説明

肘用サポーター

【課題】肘関節近傍を適切に保護及び固定できる肘用サポーターの提供を目的とする。
【解決手段】筒状のサポーター本体1と、そのサポーター本体1よりも伸張応力が強い強伸張応力部2と、その強伸張応力部2よりも伸張応力が弱く且つサポーター本体1よりも伸張応力が強く中強伸張応力部7とを備えている。また、強伸張応力部2は、肘部の内側側副靭帯を被覆する第1側副靭帯被覆部31と、肘部の外側側副靭帯を被覆する第2側副靭帯被覆部32とを有する第1強伸張応力部を備えている。中強伸張応力部7は、第1側副靭帯被覆部31と第2側副靭帯被覆部32との夫々の全周部に、それらと隣接するようにして配設された第1中強伸張応力部71を備えている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願発明は、身体の肘部に装着される肘用サポーターに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、例えば身体の膝部や肘部を固定し、支持し、圧迫し、あるいは保温等のためにサポーターが広く用いられている。このようなサポーターとして、例えば特許文献1に提案されたものがある。このサポーターは、筒状に形成した伸縮性素材より成る本体(サポーター本体)の表面の一部に、本体を形成する伸縮性素材の有するモジュラスより大なるモジュラスを有する芯材と、芯材の伸びを制限する表面材とを積層して形成した補強材を接着し、補強材の有するモジュラスは患部の動きを運動域内に制限し得る大きさとしたものである。これにより、筋や靱帯の変化が少ない日常の普通の生活状態では、本体の組織が変化するだけで追随させ、さらに動きの激しいときは、本体のみの変化から補強材の伸縮性が加わって強い応力が作用し、それ以上の筋や靱帯の動きを抑制するようにしたものである。
【特許文献1】特許第2894778号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、上記特許文献1に記載のものにおいては、比較的伸びやすい本体から急に伸び難い補強材を配しているため、補強材が身体の動きに対して追随し難い。例えば肘部の靭帯を保護する肘用のサポーターとして用いる場合、補強材で肘部の靭帯を部分的に覆うようにして保護しておいても、肘部が動くと補強材の一部が肘部(皮膚表面)から浮き上がって肘部との間に空隙ができ易く、又、補強材が位置ずれを起こし易い。このような浮き上がりや位置ずれを起こすと、肘関節近傍を適切に保護及び固定できなくなってしまう。
【0004】
本願発明は、肘関節近傍を適切に保護及び固定できる肘用サポーターの提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本願発明は、次の特徴を有するものを提供することにより、上記課題を解決する。本願の請求項1記載の発明は、身体の肘部に装着される肘用サポーターであって、前記肘部に密着可能なサポーター本体と、そのサポーター本体よりも伸張応力が強い強伸張応力部と、その強伸張応力部よりも伸張応力が弱く且つ前記サポーター本体よりも伸張応力が強い中強伸張応力部とを備え、前記強伸張応力部は、前記肘部の内側側副靭帯と外側側副靭帯との少なくとも一方の靭帯の一部又は全体を覆うことができるように前記サポーター本体の一部に配設された第1強伸張応力部を備え、前記中強伸張応力部は、前記第1強伸張応力部の全周部に配設された第1中強伸張応力部を備えていることを特徴とする肘用サポーターである。
【0006】
請求項2記載の発明は、請求項1に係る前記第1強伸張応力部は、前記内側側副靭帯と外側側副靭帯との夫々の一部又は全体を覆う一対の側副靭帯被覆部を備え、前記一対の側副靭帯被覆部は、互いに間隔を隔てて分離するように配設され、前記第1中強伸張応力部は、前記側副靭帯被覆部の夫々の全周部に配設されていることを特徴とする肘用サポーターである。
【0007】
請求項3記載の発明は、請求項2に係る前記強伸張応力部は、前記一対の側副靭帯被覆部の間であって、前記内側側副靭帯被覆部の近傍と外側側副靭帯被覆部の近傍とに夫々配設された第2強伸張応力部を、更に備えていることを特徴とする肘用サポーターである。
【0008】
請求項4記載の発明は、請求項1〜3のいずれかに係る前記肘用サポーターは、前記靭帯に対する第1強伸張応力部の位置決めをするための位置決め部を、更に備え、前記位置決め部は、前記肘部の肘頭を覆う肘頭被覆部を、使用者が認識できるように形成した肘頭被覆部形成手段を備えていることを特徴とする肘用サポーターである。
【0009】
請求項5記載の発明は、請求項2〜4のいずれかに係る前記サポーター本体は、前後両面及び左右両側面を有する筒状体から構成され、前記側副靭帯被覆部は、夫々、前記サポーター本体の略左側面と略右側面との夫々に配設され、前記中強伸張応力部は、前記サポーター本体の前面と後面との少なくとも一方に配設された第2中強伸張応力部を、更に備えていることを特徴とする肘用サポーターである。
