耳式体温計
【課題】電池容量を増やすことなく、バックライトで液晶を照射して、暗い所でも液晶による体温表示を見易くする。
【解決手段】MCU1は体温測定部3で測定した体温を液晶表示部5に表示し、この液晶表示から第1の所定時間の間、バックライト照射部7から液晶表示部5を照射するバックライトの光量が最大となるように入出力ポートP1、P2を介してバックライト照射部7を制御し、続く第2の所定時間の間、バックライトの光量が最大光量よりも低い所定の光量となるようにバックライト照射部7を制御し、第2の所定時間の経過後、バックライトの光量が零となるようにバックライト照射部7を制御する。
【解決手段】MCU1は体温測定部3で測定した体温を液晶表示部5に表示し、この液晶表示から第1の所定時間の間、バックライト照射部7から液晶表示部5を照射するバックライトの光量が最大となるように入出力ポートP1、P2を介してバックライト照射部7を制御し、続く第2の所定時間の間、バックライトの光量が最大光量よりも低い所定の光量となるようにバックライト照射部7を制御し、第2の所定時間の経過後、バックライトの光量が零となるようにバックライト照射部7を制御する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、耳孔深部から放射される赤外線を検知して体温を測定する耳式体温計に関し、更に詳しくは、液晶による体温の表示を暗い所でも見やすくするバックライトの照射を省電力で行うことを可能とする耳式体温計に関する。
【背景技術】
【0002】
耳式体温計は、赤外線センサの実装されたプローブを耳に差し込むことにより、例えば1秒などの短時間で体温を測定できるため、泣き易かったり、寝ていたり、じっとしていないような幼児や赤ん坊などの体温を測定するのに非常に有効である。
【0003】
耳式体温計で測定した体温は、通常、小型化、低消費電力、軽量化などの観点から液晶で表示される。液晶による表示は、明るいところでは十分であるが、暗いところでは見難いという問題がある。特に、上述したように、幼児や赤ん坊などの体温を測定する場合は、幼児や赤ん坊などが寝ていたりなどして、比較的暗いような状況で体温を測定する場合も多々あるため、暗いところでも体温表示を見易くすることが重要である。
【0004】
このように暗いところでも液晶による体温表示を見易くするために、バックライトで液晶を照射することが有効であるが、液晶をバックライトで照射すると、バックライトの点灯のために多大の消費電力が必要となる。具体的には、液晶のバックライト付き耳式体温計では、例えば全消費電力の75%以上がバックライトの点灯用に消費されるため、耳式体温計の電池容量を増大することが必要となる。このために、従来の耳式体温計では、例えば通常使用されているボタン型電池または単4型電池の数を1個から2個などに増やすなどしている。
【特許文献1】特開2007-111363号公報
【特許文献2】特開2005-65866号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上述したように暗いところでも液晶による体温表示を見易くするために、液晶をバックライトで照射すると、バックライトの点灯のために多大の消費電力が必要となり、従来の耳式体温計では、使用している電池の数を増やすことが必要であるため、耳式体温計の価格が増大するだけでなく、耳式体温計の形状や重量が増大し、使用しにくいものとなっているという問題がある。
【0006】
また、電池の数を増やさないと、バックライトによる多大な消費電力のために電池の消耗が激しく、その交換が頻繁となり、使用しにくくなり、実用的でないという問題がある。
【0007】
本発明は、上記に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、電池容量を増やすことなく、バックライトで液晶を照射して、暗い所でも液晶による体温表示を見易くした耳式体温計を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を達成するため、請求項1記載の耳式体温計は、耳孔深部から放射される赤外線を検知して体温を測定する体温測定部と、この測定した体温を表示する液晶表示部と、この液晶表示部にバックライトを照射するバックライト照射部と、前記測定した体温を液晶表示部に表示させるとともに、バックライト照射部から液晶表示部を照射するバックライトの光量が最大光量から消灯まで段階的に変化するようにバックライト照射部を駆動制御する駆動制御部とを有することを要旨とする。
【0009】
請求項1記載の耳式体温計では、液晶表示部に表示された体温をバックライトで照射するにあたり、バックライトの光量が最大光量から消灯まで段階的に変化するようにバックライト照射部を駆動制御するため、バックライト照射による電力消費を大幅に低減できることに加えて、測定された体温の液晶表示は少なくとも最初は最大光量のバックライトで照射されるため、使用者は暗い所でも体温の液晶表示を明確に視認することができる。
【0010】
請求項2記載の耳式体温計は、耳孔深部から放射される赤外線を検知して体温を測定する体温測定部と、この測定した体温を表示する液晶表示部と、この液晶表示部にバックライトを照射するバックライト照射部と、前記測定した体温を液晶表示部に表示させるとともに、この表示から第1の所定時間の間、バックライト照射部から液晶表示部を照射するバックライトの光量が最大となるようにバックライト照射部を駆動制御し、該第1の所定時間に続く第2の所定時間の間、バックライト照射部から液晶表示部を照射するバックライトの光量が前記最大光量よりも低い所定の光量となるようにバックライト照射部を駆動制御し、前記第2の所定時間の経過後、バックライト照射部から液晶表示部を照射するバックライトの光量が零となるようにバックライト照射部を駆動制御する駆動制御部とを有することを要旨とする。
【0011】
請求項2記載の耳式体温計では、測定した体温の液晶表示から第1の所定時間の間、バックライトの光量を最大とし、続く第2の所定時間の間、最大光量よりも低い所定の光量とし、第2の所定時間の経過後、バックライトの光量が零となるように制御するため、バックライト照射による電力消費を大幅に低減できることに加えて、測定された体温の液晶表示は最初の所定時間の間は最大光量のバックライトで照射されるため、使用者は暗い所でも体温の液晶表示を明確に視認することができる。
【0012】
請求項3記載の耳式体温計は、前記駆動制御部が、第1の所定時間の間、液晶表示部にバックライトを連続的に照射するようにバックライト照射部を制御し、第2の所定時間の間、液晶表示部にバックライトを所定のオン/オフ比率で断続的に照射するようにバックライト照射部を所定のオン/オフ比率で断続的に制御し、第2の所定時間の経過後、液晶表示部に対するバックライトを消灯するようにバックライト照射部を制御するように構成されていることを要旨とする。
【0013】
請求項3記載の耳式体温計では、第1の所定時間の間、バックライトを連続的に照射し、第2の所定時間の間、バックライトを所定のオン/オフ比率で断続的に照射し、第2の所定時間の経過後、バックライトを消灯するように制御するため、バックライト照射による電力消費を大幅に低減できることに加えて、測定された体温の液晶表示は最初の所定時間の間はバックライトで連続的に照射されるため、使用者は暗い所でも体温の液晶表示を明確に視認することができる。
【0014】
請求項4記載の耳式体温計は、前記バックライト照射部が、発光ダイオードを有することを要旨とする。
【0015】
請求項4記載の耳式体温計では、バックライト照射部として発光ダイオードを使用しているため、耳式体温計を小型化することができる。
【0016】
請求項5記載の耳式体温計は、前記駆動制御部によるバックライト照射部に対する所定のオン/オフ比率での断続的駆動制御は、30Hz以上の繰り返し周波数で行われることを要旨とする。
【0017】
請求項5記載の耳式体温計では、バックライト照射部に対する所定のオン/オフ比率での断続的駆動制御は、30Hz以上の繰り返し周波数で行われるため、バックライトを発生するLEDが断続的にオン/オフしても、人間の目には連続的に見え、LEDの断続、すなわち点滅は分からない。
【0018】
請求項6記載の耳式体温計は、前記体温測定部への電源供給開始から所定の時間の間は、体温測定部への電源供給を所定の小さいオン/オフ比率から所定の大きいオン/オフ比率に徐々に増大するように変化させながら断続的に行い、所定の時間の経過後、体温測定部への電源供給を連続的に行うように制御する電源供給制御部を有することを要旨とする。
【0019】
請求項6記載の耳式体温計では、体温測定部への電源供給開始から所定の時間の間は、体温測定部への電源供給を所定の小さいオン/オフ比率から所定の大きいオン/オフ比率に徐々に増大するように変化させながら断続的に行い、所定の時間の経過後、体温測定部への電源供給を連続的に行うため、体温測定部に対する電源供給のパワーオンソフトスタート動作を円滑に行うことができ、体温の測定を適確に行うことができるとともに制御系が不安定な動作を行うことを防止することができる。
【0020】
請求項7記載の耳式体温計は、前記体温測定部への電源供給を、該電源供給開始から第1の所定時間の間は、第1の所定のオン/オフ比率で断続的に繰り返し行い、該第1の所定時間に続く第2の所定時間の間は、前記第1の所定のオン/オフ比率よりも大きい第2の所定のオン/オフ比率で断続的に繰り返し行い、該第2の所定時間に続く第3の所定時間の間は、前記第2の所定のオン/オフ比率よりも更に大きい第3の所定のオン/オフ比率で断続的に繰り返し行い、前記第3の所定時間の経過後、体温測定部への電源供給を連続的に行う電源供給制御部を有することを要旨とする。
【0021】
請求項7記載の耳式体温計では、電源供給開始から第1の所定時間の間は、体温測定部への電源供給を第1の所定のオン/オフ比率で断続的に繰り返し行い、続く第2の所定時間の間は、より大きい第2の所定のオン/オフ比率で断続的に繰り返し行い、続く第3の所定時間の間は、更に大きい第3の所定のオン/オフ比率で断続的に繰り返し行い、第3の所定時間の経過後、体温測定部への電源供給を連続的に行うため、体温測定部に対する電源供給のパワーオンソフトスタート動作を円滑に行うことができ、体温の測定を適確に行うことができるとともに制御系が不安定な動作を行うことを防止することができる。
