説明

耐摩耗性ポリマー

ポリマーの耐摩耗性の改良法であって、超微粒状無機物質をポリマー中へ、得られるポリマー複合材の全重量に基づいて0.01〜20重量%の割合で均一に分散させる工程を含む該改良法が開示される。この分散又は混合工程は、硬化前の混合物中に気泡がほとんど又は全く発生しないようにするために、減圧条件下でおこなうのが好ましい。


【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ポリマー、特にポリウレタンの耐摩耗性の改良及び無機物とポリマーの複合材料の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ポリマー材料は金属を基材とする伝統的な材料と代替しているか、又はその用途を減少させているが、ポリマー材料は一般的に強度や耐摩耗性が不十分なために、このような特性はポリマー材料の一層広範囲の用途の妨げとなっている。コスト上の利点をもたらしているポリウレタンのようなポリマーが使用されているエンジニアリングの分野においては、このようなポリマーの耐摩耗性が改良されるならば、現在のところポリマー材料から製造されている装置の耐久性は大幅に改良されることになる。さらに、ポリマーの耐摩耗性が改良されるならば、その用途は他の分野にも拡大されるはずである。
【0003】
従来技術に対する以下の文献は、該文献が一般的な常識の一部を構成するという証拠と見なすべきでないことを理解すべきである。
【0004】
従来技術においては、ポリマーに添加すべき添加剤として、研磨剤等の多数の無機物質が例示されている。日本国特許第5250666号明細書には、研磨剤を別々に分散させることによってスラリーを形成させ、該スラリーを塗料組成物へ添加することによって磁性塗料を調製する技術が開示されている。研磨剤の分散液用の好ましい溶剤には、エーテル、エステル、芳香族炭化水素、脂肪族炭化水素及び塩素化炭化水素が含まれる。分散液用の好ましいバインダー樹脂は変性塩化ビニル樹脂、ポリウレタン樹脂及びポリエステル樹脂である。好ましい研磨剤にはアルミナ、アルミニウムシリケート、炭化ケイ素、酸化クロム、窒化物、酸化チタン及び酸化ホウ素が含まれる。分散液中の好ましい研磨剤:樹脂比は4:8である。この方法によれば、磁性粉末の分散性が改良され、又、研磨剤は高い充填密度と媒体表面の高い平滑性をもたらす。
【0005】
国際公開公報WO 98/51736号には、ポリオールをポリイソシアヌレートと反応させ、次いで液相中に微細に分散された固体状無機物(固形分:0.01〜9重量%)を添加することによる硬質ポリウレタン及び/又はポリイソシアヌレート発泡体の製造方法が開示されている。好ましい無機添加剤にはSiO,TiO,Fe,CdS,CdSe,タングステン、炭化物、シリコン、炭化ケイ素及び硫化第2鉄が含まれる。
【0006】
米国特許公報第6190770 B1号には、外側に遮蔽被覆層を有するパルス電圧サージング耐性のあるエナメル線が開示されており、該遮蔽被覆層は合成樹脂、有機溶剤、α−型Al粒子、及びγ−型Al粒子を含有する。合成樹脂としては、ポリアセタール樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリエステルイミド樹脂、ポリエステルイミン樹脂、ポリイミン樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリアミド樹脂、ポリスルホン樹脂、ポリイミド樹脂又はこれらの混合物が使用可能である。使用される有機溶剤は選択される合成樹脂に左右されるが、クレゾール、炭化水素、ジメチルフェノール、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)、N−メチルピロリドン(NMP)、エステル、ケトン又はこれらの混合物が使用可能である。Al粒子としては、粒径が0.001〜10μmのAl粒子が3〜20重量%添加され、該粒子は高剪断混合によって均一に分散される。所望により、分散を促進させるために分散剤を使用することができる。好ましい樹脂はポリアミドイミド又はポリエステルイミドであり、溶剤はキシレン、NMP及びDMFの混合物又はキシレン、炭化水素、クレゾール及びフェノールである。Alの好ましい粒径は0.3〜0.5μmであり、該粒子の配合量は5〜10%である。
【0007】