【0010】
請求項6記載の発明は、請求項5に係る前記第2中強伸張応力部は、前記肘部における少なくとも前腕筋の一部を覆うことができる位置に配設されていることを特徴とする肘用サポーターである。
【発明の効果】
【0011】
請求項1によれば、強伸張応力部は、前記肘部の内側側副靭帯及び外側側副靭帯の少なくとも一方の靭帯を覆うことができるようにサポーター本体の一部に配設された第1強伸張応力部を備え、この第1強伸張応力部の全周部に第1中強伸張応力部を配設している。
【0012】
こうすることにより、肘部を動かした場合でも、第1強伸張応力部が肘部の内側側副靭帯や外側側副靭帯を押さえておくことができ、肘部に必要以上の力がかかった場合でも、肘部の変形を抑え靭帯が伸び過ぎるようなことを防止できる。
【0013】
又、第1中強伸張応力部によって、第1強伸張応力部を肘部から浮き上がり難いものにでき、第1強伸張応力部と肘部との間に隙間ができ難いものにできる。これにより、第1強伸張応力部を肘部の動きに対して追随し易いものにできるとともに、第1強伸張応力部が位置ずれを起こし難いものにできる。よって、肘部の内側側副靭帯及びその近傍や外側側副靭帯及びその近傍を適切に保護及び固定できる。
【0014】
又、仮に第1強伸張応力部が肘部の内側側副靭帯や外側側副靭帯から多少の位置ずれを起こした場合でも、第1強伸張応力部の全周部に配設された第1中強伸張応力部によって、内側側副靭帯や外側側副靭帯を覆って保護できる。
【0015】
請求項2によれば、第1強伸張応力部は、互いに間隔を隔てた内側側副靭帯被覆部と外側側副靭帯被覆部とを備え、第1中強伸張応力部は、それらの内側側副靭帯被覆部と外側側副靭帯被覆部との夫々の全周部に配設されている。
【0016】
こうすることにより、第1強伸張応力部を、より一層、肘部にフィットさせ易いものにできるとともに、第1強伸張応力部が位置ずれを起こし難いものにでき、肘部の内側側副靭帯及びその近傍や外側側副靭帯及びその近傍を、より一層、適切に保護及び固定できる。又、内側側副靭帯被覆部と外側側副靭帯被覆部と互いに間隔を隔てているため、第1強伸張応力部及び第1中強伸張応力部によって肘部の動きの妨げになり難いものにできる。
【0017】
請求項3によれば、強伸張応力部は、内側側副靭帯被覆部と外側側副靭帯被覆部との間であって、内側側副靭帯被覆部の近傍と外側側副靭帯被覆部の近傍とに夫々配設された第2強伸張応力部を備えている。
【0018】
こうすることにより、内側側副靭帯被覆部及び外側側副靭帯被覆部夫々の近傍を、第2強伸張応力部によって肘部に押さえておくことができる。これにより、より一層、第1強伸張応力部を肘部から浮き上がり難いものにできとともに、位置ずれを起こし難いものにできる。よって、第1強伸張応力部によって、肘部の内側側副靭帯及びその近傍や外側側副靭帯及びその近傍を、より適切に保護及び固定できる。
【0019】
請求項4によれば、肘用サポーターは、肘部の靭帯に対する第1強伸張応力部の位置決めをするための位置決め部を備え、この位置決め部は、肘部の肘頭を覆う肘頭被覆部を、使用者が認識できるように形成した肘頭被覆部形成手段を備えている。
【0020】
こうすることにより、肘部への着用に際し、肘頭被覆部形成手段によって形成した肘頭被覆部で肘頭を覆うようにすれば、靭帯に対する第1強伸張応力部の位置を決めることができる。
【0021】
従って、肘部への着用に際し、例えば使用者が肘部の内側側副靭帯や外側側副靭帯の位置を知らない場合、或いは、第1強伸張応力部が外観上、見難くて第1強伸張応力部を靭帯に位置合わせし難いような場合等でも、容易に、第1強伸張応力部を所定位置に配設できるとともに、内側側副靭帯及びその近傍や外側側副靭帯及びその近傍を、より適切に保護及び固定できる。
【0022】
請求項5によれば、一対の側副靭帯被覆部は、サポーター本体の左右両側面夫々に配設され、中強伸張応力部は、前記サポーター本体の前面と後面との少なくとも一方に配設された第2中強伸張応力部を備えている。
【0023】
こうすることにより、肘部の動きに際して常時第1強伸張応力部を第2中強伸張応力部によって周方向の両側から引っ張った状態にでき、肘部が動いた場合でも、第1強伸張応力部と肘部との間に隙間ができ難いものにできるとともに、第1強伸張応力部の位置ずれを起こし難いものにできる。
【0024】
請求項6によれば、第2中強伸張応力部は、肘部における少なくとも前腕筋の一部を覆うことができる位置に配設されている。これにより、例えば肘部に過度の力がかかった場合でも、前腕筋に過度の力がかかるのを抑えることができ、前腕筋を保護できる。又、前腕筋群を区画することにより、運動時に効率よく筋活動を行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0025】
