説明

脊椎ロッドを結合するための連結トランスコネクタ

【課題】脊椎固定のための装置、特に隣接する脊椎ロッド又は他の細長い部材を結合するためのトランスコネクタを提供する。
【解決手段】第1の縦脊椎ロッドを第2の縦脊椎ロッドに結合するための連結トランスコネクタ(10)。連結トランスコネクタは、一般的に、縦脊椎ロッドに係合するための一対のフック係合部材(50)、フック係合部材(50)間をつなぐ横ロッド(20)、及びフック係合部材(50)をロッドと相互接続する固定要素(100)を含む。固定要素(100)は、様々な脊椎ロッドアライメントに対して連結トランスコネクタ(10)を適合させるための多重調節度を考慮するように構成されている。固定要素(100)はまた、縦脊椎ロッドに対する横ロッド(20)の望ましい位置が達成された状態で、横ロッド(20)の位置をフック係合部材(50)に対して固定させる。固定要素(100)はまた、固定要素(100)に加えられた力により、横ロッド(20)の位置をフック係合部材(50)に対して固定することができると考えられる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、脊椎固定のための装置、特に、隣接する脊椎ロッド又は他の細長い部材を結合するためのトランスコネクタに関する。
【背景技術】
【0002】
例えば脊柱側湾症のような変性脊椎障害の結果としての脊柱湾曲を外科的に矯正して安定化させること又は脊椎固定術を容易にすることが、多くの場合に必要である。脊椎矯正及び固定に使用される多くのシステムが開示されてきた。これらのシステムは、通常は背柱の棘突起のいずれかの側で脊椎背面に縦方向に配置される典型的にはロッド又はプレートのいずれかである一対の細長い部材を含む。単純化のために、今後は大きさ及び/又は形状に関係なくあらゆる細長い部材を参照するのに用語「ロッド」を使用することにする。各ロッドは、以下に限定されるものではないが、茎状ネジ、プレート、横突起フック、サブラミナーフック、茎状フック、クランプ、ワイヤなどを含むことができる取付装置を使用して、脊椎の長さに沿って様々な椎骨に取り付けられる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
また、そのような二重ロッドアセンブリの強度と安定性は、脊椎を横切って実質的に水平方向に延びて縦脊椎ロッドを結合するたすき又はトランスコネクタを用いて2つのロッドを結合することにより増大させることができることも公知である。しかし、トランスコネクタの使用は、外科医に1つ又はそれよりも多くの困難をもたらす可能性がある。第1に、トランスコネクタを使用することができると考えられる最も単純な状況は、2つのロッドが互いに平行である時、すなわち、内側横方向にロッドの収束又は発散が存在しない時に発生し、この場合、2つのロッドは、前後方向に見て前頭面に対して同じ向きを有し、すなわち、ロッドは、横から見て共面であり、かつ2つのロッドは、互いから一定の距離に位置している。しかし、様々な要因により、2つのロッドが臨床的状況においてそのように幾何学的に整列する場合は稀である。
【0004】
すなわち、脊椎ロッドのアライメントの変化に適応するように調節することができるトランスコネクタを提供することは有利である。しかし、そのような調節可能性を付加することは、外科的環境にある間に組み立てて使用するのが困難になる可能性がある多数の部分から成るトランスコネクタを必要とする。
【0005】
更に、トランスコネクタが隣接する脊椎ロッドにわたって配置される時には、装置の膨張したプロフィールは、軟組織の外傷を頻繁に引き起こし、外科的合併症を生じさせる場合がある。従って、軟組織が被る外傷の全体量を低減してその結果生じる合併症の可能性を最小にするために、可能な限り横方向(すなわち、横断方向)プロフィールを小さくしたトランスコネクタを提供することが有利である。
【0006】
組み立てられた状態でトランスコネクタアセンブリの個々の部分の分解を防止し、それによって患者内で取付中にトランスコネクタが偶発的に壊れることになる可能性を低減することにより、トランスコネクタの取付を容易にするのに役立つトランスコネクタを提供することは更に有利である。また、縦脊椎ロッドに対するトランスコネクタの位置を固定するのに要する段階の全体的な数を削減し、それによって患者内の取付に要する時間と労力を低減することによりトランスコネクタの取付を容易にするトランスコネクタを提供することも有利である。
【0007】
すなわち、有利な態様において様々な脊椎ロッドアライメントに対して調節するようになっており、関連する組織外傷を低減させるために横方向配置面積が低減され、かつ事前組み立てされた時に患者内で取付中に損傷しないで残ることになる隣接脊椎ロッドを結合するための改良型トランスコネクタに対する必要性が存在する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、第1の縦脊椎ロッドを第2の縦脊椎ロッドに結合するために使用される「連結トランスコネクタ」に関する。「連結トランスコネクタ」は、一般的に、縦脊椎ロッドに係合するための一対のフック係合部材と、フック係合部材間に延びる横ロッドと、フック係合部材を横ロッドと相互接続する固定要素とを含む。固定要素は、一般的に固定スリーブとブッシングを含み、固定スリーブは、横ロッド上に摺動可能に位置し、それによって「連結トランスコネクタ」が縦脊椎ロッド間の変化する距離に適合することを可能にし、一方、ブッシングは、固定スリーブとフック係合部材の間に配置されるような大きさと寸法にされ、それによってフック係合部材と横ロッドの間、従って縦脊椎ロッドと横ロッドの間の自在な調節を可能にする。
【0009】
一実施形態では、固定要素は、収束及び/又は発散する縦ロッド、非共面の縦ロッド、及び様々なロッド分離距離を有する縦ロッドを含む様々な脊椎ロッドアライメントに「連結トランスコネクタ」を適合させるために伸縮調節及び自在調節の両方を含む多重調節度を提供するように構成される。
【0010】
固定要素はまた、横ロッドの望ましい位置が縦脊椎ロッドに対して達成された状態で、横ロッドの位置がフック係合部材に対して固定されることを可能にする。すなわち、固定要素は、固定及び非固定位置の両方を有することにより、回転方向及び並進方向の両方で横ロッドの位置をフック係合部材に対して、及び、従って縦脊椎ロッドに対して固定するように構成することができる。非固定位置では、固定要素は、横ロッドに対してフック係合部材の回転及び伸縮調節を可能にすることができる。固定位置では、固定要素は、回転方向及び並進方向の両方で横ロッドの位置を関連のフック係合部材に対して固定し、従って、横ロッドと縦脊椎ロッドの相対位置を固定することができる。固定要素は、固定要素への力を加えることによって固定位置に対して構成することができる。この力は、固定スリーブに横ロッドの外面を圧縮させ、同時にブッシングを膨張させてフック係合部材に係合させ、それによって横ロッド、フック係合部材、及び固定要素の相対位置を互いに対して回転方向及び並進方向の両方で固定することができる。
