説明

耐UVナフタル酸ポリエステル物品

【課題】きわめてすぐれた耐UV性を付与しながらもきわめて高いベンゾトリアゾールUV吸収剤の添加量においてさえ曇りを避けることができる、耐UV塗料を上塗りしたナフタル酸ポリエステルを含む支持体を備えた物品の提供。
【解決手段】a)少なくとも1種類のビニル官能基を有する架橋性塗膜形成要素と、b)10重量パーセントを超える特定のベンゾトリアゾールUV吸収剤と、c)前記ベンゾトリアゾールを可溶化する少なくとも1種類の共重合可能な特定のモノマーとを含む均質な混合物の重合反応生成物を含む耐UV塗料を上塗りしたナフタル酸ポリエステルを含む支持体を備えた物品。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、被覆物品および物品の被覆方法に関する。
【背景技術】
【0002】
光重合性塗料における紫外線吸収剤(「UVA」)に関する参考文献には、米国特許第5,318,850号明細書(ピケット(Pickett)ら)、第5,559,163号明細書(ダウソン(Dawson)ら)、第5,977,219号明細書(ラビチャンドラン(Ravichandran)ら、‘219号明細書)、第6,187,845号明細書(レンツ(Renz)ら)、および第6,262,151号明細書(ラビチャンドランら、‘151号明細書)、ならびに国際公開第98/34981号パンフレット(イーストマン・ケミカル・カンパニー(Eastman Chemical Company))が挙げられる。米国特許第5,294,473号明細書(カワモト(Kawamoto))は、UVAを含有することができるポリエチレン2,6−ジナフタレート(「PEN」)写真支持体について記載している。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
PENおよび他のナフタル酸含有ポリエステル(ひとまとめにして以下「ナフタル酸ポリエステル」と呼ぶ)から作られる物品は、やっかいなことに紫外線の存在下で劣化しがちである。UVAは、ナフタル酸ポリエステル物品に加えるか、またはこの物品の寿命を延ばすために、またはこの物品を保護するためにこれらナフタル酸ポリエステル物品に塗布される重合性塗料組成物中に含めることができる。多くのUVAは、ナフタル酸ポリエステル中の溶解度が限られている。また紫外線(「UV」)硬化を用いた場合、重合性塗料中にUVAが存在すると重合に支障を生じさせる恐れがある。UVAをあまり高い添加量で加えた場合、このUVAがナフタル酸ポリエステル物品または硬化後の塗料から「ブルームする」(物品または塗料の表面に現れるようになる)恐れがある。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明者らは、大量のベンゾトリアゾールUVAを、ビニル官能基を有する架橋性塗膜形成要素とそのベンゾトリアゾールを可溶化する共重合可能なモノマーとを含有する重合性組成物中に溶解することができることを発見した。この得られる組成物をナフタル酸ポリエステル物品に塗布して、その物品にきわめてすぐれた耐UV性を付与しながらもきわめて高いベンゾトリアゾール添加量においてさえ曇りを避けることができる。
【0005】
本発明は一態様において、
a)少なくとも1種類のビニル官能基を有する架橋性塗膜形成要素、
b)10モルパーセントを超えるベンゾトリアゾールUV吸収剤、および
c)このベンゾトリアゾールを可溶化する少なくとも1種類の共重合可能なモノマー
を含む均質な混合物の重合反応生成物を含む耐UV塗料で上塗りしたナフタル酸ポリエステルを含む物品を提供する。
【0006】
別の態様において本発明は、
a)少なくとも1種類のビニル官能基を有する架橋性塗膜形成要素、
b)2−(2−ヒドロキシ−3−α−クミル−5−t−オクチルフェニル)−5−トリフルオロメチルベンゾトリアゾールを含む、5重量パーセントを超えるベンゾトリアゾールUV吸収剤、および
c)このベンゾトリアゾールを可溶化する少なくとも1種類の共重合可能なモノマー
を含む均質な混合物の重合反応生成物を含む耐UV塗料で上塗りしたナフタル酸ポリエステルを含む支持体を備えた物品を提供する。
【0007】
別の態様において本発明は、
a)ナフタル酸ポリエステルを含む支持体を提供するステップ、
b)(i)少なくとも1種類のビニル官能基を有する架橋性塗膜形成要素と、(ii)10重量パーセントを超えるベンゾトリアゾールUV吸収剤と、(iii)このベンゾトリアゾールを可溶化する少なくとも1種類の共重合可能なモノマーとを含む均質な混合物でこの支持体の少なくとも一部分を被覆するステップ、および
c)この塗料を重合するステップ
を含む、ナフタル酸ポリエステル物品に耐UV塗料を塗布する方法を提供する。
【0008】
さらに別の態様において本発明は、
a)ナフタル酸ポリエステルを含む支持体を提供するステップ、
b)(i)少なくとも1種類のビニル官能基を有する架橋性塗膜形成要素と、(ii)2−(2−ヒドロキシ−3−α−クミル−5−t−オクチルフェニル)−5−トリフルオロメチルベンゾトリアゾールを含む、5重量パーセントを超えるベンゾトリアゾールUV吸収剤と、(iii)このベンゾトリアゾールを可溶化する少なくとも1種類の共重合可能なモノマーとを含む均質な混合物でこの支持体の少なくとも一部分を被覆するステップ、および
c)この塗料を重合するステップ
を含む、ナフタル酸ポリエステル物品に耐UV塗料を塗布する方法を提供する。
【0009】
本発明のこれらおよび他の態様は、下記の詳細な説明から明らかになるはずである。しかしながら上記の概要はいずれにせよ特許請求される主題に制限を課すものと解釈すべきではなく、この主題は手続き遂行の間に補正されることもあるが添付の特許請求の範囲によってのみ規定される。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】開示の被覆物品の概略横断面図である。
【図2】開示の被覆したフィルムの概略横断面図である。
【図3】開示の被覆した多層光学フィルムの概略横断面図である。
【図4】界面を形成する重なった2層のポリマー層の概略斜視図である。
【0011】
図面の様々な図中の同様の参照符号は同様の要素を指す。図面中の要素は一定の尺度で描かれていない。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明者らは、用語「均質な」を組成物または混合物に関して用いることにより、目視検査で沈殿または不溶解固形物を含まない単一相を有するように見える液体を指す。均質な組成物または混合物は、より詳細な検査により懸濁液、分散液、エマルション、または他の微視的に多相の形態であることが分かることがある。
【0013】
本発明者らは、用語「ポリマー」を用いることにより、ホモポリマーおよびコポリマー、ならびに例えば共押出によって、または例えばエステル転移反応を含めた反応によって混和性ブレンド物の形態にすることができるホモポリマーおよびコポリマーを指す。この用語「コポリマー」には、交互、ランダム、およびブロックコポリマーが含まれる。
【0014】
本発明者らは、用語「塗膜厚さ」を用いることによって別段の指定がない限り重合した後、そうでなければ硬化した後の塗膜の厚さを指す。
【0015】
本発明者らは、用語「塗膜形成要素」を用いることにより、適切な支持体上に薄層(例えば重合前で約0.05mm)の状態に被覆し、重合して実質上連続的な塗膜を形成することができる材料を指す。
【0016】
本発明者らは、用語「ビニル官能基を有する」を架橋性塗膜形成要素に関して用いることにより、熱、光、電子線、または他の活性化エネルギーの作用を介して(また必要に応じて適切な開始剤の存在下で)架橋ポリマーの実質上連続した塗膜を形成することができるビニル(−CH=CH2)基を有する材料を指す。その架橋状態は一般に溶媒不溶性を特徴とするが、適切な溶媒の存在下での膨潤によって特徴づけることもできる。
【0017】
本発明者らは、モノマーに関して用語「共重合可能な」を用いることにより、ビニル官能基を有する架橋性塗膜形成要素と共に重合して架橋ポリマーの実質上連続した塗膜を形成することができるモノマーを指す。
【0018】
本発明者らは、用語「ブルーム」を用いることにより、硬化後のポリマー塗膜の表面に目に見える析出物または不均一な変色が形成されることを指す。
【0019】
本発明者らは、用語「可溶化する」を液体に関して用いることにより、固体を液体中に溶解して均質な混合物を形成することを指す。本発明者らは、用語「可溶化する」を液状モノマーから作製される硬化後の塗膜に関して用いることにより、固体をそれら液状モノマー中に溶解して均質な混合物を形成すること、および硬化後の塗膜中にその固体をブルーム、内部の曇り、または相分離の他の肉眼で見える徴候なしに保持することを指す。
【0020】
本発明者らは、用語「可視光線透過性」を物品またはその要素に関して用いることにより、この物品またはその要素が法線軸に沿って測定したスペクトルの可視部分Tvisにわたって少なくとも約20%の平均の透過率を有することを意味する。
【0021】
本発明者らは、用語「光学的に透明な」を物品またはその要素に関して用いることにより、距離約1メートル、好ましくは約0.5メートルとしての裸眼により検知される目に見える著しい歪、曇り、または傷がないことを指す。
【0022】
本発明者らは、本発明の物品中の様々な要素の位置決めについて「頂上」、「上」、「最上」などの向きの語を用いることにより、水平な支持体または基準平面に関してその要素の相対的位置を指す。このような要素または物品がそれらの製造中または製造後、空間で特定の向きを有しなければならないことを本発明者らは意図していない。
【0023】