【発明の効果】
【0022】
本発明によれば、液晶表示された体温をバックライトで照射するにあたり、バックライトの光量が最大光量から消灯まで段階的に変化するようにバックライト照射部を駆動制御するので、バックライト照射による電力消費を大幅に低減できることに加えて、測定された体温の液晶表示は少なくとも最初は最大光量のバックライトで照射されるため、使用者は暗い所でも体温の液晶表示を明確に視認することができる。
【0023】
また、本発明によれば、体温測定部への電源供給開始から所定の時間の間は、体温測定部への電源供給を所定の小さいオン/オフ比率から所定の大きいオン/オフ比率に徐々に増大するように変化させながら断続的に行い、所定の時間の経過後、体温測定部への電源供給を連続的に行うので、体温測定部に対する電源供給のパワーオンソフトスタート動作を円滑に行うことができ、体温の測定を適確に行うことができるとともに制御系が不安定な動作を行うことを防止することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0024】
以下、図面を用いて、本発明を実施するための最良の形態(以下、実施形態と称する)を説明する。
【0025】
図1は、本発明の一実施例に係わる耳式体温計の制御系の全体構成を示すブロック図である。同図に示す耳式体温計は、全体の動作を制御するためにマイクロプロセッサを用いたマイクロコントローラ(以下MCUと略称する)1を有し、このMCU1には測温対象者の体温を測定する体温測定部3、この体温測定部3で測定した体温を液晶で表示する液晶表示部5、この液晶表示部5の液晶表示にバックライトを照射して液晶表示を明るく見せるバックライト照射部7が接続されている。
【0026】
また、MCU1は、例えばボタン型リチウム電池などからなる電源電池11から電圧VDDを供給されて動作する。なお、この電池11に並列に接続されているコンデンサ13は、電池11の電源インピーダンスを低減するためのものである。
【0027】
体温測定部3は、耳孔深部から放射される赤外線を検知するサーモパイル型赤外線センサ31と、この赤外線センサ31からの検知信号、すなわち赤外線センサ31で検知された測温対象者の体温に対応するアナログ信号をデジタル信号に変換し、このデジタル信号をデジタル体温信号としてMCU1に供給するアナログ−デジタル変換回路(A-D変換回路)33とを有する。赤外線センサ31は、直列接続された電池と抵抗からなる等価回路で示されているサーモパイル31aと温度補償用のサーミスタ31bから構成されている。
【0028】
体温測定部3は、電源電圧として電圧VCCをMCU1の制御により供給されて動作するようになっているが、この電圧VCCは、MCU1の並列接続された入出力ポートP3、P4、P5においてMCU1の制御により生成され、体温測定部3に供給される。なお、MCU1の並列接続された入出力ポートP3、P4、P5には、コンデンサ15が接続されているが、このコンデンサ15は、A-D変換回路33のデカップリング用であり、A−D変換回路33に動作電圧VCCを供給する電源のインピーダンスを低減しているものである。
【0029】
また、MCU1には、その入出力ポートP6を介してスタートスイッチ9が接続されているが、このスタートスイッチ9を操作することにより、MCU1に割り込みがかかり、これによりMCU1が体温測定部3に対する電源供給動作、すなわちパワーオン動作を行うとともに、体温測定動作を開始するようになっている。
【0030】
なお、MCU1は、電池11を実装してから、一定時間経過後、スタンバイ状態になり、スタンバイ状態になると、MCU1は、内部発振器を停止し、MCU1の消費電流は最小となる。このスタンバイ状態での最小消費電流は、MCU1の内部電圧検出回路の動作電流とMCU1の内部回路のリーク電流の和である。MCU1は、スタンバイ状態においてはスタートスイッチ9からの割り込みのみを受け付け、上述したように、体温測定部3に対するパワーオンスタート動作を行うとともに、体温測定動作を開始するようになっている。
【0031】
バックライト照射部7は、発光ダイオード(以下、LEDと略称する)で構成されるが、このLEDによるバックライト照射の消費電力を低減するためのLED照射タイミングをMCU1で生成するために、バックライト照射部7は、MCU1のオープンドレインの入出力ポートP1、P2に接続されている。このLED照射タイミングとは、LEDによる消費電力を低減するために、測温対象者の測定した体温を測定完了直後から例えば10秒などの所定時間のみ、最大光量でLEDによる照射を行って体温を明るく表示して見やすくし、その後は、すなわち明るく表示された体温を測温対象者が読み取ったと思われる以降は、体温表示を視認できる程度に光量を低減して暗くし、例えば30秒などの所定時間が経過すると消灯してLEDのバックライトによる照射を停止するというものである。
【0032】
図2は、図1に示した実施形態の耳式体温計の外観を示す斜視図である。同図に示すように、耳式体温計は、測温対象者の体温を測定しやすいように手で持ち易い細長い形状に構成され、その一端にはプローブ131が設けられ、中程には前記液晶表示部5およびスタートスイッチ9が設けられている。
【0033】
プローブ131は、測温対象者の体温を測定するために測温対象者の耳孔に挿入されるものであるが、このプローブ131内には前記赤外線センサ31が内蔵されている。従って、このプローブ131を測温対象者の耳孔に挿入すると、このプローブ131内の赤外線センサ31が測温対象者の耳孔深部から放射される赤外線を検知し、この検知信号を前記A−D変換回路33に供給するようになっている。なお、A−D変換回路33は、赤外線センサ31から供給される検知信号であるアナログ信号、具体的には測温対象者の体温に対応するアナログ信号をデジタル信号に変換し、MCU1に供給する。
【0034】
図3および図4は、それぞれ図1、2に示した実施形態の耳式体温計の内部構造の一部を示す斜視図および側部断面図である。図3、4に示すように、本実施形態の耳式体温計の主要な部品の一部である液晶表示部5および前記バックライト照射部7を構成する発光ダイオード(LED)71は、基板91の上に搭載されている。具体的には、基板91の上には、液晶表示部用のフレーム93が取り付けられ、このフレーム93の大きく開いた窓部に液晶表示部5が取り付けられている。
【0035】
また、図4に示す側部断面図から分かるように、液晶表示部5の下、すなわち液晶表示部5と基板91との間には導光板73が配設されている。更に、図3、4において導光板73の左側の基板91の上にはLED71が実装されている。そして、このLED71からの光は、導光板73の左端からその内部に侵入し、導光板73の傾斜した下面で均等に分散するように上方に反射され、この反射光が液晶表示部5に対するバックライトとして液晶表示部5の全体を下方から均等に照射し、液晶表示部5の表示を明るく見やすいものにしている。
【0036】
図5は、図1に示した耳式体温計に使用されている前記バックライト照射部7の具体的な回路構成と該バックライト照射部7が接続されるMCU1の入出力ポートP1、P2の内部の詳細な回路構成を示す回路図である。
【0037】
図5に示すように、バックライト照射部7は、LED71のアノードが抵抗75を介してMCU1の動作電圧VDDに接続され、LED71のカソードがMCU1の2つの入出力ポートP1、P2に接続されるとともに、この直列接続されたLED71と抵抗75の両端には抵抗77が並列に接続されて構成されている。抵抗75は、LED71に流れる電流を規定するものであり、抵抗77は、MCU1の入出力ポートP1、P2が不定になることを防止するプルアップ抵抗である。
【0038】
LED71のカソードに接続されたMCU1の入出力ポートP1、P2は、それぞれMCU1内においてNチャンネルMOSFET111、121のドレインに接続されている。このMOSFET111、121のソースは、アース接続され、ゲートは、それぞれNOR回路113、123の出力に接続されている。また、NOR回路113、123の一方の入力には、それぞれ出力信号SO1、SO2が供給され、他方の入力には、それぞれ出力禁止信号SK1、SK2が供給されている。
【0039】
更に、MOSFET111、121のドレインは、それぞれNAND回路115、125の一方の入力に接続されている。このNAND回路115、125の他方の入力には、それぞれ入力許可信号SP1、SP2が供給され、NAND回路115、125の出力は、それぞれ入出力ポートP1、P2から入力される外部からの入力信号を入力信号SI1、SI2としてMCU1内に供給するようになっている。
【0040】
このような回路構成において、LED71によるバックライト照射における消費電力の低減動作について図6に示すLED照射タイミングを参照して説明する。
【0041】
体温測定部3で測定された測温対象者の体温は、体温測定部3からMCU1を介して液晶表示部5に供給され、液晶表示部5で液晶表示される。この単に液晶表示された体温は、例えば暗い所では見難いため、バックライト照射部7のLED71からの光をバックライトとして液晶表示部5を照射することにより、液晶表示を明るく照射して暗い所でも見やすくすることができるが、LED71からの光で液晶表示部5をバックライト照射すると、LED71における消費電力が大幅に増大し、電圧VDDを供給する電池11の寿命が著しく短くなるとともに、場合によっては電池の数を増やさなければならなくなる。
【0042】
そこで、本実施形態では、このような電池寿命の短縮化や電池数の増大を回避しながらも、液晶表示部5による液晶表示をバックライト照射して見やすくすることを可能とするために、図6に示すようなLED照射タイミングに従ってLED71を駆動制御し、該LED71により液晶表示部5をバックライト照射している。
【0043】