【0011】
横ロッド及び固定要素はまた、「連結トランスコネクタ」が組み立てられた状態で横ロッド及びフック係合部材の分解が防止されるように、フック係合部材と嵌合するような大きさにして構成することができる。これは、トランスコネクタが患者内で取付中に偶発的に壊れることになる可能性を低減することにより、「連結トランスコネクタ」の取付を容易にするのを助けるものである。
【0012】
本発明は、更に、第1及び第2の縦脊椎ロッドを結合するためのトランスコネクタに関し、トランスコネクタは、一対のフック部材を含み、各フック部材は、縦脊椎ロッドの一方を受けるための凹部を有し、各凹部は、更に軸線を有し、トランスコネクタは、更に、フック部材を相互接続するための横ロッドと、フック部材を横ロッドと相互接続するための一対の自在継ぎ手とを含み、各フック部材は、楔部材を受けるための軸線を有する貫通孔を含み、貫通孔の軸線は、凹部軸線に対して実質的に直角の向きに配置される。
【0013】
本発明は、更に、各々が縦軸を有する第1及び第2の縦脊椎ロッドを結合するためのトランスコネクタに関し、トランスコネクタは、一対のフック部材を含み、各フック部材は、縦脊椎ロッドの一方を受けるための凹部と楔部材を受けるための軸線を有する貫通孔とを有し、貫通孔は、縦脊椎ロッドの軸線に対して実質的に直角の向きに配置され、トランスコネクタは、更に、フック部材を相互接続するための横ロッドと、フック部材を横ロッドと相互接続するための一対の固定要素とを含み、固定要素は、固定要素が移動することができる非固定構成と、固定要素が固定された固定構成とを有する。
【0014】
本発明は、更に、各々が縦軸を有する第1及び第2の縦脊椎ロッドを結合するためのトランスコネクタに関し、トランスコネクタは、一対のフック部材を含み、各フック部材は、縦脊椎ロッドの一方を受けるための凹部と楔部材を受けるための軸線を有する貫通孔とを有し、貫通孔は、縦脊椎ロッドの軸線に対して実質的に直角の向きに配置され、トランスコネクタは、更に、フック部材を相互接続するための横ロッドを含み、横ロッドは、一方がフック部材に接続するために横ロッドのいずれかの端部に位置する一対の固定要素を含み、固定要素は、フック部材と横ロッドの間の自在な移動をもたらすような大きさにして構成され、固定要素は、固定要素が移動することができる非固定構成と固定要素が固定された固定構成とを有する。
【0015】
本発明の固定要素は、固定スリーブ及びブッシングを含むことができ、固定スリーブは、第1の端部、第2の端部、及びそれらを通って延びる貫通孔を有し、貫通孔は、そこに横ロッドを受けるような大きさにして構成される。同様に、ブッシングは、第1の端部、第2の端部、及びそれらを通る貫通孔を有し、貫通孔は、そこに固定スリーブを受けるような大きさにして構成される。ブッシングは、固定スリーブに沿って摺動可能に移動可能である大きさにして構成することができる。固定スリーブ及びブッシングはまた、取付を容易にするためのそれを貫通するスリットを含むことができる。フック係合部材、固定スリーブ、及び横ロッドはまた、組み立てられた状態でフック係合部材がブッシングから決して分離しないような大きさにして構成することができ、ブッシングは、固定スリーブ上に保持され、固定スリーブは、横ロッド上に保持されることになる。この配置により、「連結トランスコネクタ」が事前組み立てされた状態で、それが患者内で取付中に損傷がないままで残ることになることが保証される。
【0016】
使用に際して、「連結トランスコネクタ」は、フック係合部材及び固定要素が横ロッドの各端に仮取付けされるように事前組み立てされた状態で準備することができる。「連結トランスコネクタ」は、事前組み立てされた形態で準備することができるが、横ロッド及びフック係合部材は、依然として互いに対して回転方向及び並進方向に調節可能とすることができる。次に、事前組み立てされた「連結トランスコネクタ」は、脊椎ロッド間の望ましい位置に「連結トランスコネクタ」を配置することによって一対の縦脊椎ロッドの間に取り付けられる。「連結トランスコネクタ」は、次に、その望ましい位置が達成されるまで回転方向及び並進方向の両方に調節される。達成された状態で、フック係合部材内の楔部材を締め付けてフック係合部材を脊椎ロッドに固定することができる。その後、固定スリーブとブッシングが互いに向けて移動するように、工具を使用して固定要素を係合させる。これは、固定スリーブをブッシング内で摺動させ、その摺りは、次に、固定スリーブの外面とブッシングの内面との間の締まりを増大させる。この締まりは、固定スリーブを圧縮させてブッシングを膨張させ、それによって固定スリーブの位置を横ロッドに、ブッシングの位置をフック係合部材に、及び固定スリーブの位置をブッシングに対して固定する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
ここで、本発明の原理の理解を促す目的で、以下では図に示す例示的で非制限的な実施形態を参照し、これを説明するために特定の用語を使用する。いずれにせよ、本明細書では本発明の範囲を制限する意図はなく、本発明に関連する当業者に通常想起されるように、そのような変更及び更なる修正、及び本明細書に示す本発明の原理のそのような更なる応用が考えられる。
【0018】
「連結トランスコネクタ」10は、第1の縦脊椎ロッドを第2の縦脊椎ロッドに結合する用途に使用することができる。第1及び第2の縦脊椎ロッドは、円筒形ロッド、矩形バー、プレート、又は脊椎固定を容易にするために2つ又はそれよりも多くの隣接する椎体を接続する使用目的に適切なあらゆる他の装置とすることができる。本明細書では、単純化のために、大きさ及び/又は形状に関わりなくあらゆる細長い部材を呼称するのに用語「ロッド」を使用することとする。使用に際して、第1及び第2の縦脊椎ロッドは、背柱の棘突起のいずれかの側で脊椎後方に沿って延びる。第1及び第2の縦脊椎ロッドは、以下に限定されるものではないが、茎状ネジ、プレート、横突起フック、サブラミナーフック、茎状フック、クランプ、ワイヤなどを含む当業技術で公知のいずれかの取付装置により、脊椎の長さに沿って様々な椎骨要素に取り付けることができる。
