説明

脂肪組織の破壊のためのシステムおよび方法

HIFUトランスデューサーのようなエネルギーアプリケーターを用いる脂肪組織の破壊のためのシステムおよび方法が開示される。このシステムは、エネルギーアプリケーターを含む走査ヘッド、このスキャンヘッドの重量を保持するための機械的アーム、この走査ヘッドの作動を制御するためのコンピューターのような処置コントローラーを有する。これ処置コントローラーは、汎用目的コンピューターの一部であり得、そして手順を自動化するためのロボットコントローラーとして用いられ得る。迅速、非侵襲的様式で脂肪組織を破壊するための方法が含まれる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願への相互参照)
本出願は、2003年12月30日に出願された出願番号第10/750,370号(代理人書類番号第021356−000500US号)の一部継続出願であり、そして2003年12月30日に出願された出願番号第10/751,344号(代理人書類番号第021356−000600US号)の一部継続出願である。
【0002】
本出願はまた、2003年12月30日に出願された先行する仮出願番号第60/533、988号(代理人書類番号第021356−001000US号)、および2003年12月30日に出願された先行する仮出願番号第60/533、958号(代理人書類番号第021356−001200US号)の利益を主張している。上記の出願の各々の全体の開示は、参考として本明細書中に援用される。
【0003】
本出願の主題は、以下の出願の主題に関連している:「使い捨て可能なトランスデューサーシール」と題する第10/750,369号;「位置トラッキングデバイス」と題する第60/533,528号;「移動コントロールを備えた超音波治療ヘッド」と題する第60/534,036号;および「コンポーネント超音波トランスデューサー」と題する第60/534,034号;これらの出願の各々の全体の開示は、本明細書中に参考として援用される。
【背景技術】
【0004】
1.発明の分野。本発明は、脂肪組織(脂肪)の破壊のためのシステムおよび方法に関する。
【0005】
2.先行技術の記載。身体彫刻(Body sculpting)は、人の体重を減少するため、そして人々をより痩身でよりすばらしい体格に修復するための高度に追求された手順に発展した。美容整形外科の分野は、ツールおよび技法の両方における開発とともに相当に腫張した。迅速な体重損失および身体彫刻の両方のための1つの流行している手順は、脂肪吸引である。
【0006】
脂肪吸引は、所望されない脂肪を彫刻(sculp)および除去することによって、異なる身体領域の形状および輪郭を劇的に改善し得る身体輪郭付けの方法である。毎年、200,000を超える脂肪吸引手順が実施されている。脂肪吸引の分野における最近の革新および進歩は、腫張技法および超音波支援技法を含む。伝統的な脂肪吸引は、所望の位置に小切開を作ること、次いで、脂肪層中で皮膚の下に中空チューブまたはカニューレを挿入することによってなされた。カニューレは、減圧に連結され、そして脂肪は、高い吸引圧力の下で吸引される。この手順は、脂肪、連結組織、血管および神経組織を無差別に除去した。この手順は、出血、あざ、外傷、および血液損失を引き起こし、除去可能な脂肪の量を制限した。
【0007】
腫張技法は、手術の間に、より少ない血液損失で、有意により多くの脂肪の除去を可能にする。腫張脂肪吸引は、吸引の前に、脂肪層に、大量の生理食塩水およびアドレナリン溶液を注入する。カニューレが再び吸引デバイスとして用いられ脂肪を除去する。この手順は、伝統的脂肪吸引の出血を減少する。しかし、この手順はなお、構造的組織、血液および神経尾部の有意な量を除去する。
【0008】
最も最近認められた革新は、超音波支援脂肪形成術(UAL)である。UALは、超音波周波数で振動する先端部を有するチタンカニューレを利用する。この振動は、接近容量脂肪細胞を破壊し、そしてそれらを容易な除去のために本質的に液化する。UALは、低出力吸引を用い、そしてカニューレ先端部の近傍にある脂肪物質のみを引き込む。この技法は、より洗練され、そして組織に対して穏やかであり、より少ない血液損失、より少ないあざ、より少ない痛み、および有意により迅速な回復がある。
【0009】
外科的手順のための超音波の使用は、UALに限定されない。高強度集中超音波(HIFU)技法は、他者によって癌治療のために採用されている。
【0010】
Cainらによる米国特許第6,309,355号(特許文献1)は、標的組織で微小気泡を生成し、そして次にこの微小気泡が近傍組織を破壊するためのキャビテーション効果を生成するようにするために超音波供給源を用いる方法を開示している。好ましい実施形態は、低周波数超音波供給源(500kHz未満)を利用し、キャビテーションを引き起こす。診断器具を用いて、個体の外科的損傷の位置を決定する。
【0011】
EshelらによるPCT出願WO 02/054018 A2(特許文献2)は、同時に非脂肪組織を溶解しないで、ヒト身体の領域中の脂肪組織を溶解する方法を提供する。この方法は、診断造影システムおよびHIFUエネルギーで照射されている領域の跡を追うためのコンピューターと組み合わせた、身体内のHIFUの使用を記載している。
【0012】
過去10年間に亘り、HIFUの発展においていくつかの革新があった。強度は、気泡がキャビテーションから形成されるとき、非常に短い時間(約1秒間)で沸騰が起こる点まで増加された。気泡は、超音波の吸収および付随する組織の迅速な加熱を大いに増加した。The Haifu(Chongqing、China)会社は、超音波を用いる固形腫瘍の処置のための治療デバイスを生産した。超音波エネルギーは、アプリケーターが腫瘍を含む組織を取り囲む水バッグ内を移動する間に付与される。
【0013】
その他の治療養生法は、組織を壊死するために熱機構に主に依存している。いくつかの文献は、組織温度を壊死レベルまで必ずしも増加することなく、組織中でキャビテーションを生成することを報告している。これらの方法は、キャビテーションの気泡を生成する(しばしば「安定」キャビテーションと称される)ために、組織に高強度連続波(CW)超音波養生法を適用し、これらの気泡の主要な目的は、吸収を増加すること、および加熱時間を減少することである。パルス波(PW)超音波と同様に迅速に繰り返される非常に高強度の短パルスを用いて治療を適用することは、一般に、非常に短い寿命(ミクロ秒)のキャビテーション気泡を生成し得る。これらの気泡は、大量の同時組織加熱なくして短(約5〜30秒間)パルスによって周期的に繰り返され得る有意な組織に対する機械的損傷を生じる。養生法パラメーターを注意深く求めることは、せん断力、一時的キャビテーションショック波、または安定なキャビテーション圧力を通じて、例えば、組織を熱壊死レベルまで必ずしも加熱することなく、機械的損傷を増大し得る。
【0014】
HIFU治療は、適用されたいくつかの方法および方法の組み合わせであり得る。大部分のHIFU養生法は、HIFU適用を1つのスポットに位置決めること、および所定の時間、代表的には1〜4秒間出力をオンにすることにより適用されている。強度レベルは、代表的には、アプリケーターの焦点で組織を凝固壊死の点まで加熱するように選択されるが、水の沸点(100℃)を超えて組織を加熱することを報告するものもある。超音波処理の期間の後、アプリケーターは、オフされ、そして新たな位置;代表的には、先の適用から数mmはなれた位置に移動される。アプリケーターは、組織が冷却するために所定の時間を有するまで再びオンされず、これは、数秒から数分までのいずれかであり得る。このアプリケーターは、再びオンされ、そして新たな損傷が生成される。大容量の組織を処置することは、このようなアプローチでは数時間を要し得る。
【0015】
以下のさらなる文献(特許文献3〜20)が、当該技術分野で関連している:5,769、790;6,113,558;5,827,204;5,143,063;5,219,401;5,419,761;5,618,275;6,039,048;6,425,867;5,928,169;6,387,380;6,350,245;6,241,753;5,526,815;6,071,239;5,143,063;6,685,639およびWO00/36982。
【0016】
上記に記載された参考文献は、本発明に関連する超音波技術、およびヒトの身体内で組織を破壊するためにそれらを用いる方法を論議している。しかし、先行技術の間には、認知し得る欠点が存在する。患者が、魅力があると見出す結果を達成するために、患者および医師が一緒に作業して所望の身体彫刻プランを計画することを可能にすることの教示はない。患者で行われたことに関して、1つの治療セッションから次までの情報を正確に記憶するための手段が先行技術にはない。これは、すべての処置が一度に行われることを必要にし、これは、患者が過剰処置されるか、または医師が、先のセッションでなされたことを決定するために、患者の脂肪組織領域を感じるかまたは見ることによるいずれかによって推定しなければならない可能性を生じる。患者が非侵襲的なHIFU処置を受けた場合、医師は、処置に続いて適切な所望されるものを完全に失い、そしてそれを決定することができない。
【0017】
さらに、先行技術の超音波手順は、大容量の組織を迅速に取り扱う能力に苦しむ。従って、容量または大量の量を取り扱う限り、侵襲的手順が好ましい。
【特許文献1】米国特許第6,309,355号明細書
【特許文献2】国際公開02/054018号パンフレット
【特許文献3】米国特許第5,769、790号明細書
【特許文献4】米国特許第6,113,558号明細書
【特許文献5】米国特許第5,827,204号明細書
【特許文献6】米国特許第5,143,063号明細書
【特許文献7】米国特許第5,219,401号明細書
【特許文献8】米国特許第5,419,761号明細書
【特許文献9】米国特許第5,618,275号明細書
【特許文献10】米国特許第6,039,048号明細書
【特許文献11】米国特許第6,425,867号明細書
【特許文献12】米国特許第5,928,169号明細書
【特許文献13】米国特許第6,387,380号明細書
【特許文献14】米国特許第6,350,245号明細書
【特許文献15】米国特許第6,241,753号明細書
【特許文献16】米国特許第5,526,815号明細書
【特許文献17】米国特許第6,071,239号明細書
【特許文献18】米国特許第5,143,063号明細書
【特許文献19】米国特許第6,685,639号明細書
【特許文献20】国際公開00/36982号パンフレット
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0018】
従って、本発明の目的は、患者および医師が適切な治療処置を決定し得、そして達成可能な結果のための感覚を得る手段を提供することである。
【0019】
患者中の脂肪組織の容量の正確な決定のための手段を提供することが、本発明のさらなる目的である。
【0020】
本発明のなお別の目的は、患者が所望の治療の経過を経時的に展開し得、大規模手順を一度にすべて行う不快さおよび危険を減少またはなくすような、患者における治療手順およびそれらの効果の正確な追跡のための手段を提供することである。
【0021】
ヒト身体内の外科的損傷配置の正確なマッピングのための手段を提供することが本発明のさらなる目的である。
【0022】
侵襲的手順の容量と類似の容量で脂肪組織の迅速に破壊するための手段および方法を提供することが本発明のなおさらなる目的である。
【0023】
これら目的の1つ以上のいずれかが以下の開示で取り扱われる。
【課題を解決するための手段】
【0024】
(発明の簡単な要旨)
本明細書中に記載されるのは、脂肪組織の破壊のためのシステムおよび方法である。第1の実施形態では、身体領域にエネルギーを付与するシステムがあり、このシステムは、エネルギーアプリケーターを含む走査ヘッド、この走査ヘッドをスペース中に吊るす手段、およびこの走査ヘッドおよびこの吊るす手段に連結された処置コントローラーを備える。この処置コントローラーは、上記走査ヘッドを位置決めするための案内を提供しながら、上記走査ヘッドの位置およびエネルギー送達をモニターするよう適合されている。
【0025】
第2の実施形態では、一致した局所解剖学的および表面近傍皮下組織マップを生成するシステムがあり、このシステムは、患者身体の表面イメージを生成する三次元造影装置;この患者身体の皮下イメージを生成する組織造影装置;およびこの表面イメージおよび皮下イメージの複数のマーカーを一致させる相関操作デバイスを備える。
【0026】
第3の実施形態では、医療デバイスを位置決めするシステムがあり、このシステムは:ロボットアーム;このロボットアームを制御するための第1の制御手段;治療ヘッド内で移動可能に位置決めされる医療デバイスであって、この治療ヘッドが上記ロボットアームに連結されている医療デバイス;この治療ヘッド内の医療デバイスの移動を制御するための第2の制御手段;ならびに上記ロボットアーム、上記第1の制御手段、上記医療デバイスおよび上記第2の制御手段と電子通信し、かつそれらの協働操作のための電子コントローラーを備える。
【0027】
なお別の実施形態では、医療デバイスを位置決めするシステムがあり、このシステムは、ロボットアーム;このロボットアームを制御する制御手段;治療ヘッド内で固定して位置決めされる医療デバイスであって、この治療ヘッドが上記ロボットアームに連結されている医療デバイス;および上記制御手段から受容した移動指示を変換し、そしてこの移動指示を上記ロボットアームにリレーするための電子コントローラーを備える。
【0028】
別の実施形態では、患者の身体上でエネルギーエミッターの移動を案内する装置があり、この装置は、少なくとも1つのエネルギーエミッターを有する移動可能な治療ヘッド;案内リング;およびこの案内リングの移動を追従し、かつ上記治療ヘッドをこの案内リング内で実質的に中央に維持する追跡システムを備える。
【0029】
なお別の実施形態では、医療デバイスを位置決めするシステムがあり、このシステムは、負荷平衡化アーム;治療ヘッド内に移動可能に位置決めされる医療デバイスであって、この治療ヘッドが上記負荷平衡化アームに連結されている医療デバイス;およびこの治療ヘッド内の医療デバイスの移動を制御する手段を備える。
【0030】
記載されるシステムを用いるための方法もまたある。1つの実施形態では、身体領域にエネルギーを付与する方法があり、この方法は、第1に、処置コントローラーに処置計画を提供する工程、第2に、この処置コントローラーによって生成される案内に応答して身体表面上で走査ヘッドを、この走査ヘッドからエネルギーを送達しながら手動で走査する工程、第3に、この走査ヘッドの位置、およびエネルギー送達をモニターして位置データを生成し、そしてこの位置データを上記処置コントローラーに転送する工程、そして、最後に、上記位置および/またはエネルギー送達が上記処置計画を外れる場合に警告を発生する工程を包含する。
【0031】
第2の実施形態には、脂肪移植治療手順を実施する方法があり:(a)治療的超音波処置に対する人の適合性を決定する工程;(b)この人の処置されるべき領域をマークする工程;(c)治療的超音波手順のためにこの人を位置決めする工程;(d)マークした領域をコンピューター中に走査する工程;(e)手順を計画するソフトウェアパッケージを用いて上記治療的超音波手順を設定する工程;(f)この手順を計画するソフトウェアにより制御されたコンピューターシステムを用いてこの治療的超音波手順を起動する工程;(g)この手順を計画するソフトウェアを用いて上記治療手順の進行を記録する工程;および(h)上記人に、指示され得るように任意のさらなる作動後の支援を提供する工程を包含する。
【0032】
別の実施形態では、治療的超音波を用いて患者中の脂肪組織を破壊する方法があり、患者の脂肪組織の1つ以上の位置を決定する工程、この患者を処置ベッドに位置決めする工程;および患者の脂肪組織の位置を、治療的超音波トランスデューサーで照射する工程を包含する。
【0033】
なお別の実施形態では、3D身体マップを生成する方法が開示される。脂肪組織容量の位置で3D身体マップを生成する方法は、3D造影システムを用いて身体の3Dイメージを生成する工程、身体の3Dイメージをコンピューター読み取り可能なフォーマットに入力する工程、この身体の3D身体マップを3Dマッピングソフトウェアアプリケーションで生成する工程、およびこの身体を、上記3Dマッピングソフトウェアアプリケーションと電子通信する診断超音波デバイスで、この診断超音波デバイスによって検出された脂肪組織が、上記3D身体マップ中に適切に配置されるように走査する工程を包含する。
【0034】
なお別の実施形態では、3D身体マップを利用する身体彫刻方法があり、破壊されるべき脂肪組織の容量について3D身体マップを分析する工程、身体彫刻手順を用いて安全に破壊され得る脂肪組織の量を決定する工程、第2の3D身体マップを生成するために破壊される脂肪組織の容量を差し引く工程を包含し、ここで、医師および患者が、上記第1の3D身体マップと複数の第2の3D身体マップのいずれかとを比較し得、実施されるべき身体彫刻手順の所望の量を選択する。
