説明

脊柱インプラント

【課題】取り扱いが簡単な脊柱インプラントを提供する。
【解決手段】剛性を有する第1接続要素2は第1骨ネジ3の第1受け入れ手段5に挿入可能であり、弾性を有する第2接続要素9は第2骨ネジ10の第2受け入れ手段13に挿入可能である。第1接続要素2と第2接続要素9を結合する結合手段16は、U状凹部22を形成し、かつ別の骨ネジ18上に設けられた2つの腕部20,21を備えている。U状凹部22の第1領域23及び第2領域24に第1接続要素2の端領域14及び第2接続要素9の端領域15がそれぞれ挿入可能である。押し付け要素25は2つの腕部20,21の間に挿入可能である。クランプ手段28は2つの腕部20,21上に配置可能であり、クランプ手段28によって押し付け要素25は第1接続要素2の端領域14及び第2接続要素9の端領域15に押し付けられることが可能である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、脊柱の堆体の安定化及び固定のための脊柱インプラントに関し、堆体にねじ込むことが可能なねじ込み部と第1受け入れ手段とを有する少なくとも一つの第1骨ネジと、堆体にねじ込むことが可能なねじ込み部と第2受け入れ手段とを有する少なくとも一つの第2骨ネジと、剛性を有し、第1骨ネジの第1受け入れ手段に挿入可能であり、そこに固定可能な少なくとも一つの第1接続要素と、弾性を有し、第2骨ネジの第2受け入れ手段に挿入可能であり、そこに固定可能な少なくとも一つの第2接続要素と、第1接続要素と第2接続要素を結合可能な結合手段とを備える。
【背景技術】
【0002】
脊柱の堆体の安定化及び固定のためのこのような脊柱インプラントは、様々な設計において知られている。脊柱インプラントの固定部分によって、このように固定された複数の堆体の間で骨の成長が一緒に生じて、脊柱の望ましい安定化が導かれる一方で、脊柱インプラントの弾性領域によって、堆体が支持されるように安定化され、個々の堆体の間での所定の可動性が期待され許容される。
【0003】
脊柱の堆体の安定化及び固定のためのこのような脊柱インプラントは、例えば特許文献1により知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】欧州特許出願公開第1961392号明細書
【特許文献2】欧州特許出願公開第2074957号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
これらの既知の脊柱インプラントに関して、個々の堆体での骨ネジの配置、特に剛性を有する接続要素への変わり目の領域での骨ネジの配置は、とても正確に行われなければならない。不正確な場合には、剛性を有する接続要素を適切に曲げることによって修正され、これは、脊柱に脊柱インプラントが挿入されている間、行われるべきであり、処置をより難しくしている。さらに、各接続要素が各結合手段に別々に挿入され、それ自身のクランプ手段によって固定されるため、剛性を有する接続要素と弾性を有する接続要素との結合は、手間がかかり複雑であり、それは、その対応する結合手段に比較的複雑な構成を要求し、さらに処理を複雑化する。
【0006】
本発明の目的は、簡単な構成から成る、脊柱の複数の堆体の安定化及び固定のための脊柱インプラントを創作し、それによって、特に、剛性を有する接続要素と弾性を有する接続要素の挿入及び結合が簡素化され、剛性を有する接続要素と弾性を有する接続要素の最適な結合が達成され得ることにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この目的は、結合手段が2つの腕部を備え、当該2つの腕部はU状凹部を形成し、かつ骨ネジ上に設けられ、当該U状凹部の第1領域に第1接続要素の端領域が挿入可能であり、当該U状凹部の第2領域に第2接続要素の端領域が挿入可能であり、押し付け要素が当該2つの腕部の間に挿入可能であり、クランプ手段が当該2つの腕部上に配置可能であり、当該クランプ手段によって当該押し付け要素は当該第1及び第2接続要素の当該2つの端領域に対して押し付けられることが可能である、という本発明によって達成される。
【0008】
本発明に係るこの設計によって、一つのクランプ操作によって、剛性を有する接続要素と弾性を有する接続要素との両方が、別の骨ネジのU状凹部にクランプ及び固定され、これにより取り扱いが非常に簡素化される。
【0009】
望ましくは、前記押し付け要素には、前記腕部の側面上に配置された案内面と協働する案内部が設けられる。
