説明

脂肪族ポリエステルアミド組成物およびその製法

本発明は、脂肪族ジカルボン酸とビスアミドジオールまたはビスジアミドジエステルのいずれかとの縮合反応の残基を含む第一の反復単位およびジオールと脂肪族ジカルボン酸の縮合反応の残基を含む第二の反復単位を有する重合体の分子量を増加させる方法および所望によりその重合体中の分岐を付与する方法である。本発明はまた、そのような方法によって作ることができる分岐重合体である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、アミドエステル重合体の分子量を増加させる方法に関する。
【0002】
米国特許第6,172,167号明細書は、良好な機械的および環境的特性を有するアミドエステル重合体を開示している。米国特許第6,172,167号明細書の重合体は、一般構造−(CB−VB)−を有する構成単位(building blocks)からなる。ここで、CBは一定の長さの単位を表わし、VBは可変の長さの単位を表わす。米国特許第6,172,167号明細書の重合体組成物の数平均分子量が1モル当たり10,000グラムよりも大きいときは、重合体組成物は増加した強度、剛性、弾性および延性の性質を有し、改善されたフィルムおよび繊維形成能を示す。米国特許第6,172,167号明細書の方法は、鎖縮合を促進するために重合体を加熱することによって、より高分子量の重合体を生成する。しかしながら、そのような鎖縮合の速度は、重合体の分子量が増加するにつれて、著しく遅くなる。そのため、米国特許第6,172,167号明細書の方法を用いて望ましい高分子量重合体を生成するには時間がかかる。
【0003】
【特許文献1】米国特許第6172167号明細書
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
したがって、この種の増加した分子量のアミドエステル重合体を生成するためのより容易な方法についてのニーズが残っている。
【0005】
その代わりに、多官能性開始剤を用いることによって、しかし組成物のゲル化を回避することによって、分子量を増加させることまたは分岐の高分子量の結晶化可能なポリエステルアミドを生成することが望ましいかもしれない。
【課題を解決するための手段】
【0006】
したがって、第一の実施態様によれば、本発明は、脂肪族ジカルボン酸とビスアミドジオールのまたはジオールとジアミドジエステルのいずれかの縮合反応の残基(residual)を含む第一の反復単位およびジオールと脂肪族ジカルボン酸の縮合反応の残基を含む第二の反復単位を有する重合体の分子量を増加させる方法であって、ジオールまたは脂肪族ジカルボン酸の少なくとも1つ(好ましくは一方または他方であって、両方ではない。)が、反応混合物中に独立して見いだされるときに、比較的に揮発性であり反応混合物から蒸留することができることを特徴とする方法である。重合体は、2000g/mol未満の数平均分子量を有する。重合体は、不揮発性ジオール(重合体が揮発性ジオールを含むときに好ましい。)および長鎖または高沸点ジカルボン酸(重合体が揮発性脂肪族ジカルボン酸の残基を含み、重合体が揮発性ジオールを含まないときに、好ましい。)からなる群から選ばれる反応体と混合される。反応温度は、分子量を4000g/mol以上(好ましくは6000g/mol以上、より好ましくは10,000g/mol以上)に増加させるための水準に維持され、そして揮発性の基(ジオールまたは二塩基酸)の少なくともいくらかは不揮発性の反応体と置き換えられる。
【0007】
第二の実施態様によれば、本発明は、脂肪族ジカルボン酸とビスアミドジオールのまたはジオールとジアミドジエステルのいずれかの縮合反応の残基を含む第一の反復単位およびジオールと脂肪族ジカルボン酸の縮合反応の残基である第二の反復単位を含み、1モル当たり2000グラム未満の分子量を有する重合体において、分子量を増加させ、そして分岐を与える方法である。重合体は、ポリオールおよび多塩基酸(または多塩基酸エステル)から選ばれる反応体と混合される。ここで、反応体は、場合に応じて、官能基−OH、−エステル、または−COOHを少なくとも3個有する。反応の温度は、4000g/mol以上、好ましくは6000g/mol超、より好ましくは10,000g/mol超の分子量を有する分岐重合体を形成するのに十分に高い水準に維持される。
【0008】
第三の実施態様によれば、本発明は、第二の実施態様の方法に従って作ることができる重合体である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
本願中に示される式において、反復単位または反復単位の一部分の中の酸素は、反復単位または反復単位の一部分の一方の端に現れるように描かれていることに注意されたい。しかしながら、その酸素は、反復単位または反復単位の一部分の他方の端に示すことができ、そしてそれもまた同一の実際の構造を表わすものである。したがって、ここに描かれた構造は両方の変形を表わすものとして認識されるものとする。
【0010】
第一の実施態様において、第一の反復単位がビスアミドジオールの残基を含み、そして第二の反復単位が揮発性ジオールの残基を含むときは、第一の反復単位は構造
−[H1−AA]−によって表わすことができる。ここで、H1は−R−CO−NH−Ra−NH−CO−R−O−または−R−NH−CO−R−CO−NH−R−O−であり、ここで、RaはRまたは結合であり、Rは、出現毎に独立して、脂肪族もしくは複素脂肪族、脂環式もしくは複素脂環式、または芳香族もしくは複素芳香族の基であり、好ましくは、Rは、1〜10個、好ましくは1〜4個の炭素原子の脂肪族基であり、そして、AAは−CO−R′−CO−O−であり、ここで、R′は結合または脂肪族基であり、好ましくは1〜10個、好ましくは2〜4個の炭素原子の脂肪族基である。第二の反復単位は式−[DV−AA]−によって表わすことができる。ここで、DVは−[R″−O]−であり、そして、R″は、脂肪族もしくは複素脂肪族、脂環式もしくは複素脂環式、または芳香族もしくは複素芳香族の基であって、R″(OH)が反応混合物から蒸留除去することができるように選択された基である。好ましくは、R″は、1〜8個、より好ましくは2〜4個の炭素原子の脂肪族基である。重合体の分子量は1モル当たり2000グラム未満である。
【0011】
したがって、1つの表現によれば、重合体は式HO−D1−O−[−CO−AA1−COO−D1−O−]−[CO−AA1−CO−O−AD−O]−Hを有するものとして表わされるかもしれない。ここで、O−D1−Oは揮発性ジオール官能基を表わし、CO−AA1−COは脂肪族ジカルボン酸官能基(好ましくは短い、たとえば6個以下の炭素原子)の残基を表わし、そして、O−AD−Oは、好ましくは短い(たとえばジアミン中の炭素原子が好ましくは6個以下)対称な結晶性(crystallizing)アミドジオール官能基の残基を表わし、xおよびyは、重合体の数平均分子量が1モル当たり2,000グラム未満であるように選択された各反復単位の数である。便宜上反復単位は上に示したとおりであるが、重合体は必ずしもABブロック共重合体ではないことに注意されたい。むしろ、重合体は、好ましくは、1つのセグメント当たり同一の型の反復単位を平均2個有するセグメントを有するであろう。単量体の付加(addition)の順序および付加の時間(time)は、構造の塊状性(blockiness)に影響を与えるであろう。
【0012】
この場合における方法は、重合体および不揮発性ジオールが反応し、反復単位−[H1−AA]−、−[DV−AA]−、および−[D2−O−AA]−を有する重合体を形成するような温度で、前記重合体に式HO−D2−OHを有する不揮発性ジオールを供給して混合物を形成することを含む。ここで、D2は、出現毎に独立して、脂肪族もしくは複素脂肪族、脂環式もしくは複素脂環式、または芳香族もしくは複素芳香族の基であり、好ましくはD2は脂肪族基である。反応中の温度は、DV基の少なくともいくらかが反応中に蒸留除去されそしてD2−O−基で置き換えられるのに十分に高いものである。
【0013】
したがって、1つの表現によれば、変換された重合体は、式HO−D2−O−[−CO−AA1−CO−O−D1,2−O−]−[CO−AA1−CO−O−AD−O]−Hを有する。ここで、O−D2−Oは不揮発性ジオール官能基残基を表わし、CO−AA1−COは脂肪族ジカルボン酸官能基の残基を表わし、O−AD−Oはポリアミドジオール官能基の残基を表わし、O−D1,2−Oは揮発性ジオール官能基または不揮発性ジオール官能基の残基を表わし、xおよびyは重合体中の各反復単位の数である。便宜上反復単位は上に示したとおりであるが、重合体は必ずしもABブロック共重合体ではないことに注意されたい。むしろ、重合体は、好ましくは、1つのセグメント当たり同一の型の反復単位を平均2個有するセグメントを有するであろう。単量体の付加の順序および付加の時間は、構造の塊状性に影響を与えるであろう。変換された重合体の数平均分子量は、1モル当たり4,000グラムより大きい。
【0014】
第二の実施態様において、第一の反復単位がビスアミドジオールの残基を含むときは、第一の反復単位は、上述したような構造[−H1−AA]−によって表わすことができ、第二の反復単位は構造[−R−O−AA]−を有する。ここで、Rは上に定義したとおりである。したがって、1つの表現によれば、重合体は式HO−D1−O−[−CO−AA1−CO−O−D−O−]−[CO−AA1−CO−O−AD−O]−Hを有するかもしれない。ここで、O−D−Oはジオール官能基の残基を表わし、CO−AA1−COは好ましくは短い脂肪族ジカルボン酸官能基の残基を表わし、O−AD−Oは好ましくは短い対称な結晶性アミドジオール官能基の残基を表わし、xおよびyは重合体中の各反復単位の数である。便宜上反復単位は上に示したとおりであるが、重合体は必ずしもABブロック共重合体ではないことに注意されたい。むしろ、重合体は、好ましくは、1つのセグメント当たり同一の型の反復単位を平均2個有するセグメントを有するであろう。単量体の付加の順序および付加の時間は、構造の塊状性に影響を与えるであろう。重合体の数平均分子量は、1モル当たり2,000グラム未満である。この第二の実施態様の方法は、式M−(OH)を有するポリオールまたは式M−(COOR1)nを有する多塩基酸または多塩基酸エステルと重合体を接触させて混合物を作ることを含む。ここで、Mはn価の有機基であり、好ましくは脂肪族もしくは複素脂肪族、脂環式もしくは複素脂環式または芳香族もしくは複素芳香族の基であり、好ましくは20個以下の炭素原子を有する。R1は、水素または1〜10個の炭素原子の脂肪族基である。そしてnは3以上である。ただし、混合物の温度は、分岐構造および4000より大きい数平均分子量を有する変換された物質を生成するのに十分に高いものである。