【0035】
別の実施形態では、脂肪組織を破壊する方法があり、処置されるべき組織の容量および面積を決定する工程;およびこの容量を、該組織の面積の上を連続運動で通過するパルス波(PW)HIFUトランスデューサーで処置する工程を包含する。
【0036】
なお別の実施形態では、負荷平衡化アームを用いてスペース中に超音波治療ヘッドを位置決めする方法があり、この治療ヘッドは、この治療ヘッド内に吊るされたエネルギーアプリケーターのための移動コントローラーを備える。この方法は、第1に、この治療ヘッドに力を付与する工程、そして第2に、この移動コントローラーに電子的案内を提供する工程を包含する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0037】
定義
現在の論議では、本発明者らは、「処置コントローラー」を、本発明とともに用いられる医療手順の計画、調整および操作を行うデバイスとして言及する。この処置コントローラーは、コンピューターデバイスである。それは、専用の特別に構築されたコンピューターシステム、または本発明のシステムの指令および制御:すなわち、治療ヘッド、エネルギーエミッターおよび機械的アームの必要な程度までの制御:を提供するために十分なハードウェアおよびソフトウェアリソースを備えた汎用目的コンピューターである。本発明者らは、しばしば、治療計画ソフトウェア、処置コントローラー、または超音波治療を実施するためのプログラムという。これら要素の各々は、一般に、上記処置コントローラーの役割を、本発明の機能的要素または上記処置コントローラーの特定のサブユニットとして言及している。
【0038】
さらに、本発明者らは、ハードウェアまたはソフトウェアにかかわらず、構成要素間の電子信号および電力の連結のすべての形態を含むために、本明細書中で用語「電子通信」を用いている。従って、本発明者らは、電子通信として、データ、指令、コード、および/または電力の送信をいい、このような送信は、一方向、二方向、または、このような電力または情報のためのクエリーまたは指令または要求に応答するか否かによらない。パーツ間の電子の任意の意図される移動は、「電子通信」である。
【0039】
「治療ヘッド」により、本発明者らは、エネルギーアプリケーターを含むためのハウジングを意味する。このハウジングは、ハウジングのかさを最小にしてエネルギーアプリケーター上に適合されて形成されるよう特別に設計され得るか、またはハウジングは、さらなるデバイスの取り込みのためにさらなる容量も有する。このようなデバイスは、ハウジング内でエネルギーアプリケーターを移動するための小さなモーターシステム、または流体リザーバーの使用、またはさらなるセンサーを有すること、治療ヘッドの外部に位置決めされる構成要素に情報をリレーするための案内デバイスを含み得る。先の記載では、本発明者らは、用語「端部エフェクター」または「エフェクター」を「治療ヘッド」に割り当てた。用語「治療ヘッド」、「エフェクター」、「走査ヘッド」および「端部エフェクター」は、交換可能に考慮される。
【0040】
HIFUシステム説明
本発明は、身体領域へのエネルギーの付与のためのシステムである。このシステムは、3つの原則サブシステムを有している:走査ヘッド、懸垂(吊るす)デバイスおよび処置コントローラーである。この走査ヘッドは、エネルギーアプリケーターおよび流体リザーバーを含む。懸垂デバイスは、代表的には、機械的アームである。第3の構成要素は、上記走査ヘッドおよびこの走査ヘッドを吊るすための手段と電子通信する処置コントローラーである。この処置コントローラーは、上記走査ヘッドを位置決めするための案内を提供しながら、上記走査ヘッドの位置および/またはエネルギー送達をモニターするように適合されている。
【0041】
本発明のシステム10は、エネルギーアプリケーター600を含む走査ヘッド500を有する(図1を参照のこと)。このシステム10はまた、機械的アーム200のような、この走査ヘッドをスペース中に吊るすための手段を有している。この吊るす手段は、走査ヘッド50の重量の大部分を保持し、そして使用者がこの走査ヘッド500をスペース中に手動で再位置決めするか、またはこの走査ヘッドがロボットコントローラーを通じてロボットにより移動されるかのいずれかを可能にする。この吊るす手段はまた、患者の身体に対するこの走査ヘッドの位置に対応する追跡情報を提供し得る。データは、この走査ヘッド500から、それがスペースを通じて移動しているときに集められ得、この走査ヘッドの追跡情報を提供する。この走査ヘッドおよび吊るす手段に連結された処置コントローラー250もまた存在する。コンピューター400の一部であり得るこの処置コントローラーは、個々のインテリジェントデバイスである。この処置コントローラーは、使用者に、この走査ヘッドが患者の身体に対して移動すべき場所に関する案内を提供しながら、この走査ヘッドの位置およびエネルギー送達をモニターする。
【0042】
このシステム10は、必要に応じて複数のキャスター102上に取り付けられるベース100を有する。車輪ブレーキ110を用いて、このベース100をその場に固定し得る。随意のハンドル120は、ベース100を移動するために用いられ得る。このベース100は、独立のデバイスとして、またはより大きなコンピューター400の一部として、処置コントローラー250を含む。モーター232のような、随意の原動力生成デバイスがまた、このベース100中に含まれ得る。機械的アーム200は、ステム202を通じてベース100に係留される。回転接続部212はまた、回転エンコーダー222を含み得る。
【0043】
各アームセグメントは、対応する接続部214、216、218および随意のエンコーダー224、226、228を有する。アームセグメント204、206、208は、ベースから延び、そして治療ヘッド(または走査ヘッド)500を支持する。保持具260を用いて治療ヘッド500を機械的アーム200の最遠位セグメント208に連結する。さらなる接続部240、210は、治療ヘッド500または随意の表示デバイス242に追加された程度の自由度を提供する。各アームセグメント内に含まれて、治療ヘッド500をスペース中で移動するため、または治療ヘッドの重量を対抗して平衡化するために用いられる力生成デバイス234、236、238がある。
【0044】
本発明者らは、ここで、次に、サブシステムの各々を論議する。
【0045】
走査ヘッド
走査ヘッド(治療ヘッドとも呼ぶ)は、エネルギーアプリケーター、および治療手順の間にエネルギーアプリケーターの有効な作動のために必要なさらなるデバイスを含むハウジングである。複数の設計が、走査ヘッドサブシステムにおける使用のためから選択され得る。この治療ヘッドは、一般に、この治療ヘッドの底にアパーチャを備えたチャンバーを有する、反転キャップまたはベルの形態である。このチャンバーは、2つのセクションに分割され得、上部チャンバーおよび下部チャンバーを形成、それらの間にはシールがある。上部チャンバーは、エネルギーアプリケーターの操作および制御のために必要であるような電子製品およびモーター駆動ユニットを含む。下部チャンバーは、エネルギーアプリケーター、超音波と組み合わされる流体およびこのシステムの適正な作動のために必要と見なされるようなセンサーを含む。
【0046】
好ましくは、この治療ヘッドの外部設計は、使用者が、治療ヘッドを移動する間、それを片腕で保持し得るよう、またはそれを患者の皮膚表面に対して配向するように人間工学的である。この人間工学的適合は、保持および案内のためであり、重量を保持するためではない。なぜなら、この治療ヘッドは、機械的手段によって支持されることが意図されているからである。この治療ヘッド(図2)は、保持具260によって機械的アーム200に連結される。治療ヘッドの上端部から、治療ヘッド内側の構成要素を処置コントローラー250と連結するために用いられる複数の連結線531、電子コントローラー(コンピューター)400、および脱気システム7がある。これらの線は、治療ヘッド500とベースユニット100との間の電子および流体通信を維持する。
【0047】
原則実施形態では、治療ヘッドは、上部チャンバー504および下部チャンバー502を有する。これら2つのチャンバーを分離する流体密なシールがあり、そして1つ以上の通過ポートが存在し得る。通過ポートが存在する存在する場合、それらは、機械的連結520、528、電気通信線および可能には流体流れ線712のために用いられる。上部チャンバー504は、好ましくは、1対のモーター駆動ユニット508、510を含む。下部チャンバー502は、少なくとも1つのエネルギーアプリケーター600を含む。このエネルギーアプリケーターは、用いられるエネルギーの適正な形態に透明であるアパーチャ590を通じて伝達する。モーター駆動ユニットとエネルギーアプリケーターとの間には連結手段がある。さらに、モーター駆動ユニット(単数または複数)、エネルギーアプリケーターおよび流体回路を、ベース中の対応する要素(処置コントローラーおよび脱気システム7)と連結する複数のケーブルがある。
【0048】
脱気システム(図3)はベース100中にあるが、下部チャンバー502まで延びる流体回路712を有する。この流体回路は、流体ポンプ701、減圧ポンプ704、減圧チャンバー706、およびガスのための排出管726を有する。必要に応じて、この脱気システムは、流体リザーバー708、冷却器710、排出バルブ720、722のセット、ならびにバイパスバルブ724およびバイパス流体導管718を有し得る。センサー716、714もまた、回路中の流体をモニターするために用いられ得る。流体502は、トランスデューサー600を患者に支援して連結するために用いられ、そしてトランスデューサー600近傍の任意のキャビテーション効果を減少する。
【0049】
ここで、治療ヘッド500(図4A)がより詳細に示される。包囲566内には、エネルギーアプリケーター600がある。この包囲は、照射エネルギーをこの包囲から患者に照射エネルギーを通過させることを可能にする窓590を有する。治療ヘッド500は、好ましくは、医師がそれを片手で心地よく移動するに十分小さくかつ軽い。この治療ヘッド500は、医師が、治療ヘッド500の重量を持つ際に関節アーム200によって支援される場合、サイズおよび重量の両方が増加し得る。治療ヘッド500と、外部コンピューター400または処置コントローラー250との間に延びるデータリンク572が存在する。頂部または上部チャンバー564、および下部または底部チャンバー566が存在する。
【0050】
この治療ヘッド500は、ベース100によって支持される関節アーム200上に取り付けられ得る。この関節アーム200はまた、コンピューター400または処置コントローラー250によってモニターまたは制御されるその動きおよび機能を有し得る。
【0051】
好ましくは、この治療ヘッド500は、上記包囲内でエネルギーアプリケーター600を移動するためのモーター駆動508,510を含む。これらモーター駆動は、直接またはギアアセンブリ(示さず)を通じて、1対のトラベラーロッド520、528に連結される。これらトラベラーロッドは、次に、1対のスロット付アクチュエーター520’、528’を移動する。これらスロット付アクチュエーターは、これら2つのスロット付アクチュエーターの交差点にあるエネルギーアプリケーターを保持するトラベラーロッドに沿って移動する。このトラベラーロッドがモーターからの移動に応答して回転するとき、これらスロット付のアクチュエーターは、エネルギーアプリケーターを、スロット付トラベラーロッドの移動の範囲全体に運ぶ。回転エンコーダー530は、エネルギーアプリケーターの移動が正確に測定され得るように、トラベラーロッド520、528上に位置決めされる。
【0052】
別の可能な実施形態では(図4B)、これらモーター駆動ユニット508、510は、エネルギーアプリケーターに取り付けられたペレート534bに磁気により連結されているプレート534aを制御するために用いられ得る。このプレートは、モーターにより移動され、そしてエネルギーアプリケーターは応答して移動する。エネルギーアプリケーターは、磁気連結による以外は、任意の種類のトラベラーロッドまたは移動デバイスに物理的に連結されていない。エネルギーアプリケーターが、処置コントローラー250およびコンピューター400と電子通信するようにポートを通過する必要がなおある。しかし、この通過さえ、短範囲「ワイヤレス」通信デバイスを用いることにより無くされ得る。
【0053】
下部チャンバー566は、流体連痛溶液502がチャンバー中に導入され得るように、流体密である。流体は、エネルギーアプリケーターを取り囲み、そしてアプリケーターの患者への連結を提供する。好ましくは、このエネルギーアプリケーターはHIFUトランスデューサーである。この流体は、超音波エネルギーが、治療ヘッドの外部まで伝達され得るような連結を提供するために用いられる。この連結流体は、ベース100中の脱気システムと連結される1対の供給ホースを通じて下部チャンバーから出入りして循環する。HIFU放射はキャビテーションを引き起こすことが知られ、そしてキャビテーションは、超音波伝達に逆に影響するので、上記システムが作動されている間、脱気された流体を有することが所望される。従って、流体は、下部チャンバーに治療ヘッドの一方の側で入り、そして他方の側で出る。流体流れは、流体が下部チャンバーを通って1つの方向に流れるとき確立され、そしてHIFU手順の間に形成し得る任意の気泡は、チャンバー内に循環され、そして上記手順を潜在的に妨害することに代わって除去される。
【0054】
この脱気システム7は、溶液からガスを除去するために良好に確立された構成要素および手順を利用する。さらに、冷却器がこの流体を冷却するために付加され得る。冷却された流体は、流体動力学の事項として、暖かい流体よりも気泡を形成する可能性が少ない。さらに、冷却された連結流体は、治療トランスデューサー上の温度を支援して減少し、そしてHIFUトランスデューサーが、熱蓄積なくして延長された時間作動することを可能にする。この流体循環システムは、流体が、それが循環され得、そして効率的に脱気されるように比較的低粘度を有する限り、超音波連結に適切な任意の流体を用い得る。好ましい溶液は水である。
【0055】
走査ヘッドまたは治療ヘッド500はまた、下部チャンバーの外部に多くのセンサーを取り込み得る。エネルギーが通って伝達されるアパーチャが患者皮膚に対して配置される。HIFU手順の間に、種々のセンサーが用いられ得、患者表面の上の治療ヘッドの効率的な追跡を促進し、および上記デバイスの安全な作動を容易にする。この治療ヘッドはまた、それに取り込まれた触覚センサーを有し得る。この触覚センサーは、第1の制御手段を通じ、または表示もしくは警告デバイスを通じて使用者に圧力フィードバックを提供する。このセンサーは、治療ヘッドが患者身体に奏する圧力を測定し、そして使用者に、耐性フィードバック、または使用者が、治療ヘッドが手順の間に患者皮膚上に奏している圧力の量を感じることを可能にする段階的な圧力情報のいずれかを提供する。このフィードバックは、ロボットアームが患者を損傷することを防ぐために十分な触覚応答性を使用者に与えるために用いられ得る。あるいは、このロボットアームは、患者への損傷を防ぐため、または手順の間に患者の皮膚輪郭を過剰に変形することを防ぐために耐性フィードバック上に配置された安全制限を有し得る。詳細には、医療デバイスが、脂肪組織の処置のための治療トランスデューサーであるか、またはそれを含む場合、組織容量が、このトランスデューサーの焦点ゾーンが脂肪組織の容量内にもはやない程度まで過剰に圧縮または変形されないことが重要である。この脂肪容量は、(筋肉組織または骨を有する領域または表面近傍の固い組織に対して)「柔軟」であるので、それは容易に変形される。従って、上記触覚センサーは、患者皮膚上の小さな圧力でさえ応答性であるように必然的に調節される。これは、使用者に最小の組織変形でより強力な耐性フィードバックを可能にする。
【0056】
上記触覚センサーは、治療ヘッドを患者身体と接触して維持するために用いられる負荷感知デバイスと組み合わせて働く。この負荷デバイスは、ロボットアームの力発生機構、または皮膚表面と係合した治療ヘッドを維持するために治療ヘッドを通じて移送するに十分な重量を可能にしながら、治療ヘッド重量の一部に対抗するために用いられる別個の対抗平衡デバイスの一部であり得る。
【0057】
種々の追跡デバイスを用いて、治療ヘッドの位置および配向を、それが患者上を移動するとき、検出および追跡し得る。この位置情報は、記憶され、そして、所望であれば、正確なマッピング特徴に取り込まれ得る。容量計測追跡プログラムは、処置される組織に関するリアルタイム情報を提供し得る(以下を参照のこと)。
【0058】
1つの代替の実施形態では、上記走査ヘッドは、単一の流体で満たされたチャンバーのみを有する。モーターアセンブリは、(流体密なケーシング中のモーターを用いて)アセンブリ内に位置決めされるか、またはこのモーターアセンブリは治療ヘッドの外側にあるかのいずれかである。この実施形態では、モーターアセンブリは、アーム200の遠位アームセグメント208上の治療ヘッドに対向して位置決めされ得る。このモーターアセンブリは、エネルギーアプリケーター600に、駆動ケーブル、タイミングベルトまたはその他の機械的デバイスによって動きを与え得る。