以下、本願発明を実施するための最良の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。図1は、本発明の肘用サポーターの一実施の形態の正面図、図2は、その肘用サポーターの背面図、図3は、その肘用サポーターの平面図、図4は、肘用サポーターの展開図である。
【0026】
本発明の肘用サポーターは、サポーター本体1と、そのサポーター本体1よりも伸張応力が強い強伸張応力部2と、その強伸張応力部2よりも伸張応力が弱く且つサポーター本体1よりも伸張応力が強い中強伸張応力部7とを備えている。
【0027】
サポーター本体1は、この実施形態では、前後両面及び左右両面を有する筒状体から構成されている。又、この実施形態のサポーター本体1は、外筒状体1aと、その外筒状体1aの内周側に配設された内筒状体1bとの内外2層のものから構成されている(図6参照)。
【0028】
これらの外筒状体1aと内筒状体1bとは、同一構成を採っており、夫々は、ナイロン糸とポリウレタン糸との2種類を少なくとも含む糸で、トリコット編みされた生地によって構成されている。
【0029】
又、図1〜図3に示すように、このサポーター本体1は、軸方向の一端側である上端側に腕を入れる腕入れ口11を、軸方向の他端側である下端側に腕を出す腕出し口12を、夫々、有する。また、サポーター本体1は、周方向及び軸方向等に弾性(伸縮性)を有し、これにより、肘部に密着できるようになっている。
【0030】
強伸張応力部2は、この実施形態では、第1強伸張応力部31、32〜第4強伸張応力部6を備えている。第1強伸張応力部31、32は、サポーター本体1の左側面に配設された第1側副靭帯被覆部31と、サポーター本体1の右側面に、第1側副靭帯被覆部31と周方向に距離を隔てて分離するようにして配設された第2側副靭帯被覆部32との一対の副靭帯被覆部を備えている。
【0031】
これらの第1側副靭帯被覆部31と第2側副靭帯被覆部32とのいずれか一方は、肘部の内側側副靭帯(図示せず)を覆って保護し、いずれか他方は、肘部の外側側副靭帯(図示せず)を覆って保護する。例えば右腕の肘部に装着させて使用する場合は、第1側副靭帯被覆部31が外側側副靭帯を覆って保護し、第2側副靭帯被覆部32が内側側副靭帯を覆って保護する。
【0032】
第1側副靭帯被覆部31と第2側副靭帯被覆部32とは、サポーター本体1の左右中心線O1に対して左右対称になるように配設されており、同一構成を採っている。以下、第1側副靭帯被覆部31についてのみ説明する。
【0033】
第1側副靭帯被覆部31は、この実施形態では、サポーター本体1の一部における外筒状体1aと内筒状体1bとの間に、複数の介在物を点在させようにして形成されている。
【0034】
詳しくは、この実施形態では、介在物として、サポーター本体1の伸張応力よりも強い伸張応力を有する合成樹脂片、例えばウレタン系樹脂片2aが用いられている。そして、図5に示すように、このウレタン系樹脂片2aは、直径2mm程度の大きさで、第1側副靭帯被覆部31を区画する領域内に点在されている。
【0035】
また、ウレタン系樹脂片2aは、第1側副靭帯被覆部31におけるウレタン系樹脂片2aを点在させた点在部23とウレタン系樹脂片2aを点在させていない非点在部24との面積比が1:1になるように点在されている。
【0036】
そして、このように配設されたウレタン系樹脂片2aは、図6に示すようにサポーター本体1の外筒状体1aと内筒状体1bとに夫々、接着されている。これにより、第1側副靭帯被覆部31は、ウレタン系樹脂片2aの介在によって、サポーター本体1よりも伸張応力が強いものに形成されている。又、ウレタン系樹脂片2aが外筒状体1aと内筒状体1bとに接着されることによって、サポーター本体1の外筒状体1aと内筒状体1bとが互いに移動できないようになっている。
【0037】
尚、このように構成された第1強伸張応力部の第1側副靭帯被覆部31及び第2側副靭帯被覆部32は、実際にはサポーター本体1の外筒状体1aの表面に現われ難く、外観上、目視で判別し難い状態になっているが、説明の都合上、図1、図2、図4及び図8では、第1強伸張応力部の第1側副靭帯被覆部31及び第2側副靭帯被覆部32の領域を斜線で表示している。後述の第2強伸張応力部41、42や中強伸張応力部7において同じである。又、強伸張応力部2における第1強伸張応力部31、32〜第4強伸張応力部6を、夫々、同じ斜線で表示し、中強伸張応力部7における後述の第1中強伸張応力部71〜第6中強伸張応力部76を、夫々、同じ斜線で表示している。
【0038】
次に、第2強伸張応力部41、42について説明する。この第2強伸張応力部41、42は、図1、図4に示すように第1側副靭帯被覆部31と第2側副靭帯被覆部32との間における第1側副靭帯被覆部31の右側近傍に配設された第1側副靭帯被覆補助部41と、上記間における第2側副靭帯被覆部32の左側近傍に配設された第2側副靭帯被覆補助部42とを備えている。
【0039】
