説明

耐火不燃性と軽量及び高断熱性保持材

【課題】 耐火不燃性で軽量性と優れた断熱性を有する保持材を安価に提供する。
【解決手段】 黒曜石を焼成発泡させ、その平均粒径が0.1乃至3.0mmで且見掛比重が0.05乃至0.15のパーライトに、シロキサン及びシラノール塩多分子量溶液を10乃至20容量%割合で混合し混練した混合混練材を、所要の寸法形状の成型型内に充填成型のうえ、150乃至200℃の加熱乾燥湿度で無気孔接着層を形成させパーライト相互を一体的に接着させ、若しくは200乃至300℃の加熱乾燥温度で連続気孔接着層を形成させパーライト相互を一体的に接着させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は耐火不燃性と、軽量による取扱性並びに高断熱性を保持し、建築用断熱材や冷熱機器の保冷材や保温材には極めて好適な、耐火不燃性と軽量及び高断熱性保持材に存する。
【背景技術】
【0002】
近年における建築建物は、都市化とともに人口集中も加速されていることから、都市部では土地の有効利用から重構造高層化建物が林立し、且事務所や店舗はもとより居住生活も高層化住宅での居住が著しく増大化している。
更に低層の都市部の事務所や店舗建物も防火上のうえから耐火構造へと代替され、而も都市近郊における戸建住宅も、防火性や耐震性のうえから耐火外壁材を使用したプレハブ住宅やプレカット住宅等が積極的に採用されている。
【0003】
ところで重構造の高層化住宅はもとより、プレハブ住宅やプレカット住宅等は、建物構造のうえから密閉性が著しく高く且反面においては高齢化社会の到来とともに、これら密閉性の高い居住空間内には身体不自由な高齢者はもとより、独居老人等も多数居住している実情にある。
そしてかかる居住空間には、家具や調度品を初め寝具や着衣等の可燃物質が多量に収納されてなるばかりか、建物内断熱板材には高断熱性と価格的安価さ及び軽量で取扱性も良好なこと等により、専らポリスチレンやポリウレタン或いはポリフェノール樹脂等の合成樹脂素材による発泡合成樹脂板材が使用されている。
【0004】
これがため一旦火災発生に見舞われると、特に建物内断熱板材からの猛烈な有害ガスや煤煙が発生し、該有害ガスや煤煙により再々に亘って密閉性の高い居住空間内から逃げ遅れ、人命を失う悲惨な事故が多発している。
更に生産工場等においても、内装断熱板材には前記発泡合成樹脂板材が多用されてなるばかりか、生産に係わる冷熱機器の保冷材や保温材にも該発泡合成樹脂板材が多用されてなるため、一旦火災が発生するとその有害ガスや煤煙発生量も膨大となり、多くの人命が失われる大惨事も発生する。
これがため早くから耐火不燃性で優れた断熱性を保持する建物用断熱板材や冷熱機器の保冷材や保温材の研究がなされてきているものの、実現されるには至っていない。
【0005】
即ち耐火不燃性と軽量且高断熱性保持材の実現に際しては、耐火不燃性は専ら使用素材に依拠するものであるから、有機質とりわけ合成樹脂素材では到底実現できず、無機質素材即ち金属や鉱物、セメント粘土或いはセラミックス素材を用いねばならない。
更に軽量性とは素材的に低比重で、且嵩高で見掛比重の小さなものが要請されるため、その構造形態として発泡構造や多孔性構造が必要となる。加えて高断熱性は使用素材自体が低熱伝導率であることとともに、熱遮断機能は材料中に存在する空気層或いは真空層で創出されることから、その殆んどは多孔性構造のものである。そして多孔性構造には気孔(空気層)が連なり表面に開口している連続気孔をもつものと独立気孔のものとがあるが、保冷材としては独立気孔でないと、空気中の水分が多孔内で結露を発生し断熱機能を失うことを考慮する必要がある。
【0006】
発明者はかかる実情に鑑みシロキサン及びシラノール塩多分子量溶液、即ちシロキサン及びシラノール塩からなる固形分が略45重量%に水分55重量%の組成からなり、且分子量換算等で略4,000程度に多分子量化させた錯化合物状のシロキサン及びシラノール塩多分子量溶液を200乃至300℃に加熱することにより、シロキサン結合の促進と加熱融着性の創出及び水分蒸散に伴う連続気孔で、且その最大発泡倍率が20乃至30倍の酸化珪素態の発泡成形材が形成しえることを究明し、これに基づき耐火不燃性と軽量の高断熱性を保持する多様な用途開発を展開している。