しかしながら、熱硬化性ポリマー前駆体は、その性質上、硬化前の低温においては比較的粘度が高く、一般に高温に維持することはできない。従って、粒状無機物をポリマー中へ混合させる場合には気泡の混入が避けられない。このような気泡は、ポリマー複合材から製造される物品の機械的特性に重大な悪影響をもたらす。さらに、より軽量なポリマー流体中でのより重い粒状無機物の沈降は不十分な分散性と不均質な性状をもたらす。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明が解決しようとする課題は、改良された耐摩耗性を有するポリマー/粒状無機物複合材を、該ポリマーの機械的特性を低下させないで製造できる方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明によれば、超微細な粒状無機物(好ましくは、サブミクロンサイズの粒径を有する粒状無機物)をポリマー中へ少量(ポリマー/粒状無機物複合材の全重量に基づいて20重量%未満)配合することによって、該ポリマーの耐摩耗性が大幅に増大することが判明した。
【0010】
即ち、本発明の1つの観点によれば、ポリマーマトリックス及び該ポリマーマトリックス中に均一に分散された超微粒状無機物を含有するポリマー製物品であって、10μmまでの粒径(好ましくは、1〜1000nm)を有する粒状無機物がポリマーマトリックス中にポリマー成分と無機成分の全重量に基づいて0.01〜20重量%の割合で分散されたことを特徴とする該ポリマー製物品が提供される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
出願人は次のことを究明した。即ち、上記の範囲の粒径を有する粒子を配合量の上限よりも少ない量で使用する場合には、ポリマーマトリックス中での粒子の凝集を伴うことなく該ポリマーマトリックス中への粒子の均一な分散が達成されると共に、得られる物品中に空気又はガスの泡を実質上発生させない混合法によって、粒状物をポリマー中へ混合することができる。
【0012】
ポリマー中へ粒子が実質上均一に分散される指標として、粒子間距離を20μm未満(より好ましくは10μm未満)にすると共に、平均粒子間距離を2〜10μm(より好ましくは、2〜6μm)にすることが好ましい。
【0013】
本発明の好ましい実施態様においては、粒径の上限は好ましくは800nm未満であり、より好ましくは、粒径は100〜800nmの範囲にする。出願人は、粒子の配合量の上限は、ポリマーと無機物の全重量に基づいて20重量%であって、該粒子の配合量は、好ましくは10重量%未満であり、より好ましくは8重量%未満であり、最も好ましくは6.5重量%未満であることを究明した。
【0014】
驚くべきことには、出願人は次のことを究明した。即ち、サブミクロンの粒径を有する粒状物の配合量を少なくする場合には、粒状物の配合量を上記の上限よりも多くする場合に比べて、ポリマー/無機物複合材の耐摩耗性が増大する。このことは、改良される耐摩耗性が、耐摩耗性のより高い無機物をより柔軟なポリマーマトリックスへの添加に基づくものではなく、無機物の粒径と配合量の観点からのポリマーと無機物との間の相互作用に起因するということを示すものである。
【0015】
無機粒状物は、サブミクロンサイズの粉状物として得られるいずれの無機物であってもよく、例えば、金属酸化物、金属ケイ酸塩及び金属アルコキシドが挙げられる。この種の化合物には、アルミニウム、チタン及びケイ素の酸化物、ケイ酸塩及びアルコキシド等が含まれる。好ましいこの種の化合物には、アルミナ(Al)、チタニア(TiO)、ジルコニア(ZrO)、シリカ(SiO)、炭化ケイ素、アルミナの水酸化物及びアルミナシリケート、例えば、マイカ、タルク及びギブサイト等が含まれる。有機−無機ハイブリッド(hybrid)中の無機粒状物は、前駆体アルコキシドゾルを用いるゾル−ゲル反応を経由して、無機ドメイン(粒子)をポリマーマトリックス中へ無秩序に分散させて共有結合させることによって、その場で形成させてもよい。
【0016】
好ましいポリマー材料は熱硬化性ポリマーである。有用な熱硬化性樹脂としては次の樹脂が例示される:ポリエステル、ポリウレタン及びこれらのハイブリッドとコポリマー、例えば、アクリレート化ウレタン及びアクリレート化ポリエステル、アミノ樹脂(例えば、アミノプラスト樹脂)、例えば、アルキル化尿素−ホルムアルデヒド樹脂、メラミン−ホルムアルデヒド樹脂、アクリレート系樹脂、例えば、アクリレート樹脂、メタクリレート樹脂、ビニルアクリレート樹脂、アクリレート化エポキシド樹脂、アクリレート化ウレタン樹脂、アクリレート化ポリエステル樹脂、ビニルエーテル樹脂、アクリレート化油及びアクリレート化シリコーン、アルキド樹脂、例えば、ウレタンアルキド樹脂、ポリエステル樹脂、反応性ウレタン樹脂、フェノール系樹脂、例えば、レゾール樹脂、ノボラック樹脂、フェノール−ホルムアルデヒド樹脂、フェノール/ラテックス樹脂、エポキシ樹脂、例えば、ビスフェノールエポキシ樹脂、脂肪族エポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂、イソシアネート樹脂、イソシアヌレート樹脂、ポリシロキサン樹脂(アルキルアルコキシシラン樹脂を含む)、反応性ビニル樹脂、及びこれらの任意の混合物。
