説明

脂肪酸エステルを有する安定性フェノフィブラート組成物

【課題】フェノフィブラート及びフェノフィブラートが実質的に完全に溶解された脂肪酸エステルの組成物を提供すること。
【解決手段】
単位剤型における医薬組成物は、フェノフィブラートと、脂肪酸エステルを含む溶媒系とを含む。前記脂肪酸エステルの酸又はアルコール部分が、C〜C15基を含み、前記フェノフィブラートが、溶媒系に実質的に溶解される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、2004年12月6日に出願した特許仮出願第60/633,126号の優先権を主張する。その仮出願の開示内容は、援用によって本願明細書の内容の一部をなす。
【0002】
本発明はフェノフィブラート及び脂肪酸エステルを含む組成物を安定性フェノフィブラート組成物であって、フェノフィブラートは可溶化される組成物に関する。組成物は、過トリグリセリド血症、過コレステリン血症、混合型異脂肪血症、血管疾患、動脈硬化性疾患及び関連状態、肥満症に罹患している被験者の治療、心血管イベント及び血管イベントの予防又は軽減、インスリン抵抗性、空腹時血糖値及び摂食時血糖値の減少及び/又は糖尿病の発症の発病率の減少及び/又は遅延に有用である。
【背景技術】
【0003】
ヒトにおいて、高濃度の総コレステロール、低密度リポタンパク質(LDL)及びアポリポ蛋白B(LDL−Cの膜複合体)は、アテローム性動脈硬化症を促進する。また、これらが高濃度であると、アテローム性動脈硬化症の進行にも関連している高密度リポタンパク質(HDL)及びアポリポ蛋白A(HDL輸送複合体)の濃度が減少する。また、心血管疾患の罹患率及び死亡率は、総コレステロール値及びLDL値に比例して変化し、HDL値に反比例して変化する。
【0004】
フィブラート等の薬剤は、通常、患者のトリグリセリド中に濃縮されたリポタンパクを減少させ、HDLコレステロール値を増加させ、アテローム生成の高密度LDLを減少させるために使用される。また、フィブラートは、心筋梗塞後(ml)並びに高コレステロール血症及び過トリグリセリド血症の成人の内因性高脂血症を治療するために使用されている。フェノフィブラート又は2−[4−(4−クロロベンゾイル)フェノキシ]−2−メチル−プロパン酸、1−メチルエチルエステルは、血中のトリグリセリド値及びコレステロール値を減少させるといった有効性のある薬用有効成分として、長年公知である。1日につき40mg〜300mgのフェノフィブラートで処置すると、コレステロール血症を20%〜25%、トリグリセリド血症を40%〜50%減少させることができる。しかしながら、フェノフィブラートは、水溶性に乏しいため、消化管への吸収性は限られる。フェノフィブラートの可溶率を増加させるために、有効成分の微粉化、界面活性剤の添加、界面活性剤によるフェノフィブラートの微粉化を含む様々なアプローチが行なわれている。フェノフィブラートの可溶率を増加させる試みの例は、米国特許第4,895,726号、米国特許第6,074,670号、米国特許第6,277,405号、米国特許第6,589,552号及び米国特許第6,652,881号に開示され、これらの内容は、援用によって本願明細書の内容の一部をなす。米国特許第6,096,338号、米国特許第6,267,985号、6,667,064号及び米国特許第6,720,001、米国特許出願第2003/0082215号及び米国特許出願第2004/0052824号、国際公開第99/29300号パンフレット及び国際公開第2001/021154の内容は、援用によって本願明細書の内容の一部をなし、フェノフィブラート等の有効成分を有する可消化の油又はトリグリセリドを含有している組成物、担体系及び水中油型乳剤を開示している。フェノフィブラート及び脂肪酸エステルの特定の組合せは、開示されていない。更に、これらの組成物は、界面活性剤がフェノフィブラートを可溶化することを必要とする。例えば、米国特許第6,284,268号(その内容は、援用によって本願明細書の内容の一部をなす)には、水溶液で希釈する際に、水中油ミクロエマルジョン又はエマルジョンを生成できる医薬組成物の自己乳化及び前濃縮が開示されている。その特許には、ω−3脂肪酸油及び水溶性に乏しい治療薬(例えばサイクロスポリン又はフェノフィブラート)について記載されている。しかしながら、この特許の製剤は、組成物を自己乳化するために、多量(一般に溶媒系の重量に対して50%より多い)の界面活性剤等の可溶化剤を使用する。