【0010】
望ましくは、前記クランプ手段はクランプネジを備え、当該クランプネジによって、前記押し付け要素が前記第1接続要素の前記端領域に対して第1押し付け面で押し付けられ、かつ前記第2接続要素の前記端領域に対して第2押し付け面で押し付けられることが可能であり、その結果、単純な構成及び単純なクランプ処理が実現される。
【0011】
望ましくは、前記クランプネジは、前記腕部に配置可能であって、それらにロックされることが可能である蓋に挿入され、それによって、骨ネジへのクランプ手段の簡単な挿入が達成される。
【0012】
これは、前記クランプネジが、前記腕部の内側に設けられたネジ山にねじ込まれることが可能な点で達成される。
【0013】
前記クランプ手段は、前記腕部に配置可能であって、かつそれらにロック可能である蓋と、当該蓋に挿入されるクランプネジとによって形成される点が有利であって、当該クランプネジによって、前記押し付け要素が前記第1接続要素の前記端領域に対して第1押し付け面で押し付けられ、かつ前記第2接続要素の前記端領域に対して第2押し付け面で押し付けられることが可能であり、その結果、このクランプ手段の単純な構成が実現され、それゆえに簡単に取り扱うことができる。
【0014】
本発明の他の有利な態様では、前記第1接続要素の前記端領域は球形であって、前記U状凹部の前記第1領域における、前記2つの腕部の間に形成された底面は、前記第1接続要素の球形の前記端領域に対応する凹球形状を有する。それゆえに、クランプ手段、さらには弾性を有する第2接続要素に対して、ある角度範囲内において、剛性のある第1接続要素を至る所で位置合わせすることが可能となり、また当該第1接続要素を堆体での骨ネジに最適に適合することが可能となり、それゆえに、処理の間において、剛性を有する接続要素の複雑かつ困難な曲げによってではなく、第1接続要素の多軸的な位置合わせの実現によって、堆体での骨ネジの不正確な配置を補うことができる。
【0015】
最適なクランプ効果とその結果としての接続要素の最適な固定とを実現するために、前記押し付け要素の第1及び第2押し付け面は、前記第1及び第2接続要素の前記端領域の表面形状にそれぞれ適合されている。
【0016】
望ましくは、前記押し付け要素の前記第2押し付け面及び/または前記U状凹部の前記第2領域の底面には、弾性を有する接続要素の表面に入り込むことが可能な構造が設けられており、それにより最適な接続が実現される。
【0017】
望ましくは、前記第2接続要素の少なくとも前記端領域には、前記U状凹部の前記第2領域の構造と補完関係となるように設計された構造が設けられており、それゆえにぴったりと合った接続が実現される。
【0018】
前記構造が、前記第2接続要素の長軸に対して実質的に横切るように位置合わせされたリブ及び溝で構成されているなら、この種の最適なぴったりと合った接続は達成される。
【0019】
望ましくは、前記クランプネジは、回転可能に前記押し付け要素に接続され、前記蓋、それにねじ込まれる前記クランプネジ及び前記押し付け要素は一つのユニットとして別の骨ネジ上に配置され、それにゆえに取り扱いがかなり単純化される。
【0020】
本発明の他の有利な態様では、前記押し付け要素には、少なくとも、前記第2接続要素と協働する側において、前記腕部に設けられた停止面で支持されることが可能な支持面が設けられている。これにより、弾性を有する第2接続要素のクランプされた端領域が押し付けられ過ぎないようになる。
【0021】
以下に、本発明の実施態様を、添付図面を参照しつつ例を挙げてより詳しく説明する。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】剛性を有する第1接続要素と、弾性を有する第2接続要素と、これらの接続要素が挿入されて保持される骨ネジと、当該2つの接続要素の端領域が挿入されて固定される別の骨ネジとを備える脊柱インプラントを立体的に示す図である。
【図2】図1に係る実施態様を立体的に示す図であって、別の骨ネジのクランプ手段の個々の部分が引き離された状態で示されている。
【図3】図2に係る別の骨ネジの接続要素のための受け入れ部を拡大して示す図である。
【図4】図1及び2に係る脊柱インプラントの長手方向の断面を示す図である。
【図5】本発明に係る脊柱インプラントの他の実施態様を立体的に示す図である。
【図6】図5に係る実施態様を立体的に示す図であって、別の骨ネジのクランプ手段の個々の部分が引き離された状態で示されている。
