耳縁切除具
【課題】経済性に優れた耳縁切除具を提供する。
【解決手段】略直交する二つのガイド面11A、11Bからなる山形断面の定規部11と該定規部11の両端部11a、11bにそれぞれ対応して設けられた刃体取付部Pを備えたホルダー1と、上記各刃体取付部Pにそれぞれ着脱自在に取付けられる刃体2で耳縁切除具を構成する。係る構成によれば、長期の使用によって上記刃体2の切れ味が低下したような場合には、該刃体2のみを再研磨することで再使用でき、また再研磨の繰り返しによってそれ以上の再研磨が不能になった場合には、この刃体2のみを新品に交換し、上記ホルダー1はそのまま継続して使用することができ、例えば、耳縁切除具全体を取り換える従来造の耳縁切除具に比して、極めて経済的なものとなる。
【解決手段】略直交する二つのガイド面11A、11Bからなる山形断面の定規部11と該定規部11の両端部11a、11bにそれぞれ対応して設けられた刃体取付部Pを備えたホルダー1と、上記各刃体取付部Pにそれぞれ着脱自在に取付けられる刃体2で耳縁切除具を構成する。係る構成によれば、長期の使用によって上記刃体2の切れ味が低下したような場合には、該刃体2のみを再研磨することで再使用でき、また再研磨の繰り返しによってそれ以上の再研磨が不能になった場合には、この刃体2のみを新品に交換し、上記ホルダー1はそのまま継続して使用することができ、例えば、耳縁切除具全体を取り換える従来造の耳縁切除具に比して、極めて経済的なものとなる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願発明は、家具とか建具の製作工程において生じる不要な耳縁を切除するための耳縁切除具に関するものである。
【背景技術】
【0002】
家具とか建具の製作に際しては、例えば、その壁面を構成する板材(即ち、基材)の木口がそのまま外部に露出すると美観性が損なわれることから、この基材の木口に帯板状の化粧材を貼付してその美観性を確保することが広く行われている。
【0003】
この場合、化粧効果を確実にする等の観点から、基材の木口の厚さ寸法より大きな幅寸法をもつ木製とか樹脂製の化粧材を用い、該化粧材によって木口の全域を確実に覆うようにしている。そして、上記基材の両側面から外方へ延出した耳縁を事後的に切除するようにしており、このような化粧材の耳縁の切除作業には耳縁切除具(特許文献1及び図16参照)が使用される。
【0004】
この特許文献1に示される耳縁切除具は、略直交する一対の傾斜面を備えたカッター体の該一対の傾斜面に、アングル形状を有し且つその内面を略直交する二面からなるガイド部とするとともに、該ガイド部の両端に楔状に開口する切刃を設けたカッター刃体を取り付けて構成される。そして、このカッター刃体の上記ガイド面を基材の木口の直交する二面に当接させ、この状態で上記カッター体を木口の稜線に沿って前後方向へスライドさせることで、上記カッター刃体によって木口に貼設された化粧材の耳縁を切除するものである。
【0005】
また、図16に示す耳縁切除具は、二等辺三角形状の金属製のブロック体でなる本体40の底面に、三角断面状の溝41を底面長手方向に延設し、該溝41の両側面42,42で定規部41を構成するとともに、上記本体40の両端部に、上記定規部41の両端部に臨んで楔状に開口する切刃43,43を形成したものである。そして、上記定規部41の両側面42,42を基材の木口の二面に当接させ、この状態で上記本体40を木口の稜線に沿って前後方向へスライドさせることで、上記切刃43,43によって木口に貼設された化粧材の耳縁を切除するものである。
【0006】
【特許文献1】 特開平5−23444号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところが、特許文献1に示される耳縁切除具は、定規機能をもつカッター刃体をカッター体に着脱自在に取付けることでこれを交換可能とするものであるが、その交換時には上記カッター刃体全体を取り換える必要があり、不経済なものであった。
【0008】
また、図16に示す耳縁切除具では、該耳縁切除具の全体が一体構成であって、その一部に切刃43を形成していることから、該切刃43の切れ味が悪くなった場合には、何回かは再研磨にて再使用ができるものの、研磨代が無くなると、上記耳縁切除具全体を取り換える必要があり、やはり不経済なものであった。
【0009】
そこで本願発明は、経済性に優れた耳縁切除具を提供することを目的としてなされたものである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本願発明では、上記課題を解決するために以下のような構成を採用している。
【0011】
本願の第1の発明では、基材20の小口面20aに取付けられた帯板状の化粧材21の耳縁21aを切除するための耳縁切除具であって、略直交する二つのガイド面11A、11Bからなる山形断面の定規部11と該定規部11の両端部11a、11bにそれぞれ対応して設けられた刃体取付部Pを備えたホルダー1と、上記各刃体取付部Pにそれぞれ着脱自在に取付けられる刃体2を備えて構成されたことを特徴としている。
【0012】
本願の第2の発明では、上記第1の発明に係る耳縁切除具において、上記刃体取付部Pが、上記定規部11の頂部に沿って延びる溝10で構成され、上記刃体2が、上記溝10に嵌挿可能な棒状体の端部に切刃3を形成した構成であることを特徴としている。
【0013】