【0005】
米国特許第5,645,856号及び米国特許第6,096,338号には、組成物及び疎水性薬物のインビボでの生物学的利用能を改善する方法が開示されている。薬物は、可消化の油のインビボ脂肪分解を実質的に阻害する親水性界面活性剤を含有している可消化の油に分散又は溶解する。また、組成物は、親水性界面活性剤の抑制効果を減少できる親油性界面活性剤を含む。
【0006】
米国特許第5,827,536号には、経口投与後に生物学的利用能の改善を示す薬理学的な溶解性のフェノフィブラート投薬製剤を開示している。製剤は、可溶化剤の溶液として、フェノフィブラートをジエチレングリコールモノエチルエーテルに含有する。
【0007】
Nigonらは、シトステロール、カンペステロール及びスチグマステロールのエステルの混合物で濃縮したスプレッドを低薬量摂取するだけで、心血管疾患の高リスクにある高コレステロール血症の患者中の血漿総コレステロール値及びLDL−C値を減少させることを開示している(Nigonら, Clin. Chem. Lab. Med., 39(7): 634−40 (2001 )。更に、Nigonらは、フィトステロールエステルを濃縮されたスプレッドの摂取後、フィブラートで処置したサブグループの患者中の血漿総コレステロール及びLDL−Cが、著しく減少したことを開示している。
【0008】
近年では、Yeganehら、食餌性のフィトステロールとナイアシン又はフェノフィブラートとの混合によって、アポEKOマウスのリポタンパクプロファイル及びアテローム形成に影響を与えることを開示している(Yeganehら, J. Nutritional Biochemistry 16:222−28 (2005))。特に、フィトステロールへのフェノフィブラートの添加によって、相乗作用的に血漿総コレステロール値を50%より多く、HDLコレステロール値を50%未満まで減少することが記載されている。フィトステロールとのフェノフィブラートの混合によって、血漿中性脂肪値には影響がなかった。Yeganehら、フェノフィブラートを服用している患者にとって、フィトステロール濃縮食品からの利得はそれ以上ないと結論付けている。
【0009】
発明者らは、界面活性剤又は他の可溶化剤或いは技術を最小限に使用し、或いは、全く使用しないことによって、フェノフィブラートが脂肪酸エステルに完全に溶解することと予想外にわかった。主成分がフェノフィブラート及び脂肪酸エステルである組成物は、従来の組成物より多くのフェノフィブラートを小さいピル又は錠剤で患者に送達する有意な効果があるが、多量の界面活性剤又は他の可溶化剤を必要とする。
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の一態様は、フェノフィブラート及び脂肪酸エステルの組成物であって、フェノフィブラートが実質的に完全に溶解された組成物を対象とする。
【0011】
本発明の第2の態様は、フェノフィブラートを可溶化するために、界面活性剤又は他の可溶化剤、或いは微粉化等の技術を必要としないフェノフィブラート及び脂肪酸エステルの組成物を対象とする。
【0012】
本発明の第3の態様は、脂肪酸C〜C15エステルの組成物を対象とする。
【0013】
本発明の第4の態様は、フェノフィブラート及び脂肪酸C〜C15エステルの組成物であって、脂肪酸C〜C15エステルが、「有効」成分でもある組成物を対象とする。
