周面122と第2すり合わせ面121との境界部である第2内側縁124までに至る面に形成されている。
【0036】
耐圧構造物においては、水圧が繰り返しかかることによって、すり合わせ面にクラックや剥離が発生しやすいことは先に述べたとおりであるが、特に、すり合わせ面の近傍でも応力が係りやすく脆弱なポイントは、上記の各側縁であるということができる。本実施形態では、第1すり合わせ面111及び第2すり合わせ面121と共に、第1内側縁114及び第1外側縁115、第2内側縁124及び第2外側縁125にまで、真空蒸着加工で金属膜211及び金属膜221を形成するようにし、よりいっそうの補強を図っている。このような本実施形態によれば、先の実施形態と同様の効果を得ることができるものである。
【0037】
なお、本実施形態においては、金属膜としては、真空蒸着でクロムをはり付けるようにしたが、ガラスに対する蒸着強度が高い金属であれば、例えば、金やチタンなどのその他の金属を用いることも可能である。
【0038】
次に、本発明の他の実施形態について説明する。図6は本発明の他の実施の形態に係る耐圧構造物を構成する2つの半球状部材のすり合わせ面を拡大して示す図である。図6において、先の実施形態と同様の参照番号が付された構成については、先の実施形態の構成と同様のものを示している。
【0039】
本実施形態においては、金属膜211は、第1すり合わせ面111から、第1構造部110の第1内周面112と第1すり合わせ面111との境界部である第1内側縁114までに至る面に形成されている。また、金属膜221は、第2すり合わせ面121から、第2構造部120の第2内周面122と第2すり合わせ面121との境界部である第2内側縁124までに至る面に形成されている。
【0040】
耐圧構造物においては、水圧が繰り返しかかることによって、すり合わせ面にクラックや剥離が発生しやすいことは先に述べたとおりであるが、特に、すり合わせ面近傍において、各内側縁に応力が集中しやすいことが応力計算によって判明している。そこで、本実施形態では、第1すり合わせ面111及び第2すり合わせ面121と共に、第1内側縁114、第2内側縁124にまで、真空蒸着加工で金属膜211及び金属膜221を形成するようにし、応力集中箇所にいっそうの補強を図っている。このような本実施形態によれば、先の実施形態と同様の効果を得ることができるものである。
【0041】
なお、本実施形態においては、金属膜としては、真空蒸着でクロムをはり付けるようにしたが、ガラスに対する蒸着強度が高い金属であれば、例えば、金やチタンなどのその他の金属を用いることも可能である。
【0042】
次に、本発明の他の実施形態について説明する。図7は本発明の他の実施の形態に係る耐圧構造物を構成する2つの半球状部材のすり合わせ面を拡大して示す図である。図7において、211は第1種金属膜、212は第2種金属膜、221は第1種金属膜、222は第2種金属膜をそれぞれ示している。図7において、先の実施形態と同様の参照番号が付されたその他の構成については、先の実施形態の構成と同様のものを示している。
【0043】
本発明の耐圧構造物100においては、これら第1すり合わせ面111には第1種金属膜211が、また、第2すり合わせ面121には第1種金属膜221が、すり合わせ面周上に一様に形成され、さらにそれぞれの第1種金属膜上には、第2種金属膜212及び第2種金属膜222が形成されるようになっている。
【0044】
第1種金属211、221には、ガラスに対する蒸着強度が高く、かつコスト的に安価なクロムなどの金属を用い、第2種金属212、222には、延性、粘性に富む金などの金属を用いることによって、すり合わせ面の補強を適切に図るようにする。このような本実施形態によれば、先の実施形態と同様の効果を得ることができるものである。
【0045】
また、本実施形態においては、第1金属膜としては、真空蒸着でクロムをはり付けるようにしたが、ガラスに対する蒸着強度が高い金属であれば、その他の金属を用いても良い。また、第2種金属としては、真空蒸着で金をはり付けるようにしたが、チタンなどのその他の金属を用いることも可能である。
【0046】
次に、本発明の他の実施形態について説明する。図8は本発明の他の実施の形態に係る耐圧構造物を構成する2つの半球状部材のすり合わせ面を拡大して示す図である。図8において、211は第1種金属膜、212は第2種金属膜、221は第1種金属膜、222は第2種金属膜をそれぞれ示している。図8において、先の実施形態と同様の参照番号が付されたその他の構成については、先の実施形態の構成と同様のものを示している。
