説明

胃保持制御ドラッグデリバリーシステム

【課題】バクロフェンまたはその医薬的に許容しうる塩の1日1回療法用の制御ドラッグデリバリーシステムの提供。
【解決手段】(a)バクロフェンまたはその医薬的に許容しうる塩(薬物)、高膨潤性ポリマーおよびガス発生剤を含む制御放出コア(該コアは、長期間、胃腸液中でその物理的完全性を維持しながら、迅速に膨潤し、浮遊を達成する能力がある);および(b)コア内のものと同じ薬物および医薬的に許容しうる賦形剤を含む速放性コーティング組成物(ここで、コーティング組成物は、システムが胃腸液中で薬物の二相性放出を提供するようにコアを取り囲む);を含む胃保持制御ドラッグデリバリーシステム。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、二相性放出パターンを有する胃保持制御ドラッグデリバリーシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
制御ドラッグデリバリーシステムは、有効成分の治療有効血中濃度が確立できるように身体に薬物を送達し、この血中濃度がいったん達成されると、該システムは、身体が薬物を排出する速度と同じ速度で身体に薬物を送達することによって、長期間一定の血中濃度を維持しつづける。従来の投与剤形に関連する血中濃度における山と谷を回避することによって、制御ドラッグデリバリーシステムは、悪影響あるいは副作用の発生率を低下させる。非常に重要に制御されたドラッグデリバリーシステムは、服用頻度を減少させて、服薬および特定の投与処方へのコンプライアンスという点で、患者に簡便さをもたらす。
【0003】
胃腸液のpH、組成および攪拌強度が、胃腸管、すなわち胃から結腸、におけるドラッグデリバリーシステムの特定の位置、空腹あるいは満腹状態、摂取された食物のタイプおよび量により変化し、さらに個人差によって変化するので、経口制御ドラッグデリバリーシステムが薬物を血液に送達する速度は、該システムが薬物を試験水溶液に放出する速度と同じではないことが一般に知られている。さらに、薬物は、通常の胃から結腸への移動と同じ様式および傾向では吸収されない。薬物には、「吸収窓(absorption window)」を有するもの、すなわち、上部胃腸管からのみ吸収されるものもあるが、それに対して、その結腸からの吸収が一様あるいは完全でないものもある。したがって、胃腸管における制御ドラッグデリバリーシステムの位置ならびに制御ドラッグデリバリーシステムが胃から結腸へ移動する速度は、経口制御ドラッグデリバリーシステムの設計において考慮するのに必要な重要な因子である。したがって、当業者には、経口制御ドラッグデリバリーシステムが、該システムがドラッグデリバリー期間にわたって放出する薬物速度における制御(時間的制御)のみならず、薬物が送達される位置における制御(空間的制御)も考慮して設計されるべきであることが知られている。空間的制御は、胃におけるシステムの保持時間の延長によって達成することができる。薬物が胃において局所的に有効である場合にも、胃保持システムは有益である。上部胃腸管において吸収された薬物は、胃内容排出および胃腸運動性における個人間および個人内変動性により、吸収の変動性を示す。吸収におけるこの変動は、薬物の小部分が速放出製剤として利用でき、大部分が持続性放出または制御放出製剤として利用することができるように薬物を含む投与剤形を投与することによって、対処することができる。
【0004】
空間的制御を達成するのに用いられてきたアプローチの1つは、ガス発生剤との混和物として高膨潤性ポリマーを含む組成物を用いて、寸法が大きく、胃液に浮遊する能力があるシステムを形成することによって、持続性または制御ドラッグデリバリーシステムの胃保持を増加させることである。現在、特に習熟した当業者には、システム内で発生し、閉じ込められたガスが密度を減少させるので、膨潤性ポリマーを含むシステムが、胃液にただちに浮遊することが認識されている。大きい寸法への膨潤は、システムの胃保持において重要な因子である。5〜7mm以下の大きさの固体は、満腹時における胃からの排出が遅延化されるが、それらの大きさが幽門括約筋よりも小さいので、それでもなお胃から排出される。患者が仰臥位にあるならば、大きさが5〜7mm以下の浮遊システムでさえも排出されうる。平均安静時幽門直径は、約13+7mmであり、膨張状態における大きさが直径約12〜18mmの投与剤形が、一般に幽門括約筋の通路から排除されるであると報告されている。システムは、胃運動性によって作り出された攪拌状態下で、この大きさを胃液中に長時間保持する能力も有するべきである。このような大きな原型を保ったシステムは、食間期の開始時に食間期強収縮(interdigestive migrating motor complex)が始まるまで排出されない。寸法の増大化および浮遊性の組み合わせにより、システムの胃保持が強化される。現在の当業界の状態における従来技術を以下に述べる。
【0005】
財団法人微生物化学研究会(Zaidan Hojin Biseibutsu Kagaku Kenkyu Kai)の米国特許第4,101,650('650)号は、重炭酸ナトリウム、ラクトースおよびポリビニルピロリドンを含む顆粒がヒドロキシプロピルメチルセルロースの層でコーティングされる製剤を開示する。次いで、これらは、有効成分ペプスタチンおよびヒドロキシプロピルメチルセルロースを含む懸濁物でさらにコーティングされて、直径0.1〜2mmの範囲の浮遊性ミニカプセルを形成する。このシステムの不利点は、ミニカプセルが、胃での長時間の保持にとって必要な大きさよりも寸法が小さすぎることである。
【0006】
帝人株式会社(Teijin Limited)の米国特許第4,777,033('033)号は、セルロースの低級アルキルエーテル、ポリアクリル酸またはその医薬的に許容しうる塩、薬物および有効量の発泡剤を含む経口持続放出性医薬品を開示する。しかし、'033のシステムの錠剤は溶解試験に付したときに原型を保たず、この組成物から製造された錠剤は依然として、上述の従来技術'650に関連する大きな不利点をもつままであった。
【0007】
エーザイ株式会社(Eisai Co.)の米国特許第4,844,905号は、薬物含有コア;炭酸ナトリウムおよび有機酸を含む中間ガス発生層;および伸びるポリマー被膜の外側コーティングを含む顆粒を開示する。胃に残存するように意図されたが、顆粒は寸法が小さいという不利点をもっている。
【0008】
ゼリア新薬工業株式会社(Zeria Shinyaku Kogyo KK)の特開昭63−014715号は、(A)高粘度水溶性ポリマー、好ましくはセルロースエーテルもしくはポリビニルアルコール;(B)架橋不溶性ポリビニルピロリドン;および(C)胃液と接触して発泡するための成分、好ましくは炭酸塩、より好ましくは炭酸カルシウムもしくは沈降性炭酸カルシウムを含む遅延放出性組成物を開示する。しかし、このシステムは、速放型および制御放出型で薬物の一部を含むのではなく、二相性放出パターンを提供しない。したがって、身体に利用可能な薬物が存在しない投薬処方計画の開始時でさえも、このシステムは、速放性組成物の速度と比べて相対的に遅い速度の放出を開始する。もう1つの不利点は、速膨潤性であるだけでなく高膨潤性でもあるポリマーが胃保持を達成するのに望ましいが、我々は、数種のセルロースエーテルがこれらの必要条件に適合しないをことを見出している。
【0009】