本発明者らは、本発明の物品中の支持体または他の要素(例えば下にある層)に関して或る層の位置を記述するために用語「上塗り」を用いることにより、上記層がその支持体または他の要素の上にあることを意味するが、必ずしもその支持体または他の要素に接触しているとは限らない。本発明者らは、二つの他の要素に関して第一の要素の位置を記述するために用語「によって分離された」を用いることにより、この第一の要素がその他の要素の間にあることを指すが、必ずしもどちらかの他の要素に接触しているとは限らない。
【0024】
本発明者らは、用語「耐候性」を用いることにより、日光、雨、空中汚染物質、および熱を含めた模擬または実際の屋外暴露条件、あるいは高輝度電球、屋内照明などを含めた模擬または実際の屋内照明条件に長期暴露する影響を指す。硬化後のポリマー塗膜または高分子基板の場合、屋外暴露による一般的な故障モードには、黄変、亀裂、層状剥離、層間剥離、または曇りが挙げられる。
【0025】
図1を参照すると本発明の物品は一般に10で示される。物品10は、PENまたは他のナフタル酸ポリエステルから作製され、下塗り層13および耐UV塗膜層14を上塗りされた支持体12を含む。塗膜14は、UV暴露を含めた屋外暴露から支持体12を保護するのに役立つ高い百分比のベンゾトリアゾールUV吸収剤(図1には図示されない)を含有する。
【0026】
図2は、本発明のフィルムの物品20を示し、それはその上面と下面に下塗り層23、25および耐UV塗膜層24、26を上塗りされたPENまたは他のナフタル酸ポリエステルから作製された可撓性フィルム支持体22を有する。塗膜26は、損傷または摩耗から物品20の下面を保護するのに役立つサブミクロン無機粒子28を含有する硬質塗膜層である。
【0027】
図3は、本発明の多層光学フィルムの物品30を示し、これはPENまたは他のナフタル酸ポリエステルの第一ポリマーから作製された層34、38、42、46、50および第二ポリマーから作製される層36、40、44、48などの多数(例えば10、100、1000、またはさらに多数)の薄層から作製される可撓性フィルム支持体32を有する。図3にはこれら層のすべてを示してはいない。これら欠けている層は省略符号を用いて示す。外側の表皮層60は下塗り層58の上にあり、物品30中の下にある層を損傷から保護する。
【0028】
図4を参照すると2つの隣接する層36および38が斜視図で示されている。層36(および層40、44、48などの同じ第二ポリマーの他の層、図4には示されていない)は、xおよびy軸(面内)方向で面内屈折率n1xおよびn1y、z軸(面外)方向で屈折率n1zを有する。ナフタル酸ポリエステル層38(および層34、38、42、46、50などの他のナフタル酸ポリエステル層、図4には示されていない)は、xおよびy軸方向で面内屈折率n2xおよびn2y、z軸方向で屈折率n2zを有する。入射光線75は、層36を通過するとき屈折し、界面77で反射し、層76をもう一度通過するとき屈折することになり、次いで反射光線79として層76を出ることになる。この多層光学フィルムの物品の反射特性は、その支持体内の層のそれぞれの屈折率により決まるはずである。具体的には反射率は、x、y、およびz方向の各層の材料の屈折率間の関係によって決まるはずである。図3の物品30のような多層光学フィルム物品は、ほぼ等しくかつ第三の屈折率(一般にz軸に沿った、すなわちnz)とは異なる2つの屈折率(一般にxおよびy軸に沿った、すなわちnxおよびny)を有する少なくとも1種類の一軸性複屈折高分子材料を用いて形成される場合、特に有用な光学特性を有することができる。すべての光学層がそれらの屈折率に関して等方性である多層光学フィルムもまた使用することができる。
【0029】
様々なナフタル酸ポリエステル支持体を本発明において使用することができる。代表的なナフタル酸ポリエステルにはPEN、ナフタル酸コポリエステル(「coPEN」)、およびポリブチレン2,6−ナフタレート(「PBN」)が挙げられるがこれらには限定されない。PENは特に好ましい支持体であり、例えばナフタレンジカルボン酸とエチレングリコールの反応により製造することができる。PENは、大きな正の応力光係数を有し、牽伸の後に事実上複屈折を保持し、また可視範囲内の吸光が殆どまたは全くない。PENはまた等方状態で大きな屈折率を有する。波長550nmの偏光入射光に対するその屈折率は、偏光の平面が牽伸方向に平行である場合、約1.64から約1.9もの高さまで増加する。分子配向を増すことによりPENの複屈折は増大する。分子配向は、より大きな延伸比まで材料を延伸し、他の延伸条件を固定した状態に保持することによって増すことができる。coPENもまた好ましい支持体である。特に好ましいcoPENについては、90モル%のナフタレンジカルボン酸ジメチルおよび10モル%のテレフタル酸ジメチルから誘導されるカルボン酸エステルサブユニットと、100モル%のエチレングリコールサブユニットから誘導されるグリコールサブユニットとを使用して固有粘度(IV)0.48dL/gを有するポリマーが得られ、屈折率は約1.63である。
【0030】
この支持体は、まるまるナフタル酸ポリエステルから製造することもでき、あるいは1種類または複数種類のナフタル酸ポリエステルと1種類または複数種類の他の材料とを含むこともできる。代表的な他の材料には、セルロース材料(例えば三酢酸セルロースすなわち「TAC」)と、低密度ポリエチレン(「LDPE」)、線状低密度ポリエチレン(「LLDPE」)、高密度ポリエチレン(「HDPE」)、ポリプロピレン(「PP」)、および環式オレフィンコポリマー(例えばメタロセン触媒による環式オレフィンコポリマーすなわち「COC」)などのポリオレフィンと、ポリメチルメタアクリレート(「PMMA」)、エチレンエチルアクリレート(「EEA」)、エチレンメチルアクリレート(「EMA」)、およびエチレンビニルアクリレート(「EVA」)などのアクリル酸およびメタクリル酸エステルと、ポリスチレン(「PS」)、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン(「ABS」)、スチレン−アクリロニトリル(「SAN」)、スチレン/無水マレイン酸(「SMA」)、およびポリα−メチルスチレンなどのスチレン系ポリマーと、ナイロン6(「PA6」)などのポリアミドと、ポリ塩化ビニル(「PVC」)と、ポリオキシメチレン(「POM」)と、ポリビニルナフタレン(「PVN」)と、ポリエーテルエーテルケトン(「PEEK」)と、ポリアリールエーテルケトン(「PAEK」)と、フルオロポリマー(例えばヘキサフルオロプロピレン、テトラフルオロエチレン、およびエチレンのターポリマーであるダイネオン(DYNEON)(登録商標)HTE)と、ビスフェノールAのポリ炭酸エステルなどのポリカーボナート(「PC」)と、ポリアリーレート(「PAR」)と、ポリスルホン(「PSul」)と、ポリフェニレンオキシド(「PPO」)と、ポリエーテルイミド(「PEI」)と、ポリアリールスルホン(「PAS」)と、ポリエーテルスルホン(「PES」)と、ポリアミドイミド(「PAI」)と、ポリイミドと、ポリフタルアミドと、ポリエチレンテレフタレート(「PET」)と、熱安定性PET(「HSPET」)が挙げられる。
【0031】
ナフタル酸ポリエステル第一ポリマーの複数層および第二ポリマーの複数層を含有する多層光学フィルム支持体の場合、好ましい第二ポリマーにはビニルポリマーと、ビニルナフタレン、スチレン、無水マレイン酸、アクリル酸エステル、およびメタクリル酸エステルなどのモノマーから作製されるコポリマーとが挙げられる。このような第二ポリマーの例には、ポリアクリレート、PMMAなどのポリメタクリレート、およびアイソタクチックまたはシンジオタクチックポリスチレンが挙げられる。他の第二ポリマーには、ポリスルホン、ポリアミド、ポリウレタン、ポリアミン酸、ポリイミド、ポリエステル、およびポリカーボナートがある。
【0032】
多層光学フィルム支持体に用いられる好ましい第二ポリマーには、CP71およびCP80(両方ともイネオス・アクリリックス・インコーポレーテッド(Ineos Acrylics,Inc.)から市販されている)の商品名で販売されているものなどPMMAホモポリマーや、ポリエチルメタクリレート(「PEMA」、Tg=65℃)や、メタクリル酸メチル(「MMA」)コモノマー単位75重量%とアクリル酸エチル(「EA」)コモノマー単位25重量%とから作られるcoPMMA(パースペックス(PERSPEX(登録商標))CP63、イネオス・アクリリックス・インコーポレーテッドから市販されている)などのPMMAコポリマー(「coPMMA」)や、MMAコモノマー単位とメタクリル酸n−ブチル(「nBMA」)コモノマー単位とで形成されるcoPMMAや、ソレフ(SOLEF(登録商標))1008(ソルベイ・ポリマーズ(Solvay Polymers)から市販されている)の商品名で販売されているものなどPMMAとポリ(フッ化ビニリデン)(PVDF)とのブレンド物があるがこれらには限定されない。別の好ましい第二ポリマーには、ポリオレフィンコポリマー、例えばエンゲージ(ENGAGE(登録商標))8200(ダウ−デュポン・エラストマーズ(Dow−Dupont Elastomers)から市販されている)などのポリ(エチレン−co−オクテン)(「PE−PO」)コポリマーと、Z9470(フィナ・オイル・アンド・ケミカル・カンパニー(Fina Oil and Chemical Company)から市販されている)の商品名で販売されているものなどポリ(プロピレン−co−エチレン)(「PPPE」)コポリマーと、レックスフレックス(REXFLEX(登録商標))W111(ハンツマン・ケミカル・コーポレーション(Huntsman Chemical Corporation))の商品名で以前に販売されたコポリマーなどのアタクチックポリプロピレン(「aPP」)およびアイソタクチックポリプロピレン(「iPP」)のコポリマーが挙げられる。さらに好ましい第二ポリマーには、官能基付きポリオレフィン、例えばバイネル(BYNEL(登録商標))4105(E.I.デュポン・ドゥ・ヌムール・アンド・カンパニー・インコーポレーテッド(E.I.Dupont de Nemours & Co.,Inc.)から市販されている)などの線状低密度ポリエチレン−g−無水マレイン酸(「LLDPE−g−MA」)と、コポリエステルエーテルエラストマー、例えばエクデル(ECDEL(登録商標))エラストマー(イーストマン・ケミカル・カンパニー(Eastman Chemical Company)から市販されている)と、フルオロポリマー、例えばティー・エイチ・ブイ(THV(登録商標))フルオロポリマー(スリー・エム・カンパニー(3M Company)から市販されている)と、シクロヘキサンジメタノールなどの第二グリコールを使用したPETのコポリマー(「PETG」)と、シンジオタクチックポリスチレン(「sPS」)が挙げられる。