【0014】
第5の本発明の態様は、フェノフィブラートとω−3、ω−5、ω−6、ω−7、及びω−9脂肪酸のC〜C15エステルとの組成物を対象とする。
【0015】
第6の本発明の態様は、フェノフィブラートと1種類以上のステノール又はスタノールのC〜C15エステルとの組成物を対象とする。
【0016】
本発明の第3の態様は、脂肪酸C〜C15エステルの組成物を含む経口剤型を対象とする。
【0017】
第8の本発明の態様は、フェノフィブラートと脂肪酸のC〜C15エステルとの組成物を投与することによる疾患治療を対象とする。
【0018】
本発明の他の新規の特徴及び効果は、以下の試験又は本発明の実施によって知ることにより、即座に当業者に明らかになる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
フェノフィブラートは、脂肪酸エステルに実質的に完全に可溶化され、フェノフィブラートの投与を改善できる。本発明によれば、フェノフィブラートの脂肪酸エステルに対する溶解度は、90%w/w以上、好ましくは95%w/w以上、より好ましくは98%w/w以上である。剤型は、常温(約23〜27℃)で1月以上、好ましくは6ヵ月以上、より好ましくは1年以上及び最も好ましくは2年以上の安定している。「安定」とは、出願人は、可溶化しフェノフィブラートが、任意の相当量、例えば、好ましくは5%未満、10%未満の量が溶液に不溶であることを意図している。
【0020】
製品は、フェノフィブラート及び脂肪酸エステルを含み、これらは共に治療上効果がある。また、本発明は、過トリグリセリド血症、過コレステリン血症、混合型異脂肪血症、血管疾患、動脈硬化性疾患及び関連状態、肥満症に罹患している被験者の治療、心血管イベント及び血管イベントの予防又は軽減、インスリン抵抗性、空腹時血糖値及び摂食時血糖値の減少及び/又は糖尿病の発症の発病率の減少及び/又は遅延に有用である。
【0021】
脂肪酸エステル自体が「活性」成分である場合、2種類の予想される併用効果や相加効果より高い効果が単独で得られる。したがって、本発明の新規の製品による別の有効成分とのフェノフィブラートの併用処置により、標準投薬による効果を増大できるか、或いは、2種類の有効成分の服用量を減少させて効果を維持できる。副作用は、投薬量を低くなることから潜在的に減少する。
【0022】
有効成分の併用処置による患者治療の薬理学的な効果が増加するため、これらの有効成分の典型的な投薬によって、より有効的な治療ができる。別の実施形態において、まだ有効的な治療を維持すると共に、投薬量及び付随する副作用を減少できる。第3の実施形態において、副作用の減少によって、従来技術において周知の典型的な投薬量よりフェノフィブラートの量の増加できる。好ましい実施形態は、300mg以下、好ましくは200mg以下、より好ましくは160mg以下、さらにより好ましくは140mg以下、最も好ましくは130mg以下のフェノフィブラートを投与することを含む。
【0023】
任意の脂肪酸エステルが、本発明で使用できる。実施例において、脂肪酸エステルの酸又はアルコールの部分は、C〜C15基、好ましくはC〜C基及びより好ましくはC〜C基から選択される。他の実施の形態において、脂肪酸エステルは、メチルエステル、n−プロピルエステル、イソプロピルエステル、n−ブチルエステル、イソブチルエステル、sec−ブチルエステル及びter−ブチルエステルから選択される。好ましい実施例において、脂肪酸エステルは、エチルエステルである。エステルは、直鎖状、分枝鎖状、飽和、不飽和、多価不飽和であってよく、ハロ、エステル、エーテル、ケト、アミノ、ニトリル、カルボキシ、イミノ、チオ、オキソ、シアノ、チオシアノ及びニトロを含む官能基で修飾されてもよい。アルコールは、一級アルコール、二級アルコール、第三級アルコールであってよい。
【0024】