Bayer AGの米国特許第5,651,985号は、ポリビニルピロリドンおよび酸性数がKOH 100〜1,200 mg/ポリマー固体物質1gであるメタクリル酸ポリマーの分子レベルにおいて均質な混合物中に分散された薬理学的活性化合物および必要に応じてガス発生添加剤を含む薬理学的活性組成物を主張する。しかし、このシステムは、速放型および制御放出型で薬物の一部を含むのではなく、二相性放出パターンを提供しない。また、これらのシステムの膨潤速度は、それらが15〜30分という短時間で所望の大きな寸法を達成するには遅すぎる。さらに、2つのポリマーが分子レベルでの均質性を達成するためには、凍結乾燥といったような煩雑で効果なプロセスが必要となる。
【0010】
Ranbaxy Laboratoriesの国際公開番号WO 00/15198は、薬物、ガス発生成分、膨潤剤、粘稠化剤および必要に応じてゲル形成剤を含む医薬組成物に関する。用いられたガス発生剤は、炭酸塩または重炭酸塩である。膨潤剤は、架橋ポリビニルピロリドン、架橋カルボキシメチルセルロースおよびデンプングリコール酸ナトリウムなどの超崩壊剤である。粘稠化剤は、即時に粘稠化する炭水化物ゴムである。しかし、要に応じてガス発生添加剤を含む薬理学的活性組成物を主張する。しかし、このシステムは、速放型および制御放出型で薬物の一部を含むのではなく、二相性放出パターンを提供しない。
【0011】
Ranbaxy Laboratoriesの国際公開番号WO 01/10419は、薬物、糖、希釈剤およびガス発生剤を含む医薬組成物に関し、Ranbaxy Laboratoriesの国際公開番号WO01/10405もまた、薬物、不活性油、糖、希釈剤およびガス発生剤を含む医薬組成物に関する。しかし、これらのシステムは、いずれの膨潤性成分も含まないので胃保持に適した所望の大きさの寸法まで膨潤する能力がない。
【0012】
Sanofi-Synthelaboの国際公開番号WO 00/23045は、2または3層を含んでおり、有効成分とともにその放出を変更する賦形剤および膨潤ポリマー親水性マトリックス中で二酸化炭素を発生する能力があるシステムを含む医薬組成物を開示する。たとえば、活性成分は、その放出を変更する賦形剤としての膨潤性ポリマーを含んでいる1つの層にあり、第2の層は、膨潤性ポリマーをとともに炭酸塩を含む。この組成物は、二層型または三層型錠剤の形態である。しかし、このシステムは、速放型および制御放出型で薬物の一部を含むのではなく、二相性放出パターンを提供しない。
【0013】
Galenix Developmentの国際公開番号WO 01/10417は、活性成分とともに1つまたは多くの賦形剤を含む少なくとも1つの相、ならびに非活性と称され、少なくとも1つのガス発生システムおよび少なくとも1つの親水性ポリマーまたは多孔性鉱物化合物からなる第2の相を含む医薬組成物を開示する;ここで、活性相は、少なくとも80%の活性成分を含む。放出速度制御賦形剤を20%以下で使用するという限定があると、製剤機が、バッチ間の放出プロフィールの再現性を高レベルの確実さで提供すると同時に、所望の放出速度を得るためにもつ融通性が制限される。それに対して、少量で用いられる場合でさえも高い再現性をもつ放出プロフィールを提供するように慎重に速度制御賦形剤が選ばれる場合、それらは速または高膨潤性であることができない。WO 01/10417のシステムは、浮遊を達成するために非活性相を用い、浮遊は非活性相マトリックス内における二酸化炭素取り込みから得られる低密度性によって達成される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
本発明の目的は、
(a)薬物、高膨潤性ポリマーおよびガス発生剤を含む制御放出コア(該コアは、長期間、胃腸液中でその物理的完全性を維持しながら、迅速に膨潤し、浮遊を達成する能力がある);および
(b)コア内のものと同じ薬物および医薬的に許容しうる賦形剤を含む速放性コーティング組成物(ここで、コーティング組成物は、システムが胃腸液中で薬物の二相性放出を提供するようにコアを取り囲む);
を含む胃保持制御ドラッグデリバリーシステムを提供することである。
本発明のさらに別の目的は、バクロフェンのための胃保持制御ドラッグデリバリーシステムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0015】
本発明は、
(a)薬物、高膨潤性ポリマーおよびガス発生剤を含む制御放出コア(該コアは、長期間、胃腸液中でその物理的完全性を維持しながら、迅速に膨潤し、浮遊を達成する能力がある);および
(b)コア内のものと同じ薬物および医薬的に許容しうる賦形剤を含む速放性コーティング組成物(ここで、コーティング組成物は、システムが胃腸液中で薬物の二相性放出を提供するようにコアを取り囲む);
を含む胃保持制御ドラッグデリバリーシステムを提供する。
本発明はさらに、制御放出コアが、少なくとも元の体積の2倍に迅速に膨潤し、長期間、胃腸液中でその物理的完全性を維持する能力がある胃保持制御ドラッグデリバリーシステムを提供する。
また本発明は、バクロフェンまたはその医薬的に許容しうる塩を含む胃保持制御ドラッグデリバリーシステムを提供する。
本発明は、
(a)薬物、高膨潤性ポリマーおよびガス発生剤を含む制御放出コア(該コアは、長期間、胃腸液中でその物理的完全性を維持しながら、迅速に膨潤し、浮遊を達成する能力がある);および
(b)コア内のものと同じ薬物および医薬的に許容しうる賦形剤を含む速放性コーティング組成物(ここで、コーティング組成物は、システムが胃腸液中で薬物の二相性放出を提供するようにコアを取り囲む);
を含む胃保持制御ドラッグデリバリーシステムを提供する。
【0016】
本発明の胃保持制御ドラッグデリバリーシステムは、改良されたドラッグデリバリーを提供するのに有用である。本発明の胃保持制御ドラッグデリバリーシステムに用いることができる薬物は、以下のもの、すなわち、アルコール中毒症製剤、アルツハイマー病用薬物、麻酔薬、末端肥大症薬、鎮痛薬、抗喘息薬、抗ガン薬、抗凝固薬および抗血栓薬、抗痙攣薬、抗糖尿病薬、制吐薬、抗緑内障薬、抗ヒスタミン薬、抗感染症薬、抗パーキンソン薬、抗血小板薬、抗リウマチ薬、鎮痙薬および抗コリン薬、鎮咳薬、炭酸脱水素酵素インヒビター、心臓血管作動薬、コリンエステラーゼインヒビター、中枢神経系疾患の治療薬、中枢神経系刺激薬、避妊薬、嚢胞性線維症管理薬、ドーパミン受容体アゴニスト、子宮内膜症管理薬、勃起不全療法、不妊症薬、胃腸薬、免疫調節剤および免疫抑制剤、記憶強化薬、偏頭痛用製剤、筋弛緩薬、ヌクレオシド類縁体、骨粗鬆症管理、副交感神経作動薬、プロスタグランジン、精神治療薬、鎮静薬、睡眠薬および精神安定薬、皮膚病用薬物、ステロイドおよびホルモンから選ばれる。
【0017】
末端肥大症薬の例は、オクトレオチド、ラウレオチドおよびペグビソマントである。
アルコール中毒薬の例は、クラゼペート、クロロジアゼポキシド、ジアゼパム、ジスルフィラム、ヒドロキシジン、ナルトレキソンおよびそれらの塩である。
麻酔薬の例は、アドレナリン、ブピバカイン、クロロプロカイン、デスフルラン、エチドカイン、レボブピバカイン、リドカイン、ミダゾラム、プロポフォル、ロピバカインおよびそれらの塩である。
【0018】
鎮痛薬の例は、アセトアミノフェン、アスピリン、ブピバカイン、ブプレノルフィン、ブトルファノール、セレコキシブ、クロフェナドール、コリン、クロニジン、コデイン、ジフレルニサル、ジヒドロコデイン、ジヒドロエルゴタミン、ジヒドロモルフィン、エチルモルフィン、エトドラク、エレトリプタン、エプタゾシン、エルゴタミン、フェンタニル、フェントプロフェン、ヒアルロン酸、ヒドロコドン、ヒドロモルフォン、ヒラン、イブプロフェン、リンドメタシン、ケトロラク、ケトチフェン、レボメタドン、レバロルファン、レボルファノール、リドカイン、メフェナミン酸、メロキシカム、メペリジン、メタドン、モルフィン、ナブメトン、ナルブフィン、ネフォパム、ナロルフィン、ナロキソン、ナルトレキソン、ナプロフェン、ナラトリプタン、ネファゾドン、モルメタドン、オキサポジン、オキシコドン、オキシモルフォン、ペンタゾシン、ペチジン、ペンピラミド(pehnpyramid)、ピリトラミド、ピロキシカム、プロポキシフェン、レフェコキシブ、リザトリプタン、サルサラケトプロフェン、スリンダク、スマトリプタン、テバコン、チリジン、トルメチン、トラマドール、ゾルミトリプタンおよびそれらの塩である。