更に詳しくは、このLED照射タイミングは、液晶表示部5による液晶表示をバックライト照射して暗い所でも体温表示を明るくして見やすくし、この明るく表示された体温を測温対象者が読み取った後は、バックライト照射で明るくする必要はないので、測温対象者が体温を読み取ったと推定される時間経過後は、バックライト照射を低減し、これにより電池寿命の短縮化や電池数の増大を回避している。
【0044】
このLED照射タイミングは、図6に示すように、測温対象者の測定した体温を測定完了した時刻T0から例えば10秒が経過した時刻T1までの第1の所定時間の間のみ、LED71に最大電流を流すようにLED71を連続的に駆動することで最大光量でバックライト照射を液晶表示部5に対して行って体温を明るく液晶表示して見やすくする。なお、このように体温が明るく表示された時に体温を読み取れば、暗い所でも容易に読み取ることができる。
【0045】
それから、時刻T1から例えば30秒などが経過した時刻T2までの第2の所定時間の間は、LED71を所定のオン/オフ比率で、具体的には図6に示すように約1/3のオン/オフ比率で断続的に駆動して、光量を例えば最大光量の1/3程度に低減して視認できる程度に暗くして省電力化を図る。そして、時刻T2が経過すると、LED71の駆動を停止し、LED71からのバックライトによる照射を停止するというものである。
【0046】
上述した動作をバックライト照射部7のLED71に行わせしめるために、MCU1は、まず入出力ポートP1、P2の出力禁止信号SK1、SK2を「0」に設定する。それから、MCU1は、図6の時刻T0からT1の間、LED71に電流を連続的に流してLED71からのバックライト光量を最大にするために入出力ポートP1、P2の出力信号SO1、SO2としてNOR回路113、123の一方の入力に「0」を供給する。この結果、NOR回路113、123の出力は、「1」となり、これにより入出力ポートP1、P2のMOSFET111、121は共にオンとなる。
【0047】
入出力ポートP1、P2のMOSFET111、121が共にオンになると、バックライト照射部7のLED71には電圧VDDから抵抗75、LED71、MOSFET111、121を介してアースに至る経路で電流が流れ、これによりLED71は発光し、この光がバックライトとして液晶表示部5を照射し、最初の時刻T0から時刻T1までの例えば10秒の間、液晶表示部5による体温の液晶表示を暗い所でも明るく見えるようにしている。なお、上記経路でLED71に流れる電流は、入出力ポートP1、P2における電圧降下を無視すると、電圧VDDからLED71のオン電圧VD71を引いた電圧を抵抗75の抵抗値で割った値である。
【0048】
なお、LED71を駆動して発光させるには、1つの入出力ポートP1のMOSFET111のみをオンにするだけでもよいが、2つの入出力ポートP1、P2の2つのMOSFET111、121をオンさせることにより、MOSFET111、121の内部抵抗による影響、すなわち電圧降下を低減している。また、上記動作において、入出力ポートP1、P2の入力許可信号SP1、SP2は、本動作に直接関係しないので、どのような信号でもよい。
【0049】
次に、図6に示すように、時刻T1を経過し、時刻T1から時刻T2の間になると、MCU1は、LED71からの液晶表示部5に対するバックライトの照射光量を前記最大光量の約1/3の光量程度に低減して省電力化を図るべく図6の時刻T1から時刻T2に示すように、LED71を約1/3のオン/オフ比率で断続的に駆動するように制御する。
【0050】
MCU1は、この約1/3のオン/オフ比率での断続的駆動を行うために、入出力ポートP1、P2の出力信号SO1、SO2として、図6の時刻T1から時刻T2で示すように、約1/3のオン/オフ比率でオンとオフを断続的に繰り返す出力信号SO1、SO2をNOR回路113、123の一方の入力に供給し、この約1/3のオン/オフ比率の出力信号SO1、SO2でMOSFET111、121をオン/オフ制御し、このMOSFET111、121のオン/オフ動作でLED71を駆動する。この結果、LED71から発するバックライトは、光量が前記最大電流の場合の約1/3に低減され、このように光量が約1/3に低減されたバックライトで照射された液晶表示部5の液晶表示は、例えば視認できる程度に暗く表示され、これにより省電力化を図っている。
【0051】
なお、前記約1/3のオン/オフ比率で断続的に繰り返される出力信号SO1、SO2の繰り返し周波数は、該出力信号SO1、SO2で駆動されるLED71の点滅が人間の目に分からないように例えば30Hz以上であることが望ましい。
【0052】
次に、時刻T2が経過すると、具体的には、体温の液晶表示が開始された時刻T0から例えば30秒などが経過した時刻T2以降は、MCU1によるバックライト照射部7のLED71の駆動を停止し、LED71による液晶表示部5に対するバックライトの照射を停止し、これによりバックライト照射部7による電力消費を完全に停止している。
【0053】
次に、本実施形態におけるパワーオンソフトスタート動作について図7を参照して説明する。
【0054】
図7は、パワーオンソフトスタート動作を行うための関連回路であるMCU1内の入出力ポートP3、P4、P5の内部回路の構成を示す回路図である。
【0055】
更に詳しくは、本実施形態のパワーオンソフトスタート動作は、図1に示すスタートスイッチ9を操作すると、MCU1に対してスタートスイッチ9から割り込みがかかり、MCU1の制御により、具体的にはMCU1内のメモリに記憶されたプログラムの制御により図1の体温測定部3に対する動作電圧VCCを電圧VDDから供給する際に行われるが、このパワーオンソフトスタート動作は、MCU1の入出力ポートP3、P4、P5の内部回路のスイッチングにより行っている。なお、本実施形態では、体温測定部3に対する動作電圧VCCを電圧VDDから供給する場合におけるスイッチング素子である後述するPチャンネルMOSFET137における電圧降下を低減するために3つの入出力ポートP3、P4、P5を並列接続している。
【0056】
MCU1の入出力ポートP3、P4、P5の内部回路の構成は、すべて同じものであるので、図7では、1つの入出力ポートP3についてのみ図示し説明するが、この回路構成と同じ3つの入出力ポートP3、P4、P5が並列接続されて、コンデンサ15に接続され、このコンデンサ15の両端の電圧が体温測定部3に対する動作電圧VCCとしてコンデンサ15を介して図1に示すように体温測定部3に電圧VCCとして供給されている。なお、コンデンサ15は、上述したように、体温測定部3のデカップリング用であり、体温測定部3に動作電圧VCCを供給する電源のインピーダンスを低減しているものである。
【0057】
図7に示す入出力ポートP3の内部回路においては、入出力ポートP3がNチャンネルMOSFET131のドレインとPチャンネルMOSFET137のドレインとの接続点に接続されている。MOSFET131のソースは、アース接続され、MOSFET137のソースは、電圧VDDに接続され、これによりMOSFET137がオンになると、MOSFET137のドレインに接続された電圧VDDがMOSFET137および入出力ポートP3を介して体温測定部3の動作電圧VCCとして体温測定部3に供給されるようになっている。
【0058】
MOSFET131のゲートは、NOR回路133の出力に接続され、このNOR回路133の一方の入力には出力信号SO3が入力され、他方の入力には出力禁止信号SK3が入力されている。また、MOSFET137のゲートは、NAND回路139の出力に接続され、このNAND回路139の一方の入力には出力信号SO3が入力され、他方の入力にはインバータ138を介して出力禁止信号SK3が入力されている。
【0059】
また、入出力ポートP3は、抵抗132とPチャンネルMOSFET136の直列回路を介して電圧VDDにプルアップされている。このMOSFET136のゲートは、インバータ134を介してプルアップ制御信号SCを供給されている。更に、入出力ポートP3は、NAND回路135の一方の入力に接続され、このNAND回路135の他方の入力には入力許可信号SP3が入力され、NAND回路135は、出力信号として入力信号SI3を出力している。
【0060】
上述した回路構成において、パワーオンソフトスタート動作は、図1に示すスタートスイッチ9が例えば測温対象者により操作されると、このスタートスイッチ9からMCU1に割り込みがかかり、MCU1の制御により開始する。
【0061】
まず、MCU1は、図7に示す出力禁止信号SK3を「0」に設定するとともに、入出力ポートP3の出力信号SO3を「1」に設定する。この結果、出力禁止信号SK3の「0」信号によりNOR回路133の他方の入力に「0」が供給され、インバータ138を介してNAND回路139の他方の入力に「1」が入力され、これにより入出力ポートP3の書き込み禁止状態が解除されるとともに、出力信号SO3の「1」信号によりNAND回路139の出力は「0」となって、MOSFET137がオンになると同時に、NOR回路133の出力は「0」となり、MOSFET131がオフになる。
【0062】
このようにMOSFET137がオンになり、MOSFET131がオフになると、MOSFET137のドレインに供給されている電圧VDDがMOSFET137、入出力ポートP3を介してコンデンサ15に充電されながら、この電圧VDDはコンデンサ15に充電された電圧とともに電圧VCCとして体温測定部3に供給される。なお、この状態をMOSFET137=オン、MOSFET131=オフの電圧供給状態と称することにする。
【0063】
また、このMOSFET137=オン、MOSFET131=オフの電圧供給状態において出力禁止信号SK3を「1」に設定すると、NAND回路139の出力は「1」になり、NOR回路133の出力は「0」となるので、MOSFET137およびMOSFET131は共にオフとなり、MOSFET137のドレインに供給されている電圧VDDはオフ状態のMOSFET137で遮断され、コンデンサ15への充電もないし、また電圧VCCとして体温測定部3に供給されることもない。なお、この状態をMOSFET137=オフ、MOSFET131=オフの電圧不供給状態と称することにする。