本発明の実施形態において、脂肪酸エステルは、ω−3、ω−5、ω−6、ω−7及びω−9脂肪酸エステル等及びその誘導体、接合体(例えば、Zalogaら、米国特許出願第2004/0254357号明細書及びHorrobinら, 米国特許第6,245,811号明細書(各々の内容は、援用によって本願明細書の内容の一部をなす)を参照)、前駆体又は塩並びにそれらの混合物等の別の「活性」成分であってよい。
【0025】
各々のエステルの酸の部分として使用できるω−3脂肪酸の例として、限定されないが、エイコサペンタエン酸(EPA)ドコサヘキサエン酸(DHA)及びσ−リノレン酸が挙げられる。ω−5脂肪酸の例として、限定されないが、ミリストレイン酸が挙げられる。ω−6脂肪酸の例として、限定されないが、リノール酸、ガンマリノレン酸、ジホモガンマリノレン酸(DGLA)アラキドン酸、ドコサジエン酸及びドコサテトラエン酸が挙げられる。ω−7脂肪酸の例として、限定されないが、パルミトレイン酸、ヘプタデセン酸、バクセン酸及びルメン酸が挙げられる。ω−9脂肪酸の例として、限定されないが、オレイン酸及びエイコセン酸が挙げられる。
【0026】
本発明の他の実施例において、脂肪酸エステルは、ステロール又はスタノールエステル若しくはその薬理学的に許容できる誘導体、接合体、前駆体又は塩、若しくはその混合物等の別の「活性」成分であってよい。本発明は、安全性が認定されている量の現在公知である、或いは、将来の公知となるステロール又はスタノールを含むことができる。例えば、本発明のいくつかの実施形態では、ステロールは、1種類以上のシトステロール、カンペステロール、スチグマステロール、アベナステロール、ブラシカステロール、エルゴステロール及びラノステロールを含むことができる。本発明の他の実施形態において、スタノールは、1種類以上のコレスタノール、シトスタノール、カンペスタノール、スチグマステロール、アベナスタノール、ブラシカステロール、エルゴステロール及びラノステロールを含むことができる。好ましい実施形態において、ステロールは、シトステロールである。他の好ましい実施形態において、スタノールは、シトスタノールである。
【0027】
脂肪酸エステルは、約350mg〜約10グラム、より好ましくは500mg〜約6グラム、最も好ましくは約750mg〜約3グラムの量で存在できる。この量は、1種類以上の剤型(好ましくは1種類の剤型)に対してであってよい。
【0028】
フェノフィブラートは、加熱して或いは加熱せずに、好ましくは加熱せずに、脂肪酸エステルに溶解してもよい。
【0029】
周知のように、フェノフィブラート及び脂肪酸エステルは、カプセル剤、錠剤、飲料に分散できる粉体、若しくは、別の固体の経口剤型、液体、ソフトゲルカプセル又はカプセル剤中の経口液体等の他の便利な剤型で投与できる。いくつかの実施形態において、カプセル剤は、硬質ゼラチンを含む。また、製品は、注射又は注入に適した液体に含有させてもよい。
【0030】
当該技術で公知であるように、フェノフィブラート及び脂肪酸エステルは、1種類以上の薬理学的な不活性成分(本願明細書では、「賦形剤」とも呼ばれる)を併用投与することができる。例えば、安定剤は、使用中又は貯蔵中にフェノフィブラートの結晶が生成されるのを回避するために用いることができる。例えば、不活性成分は、安全であり、便利であり、及び使用上許容できる適用可能で有効的な調製に有効成分を可溶化し、懸濁し、濃縮し、希釈し、乳化し、安定化させ、貯蔵し、防止し、着色し、風味をつけ、成形するのに役立つ。したがって、不活性成分は、コロイド状二酸化ケイ素、クロスポビドン、ラクトース水和物、レシチン、微結晶性セルロース、ポリビニルアルコール、ポビドン、ラウリル硫酸ナトリウム、ナトリウムステアリルフマル酸塩、タルク、二酸化チタン及びキサンタムゴムを含むことができる。
【0031】