【0019】
「連結トランスコネクタ」10は、以下に限定されるものではないが、ステンレス鋼、チタン、チタン合金、ポリマー、形状記憶合金などを含む整形外科用途に適するあらゆる材料から製造することができる。
【0020】
図1から図3に示すように、「連結トランスコネクタ」10は、概略的には、縦脊椎ロッド(図示せず)に係合するための一対のフック係合部材50と、フック係合部材50間に延びる(すなわち、両フック係合部材50をつなぐ)横ロッド20と、フック係合部材50を横ロッド20と相互接続する一対の固定要素100とを含む。各フック係合部材50は、縦脊椎ロッドの一方を受けるためのフック凹型壁56、縦脊椎ロッドを固定してフック凹型壁56と係合させる楔部材60を受けるための貫通孔58、及び貫通する横ロッド20を受けるための横ロッド係合部分70を含むことができる。
【0021】
固定要素100は、「連結トランスコネクタ」10が様々な脊椎ロッドアライメントに適合することを可能にする多自由度を提供するように構成することができる。一実施形態では、固定要素100は、横ロッド20が少なくとも一方のフック係合部材50に対して角度を付けて並進するのを可能にし、従って、「連結トランスコネクタ」10が、例えば、収束及び/又は発散する縦ロッド対、非共面の縦ロッド対、及び様々なロッド分離距離を有する縦ロッドに適合することを可能にする。すなわち、固定要素100は、一般的に、固定スリーブ110とブッシング130を含む。固定スリーブ110は、横ロッド20の長さに沿って摺動可能に位置決め可能であるような大きさにして構成することができ、それによって「連結トランスコネクタ」10が縦脊椎ロッド間の様々な距離に適合することを可能にする。ブッシング130は、固定スリーブ110と横ロッド係合部分70との間に位置決めされ、それによって横ロッド20をフック係合部材50に対して自在に調節可能にするような大きさにして構成することができ、従って、横ロッド20は、縦脊椎ロッドに対して自在に調節可能である。
【0022】
固定要素100はまた、横ロッド20の望ましい位置決めが達成された状態で、縦脊椎ロッドに対して横ロッド20を固定することができる。すなわち、固定要素100は、固定位置と非固定位置の両方を有するように構成することができる。非固定位置では、固定要素100は、横ロッド20に対してフック係合部材50の回転及び伸縮調節を可能にすることができる。固定位置では、固定要素100は、横ロッド20の位置を関連するフック係合部材50に対して回転方向及び並進方向の両方で固定し、従って、横ロッド20と縦脊椎ロッドの間の相対的位置を固定することができる。固定要素100は、固定要素100に力を加えることによって固定位置になるように構成することができる。この力は、固定スリーブ110を横ロッド20の外面に対して圧縮させ、同時にブッシング130を膨張させてフック係合部材50に係合させ、それによって横ロッド20、フック係合部材50、及び固定要素100の相対的位置を互いに対して回転方向及び並進方向の両方で固定することができる。
【0023】
横ロッド20及び固定要素100は、「連結トランスコネクタ」10が組み立てられた状態で、横ロッド20がフック係合部材50から外れることがないような大きさにして構成することができる。横ロッドは、両端でスエージ加工又はフレア加工することができ、スエージ加工又はフレア加工部分は、固定要素100の非膨張の内径よりも大きい直径を有することができ、それによって固定要素100が横ロッド20の端部から滑り落ちるのを防止する。この特徴は、患者に取付中にトランスコネクタが偶発的に分解することになる可能性を低減することにより、手術中の「連結トランスコネクタ」10の取付を容易にするのを助ける。
【0024】
図4に最も分かり易く示すように、各フック係合部材50は、フック54が延びている本体52を含むことができ、フック54は、縦脊椎ロッドを受けるためのフック凹型壁56を有する。フック凹型壁56は、フック凹型壁56の半径が、それが固定されることになる関連の縦脊椎ロッドの半径に一致するような大きさにして構成することができる。しかし、フック凹型壁56は、適切であれば縦脊椎ロッドの半径よりも大きいか又は小さい半径を有してもよい。
【0025】
図示のように、フック係合部材50は、縦脊椎ロッドの中心から横方向内側に配置されたフック凹型壁56を有するのが好ましい。それに加えて、フック係合部材50はまた、楔部材60を受けるための貫通孔58を有することができ、貫通孔は、関連する縦脊椎ロッドの中心から横方向外側に配置される。貫通孔58は、脊椎ロッドの縦軸に対して実質的に直角の向きに配置された縦軸を有することができる。楔部材60は、横ロッド20の望ましい位置決めが達成された状態で、縦脊椎ロッドのフック係合部材50に対する位置を固定することができる。
【0026】
フック凹型壁56及び貫通孔58のこの構成は、楔部材60の座面62が縦脊椎ロッドと係合するように楔部材60が回転された時に、楔部材60の更なる回転が、縦脊椎ロッドを横方向内側に(すなわち、患者の脊椎の中心線に向けて)付勢して縦脊椎ロッドの横方向内側に位置するフック凹型壁56と横方向に接触させることができるようにしている。これは、「連結トランスコネクタ」10が縦脊椎ロッドの縮径した円周部分と接触するフック54を使用することを可能にする。一実施形態では、フック凹型壁56及び貫通孔58のこの構成は、縦脊椎ロッドの円周の約60°から180°、好ましくは約90°にわたって延びて接触するフック54を含む。その結果、トランスコネクタの取付中に被る場合がある軟組織の外傷量を低減するのを助けている。これは、縦脊椎ロッドの内側、すなわち横方向内側に位置して縦脊椎ロッドの横方向外側に位置するフック係合部材と共に使用されるべきである楔部材貫通孔を有するフック係合部材と比較して、本発明のフック係合部材50の全体的な大きさを低減することができるからである。この設計による横設置面積の減少は、一般的にトランスコネクタの取付に関連する患者の軟組織の外傷の量を低減するのを助けるものである。代替的に、フック凹型壁56は、あらゆる適切な形状及び構成を取ることができる。例えば、フック凹型壁56は、ロッドの外周の周りに360°まで縦脊椎ロッドと接触するように構成することができる(この場合、フック凹型壁56は、縦脊椎ロッドを受けるような大きさを有する孔を含むことができ、縦脊椎ロッドは、孔内にかつ孔を通して送り出される)。
【0027】