【0033】
これら第一(ナフタル酸ポリエステル)および第二ポリマー層に加えて、本発明の多層光学フィルム物品は任意選択で1層または複数層の非光学層を含む。好適な非光学層は、そのフィルムの片方または両方の主要表面に1層または複数層の表皮層と、一群の光学層間の保護用境界層などの1層または複数層の内部非光学層とを含む。非光学層を用いて多層光学フィルムに剛性、厚さ、または他の構造的特性を付与し、あるいは多層光学フィルムを加工中または加工後の破損または損傷から保護することができる。幾つかの用途については、表皮層とフィルムスタックの残部との界面の接着を調節して使用前にフィルムスタックから表皮層を剥がすことができるようにするために犠牲保護表皮が望ましい場合もある。
【0034】
光学的性能が重要な用途については、その硬化後の塗膜の可視光線の透過が、好ましくは550nmにおいて少なくとも約70%、より好ましくは少なくとも約80%である。その支持体は必要に応じて、ヒートセット、張力を掛けた状態でのアニーリング、またはその支持体が束縛されない場合に少なくとも熱安定化温度までは収縮を阻止することになる他の方法を用いて、一方向配向、二軸配向、または熱安定化することができる。この支持体は任意の所望の厚さを有することができる。ロール・ツー・ロール加工設備を用いて作製または被覆される可撓性フィルム支持体を必要とする用途については、その支持体は好ましくは約0.005から約1mm、より好ましくは約0.025から約0.25mmの厚さを有する。表皮層および他の任意選択の非光学層を第一および第二ポリマー層を含有する多層光学フィルム中で使用する場合、その表皮層および非光学層はその第一および第二ポリマー層の厚さより厚くても、薄くても、または同じ厚さでもよい。この表皮層と非光学層の厚さは、一般には個々の第一および第二ポリマー層の少なくとも1層の厚さの少なくとも4倍、典型的には少なくとも10倍であり、また少なくとも100倍であることもできる。
【0035】
様々なビニル官能基を有する架橋性塗膜形成要素(下記で「塗膜形成要素」と呼ぶこともある)を本発明では使用することができる。代表的な塗膜形成要素は、一般には二、三、四、およびより高官能性アクリル酸およびメタクリル酸アルキルなどの二またはより高ビニル官能基を有するモノマーおよびオリゴマー、ならびにアリル、フマル、またはクロトン不飽和を有するモノマーおよびオリゴマーであろう。好ましい塗膜形成要素(および場合によってはそれらのガラス転移温度すなわち「Tg」値)には、アクリル酸ステアリル(例えばサートマー・カンパニー(Sartomer Company)から市販されているSR−257、Tg=約35℃)、メタクリル酸ステアリル(例えばサートマー・カンパニーから市販されているSR−324、Tg=約38℃)、メタクリル酸グリシジル(例えばサートマー・カンパニーから市販されているSR−379、Tg=約41℃)、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート(例えばサートマー・カンパニーから市販されているSR−238、Tg=約43℃)、ウレタンメタクリレート(例えばサートマー・カンパニーから市販されているCN−1963、Tg=約45℃)、1,4−ブタンジオールジアクリレート(例えばサートマー・カンパニーから市販されているSR−213、Tg=約45℃)、アルコキシル化脂肪族ジアクリレート(例えばサートマー・カンパニーから市販されているSR−9209、Tg=約48℃)、アルコキシル化シクロヘキサンジメタノールジアクリレート(例えばサートマー・カンパニーから市販されているCD−582、Tg=約49℃)、エトキシル化ビスフェノールAジメタクリレート(例えば、CD−541、Tg=約54℃、SR−601、Tg=約60℃、およびCD−450、Tg=約108℃、すべてサートマー・カンパニーから市販されている)、2−フェノキシエチルメタクリレート(例えばサートマー・カンパニーから市販されているSR−340、Tg=約54℃)、エポキシアクリレート(例えば、CN−120、Tg=約60℃、CN−124、Tg=約64℃、およびCN−104、Tg=67℃、すべてサートマー・カンパニーから市販されている)、トリプロピレングリコールジアクリレート(例えばサートマー・カンパニーから市販されているSR−306、Tg=約62℃)、トリメチルプロパントリアクリレート(例えばサートマー・カンパニーから市販されているSR−351、Tg=約62℃)、ジエチレングリコールジメタクリレート(例えばサートマー・カンパニーから市販されているSR−231、Tg=約66℃)、エポキシメタクリレート(例えばサートマー・カンパニーから市販されているCN−151、Tg=約68℃)、トリエチレングリコールジアクリレート(例えばサートマー・カンパニーから市販されているSR−272、Tg=約70℃)、ウレタンアクリレート(例えば、CN−968、Tg=約84℃およびCN−983、Tg=約90℃(両方ともサートマー・カンパニーから市販されている)、フォートマー(PHOTOMER(登録商標))6210、フォートマー6010、およびフォートマー6230(すべてコグニス・コーポレーション(Cognis Corporation)から市販されている)、エベクリル(EBECRYL(登録商標))8402、エベクリル8807、およびエベクリル4883(すべてユー・シー・ビー・ラドキュア(UCB Radcure)から市販されている)、ならびにラロマー(LAROMER(登録商標))LR8739およびラロマーLR8987(両方ともバスフ(BASF)から市販されている))、ジペンタエリトリトールペンタアクリレート(例えばサートマー・カンパニーから市販されているSR−399、Tg=約90℃)、スチレンとブレンドしたエポキシアクリレート(例えばサートマー・カンパニーから市販されているCN−120S80、Tg=約95℃)、ジ−トリメチロールプロパンテトラアクリレート(例えばサートマー・カンパニーから市販されているSR−355、Tg=約98℃)、ジエチレングリコールジアクリレート(例えばサートマー・カンパニーから市販されているSR−230、Tg=約100℃)、1,3−ブチレングリコールジアクリレート(例えばサートマー・カンパニーから市販されているSR−212、Tg=約101℃)、ペンタアクリル酸エステル(例えばサートマー・カンパニーから市販されているSR−9041、Tg=約102℃)、ペンタエリトリトールテトラアクリレート(例えばサートマー・カンパニーから市販されているSR−295、Tg=約103℃)、ペンタエリトリトールトリアクリレート(例えばサートマー・カンパニーから市販されているSR−444、Tg=約103℃)、エトキシル化(3)トリメチロールプロパントリアクリレート(例えばサートマー・カンパニーから市販されているSR−454、Tg=約103℃)、アルコキシル化三官能性アクリル酸エステル(例えばサートマー・カンパニーから市販されているSR−9008、Tg=約103℃)、ジプロピレングリコールジアクリレート(例えばサートマー・カンパニーから市販されているSR−508、Tg=約104℃)、ネオペンチルグリコールジアクリレート(例えばサートマー・カンパニーから市販されているSR−247、Tg=約107℃)、シクロヘキサンジメタノールジアクリレートエステル(例えばサートマー・カンパニーから市販されているCD−406、Tg=約110℃)、環状ジアクリル酸エステル(例えばユー・シー・ビー・ケミカルズ(UCB Chemicals)から市販されているIRR−214、Tg=約208℃)、ポリアクリル酸エステル(例えばCN2000、Tg=約−20℃、およびCN2256、両方ともサートマー・カンパニーから市販されている)、ならびにトリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレートトリアクリレート(例えばサートマー・カンパニーから市販されているSR−368、Tg=約272℃)、前述のメタクリル酸エステル類のアクリル酸エステル、および前述のアクリル酸エステル類のメタクリル酸エステルが挙げられるがこれらには限定されない。ヘキサンジオールジアクリレート、ブタンジオールジアクリレート、ペンタエリトリトールトリアクリレート(「PETA」)、ペンタエリトリトールテトラアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート(「TMPTA」)、および脂肪族または脂環式ウレタンアクリレートのオリゴマーは、特に好ましい塗膜形成要素である。ウレタン官能基を含有する塗膜形成要素の使用は、硬化後の塗膜の靭性に寄与する可能性がある。オリゴマー塗膜形成要素の使用は、収縮、カール、および残留応力を低減させることができるが、硬さを損なう恐れもまたある。塗膜形成要素の混合物を使用することもできる。組成物は、所望の厚さおよび耐久性を有する硬化塗膜を得るのに十分な塗膜形成要素を含有すべきである。好ましくはこの組成物は、組成物中の固形物の全重量を基準にして塗膜形成要素を約10から約90重量パーセント含有する。より好ましくはその組成物は、約20から約80重量パーセントの塗膜形成要素、また最も好ましくは約25から約60重量パーセントの塗膜形成要素を含有する。