【図7】図5及び6に係る脊柱インプラントの長手方向の断面構造を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
図1は、剛性を有する第1接続要素2を有する脊柱インプラント1を立体的に示す図である。この第1接続要素2は第1骨ネジ3で保持されており、当該第1骨ネジ3は、既知のように、ねじ込み部4を備えており、当該ねじ込み部4は、同様に既知の方法で一つの堆体にねじ込まれることが可能である(図示せず)。この第1骨ネジ3には、第1接続要素2を保持するための第1受け入れ手段5が設けられており、当該第1受け入れ手段5は、第1骨ネジ3の頭部6においてU状受け入れ部7として設けられている。第1接続要素2は、棒材として設計されており、U状受け入れ部7に配置される。U状受け入れ部7は、内側にネジ山8を有しており、当該ネジ山8には、既知の方法でクランプネジがねじ込まれ(図示せず)、詳細は後述するように当該クランプネジによって第1接続要素2がU状受け入れ部7にクランプされる。
【0024】
ここで示される脊柱インプラント1は、さらに、弾性を有し、かつ第2骨ネジ10で保持される第2接続要素9を備えている。この第2骨ネジ10は、同様に、既知の方法で一つの堆体にねじ込まれる(図示せず)ねじ込み部11を備えている。第2骨ネジ10の頭部12には、第2受け入れ手段13が設けられており、第2接続要素9は第2骨ネジ10に固定されて保持される。このような、第2接続要素を受け入れるための第2受け入れ手段を有する第2骨ネジは、上記の特許文献2で詳細に述べられている。
【0025】
図1から理解できるように、第1接続要素2の端領域14と第2接続要素9の端領域15とは、結合手段16において結合されるように保持されている。この結合手段16は、別の骨ネジ18の頭部17に設けられており、当該別の骨ネジ18には、同様に別のねじ込み部19が設けられており、当該ねじ込み部19によって、この別の骨ネジ18もまた既知の方法で一つの堆体にねじ込まれる(図示せず)。
【0026】
図2と特に図3から理解できるように、別の骨ネジ18の頭部17に設けられた結合手段16は、当該頭部17においてU状凹部22を形成する2つの腕部20,21を備えている。第1接続要素2の端領域14は、このU状凹部22での第1領域23に挿入可能となっている。第2接続要素9の端領域15は、このU状凹部22での第2領域24に挿入可能となっている。
【0027】
押し付け要素25は、2つの腕部20,21の間に挿入可能となっている。この押し付け要素25には、突出するように形成されている複数の案内部26が設けられている。別の骨ネジ18上に押し付け要素25が配置されると、これらの案内部26は、腕部20,21のそれぞれの側面に設けられた複数の案内面27に沿うようになる。これにより、押し付け要素25は、別の骨ネジ18の2つの腕部20,21の間に案内されるように挿入される。この押し付け要素25は、第1接続要素2及び第2接続要素9の端領域14,15がU状凹部22に挿入された際に当該端領域14,15に対してクランプ手段28によってクランプされる。このクランプ手段28は、2つの腕部20,21上に配置され、これらとロックすることが可能な蓋29を備えている。この目的のために、蓋29は、2つの隆起部30を備えており、当該隆起部30は腕部20,21の外側に設けられた溝部31において既知の方法で回転可能となっている。蓋29は回転されて2つの腕部20,21に接続される。
【0028】
蓋29には、ネジ山33が設けられた穴32が設けられている。この穴32のネジ山33には、クランプネジ34がねじ込まれることが可能となっている。図1に示されるように、組み付けられた状態では、押し付け要素25は、このクランプネジ34が締められていることによって第1接続要素2及び第2接続要素9の端領域14,15に対してクランプされ、当該押し付け要素25は、第1接続要素2の端領域14に対して第1押し付け面35で押し付けられ、第2接続要素9の端領域15に対して第2押し付け面36で押し付けられる。
【0029】
図1〜4に示される実施形態例では、第1接続要素2の端領域14は、球状に設計されている。U状凹部22の第1領域23における、第1腕部20及び第2腕部21の間に形成された底面は、特に図4から理解できるように、第1接続要素2の球状の端領域14に対応する凹球形状を有している。押し付け要素25の第1押し付け面35は、同様に、第1接続要素2の端領域14の球形状に対応する凹球状面を有している。これにより、第1接続要素2の球状の端領域14は、別の骨ネジ18において最適に保持されて固定される。よって、最適なクランプが達成されるにもかかわらず、第1接続要素2が、別の骨ネジ18さらには第2接続要素9に対して角度を付けて位置合わせ可能となる。