【0064】
図8は、パワーオンソフトスタート動作のタイミング図であり、詳しくは、上述したMOSFET137=オン、MOSFET131=オフの電圧供給状態とMOSFET137=オフ、MOSFET131=オフの電圧不供給状態との比率を段階的に増大させるように可変しながら最後には電圧供給状態を連続的に行い、これによりパワーオンソフトスタート動作を行うタイミングを示しているものである。
【0065】
図8においては、電圧供給状態と電圧不供給状態が断続的にパルス状に繰り返しているが、詳しくは、スタートスイッチ9の操作でMCU1に割り込みがかかり、これによりMCU1の制御によりパワーオンソフトスタート動作が開始する時刻t0から時刻t1の最初の所定時間の間は、電圧供給状態と電圧不供給状態の比率を例えば約1/4のように低い比率とし、電圧VDDの供給を少ないものにしている。このように電圧供給状態を短時間にすると、電圧VDDからMOSFET137を介してコンデンサ15を充電するラッシュカレントを緩和することができ、コンデンサ15は徐々に充電されながら電圧VCCに向かって上昇する。すなわち、パワーオンソフトスタート動作を開始する。
【0066】
次に、時刻t1から時刻t2の次の所定時間の間は、電圧供給状態と電圧不供給状態の比率を例えば約1/2のように少し高い比率に設定して、電圧VDDの供給を増やし、更に次の時刻t2から時刻t3の所定時間の間は、電圧供給状態と電圧不供給状態の比率を例えば約3/4のようにかなり高い比率として、電圧VDDの供給を更に増やす。このようにして、コンデンサ15への充電を徐々に増大しながら電圧VCCに向かって更に上昇させ、時刻t3以降になると、電圧供給状態を100%として、電圧VDDを連続的に供給するようにしている。
【0067】
このように電圧供給状態と電圧不供給状態との比率を約1/4、1/2、3/4のように段階的かつ増大させるように可変しながら最後には電圧を連続的に供給するようにパワーオンソフトスタート動作を行うことにより、パワーオンスタート時における電池の電圧VDDの電圧降下を著しく改善することができる。
【0068】
具体的に説明すると、図10は、パワーオンソフトスタート動作がない場合においてパワーオンスタート時に電圧VCCとして体温測定部3に供給される電圧VDDの電圧降下を示す電圧波形図である。図10では、約1msにわたって電圧VDDの瞬時的な電圧降下が確認される。
【0069】
なお、この電圧降下は、MOSFET137がオンになった時にコンデンサ15を充電することにより発生するものである。また、この電圧降下は、コンデンサ15を充電するための電池11の放電により電池11の内部インピーダンスが増大し、電池11に並列接続されているコンデンサ13でも電池11の内部インピーダンスの上昇を防止できないことを示しているものである。このような状態が発生すると、例えばMCU1の内部電圧検出回路が動作してリセット状態となり、パワーオンスタート動作ができなかったり、不安定な動作となり、耳式体温計として必要な測定回数も確保できないことがある。従って、パワーオンソフトスタート動作が確実に行うことが重要となるのである。なお、パワーオンソフトスタート動作に要する時間であるコンデンサ15の充電時間は、約0.2秒程度であるので、パワーオンスタート動作にこの程度の時間がかかっても支障はないものである。
【0070】
図9は、上述したパワーオンソフトスタート動作を行った場合の電圧VDDの電圧降下を示す電圧波形図である。図9から分かるように、上述したパワーオンソフトスタート動作を行うことにより、電池11による電圧VDDの電圧降下が著しく改良されることが分かる。
【0071】
MCU1は、上述したように、スタートスイッチ9の操作により割り込みがかかり、これによりパワーオンソフトスタート動作、体温測定動作などの各種動作を開始するというように1つのスタートスイッチ9によりパワーオンソフトスタート動作用のスイッチと体温測定動作用のスイッチを兼用している。例えば図11を参照するに、MCU1は、このスタートスイッチ9からの割り込みにより起動された後、このスタートスイッチ9の動作を監視し、スタートスイッチ9が長押しされたものであるか、単に短く押されたものであるか、連続的に所定時間以上長く押されたものであるか等を判定することができる。そして、MCU1は、この判定結果に基づいて、すなわちスタートスイッチ9が長押しされたものであるか、単に短く押されたものであるか、連続的に所定時間以上長く押されたものであるかの判定結果に基づいて、種々の動作、例えば最大光量を変化させたり、バックライトの使用を選択させたりなどの種々の動作を選択的に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0072】
【図1】本発明の一実施例に係わる耳式体温計の制御系の全体構成を示すブロック図である。
【図2】図1に示した実施形態の耳式体温計の外観を示す斜視図である。
【図3】図1、2に示した実施形態の耳式体温計の内部構造の一部を示す斜視図である。
【図4】図1、2に示した実施形態の耳式体温計の内部構造の一部を示す側部断面図である。
【図5】図1に示した実施形態の耳式体温計に使用されているバックライト照射部の具体的な回路構成と該バックライト照射部が接続されるMCUの入出力ポートの内部の詳細な回路構成を示す回路図である。
【図6】バックライト照射における消費電力の低減動作を行うためのLED照射タイミングを示す図である。
【図7】図1に示した実施形態の耳式体温計においてパワーオンソフトスタートを行うための関連回路であるMCU内の入出力ポートの内部回路の構成を示す回路図である。
【図8】パワーオンソフトスタート動作のタイミング図である。
【図9】パワーオンソフトスタート動作を行った場合の電圧VDDの電圧降下を示す電圧波形図である。
【図10】パワーオンソフトスタート動作がない場合の電圧VDDの電圧降下を示す電圧波形図である。
【図11】スイッチ操作と各動作状態とを示すためのタイミング図である。
【符号の説明】
【0073】
1 MCU
3 体温測定部
5 液晶表示部
7 バックライト照射部
9 スタートスイッチ
11 電池
13,15 コンデンサ
31 サーモパイル型赤外線センサ
31a サーモパイル
31b サーミスタ
33 A-D変換回路
71 発光ダイオード(LED)
73 導光板
75,77 抵抗
111,123,131,136,137 MOSFET
113,123,133 NOR回路
115,125,135,139 NAND回路
134,138 インバータ
P1-P6 MCUの入出力ポート
【技術分野】
【0001】
本発明は、耳孔深部から放射される赤外線を検知して体温を測定する耳式体温計に関し、更に詳しくは、液晶による体温の表示を暗い所でも見やすくするバックライトの照射を省電力で行うことを可能とする耳式体温計に関する。
【背景技術】
【0002】
耳式体温計は、赤外線センサの実装されたプローブを耳に差し込むことにより、例えば1秒などの短時間で体温を測定できるため、泣き易かったり、寝ていたり、じっとしていないような幼児や赤ん坊などの体温を測定するのに非常に有効である。
【0003】
耳式体温計で測定した体温は、通常、小型化、低消費電力、軽量化などの観点から液晶で表示される。液晶による表示は、明るいところでは十分であるが、暗いところでは見難いという問題がある。特に、上述したように、幼児や赤ん坊などの体温を測定する場合は、幼児や赤ん坊などが寝ていたりなどして、比較的暗いような状況で体温を測定する場合も多々あるため、暗いところでも体温表示を見易くすることが重要である。
【0004】
このように暗いところでも液晶による体温表示を見易くするために、バックライトで液晶を照射することが有効であるが、液晶をバックライトで照射すると、バックライトの点灯のために多大の消費電力が必要となる。具体的には、液晶のバックライト付き耳式体温計では、例えば全消費電力の75%以上がバックライトの点灯用に消費されるため、耳式体温計の電池容量を増大することが必要となる。このために、従来の耳式体温計では、例えば通常使用されているボタン型電池または単4型電池の数を1個から2個などに増やすなどしている。
【特許文献1】特開2007-111363号公報
【特許文献2】特開2005-65866号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上述したように暗いところでも液晶による体温表示を見易くするために、液晶をバックライトで照射すると、バックライトの点灯のために多大の消費電力が必要となり、従来の耳式体温計では、使用している電池の数を増やすことが必要であるため、耳式体温計の価格が増大するだけでなく、耳式体温計の形状や重量が増大し、使用しにくいものとなっているという問題がある。
【0006】
また、電池の数を増やさないと、バックライトによる多大な消費電力のために電池の消耗が激しく、その交換が頻繁となり、使用しにくくなり、実用的でないという問題がある。
【0007】
本発明は、上記に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、電池容量を増やすことなく、バックライトで液晶を照射して、暗い所でも液晶による体温表示を見易くした耳式体温計を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を達成するため、請求項1記載の耳式体温計は、耳孔深部から放射される赤外線を検知して体温を測定する体温測定部と、この測定した体温を表示する液晶表示部と、この液晶表示部にバックライトを照射するバックライト照射部と、前記測定した体温を液晶表示部に表示させるとともに、バックライト照射部から液晶表示部を照射するバックライトの光量が最大光量から消灯まで段階的に変化するようにバックライト照射部を駆動制御する駆動制御部とを有することを要旨とする。
【0009】