本願の第3の発明では、上記第1の発明に係る耳縁切除具において、上記刃体取付部Pが、上記ホルダー1の外面1aに沿って延びる溝12で構成され、上記刃体2が、上記溝12に嵌入可能な板状体の端部に切刃3を形成した構成であることを特徴としている。
【発明の効果】
【0014】
本願発明では次のような効果が得られる。
【0015】
(a)本願の第1の発明に係る耳縁切除具によれば、略直交する二つのガイド面11A、11Bからなる山形断面の定規部11と該定規部11の両端部11a、11bにそれぞれ対応して設けられた刃体取付部Pを備えたホルダー1と、上記各刃体取付部Pにそれぞれ着脱自在に取付けられる刃体2で構成されているので、長期の使用によって上記刃体2の切れ味が低下した場合には、該刃体2のみを再研磨することでこれを再使用することができ、また再研磨の繰り返しによってそれ以上の再研磨が不能になった場合には、この刃体2のみを新品に交換し、上記ホルダー1はそのまま使用を継続することができ、従来構造の耳縁切除具に比して、極めて経済的なものとなる。
【0016】
(b)本願の第2の発明に係る耳縁切除具よれば、上記(a)に記載の効果に加えて以下のような特有の効果が得られる。即ち、この発明では、上記刃体取付部Pを、上記定規部11の頂部11bに沿って延びる溝10で構成し、上記刃体2を、上記溝10に嵌挿可能な棒状体の端部に切刃3を形成した構成としているので、上記刃体2の上記刃体取付部Pへの取付けを容易に且つ確実に行なうことができ、該刃体2の使用上における高い信頼性が確保される。
【0017】
また、上記刃体2が棒状体の端部に切刃3を形成した構成であることから、該棒状体の両端部にそれぞれ切刃3を形成してこれを選択的に使用することができ、それだけ刃体2の長寿命化が促進されその経済的価値がさらに向上することにもなる。
【0018】
(c)本願の第3の発明に係る耳縁切除具よれば、上記(a)に記載の効果に加えて以下のような特有の効果が得られる。即ち、この発明では、上記刃体取付部Pを、上記ホルダー1の外面1aに沿って延びる溝12で構成し、上記刃体2を、上記溝12に嵌入可能な板状体の端部に切刃3を形成した構成としているので、上記刃体2の上記刃体取付部Pへの取付けを上記ホルダー1の外側から確認しながら容易に且つ確実に行なうことができ、該刃体2の取付作業の簡易化が図れるとともに、該刃体2の使用上における高い信頼性が確保される。
【0019】
また、上記刃体2が板状体の端部に切刃3を形成した構成であることから、該板状体の両端部にそれぞれ切刃3を形成してこれを選択的に使用することができ、それだけ刃体2の長寿命化が促進されその経済的価値が向上することにもなる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
以下、本願発明を好適な実施形態に基づいて具体的に説明する。
I:第1の実施形態
【0021】
図1には、本願発明の第1の実施形態に係る耳縁切除具Z1を示している。この耳縁切除具Z1は、図7に示すように、木製の基材20の木口20aに貼付された木製あるいは樹脂製の化粧材21の耳縁21aを切除するためのものであって、次述するホルダー1と刃体2を備えて構成される。なお、この実施形態では、上記基材20を木製としているが、他の実施形態では、例えば、これを樹脂製とすることもできる。
I−1:ホルダー1の構成
【0022】
上記ホルダー1は、図1〜図6に示すように、二等辺三角形状のブロック体であって、金属材又は樹脂材により一体形成される。このホルダー1の底面1d側には、該底面1dの両長辺側からそれぞれ略45°の傾斜をもって内側上方へ立ち上がる一対のガイド面11A,11Bで構成される三角溝状の定規部11が、長軸方向の両端面1b、1b間にわたって形成されている。
【0023】
さらに、この定規部11の頂部の稜線部分には、正方形状の断面形状をもつ溝10が、該稜線部分と所定寸法だけ上下方向に重合し且つその断面における一つの対角線が上記定規部11の稜線部分を通って上下方向へ延出するような相対位置関係をもって、該定規部11の両端部11a,11b間に跨って設けられている。
【0024】
従って、上記溝10は上記定規部11の頂部を介して上記ホルダー1の底面1d側へ臨むとともに、その両端部は、上記ホルダー1の上面側の傾斜面1a,1aにそれぞれ開口している。
【0025】
なお、次述のように、上記溝10には上記刃体2が取付けられるようになっており、従って、この実施形態では、上記溝10が特許請求の範囲中の「刃体取付部P」に該当することになる。また、上記ホルダー1には、耳縁切除具Z1を適宜の駆動ユニット(図示省略)に取付けるための取付部8が、該ホルダー1の両側面1c、1c間に跨って形成されている。
【0026】
I−2:刃体2の構成
上記刃体2は、図2に示すように、刃物材に適した金属材、セラミック材等によって一体形成されるものであって、上記ホルダー1の上記溝10に嵌合し得る大きさの正方形断面をもつ所定長さの棒状の本体部2aの両端にそれぞれ切刃3,3を形成して構成される。この場合、上記本体部2aの両端は、図2及び図4に示すように、上記ホルダー1の傾斜面1aの傾斜角に合致した傾斜角をもつように研磨され且つ相互に平行に延出する一対の研磨面2b、2bとされている。そして、この研磨面2bの傾斜方向両端の隅部のうち、軸方向外側に位置する隅部に、上記定規部11の各ガイド面11A,11Bの延長上において楔状に開口する切刃3が形成されている。
【0027】