【0015】
好ましくは、重合体をポリオールと反応させたときは、変換された物質は次の反復単位−[H1−AA]−、−[R−O−AA]−および−M−(AA)n−を含むであろう。したがって、1つの表現(複数のMが可能であるけれども、鎖の中に単一の多官能性部分Mが構築された場合)によれば、変換された重合体は式HO−D1−O−[−CO−AA1−CO−O−D1−O−]−[CO−AA1−CO−O−AD−O]−CO−AA1−CO−O−M−(O−[CO−AA1−CO−O−D1]−O−[CO−AA1−CO−O−AD−O]−H)n−1を有するかもしれない。ここで、O−D1−Oはジオール官能基の残基を表わし、CO−AA1−COは脂肪族ジカルボン酸官能基の残基を表わし、O−AD−Oはポリアミドジオール官能基の残基を表わし、xおよびyは重合体中の各反復単位の数であり、変換された重合体の数平均分子量は1モル当たり4,000グラムより大きい。
【0016】
好ましくは、重合体を多塩基酸エステルと接触させたときは、変換された物質は、反復単位−[H1−AA]−、−[R−O−AA]−、および−M−(CO−O−R)n−を含むであろう。したがって、1つの表現(複数のMが可能であるけれども、鎖の中に単一の多官能性部分Mが構築された場合)によれば、変換された重合体は式HO−D1−O−[−CO−AA1−CO−O−D1−O−]−[CO−AA1−CO−O−AD−O]−CO−M−(CO−O−D1−[O−OC−AA1−CO−O−D1−O]−[CO−AA1−CO−O−AD−O]−H)n−1を有するかもしれない。ここでO−D1−Oはジオール官能基の残基を表わし、CO−AA1−COは脂肪族ジカルボン酸官能基の残基を表わし、O−AD−Oはポリアミドジオール官能基の残基を表わし、xおよびyは重合体中の各反復単位の数であり、変換された重合体の数平均分子量は1モル当たり4,000グラムより大きい。便宜上反復単位は上に示したとおりであるが、重合体は必ずしもブロック共重合体ではないことに注意されたい。むしろ、重合体は、好ましくは1つのセグメント当たり同一の型の反復単位を平均2個有するセグメントを有するであろう。単量体の付加の順序および付加の時間は、構造の塊状性に影響を与えるであろう。
【0017】
第一の実施態様において、第一の反復単位がビスジアミドジオールの残基を含み、かつ重合体が揮発性脂肪族ジカルボン酸の残基を含むときは、第一の反復単位は構造−[H1−SA]−によって表わすことができる。ここで、H1は−R−CO−NH−R−NH−CO−R−O−または−R−NH−CO−R−CO−NH−R−O−であり、ここで、Rは、出現毎に独立して、脂肪族もしくは複素脂肪族、脂環式もしくは複素脂環式、または芳香族もしくは複素芳香族の基であり、好ましくは、Rは1〜10個、好ましくは1〜4個の炭素原子の脂肪族基であり、そして、SAは−CO−R′−CO−O−であり、ここでR′は短い脂肪族基であり、好ましくは1〜4個の炭素原子の脂肪族基である。第二の反復単位は式−[D−SA]−によって表わすことができる。ここで、Dは−[R−O]−であり、そして、Rは、脂肪族もしくは複素脂肪族、脂環式もしくは複素脂環式、または芳香族もしくは複素芳香族の基である。重合体の分子量は1モル当たり2000グラム未満である。この重合体は、式R′OOC−HA−COOR′によって表わされる、高沸点または高分子量二塩基酸または二塩基酸エステルと反応させられる。ここで、HAは、5個以上の炭素原子の脂肪族もしくは複素脂肪族、脂環式もしくは複素脂環式、または芳香族もしくは複素芳香族基であり、そして、R′はHであってもよいし一価の有機基であってもよい。反応温度は、4000g/mol以上の数平均分子量を有し、次の反復単位−[H1−SA]−、−[D−SA]−、ならびに−[H1−OOC−HA−COO]−および−[D−OOC−HA−COO]−の一方または両方を含む重合体を生成するのに十分に高い。したがって、1つの表現によれば、重合体は式HO−D1−O−[−CO−AA1−CO−O−D1−O−]−[CO−AA1−CO−O−AD−O]−Hによって表わすことができる。ここでO−D1−Oはジオール官能基の残基を表わし、CO−AA1−COは短い脂肪族ジカルボン酸官能基の残基を表わし、O−AD−Oは短い対称な結晶性ポリアミドジオール官能基の残基を表わし、xおよびyは重合体中の各反復単位の数であり、重合体の数平均分子量は1モル当たり2,000グラム未満であり、そして高沸点二塩基酸エステルは式RO−CO−AA2−CO−ORによって表わされる。重合体と高沸点二塩基酸エステルは、混合物を形成するために混合され、式HO−D1−O−[−CO−AA1,2−CO−O−D1−O−]−[CO−AA1,2−CO−O−AD−O]−Hを有する変換された重合体を形成するために加熱される。ここで、CO−AA1,2−COは脂肪族ジカルボン酸官能基または高沸点二塩基酸エステル官能基の残基を表わし、O−AD−Oはポリアミドジオール官能基の残基を表わし、xおよびyは重合体中の各反復単位の数であり、変換された重合体の数平均分子量は1モル当たり4,000グラムより大きい。便宜上反復単位は上に示したとおりであるが、重合体は必ずしもABブロック共重合体ではないことに注意されたい。むしろ、重合体は、好ましくは、1つのセグメント当たり同一の型の反復単位を平均2個有するセグメントを有するであろう。単量体の付加の順序および付加の時間は、構造の塊状性に影響を与えるであろう。
【0018】
さらに別の実施態様において、本発明は上記の分岐反応によって形成された重合体である。したがって、その発明は、1モル当たり4000グラムより大きい数平均分子量を有し、次の反復単位−[H1−AA]−、−[R−O−AA]−、および−M−(AA)n−または−M−(CO−OR)n−のいずれかを含む重合体である。1つの表現(複数のMが可能であるけれども、鎖の中に単一の多官能性部分Mが構築された場合)として、重合体は式HO−D1−O−[−CO−AA1−CO−O−D1−O−]−[CO−AA1−CO−O−AD−O]−CO−AA1−CO−O−M−(O−[CO−AA1−CO−O−D1]−O−[CO−AA1−CO−O−AD−O]−H)n−1を有するかもしれない。ここで、O−D1−Oはジオール官能基の残基を表わし、CO−AA1−COは、脂肪族ジカルボン酸官能基の残基を表わし、O−AD−Oは短い対称な結晶性ポリアミドジオール官能基の残基を表わし、Mは上に定義したとおりであり、nは3以上であり、そして、xおよびyは重合体中の各反復単位の数であり、そして数平均分子量は4000グラム/モル以上である。別の表現(複数のMが可能であるけれども、鎖の中に単一の多官能性部分Mが構築された場合)としては、重合体は式HO−D1−O−[−CO−AA1−CO−O−D1−O−]−[CO−AA1−CO−O−AD−O]−CO−M−(CO−O−D1−[O−OC−AA1−CO−O−D1−O]−[CO−AA1−CO−O−AD−O]−H)n−1を有するかもしれない。ここで、Mは上に定義したとおりであり、nは3以上であり、O−D1−Oはジオール官能基の残基を表わし、CO−AA1−COは短い脂肪族ジカルボン酸官能基の残基を表わし、O−AD−Oは短い対称な結晶性ポリアミドジオール官能基の残基を表わし、xおよびyは重合体中の各反復単位の数であり、変換された重合体の数平均分子量は1モル当たり4,000グラムより大きい。便宜上反復単位は上に示したとおりであるが、重合体は必ずしも厳密なブロック共重合体ではないことに注意されたい。むしろ、重合体は、好ましくは、1つのセグメント当たり同一の型の反復単位を平均2個有するセグメントを有するであろう。単量体の付加の順序および付加の時間は、構造の塊状性に影響を与えるであろう。
【0019】
第一の実施態様によれば、第一の反復単位がジアミドジエステルの残基を含み、そして重合体が揮発性ジオールの残基を含むときは、第一の反復単位は構造−[H2−D]−によって表わすことができる。ここで、H2は−CO−R−CO−NH−R−NH−CO−R−CO−O−であり、ここで、Rは、出現毎に独立して、脂肪族もしくは複素脂肪族、脂環式もしくは複素脂環式、または芳香族もしくは複素芳香族の基であり、好ましくは、Rは、1〜10個、好ましくは2〜4個の炭素原子の脂肪族基であり、そして、ここで、Dは−[R−O]−であり、そして、Rは、脂肪族もしくは複素脂肪族、脂環式もしくは複素脂環式、または芳香族もしくは複素芳香族の基である。第二の反復単位は式−[D−AA]−によって表わすことができる。ここで、AAは−CO−R′−CO−O−であり、ここで、R′は脂肪族基であり、好ましくは1〜10個の、好ましくは1〜4個の炭素原子の脂肪族基である。Dの少なくとも1つは、そして好ましくは第二の反復単位中のDは、DVである。DVは−[R″−O]−であり、そして、R″は、脂肪族もしくは複素脂肪族、脂環式もしくは複素脂環式、または芳香族もしくは複素芳香族の基であって、R″(OH)が反応混合物から蒸留除去することができるように選択される。好ましくは、R″は1〜8個、より好ましくは1〜4個の炭素原子の脂肪族基である。重合体の分子量は1モル当たり2000グラム未満である。
【0020】
したがって、1つの表現によれば、重合体は式HO−D1−O−[−CO−AA1−CO−O−D1−O−]−[O−D1−O−CO−DD−CO]−OHを有するかもしれない。ここで、O−D1−Oは揮発性ジオール官能基の残基を表わし、CO−AA1−COは短い脂肪族ジカルボン酸官能基の残基を表わし、O−CO−DD−CO−Oは短い対称な結晶性ジアミド二塩基酸官能基の残基を表わし、xおよびyは重合体中の各反復単位の数であり、重合体の数平均分子量は1モル当たり2,000グラム未満である。