【0017】
前述のように、粒状無機物とポリマーの混合方法によって、ポリマーマトリックス中への該無機物の実質上均一な分散を達成されると共に、好ましくは、粒子の凝集及び空気若しくはガスの泡の発生又は該泡の混合物中への混入が回避されることが重要である。
【0018】
本発明の別の観点によれば、下記の工程(i)及び(ii)を含むポリマー/無機物複合材製物品の製造方法が提供される:
(i)10μmまでの粒径(好ましくは、1〜1000nm)を有するサブミクロンの粒状無機物をポリマー中へ、該無機物とポリマーの全重量に基づいて0.01〜20重量%の添加量で分散させことにより、得られる混合物中での気泡の発生を防止することによって、粒状無機物がポリマー中に実質上均一に分散された分散物を形成させ、次いで
(ii)該分散物(スラリー)をモールド内へ流し込み、該混合物を硬化させる。
【0019】
混合工程は、分散粒子の凝集量を最小にするようにしておこなわれ、これによって、ポリマー中への粒状無機物の分散は実質上均一におこなわれる。
【0020】
粒状物は、好ましくは非凝集状態でポリマーマトリックス中に分散され、又、好ましくは個々の粒子は相互作用しない。粒状物は、使用するポリマーと混和性を示すように選択される。この場合、粒状物を適当な表面改質剤で処理することによって該粒状物をポリマーと混和させてもよい。表面改質剤としては、粒状物の表面を、相対的に、より高い極性若しくはより低い極性若しくは非極性にするような改質剤を選択してもよい。適当な表面改質剤としては、非アルコール系若しくは非アミン系の芳香族溶剤が挙げられるが、PGMAが好ましい。
【0021】
混合工程には、好ましくは、粒状無機物をポリマーと共に、真空条件下で微粉砕することが含まれる。この混合処理は、一般的にはレイノルズ数(Re)が1000以下の低剪断条件下又はReが1000よりも高い高剪断条件下でおこなうことができる。
【0022】
低剪断混合法においては、粒状無機物の疎水性をポリマーに適合するようにする処理剤を用いて該無機物を被覆するか、又は処理してもよい。即ち、粒状無機物の表面を分散剤で処理することにより該表面の化学的特性をポリマーマトリックスに適合させることによってスラリーを形成させる。
【0023】
混合処理は、好ましくは真空条件下において(好ましくは真空オーブン内において)おこなうことによって、分散物中での気泡の発生を確実に防止する。真空オーブンは、ポリマーの融点よりも高い温度であって、その分解温度よりも低い温度まで加熱する。高剪断混合法及び低剪断混合法のいずれの場合であっても、混合をおこなう真空は760mmHgまでの圧力とし、該圧力は分散物の粘度に応じて変化させる。従って、分散物の温度、ポリマーの性状及び粒状無機物の配合量等のファクターは、全ての気泡を除去するために必要な真空度を決定する際には考慮すべきである。粒状無機物とポリマーを混合した後、分散物から溶剤を、例えば、蒸留又はオーブン乾燥等による蒸発によって除去し、次いで分散物を硬化させることによって、気泡を実質上含まない複合材料が得られる。
【0024】
高剪断混合法の場合には、好ましくは、粒状無機物とポリマーをミル中へ導入し、該ミルを排気して減圧条件にする。粒状無機物は、ミル中へ導入する前に、前述のようにして、適合化処理に付してもよい。ミル内の混合物は、ポリマー樹脂の融点よりも高い温度であって、その分解温度よりも低い温度に設定されたミル内での微粉砕処理に付される。
【0025】
次いで、開始剤を添加することによって重合反応を開始させ、分散物を硬化させる。開始剤は、使用するポリマーに対して適当ないずれの開始剤であってもよく、該開始剤の使用量は、上記の組成物中に存在するモノマーの重合を促進するのに有効な量であって、開始剤の種類と分子量に応じた可変量である。
【0026】
他の添加剤、例えば、帯電防止剤、フィラー、顔料、蛍光増白剤及びUV増白剤等を、本発明を逸脱しない範囲内で添加してもよい。この種の添加剤の詳細な性状や範囲は当業者には明らかな事項である。
【0027】
好ましくは、ポリマーは熱硬化性ポリマーであり、又、硬化工程には、開始剤を添加してポリマーを硬化させる過程が含まれる。
【0028】
本発明のさらに別の観点によれば、
10μmまでの粒径(好ましくは、1〜1000nm)を有するサブミクロンの粒子から実質上成る粒状無機物をポリマー中へ、該無機物とポリマーの全重量に基づいて0.01〜20重量%の添加量で実質上均一に分散させる方法であって、下記の工程(i)及び(ii)を含む該方法:
(i)該粒状無機物とポリマーの粉末を、該ポリマーの融点よりも高い温度であって該ポリマーの分解温度よりも低い温度における減圧下での微粉砕処理に付すことによって混合させ、次いで
(ii)得られた分散物を硬化させる。
【0029】
本発明によるこの方法の1つの実施態様においては、粒状無機物は、ポリマーへの添加に先立って、溶剤キャリヤー中へ添加する。この溶剤キャリヤーは分散物から蒸発させ、ポリマーと粒状無機物の微粉砕処理は、一般的には900ミリバール(ゲージ圧)未満の圧力下で実施される。溶剤の使用は、Reが1000未満の低剪断混合法の場合に特に適している。
【0030】
本発明によって達成される耐摩耗性の増大に起因して、本発明によれば、下記の工程(i)及び(ii)を含むポリマーの耐摩耗性を増大させる方法が提供される:
(i)10μmまでの粒径(好ましくは、1〜1000μm)を有する超微細な粒状無機物をポリマー中へ、該無機物とポリマーの全重量に基づいて0.01〜20重量%の添加量で分散させことにより、得られる混合物中での気泡の発生を防止することによって、粒状無機物がポリマー中に実質上均一に分散された分散物を形成させ、次いで
(ii)該分散物をモールド内へ流し込み、該ポリマーを硬化させる。
【0031】
本発明のその他の特徴、対象及び利点は、以下に示す好ましい実施態様と添付図に基づく説明によって明らかにする。
【0032】
図1は、アルミナを6.1重量%含有するポリウレタンポリマーの走査電子顕微鏡写真である。
図2は、SiCを6.1重量%含有するポリウレタンポリマーの走査電子顕微鏡写真である。
図3は、SiCを20.5重量%含有するポリウレタンポリマーの走査電子顕微鏡写真である。
図4は、アルミナを1.3重量%含有するポリウレタンポリマーの走査電子顕微鏡写真である。
図5は、分散度の劣るアルミナ粒子を含有するポリウレタンポリマーの二次電子放出走査電子顕微鏡写真である。
図6は、分散度の劣るアルミナを含有するポリウレタンポリマーの二次電子放出走査電子顕微鏡写真である。
【0033】
好ましいポリマーは、1種若しくは複数種のジイソシアネート(例えば、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、ナフチレンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート及びメチレンジイソシアネート等)及び実質上線状のヒドロキシル基又はアミン基を末端に有するポリオール(ポリエステル、ポリエーテル、ポリカーボネート及びポリシロキサンから成る群から選択される少なくとも1種のポリオール)を、連鎖延長剤、開始剤又は触媒の存在下で反応させることによって得られるポリウレタンである。この場合、添加剤成分の少なくとも1種は次の群から選択される:エチレングリコール、ブタンジオール、ヘキサンジオール及び1,4−ジ−(β−ヒドロキシエチル)−ヒドロキノン又はジアミン(例えば、MOCA[4,4’−メチレンビス−(3−クロロ,2,6−ジエチル)−アニリン]、p−フェニレンジアミン、オキシジアニリン、メタフェニレンジアミン等)又は連鎖延長剤(トリオール連鎖延長剤若しくはトリアミン連鎖延長剤を含む)。
【0034】
大部分のポリマー樹脂、特に二液型熱硬化性樹脂(例えば、ポリウレタン樹脂等)は、混合するのに理想的な温度においては、粘性の液体である。このような粘性に起因して、固体状物質の添加に伴ってガス/空気の気泡が混合物中へ導入され易い。この種の気泡は、粒子が大きい場合には、真空条件下で除去することができるが、サブミクロンの粉末の場合には、ガス/空気の気泡の除去は極めて困難である。
【0035】
この問題を解決するために、出願人は1つの実施態様において、ポリマー複合材料の製造法であって、溶剤と無機粉末のスラリーを形成させることによってガス、特に粒子間のエアポケット(air pocket)を除去する過程を含む該製造法を開発した。次いで、このスラリーをポリマー中へ添加して混合することによって、粒状無機物をポリマー中へ分散させる。溶剤を蒸発により除去することによって、内部に無機粉末が分散されと共に、空気/ガスの気泡が実質上存在しないポリマーマトリックスの固有の特性を変化させないようにする。
【0036】
本発明の別の実施態様においては、粒状無機物をポリマー中へ均一に分散させるプロセスであって、溶剤を使用しないで該無機物とポリマーとの混合物中への気泡の混入を回避する該プロセスが含まれる。このような態様には、分散性を改良すると共に、分散粒子の粒径を調整して所望のサイズに適合させる磨砕微粉砕プロセス(attrition milling process)が含まれる。混合プロセスには磨砕微粉砕法は必要ないが、分散物を得るためには高剪断混合プロセスを採用すべきである。
