説明

胃活性化食物繊維

【課題】不溶性多糖塩を含む胃活性化食物繊維および経口摂取可能な製品における胃活性化食物繊維の使用を提供すること。
【解決手段】この胃活性化食物繊維には、水に不溶性であり、かつ水中で示す膨潤が最小であるか、もしくはまったくないバイオポリマー、例えば、アルギン酸塩、カラゲナンおよびペクチンの塩が含まれ得る。胃活性化食物繊維の水膨潤比は15以下であり得る。食物繊維の胃活性化は、3以下の酸性pHに少なくとも15分間晒すことによって誘導することができる。この胃活性化食物繊維を含む経口摂取可能な組成物は、食物繊維のゲル化を誘導する小腸の自然排出物による食物繊維の活性化の結果として、消化管内で安定化し、かつ粘度の増加をもたらす。有益な健康効果が、可溶性繊維含有経口摂取可能な組成物に伴う口当たりのよさの低下および口当たりの悪さという通常の不利益なしに、食物繊維をこのようにして提供することによって潜在的に得られる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は胃活性化多糖系食物繊維および経口摂取可能な製品におけるそれらの使用を指向する。
【背景技術】
【0002】
多糖の塩、例えば、アルギン酸塩は、食品用途においてゲル化、フィルム形成、安定化および/または濃厚剤として食品の感覚もしくは機能的特性を修正するのに広く用いられる。多糖の塩は食物繊維の源でもある。食物繊維の増加は「健康および健康増進」食品市場区分における重要な傾向である。食物繊維の摂取は、一般には、心血管および大腸の健康の両者に有益であるものと考えられる。食物繊維の消化管に対する作用には、腸の吸収速度の減少、大腸管腔毒性の低下、大腸ミクロフローラの変更および大腸粘膜障壁の改善が含まれる(非特許文献1)。
【0003】
アルギン酸ナトリウムは食品において最も一般に用いられるアルギン酸塩であり、可溶性食物繊維とみなされる。食物繊維は小腸内では分解せず、水と結合して腸内流動物の粘度を高める。しかしながら、機能的特性および望ましい食物繊維の特性は食品の加工に困難を突きつけ、および/または食品の口当たりに対する否定的な影響を有する可能性がある(非特許文献2)。例えば、食したときに膨潤して口を渇かす高繊維ビスケットもしくは高粘性飲料はほとんどの消費者にアピールすることがない。さらに、消費者に有益な効果を真にもたらすには多量の繊維が製品中に必要となるため、可溶性食物繊維、例えば、アルギン酸ナトリウムを用いて機能性食品を配合するのは困難である。
【0004】
1968年7月30日発行の特許文献1(Glicksman)は、0.4から3.5%の水溶性ゴムおよび0.1から1.5%の水膨潤性ゴムを含み、水膨潤性ゴムがどろどろした口当たりをもたらす、飲料用の濃厚剤を開示する。
【0005】
1994年2月1日発行の特許文献2(Kazuyuki)および1994年6月28日発行の特許文献3(Kazuyuki)は、分子量が10,000から900,000に低下した、1から50%の水溶性アルギンを含む、飲用に適する飲料を開示する。
【0006】
2003年7月3日発行の特許文献4(Gallaher)は、哺乳動物において体脂肪および/またはレプチンレベルを低下させるための、水溶性、非栄養性および不消化である経口摂取可能な粘性多糖の投与を開示する。これらの多糖は腸内容物の水部分の粘度を高める。
【0007】
非特許文献3は、胃内で一緒になって架橋ゲル構造を形成する可溶性繊維飲料および可溶性カルシウムサプリメントの摂取による満腹感の強化およびカロリー摂取の減少を開示する。
【0008】
特許文献5、特許文献6、特許文献7、特許文献8、特許文献9、特許文献10、特許文献11および特許文献12は、可溶性アニオン性多糖をゲル化カチオンとの組み合わせで投与することによる強化された満腹感の誘導方法に関する。
【0009】
特許文献13は、可溶性アルギン酸塩を不溶性アルギン酸塩/ゲル化イオン粒子との組み合わせで含む自己ゲル化アルギン酸塩系を開示する。
特許文献14(Aurio)は、食品、例えば、可溶性多糖繊維を含む飲料の粘度の調節への食用タンパク質の使用を開示する。
【0010】
Protanal(登録商標)TXF 200アルギン酸カルシウム(FMC Corporation)が幾つかのベーカリークリーム製品において用いられているが、それは小腸内に胃活性化食物繊維をもたらすためではない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【特許文献1】米国特許第3,395,021号
【特許文献2】米国特許第5,283,076号
【特許文献3】米国特許第5,324,526号
【特許文献4】米国特許出願公開2003/0124170 A1
【特許文献5】米国特許出願公開US 2002/0193344 A1
【特許文献6】米国特許出願公開US 2007/0082027 A1
【特許文献7】米国特許出願公開US 2007/0082029 A1
【特許文献8】米国特許出願公開US 2007/0082030 A1
【特許文献9】米国特許出願公開US 2007/0082085 A1
【特許文献10】米国特許出願公開US 2007/0082108 A1
【特許文献11】米国特許出願公開US 2007/0082107 A1
【特許文献12】米国特許出願公開US 2007/0082114 A1
【特許文献13】米国特許出願公開US 2006/0159823 A1
【特許文献14】米国特許出願公開US 2006/0099324 A1
【特許文献15】米国特許第6,121,441号
【特許文献16】米国特許第6,407,226号
【特許文献17】米国特許第1,814,981号
【非特許文献】
【0012】
【非特許文献1】Brownlee,et al.,“Alginate as a Source of Dietary Fiber”,Critical Reviews in Food Science and Nutrition,VoL 45,pp 497 to 510,2005
【非特許文献2】Williams et al.,“Inclusion of Guar Gum and Alginate into a Crispy Bar Improves Postprandial Glycemia”,Humans J.Nutr.,Vol.134 pp 886 to 889,2004
【非特許文献3】Pelkman,C.L.,et al.,“Consumption of a novel calcium−alginate beverage reduced energy intake in non−dieting,overweight and obese women”The FASEB Journal,Vol.20,A1002 (2006)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
以上の観点から、満腹効果をもたらし、かつ味および口当たりの悪さ、様々な製品との適合性並びに口内でのゲル化という不利益のうちの1つ以上を軽減し得るゲル化系に対する必要性が当該技術分野に残っている。
【課題を解決するための手段】
【0014】
一態様において、本発明は、不溶性多糖塩を含む胃活性化食物繊維および経口摂取可能な製品における胃活性化食物繊維の使用を指向する。この胃活性化食物繊維には、水に不溶であり、かつ水中で示す膨潤が最小であるか、もしくは全くないバイオポリマー、例えば、アルギン酸塩、カラゲナンおよびペクチンの塩が含まれ得る。一実施形態において、胃活性化食物繊維の水膨潤比は、水中で24時間後に測定するとき、15以下であり、その代わりに10以下であり、もしくは5以下でもあり得る。粘度増加を発生させるための食物繊維の胃活性化は、3以下の酸性pHに少なくとも15分間、および可溶性イオンに晒すことによって誘導することができる。
