説明

耐引き裂け伝播性の接着テープ

【課題】 横方向における非常に高い耐引き裂け伝播性と機械方向における非常に高い引張り強度を有する接着テープを提供する。
【解決手段】 少なくとも片面に接着剤、特に感圧接着剤が適用され、少なくとも1つの支持フィルムと1つのスリット入りフィルムの積層物からなる裏打ち材を有する、但しスリット入りフィルムが接着テープの機械方向に延びる少なくとも1つのスリットを持つ、接着テープ。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、裏打ち材が少なくとも2つのフィルムからなる接着テープに関する。
【背景技術】
【0002】
接着テープにおける耐引き裂け伝播性は、回答を見出すべく絶えず進行している問題である。
【0003】
更に、高機械方向引っ張り強度を達成する目的で単軸配向されたフィルムは、典型的には耐引き裂け伝播性がひどく低下するという欠点を持つことが知られている。接着テープの耐引き裂け伝播性を向上させる解決策は、種々の方策に基づいている。その一つの例は裏打ち材を繊維で強化することである。典型的なテープは、捩じったまたはもつれたヤ−ンからなる一方向の縦の不織スクリム(scrim)または二方向の織または不織スクリムを有する「フィラメント」接着テープと呼ばれるものを含む。これらのヤ−ンは例えば連続合成繊維または天然繊維からなっていてよい。この種の接着テープにおける繊維は、しばしば一緒に保たれていて局所的に固定された繊維またはフィラメント束を形成している。このように導入された、並びに耐引き裂け伝播性を向上させる繊維は、引張り強度の種々の構成要素となる役割を担う。
【0004】
他の解決策は、特許文献1に示されるような、不規則な内部構造を有する少なくとも2つの共押し出しされた層からなる配向フィルムである。この配置では、全体の厚さが一定であるから、これらの1つの層の厚さは接着テープの幅を横切る第2の層に反比例して変化することである。層の異なる機械的性質の結果として、横方向で始まった引き裂けは機械方向に方向を転じることができる。しかしながらここに開示されている具体例の明白な欠点は、この種のフィルムを作るために必要とされる機械が高価で複雑なことである。
【0005】
耐引き裂け伝播性を向上させる他の手段は、特許文献2、特許文献3、特許文献4、及び特許文献5に開示されているように、例えば補強リブ(rib)構造である。この態様も、特許文献1ですでに適切に述べられているような種々の欠点を持っている。
【特許文献1】独国特許第19955610A1号
【特許文献2】ヨ−ロッパ特許第0411830A1号
【特許文献3】ヨ−ロッパ特許第0343896A1号
【特許文献4】米国特許第5145544A号
【特許文献5】米国特許第5173141A号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の目的は、横方向(cd)における非常に高い耐引き裂け伝播性と機械方向(md)における非常に高い引張り強度を有する接着テープを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この目的は、請求項1で述べたような接着テープを用いることにより達成される。これに付随する請求項は、本発明の接着テープの発展、更にその使用法を提供する。
【0008】
本発明は、少なくとも片面に接着剤、特に感圧接着剤が適用され、少なくとも1つの支持フィルムと1つのスリット入りフィルムの積層物からなる裏打ち材を有する、但しスリット入りフィルムが接着テープの機械方向に延びる少なくとも1つのスリットを持つ、接着テープ提供する。
【0009】
1つの最初の有利な具体例において、スリット入りフィルムは支持フィルムと接着剤との間に位置する。
【0010】
裏打ち材は更なるフィルムを有していてよく、この場合それは更なるスリット入りフィルムの形であってもよい。
【0011】
裏打ち材の積層物はその構造(フィルム数、厚さ及び使用するフィルムの材質)に関して実質的に制限はなく、その代わりに接着テープに課せられた有効な必要条件に適合するように作られる。
【0012】
裏打ち材のある好適な具体例において、2つの端部の(marginal)細片はスリットが入れられてスリット入りフィルムとなる。この端部の細片の幅は、全体の接着テープの幅の高々3分の1に相当する。端部の細片は、最大の進行深さを有する基本的に予測できる側端の損傷に対して保護を提供する。端部細片は、積層物に残しておいても、テープをロールに巻き付ける前に廃材として取り除いてもよい。
【0013】