【0019】
抗喘息薬の例は、アブルカスト、アゼトラスチン、ブナプロラスト、シナルカスト、クロミトリル、クロモリン、エノフェラスト、イサムボキソール、ケトチフェン、レブクロメカリン、ロドキサミド、モンテルカスト、オンタゾラスト、オキサルバゾール、オキサトミド、ピリプロストカリウム、ピロレート、ポビルカスト、エダミン、クアゾラスト、レピリナスト、リトルカスト、スルカスト、テトラゾラストメグルミン、チアラミド、チベネラスト、トメルカスト、トラニラスト、ベルルカスト、ベロフィリン、ザリルルカストである。
【0020】
抗がん薬の例は、アドリアマイシン、アルデスロイキン、アロプリノール、アルトレタミン、アミフォスチン、アナストロゾール、アスパラギナーゼ、ベタメタゾン、ベキサロテン、ビカルタミド、ブレオマイシン、ブスルファン、カペシタビン、カルボプラチン、カルムスチン、クロラムブシル、シスプラチン、クラドリビン、抱合卵胞ホルモン、コルチゾン、シクロホスファミド、シタラビン、ダカルバジン、ダウノルビシン、ダクチノマイシン、デニロイキン、デキサメタゾン、ジスコデルモリド、ドセタキセル、ドキソルビシン、エロポシデム、エピルビシン、エポエチン、エポシロン、エストラムスチン、エステル化エストロゲン、エチニルエストラジオール、エトポシド、エキセメスタン、フラボピルドール、フルコナゾール、フルダラビン、フルオロウラシル、フルタミド、フロキシウリジン、ジェムシタビン、ジェムツズマブ、ゴセレリン、ヘキサメチルメラミン、ヒドロコルチゾン、ヒドロキシウレア、イダルビシン、イフォスファミド、インターフェロン、イリノテカン、レミポシド、レトロゾール、リュープロリド、レバミゾール、レボシロキシン、ロムスチン、メクロレタミン、メルファラン、メルカプトプリン、メクロレタミン、メゲステロール、メトトレキセート、メチルプレドニゾロン、メチルテストステロン、ミスラマイシン、ミトマイシン、ミトタン、ミトキサントロン、ミトゾロミド、ムタマイシン、ニルタミド、パクリタキセル、パミドロネート、ペガスパルガセ、ペントスタチン、プリカマイシン、ポルフィメール、プレドニゾロン、プロカルバジン、リツキシマブ、サルグラモスチム、セムスチン、ストレプトゾシン、タモキシフェン、テモゾラミド、テニポシド、テストラクトン、チオグアニン、チオテパ、トムデクス、トポテカン、トレミフェン、トラスツムザブ、トレチノイン、セムスチン、ストレプトゾロシン、バルルビシン、ベルテプロフィン、ビンブラスチン、ビンクリスチン、ビンデシン、ビノレルビンおよびそれらの塩である。
【0021】
抗凝固薬および抗血栓薬の例は、ワルファリン、ダルテパリン、ヘパリン、チンザパリン、エノキサパリン、ダナパロイド、アブシキシマブ、アルプロスタジル、アルチプラセ、アナグラリド、アニストレプラセ、アルガトロバン、アタプロスト、ベラプロスト、カモナグリール、シロスタゾール、クリンプロスト、クロピドグレル、クロリクロメン、デルマタン、デシルジン、ドミトロバン、ドロタベリン、エポプロステノール、エプチフィバチド、
フラダフィバン、ガベキセート、イロプロスト、イスボグレル、ラミフィバン、ラモテプラーゼ、レフラダフィバン、レピルジン、レボシメンダン、レキシパファント、メラガトラン、ナファグレル、ナファモストサト、ニゾフェノンン、オルビフィバン、オザグレル、パミコグレル、パルナパリン、キノベンダン、レテプラーゼ、サルポグラレーテ、サチグレール、シルテプラーゼ、シメンダン、チクロピジン、バピプロスト、チロフィバン、キセミロフィバン、Y20811およびそれらの塩である。
【0022】
抗痙攣薬の例は、カルバマゼピン、クロナゼパム、クロラゼピン、ジアゼパム、ジバルプロエクス、エトスキシミド、エトチオン、フェルバメート、フォスフェニトイン、ガバペンチン、ラモトリギン、レベチラセタム、ロラゼパム、メフェニトイン、メフォバルビタール、メタルビタール、メトスクシミド、オキシカルバゼピン、フェノバルビタール、フェニトイン、プリミドン、チアガビン、トピラメート、バルプロ酸、ビガバトリン、ゾニサミドおよびそれらの塩である。
【0023】
抗糖尿病薬の例は、アカルボース、アセトヘキサミド、カルブタミド、クロロプロパミド、エパルレスタット、グリボムリド、グリクラジド、グリメピリド、グリピジド、グリキドン、グリソキセピド、グリブリド、グリヘキサミド、メトフォルミン、ミグリトール、ナテグリニド、オルリスタット、フェンブタミド、ピオグリタゾン、レパグリニド、ロシグリタゾン、トラザミド、トルブタミド、トルシクラミド、トルレスタット、トログリタゾン、ボグリボースおよびそれらの塩である。
【0024】
制吐薬の例は、アルプラゾラム、ベンズキナミド、ベンズトロピン、ベタヒスチン、クロロプロマジン、デキサメタゾン、ジフェニドール、ジメンヒドリネート、ジフェンヒドラミン、ドラセトロン、ドムペリドン、ドロナビノール、ドロペリドール、グラニセトロン、ハロペリドール、ロラゼパム、メクリジン、メイルプレドニゾロン、メトクロプラミド、オンダンセトロン、ペルフェナジン、プロクロロペラジン、プロミタジン、スコポラミン、トリブチン、トリエチルペラジン、トリフルプロマジン、トリメトベンズアミド、トロピセトロンおよびそれらの塩である。
【0025】
抗緑内障薬の例は、アルプレノキシム、ダピプラゾール、ジピベフリン、ラタノプロスト、ナボクテート、ピマビンおよびそれらの塩である。
【0026】
抗ヒスタミン薬の例は、アクリバスチン、アクチバスチン、アルブテロール、アゼラスチン、ビトルテロール、アリメマジン、アムレキサノックス、アゼラスチン、ベンジダミン、ブロモフェニラミン、セチリジン、クロロフェニラミン、シメチジン、クレマスチン、シクロヘプタジン、シプロヘプタジン、ジクロフェナク、ジフェンヒドラミン、ドタリジン、エフェドリン、エピナスチン、エピネフリン、エチルノルエピネフリン、フェンポテロール、フェキソフェナドリン、フルルビプロフェン、ヒドロキシジン、イブプロフェン、イソエタリン、イソプロテレノール、臭化イプラトロピウム、ケトロラク、レボセトリジン、ロラチジン、メキタジン、メタプロテレノール、フェニレフリン、フェニルプロパノールアミン、ピルブテロール、プロメタジン、シュードエペドリン、ピリラミン、サルメテロール、テルブタリン、トrニラスト、キサンチン誘導体、キシロメタゾリンおよびそれらの塩である。
【0027】