請求項1記載の耳式体温計では、液晶表示部に表示された体温をバックライトで照射するにあたり、バックライトの光量が最大光量から消灯まで段階的に変化するようにバックライト照射部を駆動制御するため、バックライト照射による電力消費を大幅に低減できることに加えて、測定された体温の液晶表示は少なくとも最初は最大光量のバックライトで照射されるため、使用者は暗い所でも体温の液晶表示を明確に視認することができる。
【0010】
請求項2記載の耳式体温計は、耳孔深部から放射される赤外線を検知して体温を測定する体温測定部と、この測定した体温を表示する液晶表示部と、この液晶表示部にバックライトを照射するバックライト照射部と、前記測定した体温を液晶表示部に表示させるとともに、この表示から第1の所定時間の間、バックライト照射部から液晶表示部を照射するバックライトの光量が最大となるようにバックライト照射部を駆動制御し、該第1の所定時間に続く第2の所定時間の間、バックライト照射部から液晶表示部を照射するバックライトの光量が前記最大光量よりも低い所定の光量となるようにバックライト照射部を駆動制御し、前記第2の所定時間の経過後、バックライト照射部から液晶表示部を照射するバックライトの光量が零となるようにバックライト照射部を駆動制御する駆動制御部とを有することを要旨とする。
【0011】
請求項2記載の耳式体温計では、測定した体温の液晶表示から第1の所定時間の間、バックライトの光量を最大とし、続く第2の所定時間の間、最大光量よりも低い所定の光量とし、第2の所定時間の経過後、バックライトの光量が零となるように制御するため、バックライト照射による電力消費を大幅に低減できることに加えて、測定された体温の液晶表示は最初の所定時間の間は最大光量のバックライトで照射されるため、使用者は暗い所でも体温の液晶表示を明確に視認することができる。
【0012】
請求項3記載の耳式体温計は、前記駆動制御部が、第1の所定時間の間、液晶表示部にバックライトを連続的に照射するようにバックライト照射部を制御し、第2の所定時間の間、液晶表示部にバックライトを所定のオン/オフ比率で断続的に照射するようにバックライト照射部を所定のオン/オフ比率で断続的に制御し、第2の所定時間の経過後、液晶表示部に対するバックライトを消灯するようにバックライト照射部を制御するように構成されていることを要旨とする。
【0013】
請求項3記載の耳式体温計では、第1の所定時間の間、バックライトを連続的に照射し、第2の所定時間の間、バックライトを所定のオン/オフ比率で断続的に照射し、第2の所定時間の経過後、バックライトを消灯するように制御するため、バックライト照射による電力消費を大幅に低減できることに加えて、測定された体温の液晶表示は最初の所定時間の間はバックライトで連続的に照射されるため、使用者は暗い所でも体温の液晶表示を明確に視認することができる。
【0014】
請求項4記載の耳式体温計は、前記バックライト照射部が、発光ダイオードを有することを要旨とする。
【0015】
請求項4記載の耳式体温計では、バックライト照射部として発光ダイオードを使用しているため、耳式体温計を小型化することができる。
【0016】
請求項5記載の耳式体温計は、前記駆動制御部によるバックライト照射部に対する所定のオン/オフ比率での断続的駆動制御は、30Hz以上の繰り返し周波数で行われることを要旨とする。
【0017】
請求項5記載の耳式体温計では、バックライト照射部に対する所定のオン/オフ比率での断続的駆動制御は、30Hz以上の繰り返し周波数で行われるため、バックライトを発生するLEDが断続的にオン/オフしても、人間の目には連続的に見え、LEDの断続、すなわち点滅は分からない。
【0018】
請求項6記載の耳式体温計は、前記体温測定部への電源供給開始から所定の時間の間は、体温測定部への電源供給を所定の小さいオン/オフ比率から所定の大きいオン/オフ比率に徐々に増大するように変化させながら断続的に行い、所定の時間の経過後、体温測定部への電源供給を連続的に行うように制御する電源供給制御部を有することを要旨とする。
【0019】
請求項6記載の耳式体温計では、体温測定部への電源供給開始から所定の時間の間は、体温測定部への電源供給を所定の小さいオン/オフ比率から所定の大きいオン/オフ比率に徐々に増大するように変化させながら断続的に行い、所定の時間の経過後、体温測定部への電源供給を連続的に行うため、体温測定部に対する電源供給のパワーオンソフトスタート動作を円滑に行うことができ、体温の測定を適確に行うことができるとともに制御系が不安定な動作を行うことを防止することができる。
【0020】
請求項7記載の耳式体温計は、前記体温測定部への電源供給を、該電源供給開始から第1の所定時間の間は、第1の所定のオン/オフ比率で断続的に繰り返し行い、該第1の所定時間に続く第2の所定時間の間は、前記第1の所定のオン/オフ比率よりも大きい第2の所定のオン/オフ比率で断続的に繰り返し行い、該第2の所定時間に続く第3の所定時間の間は、前記第2の所定のオン/オフ比率よりも更に大きい第3の所定のオン/オフ比率で断続的に繰り返し行い、前記第3の所定時間の経過後、体温測定部への電源供給を連続的に行う電源供給制御部を有することを要旨とする。
【0021】
請求項7記載の耳式体温計では、電源供給開始から第1の所定時間の間は、体温測定部への電源供給を第1の所定のオン/オフ比率で断続的に繰り返し行い、続く第2の所定時間の間は、より大きい第2の所定のオン/オフ比率で断続的に繰り返し行い、続く第3の所定時間の間は、更に大きい第3の所定のオン/オフ比率で断続的に繰り返し行い、第3の所定時間の経過後、体温測定部への電源供給を連続的に行うため、体温測定部に対する電源供給のパワーオンソフトスタート動作を円滑に行うことができ、体温の測定を適確に行うことができるとともに制御系が不安定な動作を行うことを防止することができる。
【発明の効果】
【0022】
本発明によれば、液晶表示された体温をバックライトで照射するにあたり、バックライトの光量が最大光量から消灯まで段階的に変化するようにバックライト照射部を駆動制御するので、バックライト照射による電力消費を大幅に低減できることに加えて、測定された体温の液晶表示は少なくとも最初は最大光量のバックライトで照射されるため、使用者は暗い所でも体温の液晶表示を明確に視認することができる。
【0023】
また、本発明によれば、体温測定部への電源供給開始から所定の時間の間は、体温測定部への電源供給を所定の小さいオン/オフ比率から所定の大きいオン/オフ比率に徐々に増大するように変化させながら断続的に行い、所定の時間の経過後、体温測定部への電源供給を連続的に行うので、体温測定部に対する電源供給のパワーオンソフトスタート動作を円滑に行うことができ、体温の測定を適確に行うことができるとともに制御系が不安定な動作を行うことを防止することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0024】
以下、図面を用いて、本発明を実施するための最良の形態(以下、実施形態と称する)を説明する。
【0025】
図1は、本発明の一実施例に係わる耳式体温計の制御系の全体構成を示すブロック図である。同図に示す耳式体温計は、全体の動作を制御するためにマイクロプロセッサを用いたマイクロコントローラ(以下MCUと略称する)1を有し、このMCU1には測温対象者の体温を測定する体温測定部3、この体温測定部3で測定した体温を液晶で表示する液晶表示部5、この液晶表示部5の液晶表示にバックライトを照射して液晶表示を明るく見せるバックライト照射部7が接続されている。
【0026】
また、MCU1は、例えばボタン型リチウム電池などからなる電源電池11から電圧VDDを供給されて動作する。なお、この電池11に並列に接続されているコンデンサ13は、電池11の電源インピーダンスを低減するためのものである。
【0027】
体温測定部3は、耳孔深部から放射される赤外線を検知するサーモパイル型赤外線センサ31と、この赤外線センサ31からの検知信号、すなわち赤外線センサ31で検知された測温対象者の体温に対応するアナログ信号をデジタル信号に変換し、このデジタル信号をデジタル体温信号としてMCU1に供給するアナログ−デジタル変換回路(A-D変換回路)33とを有する。赤外線センサ31は、直列接続された電池と抵抗からなる等価回路で示されているサーモパイル31aと温度補償用のサーミスタ31bから構成されている。
【0028】
体温測定部3は、電源電圧として電圧VCCをMCU1の制御により供給されて動作するようになっているが、この電圧VCCは、MCU1の並列接続された入出力ポートP3、P4、P5においてMCU1の制御により生成され、体温測定部3に供給される。なお、MCU1の並列接続された入出力ポートP3、P4、P5には、コンデンサ15が接続されているが、このコンデンサ15は、A-D変換回路33のデカップリング用であり、A−D変換回路33に動作電圧VCCを供給する電源のインピーダンスを低減しているものである。
【0029】
また、MCU1には、その入出力ポートP6を介してスタートスイッチ9が接続されているが、このスタートスイッチ9を操作することにより、MCU1に割り込みがかかり、これによりMCU1が体温測定部3に対する電源供給動作、すなわちパワーオン動作を行うとともに、体温測定動作を開始するようになっている。
【0030】
なお、MCU1は、電池11を実装してから、一定時間経過後、スタンバイ状態になり、スタンバイ状態になると、MCU1は、内部発振器を停止し、MCU1の消費電流は最小となる。このスタンバイ状態での最小消費電流は、MCU1の内部電圧検出回路の動作電流とMCU1の内部回路のリーク電流の和である。MCU1は、スタンバイ状態においてはスタートスイッチ9からの割り込みのみを受け付け、上述したように、体温測定部3に対するパワーオンスタート動作を行うとともに、体温測定動作を開始するようになっている。
【0031】