【0030】
図4からも理解できるように、第2接続要素9には、その表面に複数の構造37が設けられている。押し付け要素25の第2押し付け面36とU状凹部22の第2領域24の底面とには、第2接続要素9の複数の構造37と補完的なデザインの複数の構造が同様に設けられている。これにより、別の骨ネジ18において、弾性材料から成る第2接続要素9へのぴったりと合った接続が得られる。もちろん、第2接続要素9が滑らかな表面を有し、かつU状凹部22の第2領域24の底面及び/あるいは押し付け要素25の第2押し付け面36だけに対して、押し付け要素25に対してクランプネジ34が締め付けられている間、第2接続要素9の表面に入り込む複数の構造が設けられるということが考えられ、これによって、ぴったりと合った接続が発生する。
【0031】
複数の構造37は、例えば、第2接続要素9の長軸に対して実質的に横切るように位置合わせされた複数のリブ38及び複数の溝39として設計され、これにより、最適なぴったりと合ったものが形成される。
【0032】
同様に図4から理解できるように、クランプネジ34は、押し付け要素25において回転可能に保持され、この目的のために、このクランプネジ34には、ボルト40が設けられており、当該ボルト40は、押し付け要素25に形成された穴41に突出し、クランプネジ34が押し付け要素25において回転可能に保持されるように当該ボルト40の下端部はかしめられている。これにより、蓋29とクランプネジ34から成るクランプ手段28は、押し付け要素25とともにあらかじめ組み立てられている。その後、これらの手段はユニットとして別の骨ネジ18上に配置され、ロック及び同様にクランプされ、手術の調整の間、大幅に取り扱いが単純化される。
【0033】
図3から理解できるように、押し付け要素25は、第2接続要素9と協働する側に複数の支持面42を有する。腕部20,21には、対応する複数の停止面43が設けられている。押し付け要素25が完全なクランプ状態であって、弾性材料で形成された第2接続要素9に十分な押し付け力が作用するときに、複数の支持面42が複数の停止面43で支持されて、クランプ状態の弾性を有する第2接続要素9の過大な押し付けが防止されるように、複数の支持面42と複数の停止面43とは互いに位置合わせされている。
【0034】
押し付け要素25には、第1接続要素2と協働する側に複数の支持面44が設けられ、当該支持面44は、腕部20,21に設けられた複数の停止面45で支持されることが可能である。複数の支持面44と複数の停止面45とは、第1接続要素2が挿入されると、これらの面が互いに接触しないようにされている。ただし、安定化された堆体が発達して安定した骨の接続になると、第1接続要素が除去されることが考えられる。このような場合に、第2接続要素9のみに対して押し付け要素25がクランプされると、複数の支持面44は複数の停止面45で支持されるであろう。それでも、別の骨ネジ18での第2接続要素9の安定したクランプが達成される。
【0035】
すでに述べた例と同様に、図5から理解できるように、脊柱インプラントの別の実施形態は、第1骨ネジ3において保持される、剛性を有する第1接続要素2を備えている。この第1骨ネジ3は、同様に、棒材として設計された第1接続要素2を受け入れる第1受け入れ手段5を有している。
【0036】
弾性を有する第2接続要素9は、すでに紹介した実施形態例に関して述べたように、第2骨ネジ10で保持される。
【0037】
第1接続要素2の端領域14と第2接続要素9の端領域15とは、結合するように結合手段16において保持される。この結合手段16は、別の骨ネジ18の頭部17に配置されており、当該別の骨ネジ18には、同様にねじ込み部19が設けられており、当該ねじ込み部19によって、この別の骨ネジ18が、同様に、既知の方法で一つの堆体にねじ込まれる(図示せず)。
【0038】
図6,7から理解できるように、別の骨ネジ18の頭部17に設けられた結合手段16は、頭部17においてU状凹部22を形成する2つの腕部20,21を備えている。第1接続要素2の端領域14は、このU状凹部22での第1領域23に挿入可能である。第2接続要素9の端領域15は、このU状凹部22の第2領域24に挿入される。