【0015】
別の態様において、多糖塩は、0.53wt%の炭酸ナトリウムを含む水中に1wt%の濃度、20℃で測定するとき、50から2000mPa−sのブルックフィールド粘度を有するアルギン酸カルシウムである。
【発明を実施するための形態】
【0016】
アルギン酸塩は多糖であり、かつ褐藻類(brown seaweed)の構造成分である。アルギン酸塩の構築ブロックはα−L−グルロン酸(G)およびβ−D−マンヌロン酸(M)である。M/G比は藻類の種およびそのアルギン酸塩を抽出した植物の部分に依存する。適切な藻類には、これらに限定されるものではないが、ラミナリア・ヒペルボレア(Laminaria hyperborea)、レッソニア・トラベクラタ(Lessonia trabeculata)、レッソニア・ニグレセンス(Lessonia nigrescens)、ラミナリア・ディジタタ(Laminaria digitata)、マクロシスチス・ピリフェラ(Macrocystis pyrifera)、アスコフィルム・ノドスム(Ascophyllum nodosum)、ラミナリア・ジャポニカ(Laminaria japonica)、アンタルクチカ(antarctica)、デュビレア・ポタトルム(Duvillea potatorum)、エクコニア・マキシマ(Eckonia maxima)に加えてそれらの混合体が含まれる。アルギン酸塩中のGブロックは二価カチオン、例えば、Ca2+と結合し、ポリマー鎖間にイオン性架橋を形成することができる。高Gアルギン酸塩は、高Mアルギン酸塩と比較して、カルシウムイオンをより強く結合する。商業的には、アルギン酸塩は水性プロセスで抽出し、アルギン酸(E400)として沈殿させる。このアルギン酸を炭酸塩で中和し、アルギン酸塩、例えば、アルギン酸ナトリウム(E401)、アルギン酸カリウム(E402)、アルギン酸アンモニウム(E403)もしくはアルギン酸カルシウム(E404)を形成する。アルギン酸カルシウムは水に不溶であるこれら4種類の塩のうちの1つにすぎず、不溶性アルギン酸塩のカルシウムを結合もしくは置換して、いかなる形態のきめであってもそれを創出するという観点で、機能的にするのに、第2成分との相互作用を必要とする。
【0017】
ペクチン性物質にはペクチンおよびペクテートが含まれる。ペクチンは、様々な植物の根、幹、葉および果実、特には、柑橘類果実、例えば、ライム、レモン、グレープフルーツおよびオレンジの皮に見出される天然多糖である。ペクチンはD−ガラクツロン酸から誘導されるポリマー単位を含む。ペクチンの源に依存して、D−ガラクツロン酸から誘導される単位の約20−60%がメチル基でエステル化される。これらは高メトキシペクチンおよび低メトキシペクチンとして商業的に公知であり、後者にはアミド化ペクチンも含まれる。ペクテート(ペクチネート)は、20%までのD−ガラクツロン酸から誘導される単位を含む、完全に脱エステル化されたペクチンである。
【0018】
カラゲナンは赤藻類(red seaweed)から抽出される硫酸化ガラクタンの一群である。カラゲナンは、(1→3)α−Dおよび(1→4)β−D−グリコシド連結で交互に結合された、D−ガラクトピラノシルの直鎖である。カラゲナンは、部分的には、硫酸化の程度および位置によって区別することができる。大部分の糖単位は、C−2もしくはC−6に、ヒドロキシル基にエステル化された1もしくは2の硫酸基を有する。カラゲナンには3つの主要タイプ、カッパカラゲナン、イオタカラゲナンおよびラムダカラゲナンが存在する。カッパカラゲナンはカリウムイオンと強い硬質ゲルを生じるのに対して、カルシウムイオンおよびイオタカラゲナンで作製されるゲルは柔弱で追従性である。カッパ−2−カラゲナンはカルシウムイオンもしくはカリウムイオンのいずれとも比較的弱いゲルを形成する。ラムダカラゲナンは水中ではゲル化しない。好ましいカラゲナンは、カルシウムイオンでゲル化するイオタカラゲナンである。イオタカラゲナンはD−ガラクトース−4−スルフェート−3,6−アンヒドロ−D−ガラクトース−2−スルフェートの反復単位を有し、これが約25から34%の硫酸エステル含有率をもたらす。
【0019】
本発明は、胃活性化食物繊維である不溶性多糖塩を指向する。不溶性多糖塩は、そのような塩を含む経口摂取可能な製品の加工の最中に否定的な影響がほとんど、もしくは全くなく、および/または経口摂取可能な製品において良好な口当たりを示す塩である。不溶性多糖塩の繊維特性、例えば、粘性および水結合能力は、主として、小腸への輸送によって活性化される。ここでの活性化という用語は、不溶性状態から食物繊維の機能性をもたらす粘性膨潤もしくは溶解状態への移行を指す。好ましい不溶性多糖塩の1つはアルギン酸カルシウムであり、これは以下でより詳細に論じられる。
【0020】
不溶性多糖塩は、約0.1wt%から約40wt%の量で摂取可能な組成物に添加することができる。この範囲の下端の量は、本発明の不溶性多糖塩が経口摂取可能な組成物中で1以上の他の粘性発生剤(viscosity−developing agent)と組み合わされるとき、潜在的に用いられる。この範囲の上端の量は、例えば、比較的少量の経口摂取可能な組成物中に比較的多量の繊維を供給するサプリメントにおいて用いることができる。
【0021】
不溶性多糖塩は、経口摂取可能な組成物の約0.5wt%から約15wt%、経口摂取可能な組成物の約1.0wt%から約10wr%もしくは経口摂取可能な組成物の約3wt%から約5wt%の量で用いることもできる。アルギン酸カルシウム粉末を、例えば、望ましい量の不溶性多糖塩を提供するのに用いることができる。
【0022】
含んでいる少なくとも1種類の胃活性化食物繊維の量は変化し得るものであり、使用される経口摂取可能な組成物のタイプおよび食物繊維のタイプに依存する。例えば、典型的には、固形経口摂取可能な組成物は施術あたり合計約0.25gから約10gの食物繊維もしくはそれらの間のあらゆる値を含む。本発明の組成物における繊維取り込みの別の範囲は、施術あたり約0.5gから約8g、もしくは施術あたり約1.0から約6g、もしくは施術あたり約2.0から約5.0gである。特定の場合において、経口摂取可能な製品は可溶性アニオン性繊維を、押出製品の約22重量%から約40重量%の総量もしくはそれらの間のあらゆる値で含むことができる。
【0023】
本発明による胃活性化食物繊維には、不溶性アルギン酸塩、不溶性カラゲナン塩、不溶性ペクチン塩およびそれらの混合物から選択される不溶性多糖塩が含まれ得る。この多糖塩は水中で膨潤を示してはならず、もしくは水中で示す膨潤の低度が小さくなければならない。例えば、不溶性多糖塩は、脱イオン水中で24時間後の測定で、1から15の水膨潤比(V/V)を有し得る。一実施形態において、水膨潤比は1から10もしくは1から5である。膨潤比(V/V)は、2グラムの粉末および50mlの水を投入した計測シリンダー内で測定される、初期粉末容積で除した24時間後の(沈殿物としての)粉末容積である。
【0024】
粘性増加を発生させるための食物繊維の胃活性化は、3以下の酸性pHに少なくとも15分間および可溶性イオンに晒すことによって誘導することができる。多糖塩は、典型的には、3以下の酸性pHに少なくとも15分間晒した後、5.0から8.0の範囲もしくは6.5から7.6の範囲内の中性pHで粘度の増加をもたらすのに適する。例えば、アルギン酸カルシウムを含む胃活性化食物繊維の場合、その組成物は、例えば胃において、2.0の酸性pHに2時間晒した後、6.9から7.6の範囲のpHで1時間後に粘度の増加を示し得る。
【0025】