バックライト照射部7は、発光ダイオード(以下、LEDと略称する)で構成されるが、このLEDによるバックライト照射の消費電力を低減するためのLED照射タイミングをMCU1で生成するために、バックライト照射部7は、MCU1のオープンドレインの入出力ポートP1、P2に接続されている。このLED照射タイミングとは、LEDによる消費電力を低減するために、測温対象者の測定した体温を測定完了直後から例えば10秒などの所定時間のみ、最大光量でLEDによる照射を行って体温を明るく表示して見やすくし、その後は、すなわち明るく表示された体温を測温対象者が読み取ったと思われる以降は、体温表示を視認できる程度に光量を低減して暗くし、例えば30秒などの所定時間が経過すると消灯してLEDのバックライトによる照射を停止するというものである。
【0032】
図2は、図1に示した実施形態の耳式体温計の外観を示す斜視図である。同図に示すように、耳式体温計は、測温対象者の体温を測定しやすいように手で持ち易い細長い形状に構成され、その一端にはプローブ131が設けられ、中程には前記液晶表示部5およびスタートスイッチ9が設けられている。
【0033】
プローブ131は、測温対象者の体温を測定するために測温対象者の耳孔に挿入されるものであるが、このプローブ131内には前記赤外線センサ31が内蔵されている。従って、このプローブ131を測温対象者の耳孔に挿入すると、このプローブ131内の赤外線センサ31が測温対象者の耳孔深部から放射される赤外線を検知し、この検知信号を前記A−D変換回路33に供給するようになっている。なお、A−D変換回路33は、赤外線センサ31から供給される検知信号であるアナログ信号、具体的には測温対象者の体温に対応するアナログ信号をデジタル信号に変換し、MCU1に供給する。
【0034】
図3および図4は、それぞれ図1、2に示した実施形態の耳式体温計の内部構造の一部を示す斜視図および側部断面図である。図3、4に示すように、本実施形態の耳式体温計の主要な部品の一部である液晶表示部5および前記バックライト照射部7を構成する発光ダイオード(LED)71は、基板91の上に搭載されている。具体的には、基板91の上には、液晶表示部用のフレーム93が取り付けられ、このフレーム93の大きく開いた窓部に液晶表示部5が取り付けられている。
【0035】
また、図4に示す側部断面図から分かるように、液晶表示部5の下、すなわち液晶表示部5と基板91との間には導光板73が配設されている。更に、図3、4において導光板73の左側の基板91の上にはLED71が実装されている。そして、このLED71からの光は、導光板73の左端からその内部に侵入し、導光板73の傾斜した下面で均等に分散するように上方に反射され、この反射光が液晶表示部5に対するバックライトとして液晶表示部5の全体を下方から均等に照射し、液晶表示部5の表示を明るく見やすいものにしている。
【0036】
図5は、図1に示した耳式体温計に使用されている前記バックライト照射部7の具体的な回路構成と該バックライト照射部7が接続されるMCU1の入出力ポートP1、P2の内部の詳細な回路構成を示す回路図である。
【0037】
図5に示すように、バックライト照射部7は、LED71のアノードが抵抗75を介してMCU1の動作電圧VDDに接続され、LED71のカソードがMCU1の2つの入出力ポートP1、P2に接続されるとともに、この直列接続されたLED71と抵抗75の両端には抵抗77が並列に接続されて構成されている。抵抗75は、LED71に流れる電流を規定するものであり、抵抗77は、MCU1の入出力ポートP1、P2が不定になることを防止するプルアップ抵抗である。
【0038】
LED71のカソードに接続されたMCU1の入出力ポートP1、P2は、それぞれMCU1内においてNチャンネルMOSFET111、121のドレインに接続されている。このMOSFET111、121のソースは、アース接続され、ゲートは、それぞれNOR回路113、123の出力に接続されている。また、NOR回路113、123の一方の入力には、それぞれ出力信号SO1、SO2が供給され、他方の入力には、それぞれ出力禁止信号SK1、SK2が供給されている。
【0039】
更に、MOSFET111、121のドレインは、それぞれNAND回路115、125の一方の入力に接続されている。このNAND回路115、125の他方の入力には、それぞれ入力許可信号SP1、SP2が供給され、NAND回路115、125の出力は、それぞれ入出力ポートP1、P2から入力される外部からの入力信号を入力信号SI1、SI2としてMCU1内に供給するようになっている。
【0040】
このような回路構成において、LED71によるバックライト照射における消費電力の低減動作について図6に示すLED照射タイミングを参照して説明する。
【0041】
体温測定部3で測定された測温対象者の体温は、体温測定部3からMCU1を介して液晶表示部5に供給され、液晶表示部5で液晶表示される。この単に液晶表示された体温は、例えば暗い所では見難いため、バックライト照射部7のLED71からの光をバックライトとして液晶表示部5を照射することにより、液晶表示を明るく照射して暗い所でも見やすくすることができるが、LED71からの光で液晶表示部5をバックライト照射すると、LED71における消費電力が大幅に増大し、電圧VDDを供給する電池11の寿命が著しく短くなるとともに、場合によっては電池の数を増やさなければならなくなる。
【0042】
そこで、本実施形態では、このような電池寿命の短縮化や電池数の増大を回避しながらも、液晶表示部5による液晶表示をバックライト照射して見やすくすることを可能とするために、図6に示すようなLED照射タイミングに従ってLED71を駆動制御し、該LED71により液晶表示部5をバックライト照射している。
【0043】
更に詳しくは、このLED照射タイミングは、液晶表示部5による液晶表示をバックライト照射して暗い所でも体温表示を明るくして見やすくし、この明るく表示された体温を測温対象者が読み取った後は、バックライト照射で明るくする必要はないので、測温対象者が体温を読み取ったと推定される時間経過後は、バックライト照射を低減し、これにより電池寿命の短縮化や電池数の増大を回避している。
【0044】
このLED照射タイミングは、図6に示すように、測温対象者の測定した体温を測定完了した時刻T0から例えば10秒が経過した時刻T1までの第1の所定時間の間のみ、LED71に最大電流を流すようにLED71を連続的に駆動することで最大光量でバックライト照射を液晶表示部5に対して行って体温を明るく液晶表示して見やすくする。なお、このように体温が明るく表示された時に体温を読み取れば、暗い所でも容易に読み取ることができる。
【0045】
それから、時刻T1から例えば30秒などが経過した時刻T2までの第2の所定時間の間は、LED71を所定のオン/オフ比率で、具体的には図6に示すように約1/3のオン/オフ比率で断続的に駆動して、光量を例えば最大光量の1/3程度に低減して視認できる程度に暗くして省電力化を図る。そして、時刻T2が経過すると、LED71の駆動を停止し、LED71からのバックライトによる照射を停止するというものである。
【0046】
上述した動作をバックライト照射部7のLED71に行わせしめるために、MCU1は、まず入出力ポートP1、P2の出力禁止信号SK1、SK2を「0」に設定する。それから、MCU1は、図6の時刻T0からT1の間、LED71に電流を連続的に流してLED71からのバックライト光量を最大にするために入出力ポートP1、P2の出力信号SO1、SO2としてNOR回路113、123の一方の入力に「0」を供給する。この結果、NOR回路113、123の出力は、「1」となり、これにより入出力ポートP1、P2のMOSFET111、121は共にオンとなる。
【0047】
入出力ポートP1、P2のMOSFET111、121が共にオンになると、バックライト照射部7のLED71には電圧VDDから抵抗75、LED71、MOSFET111、121を介してアースに至る経路で電流が流れ、これによりLED71は発光し、この光がバックライトとして液晶表示部5を照射し、最初の時刻T0から時刻T1までの例えば10秒の間、液晶表示部5による体温の液晶表示を暗い所でも明るく見えるようにしている。なお、上記経路でLED71に流れる電流は、入出力ポートP1、P2における電圧降下を無視すると、電圧VDDからLED71のオン電圧VD71を引いた電圧を抵抗75の抵抗値で割った値である。
【0048】
なお、LED71を駆動して発光させるには、1つの入出力ポートP1のMOSFET111のみをオンにするだけでもよいが、2つの入出力ポートP1、P2の2つのMOSFET111、121をオンさせることにより、MOSFET111、121の内部抵抗による影響、すなわち電圧降下を低減している。また、上記動作において、入出力ポートP1、P2の入力許可信号SP1、SP2は、本動作に直接関係しないので、どのような信号でもよい。
【0049】
次に、図6に示すように、時刻T1を経過し、時刻T1から時刻T2の間になると、MCU1は、LED71からの液晶表示部5に対するバックライトの照射光量を前記最大光量の約1/3の光量程度に低減して省電力化を図るべく図6の時刻T1から時刻T2に示すように、LED71を約1/3のオン/オフ比率で断続的に駆動するように制御する。
【0050】
MCU1は、この約1/3のオン/オフ比率での断続的駆動を行うために、入出力ポートP1、P2の出力信号SO1、SO2として、図6の時刻T1から時刻T2で示すように、約1/3のオン/オフ比率でオンとオフを断続的に繰り返す出力信号SO1、SO2をNOR回路113、123の一方の入力に供給し、この約1/3のオン/オフ比率の出力信号SO1、SO2でMOSFET111、121をオン/オフ制御し、このMOSFET111、121のオン/オフ動作でLED71を駆動する。この結果、LED71から発するバックライトは、光量が前記最大電流の場合の約1/3に低減され、このように光量が約1/3に低減されたバックライトで照射された液晶表示部5の液晶表示は、例えば視認できる程度に暗く表示され、これにより省電力化を図っている。
【0051】
なお、前記約1/3のオン/オフ比率で断続的に繰り返される出力信号SO1、SO2の繰り返し周波数は、該出力信号SO1、SO2で駆動されるLED71の点滅が人間の目に分からないように例えば30Hz以上であることが望ましい。