第1側副靭帯被覆補助部41は、主として第1側副靭帯被覆部31の肘部からの浮き上がりや位置ずれを起こし難いように補助する。第2側副靭帯被覆補助部42は、主として第2側副靭帯被覆部32の肘部からの浮き上がりや位置ずれを起こし難いように補助する。
【0040】
これらの第1側副靭帯被覆補助部41と第2側副靭帯被覆補助部42とは、同一構成を採っており、夫々は、サポーター本体1の軸方向に所定長さで延ばされた帯状のものから構成され、サポーター本体1の左右中心線O1に対して左右対称になるように配設されている。
【0041】
第3強伸張応力部51、52は、第1小片51と、第1小片51と左右一対をなす第2小片52とを備えている。第1小片51は、上記第1側副靭帯被覆部31からサポーター本体1の軸方向における腕出し口12側に所定距離だけ隔てた位置に配設されている。これにより、第1小片51によって、第1側副靭帯被覆部31の肘部から浮き上がりや位置ずれを、より起こし難いようにしている。
【0042】
第2小片52は、上記第2側副靭帯被覆部32から上記軸方向における腕出し口12側に所定距離だけ隔てた位置に配設されている。これにより、第2小片52によって、第2側副靭帯被覆部32の肘部から浮き上がりや位置ずれを、より起こし難いようにしている。
【0043】
第4強伸張応力部6は、長尺状の帯状のものから構成されており、サポーター本体1の軸方向及び周方向における第1強伸張応力部31、32と第3強伸張応力部51、52との間に、長手方向がその周方向に所定の長さで延ばされている。
【0044】
また、この第3強伸張応力部51は、後述の肘頭被覆部83の中心Oからの距離がその中心Oから上記第1側副靭帯被覆補助部41までの距離及び上記第2側副靭帯被覆補助部42までの距離と同一となる位置に配設されている。
【0045】
このように構成された第4強伸張応力部6は、第1側副靭帯被覆部31及び第2側副靭帯被覆部32の肘部からの浮き上がりや位置ずれを、より一層起こし難いようにする。
【0046】
尚、これらの第2強伸張応力部41、42、第3強伸張応力部51、52及び第4強伸張応力部6は、上記第1強伸張応力部31、32と同一構成を採っている(図5、図6参照)。
【0047】
次に、中強伸張応力部7について説明する。中強伸張応力部7は、この実施形態では、第1中強伸張応力部71〜第6中強伸張応力部76を備えている。
【0048】
第1中強伸張応力部71は、第1強伸張応力部31、32の肘部からの浮き上がり、及び位置ずれを抑えるとともに、肘部の内側側副靭帯や外側側副靭帯を第1強伸張応力部31、32と共に保護する。
【0049】
この第1中強伸張応力部71は、第1強伸張応力部の第1側副靭帯被覆部31と第2側副靭帯被覆部32との夫々の全周部に、それら夫々と距離を隔てないように隣接して所定幅で配設されている。
【0050】
また、この実施形態では、第1中強伸張応力部71は、図7に示すように第1強伸張応力部31、32と、ほぼ同様にして構成されている。詳しくは、第1中強伸張応力部71は、サポーター本体1の第1側副靭帯被覆部31の全周部及び第2側副靭帯被覆部32の全周部に夫々、外筒状体1aと内筒状体1bとの間に合成樹脂片としてのウレタン系樹脂片2aを配設することよって形成されている。
【0051】
ただし、この第1中強伸張応力部71におけるウレタン系樹脂片2aは、ウレタン系樹脂片2aを点在させた点在部23と、ウレタン系樹脂片2aを点在させていない非点在部24との面積比が3:7程度になるように点在されている。
【0052】
このようにして、第1中強伸張応力部71における上記点在部23の非点在部24に対する面積比を、上記第1強伸張応力部31、32におけるその面積比よりも小さくすることにより、第1中強伸張応力部71の伸張応力を、サポーター本体1よりも強く、第1強伸張応力部31、32の伸張応力よりも弱くしている。
【0053】
第2中強伸張応力部72a、72bは、第1強伸張応力部31、32の肘部からの浮き上がり、及び位置ずれを抑えるとともに、肘部の前腕筋群を保護する。この実施形態の第2中強伸張応力部72a、72bは、図1、図2及び図4に示すように、第1前腕筋被覆部72aと、第2前腕筋被覆部72bとの2つを備えている。
【0054】
第1前腕筋被覆部72aは、サポーター本体1の前面における第1強伸張応力部31、32よりも軸方向の腕出し口12側寄りの位置であって、肘部の前腕筋群の尺側手根伸筋や橈側手根伸筋の一部を被覆できる位置に配設されている。
【0055】
第2前腕筋被覆部72bは、サポーター本体1の後面における第1強伸張応力部31、32よりも軸方向の腕出し口12側寄りの位置であって、肘部の前腕筋群の尺側手根屈筋や橈側手根屈筋の一部を被覆できる位置に配設されている。
【0056】
第3中強伸張応力部73は、上記第3強伸張応力部の第1小片51と第2小片52との夫々の全周部に配設され、第3強伸張応力部51、52の肘部からの浮き上がり及び位置ずれを抑える。