【0036】
様々なベンゾトリアゾールを本発明では使用することができる。代表的なベンゾトリアゾールには、米国特許第3,004,896号明細書(ヘラー(Heller)ら、‘896号明細書)、第3,055,896号明細書(ボイル(Boyle)ら)、第3,072,585号明細書(ミリオニス(Milionis)ら)、第3,074,910号明細書(ディックソン・ジュニア(Dickson Jr.))、第3,189,615号明細書(ヘラーら、‘615号明細書)、第3,230,194号明細書(ボイル)、第4,127,586号明細書(ロディ(Rody)ら、‘586号明細書)、第4,226,763号明細書(デクスター(Dexter)ら、‘763号明細書)、第4,275,004号明細書(ウィンター(Winter)ら、‘004号明細書)、第4,315,848号明細書(デクスターら、‘848号明細書)、第4,347,180号明細書(ウィンターら、‘180号明細書)、第4,383,863号明細書(デクスターら、‘863号明細書)、第4,675,352号明細書(ウィンターら、‘352号明細書)、第4,681,905号明細書(クボタ(Kubota)ら)、第4,853,471号明細書(ロディら、‘471号明細書)、第5,436,349号明細書(ウィンターら、‘349号明細書)、第5,516,914号明細書(ウィンターら、‘914号明細書)、第5,607,987号明細書(ウィンターら、‘987号明細書)、第5,977,219号明細書(ラビチャンドランら、‘219号明細書)、第6,187,845号明細書(レンツら)、および第6,262,151号明細書(ラビチャンドランら、‘151号明細書)が挙げられるがこれらには限定されない。必要に応じて重合性ベンゾトリアゾールを使用することができる。最も好ましくはベンゾトリアゾールは、ベンゾ環の5位が米国特許第5,278,314号明細書(ウィンターら、‘314号明細書)、第5,280,124号明細書(ウィンターら、‘124号明細書)、ウィンターらの‘349号明細書、およびウィンターらの‘914号明細書に記載のベンゾトリアゾールのようなチオエーテル、アルキルスルホニル、またはフェニルスルホニル部分によって置換されるか、またはベンゾ環の5位がラビチャンドランらの‘219号明細書に記載のベンゾトリアゾールのような電子求引性基によって置換される。さらに好ましいベンゾトリアゾールにはまた、2−(2−ヒドロキシ−3,5−ジ−α−クミルフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール(チヌビン(TINUVIN(登録商標))234またはチヌビン900、ともにチバ・スペシャルティ・ケミカルズ(Ciba Specialty Chemicals)から市販されている)、5−クロロー2−(2−ヒドロキシ−3−tert−ブチル−5−メチルフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール(チバ・スペシャルティ・ケミカルズから市販されているチヌビン326)、5−クロロー2−(2−ヒドロキシ−3,5−ジ−tert−ブチルフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール(チバ・スペシャルティ・ケミカルズから市販されているチヌビン327)、2−(2−ヒドロキシ−3,5−ジ−tert−アミルフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール(チバ・スペシャルティ・ケミカルズから市販されているチヌビン328)、2−(2−ヒドロキシ−3−α−クミル−5−tert−オクチルフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール(チバ・スペシャルティ・ケミカルズから市販されているチヌビン928)、および5−トリフルオロメチル−2−(2−ヒドロキシ−3−α−クミル−5−tert−オクチルフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール(チバ・スペシャルティ・ケミカルズから市販されているCGL−139)が挙げられる。ベンゾトリアゾールの混合物を使用することもできる。チヌビン328、チヌビン928、およびCGL−139は、アクリル酸イソボルニルなどのモノマー中へのそれらの高い溶解度のため、特に好ましいベンゾトリアゾールである。CGL−139は、屋外暴露の影響からナフタル酸ポリエステル支持体を保護するその効力のため、特に好ましいベンゾトリアゾールである。
【0037】
本発明の組成物は、CGL−139単独またはCGL−139を含むベンゾトリアゾールの混合物を使用する場合、5重量パーセントを超えるベンゾトリアゾールを含有する。本発明の組成物は、CGL−139以外のベンゾトリアゾールまたはベンゾトリアゾールの混合物を使用する場合、10重量パーセントを超えるベンゾトリアゾールを含有する。ベンゾトリアゾールの上限量は、その組成物中の選択されたベンゾトリアゾール、モノマー、および他の成分にある程度左右されることになる。この上限量は、一般にはそこでブルーム、曇り、または相分離が観察される量に相当する。ブルームは、硬化および若干の老化が起こった後まで観察されないことがある。その塗料組成物中のベンゾトリアゾールの速やかな溶解を容易にするために熱または溶媒(例えば酢酸エチル、トルエン、アセトン、またはヘキサン類)を用いることができる。好ましくはこの組成物は、約11から約35重量パーセントのベンゾトリアゾール、より好ましくは約16から約35重量パーセントのベンゾトリアゾール、また最も好ましくは約21から約35重量パーセントのベンゾトリアゾールを含有する。
【0038】
そのUV吸収剤を可溶化する様々な共重合可能なモノマー(下記で「可溶化モノマー」と呼ぶこともある)を本発明で使用することができる。通常はこの可溶化モノマーは単官能性であるはずであり、適切なUV光開始剤と単独で混ぜ合わせた場合、またUV光線を適切に照射した場合に、通常は硬化またはゲル化することになるが、容易には架橋したポリマーの実質上連続した塗膜を形成しないであろう。しかしながら適切な低粘度およびUV吸収剤に対する適切な可溶化能を有する幾つかの二官能モノマー(例えばブタンジオールジアクリレート)を、本発明ではビニル官能基を有する架橋性塗膜形成要素として、また可溶化モノマーとして両方に使用することができる。しかしながら大抵の場合、ビニル官能基を有する架橋性塗膜形成要素および可溶化モノマーは、別個の化学種であることになる。可溶化モノマーは、本発明の組成物が均質な混合物を形成するように十分な量のベンゾトリアゾールを可溶化することが可能であるべきである。溶媒とは違って可溶化モノマーは、支持体にその塗料組成物を塗布し適切な乾燥条件にさらした後、大部分がその塗料組成物中に残留することになり、また大部分は硬化後の組成物中に取り込まれることになる。代表的な可溶化モノマーには、アクリル酸イソオクチル(例えばサートマー・カンパニーから市販されているSR−440、Tg=約−45から−54℃)、アクリル酸2−エチルヘキシル(Tg=約−50℃)、アクリル酸シクロヘキシル(Tg=約19℃)、アクリル酸t−ブチル(Tg=約41℃)、アクリル酸n−オクチルデシル(Tg=約42℃)、メタクリル酸グリシジル(例えばサートマー・カンパニーから市販されているSR−379、Tg=約41〜74℃)、1,4−ブタンジオールジアクリレート(例えばSR−213)、メタクリル酸ベンジル(Tg=約54℃)、アクリル酸イソボルニル(例えばサートマー・カンパニーから市販されているSR−506、Tg=約88〜94℃)、メタクリル酸イソボルニル(例えばサートマー・カンパニーから市販されているSR−423、Tg=約110℃)、アクリル酸t−ブチルシクロヘキシル、アクリル酸1−アダマンチル、アクリル酸ジシクロペンテニル、およびn−ビニルカプロラクタムが挙げられるがこれらには限定されない。より硬い硬化塗膜が望ましい場合、より高Tgの可溶化モノマーが好ましい。速い反応性が望ましい場合、アクリル酸エステルがメタクリル酸エステルよりも好ましい。当業者ならば、より柔軟な硬化塗膜が望ましい場合にはより低Tgの可溶化モノマーが好ましいこともあり、またより遅い反応性が望ましい場合にはメタクリル酸エステルが好ましいこともあることを認めるはずである。アクリル酸イソボルニルおよびアクリル酸t−ブチルシクロヘキシルは特に好ましい可溶化モノマーである。可溶化モノマーの混合物を使用することができる。この組成物は、その組成物中でベンゾトリアゾールを可溶化し、かつ硬化後にブルームを示さない均質な混合物を形成するのに十分な可溶化モノマーを含有すべきである。好ましくはこの組成物は、その組成物中の固形物の全重量を基準にして約5から約95重量パーセントの可溶化モノマーを含有する。より好ましくはこの組成物は、約10から約80重量パーセントの可溶化モノマーを含有し、また最も好ましくは約15から約60重量パーセントの可溶化モノマーを含有する。
【0039】