抗感染症薬の例は、アバカビル、アルベンダゾール、アマンタジン、アンホテリシン、アミカシン、アミノサリチル酸、アモキシシリン、アンピシリン、アンプレナビル、アトバキン、アジスロマイシン、アズトレオナム、カリベンシリン、セファクロル、セフェドロキシル、セファマンドール、セファゾリン、セフジニル、セフェピム、セフェキシム、セフォペラゾン、セフォタキシム、セフォチタム、セフォペラゾン、セフォキシチン、セフポドキシン、セフプロジル、セフタジジム、セフチブテン、セフチゾキシム、セフトリアキソン、セフロキシム、セファレキシン、クロロキン、シドフォビル、シラスタチン、シプロフロキサシン、クラリスロマイシン、クラブリン酸、クリンダマイシン、コリスチメテート、ダルフォプリスチン、ダプソン、ダウノルビシン、デラビルジン、デメクロサイクリン、ジダノシン、ドキシサイクリン、ドキソルビシン、エファビレンツ、エノキサシン、エリスロマイシン、エタンブトール、エチノアミド、ファンシフロビル、フルコナゾール、フルシトシン、フォスカメット、フォスフォマイシン、ガンシクラビル、ガチフロキサシン、グリセオフルビン、ヒドロキシクロロキン、イミペネム、インジナビル、インターフェロン、イソニアジド、イトラコナゾール、イベルメクチル、ケトコナゾール、ラミブジン、レボフロキサシン、リニゾリド、ロメフロキサシン、ロバカルベフ、メベンダゾール、メフロキン、メロペネム、メタナミン、メトロニダゾール、ミノサイクリン、モキセフロキサシン、ナルジキシン酸、ネフフィナビル、ネオマイシン、ネビラピン、ニトロフラントイン、ノルフロキサチン、オフロキサシン、オセルタミビル、オキシテトラサイクリン、パリビズマブ、ペニシリン、ペルフォロキサシン、ピペラシリン、プラジカンテル、ピラジナミド、ピリメタミン、キニジン、キヌプリスチン、レトナビル、リバビリン、リファブチン、リファンピシン、リマンタジン、サキナビル、スパルフロキサシン、スタルブジン、ストレプトマイシン、スルファメトキサゾール、テラマイシン、テルビナフィン、テトラサイクリン、チカルシリン、チアベンダゾール、トブラマイシン、トリメトプリム、トリメトラキセート、トロレアンドマイシン、トロバフロキサシン、バラシクロビル、バンコマイシン、ザルシタミン、ザナミビル、ジドブジンおよびそれらの塩である。
【0028】
抗パーキンソン薬の例は、アマンタジン、アドロゴリド、アルチニクリン、ベンズトロピン、ビペリデン、ブラソフェンシン、ボロモクリプチン、ブジピン、カベルゴリン、CHF-1301、ジヒドレキシジン、エンタカポン、エチレボドーパ、イダゾキサン、イオメトパン、ラザベミド、メレボドーパ、カルビドパ/レボドパ、モフェギリン、モキシラプリン、ペルゴリド、プラミペキソール、キネロラン、ラサギリン、ロピニロール、セリギリン、タリペキソール、トルカポン、トリヘキシフェニジルおよびそれらの塩である。
【0029】
抗リウマチ薬の例は、アザシプリン、ベタメタゾン、セレコキシブ、シクロスポリン、ジクロフェナク、ヒドロキシクロロキン、インドメタシン、インフリキシマブ、メルカプトブタンジオン酸、メチルプレドニゾロン、ナプロキセン、ペニシラミン、ピロキシカム、プレドニゾロン、スルファサラジン、およびそれらの塩である。
【0030】
抗血小板薬の例は、アビシキシマブ、アナグレリド、アスピリン、シロスタゾール、クロピドグレル、ジピリダモール、エポプロステノール、エプチフィバチド、チクロピジン、チノフィバンおよびそれらの塩である。
【0031】
鎮痙薬および抗コリン薬の例は、アスピリン、アトロピン、ジクロフェナク、ヒヨスチアミン、メソプロストール、メトカルバモール、フェノバルビタール、スコポラミンおよびそれらの塩である。
【0032】
鎮咳薬の例は、アセトアミノフェン、アクリバスチン、アルブテロール、ベンゾナテート、ベラクタント、ブロムフェニラミン、カフェイン、カルファクタント、カルベタペンタン、クロロフェニラミン、コデイン、コルフセリン、デキストロメソルファム、ドルナーゼα、ドキシラミン、エピネフリン、フェキソフェナジン、グアフェネシン、イプラトロピウム、レベルブテノール、メタプロテレノール、モンテルカスト、ペントキシフィリン、フェニレフリン、フェニルプロパノールアミン、ピルブテロール、ポラクタントα、シュードエフェドリン、ピリラミン、サルブテロール、サルメテロール、テルブタリン、テオフィリン、ザフィルローカスト、ジロートンおよびそれらの塩である。
【0033】
炭酸脱水素酵素インヒビターの例は、アセタゾラミド、ジクロルフェナミド、ドルゾラミド、メタゾラミド、セゾラミドおよびそれらの塩である。
【0034】
心臓血管作動薬の例は、アブシキシマブ、アセブトロール、アクチベーゼ、アデノシン、アドレナリン、アミダロン、アミロリド、アミロジピン、硝酸アミル、アテノロール、アトルバスタチン、ベンゼプリル、ベピリジル、ベタキサロール、ビソプロロール、カンデサルタン、カプトプリル、カルテノロール、カルベジロール、セリバスタチン、クロルタリドン、クロロチアゾール、クロフィブレート、クロニジン、コレスチポール、クロセベラム、ジゴキシン、ジルチアゼム、ジソピラミド、ドブタミン、ドフェチリド、ドキサゾシン、エナラプリル、エポプロステノール、エプロサルタン、エスモロール、エタクリネート、エリスリチル、フェロジピン、フェノイダパム、フォシノプリル、フレカイニド、フルロセミド、フルバスタチン、ゲムフィブロジル、ヒドロクロロチアジド、ヒドロフルメチアジン、イブチリド、インダパミド、イソソルビド、イルベサルタン、ラベトロール、ラシジピン、ィシノプリル、ロサルタン、ロバスタチン、メカミラミン、メタプロロール、メタミノール、メタゾロン、メチルクロチアジド、メチルドーパ、メチロシン、メキシレチン、ミドロジン、ミルリノン、モエキシプリル、ナドロール、ナイアシン、ニカルジピン、ニコランジル、ニフェジピン、ニモジピン、ニソルジピン、ニトログリセリン、フェノキシベンザミン、ペリンドプリル、ポリイアジド、プラバスタチン、プラゾシン、プロカイナミド、プロパフェノン、プロプラノロール、カンファシン、キナプリル、キニジン、ラニプリル、レテプラセ、シンバスタチン、ソタロール、スピロノラクトン、ストレプトキナーゼ、テルミサルタン、テラゾシン、チモロール、トカイナミド、トルセミド、トランドラプリル、トリアムテレン、タラピジル、バルサルタンおよびそれらの塩である。
【0035】
コリンエステラーゼインヒビターの例は、ドネペジル、エドロフォニウム、ネオスチグミン、ピリドスチグミン、リバスチグミン、タクリンおよびそれらの塩である。
【0036】
中枢神経系刺激薬の例は、カフェイン、ドキサプラム、デキソアンフェタミン、ドネペジル、エドルフォニウム、メタンフェタミン、メチルフェニデート、モダフィニル、ネオスチグミン、ペモリン、フェンテルミン、ピリオドスチグミン、レバスチグミン、タクリンおよびそれらの塩である。
【0037】
避妊薬の例は、デソゲストラル、エチニルエストラジオール、エチノジオール、レボノルゲストレル、メドロキシプロゲステロン、メストラノール、ノルゲスチメート、ノルエチンドロン、ノルゲストレルおよびそれらの塩である。
【0038】
嚢胞性線維症管理薬の例は、ドルナーゼα、パンクレリパーゼ、トブラマイシンおよびそれらの塩である。
ドーパミン受容体アゴニストの例は、アマンタジン、カベルゴリン、フェノルドパム、ペルゴリド、プラミペザル、ロピニロールおよびそれらの塩である。
子宮内膜症管理薬の例は、ダナゾール、ゴセレリン、リュープロリド、ナファレリン、ノルエチンドロンおよびそれらの塩である。
勃起不全療法に用いる薬物の例は、アルプロスタジル、シルデナフィル、ヨヒンビンおよびそれらの塩である。
【0039】
不妊症薬の例は、シトロレリクス、クロミフェン、フォリトロピン、ガニレリックス、ゴナドトロピン、メノトロピン、プロゲステロン、ウロフォリトロピンおよびそれらの塩である。
胃腸薬の例は、アロセトロン、ビサコジル、サリチル酸ビスマス、セレコキシブ、ジフォキシン、ジフェノキシレート、ドクセート、ファモチジン、グリコピロレート、インフリキシマブ、ランソプラゾール、ロペラミド、メタクロプラミド、ニザチジン、オメプラゾール、パントプラゾール、ラベプラゾール、ラニチジン、シメチコン、スクラルフェートおよびそれらの塩である。
免疫調節剤および免疫抑制剤の例は、アザチオプリン、セフチゾキシン、シクロスポリン、ダクリツマブ、グラチラメル、免疫グロブリン、インターフェロン、レフルノミド、レバミゾール、ミコフェノレート、マウソマナブ、フタリドミド、リバビリン、シロリマスおよびそれらの塩である。
【0040】
アルツハイマー病用薬物の例は、CP 118954、ドネペジル、ガランタミン、メトリフォネート、レバスチグミン、タクリン、TAK-147およびそれらの塩である。