I−3:ホルダー1への刃体2の取付
図2に示すように、上記ホルダー1の上記溝10の両端側にそれぞれ上記刃体2を嵌挿する。そして、上記刃体2の上記研磨面2bが上記ホルダー1の傾斜面1aと面一となるように位置決めを行う。しかる後、上記ホルダー1の側面1cに配置した固定ネジ9を締め込んで、上記刃体2をそのセット位置で固定する。この固定状態において、上記切刃3の刃先は、上記ホルダー1の上記各ガイド面11A,11Bの延長上に位置することになる。以上で、上記ホルダー1への上記刃体2の取付けが完了する。
【0028】
なお、上述のように、上記刃体2はその両端にそれぞれ上記切刃3を備えているので、一方の切刃3の切れ味が低下した場合には、他方の切刃3を使用するが、その際における上記刃体2の取り外し作業、及び該刃体2を反転させての再取付作業は、上記手順と同様にして行われる。
【0029】
また、上記ホルダー1に対する上記刃体2の取付位置の微調整は、図5に示すように、上記刃体2の一部が上記溝10を通して上記定規部11の内側に露出しているので、この露出部分を適宜の工具で押し引きすることで、容易に行うことができる。
I−4:耳縁切除具Z1の使用状態等
【0030】
上記耳縁切除具Z1は、図7に示すように、例えば、板材でなる基材20の木口面20a上への化粧材21の貼付工程において該基材20の両側面20b、20bから側方へ跳ね出した耳縁21aを上記基材20の側面20bに沿って切除する作業に用いられる。
【0031】
即ち、図9に示すように、上記耳縁切除具Z1を、その定規部11の各ガイド面11A、11Bを上記化粧材21の上面とこれに直交する上記基材20の側面20bにそれぞれ当接させる。この状態においては、上記刃体2の切刃3の略直交する二つの刃先のうちの一方が上記化粧材21の面方向に直交している。従って、この状態で、上記耳縁切除具Z1を上記基材20の側面20bに沿って前後方向へ移動させることで、上記切刃3によって上記化粧材21の耳縁21aが切除され、図10に示すように、上記化粧材21の側縁20cが上記基材20の側面20bを面一とされる。
【0032】
なお、実際の作業においては、当初から図9に示すように上記耳縁切除具Z1の定規部11の各ガイド面11A,11Bを、上記化粧材21の上面とこれに直交する上記基材20の側面20bにそれぞれ当接させることが困難な場合もある。係る場合には、図8に示すように、上記耳縁切除具Z1の定規部11の各ガイド面11A,11Bのうち、上記化粧材21の上面側に対応する第1ガイド面11Aのみを上記化粧材21の上面に当接させ、他方の第2ガイド面11Bを上記基材20の側面20bから離間させた状態で、上記耳縁切除具Z1をその前後方向へ移動させて、上記化粧材21の耳縁21aを少しずつ段階的に切除し、最終的に図9に示すように、上記耳縁切除具Z1の定規部11の各ガイド面11A,11Bを上記化粧材21の上面とこれに直交する上記基材20の側面20bにそれぞれ当接させて仕上げるようにすれば良い。
【0033】
なお、図8に示すように、通常、上記化粧材21は、その両縁部がそれぞれ上記基材20の両側面20b、20bから外側へ延出するようにして貼付されるため、これら両側の耳縁21aをそれぞれ切除するが、この場合、図9に鎖線図示するように、上記定規部11の第1ガイド面11Aを上記基材20の側面20bに、第2ガイド面11Bを上記化粧材21の上面に、それぞれ当接させて切除する。
【0034】
この際は、上記の場合とは逆に、上記刃体2の切刃3の略直交する二つの刃先のうちの他方が上記化粧材21の面方向に直交し、該刃先によって切除される。従って、上記切刃3の二つの刃先は、略均等に磨耗が進行することになる。
【0035】
長期の使用によって上記刃体2の上記切刃3が磨耗しその切れ味が低下した場合には、該刃体2を上記ホルダー1の上記傾斜面1aから所定量突出させた状態で固定し、該刃体2の上記研磨面2bを研磨することで上記切刃3を再生してその切れ味を回復させることができる。何回かの再研磨の結果、さらに研磨することができない状態になった場合には、一旦、上記刃体2を上記ホルダー1から取り外し、該刃体2を反転させて再度、上記ホルダー1の上記溝10に嵌挿し、所定位置に位置決めして固定することで、新たな切刃3によって切除作業を行うことができる。なお、この新たな切刃3も再研磨によって再生して使用できることは言うまでもない。
【0036】
そして、上記刃体2の二つの切刃3,3が共に再研磨不能となった時点で、上記刃体2を新品の刃体2に取り替える。このように、上記刃体2が二つの切刃3を備え、且つこの切刃3が再研磨にて再生使用が可能であることで、該刃体2の寿命が格段に長くなり、極めて経済的である。
【0037】
II:第2の実施形態
図11には、本願発明の第2の実施形態に係る耳縁切除具Z2を示している。この耳縁切除具Z2は、次述するホルダー1と刃体2を備えて構成される。
【0038】
II−1:ホルダー1の構成
上記ホルダー1は、図11〜図15に示すように、二等辺三角形状のブロック体であって、金属材又は樹脂材により一体形成される。このホルダー1の底面1d側には、該底面1dの両長辺側からそれぞれ略45°の傾斜をもって内側上方へ立ち上がる一対のガイド面11A,11Bで構成される三角溝状の定規部11が、長軸方向の両端面1b、1b間にわたって形成されている。
【0039】