【0057】
第4中強伸張応力部74a、74bは、縫製部を構成するもので、展開した状態における図4に示すサポーター本体1の左右両端夫々に配設された左端片74aと右端片74bとを備えている。
【0058】
尚、この実施形態の左端片74aの一部は、上記第1中強伸張応力部71の一部を兼備している。
【0059】
第5中強伸張応力部75と第6中強伸張応力部76は、装着後に肘部からのずれ落ち防止のためのもので、第5中強伸張応力部75は、サポーター本体1の軸方向における腕入れ口11側に、サポーター本体1の周方向の全周に渡って配設されている。
【0060】
一方、第6中強伸張応力部76は、サポーター本体1の軸方向における腕出し口12側に、サポーター本体1の周方向の全周に渡って配設されている。
【0061】
尚、上記第2中強伸張応力部72a、72b〜第6中強伸張応力部76は、第1中強伸張応力部71と同様にして形成されている(図7参照)。
【0062】
又、この実施形態では、サポーター本体1の前面における第1側副靭帯被覆部31と第2側副靭帯被覆部32と間に、上記靭帯に対する第1側副靭帯被覆部31及び第2側副靭帯被覆部32の位置決めをするための位置決め部8が設けられている。
【0063】
この実施形態の位置決め部8は、サポーター本体1の外筒状体1aの表面に表示された肘頭被覆部形成手段としての肘頭区画表示部81と、その肘頭区画表示部81に表示された左右中央点明示部82とから構成されている。
【0064】
肘頭区画表示部81は、2つの湾曲表示片81a、81bを備え、それらが、上部と下部に対向するように配設され、これにより、それらの内側に肘部の肘頭を覆うほぼリング状の肘頭被覆部83を、外観上、使用者に認識できるように区画形成している。この肘頭被覆部83は、その中心Oが上記左右中央線O1上にくるように構成されている。
【0065】
又、左右中央点明示部82は、上記肘頭被覆部83の左右中心を明示したもので、肘頭区画表示部81における上部の湾曲表示片81aの内部に、その湾曲表示片81aと上記左右中央線O1とが交わる位置に配設されている。
【0066】
次に、この肘用サポーターの製造方法について説明する。まず、ナイロン糸とポリウレタン糸との2種類の糸を用いてトリコット編みされた長尺編成体を形成し、その長尺編成体を裁断加工して、図8に示すように2枚の長方形状のシート体9a、9bを製作する。
【0067】
そして、その内の一方のシート体9aの表面に、ウレタン系樹脂をスクリーン印刷によって塗布することによりウレタン系樹脂片2aを点在させる。
【0068】
これにより、第1強伸張応力領域部131、132、第2強伸張応力領域部141、142、第3強伸張応力領域部151、152、第4強伸張応力領域部160が形成される。また、同時に、第1中強伸張応力領域部171、第2中強伸張応力領域部172a、172b、第3中強伸張応力領域部173、第4中強伸張応力領域部174a、174b、第5中強伸張応力領域部175、及び第6中強伸張応力領域部176が形成される。
【0069】
そして、その他方のシート体9bを、その一方のシート体9aの表面に重ね合わせる。そして、その状態で、プレス機により、所定の温度のもとで、所定時間、所定の圧力をかけるようにして接着させる。
【0070】
これにより、第1強伸張応力領域部131、132〜第4強伸張応力領域部160のウレタン系樹脂片2a及び第1中強伸張応力領域部171〜第6中強伸張応力領域部176のウレタン系樹脂片2aと、シート体9a、9b夫々とが接着する。
【0071】
この状態で、2枚のシート体9a、9bでサポーター本体1が形成されるとともに、第1強伸張応力領域部131、132〜第4強伸張応力領域部160の夫々に、サポーター本体1よりも伸張応力が強い第1強伸張応力部31、32〜第4強伸張応力部6が形成される。又、同時に、第1中強伸張応力領域部171〜第6中強伸張応力領域部176夫々に、サポーター本体1よりも伸張応力が強く、且つ、上記第1強伸張応力部31、32〜第4強伸張応力部6よりも伸張応力が弱い第1中強伸張応力部71〜第6中強伸張応力部76が形成される。
【0072】
ここで、サポーター本体、強伸張応力部、中強伸張応力部夫々の引っ張り試験を行ったので、その測定データを図9に示す。この試験は、サポーター本体、強伸張応力部、中強伸張応力部夫々について、試験片を、縦方向(軸方向)及び横方向(周方向)に夫々、20%、50%、80%だけ伸ばした際の伸張力(gf)を取得して比較した。又、試験片として試験片幅25mmのものを用い、掴み間隔10.0cmで、引張速度5cm/minの条件で測定行った。
【0073】
その結果、強伸張応力部が最も大きい伸張力を要し、次いで中強伸張応力部で、サポーター本体が最も小さい伸張力で伸びた。すなわち、強伸張応力部が最も伸張応力が強く、次いで中強伸張応力部で、サポーター本体が最も伸張応力が弱いものであった。
【0074】