多糖塩が、最初に3以下の酸性pHに晒されることなしに、粘度の増加をもたらすことも可能である。そのような場合、より良好な粘度の発生は、7.0を上回り、典型的には、7.0から7.6のpHでもたらされる。各々の場合において、一価イオン、典型的には、ナトリウムが多価塩のカルシウムもしくは他の不溶性イオンに取って代わり、その多糖塩の可溶化により粘性の発生を促進する。一価イオンの適切な源は重炭酸ナトリウムを排出する小腸において自然にもたらされる。
【0026】
カチオン含有率をより高濃度に上昇させる(これは、胃活性化食物繊維の膨潤を低減させ、および/またはその早期の活性化を防止し得る)ため、不溶性カチオンを含む他の塩を添加することにより、胃活性化食物繊維中にさらなる不溶性カチオンを供給することができる。
【0027】
多糖塩の平均分子量は、50,000−900,000ダルトン;その代わりに、100,000−600,000ダルトン;もしくは250,000−500,000ダルトンの範囲をとり得る。350,000−450,000ダルトンの多糖塩の平均分子量が特に好ましい。これらの分子量範囲は2種類以上の多糖塩の混合物にも適用される。
【0028】
アルギン酸カルシウム粉末は、カルシウムとアルギン酸塩鎖中のG−ブロックとの相互作用のため、一般に水に不溶性である。個々の粒子は以下の3つの要素に依存してある低度まで膨潤し、かつ水を吸収する:(1)高G−ブロックアルギン酸塩は高M−ブロックアルギン酸塩より膨潤が少ないことによるアルギン酸塩のM−ブロック/G−ブロック比;(2)カルシウムのアルギン酸塩に対する比;および(3)アルギン酸塩中のG−ブロックからのカルシウムイオンの除去はアルギン酸塩の膨潤を増加させることによるアルギン酸塩中のG−ブロックからカルシウムイオンを除去する成分の存在。好ましくは、アルギン酸カルシウム粉末は実質的な割合のアルギン酸カルシウム繊維を含まず、より好ましくは、アルギン酸カルシウム粉末はアルギン酸カルシウム繊維を含まない。一実施形態において、胃活性化アルギン酸カルシウム食物繊維の密度は、広口10ml計測シリンダーにおける粉末圧縮のない10mlのサンプルを用いる測定で、0.4g/ml以上である。
【0029】
アルギン酸ポリマー中のGおよびMモノマーの相対含有率はゲルの細孔サイズ、安定性および生分解性、ゲル強度並びに弾性に影響を及ぼす。アルギン酸ポリマーはMおよびGの総含有率に大きな変動を示し得るものであり、ポリマー鎖に沿ったシーケンスの長さに加えて、シーケンス構造の相対含有率も大きく変化する(G−ブロック、M−ブロックおよびMG交互シーケンス)。高G含有率アルギン酸塩を含むゲルは、一般には、より小さいゲル強度を有する高M含有率アルギン酸塩を含むゲルと比較して、より強いゲル強度を有する。アルギン酸塩のG含有率は25−75%もしくは35−70%の範囲をとり得る。一般には、高G−ブロック含有率は胃活性化食物繊維の膨潤を減少させる傾向にあり、それに対して低G−ブロック含有率は胃活性化食物繊維の活性化をより容易なものとし得る。これらの特性の均衡が、特定の経口摂取可能な製品に依存はするが、望ましいものであり得る。
【0030】
ウロン酸ブロックを生成するための手順は特許文献15に開示される。G−ブロックアルギン酸ポリマーおよびアルギン酸ゲル特性の調節因子としてのそれらの使用は特許文献16に記載される。幾つかの好ましい実施形態は、少なくとも25%のG−ブロック、30%のG−ブロック、35%のG−ブロック、40%のG−ブロック、45%のG−ブロック、50%のG−ブロック、55%のG−ブロック、60%のG−ブロック、65%のG−ブロック、70%のG−ブロック、75%のG−ブロック、80%のG−ブロックもしくは85%のG−ブロックを含む。
【0031】
特定の実施形態においては、異なる分子量のアルギン酸塩の混合物を用いることができる。例えば、1種類以上の高分子量アルギン酸塩を1種類以上の中もしくは低分子量アルギン酸塩と組み合わせて用いることができる。アルギン酸配合物は中および低分子量アルギン酸塩の混合物でもあり得る。アルギン酸塩の平均分子量は、50,000−900,000ダルトン;その代わりに、100,000−600,000ダルトン;もしくは250,000−500,000ダルトンの範囲を取り得る。350,000−450,000ダルトンのアルギン酸カルシウムの平均分子量が特に好ましい。これらの分子量範囲は2種類以上のアルギン酸塩の混合物にも適用される。
【0032】
不溶性アルギン酸塩の粒子サイズは、胃活性化プロセスおよびその溶液の最終特性に影響を及ぼし得る。粒子サイズが小さいほどゲル形成の完了がより迅速になる。より大きな粒子サイズは活性化速度に影響し得る。粒子サイズは、例えば、粒子が一般に予め決定されたサイズ範囲内にあるように、不溶性アルギン酸塩を粉砕し、および/または様々な異なるサイズのフィルターを通してふるい分けすることにより、制御することができる。幾つかの実施形態において、粒子は約125μmまで、好ましくは、液体製品については約75μmまで、および固体食品については約(60メッシュ上限まで、より好ましくは、約125μmまで、最も好ましくは、約75μmまでである。粒子サイズの下限は、典型的には、製品の口当たりおよび食品の望ましい粘度によって決定される。
【0033】
多糖塩がアルギン酸カルシウムであるとき、そのアルギン酸カルシウムは、0.53%の炭酸ナトリウムを含有する水中に1wt%のアルギン酸カルシウムで20℃で測定するとき、50から2000mPasの範囲のブルックフィールド粘度を有することができる。その代わりに、アルギン酸カルシウムの実測ブルックフィールド粘度は50から1000の範囲、100から900mPasの範囲、200−600mPasの範囲もしくは250−500mPasの範囲であってもよい。
【0034】
ペクチンは(例えば、50%を上回るエステル化カルボキシレートを有する)高メトキシペクチン、例えば、ISP HM70LVおよびCP Kelco USPL200であってもよい。ペクチンは、低分子量範囲(約100,000から約120,000ダルトン、例えば、CP Kelco USPL200)、中分子量範囲(約125,000から約145,000、例えば、ISP HM70LV)もしくは高分子量範囲(約150,000から約180,000、例えば、TIC HM Pectin)を含めて、あらゆる数平均分子量範囲を示し得る。特定の場合において、高メトキシペクチンはパルプから、例えば、オレンジジュース加工の副生物として得ることができる。
【0035】
カルシウムレベルの低いアルギン酸塩は、典型的には、水中でより膨潤し、カルシウムレベルの高いアルギン酸塩は、典型的には、水中での膨潤がより少ない。その上、アルギン酸カルシウムは、利用可能な可溶性カルシウム塩を有する経口摂取可能な製品、例えば、ミルクにおいては、膨潤する低度がより小さい。アルギン酸カルシウム、例えば、Protanal(登録商標)TXF 200(FMC BioPolymer)は約7wt%のCa2+を含み、これはモル基準でアルギン酸モノマーの約85%飽和に相当する。
【0036】
金属イオン封鎖剤、キレート剤、一価の塩および/またはアルギン酸ナトリウムは、アルギン酸塩中のG−ブロックからカルシウムイオンを除去し、特定の条件下で水の存在下における膨潤の増加を生じ得る。高レベルのそのような成分は、最終的に、アルギン酸カルシウムの分解を生じ得る。
【0037】
経口摂取可能な製品におけるアルギン酸塩の膨潤はその製品のきめおよび口当たりに影響を及ぼす。本発明の目的は、正しいタイプのアルギン酸カルシウムを胃活性化食物繊維成分として適切なタイプの経口摂取可能な製品に正しい条件で添加することである。これは最小限の膨潤をもたらし、かつアルギン酸塩を分解させず、その繊維が添加される経口摂取可能な製品のきめおよび/または口当たりの変化を最小限に止めるか、もしくはまったく変化させない。