偏頭痛製剤用薬物の例は、アセタミノフェン、ジヒドロエルゴタミン、ジバルプロエクックス、エルゴタミン、プロプラノロール、リサトリプタン、スミトリプタン、トリメトレキセートおよびそれらの塩である。
【0041】
筋弛緩薬の例は、アルクロニウム−クロリド、アザプロパゾン、アトラクリウム、バクロフェン、カリソプロドール、キニン誘導体、クロロメザノン、クロロフェンシンカルバメート、クロロゾキサゾン、シクロベンザプリン、ダントロレン、臭化デカメトニウム、塩化ジメチルツボクラリニウム、ドキサクリウム、フェニラミドール、ガラミントリエチオジド、グアイフェンシン、臭化ヘキサフルオレニウム、臭化ヘキサカルバコリン、メマンチン、メフェネシン、メプロバメート、メタミゾール、メタキサロン、メトカルバモール、ミバクリウム、オルフェナドリン、パンクロニウム、フェナゾン、フェンプロバメート、ピペクロニウム、ラパクロニウム、ロクロニウム、塩化スクシニル、塩化スキサメトニウム、テトラゼパム、チザニジン、塩化ツボクラリン、チバメート、ベクロニウムおよびそれらの塩である。
【0042】
胃保持制御ドラッグデリバリーシステムの好ましい具体例において、使用する筋弛緩薬は、バクロフェンまたはその医薬的に許容しうる塩である。バクロフェン胃保持制御ドラッグデリバリーシステムは、本発明以前に公知でなく、開示あるいは示唆されていない。
バクロフェンは、約15mg〜約80mgの量で本発明システムに用いることができる。本発明の胃保持制御ドラッグデリバリーシステムにおいて、バクロフェンを30mgの量で用いる。本発明システムは、30mg用量のバクロフェンの大部分が、コアに存在し、制御放出剤として利用可能であり、薬物の小部分がコーティングに存在し、速放剤として利用可能であるように設計される。したがって、本発明デリバリーシステムによって、バクロフェンの二相性放出が提供される。
【0043】
ヌクレオシド類縁体の例は、アバカビル、アシクロビル、ジダノシン、ガムシクロビル、ゲムシタビン、ラミブジン、リバビリン、スタブジン、ザルシタミンおよびそれらの塩である。
【0044】
骨粗鬆症管理用薬物の例は、アレンドロネート、カルシトニン、エストラジオール、エストロピペート、メドロキシプロゲステロン、ノルエチンドロン、ノルゲスチメート、パミドロネート、ラロキシフェン、リスドロネート、ゾレドロネートおよびそれらの塩である。
副交感神経作動薬の例は、ベタネコール、ビペリジン、エドロフォニウム、グリコピロレート、ヒヨスカミン、ピロカルピン、タクリン、ヨヒンビンおよびそれらの塩である。
プロスタグランジンの例は、アルプロスタジル、エタノールポジティブプロステノール、ミソプロストールおよびそれらの塩である。
【0045】
精神治療薬の例は、アセトフェナジン、アレンテモール、アルペルチン、アルプラゾラム、アミトリプチリン、アプリプラゾール、アザペロン、バテラピン、ベフィピリド、ベンペリドール、ベンジンドピリン、ビミシル、ビリペロン、ブロフォキシン;ブロムペリドール;ブロムペリドール、ブロピオン、ブスピロン、ブタクラモール、ブタペラジン;ブタペラジン;ブタペラジン、カルフェナジン、カルボトロリン、セリクラミン、クロルアゼピン、クロルジアゼポキシド、クロルプロマジン;クロルプロチキセン、シンペレン、シントリアミド、シタロプラム、クロマクラン、クロナセパム、クロペンチキソール、クロピモジド、クロピパザン、クロロペロン、クロチアピン、クロチキサミド、クロザピン、シクロフェナジン、ダピプラゾール、ダポキセチン、デシプラミン、ジバルプロエックス、ジピリダモール、ドキセピン、ドロペリドール、デュロキセチン、エルトプラジン、エプチピロン、エタゾレート、フェニミド、フリバンセリン、フルシンドール、フルメザピン、フルオキセチン、フルフェナジン、フルスピペロン、フルスピリレン、フルオリン、フルボキサミン、ゲピロン、ゲボトロリン、ゲボトロリン、ハロペミド、ハロペリドール、ヒドロキシジン、ヒドロキシノルトリプチリン、イロペリドン、イミドリン、ラモトリジン、ロキサピン、エンペロン、マザペルチン、メフォバルビタール、メプロバメート、メソリダジン、ミルナシプラン、ミルタゼピン、マチアピン、ミレンペロン、ピリペルチン、モリンドン、ナファドトリド、ナラノール、ネファゾドン、ネフルモジド、オカペリドン、オダピパム、オランザピン、オキセチアジン、オキシペロミド、パゴクロン、パリペリドン、パロキシテン、ペンフルリドール、ペンチアピン、ペルフェナジン、フェネルジン、ピモジド、ピノキセピン、ピパンペロン、ピペラセタジン、ピポチアジン、ピキンドン、ピルリンドール、ピバガビン、プラミペキソール、プロクロルペラジン、プロマジン、ケチアピン、レボキセチン、レモキシプリド、リスペリドン、リムカゾール、ロボルゾタン、セレギリン、セペリドール、セルタリン、セルチンドール、セテプチリン、セトペロン、スピペロン、スニピトロン、テピリンドール、チオリダジン、チオチキセン、チアプリド、チオペリドン、チオスピロン、トピラメート、トラニルシプロミン、トリフルオペラジン、トリフルペリドール、トリフルプトマジン、トリフミプラミン、ベンラファキシン、シプラシドンおよびそれらの塩である。
【0046】
鎮静薬、睡眠薬および精神安定薬の例は、ブロマゼパム、ブスピロン、クラゾラム、クロバザム、クロラゼペート、ジアゼパム、デモキセパム、デキシムデトミチン、ジフェニルヒドラミン、ドキシラミン、エンシパラジン、エストラゾラム、ヒドロキシジン、ケタゾラム、ロラザトン、ロラゼパム、ロキサピン、メダゼパム、メペリジン、メトバルビタール、ミダゾラム、ナビロン、ニソバメート、オキサゼパム、ペントバルビタール、プロメタジン、プロポフォル、トリアゾラム、ザレプロン、ゾルピデムおよびそれらの塩である。
【0047】
皮膚病の治療用薬物の例は、アシトレチン、アルクロメタゾン、アリトレチノイン、ベタメタゾン、カルシプロトリン、クロルヘキシジン、クロベタゾール、クロコルトロン、クロトリアモゾール、コラゲナーゼ、シクロスポリン、デソニド、ジフルオロゾン、ドキセピン、エフロルニシン、フィナステリド、フルオシノロン、フルランドレノリド、フルチカソン、ハロベタゾール、ヒドロクロロキン、ヒドロキノン、ヒドロキシジン、ケトコナゾール、マフェニド、マラチオン、メノベンゾン、ネオスチグミン、ナイスタチン、ポドフィロックス、ポビドン、タゾロテン、トレチノインおよびそれらの塩である。
【0048】
ステロイドおよびホルモンの例は、アクロメタゾン、ベタメタゾン、カルシトニン、シトロレリックス、クロベタゾール、クロコルトロン、コルチゾン、ダナゾール、デスモプレシン、デソニド、デソゲストレル、デソキシメタゾン、デキサメタゾン、ジフロラゾン、エストラジオール、エストロゲン、エストロピペート、エチニルエストラジオール、フルオシノロンン、フルランドレノリド、フルチカゾン、グルカゴン、ゴナドトロピン、ゴセレリン、ハロベタゾール、ヒドロコルチゾン、リュープロリド、レボノルゲストレル、レボチロキシン、メドロキシプロゲステロン、メノトロピン、メチルプレドニゾロン、メチルテストステロン、モメタゾン、ナフェレリン、ノルジトロピン、ノルエチンドロン、ノルゲストレル、オクトレオリド、オキサンドロロン、オキシメトロン、ポリトロピン、プレドニカルベート、プレドニゾロン、プロゲステロン、セルモレリン、ソマトロピン、スタノゾロール、テストステロン、ウロフォリトロピンおよびそれらの塩である。
【0049】