賦形剤には、界面活性剤(例えばプロピレングリコールモノカプリレート、グリセロールと長鎖脂肪酸のポリエチレングリコールエステルの混合物、ポリエトキシル化ヒマシ油、グリセロールエステル、オレオイルマクロゴールグリセリド、プロピレングリコールモノラウラート、プロピレングリコールジカプリレート/ジカプラート、ポリエチレン−ポリプロピレングリコール共重合体とポリオキシエチレンソルビタンモノオレアート、エタノール、グリセロール、ポリエチレングリコール及びプロピレングリコール等の共溶媒、及びココナツ、オリーブ又はサフラワー油等の油)が挙げられる。界面活性剤、共溶媒、油又はそれらの混合物の使用は、薬理学分野で一般に公知であり、当業者に理解されるように、適した界面活性剤が本発明及びその実施形態で使用できる。
【0032】
製品は、脂肪酸エステルのフェノフィブラートの溶解性を利用している。したがって、製品は、多量の可溶化剤(例えば界面活性剤、共溶媒、油又はそれらの組み合わせ)を必要としない。好ましくは、有効成分は、多量の可溶化剤(脂肪酸エステル以外の)を用いずに投与される。好ましい実施例において、脂肪酸エステル以外の可溶化剤は、存在する場合、剤型の溶媒系に対して50%w/w未満、好ましくは40%未満、より好ましくは30%未満、さらにより好ましくは20%未満、それ以上に好ましくは0%未満及び最も好ましくは5%未満の量で存在する。いくつかの実施形態において、溶媒系は、脂肪酸エステル以外の可溶化剤を含有しない。ここで使用しているように、「溶媒系」は、脂肪酸エステルを含む。他の好ましい実施形態では、他の可溶化剤に対する脂肪酸エステルの重量比は、少なくとも0.5:1、より好ましくは、少なくとも1:1、さらにより好ましくは少なくとも5:1及び最も好ましくは少なくとも10:1である。
【0033】
他の好ましい実施形態では、溶媒系で用いる親水性溶媒の量は、存在する場合、剤型中の溶媒系の総重量に対して20%w/w未満、より好ましくは10%未満及び最も好ましくは5%未満である。ある種の実施形態では、溶媒系で用いる親水性溶媒の量は1〜10%w/wである。
【0034】
好ましくは、フェノフィブラートは、実質的に溶解する(すなわち、溶媒系の10%未満、好ましくは5%未満が未溶解の状態のままである)。好ましくは、フェノフィブラートは、実質的に溶解する(すなわち、溶媒系の2%未満が未溶解の状態のままである)。
【0035】
本発明の一実施態様において、フェノフィブラートは、約8mg〜400mg、より好ましくは約20mg〜約300mg、最も好ましくは30mg〜約160mgの量で存在できる。出発原料は、微粒化していない、或いは、他の機械技術に曝されていない結晶性フェノフィブラートが好ましい。好ましい実施例において、平均粒径が25μm以上(好ましくは50μm以上)のフェノフィブラートが、脂肪酸エステルに溶解する。フェノフィブラートのための粒度の仕様書要求事項がないのが好ましい。
【0036】
フィノフェブラートの量は、1種類以上の剤型(好ましくは1種類の剤型)に対しする漁であってよい。別の実施形態において、フェノフィブラートは、1gの脂肪酸エステルに対し約5mg〜400mg、好ましくは、約25mg〜200mgの割合で剤型中に別々に存在、或いは、共存する。フェノフィブラート及び脂肪酸エステルの日用量は、各々単独で1〜10回、或いは、併用して1〜10回で投与でき、1日に1〜4回が望ましい。
【0037】
任意の有害な副作用は、低投薬量及び賦形剤(例えば界面活性剤)の量によって減少できる。
【0038】
また、本発明には、医薬組成物を作製する方法であって、他の機械技術に超微粉砕していない、或いは、曝されていない結晶性フェノフィブラートを提供することを含み、脂肪酸エステルを含む溶媒系にフェノフィブラートを実質的に溶解する方法が含まれる。
【0039】
本願明細書中の引例の全ての内容は、援用によって本願明細書の内容の一部をなす。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