【0038】
経口摂取可能な製品、例えば、アルギン酸カルシウムを含む食品もしくは飲料を胃活性化食物繊維として経口摂取するとき、アルギン酸カルシウムのほとんどもしくはすべては、pHが中性に近く、かつ滞留時間が短いため、消費者の口内では不溶性のままである。胃に入ると、胃酸のプロトンがアルギン酸鎖上のカルシウムイオンと置き換わり、アルギン酸塩の少なくとも幾らかは不溶性アルギン酸カルシウムから不溶性アルギン酸もしくは不溶性アルギン酸カルシウムおよび不溶性アルギン酸の混合物に変化する。胃を空にして小腸に入ると、胃の内容物およびアルギン酸は小腸に自然に分泌される重炭酸ナトリウムによって中和される。アルギン酸および重炭酸ナトリウムの反応は小腸内に可溶性アルギン酸ナトリウムを生じ、それは可溶性食物繊維として作用する。
【0039】
したがって、一実施形態においては、粉末化アルギン酸カルシウムを、塩含有率が低いかもしくはまったくなく、かつ金属イオン封鎖剤を含まない経口摂取可能な製品に添加することができる。この実施形態においては、アルギン酸カルシウムが経口摂取可能な製品の加工を妨害することはなく、かつ経口摂取可能な製品の口当たりが注目に値する低度まで悪影響を受けることがない。
【0040】
不溶性多糖成分を酸性の経口摂取可能な製品に添加することも本発明の範囲のうちにある。酸性経口摂取可能な製品、例えば、食品もしくは飲料は、潜在的に、その経口摂取可能な製品の加工の最中にアルギン酸カルシウムと相互作用し得る。3.5のアルギン酸塩のpKを下回るpH値では、アルギン酸カルシウムは部分的に、もしくは完全に、アルギン酸に変換される。この変換の結果として、アルギン酸塩はある不溶性形態から他のものとなり、したがって、アルギン酸塩粒子はこれらの酸性条件下では固体/不溶性のままである。データは、膨潤が酸性pHの変化によってはほとんど影響を受けないことを示す。
【0041】
幾つかの実施形態においては、不溶性多糖成分を塩気の多い経口摂取可能な製品に添加することが望ましい。塩、例えば、塩化ナトリウムを含む、塩気の多い経口摂取可能な製品は、イオン交換においてアルギン酸塩中のカルシウムと関わりを持ち、アルギン酸塩繊維を活性化(可溶化)する平衡濃度を変化させる。高G−ブロック含有率物質を用い、および/または余分な量のカルシウム塩を添加することで、塩気の多い経口摂取可能な異性品の存在下における一価イオン/Ca2+イオン交換反応を相殺し、これらのタイプの製品における多糖成分の活性化を減少もしくは防止することができる。
【0042】
同様に、水を含む経口摂取可能な組成物においては、高G−ブロック含有率物質を用い、および/または余分な量のカルシウム塩を添加することで、水の存在下における一価イオン/Ca2+イオン交換反応を相殺し、これらのタイプの製品における多糖成分の活性化を減少もしくは防止することができる。
【0043】
経口摂取可能な製品中の金属イオン封鎖剤、例えば、リン酸塩、EDTAおよび/またはクエン酸塩は、アルギン酸カルシウムのカルシウムイオンをキレート化し、アルギン酸塩繊維を活性化(可溶化)し得る。ここでもやはり、高G−ブロック含有率を有するアルギン酸塩を用い、および/または余分な量のカルシウム塩を添加することで、Ca2+イオンキレート化を相殺し、活性化を減少もしくは防止することができる。金属イオン封鎖剤は、通常、二価イオンを結合するために製品に添加され、それらの豊富さが配合物の均衡をとるのに必要であり得る。したがって、幾つかの実施形態においては、少量の金属イオン封鎖剤が本発明を用いる組成物中に存在していてもよい。
【0044】
その代わりに、多糖塩成分に適切なコーティングを施し、その多糖塩との水の接触を実質的に減少もしくは防止することもできる。そのようなコーティングは、一価の塩と多糖塩とのイオン交換を減少もしくは防止し、および/または金属イオン封鎖剤によるキレート化を減少もしくは防止する。適切なコーティングは、小腸における多糖塩の活性化を許容するように、口、胃および/または小腸の内容物に晒されたときに溶解しなければならない。従来のワックス系コーティングがこの目的に適切であり得るタイプのコーティングの一例である。
【0045】
アルギン酸塩原料を選択するとき、多くの因子が役割を果たす。G−ブロック含有率が中程度であるか、もしくは低いものでさえあるアルギン酸塩、例えば、それぞれ、ラミナリア・ヒペルボレアの葉もしくはレッソニア・ニグレセンスから単離することができるものを用いることが望ましい場合、加工の最中もしくは消費者の口内でアルギン酸カルシウム繊維が活性化される高い危険性がある。幾つかの実施形態においては、超純粋アルギン酸塩を用いることもできる。
【0046】
活性化の危険性を減らすため、製品中でのより高いカルシウムレベルを用いることができ、または余分な量のカルシウム塩を組成物および/または経口摂取可能な製品中に供給することができる。胃活性化食物繊維は、多糖塩の総重量を基準にして、5から12wt%のカチオンを含むことができる。その代わりに、胃活性化食物繊維は、多糖塩の総重量を基準にして、6−10wt%のカチオンもしくは7−9wt%のカチオンを含むことができる。したがって、例えば、これらの量は本発明の胃活性化食物繊維組成物において用いられるアルギン酸カルシウム塩中に存在するカルシウムの量に適用される。その代わりに、さらなるカルシウム塩を胃活性化食物繊維に添加してカルシウム含有率を高めることもできる。カチオン含有率に対するすべての参照は、多糖塩を水に不溶もしくは実質的に不溶とするのに適し、かつ上述の望ましい膨潤比をもたらすカチオンを指す。幾つかの実施形態においては、潜在的に上述の理由の1つ以上のため、カチオンのより高い含有率が望ましい。そのような実施形態において、カチオン、例えば、アルギン酸カルシウムのカルシウムは、例えば、多糖塩の9−12wt%を構成することができる。
【0047】
幾つかの実施形態においては、不溶性胃活性化食物繊維組成物の製造方法が化学量論的量(100%飽和)のカチオンを有する多糖塩を提供することが好ましい。幾つかの実施形態においては、不溶性胃活性化食物繊維組成物の製造方法は化学量論的量未満(<100%飽和)の該カチオンを有する多糖塩を提供することができる。
【0048】
アルギン酸の商業的なカルシウム塩は、一般には、成分を共に単純に混合し、かつ混練することによりカルシウムをアルギン酸に固相で添加する方法で製造される。アルギン酸の商業的に入手可能なカルシウム塩の例は、Protaweld(登録商標)(FMC BioPolymer製)およびISP Corporation製のKelset(登録商標)である。
【0049】
多糖塩は、一般には、カチオン、例えば、カルシウムもしくはストロンチウム、バリウム、亜鉛、鉄、マグネシウム、カリウム、銅、コバルト、ニッケルまたはそれらの組み合わせを有する。アルギン酸の不溶性アルカリ土類塩、例えば、アルギン酸カルシウムもしくはアルギン酸ストロンチウムまたはアルギン酸の不溶性繊維金属塩(例えば、銅、ニッケル、亜鉛、鉄、マンガンもしくはコバルトのカチオンを用いるもの)は、公知の予め決定された含有量のアルカリ土類イオンで、溶液からの沈殿によって製造することができる。幾つかの実施形態においては、アルギン酸ナトリウムが不溶性アルギン酸塩の調製方法において用いられる。
【0050】
不溶性アルギン酸塩に望ましいカチオンを含む塩、例えば、カルシウム塩もしくはストロンチウム塩、例えば、塩化カルシウム、乳酸カルシウムもしくは塩化ストロンチウムが溶液の作製に用いられる。少量のアルギン酸ナトリウム溶液を、好ましくは徐々に、そのカチオン溶液と合わせる。好ましくは、合わせた溶液をその混合プロセスの最中に連続的に攪拌する。不溶性アルギン酸塩、例えば、(用いられるゲル化イオンに依存して)アルギン酸カルシウムもしくはアルギン酸ストロンチウムが合わせた溶液から沈殿する。その後、沈殿した不溶性アルギン酸塩を溶液から取り出し、繰り返し、例えば2−10回、例えば純水で、洗浄してすべての可溶性イオンを除去する。