【0059】
なお別の実施形態では、このモーター力は、流体駆動モーター、または流体駆動機械的ドライバーを通じて押される加圧流体によって提供され得る。この実施形態では、治療ヘッド中にすでに構築された流体力を用いて、エネルギーアプリケーターを移動するための原動力をまた提供する。
【0060】
エネルギーアプリケーターは、好ましくは、組織走査に用いられ得る1つ以上の診断超音波要素を有するHIFU超音波トランスデューサーである。この「a−ライン」スキャナーは、HIFUトランスデューサーの焦点ゾーンを見破るために中心に置かれ得るか、または焦点ゾーン近傍の組織を見るためにHIFUトランスデューサーの周囲の周りに配列され得る。このa−ラインセンサー走査は、HIFU走査の前、その間またはその後に実施され得、そして好ましくは、このa−ライン造影は、治療トランスデューサーと同時に、HIFUトランスデューサーのパルス波形態で交互的に、またはHIFU焦点ゾーンを通って、またはその周りの連続走査の形態のいずれかで行われる。エネルギーアプリケーター600は、複数の要素602、604、606によって表され、複数タイプのエネルギーアプリケーターを表し、単一のデバイスに組み合わせられ得、そして治療手順の間に協働して作動する。トランスデューサー容器640が、構成要素トランスデューサーアセンブリが用いられる場合、多くのトランスデューサー要素をその場に保持するために用いられる。
【0061】
HIFUトランスデューサーは、細胞壊死を引き起こすに十分なパラメーターの任意の範囲で作動し得る。1つの実施形態では、本発明のシステムは、1KHzまたはそれ以上のパルス反復周波数(PRF)を用いて、30MPaまでの圧力で、1〜4MHzの周波数で作動するHIFUトランスデューサーを利用する。このトランスデューサーは、患者の皮膚表面を横切って、均一方向に4〜30mm/秒の間の速度で移動される。このトランスデューサーは、手動タイプライターの復帰と同様に、1つの側に戻る。この治療線の線間隔は、1〜3mmの範囲である。
【0062】
走査ヘッドは、超音波連結剤を用いて患者に連結される。この超音波連結剤は、音響ゲル、または走査ヘッド内側の循環システムと組み合わせて用いられる連結流体であり得る。
【0063】
インライン脱気連結流体が用いられるとき、そこでは、流体が、走査ヘッドを通じて循環され、そして次に、流体が脱気または冷却され得る主要ユニットに戻る。流体は、クッションを通じるか、またはエネルギーアプリケーターを完全に浴する小リザーバー502を満たすことのいずれかにより、エネルギーアプリケーターの前を通過する。ついで、エネルギーアプリケーターは、そのエネルギーを音響窓またはその他の伝達可能な窓を通じて「送信する」。この窓は、走査ヘッドに一体化され得るか、またはそれは、使い捨てトランスデューサーシールの形態であるような付属品であり得る。
【0064】
走査ヘッドを吊るす手段
位置エンコーダーを備えたアーム
スペース中に走査ヘッドを吊るす手段の1つの実施形態は、位置エンコーダーを備えたアームである。これは、医療手順の間に負荷を保持するための設計されたアームである。このアームは、関節運動するアームを固定するためのベースを備える。この関節運動するアームは、上記ベースに移動可能な様式で固定される近位端、および遠位端を有する。このアームに取り込まれて少なくとも1つの位置エンコーダーがある。容器が、走査ヘッドを保持するためにこの遠位端に位置する。走査ヘッドが、位置エンコーダー(単数または複数)がアームの位置をリアルタイムで追跡し得るように係合されるとき、このアームを負荷平衡するための手段もまた存在する。
【0065】
1つ以上の位置エンコーダーを用いて、関節アームの移動を追跡する。これら位置エンコーダーは、好ましくは、1mmほどまたはより少ない位置変化を追跡するに十分高感度である。回転エンコーダーが好ましく、そして各個々のアームセグメントの、ベース、または別のアームセグメント、または治療ヘッドに対する移動が追跡され得るように、関節アームの接続部に含まれ得る。回転エンコーダーは、関節アームが移動されるときはいつも、アームセグメント間の度または角度変化を測定する。移動部分間の角度における変化を追跡し、そしてアームセグメントの各々の固定された長さを知ることにより、任意の接続部の位置が数学的計算を用いて決定され得る。操作ヘッドまたはその他の医療デバイスが同様にエンコーダーを有する接続部を経由して関節アームに固定される場合、接続部の角度における変化は、走査ヘッドの位置を正確に決定する際に支援する。回転エンコーダーは、アームの位置を追跡するためのおそらく最も素直な手段であるが、その他タイプのエンコーダーもまた用いられ得る。
【0066】
負荷平衡化は、受動的または能動的形態のいずれをとり得る。受動的形態では、この負荷平衡化のための手段は、使用の間に関節アーム位置における変化に対して対抗する平衡化を提供する。この機械的構造は、アームか常に十分に平衡化され、重力、アームの接続部の滑りまたはヒステリシスに起因する治療ヘッドの任意の移動を最小にする。このアームは、力を生成または維持するための公知の方法およびデバイスを含む負荷平衡化のための手段を有する。生成される力は、負荷平衡化のために用いられ、そして能動的力生成デバイス(例えば、任意の種類のモーター)または受動的力生成デバイス(例えば、ばねおよび対抗重量、または特定種類の圧力シリンダー)であり得る。この力生成デバイスまたは方法の正確な形態は特に重要ではない。なぜなら、本発明は、それらの個々の技術分野で良好に確立される力生成方法およびデバイスに依存するからである。
【0067】
上記アームは、治療ヘッドが取り付けられるとき、アームが移動する位置および角度にかかわらず、このアームを係留するために十分な重量を有する重量のあるベースに取り付けられる。従って、このアームは、重心において最大シフトを引き起こすその最大伸張および角度で存在し得るが、しかし、上記ベースは、アームが不安定に踏み込まないか、または不安定にならないように十分重量があるか、または係留される。アームをベースに取り付けるために用いられる接続部は、アームのベースに対する回転移動、および/またはアームのベースに対する上方への傾きおよび下方への傾きを可能にする。ベースとアームの近位端との間の接続部は、受動的または能動的力生成デバイス(単数または複数)の形態の負荷平衡化デバイスを含む。
【0068】
アームは、2つ以上のセグメントを備え、そして負荷平衡化機構が、独立(各セグメントがアームの他のセグメントに対して自己平衡化している)、または従属(各セグメントが1つ以上の隣接するセグメントと組み合わせて平衡化する)いずれかで各セグメント間で用いられる。最遠位のアームセグメントのための負荷平衡化はまた、治療ヘッドおよびそれが医療手順の間に生成し得る任意の位置変化を調節しなければならない。負荷平衡化特徴を維持するために、アームの遠位端に取り付けられた治療ヘッドの重量が、負荷平衡化手段の補償能力を超えてはならないことは、それ自身明確である。同様に、アーム自身の移動の範囲は、アームが非平衡になることを防ぐように制限されるべきである。この負荷平衡化機構は、治療ヘッドがベースから水平平面に離れて延びるとき(最も平衡化していない形態)、治療ヘッドの負荷および重心の変化の両方を補償すべきである。好ましくは、この負荷平衡化機構はまた、アームの移動にともない得る任意のヒステリシスを補償する。従って、負荷平衡化機構の能力が大きくなるほど、関節アーム上で許可され得る移動の範囲はより大きくなる。位置を決定するためにアームのエンコーダーを用い、治療ヘッドの重量に依存してアームの移動の範囲を制御することが可能である。この治療ヘッド自身が、アームによって読み取られ得るデータチップの形態で関節アームにデータを提供し得る。このデータチップは、エフェクターまたは治療ヘッドの重量、およびその動作設計に関する情報を含み得る。すなわち、新たな治療ヘッドがアームの遠位端に取り付けられる毎に、アームの移動コントローラーは「利口」であり、そして移動のどの範囲が許されるのかを見積もり得る。従って、移動制限または「停止」の範囲が、電子的に制御され得る場合には、負荷平衡化デバイスを、または移動の範囲が受容可能な限界に接近しているとき警告を発し得るコントローラーのいずれかを用いてアーム上で実行され得る。このような警告は、音響トーン、警告光、または使用者に容易に通信されるその他の信号であり得る。あるいは、機械的停止が、手動または自動いずれかで設定され得、医療手順の開始前に平衡化範囲を超えるアームの移動を物理的に阻害する。
【0069】
エンコーダーによって生成されるデータは、コントローラーにリレーされる。このコントローラーは、位置追跡デバイスまたは閉鎖ループ制御機構を備えた装置を提供するために用いられるコンピューターデバイスである。受動的モードでは、このコントローラーは、関節アームに能動的な力を提供せず、その代わりに、それは、使用者に、アームが移動されるべき、または移動されるべきではない場合に関する信号を提供する。
【0070】
この受動的モードでは、この負荷平衡化手段は、アームにおける移動が、重量および/またはばねの位置における、または所望であればアーム自身における対応する変化を生成するように、関節アームとインラインで稼動する単なる重量およびばねであり得る。例として4つの棒のアームを思い浮かべ得る。独立の受動的負荷平衡化機構の使用が好ましい。このようにして、各アームセグメントは、アームが移動されるとき、すべてのその他のアームセグメントとともに同時に平衡化する。
【0071】
従属受動的モードでは、一連のばねまたは重量が再び用いられ得るが、しかし、圧力がアーム(または治療ヘッド)の遠位端に付与されるとき、またはトリガー機構の起動に応答して弛緩するよう設計された、一連のガス、水力モーターまたは空気力モーターを用いることがより効率的であろう。これらの受動的な力生成デバイスからの圧力または力が、一旦、アームが所望の位置に手動で配置されると、再確立される。アームセグメントに対する圧力または力は、アームが、操作者が据付圧力または力を解放するまで再び移動することを防ぐ。
【0072】
なお別の実施形態では、能動的負荷平衡化機構が、任意の種類の能動的な力生成デバイス(空気/水力シリンダーまたは空気力モーター)を用いて用いられ得る。これらは、ロボットドライバーを通じて使用者によって提供される指令を基に、独立に、または従属していずれかで作動し得る。この能動的な負荷平衡化機構に対する利点は、関節アームが、治療ヘッドを所望の位置に残しながら、手順の間にアームの位置決めを自動的に補償し得る方法である。例えば、使用者が、患者身体局所輪郭に一致するために治療ヘッドの回転、ピッチまたは片揺れを変化すことを望むとき、これは、走査ヘッドをアームの遠位端連結するために用いられる接続部内で治療ヘッドを移動することによりなされ得る。この走査ヘッドの配向における変化は、走査ヘッドのサイズおよび重量に依存して関節アームの平衡に微細なまたは有意な変化を生じ得る。能動的負荷平衡化機構を用い、ロボットドライバーは、アームの遠位端の位置を変化することなく、走査ヘッド配向における変化を調節し得る。
【0073】
本発明の位置エンコーダーは、アームそれ自身中に取り込まれて含められる機械的または光学的エンコーダーであり得るか、または、それは、アームの外部で用いられる1つ以上のフィードバックデバイスであり得る。このエンコーダーの代替の実施形態は、アームが移動するとき、その位置を追跡するための1つ以上の光学的デバイスを用いることを含む。アームは、センサーが容易に識別し、そして追跡し得る複数の光学的に読み取り可能なタグを取り込み得る。別の代替物は、近位端の先端部における単一のRFトランスミッター、およびベース中、または外部で固定された位置にあるRFレシーバーであり得る。RFデータは、コントローラーが上記遠位端の移動を追跡すること、そしてエフェクターが位置決めされる場所を知ることを可能にし得る。このような実施形態、および任意の等価物は、好ましい実施形態として考慮されないが、本開示の範囲内になお十分ある。
【0074】
コントローラーは、エンコーダーからのデータを受容し、そして治療ヘッドの位置を算出するソフトウェアアプリケーションまたはハードウェアデバイス(またはこの2つの組み合わせ)であり得る。このコントローラーはまた、この装置の各個々のセグメントの位置を算出し得、そしてこの装置のスペース中の位置をマップする。これらエンコーダーは、コントローラーと電子通信しているので、治療ヘッドがある場所を知るためのデータは、本質的にリアルタイムである。このデータのコンピューター処理の遅れは、使用者が検出するには僅かで、かつ小さすぎる間隔である。医療手順を行う経過中でさえ、本発明を用いて任意の認知可能なまたは作動可能な遅延に遭遇し得る、医師によって現在手動で行われる手順はない。
【0075】
装置のスペース中の位置を算出することに加え、コントローラーは、装置の任意の作動された制御構成要素に対するロボットコントローラーとして作用することにより、アームに移動情報を提供し得る。このコントローラーはまた、外部供給からのデータを受容し得るか、またはデータファイルからの情報を読み取り得る。このようにして、コントローラーは、使用者または別のコンピューターからのリアルタイム指令に追従するか、または治療ヘッドが追従しなければならないマップまたは一連の移動指令を提供するデータファイルを読むためのロボットコントローラーとして作用し得る。さらに、治療ヘッドが特定の座標で正確な起動を必要とする場合、コントローラーは、これらの操作を同様に取り扱い得る。
【0076】
遠位端は、それに取り付けられた治療ヘッドを有する。この取り付けは固定されなければならないが、また、この治療ヘッドが手順の間に除去され得るか、または異なる手順について交換可能であり得るように離脱可能であるべきである。治療ヘッドと関節アームの遠位端との間の移動の範囲は、治療ヘッドを関節アームに連結する接続部中の回転エンコーダーを用いて同様に決定され得る。治療ヘッドと関節アームとの間の接続部は、複数の回転接続部、または治療ヘッドのより大きな移動度を可能にするボール接続部を有し得る。各接続部中のエンコーダー、または三次元接続部中の角度における変化を正確に測り得るエンコーダーは、治療ヘッドの正確な位置を決定するために必要な情報を提供する。同様に、一旦、ベースからの角度および距離が測定されると、ベースから遠位端に行く連鎖における最後のエンコーダーから、特定の医療デバイスの長さのような任意のさらなる情報を含めることは単純な事項であり、そしてそれ故、エフェクターまたは治療ヘッドの正確な三次元座標位置を決定する。
【0077】
あるいは、ロボット関節アームは、上記と同じ指針に従って構築され得るか、またはそれは、大きなデバイスであり得る。ここで再び、ベースは、床もしくは壁、またはテーブルトップに係留される。用いられる医療デバイスの手順およびタイプは、ロボット関節アームのサイズを決定する。より頑健な支持構造を必要とする医療デバイスは、ベース中に取り込まれたより大きな負荷支持能力、およびより大きな安定性因子を自然に要求し得る。より小さなデバイスは、携帯可能またはクランプまたは類似の手段を用いてテーブルトップに係留可能であり得るアームを用い得る。
【0078】
位置エンコーダーのない負荷平衡化アーム
先に記載された負荷平衡化アームと同様に、治療ヘッドは、位置エンコーダーの利点なくして負荷平衡化またはロボットアームから、スペース中で吊るされ得る。アームの手動の改変物が本明細書で記載され、ここでは、アームは、位置感知および追跡能力なくして、先に記載の負荷支持能力を提供する。このようなアームは、製造および産生することがより容易で、そして維持することがより容易である両方であるが、しかし、それは、先の実施形態の正確さを欠く。
【0079】
位置エンコーダーなしのアームは、負荷支持デバイスとして主に用いられ得、使用者が治療ヘッドの重量を支持することを軽減する。しかし、使用者は、走査ヘッドが先に処置した領域の追跡を同時に維持しながら、治療ヘッドを移動し、そして位置決めするための責任を引き受けなければならない。図6に示されるアームは、先に記載の多くの要素を共有する。アーム200は、ベース100および複数のアームセグメント204、206、208を有する。このアーム200は、プラットホーム202を経由してベース100に固定され、そして移動されるとき、アームの位置を維持するための張力デバイス234、236、238を有する。治療ヘッド500は、遠位アームセグメント208に対して旋回し得る保持具260中に静止される。使用者は、アームの位置を制御手段として治療ヘッドを用いることにより操作し得る。使用者は、治療ヘッドを握り得、そしてこの治療ヘッドを、アームが治療ヘッドの重量を支持し、そして使用者がそれを所望するいずれの場所に位置決めして維持しながら、スペース中に移動する。この実施形態では、アームは、処置コントローラーを通じて提供され得る任意の位置に従って治療ヘッドの位置を矯正する能力を欠いている。その代わりに、使用者は、適正な位置決めを維持しなければならない。あるいは、治療ヘッド500の主要な負荷を担うアームセグメント1の1つは、力生成デバイス238に代わって対抗平衡238’を用い得る。