貫通孔58及びフック設計の接触低減構成は、脊椎固定構成要素のためのスペースがほとんど存在しない脊椎頚部での使用に対して「連結トランスコネクタ」10を特に十分に適応させるものである。しかし、当業者が認めるように、「連結トランスコネクタ」10はまた、胸部及び腰部領域を含む脊椎の他の領域に配置された縦脊椎ロッドの接続にも使用することができる。
【0028】
フック係合部材50はまた、鉗子のような保持器具を受けるための1つ又はそれよりも多くの器具係合凹部57を含むことができる。器具係合凹部57は、鉗子の顎部を受けるように構成することができ、それによってフック係合部材50に係合した鉗子を使用して「連結トランスコネクタ」10を患者に取り付け、及び/又は操作することを可能にする。器具係合凹部57は、好ましくは、外科医がフック係合部材50を上方から掴むことを可能にし、患者の上方又は外側から脊椎上の所定位置内へ「連結トランスコネクタ」10を操作できるように位置決めされる。器具係合凹部57は、フック係合部材50の各側に形成されてもよく、それらは、フック係合部材50の外面にわたって全体的に又はその一部分に沿ってのみ延びることができる。しかし、器具係合凹部57は、図示の細長い溝に限定されず、他の構成も考えられていることに注意すべきである。器具係合凹部57及び器具の顎部は、器具がフック係合部材50を確実に掴むことができるあらゆる嵌め合い構成を有することができる。鉗子のような器具と共に使用される時には、器具係合凹部57は、外科医が靱帯及び他の組織のような障害物を通してフック係合部材50を所定位置内に操作するためのフック係合部材50上での十分な把持を提供することができる。
【0029】
更に、器具係合凹部57は、好ましくは、フック凹型壁56に対して十分な距離及び/又は向きに位置決めされ、ある器具によって器具係合凹部57が使用されている間に縦脊椎ロッドをフック凹型壁56に挿入することを可能にする。換言すれば、器具が器具係合凹部57に係合している時には、器具係合凹部57は、器具がフック凹型壁56へのアクセスを阻止する場所に位置しないことが好ましい。器具係合凹部57はまた、ある器具によって器具係合凹部57が使用されている間に外科医が楔部材60及び固定部材100を操作することができるように、楔部材60及び固定部材100に対して十分な距離及び/又は向きに位置決めすることができる。器具係合凹部57はまた、例えば横ロッド20のようなトランスコネクタの他の構成要素上に位置することもできる。
【0030】
図3に示す楔部材60は、以下に限定されるものではないが、位置決めネジ、四分の一回転カムなどを含むことができる。縦ロッドへのフック係合部材50の固定を可能にすることになるあらゆる適切な固定構造が考えられている。楔部材60は、関連する縦脊椎ロッドの外面に適合するような形状を有して構成された座面62を有することができる。楔部材60はまた、例えばスクリュードライバ、ラチェットなどのような従来のネジ込み工具を受けるように構成された工具係合面64を有することができる。工具係合面64は、以下に限定されるものではないが、内部六角形、外部六角形、首輪形、星形などを含むことができる。
【0031】
フック係合部材50の各々は、横ロッド20を受け取って固定し、それによってフック係合部材50が横ロッド20を縦脊椎ロッドと相互接続することを可能にするための手段を含むことができる。横ロッドを受けるための手段は、例えば、横ロッド20を受けることができる圧接機構を含むことができ、横ロッド20の望ましい位置決めが達成された状態で力が圧接機構に加えられ、それによって横ロッド20の位置をフック係合部材50に対して固定することができる。代替的に、縦ロッド受けるための手段は、テーパ付き表面を受けるための孔を含み、それによって孔70に対するテーパ付き表面の横方向の移動は、フック係合部材50の位置を横ロッド20に対して固定することができる。更に、横ロッドを受けるための手段は、楔部材(すなわち、位置決めネジ)を使用する孔を含み、それによって、横ロッド20の望ましい位置決めが達成された状態で、楔部材の回転は、横ロッド20の位置をフック係合部材50に対して固定することができる。また、横ロッド受けるための手段は、固定ナットを受けるための外部ネジ山面を有するトップローディングU字形部材を含み、それによって、横ロッド20の望ましい位置決めが達成された状態で、固定ナットの回転は、横ロッド20の位置をフック係合部材50に対して固定することができる。
【0032】
一実施形態では、横ロッド20を受けるための手段は、横ロッド20及び固定要素100を受けるような大きさにして構成された開口部72を有する横ロッド係合部分70を含む。開口部72は、固定要素100の凸状外面を調節可能に受けるための凹状内面74を有することができ、従って球面調節アセンブリを提供する。代替的に、開口部72は、固定要素100の凹状外面を調節可能に受けるための凸状内面を有することができる。この球面調節構成は、横ロッド20が、各フック係合部材50に対して、及び従って縦脊椎ロッドに対して自在調節可能であることを可能にし、それによって「連結トランスコネクタ」10が広範な脊椎ロッドアライメントに容易に適合することを可能にする。
【0033】
横ロッド係合部分70を本明細書で説明し、環状又は円形形状を有するように示しているが、横ロッド係合部分70は、以下に限定されるものではないが、長円形、楕円形などを含む横ロッド20及び固定要素100の受け取りに適するあらゆる形状を取ることができる。好ましくは、横ロッド係合部分70、横ロッド20、及び固定要素100の係合面の全ては、実質的に対応する形状を有する。
【0034】
図3に最も分かり易く示すように、横ロッド20は、円筒形断面と隣接するフック係合部材50間に延びるのに十分な長さ「L1」とを有するロッドとすることができる。しかし、当業者が認めるように、横ロッド20は、当業技術で公知のあらゆる適切な形状を取ることができる。
【0035】
横ロッド20は、一対のフック係合部材50に接続するために1つが横ロッド20のいずれかの端部に位置する一対の固定要素100を含むことができる。図1から図3に示すように、各固定要素100は、固定スリーブ110とブッシング130を含むことができる。しかし、代替的に、固定要素100は、他の実施形態を取る場合があり、例えば、固定要素100は、フック係合部材50と横ロッド20を直接に相互接続することができる単体のみから構成することができる。図5aから図5cに最も分かり易く示すように、固定スリーブ110は、第1の端部112、第2の端部114、及びそれらを通って延びる貫通孔116を有すほぼ円筒形の部材の形状を取ることができる。貫通孔116は、横ロッド20を受けるような大きさ及び形状であるのが好ましく、一方、固定スリーブ110の外面113は、ブッシング130の貫通孔136を受けるような大きさ及び形状である。より好ましくは、固定スリーブ貫通孔116は、摺動的な横ロッド20の受け入れを可能にし、従って、固定要素100を横ロッド20の長さに沿って摺動させることにより「連結トランスコネクタ」10が縦脊椎ロッド間の様々な距離に適合することを可能にするような大きさを有する。横ロッド20の各端は、固定スリーブ110が横ロッド20に取り付けられた状態でそこから滑り落ちるのを防止するためのフランジ(図示せず)を有することができる。