【0021】
この場合における方法は、重合体と不揮発性ジオールが反応して4000g/mol以上の数平均分子量および反復単位−[H2−D]−、−[H2−O−D2]−、[D−AA]−(好ましくは−[DV−AA]−)および−[D2−O−AA]−を有する重合体を形成するような温度で、式HO−D2−OHを有する不揮発性ジオールを上記の重合体に供給して混合物を形成することを含む。反応中の温度は、DV基の少なくともいくらかが反応中に蒸留除去され、−D2−O−基で置き換えられるように、十分に高い。したがって、1つの実施態様によれば、変換された重合体は、式HO−D2−O−[−CO−AA1−CO−O−D1,2−O−]−[O−D1,2−O−CO−DD−CO]−OHによって表わすことができる。ここで、O−D2−Oは不揮発性ジオール官能基の残基を表わし、CO−AA1−COは脂肪族ジカルボン酸官能基の残基を表わし、O−CO−DD−CO−Oはジアミド二塩基酸官能基の残基を表わし、O−D1,2−Oは揮発性ジオール官能基または不揮発性ジオール官能基の残基を表わし、xおよびyは重合体中の各反復単位の数であり、変換された重合体の数平均分子量は1モル当たり4,000グラムより大きい。便宜上反復単位は上に示したとおりあるが、重合体は必ずしも厳密なブロック共重合体ではないことに注意されたい。むしろ、重合体は、好ましくは、1つのセグメント当たり同一の型の反復単位を平均2個有するセグメントを有するであろう。単量体の付加の順序および付加の時間は、構造の塊状性に影響を与えるであろう。
【0022】
第二の実施態様において、第一の反復単位がビスアミドジエステルの残基を含むときは、第一の反復単位は上述した構造−[H2−D]−によって表わすことができ、第二の反復単位は構造−[R−O−AA]−を有する。ここで、Rは上に定義したとおりである。したがって、1つの表現によれば、重合体は式HO−D1−O−[−CO−AA1−CO−O−D1−O−]−[O−D1−O−CO−DD−CO]−OHによって表わすことができる。ここで、O−D1−Oはジオール官能基の残基を表わし、CO−AA1−COは脂肪族ジカルボン酸官能基の残基を表わし、O−CO−DD−CO−Oは短い対称な結晶性ジアミド二塩基酸官能基の残基を表わし、xおよびyは重合体中の各反復単位の数である。重合体の数平均分子量は1モル当たり2,000グラム未満である。便宜上、反復単位は上記の構造として示されているが、重合体は必ずしもABブロック共重合体ではないことに注意されたい。むしろ、重合体は、好ましくは、1つのセグメント当たり同一の型の反復単位を平均2個有するセグメントを有するであろう。単量体の付加の順序および付加の時間は、構造の塊状性に影響を与えるであろう。
【0023】
この第二の実施態様の方法は、重合体を、式M−(OH)を有するポリオールまたは式M−(COOR1)nを有する多塩基酸エステルと接触させ、混合物を形成することを含む。ここで、Mはn価の有機基であって、好ましくは脂肪族もしくは複素脂肪族、脂環式もしくは複素脂環式、または芳香族もしくは複素芳香族の基であって、好ましくは20個以下の炭素原子を有する基であり、R1は水素または1〜10個の炭素原子の脂肪族基であり、nは3以上であり、混合物の温度は、分岐構造および4000より大きい数平均分子量を有する変換された物質を生成するのに十分に高い。
【0024】
好ましくは、重合体をポリオールと反応させたときは、変換された物質は次の反復単位−[H2−D]−、−[R−O−AA]−および−M−(AA)n−を含むであろう。1つの実施態様によれば、この変換された重合体は、式HO−D1−O−[−CO−AA1−CO−O−D1−O−]−[O−D1−O−CO−DD−CO−]−O−M−(O−[CO−AA1−CO−O−D1]−O−[O−D1−O−CO−DD−CO]−OH)n−1(複数のMが可能であるけれども、鎖の中に単一の多官能性部分Mが構築された場合)によって表わすことができる。ここで、O−D1−Oはジオール官能基の残基を表わし、CO−AA1−COは脂肪族ジカルボン酸官能基の残基を表わし、O−CO−DD−CO−Oはジアミド二塩基酸官能基の残基を表わし、xおよびyは重合体中の各反復単位の数である。
【0025】
好ましくは、重合体を多塩基酸エステルと接触させたときは、変換された物質は次の反復単位−[H2−AA]−、−[R−O−AA]−、および−M−(COOR)n−を含むであろう。したがって、1つの表現(複数のMが可能であるけれども、鎖の中に単一の多官能性部分Mが構築された場合)によれば、変換された重合体は、式HO−D1−O−[−CO−AA1−CO−O−D1−O−]−[OC−DD−CO−O−D1−O]OC−M−([−CO−O−D1−O−CO−AA1−CO−][O−D1−O−CO−DD−CO]−OH)n−1によって表わすことができる。ここで、O−D1−Oはジオール官能基の残基を表わし、CO−AA1−COは脂肪族ジカルボン酸官能基の残基を表わし、O−CO−DD−CO−Oはジアミド二塩基酸官能基の残基を表わし、xおよびyは重合体中の各反復単位の数である。便宜上、反復単位は上記の構造として示されているが、重合体は必ずしも厳密なブロック共重合体ではないことに注意されたい。むしろ、重合体は、好ましくは、1つのセグメント当たり同一の型の反復単位を平均2個有するセグメントを有するであろう。単量体の付加の順序および付加の時間は、構造の塊状性に影響を与えるであろう。
【0026】
第一の実施態様において、第一の反復単位がジアミドジエステルの残基を含み、そして重合体が揮発性脂肪族ジカルボン酸残基を含むときは、第一の反復単位は構造−[H2−D]−によって表わすことができ、そして第二の反復単位は式−[SA−D]−によって表わすことができる。ここで、H2 SAは上に定義したとおりであり、Dは−[R−O]−であり、そして、Rは、脂肪族もしくは複素脂肪族、脂環式もしくは複素脂環式、または芳香族もしくは複素芳香族の基である。重合体の分子量は1モル当たり2000グラム未満である。この重合体は、式R′OOC−HA−COOR′によって表わされる高沸点または高分子量二塩基酸または二塩基酸エステルと反応させられる。ここで、HAは、5個以上の炭素原子の脂肪族もしくは複素脂肪族、脂環式もしくは複素脂環式、または芳香族もしくは複素芳香族の基であり、そしてR′はHであってもよいし一価の有機基であってもよい。反応温度は、4000g/mol以上の数平均分子量を有し、次の反復単位−[H2−D]−、−[SA−D]−、および−[D−OOC−HA−COO]−を含む重合体を生成するのに十分に高い。
【0027】
したがって、1つの表現によれば、重合体は式HO−D1−O−[−CO−AA1−CO−O−D1−O−]−[O−D1−O−CO−DD−CO]−OHによって表わすことができる。ここで、O−D1−Oはジオール官能基の残基を表わし、CO−AA1−COは短い脂肪族ジカルボン酸官能基の残基を表わし、O−CO−DD−CO−Oは短い対称な結晶性ジアミド二塩基酸官能基の残基を表わし、xおよびyは重合体中の各反復単位の数であり、重合体の数平均分子量は1モル当たり2,000グラム未満である。この表現によれば、重合体は、混合物を形成するために、式RO−CO−AA2−CO−ORを有する高沸点二塩基酸エステルと接触させられ、混合物の温度は、式HO−D1−O−[−CO−AA1,2−CO−O−D1−O−]−[CO−AA1,2−CO−O−CO−DD−CO]−OHによって表わされる変換された重合体を含む変換された物質を生成するのに十分に高い。ここで、CO−AA1,2−COは脂肪族ジカルボン酸官能基または高沸点二塩基酸エステル官能基の残基を表わし、O−CO−DD−CO−Oはジアミド二塩基酸官能基の残基を表わし、xおよびyは重合体中の各反復単位の数であり、変換された重合体の数平均分子量は1モル当たり4,000グラムより大きい。便宜上、反復単位は上記の構造として示されているが、重合体は必ずしも厳密なブロック共重合体ではないことに注意されたい。むしろ、重合体は、好ましくは、1つのセグメント当たり同一の型の反復単位を平均2個有するセグメントを有するであろう。単量体の付加の順序および付加の時間は、構造の塊状性に影響を与えるであろう。
【0028】
さらに別の実施態様において、本発明は上記の分岐反応によって形成された重合体である。したがって、その発明は、1モル当たり4000グラムより大きい数平均分子量を有し、次の反復単位−[H2−D]−、−[R−O−AA]−、および−M−(AA)−または−M−(COOR)n−のいずれかを含む重合体である。したがって、1つの実施態様によれば、重合体は、式(複数のMが可能であるけれども、鎖の中に単一の多官能性部分Mが構築された場合)HO−D1−O−[−CO−AA1−CO−O−D1−O−]−[O−D1−O−CO−DD−CO−]−O−M−(−O−[CO−AA1−CO−O−D1]x−O−[O−D1−O−CO−DD−CO]−OH)n−1によって表わすことができる。ここで、O−D1−Oはジオール官能基の残基を表わし、CO−AA1−COは短い脂肪族ジカルボン酸官能基の残基を表わし、O−CO−DD−CO−Oは短い対称な結晶性ジアミド二塩基酸官能基の残基を表わし、Mは上に定義したとおりであり、nは3以上であり、そしてxおよびyは重合体中の各反復単位の数である。別の表現(複数のMが可能であるけれども、鎖の中に単一の多官能性部分Mが構築された場合)によれば、重合体はHO−D1−O−[−CO−AA1−CO−O−D1−O−]−[OC−DD−CO−O−D1−O]OC−M−([−CO−O−D1−O−CO−AA1−CO−][O−D1−O−CO−DD−CO]−OH)n−1のものであってもよい。ここで、Mは上に定義したとおりであり、nは3以上であり、O−D1−Oはジオール官能基の残基を表わし、CO−AA1−COは短い脂肪族ジカルボン酸官能基の残基を表わし、O−CO−DD−CO−Oは短い対称な結晶性ジアミド二塩基酸官能基の残基を表わし、xおよびyは重合体中の各反復単位の数であり、変換された重合体の数平均分子量は1モル当たり4,000グラムより大きい。