【0007】
然るにシロキサン及びシラノール塩多分子溶液は、その組成成分中に略55重量%もの水分を含み、且該水分を確実に蒸散放湿させて高発泡倍率の連続気孔構造で、酸化珪素態の発泡成形材を形成するには高温度と且長時間の加熱成形を要し、而も高温度の加熱により創出される加熱融着性による成形型との剥離を容易とする生産上の問題、並びに内部圧力を付加し発泡倍率を10倍程度に抑制して発泡成形させても、圧縮強度や曲げ強度及び成形材の脆さ等実用使用性能の不足、並びに連続多孔性構造のため保冷材としての使用も制約される等の問題も発見されている。
【0008】
発明者等はかかる開発経緯に鑑み更なる研究を重ねた結果、耐火不燃性と軽量性も実現する素材として、黒曜石を所要の粒径に破砕し略1,000乃至1,200℃程度で焼成発泡させてなるパーライトは、耐火不燃性と独立中空球体で見掛比重も略0.05乃至0.15と極めて軽量嵩高で且構造強度にも優れるとともに、該パーライトは主要成分が酸化珪素で被着性も優れることに着目した。
そこでかかるパーライトにシロキサン及びシラノール塩多分子量溶液を、パーライト相互が接着しえる割合量に混合混練して包着させたうえ加熱処理を施し、加熱発泡と且接着をなさしめることにより前記問題が解決されることを究明し本発明に至った。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は耐火不燃性と軽量並びに高断熱性を有し、而も独立気孔構造で極めて強靭な、耐火不燃性と軽量及び高断熱性保持材を安価に提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上述の課題を解決するために本発明が用いた技術的手段は、広範囲の使用途即ち保冷材や保温材に使用するには独立気泡構造が必要となる。これがためには黒曜石からなり、見掛比重が0.05乃至0.15でその平均粒径が0.3乃至3mmのパーライトに、シロキサン及びシラノール塩からなる固形分が50乃至60重量%に水分40乃至50重量%の組成で、且分子量換算で略4,000程度に多分子量化させた錯化合物状のシロキサン及びシラノール塩多分子量溶液を10乃至20容量%割合で混合混練してパーライト外表面全体に包着させたうえ、所望の成形型内で150乃至200℃の加熱乾燥温度により、シロキサン及びシラノール塩多分子量溶液の水分蒸散と、且シロキサン結合の促進及び加熱融着性を以って、所望の寸法形状にパーライト相互を無気孔接着層により一体的に接着させてなる、耐火不燃性と軽量及び高断熱性保持材の構成に存する。
【0011】
更に建物内断熱板材や保温材等特に高所に取付け使用する場合には一段と軽量で安価なものが望まれる。これがためには前記のパーライトとシロキサン及びシラノール塩多分子量溶液を同様容量割合で混合混練したうえ所望の成形型内で発泡制約のための内部圧力が付加されるよう200乃至300℃の加熱乾燥温度により、シロキサン及びシラノール塩多分子量溶液の水分蒸散と、且シロキサン結合と加熱融着性とにより所望の形状寸法にパーライト相互を5乃至10倍の連続気孔接着層で一体的に接着させてなる、耐火不燃性と軽量及び高断熱性保持材の構成に存し、而も使用するパーライトの平均粒径の異なるものを使用して最密充填を図り、以って形成される本発明品の構造強度を一段と高める構成に存する。
【発明の効果】
【0012】
本発明は上述の如き構成からなるもので、主要素材が黒曜石を焼成発泡させた耐火不燃性と独立気泡構造で且見掛比重が略0.05乃至0.15で、而もその平均粒径が0.1乃至3mmの微粒状のパーライトが少なくとも容量割合で80%以上で使用されるとともに、該パーライトに見掛比重が略1.4のシロキサン及びシラノール塩からなる固形分が50乃至60重量%に水分40乃至50重量%割合で、且分子量換算で略4,000程度に多分子量化したシロキサン及びシラノール塩多分子量溶液が10乃至20容量%割合で混合され混練されることにより、それぞれのパーライト粒体の外表面全体に均等に包着される。
【0013】