【0036】
固定スリーブ110の第1及び第2の端部112及び114はまた、それぞれフランジ118及び120を含むことができる。フランジ118及び120は、固定スリーブ110上に取り付けられた時に固定スリーブ110の外面113に沿って滑ることができる、ブッシング130に対するストップとして作用する。この配置は、固定スリーブ110及びブッシング130が横ロッド20上に組み立てられた状態でブッシング130が固定スリーブ110から決して滑り落ちないことを保証する。
【0037】
固定スリーブ110は、端部114に隣接する固定スリーブの外面直径「D1」が端部112に隣接して位置する固定スリーブの外径「D2」よりも大きくなるように、第2の端部114から第1の端部112まで延びるテーパ付き外面113を有することができる。固定スリーブ110はまた、第1の端部112から第2の端部114まで延びる貫通壁スリット122を含むのが好ましい。スリット122は、固定スリーブ110が膨張することを可能にして横ロッド20の端部でのフランジ118及び120への固定スリーブ110の取付を容易にし、それはまた、横ロッド20の位置を固定要素100に対して固定するために力が固定スリーブ110に加えられた時のように、固定スリーブ110が横ロッド20の周りに接触することを可能にする。
【0038】
図6a及び図6bに示し、かつ上述したように、固定要素100はまた、固定スリーブ110とフック係合部材50の横ロッド係合部分70との間に位置決めするのに適するあらゆる形状を有するブッシング130を含むことができる。上述の通り、ブッシング130は、横ロッド係合部分70の開口部72の凹状内面と係合するための凸状外面を有し、それによってフック係合部材50に対する横ロッド20の自在調節を容易にすることができる。
【0039】
ブッシング130は、第1の端部132、第2の端部134、及びそれらを通って延びる貫通孔136を含むことができる。貫通孔136は、固定スリーブ110及び横ロッド20を受けるような大きさ及び形状にすることができる。好ましくは、ブッシング130は、固定スリーブ110の全長L2よりも短い全長L3を有し、従って、上述の通り、ブッシング130は、ブッシング130を固定スリーブ110の長さに沿って調節可能に位置決め可能にすることができるように、固定スリーブ110のフランジ112及び114の間で摺動可能であるような大きさ及び寸法にされている。固定スリーブ110の第1及び第2の端部112及び114上に位置する第1及び第2のフランジ118及び120は、患者に「連結トランスコネクタ」10を取り付ける間にブッシング130が固定スリーブ110から決して滑り落ちないことを保証するものである。
【0040】
ブッシング130はまた、第1の端部132から第2の端部134まで延びる貫通壁スリット138を含むことができる。スリット138は、固定スリーブ110上へのブッシング130容易な取付を考慮したものである。すなわち、固定スリーブ110上のスリット122と同様に、スリット138は、ブッシング130を膨張させて、フランジ112の上及び固定スリーブ110の外面113上へのその取付を可能にする。
【0041】
組立中の個々のトランスコネクタ構成要素の取付を容易にすることに加えて、ブッシング130内のスリット122及び138及び固定スリーブ110はまた、2つの部分を軸線方向及び回転方向に互いに固定させるものである。すなわち、固定スリーブ110の外面113は、ブッシング130の非膨張貫通孔136よりも小さくなるような大きさにされた第1の端部112の近くでは直径D2を有し、一方、固定スリーブ110の外面113は、ブッシング130の非膨張貫通孔136よりも大きくなるような大きさにされた第2の端部114の近くでは直径D1を有する。すなわち、ブッシング130が固定スリーブ110の第1の端部112に隣接して配置された時には、固定スリーブ110及びブッシング130は、互いに対して自由に移動することができる。しかし、ブッシング130が固定スリーブ110の第2の端部114に隣接して配置された時には、固定スリーブ110のより大きな直径D2がブッシング130の内面と干渉し、固定スリーブ110とブッシング130の間に摩擦固定を引き起こす。固定スリーブ110の軽度の圧縮とブッシング130の軽度の膨張とを引き起こすこの固定作用はまた、横ロッド20に対する固定スリーブ110の摩擦固定とフック係合部材50に対するブッシング130の摩擦固定とを容易にすることができる。
【0042】
ブッシング130の外面は、第1の端部132から第2の端部134まで延びるほぼ凸状の外面部分140を有することができる。この凸状部分140は、組み立てられた時にブッシング130が凹状表面内で滑り、従ってフック係合部材50の横ロッド20に対する自在調節を容易にすることができるように、横ロッド係合部分70の凹状内面74に対応する大きさ及び寸法にすることができる。代替的に、上述の通り、ブッシング130は、横ロッド係合部分70の凸状内面に対応する大きさ及び寸法のほぼ凹状の外面を有することができる。この自在調節は、「連結トランスコネクタ」10が、例えば収束又は発散する脊椎ロッド及び非共面の脊椎ロッドを含む様々な脊椎ロッドアライメントに適合することを可能にする。凹状−凸状構成は、組み立てられた状態で横ロッド係合部分70が決してブッシング130から分離しないことを更に保証するものである。ブッシング130が、フランジ118及び120を通じて固定スリーブ110上に保持され、固定スリーブ110が、それ自体横ロッド20上に保持されているために、この配置は、それが事前組立された状態で「連結トランスコネクタ」10が患者に取付中に損傷がないままで残ることになることを保証する。
【0043】