尚、上記引っ張り試験と共に、伸張性の試験も行ったので、その結果も併せて図9に表示した。この伸張性の試験は、各試験片について、1kgf、1.5kgf、2.25kgf夫々の伸張力での伸び率を調べることにより行われた。このときの引張速度は、30cm/minの条件で測定した。
【0075】
尚、上記引っ張り試験と共に、伸張性の試験も行ったので、その結果も併せて図9に表示した。この伸張性の試験は、各試験片について、1kgf、1.5kgf、2.25kgf夫々の伸張力での伸び率を調べることにより行われた。このときの引っ張り速度は、30cm/minの条件で測定した。
【0076】
図8に戻り、説明を続けると、上述のように2枚のシート体9a、9bでサポーター本体1を形成した後、外周縁部を裁断する。これにより、図4に示す展開状態の肘用サポーターが得られる。
【0077】
その後、図4に示すように上記他方のシート体9bから構成された外筒状体1aの表面に、位置決め部8を、塗料インク等の塗料を塗布することによって形成する。そして、例えばそのサポーター本体1の左右両端に設けられた右端片74bを後方側に回して左端片74aを重ね合わせて両者を縫い着ける。尚、図2では、縫い着けた後の逢着部は表していない。
【0078】
以上により、図1〜図3に示す本実施形態の筒状の肘用サポーターを得ることができる。
【0079】
次に、この肘用サポーターの動作について説明する。この肘用サポーターを、例えば右腕の肘部に装着する場合は、肘用サポーターの前面側を後側になるように前後逆にして、その状態で、腕入れ口11から腕を通していく。
【0080】
その際、強伸張応力部2を、サポーター本体1の周方向に間隔を隔てて配設しているため、例えば第1側副靭帯被覆部31と第2側副靭帯被覆部32とを連続的に全周に設けた場合に比べて拡径し易く、容易に腕を通すことができる。
【0081】
そして、位置決め部8の肘頭区画表示部81によって区画した肘頭被覆部83で肘頭を覆うようにするとともに、左右中央点明示部82を肘頭のほぼ左右中央に目視によって位置合わせする。
【0082】
これにより、例えば、第1側副靭帯被覆部31が外側側副靭帯を、第2側副靭帯被覆部32が外側側副靭帯を、夫々被覆する。また、第1前腕筋被覆部72aが尺側手根伸筋や橈側手根伸筋の一部を被覆し、第2前腕筋被覆部72bが尺側手根屈筋や橈側手根屈筋の一部を被覆する。
【0083】
従って、肘部への着用に際し、例えば使用者が肘部の内側側副靭帯や外側側副靭帯の位置を知らない場合、或いは、見難い第1側副靭帯被覆部31、第2側副靭帯被覆部32及び第1前腕筋被覆部72aを、誰でも容易に肘部の所定位置に配設でき、上記靭帯や筋を効率良く保護できる。
【0084】
この状態から、例えば肘部を曲げ又は伸ばすように動かすと、第1側副靭帯被覆部31及び第2側副靭帯被覆部32が肘部の靭帯を覆っているため、靭帯の伸びを抑えるができ、靭帯を保護できる。
【0085】
又、その際、第1強伸張応力部31、32の全周部に配した第1中強伸張応力部71によって、第1強伸張応力部31、32が肘部から浮き上がって肘部との間に隙間ができるのを抑え、あるいは、靭帯からの位置ずれを抑えることができる。
【0086】
また、第1側副靭帯被覆部31と第2側副靭帯被覆部32とを間隔を隔てて配設しているため、第1側副靭帯被覆部31と第2側副靭帯被覆部32とが肘部の動きに追随し、肘部を円滑に動かすことができるとともに、第1側副靭帯被覆部31と第2側副靭帯被覆部32との肘部からの浮き上がり、或いは肘部の靭帯からの位置ずれを、より確実に抑えることができる。
【0087】
また、第2強伸張応力部41、42によって、第1側副靭帯被覆部31と第2側副靭帯被覆部32との肘部からの浮き上がり、あるいは、靭帯からの位置ずれを、より一層確実に抑えることができるとともに、肘部の動きに追随する際の第1側副靭帯被覆部31と第2側副靭帯被覆部32とのつっぱり感を解消し、装着した際の違和感を無くすことができる。
【0088】
さらには、第2中強伸張応力部72a、72bによって、第1側副靭帯被覆部31と第2側副靭帯被覆部32とを、常時周方向の両側から引き寄せ、第1側副靭帯被覆部31と第2側副靭帯被覆部32との肘部からの浮き上がり、あるいは、靭帯からの位置ずれを抑えることができる。
【0089】
また、仮に第1側副靭帯被覆部31と第2側副靭帯被覆部32とが靭帯から多少の位置ずれを起こした場合でも、第1中強伸張応力部71によって上記靭帯を覆うことができ、効率的に靭帯を保護できる。
【0090】
尚、第1強伸張応力部31、32の形状等は、上記実施形態のものに限らず、適宜変更できる。また、上記実施形態では、第1強伸張応力部の第1側副靭帯被覆部31と第2側副靭帯被覆部32とを同一形状のものから構成しているが、異なる形状のものから構成するようにしても良い。
【0091】