支持フィルムは、スリットが入れられてなく、スリット入りフィルムを安定化させる、言い換えるとスリット入りフィルムの個々の部分が離れ落ちないようにする機能を持つ。支持フィルムに使用できる材料は同業者には公知のすべてのフィルム材を含む。その選択は積層物を作るのに使用される操作によって制限されるだけである。例えば、BOPP、MOPP、PP、PE、PET、PA、PU、PVCまたはポリエステルが好適である。一般的に言って、ポリオレフィン、エチレンと極性モノマ−、例えばスチレン、酢酸ビニル、メタクリル酸メチル、アクリル酸ブチルまたはアクリル酸とのコポリマ−、ホモポリマ−、例えばHDPE、LDPE、MDPE、或いはエチレンと更なるオレフィン、例えばプロペン、ブテン、ヘキセンまたはオクテンとのコポリマ−(例えばLLDPE、VLLDPE)、或いはポリプロピレン、例えばポリプロピレンホモポリマ−、ランダムポリプロピレンコポリマ−またはポリプロピレンブロックコポリマ−を使用することができる。このフィルムの厚さは、5−50μmであってよい。それより厚くても使用できるが、その場合支持裏打ち材は、特に続く接着テープにおけるスリット入りフィルムの技術的に必要な配置を実質的に保証すべきである。従って、支持裏打ち材は、接着テープを引き裂く場合、接着テープの安定性にとって実質的な損失なく、完全に全幅を横切って引き裂くことができるものである。
【0014】
支持裏打ち材は、スリット入りフィルムの安定化に機能する以外、適当な材料を選べば更なる機能を果たすことができる。それは例えば金属層を適用すると、化学品に対する保護にまたは遮蔽フィルムとして役立つ。またそれはUV吸収剤を導入すると接着剤のUV保護を保証しうる。更に光学的な性質、例えば光沢や例えば色付きフィルムを用いて色を付与することもできる。表面の性質、例えば摩擦や剥離の効果に、決定的に影響を与えることができる。並びにここでは随意として記述するが、明示しないものの、更なる支持フォイルの開発の可能性が存在する。この実際の選択は同業者の普通の技術的知識に包含されるものである。
【0015】
孔開き裏打ち材は、耐負荷機能も果たす。ここで再び、比較的堅く、高張力の裏打ち材、例えばPET、MOPP及びU−PVCを用いることが好適であるが、すべての材料が想定できる。孔開き裏打接着テープは機械方向に延びる少なくとも1つの孔を有していて、2つの側端に加えて少なくとも1つの更なる無傷のフィルム端が形成されている。この孔開きフィルムは機械的性質、例えば引張り強度、堅さなどに対応して選択される。この孔開きフィルムは、支持フィルムと同様に少なくとも部分的に上述した付加的な機能も果たす。
【0016】
細片は異なる幅を有していてもよい。しかしながら、すべての細片は同一の幅を有することが特に好適である。製造工程の結果として、2つの外側の細片は他と違った幅を有していてもよい。細片を用いて更なる内側端を付与するためには、少なくとも2つのスリットが想定される。カット端が中央に配置できる場合、等しい幅の2つの細片が考えられる。しかしながら、1つの細片が第2の細片より幅広である、そして特に引き裂け伝播の傾向が最も狭い細片の側で減じられる、「非対称な」スリット入りフィルムを製造することも可能である。
【0017】
細片の数は本質的に任意に増やすことができる。細片数の上限は、接着テープの幅と細片の幅によって決まる。即ち例えば3つの細片を有する対称または非対称のスリット入りフィルムを製造することも可能である。この例はそれぞれの場合に1つの内側端が接着テープの端近傍において引き裂け限界として付与されたものである。
【0018】
細片の幅は、特に好ましくは1−4mm、非常に好ましくは2mmである。特に接着テープの幅に関して小さい幅を有する細片の場合、等しい細片幅は有利である。
【0019】
好適な具体例は接着テープの幅を横切ってスリットの存在するものである。更に好ましくは対称的に配置された2つのスリットは、有利であることが分かった。即ち幅15mmの特に有利な接着テープは左から右へ4/7/4mmの幅を有する全部で3つの細片を有するスリット入りフィルムのものである。
【0020】
支持フィルム及びスリット入りフィルムの材料は互いに独立して選択することができる。
【0021】
更に好適な具体例において、少なくとも支持フィルム及びスリット入りフィルムの積層物は接着剤で互いに接合された個々の層で形成される。この目的のためには、典型的な接着剤のすべて、例えばホットメルト接着剤、感圧接着剤またはPUに基づく接着剤を使用できる。接着剤層の厚さは7−50μmである。使用する積層接着剤は色が付いていてもよい。他に少なくとも2つのフィルムを互いに接合するために、熱シールフィルムを使用することもできる。
【0022】