【0052】
次に、時刻T2が経過すると、具体的には、体温の液晶表示が開始された時刻T0から例えば30秒などが経過した時刻T2以降は、MCU1によるバックライト照射部7のLED71の駆動を停止し、LED71による液晶表示部5に対するバックライトの照射を停止し、これによりバックライト照射部7による電力消費を完全に停止している。
【0053】
次に、本実施形態におけるパワーオンソフトスタート動作について図7を参照して説明する。
【0054】
図7は、パワーオンソフトスタート動作を行うための関連回路であるMCU1内の入出力ポートP3、P4、P5の内部回路の構成を示す回路図である。
【0055】
更に詳しくは、本実施形態のパワーオンソフトスタート動作は、図1に示すスタートスイッチ9を操作すると、MCU1に対してスタートスイッチ9から割り込みがかかり、MCU1の制御により、具体的にはMCU1内のメモリに記憶されたプログラムの制御により図1の体温測定部3に対する動作電圧VCCを電圧VDDから供給する際に行われるが、このパワーオンソフトスタート動作は、MCU1の入出力ポートP3、P4、P5の内部回路のスイッチングにより行っている。なお、本実施形態では、体温測定部3に対する動作電圧VCCを電圧VDDから供給する場合におけるスイッチング素子である後述するPチャンネルMOSFET137における電圧降下を低減するために3つの入出力ポートP3、P4、P5を並列接続している。
【0056】
MCU1の入出力ポートP3、P4、P5の内部回路の構成は、すべて同じものであるので、図7では、1つの入出力ポートP3についてのみ図示し説明するが、この回路構成と同じ3つの入出力ポートP3、P4、P5が並列接続されて、コンデンサ15に接続され、このコンデンサ15の両端の電圧が体温測定部3に対する動作電圧VCCとしてコンデンサ15を介して図1に示すように体温測定部3に電圧VCCとして供給されている。なお、コンデンサ15は、上述したように、体温測定部3のデカップリング用であり、体温測定部3に動作電圧VCCを供給する電源のインピーダンスを低減しているものである。
【0057】
図7に示す入出力ポートP3の内部回路においては、入出力ポートP3がNチャンネルMOSFET131のドレインとPチャンネルMOSFET137のドレインとの接続点に接続されている。MOSFET131のソースは、アース接続され、MOSFET137のソースは、電圧VDDに接続され、これによりMOSFET137がオンになると、MOSFET137のドレインに接続された電圧VDDがMOSFET137および入出力ポートP3を介して体温測定部3の動作電圧VCCとして体温測定部3に供給されるようになっている。
【0058】
MOSFET131のゲートは、NOR回路133の出力に接続され、このNOR回路133の一方の入力には出力信号SO3が入力され、他方の入力には出力禁止信号SK3が入力されている。また、MOSFET137のゲートは、NAND回路139の出力に接続され、このNAND回路139の一方の入力には出力信号SO3が入力され、他方の入力にはインバータ138を介して出力禁止信号SK3が入力されている。
【0059】
また、入出力ポートP3は、抵抗132とPチャンネルMOSFET136の直列回路を介して電圧VDDにプルアップされている。このMOSFET136のゲートは、インバータ134を介してプルアップ制御信号SCを供給されている。更に、入出力ポートP3は、NAND回路135の一方の入力に接続され、このNAND回路135の他方の入力には入力許可信号SP3が入力され、NAND回路135は、出力信号として入力信号SI3を出力している。
【0060】
上述した回路構成において、パワーオンソフトスタート動作は、図1に示すスタートスイッチ9が例えば測温対象者により操作されると、このスタートスイッチ9からMCU1に割り込みがかかり、MCU1の制御により開始する。
【0061】
まず、MCU1は、図7に示す出力禁止信号SK3を「0」に設定するとともに、入出力ポートP3の出力信号SO3を「1」に設定する。この結果、出力禁止信号SK3の「0」信号によりNOR回路133の他方の入力に「0」が供給され、インバータ138を介してNAND回路139の他方の入力に「1」が入力され、これにより入出力ポートP3の書き込み禁止状態が解除されるとともに、出力信号SO3の「1」信号によりNAND回路139の出力は「0」となって、MOSFET137がオンになると同時に、NOR回路133の出力は「0」となり、MOSFET131がオフになる。
【0062】
このようにMOSFET137がオンになり、MOSFET131がオフになると、MOSFET137のドレインに供給されている電圧VDDがMOSFET137、入出力ポートP3を介してコンデンサ15に充電されながら、この電圧VDDはコンデンサ15に充電された電圧とともに電圧VCCとして体温測定部3に供給される。なお、この状態をMOSFET137=オン、MOSFET131=オフの電圧供給状態と称することにする。
【0063】
また、このMOSFET137=オン、MOSFET131=オフの電圧供給状態において出力禁止信号SK3を「1」に設定すると、NAND回路139の出力は「1」になり、NOR回路133の出力は「0」となるので、MOSFET137およびMOSFET131は共にオフとなり、MOSFET137のドレインに供給されている電圧VDDはオフ状態のMOSFET137で遮断され、コンデンサ15への充電もないし、また電圧VCCとして体温測定部3に供給されることもない。なお、この状態をMOSFET137=オフ、MOSFET131=オフの電圧不供給状態と称することにする。
【0064】
図8は、パワーオンソフトスタート動作のタイミング図であり、詳しくは、上述したMOSFET137=オン、MOSFET131=オフの電圧供給状態とMOSFET137=オフ、MOSFET131=オフの電圧不供給状態との比率を段階的に増大させるように可変しながら最後には電圧供給状態を連続的に行い、これによりパワーオンソフトスタート動作を行うタイミングを示しているものである。
【0065】
図8においては、電圧供給状態と電圧不供給状態が断続的にパルス状に繰り返しているが、詳しくは、スタートスイッチ9の操作でMCU1に割り込みがかかり、これによりMCU1の制御によりパワーオンソフトスタート動作が開始する時刻t0から時刻t1の最初の所定時間の間は、電圧供給状態と電圧不供給状態の比率を例えば約1/4のように低い比率とし、電圧VDDの供給を少ないものにしている。このように電圧供給状態を短時間にすると、電圧VDDからMOSFET137を介してコンデンサ15を充電するラッシュカレントを緩和することができ、コンデンサ15は徐々に充電されながら電圧VCCに向かって上昇する。すなわち、パワーオンソフトスタート動作を開始する。
【0066】
次に、時刻t1から時刻t2の次の所定時間の間は、電圧供給状態と電圧不供給状態の比率を例えば約1/2のように少し高い比率に設定して、電圧VDDの供給を増やし、更に次の時刻t2から時刻t3の所定時間の間は、電圧供給状態と電圧不供給状態の比率を例えば約3/4のようにかなり高い比率として、電圧VDDの供給を更に増やす。このようにして、コンデンサ15への充電を徐々に増大しながら電圧VCCに向かって更に上昇させ、時刻t3以降になると、電圧供給状態を100%として、電圧VDDを連続的に供給するようにしている。
【0067】
このように電圧供給状態と電圧不供給状態との比率を約1/4、1/2、3/4のように段階的かつ増大させるように可変しながら最後には電圧を連続的に供給するようにパワーオンソフトスタート動作を行うことにより、パワーオンスタート時における電池の電圧VDDの電圧降下を著しく改善することができる。
【0068】
具体的に説明すると、図10は、パワーオンソフトスタート動作がない場合においてパワーオンスタート時に電圧VCCとして体温測定部3に供給される電圧VDDの電圧降下を示す電圧波形図である。図10では、約1msにわたって電圧VDDの瞬時的な電圧降下が確認される。
【0069】
なお、この電圧降下は、MOSFET137がオンになった時にコンデンサ15を充電することにより発生するものである。また、この電圧降下は、コンデンサ15を充電するための電池11の放電により電池11の内部インピーダンスが増大し、電池11に並列接続されているコンデンサ13でも電池11の内部インピーダンスの上昇を防止できないことを示しているものである。このような状態が発生すると、例えばMCU1の内部電圧検出回路が動作してリセット状態となり、パワーオンスタート動作ができなかったり、不安定な動作となり、耳式体温計として必要な測定回数も確保できないことがある。従って、パワーオンソフトスタート動作が確実に行うことが重要となるのである。なお、パワーオンソフトスタート動作に要する時間であるコンデンサ15の充電時間は、約0.2秒程度であるので、パワーオンスタート動作にこの程度の時間がかかっても支障はないものである。
【0070】
図9は、上述したパワーオンソフトスタート動作を行った場合の電圧VDDの電圧降下を示す電圧波形図である。図9から分かるように、上述したパワーオンソフトスタート動作を行うことにより、電池11による電圧VDDの電圧降下が著しく改良されることが分かる。
【0071】
MCU1は、上述したように、スタートスイッチ9の操作により割り込みがかかり、これによりパワーオンソフトスタート動作、体温測定動作などの各種動作を開始するというように1つのスタートスイッチ9によりパワーオンソフトスタート動作用のスイッチと体温測定動作用のスイッチを兼用している。例えば図11を参照するに、MCU1は、このスタートスイッチ9からの割り込みにより起動された後、このスタートスイッチ9の動作を監視し、スタートスイッチ9が長押しされたものであるか、単に短く押されたものであるか、連続的に所定時間以上長く押されたものであるか等を判定することができる。そして、MCU1は、この判定結果に基づいて、すなわちスタートスイッチ9が長押しされたものであるか、単に短く押されたものであるか、連続的に所定時間以上長く押されたものであるかの判定結果に基づいて、種々の動作、例えば最大光量を変化させたり、バックライトの使用を選択させたりなどの種々の動作を選択的に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0072】