【0051】
可溶性イオンの除去は、例えば、純水の導電率と比較した純水中の不溶性アルギン酸塩の導電率を試験することによって確認する。洗浄後、不溶性アルギン酸塩を、例えば真空で、乾燥させることができる。乾燥させたアルギン酸塩は粉砕し、幾つかの実施形態においては、粒子サイズを選択することができる。不溶性アルギン酸塩を製造するための他の適切な製造方法は、例えば、特許文献17に開示され、その製造方法の開示は参照によりここに組み込まれる。
【0052】
その代わりに、多糖塩のカチオン含有率を調節するよりもむしろ、もしくはそれに加えて、胃活性化食物繊維のカチオン含有率および/または経口摂取可能な製品のカチオン含有率を調整し、それらを含む胃活性化組成物もしくは経口摂取可能な製品の特性を特別に誂えることもできる。そのような調整は、望ましいカチオンのさらなる塩を添加することによって行うことができる。例えば、塩化カルシウムを胃活性化食物繊維組成物もしくは経口摂取可能な製品に添加し、それらのカルシウムカチオン含有率を高めることができる。この目的に適する他の塩には、多糖の不溶化カチオンを含む食品グレードの塩が含まれる。例示的なさらなる食品グレードの塩、例えば、乳酸カルシウムおよび酢酸カルシウム。用いられるさらなる塩の量は、主として、最終製品の望ましいカチオン含有率に依存する。このようにして、多糖塩の形成に必要な100%の化学量論的量を上回るカチオンを食物繊維もしくは経口摂取可能な組成物にもたらすことができる。これは、小腸における活性化が望まれるまで胃活性化食物繊維の塩もしくは不溶性形態を維持するのに有利なようにイオン交換平衡を押しやる過剰のカチオンを提供することにより、さらなる調整を行って、例えば、水性、酸性もしくは塩気の多い経口摂取可能な組成物を補償し得る利点を提供する。
【0053】
本発明の胃活性化食物繊維は経口摂取可能な製品、例えば、食品および飲料に特に有用である。食品(それにおいて胃活性化食物繊維)の1クラスは加工食品である。焼き物、例えば、パン、ベーカリークリーム、キャンディー、甘味飲料、健康飲料、香りを付けた水、揚げ物食品および大豆飲料を含む様々な異なる食品を調製することができる。
【0054】
1種類以上の胃活性化食物繊維が固体経口摂取可能な組成物中に加工もしくは非加工形態で存在し得る。胃活性化食物繊維を含む経口摂取可能な組成物は、制限されることなしに、押出し(冷もしくは熱、高圧もしくは低圧)、噴霧乾燥、ロール乾燥、乾燥配合、ロール配合、凍結乾燥、配合、混合、高剪断混合、焼成、煮沸、フライおよび発酵法、均一化および超高温(UHT)処理によって加工することができる。1種類以上の胃活性化食物繊維が固体経口摂取可能な組成物中に1種類以上の加工形態(例えば、押出し食品、例えば、以下に記載されるようなクリスピー)もしくは非加工形態(例えば、成型生地もしくは組成物)もしくはその両者で存在し得る。例えば、スナックバー固体経口摂取可能な組成物には、押出し食品として提示される1種類以上の胃活性化食物繊維、非押出し形態の1種類以上の胃活性化食物繊維(例えば、形成バー)もしくはその両者が含まれ得る。スナックチップ固体経口摂取可能な組成物には、押出し形態もしくは噴霧乾燥形態またはその両者の1種類以上の胃活性化食物繊維、例えば、チップ上に噴霧乾燥された1種類以上の胃活性化食物繊維を有する、押出し胃活性化食物繊維含有チップが含まれ得る。クッキー固体経口摂取可能な組成物には、非加工形態(例えば、形成クッキー)もしくは加工(例えば、押出し)形態またはその両者の、1種類上の胃活性化食物繊維が含まれる。
【0055】
固体経口摂取可能な組成物は任意の成分、例えば、砂糖衣(frostings)、コーティング、ドリズル(drizzles)、チップ、チャンク、スワール(swirls)もしくは層を含むことができる。そのような任意の成分は、本明細書でさらに説明されるように、1種類以上のカチオンの源であり得る。そのような任意の成分は1種類以上の胃活性化食物繊維の源、例えば、ゼリー層中のペクチンであってもよい。
【0056】
固体経口摂取可能な組成物には押出し食品が含まれ得る。押出し食品は高圧もしくは低圧下で冷もしくは熱押出しすることができ、限定されることなしにバー(例えば、栄養バーもしくは食事代替バー(meal replacement bar))、クッキー、ベーグル、クリスピー、パフ、カール、クランチ、ボール、フレーク、スクエアー、ナゲットおよびチップを含む、あらゆるタイプの押出し形状を想定することができる。幾つかの場合において、押出し食品はバー形状、例えば、スナックバー、グラノーラ、栄養バーもしくは食事代替バーである。幾つかの場合において、押出し食品はクッキー形状である。他の場合において、押出し食品はクリスピー、パフ、フレーク、カール、ボール、クランチ、ナゲット、チップ、スクエアー、チップ、ペーストもしくはナゲットのような形状である。そのような押出し食品はそのまま食することができ(例えば、シリアルのクッキー、バー、チップ、クリスピー)、もしくは固体経口摂取可能な組成物中に組み込むことができる(例えば、スナックバーに組み込まれたクリスピー)。
【0057】
経口摂取可能な組成物もしくは押出し食品は以下の1種類以上を含むことができる:カカオ、他の不溶性もしくは可溶性繊維、不溶性セルロース物質(例えば、微結晶セルロース、例えば、Avicel(登録商標)(FMC、Philadelphia、Pa.)もしくはSolka Floc(登録商標)(International Fiber Corporation、North Tonawanda、N.Y.))および動物もしくは植物資源から誘導される油もしくは脂肪、例えば、ダイズ油、カノーラ油、コーン油、ベニバナ油、ヒマワリ油、パーム、パーム核等。例えば、押出し食品は、約3重量%から約10重量%(例えば、約3重量%から約6重量%、約4重量%から約6重量%、約5重量%、約6重量%、約7重量%もしくは約4重量%から約8重量%)のそのような添加成分を含むことができる。
【0058】
本発明は液体経口摂取可能な組成物も包含する。液体経口摂取可能な組成物はあらゆる適切なpHを有することができる。しかしながら、液体経口摂取可能な組成物は、好ましくは、約2.5から約7.5のpHを有する。特定の場合においては、液体経口摂取可能な組成物は約3.0から約7、例えば、約4.0から約4.3もしくは約4.1から約4.2のpHを有することができる。これらのpHで、液体経口摂取可能な組成物はアルギン酸塩およびペクチン酸性サブユニットのpKaを上回り、組成物におけるイオン交換が最小にとどまるものと信じられる。幾つかの場合においては、リンゴ酸、リン酸およびクエン酸を用いて組成物を酸性にすることができる。特定の場合において、液体経口摂取可能な組成物は約4.0から約6.5のpHを有することができる。そのような液体経口摂取可能な組成物は当分野における当業者に公知のpH緩衝剤を用いることができる。
【0059】
液体経口摂取可能な組成物中で用いるための甘味料はその組成物の用途に従って変化し得る。ダイエット飲料には、低糖血症甘味料および/または高強度甘味料(high intensity sweeteners)、例えば、ポリオール、トレハロース、イソマルツロースおよびスクラロースが好ましいものであり得る。スクラロースおよび/または他の高強度甘味料、例えば、アスパルテーム、ネオテーム、アセスルフェームK等は単独で特定の配合物に用いることができる。甘味料の選択は液体経口摂取可能な組成物のカロリー含量全体に衝撃を与える。特定の場合において、液体経口摂取可能な組成物は約40カロリー/12oz供給を有することを目標とすることができる。