又、上記実施形態では、第1側副靭帯被覆部31と第2側副靭帯被覆部32とを互いに距離を隔てて分離するようにして配設しているが、例えば両者を連続して一体に形成したものでも良く、適宜変更できる。
【0092】
また、上記実施形態では、第1中強伸張応力部71を、第1強伸張応力部の第1側副靭帯被覆部31と第2側副靭帯被覆部32とに夫々、接するように隣接して配設しているが、第1中強伸張応力部71を、第1側副靭帯被覆部31及び第2側副靭帯被覆部32の夫々に間隔を隔てて配設するようにしても良く、適宜変更し得る。
【0093】
また、上記実施形態では、第2強伸張応力部41、42〜第4強伸張応力部6、及び、第2中強伸張応力部72a、72b〜第6中強伸張応力部76を設けているが、この形態のものに限らず、適宜変更できる。
【0094】
例えば、第2強伸張応力部41、42〜第4強伸張応力部6、及び、第2中強伸張応力部72a、72b〜第6中強伸張応力部76の内の1又は複数或いは全部を設けないものとする。あるいは、第2強伸張応力部41、42〜第4強伸張応力部6内の1又は複数或いは全部に代えて中強伸張応力部を設けるようにし、又は、第2中強伸張応力部72a、72b〜第6中強伸張応力部76の内の1又は複数或いは全部に代えて強伸張応力部を設けるようにしてもよい。
【0095】
又、上記実施形態では、強伸張応力部及び中強伸張応力部を、サポーター本体1の外筒状体1aと内筒状体1bとの間に合成樹脂片を点在させるようにして構成しているが、この形態のものに限らず、適宜変更できる。
【0096】
例えば強伸張応力部と中強伸張応力部との一方または両方を、編成する糸又は編み方をサポーター本体1と変えることによってサポーター本体1の一部にサポーター本体1よりも伸張応力の強いものに形成する。或いは、強伸張応力部と中強伸張応力部との一方または両方を、サポーター本体1よりも伸張応力が強くなるようにサポーター本体1と別途に形成した合成樹脂製等のシート体から構成し、サポーター本体1に貼り着けるようにして形成しても良い。
【0097】
また、強伸張応力部及び中強伸張応力部を、サポーター本体1の外筒状体1aと内筒状体1bとの間に合成樹脂片を点在させることにより形成する場合において、用いる合成樹脂片は、ウレタン系のものに限らず、適宜変更して使用できる。
【0098】
また、上記実施形態では、合成樹脂片の点在部と非点在部の面積比を変えることにより、強伸張応力部を中強伸張応力部よりも伸張応力の強いものにしているが、この形態のものに限らず、適宜変更できる。
【0099】
例えば強伸張応力部の合成樹脂片の厚さを、中強伸張応力部の合成樹脂片の厚さよりも厚くし、強伸張応力部を中強伸張応力部よりも伸張応力の強いものにしても良い。
【0100】
また、上記実施形態では、第1中強伸張応力部71は、第1強伸張応力部31、32の全周部を囲むように配設されているが、例えば第1中強伸張応力部71を、第1強伸張応力部31、32の周部において非連続的に配設するようにしても良い。従って、本願でいう「全周部」とは、周部の全体の他、周部における若干の部分を除くほぼ全周部を含む。
【0101】
又、上記実施形態では、位置決め部8の肘頭被覆部認識手段を、サポーター本体1の外筒状体1aの外周面にリング状に表示した肘頭区画表示部81から構成したが、この形態のものに限らず、適宜変更できる。
【0102】
例えばサポーター本体1の内筒状体1bの内周面における肘頭に対応する部分に円形状等の形状で凹凸を有する肘頭被覆部を形成し、この凹凸を肘頭被覆部認識手段とし、使用者が着用に際し凹凸による感触によって肘頭被覆部が肘頭を被覆したことを認識できるようにしても良い。
【0103】
又、その場合において、凹凸は、適宜な手段によって形成すれば良い。例えば内筒状体1bと異なる編み方であって凹凸状になる編み方で形成し、あるいは、凹凸を有する柔軟性を有する部材を内筒状体1bの内面に貼り付けるようにして形成する。
【0104】
又、その場合において、凹凸部は、適宜な手段によって形成すれば良い。例えば内筒状体1bと異なる編み方であって凹凸状になる編み方で形成し、あるいは、凹凸部を有する部材を内筒状体1bの内面に貼り付けるようにして形成する。また、肘頭区画表示部が形成する肘頭被覆部の形状における「円形状」は、本願においては、真円の他、円形に近似したほぼ円形状のものを含む。
【0105】
又、上記実施形態では、第1側副靭帯被覆部31全体をサポーター本体1の左側面に、第2側副靭帯被覆部32全体をサポーター本体1の右側面に、夫々配設したが、例えば第1側副靭帯被覆部31の大部分をサポーター本体1の左側面に配設し、その一部をサポーター本体1の前面と後面との一方又は両方にはみ出させるようにして配設しても良い。
【0106】
従って、本願の請求項でいう「サポーター本体の略左側面と略右側面との夫々に配設され」とは、第1側副靭帯被覆部31と第2側副靭帯被覆部32との夫々の全体が、サポーター本体1の左側面と右側面との夫々に配設された場合の他、第1側副靭帯被覆部31と第2側副靭帯被覆部32との夫々の大部分が、サポーター本体1の左側面と右側面との夫々に配設されその一部がサポーター本体1の前面と後面との一方又は両方にはみ出るようにして配設された場合も含む。