好ましくは本発明の組成物は光重合性である。開始剤を使用しない場合は、電子ビーム照射などの硬化技術を用いて光硬化を行うことができる。より好ましくはこの組成物は、光開始剤、例えばUV光開始剤あるいはUVまたは可視光線により活性化することができる光開始剤(「UV/Vis」光開始剤)を含有し、光重合性であることになる。光重合を容易にするために様々な光開始剤を使用することができる。その塗膜が光重合性であり、かつ硬化後にはUV保護性であるようにその光開始剤の選択には注意しなければならない。光開始剤の例には、1−フェニル−2−ヒドロキシ−2−メチル−1−プロパノン、オリゴ{2−ヒドロキシ−2−メチル−1−[4−(メチルビニル)フェニル]プロパノン}、2−ヒドロキシ2−メチル1−フェニルプロパン−1オン(チバ・スペシャリティ・ケミカルズから市販されているダロキュア(DAROCURE(登録商標))1173)、ビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチルペンチルホスフィンオキシド、2,4,6−トリメチルベンゾイル−ジフェニルホスフィンオキシド、2−メチル−1−[4(メチルチオ)−2−モルホリノプロパン]−1−オン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、4−(2−ヒドロキシ)フェニル−2−ヒドロキシ−2−(メチルプロピル)ケトン、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、ベンゾフェノン、安息香酸、(n−5,2,4−シクロペンタジエン−1−イル)[(1,2,3,4,5,6−n)−(1−メチルエチル)ベンゼン]−鉄(+)ヘキサフルオロホスフェート、4−(ジメチルアミノ)−エチルエーテル、およびこれらの混合物が挙げられるがこれらには限定されない。市販の光開始剤には、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン(チバ・スペシャリティ・ケミカルズから市販されているイルガキュア(IRGACURE(登録商標))184)、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトンとベンゾフェノンの重量を基準として50:50の混合物(チバ・スペシャリティ・ケミカルズから市販されているイルガキュア500)、ビス(n,5,2,4−シクロペンタジエン−1−イル)−ビス[2,6−ジフルオロ−3−(1H−ピロール−1−イル)フェニル]チタン(チバ・スペシャリティ・ケミカルズから市販されているイルガキュア784DC)、2−ベンジル−2−N,N−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)−1−ブタノン(チバ・スペシャリティ・ケミカルズから市販されているイルガキュア369)、2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン(チバ・スペシャリティ・ケミカルズから市販されているイルガキュア651)、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フェニルホスフィンオキシド(イルガキュア819)、ならびにエサキュア(ESACURE(登録商標))光開始剤のEB3、KB1、TZT、KIP100F、ITX、EDB、X15、およびKT37シリーズ(サートマー・カンパニーから市販されている)が挙げられる。光開始剤の混合物も使用することができ、表面硬化のために短波長においてすぐれた吸収を得るのに、また内部硬化のために長波長においてすぐれた吸収を得るのに特に役立つ可能性がある。酸素が硬化中に約400ppmを超えるレベルで存在する場合、約360nm未満の波長において吸収する第二光開始剤を使用するのが好ましい場合もある。好適な第二光開始剤には、イルガキュア184、ダロキュア1173、ヒドロキシ−アルキルフェニルケトン光開始剤、およびベンゾフェノンが挙げられる。光開始剤を組成物中で使用する場合、貯蔵安定性をはなはだしく損なうことなく光硬化の望ましい速度、度合い、および深さを達成するのに十分な光開始剤が存在するべきである。好ましくはこの組成物は、その組成物中の固形物の全重量を基準にして約0.1から約8重量パーセントの光開始剤を含有する。より好ましくはこの組成物は、約0.5から約5重量パーセントの光開始剤を、また最も好ましくは約1から約4重量パーセントの光開始剤を含有する。
【0040】
本発明の組成物はまた、シリカまたはアルミナ粒子などのサブミクロン無機粒子を含有することができる。このような粒子を含ませることにより硬化後塗膜の硬さ、耐引っかき性、または耐摩耗性を改変することができるが、耐UV性の低下を伴う場合がある。好ましくはこれらの無機粒子は、約100nm未満の平均粒径を有するサブミクロン粒子である。最も好ましくはこれらの無機粒子を適切なカップリング剤(例えばシラノール)で官能基化または処理して、使用しうる充填レベルを増すか、または硬化後の塗膜中の粒子保持率を改善する。代表的な無機粒子は、米国特許第5,104,929号明細書(ビルカディ(Bilkadi)およびピケットら)に記載されており、これらには限られないがエーロジル(AEROSIL(登録商標))OX−50シリカ(デグッサ−ヒュルス・アー・ガー(Degussa−Huels AG)から市販されている)およびキャボシル(CABOSIL(登録商標))M5シリカ(キャボット・コーポレーション(Cabot Corp.)から市販されている)などの燻蒸シリカ、コロイドシリカゾルのナルコ(NALCO(登録商標))シリーズ(ナルコ・ケミカル・カンパニー(Nalco Chemical Company)から市販されている)、シリカゾルのルドックス(LUDOX(登録商標))シリーズ(デュポン・シリカ・プロダクツ(DuPont Silica Products)から市販されている)、ならびにコロイドシリカゾルのクレボゾル(KLEBOSOL(登録商標))およびハイリンク(HIGHLINK(登録商標))シリーズ(クラリアント・コーポレーション(Clariant Corporation)から市販されている)が含まれる。代表的なアルミナには、これらには限られないがアルミナム・オキシド(Alminum Oxide)C(デグッサ−ヒュルス・アー・ガーから市販されている)およびクレボゾル30CAL25アルミナ変性コロイドシリカ(クラリアント・コーポレーションから市販されている)が挙げられる。ヒドロゾルを使用する場合、無機粒子の分散を維持し、かつ望ましくない副反応または不注意による硬化を防ぐためにpHの適切な制御および調整が望ましいことがある。使用する場合にはその組成物は、所望の度合いの硬さと耐引っかきまたは耐磨耗性とを得るのに十分な無機粒子を含有すべきである。シリカをサブミクロン粒子として用いる場合、この組成物は、その組成物中の固形物の全重量を基準にして好ましくは約1から約65重量パーセントの無機粒子、より好ましくは約15から約60重量パーセントの無機粒子、また最も好ましくは約25から約50重量パーセントの無機粒子を含有する。硬さと、耐引っかきまたは耐磨耗性は、粒子の重量分率よりも粒子の体積分率により大きく左右されることが多く、したがってシリカとは著しく異なる密度を有する無機粒子を使用する場合、好ましくはこれらの値は適宜調整される。
【0041】
本発明の組成物は、支持体に塗布する前または後の組成物の挙動または性能を改変するために様々な補助剤を含有することができる。好ましい補助剤には充填剤(例えば平均粒径が約1から約10マイクロメートルの粒子)が挙げられ、これらは硬化後の塗膜に曇ったまたはぼやけた外観を付与することができる。他の好ましい補助剤には、顔料、染料、蛍光増白剤、レベリング剤、フロー剤および他の界面活性剤、脱泡剤、被覆を助けかつ乾燥速度を速めまたは遅らせるための溶媒、ワックス、指示薬、光安定剤(例えばヒンダードアミン光安定剤すなわち「HALS」)、および酸化防止剤が挙げられる。このような補助剤の種類および量は当業者には明らかなはずである。
【0042】
平滑度、連続性、耐候特性、または下にある支持体に対する塗料組成物の接着性は、好ましくは下塗り、結合層の塗布、または他の適切な前処理により向上させることができる。好ましい前処理には、ポリ二塩化ビニリデンの低固形物溶液、ポリエステル樹脂とアジリジン架橋剤の溶剤系混合物、アジリジンまたはメラミンなどの光学架橋剤を含む溶剤系または水性ポリオール樹脂、適切な反応性または非反応性ガス体の存在下での放電(例えばプラズマ、グロー放電、コロナ放電、誘電体バリア放電、または大気圧放電)、化学的前処理、および火炎前処理が挙げられる。これらの前処理は、その支持体を硬化後の塗料組成物に対してより効果を示すものにするのを助ける。結合層を使用する場合、その結合層は数nm(例えば1または2nm)から約500nmの厚さを有することができ、また必要に応じてもっと厚くてもよい。本発明の塗料組成物は、当業者には普通のものであるはずのロールコーティング(例えばグラビアロールコーティング)、スピンコーティング、スプレイコーティング(例えば通常のスプレイコーティングまたは静電スプレイコーティング)、パジング、あるいは他の技術などの通常の被覆方法を用いて塗布することができる。好ましくはこの塗膜は約0.1mm未満、より好ましくは約0.05mm未満、また最も好ましくは約0.01mmと約0.025mmの間の硬化後塗膜厚さを得ることになる速度で塗布される。単側被覆の薄い支持体では、約0.05mmを超える塗膜厚さを使用する場合、過度のカールが観察されることがある。多量の無機粒子を塗料組成物中に取り込む場合、硬化を首尾よく達成するにはより薄い塗膜厚さが望ましいこともある。
【0043】
塗料組成物が溶剤を含有する場合、その塗布された塗料は空気、熱、または他の通常の技術を用いて乾燥することができる。この塗布された塗料は、任意の適切な方法を用いて架橋することができる。UV放射を用いて架橋する場合、約360〜440nmの間の波長を有する光が好ましく、また約395〜440nmの波長を有する光が最も好ましい。様々なUV光源を使用することができる。代表的な光源には、ヒュージョン(FUSION(登録商標))H−バルブすなわち高輝度水銀ランプ(これは254、313、365nmに中心をもつ3つの帯域を放射し、ヒュージョン・ユー・ブイ・システムズ・インコーポレーテッド(Fusion UV Systems,Inc.)から市販されている)、ヒュージョンD−バルブすなわち鉄をドープした水銀ランプ(これは380〜400nmにおける放射を加えるが、より低波長での放射は少ない可能性がある。これはヒュージョン・ユー・ブイ・システムズ・インコーポレーテッドから市販されている)、およびヒュージョンV−バルブすなわちガリウムをドープした水銀ランプ(これは404〜415nmにおける放射を加えるが、より低波長での放射は少ない可能性がある。これはヒュージョン・ユー・ブイ・システムズ・インコーポレーテッドから市販されている)が挙げられるがこれらは限定されない。一般に低波長ほど表面硬化を促進させ、高波長ほど内部硬化を促進させる。一般にはヒュージョンD−バルブが望ましい全体的妥協物である。硬化は、不活性雰囲気での硬化を実現するために適切な雰囲気中、例えば窒素雰囲気中で行うことができる。