【0060】
液体経口摂取可能な組成物は、約10−5の剪断速度で約15から約200cPs、例えば、約17から約24;約20から約25、約50から100、約25から75、約20から80、約15から約20、約100から約200、約125から約175、約150から約175cPsの範囲の粘度もしくはその間のあらゆる値を示すことができる。粘度は、当分野における当業者が、例えば、(例えば、Parr Physicaレオメーターを備える)二重ギャップ同心シリンダー備品を用いて剪断速度を増加させながら溶液の流動曲線を測定することによって測定することができる。
【0061】
液体経口摂取可能な組成物は、EDTAおよびその塩、クエン酸ナトリウム、ヘキサメタリン酸ナトリウム、酸性ピロリン酸ナトリウム、無水リン酸三ナトリウム、ピロリン酸四ナトリウム、トリポリリン酸ナトリウム、リン酸二ナトリウム、炭酸ナトリウムおよびクエン酸カリウムから選択されるカチオン金属イオン封鎖剤を、カチオン金属イオン封鎖剤の量が液体組成物中の多糖塩の実質的な可溶化を生じる量の多糖塩からのカチオンをキレート化しない限り、含むことができる。カチオン金属イオン封鎖剤はその経口摂取可能な組成物の約0.0001%から約0.3%であり得る。したがって、例えば、EDTAを約0.00015から約0.1重量%で用いることができる。
【0062】
液体経口摂取可能な組成物はジュースもしくはジュース濃縮液並びに任意の香味料および/または着色料を含むことができる。用いるためのジュースには、フルーツジュース、例えば、リンゴ、ブドウ、ラズベリー、ブルーベリー、チェリー、ナシ、オレンジ、メロン、プラム、レモン、ライム、キウイ、パッションフルーツ、ブラックベリー、ピーチ、マンゴー、グアバ、パイナップル、グレープフルーツおよび当業者に公知の他のものが含まれる。用いるための野菜ジュースには、トマト、ホウレンソウ、ヒメカモジグサ、キュウリ、ニンジン、コショウ、ビート、アロエおよび当業者に公知の他のものが含まれる。
【0063】
望ましい最終風味に依存して香味料を含めることができ、これには、David Michael、Givaudan、Duckworthおよび他の源から入手可能な、キウイ、パッションフルーツ、パイナップル、ココナツ、ライム、クリーミーシェイク、ピーチ、ピンクグレープフルーツ、ピーチグレープフルーツ、ピニャコラーダ、ブドウ、バナナ、チョコレート、バニラ、シナモン、リンゴ、オレンジ、レモン、チェリー、ベリー、ブルーベリー、ブラックベリー、リンゴ、ストロベリー、ラズベリー、メロン(単数または複数)、コーヒーおよび他のもののような風味が含まれる。着色料も達成しようとする最終的な色に依存して含むことができる。
【0064】
経口摂取可能な製品において、アルギン酸カルシウムは、例えば粉末を他の乾燥成分と乾燥混合することにより、配合物に添加することができる。膨潤および水の吸収の少なさのため、アルギン酸カルシウムが塊になるかもしくは凝集する危険性は水に溶解する親水コロイドの使用と比較して非常に少ない。これは、この成分を用いる経口摂取可能な製品の加工を容易にする。飲料においては、アルギン酸カルシウム粉末は容易に懸濁する。しかしながら、幾つかの環境の下では、粉末は沈殿を形成することがある。そのような場合、適切な懸濁剤、例えば、コロイド状微結晶セルロースもしくは非イオン性可溶性親水コロイド、例えば、キサンタンを用いることによって沈殿を防止もしくは減少させることができる。
【0065】
酸性経口摂取可能な製品においては、アルギン酸塩の分子量が保存で低下する。低分子量のアルギン酸カルシウムは高分子量のアルギン酸カルシウムよりも膨潤が少ないため、これがその経口摂取可能な製品の口当たりを変化させることはない。しかしながら、著しい保存期間の後の酸環境の存在下での分子量の低下は粘度を僅かに低下させ、それが胃活性化食物繊維の効果を増強する。
〔実施例〕
【実施例1】
【0066】
一連のカルシウム含有率およびアルギン酸塩タイプを有するアルギン酸カルシウムを、様々な海藻から誘導されたアルギン酸を炭酸カルシウムおよび炭酸ナトリウムの適切な配合物と共に混練することによって調製した。TP1、TP2、TP3、TP4、TP5、TP6、TP7およびTP8を、炭酸カルシウムおよび炭酸ナトリウムの95/5混合物に加えて塩化カルシウムとして添加されたさらなる10%、20%もしくは40%のカルシウムを含むアルギン酸の基本ロットを用いて製造した。TP5およびTP6の製造の最中にはさらなる水を添加し、混合を確実に均一なものとした。
【0067】
アルギン酸塩を、水中での膨潤について時間の関数として、および(カルシウムを炭酸カルシウムとして結合するために)水中の0.53%炭酸ナトリウムにおけるブルックフィールド粘度について特徴付けた。膨潤は迅速であった。沈降容積の測定を可能にするため、24時間後にデータを報告する。低カルシウム含有率の幾つかのサンプルは高い膨潤性を有していた。TPサンプルはすべて低い膨潤性を示した。
【0068】
【表1】

【実施例2】
【0069】
この実施例は、アルギン酸カルシウムのシミュレートされた「イン・ビボ」活性を示す。0.4gのアルギン酸カルシウム、RENO 3051を添加し、15mlの0.1M HCl中で、10分間攪拌して、胃条件での短時間滞留をシミュレートした。アルギン酸塩は不溶性のままであった。重炭酸ナトリウム(0.4g)をpHが7.5になるまで添加し、小腸への侵入をシミュレートした。粒子が膨潤し、幾らかの粘性が創出されたことがわかった。全時間にわたって、粘度は有意に発生し続けた。
【実施例3】
【0070】
この実施例は、水中でのアルギン酸カルシウムの膨潤が酸性から中性とpHのまったく無関係であることを示す。ラミナリア・ヒペルボレアの茎から単離されたアルギン酸カルシウムを脱イオン水に懸濁させた後、pHを酸性から中性の範囲の値に調整した。粉末のその容量を乾燥粉末に関して(V)、および膨潤研究の最中に数回書き留めた。24時間後、すべてのサンプルで膨潤曲線が安定化した。表2のデータは24時間後の全pH範囲にわたる膨潤比(V/V)の変動を示すが、大きな差は観察されなかった。
【0071】
【表2】

【実施例4】
【0072】
食品加工は、しばしば、高温および/または高剪断を必要とする。この実施例は、様々な加工処理の後のアルギン酸カルシウムの膨潤を示す。2グラムのアルギン酸カルシウム(RENO 1001)を50グラムの水に懸濁させた後、サンプルをマイクロ波オーブンを用いて煮沸した。次に、それらのサンプルのうちの2つを、ロータ/ステータを備える高剪断Silverson(登録商標)ミキサーでさらに混合した。高剪断混合は、粒子の沈殿には長時間かかるため、粒子を摩耗もしくは凝集解離(deaggregated)させ、粒子サイズを減少させ得る。表3は48時間後の粉末の膨潤比(V/V)を示す。これは、アルギン酸塩の膨潤が熱処理単独(煮沸)によって小低度に衝撃を受けることを示す。高剪断は膨潤を増加させるが、それらの結果は粒子サイズおよび構造による衝撃を受けることもあり、ここでもやはり沈降プロセスに衝撃を与える。
【0073】
【表3】

【実施例5】
【0074】