積層物は高強度の裏打ち材を与え、これが順次その厚さに関して対応する使用分野に対する従来法の接着テープよりも十分薄い接着テープを可能にする。例えば特に80−150μm、特に好ましくは120μm以下、非常に特に好ましくは100μm以下の厚さで、匹敵しうる引き裂け強度を有する接着テープを製造することができる。裏打ち材の強度は好ましくは少なくとも250N/mm、特に300N/mmである。この接着テープはかなりの引張り強度、更に横方向の耐引き裂け伝播性を有する。更にそれはごく僅かな伸張性のものであり、且つ非常に薄い厚さでこれをすべて達成することができる。
【0023】
本発明の接着テープの接着剤は、天然ゴムまたは合成ゴムの群からの(自己)接着剤であってよく、或いは天然ゴム及び/または合成ゴムの所望のブレンドからなっていてもよい。この天然ゴムは必要な純度及び粘度値に依存してすべての存在するグレ−ド、例えばクレ−プ、RSS、ADS、TSRまたはCVグレ−ドから本質的に選択することができ、また合成ゴムはランダム共重合したスチレン−ブタジエンゴム(SBR)、ブタジエンゴム(BR)、合成イソプレン(IR)、ブチルゴム(IIR)、ハロゲン化ブチルゴム (XIIR)、アクリレ−トゴム(ACM)、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)及びポリウレタン及び/またはこれらの混合物の群から選択できる。
【0024】
更に好適には、熱可塑性弾性体を全弾性体画分に基づいて10−50重量%の重量画分
で添加して、ゴムの加工性を改善することも可能である。この時点で言及できる代表例は、特に、特別な親和性のスチレン−イソプレン−スチレン(SIS)及びスチレン−ブタジエン−スチレン(SBS)グレードを含む。更に100%スチレン−イソプレン−スチレン(SIS)は適当であることが判明した。
【0025】
使用できる増粘樹脂は、例外なくすでに公知の且つ文献に記述されているすべての増粘樹脂を含む。言及できる代表的なものは、ロジン、その不均化、水素化、重合、及びエステル化誘導体及び塩、脂肪族及び芳香族炭化水素樹脂、テルペン及びテルペン−フェノール樹脂を含む。これらの及び更なる樹脂の所望の組合わせも、得られる接着剤の性質を必要に応じて調節するために使用することができる。個々のものは、ドナタス・サタス(Donatas Satas)による「感圧接着剤技術ハンドブック」[ファン・ノストランド(van Nostrand)、1989年]において、既知物質を記述する論文を参照できる。
【0026】
適用後の接着テープの剥離を改善するために架橋することは有利であり、熱的にまたはUV光または電子線の照射で架橋することができる。
【0027】
熱誘導により化学的に架橋する目的には、すべての公知の熱で活性化できる化学架橋剤、例えば促進された硫黄系または硫黄供与体系、イソシアネ−ト系、反応性メラミン樹脂、ホルムアルデヒド樹脂及び(随時ハロゲン化された)フェノ−ル−ホルムアルデヒド樹脂及び/または反応性フェノール樹脂架橋系または対応する活性剤を含むジイソシアネア−ト架橋系、エポキシ化ポリエステル樹脂及びアクリレ−ト樹脂、及びこれらの組合わせ物を使用することができる。架橋剤は、好ましくは50℃以上、特に100−160℃の温度、非常に好ましくは110−140℃の温度で活性化せしめる。架橋剤の熱励起は、IR線または高エネルギー交流場を用いても行いうる。
【0028】
適当な接着剤はアクリレ−トホットメルト、溶媒、または水基剤に基づくものである。これらの最初のものは少なくとも20、特に30以上のK値を有することができ、またそのような接着剤の溶液は濃縮してホットメルトとして取り扱える系を与える。濃縮は適当な装備のタンクまたは押出し機中で行うことができる。特に付随する揮発物の除去の場合、脱揮発物押出し機が好適である。1つのそのような接着剤は、その記述内容が本開示及び本発明の一部であるとして参照される独国第4313008A1号に示されている。他にアクリレ−トホットメルトに基づく接着剤は化学的に架橋させることができる。
【0029】
1つの更なる具体例において、使用される自己接着剤は、(メト)アクリル酸及びこの炭素数1−25のエステル、マレイン、フマル及び/またはイタコン酸及び/またはこれらのエステル、置換(メト)アクリルアミド、無水マレイン酸及び他のビニル化合物、例えばビニルエステル、特に酢酸ビニル、ビニルアルコール及び/またはビニルエ−テルの共重合体である。残存する溶媒含量は1重量%以下であるべきである。
【0030】
特に適当であることが分かった1つの接着剤は、BASFにより名称アクレジン(acResin)UVまたはアクロナル(Acronal)、特にアクロナルDS3458で提供される種類の低分子量アクリレ−トホットメルト感圧接着剤である。
【0031】