【0037】
いずれの場合においても、分散物中への気泡の混入を可能な限り制限するために、混合工程は900ミリバール(ゲージ圧)未満の真空条件下でおこなう。
【実施例】
【0038】
本発明を以下の実施例によって説明するが、当業者には理解されるように、これらの実施例は本発明を制限するものではない。
実施例1
本発明の有効性を実証するために、サブミクロンのアルミナ(平均粒径:0.72μm)を溶剤と混合した。得られたスラリーをポリウレタンと混合した(溶剤はアルミナをポリウレタンに混和させるために必要である)。溶剤としては、PGMA(プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート)[オリカ・ケムネット社製]を使用した。ポリウレタン材料としては、以下の表1に示す成分から成る二液型樹脂を使用した
【0039】
【表1】

【0040】
ポリウレタンの無機複合材を製造するための好ましい加工方法を以下に説明する。
「E93A」を真空オーブン(80℃)内において、発泡が停止するまで(16時間)加熱した。10mmのアルミナ微粉砕媒体を用いて、アルミナ粉末をPGMAと共にボールミル粉砕処理に16時間付した。微粉砕処理後、得られたスラリーを振動テーブル上に5分間載置することによって、スラリーから気泡を除去した。このスラリーを「E93A」に添加し、ホットプレート上において、電磁攪拌機を用いて十分に混合し、添加した全てのPGMAを除去した(通常は一夜にわたって撹拌する)。
【0041】
「MOCA」は、混合前に110℃で溶融させた。「MOCA」とスラリー(即ち、「E93A」と無機粉末との混合物)との混合は電磁攪拌機を用いておこない、混合物中での気泡の発生を防止した。得られた混合物をモールド内へ流し込んだ(100℃で一夜予熱したテフロン製モールド及びグリースを塗布したガラス製容器を使用した)。試料を100℃で1時間の硬化処理に付した後、真空オーブン内において、70℃で16時間の後硬化処理に付した。
【0042】
ポリウレタン試料は、異なる耐摩耗性試験と機械的特性試験に供するために、異なる予熱モールド内で注型した。特に2つのタイプのテフロン製モールドを使用した。第1のモールドは30×70×3mm厚のサイズを有するモールドであって、スラリーのポット試験のために使用し、又、第2のモールドは40×80×3mm厚のサイズを有するモールドであって、引張試験のために使用した。さらに、内壁に真空グリースを薄く塗布したガラス製容器[100mm(直径)×5.7mm(厚さ)]は、浸蝕ジェット試験及び乾燥砂ゴムホイール(dry sand rubber wheel)試験のためのモールドとして使用した。
【0043】
走査電子顕微鏡(SEM)は、試料の構造を説明するために使用した。前述の方法に従って調製したアルミナ6.1%含有試料の顕微鏡写真を図1に示す。ポリウレタン(暗色領域)中のアルミナ粒子(より明るい色の領域)は良好に分散されている。無機粉末とポリウレタンとの間の結合も良好であると考えられる。明白なミクロ孔/マクロ孔又はその他の欠陥は構造中にはみられない。
【0044】
実施例2
無機添加剤としてサブミクロンの炭化ケイ素(平均粒径:0.6μm)を使用する以外は、実施例1の場合と同様の操作をおこなった。得られた試料のSEMによる顕微鏡写真を図2に示す。この場合、粒子間距離は1〜6μmであり、平均粒子間距離は約3μmである。
【0045】
実施例3
サブミクロンの炭化ケイ素の添加量を20.7重量%にする以外は、実施例2の場合と同様の操作をおこなった。得られた試料のSEMによる顕微鏡写真を図3に示す。この場合、粒子間距離は0.5〜5μmであり、平均粒子間距離は約2.3μmである。
【0046】
実施例4
無機添加剤としてサブミクロンのアルミナ粉末を1.3重量%添加する以外は、実施例1の場合と同様の操作をおこなった。得られた試料中の粒子間距離は1〜10μmであり、平均粒子間距離は約5μmである。
【0047】
実施例5
この実施例においては、溶剤を使用しないで無機物/ポリマー複合材の製造法について説明する。
磨砕ミル内へ微粉砕媒体(直径5mmのYTZ)を装填した後、ポリマー及びアルミナ粉末(粒径:720μm)を導入した。微粉砕容器内を0.5時間の排気処理に付した後(850ミリバール)、微粉砕処理を開始した。ミルの温度を70℃に維持しながら、混合物の微粉砕処理を130rpmで2時間おこなった後、ポリマー/アルミナ混合物を微粉砕媒体から分離させた。混合処理を真空条件下でおこなったことに起因して、ポリマー/アルミナ混合物からは全ての気泡が除去された。該混合物は、重合を開始させる前に、加熱して80℃の温度条件下で保持した。