【0044】
硬化後の塗膜は好ましくは可視光線透過性であり、またより好ましくは光学的に透明である。好ましくは硬化後の塗膜は、UV暴露だけでなく通常の屋外暴露に対する顕著な保護を可能にする。塗料中のベンゾトリアゾール成分は、適切な高濃度を用いた場合、ポリマー網目構造の耐久性およびブルームのないことを示すと同時に、400nmを超える波長において有効な吸光度を与えることができる。最も好ましくは硬化後の塗膜は、フロリダ州マイアミ(Miami,Florida)において南に45度面する露光角で屋外で風雨にさらした場合に下にある支持体が少なくとも5年、最も好ましくは少なくとも10年の有効寿命を有することを可能にする。このような評価での有効寿命末期は、過度の黄化(D65光源、反射モード、およびCIE L***色空間を用いて得られるb*値の4以上の増加によって示される)が起こる時間として、あるいは顕著な亀裂、層状剥離、または層間剥離によって、あるいは裸眼にとって気にかかる十分に濃い曇りによって計ることができる。耐候性もまた、これらの同じ評価基準と、ASTM G155または同等なものに記載のサイクルのような適切な促進耐候試験サイクルとを用いて評価することもできる。こうして評価したとき、この硬化後の塗膜は好ましくは340nmで17,000kJ/m2の放射線量(フロリダ州マイアミの南面45度の露光の約5年間に相当すると考えられる)に抗して許容できる外観を維持し、またより好ましくは340nmで34,000kJ/m2の放射線量(フロリダ州マイアミの南面45度の露光の約10年間に相当すると考えられる)に抗して許容できる外観を維持する。許容できない外観とは、4単位以上のb*値の増加、あるいは著しい亀裂、層状剥離、層間剥離、または曇りの始まりであると解される。これとは対照的に保護されていないナフタル酸ポリエステルフィルムは、フロリダ州マイアミにおいて南面45度の露光角で屋外で風雨にさらした場合、約6から12ヶ月の有効寿命を有するにすぎず、また促進耐候試験サイクルを用いて評価した場合、340nmで約2,340kJ/m2の放射線量に抗して許容できる外観を維持する。
【0045】
様々な機能の層または他の補助的な塗膜を硬化後の塗料組成物に施してその硬化後の塗料組成物の物理的または化学的性質を改変または改善することができる。このような補助的な塗膜には、反射防止膜、防曇膜、帯電防止膜、難燃性付与膜、追加の耐摩耗性または硬質膜層、可視光線透過性導電層または電極(例えば、インジウムスズ酸化物の)、磁気または磁気光学的膜または領域、写真乳剤または画像、虹色塗膜、ホログラフィックコーティングまたは画像、感圧接着剤またはホットメルト接着剤などの接着剤、隣接層により接着を促進させるための下塗り剤、およびその被覆後の支持体をロール巻き接着剤の形態で用いることになる場合に使用する低接着性裏糊付け材料が挙げられるがこれらには限定されない。
【0046】
本発明の塗膜は、例えば物品の識別、向きの情報、広告、警告、装飾、または他の情報を表示するために用いられるものなどインクまたは他の印刷したしるしで処理することができる。これらには限られないがスクリーン印刷、インクジェット式印刷、熱転写印刷、凸版印刷、オフセット印刷、フレキソ印刷、点刻印刷、レーザ印刷などを含めた様々な技術を用いてこのような物品の上に印刷することができる。1種または2種成分のインク、酸化乾燥およびUV乾燥インク、溶解型インク、分散型インク、および100%インク系を含めた様々なインクを用いることができる。
【0047】
本発明の塗料は様々な用途に用いることができる。代表的な用途には、鏡、ライトチューブ(light tube)、ランプおよび電球用空洞反射鏡、太陽熱集熱器、鏡面仕上、およびイミテーションクロムに使用するものなど多層可視ミラーフィルムや、車両または建築用の板ガラス、温室パネル(greenhouse panel)、およびセンサーなどの多層赤外線(「IR」)ミラー用途や、太陽電池や、信号や、グラフィックアートフィルムや、店頭表示ディスプレーや、装飾フィルムや、携帯電話本体の金型内装飾や、アパレル(例えばスポーツシューズ)や、家庭用電化製品(home appliance)が挙げられるがこれらには限定されない。
【0048】
次に本発明を下記の非限定的実施例について記述することにする。これらの中ですべての部および割合は、別段の指示がない限り重量単位である。
【実施例】
【0049】
実施例1〜12および比較例1〜5
ベンゾトリアゾール、すなわち2−(2−ヒドロキシ−3−α−クミル−5−t−オクチルフェニル)−5−トリフルオロメチルベンゾトリアゾール(CGL−139、チバ・スペシャルティ・ケミカルズから実験用に入手できる)の様々なモノマー中での溶解度を求めた。混合物は、このベンゾトリアゾールを5%刻みで用いて作製した。このベンゾトリアゾールおよび試験されるモノマーを、水浴中で70℃までゆっくり加熱しながら溶解するまで混合し、次いで室温に48時間放置した。48時間後、各混合物をベンゾトリアゾールの沈殿がないか調べた。溶解度は、沈殿のない試験された最も高い濃度と、沈殿の起こった最も低い濃度とを記録することにより5%以内まで求めた。これら結果を下記に表1で示す。文献で報告されている場合は、試験されたモノマーから完全に作製されているポリマーのTgもまた示す。
【0050】
【表1】

【0051】
表1に示すようにアクリル酸エステル類はメタクリル酸エステル類よりもすぐれたベンゾトリアゾール溶解性を与える傾向があり、また単官能性モノマーは二官能性およびより高い官能性モノマーよりも沈殿なしにベンゾトリアゾールを高レベルで可溶化した。しかしながら二官能性モノマーであるブタンジオールジアクリレートもまたベンゾトリアゾールをきわめて高レベルで可溶化した。
【0052】
実施例13〜20
実施例1の方法を用いてアクリル酸イソボルニル中の様々なベンゾトリアゾールの溶解度を求めた。試験した各ベンゾトリアゾールについてその式を上記に示す。これらのベンゾトリアゾールはまた、一般構造式2−(2−ヒドロキシ−3−R2−5−R3−フェニル)−5−R1−ベンゾトリアゾールを用いて表すこともできる。CGL−139の場合、R1=トリフルオロメチル、R2=α−クミル、R3=t−オクチルである。チヌビン928の場合、R1=H、R2=α−クミル、R3=t−オクチルである。チヌビン328の場合、R1=H、R2=t−アミル、R3=t−アミルである。チヌビン327の場合、R1=塩素、R2=t−ブチル、R3=t−ブチルである。チヌビン326の場合、R1=塩素、R2=t−ブチル、R3=メチルである。チヌビン234およびチヌビン900の場合、R1=H、R2=α−クミル、R3=α−クミルである。これら結果を下記に表2で示す。
【0053】
【表2】

【0054】
表2に示すように、特にベンゾトリアゾールのチヌビン928およびCGL−139を用いた場合、きわめて高い溶解度を得ることができる。
【0055】
実施例21〜48
アクリル酸イソボルニル(「IBOA」、サートマー・カンパニーからSR−506として得られる)と、ヘキサンジオールジアクリレート(「HDODA」、サートマー・カンパニーからSR−238として得られる)と、ペンタエリトリトールテトラアクリレート(「PETA」、サートマー・カンパニーからSR−295として得られる)と、ウレタンアクリレートオリゴマー(「UA」、ウレタンアクリレートオリゴマーを85%とHDODAを15%含有すると考えられているブレンド物がサートマー・カンパニーからCN966B85として得られる)とを含有し、または任意選択のシラン処理コロイドシリカヒドロゾルを含有する混合物に、様々な量のCGL−139ベンゾトリアゾールを加えることによって幾種類かの塗料組成物を調製した。
【0056】
このシラン処理コロイドシリカヒドロゾルは、1−メトキシ−2−プロパノール(ダウ・ケミカル・カンパニー(Dow Chemical Co.)から市販されている)の存在下で、ナルコ(NALCO(登録商標))2327シリカヒドロゾル(オンデオ・ナルコ・カンパニー(Ondeo Nalco Co.)から市販されている)と3−(トリメトキシシリル)プロピルメタクリレート(シグマ−アルドリッチ・カンパニー(Sigma−Aldrich Co.)からA174として得られる)の反応生成物として調製された。このヒドロゾルの400部を反応容器に装入した。1−メトキシ−2−プロパノール450部と3−(トリメトキシシリル)プロピルメタクリレート25.22部を混ぜ合わせ、攪拌しながらこの容器に加えた。この容器を密閉し、80℃で16.5時間加熱した。この生成物をSR295/SR238/SR506の40/40/20の混合物228部と一緒にし、回転蒸発により水およびアルコールを除去した。得られたシラン処理コロイドシリカヒドロゾルは、熱重量分析により測定されるSiO2を38.5%含有した。ガスクロマトグラフィを用いた分析によりヒドロゾル中にアルコールが残っていないことを確かめた。
【0057】