【0047】
本実施形態においては、第1種金属膜211は、第1構造部110の第1外周面113と第1すり合わせ面111との境界部である第1外側縁115から、第1すり合わせ面111を経て、第1構造部110の第1内周面112と第1すり合わせ面111との境界部である第1内側縁114までに至る面に形成されている。また、第1種金属膜221は第2構造部120の第2外周面123と第2すり合わせ面121との境界部である第2外側縁125から、第2すり合わせ面121を経て、第2構造部の第2内周面122と第2すり合わせ面121との境界部である第2内側縁124までに至る面に形成されている。
【0048】
さらにそれぞれの第1種金属膜上には、第2種金属膜212及び第2種金属膜222が形成されるようになっている。
【0049】
第1種金属211、221には、ガラスに対する蒸着強度が高く、かつコスト的に安価なクロムなどの金属を用い、第2種金属212、222には、延性、粘性に富む金などの金属を用いることによって、すり合わせ面の補強を適切に図るようにする。このような本実施形態によれば、先の実施形態と同様の効果を得ることができるものである。
【0050】
耐圧構造物においては、水圧が繰り返しかかることによって、すり合わせ面にクラックや剥離が発生しやすいことは先に述べたとおりであるが、特に、すり合わせ面の近傍でも応力が係りやすく脆弱なポイントは、上記の各側縁であるということができる。本実施形態では、第1すり合わせ面111及び第2すり合わせ面121と共に、第1内側縁114及び第1外側縁115、第2内側縁124及び第2外側縁125にまで、真空蒸着加工で第1種金属膜211及び第1種金属膜221を形成するようにし、よりいっそうの補強を図っている。このような本実施形態によれば、先の実施形態と同様の効果を得ることができるものである。そして、各第1種金属膜の上には、延性、粘性に富む金などの第2種金属212、222が設けられることによって、より適切にすり合わせ面近傍の応力緩和を図ることができるようになっている。このような本実施形態によれば、先の実施形態と同様の効果を得ることができるものである。
【0051】
本実施形態においては、第1金属膜としては、真空蒸着でクロムをはり付けるようにしたが、ガラスに対する蒸着強度が高い金属であれば、その他の金属を用いても良い。また、第2種金属としては、真空蒸着で金をはり付けるようにしたが、チタンなどのその他の金属を用いることも可能である。
【0052】
次に、本発明の他の実施形態について説明する。図9は本発明の他の実施の形態に係る
耐圧構造物を構成する2つの半球状部材のすり合わせ面を拡大して示す図である。図9において、211は第1種金属膜、212は第2種金属膜、221は第1種金属膜、222は第2種金属膜をそれぞれ示している。図9において、先の実施形態と同様の参照番号が付されたその他の構成については、先の実施形態の構成と同様のものを示している。
【0053】
本実施形態においては、第1種金属膜211は、第1すり合わせ面111から、第1構造部110の第1内周面112と第1すり合わせ面111との境界部である第1内側縁114までに至る面に形成されている。また、第1種金属膜221は、第2すり合わせ面121から、第2構造部120の第2内周面122と第2すり合わせ面121との境界部である第2内側縁124までに至る面に形成されている。
【0054】
さらにそれぞれの第1種金属膜上には、第2種金属膜212及び第2種金属膜222が形成されるようになっている。
【0055】
第1種金属211、221には、ガラスに対する蒸着強度が高く、かつコスト的に安価なクロムなどの金属を用い、第2種金属212、222には、延性、粘性に富む金などの金属を用いることによって、すり合わせ面の補強を適切に図るようにする。このような本実施形態によれば、先の実施形態と同様の効果を得ることができるものである。
【0056】