【0048】
この実施例においては、全組成物あたり1.3重量%のアルミナを含有するTDIポリウレタン/アルミナ混合物を「MOCA」と3分間混合し、得られた混合物をモールド内へ流し込んだ。得られた試料を100℃で1時間硬化させた後、75℃で16時間の後硬化処理に付した。ポリウレタン/アルミナ複合材のSEMによる顕微鏡写真を図4に示す。
【0049】
標準的な未変性材料に比べた場合の調製試料の磨耗率と機械的特性を決定するために、一連の機械的試験をおこなった。下記の試験を含む一連の試験法をASTMに従っておこなった:スラリーポット(slurry pot)(ASTM G105)、ジェット浸蝕(jet erosion)(ASTM G76)、乾燥砂ゴムホイール(ASTM G65)、引張強さ(ASTM D638)及び硬度測定(ASTM D2240 00)。これらの試験結果を以下の表2及び表3に示す。
【0050】
【表2】

【0051】
【表3】

【0052】
無機粒子含有ポリマーの磨耗率は粒子不含ポリマー(対照)の磨耗率によって割り算される。即ち、
(対照に正規化された磨耗率=(複合材の磨耗率)/(対照の磨耗率)
である。対照に正規化された(normalized)磨耗率の値が0.5であるということは、複合材が、対照の磨耗率の2分の1の磨耗率を有することを意味する。
【0053】
試験結果から明らかなように、サブミクロンの粒径を有する粒状物をポリウレタンに少量添加することによって、元のポリマーの耐摩耗性は大幅に改良される。前述のように、本発明は、熱硬化性ポリマー及び熱可塑性ポリマーを含む多種多様なポリマー並びに多数のナノ粒径を有する耐火性材料(金属酸化物、金属ケイ酸塩及び金属アルコキシドを含む)に対して適用することができる。別の加工方法、例えば、射出成型法及び押出法等も利用可能である。
【0054】
図1〜図4は、本発明によるポリマー/無機物複合材の顕微鏡写真である。これらの結果から明らかなように、無機粒子は、添加量が6.1重量%のときでも、粒子の凝集物をほとんど又は全く発生させることなく、均一に分散される。図5及び図6は、分散性の劣るアルミナ粒子(粒径:0.72μm)が、それぞれ3μm及び20μmの大きさの凝集物を形成することを示す顕微鏡写真である。
【0055】
粒状物の広範囲の添加量は、耐摩耗性の改良に関する2つの可能なモデルを検討するために適用した。これらのモデルは、磨耗性の環境に対する磨耗表面上での物理的障壁の形成及び耐摩耗性を改良するためのポリマーの微細構造の改変であり、前者は粒状物の添加量を高めることによって達成され、又、後者は該添加量を非常に少なくすることによって達成される。少量の超微細(好ましくは、サブミクロン)の粒状アルミナをポリウレタンに添加することによって、該ポリマーの耐摩耗性は元のポリマーの場合よりの大幅に改良された。
【0056】
さらに、改良された耐水性が観察され、又、超微細(好ましくは、サブミクロン)の粒子をポリマーへ添加することによって、その他の機械的特性(例えば、反撥レジリエンス、弾性、疲労及びヒステリシス等)も大幅に改良されることが期待される。
【0057】
このような無機物/ポリマー複合材料は広範囲の潜在的な用途(磨耗が臨界要因となる表面や嵩高な固体の取扱いを含む)を有している。その他の改良される機械的特性は、該複合材料を、ヒステリシス効果が有効な用途[例えば、ばねダンパー(spring damper)]への適用に適合させる。
【0058】
本明細書の以上の記載は、本発明の原理を説明するものであり、当業者にとって明らかな多様な変形態様は、本発明の範囲を逸脱することなく、想到することができる。このような全ての変形態様は、本発明に関する前記の開示内容に包含されるものである。
【図面の簡単な説明】
【0059】
【図1】アルミナを6.1重量%含有するポリウレタンポリマーの走査電子顕微鏡写真である。
【図2】SiCを6.1重量%含有するポリウレタンポリマーの走査電子顕微鏡写真である。
【図3】SiCを20.5重量%含有するポリウレタンポリマーの走査電子顕微鏡写真である。
【図4】アルミナを1.3重量%含有するポリウレタンポリマーの走査電子顕微鏡写真である。
【図5】分散度の劣るアルミナ粒子を含有するポリウレタンポリマーの二次電子放出走査電子顕微鏡写真である。
【図6】分散度の劣るアルミナを含有するポリウレタンポリマーの二次電子放出走査電子顕微鏡写真である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ポリマーマトリックス及び該ポリマーマトリックス中に均一に分散された超微粒状無機物を含有するポリマー製物品であって、10μmまでの粒径を有する粒状無機物がポリマーマトリックス中にポリマー成分と無機成分の全重量に基づいて0.01〜20重量%の割合で分散されたことを特徴とする該ポリマー製物品。