【0029】
米国特許第6,172,167号明細書は脂肪族ポリエステルアミド組成物を生成するためのプロセスおよびその製法を教示しているが、米国特許第6,172,167号明細書のプロセスは、4,000グラム/モル以上の分子量を有する重合体を生成することが望まれるときは、比較的時間がかかる。本発明は、4,000グラム/モル以上の分子量を有する重合体を生成するための比較的迅速な方法を提供する。
【0030】
本発明は、上述したような予備重合体(preliminary polymer)から始まる。初期重合体中の短い対称な結晶性アミドジオールまたはジアミドジエステル官能基の使用と、それに続く、たとえば不揮発性ジオールとの反応によって、その分子量を増加する工程は、優れた機械的性質および優れた相分離を有する、分子量の増加した重合体組成物を生成するのに重要であると考えられる。
【0031】
米国特許第6,172,167号明細書(引用によって完全にここに組み入れられる。)に教示されているように、そのようなプレポリマー重合体はアミドジオールを含む反応混合物から作ることができる。発明の実施に特に有用なアミドジオールは次の構造を有する。
HO−(CH−CONH−(CH−(X)−(CH−CONH−(CH−OH
ここで、XはNH、OまたはSであり、kは0〜1であり、mは1〜4であり、そしてnは4〜6である。
【0032】
アミドジオールはいかなる適切な手段によっても調製することができる。しかしながら、少なくとも1つの第一級ジアミンと少なくとも1つのラクトンとの間の開環重合(ROP)反応によってアミドジオールを調製することが有利であることが見いだされた。アミドジオールの調製は、米国特許第3,025,323号明細書およびエス・カタヤマ(S. Katayama)ら,「ジイソシアナートをN,N′−ジ−(6−ヒドロキシカプロイル)アルキレンジアミンおよびN−ヒドロキシ−アルキル−6−ヒドロキシカプロアミドと反応させることによる交互ポリアミドウレタンの合成」,応用ポリマー科学誌(J. Appl. Polym. Sci.),1971年,第15巻,p.775−796に記載された方法によって行なうこともできる。
【0033】
第一級ジアミンは、この明細書においては、2つの第一級アミン基を含む有機化合物と定義される。第一級ジアミンは、第二級および第三級アミン基をも含んでもよい。適切なジアミンは、エチレンジアミン、ジエチレントリアミン、ブタンジアミンおよびヘキサンジアミンである。
【0034】
ラクトンは、好ましくは4個、5個または6個の炭素原子を有する。適切なラクトンとしては、γ−ブチロラクトン、δ−バレロラクトン、ε−カプロラクトン、ペンタデカラクトン、グリコリドおよびラクチドが挙げられる。そのような反応を実行する好ましい方法は、ステンレス鋼撹拌槽型反応器の中で、ジアミン1モル当たりラクトンが少なくとも2モルの比率で、好ましくはジアミン1モル当たりラクトン2.0〜2.5モルの比率で、ラクトンをジアミンと混合することである。反応は、好ましくは、窒素雰囲気(blanket)で実行される。反応体は溶媒に溶解してもよいが、一般に、重合体組成物生成物から溶媒を分離するのに必要とされる努力を省くために、溶媒がない状態で反応を実行することが好ましい。好ましくは、反応温度は、効率的な冷却によって反応発熱量を制御することによって、純粋なアミドジオールの融点よりも低い温度に、好ましくは摂氏50度(℃)と90℃の間の温度に維持され、それが、一般に、さらなる精製の必要性なしにそのすぐ後の生産工程で用いることができる所望のアミンジオール生成物の高い画分(high fraction)を含む生成物をもたらす。反応を溶媒のない状態で実行すれば、反応器の内容物はすべて通常凝固するであろう。通常、反応混合物は、外界温度まで冷却させ、そして反応生成物を数時間、好ましくは6時間を超える時間、より好ましくは12時間を超える時間、静置させ、残りのジアミンを反応させることが有利である。アミドジオール生成物は、その後、生成物が溶融するまで、好ましくは適切な不活性気体雰囲気で、反応器の内容物を加熱することによって、反応器から取り出すことができる。
【0035】
あるいは、アミドジオールは次の一般構造を有してもよい。
HO−(CH−NH−CO−(CH−(X)−(CH−CO−NH−(CH−OH
これは、ジカルボン酸エステル(たとえば、蓚酸ジエチル[m=k=0]またはアジピン酸ジメチル[m=4およびk=0])を、化学量論量のエタノールアミン(n=2)のようなアルカノールアミンと反応させることによって調製される。反応は、第一錫オクトアート、テトラブトキシチタン(IV)またはフェノールのような触媒を用いて触媒することができる。
【0036】
特に好ましいアミドジオールは、エチレンジアミンとε−カプロラクトンから調製された二量体であって、次の構造を有するものである。
HO−(CH−CONH−(CH−CONH−(CH−OH
【0037】
1モル当たり2000グラム未満の分子量を有する脂肪族ポリエステルアミド重合体は、アミドジオールを、低分子量ジカルボン酸ジエステルおよび低分子量ジオールと接触させ、その混合物を液体にするために加熱し、その後、触媒を注入することによって作ることができる。
【0038】
低分子量ジカルボン酸ジエステルは、1モル当たり150グラム未満の分子量を有すると定義される。ジカルボン酸ジエステルのアルキル部分は、好ましくは、同一または異なり、1〜3個の炭素原子を有する。好ましくは、アルキル部分はメチル基である。ジカルボン酸ジエステルのジカルボン酸部分は、好ましくは2〜8個の炭素原子、最も好ましくは4〜6個の炭素原子を有する。好ましくは、ジカルボン酸部分は、琥珀酸基、グルタル酸基またはアジピン酸基である。適切なジカルボン酸エステルとしては、琥珀酸ジメチル、アジピン酸ジメチル、シュウ酸ジメチル、マロン酸ジメチルおよびグルタル酸ジメチルが挙げられる。
【0039】
一般に、反応は、不活性気体雰囲気で、還流塔が取り付けられた撹拌加熱反応器またはデボリタイザー(devolitizer)で実行される。好ましい実施態様においては、固体のアミドジオールは、まず、ジカルボン酸ジエステルと混合される。アミドジオールおよびジカルボン酸ジエステルの混合物は、その後、約140℃の温度まで、またはアミドジオールが完全に融解するような温度までゆっくり加熱される。その後、アミドジオールおよびジカルボン酸ジエステル混合物の混合物は、1.5〜3時間、この温度に維持される。変色を最小限にするために、ビスアミドジオールは、まず、外界温度でアジピン酸ジメチルと混合され、その後、混合物は、それを液体にするために加熱され、同時に、最も反応性の高い遊離のアミン官能基が、アジピン酸ジメチルとアミド交換反応によって捕らえられ、アミド官能基になると考えられている。その後、ジオールが添加され、そして最後に(最も活性な化学種が反応し終わったと考えられるときに)触媒が添加される。低分子量ジオールは化学量論的に過剰に導入され、混合物は均質にされ、そして、最後に、触媒が注入され、1モル当たり2000グラム未満の数平均分子量を有する脂肪族ポリエステルアミド重合体が形成される。
【0040】
揮発性ジオールは、この明細書においては、1,8オクタンジオールよりも小さい分子量を有すると定義される。適切なジオールとしては、モノエチレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5ペンタンジオール、1,6ヘキサンジオールおよび1,7ヘプタンジオールが挙げられる。揮発性ジオールは重合体に添加され、そして、混合物は、通常、連続的な撹拌によって均質にされる。温度は、通常、アミドジオールの融解温度で、またはその融解温度より高く維持され、典型的には約140℃に維持される。反応は、好ましくは、ほぼ大気圧で、不活性気体雰囲気で実行される。触媒は、その後、好ましくは、反応体混合物に添加される。エステル交換反応およびアミド交換反応に触媒作用を及ぼすいかなる適切な化合物も用いることができる。適切な触媒としては、テトラブトキシチタン(IV)、酢酸亜鉛および酢酸マグネシウムが挙げられる。
【0041】
揮発性ジオールおよび随意の触媒の添加は、結果として、ジカルボン酸エステルの1つまたは2つ以上のアルキル基に対応する低分子量アルコールまたはアルコール混合物を含む蒸気を発生し、そして重合体を生成する。生成した蒸気は、重合体を含む反応混合物からほぼ大気圧で蒸留除去される。反応は、アルコールの発生がおさまるまで、継続される。
【0042】
不揮発性ジオールは、この明細書においては、1,7ヘプタンジオールよりも大きい分子量を有すると定義される。
【0043】
ここで、短い対称な結晶性ジアミド二塩基酸官能基は、上に参照した米国特許第6,172,167号明細書(特に、第4欄第58行および第7欄第37行を参照)に定義され教示されたものと同じである。
【0044】
この明細書においては、高沸点ジカルボン酸ジエステルは、174より大きい分子量を有する脂肪族ジカルボン酸ジエステルと定義される。ジカルボン酸ジエステルのアルキル基は、好ましくは、同一または異なり、そして1〜3個の炭素原子を有する。好ましくは、アルキル基はメチル基である。ジカルボン酸基は、好ましくは7〜10個の炭素原子を有し、最も好ましくは9個または10個の炭素原子を有する。好ましくは、ジカルボン酸基は、アゼライン酸基もしくはセバシン酸基または二量体酸基である。好ましいジカルボン酸エステルは、アゼライン酸ジメチル、セバシン酸ジメチルおよびスベリン酸ジメチルである。
【0045】
本発明における適切な不揮発性ジオールとしては、ジプロピレングリコールまたはトリプロピレングリコール、ポリエチレングリコール(分子量400〜8000のPEG)および分子量400〜4000のEOキャップしたポリプロピレングリコールのような高級グリコール、二量体ジオールもしくは大豆ポリオール(Soy polyols)またはジェター(Jetter)ら,植物化学(Phytochemistry),2000年,第55巻,p.169−176に記述されているようなその他の高分子量天然ジオールが挙げられる。本発明で使用するのに適切なポリオールとしては、グリセリン、トリメチロールプロパン、ソルビトールおよび蔗糖(そのもの自体でもよいが、プロポキシ化およびエトキシ化されたものでもよい。)が挙げられる。