さらに、この定規部11の頂部の稜線部分には、U字状の断面形状をもつ逃溝15が、該稜線部分と所定寸法だけ上下方向に重合した状態で、該定規部11の両端部11a,11b間に跨って設けられている。従って、この逃溝15は、上記定規部11の頂部を介して上記ホルダー1の底面1d側へ臨むとともに、その両端部は、上記ホルダー1の上面側の傾斜面1a,1aにそれぞれ開口している。また、上記ホルダー1には、耳縁切除具Z1を適宜の駆動ユニット(図示省略)に取付けるための取付部8が、該ホルダー1の両側面1c、1c間に跨って形成されている。
【0040】
一方、上記ホルダー1の上面側の左右一対の傾斜面1a,1aには、該傾斜面1aの面方向に沿って直線状に延び且つその一端が上記ホルダー1の端面1bに開放された、所定深さの溝12がそれぞれ設けられている。この溝12には、次述の刃体2が嵌合固定されるようになっており、従って、この実施形態では、上記溝12が特許請求の範囲中の「刃体取付部P」に該当することになる。
【0041】
II−2:刃体2の構成
上記刃体2は、図11に示すように、刃物材に適した金属材、セラミック材等によって一体形成されるものであって、上記ホルダー1の上記溝12に嵌合し得る幅寸法を有する長矩形の板材を用いて、その一方の短辺に略楔状の開口する刃先をもった切刃3を形成して構成される。また、この刃体2にはその長辺方向に長軸を持つ長穴14が形成されている。なお、この実施形態では、上記刃体2の一方の短辺のみに上記切刃3を形成したが、他の実施形態においては他方の短辺にも上記切刃3を形成できることは勿論である。
【0042】
II−3:ホルダー1への刃体2の取付
図11〜図15に示すように、上記ホルダー1の上記各溝12、12に上記刃体2をそれぞれ嵌合配置する。そして、上記刃体2の刃先が上記ホルダー1の上記各ガイド面11A、11Bの延長上に位置するように位置決めを行う。なお、この位置決めに際しては、例えば、上記ホルダー1の端面1bに適宜の位置決め冶具を取り付けることで、位置決め作業を簡便且つ正確に行うことができる。
【0043】
上記刃体2の位置決めを完了した後、該刃体2を固定ネジ13によって上記溝12の溝底側に締結固定することで、該刃体2の上記ホルダー1への取付作業が完了する。
【0044】
II−4:耳縁切除具Z1の使用状態等
上記耳縁切除具Z2を用いての耳縁切除作業は、上記第1の実施形態の耳縁切除具Z1の場合と同様であるので、該第1の実施形態の該当説明を援用することで、ここでの説明を省略する。
【0045】
ところで、上記耳縁切除具Z2の長期の使用の結果、上記刃体2の上記切刃3が磨耗しその切れ味が低下した場合には、該刃体2を上記ホルダー1の端面1bから所定量突出させた状態で固定し、該刃体2の上記切刃3部分を研磨することで該切刃3を再生してその切れ味を回復させることができる。何回かの再研磨の結果、さらに研磨することができない状態になった場合に初めて、これを新品の刃体2と交換すれば良く、再研磨ができない構成の場合に比して、該刃体2の長寿命化が図れ、高い経済性が実現される。
【0046】
なお、既述のように、上記刃体2には上記切刃3を該刃体2の両短辺にそれぞれ形成することもでき、係る場合には、この切刃3の数が多い分だけ上記刃体2の寿命がさらに長くなり、その経済性がさらに向上する。
【図面の簡単な説明】
【0047】
【図1】 本願発明の第1の実施形態に係る耳縁切除具の全体斜視図である。
【図2】 図1に示した耳縁切除具の分解斜視図である。
【図3】 図1に示した耳縁切除具の平面図である。
【図4】 図3のIV−IV矢視図である。
【図5】 図4のV−V矢視図である。
【図6】 図4のVI−VI矢視図である。
【図7】 図1に示す耳縁切除具の使用状態を示す斜視図である。
【図8】 図1に示す耳縁切除具による切除作業の初期工程を示す断面図である。
【図9】 切除作業の最終工程を示す断面図である。
【図10】 切除作業の終了後の状態を示す断面図である。
【図11】 本願発明の第2の実施形態に係る耳縁切除具の全体斜視図である。
【図12】 図11に示した耳縁切除具の平面図である。
【図13】 図12のXIII−XIIl矢視図である。
【図14】 図13のXIV−XIV矢視図である。
【図15】 図13のXV−XV矢視図である。
【図16】 従来の耳縁切除具の全体斜視図である。
【符号の説明】
【0048】
1 ・・ホルダー
2 ・・刃体
3 ・・切刃
4 ・・アーム
8 ・・固定部
9 ・・固定ネジ
10 ・・溝
11 ・・定規部
12 ・・溝
13 ・・固定ネジ
14 ・・長穴
15 ・・逃溝
20 ・・基材
21 ・・化粧材
P ・・刃体取付部
Z1、Z2 ・・耳縁切除具
【技術分野】
【0001】
本願発明は、家具とか建具の製作工程において生じる不要な耳縁を切除するための耳縁切除具に関するものである。
【背景技術】
【0002】
家具とか建具の製作に際しては、例えば、その壁面を構成する板材(即ち、基材)の木口がそのまま外部に露出すると美観性が損なわれることから、この基材の木口に帯板状の化粧材を貼付してその美観性を確保することが広く行われている。
【0003】
この場合、化粧効果を確実にする等の観点から、基材の木口の厚さ寸法より大きな幅寸法をもつ木製とか樹脂製の化粧材を用い、該化粧材によって木口の全域を確実に覆うようにしている。そして、上記基材の両側面から外方へ延出した耳縁を事後的に切除するようにしており、このような化粧材の耳縁の切除作業には耳縁切除具(特許文献1及び図16参照)が使用される。
【0004】