耐圧構造物においては、水圧が繰り返しかかることによって、すり合わせ面にクラックや剥離が発生しやすいことは先に述べたとおりであるが、特に、すり合わせ面近傍において、各内側縁に応力が集中しやすいことが応力計算によって判明している。そこで、本実施形態では、第1すり合わせ面111及び第2すり合わせ面121と共に、第1内側縁114、第2内側縁124にまで、真空蒸着加工で第1種金属膜211及び第1種金属膜221を形成するようにし、応力集中箇所にいっそうの補強を図っている。そして、各第1種金属膜の上には、延性、粘性に富む金などの第2種金属212、222が設けられることによって、より適切にすり合わせ面近傍の応力緩和を図ることができるようになっている。このような本実施形態によれば、先の実施形態と同様の効果を得ることができるものである。
【0057】
本実施形態においては、第1金属膜としては、真空蒸着でクロムをはり付けるようにしたが、ガラスに対する蒸着強度が高い金属であれば、その他の金属を用いても良い。また、第2種金属としては、真空蒸着で金をはり付けるようにしたが、チタンなどのその他の金属を用いることも可能である。
【0058】
なお、以上、第1金属膜および第2金属膜の2層分の金属膜を真空蒸着する実施形態について説明したが、耐圧構造物のすり合わせ面近傍において、3層以上の金属膜を構成することも可能である。
【0059】
上記の各実施形態においては、耐圧構造物を構成する第1構造部110及び第2構造部120が2つの半球状部材である場合について説明したが、これに代え、耐圧構造物を構成する部材として2つの半円筒状の部材を用いるようにすることもできる。図10は、耐圧構造物100を構成する第1構造部110及び第2構造部120が半円筒状部材であるものを斜視的にみた図である。このような耐圧構造物100においては、第1構造部110及び第2構造部120をそれぞれのすり合わせ面で、合わせたときに形成される空間Rの内部に観測機器を収容することによって、海底観測を行う。図11は本発明の実施の形態に係る耐圧構造物100を構成する2つの半円筒部の断面を示す図である。図10及び図11において、先の実施形態と同じ参照番号が付された構成は、同様のものであることを示している。このような2つの半円筒状の部材を用いる実施形態においても、第1構造部110の第1すり合わせ面111、第2構造部120の第2すり合わせ面121に形成
された金属膜(211、221)によって、すり合わせ面の補強が行われることなり、耐圧構造物のすり合わせ面におけるクラックや剥離の発生を抑制することができることとなるのである。なお、図11に示す実施形態は、図1、2に対応する実施形態において、半球状部材に代えて半円筒状部材を用いたものであるが、図3乃至図9に示した実施形態において、半球状部材に代えて半円筒状部材を用いる実施形態を構成することももちろん可能である。
【0060】
次に本発明の他の実施形態について説明する。図12は本発明の他の実施の形態に係る耐圧構造物を構成する2つの半楕円体部材の断面を示す図である。図12は、耐圧構造物100を構成する第1構造部110及び第2構造部120が半楕円体部材であるものであり、このような耐圧構造物100においては、第1構造部110及び第2構造部120をそれぞれのすり合わせ面で、接合したときに形成される閉空間Rの内部に観測機器を収容することによって、海底観測を行うものである。先の実施形態と同じ参照番号が付された構成は、同様のものであることを示している。このような2つの半楕円体の部材を用いる実施形態においても、第1構造部110の第1すり合わせ面111、第2構造部120の第2すり合わせ面121に形成された金属膜(211、221)によって、すり合わせ面の補強が行われることなり、耐圧構造物のすり合わせ面におけるクラックや剥離の発生を抑制することができることとなるのである。なお、図12に示す実施形態は、図1、2に対応する実施形態において、半球状部材に代えて半楕円体部材を用いたものであるが、図3乃至図9に示した実施形態において、半球状部材に代えて半楕円体部材を用いる実施形態を構成することももちろん可能である。
【0061】
次に本発明の他の実施形態について説明する。図13は本発明の他の実施の形態に係る耐圧構造物を3つ以上の部材で構成したものの断面を示す図である。これまでに説明した実施形態のものは、2つの構造部によって耐圧構造物を構成するものであったが、本実施形態のものは、3つ以上の構造部によって耐圧構造物を構成するものである。なお、図13に示す耐圧構造物における上側の半球状の部材と、下側の半球状の部材は、図1の実施形態に示したものと同じものを用いることができる。先の実施形態と同じ参照番号が付された構成は、同様のものであることを示している。また、本実施形態では、3つの構造部で耐圧構造物を構成するものであるが、それより多くの構造部で耐圧構造物を構成するようにしてもよい。