【0046】
脂肪族ポリエステルアミド重合体の、不揮発性ジオール、ポリオール、多塩基酸エステルまたは高沸点ジカルボン酸ジエステルとの反応は、通常、不活性気体雰囲気で実行される。混合物は、その後、約180℃の温度に、または生じるアミドエステル重合体が溶融または溶解した状態を維持するような温度に、典型的には2〜3時間かけて、加熱される。圧力は、典型的には、ほぼ大気圧である。反応は、結果として、系から蒸留によって取り除かれる低分子量アルコールを発生させることができる。反応器中の圧力は、その後、すべての残っている揮発性物質の減圧蒸留を始めるために、約5ミリバールの絶対圧まで徐々に下げられる。生じた重合体組成物は、その後、約150℃まで冷却され、大気圧にもってくることができ、その後、重合体は、まだ溶融状態にある間に、反応器から取り出すことができる。触媒は、好ましくは、プレポリマーを生成した反応から存在し、その場合には、分岐反応または分子量を増加させる反応を可能にするために追加の触媒を添加する必要はない。
【0047】
本発明の重合体はポリエチレンに匹敵する機械的性質(たとえば、強度、剛性、弾性および延性)を有することができる。
【0048】
本発明をその好ましい実施態様に従って上述したが、本発明は、この開示の精神および範囲内で変更することができる。したがって、本出願は、ここに開示された一般的な原理を用いて、本発明のいかなる変形、使用または改作をも包含するように意図されている。さらに、本出願は、本発明が属する技術の分野における既知のまたは慣習的な実施の範囲内で来るような、そして特許請求の範囲内に入る、本開示からの逸脱を包含するように意図されている。
【実施例】
【0049】
アミドジオールエチレン−N,N″−ジヒドロキシヘキサンアミド(C2C)単量体の調製。
撹拌器および冷却水ジャケットを装備した10Lのステンレス鋼反応器に、ε−カプロラクトン(5.707kg、50モル)を充填し、窒素でパージする。速い撹拌をしながら、EDA(1.502kg、25モル)を一度に添加する。誘導期の後、ゆっくりした発熱反応が始まる。反応器温度は、最大の冷却の適用下に90℃まで徐々に上昇する。白い沈殿が生成し、そして、反応器の内容物は凝固し、そのとき撹拌は止められる。その後、反応器の内容物は20℃に冷却され、その後、15時間静置される。その後、反応器の内容物は、凝固した反応器の内容物が溶融する温度である140℃に加熱され、その後、少なくとも2時間、連続攪拌しながら、さらに160℃に加熱される。その後、液体生成物は、反応器から取り出され、収集トレーの中に移される。生じた生成物の核磁気共鳴分析は、生成物中のC2Cのモル濃度が80パーセントを超えていることを示す。生成物の融点は140℃であると決定される。固形物は粒状にされ、さらなる精製なしに使用される。
【0050】
ジアミドジエステル単量体A4Aの調製
窒素雰囲気において、チタン(IV)ブトキシド(0.92g、2.7ミリモル)、エチレンジアミン(15.75g、0.262モル)およびアジピン酸ジメチル(453.7g、2.604モル)を、三口1L丸底フラスコに充填し、その丸底フラスコは、栓をし、フードに移される。フラスコは、ファイアストーン(Firestone)バルブに取り付けられた注入口アダプター経由で正の(positive)窒素下に置かれる。羽根を備えた撹拌シャフトを、頭部撹拌モーターを備えた撹拌ベアリングと共に、フラスコに挿入する。栓がされた凝縮器を、フラスコの中に挿入する。
隔壁を通して挿入された熱電対も、フラスコの中に挿入される。フラスコは、比例温度調節器に取り付けられた半球加熱マントルで暖められる。基本的な反応プロフィールは、50Cに/50Cで2.0時間、60Cに/60Cで2.0時間、80Cに/80Cで2.0時間、100Cで一夜である。フラスコは、約50Cまで撹拌しながらゆっくり冷却され、撹拌を止めて、ほぼ室温まで冷却される。およそ200mLのシクロヘキサンをフラスコに加え、撹拌し、濾過可能なスラリーし、固形物を中間の多孔度のガラス濾過漏斗に集める。集めた固形物は、約50mLのシクロヘキサンで2度洗浄される。生成物は、約50Cの減圧乾燥器の中で一晩乾燥される。乾燥した生成物は、砕かれ、新鮮なシクロヘキサン(約300mL)で再度スラリーにされ、濾過によって再度集められ、約50mLのシクロヘキサンで2度すすがれ、最高ポンプ減圧下で50C減圧乾燥器中で恒量まで乾燥される。収率=59.8グラム(66%)。
【0051】
プレポリマーの調製
実施例A
C2C、アジピン酸ジメチルおよび1,4−ブタンジオールからのプレポリマーの調製。
不活性雰囲気で、250mL丸底フラスコの中に、チタン(IV)ブトキシド(0.194グラム、0.571ミリモル)、N,N′−1,2−エタンジイル−ビス[6−ヒドロキシヘキサンアミド](13.62グラム、47.22ミリモル)、アジピン酸ジメチル(65.80グラム、0.3777モル)および1,4−ブタンジオール(59.57グラム、0.6611モル)を入れる。重合反応は、頭部撹拌しながら、窒素/減圧下で、加熱しながら、そして蒸留ヘッドを使用して、行なわれる。反応プロフィールは以下のとおりである。N2中で160℃から175℃に/175℃で2.0時間;450Torrで5分間;50Torrで10分間;40Torrで5分間;30Torrで10分間;20Torrで10分間;15Torrで10分間;10Torrで90分間;0.425〜0.60Torrで1.0時間。冷えたとき、ろう状の固形物は、Tm=51℃(55J/g)であり、対数粘度数=0.090dL/g(クロロホルム/メタノール(1/1、w/w)、30.0℃、0.5dL/g);1H−NMRによるMnが約1098;および1H−NMRによるC2C含量が約12モル%。
【0052】
実施例B
A4A、アジピン酸ジメチルおよび1,4−ブタンジオールからのプレポリマーの調製。
不活性雰囲気で、250mL丸底フラスコの中に、チタン(IV)ブトキシド(0.174グラム、0.512ミリモル)、7,12−ジアザ−6,13−ジオキソ−1,18−オクタデカン二酸ジメチル(31.68グラム、85.06ミリモル)、アジピン酸ジメチル(44.45グラム、0.2552モル)および1,4−ブタンジオール(61.33グラム、0.6805モル)を入れる。重合反応は、頭部撹拌しながら、窒素/減圧下で、加熱しながら、そして蒸留ヘッドを使用して、行なわれる。反応プロフィールは以下のとおりである。N2中で160℃から175℃に/175℃で2.0時間;450Torrで5分間;100Torrで5分間;50Torrで10分間;40Torrで5分間;30Torrで10分間;20Torrで10分間;15Torrで10分間;10Torrで90分間;約0.400Torrで1.0時間。冷えたとき、ろう状の固形物は、二山分布Tm=47および95℃;対数粘度数=0.091dL/g(クロロホルム/メタノール(1/1、w/w)、30.0℃、0.5dL/g);1H−NMRによるMnが約1049;および1H−NMRによるA4A含量が約24モル%である。
【0053】
重合体の調製
実施例1
C2C、アジピン酸ジメチルおよび1,4−ブタンジオールからのプレポリマーの、ポリテトラヒドロフランとの反応。
不活性雰囲気で、250mL丸底フラスコの中に、チタン(IV)ブトキシド(0.091グラム、0.27ミリモル)、実施例Aで調製したプレポリマー(40.00グラム)およびポリテトラヒドロフラン(10.00グラム、10.17ミリモル、Mn 983、TERATHANE(登録商標)1000)を入れる。重合反応は、頭部撹拌しながら、窒素/減圧下で、加熱しながら、そして蒸留ヘッドを使用して、行なわれる。反応プロフィールは以下のとおりである。N2中で160℃から175℃に/175℃で1.0時間;175℃、0.3〜0.6Torrで1.0時間;そして190℃、約0.30Torrで6時間。冷えたとき、硬い固形物は、Tm=57℃(28J/g);対数粘度数=0.60dL/g(クロロホルム/メタノール(1/1、w/w)、30.0℃、0.5dL/g);1H−NMRによるMnが約16000である。
【0054】
実施例2
C2C、アジピン酸ジメチルおよび1,4−ブタンジオールからのプレポリマーの、グリセリンエトキシレートとの反応。
250mL丸底フラスコの中に、酸化アンチモン(0.0128グラム、0.0439ミリモル)、酢酸カルシウム一水和物(0.0494グラム、0.280ミリモル)、実施例Aで調製したプレポリマー(44.00グラム)、グリセリンエトキシレート(2.00グラム、2.00ミリモル、Mn 999)を入れる。重合反応は、頭部撹拌しながら、窒素/減圧下で、加熱しながら、そして蒸留ヘッドを使用して、行なわれる。反応プロフィールは以下のとおりである。0.2〜0.9Torrで、160℃から175℃に/175℃で約1.8時間。冷えたとき、硬い固形物は、Tm=66℃(40J/g);対数粘度数=0.27dL/g(クロロホルム/メタノール(1/1、w/w)、30.0℃、0.5dL/g)である。
【0055】
実施例3
A4A、アジピン酸ジメチルおよび1,4−ブタンジオールからのプレポリマーの、セバシン酸ジメチルとの反応。
250mL丸底フラスコの中に、酸化アンチモン(0.0128グラム、0.0439ミリモル)、酢酸カルシウム一水和物(0.0494グラム、0.280ミリモル)、実施例Bで調製したプレポリマー(44.00グラム)、およびセバシン酸ジメチル(2.41グラム、10.5ミリモル)を入れる。重合反応は、頭部撹拌しながら、窒素/減圧下で、加熱しながら、そして蒸留ヘッドを使用して、行なわれる。反応プロフィールは以下のとおりである。N2中で160℃から175℃に/175℃で2時間;450Torrで5分間;100Torrで5分間;50Torrで10分間;40Torrで5分間;30Torrで15分間;20Torrで15分間;10Torrで90分間;175℃で0.4〜0.6Torrで2時間;190℃に/190℃で0.3〜0.4Torrで2.5時間。冷えたとき、硬い固形物は、二山分布Tm=69、114℃(43J/g);対数粘度数=0.28dL/g(クロロホルム/メタノール(1/1、w/w)、30.0℃、0.5dL/g);1H−NMRによるMnが約7000である。