これら塗料組成物はまた、ヒンダードアミン光安定剤(チヌビン123、チバ・スペシャルティ・ケミカルズから市販されている)を1%、光開始剤(イルガキュア819、チバ・スペシャルティ・ケミカルズから市販されている)を1%、および塗膜レベリング助剤(テゴ(TEGO(登録商標))RAD2100、テゴ・ディビジョン・オブ・デグッサ・コーポレーション(Tego Division of Degussa Corporation)から市販されている)を0.15から0.2%含有した。シラン処理コロイドシリカヒドロゾルを含有する組成物中ではこの塗膜レベリング助剤0.2%を用いた。残りの組成物中ではこの塗膜レベリング助剤0.15%を用いた。塗料組成物を酢酸エチル中に溶解して酢酸エチル40%と塗料固形物60%を含有する塗料溶液を形成することにより、それら塗料組成物を、PEN層およびPVdC下塗りを有する実験用多層可視ミラー光学フィルム(スリー・エムから市販されているラジアント・ミラー・フィルム(Radiant Mirror Film)VM2000に類似のもの)に塗布した。これら塗料は、標準のコータを用いて塗布し、乾燥し、インラインで100ppm未満の酸素濃度を有する不活性雰囲気中においてライン速度12m/分を用いて6から35マイクロメートルの範囲の厚さに硬化させた。エネルギー源として入力電力236ジュール/秒−cmを供給される高輝度ヒュージョンD−バルブを用いてUV光硬化エネルギーを与えた。これらの条件下で様々なUV波長域においてこのD−バルブが生み出す線量および照度を下記に表3で示す。
【0058】
【表3】

【0059】
これらの被覆後の物品を、光だけのサイクルの間、70℃のブラックパネル温度を用いた修正サイクル1を使用してASTM G155中の手順に似た促進耐候試験に曝し、次いで340nmにおける9,400、18,700、および30,500kJ/m2のUV線量レベルに相当する時間間隔で評価した。これらの線量は、フロリダ州マイアミにおいて南面45度の露光角で屋外で風雨にさらした場合のそれぞれ2.5、5、および8.25年超に相当すると考えられる。BKYガードナーTCSII比色計およびD65光源、鏡面反射を含んだ大面積反射モード、CIE L***色空間を用いて、そのb*値の変化を各時間間隔で測定した。実施例番号、ベンゾトリアゾール量、IBOA/HDODA/PETA/UA1/SiO2の相対量、および各暴露間隔での測定されたb*値の変化を下記に表4中で列挙する。記号「R」は、著しい亀裂、層状剥離、層間剥離、または曇りが原因で試料を引き上げたことを示す。
【0060】
【表4】

【0061】
表4に示すように、より多量のベンゾトリアゾールを含有する塗料ほど、またより厚い塗膜を有する物品ほど、よりすぐれた耐候性能を与える傾向があった。すべての被覆物品が、むきだしのPENフィルムについて一般に観察されるよりもすぐれた耐候性能を示した。シリカ含有塗料もまた耐候性の改良を示すが、シリカを含まない塗料よりも寿命は幾分短かった。実施例25〜32、44、および48の物品は、23,400から28,100kJ/m2の線量まで4単位のb*増加に達しないかまたは超えなかった。また実施例33〜37、および39の物品は、一般に28,100kJ/m2の線量を超えて例外的にすぐれた寿命を示した。
【0062】
実施例49〜62および比較例6〜13
実施例20の方法を用いて、IBOA、HDODA、PETA、および3種類の異なるウレタンアクリレートオリゴマーのうちの1種類を含有する混合物に、様々な量のCGL−139ベンゾトリアゾールを加えることによって幾種類かの塗料組成物を調製した。これら3種類のウレタンアクリレートオリゴマーは、IBOAまたはHDODAを含有するブレンド物で得られ、さらに「UA2」(ウレタンアクリレートオリゴマーを88%とHDODAを12%含有すると考えられるブレンド物でサートマー・カンパニーからCN981B88として得られる)、「UA3」(ウレタンアクリレートオリゴマーを75%とIBOAを25%含有すると考えられるブレンド物でサートマー・カンパニーからCN966J75として得られる)、および「UA4」(ウレタンアクリレートオリゴマーを80%とHDODAを20%含有すると考えられるブレンド物でサートマー・カンパニーからCN963B80として得られる)として識別される。これら混合物は、2種類のUV光開始剤、すなわちビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルホスフィンオキシド(チバ・スペシャルティ・ケミカルズから得られるイルガキュア819)1%および1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン(チバ・スペシャルティ・ケミカルズから得られるイルガキュア184)3%のブレンド物と、シリコーンアクリレートフロー剤(ラドキュア・スペシャルティーズ(Radicure Specialties)から市販されているエベクリル(EBECRYL(登録商標))350)0.2%とを含有する。これら混合物はまた、チヌビン123ヒンダードアミン光安定剤1%を含有した。これら塗料組成物を、実施例21のものと同様の下塗りした可視ミラー光学フィルムに塗布した。これら被覆後の物品を、実施例21の方法を用いて促進耐候試験にさらし、様々な時間間隔で評価した。下記に表5で、実施例番号または比較例番号、ベンゾトリアゾール量、IBOA/HDODA/PETA/UA(ただし「UA」はUA2、UA3、またはUA4である)の相対量、使用したウレタンアクリレートブレンド物、塗膜厚さ、物品の寿命、および寿命末期における物品の状態を列挙した。それら寿命末期において「黄化」していると記された物品は、L***色空間を用いたb*値が4単位を超える変化を示した。「層間剥離」していると記された物品は裂けたか、または支持体から塗膜の分離を示したことを言う。「曇り」があると記された物品は、塗膜中または支持体中に肉眼で見える曇りを示した。
【0063】
【表5】

【0064】
表5に示すように、より多量のベンゾトリアゾールを含有する塗料ほど、またより厚い塗膜を有する物品ほど、よりすぐれた耐候性能を与える傾向があった。すべての被覆物品が、むきだしのPENフィルムについて一般に観察されるよりもすぐれた耐候性能を与えた。実施例52〜54、56〜58、60、および61〜62の物品は、ベンゾトリアゾールを5%のみ含有することを除いては同一の厚さの類似の塗膜を有する物品と比べて特にすぐれた寿命を示した。
【0065】
実施例63
ブタンジオールジアクリレートがその中でビニル官能基を有する架橋性塗膜形成要素として、また可溶化モノマーとして両方の役割を果たす塗料組成物を調製した。13.58部のSR−213(1,4−ブタンジオールジアクリレート)、2.72部のCGL−139(UVA)、0.17部のチヌビン123(HALS)、0.17部のイルガキュア819および0.34部のイルガキュア184(光開始剤)、0.02部のテゴ・ラド2100(レベリング剤)、および3部の酢酸エチル(溶媒)を合わせ、それら固形物が溶解するまで混和させた。これは、塗料の全固形物の16.0%のCGL−139添加量に相当した。この溶液を、PVdCを下塗りしたVM2000フィルム(スリー・エムから市販されている)上に被覆した。溶媒を70℃でフラッシュ除去した。この塗料を窒素下でヒュージョンD−バルブを用いて硬化した。被覆物品の1試料を室温条件に1週間放置した。その試料は、この期間中に少しのブルームも示さなかった。この物品の2個の別の試料を約100℃で1週間オーブン処理した。1個の試料はそのオーブン中に自由に吊るした状態にし、一方もう1個の試料は2枚のガラス板の間に水平に置き、上側のガラス板と試料の被覆した側との間に一片の平坦なポリエステルフィルムを置いた。どちらの試料もブルームの徴候を示さなかった。
【0066】
本発明の様々な修正例および変形例が、本発明から逸脱することなく当業者には明らかなはずである。本発明は、本明細書中で単に例示の目的で記述されているものに限定されるべきではない。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
a)少なくとも1種類のビニル官能基を有する架橋性塗膜形成要素と、
b)10重量パーセントを超えるベンゾトリアゾールUV吸収剤と、
c)前記ベンゾトリアゾールを可溶化する少なくとも1種類の共重合可能なモノマーと
を含む均質な混合物の重合反応生成物を含む耐UV塗料を上塗りしたナフタル酸ポリエステルを含む支持体を備えた物品。
【請求項2】
前記支持体がポリエチレンナフタレートを含む、請求項1に記載の物品。
【請求項3】
前記支持体が多層光学フィルムを含む、請求項1に記載の物品。
【請求項4】
前記ベンゾトリアゾールが、2−(2−ヒドロキシ−3,5−ジ−tert−アミルフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール、2−(2−ヒドロキシ−3−α−クミル−5−tert−オクチルフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール、または5−トリフルオロメチル−2−(2−ヒドロキシ−3−α−クミル−5−tert−オクチルフェニル)−2H−ベンゾトリアゾールを含む、請求項1に記載の物品。
【請求項5】
前記モノマーが、アクリル酸イソオクチル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸t−ブチル、メタクリル酸グリシジル、メタクリル酸ベンジル、アクリル酸イソボルニル、メタクリル酸イソボルニル、アクリル酸t−ブチルシクロヘキシル、アクリル酸シクロヘキシル、アクリル酸n−オクチルデシル、ブタンジオールジアクリレート、アクリル酸1−アダマンチル、アクリル酸ジシクロペンテニル、またはn−ビニルカプロラクタムを含む、請求項1に記載の物品。
【請求項6】
前記モノマーが、アクリル酸イソボルニルまたはアクリル酸t−ブチルシクロヘキシルを含む、請求項1に記載の物品。
【請求項7】
前記塗膜形成要素およびモノマーが化学的に別個の種である、請求項1に記載の物品。
【請求項8】
前記塗膜形成要素およびモノマーが同一の種である、請求項1に記載の物品。
【請求項9】
前記混合物が約11から約35重量パーセントのベンゾトリアゾールを含み、かつ前記塗料がブルームを示さない、請求項1に記載の物品。
【請求項10】