【0080】
この実施形態では、ロボット力生成デバイスは、張力生成デバイスで置き換えられる。これらは、接続部の滑り、ヒステリシスおよび重力を克服するために十分な抵抗性を提供するが、使用者が治療ヘッドを移動するために力を付与するときのような、さらなる力の付与に従順である。一旦、付加された力が開放されると、張力デバイスは、治療ヘッドの位置を維持する。
【0081】
アームのための案内システム
ロボットアーム上に位置決めされた治療デバイスのための案内システムは、好ましくは、協働して働く2つの構成要素から作製される。第1の制御手段は、ロボットアームの移動を制御することにより、治療デバイスに対して「マクロ」レベルの制御を提供する。第2の制御手段は、治療ヘッド内の医療デバイスに対し「ミクロ」レベルの制御を提供する。
【0082】
ロボットアームの指令および制御は、第1の制御手段(図5)によって提供される。示されるシステムは、先に記載のと同じ要素を有するが、遠位アームセグメント208上に取り付けられたコンピューター用入力デバイス244が付加されている。随意のスリップ接続部216’もまたある(図7)。第1の制御手段は、ロボットアームのモーターまたはその他の力生成手段に移動指示を提供する。このロボットアームに対する移動指示に加え、第1の制御手段はまた、視覚表示242を通じて使用者に仮想の位置情報を提供し得る。
【0083】
この第1の制御手段は、ロボットアームの移動を案内し得る種々の異なるデバイスであり得る。第1の制御手段の第1の実施形態では、コンピューター入力デバイスを用いて
治療ヘッドの仮想位置決め、およびロボットアームに対する移動指令の両方を提供し得る。このコンピューター入力デバイスは、コンピュータースクリーン上のポインタ(カーソル)に移動指令を提供するために通常用いられる任意のクラスの入力デバイスであり得る。これらは、一般に、マウス、タブレットデバイスまたはトラックボールのような二次元入力デバイスである。さらに、三次元入力デバイスが、コンピュータースクリーン上の三次元視覚フレーム中の仮想的位置決めを提供するために用いられ得る。このようなデバイスは、一般に、ジョイスティック、D−コントローラーなどに例示される。最後に、仮想的環境における移動に関する真の自由度は、コンピューター支援設計(CAD)適用で一般に用いられる「スペースボール」入力デバイスのような、6の自由度(DOF)のデバイスによって提供され得る。この第1の制御手段として用いられる入力デバイスは、規格品のコンピューター入力デバイスであり得るか、またはロボットアームと作動するように特別に設計されたデバイスであり得る。この第1の制御手段のために用いられるデバイスは交換可能であり得、使用者の選択または医療手順要求に依存して、同じロボットアームが用いられるときでさえ、異なる入力デバイスが手順毎に用いられ得る。
【0084】
ロボットアームおよび入力デバイスが同じDOFを有することが好ましいけれども、それは必須ではない。第1の制御手段のために用いられる入力デバイスは、交換可能であり得る。すなわち、この入力デバイスは、ロボットアームに永久的またはそれに固定して取り付けられるかのいずれかである必要性は必ずしもない。この入力デバイスは、コンピューター入力デバイスのために一般に用いられるようなコンピューター連結インターフェースを通じて連結し得る。従って、1つの入力デバイスは、3つのDOFを有し得るが、別のデバイスは、6つのDOFを有し、なお両方が、共通のインターフェースポートを通じてロボットアームを指令および制御するように適合可能である。理想的には、このロボットアームは、治療ヘッドを通じて6つのDOFを有し、そしてこの6つのDOFが、患者または使用者のような医療手順の間に存在するその他の目的物を物理的に妨害することなく治療ヘッドに運搬されることを可能にするに十分な移動度および伸展を有する。
【0085】
この入力デバイスの移動は、コンピューター入力デバイスが、コンピュータースクリーン上に表示されるべきカーソルまたはその他の仮想的目的物のための仮想的位置情報を生成するのと同じ方法で移動指示を生成する。しかし、この入力デバイスによって提供される仮想的移動および位置情報に加え、この位置情報はまた、ロボットアームを制御するために用いられるモーターまたは力生成デバイスのための実際の移動指令に変えられる。このようにして、コンピューター入力デバイスの使用は、使用者が潜在的に重くそして厄介な医療デバイスを、コンピューター入力デバイスを作動するために必要であるより多くない努力で操作することを可能にする。(I−ビームまたはカーソル矢印のような)固定された配向であるいくつかのコンピューター入力デバイスとは異なり、本明細書中で記載された入力デバイスのためのコンピュータースクリーン上に表示されたカーソルの配向は、好ましくは、医療デバイスの既知の配向に対応する。例えば、カーソル矢印は、医療デバイスがエネルギーを発するのと同じ方向を、または反対の方向を示し得る。従って、仮想的環境における入力デバイスの移動、およびカーソルの配向における変化は、医療デバイスまたは治療ヘッドの位置および配向における対応する変化を生じる。
【0086】
通常のコンピューター入力デバイスと同様に、本発明のシステムとともに用いられる入力デバイスは、システムの特定の作動可能な要素に対応するようプログラムされ得るそれらの上のボタンまたはスクロールホイールまたはその他のアクチュエーターを有し得る。例えば、この入力デバイス上のボタンは、ロボットアームのモーターのオンまたはオフ間を変えるトグル動作するために用いられ得、この医療デバイスが、治療処置を実施するよう、または特定のセンサーデータを刷新するよういずれかに能動化する。
【0087】
本開示の入力デバイスの適用における、このようなデバイスの一般的適用との重要な差異は、このような入力デバイスの再位置決めする局面である。コンピューター入力デバイスが使用者の人間工学的願望のために容易に再配置され得ることは、恐らく共通の知識である。例えば、マウスまたはジョイスティックは、マウスポインター、I−ビームなどの仮想的位置がそこに残りながらピックアップおよび移動され得る。このコンピューター入力デバイスのこの利点は、特定の制限内のロボットアームのための第1の制御手段として用いられる入力デバイスに適合され得る。
【0088】
この利点は、治療ヘッド、医療デバイスまたはロボットアームの移動がまた、入力デバイスが再配置されている間に中断されるロボットアームの制御に移され得る。しかし、この利点は、入力デバイスが、患者に対する治療ヘッド、医療デバイスまたはロボットアームの実際の配置(以下を参照のこと)、または患者身体に対する治療ヘッド、医療デバイスまたはロボットアームの位置の代表的描写のいずれかである経路にわたって追跡するために用いられている場合には、移されることはできない。
【0089】
代表的配置は、実際の皮膚表面の代わりに用いられるべき患者の皮膚表面のマップまたはモデルのいずれかを含む。追跡システムの1つの代替の実施形態では、患者皮膚表面のマップが、投影イメージおよびカメラを用いて作成され得る。プロジェクターが、規則的に間隔を置いた格子線または格子矩形のイメージを患者身体上に投影する。これらの線はテンプレートから投影され、このテンプレートは、既知の線の間隔を有している。この線の間隔は、各線の間の間隔が既知である限り、規則的または不規則であり得る。この投影された線イメージは、患者表面上に当たり、そこで、それは、この投影線から離れた角度でカメラによって検出され得る。このカメラは、これら線間の距離を読み取り、直角三角形の一側面について第2の距離値を生成する。従って、単純な三角法を用い、線間の標高距離が決定され得る。
【0090】
追跡システムは、投影されたマップの二次元イメージを追従し得、ここで、傾斜表面上の実際の距離は、直接測定よりはむしろ数学的計算によって決定される。このようにして、この二次元マップは、距離および傾斜の良好な近似を提供し、そして超音波システムがより長い(より短い)傾斜距離に適合することを可能にし、そして適切なレベルのエネルギーを伝達する。
【0091】
同様に、追跡システムの別の実施形態では、患者の三次元表示が用いられ得る。この三次元表示は、実際の患者の身体に由来する、輪郭のあるダミー、または外観であり得る。この三次元は、それが所望の処置領域を包含するに十分大きく、そして実際の患者身体上を追跡するトランスデューサーの焦点ゾーンが、処置されるべきではない筋肉組織またはその他の組織中に投影しないように十分正確である限り、大きくまたは正確である必要はない。
【0092】
これらの追跡システム実施形態のいずれにおいても、実際の治療デバイスが所望されない脂肪組織のみを処置することを継続する、患者皮膚表面のための代用物を用いるモデルまたは追跡システム中で十分な正確さを維持することが、所望および有益の両方であることを認識するべきである。造影またはa−ライントランスデューサーは、治療が、治療セッションの間に脂肪組織に厳密に適用されることを確実にするために用いられる。これは、脂肪組織のリアルタイムの検出を可能にし、そして造影センサーが非脂肪組織を検出する場合に、システムがシャットオフ、またはシャットダウンされるための検出手段を提供する。たとえ使用者が、治療ヘッドが適正な脂肪組織ゾーンの上にあると感じるときでさえ、デバイス自身が安全性バックアップを有している。
【0093】
実際の配置状況では、入力デバイスの再位置決めは、入力デバイスの再位置決めは、医療デバイス、治療ヘッドまたはロボットアームの配置における直接変化に対応し得ることを除いて、同様に、上記と同じ理由のために所望されない。
【0094】
第1の制御手段として用いられるコンピューター入力デバイスは、ロボットアーム上に直接取り付けられ得る。好ましくは、6つのDOFを有する入力デバイスがこの場合に取り付けられ得、そして治療ヘッドの実質的近傍に配置される。使用者は、この入力デバイスを、(ジョイスティックまたはスペースボールのような)この入力デバイスを手動で操作すること、およびロボットアームの動きに変えられるこの入力デバイスの移動指令を見ることによって操作し得る。使用者は、従って、ロボットアームの制御および案内が影響し、そしてロボットアームの移動の仮想的表示を有するディスプレイスクリーンを調べる必要性なしに、治療ヘッドの角度および再配置のための決定をなし得る限り、「ループ中」にある。使用者は、使用者がロボットアームの制御ループにある間、すべての6つのDOFにある治療ヘッドの位置決めに対する調節をなし得る。
【0095】
視覚表示デバイス242は、使用者が表示デバイス242をなお見ながら、治療ヘッド500を操作し得るようにロボットアーム上に取り付けられ得る。このようにして使用者は、医療デバイス、治療ヘッドまたはロボットアームの移動を案内するために入力デバイスを同時に用いながら、この表示上のセンサー情報およびデータを高め得る。センサー(単数または複数)によって提供されるデータは、スクリーン上に表示され、そして使用者が入力デバイスを操作し、システムを案内するために必要な情報を集めるためにいくつかの異なる方向で見ることを強要されることなく、医療デバイスまたは治療ヘッドの有効性および安全性を最大にすることを可能にする。
【0096】
代替の実施形態では、第1の制御手段は、患者身体上に配置される案内リング267であり得る(図6)。この実施形態では、案内リング267は、標的するデータを提供し、そしてロボットアーム200中、または治療ヘッド500中(または両者における要素を有する)いずれかに取り込まれた追跡システムがある。例示の目的のために、この案内システムは、ロボットアーム200上のエミッター256から光を発する光学的追跡デバイスであり得る。光は、案内リング上の反射体258から反射される。反射された光は、治療ヘッド500の周りに位置決めされた光学的検出器262が読み取り得るパターンまたは配向を形成する。光学的センサー262は、従って、案内リング267の中心がどこかを決定し得、そしてロボットアームに、このロボットアームが移動して標的リング内で治療ヘッドを中心に維持するように移動および配向指令指示を提供する。
【0097】
この標的リングは、中央が透明であるか、またはアパーチャを有するかのいずれかである。このアパーチャまたは透明材料は、医療デバイスが発し得る任意のエネルギーを、またはこの医療デバイス中に取り込まれ得るセンサーを有意に妨害してはならない。このリングは、患者身体に対して配置されるとき、患者の輪郭に一致するように柔軟な材料から作製され得るか、またはそれは、使用者および/またはコントローラーのための参照の決定的な平面を提供するように剛直性であり得る。システムの使用者は、トラッキングシテムが標的リング中の移動および角度の変化を追跡しながら、患者身体の表面に沿って標的リングを手動で移動し得る。このトラッキングシステムは、ロボットアームに適切な指令および制御情報を提供し、そして治療ヘッドは、医療デバイスが、標的リングおよび医療デバイスが標的リングのほぼ平面に垂直であるような角度内で可能な限り中心に多く残るように移動される。
【0098】
あるいは、使用者は、標的リングを患者上に単一場所で配置し得、そしてミクロコントローラー(第2の制御手段)が案内リングの中央内の領域を処置することを可能にする。
【0099】
この標的リングは、患者身体上を円滑に滑るために適合された1つの側面を有して製造され得る。それは、デバイスの摩擦をそれが患者上を移動するとき減少するようシリコンまたはポリマー材料で処理され得る。追跡システムに面する(患者身体から離れて面する)側面は、その上に十分な視覚手掛かり、またはマーカーを有し、非対称的な反射または屈折イメージを生成する。このようにして、追跡システムは、面する方向を決定し得、そして医療デバイスまたは治療ヘッドがすべの時間適正に配向されるように標的リングの回転に適合するように回転する。
【0100】
この標的リング267は、ワイヤを用いることにより治療ヘッド500に物理的に接続され得るか、または同様に歪みゲージ264を治療ヘッドの周囲の周りに、そして標的リングに連結し得る(図5A〜B)。患者身体上の標的リング267の移動は、電子的コントローラー400、250が検出し得るワイヤまたは歪みゲージ264中の歪みを生成し、そして対応してこの歪みを減少するために応答して治療ヘッド500を移動する。このようにして、治療ヘッドは、物理的連結を用いて標的リングに追従し得る。あるいは、この治療ヘッドは、同様の磁場を有する標的リングを備えた磁気コイルを有し得る。電磁場の強度または電荷における変化は、システムが、標的リングの移動および方向を検出することを可能にし、そしてそれ故、応答して治療ヘッドを移動することにより補償する。
【0101】
あるいは、追跡システムは、患者身体上にトレースまたは押印された検出可能な経路に追従するようにされ得る。この実施形態では、使用者または操作者は、治療ヘッドを患者身体上に設定し得る(物理的接触、または患者身体に緊密に近接してのいずれか)。追跡システムは、従って、第1の制御手段として供され、そして患者身体上の経路を自動的に追従する。第2の制御手段は、治療ヘッドが患者身体上の経路を追跡している間、医療デバイスの位置のミクロ制御を提供するように制御し得る入力デバイスであり得る。あるいは、電子的コントローラーまたは処置コントローラーは、治療ヘッドまたは医療デバイスを移動または揺動するための第2の入力デバイスとして供されるプログラムを有し得る。この移動または揺動は、追跡デバイスが作動している間にトランスデューサーが焦点合わせされた患者皮膚の下の領域を掃引し得る「ゆらぎ」様効果として供され得る。
【0102】
標準が、追跡システムが追従するために患者皮膚上に配置され得る。電子的コントローラーが、別個の標準によって規定された表面領域上を追跡するために、プログラムまたは指定された応答を有する場合、追跡システムが追従するために患者身体上に経路が引かれる必要は必ずしもない。この場合、第1の制御手段は、ロボットアームおよび治療ヘッドを標準マーカーによって規定される領域内の位置にもたらすために用いられ得る。第2の制御手段が、次いで、そのプログラムパラメーターに従って、標準マーカー内に治療ヘッドを引継ぎかつ移動する。医療デバイスまたは治療ヘッドの移動を案内するソフトウェアプログラムは、第2の制御手段になる。処置されるべき表面領域が大きい場合、この第1および第2の制御手段は、同時に協働的に作動し得る。すなわち、使用者は、第2の制御手段が、規定された処置領域内の医療デバイスの移動を取り扱うとき、治療プログラムが作動しながら、ロボットアームを案内し得る。
【0103】
なお別の実施形態は、追跡システムを、入力デバイスと、使用者が、ロボットアーム、治療ヘッドおよび医療デバイスを手動で取り扱うために入力デバイスを用い、患者身体上で追跡される経路を追跡するように組み合わせる。ここで再び、第2の制御手段は、ロボットアームが患者身体上の経路を追跡するとき、治療ヘッドの移動に人工的なゆらぎを提供する自動化経路調節指示であり得る。
【0104】