【図1】本発明の一実施例に係わる耳式体温計の制御系の全体構成を示すブロック図である。
【図2】図1に示した実施形態の耳式体温計の外観を示す斜視図である。
【図3】図1、2に示した実施形態の耳式体温計の内部構造の一部を示す斜視図である。
【図4】図1、2に示した実施形態の耳式体温計の内部構造の一部を示す側部断面図である。
【図5】図1に示した実施形態の耳式体温計に使用されているバックライト照射部の具体的な回路構成と該バックライト照射部が接続されるMCUの入出力ポートの内部の詳細な回路構成を示す回路図である。
【図6】バックライト照射における消費電力の低減動作を行うためのLED照射タイミングを示す図である。
【図7】図1に示した実施形態の耳式体温計においてパワーオンソフトスタートを行うための関連回路であるMCU内の入出力ポートの内部回路の構成を示す回路図である。
【図8】パワーオンソフトスタート動作のタイミング図である。
【図9】パワーオンソフトスタート動作を行った場合の電圧VDDの電圧降下を示す電圧波形図である。
【図10】パワーオンソフトスタート動作がない場合の電圧VDDの電圧降下を示す電圧波形図である。
【図11】スイッチ操作と各動作状態とを示すためのタイミング図である。
【符号の説明】
【0073】
1 MCU
3 体温測定部
5 液晶表示部
7 バックライト照射部
9 スタートスイッチ
11 電池
13,15 コンデンサ
31 サーモパイル型赤外線センサ
31a サーモパイル
31b サーミスタ
33 A-D変換回路
71 発光ダイオード(LED)
73 導光板
75,77 抵抗
111,123,131,136,137 MOSFET
113,123,133 NOR回路
115,125,135,139 NAND回路
134,138 インバータ
P1-P6 MCUの入出力ポート
【特許請求の範囲】
【請求項1】
耳孔深部から放射される赤外線を検知して体温を測定する体温測定部と、
この測定した体温を表示する液晶表示部と、
この液晶表示部にバックライトを照射するバックライト照射部と、
前記測定した体温を液晶表示部に表示させるとともに、バックライト照射部から液晶表示部を照射するバックライトの光量が最大光量から消灯まで段階的に変化するようにバックライト照射部を駆動制御する駆動制御部と
を有することを特徴とする耳式体温計。
【請求項2】
耳孔深部から放射される赤外線を検知して体温を測定する体温測定部と、
この測定した体温を表示する液晶表示部と、
この液晶表示部にバックライトを照射するバックライト照射部と、
前記測定した体温を液晶表示部に表示させるとともに、この表示から第1の所定時間の間、バックライト照射部から液晶表示部を照射するバックライトの光量が最大となるようにバックライト照射部を駆動制御し、該第1の所定時間に続く第2の所定時間の間、バックライト照射部から液晶表示部を照射するバックライトの光量が前記最大光量よりも低い所定の光量となるようにバックライト照射部を駆動制御し、前記第2の所定時間の経過後、バックライト照射部から液晶表示部を照射するバックライトの光量が零となるようにバックライト照射部を駆動制御する駆動制御部と
を有することを特徴とする耳式体温計。
【請求項3】
前記駆動制御部は、第1の所定時間の間、液晶表示部にバックライトを連続的に照射するようにバックライト照射部を制御し、第2の所定時間の間、液晶表示部にバックライトを所定のオン/オフ比率で断続的に照射するようにバックライト照射部を所定のオン/オフ比率で断続的に制御し、第2の所定時間の経過後、液晶表示部に対するバックライトを消灯するようにバックライト照射部を制御するように構成されていることを特徴とする請求項2記載の耳式体温計。
【請求項4】
前記バックライト照射部は、発光ダイオードを有することを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の耳式体温計。
【請求項5】
前記駆動制御部によるバックライト照射部に対する所定のオン/オフ比率での断続的駆動制御は、30Hz以上の繰り返し周波数で行われることを特徴とする請求項2乃至4のいずれかに記載の耳式体温計。
【請求項6】
前記体温測定部への電源供給開始から所定の時間の間は、体温測定部への電源供給を所定の小さいオン/オフ比率から所定の大きいオン/オフ比率に徐々に増大するように変化させながら断続的に行い、所定の時間の経過後、体温測定部への電源供給を連続的に行うように制御する電源供給制御部を有することを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の耳式体温計。
【請求項7】
前記体温測定部への電源供給を、該電源供給開始から第1の所定時間の間は、第1の所定のオン/オフ比率で断続的に繰り返し行い、該第1の所定時間に続く第2の所定時間の間は、前記第1の所定のオン/オフ比率よりも大きい第2の所定のオン/オフ比率で断続的に繰り返し行い、該第2の所定時間に続く第3の所定時間の間は、前記第2の所定のオン/オフ比率よりも更に大きい第3の所定のオン/オフ比率で断続的に繰り返し行い、前記第3の所定時間の経過後、体温測定部への電源供給を連続的に行う電源供給制御部を有することを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の耳式体温計。
【請求項1】
耳孔深部から放射される赤外線を検知して体温を測定する体温測定部と、
この測定した体温を表示する液晶表示部と、
この液晶表示部にバックライトを照射するバックライト照射部と、
前記測定した体温を液晶表示部に表示させるとともに、バックライト照射部から液晶表示部を照射するバックライトの光量が最大光量から消灯まで段階的に変化するようにバックライト照射部を駆動制御する駆動制御部と
を有することを特徴とする耳式体温計。
【請求項2】
耳孔深部から放射される赤外線を検知して体温を測定する体温測定部と、
この測定した体温を表示する液晶表示部と、
この液晶表示部にバックライトを照射するバックライト照射部と、
前記測定した体温を液晶表示部に表示させるとともに、この表示から第1の所定時間の間、バックライト照射部から液晶表示部を照射するバックライトの光量が最大となるようにバックライト照射部を駆動制御し、該第1の所定時間に続く第2の所定時間の間、バックライト照射部から液晶表示部を照射するバックライトの光量が前記最大光量よりも低い所定の光量となるようにバックライト照射部を駆動制御し、前記第2の所定時間の経過後、バックライト照射部から液晶表示部を照射するバックライトの光量が零となるようにバックライト照射部を駆動制御する駆動制御部と
を有することを特徴とする耳式体温計。
【請求項3】
前記駆動制御部は、第1の所定時間の間、液晶表示部にバックライトを連続的に照射するようにバックライト照射部を制御し、第2の所定時間の間、液晶表示部にバックライトを所定のオン/オフ比率で断続的に照射するようにバックライト照射部を所定のオン/オフ比率で断続的に制御し、第2の所定時間の経過後、液晶表示部に対するバックライトを消灯するようにバックライト照射部を制御するように構成されていることを特徴とする請求項2記載の耳式体温計。
【請求項4】
前記バックライト照射部は、発光ダイオードを有することを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の耳式体温計。
【請求項5】
前記駆動制御部によるバックライト照射部に対する所定のオン/オフ比率での断続的駆動制御は、30Hz以上の繰り返し周波数で行われることを特徴とする請求項2乃至4のいずれかに記載の耳式体温計。
【請求項6】
前記体温測定部への電源供給開始から所定の時間の間は、体温測定部への電源供給を所定の小さいオン/オフ比率から所定の大きいオン/オフ比率に徐々に増大するように変化させながら断続的に行い、所定の時間の経過後、体温測定部への電源供給を連続的に行うように制御する電源供給制御部を有することを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の耳式体温計。
【請求項7】
前記体温測定部への電源供給を、該電源供給開始から第1の所定時間の間は、第1の所定のオン/オフ比率で断続的に繰り返し行い、該第1の所定時間に続く第2の所定時間の間は、前記第1の所定のオン/オフ比率よりも大きい第2の所定のオン/オフ比率で断続的に繰り返し行い、該第2の所定時間に続く第3の所定時間の間は、前記第2の所定のオン/オフ比率よりも更に大きい第3の所定のオン/オフ比率で断続的に繰り返し行い、前記第3の所定時間の経過後、体温測定部への電源供給を連続的に行う電源供給制御部を有することを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の耳式体温計。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2009−291285(P2009−291285A)
【公開日】平成21年12月17日(2009.12.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−145522(P2008−145522)
【出願日】平成20年6月3日(2008.6.3)
【出願人】(500374294)株式会社バイオエコーネット (8)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成21年12月17日(2009.12.17)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年6月3日(2008.6.3)
【出願人】(500374294)株式会社バイオエコーネット (8)
【Fターム(参考)】
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