本発明にしたがって、コアは、短時間で高度の膨潤を達成する。この高度の膨潤は、高膨潤性かつ迅速膨潤性ポリマーを用いること、あるいは膨潤性ポリマーの高圧の圧縮を回避すること、あるいは本質的に低密度に圧縮される高膨潤性ポリマーの使用によって達成される。圧縮されるコアが低密度である場合、このコアは、圧縮によってさらにコーティングを行わなければならないならば、それを圧縮する第1圧縮ステーションから、圧縮被膜を形成する第2圧縮ステーションへ機械的に移動することができるような十分な強度;またはスプレーによってさらにコーティングを行わなければならないならば、コーティング装置における厳しい振とうに耐えることができるような十分な強度をもつものである。
【0050】
本発明に用いることができる高膨潤性ポリマーの例として、以下のものが挙げられる:
ヒドロキシC1−4アルキルC1−4アルキルセルロース、カルボキシアルキルセルロース、ヒドロキシC1−4アルキルセルロースなどの高膨潤性グレードのセルロースエーテル、好ましくは、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、さらに好ましくは、高粘度グレードのヒドロキシエチルセルロース;
(i)海草から誘導されたアルギン酸塩、カラギーナン、ファーセレラン、(ii)陸生植物から誘導されたグアーゴム、アラビアゴム、トラガカントゴム、カラヤゴム、ローカストギーンゴム、ペクチン、(iii)デキストラン、ジェランガム、ラムサンガム、ウエランガム、キサンタンガムなどの微生物多糖類、および(iv)アルギン酸プロピレングリコール、ヒドロキシプロピルグアーおよびデンプングリコール酸ナトリウムといったような加工デンプンなどの合成または半合成ゴムなどの植物性、動物性、鉱物性または合成ゴム;
架橋ポリビニルピロリドン、架橋カルボキシメチルセルロースナトリウム、カルボキシメチルデンプン、カルボキシメチルナトリウムデンプン、メタクリル酸カリウム−ジビニルベンゼンコポリマー、ポリビニルアルコール、アミロース、架橋アミロース、デンプン誘導体、微結晶セルロースおよびセルロース誘導体、α−、β−およびγ−シクロデキストリンならびにデキストリン誘導体などの超崩壊剤ポリマー;
商品名Carbopol(登録商標)として入手可能な架橋ポリマーなどのアクリル酸ポリマー;
架橋ポリビニルピロリドンまたはクロスポビドンなどのビニルピロリドンポリマー;ビニルピロリドンと酢酸ビニルのコポリマー;またはそれらの混合物。
【0051】
好ましい具体例において、高膨潤性ポリマーは、超崩壊剤と1種またはそれ以上の結合剤の混合物であり、結合剤は、親水性ポリマー、好ましくは、高膨潤性ポリマーから選ばれる。好ましい具体例において、親水性ポリマーは、約500 mPas〜約1,20,000 mPasの水溶液粘度を有する高粘度セルロース誘導体である。本発明の1つの好ましい具体例において、好ましい膨潤性ポリマーとして、デンプングリコール酸ナトリウムと高粘度グレードヒドロキシエチルセルロースの混合物を用いる。別の具体例において、使用した高膨潤性ポリマーは、デンプングリコール酸ナトリウム、高粘度グレードヒドロキシエチルセルロースおよびヒドロキシプロピルメチルセルロースの混合物である。
【0052】
デンプングリコール酸ナトリウムは、500,000〜1,000,000ダルトンの分子量を有するデンプンのカルボキシメチルエーテルのナトリウム塩であり、Explotab(登録商標)およびPrimojel(登録商標)として市販されている。デンプングリコール酸ナトリウムは、水分の迅速な取り込みに続く迅速かつ膨大な膨潤によって、崩壊を引き起こす。超崩壊剤としてデンプングリコール酸ナトリウムを使用する利点は、その有効性が、滑沢剤などの疎水性賦形剤の存在または圧縮圧力の増加によって影響されないことである。水中で、その体積の300倍に膨潤することが可能である。本発明においては、好ましい超崩壊剤として、デンプングリコール酸ナトリウムをコアの約5重量%〜約50重量%の量で、好ましくは、約10重量%〜約40重量%の量で、より好ましくは、約15重量%〜約30重量%の量で用いる。
【0053】
ヒドロキシエチルセルロースは、セルロースの部分的に置換されたポリ(ヒドロキシエチル)エーテルである非イオン性水溶性ポリマーであり、粘度および置換度の点で異なる種々のグレードで入手可能である。Amerchol Corp.からCellosizeとして、およびAqualonからNatrosol(登録商標)として市販されている。好ましくは、本発明の親水性ポリマーとして、2%w/vの水溶液において9000 mPas〜30,000 mPasの水溶液粘度を有するヒドロキシエチルセルロースを用いる。コアの約5重量%〜約50重量%の量で、好ましくは、約10重量%〜約40重量%の量で、より好ましくは、約15重量%〜約30重量%の量で用いる。
【0054】
ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)は、部分的にO−メチル化およびO−(2−ヒドロキシプロピル化)されたセルロースであり、粘度の点で異なる種々のグレードで入手可能である。HPMCの分子量は、10,000〜1,500,000の範囲である。Benecel MHPC、MethocelおよびMetoloseとして市販されている。本発明の1つの具体例においては、膨潤性ポリマーとして、HPMC K4Mグレードをコアの約5重量%〜約25重量%の量で、より好ましくは、約10重量%〜約15重量%の量で用いる。
【0055】
好ましい具体例において、高膨潤性ポリマーとして、ヒドロキシエチルセルロース:デンプングリコール酸ナトリウムの比率が、好ましくは、1:9〜9:1、より好ましくは、3:7〜7:3、さらにより好ましくは、4:6〜6:4の重量比で、高粘度グレードのヒドロキシエチルセルロースおよびデンプングリコール酸ナトリウムの混合物を用いる。この混合物で形成されたコアは、長期間それらの物理的完全性を維持しながら、迅速に膨潤し、浮遊を達成することが可能である。
【0056】
本発明の胃保持制御ドラッグデリバリーシステムのコアにおいて用いるガス発生剤は、胃液と接触してガスを発生する単一成分のものであっても、あるいはガス発生剤カップルであってもよい。本発明に用いるガス発生剤として、炭酸カルシウムなどの炭酸塩、重炭酸ナトリウムもしくはカリウムなどの重炭酸塩、亜硫酸ナトリウム、重亜硫酸ナトリウムもしくはメタ重亜硫酸ナトリウムなどの亜硫酸塩などが挙げられる。これらの塩は、ガス発生カップルとして、単独または酸源と組み合わせて用いることができる。酸源は、食用の有機酸、食用の有機酸の塩またはそれらの混合物である。使用することができる有機酸の例として、クエン酸、リンゴ酸、コハク酸、酒石酸、フマル酸、マレイン酸、アスコルビン酸、グルタミン酸およびそれらの塩、ならびにそれらの混合物が挙げられる。ガス発生剤は、コアの約1重量%〜約50重量%の量で、より好ましくは、約1重量%〜約15重量%の量で用いる。ガス発生剤として、重炭酸ナトリウムを用いるのが好ましい。
【0057】
高膨潤性ポリマーは、さらに、デリバリーシステムの膨潤速度を増加させる賦形剤を含むことができる。この賦形剤は、浸透を誘発する水溶性化合物またはシステム内へ水の流入を促進する微結晶セルロースなどのウィッキング剤である。浸透を誘発するのに適した水溶性化合物、すなわち浸透性作用剤またはオスモゲント(osmogent)は、合衆国薬局方などの薬局方に加えて、Remington: The Science and Practice of Pharmacyに引用されている、すべての医薬的に許容でき、かつ薬理学的に不活性な水溶性化合物である。無機もしくは有機酸の医薬的に許容しうる水溶性塩、または糖質などの炭水化物といったような水への溶解度の高い非イオン性有機化合物、またはアミノ酸が一般的に好ましい。浸透を誘発するのに用いる作用剤の例として、塩化マグネシウムもしくは硫酸マグネシウム、塩化リチウム、ナトリウムもしくはカリウム、リン酸水素リチウム、ナトリウムもしくはカリウム、リン酸二水素リチウム、ナトリウムもしくはカリウム、酢酸ナトリウムもしくはカリウム、コハク酸マグネシウム、安息香酸ナトリウム、クエン酸ナトリウムもしくはアスコルビン酸ナトリウムなどの有機酸の塩;マンニトール、ソルビトール、アラビノース、リボース、キシロース、グルコース、フルクトース、マンノース、ガラクトース、スクロース、マルトース、ラクトース、ラフィノースなどの炭水化物;グリシン、ロイシン、アラニンまたはメチオニンなどの水溶性アミノ酸;ウレアなど、およびそれらの混合物が挙げられる。好ましい具体例において、胃保持制御ドラッグデリバリーシステムのコアはシステムの膨潤速度を増加させる1種またはそれ以上の浸透性作用剤を含む。好ましくは、浸透性作用剤をコアの約0.5重量%〜約50重量%の量で、より好ましくは、約2重量%〜約40重量%の量で用いる。