【0062】
図13に示すように、本実施形態では、第3の構造部として、中空の円筒状の部材である第3構造部130が用いられ、この上下に構成されたすり合わせ面である第3すり合わせ面131、第4すり合わせ面132のそれぞれに金属膜231、金属膜232が形成された構造となっている。
【0063】
このような第3構造部130の上下から、第1構造部110及び第2構造部120をすり合わせ面で接合して、内部に閉空間を形成する。この閉空間には、観測機器を収容することによって、海底観測を行う。このような実施形態においても、それぞれのすり合わせ面の補強が行われることなり、耐圧構造物のすり合わせ面におけるクラックや剥離の発生を抑制することができることとなるのである。
【0064】
また、図13に示す実施形態は、図1、2に対応する実施形態において、2つの部材に代えて3つ以上の部材を用いたものであるが、図3乃至図9に示した実施形態において、2つの部材に代えて3つ以上の部材を用いる実施形態を構成することももちろん可能である。
【0065】
なお、以上の実施形態においては、多くとも2層分の金属膜を真空蒸着する実施形態について説明したが、耐圧構造物のすり合わせ面近傍において、3層以上の金属膜を構成す
ることも可能である。
【0066】
以上、本発明の耐圧構造物によれば、第1構造部の第1すり合わせ面、第2構造部の第2すり合わせ面に形成された金属膜によって、すり合わせ面の補強が行われることなり、耐圧構造物のすり合わせ面におけるクラックや剥離の発生を抑制することができる。また、耐圧構造物のすり合わせ面におけるクラックや剥離の発生抑制に伴い、耐圧構造物の繰り返し利用回数の制限が緩和されたり、観測機器からのデータ回収に対する信頼性が向上したりする、といった効果を享受することができる。
【図面の簡単な説明】
【0067】
【図1】本発明の実施の形態に係る耐圧構造物を構成する2つの半球状部材の断面を示す図である。
【図2】本発明の実施の形態に係る耐圧構造物を構成する2つの半球状部材のすり合わせ面を拡大して示す図である。
【図3】本実施形態に係る耐圧構造物100と従来例に係る耐圧構造物とを比較するために行った加圧・減圧試験の条件を示すグラフである。
【図4】本発明の他の実施の形態に係る耐圧構造物を構成する2つの半球状部材の断面を示す図である。
【図5】本発明の他の実施の形態に係る耐圧構造物を構成する2つの半球状部材のすり合わせ面を拡大して示す図である。
【図6】本発明の他の実施の形態に係る耐圧構造物を構成する2つの半球状部材のすり合わせ面を拡大して示す図である。
【図7】本発明の他の実施の形態に係る耐圧構造物を構成する2つの半球状部材のすり合わせ面を拡大して示す図である。
【図8】本発明の他の実施の形態に係る耐圧構造物を構成する2つの半球状部材のすり合わせ面を拡大して示す図である。
【図9】本発明の他の実施の形態に係る耐圧構造物を構成する2つの半球状部材のすり合わせ面を拡大して示す図である。
【図10】本発明の他の実施の形態に係る耐圧構造物を斜視的に示す図である。
【図11】本発明の他の実施の形態に係る耐圧構造物を構成する2つの半円筒部材の断面を示す図である。
【図12】本発明の他の実施の形態に係る耐圧構造物を構成する2つの半楕円体部材の断面を示す図である。
【図13】本発明の他の実施の形態に係る耐圧構造物を3つ以上の部材で構成したものの断面を示す図である。
【符号の説明】
【0068】
100・・・耐圧構造物、110・・・第1構造部、111・・・第1すり合わせ面、112・・・第1内周面、113・・・第1外周面、114・・・第1内側縁、115・・・第1外側縁、120・・・第2構造部、121・・・第2すり合わせ面、122・・・第2内周面、123・・・第2外周面、124・・・第2内側縁、125・・・第2外側縁、130・・・第3構造部、131・・・第3すり合わせ面、132・・・第4すり合わせ面、211・・・(第1種)金属膜、212・・・第2種金属膜、221・・・(第1種)金属膜、222・・・第2種金属膜、231、232・・・金属膜

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1すり合わせ面を有する第1構造部と、
前記第1すり合わせ面と接合する第2すり合わせ面を有する第2構造部と、