前記混合物がサブミクロン無機粒子をさらに含む、請求項1に記載の物品。
【請求項11】
前記塗料が少なくとも約60%のTvisを有する、請求項1に記載の物品。
【請求項12】
前記塗料が、ASTM G155に記載の耐候試験サイクルと反射モードで操作されるD65光源とを用いて評価した場合、CIE L***色空間を用いて得られるb*値が4以上増加するまでに、あるいは著しい亀裂、層状剥離、層間剥離、または曇りが始まるまでに340nmで少なくとも18,700kJ/m2の暴露に耐えることができる、請求項1に記載の物品。
【請求項13】
ライトチューブ、灯火反射鏡、電球用空洞反射鏡、太陽熱集中装置、または太陽熱集熱器を含む、請求項1に記載の物品。
【請求項14】
鏡またはイミテーションクロムを含む、請求項1に記載の物品。
【請求項15】
車両用板ガラス、建築上の板ガラス、または温室パネルを含む、請求項1に記載の物品。
【請求項16】
センサー、太陽電池、信号、グラフィックアートフィルム、店頭表示ディスプレー、装飾フィルム、携帯電話本体、アパレル、または家庭用電化製品を含む、請求項1に記載の物品。
【請求項17】
a)少なくとも1種類のビニル官能基を有する架橋性塗膜形成要素と、
b)5重量パーセントを超える、2−(2−ヒドロキシ−3−α−クミル−5−t−オクチルフェニル)−5−トリフルオロメチルベンゾトリアゾールを含むベンゾトリアゾールUV吸収剤と、
c)前記ベンゾトリアゾールを可溶化する少なくとも1種類の共重合可能なモノマーと
を含む均質な混合物の重合反応生成物を含む耐UV塗料で上塗りしたナフタル酸ポリエステルを含む支持体を備えた物品。
【請求項18】
前記支持体がポリエチレンナフタレートを含む、請求項17に記載の物品。
【請求項19】
前記支持体が多層光学フィルムを含む、請求項17に記載の物品。
【請求項20】
前記モノマーが、アクリル酸イソオクチル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸t−ブチル、メタクリル酸グリシジル、メタクリル酸ベンジル、アクリル酸イソボルニル、メタクリル酸イソボルニル、アクリル酸t−ブチルシクロヘキシル、アクリル酸シクロヘキシル、アクリル酸n−オクチルデシル、ブタンジオールジアクリレート、アクリル酸1−アダマンチル、アクリル酸ジシクロペンテニル、またはn−ビニルカプロラクタムを含む、請求項17に記載の物品。
【請求項21】
前記モノマーが、アクリル酸イソボルニルまたはアクリル酸t−ブチルシクロヘキシルを含む、請求項17に記載の物品。
【請求項22】
前記塗膜形成要素およびモノマーが化学的に別個の種である、請求項17に記載の物品。
【請求項23】
前記塗膜形成要素およびモノマーが同一の種である、請求項17に記載の物品。
【請求項24】
前記混合物が約6から約35重量パーセントのベンゾトリアゾールを含み、かつ前記塗料がブルームを示さない、請求項17に記載の物品。
【請求項25】
前記混合物がサブミクロン無機粒子をさらに含む、請求項17に記載の物品。
【請求項26】
前記塗料が、ASTM G155に記載の耐候試験サイクルと反射モードで操作されるD65光源とを用いて評価した場合、CIE L***色空間を用いて得られるb*値が4以上増加するまでに、あるいは著しい亀裂、層状剥離、層間剥離、または曇りが始まるまでに340nmで少なくとも18,700kJ/m2の暴露に耐えることができる、請求項17に記載の物品。
【請求項27】
耐UV塗料をナフタル酸ポリエステル物品に塗布する方法であって、
a)ナフタル酸ポリエステルを含む支持体を提供するステップ、
b)(i)少なくとも1種類のビニル官能基を有する架橋性塗膜形成要素と、(ii)10重量パーセントを超えるベンゾトリアゾールUV吸収剤と、(iii)前記ベンゾトリアゾールを可溶化する少なくとも1種類の共重合可能なモノマーとを含む均質な混合物で前記支持体の少なくとも一部分を被覆するステップ、および
c)前記塗料を重合するステップ
を含む、方法。
【請求項28】
前記支持体がポリエチレンナフタレートを含む、請求項27に記載の方法。
【請求項29】
前記支持体が多層光学フィルムを含む、請求項27に記載の方法。
【請求項30】
前記塗膜形成要素が、二官能性、三官能性、またはより高い官能性のアクリル酸エステルまたはメタクリル酸エステルを含む、請求項27に記載の方法。
【請求項31】
前記塗膜形成要素が、ブタンジオールジアクリレート、ヘキサンジオールジアクリレート、ペンタエリトリトールトリアクリレート、ペンタエリトリトールテトラアクリレート、またはトリメチロールプロパントリアクリレートを含む、請求項27に記載の方法。
【請求項32】
前記ベンゾトリアゾールが、2−(2−ヒドロキシ−3,5−ジ−tert−アミルフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール、2−(2−ヒドロキシ−3−α−クミル−5−tert−オクチルフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール、または5−トリフルオロメチル−2−(2−ヒドロキシ−3−α−クミル−5−tert−オクチルフェニル)−2H−ベンゾトリアゾールを含む、請求項27に記載の方法。
【請求項33】
前記モノマーが、アクリル酸イソオクチル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸t−ブチル、メタクリル酸グリシジル、メタクリル酸ベンジル、アクリル酸イソボルニル、メタクリル酸イソボルニル、アクリル酸t−ブチルシクロヘキシル、アクリル酸シクロヘキシル、アクリル酸n−オクチルデシル、ブタンジオールジアクリレート、アクリル酸1−アダマンチル、アクリル酸ジシクロペンテニル、またはn−ビニルカプロラクタムを含む、請求項27に記載の方法。
【請求項34】
前記モノマーが、アクリル酸イソボルニルまたはアクリル酸t−ブチルシクロヘキシルを含む、請求項27に記載の方法。
【請求項35】
前記塗膜形成要素およびモノマーが化学的に別個の種である、請求項27に記載の方法。
【請求項36】
前記塗膜形成要素およびモノマーが同一の種である、請求項27に記載の方法。
【請求項37】
前記混合物が光開始剤を含みかつ光重合可能である、請求項27に記載の方法。
【請求項38】
前記混合物が約11から約35重量パーセントのベンゾトリアゾールを含み、かつ前記重合した塗料がブルームを示さない、請求項27に記載の方法。
【請求項39】
前記混合物がサブミクロン無機粒子をさらに含む、請求項27に記載の方法。
【請求項40】
耐UV塗料をナフタル酸ポリエステル物品に塗布する方法であって、
a)ナフタル酸ポリエステルを含む支持体を提供するステップ、
b)(i)少なくとも1種類のビニル官能基を有する架橋性塗膜形成要素と、(ii)2−(2−ヒドロキシ−3−α−クミル−5−t−オクチルフェニル)−5−トリフルオロメチルベンゾトリアゾールを含む、5重量パーセントを超えるベンゾトリアゾールUV吸収剤と、(iii)前記ベンゾトリアゾールを可溶化する少なくとも1種類の共重合可能なモノマーとを含む均質な混合物で前記支持体の少なくとも一部分を被覆するステップ、および
c)前記塗料を重合するステップ
を含む、方法。
【請求項41】
前記支持体がポリエチレンナフタレートを含む、請求項40に記載の方法。
【請求項42】
前記支持体が多層光学フィルムを含む、請求項40に記載の方法。
【請求項43】
前記塗膜形成要素が、二官能性、三官能性、またはより高い官能性のアクリル酸エステルまたはメタクリル酸エステルを含む、請求項40に記載の方法。
【請求項44】
前記塗膜形成要素が、ブタンジオールジアクリレート、ヘキサンジオールジアクリレート、ペンタエリトリトールトリアクリレート、ペンタエリトリトールテトラアクリレート、またはトリメチロールプロパントリアクリレートを含む、請求項40に記載の方法。
【請求項45】
前記モノマーが、アクリル酸イソオクチル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸t−ブチル、メタクリル酸グリシジル、メタクリル酸ベンジル、アクリル酸イソボルニル、メタクリル酸イソボルニル、アクリル酸t−ブチルシクロヘキシル、アクリル酸シクロヘキシル、アクリル酸n−オクチルデシル、ブタンジオールジアクリレート、アクリル酸1−アダマンチル、アクリル酸ジシクロペンテニル、またはn−ビニルカプロラクタムを含む、請求項40に記載の方法。
【請求項46】
前記モノマーが、アクリル酸イソボルニルまたはアクリル酸t−ブチルシクロヘキシルを含む、請求項40に記載の方法。
【請求項47】
前記塗膜形成要素およびモノマーが化学的に別個の種である、請求項40に記載の方法。
【請求項48】
前記塗膜形成要素およびモノマーが同一の種である、請求項40に記載の方法。
【請求項49】
前記混合物が光開始剤を含みかつ光重合可能である、請求項40に記載の方法。
【請求項50】
前記混合物が約6から約35重量パーセントのベンゾトリアゾールを含み、かつ前記重合した塗料がブルームを示さない、請求項40に記載の方法。
【請求項51】
前記混合物がサブミクロン無機粒子をさらに含む、請求項40に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2012−7173(P2012−7173A)
【公開日】平成24年1月12日(2012.1.12)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2011−178404(P2011−178404)
【出願日】平成23年8月17日(2011.8.17)
【分割の表示】特願2006−514896(P2006−514896)の分割
【原出願日】平成16年5月19日(2004.5.19)
【出願人】(505005049)スリーエム イノベイティブ プロパティズ カンパニー (2,080)
【Fターム(参考)】