そしてこの包着されたパーライトを所望の寸法形状の成形型内に充填のうえ、150乃至200℃の温度で加熱乾燥させることにより水分蒸散とともに強力なシロキサン結合の促進と加熱融着性とにより形成される無気孔状の接着層によりパーライト相互が、その無気孔接着層により一体的に所要の寸法形状に接着されるため、極めて強靭な構造強度と且優れた断熱性を保持し、保冷材はもとより保温材等広範な用途に使用できるばかりか、見掛比重も0.1乃至0.26程度の軽量性も保持され取扱いも極めて至便となる。
【0014】
加えて前記パーライトとシロキサン及びシラノール塩多分子量溶液が混合され混練されたうえ、所望の寸法形状の成形型内に充填のうえ内部圧力を僅かに付加させて200乃至300℃の加熱乾燥により、シロキサン及びシラノール塩多分子量溶液の水分蒸散とシロキサン結合の促進と加熱融着性の創出と且5乃至10倍に発泡させた連続気孔接着層によりパーライト相互を一体的に接着させることにより、見掛比重も0.1以下の軽量性が保持され、コスト的にも安価で保温材には最適な耐火不燃性と軽量及び高断熱性保持材が提供される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
黒曜石からなり独立多孔構造でその見掛比重が0.1及び平均粒径が1mmのパーライト87容量%割合に、シロキサン及びシラノール塩からなる固形分が55重量%及び水分45重量%割合で且分子量換算で略4,000程度に多分子量化した錯化合物状のシロキサン及びシラノール塩多分子量溶液を13容量割合で混合混練のうえ、所要の寸法形状の成形型内で170℃の加熱乾燥温度により、無気孔接着層でパーライト相互を一体的に所要の寸法形状に接着させる。
【実施例1】
【0016】
以下に本発明実施例を図とともに説明すれば、図1は本発明を形成するために使用するパーライト1とシロキサン及びシラノール塩多分子量溶液2との混合混練材3の説明図であって、本発明は耐火不燃性と軽量及び優れた断熱性を有する保持材を安価に提供することにある。
発明者等は、既にシロキサン及びシラノール塩多分子量溶液2を略240乃至300℃の高温度による加熱発泡により、耐火不燃性と軽量性及び高断熱性の成形体を作成することに成功している。
而しながら該シロキサン及びシラノール塩多分子量溶液2の加熱発泡成形体は、加熱発泡成形に長時間を要し且実用使用強度が不十分なうえ、連続気孔構造による保冷材への使用が出来ぬ問題が発見されるに至っている。
【0017】
そこで発明者等は黒曜石を所要粒径に破砕のうえ焼成発泡させたパーライト1が独立気孔構造でその構造強度も強く且その見掛比重も0.05乃至0.15と極めて嵩高軽量で、而もその断熱性(熱伝導率)も0.036kcal/m・h・C°と優れていることに着目した。そしてかかるパーライト1を、耐火不燃性を保持し強固に接着せしめて所望の使用目的に成形させるためには、大きな包着表面積率を有するパーライト1の選択が要件となる。
これがためにはその平均粒径において0.1乃至3.0mm、好ましくは0.3乃至2.0mmが選択されるもので、この平均粒径が0.1mm以下では混合されるシロキサン及びシラノール塩多分子量溶液2の混合割合が増大し、且形成される本発明品4の見掛比重が増大する危険があり、反面平均粒径が3.0mmを超えると、シロキサン及びシラノール塩多分子量溶液2の包着表面積率が小さくなり、接着強度の低下による脆さが発生する危険がある。
【0018】
他方かかるパーライト1に混合され混練されるシロキサン及びシラノール塩多分子量溶液2は、シロキサン及びシラノール塩からなる固形分が50乃至60重量%に水分が40乃至50重量%の組成割合からなり、且分子量換算において略4,000程度に多分子量化させた錯化合物状のシロキサン及びシラノール塩多分子量溶液2が選択される。
かかる場合において、シロキサン及びシラノール塩からなる固形分と水分との組成割合は、水分量が多くなると低粘度化してパーライト1との混合混練に際してパーライト1の外表面全体への均等な包着性に劣ること、及び加熱乾燥に際しての水分蒸散若しくは加熱発泡に長時間を要することによる。反面シロキサン及びシラノール塩からなる固形分が更に増加すると著しく粘度が増大化し混合混練に際し均等な包着塗着が至難となる。
【0019】