なお別の実施形態は、コンピューター入力デバイスに類似の設計ではあるが、構築の間にロボットアームに取り込まれる特製の入力デバイスの使用を要求する。この実施形態では、制御手段は、治療ヘッドの実質的近傍のロボットアームの遠位端に組み込まれる。この組み込まれた第1の制御手段は、光学的追跡要素、歪みゲージ、力およびトルクコンバーターなどのようなコンピューター入力デバイスのものに類似の技術を利用する。しかし、この入力デバイスは、アームと同じDOFを有して構築され、そしてそれは、使用者の使用の容易さのために位置決めされる。
【0105】
第2の制御手段は、治療ヘッド内の医療デバイスの移動指令および制御を提供する。この第2の制御手段は、治療ヘッドがミクロモーターアセンブリ、または治療ヘッド自身内の医療デバイスの移動のためのその他の力生成手段を有する場所で用いられる。このようにして、ロボットアームは、治療ヘッドを、患者身体に対して所望の位置または配置に移動するために指令され得、そして第2の制御手段は、医療デバイスの正確な配置のために用いられ得る。従って、第1の制御手段は、「マクロ」レベルの制御を提供し、その一方、第2の制御手段は、「ミクロ」レベルの制御を提供する。
【0106】
あるいは、第2の制御手段は、治療ヘッド内でミクロモーターアセンブリに移動指示を提供するソフトウェアプログラムであり得る。従って、医療手順の間の医療デバイスの正確な配置は、自動化システムにされ得る。これは、これらシステムが、予め確立されたパラメーターに応答するか、またはリアルタイムセンサーデータに応答するかのいずれかで、正確な時間間隔の間に、正確な配置に医療デバイスを配置することを可能にする。
【0107】
第2の制御手段の別の代替の実施形態では、自動操縦変動または「ゆらぎ」が、第1の制御手段からロボットアームまでリレーされる移動指示に取り込まれ得る。このようにして、第1の制御手段はなお、「マクロ」レベルの移動指令を提供するが、自動変動は、第1の制御手段から受ける移動指示の直接変換を通じて開始、または履行されることはできない特定の「ミクロ」レベルの移動を提供する。
【0108】
なお別の実施形態では、第1の制御手段として用いられる入力デバイスは、マクロ案内モードとミクロ案内モードとの間でスイッチされ得る。スイッチがこれら2つのモードの間をトグルするために用いられ得、使用者が単一の入力デバイスと相互作用し、そして利用可能な第1および第2の制御手段の両方を有することを可能にする。操作において、使用者は、入力デバイスを第1の制御手段として用い得、ロボットアームのマクロ位置決めおよび治療ヘッドまたは医療デバイスの配置を提供する。一旦、マクロレベル案内によって最良に決定され得るように、治療ヘッドが処置されるべき領域の近傍にあると、使用者は、制御のミクロレベルにトグルし得る。ここで、入力デバイスは、治療ヘッド内の医療デバイスの微細制御のための第2の制御手段になる。あるいは、ロボットアームのために用いられる主要な力生成手段に取り付けられた微細なモーター制御が、同じ力生成デバイスを用いながら、ミクロレベルの制御を提供し得る。これは、光学顕微鏡に関して見出される粗および微細焦点に類似している。ロボットアームのモーター用法における適用は、通常ギアに対する微細メッシュギア、または粗い力生成要素に対する微細力生成要素を制御することの1つであり得る。
【0109】
ロボットアームはまた、それに構築された位置エンコーダーまたは移動エンコーダーを有し得る。エンコーダーは、システムの使用の間に、治療デバイスの位置、および各アームセグメントの移動を追跡するために用いられる。ロボットアームが教示モードを有することが好適であり得る。この教示モードは、操作者によって、所望のセットの移動操作を通じてアームを手動で案内するために用いられ得る。電子的コントローラーは、アームの移動を「観察し」得、そして開始位置、最終位置、およびこの開始位置および最終位置の間でとる経路を記憶する。運動は、この電子的コントローラーによって記憶され得、そして移動指示を呼び戻すことによって所望されてしばしば繰り返される。複数の移動経路が、所望であれば、コンピューターメモリ中に記憶され得る。
【0110】
入力デバイスがアームに取り付けられる実施形態では、スリップ接続部(図7)がアーム中に取り込まれ得、ロボットアームの移動位置に影響することから入力デバイスに対して用いられる過剰の力またはトルクの特定量を支援して隔離する。このスリップ接続部は、過剰の力を支援して吸収または減少するよう設計されている。例えば、回転力が、入力デバイス上で消費され、治療ヘッドがその軸回転を変化するようにし得る。使用者が、大き過ぎる力を奏する場合、入力デバイスが物理的または人工的ストップまで押され得る。この時点で過剰の回転力が、スリップ接続部で消費され得る。入力デバイスの回転軸は、二重リングベアリングアセンブリ2163中に取り付けられ得る。一旦、入力デバイスがそのストップに到達すると、さらなる力が、閾値力レベルを克服し、そしてプラットホームを二重ベアリングリング内でスピンさせる。従って、無関係な回転力は、無害に消費される。このスリップ接続部は、入力デバイスから電子的コントローラーまで通信されるデータ情報のための貫通を必然的有する。このスリップ接続部はまた、アームへの、または入力デバイスから治療ヘッドへの任意の物理的連結のための貫通として供される物理的アパーチャを含む。
【0111】
二重ベアリングリング2163に加え、このスリップ接続部は、力が、アームを所望されない力から隔離するように吸収され得るさらなる軸を含み得る。この様式では、複数平面中の回転力およびトルク力が鎮められ得、ロボットアームの正確度を保護する。入力デバイスが吸収し得る最大の力を超え、そしてスリップ接続部によって中和されない力は、ロボットアームによって制限され得る。このロボットアームは、外部の力(入力デバイスから受容される指示からもたらされない力)を感知し得、そして反対の力を付与することによりそれらを補償する。この「自らの位置を保つこと」は、使用者が入力デバイスを攻撃的に取り扱い、治療ヘッドを適正に試み、かつ位置決めする曲がりくねった環境で有用であり得る。
【0112】
第1の制御手段のDOFは、ロボット的である要素と、手動である要素に分離され得る。ロボットアームは、任意の数のDOFで構築され得、その一方、治療ヘッドは、残りの必要なDOFについて手動で調節される。例えば、ロボットアームが3つのDOFで構築され、そして第1の入力デバイスが3つのDOFを有するコンピューター入力デバイスである場合、そのときは、治療ヘッドは、接続部上に取り付けられ得、ロボットアームによって提供されない3つのさらなるDOFを可能にする。追跡システムは、医療デバイスの位置をなお追従し、視覚表示および医療手順追跡目的の両方のための単一の空間的位置に手動DOF要素および医療DOF要素の両方をコンパイルする。このようなシステムは、入力デバイスに軸方向に取り付けられる治療ヘッドを有し得、ここで、ロボットアームは、入力デバイスを通じて調節され得、その一方、治療ヘッドは、同時に手動で「狙われ」得る。
【0113】
制御手段への手動付加の使用は、第1の制御手段または第2の制御手段のいずれかの構成要素であり得ることに注目のこと。治療ヘッドが、この治療ヘッド内の医療デバイスの移動のためにミクロ位置モーターを有する場合、治療ヘッドのDOFへの手動の寄与は、第1の制御手段の構成要素であり得る。この場合における第1の構成要素は、ロボットアームの指令および制御であり得る。ここで、使用者は、入力デバイスとして治療ヘッド自体を用い得、治療ヘッドおよびロボットアームを操縦する。このミクロ位置制御は、処置コントローラーまたは電子的コントローラーで残り得、そしてエネルギーエミッターを治療ヘッド内に移動する。あるいは、医療デバイスが治療ヘッド内に固定される場合、そのときは、DOFへの手動の寄与は、第2の制御手段に寄与し得、その一方、ロボットアームの指令および制御は、第1の制御手段に専ら残る。ここで、手動位置決めは、ロボット経路または人為的に誘導されたゆらぎへの自動調節を生じる。
【0114】
第1の入力デバイスが治療ヘッドに緊密に近接して位置決めされる必要はない。第1および第2の制御デバイスは、治療ヘッドからさらに離れて位置決めされ得る。例えば、ロボットアームおよび治療ヘッドが遠隔で操作されることが意図される場合、そのときは、これら制御手段は、患者身体の上の治療ヘッドの移動の視覚的または仮想的表示後、使用者とともに遠隔コンピューターの近傍に位置決めされる。この代替の実施形態は、医師が患者身体に緊密に近接していることが所望されない通常でない医療手順に指定される。
【0115】
関節アームの移動手段またはモーターは、アームが、患者または操作者に害を引き起こし得る移動がないように速度制限を有するべきである。移動コントローラーは、従って、端部エフェクター再位置決めのみならず、アームの任意の単一のセグメントがスペースを通って移動し得る速度の両方の速度を制御し得、それ故、操作者または観察者が知らないで捕らわれる可能性を避けるか、または少なくとも減少する。
【0116】
必要に応じて、表示デバイス242は、アーム208の遠位端近傍に位置決めされ得、医療手順の間に使用者に視覚フィードバックおよび情報表示を提供する。
【0117】
処置コントローラー
電子的コントローラーは、システムの種々の要素の機能を調整するために用いられる。この電子的コントローラーは、1つ以上のコンピューター、または本システムとの使用のために適合されたその他の専用の電子的デバイスであり得る。この電子的コントローラーは、第1の制御手段(それが、コンピューター入力デバイス、案内リングまたは追跡システム入力情報であるか否かにかかわらず)から入力情報を受容する。この電子的コントローラーは、次に、入力情報をロボットアームのための移動指示に変換する。第2のデータ経路が履行され得、これはまた、表示デバイス上で表されるべき仮想的視覚目的物を提供する。移動のデータストリームおよび表示データ経路は、移動およびシステムの移動の視覚表示が正確に一致するように適正に相関しなければならない。
【0118】
電子的コントローラーはまた、第2の制御手段の入力を調整しなければならない。第2の制御手段が、第1の制御手段と同時に作動する場合、そのときは、電子的コントローラーは、医療デバイスが患者身体の処置領域の上を、実施される医療手順に従う様式で通過するように、それらの移動を調整しなければならない。電子的コントローラーが、患者に危険がないように第1の制御手段および第2の制御手段の移動指令を正確にコンパイルすることが不可避である。第2の制御手段が、第1の制御手段とは別個の時間フレームで作動する場合、そのときは、電子的コントローラーは、医療デバイス位置の指令および制御が適切なコントローラーから適正に制御されることを確実にすることが必要であるに過ぎない。同様に、電子的コントローラーは、患者身体上の医療デバイスの非認可または適切でない移動を防ぐことにより患者身体への安全性を確実にしなければならない。
【0119】
電子的コントローラーは、処置コントローラーとして作用し得る。コンピューターが電子的コントローラーとして用いられる場合、それは、医療デバイスのためのコントローラーとして機能し得る予めロードされたソフトウェアを実行する能力を有し得るか、またはそれは、処置コントローラーとして作動する1つ以上のボードを受容し得るPCIバスインターフェースのような拡張スロットを有し得るかのいずれかである。本発明の電子的コントローラーが医療デバイスの処置コントローラーと緊密な電子的通信にあり、医療デバイスおよび治療ヘッドの移動および物理的配置が治療手順に従ってなされることを確実にすることが有利であるが、必ずしも必須ではない。
【0120】
第2の制御手段は、第2のコンピューター入力デバイスのような入力を提供するために用いられる物理的デバイス、またはトグル動作の後に微細な位置制御を提供する第1の制御手段であり得る。あるいは、この第2の制御手段は、治療ヘッド内の医療デバイスにプログラムされた移動指示を提供するソフトウェアプログラムであり得る。同様に、第2の制御手段は、第1の制御手段移動指示に自動的に付加され、ロボットアーム移動にゆらぎまたはその他の安定状態バリエーションを提供する固定されるか、または制限された可変移動であり得る。
【0121】
処置コントローラーは、好ましくは、治療手順が実際に開始される前に、三次元マップを有する(以下のセクション3.0を参照のこと)。この処置コントローラーは、実際の手順の間に操作ヘッドの進行をモニターし得、そして、それを処置されるべき組織のマップと比較する。処置の局所的進行は、本発明の治療ヘッドと組み合わせて用いられる位置追跡デバイスを通じて取り扱われ得る。
【0122】
手順的には、位置制御およびエネルギーアプリケーターの追跡は、本発明のシステムの1つの様式であり、脂肪組織を効率的に破壊し得る。顕著な正確さが、脂肪組織中で、破壊された組織または組織壊死の損傷をもたらすように確立され得る。この正確さは、エネルギーアプリケーターの位置を調節するための種々の位置センサーおよび制御デバイスを利用することにより生成される。
【0123】
治療ヘッド500内のエネルギーアプリケーター600の位置は、ミクロモーターアセンブリに連結されたモーターエンコーダーを用いて決定され得る。回転エンコーダー530を用いてモーター軸の各々の回転を測定することにより、モーター508、510をエネルギーアプリケーター600に連結するアクチュエーター508、520、516の移動の量が決定され得る。これは、エネルギーアプリケーターの位置を隔離する際の第1のステップである。一旦、エネルギーアプリケーター600の位置が走査ヘッド500のハウジング500内で知られると、走査ヘッド500の位置は、患者の解剖学的構造に対して決定されるべきである。一連の光学的センサー555、555が、走査ヘッドが患者皮膚の上を辿る物理的距離を正確に測定するために用いられ得る。これらの光学的センサーはまた、回転変化(走査ヘッドが、患者の皮膚にほぼ垂直であるそれ自身の中心軸の周りで回転する量)、および角度変化(走査ヘッドの中心にない軸に対する回転)を決定するために用いられ得る。さらに、関節アーム200中のエンコーダーは、三次元における走査ヘッド500の位置の変化を決定するために用いられ得る。従って、この走査ヘッド500が人の身体の側面上を移動されるとき、3つの位置感知機構は失われない。コンピューター400または処置コントローラー250は、データを調整し、そして高度の組織化された正確な様式で位置および用量の追跡を維持し得る。必要に応じて、すべてのデータは、オンボードプロセッサー532を用い、ボード上で追跡され得る。コンピューター責務の分割はまた、負荷の減少に役立ち得、そしてデータ受け取りと、操作者への信号の出力との間の応答時間をスピードアップするのに役立ち得る。
【0124】
特定の理由のため、走査ヘッドが患者の皮膚の追跡を失う場合、追跡システムは、走査ヘッドが患者の皮膚に戻ることを可能し、そしてこの手順が、どの組織が処置されているか、およびどの組織がいまだ処理されていないかを決定する試みにおいて推定の作業なくして直ちに開始し得るように、走査ヘッドの配向を確実にする。この再位置決めは、走査ヘッドを参照位置上に配置すること、およびハウジングの下部セクションの周りのフランジ(図示せず)に従って走査ヘッドを整列することを含む。
【0125】
エネルギーアプリケーターの位置を決定し、そして追跡するための3つのデバイスのいずれかの使用は、モニター、LCDまたは使用者によって、彼または彼女がこの手順を継続するために走査ヘッドを移動すべき場所を決定し得るように適正に解釈され得るその他のデバイス上に示されるべき、組織マップおよび現在の処置レジメンを取り扱う重ね合わせマップの表示を可能にする。この処置を容易にするための指標は、異なるピッチの音響トーンのように単純なものから(処置領域の上を移動するための1つのトーン、および既に処置された領域の上を移動する1つのトーン)、指標光まで、完全に詳細なビデオ表示までであり得る。この表示は、本発明のシステムの外部に取り付けられ得るか、またはコンピューター、治療制御デバイス、または走査ヘッド上に取り付けられるか、またはその近傍にあるより小さな表示であり得る。
【0126】
本発明を用いる方法もまた開示される。第1に身体領域にエネルギーを付与するための方法がある。この方法は、第1に、処置コントローラーに治療計画を提供する工程を包含する。第2は、エネルギーが走査ヘッドから送達されている間に処置コントローラーによって生成される案内に応答して身体表面上の走査ヘッドを手動で走査する工程である。第3は、この走査ヘッドの位置およびそれからのエネルギー送達をモニターし位置データを生成し、そしてこの位置データを処置コントローラーに転送する工程であり、そして第4は、手動位置および/またはエネルギー送達が処置計画の外側に入る場合に警告を生成する工程である。好ましくは、この方法は、エネルギー送達の前に身体領域の上で走査ヘッドを手動で走査し、処置されるべき領域の仮想的マップを生成する工程を含む。このマップは、次いで、処置コントローラー中にロードされる。その他の処置パラメーターは、処置コントローラーに可能な程度まで入力されるべきである。これは、仮想的マップおよびその他の処置データに基づく処置計画を生成することを助ける。
【0127】
3D容量計測マップを生成するシステム