前記第1すり合わせ面又は第2すり合わせ面のいずれかのすり合わせ面のうち、少なくとも一方のすり合わせ面に形成された金属膜と、からなることを特徴とする耐圧構造物。
【請求項2】
第1すり合わせ面を有する第1構造部と、
前記第1すり合わせ面と接合する第2すり合わせ面を有する第2構造部と、
前記第1すり合わせ面及び第2すり合わせ面のそれぞれのすり合わせ面に形成された金属膜と、からなることを特徴とする耐圧構造物。
【請求項3】
第1すり合わせ面を有する第1構造部と、
前記第1すり合わせ面と接合する第2すり合わせ面を有する第2構造部と、
前記第1構造部の外周面と前記第1すり合わせ面との境界部である第1外側縁から、前記第1すり合わせ面を経て、前記第1構造部の内周面と前記第1すり合わせ面との境界部である第1内側縁までに至る面に形成された金属膜と、
前記第2構造部の外周面と前記第2すり合わせ面との境界部である第2外側縁から、前記第2すり合わせ面を経て、前記第2構造部の内周面と前記第2すり合わせ面との境界部である第2内側縁までに至る面に形成された金属膜と、からなることを特徴とする耐圧構造物。
【請求項4】
第1すり合わせ面を有する第1構造部と、
前記第1すり合わせ面と接合する第2すり合わせ面を有する第2構造部と、
前記第1すり合わせ面から、前記第1構造部の内周面と前記第1すり合わせ面との境界部である第1内側縁までに至る面に形成された金属膜と、
前記第2すり合わせ面から、前記第2構造部の内周面と前記第2すり合わせ面との境界部である第2内側縁までに至る面に形成された金属膜と、からなることを特徴とする耐圧構造物。
【請求項5】
第1すり合わせ面を有する第1構造部と、
前記第1すり合わせ面と接合する第2すり合わせ面を有するガラス製の第2構造部と、
前記第1すり合わせ面及び第2すり合わせ面のそれぞれの面に形成された第1種金属膜と、
前記第1種金属膜の上に形成された第2種金属膜と、からなることを特徴とする耐圧構造物。
【請求項6】
第1すり合わせ面を有する第1構造部と、
前記第1すり合わせ面と接合する第2すり合わせ面を有する第2構造部と、
前記第1構造部の外周面と前記第1すり合わせ面との境界部である第1外側縁から、前記第1すり合わせ面を経て、前記第1構造部の内周面と前記第1すり合わせ面との境界部である第1内側縁までに至る面に形成された第1種金属膜と、
前記第2構造部の外周面と前記第2すり合わせ面との境界部である第2外側縁から、前記第2すり合わせ面を経て、前記第2構造部の内周面と前記第2すり合わせ面との境界部である第2内側縁までに至る面に形成された第1種金属膜と、
前記第1種金属膜の上に形成された第2種金属膜と、からなることを特徴とする耐圧構造物。
【請求項7】
第1すり合わせ面を有する第1構造部と、
前記第1すり合わせ面と接合する第2すり合わせ面を有する第2構造部と、
前記第1すり合わせ面から、前記第1構造部の内周面と前記第1すり合わせ面との境界部である第1内側縁までに至る面に形成された第1種金属膜と、
前記第2すり合わせ面から、前記第2構造部の内周面と前記第2すり合わせ面との境界部である第2内側縁までに至る面に形成された第1種金属膜と、
前記第1種金属膜の上に形成された第2種金属膜と、からなることを特徴とする耐圧構造物。
【請求項8】
前記第1構造部及び前記第2構造部がそれぞれ半球状部材であることを特徴とする請求項1乃至請求項7に記載の耐圧構造物。
【請求項9】
前記第1構造部及び前記第2構造部がそれぞれ半円筒状部材であることを特徴とする請求項1乃至請求項7に記載の耐圧構造物。
【請求項10】
前記第1構造部及び前記第2構造部がそれぞれ半楕円体状部材であることを特徴とする請求項1乃至請求項7に記載の耐圧構造物。
【請求項11】
すり合わせ面を有する複数の構造部からなり、前記複数の構造部が有するすり合わせ面同士を接合させたとき閉空間を形成する耐圧構造物において、
前記すり合わせ面には金属膜が形成されることを特徴とする耐圧構造物。
【請求項12】
前記第1構造部及び前記第2構造部はガラス製であることを特徴とする請求項1乃至請求項11に記載の耐圧構造物。
【請求項13】
前記第1構造部及び前記第2構造部はセラミックス製であることを特徴とする請求項1乃至請求項11に記載の耐圧構造物。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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