かくしてパーライト1とシロキサン及びシラノール塩多分子量溶液2との混合と混練割合は、使用目的により要請される実用使用強度と且使用するパーライト1の粒径によっても異なるもので、形成される本発明品4の全体的構造強度を向上させるうえからは、シロキサン及びシラノール塩多分子量溶液2の加熱乾燥により形成される無気孔接着層4Aの強力を以って補強させるため、パーライト1の容量に対して略15乃至20容量%程度の混合混練による混合混練材3として使用することが提案される。そして一般的には、パーライト1の平均粒径が0.1乃至1.0mm程度では、該シロキサン及びシラノール塩多分子量溶液2の混合割合は略13乃至16容量%程度に、パーライト1の平均粒径が1.0乃至2.0mmでは、シロキサン及びシラノール塩多分子量溶液2の混合割合は略12乃至14容量%が目処となる。
【0020】
かくして、パーライト1とシロキサン及びシラノール塩多分子量溶液2はかかる混合割合で混合のうえ、シロキサン及びシラノール塩多分子量溶液2が、パーライト1の外表面全体に均等に包着されるよう適宜の混練機や撹拌機等で混練して混合混練材3となしたうえ、使用目的に適合する寸法形状の成形型に充填させて加熱乾燥が施される。
【0021】
ここで考慮すべきは、本発明品4の全体的構造強度の向上の手段として、シロキサン及びシラノール塩多分子量溶液2を加熱乾燥させて無気孔接着層4Aの強力を以って補強させる手段の他に、使用するパーライト1が最密充填を形成しえるような粒径分布で使用することにより、パーライト1相互を緻密に接合充填させたうえ、更に無気孔接着層4A若しくは連続気孔接着層4Bにより全体的構造強度の向上も可能となる。本発明におけるパーライト1の平均粒径は0.1乃至3mmのものが対象とされており、かかる平均粒径の範囲で最密充填の分布を形成する場合を例示すれば、最大平均粒径が2mmの場合には、平均粒径が0.2乃至0.15mmのパーライト1を略30乃至50%割合量で形成される。
【0022】
而して混合混練材3は、具体的使用目的に適合するよう板状、棒状、円盤状等適宜の寸法形状に形成させることが得策であるから、予め適合する寸法形状に形成した成形型に充填し成形がなされる。かかる場合に混合混練材3は、シロキサン及びシラノール塩多分子量溶液2の混合により可塑性を保持するため、成形型内に充填し且僅かな充填加圧で成形がなされる。
【0023】
ところで成形型は所要の寸法形状を以って本発明品4が形成できるものであれば特段に制約は無く、本発明では混合されパーライト1の外表面全体に包着されるシロキサン及びシラノール塩多分子量溶液2の水分を加熱乾燥により蒸散せしめ、無気孔接着層4A若しくは連続気孔接着層4Bにより、パーライト1相互を接着せしめるものであり、成形する寸法形状とりわけ厚肉状の成形に際しては、内部の水分を容易に外部に蒸散放出させるうえから、成形型の蓋や側壁面に蒸散放出孔の形成が有利となる。
【0024】
更に成形型は加熱乾燥手段によっても使用素材が異なるもので、電気炉や窯炉、熱風加熱炉等加熱空気を介して加熱するものでは熱伝導性の高い金属素材が用いられ、更に電磁誘導加熱や高周波加熱においても金属素材が採用される。
反面最も好適とされるマグネトロン加熱による場合では、非導電性のセラミックス素材や陶磁器若しくはガラス素材等が使用される。
【0025】
そして適宜の成形型内に充填された混合混練材3は、前記加熱乾燥手段により加熱乾燥が施され、パーライト1の外表面全体に包着されてなるシロキサン及びシラノール塩多分子量溶液2の水分蒸散により、図2に示すように無気孔接着層4Aが形成されパーライト1相互を一体的に接着させるもので、かかる無気孔接着層4Aの形成は、本発明品4の全体の構造強度の向上と、且特にはパーライト1の独立気孔を活かし保冷材を初めとする広範囲の使用途に使用するための手段である。
【0026】
この無気孔接着層4Aの形成には、包着させたシロキサン及びシラノール塩多分子量溶液2の熱的挙動が深く関係するもので、該シロキサン及びシラノール塩多分子量溶液2は、シロキサン及びシラノール塩からなる固形分が50乃至60重量%に水分が40乃至50重量%の組成に加えて、分子量換算で略4,000程度に多分子量化させた錯化合物状のものであるから、加熱乾燥において水分蒸散と且シロキサン結合の促進と加熱融着性を有効に発揮させるには、少なくとも150℃以上の加熱温度が要請されるものである。しかしながら、加熱温度が200℃を超えると水分蒸散の急激な放散に伴う連続気孔が形成されることから、かかる無気孔接着層4Aの形成には150乃至200℃の温度での加熱乾燥が必要となる。