この特許文献1に示される耳縁切除具は、略直交する一対の傾斜面を備えたカッター体の該一対の傾斜面に、アングル形状を有し且つその内面を略直交する二面からなるガイド部とするとともに、該ガイド部の両端に楔状に開口する切刃を設けたカッター刃体を取り付けて構成される。そして、このカッター刃体の上記ガイド面を基材の木口の直交する二面に当接させ、この状態で上記カッター体を木口の稜線に沿って前後方向へスライドさせることで、上記カッター刃体によって木口に貼設された化粧材の耳縁を切除するものである。
【0005】
また、図16に示す耳縁切除具は、二等辺三角形状の金属製のブロック体でなる本体40の底面に、三角断面状の溝41を底面長手方向に延設し、該溝41の両側面42,42で定規部41を構成するとともに、上記本体40の両端部に、上記定規部41の両端部に臨んで楔状に開口する切刃43,43を形成したものである。そして、上記定規部41の両側面42,42を基材の木口の二面に当接させ、この状態で上記本体40を木口の稜線に沿って前後方向へスライドさせることで、上記切刃43,43によって木口に貼設された化粧材の耳縁を切除するものである。
【0006】
【特許文献1】 特開平5−23444号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところが、特許文献1に示される耳縁切除具は、定規機能をもつカッター刃体をカッター体に着脱自在に取付けることでこれを交換可能とするものであるが、その交換時には上記カッター刃体全体を取り換える必要があり、不経済なものであった。
【0008】
また、図16に示す耳縁切除具では、該耳縁切除具の全体が一体構成であって、その一部に切刃43を形成していることから、該切刃43の切れ味が悪くなった場合には、何回かは再研磨にて再使用ができるものの、研磨代が無くなると、上記耳縁切除具全体を取り換える必要があり、やはり不経済なものであった。
【0009】
そこで本願発明は、経済性に優れた耳縁切除具を提供することを目的としてなされたものである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本願発明では、上記課題を解決するために以下のような構成を採用している。
【0011】
本願の第1の発明では、基材20の小口面20aに取付けられた帯板状の化粧材21の耳縁21aを切除するための耳縁切除具であって、略直交する二つのガイド面11A、11Bからなる山形断面の定規部11と該定規部11の両端部11a、11bにそれぞれ対応して設けられた刃体取付部Pを備えたホルダー1と、上記各刃体取付部Pにそれぞれ着脱自在に取付けられる刃体2を備えて構成されたことを特徴としている。
【0012】
本願の第2の発明では、上記第1の発明に係る耳縁切除具において、上記刃体取付部Pが、上記定規部11の頂部に沿って延びる溝10で構成され、上記刃体2が、上記溝10に嵌挿可能な棒状体の端部に切刃3を形成した構成であることを特徴としている。
【0013】
本願の第3の発明では、上記第1の発明に係る耳縁切除具において、上記刃体取付部Pが、上記ホルダー1の外面1aに沿って延びる溝12で構成され、上記刃体2が、上記溝12に嵌入可能な板状体の端部に切刃3を形成した構成であることを特徴としている。
【発明の効果】
【0014】
本願発明では次のような効果が得られる。
【0015】
(a)本願の第1の発明に係る耳縁切除具によれば、略直交する二つのガイド面11A、11Bからなる山形断面の定規部11と該定規部11の両端部11a、11bにそれぞれ対応して設けられた刃体取付部Pを備えたホルダー1と、上記各刃体取付部Pにそれぞれ着脱自在に取付けられる刃体2で構成されているので、長期の使用によって上記刃体2の切れ味が低下した場合には、該刃体2のみを再研磨することでこれを再使用することができ、また再研磨の繰り返しによってそれ以上の再研磨が不能になった場合には、この刃体2のみを新品に交換し、上記ホルダー1はそのまま使用を継続することができ、従来構造の耳縁切除具に比して、極めて経済的なものとなる。
【0016】
(b)本願の第2の発明に係る耳縁切除具よれば、上記(a)に記載の効果に加えて以下のような特有の効果が得られる。即ち、この発明では、上記刃体取付部Pを、上記定規部11の頂部11bに沿って延びる溝10で構成し、上記刃体2を、上記溝10に嵌挿可能な棒状体の端部に切刃3を形成した構成としているので、上記刃体2の上記刃体取付部Pへの取付けを容易に且つ確実に行なうことができ、該刃体2の使用上における高い信頼性が確保される。
【0017】
また、上記刃体2が棒状体の端部に切刃3を形成した構成であることから、該棒状体の両端部にそれぞれ切刃3を形成してこれを選択的に使用することができ、それだけ刃体2の長寿命化が促進されその経済的価値がさらに向上することにもなる。
【0018】
(c)本願の第3の発明に係る耳縁切除具よれば、上記(a)に記載の効果に加えて以下のような特有の効果が得られる。即ち、この発明では、上記刃体取付部Pを、上記ホルダー1の外面1aに沿って延びる溝12で構成し、上記刃体2を、上記溝12に嵌入可能な板状体の端部に切刃3を形成した構成としているので、上記刃体2の上記刃体取付部Pへの取付けを上記ホルダー1の外側から確認しながら容易に且つ確実に行なうことができ、該刃体2の取付作業の簡易化が図れるとともに、該刃体2の使用上における高い信頼性が確保される。
【0019】