【0056】
実施例4
A4A、アジピン酸ジメチルおよび1,4−ブタンジオールからのプレポリマーの、1,3,5−ベンゼントリカルボン酸トリメチルとの反応。
250mL丸底フラスコの中に、酸化アンチモン(0.0128グラム、0.0439ミリモル)、酢酸カルシウム一水和物(0.0494グラム、0.280ミリモル)、実施例Bで調製したプレポリマー(44.00グラム)および1,3,5−ベンゼントリカルボン酸トリメチル(0.529グラム、2.10ミリモル)を入れる。重合反応は、頭部撹拌しながら、窒素/減圧下で、加熱しながら、そして蒸留ヘッドを使用して、行なわれる。反応プロフィールは以下のとおりである。N2中で160℃から175℃に/175℃で2.3時間;100Torrで5分間;50Torrで10分間;40Torrで5分間;30Torrで15分間;20Torrで15分間;10Torrで90分間;0.2〜0.6Torrで約2.5時間。冷えたとき、硬い固形物は、二山分布Tm=73、111℃(44J/g);対数粘度数=0.29dL/g(クロロホルム/メタノール(1/1、w/w)、30.0℃、0.5dL/g)。
【0057】
比較例1
C4Cおよび1,4ブタンジオールのアジピン酸ジメチルとの反応;C4C単位25モル%のポリエステルアミド(スタパート(Stapert)らの米国特許第6,172,167号明細書の実施例4による)。
アジピン酸ジメチル(70g;0.402モル)、C4C(31.79g;0.101モル)および2倍過剰の1,4ブタンジオール(54.07g;0.602モル)を、反応槽の中に量り取り、窒素雰囲気下に置いた。触媒Ti(OBu)4を、混合物全体を基準に0.1質量%の量で添加した。メタノールは、175Cの温度で2時間、蒸留除去した。その後、低真空(p→5ミリバール)を1時間適用し、その後、温度を185〜190Cに上げ、この温度で、過剰の1,4ブタンジオールを除去するために、15〜20時間、高真空(p=0.1バール)を適用した。溶融物は、生成物を結晶化させるために、冷却した。
【0058】
比較例2
A4Aおよびアジピン酸ジメチルの1,4ブタンジオールとの反応;A4A単位25モル%のポリエステルアミド(スタパートらの米国特許第6,172,167号明細書の実施例5による)。
反応槽に、14.6gのアジピン酸ジメチル(0.084モル)、30.1gの1,4ブタンジオール(0.333モル)および31.1gのA4A(0.084モル)を入れ、窒素雰囲気下に置いた。Ti(OBu)4触媒を、0.1質量%の濃度で、混合物に添加した。メタノールを蒸留除去するために、温度を2時間かけて175Cに上げた。その後、低真空を1時間適用した。温度を185〜190Cに上げ、完全真空(0.1ミリバール)を5〜10時間適用し、過剰の1,4ブタンジオールを除去した。
【0059】
アミドエステル重合体組成物の特性
上で得られたアミドエステル重合体の物理的性質を、下記の表1にまとめて示す。数平均分子量は、Bruker Avance 300 NMR分光計を用い、5ミリメートルのプローブヘッドで、1H核磁気共鳴によって測定される。試料の融点はパーキン・エルマー社(Perkin Elmer)から入手可能なPyris 1装置を用いて、示差走査熱量測定法によって測定される。
【0060】
力学的試験は、圧縮成形した円板試料(plaques)から調製された試料について行なう。圧縮成形前に、試料は約24時間60℃で乾燥される。円板試料は、PassadenaプレスSQL−430で、約2分間、30トンで160℃で圧縮成形して調製される。圧縮成形に続いて、試料は室温に急冷される。このようにして得られた円板試料は、幅70ミリメートル、長さ100ミリメートル、および厚さ2ミリメートルである。
【0061】
【表1】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
(i)脂肪族ジカルボン酸とビスアミドジオールとのまたはジオールとジアミドジエステルとのいずれかの縮合反応の残基を含む第一の反復単位、およびジオールと脂肪族ジカルボン酸の縮合反応の残基を含む第二の反復単位を含む、分子量が2000g/mol未満の初期重合体、(ただし、ジオールまたは脂肪族ジカルボン酸の少なくとも一方は、反応混合物中に独立して見いだされたときに、それらは比較的揮発性であり反応混合物から蒸留除去することができることを特徴とする。)、および(ii)不揮発性ジオールおよび不揮発性脂肪族ジカルボン酸から選ばれた反応体、を含む反応混合物を用意する工程、
重合体の分子量を4000g/mol以上に増加させるために反応混合物を加熱する工程
を含む方法。
【請求項2】
初期重合体がビスアミドジオールの残基および揮発性ジオールの残基を含み、そして反応体が不揮発性ジオールであることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
初期重合体が、
構造−[H1−AA]−
(ここで、H1は−R−CO−NH−R−NH−CO−R−O−または−R−NH−CO−R−CO−NH−R−O−であり、Rは、出現毎に独立して、脂肪族もしくは複素脂肪族、脂環式もしくは複素脂環式、または芳香族もしくは複素芳香族の基であり、そしてAAは−CO−R′−CO−O−であり、R′は脂肪族基である。)
によって表わされる第一の反復単位、および
式−[DV−AA]−
(ここで、DVは−[R″−O]−であり、そして、R″は、R″(OH)が反応混合物から蒸留除去することができるように選択された、脂肪族もしくは複素脂肪族、脂環式もしくは複素脂環式、または芳香族もしくは複素芳香族の基である。)
によって表わされる第二の反復単位
を含むことを特徴とする請求項2に記載の方法。
【請求項4】
初期重合体が
式HO−D1−O−[−CO−AA1−CO−O−D1−O−]−[CO−AA1−CO−O−AD]−OH
(ここで、O−D1−Oは揮発性ジオール官能基を表わし、CO−AA1−COは短い脂肪族ジカルボン酸官能基を表わし、O−AD−Oは短い対称な結晶性アミドジオール官能基を表わし、xおよびyは重合体中の各反復単位の数である。)
を有し、当該重合体の数平均分子量が2,000グラム/モル未満であり、
当該方法が、
式HO−D2−O−[−CO−AA1−CO−O−D1,2−O−]−[CO−AA1−CO−O−AD]−OH
(ここで、O−D2−Oは不揮発性ジオール官能基を表わし、CO−AA1−COは脂肪族ジカルボン酸官能基を表わし、O−AD−Oはポリアミドジオール官能基を表わし、O−D1,2−Oは揮発性ジオール官能基または不揮発性ジオール官能基を表わし、xおよびyは、重合体中の各反復単位の数である。)
を有し、数平均分子量が4,000グラム/モルより大きい変換された重合体を含む変換された物質を生成するのに十分に高い温度で、初期重合体を、
式HO−D2−OH
を有する不揮発性ジオールと接触させる工程を含む、
請求項2に記載の方法。
【請求項5】
初期重合体がビスアミドジオールの残基および揮発性脂肪族ジカルボン酸の残基を含み、そして、反応体が不揮発性脂肪族ジカルボン酸であることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項6】
初期重合体が
構造−[H1−SA]−
(ここで、H1は−R−CO−NH−R−NH−CO−R−O−または−R−NH−CO−R−CO−NH−R−O−であり、Rは、出現毎に独立して、脂肪族もしくは複素脂肪族、脂環式もしくは複素脂環式、または芳香族もしくは複素芳香族の基であり、そして、SAは−CO−R′−CO−O−であり、R′は短い脂肪族基である。)
によって表わされる第一の反復単位、および
式−[D−SA]−
(ここで、Dは−[R−O]−であり、そして、Rは、脂肪族もしくは複素脂肪族、脂環式もしくは複素脂環式、または芳香族もしくは複素芳香族の基である。)
によって表わされる第二の反復単位
を含むことを特徴とする請求項5に記載の方法。
【請求項7】
初期重合体が
式HO−D1−O−[−CO−AA1−CO−O−D1−O−]−[CO−AA1−CO−O−AD]−OH
(ここで、O−D1−Oはジオール官能基を表わし、CO−AA1−COは短い脂肪族ジカルボン酸官能基を表わし、O−AD−Oは短い対称な結晶性ポリアミドジオール官能基を表わし、xおよびyは重合体中の各反復単位の数である。)
を有し、当該重合体の数平均分子量が2,000グラム/モル未満であり、
当該方法が、
式HO−D1−O−[−CO−AA1,2−CO−O−D1−O−]−[CO−AA1,2−CO−O−AD]−OH
(ここで、CO−AA1,2−COは脂肪族ジカルボン酸官能基または高沸点二塩基酸エステル官能基を表わし、O−AD−Oはポリアミドジオール官能基を表わし、xおよびyは重合体中の各反復単位の数である。)
を有し、数平均分子量が4,000グラム/モルより大きい変換された重合体を含む変換された物質を生成するのに十分に高い温度で、初期重合体を
式RO−CO−AA2−CO−OR
を有する高沸点二塩基酸エステルと接触させる工程を含む、
請求項5に記載の方法。
【請求項8】
初期重合体がジアミドジエステルの残基および揮発性ジオールの残基を含み、そして反応体が不揮発性ジオールであることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項9】
初期重合体が
構造−[H2−D]−
(ここで、H2は−CO−R−CO−NH−R−NH−CO−R−CO−O−であり、Rは、出現毎に独立して、脂肪族もしくは複素脂肪族、脂環式もしくは複素脂環式、または芳香族もしくは複素芳香族の基であり、そしてDは−[R−O]−であり、Rは、脂肪族もしくは複素脂肪族、脂環式もしくは複素脂環式、または芳香族もしくは複素芳香族の基である。)
によって表わされる第一の反復単位、および
式−[D−AA]−
(ここで、AAは−CO−R′−CO−O−であり、R′は脂肪族基である。)