【0039】
押し付け要素51は、2つの腕部20,21の間に挿入される。この押し付け要素51には、2つの腕部20,21の間に当該押し付け要素51が挿入される間、案内部として機能する突出部52が設けられている。2つの腕部20,21の内側には、クランプネジ54がねじ込まれるネジ山53が設けられている。このクランプネジ54を締め付けることによって、押し付け要素51は、第1接続要素2及び第2接続要素9の端領域14,15に対してクランプされる。これにより、押し付け要素51は、第1接続要素2の端領域14に対して第1押し付け面35で押し付けられ、第2接続要素9の端領域15に対して第2押し付け面36で押し付けられる。
【0040】
ここで提案される別の実施形態例においても、第1接続要素2の端領域14が球状に設計されている。図7から理解できるように、U状凹部22の第1領域23における、第1腕部20と第2腕部21の間の底面は、第1接続要素2の球状の端領域14と対応する凹球形状を有している。押し付け要素51の第1押し付け面35は、第1接続要素2の球状の端領域14に対応する凹状球面を有している。これにより、第1接続要素2の球状の端領域14が、別の骨ネジ18において最適な方法で保持及び固定され、その結果、最適なクランプが達成されるにもかかわらず、第1接続要素2を、別の骨ネジ18、さらには第2接続要素9に対して、ある範囲内において角度をつけて位置合わせすることが可能となる。
【0041】
既に述べた実施形態例と同様に、この別の実施形態例においても、ぴったりと合った接続を得るために、複数の構造37もまた第2接続要素9に設けられている。
【0042】
この種の脊柱インプラントで使用される、弾性を有する第2接続要素は、望ましくは、ベースがポリウレタンで他の部分がチタン合金で形成された、生体適合性を有する合成材料で形成されている。もちろん、他の適切な材料もまた使用されても良い。
【0043】
上記においては、第1ネジ及び中間ネジが剛性を有する接続要素を介して互いに接続され、中間ネジ及び第2ネジが弾性を有する接続要素を介して互いに接続された、合計3つのネジから成る実施形態について説明した。もちろん、例えば、剛性を有する接続要素及び弾性を有する接続要素が2つよりも多いネジにわたって存在するような、より多くのネジを有する他の多くの実施形態例が考えられる。また、例えば、剛性を有する接続要素が弾性を有する2つの接続要素の間に挿入され、これらの接続要素の接続領域にすでに述べた別の骨ネジが挿入されるなどして、2つよりも多い接続要素が使用されることも考えられる。望ましい方法で組み立てられたこのような脊柱インプラントは、必要に応じて使用される。
【0044】
この発明により、最適な方法で状況に適合された、脊柱の堆体の安定化及び固定のための脊柱インプラントが得られ、これにより、取り扱いが簡単となり、最適な方法で、弾性を有する接続要素に対する、剛性を有する接続要素の多軸的な適合もまた達成可能である。
【符号の説明】
【0045】
1 脊柱インプラント
2 第1接続要素
3 第1骨ネジ
4,11 ねじ込み部
5 第1受け入れ手段
9 第2接続要素
10 第2骨ネジ
13 第2受け入れ手段
14,15 端領域
16 結合手段
18 別の骨ネジ
20,21 腕部
22 U状凹部
23 第1領域
24 第2領域
25,51 押し付け要素
26,52 案内部
27 案内面
28 クランプ手段
29 蓋
34,54 クランプネジ
35 第1押し付け面
36 第2押し付け面
37 構造
38 リブ
39 溝
42 支持面
43 停止面
53 ネジ山

【特許請求の範囲】
【請求項1】
脊柱の堆体の安定化及び固定のための脊柱インプラントであって、
堆体にねじ込み可能なねじ込み部(4)と第1受け入れ手段(5)とを有する少なくとも一つの第1骨ネジ(3)と、
堆体にねじ込み可能なねじ込み部(11)と第2受け入れ手段(13)とを有する少なくとも一つの第2骨ネジ(10)と、
剛性を有し、前記第1骨ネジ(3)の前記第1受け入れ手段(5)に挿入可能であり、そこに固定可能な少なくとも一つの第1接続要素(2)と、
弾性を有し、前記第2骨ネジ(10)の前記第2受け入れ手段(13)に挿入可能であり、そこに固定可能な少なくとも一つの第2接続要素(9)と、
前記第1接続要素(2)と前記第2接続要素(9)を結合可能な結合手段(16)と
を備え、