【請求項2】
無機物の粒径が1〜1000nmである請求項1記載の物品。
【請求項3】
無機物の粒径の上限が800nm未満である請求項1記載の物品。
【請求項4】
粒状の無機物が100〜800nmの粒径を有する請求項1記載の物品。
【請求項5】
無機物の含有量の上限が、ポリマーと無機物の全重量に基づいて10重量%である請求項1から4いずれかに記載の物品。
【請求項6】
無機物の粒子間距離が20μm未満であって、平均粒子間距離が2〜10μmである請求項1記載の物品。
【請求項7】
粒状の無機物が、金属酸化物、金属シリケート及び金属アルコキシドを含む群から選択されるサブミクロン粉末から得られる粒状無機物又は該粒状無機物の前駆体である請求項1記載の物品。
【請求項8】
粒状の無機物がアルミニウム、チタン及びケイ素の酸化物、シリケート及びアルコキシドである請求項7記載の物品。
【請求項9】
粒状無機物が、アルミナ(Al)、チタニア(TiO)、ジルコニア(ZrO)、シリカ(SiO)、炭化ケイ素、アルミナの水酸化物及びアルミノシリケートから成る群から選択される請求項7記載の物品。
【請求項10】
ポリマー物質が熱硬化性ポリマーである請求項1記載の物品。
【請求項11】
ポリマー物質がポリウレタン、ポリエステルまたはこれらのハイブリッド若しくはコポリマーである請求項10記載の物品。
【請求項12】
下記の工程(i)及び(ii)を含むポリマー/無機物複合材製物品の製造方法:
(i)10μmまでの粒径を有するサブミクロンの粒状無機物をポリマー中へ、該無機物とポリマーの全重量に基づいて0.01〜20重量%の添加量で分散させことにより、得られる混合物中での気泡の発生を防止することによって、粒状無機物がポリマー中に実質上均一に分散された分散物を形成させ、次いで
(ii)該分散物をモールド内へ流し込み、該混合物を硬化させる。
【請求項13】
無機物の粒径が1〜1000nmである請求項12記載の方法。
【請求項14】
混合工程を、分散粒子の凝集量を最小にすることによって、ポリマー中への粒状無機物の分散が実質上均一におこなわれるようにして実施する請求項13記載の方法。
【請求項15】
混合工程において、粒状無機物とポリマーの微粉砕処理を減圧条件下でおこなう請求項14記載の方法。
【請求項16】
混合工程を、レイノルズ数が1000以下の低剪断条件下で実施する請求項15記載の方法。
【請求項17】
混合工程を、レイノルズ数が1000よりも高い高剪断条件下で実施する請求項15記載の方法。
【請求項18】
粒状無機物を分散剤で被覆するか、又は処理することによって、該無機物の疎水性をポリマーに適合させる請求項16記載の方法。
【請求項19】
分散剤又は混和剤が非アルコール系又は非アミン系の芳香族溶剤から成る群から選択される請求項18記載の方法。
【請求項20】
混合工程を真空条件下でおこなうことによって、分散物中での気泡の発生を防止する請求項12から19いずれかに記載の方法。
【請求項21】
混合工程を1気圧未満の圧力下でおこなうことによって、分散物中での気泡の発生を防止する請求項12から19いずれかに記載の方法。
【請求項22】
混合工程を真空オーブン内において、ポリマーの融点よりも高い温度であってポリマーの分解温度よりも低い温度条件下でおこなう請求項20又は21記載の方法。
【請求項23】
混合工程を、分散物の粘度に応じて、760mmHgまでの真空下でおこなう請求項12から22いずれかに記載の方法。
【請求項24】
粒状無機物を、ポリマーと混合する前に、溶剤と混合する請求項16記載の方法。
【請求項25】
分散物から溶剤を蒸発によって除去した後、分散物を硬化させることによって、気泡を実質上含まない複合材を形成させる請求項24記載の方法。
【請求項26】
粒状無機物とポリマーを、該ポリマー樹脂の融点よりも高い温度であって該ポリマー樹脂の分解温度よりも低い温度のミル内において、大気圧よりも低い圧力下で微粉砕することによって、該無機物をポリマー中へ分散させる請求項17記載の方法。
【請求項27】
混合工程後、開始剤の添加によってポリマーの重合を開始させ、これによって分散物を硬化させる請求項12から26いずれかに記載の方法。
【請求項28】
帯電防止剤、フィラー、顔料、蛍光増白剤及びUV増白剤から成る群から選択される少なくとも1種の他の添加剤を分散物へ添加する請求項12から26いずれかに記載の方法。
【請求項29】