一致した局所解剖学的および表面近傍皮下組織マップを生成するためのシステムがまたある(図8)。このシステムは3つの構成要素を有する。第1は、患者身体の表面イメージを生成するための三次元造影システム802である。第2は、患者身体の皮下造影イメージを生成するための装置850であり、そして第3は、上記表面イメージおよび上記皮下イメージの複数のマーカーを一致させるための相関操作デバイス875である。
【0128】
三次元造影装置は、高解像度カメラシステム、または患者皮膚の詳細なイメージマップを作製し得るその他の光学カメラである。皮膚特徴の解像は、それが、目的の患者身体領域の湾曲および形状を正確に追跡し得る限り、このカメラシステムの重要な構成要素である必要はない。容量計測造影システムは、3D超音波システムまたは補間2D超音波造影デバイスであり得る。あるいは、組織造影デバイスは、MRIまたはX−Rayデバイスであり得る。好ましくは、視覚造影システムおよび組織造影システムは、コンピューターによって取り扱われ得る電子的イメージを生成する。
【0129】
相関操作デバイスは、汎用目的または専用のコンピューター、または同様に可能なインテリジェント論理デバイスであり得る。このデバイスはまた、ソフトウェアプログラムであり得る。この相関操作は、正確な三次元組織マップを生成するために表面イメージと皮下イメージとの間の複数のマーカーの一致を取り扱う。用いられるマーカーは、容易に識別し得る患者の自然のマーカーであり得る。しかし、これらマーカーは、好ましくは、2つの造影デバイスによって検出され得る複数の標準である。一旦、これらイメージが捕獲され、そして電子的に記憶されると、これら2つのイメージのデータは、上記標準を用いて相関され得る。これら2つの造影システムが同じスケールのイメージを捕捉する必要はない。なぜなら、相関操作はまた、矯正が生じる前に1つまたは両方のイメージが所望のスケールに調節されることを確実にするスケーリングタスクを実施し得るからである。
【0130】
一旦、これらイメージが矯正されると、新たな三次元マップが生成される。この新たなマップは、一致した局所解剖学的および表面近傍の皮下特徴を有する。システムによって用いられる標準は、上記イメージマップを相関することを支援し得る種々のパラメーターを有し得る。例えば、これら標準は、この造影システムが、イメージが捕獲された後に標準の配向を決定し得るように指標の上下を含み得る。配向データとともに複数の標準を用いることで、システムによって生成される第2のイメージの一致する重複位置を正確に決定することが可能である。この標準は、好ましくは、両方のイメージシステム(表面および皮下)によって検出可能であるが、しかし、これは必ずしも必要ではない。使用者は、1つの造影システムによって検出可能であり、そして他方ではそうではない患者身体上の複数の標準を配置し得る。使用者が、これら標準を第2のシステムが検出し得るその他で置換する限り、相関操作はなお、有効に用いられ得る。
【0131】
使用の方法
本明細書中に記載される方法は、非侵襲的である。減圧とともにカニューレを利用する伝統的な脂肪吸引手順とは異なり、患者皮膚の貫通はない。脂肪細胞または脂肪組織の破壊は、キャビテーションによって引き起こされる熱または機械的破壊の蓄積を経由して起こり、両方の効果は、向けられた照射、そして好ましくは、高強度の焦点合わせされた超音波(HIFU)によって生成される。従って、脂肪組織の減少のための非侵襲的手順には、いくらの組織が影響されているかを直接可視化する方法はない。脂肪吸引では、処置する医師は、除去または破壊されるいずれかの脂肪の量を見ることができるが、非侵襲的手順ではそうではない。これは、直接観察が可能ではないからである。本発明の使用者は、処置された組織の容量を支援して決定するために、診断超音波デバイスまたはその他のセンサーに依存しなければならない。
【0132】
本明細書中に記載される方法の共通の局面は、処置されるべき脂肪組織の領域の評価である。「はさむ(pinch)」試験を用いる現在の技法は、本明細書中に記載されるシステムおよび方法の両方の使用のための合理的な開始場所を提供し得る。はさむ試験は、脂肪組織の領域を評価するために形成外科医によって用いられている。患者Pは、彼または彼女が除去することを望む局所的脂肪組織を有し得る。医師は、患者上に一連の輪郭線C、C、C・・・Cを描くことにより脂肪組織を評価し得る(図9A)。
【0133】
身体領域に超音波を付与する方法
1つの実施形態では、本発明の方法は、身体領域に超音波を付与する方法を提供する。この方法は4つの工程を有する。第1の工程は、処置コントローラーに処置計画を提供する工程である。第2の工程は、エネルギーが走査ヘッドから送達されている間に、処置コントローラーによって生成される案内に応答して身体表面上で走査ヘッドを走査する工程である。第3の工程は、この走査ヘッドの位置、およびエネルギー送達をモニターして位置データを生成し、そしてこの位置データを処置コントローラーに転送する工程である。第4の工程は、この位置および/またはエネルギー送達が上記処置計画の外側に入る場合に警告を生成する工程である。
【0134】
工程第1では、処置計画が処置コントローラーに提供される。ここで、使用者は、処置されるべき患者の必要性を識別し、そしてこの患者の必要性に従って処置計画を選択する。脂肪組織を破壊する好ましい実施形態では、使用者は、いくらの脂肪組織が破壊されるべきか、脂肪組織破壊の場所、深さ、エネルギーフラックス、および必要なその他のパラメーターに関するオプションの可能なリストから選択する。使用者は、各処置計画に寄与する技術的要素に慣れていないが、所望の結果に基づき選択する。例えば、12cmのラインに沿って幅8cmおよび深さ2cmを破壊する計画を選択するなどである。使用者が理解し得るプログラム変数は、結果を達成するために機械が作動する方法より、結果に即応するものである。一旦、処置計画か選択されると、使用者は、この所望の処置計画を処置コントローラーに入力する。処置コントローラーは、この所望の処置計画を生成する操作プロトコールを決定する。
【0135】
第2の工程は、走査ヘッドで患者を走査することを含む。この走査ヘッド(または処置ヘッド)は、超音波エネルギーが脂肪組織を破壊するために患者中に伝達されるように活性である。この走査ヘッドは、処置コントローラーからのプロトコールに従って移動される。この移動は、手動手段または自動化手段によって達成され得る。手動モードでは、処置コントローラーは、使用者が従う合図を提供する。使用者は、これら合図に応答して患者の上で走査ヘッドを移動する。自動化手段では、処置コントローラーは、ロボットアームのようなデバイスまたは装置を直接制御し、走査ヘッドの移動を行う。
【0136】
第3の工程は、走査ヘッドによって送達される位置およびエネルギーをモニターすることである。位置および送達情報は、処置コントローラーが用いている(使用者、またはロボットデバイスいずれかによる)プロトコールに比較されるデータフィードの形態で、処置コントローラーに通信される。処置コントローラーは、このプロトコールに対して入来するデータを連続的にモニターしており、手順の間の患者の安全性を確実にする。
【0137】
第4の工程は警告である。上記位置またはエネルギー送達がプロトコールの受容可能な許容誤差の外側にあるとき、処置コントローラーは警告を出す。この警告は、使用者が厳密にモニターすることであり得るか、またはそれは、走査ヘッド中の任意のエネルギーエミッターを直ちにシャットダウンするための構築された遮断スイッチであり得る。
【0138】
第1の工程はこの手順の開始時に選択されるが、第2、第3および第4工程は連続的に実施されて適正な治療レジメンが患者に付与されることを確実にする。
【0139】
脂肪形成術治療を実施するための方法
第2の実施形態では、脂肪形成術手順を実施するための方法がある。この方法は、第1の、治療的超音波処置に対する人の適合性を決定する工程、第2の、この人の上に処置されるべき領域をマークする工程、第3の、この人を治療的超音波手順のために位置決めする工程、第4のこのマークされた領域をコンピューター中に走査する工程、第5の、手順計画ソフトウェアパッケージを用いて治療的超音波手順を設定する工程、第6の、上記手順計画ソフトウェアにより制御されたコンピューターシステムを用いて治療的超音波手順を起動する工程、第7の、この手順計画ソフトウェアを用いて治療手順の進行を記録工程、そして最後に、指令され得るように、任意のさらなる手術後の支援を上記人に提供する工程を有する。
【0140】
本発明の方法は、治療が長期間にわたって有効かつ安全であることを確実にするために、患者の仮想的マップを同時に維持しながら、理想的には、さらなる治療処置および薬物レジメン用法のためのオプションとともに身体彫刻手順への最大量の安全、長期矯正を提供するために適合されている。
【0141】
総合すれば、開示される方法は、以下の工程を包含する脂肪形成術手順を実施するための方法のなお別の局面に組み合わせられる:
(a)治療的超音波処置のための人の適合性を決定する工程;
(b)この人の上に処置されるべき領域をマークする工程;
(c)治療的超音波手順のために患者を位置決めする工程;
(d)このマークされた領域をコンピューター中に走査する工程;
(e)手順計画ソフトウェアパッケージを用いて治療的超音波手順を設定する工程;
(f)この手順計画ソフトウェアにより制御されたコンピューターシステムを用いて治療的超音波手順を起動する工程;
(g)上記手順計画ソフトウェアを用いてこの治療手順の進行を記録する工程;および
(h)上記人に指示され得るように任意のさらなる手術後の支援を提供する工程。
【0142】
以下の実施例は、記載される方法を例示する。
【実施例】
【0143】
(実施例I)
工程1:患者は、まさに伝統的な脂肪形成術におけるように、初期の相談に来る。患者が手順を継続すると決定する場合、この手順の間またはその後に特定の利点を提供するために具体的に処方され得る、栄養補助食品、薬物、局部用クリームなどが提供され得る。例として、この手順の前にとられるBromelainおよびQuercetin、および手順後にとられるArnica Montanaが挙げられ、治癒を促進し、そして腫れを低減する。
【0144】
工程2:手順の日に、医師は、伝統的な脂肪形成術患者に対してなされ得るのと類似の様式で患者をマークする。マーキングペン中のインクは、センサーによる皮膚上のインクの検出可能性を増加するためにさらなる薬剤(例えば、紫外線インク)を含み得る。これは、暗い皮膚色に対して特に有用であり得る。
【0145】
工程3:患者は、手順に対して位置決めされ得る。患者は、彼または彼女が治療の間にあるとき、同じ位置にいるべきである。大部分の事例では、この手順は、患者はベッド上に横たわって行われ、そのためこの手術前工程は、患者が横たわる傾向で行われる。患者の脂肪厚みが、例えば、超音波を用いて、処置されるべき領域上でマップされ得る。診断超音波システムは、脂肪と下にある筋肉との間の境界からの強い反射を検出するイメージ分析システムと組み合わせられ得、そして位置情報とともにこの厚みを記録する。この位置情報は、超音波トランスデューサーに取り付けられた位置感知デバイスから得られる。深さのみの情報が必要なので、診断超音波ユニットは、より単純なバルスエコーA−ラインシステムで置換され得る。参照マーカーが患者身体上に引かれるか、またはステッカーを用いてのように、別の方法でマークされ、位置感知システムのための参照位置を提供する。脂肪厚みのこのマップ、またはそのサブセットは、次の患者の訪問時の参照、例えば、達成される実際の効果を視覚的に示すために記憶され得る。
【0146】
工程4:この手順前身体マーカーは、上記のような位置感知システムをまた用いて、コンピューター中に走査される。これは、位置決めシステムに連結されたスタイラスでマークを追跡することにより、またはこの位置決めシステムと協力してマーク付けの光学的検出によりなされ得る。理想的には、コンピューター中に走査されたマーク付けのこのマップは、上記のように獲得され得る脂肪厚みマップに参照され得る。この位置決めシステムは、代表的には、すべての事例で3〜6の自由度(すなわち、x、y、z、ピッチ、片揺れ、ロール)を記録する。
【0147】
工程5:実施者は、ここで、コンピューター上に提供された手順計画ソフトウェアと相互作用し、上記のように獲得されたマーク付けおよび厚みデータに接近する。本発明者らは、本発明者らが、本発明者らの手順の審美的な効果を、例えば、より多いか、または少ない組織に影響するために、処置の深さ、時間、または密度を変えることにより、局所的に制御し得ることを予期する。上記手順計画ソフトウェアのポイントは、これらのシステム変数を、所望の全体審美的効果が達成されるように連結することである。例えば、実施者は、脂肪の領域が中心領域で2cmだけ、辺境の領域で1cmまで先細りになり、その領域の外側でゼロ効果まで「羽根が抜ける」まで減少されるべきであると決定し得る。実施者は、これを、引かれた輪郭の視覚表示、そして必要に応じて脂肪厚みに対する所望の効果を識別することにより行う。引かれた輪郭およびマークは、処置計画ソフトウェアで編集または改変され得る。使用者は、例えば、マウス内の対応する手順前マークの内側をクリックすること、またはタッチ感受性表面上でそれを指示すること、およびこの領域が2cmの厚みに対応するというメニューからタイプすること、または選択することによって、この2cm領域を選択することにより得る。これら輪郭が改変されるべき場合、それらは、Adobe Illustratorのような描画ソフトウェア中で代表的には見出されるソフトウェアによる手段で改変され得る。例えば、描かれた輪郭のBezier表示がソフトウェアによって維持される場合、Bezier「ハンドル」、「制御」または「ノット」が、描画ソフトウェアで代表的であるように、使用者相互作用および改変のために提供され得る。1cm領域が類似の様式で識別される。遷移領域は、例えば、1cmまでの段階的遷移のために、この2cm輪郭の1つの側面または両方の側面上で固定された距離を単に選択することにより識別され得、そしてこれは1cmからゼロへの遷移についても同じである。この遷移距離は可変であり得、そして実際にポイントデバイスを備えたコンピューター中に描かれ得るか、またはコンピューター中に走査されている手術前マーク付けによって表示され得、そして上記計画ソフトウェアに遷移領域として識別される。使用者はまた、遷移領域でどの効果が所望されるか(例えば、直線状減少または特定のその他の形状の曲線)、およびシステム変数(例えば、深さ、電力、時間、密度)のどの組み合わせが上記効果を達成するために用いられるべきかを治療コントローラーに知らせ得る。深さ、遷移領域、影響される変数などは、識別の容易さのために、異なる色で、または異なるマーク付けで視覚的に示され得る。編集および識別プロセスが終了されるとき、コンピューターは、すべての関係のあるシステム変数を所望の審美的効果に関連付ける処置計画を算出する。
【0148】
工程6:実際の治療の経過の間に、高強度超音波テトランスデューサー(単数または複数)を含む治療ヘッドは、上記のような位置決めシステムに連結され、これは、システムコンピューターが、処置計画のコンピューター表示に治療ヘッドの現在の位置を関連付けることを可能にする。このコンピューターは、次いで、治療変数を制御し、所望の審美的効果を達成する。上記の例では、治療ヘッドが上記2cm領域を通って移動されるとき、適切な電力、パルス持続時間などがこの治療ヘッドに付与され、影響された組織の2cmを達成する。このヘッドが遷移領域を通って1cm領域まで移動され、電力および持続時間が1cmまでの組織の変動する厚みを得るために減少され得る。同様に、この「羽根が抜ける」効果は、上記ヘッドが上記1cm領域の外側に移動され、そしてトランスデューサーが、このヘッドが処置領域の外側にある場合、発射することが可能でないとき達成される。全体の処置計画および記録は、将来の参照のために記憶され得る。
【0149】
工程7:治療後、患者は、伝統的な脂肪形成術手順では一般的であるように処置領域の上に圧縮衣服を着用することを依頼され得、そして治癒を促進するか、または不快を減少するためにその他の薬物または栄養補助物が与えられ得る。
【0150】
HIFUを用いて脂肪組織を破壊する方法
第3の実施形態では、治療的超音波を用いて患者中の脂肪組織を破壊する方法がある。この方法は:第1に患者上の脂肪組織の1つ以上の位置を決定する工程を有する。第2の工程は、この患者を、上記脂肪組織が比較的均一な分布(好ましくは上方に向く)に落ち着くように位置決めする工程であり、そして第3の工程は、患者の脂肪組織の位置を治療的超音波トランスデューサーで照射する工程である。
【0151】
この方法では、処置されるべき脂肪組織の位置およびサイズは、最初に決定されなければならない。これは、形成外科医によって慣用的に用いられている「つまむ」または「クランプ」試験のような伝統的な手段によりなされ得るか、またはそれは、先に記載のような診断超音波システムまたは三次元局所解剖学マップデバイスのような医療スキャナーを用いることにより決定され得る。脂肪組織の位置は、深さおよびサイズに関して位置決め、そして適性に識別されなければならない。そのように、医師がつまむ試験を用いて彼または彼女の熟練に多いに安心し得る一方、脂肪組織の境界および深さは、可能な限り正確に評価されなければならない。従って、特定の種類の造影スキャナーが必要である。一旦、組織容量および深さが決定されると、皮膚は、外科用ペンまたはその他のデバイスでマークされ得、使用者は、処置されるべきゾーンを明確に識別し得る。