前記結合手段(16)は、2つの腕部(20,21)を備え、当該2つの腕部はU状凹部(22)を形成し、かつ別の骨ネジ(18)上に設けられ、当該U状凹部(22)の第1領域(23)に前記第1接続要素(2)の端領域(14)が挿入可能であり、当該U状凹部(22)の第2領域(24)に前記第2接続要素(9)の端領域(15)が挿入可能であり、押し付け要素(25,51)が当該2つの腕部(20,21)の間に挿入可能であり、クランプ手段が当該2つの腕部(20,21)上に配置可能であり、当該クランプ手段によって当該押し付け要素(25,51)は当該第1及び第2接続要素の当該2つの端領域(14,15)に対して押し付けられることが可能である、脊柱インプラント。
【請求項2】
請求項1に記載の脊柱インプラントであって、
前記押し付け要素(25,51)には、前記腕部(20,21)の側面上に配置された案内面(27)と協働する案内部(26,52)が設けられている、脊柱インプラント。
【請求項3】
請求項1及び請求項2のいずれか一つに記載の脊柱インプラントであって、
前記クランプ手段(28)はクランプネジ(34,54)を備え、当該クランプネジによって、前記押し付け要素(25,51)が前記第1接続要素(2)の前記端領域(14)に対して第1押し付け面(35)で押し付けられ、かつ前記第2接続要素(9)の前記端領域(15)に対して第2押し付け面(36)で押し付けられることが可能である、脊柱インプラント。
【請求項4】
請求項3に記載の脊柱インプラントであって、
前記クランプネジ(34)は、前記腕部(20,21)に配置可能であって、それらにロックされることが可能な蓋(29)に挿入される、脊柱インプラント。
【請求項5】
請求項3に記載の脊柱インプラントであって、
前記クランプネジ(54)は、前記腕部(20,21)の内側に設けられたネジ山(53)にねじ込み可能である、脊柱インプラント。
【請求項6】
請求項1乃至請求項5のいずれか一つに記載の脊柱インプラントであって、
前記第1接続要素(2)の前記端領域(14)は球形に設計され、前記U状凹部(22)の前記第1領域(23)における、前記2つの腕部(20,21)の間に形成された底面は、前記第1接続要素(2)の球形の前記端領域(14)に対応する凹球形状を有する、脊柱インプラント。
【請求項7】
請求項3乃至請求項5のいずれか一つに記載の脊柱インプラントであって、
前記押し付け要素(25,51)の前記第1及び第2押し付け面(35,36)は、前記第1及び第2接続要素(2,9)の端領域(14,15)の表面形状にそれぞれ適合されている、脊柱インプラント。
【請求項8】
請求項3乃至請求項5及び請求項7のいずれか一つに記載の脊柱インプラントであって、
前記押し付け要素(25,51)の前記第2押し付け面(36)及び/または前記U状凹部(22)の前記第2領域(24)の底面には、構造(37)が設けられている、脊柱インプラント。
【請求項9】
請求項8に記載の脊柱インプラントであって、
前記第2接続要素(9)の少なくとも前記端領域(14)には、前記U状凹部(22)の前記第2領域(24)の前記構造(37)と補完関係となるように設計された構造が設けられている、脊柱インプラント。
【請求項10】
請求項8及び請求項9のいずれか一つに記載の脊柱インプラントであって、
前記構造は、前記第2接続要素の長軸に対して実質的に横切るように位置合わせされたリブ(38)及び溝(39)で構成されている、脊柱インプラント。
【請求項11】
請求項3乃至請求項5及び請求項7乃至請求項10のいずれか一つに記載の脊柱インプラントであって、
前記クランプネジ(34,54)は、回転可能に前記押し付け要素(25,51)に接続されている、脊柱インプラント。
【請求項12】
請求項1乃至請求項11のいずれか一つに記載の脊柱インプラントであって、
前記押し付け要素(25)には、少なくとも、前記第2接続要素(9)と協働する側において、前記腕部(20,21)に設けられた停止面(43)で支持されることが可能な支持面(42)が設けられている、脊柱インプラント。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2012−213623(P2012−213623A)
【公開日】平成24年11月8日(2012.11.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−73566(P2012−73566)
【出願日】平成24年3月28日(2012.3.28)
【出願人】(503181059)シュピネラープ アクチエンゲゼルシャフト (8)
【Fターム(参考)】