10μmまでの粒径を有するサブミクロンの粒状無機物をポリマー中へ、該無機物とポリマーの全重量に基づいて0.01〜20重量%の添加量で実質上均一に分散させる方法であって、下記の工程(i)及び(ii)を含む該方法:
(i)該粒状無機物とポリマーの粉末を、該ポリマーの融点よりも高い温度であって該ポリマーの分解温度よりも低い温度における減圧下での微粉砕処理に付すことによって混合させ、次いで
(ii)得られた分散物を硬化させる。
【請求項30】
無機物の粒径が1〜1000nmである請求項29記載の方法。
【請求項31】
粒状無機物を、ポリマー中へ添加する前に、溶剤キャリヤー中へ添加してスラリーを形成させ、該溶剤を分散物から蒸発によって除去する請求項30記載の方法。
【請求項32】
微粉砕処理を、一般的には900ミリバール(ゲージ圧)よりも低い圧力下でおこなう請求項30又は31記載の方法。
【請求項33】
下記の工程(i)及び(ii)を含むポリマーの耐摩耗性を増大させる方法:
(i)10μmまでの粒径を有するサブミクロンの粒状無機物をポリマー中へ、該無機物とポリマーの全重量に基づいて0.01〜20重量%の添加量で分散させことにより、得られる混合物中での気泡の発生を防止することによって、粒状無機物がポリマー中に実質上均一に分散された分散物を形成させ、次いで
(ii)該分散物をモールド内へ流し込み、該ポリマーを硬化させる。
【請求項34】
無機物の粒径が1〜1000nmである請求項33記載の方法。
【請求項35】
分散工程を、分散粒子の凝集量が最小限になるようにしておこなうことによって、該粒子をポリマー中へ実質上均一に分散させる請求項34記載の方法。
【請求項36】
混合工程中に、粒状無機物とポリマーの真空条件下での微粉砕処理を含める請求項35記載の方法。
【請求項37】
混合工程を、レイノルズ数が1000以下の低剪断条件下で実施する請求項36記載の方法。
【請求項38】
混合工程を、レイノルズ数が1000よりも高い高剪断条件下で実施する請求項36記載の方法。
【請求項39】
粒状無機物を分散剤で被覆するか、又は処理することによって、該無機物の疎水性をポリマーに適合させる請求項37記載の方法。
【請求項40】
分散剤がPGMAである請求項39記載の方法。
【請求項41】
混合工程を真空条件下でおこなうことによって、分散物中での気泡の発生を防止する請求項33から40いずれかに記載の方法。
【請求項42】
混合工程を1気圧よりも低い圧力下でおこなうことによって、分散物中での気泡の発生を防止する請求項33から40いずれかに記載の方法。
【請求項43】
混合工程を真空オーブン内において、ポリマーの融点よりも高い温度であってポリマーの分解温度よりも低い温度条件下でおこなう請求項41又は42記載の方法。
【請求項44】
混合工程を、分散物の粘度に応じて、760mmHgまでの真空下でおこなう請求項33から43いずれかに記載の方法。
【請求項45】
粒状無機物を、ポリマーと混合する前に、溶剤と混合する請求項37記載の方法。
【請求項46】
分散物から溶剤を蒸発によって除去した後、分散物を硬化させることによって、気泡を実質上含まない複合材を形成させる請求項45記載の方法。
【請求項47】
粒状無機物とポリマーを、該ポリマー樹脂の融点よりも高い温度であって該ポリマー樹脂の分解温度よりも低い温度のミル内において、大気圧よりも低い圧力下で微粉砕することによって、該無機物をポリマー中へ分散させる請求項38記載の方法。
【請求項48】
混合工程後、開始剤の添加によってポリマーの重合を開始させ、これによって分散物を硬化させる請求項33から47いずれかに記載の方法。
【請求項49】
帯電防止剤、フィラー、顔料、蛍光増白剤及びUV増白剤から成る群から選択される少なくとも1種の他の添加剤を分散物へ添加する請求項33から47いずれかに記載の方法。



【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公表番号】特表2007−533765(P2007−533765A)
【公表日】平成19年11月22日(2007.11.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−509397(P2005−509397)
【出願日】平成15年10月10日(2003.10.10)
【国際出願番号】PCT/AU2003/001336
【国際公開番号】WO2005/035642
【国際公開日】平成17年4月21日(2005.4.21)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.テフロン
【出願人】(598152079)コモンウェルス サイエンティフィック アンド インダストリアル リサーチ オーガナイゼイション (16)
【Fターム(参考)】