1つの好ましい実施形態では、単に例示的に、横ロッド20は、約3.5ミリメートル(mm)の直径を有することができ、固定スリーブ110は、約7.3mmの全長と、横ロッド20の外径と嵌合するために約3.5mmの内径とを有することができる。固定要素100はまた、第1の端部112で4.6mmの外径を有し、第2の端部114での約5.1mmの外径までテーパを付けることができる。固定スリーブの第1のフランジ118は、4.9mmの外径を有することができ、第2のフランジ120は、約5.7mmの外径を有することができる。ブッシング130は、約3.5mmの長さと、固定スリーブ110の外径と嵌合するために約4.7mmの内径とを有することができる。ブッシング130はまた、約6.9mmの内径を有する横ロッド係合部分70の内面と嵌合するために約6.8mmの外径を備えた凸状外面138を有することができる。当業者が認めるように、横ロッド20、固定スリーブ110、ブッシング130、及び横ロッド係合部分70の寸法は、適切な場合には変えることができ、従って、それらを限定することは意図してない。
【0044】
使用に際して、「連結トランスコネクタ」10は、フック係合部材50及び固定要素100が横ロッド20の各端に仮取付けされるように事前組み立てした状態で準備することができる。「連結トランスコネクタ」10は、事前組立ての形態で準備することができるが、横ロッド20及びフック係合部材50は、依然として互いに対して回転方向及び並進方向に調節可能とすることができる。すなわち、固定スリーブ110は、依然として自由に横ロッド20に沿って並進することができ、ブッシング130及びフック係合部材50の球面調節アセンブリにより、フック係合部材50は、横ロッド20に対して自在に回転することができる。
【0045】
次に、脊椎ロッド間の望ましい位置に「連結トランスコネクタ」10を配置することにより、事前組立てされた「連結トランスコネクタ」10を一対の縦脊椎ロッドの間に取り付けることができる。「連結トランスコネクタ」10は、次に、その望ましい位置が達成されるまで回転方向及び並進方向の両方で調節される。達成された状態で、次に、楔部材60を締め付けて脊椎ロッドに対してフック係合部材50を固定することができる。その後、工具を使用して固定スリーブ110の端部112及び114とブッシング130の外面とを係合させ、工具を使用して2つの表面を互いに向けて移動させる。これは、固定スリーブ110をブッシング130内で摺動させ、これは、固定スリーブ110の増加するテーパのために、固定スリーブ110の外面113とブッシング130の内面との間の締まりを引き起こす。この締まりは、固定スリーブ110を圧縮させてブッシング130を膨張させ、それによって固定スリーブ110の位置を横ロッド20に、ブッシング130の位置をフック係合部材50に、及び固定スリーブ110の位置をブッシング130に対して固定する。要素間の全ての係合は、実質的に摩擦であり、従って、ブッシング130と固定スリーブ110の間で力を逆に加えることにより、各部分は、それらが再度互いに対して調節可能であるように外れることになる。
【0046】
本発明を好ましい実施形態に関連して説明した。しかし、これらの実施形態は、単に例示的であり、本発明は、これに限定されるものではない。例えば、固定要素100は、他の実施形態を含むことができる。固定要素100は、フック係合部材50上の孔70の内面に対応するように構成されたテーパ付き外面を有する単体とすることができ、それによって固定要素100を孔70に対して横方向に移動させることは、フック係合部材50の位置を横ロッド20に対して固定することになる。すなわち、特許請求の範囲によって規定される本発明の範囲内で他の変形及び修正を容易に行うことができ、すなわち、本発明は、特許請求の範囲よって制限されるように意図されているだけであることが当業者には理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0047】
【図1】本発明の一実施形態による「連結トランスコネクタ」の斜視図である。
【図2】図1に示す「連結トランスコネクタ」の上面図である。
【図3】図1に示す「連結トランスコネクタ」の側面図である。
【図4】図1に示す「連結トランスコネクタ」のフック係合部材の詳細図である。
【図5a】図1に示す「連結トランスコネクタ」の固定スリーブの詳細図である。
【図5b】図5aに示す固定スリーブの断面図である。
【図5c】図5aに示す固定スリーブの詳細図である。
【図6a】図1に示す「連結トランスコネクタ」のブッシングの詳細図である。
【図6b】図6aに示すブッシングの断面図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1及び第2の縦脊椎ロッドを結合するためのトランスコネクタであって、
一対のフック部材であって、各フック部材が縦脊椎ロッドの一方を受けるための凹部を有し、各凹部が軸線を有する一対のフック部材と、
前記フック部材を相互接続するための横ロッドと、
前記フック部材を前記横ロッドと相互接続するための一対の自在継ぎ手と、を備え、
各フック部材は、楔部材を受けるための軸線を有する貫通孔を含み、該貫通孔の軸線は、前記凹部の軸線に対して実質的に直角の向きに配置されている、
ことを特徴とするトランスコネクタ。
【請求項2】
前記横ロッドは、第1の端部、第2の端部、及びそれらの間に位置する中間点を更に含み、少なくとも1つの前記貫通孔は、その関連するフック凹部よりも該中間点から遠くに位置していることを特徴とする請求項1に記載のトランスコネクタ。
【請求項3】
前記凹部は、前記縦脊椎ロッドの軸線から横方向内側に位置決めされ、前記貫通孔は、該縦脊椎ロッドの該軸線から横方向外側に位置決めされていることを特徴とする請求項1に記載のトランスコネクタ。
【請求項4】
少なくとも一方のフック部材は、前記自在継ぎ手の少なくとも一部分を受けるための孔を更に含むことを特徴とする請求項1に記載のトランスコネクタ。
【請求項5】
前記自在継ぎ手の少なくとも一方は、凸状外面を更に含み、前記孔は、対応する凹状内面を含み、該2つの表面は、摺動可能に係合可能であるように構成されることを特徴とする請求項4に記載のトランスコネクタ。
【請求項6】
少なくとも一方の自在継ぎ手は、固定スリーブ及びブッシングを更に含むことを特徴とする請求項1に記載のトランスコネクタ。
【請求項7】
前記固定スリーブは、前記横ロッドに沿って摺動可能に移動可能であるような大きさにして構成されていることを特徴とする請求項6に記載のトランスコネクタ。
【請求項8】
前記横ロッドは、フランジが配置された第1の端部及び第2の端部を更に含むことを特徴とする請求項7に記載のトランスコネクタ。
【請求項9】