また、上記刃体2が板状体の端部に切刃3を形成した構成であることから、該板状体の両端部にそれぞれ切刃3を形成してこれを選択的に使用することができ、それだけ刃体2の長寿命化が促進されその経済的価値が向上することにもなる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
以下、本願発明を好適な実施形態に基づいて具体的に説明する。
I:第1の実施形態
【0021】
図1には、本願発明の第1の実施形態に係る耳縁切除具Z1を示している。この耳縁切除具Z1は、図7に示すように、木製の基材20の木口20aに貼付された木製あるいは樹脂製の化粧材21の耳縁21aを切除するためのものであって、次述するホルダー1と刃体2を備えて構成される。なお、この実施形態では、上記基材20を木製としているが、他の実施形態では、例えば、これを樹脂製とすることもできる。
I−1:ホルダー1の構成
【0022】
上記ホルダー1は、図1〜図6に示すように、二等辺三角形状のブロック体であって、金属材又は樹脂材により一体形成される。このホルダー1の底面1d側には、該底面1dの両長辺側からそれぞれ略45°の傾斜をもって内側上方へ立ち上がる一対のガイド面11A,11Bで構成される三角溝状の定規部11が、長軸方向の両端面1b、1b間にわたって形成されている。
【0023】
さらに、この定規部11の頂部の稜線部分には、正方形状の断面形状をもつ溝10が、該稜線部分と所定寸法だけ上下方向に重合し且つその断面における一つの対角線が上記定規部11の稜線部分を通って上下方向へ延出するような相対位置関係をもって、該定規部11の両端部11a,11b間に跨って設けられている。
【0024】
従って、上記溝10は上記定規部11の頂部を介して上記ホルダー1の底面1d側へ臨むとともに、その両端部は、上記ホルダー1の上面側の傾斜面1a,1aにそれぞれ開口している。
【0025】
なお、次述のように、上記溝10には上記刃体2が取付けられるようになっており、従って、この実施形態では、上記溝10が特許請求の範囲中の「刃体取付部P」に該当することになる。また、上記ホルダー1には、耳縁切除具Z1を適宜の駆動ユニット(図示省略)に取付けるための取付部8が、該ホルダー1の両側面1c、1c間に跨って形成されている。
【0026】
I−2:刃体2の構成
上記刃体2は、図2に示すように、刃物材に適した金属材、セラミック材等によって一体形成されるものであって、上記ホルダー1の上記溝10に嵌合し得る大きさの正方形断面をもつ所定長さの棒状の本体部2aの両端にそれぞれ切刃3,3を形成して構成される。この場合、上記本体部2aの両端は、図2及び図4に示すように、上記ホルダー1の傾斜面1aの傾斜角に合致した傾斜角をもつように研磨され且つ相互に平行に延出する一対の研磨面2b、2bとされている。そして、この研磨面2bの傾斜方向両端の隅部のうち、軸方向外側に位置する隅部に、上記定規部11の各ガイド面11A,11Bの延長上において楔状に開口する切刃3が形成されている。
【0027】
I−3:ホルダー1への刃体2の取付
図2に示すように、上記ホルダー1の上記溝10の両端側にそれぞれ上記刃体2を嵌挿する。そして、上記刃体2の上記研磨面2bが上記ホルダー1の傾斜面1aと面一となるように位置決めを行う。しかる後、上記ホルダー1の側面1cに配置した固定ネジ9を締め込んで、上記刃体2をそのセット位置で固定する。この固定状態において、上記切刃3の刃先は、上記ホルダー1の上記各ガイド面11A,11Bの延長上に位置することになる。以上で、上記ホルダー1への上記刃体2の取付けが完了する。
【0028】
なお、上述のように、上記刃体2はその両端にそれぞれ上記切刃3を備えているので、一方の切刃3の切れ味が低下した場合には、他方の切刃3を使用するが、その際における上記刃体2の取り外し作業、及び該刃体2を反転させての再取付作業は、上記手順と同様にして行われる。
【0029】
また、上記ホルダー1に対する上記刃体2の取付位置の微調整は、図5に示すように、上記刃体2の一部が上記溝10を通して上記定規部11の内側に露出しているので、この露出部分を適宜の工具で押し引きすることで、容易に行うことができる。
I−4:耳縁切除具Z1の使用状態等
【0030】
上記耳縁切除具Z1は、図7に示すように、例えば、板材でなる基材20の木口面20a上への化粧材21の貼付工程において該基材20の両側面20b、20bから側方へ跳ね出した耳縁21aを上記基材20の側面20bに沿って切除する作業に用いられる。
【0031】
即ち、図9に示すように、上記耳縁切除具Z1を、その定規部11の各ガイド面11A、11Bを上記化粧材21の上面とこれに直交する上記基材20の側面20bにそれぞれ当接させる。この状態においては、上記刃体2の切刃3の略直交する二つの刃先のうちの一方が上記化粧材21の面方向に直交している。従って、この状態で、上記耳縁切除具Z1を上記基材20の側面20bに沿って前後方向へ移動させることで、上記切刃3によって上記化粧材21の耳縁21aが切除され、図10に示すように、上記化粧材21の側縁20cが上記基材20の側面20bを面一とされる。
【0032】