フェノフィブラートと、脂肪酸エステルを含む溶媒系とを含む単位剤型における医薬組成物であって、前記脂肪酸エステルの酸又はアルコール部分が、C〜C15基を含み、前記フェノフィブラートが、前記溶媒系に実質的に溶解された医薬組成物。
【請求項2】
前記フェノフィブラートが、前記溶媒系に実質的に完全に溶解された、請求項1に記載の医薬組成物。
【請求項3】
室温で6ヵ月以上安定である、請求項1に記載の医薬組成物。
【請求項4】
前記脂肪酸エステルの酸又はアルコール部分が、C〜C基を含む、請求項1に記載の医薬組成物。
【請求項5】
前記脂肪酸エステルの酸又はアルコール部分が、C〜C基を含む、請求項1に記載の医薬組成物。
【請求項6】
前記溶媒系が、前記溶媒系の総重量に対して50%w/w未満の前記脂肪酸エステル以外の少なくとも1種類の可溶化剤を含有する、請求項1に記載の医薬組成物。
【請求項7】
前記溶媒系が、脂肪酸エステルからなる、請求項1に記載の医薬組成物。
【請求項8】
前記溶媒系が、脂肪酸エステル以外の少なくとも1種類の可溶化剤を更に含み、脂肪酸エステル対前記可溶化剤の重量比が少なくとも0.5対1である、請求項1に記載の医薬組成物。
【請求項9】
前記溶媒系が、前記溶媒系の総重量に対して20%w/w未満の少なくとも1種類の親水溶媒を含有する、請求項1に記載の医薬組成物。
【請求項10】
前記フェノフィブラートが、微粒化していない、或いは他の機械技術に曝されていない結晶性フェノフィブラートである、請求項1に記載の医薬組成物。
【請求項11】
前記フェノフィブラートの平均粒径が、25μm以上である、請求項1に記載の医薬組成物。
【請求項12】
フェノフィブラートと、ω−5、ω−6、ω−7、ω−9脂肪酸エステル若しくはその薬理学的に許容できる誘導体、接合体、前駆体もしくは塩、又はそれらの混合物を含む溶媒系とを含み、前記フェノフィブラートが、前記溶媒系に実質的に溶解された、単位剤型における医薬組成物。
【請求項13】
前記フェノフィブラートが、溶媒系に実質的に完全に溶解された、請求項12に記載の医薬組成物。
【請求項14】
室温で6ヵ月以上安定である、請求項12に記載の医薬組成物。
【請求項15】
前記溶媒系が、前記溶媒系の総重量に対して50%w/w未満の前記脂肪酸エステル以外の少なくとも1種類の可溶化剤を含有する、請求項12に記載の医薬組成物。
【請求項16】
前記溶媒系が、脂肪酸エステルからなる、請求項12に記載の医薬組成物。
【請求項17】
前記溶媒系が、脂肪酸エステル以外の少なくとも1種類の可溶化剤を更に含み、脂肪酸エステル対前記可溶化剤の重量比が少なくとも0.5対1である、請求項12に記載の医薬組成物。
【請求項18】
前記溶媒系が、前記溶媒系の総重量に対して20%w/w未満の少なくとも1種類の親水溶媒を含有する、請求項12に記載の医薬組成物。
【請求項19】
前記フェノフィブラートが、微粒化していない、或いは他の機械技術に曝されていない結晶性フェノフィブラートである、請求項12に記載の医薬組成物。
【請求項20】
前記フェノフィブラートの平均粒径が、25μm以上である、請求項12に記載の医薬組成物。
【請求項21】
フェノフィブラートと、ステノール脂肪酸エステル又はスタノール脂肪酸エステル若しくはその薬理学的に許容できる誘導体、接合体、前駆体もしくは塩、又はそれらの混合物を含む溶媒系とを含み、前記フェノフィブラートが、前記溶媒系に実質的に溶解された、単位剤型における医薬組成物。
【請求項22】
前記フェノフィブラートが、前記溶媒系に実質的に完全に溶解された、請求項21に記載の医薬組成物。
【請求項23】
室温で6ヵ月以上安定である、請求項21に記載の医薬組成物。
【請求項24】
前記溶媒系が、前記溶媒系の総重量に対して50%w/w未満の前記脂肪酸エステル以外の少なくとも1種類の可溶化剤を含有する、請求項21に記載の医薬組成物。
【請求項25】
前記溶媒系が、脂肪酸エステルからなる、請求項21に記載の医薬組成物。
【請求項26】