によって表わされる第二の反復単位を含み、第一および第二の反復単位の少なくとも一方におけるDは揮発性ジオールであることを特徴とする請求項8に記載の方法。
【請求項10】
初期重合体が
式HO−D1−O−[−CO−AA1−CO−O−D1−O−]−[O−D1−O−CO−DD−CO−O]−H
(ここで、O−D1−Oは揮発性ジオール官能基を表わし、CO−AA1−COは短い脂肪族ジカルボン酸官能基を表わし、O−CO−DD−CO−Oは短い対称な結晶性ジアミド二塩基酸官能基を表わし、xおよびyは重合体中の各反復単位の数である。)
を有し、当該重合体の数平均分子量が2,000グラム/モル未満であり、
当該方法が、
式HO−D2−O−[−CO−AA1−CO−O−D1,2−O−]−[O−D1,2−O−CO−DD−CO]−OH
(ここで、O−D2−Oは不揮発性ジオール官能基を表わし、CO−AA1−COは脂肪族ジカルボン酸官能基を表わし、O−CO−DD−CO−Oはジアミド二塩基酸官能基を表わし、O−D1,2−Oは揮発性ジオール官能基または不揮発性ジオール官能基を表わし、xおよびyは重合体中の各反復単位の数である。)
を有し、数平均分子量が4,000グラム/モルより大きい変換された重合体を含む変換された物質を生成するのに十分に高い温度で、初期重合体を式HO−D2−OHを有する不揮発性ジオールと接触させる工程を含む、
請求項8に記載の方法。
【請求項11】
初期重合体がビスジアミドジエステルの残基および揮発性ジカルボン酸の残基を含み、そして反応体が不揮発性ジカルボン酸であることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項12】
初期重合体が構造−[H2−D]−によって表わされる第一の反復単位および式−[SA−D]−によって表わされる第二の反復単位(ここで、H2は−CO−R−CO−NH−R−NH−CO−R−CO−O−であり、Rは、出現毎に独立して、脂肪族もしくは複素脂肪族、脂環式もしくは複素脂環式、または芳香族もしくは複素芳香族の基であり、SAは−CO−R′−CO−O−であり、R′は短い脂肪族基であり、そしてDは−[R−O]−である。)を含むことを特徴とする請求項11に記載の方法。
【請求項13】
初期重合体が
式HO−D1−O−[−CO−AA1−CO−O−D1−O−]−[O−D1−O−CO−DD−CO]−OH
(ここで、O−D1−Oはジオール官能基を表わし、CO−AA1−COは短い脂肪族ジカルボン酸官能基を表わし、O−CO−DD−CO−Oは短い対称な結晶性ジアミド二塩基酸官能基を表わし、xおよびyは重合体中の各反復単位の数である。)
を有し、当該重合体の数平均分子量が2,000グラム/モル未満であり、
当該方法が、
式HO−D1−O−[−CO−AA1,2−CO−O−D1−O−]−[CO−AA1,2−CO−O−CO−DD−CO]−OH
(ここで、CO−AA1,2−COは脂肪族ジカルボン酸官能基または高沸点二塩基酸エステル官能基を表わし、O−CO−DD−CO−Oはジアミド二塩基酸官能基を表わし、xおよびyは重合体中の各反復単位の数である。)
を有し、数平均分子量が4,000グラム/モルより大きい変換された重合体を含む変換された物質を生成するのに十分に高い温度で、初期重合体を、
式RO−CO−AA2−CO−OR
を有する高沸点二塩基酸エステルと接触させる工程を含む、
請求項11に記載の方法。
【請求項14】
(i)脂肪族ジカルボン酸とビスアミドジオールとのまたはジオールとジアミドジエステルとのいずれかの縮合反応の残基を含む第一の反復単位およびジオールと脂肪族ジカルボン酸の縮合反応の残基である第二の反復単位を含む分子量が2000g/mol未満の初期重合体、および(ii)ポリオールおよび多塩基酸または多塩基酸エステルから選ばれる反応体(ただし、反応体は、場合に応じて、官能基−OH、−エステルまたは−COOHを少なくとも3個有する。)を含む反応混合物を用意すること、
少なくとも4000g/molの分子量を有する分岐重合体を形成するために反応混合物を加熱すること
を含む方法。
【請求項15】
初期重合体がビスアミドジオールの残基を含み、そして反応体がポリオールであることを特徴とする請求項14に記載の方法。
【請求項16】
初期重合体が、
構造−[H1−AA]−
(ここで、H1は−R−CO−NH−R−NH−CO−R−O−または−R−NH−CO−R−CO−NH−R−O−であり、Rは、出現毎に独立して、脂肪族もしくは複素脂肪族、脂環式もしくは複素脂環式、または芳香族もしくは複素芳香族の基であり、そしてAAは−CO−R′−CO−O−であり、R′は脂肪族基である。)
によって表わされる第一の反復単位、および
構造−[R−O−AA]−
(ここで、Rは上で定義したとおりである。)
を有する第二の反復単位を含み、そして
ポリオールが
式M(OH)n
(ここで、Mはn価の有機基であり、そしてnは3以上の整数である。)
によって表わされることを特徴とする請求項15に記載の方法。
【請求項17】
分岐重合体が反復単位−[H1−AA]−、−[R−O−AA]−。および−M−(AA)−を含むことを特徴とする請求項16に記載の方法。
【請求項18】
初期重合体が
式HO−D1−O−[−CO−AA1−CO−O−D1−O−]−[CO−AA1−CO−O−AD−O]−H
(ここで、O−D1−Oはジオール官能基を表わし、CO−AA1−COは短い脂肪族ジカルボン酸官能基を表わし、O−AD−Oは短い対称な結晶性ポリアミドジオール官能基を表わし、xおよびyは重合体中の各反復単位の数である。)
を有し、当該重合体の数平均分子量が2,000グラム/モル未満であり、
当該方法が、
式HO−D1−O−[−CO−AA1−CO−O−D1−O−]−CO−AA1−CO−O−M−(O−CO−AA1−CO−O−D1−O−[CO−AA1−CO−O−AD]−OH)n−1
(ここで、O−D1−Oはジオール官能基を表わし、CO−AA1−COは脂肪族ジカルボン酸官能基を表わし、O−AD−Oはポリアミドジオール官能基を表わし、xおよびyは重合体中の各反復単位の数である。)
を有し、数平均分子量が4,000グラム/モルより大きい変換された重合体を含む変換された物質を生成するのに十分に高い温度で、初期重合体を、
式M−(OH)
(ここでnは3以上である。)
を有するポリオールと接触させる工程を含む、
請求項16に記載の方法。
【請求項19】
初期重合体がビスアミドジオールの残基を含み、そして反応体が多塩基酸または多塩基酸エステルであることを特徴とする請求項14に記載の方法。
【請求項20】
初期重合体が
構造−[H1−AA]−
(ここで、H1は−R−CO−NH−R−NH−CO−R−O−または−R−NH−CO−R−CO−NH−R−O−であり、Rは、出現毎に独立して、脂肪族もしくは複素脂肪族、脂環式もしくは複素脂環式、または芳香族もしくは複素芳香族の基であり、そしてAAは−CO−R′−CO−O−であり、R′は脂肪族基である。)
によって表わされる第一の反復単位、および
構造−[R−O−AA]−
(ここで、Rは上で定義したとおりである。)
を有する第二の反復単位を含み、
そして多塩基酸または多塩基酸エステルが
式M(COOR1)n
(ここで、Mはn価の有機基であり、nは3以上の整数であり、R1は水素または1〜10個の炭素原子の脂肪族基である。)
によって表わされることを特徴とする請求項19に記載の方法。
【請求項21】
分岐重合体が反復単位−[H1−AA]−、−[R−O−AA]−、および−M−(CO−O−R)を含むことを特徴とする請求項20に記載の方法。
【請求項22】
初期重合体が
式HO−D1−O−[−CO−AA1−CO−O−D1−O−]−[CO−AA1−CO−O−AD]−OH
(ここで、O−D1−Oはジオール官能基を表わし、CO−AA1−COは短い脂肪族ジカルボン酸官能基を表わし、O−AD−Oは短い対称な結晶性ポリアミドジオール官能基を表わし、xおよびyは重合体中の各反復単位の数である。)
によって表わされ、当該重合体の数平均分子量が2,000グラム/モル未満であり、
当該方法が、
式HO−D1−O−[−CO−AA1−CO−O−D1−O−]−CO−M−(−CO−O−D1−O−[CO−AA1−CO−O−AD]−OH)n−1
(ここで、O−D1−Oはジオール官能基を表わし、CO−AA1−COは脂肪族ジカルボン酸官能基を表わし、O−AD−Oはポリアミドジオール官能基を表わし、xおよびyは重合体中の各反復単位の数である。)
を有し、数平均分子量が4,000グラム/モルより大きい変換された重合体を含む変換された物質を生成するのに十分に高い温度で、初期重合体を、
式M−(CO−OR)
(ここでnは3以上である。)
を有する多塩基酸エステルと接触させる工程を含む、
請求項20に記載の方法。
【請求項23】
初期重合体がビスアミドジエステルの残基を含み、そして反応体がポリオールであることを特徴とする請求項14に記載の方法。
【請求項24】
初期重合体が構造−[H2−D]−によって表わされる第一の反復単位および構造−[D−AA]−によって表わされる第二の反復単位(ここで、H2は−CO−R−CO−NH−R−NH−CO−R−CO−Oであり、Dは−[R−O]−であり、そしてAAは−CO−R′−CO−O−であり、R′は脂肪族基であり、そして、Rは、脂肪族もしくは複素脂肪族、脂環式もしくは複素脂環式、または芳香族もしくは複素芳香族の基である。)を含み、そして、ポリオールが式M(OH)n(ここで、Mはn価の有機基であり、そしてnは3以上の整数である。)によって表わされることを特徴とする請求項23に記載の方法。
【請求項25】
分岐重合体が反復単位−[H2−D]−、−[R−O−AA]−、および−M−(AA)−を含むことを特徴とする請求項24に記載の方法。
【請求項26】
初期重合体が
式HO−D1−O−[−CO−AA1−CO−O−D1−O−]−[O−D1−O−CO−DD−CO]−OH
(ここで、O−D1−Oはジオール官能基を表わし、CO−AA1−COは短い脂肪族ジカルボン酸官能基を表わし、O−CO−DD−CO−Oは短い対称な結晶性ジアミド二塩基酸官能基を表わし、xおよびyは重合体中の各反復単位の数である。)
を有し、当該重合体の数平均分子量が2,000グラム/モル未満であり、