前記ブッシングは、前記固定スリーブと前記フック部材の間に位置決めされ、それによって前記横ロッドが該フック部材に対して自在に調節可能であることを可能にするような大きさにして構成されていることを特徴とする請求項6に記載のトランスコネクタ。
【請求項10】
前記ブッシングは、凸状外面を更に含み、前記フック部材は、対応する凹状内面を有する孔を更に含み、該2つの表面は、摺動可能に係合可能であるように構成されていることを特徴とする請求項9に記載のトランスコネクタ。
【請求項11】
前記固定スリーブは、第1の端部、第2の端部、及び該第1の端部から該第2の端部まで延びる貫通孔を更に含み、該貫通孔は、そこに前記横ロッドを受けるような大きさにして構成され、前記ブッシングは、第3の端部及び第4の端部と、該第3の端部から該第4の端部まで延びる第2の貫通孔とを含み、該第2の貫通孔は、そこに該固定スリーブを受けるような大きさにして構成されていることを特徴とする請求項6に記載のトランスコネクタ。
【請求項12】
前記ブッシングは、前記固定スリーブに沿って摺動可能に移動可能であるような大きさにして構成されていることを特徴とする請求項11に記載のトランスコネクタ。
【請求項13】
前記固定スリーブは、第1及び第2のフランジを更に含むことを特徴とする請求項12に記載のトランスコネクタ。
【請求項14】
前記固定スリーブは、前記第1の端部で第1の外径、及び前記第2の端部で第2の外径を有し、該第2の外径は、該第1の外径よりも大きいことを特徴とする請求項11に記載のトランスコネクタ。
【請求項15】
前記固定スリーブは、前記第1の端部から前記第2の端部まで延びるスリットを更に含み、前記ブッシングは、前記第3の端部から前記第4の端部まで延びるスリットを更に含むことを特徴とする請求項11に記載のトランスコネクタ。
【請求項16】
前記自在継ぎ手は、前記固定スリーブ及び前記ブッシングが互いに対して摺動することができ、かつ該自在継ぎ手が前記フック係合部材に関して回転することができる非固定構成と、該スリーブ及び該ブッシングが軸線方向及び回転方向に固定された固定構成とを有することを特徴とする請求項11に記載のトランスコネクタ。
【請求項17】
前記第2の孔が前記固定スリーブの前記第1の外径との実質的なアラインメントを形成する第1の位置から、該第2の孔が該固定スリーブの前記第2の外径との実質的なアラインメントを形成する第2の位置まで前記横ロッドに沿って該固定スリーブを移動することは、前記非固定位置から前記固定位置までの前記自在継ぎ手を構成することを特徴とする請求項16に記載のトランスコネクタ。
【請求項18】
前記第1の位置から前記第2の位置まで前記固定スリーブを移動することは、前記自在継ぎ手を前記横ロッドに対して軸線方向及び回転方向に更に固定することを特徴とする請求項17に記載のトランスコネクタ。
【請求項19】
少なくとも一方のフック凹部は、第1の半径を有し、その関連する縦ロッドは、第2の半径を有し、該第1の半径は、該第2の半径と実質的に同一であることを特徴とする請求項1に記載のトランスコネクタ。
【請求項20】
少なくとも一方の楔部材は、その関連する縦脊椎ロッドの外面に実質的に適合するような形状にして構成された座面を有することを特徴とする請求項1に記載のトランスコネクタ。
【請求項21】
前記楔部材は、位置決めネジ又は四分の一回転カムから成る群から選択されることを特徴とする請求項1に記載のトランスコネクタ。
【請求項22】
フック係合部材又は横ロッドから成る群に形成された少なくとも1つの器具係合凹部を更に含むことを特徴とする請求項1に記載のトランスコネクタ。
【請求項23】
第1の器具係合凹部と該第1の器具係合凹部の反対側に形成された第2の係合凹部とを更に含むことを特徴とする請求項22に記載のトランスコネクタ。
【請求項24】
前記少なくとも1つの器具係合凹部は、鉗子を備えたフック係合部材又は横ロッドから成る群を把持するように構成されていることを特徴とする請求項22に記載のトランスコネクタ。
【請求項25】
前記少なくとも1つの器具係合凹部は、フック係合部材又は横ロッドから成る群が係合する時に上方から把持するように構成されていることを特徴とする請求項22に記載のトランスコネクタ。
【請求項26】
各々が縦軸を有する第1及び第2の縦脊椎ロッドを結合するためのトランスコネクタであって、
一対のフック部材、
を含み、
各フック部材は、縦脊椎ロッドの一方を受けるための凹部と、楔部材を受けるための軸線を有する貫通孔とを有し、該貫通孔は、該縦脊椎ロッドの軸線に対して実質的に直角の向きに配置されており、
前記フック部材を相互接続するための横ロッドと、
前記フック部材を前記横ロッドに相互接続するための一対の固定要素と、
を更に含み、
前記固定要素は、該固定要素が前記横ロッドに対して移動することができる非固定構成と、該固定要素が該横ロッドに対して固定される固定構成とを有する、
ことを特徴とするトランスコネクタ。
【請求項27】
前記横ロッドは、第1の端部、第2の端部、及びそれらの間に位置する中間点を更に含み、少なくとも1つの前記貫通孔は、その関連するフック凹部よりも該中間点から遠くに位置していることを特徴とする請求項26に記載のトランスコネクタ。
【請求項28】
前記凹部は、前記縦脊椎ロッドの軸線から横方向内側に位置決めされ、前記貫通孔は、該縦脊椎ロッドの該軸線から横方向外側に位置決めされていることを特徴とする請求項26に記載のトランスコネクタ。
【請求項29】
少なくとも一方のフック部材は、前記横ロッドの少なくとも一部分を受けるための孔を更に含むことを特徴とする請求項26に記載のトランスコネクタ。
【請求項30】
前記固定要素は、凸状外面を更に含み、前記孔は、対応する凹状内面を更に含み、該2つの表面は、摺動可能に係合可能であるように構成されていることを特徴とする請求項29に記載のトランスコネクタ。
【請求項31】
前記固定要素は、固定スリーブ及びブッシングを更に含むことを特徴とする請求項26に記載のトランスコネクタ。
【請求項32】
前記固定スリーブは、前記横ロッドに沿って摺動可能に移動可能であるような大きさにして構成されていることを特徴とする請求項31に記載のトランスコネクタ。
【請求項33】
前記横ロッドは、フランジが配置された第1の端部及び第2の端部を更に含むことを特徴とする請求項32に記載のトランスコネクタ。
【請求項34】
前記ブッシングは、前記固定スリーブと前記フック部材の間に位置決めされ、それによって前記横ロッドが該フック部材に対して自在に調節可能であることを可能にするような大きさにして構成されていることを特徴とする請求項31に記載のトランスコネクタ。
【請求項35】