【0058】
また本発明の胃保持制御ドラッグデリバリーシステムは、たとえば、デンプン、セルロース誘導体、ゴム、架橋ポリマーなどの崩壊剤;デンプン、ゼラチン、糖質、セルロース誘導体、ポリビニルピロリドンなどの結合剤;タルク、ステアリン酸マグネシウム、コロイド状二酸化ケイ素、ポリエチレングリコール、セルロース誘導体などの滑沢剤;およびそれらの混合物といったような種々の医薬的に許容しうる賦形剤も含む。
【0059】
好ましい具体例において、結合剤として、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)を用いる。好ましくは、結合剤として、HPMC K4Mをコアの約0.2重量%〜約5重量%の量で、より好ましくは、約0.2重量%〜約2重量%の量で用いる。
【0060】
本発明において用いる滑沢剤の例として、タルク、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸、水添植物油、コロイド状二酸化ケイ素、ポリエチレングリコール、カルボキシアルキルセルロースおよびそのアルカリ塩などのセルロース誘導体またはそれらの混合物が挙げられる。好ましい具体例において、滑沢剤は、ケイ化微結晶セルロース、タルクおよびポリエチレングリコールの混合物である。ケイ化微結晶セルロースは、20〜200μmの粒子径を有する微結晶セルロースとコロイド状二酸化ケイ素の相乗作用をなす完全な物理的混合物であり、一般に、2重量%のコロイド状二酸化ケイ素を含む。Prosolv(登録商標) SMCCとして市販されており、微結晶セルロースと比較して改良された圧縮特性をもつ。使用したポリエチレングリコール(PEG)は、PEG 8000である。滑沢剤として、混合物をコアの約0.5重量%〜約40重量%の量で、好ましくは、約5重量%〜約30重量%の量で、より好ましくは、約10重量%〜約25重量%の量で用いる。
【0061】
胃保持制御ドラッグデリバリーシステムのコアは、コア内のものと同じ薬物および医薬的に許容しうる賦形剤を含む速放性コーティング組成物によって取り囲まれている。本発明の好ましい具体例において、コーティング組成物は、バクロフェンおよび被膜形成剤、可塑剤などの医薬的に許容しうる賦形剤を含む。被膜形成剤は、メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)などのセルロースエーテルおよびエステル;メタクリレートおよびメチルメタクリレートコポリマーなどのアクリル酸ポリマー;およびそれらの混合物から選ばれる。好ましい具体例において、被膜形成剤として、ヒドロキシプロピルメチルセルロースをコアの約0.5重量%〜約5重量%の量で、好ましくは、約1重量%〜約3重量%の量で用いる。速放性組成物は、さらに、グリセリン、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、アセチル化モノグリセリド、クエン酸トリエチルなどのクエン酸エステルおよびフタル酸ジエチルなどのフタル酸エステルから選ばれる1種またはそれ以上の可塑剤を含んでもよい。好ましい具体例において、可塑剤として、プロピレングリコールを用いる。別例において、ColorconからOpadry(登録商標) IIとして市販されているヒドロキシプロピルメチルセルロースコーティング溶液を薬物と混合し、制御放出コアをコーティングするのに用いてもよい。
【0062】
コーティング錠の製造は、二段階で行うことができる。第1の製造段階において、第1圧縮ステーションにあるダイキャビティにコア組成物を加え、圧縮し、下部パンチを用いて射出する。第2の段階は、スプレーコーティングまたは圧縮コーティングによってコアにコーティングを塗布することからなる。スプレーコーティングは、適当なコーティング容器内で回転させるかまたは流動槽内で流動させることによってコアの表面を露出し;次いで、薬物およびコーティングポリマーを含むコーティング組成物生物を塗布することを含む。薬物は、液体ビヒクル中にコーティングポリマーを含む同組成物生物に配合するかまたは粉末として層にする。圧縮コーティングは、第2圧縮ステーションにおいて錠剤の下半分のためのコーティング組成物をダイへ充填すること、コアを第1圧縮ステーションから第2圧縮ステーションへ移動し、すでにダイに充填されたコーティング組成物の中心に配置すること、上半分用のコーティング組成物をダイへ充填すること、コーティングされた錠剤を成形するための圧縮段階および下部パンチを用いてダイから圧縮コーティング錠剤をはずす射出段階を含む。
【0063】
本発明の胃保持制御ドラッグデリバリーシステムは、長期間、胃腸液中で、その物理的完全性を保持しながら迅速に膨潤する。低密度であることは、システムが胃液中で浮遊するように、ガス発生剤により発生したガスを閉じ込めることによって達成される。膨潤およびガスの閉じ込めは、システムが0.1N HClを含む溶解槽内で、15分以内、好ましくは10分以内で浮遊を達成する能力をもつように、迅速に行われる。
【図面の簡単な説明】
【0064】
【図1】図1は、バクロフェン30 mgを含む本発明の胃保持制御ドラッグデリバリーシステムの1つの具体例の投与によって得られた血漿濃度対時間プロフィールを示す。
【発明を実施するための形態】
【0065】
次の実施例は、本発明の範囲を限定するものではなく、例示として用いるものである。
【実施例1】
【0066】
下記表1のとおり、胃保持制御ドラッグデリバリーシステムを得る。
表1
成分 量(mg/錠)
コア
粒内
バクロフェン 20.0
ラクトース 30.0
ヒドロキシメチルセルロース(HEC 250 H) 400.0
デンプングリコール酸ナトリウム 150.0
重炭酸ナトリウム 40.0
ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC K4M) 136.0
粒外
ケイ化微結晶セルロース(Prosolv SMCC 90) 90.0
タルク 24.0
ポリエチレングリコール(PEG 8000) 10.0
ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC K4M) 100.0
コーティング
バクロフェン 10.0
ヒドロキシプロピルメチルセルロース(Opadry II) 45.0
【0067】
バクロフェン、ラクトース、ヒドロキシエチルセルロース、デンプングリコール酸ナトリウム、重炭酸ナトリウムおよび一部のHPMC K4MをASTM(American Society for Testing and Materials:アメリカ材料試験協会)篩#40にかけ、成分を混合して乾燥粉末混合物を得ることによって、胃保持制御ドラッグデリバリーシステムを得る。次いで、HPMC K4Mの水溶液を用いて、乾燥粉末混合物を粒状にする。このようにして得た顆粒を適当な篩にかけ、乾燥する。乾燥顆粒をProsolv SMCC 90、タルク、PEG 8000およびHPMC K4Mの混合物で潤滑し、圧縮して、コアを得る。次いで、このコアをバクロフェンおよびOpadry IIを含む水溶液でコーティングして、本発明の胃保持制御ドラッグデリバリーシステムを得る。