最後にポリウレタンに基づく接着剤も適当であることを記述しておく。
【0032】
片面接着テープは、接着剤を好ましくは15−60g/m、更に好ましくは20−30g/m適用して、特に有利に使用できる。
【0033】
最後に接着テープは、接着剤の1つまたは2つの層が使用するまで被覆されている被覆
材を有していてよい。適当な被覆材は上に詳述したすべての材料を含む。しかしながらふわふわしてない材料、例えばポリマ−フィルムまたは十分サイジング処理された長繊維紙を使用することが好適である。接着剤の付与されていない接着テープの面が、適当ならば典型的なプライマ−を有していてもよい。
【0034】
スリット入りフィルムのスリットは製造工程の種々の地点で、例えば積層物の製造前に、入れることができる。この目的のためには、スリットを入れるべきフィルムを、例えば一連の刃を通し、細片にスリットし、そして続いて支持フィルムに直接積層するという具合に誘導する。このスリット入れは必ずしも刃での切断による必要はない。その代わりにスリット入れは他の商業的に普通の切断法で行ってもよい。
【0035】
積層に先立つ積層接着剤を2つの裏打ち材のいずれが有するかは厳密ではない。スリット入り裏打ち材がこの段階においてでさえ、続く感圧接着剤で被覆されていてもよい。
【0036】
第2の態様のスリット入れ工程は、積層物の製造後に及び転換(接着テープの所望の幅への切断)の工程段階において行われる。この場合のためには、支持裏打ち材とスリット入り裏打ち材の積層物が製造され、好適な感圧接着剤で被覆される。続いてこの積層物を、回転するダイ切断に供する。この場合には、積層物を所望の接着テープ幅で正しく切断し、及びその切断間において少なくとも1つキス−カット(kiss−cut)する。かくして回転するダイ下の上の方に位置しているスリットの入れられる裏打ち材を切り通し、使用する積層接着剤を緩衝域として利用して、最も下の裏打ち材に傷を付けないようにする。
【0037】
耐引き裂け伝播性を有する接着テープの通常の適用は、例えば束ね、包装、パレット輸送、或いは引張りベルトに類似の用途を含んでなり、米国特許第2750315A号に詳細に記述されている。それらは1つまたはそれ以上の製品を、それ自体またはそれら自体に、互いにまたは更なる対象物に固定する特徴を共有する。該特許に言及される用途のすべては、本発明によって同様の効率で達成できる。上述した用途の他に、本発明の接着テープは、組合わせたまたは個々の、耐引き裂け性及び耐引き裂け伝播性を有する負荷のかかる要素の強化効果を必要とするすべての機能に際立って適当である。強化できる材料は、例えば紙、段ボール紙、または固体ボードのような、好ましくは露呈された位置、例えば握り、取っ手、及びカットアウトにおけるものを含む。更に本接着テープは、比較的重い包装の締まりがなくなるのを防ぐために、構造要素としても使用できる。
【0038】
これは以下のような利点を与える:
・より大きな目標のための包装の改良
・本質の負荷域の意識的な強化の結果として、使用する全材料量の低減
・包装の有用寿命の向上。
公知の解決策に対して、本発明はいずれの強化フィラメントも必要としない。
【0039】
本発明は、側端が損傷されてないフィルム、言い換えれば例えば綺麗に切断されたフィルムが引張り負荷下に引き裂けず、しかしその代わりに張力を吸収し且つそれをプラスチックの変形に転換するという観察に基づく。この細片はピンと延びた状態になっている。しかしながら、一般に堅くて薄い例えばMOPPまたはPETのようなフィルムは側端が傷つけられるや否や、完全に裂けてすぐに反応する。この場合、丁度綺麗でないカットまたは単なる傷が、接着テープの引張り下の全降伏にいたるこの種の損傷を受けうることである。
【0040】
しかしながら、多くのスリットが裏打ち材の幅を横切って接着テープ中に存在するならば、1つは接着テープが横方向に正に完全に引き裂けないように損傷される。この引き裂
けは、次の損傷を受けていないカット端で止まる。裏打ち材において、好ましくは互いに平行に配置された多くのスリットが存在する。端の領域での損傷の場合、引き裂けはスリットで作られる次の端においてすぐに停止する、言い換えれば引き裂けの元の端の直接近傍においてそれは停止する(損傷の深さは引き裂けの究極的な深さに相当する)。
【0041】
本発明において、横方向の損傷の場合、接着テープの内部に更にある端の1つが、損傷された外部端に取って代わり、損傷されてない元にあったような状態に接着テープを戻させて、残りの負荷を担う幅を安定化させる。
【0042】
それゆえに本発明は、スリットのないフィルム及び縦方向にスリット入りのフィルムからなる積層物が増大した横方向の引き裂け強度という利点を提供するが、それをフィルムで裏打ちされた接着テープと組合わせる、例えば平らな且つ均一な構造で低密度を高引張り強度と組合わせるという利点を提供する。