なお、実際の作業においては、当初から図9に示すように上記耳縁切除具Z1の定規部11の各ガイド面11A,11Bを、上記化粧材21の上面とこれに直交する上記基材20の側面20bにそれぞれ当接させることが困難な場合もある。係る場合には、図8に示すように、上記耳縁切除具Z1の定規部11の各ガイド面11A,11Bのうち、上記化粧材21の上面側に対応する第1ガイド面11Aのみを上記化粧材21の上面に当接させ、他方の第2ガイド面11Bを上記基材20の側面20bから離間させた状態で、上記耳縁切除具Z1をその前後方向へ移動させて、上記化粧材21の耳縁21aを少しずつ段階的に切除し、最終的に図9に示すように、上記耳縁切除具Z1の定規部11の各ガイド面11A,11Bを上記化粧材21の上面とこれに直交する上記基材20の側面20bにそれぞれ当接させて仕上げるようにすれば良い。
【0033】
なお、図8に示すように、通常、上記化粧材21は、その両縁部がそれぞれ上記基材20の両側面20b、20bから外側へ延出するようにして貼付されるため、これら両側の耳縁21aをそれぞれ切除するが、この場合、図9に鎖線図示するように、上記定規部11の第1ガイド面11Aを上記基材20の側面20bに、第2ガイド面11Bを上記化粧材21の上面に、それぞれ当接させて切除する。
【0034】
この際は、上記の場合とは逆に、上記刃体2の切刃3の略直交する二つの刃先のうちの他方が上記化粧材21の面方向に直交し、該刃先によって切除される。従って、上記切刃3の二つの刃先は、略均等に磨耗が進行することになる。
【0035】
長期の使用によって上記刃体2の上記切刃3が磨耗しその切れ味が低下した場合には、該刃体2を上記ホルダー1の上記傾斜面1aから所定量突出させた状態で固定し、該刃体2の上記研磨面2bを研磨することで上記切刃3を再生してその切れ味を回復させることができる。何回かの再研磨の結果、さらに研磨することができない状態になった場合には、一旦、上記刃体2を上記ホルダー1から取り外し、該刃体2を反転させて再度、上記ホルダー1の上記溝10に嵌挿し、所定位置に位置決めして固定することで、新たな切刃3によって切除作業を行うことができる。なお、この新たな切刃3も再研磨によって再生して使用できることは言うまでもない。
【0036】
そして、上記刃体2の二つの切刃3,3が共に再研磨不能となった時点で、上記刃体2を新品の刃体2に取り替える。このように、上記刃体2が二つの切刃3を備え、且つこの切刃3が再研磨にて再生使用が可能であることで、該刃体2の寿命が格段に長くなり、極めて経済的である。
【0037】
II:第2の実施形態
図11には、本願発明の第2の実施形態に係る耳縁切除具Z2を示している。この耳縁切除具Z2は、次述するホルダー1と刃体2を備えて構成される。
【0038】
II−1:ホルダー1の構成
上記ホルダー1は、図11〜図15に示すように、二等辺三角形状のブロック体であって、金属材又は樹脂材により一体形成される。このホルダー1の底面1d側には、該底面1dの両長辺側からそれぞれ略45°の傾斜をもって内側上方へ立ち上がる一対のガイド面11A,11Bで構成される三角溝状の定規部11が、長軸方向の両端面1b、1b間にわたって形成されている。
【0039】
さらに、この定規部11の頂部の稜線部分には、U字状の断面形状をもつ逃溝15が、該稜線部分と所定寸法だけ上下方向に重合した状態で、該定規部11の両端部11a,11b間に跨って設けられている。従って、この逃溝15は、上記定規部11の頂部を介して上記ホルダー1の底面1d側へ臨むとともに、その両端部は、上記ホルダー1の上面側の傾斜面1a,1aにそれぞれ開口している。また、上記ホルダー1には、耳縁切除具Z1を適宜の駆動ユニット(図示省略)に取付けるための取付部8が、該ホルダー1の両側面1c、1c間に跨って形成されている。
【0040】
一方、上記ホルダー1の上面側の左右一対の傾斜面1a,1aには、該傾斜面1aの面方向に沿って直線状に延び且つその一端が上記ホルダー1の端面1bに開放された、所定深さの溝12がそれぞれ設けられている。この溝12には、次述の刃体2が嵌合固定されるようになっており、従って、この実施形態では、上記溝12が特許請求の範囲中の「刃体取付部P」に該当することになる。
【0041】
II−2:刃体2の構成
上記刃体2は、図11に示すように、刃物材に適した金属材、セラミック材等によって一体形成されるものであって、上記ホルダー1の上記溝12に嵌合し得る幅寸法を有する長矩形の板材を用いて、その一方の短辺に略楔状の開口する刃先をもった切刃3を形成して構成される。また、この刃体2にはその長辺方向に長軸を持つ長穴14が形成されている。なお、この実施形態では、上記刃体2の一方の短辺のみに上記切刃3を形成したが、他の実施形態においては他方の短辺にも上記切刃3を形成できることは勿論である。
【0042】
II−3:ホルダー1への刃体2の取付
図11〜図15に示すように、上記ホルダー1の上記各溝12、12に上記刃体2をそれぞれ嵌合配置する。そして、上記刃体2の刃先が上記ホルダー1の上記各ガイド面11A、11Bの延長上に位置するように位置決めを行う。なお、この位置決めに際しては、例えば、上記ホルダー1の端面1bに適宜の位置決め冶具を取り付けることで、位置決め作業を簡便且つ正確に行うことができる。
【0043】
上記刃体2の位置決めを完了した後、該刃体2を固定ネジ13によって上記溝12の溝底側に締結固定することで、該刃体2の上記ホルダー1への取付作業が完了する。
【0044】
II−4:耳縁切除具Z1の使用状態等
上記耳縁切除具Z2を用いての耳縁切除作業は、上記第1の実施形態の耳縁切除具Z1の場合と同様であるので、該第1の実施形態の該当説明を援用することで、ここでの説明を省略する。
【0045】