前記溶媒系が、脂肪酸エステル以外の少なくとも1種類の可溶化剤を更に含み、脂肪酸エステル対前記可溶化剤の重量比が少なくとも0.5対1である、請求項21に記載の医薬組成物。
【請求項27】
前記溶媒系が、前記溶媒系の総重量に対して20%w/w未満の少なくとも1種類の親水溶媒を含有する、請求項21に記載の医薬組成物。
【請求項28】
前記フェノフィブラートが、微粒化していない、或いは他の機械技術に曝されていない結晶性フェノフィブラートである、請求項21に記載の医薬組成物。
【請求項29】
前記フェノフィブラートの平均粒径が、25μm以上である、請求項21に記載の医薬組成物。
【請求項30】
フェノフィブラートと、脂肪酸エステル及び溶媒系の総重量に対して50%w/w未満の前記脂肪酸エステル以外の少なくとも1種類の可溶化剤を含有する溶媒系と含み、前記フェノフィブラートが、前記溶媒系に実質的に溶解された、単位剤型における医薬組成物。
【請求項31】
前記フェノフィブラートが、前記溶媒系に実質的に完全に溶解された、請求項30に記載の医薬組成物。
【請求項32】
室温で6ヵ月以上安定である、請求項30に記載の医薬組成物。
【請求項33】
前記溶媒系が、脂肪酸エステルからなる、請求項30に記載の医薬組成物。
【請求項34】
前記溶媒系が、脂肪酸エステル以外の少なくとも1種類の可溶化剤を更に含み、脂肪酸エステル対前記可溶化剤の重量比が少なくとも0.5対1である、請求項30に記載の医薬組成物。
【請求項35】
前記溶媒系が、前記溶媒系の総重量に対して20%w/w未満の少なくとも1種類の親水溶媒を含有する、請求項30に記載の医薬組成物。
【請求項36】
フェノフィブラートと、ω−5、ω−6、ω−7、ω−9脂肪酸エステル若しくはその薬理学的に許容できる誘導体、接合体、前駆体もしくは塩、又はそれらの混合物を含む溶媒系とを含む、請求項30に記載の医薬組成物。
【請求項37】
前記フェノフィブラートが、微粒化していない、或いは他の機械技術に曝されていない結晶性フェノフィブラートである、請求項30に記載の医薬組成物。
【請求項38】
前記フェノフィブラートの平均粒径が、25μm以上である、請求項30に記載の医薬組成物。
【請求項39】
医薬組成物を作製する方法であって、微粒化していない、或いは他の機械技術に曝されていない脂肪酸エステルを含む結晶性フェノフィブラートを準備することと、脂肪酸エステルを含む溶媒系にフェノフィブラートを実質的に溶解されることを含む方法。
【請求項40】
前記フェノフィブラートの平均粒径が、25μm以上である、請求項39に記載の方法。
【請求項41】
前記フェノフィブラートを、溶媒系に実質的に完全に溶解された、請求項39に記載の方法。
【請求項42】
前記脂肪酸エステルの酸又はアルコール部分が、C〜C15基を含む、請求項39に記載の方法。
【請求項43】
前記脂肪酸エステルが、フェノフィブラートと、ω−5、ω−6、ω−7、ω−9脂肪酸エステル若しくはその薬理学的に許容できる誘導体、接合体、前駆体もしくは塩、又はそれらの混合物を含む溶媒系とを含む、請求項39に記載の方法。
【請求項44】
前記脂肪酸エステルが、ステロール脂肪酸エステル又はスタノール脂肪酸エステル、もしくはその薬理学的に許容できる誘導体、接合体、前駆体もしくは塩、又はそれらの混合物を含む、請求項39に記載の方法。

【公表番号】特表2008−522972(P2008−522972A)
【公表日】平成20年7月3日(2008.7.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−544611(P2007−544611)
【出願日】平成17年12月5日(2005.12.5)
【国際出願番号】PCT/US2005/044036
【国際公開番号】WO2006/062933
【国際公開日】平成18年6月15日(2006.6.15)
【出願人】(507185428)レリアント ファーマスーティカルズ インコーポレイテッド (9)
【Fターム(参考)】