【0152】
次に、患者は、照射工程の成功を促進するように配向される。ここで、患者は、処置されるべき脂肪組織が、可能な限り表を上にしているような様式でベッドまたは椅子上で配向される。これは、脂肪組織が、中心の周りでかなり均一な分布に落ち着くことを可能にし、組織深さは、好ましくは、処置に対して対称的である。
【0153】
最後に、脂肪組織の領域が処置される。脂肪組織の容量は、治療的超音波トランスデューサーで処置される。この処置は、組織の層が工程2で均一および一様に落ち着いた場合、一様に適用され得る。
【0154】
三次元身体マップを生成する方法
三次元身体マップを生成する方法もまた記載される。脂肪組織容量の位置を備えた3D身体マップを生成する方法は:第1に、3D造影システムを用いて身体の3Dイメージを生成する工程、第2に、この身体の3Dイメージをコンピューター読み出し可能なフォーマットに入力する工程、第3に、3Dマッピングソフトウェアアプリケーションで身体の3Dイメージを生成する工程、そして第4に、この3Dマッピングソフトウェアアプリケーションと、診断超音波デバイスによって検出される脂肪組織の領域が3D身体マップ中に適正に配置されるように電子通信する診断超音波デバイスで身体を走査する工程を有する。
【0155】
この第1の方法の詳細は以下のようである。3D造影システムは、患者のスナップショットをとる複数のカメラを備える。このスナップショットは、写真を同時にとる3D造影システムのすべてを含む。従って、視覚イメージは、すべての側面から全身を捕獲する。これが成されるために、患者は、造影システムの焦点で、衣服を脱ぎ、裸または半裸で立たなければならない。この造影システムは、自動車をすべての角度から同時に示す自動車コマーシャルを作製するために用いられる造影システムに類似している。この3Dカメラシステムからのイメージは重複され、そして適正に調整され、人の身体の単一の総合的なイメージが生成される。この用いられる造影システムは、高度に正確であり、そして機械読み取り可能な形態に変換され得る。
【0156】
この3D造影システム中のカメラは、通常のフィルムイメージまたはデジタルイメージをとり得る。しかし、とられるイメージのタイプにかかわらず、これらイメージは、適正に重ねられなければならず、その結果、身体の単一のイメージが得られる。このイメージは、次いで、ヒト身体の3D局所解剖学的マップに変換され、そしてコンピューター中に記憶される。この手順は、身体のイメージを正確に再構築するために3Dイメージ捕獲システムの正確さに依存する。次いで、上記ソフトウェアは、このイメージを局所解剖学的マップに変換しなければならない。一旦、ヒト身体の局所解剖学マップが生成されると、データが、後の検索のために記憶され得る。この第1のイメージは、患者の手術前3Dマップである。
【0157】
一旦、この手術前マップが作製されると、患者は、診断超音波走査を受ける。この走査は、所定の領域中の脂肪密度および深さを決定するためのa−ラインまたはb−モード走査のように単純であり得る。しかし、好ましいモードは、脂肪層の詳細が可視化され、そして記録され得る高解像度造影システムである。この診断造影システムは、コンピューター、ソフトウェアおよび手術前マップと電子通信している。位置配置センサー、または正確な位置コントローラーを用いることにより、身体に対する診断走査の位置および方向が記録され、そして手術前マップ上に重ねられる。これは、医師がヒトの脂肪堆積物の容量計測マップを生成することを可能にする。重ねられた造影は、患者および医師の両者が、処置に対してどの領域が利用可能であるか(侵襲的または非侵襲的いずれか)を見ること、および除去されるべき脂肪の特定の量を複数のモデルでサンプリングすることにより演じること、そして患者が好む物を見ることを可能にする。これは、手術前モデルをベースラインとして用いる要約モデルの生成、および最終の結果を可視化するための上記手術前モデルに対する任意の計画された変更を含む。
【0158】
3D身体マップを用いる方法
別の実施形態では、3D身体マップを利用する身体彫刻する方法がある。この方法は、破壊されるべき脂肪組織の容量のための3D身体マップを分析する第1の工程、第2の、身体彫刻手順を用いて安全に破壊され得る脂肪組織の量を決定する工程、第3の破壊される脂肪組織の容量を引き、第2の3D身体マップを生成する工程を有し、ここで、医師および患者は、第1の3D身体マップと任意の数の第2の3D身体マップとを比較し得、実施されるべき所望の量の身体彫刻手順を選択する。
【0159】
この方法では、本明細書中に開示される造影システムを用いて第1の身体マップが生成される。この第1の身体マップは、任意の治療手順が開始される前の患者の開始点を表す。この治療コトローラーは、所定量の脂肪組織が破壊された後の身体の輪郭を示す第2のマップを生成するために用いられ得る。治療コントローラーをこのように用いることにより、患者が、多くのタイプの処置における治療処置の可能な最終結果を見ることが可能である。従って、患者および医師は、1つ以上の処置の後の人の3D身体マップに基づき、患者が望むものの推定を得ることができる。この情報は、医師および患者によって、手順を案内するため、そして所望の目的のための処置の数を決定するため、または特定の数の処置について破壊され得る脂肪組織の最大数を決定するために用いられ得る。
【0160】
脂肪組織を破壊するその他の方法
脂肪組織を破壊する代替の実施形態では、第1の、処置されるべき組織の容量および領域を決定する工程、および第2の、領域または組織の上を連続的移動で掃引するパルス波HIFUトランスデューサーを用いてその容量を処置する工程を有する脂肪組織を破壊するための方法がある。
【0161】
操作において、脂肪組織の存在および位置を決定する工程は、先に示され、そして手術前モデルを生成するためにコンピューターを備えた3D造影システムを用いる方法に非常に類似し得る。しかし、脂肪吸引における現在の手順は、患者の皮膚上のマーカーを用いることにより脂肪組織の領域を迅速に決定する局面を提供する。このようにして、医師は、彼または彼女の経験および実施訓練を用いて、手術することを所望する「問題」領域を識別し得る。医師は、脂肪組織の領域を表す皮膚の領域の輪郭を描くためにマーカーを用いる。一旦、これが実施されると、患者は、上記のように3D手術前モデルのプロセスを通過し得るが、カメラは、ここで、皮膚上のマークされた領域を検出し、そして上記3D局所解剖学的マップ中に取り込む利点を有する。このマーカー中で用いられるインクは、カメラが特殊な条件下でそれを可視化することを可能にする特有の染料または色素、例えば、特殊光の下で見える蛍光染料の使用、を含み得る。
【0162】
患者の位置決めは、先に記載の手順と同様に生じる。次いで、患者は、高強度焦点合わせ超音波(HIFU)で処置され、選択された領域の脂肪組織を破壊する。このHIFUデバイスは、正確な位置センサー、または上記の診断超音波工程で用いられる位置決め機構を取り込むように特に設計されている。このようにして、超音波処置の方向および位置が知られ、そして患者の手術前マップ上に重ね合わされ得る。高強度焦点合わせ超音波電子部品がまた造影システムに結ばれる場合、さらなる詳細が記録され、このHIFUトランスデューサーの各パルスまたは伝達は、記録され、そして上記手術前マップ上にリアルタイムに重ね合わされ得る。このようにして、上記手順の照射工程が安全かつ正確に実施され得る。なぜなら、コンピューターが処置の1つの位置毎に記録し得るからである。
【0163】
HIFU処置のデータを記録するコンピューターと、HIFUトランスデューサーとの間のフィードバック通信ループを用いることにより、高められた安全性特徴が実現され、そこでは、コンピューターは、HIFUトランスデューサーが既に処置された領域中に発射することを防ぎ得るか、または損傷間の間隔の特定の最小レベルがあることを補償することによる。この間隔は、損傷の三次元幾何学的形状、または時間におけるより複雑な間隔であり得る。患者が、複数処置のために入り得る場合、上記システムは、先のHIFU損傷の位置を思い出し、そして適切な時間空間が経過するまで同じ容量の照射を防ぐ。損傷の3D幾何学的形状と時間シークエンスとの組み合わせはまた、コンピューターシステム、およびHIFU処置の強度、サイズおよび持続時間のためのさらなるパラメーターを取り込むことにより制御され得る。
【0164】
照射手順が終了されるとき、患者は、診断造影デバイスを用いて再走査され、計画されたような手順の成功の程度を決定する。手術後の評価から、医師は、さらなる処置を計画およびスケジュールし得るか、または安全かつ効目の有る様式で患者の必要性に適合する既に計画されたさらなる処置のスケジュールを改変する。
【0165】
患者に対して実施された処置の程度に依存して、患者は、さらなる薬物療法または圧縮衣類を放免され得、身体の治癒または彫刻を支援する。
【0166】
(実施例II)
脂肪組織を破壊するこの方法は、同時の走査およびパルス波トランスデューサーレジメンとともに前記治療ヘッドの使用を含む。この方法では、患者は、先に記載のような様式で準備される。輪郭線のセットが、処置されるべき容量に対応する領域を識別するために引かれる(図9A)。線または格子矩形がこの輪郭線の上に置かれる(図9B)。治療ヘッドを用いてこの組織領域を走査し、脂肪組織の十分な深さかあることを確認する(図9C)。一旦これがなされると、治療が開始され得る。
【0167】
治療は、パルス波モードを備えた治療トランスデューサーを用いて、3mm/秒〜50mm/秒の速度で処置ブロックの上で走査ヘッドを移動することにより実施される。ロボットアームは、トランスデューサーを移動し得るか、または使用者は、器具が各掃引の間に移動される距離の行路を維持して治療ヘッドを移動し得る。
【0168】
ミクロ位置決めシステムがまた、治療ヘッドの移動の線を横切って掃引するために治療ヘッド中でともに用いられ得る。これは、処置されるべきより大きな領域および引き続くより大きな容量を可能にする。これは、壊死された組織の容量が増加されること、この容量を処置するために必要な時間を低下すること、および侵襲手順までの時間により近い非侵襲的手順にもたらすことを可能にする。
【0169】
脂肪組織を破壊する別の方法では、3つの一般的工程が実施される。第1の工程は、処置されるべき組織の容量および領域を決定することである。第2は、組織の容量および面積を処置することであり、そして最後に容量および面積に対する処置の効目を決定することである。
【0170】
第1の工程は、処置されるべき組織の容量および面積を決定することを含む。現在、形成外科医は、患者が有し得る脂肪組織の量を彼らの長年の経験に依存している。触診検査は、医師が脂肪吸引で除去されるべき脂肪組織の領域の周りに輪郭線を生成することを可能にする。この同じ方法が、医師が輪郭線を生成するための開始点として用いられ得る。この輪郭線の下の脂肪組織の深さは、超音波走査を用いて確認される必要はない。
【0171】
一旦、上記輪郭線が確立されると、患者は、処置されるべき輪郭線が組織を治療ヘッドに接近可能にするような様式で位置決めされるように配向されなければならない。この治療ヘッドは、望ましくは、広い範囲の運動を有し得るが、患者の配向は重要である。なぜなら、この治療ヘッドが達成し得る多くの配向は、器具の使用者、または処置される患者には心地良くなく、または実際的でないからであるからである。一般に、この配向は、脂肪組織の表面積が表を上にし、そしてほぼ平坦であるべきである。これは、脂肪組織が、患者が休息し得、組織が不規則に落ち着く様式で処置される容量および表面を提示するときとは反対に、1つの側面に過剰に濃縮されることなく安定容量に「落ち着く」ことを可能にする。組織深さおよび容量における規則性はまた、使用者が、より均一および有効な処置を送達することを支援する。
【0172】
患者が、使用者、治療ヘッドおよび患者心地良さに実施可能な様式で配向された後、上記治療ヘッドは、診断走査モードで輪郭線領域の全体で用いられる。脂肪組織深さを確認するための患者のこの走査は、治療ヘッドが、それがすべきでない組織を破壊しないように、システムおよび使用者に正確な情報を提供するために必要である。簡単に言えば、処置が開始される前に上記輪郭線領域内に脂肪組織の十分な深さが存在するのを確認することが必要である。不十分な脂肪組織深さが見出される場合、安全標準が満たされるように、輪郭線が再び引かれる。
【0173】
脂肪組織深さおよび容量が治療手順を開始するに十分であると仮定すると、使用者は、患者身体上の処置ゾーン格子のマーク付けを開始し得る。この処置ゾーン格子は、望ましくは、少なくとも、輪郭線によって取り囲まれる領域と同じ大きさである。この処置ゾーン格子は、テンプレートまたは型板とともに外科用マーカー、ローラーデバイスまたはスプレーインクで患者上にマークされ得る。処置ゾーン格子を生成するその他の様式もまた可能である。
【0174】
組織容量が確認され、そして処置ゾーン格子が配置された後、使用者は、患者データおよび所望の処置パラメーターを、ホストインターフェースを用いて治療デバイス中に入力し得る。種々のパラメーターが、このデバイス中に入力され得、そして使用者は、必要または所望されるいかなる情報をも収容し得る。一旦、機械が、適正にプログラムされると、処置されるべき組織の容量および面積を決定する主要工程が終了され、そして使用者は、組織の容量および面積の実際の処置する第2の主要工程に進行し得る。
【0175】
第1に、使用者は、治療ヘッドを患者身体上に、そして処置ゾーン格子と整列して配置する。治療ヘッドが、その上に処置ゾーン格子と整列され得る標準マーク付けを有する場合、これら標準はそのように整列されるべきである。これは、処置のために正確に位置決めされることを可能にする。処置ゾーン格子中に隅またはその他の位置のような目立つ開始場所のような、容易に識別可能なパターンが存在する場合、そのときは、使用者はそこで開始し得る。治療コントローラーに加え、またはホストインターフェースは、使用者がその情報の行路を維持する必要がないように、どの領域が処置されたかを決定するための追跡システムを有し得る。
【0176】
次に、使用者は、治療ヘッドで走査されるべき処置ゾーンを識別する。これは、最初の走査された領域であり得、そして走査ヘッドのフットプリントが上記輪郭線領域に適合され得る回数と同じ数の走査領域が存在する。治療ヘッドがその場で、診断スキャナーが再び稼動され得、十分な組織深さを確認する。診断走査は、治療スキャナーと交互に、または単に治療ブロックの開示時に稼動され得る。
【0177】
この治療ブロックは、処置されるべき治療ヘッドの下の領域である。HIFUトランスデューサーは、治療コントローラーからのパラメーターに従って係合される。このトランスデューサーは、ブロック領域を機械的に操作するか、ミクロ位置決めシステムを経由して移動するか、または焦点領域が電子的に操縦される(位相化アレイのような)HIFUトランスデューサーを用いて電子的に移動されるかのいずれかである。損傷の深さ、密度およびサイズは、トランスデューサーの操作速度(如何に速く、焦点が組織を通って電子的または機械的いずれかで移動されるか)によって影響され得る。処置線の強度、PRFまたは重複を変えることはまた、損傷サイズおよび形状に影響し得る。これらパラメーターの1つ以上を調節することにより、大および小、深いまたは浅い両方の損傷を生成することが可能であり、そして使用者に壊死のレベルに対する制御のレベルを許容する。従って、使用者は、壊死の量を減少し得、そして羽根が抜ける効果を生成し得、その結果、治療ヘッドが脂肪組織の境界に接近するとき、組織壊死の量は低減される。これは、非脂肪組織を損傷するリスクなくして所望の組織処置を許容する。使用者が、深い脂肪組織領域中の壊死のゾーンを拡大し、壊死のより大きな領域を生成し、所望の結果を生成することもまた許容する。
【0178】
損傷の、羽根が抜けるようでかつ均一な処置の値 − 輪郭線の間で、処置密度は、羽根が抜けるような処置機能をともなう均一な処置の値から変動され得る。
【0179】
本発明は、種々の改変、および代替の形態を受けるが、その特定の例が、図面中に示されており、そして本明細書中に詳細に説明される。しかし、本発明は、開示される特定の形態または方法に制限されるべきではなく、反対に、本発明は、添付の請求項の範囲内に入るすべての改変物、等価物および代替物を含むことが理解されるべきである。
【図面の簡単な説明】
【0180】
【図1】図1は、本発明の側面図を示す。
【図2】図2は、走査ヘッドを示す。
【図3】図3は、脱気サーキットの概略である。
【図4A】図4Aは、治療ヘッドの要素を示す。
【図4B】図4Bは、治療ヘッドの要素を示す。
【図5】図5は、コンピューター様入力デバイスを備えたアームを示す。
【図5A】図5Aは、案内リング制御デバイスを示す。
【図5B】図5Bは、案内リング制御デバイスを示す。
【図6】図6は、光学的案内リング制御デバイスを示す。
【図7】図7は、スリップジョイントを示す。
【図8】図8は、3D容量測定造影システムを示す。