ところで、上記耳縁切除具Z2の長期の使用の結果、上記刃体2の上記切刃3が磨耗しその切れ味が低下した場合には、該刃体2を上記ホルダー1の端面1bから所定量突出させた状態で固定し、該刃体2の上記切刃3部分を研磨することで該切刃3を再生してその切れ味を回復させることができる。何回かの再研磨の結果、さらに研磨することができない状態になった場合に初めて、これを新品の刃体2と交換すれば良く、再研磨ができない構成の場合に比して、該刃体2の長寿命化が図れ、高い経済性が実現される。
【0046】
なお、既述のように、上記刃体2には上記切刃3を該刃体2の両短辺にそれぞれ形成することもでき、係る場合には、この切刃3の数が多い分だけ上記刃体2の寿命がさらに長くなり、その経済性がさらに向上する。
【図面の簡単な説明】
【0047】
【図1】 本願発明の第1の実施形態に係る耳縁切除具の全体斜視図である。
【図2】 図1に示した耳縁切除具の分解斜視図である。
【図3】 図1に示した耳縁切除具の平面図である。
【図4】 図3のIV−IV矢視図である。
【図5】 図4のV−V矢視図である。
【図6】 図4のVI−VI矢視図である。
【図7】 図1に示す耳縁切除具の使用状態を示す斜視図である。
【図8】 図1に示す耳縁切除具による切除作業の初期工程を示す断面図である。
【図9】 切除作業の最終工程を示す断面図である。
【図10】 切除作業の終了後の状態を示す断面図である。
【図11】 本願発明の第2の実施形態に係る耳縁切除具の全体斜視図である。
【図12】 図11に示した耳縁切除具の平面図である。
【図13】 図12のXIII−XIIl矢視図である。
【図14】 図13のXIV−XIV矢視図である。
【図15】 図13のXV−XV矢視図である。
【図16】 従来の耳縁切除具の全体斜視図である。
【符号の説明】
【0048】
1 ・・ホルダー
2 ・・刃体
3 ・・切刃
4 ・・アーム
8 ・・固定部
9 ・・固定ネジ
10 ・・溝
11 ・・定規部
12 ・・溝
13 ・・固定ネジ
14 ・・長穴
15 ・・逃溝
20 ・・基材
21 ・・化粧材
P ・・刃体取付部
Z1、Z2 ・・耳縁切除具
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基材(20)の小口面(20a)に取付けられた帯板状の化粧材(21)の耳縁(21a)を切除するための耳縁切除具であって、
略直交する二つのガイド面(11A)、(11B)からなる山形断面の定規部(11)と該定規部(11)の両端部(11a)、(11b)にそれぞれ対応して設けられた刃体取付部(P)を備えたホルダー(1)と、
上記各刃体取付部(P)にそれぞれ着脱自在に取付けられる刃体(2)を備えて構成されたことを特徴とする耳縁切除具。
【請求項2】
請求項1において、
上記刃体取付部(P)が、上記定規部(11)の頂部に沿って延びる溝(10)で構成され、
上記刃体(2)が、上記溝(10)に嵌挿可能な棒状体の端部に切刃(3)を形成した構成であることを特徴とする耳縁切除具。
【請求項3】
請求項1において、
上記刃体取付部(P)が、上記ホルダー(1)の外面(1a)に沿って延びる溝(12)で構成され、
上記刃体(2)が、上記溝(12)に嵌入可能な板状体の端部に切刃(3)を形成した構成であることを特徴とする耳縁切除具。
【請求項1】
基材(20)の小口面(20a)に取付けられた帯板状の化粧材(21)の耳縁(21a)を切除するための耳縁切除具であって、
略直交する二つのガイド面(11A)、(11B)からなる山形断面の定規部(11)と該定規部(11)の両端部(11a)、(11b)にそれぞれ対応して設けられた刃体取付部(P)を備えたホルダー(1)と、
上記各刃体取付部(P)にそれぞれ着脱自在に取付けられる刃体(2)を備えて構成されたことを特徴とする耳縁切除具。
【請求項2】
請求項1において、
上記刃体取付部(P)が、上記定規部(11)の頂部に沿って延びる溝(10)で構成され、
上記刃体(2)が、上記溝(10)に嵌挿可能な棒状体の端部に切刃(3)を形成した構成であることを特徴とする耳縁切除具。
【請求項3】
請求項1において、
上記刃体取付部(P)が、上記ホルダー(1)の外面(1a)に沿って延びる溝(12)で構成され、
上記刃体(2)が、上記溝(12)に嵌入可能な板状体の端部に切刃(3)を形成した構成であることを特徴とする耳縁切除具。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【公開番号】特開2009−254767(P2009−254767A)
【公開日】平成21年11月5日(2009.11.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−128895(P2008−128895)
【出願日】平成20年4月15日(2008.4.15)
【出願人】(393008359)有限会社筒井精研 (3)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成21年11月5日(2009.11.5)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年4月15日(2008.4.15)
【出願人】(393008359)有限会社筒井精研 (3)
【Fターム(参考)】
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