【0068】
このようにして得た錠剤を、米国薬局方II型溶解装置(パドル)を50rpmで用い、37℃にて錠剤溶解試験に付す。使用した溶解媒体は、1000mlの0.1N HClである。錠剤は、約10分間で浮遊状態に達する。溶解試験の結果を下記表2に示す。
表2
時間 0.1N HCl中に放出された薬物%
0 0
1 39
2 44
4 53
6 60
8 66
12 77
【実施例2】
【0069】
下記表3のとおり、胃保持制御ドラッグデリバリーシステムを得る。
表3
成分 量(mg/錠)
コア
粒内
バクロフェン 22.5
マンニトール60 260.0
ヒドロキシメチルセルロース(HEC 250 HX Pharma) 200.0
デンプングリコール酸ナトリウム 250.0
重炭酸ナトリウム 80.0
ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC K4M) 4.50
粒外
ケイ化微結晶セルロース(Prosolv SMCC 90) 90.0
タルク 24.0
ポリエチレングリコール(PEG 8000) 10.0
コーティング
バクロフェン 7.5
ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC E5) 24.0
タルク 10.0
プロピレングリコール 5.0
二酸化チタン 11.0
【0070】
バクロフェン、マンニトール、ヒドロキシエチルセルロース、デンプングリコール酸ナトリウムおよび重炭酸ナトリウムをASTM(American Society for Testing and Materials:アメリカ材料試験協会)篩#40にかけ、成分を混合して乾燥粉末混合物を得ることによって、胃保持制御ドラッグデリバリーシステムを得る。次いで、HPMC K4Mの水溶液を用いて、乾燥粉末混合物を粒状にする。このようにして得た顆粒を適当な篩にかけ、乾燥する。乾燥顆粒をProsolv SMCC 90、タルクおよびPEG 8000の混合物で潤滑し、圧縮して、コアを得る。次いで、このコアをバクロフェン、HPMC E5、タルク、プロピレングリコールおよび二酸化チタンの混合物の含水アルコール溶液でコーティングして、本発明の胃保持制御ドラッグデリバリーシステムを得る。
【0071】
このようにして得た錠剤を、米国薬局方II型溶解装置(パドル)を50rpmで用い、37℃にて錠剤溶解試験に付す。使用した溶解媒体は、1000mlの0.1N HClである。錠剤は、約6分間で浮遊状態に達する。溶解試験の結果を下記表4に示す。
表4
時間 0.1N HCl中に放出された薬物%
0 0
1 55
2 63
4 75
6 83
8 91
12 99
【実施例3】
【0072】
下記表5のとおり、本発明の胃保持制御ドラッグデリバリーシステムを得る。
表5
成分 量(mg/錠)
バクロフェン 30.0
ヒドロキシエチルセルロース(Natrosol 250 H) 97.5
デンプングリコール酸ナトリウム 217.5
微結晶セルロース(Avicel PH 101) 435.0
重炭酸ナトリウム 10.0
ポリビニルピロリドン(PVP K-30) 22.0
タルク 9.0
ステアリン酸マグネシウム 9.0
【0073】
バクロフェンの一部、ヒドロキシエチルセルロース、デンプングリコール酸ナトリウムの一部、微結晶セルロースの一部およびポリビニルピロリドンの一部を一緒に混合し、イソプロパノールで粒状にし、タルクおよびステアリン酸マグネシウムで潤滑にし、コア顆粒を形成する。残りのバクロフェン、微結晶セルロース、ポリビニルピロリドンおよびデンプングリコール酸ナトリウムを一緒に混合し、水で粒状にして、コーティング顆粒を形成する。コア顆粒を圧縮し、圧縮コーティングによって、コーティングをコアに適用する。コーティング錠の剤形でこのように得た胃保持制御ドラッグデリバリーシステムは、短時間での高膨潤性を示し、十分な取り扱い強度をもつことに加えて、水溶液中で完全性を維持し、二相性制御放出プロフィールを提供することができる。
【実施例4】
【0074】
30mgのバクロフェンを含む胃保持制御ドラッグデリバリーシステム(実施例2)の投与後のバクロフェンの薬物動態を調べる。バクロフェンについて、複数回投与および一回投与、非盲検、ランダム化、比較および相互クロスオーバー実験を行う。
薬物動態的評価は、血液サンプリングによって測定されたバクロフェンの血漿レベルに基づく。血液サンプルは、試験薬物の投与前および投与後0.25、0.5、1、1.5、2、2.5、3、4、6、8、12、12.5、13、13.5、14、15、16、20および24時間の時点で得る。
【0075】
12名の健康な男性のボランティアを実験に登録し、すべてのボランティアが実験を完了した。被験者を一夜絶食させ、投与前に高脂肪の朝食を与えた。投与の2時間前から2時間後まで水を飲むことを禁じたが、その他の時間はすべて自由にした。投与の4時間後および8時間後およびその後の適当な時間に標準食を与えた。食事計画は、両方の期間で同一であった。
被験者は、絶食後5日間、周囲温度にて、240mlの水とともにバクロフェン(30mg)の胃保持制御放出錠を一回付与された。
種々の時点で採取したサンプルについて、バクロフェンの血漿濃度を決定し、12名のボランティア間で平均した。データを下記表6に示す。血漿濃度対時間のプロフィールを図1に示す。
【0076】
表6
時間(時間) バクロフェン(30 mg)胃保持制御放出錠の平均血漿濃度(ng/ml)
0 0
0.25 0.97
0.5 12.95
1.0 81.57
1.5 117.42
2.0 141.46
2.5 154.1
3.0 157.67
4.0 172.88
6.0 155.77
8.0 119.55
12.0 67.38
12.5 65.28
13.0 60.20
13.5 57.01
14.0 52.26
15.0 48.18
16.0 40.07
20.0 28.03
24.0 18.87
【0077】
胃保持制御ドラッグデリバリーシステムは、一日一回投与に適当である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
バクロフェンまたはその医薬的に許容しうる塩および放出速度制御賦形剤およびバクロフェンまたはその医薬的に許容しうる塩を含む速放性コーティング組成物を含む1日1回療法用の制御ドラッグデリバリーシステムであって、該1日1回療法のためにバクロフェンの血漿レベルが24時間にわたって望ましい範囲内になるように、血漿レベルへの制御を提供するように制御された様式でバクロフェンを放出するように適合されたシステム。

【図1】
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【公開番号】特開2010−90161(P2010−90161A)
【公開日】平成22年4月22日(2010.4.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−281402(P2009−281402)
【出願日】平成21年12月11日(2009.12.11)
【分割の表示】特願2003−516487(P2003−516487)の分割
【原出願日】平成14年7月4日(2002.7.4)
【出願人】(507310592)サン・ファーマ・アドバンスド・リサーチ・カンパニー・リミテッド (10)
【Fターム(参考)】