当該方法が、
式HO−D1−O−[−CO−AA1−CO−O−D1−O−]−CO−AA1−CO−O−M−(O−CO−AA1−CO−O−D1−O−[O−D1−O−CO−DD−CO]−OH)n−1
(ここで、O−D1−Oはジオール官能基を表わし、CO−AA1−COは脂肪族ジカルボン酸官能基を表わし、O−CO−DD−CO−Oはジアミド二塩基酸官能基を表わし、xおよびyは重合体中の各反復単位の数である。)
を有し、数平均分子量が4,000グラム/モルより大きい変換された重合体を含む変換された物質を生成するのに十分に高い温度で、初期重合体を、
式M−(OH)
(ここでnは3以上である。)
を有するポリオールと接触させる工程を含む、
請求項24に記載の方法。
【請求項27】
初期重合体がビスアミドジエステルの残基を含み、そして反応体が多塩基酸または多塩基酸エステルであることを特徴とする請求項14に記載の方法。
【請求項28】
初期重合体が構造−[H2−D]−によって表わされる第一の反復単位および構造−[D−AA]−によって表わされる第二の反復単位(ここで、H2は−CO−R−CO−NH−R−NH−CO−R−CO−Oであり、Dは−[R−O]−であり、そしてAAは−CO−R′−CO−O−であり、R′は脂肪族基であり、そして、Rは、脂肪族もしくは複素脂肪族、脂環式もしくは複素脂環式、または芳香族もしくは複素芳香族の基である。)を含み、そして多塩基酸または多塩基酸エステルは式M(COOR1)n(ここで、Mはn価の有機基であり、nは3以上の整数であり、そしてR1は水素または1〜10個の炭素原子の脂肪族基である。)を有することを特徴とする請求項26に記載の方法。
【請求項29】
分岐重合体が反復単位−[H2−AA]−、−[R−O−AA]−、および−M−(COOR)n−を含むことを特徴とする請求項27に記載の方法。
【請求項30】
初期重合体が
式HO−D1−O−[−CO−AA1−CO−O−D1−O−]−[O−D1−O−CO−DD−CO]−OH
(ここで、O−D1−Oはジオール官能基を表わし、CO−AA1−COは短い脂肪族ジカルボン酸官能基を表わし、O−CO−DD−CO−Oは短い対称な結晶性ジアミド二塩基酸官能基を表わし、xおよびyは重合体中の各反復単位の数である。)
によって表わされ、当該重合体の数平均分子量が2,000グラム/モル未満であり、
当該方法が、
式HO−D1−O−[−CO−AA1−CO−O−D1−O−]−CO−M−(−CO−O−D1−O−[O−D1−O−CO−DD−CO]−OH)n−1
(ここで、O−D1−Oはジオール官能基を表わし、CO−AA1−COは脂肪族ジカルボン酸官能基を表わし、O−CO−DD−CO−Oはジアミド二塩基酸官能基を表わし、xおよびyは重合体中の各反復単位の数である。)
を有し、数平均分子量が4,000グラム/モルより大きい変換された重合体を含む変換された物質を生成するのに十分に高い温度で、初期重合体を、
式M−(CO−OR)
(ここでnは3以上である。)
を有する多塩基酸エステルと接触させる工程を含む、
請求項27に記載の方法。
【請求項31】
ポリアミドジオールの残基が
式−(CH2)n−CONH−(CH2)m−(X)k−(CH2)m−CONH−(CH2)n−
(ここで、X=NH、O、S、k=0または1、m=1〜4そしてn=4〜6)
を有することを特徴とする請求項1〜7および14〜22のいずれか1項に記載の方法。
【請求項32】
短い対称なポリアミドジオール官能基が
式−(CH2)n−NH−CO−(CH2)m−CO−NH−(CH2)n−
(ここで、n=2〜4、そしてm=2〜4)
を有することを特徴とする請求項1〜7および14〜22のいずれか1項に記載の方法。
【請求項33】
短い対称なポリアミドジオール官能基が
式−CO−(CH2)m−CO−NH−(CH2)k−NH−CO−(CH2)m−CO−
(ここでm=k=2〜4)
を有することを特徴とする請求項1〜7および14〜22のいずれか1項に記載の方法。
【請求項34】
短い脂肪族ジカルボン酸官能基が、コハク酸、グルタル酸およびアジピン酸からなる群から選ばれ、そして短い対称なポリアミドジオール官能基が、
−(CH2)n−CONH−(CH2)m−(X)k−(CH2)m−CONH−(CH2)n−(ここで、X=NH、O、S、k=0または1、m=1〜4、そしてn=4〜6)、
−(CH2)n−NH−CO−(CH2)m−CO−NH−(CH2)n−(ここで、n=2〜4、そしてm=2〜4)、および
−CO−(CH2)m−CO−NH−(CH2)k−NH−CO−(CH2)m−CO−(ここでm=k=2〜4)
からなる群から選ばれる式を有することを特徴とする請求項1〜30のいずれか1項に記載の方法。
【請求項35】
短い脂肪族ジカルボン酸官能基が、コハク酸、グルタル酸およびアジピン酸からなる群から選ばれ、高沸点二塩基酸官能基が、アゼライン酸およびセバシン酸からなる群から選ばれ、そして、短い対称なポリアミドジオール官能基が、
−(CH2)n−CONH−(CH2)m−(X)k−(CH2)m−CONH−(CH2)n−(ここで、X=NH、O、S、k=0または1、m=1〜4、そしてn=4〜6)
−(CH2)n−NH−CO−(CH2)m−CO−NH−(CH2)n−(ここで、n=2〜4、そしてm=2〜4)、および
−CO−(CH2)m−CO−NH−(CH2)k−NH−CO−(CH2)m−CO−(ここでm=k=2〜4)
からなる群から選ばれる式を有することを特徴とする請求項1〜30のいずれか1項に記載の方法。
【請求項36】
ジオール官能基が、エチレングリコール、1,3プロパンジオール、1,4ブタンジオールおよび1,6ヘキサンジオールからなる群から選ばれるジオールから誘導されることを特徴とする請求項1〜30のいずれか1項に記載の方法。
【請求項37】
ジオール官能基が、1,6ヘキサンジオールよりも大きい分子量を有するジオールから誘導されることを特徴とする請求項1〜30のいずれか1項に記載の方法。
【請求項38】
ポリオールが、グリセリン、トリメチロールプロパン、メチルグルコシド、ソルビトール、ポリエーテルポリオール、および大豆ポリオールからなる群から選ばれることを特徴とする請求項14〜18および23〜26のいずれか1項に記載の方法。
【請求項39】
請求項14〜30のいずれか1項に記載の方法によって作ることができる重合体。
【請求項40】
式HO−D1−O−[−CO−AA1−CO−O−D1−O−]−CO−AA1−CO−O−M−(O−CO−AA1−CO−O−D1−O−[CO−AA1−CO−O−AD]−OH)n−1
(ここで、O−D1−Oはジオール官能基を表わし、CO−AA1−COは短い脂肪族ジカルボン酸官能基を表わし、O−AD−Oは短い対称な結晶性ポリアミドジオール官能基を表わし、Mは式M−(OH)を有するポリオールから誘導されたポリオール官能基を表わし、nは3以上であり、そしてxおよびyは重合体中の各反復単位の数である。)
を有する請求項39に記載の重合体。
【請求項41】
ポリオール官能基が、グリセリン、トリメチロールプロパン、メチルグルコシド、ソルビトール、ポリエーテルポリオール、および大豆ポリオールからなる群から選ばれたポリオールから誘導されることを特徴とする請求項40に記載の重合体。
【請求項42】
式HO−D1−O−[−CO−AA1−CO−O−D1−O−]−CO−PA−(−CO−O−D1−O−[CO−AA1−CO−O−AD]−OH)n−1
(ここで、PAは式PA−(CO−OR)を有する多塩基酸エステルから誘導され、nは3以上であり、O−D1−Oはジオール官能基を表わし、CO−AA1−COは短い脂肪族ジカルボン酸官能基を表わし、O−AD−Oは短い対称な結晶性ポリアミドジオール官能基を表わし、xおよびyは重合体中の各反復単位の数である。)
を有する請求項39に記載の重合体であって、変換された重合体の数平均分子量が4,000グラム/モルより大きいことを特徴とする重合体。
【請求項43】
式HO−D1−O−[−CO−AA1−CO−O−D1−O−]−CO−AA1−CO−O−M−(O−CO−AA1−CO−O−D1−O−[O−D1−O−CO−DD−CO]−OH)n−1
(ここで、O−D1−Oはジオール官能基を表わし、CO−AA1−COは短い脂肪族ジカルボン酸官能基を表わし、O−CO−DD−CO−Oは短い対称な結晶性ジアミド二塩基酸官能基を表わし、Mは式M−(OH)を有するポリオールから誘導されたポリオール官能基を表わし、nは3以上であり、そしてxおよびyは重合体中の各反復単位の数である。)
を有する請求項39に記載の重合体。
【請求項44】
ポリオール官能基が、グリセリン、トリメチロールプロパン、メチルグルコシド、ソルビトール、ポリエーテルポリオール、および大豆ポリオールからなる群から選ばれたポリオールから誘導されることを特徴とする請求項43に記載の重合体。
【請求項45】
式HO−D1−O−[−CO−AA1−CO−O−D1−O−]−CO−PA−(−CO−O−D1−O−[O−D1−O−CO−DD−CO]−OH)n−1
(ここで、PAは式PA−(CO−OR)を有する多塩基酸エステルから誘導され、nは3以上であり、O−D1−Oはジオール官能基を表わし、CO−AA1−COは短い脂肪族ジカルボン酸官能基を表わし、O−CO−DD−CO−Oは短い対称な結晶性ジアミド二塩基酸官能基を表わし、xおよびyは重合体中の各反復単位の数である。)
を有する請求項39の重合体であって、変換された重合体の数平均分子量が4,000グラム/モルより大きいことを特徴とする重合体。

【公表番号】特表2008−544012(P2008−544012A)
【公表日】平成20年12月4日(2008.12.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−516456(P2008−516456)
【出願日】平成18年6月14日(2006.6.14)
【国際出願番号】PCT/IB2006/004005
【国際公開番号】WO2007/099397
【国際公開日】平成19年9月7日(2007.9.7)
【出願人】(502141050)ダウ グローバル テクノロジーズ インコーポレイティド (1,383)
【Fターム(参考)】