【図9A】図9Aは、患者身体をマーキングする方法を示す。
【図9B】図9Bは、患者身体をマーキングする方法を示す。
【図9C】図9Cは、患者身体をマーキングする方法を示す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
身体領域にエネルギーを付与するシステムであって:
エネルギーアプリケーターを含む走査ヘッド;
該走査ヘッドをスペース中に吊るす手段;および
該走査ヘッドおよび該吊るす手段に連結された処置コントローラーを備え、該処置コントローラーが、該走査ヘッドを位置決めするための案内を提供しながら、該走査ヘッドの位置およびエネルギー送達をモニターするよう適合されている、システム。
【請求項2】
前記吊るす手段が、前記走査ヘッドのスペース中の位置を追跡する手段をさらに備える、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記走査ヘッドをスペース中に吊るす手段が、前記走査ヘッドのスペース中の手動再位置決めを可能にする、請求項1に記載のシステム。
【請求項4】
前記走査ヘッドをスペース中に吊るす手段が、入力指令に応答して該ヘッドを再位置決めし得るロボットアームを備える、請求項1に記載のシステム。
【請求項5】
前記走査ヘッドの位置をモニターするため、そして該走査ヘッドの手動位置決めを基に処置領域を決定するために該走査ヘッドに連結された処置コントローラーをさらに備え、該処置コントローラーが使用者から他の処置情報を受容するよう適合されている、請求項1に記載のシステム。
【請求項6】
前記処置コントローラーが、前記コントローラーから物理的に分離され、そして決定された処置領域および前記他の処理情報に基づく処置計画を生成するよう適合されている、請求項5に記載のシステム。
【請求項7】
前記処置コントローラーが、前記処置計画を前記コントローラーに転送するようさらに適合されている、請求項6に記載のシステム。
【請求項8】
前記エネルギーアプリケーターが、少なくとも1つの振動トランスデューサーを備える、請求項1に記載のシステム。
【請求項9】
前記エネルギーアプリケーターが、前記走査ヘッド内に位置決め可能に取り付けられる、請求項8に記載のシステム。
【請求項10】
前記走査ヘッドが、前記処置コントローラーに連結されるサーボ制御されたエネルギーアプリケーター取り付けシステムを備え、それによって、該処置コントローラーが該走査ヘッド内の該エネルギーアプリケーターの位置を調節し得る、請求項9に記載のシステム。
【請求項11】
前記走査ヘッドが、前記処置コントローラーと電子通信する操縦ディスプレイを備え、それによって、該処置コントローラーが使用者のための案内情報を表示し得る、請求項1に記載のシステム。
【請求項12】
前記操縦ディスプレイが、ビデオスクリーン、LEDマトリックス、個別照明素子、および前記処置コントローラーとの通信手段を備える、請求項11に記載のシステム。
【請求項13】
前記操縦ディスプレイが、前記走査ヘッド上に取り付けられる、請求項12に記載のシステム。
【請求項14】
前記吊るす手段が、関節アームを備える、請求項1に記載のシステム。
【請求項15】
前記関節アームが、自由スタンドベース上に取り付けられる、請求項14に記載のシステム。
【請求項16】
前記関節アームが、前記走査ヘッドの位置の追跡を提供するデジタルエンコーダを備える、請求項15に記載のシステム。
【請求項17】
前記治療ヘッドをスペース中に吊るす手段が、ロボットアームである、請求項1に記載のシステム。
【請求項18】
一致した局所解剖学的および表面近傍皮下組織マップを生成するシステムであって:
患者身体の表面イメージを生成する三次元造影装置;
該患者身体の皮下イメージを生成する組織造影装置;および
該表面イメージおよび該皮下イメージの複数のマーカーを一致させる相関操作デバイスを備える、システム。
【請求項19】
前記相関操作デバイスが、前記三次元造影装置および前記組織造影装置と電子通信するコンピューターをさらに備える、請求項18に記載のシステム。
【請求項20】
前記三次元造影装置が、1つ以上の光学カメラである、請求項18に記載のシステム。
【請求項21】
前記光学カメラが、高精細度カメラである、請求項20に記載のシステム。
【請求項22】
前科光学カメラが、デジタルイメージ出力を提供する、請求項20に記載のシステム。
【請求項23】
前記組織造影装置が、MRIデバイスである、請求項18に記載のシステム。
【請求項24】
前記組織造影装置が、超音波デバイスである、請求項18に記載のシステム。
【請求項25】
医療デバイスを位置決めするシステムであって、該システムが:
ロボットアーム;
該ロボットアームを制御するための第1の制御手段;
治療ヘッド内で移動可能に位置決めされる医療デバイスであって、該治療ヘッドが該ロボットアームに連結されている医療デバイス;
該治療ヘッド内の該医療デバイスの移動を制御するための第2の制御手段;および
該ロボットアーム、該第1の制御手段、該医療デバイスおよび該第2の制御手段と電子通信し、かつそれらの協働操作のための電子コントローラーを備える、システム。
【請求項26】
医療デバイスを位置決めするシステムであって:
ロボットアーム;
該ロボットアームを制御する制御手段;
治療ヘッド内で固定して位置決めされる医療デバイスであって、該治療ヘッドが該ロボットアームに連結されている医療デバイス;および
該制御手段から受容した移動指示を変換し、そして該移動指示を該ロボットアームにリレーするための電子コントローラーを、備える、システム。
【請求項27】
患者の身体上でエネルギーエミッターの移動を案内する装置であって:
少なくとも1つのエネルギーエミッターを有する移動可能な治療ヘッド;
案内リング;および
該案内リングの移動を追従し、かつ該治療ヘッドを該案内リング内で実質的に中央に維持する追跡システム、を備える、装置。
【請求項28】
医療デバイスを位置決めするシステムであって:
負荷平衡化アーム;
治療ヘッド内に移動可能に位置決めされる医療デバイスであって、該治療ヘッドが該負荷平衡化アームに連結されている医療デバイス;および
該治療ヘッド内の該医療デバイスの移動を制御する手段、を備える、システム。
【請求項29】
身体領域にエネルギーを付与する方法であって:
処置コントローラーに処置計画を提供する工程;
該処置コントローラーによって生成される案内に応答して身体表面上で走査ヘッドを、該走査ヘッドからエネルギーを送達しながら走査する工程;
該走査ヘッドの位置、およびエネルギー送達をモニターして位置データを生成し、そして該位置データを該処置コントローラーに転送する工程;および
該位置および/またはエネルギー送達が該処置計画を外れる場合に警告を発生する工程、を包含する、方法。
【請求項30】
前記処置計画を提供する工程が、エネルギー送達の前に前記身体領域の上で前記走査ヘッドを手動で走査し、処置されるべき領域の容量計測マップを生成することを包含し、ここで、該マップが、処置計画者に提供される、請求項28に記載の方法。
【請求項31】
前記処置計画を提供することが、前記処置計画者に他の処置パラメーターを入力することをさらに包含し、前記容量計測マップおよび複数の他の処置データを基に処置計画を生成する、請求項29に記載の方法。
【請求項32】
前記処置計画が、エネルギーデータを開始する前に前記処置コントローラーに電子的に移され、そしてエネルギー送達位置およびエネルギー用量の両方に関する情報を含む、請求項30に記載の方法。
【請求項33】
前記手動で走査することが、前記走査ヘッドによって提供される案内情報に応答して実施される、請求項28に記載の方法。
【請求項34】
前記案内情報が、視覚情報および音響情報の少なくとも1つを含む、請求項32に記載の方法。
【請求項35】
前記走査ヘッドのモニターされた位置に応答して前記処置計画者によって生成されたデータに応答し、該走査ヘッド内のエネルギーアプリケーターを自動的に位置決めする工程をさらに包含し、前記処置計画に対してモニターされた位置決めにおける誤りを相殺する、請求項28に記載の方法。
【請求項36】
前記走査ヘッドが連続的な処置位置を通って増分して進行され、ここで、前記エネルギーの付与が、該走査ヘッドが各位置にある間に再位置決めされる、請求項34に記載の方法。
【請求項37】
前記警告を発生する工程が、音響信号を発生すること、視覚信号を発生すること、前記エネルギー送達を減少すること、前記システムを停止すること、または前記走査ヘッドへの出力を遮断することの少なくとも1つを包含する、請求項28に記載の方法。
【請求項38】
脂肪移植治療手順を実施する方法であって:
(a)治療的超音波処置に対する人の適合性を決定する工程;
(b)該人の処置されるべき領域をマークする工程;
(c)治療的超音波手順のために該人を位置決めする工程;
(d)マークした該領域をコンピューター中に走査する工程;
(e)手順を計画するソフトウェアパッケージを用いて該治療的超音波手順を設定する工程;
(f)該手順を計画するソフトウェアにより制御されたコンピューターシステムを用いて該治療的超音波手順を起動する工程;
(g)該手順を計画するソフトウェアを用いて該治療手順の進行を記録する工程;および
(h)該人に、指示され得るように任意のさらなる作動後の支援を提供する工程、を包含する、方法。
【請求項39】
治療的超音波を用いて患者中の脂肪組織を破壊する方法であって:
(a)患者の脂肪組織の1つ以上の位置を決定する工程;
(b)該患者を、該脂肪組織が比較的均一な分布に落ち着くように位置決めする工程;および
(c)該患者の脂肪組織の位置を、治療的超音波トランスデューサーで照射する工程、を包含する、方法。
【請求項40】
前記患者の脂肪組織の1つ以上の位置を決定する工程(工程(a))がさらに:
(a1)マーカーを用いて皮膚の領域の輪郭を描くことであって、該輪郭が該脂肪組織の疑わしい境界領域に一致すること;および
(a2)造影超音波走査を実施することにより脂肪組織の存在を確認すること、を包含する、請求項38に記載の方法。
【請求項41】
さらに:
(a3)前記脂肪組織容量の位置をコンピューター中に記録すること、を包含する、請求項39に記載の方法。
【請求項42】
前記(a1)のマーカーが、電子センサーによって検出され得る特殊インクをさらに含む、請求項39に記載の方法。
【請求項43】
さらに:
(d)工程(c)の後に脂肪組織の1つ以上の位置を評価する工程、を包含する、請求項38に記載の方法。
【請求項44】
前記患者の脂肪組織の1つ以上の位置を決定する工程(工程(a))が、3D造影システムによって実施される、請求項38に記載の方法。
【請求項45】
脂肪組織容量の位置で3D身体マップを生成する方法であって:
(a)3D造影システムを用いて身体の3Dイメージを生成する工程;
(b)該身体の3Dイメージをコンピューター読み取り可能なフォーマットに入力する工程;
(c)該身体の3D身体マップを3Dマッピングソフトウェアアプリケーションで生成する工程;および
(d)該身体を、該3Dマッピングソフトウェアアプリケーションと電子通信する診断超音波デバイスで、該診断超音波デバイスによって検出された脂肪組織が、該3D身体マップ中に適正に配置されるように走査する工程、を包含する、方法。
【請求項46】
前記身体の3Dイメージを生成する工程がさらに:
(a)複数のカメラを用いて3Dイメージキャプチャーデバイス内に身体を位置決めすること;
(b)該3Dイメージキャプチャーデバイスからアセンブルされた絵を用いて3Dイメージを構築すること、を包含する、請求項44に記載の方法。
【請求項47】
3D身体マップを利用する身体彫刻方法であって:
(a)破壊されるべき脂肪組織の容量について3D身体マップを分析する工程;
(b)身体彫刻手順を用いて安全に破壊され得る脂肪組織の量を決定する工程;
(c)第2の3Dマップを生成するために工程(b)で破壊される脂肪組織の容量を差し引く工程;を包含し、
ここで、医師および患者が、該第1の3D身体マップと複数の第2の3D身体マップのいずれかとを比較し得、実施されるべき身体彫刻手順の所望の量を選択する、方法。
【請求項48】
前記身体彫刻手順が、脂肪吸引である、請求項46に記載の方法。
【請求項49】
前記身体彫刻手順が、治療的超音波操作である、請求項46に記載の方法。
【請求項50】
前記身体彫刻手順が、薬物養生法である、請求項46に記載の方法。
【請求項51】
前記身体彫刻手順が、脂肪吸引、治療的超音波操作または薬物養生法の1つ以上の任意の組み合わせである、請求項46に記載の方法。
【請求項52】
脂肪組織を破壊する方法であって:
(A)処置されるべき組織の容量および面積を決定する工程;
(B)該容量を、該組織の面積の上を連続運動で通過するパルス波HIFUトランスデューサーで処置する工程、を包含する、方法。
【請求項53】
工程(a)がさらに:
(A1)患者身体上に1つ以上の輪郭線を生成することにより処置領域の輪郭を描くこと;
(A2)該処置領域を、前記脂肪組織の容量が、実質的に対称な脂肪深さを有するように配向すること;
(A3)脂肪組織深さを確認するために該処置領域を走査すること;および
(A4)該処置領域の上に処置ゾーン格子をマークすること、を包含する、請求項51に記載の方法。
【請求項54】
患者の前記処置領域の上に処置ゾーン格子をマークすることが、外科用マーカーで実施される、請求項52に記載の方法。
【請求項55】
患者の前記処置領域の上に処置ゾーン格子をマークすることが、インクローラーで実施される、請求項52に記載の方法。
【請求項56】
患者の前記処置領域の上に処置ゾーン格子をマークすることが、インクスプレーおよびスクリーンテンプレートで実施される、請求項52に記載の方法。
【請求項57】
請求項51に記載の脂肪組織を破壊する方法であって、前記工程(B)がさらに:
(B1)治療ヘッドを、患者身体上に、かつ処置ゾーン格子と整列して配置すること;
(B2)治療ヘッドで走査されるべき処置ゾーンを識別すること;
(B3)複数の処置パラメーターを選択すること;
(B4)組織深さおよび連結を確認すること;および
(B5)直線状移動するパルス波HIFUトランスデューサーを用いて、該トランスデューサーが起動されるとき、治療的超音波を付与すること、を包含する、方法。
【請求項58】
さらに:
(B6)すべての先の処置位置を記憶すること、を包含する、請求項56に記載の方法。
【請求項59】
さらに:
(B7)所望により工程B1〜B6を任意の数繰り返すこと、を包含する、請求項56に記載の方法。
【請求項60】
負荷平衡化アームを用いてスペース中に超音波治療ヘッドを位置決めする方法であって、該治療ヘッドが、該治療ヘッド内に吊るされたエネルギーアプリケーターのための移動コントローラーを備え:
(A)該治療ヘッドに力を付与する工程;および
(B)該移動コントローラーに電子的案内を提供する工程、を包含する、方法。
【請求項61】
前記工程(A)で付与される力が、前記治療ヘッドの重量より少ない、請求項59に記載の方法。
【請求項62】
前記工程(A)で付与される力が、手動力である、請求項59に記載の方法。
【請求項63】
前記工程(A)で付与される力が、機械力である、請求項59に記載の方法。
【請求項64】
前記工程(B)における電子的案内が、コンピューター入力デバイスである、請求項59に記載の方法。
【請求項65】
前記工程(B)における電子的案内が、処置コントローラーから受容される、請求項59に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4A】
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【図4B】
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【図5】
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【図5A】
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【図5B】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9A】
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【図9B】
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【図9C】
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【公表番号】特表2007−516806(P2007−516806A)
【公表日】平成19年6月28日(2007.6.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−547563(P2006−547563)
【出願日】平成16年12月29日(2004.12.29)
【国際出願番号】PCT/US2004/043920
【国際公開番号】WO2005/065371
【国際公開日】平成17年7月21日(2005.7.21)
【出願人】(506180970)ライポソニックス, インコーポレイテッド (7)
【Fターム(参考)】