この実施例はアルギン酸カルシウムのパンへの組み込みを示す。ラミナリア・ヒペルボレア茎からの高G−ブロック含有率を基盤とするアルギン酸カルシウム(バッチ 612321)をこの試行において用いた。参照パンは、1000gの小麦粉、50gの乾燥酵母。30gの砂糖、大さじ4杯のダイズ油および小さじ1.5杯の、700ml予備加熱水中のNaClを混合および混練することによって作製した。アルギン酸塩含有パンについては、小麦粉の量を797グラムに減少させ、70グラムのアルギン酸カルシウムを添加した。生地の両サンプルをふくらませ、次いで2番目に混練した後、型に加えた。アルギン酸塩を含むパン生地の粘稠性は参照パンの生地よりも幾らか粘りけが少なかった。ベンチ上で30分後、2種類のパンを225℃で約40分ベークした。これら2種類のパンはほとんど同じように見え、非常に似た味であった。アルギン酸塩パンはベーキングプロセスの最中に形状をより良好に保持した。参照パンのパン容量はアルギン酸塩パンよりも幾らか多かった。参照パンの核はアルギン酸塩パンと比較して僅かに粘りけがあった。ベーキングの最中、アルギン酸塩パンの重量は1599から1486グラムに減少し、それに対して参照パンの重量は1692から1587グラムに減少した。乾物(dry matter)は、赤外ドライヤーにおいて140℃で20分間、アルギン酸塩および参照パンについて、それぞれ、56.2%および58.5%と決定された。
【実施例6】
【0075】
この実施例は食品中のアルギン酸カルシウムの胃活性化を示す。実施例4において作製されたパンのサンプル(約50gから75g)をそのパンサンプルの重量の2倍に相当する量の0.1M HCl(pH=1)に添加し、フードプロセッサーにおいて5分間混合して胃条件をシミュレートした。その配合物について、両者とも23℃での測定で、粘度がアルギン酸塩パンについては2360mPas、参照パンについては655mPasと測定された。pHを重炭酸ナトリウムで6.5から7の範囲内に調整した。次に、サンプルを37℃に加熱し、炭酸ナトリウムを中性pHまで添加して、小腸への侵入をシミュレートした。ここで測定された粘度は、アルギン酸塩パンについては2795mPas、参照パンについては540mPasであった。
【実施例7】
【0076】
この実施例は、カルシウムの添加有りおよび無しの、白パンに組み込まれたアルギン酸カルシウム食物繊維を示す。パンは表4のレシピに従って調製した。すべての乾燥成分を一緒に混合し、ダイズ油を含む生暖かい水に添加した。パン3については、乳酸カルシウムを水に溶解した。その生地をKenwood Major(登録商標)ミキサーを用いて混合した後、手で混練した。パン2および3には余分の水を混合工程において添加し、ほぼ同じきめの生地を得た。その生地をベンチで30分間膨らませた。その後、生地を2つに切断し、2つのベーキング鍋(baking tin)に入れた。ベンチで20分の「膨らませの後」、パンを225℃で約45分間ベークした。
【0077】
【表4】

味および外見は3種類のパンのすべてでほぼ同じであった。パン1は他の2種類のパンよりも僅かに粘着性であった。パンのきめは互いに類似していた。密度の測定は、参照パンが3種類のパンのうちでもっと膨らんだことを示す。アルギン酸カルシウムを含むパン生地は参照パンもしくはアルギン酸カルシウムおよび乳酸カルシウムを含むパンのいずれよりも水を必要とした。これは表中に示される乾物の量が示すものに対応する。
【実施例8】
【0078】
この例は、シミュレートされた胃腸条件での粘度の測定による、パン中のアルギン酸カルシウムの活性化を示す。50gの、実施例7に従って作製されたパンを150gの0.1M HCl(pH1)に1:3の比で添加し、フードプロセッサーにおいて5分混合して、胃のpH条件をシミュレートした。その混合物の粘度を、直後、1時間後および2時間後に、Brookfield RV粘度計を用いて測定した。次に、pHを重炭酸ナトリウムでpH7近くに調整し、腸のpH条件をシミュレートした。次いで、粘度を直後、1時間後および2時間後に測定した。
【0079】
【表5】

【実施例9】
【0080】
この実施例はアルギン酸カルシウムのシミュレートされた胃活性化を示す。シミュレート条件は粘度およびpHを時間と共に監視することによって決定した。アルギン酸カルシウムを0.1M HClに添加して2時間攪拌し、胃の条件をシミュレートした。アルギン酸塩は不溶性のままであった。重炭酸ナトリウムをpHが7.0になるまで添加し、小腸への侵入をシミュレートした。1時間後、さらなる重炭酸ナトリウムを添加し、pHを上昇させた。すべてのサンプルがpH7.5に調整されたわけではなかった。この研究の後、サンプルを一晩冷蔵し、翌朝観察した。データを表6、7および8に報告する。
【0081】
2つのサンプルはこれらの試験条件の下では胃活性化されなかった:530022および630030。2つのサンプルは多少胃活性化された:630034およびRENO 1001。4つのサンプルはこれらの試験条件下で胃活性化され、増加した粘度を有していた;530021、RENO 3051、TP1およびTP6。
【0082】
【表6】

【0083】
【表7】

【0084】
【表8】

【実施例10】
【0085】
この実施例は胃活性化アルギン酸カルシウムで調製される口当たりのよい飲料を嗜好する。ダイズ飲料を2.5%アルギン酸カルシウム有り、および無しで調製した。微結晶セルロースおよびセルロースゴムを含む安定化剤を含めて不溶性アルギン酸カルシウムを懸濁させた。乾燥成分を一緒に配合し、ワイヤ泡立て器を用いて流動性豆乳基剤に分散させた。その混合物を90℃に加熱し、この温度で10分間保持した。75℃に冷却した後、両サンプルを130/20バーでPONY NS2006L Energy(GEA Niro Soavi)ホモジナイザーを用いてホモジナイズした。その生成物を8℃までさらに冷却し、ボトルに注ぎ入れて冷却下で保存した。その代わりに、その飲料を産業用UHTユニットを用いて140℃で3秒間の熱処理で処理した後、ボトルに無菌的に充填して長期貯蔵期間飲料を得ることもできる。
【0086】
本発明の実施形態を説明したが、それらは説明を目的とするものであって限定しようとするものではなく、当業者が上記教示に照らして変更および変形をなすことができることが注記される。したがって、開示される本発明の特定の実施形態において変更をなすことができ、それらが添付の請求の範囲によって概述される本発明の範囲および精神のうちにあることは理解されるべきである。このように本発明を詳細に、かつ特許法によって特に要求される通りに説明したが、意図する保護の範囲は添付の請求の範囲に記載される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
不溶性アルギン酸塩、不溶性カラゲナン塩、不溶性ペクチン塩およびそれらの混合物の群から選択される不溶性多糖塩を含む口当たりのよい胃活性化食物繊維であって、該多糖塩が水中で低膨潤性もしくは非膨潤性であり、3以下の酸性pHに少なくとも15分間晒した後に、6.5から7.6の範囲内の中性pHで粘度が増加する胃活性化食物繊維。
【請求項2】
24時間後に脱イオン水中での測定で1から15の水膨潤比を有する不溶性多糖塩を含む、請求項1に記載の口当たりのよい胃活性化食物繊維。
【請求項3】
24時間後に脱イオン水中での測定で1から10の水膨潤比を有する不溶性多糖塩を含む、請求項1に記載の口当たりのよい胃活性化食物繊維。
【請求項4】
24時間後に脱イオン水中での測定で1から5の水膨潤比を有する不溶性多糖塩を含む、請求項1に記載の口当たりのよい胃活性化食物繊維。
【請求項5】
胃活性化食物繊維の総重量を基準にして5−12重量パーセントの、多糖を不溶性にするカチオンを含む、請求項1に記載の口当たりのよい胃活性化食物繊維。
【請求項6】
胃活性化食物繊維の総重量を基準にして6−10重量パーセントの、多糖を不溶性にするカチオンを含む、請求項1に記載の口当たりのよい胃活性化食物繊維。
【請求項7】
胃活性化食物繊維の総重量を基準にして7−9重量パーセントの、多糖を不溶性にするカチオンを含む、請求項1に記載の口当たりのよい胃活性化食物繊維。
【請求項8】
多糖塩が約50,000から約900,000ダルトンの分子量を有する、請求項1に記載の口当たりのよい活性化食物繊維。