【0043】
本発明の更なる利点はフィルムを使用するという事実を含む。フィラメントで強化された接着テープと反対に、例えばこれは100μmまたはそれ以下の非常に平らな構造で同様の性能をもたらす。更に織り及び不織スクリムの場合のように、接着剤で満たさねばならない空隙は形成させない。これは接着剤に関して簡潔な節約をもたらす。
【0044】
添付する図面は本発明をより詳細に説明するためのものである。しかしこれは本発明を不必要に限定するものではない。
【0045】
図1を参照すると、接着テープは少なくとも1つの支持フィルム2と多くの細片1から形成されたスリット入りフィルムの積層物からなる裏打ち材を有する。この細片1は接着テープの機械方向に延びる多くのスリットが入れられたスリット入りフィルムの結果としてもたらされたものである。これには示してないが接着剤はスリット入りフィルムに適用される。
【0046】
図2は接着テープを製造するためのスリット法を示す。接着テープは支持フィルム1、積層接着剤2、スリット入りフィルム3及び接着剤4の4層からなり、回転切断シャフト21と切断カウンタ−シリンダ−22の間に誘導される。回転する切断線23(図3を参照)は接着テープがキス−カット(25)されるだけのおかげでスリットの入れられるフィルム2にスリットの入ることを保証する。言い換えれば接着テープはスリットの入れられるフィルム2にスリットが入り、支持フィルム1には刃が接触しない。積層接着剤3は緩衝域として利用され、最も下の支持裏打ち材1は傷が付けられない。同時に接着テープはその裏打ちフィルムまですべてがある幅で切断され、接着剤も完全に切断される。
【0047】
図3は、再び回転切断シャフト21及び切断カウンターシリンダー22の相互配置を示す。
【図面の簡単な説明】
【0048】
【図1】スリット入りフィルムの方向で見た接着テープを示す
【図2】接着テープを製造するためのスリット法を示す
【図3】スリット法を実行するために必要とされるプラント構成部品を示す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも片面に接着剤、特に感圧接着剤が適用され、少なくとも1つの支持フィルムと1つのスリット入りフィルムの積層物からなる裏打ち材を有する、但し該スリット入りフィルムが接着テープの機械方向に延びる少なくとも1つのスリットを持つ、接着テープ。
【請求項2】
スリット入りフィルムが支持フィルムと接着剤との間に位置する、請求項1の接着テープ。
【請求項3】
裏打ち材がスリット入りフィルムの形であってもよい更なるフィルムを有する、請求項1または2の接着テープ。
【請求項4】
少なくとも支持フィルム及びスリット入りフィルムの積層物を接着剤によって一緒に保持する、請求項1−3の少なくとも1つの接着テープ。
【請求項5】
支持フィルムが、BOPP、MOPP、PP、PE、PET、PA、PU、PVCまたはポリエステルからなり、及び/または5−50μmの厚さを有する、上記請求項の少なくとも1つの接着テープ。
【請求項6】
スリット入りフィルムが堅く、高張力の裏打ち材、例えばポリエステル、PET、MOPPまたはU−PVCからなる、上記請求項の少なくとも1つの接着テープ。
【請求項7】
裏打ち材が50μmまで、好ましくは5−25μm、非常に特に好ましくは5−15μmの厚さを有する、上記請求項の少なくとも1つの接着テープ。
【請求項8】
裏打ち材への接着剤の適用量が15−60g/m、好ましくは20−30g/mに相当する、上記請求項の少なくとも1つの接着テープ。
【請求項9】
裏打ち材の強度が少なくとも250N/mm、特に300N/mmである、上記請求項の少なくとも1つの接着テープ。
【請求項10】
上記請求項の少なくとも1つの接着テープを、束ね、包装またはパレット運搬に使用する方法。
【請求項11】
上記請求項の少なくとも1つの接着テープを、紙、段ボール紙または固形ボードに対する、好ましくは握り、取っ手及び切り抜きのような露呈された位置における補強テープとして使用する方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2007−131846(P2007−131846A)
【公開日】平成19年5月31日(2007.5.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−301817(P2006−301817)
【出願日】平成18年11月7日(2006.11.7)
【出願人】(501237327)テサ・アクチエンゲゼルシヤフト (62)
【Fターム(参考)】