【0107】
又、上記実施形態では、サポーター本体1を筒状体から構成したが、例えばサポーター本体1をシート状のものから構成するとともに、その両端部に、その両端部を互いに係脱自在に係止する面ファスナー等の係止手段を設けたものとしても良く、適宜変更できる。
【図面の簡単な説明】
【0108】
【図1】本発明の肘用サポーターの一実施の形態の正面図である。
【図2】図1の背面図である。
【図3】図1の平面図である。
【図4】肘用サポーターを展開した状態の正面図である。
【図5】第1強伸張応力部の一部を拡大した正面図である。
【図6】図5のVI−VI線拡大断面図である。
【図7】第1中強伸張応力部の一部を拡大した正面図である。
【図8】本発明の肘用サポーターを製造する際の工程の一部の説明図である。
【図9】サポーター本体、強伸張応力部、及び中強伸張応力部の引っ張り試験等による測定データを表した図表である。
【符号の説明】
【0109】
1 サポーター本体
2 強伸張応力部
6 第4強伸張応力部
7 中強伸張応力部
8 位置決め部
31 第1側副靭帯被覆部(第1強伸張応力部)
32 第2側副靭帯被覆部(第1強伸張応力部)
41 第1側副靭帯被覆補助部(第2強伸張応力部)
42 第2側副靭帯被覆補助部(第2強伸張応力部)
51 第1小片(第3強伸張応力部)
52 第2小片(第3強伸張応力部)
71 第1中強伸張応力部
72a 第1前腕筋被覆部(第2中強伸張応力部)
72b 第2前腕筋被覆部(第2中強伸張応力部)
73 第3中強伸張応力部
74a 左端片(第4中強伸張応力部)
74b 右端片(第4中強伸張応力部)
75 第5中強伸張応力部
76 第6中強伸張応力部
81 肘頭区画表示部
83 肘頭被覆部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
身体の肘部に装着される肘用サポーターであって、
前記肘部に密着可能なサポーター本体と、そのサポーター本体よりも伸張応力が強い強伸張応力部と、その強伸張応力部よりも伸張応力が弱く且つ前記サポーター本体よりも伸張応力が強い中強伸張応力部とを備え、
前記強伸張応力部は、前記肘部の内側側副靭帯と外側側副靭帯との少なくとも一方の靭帯の一部又は全体を覆うことができるように前記サポーター本体の一部に配設された第1強伸張応力部を備え、
前記中強伸張応力部は、前記第1強伸張応力部の全周部に配設された第1中強伸張応力部を備えていることを特徴とする肘用サポーター。
【請求項2】
前記第1強伸張応力部は、前記内側側副靭帯と外側側副靭帯との夫々の一部又は全体を覆う一対の側副靭帯被覆部を備え、
前記一対の側副靭帯被覆部は、互いに間隔を隔てて分離するように配設され、
前記第1中強伸張応力部は、前記側副靭帯被覆部の夫々の全周部に配設されていることを特徴とする請求項1記載の肘用サポーター。
【請求項3】
前記強伸張応力部は、前記一対の側副靭帯被覆部の間であって、前記内側側副靭帯被覆部の近傍と外側側副靭帯被覆部の近傍とに夫々配設された第2強伸張応力部を、更に備えていることを特徴とする請求項2記載の肘用サポーター。
【請求項4】
前記肘用サポーターは、前記靭帯に対する第1強伸張応力部の位置決めをするための位置決め部を、更に備え、
前記位置決め部は、前記肘部の肘頭を覆う肘頭被覆部を、使用者が認識できるように形成した肘頭被覆部形成手段を備えていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の肘用サポーター。
【請求項5】
前記サポーター本体は、前後両面及び左右両側面を有する筒状体から構成され、
前記側副靭帯被覆部は、夫々、前記サポーター本体の略左側面と略右側面との夫々に配設され、
前記中強伸張応力部は、前記サポーター本体の前面と後面との少なくとも一方に配設された第2中強伸張応力部を、更に備えていることを特徴とする請求項2〜4のいずれか一項に記載の肘用サポーター。
【請求項6】
前記第2中強伸張応力部は、前記肘部における少なくとも前腕筋の一部を覆うことができる位置に配設されていることを特徴とする請求項5記載の肘用サポーター。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2010−131066(P2010−131066A)
【公開日】平成22年6月17日(2010.6.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−307537(P2008−307537)
【出願日】平成20年12月2日(2008.12.2)
【出願人】(000112299)ピップフジモト株式会社 (46)
【出願人】(000138554)株式会社ユタックス (18)
【Fターム(参考)】