【請求項9】
多糖塩が約100,000から約600,000ダルトンの分子量を有する、請求項1に記載の口当たりのよい活性化食物繊維。
【請求項10】
多糖塩が約250,000から約500,000ダルトンの分子量を有する、請求項1に記載の口当たりのよい活性化食物繊維。
【請求項11】
多糖塩が約350,000から約450,000ダルトンの分子量を有する、請求項1に記載の口当たりのよい活性化食物繊維。
【請求項12】
胃活性化食物繊維を不溶性にするカチオンのさらなる塩をさらに含む、請求項1に記載の口当たりのよい胃活性化食物繊維。
【請求項13】
ラミナリア・ヒペルボレア、レッソニア・トラベクラタ、レッソニア・ニグレセンス、ラミナリア・ディジタタ、マクロシスチス・ピリフェラ、アスコフィルム・ノドスム、ラミナリア・ジャポニカ、デュルビレア・アンタルクチカ(Durvillea antarctica)、デュルビリエア・ポタトルム(Durvilliea potatorum)、エクコニア・マキシマおよびそれらの混合体の群から選択される海藻の茎もしくは葉から誘導される不溶性アルギン酸塩を含む、請求項1に記載の口当たりのよい胃活性化食物繊維。
【請求項14】
不溶性多糖塩がアルギン酸カルシウムを含む、請求項2に記載の口当たりのよい胃活性化食物繊維。
【請求項15】
さらなるカルシウム塩をさらに含む、請求項14に記載の口当たりのよい胃活性化食物繊維。
【請求項16】
さらなるカルシウム塩が塩化カルシウム、乳酸カルシウムおよび酢酸カルシウムからなる群より選択される、請求項15に記載の口当たりのよい胃活性化食物繊維。
【請求項17】
アルギン酸塩が少なくとも25重量%のG−ブロックを含む、請求項14に記載の口当たりのよい胃活性化食物繊維。
【請求項18】
アルギン酸塩が少なくとも40重量%のG−ブロックを含む、請求項14に記載の口当たりのよい胃活性化食物繊維。
【請求項19】
アルギン酸塩が少なくとも60重量%のG−ブロックを含む、請求項14に記載の口当たりのよい胃活性化食物繊維。
【請求項20】
アルギン酸カルシウムが、0.53%の炭酸ナトリウムを含む水中に1%の多糖で20℃で測定するとき、50から2000mPasの範囲のブルックフィールド粘度を有する、請求項14に記載の口当たりのよい胃活性化食物繊維。
【請求項21】
アルギン酸カルシウムが、0.53%の炭酸ナトリウムを含む水中に1%の多糖で20℃で測定するとき、50から1000mPasの範囲のブルックフィールド粘度を有する、請求項14に記載の口当たりのよい胃活性化食物繊維。
【請求項22】
胃活性化食物繊維の総重量を基準にして、5から12重量パーセントのカルシウムを含む、請求項14に記載の口当たりのよい胃活性化食物繊維。
【請求項23】
胃活性化食物繊維の総重量を基準にして、6から10重量パーセントのカルシウムを含む、請求項14に記載の口当たりのよい胃活性化食物繊維。
【請求項24】
胃活性化食物繊維の総重量を基準にして、7から9重量パーセントのカルシウムを含む、請求項14に記載の口当たりのよい胃活性化食物繊維
【請求項25】
アルギン酸カルシウムがアルギン酸カルシウム繊維を含まない粉末である、請求項22に記載の口当たりのよい胃活性化食物繊維。
【請求項26】
2.0の酸性pHに2時間晒した後、6.9から7.6の範囲のpHで1時間後に粘度の増加を示す、アルギン酸カルシウムを含む胃活性化食物繊維。
【請求項27】
請求項1に記載の口当たりのよい胃活性化食物繊維を含む経口摂取可能な組成物であって、約0.1wt%から約40wt%の胃活性化食物繊維を含む経口摂取可能な組成物。
【請求項28】
約0.5wt%から約15wt%の胃活性化食物繊維を含む、請求項27に記載の経口摂取可能な組成物。
【請求項29】
約1wt%から約10wt%の胃活性化食物繊維を含む、請求項27に記載の経口摂取可能な組成物。
【請求項30】
請求項1に記載の胃活性化食物繊維を含む経口摂取可能な製品であって、多糖塩がアルギン酸カルシウムであり、アルギン酸カルシウムの総重量を基準にして5から12重量パーセントのカルシウムを含む経口摂取可能な製品。
【請求項31】
請求項1に記載の胃活性化食物繊維を含む経口摂取可能な製品であって、多糖塩がアルギン酸カルシウムであり、アルギン酸カルシウムの総重量を基準にして6から10重量パーセントのカルシウムを含む経口摂取可能な製品。
【請求項32】
請求項1に記載の胃活性化食物繊維を含む経口摂取可能な製品であって、多糖塩がアルギン酸カルシウムであり、アルギン酸カルシウムの総重量を基準にして7から9重量パーセントのカルシウムを含む経口摂取可能な製品。
【請求項33】
さらなるカルシウム塩をさらに含む、請求項30に記載の経口摂取可能な製品。
【請求項34】
アルギン酸カルシウムが0.4g/ml以上の密度を有する、請求項33に記載の経口摂取可能な製品。
【請求項35】
食物繊維を胃腸管に供給するための方法であって:
不溶性アルギン酸塩、不溶性カラゲナン塩、不溶性ペクチン塩およびそれらの混合物の群から選択される不溶性多糖塩を含む口当たりのよい胃活性化食物繊維を提供する工程と、
該胃活性化食物繊維を3以下の酸性pHに少なくとも15分間晒す工程と、
該胃活性化食物繊維を4から7.6の範囲内のpHに中和し、該食物繊維の粘度の増加を提供する工程と
を含む方法。
【請求項36】
前記晒し工程がヒトもしくは動物の胃内で生じる、請求項35に記載の方法。
【請求項37】
前記中和工程がヒトもしくは動物の小腸内で生じる、請求項36に記載の方法。
【請求項38】
前記胃活性化食物繊維が経口摂取可能な組成物中に提供され、経口摂取可能な組成物は、経口摂取可能な組成物の総重量を基準にして、0.1から40重量パーセントの該食物繊維を含む、請求項35に記載の方法。
【請求項39】
多糖塩がアルギン酸カルシウムであり、かつ経口摂取可能な製品が、アルギン酸カルシウムの総重量を基準にして、5から12重量パーセントのカルシウムを含む、請求項38に記載の方法。
【請求項40】
多糖塩がアルギン酸カルシウムであり、かつ経口摂取可能な製品が、アルギン酸カルシウムの総重量を基準にして、6から10重量パーセントのカルシウムを含む、請求項38に記載の方法。
【請求項41】
多糖塩がアルギン酸カルシウムであり、かつ経口摂取可能な製品が、アルギン酸カルシウムの総重量を基準にして、7から9重量パーセントのカルシウムを含む、請求項38に記載の方法。
【請求項42】
アルギン酸カルシウム以外のカルシウム塩をさらに含む、請求項39に記載の方法。
【請求項43】
アルギン酸カルシウムが0.4g/ml以上の密度を有する、請求項42に記載の方法。
【請求項44】
不溶性多糖塩が、脱イオン水中で24時間後の測定で、1から15の水膨潤比を有する、請求項37に記載の方法。
【請求項45】
不溶性多糖塩が、脱イオン水中で24時間後の測定で、1から10の水膨潤比を有する、請求項37に記載の方法。
【請求項46】
不溶性多糖塩が、脱イオン水中で24時間後の測定で、1から5の水膨潤比を有する、請求項37に記載の方法。

【公表番号】特表2009−541297(P2009−541297A)
【公表日】平成21年11月26日(2009.11.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−515983(P2009−515983)
【出願日】平成19年6月18日(2007.6.18)
【国際出願番号】PCT/IB2007/001627
【国際公開番号】WO2007/148197
【国際公開日】平成19年12月27日(2007.12.27)
【出願人】(504369661)エフエムシー バイオポリマー エイエス (14)
【Fターム(参考)】