【0027】
他方本発明品4の軽量化と保温材等への利用に際しては、前記シロキサン及びシラノール塩多分子量溶液2の熱的挙動より、図3に示す如く連続気孔接着層4Bの形成が望ましく、かかる場合の加熱乾燥温度としては少なくとも200℃以上で且300℃以内の加熱温度が用いられる。かかる場合に加熱温度が300℃以上となると、シロキサン及びシラノール塩多分子量溶溶液2のシロキサン結合と加熱融着性とによる成形型との剥離に対する特別な措置が要請されることからの制約である。
【0028】
本発明品4は上述したように、パーライト1の平均粒径の選択と且シロキサン及びシラノール塩多分子量溶液2の混合割合とにより混練された混合混練材3を所要の成形型内に充填し成形したうえ、加熱乾燥温度の調整のみで無気孔接着層4A若しくは連続気孔接着層4Bの本発明品4が形成できる。
【0029】
以下に本発明品の物性について試験品の測定した結果を報告すれば、試験に用いた試料は黒曜石からなる平均粒径2mm見掛比重0.1のパーライトに、シロキサン及びシラノール塩からなる固形分50重量%に水分が50重量%の組成で、且分子量換算で略4,000に多分子量化させたシロキサン及びシラノール塩多分子量溶液を、パーライトに対し13容量%割合で混合のうえ混練した混合混練材を、内寸法がタテ20cm、ヨコ20cm、タカサ2.5cmの鉄板成型型内に充填のうえ電気炉において170℃30分加熱乾燥し無気孔接着層で形成させたものを試料Aとし、更に260℃30分加熱乾燥して連続気孔接着層で形成させたものを試料Bとして、物理的性能を測定した結果は表1の通りである。
【0030】
【表1】

【産業上の利用可能性】
【0031】
使用目的に合せた寸法形状と且無気孔塗着層若しくは連続気孔塗着層で形成させることにより、保冷材若しくは保温材として使用できる。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【図1】 混合混練材の説明図である。
【図2】 無気孔接着層による本発明品の説明図である。
【図3】 連続気孔接着層による本発明品の説明図である。
【符号の説明】
1 パーライト
2 シロキサン及びシラノール塩多分子量溶液
3 混合混練材
4 本発明品
4A 無気孔接着層
4B 連続気孔接着層

【特許請求の範囲】
【請求項1】
黒曜石を焼成発泡させ、その平均粒径が0.1乃至3mmで且見掛比重が0.05乃至0.15のパーライトに、シロキサン及びシラノール塩からなる固形分が50乃至60重量%及び水分が40乃至50重量%割合の組成で、且分子量換算で略4,000程度に多分子量化させた錯化合物状のシロキサン及びシラノール塩多分子量溶液が10乃至20容量%割合で混合し混練して混合混材となし、この混合混練材が所要の寸法形状の成形型に充填し成形させたうえ、150乃至200℃の加熱乾燥温度で無気孔接着層を形成させ、パーライト相互を一体的に接着させてなることを特徴とする、耐火不燃性と軽量及び高断熱性保持材。
【請求項2】
混合混練材が所要の寸法形状の成形型に充填され成形されたうえ、200乃至300℃の加熱乾燥温度で連続気孔接着層を形成させ、パーライト相互を一体的に接着させてなる、請求項1記載の耐火不燃性と軽量及び高断熱性保持材。
【請求項3】
黒曜石を焼成発泡させ、その平均粒径が0.1乃至3mmのパーライトを、最密充填密度が形成される粒径分布で使用する、請求項1若しくは請求項2記載の、耐火不燃性と軽量及び高断熱性保持材。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2010−18509(P2010−18509A)
【公開日】平成22年1月28日(2010.1.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−207468(P2008−207468)
【出願日】平成20年7月14日(2008.7.14)
【出願人】(506154801)有限会社ダイアテック (13)
【Fターム(参考)】