前記ブッシングは、凸状外面を更に含み、前記フック部材は、対応する凹状内面を有する孔を更に含み、該2つの表面は、摺動可能に係合可能であるように構成されていることを特徴とする請求項34に記載のトランスコネクタ。
【請求項36】
前記固定スリーブは、第1の端部、第2の端部、及び該第1の端部から該第2の端部まで延びる貫通孔を更に含み、該貫通孔は、そこに前記横ロッドを受けるような大きさにして構成され、前記ブッシングは、第3の端部及び第4の端部と、該第3の端部から該第4の端部まで延びる第2の貫通孔とを含み、該第2の貫通孔は、そこに該固定スリーブを受けるような大きさにして構成されていることを特徴とする請求項31に記載のトランスコネクタ。
【請求項37】
前記ブッシングは、前記固定スリーブに沿って摺動可能に移動可能であるような大きさにして構成されていることを特徴とする請求項36に記載のトランスコネクタ。
【請求項38】
前記固定スリーブは、第1及び第2のフランジを更に含むことを特徴とする請求項37に記載のトランスコネクタ。
【請求項39】
前記固定スリーブは、前記第1の端部で第1の外径、及び前記第2の端部で第2の外径を有し、該第2の外径は、該第1の外径よりも大きいことを特徴とする請求項36に記載のトランスコネクタ。
【請求項40】
前記固定スリーブは、前記第1の端部から前記第2の端部まで延びるスリットを更に含み、前記ブッシングは、前記第3の端部から前記第4の端部まで延びるスリットを更に含むことを特徴とする請求項36に記載のトランスコネクタ。
【請求項41】
前記固定スリーブ及び前記ブッシングは、前記非固定構成では軸線方向及び回転方向に調節可能であり、前記固定構成では軸線方向及び回転方向に固定されることを特徴とする請求項36に記載のトランスコネクタ。
【請求項42】
第1の位置から第2の位置まで前記横ロッドに沿って前記固定スリーブを移動することは、前記非固定位置から前記固定位置までの前記自在継ぎ手を構成することを特徴とする請求項41に記載のトランスコネクタ。
【請求項43】
前記第1の位置から前記第2の位置まで前記固定スリーブを移動することは、前記固定要素を前記横ロッドに対して軸線方向及び回転方向に更に固定することを特徴とする請求項42に記載のトランスコネクタ。
【請求項44】
少なくとも一方のフック凹部は、第1の半径を有し、その関連する縦ロッドは、第2の半径を有し、該第1の半径は、該第2の半径と実質的に同一であることを特徴とする請求項26に記載のトランスコネクタ。
【請求項45】
少なくとも一方の楔部材は、その関連する縦脊椎ロッドの外面に実質的に適合するような形状にして構成された座面を有することを特徴とする請求項26に記載のトランスコネクタ。
【請求項46】
前記楔部材は、位置決めネジ又は四分の一回転カムから成る群から選択されることを特徴とする請求項26に記載のトランスコネクタ。
【請求項47】
フック係合部材又は横ロッドから成る群に形成された少なくとも1つの器具係合凹部を更に含むことを特徴とする請求項26に記載のトランスコネクタ。
【請求項48】
第1の器具係合凹部と該第1の器具係合凹部の反対側に形成された第2の係合凹部とを更に含むことを特徴とする請求項47に記載のトランスコネクタ。
【請求項49】
前記少なくとも1つの器具係合凹部は、鉗子を備えたフック係合部材又は横ロッドから成る群を把持するように構成されていることを特徴とする請求項47に記載のトランスコネクタ。
【請求項50】
前記少なくとも1つの器具係合凹部は、フック係合部材又は横ロッドから成る群が係合する時に上方から把持するように構成されていることを特徴とする請求項47に記載のトランスコネクタ。
【請求項51】
各々が縦軸を有する第1及び第2の縦脊椎ロッドを結合するためのトランスコネクタであって、
一対のフック部材、
を含み、
各フック部材は、縦脊椎ロッドの一方を受けるための凹部と、楔部材を受けるための軸線を有する貫通孔とを有し、該貫通孔は、該縦脊椎ロッドの軸線に対して実質的に直角の向きに配置されており、
前記フック部材を相互接続するための横ロッド、
を更に含み、
前記横ロッドは、第1及び第2の端部を有し、かつ1つが前記フック部材に接続するために該横ロッドのいずれかの端部に位置した一対の固定要素を含み、該固定要素は、該フック部材と該横ロッドの間の自在な移動をもたらすような大きさにして構成されており、
前記固定要素は、該固定要素が前記横ロッドに対して移動することができる非固定構成と、該固定要素が該横ロッドに対して固定される固定構成とを有する、
ことを特徴とするトランスコネクタ。
【請求項52】
前記横ロッドは、第1の端部、第2の端部、及びそれらの間に位置する中間点を更に含み、少なくとも1つの前記貫通孔は、その関連するフック凹部よりも該中間点から遠くに位置していることを特徴とする請求項51に記載のトランスコネクタ。
【請求項53】
前記凹部は、前記縦脊椎ロッドの軸線から横方向内側に位置決めされ、前記貫通孔は、該縦脊椎ロッドの該軸線から横方向外側に位置決めされていることを特徴とする請求項51に記載のトランスコネクタ。
【請求項54】
少なくとも一方のフック部材は、前記固定要素の少なくとも一部分を受けるための孔を更に含むことを特徴とする請求項51に記載のトランスコネクタ。
【請求項55】
前記固定要素は、凸状外面を更に含み、前記孔は、対応する凹状内面を更に含み、該2つの表面は、摺動可能に係合可能であるように構成されていることを特徴とする請求項54に記載のトランスコネクタ。
【請求項56】
前記固定要素は、固定スリーブ及びブッシングを更に含むことを特徴とする請求項51に記載のトランスコネクタ。
【請求項57】
前記固定スリーブは、前記横ロッドに沿って摺動可能に移動可能であるような大きさにして構成されていることを特徴とする請求項56に記載のトランスコネクタ。
【請求項58】
前記横ロッドは、フランジが配置された第1の端部及び第2の端部を更に含むことを特徴とする請求項57に記載のトランスコネクタ。
【請求項59】
前記ブッシングは、前記固定スリーブと前記フック部材の間に位置決めされ、それによって前記横ロッドが該フック部材に対して自在に調節可能であることを可能にするような大きさにして構成されていることを特徴とする請求項56に記載のトランスコネクタ。
【請求項60】
前記ブッシングは、凸状外面を更に含み、前記フック部材は、対応する凹状内面を有する孔を更に含み、該2つの表面は、摺動可能に係合可能であるように構成されていることを特徴とする請求項59に記載のトランスコネクタ。
【請求項61】
前記固定スリーブは、第1の端部、第2の端部、及び該第1の端部から該第2の端部まで延びる貫通孔を更に含み、該貫通孔は、そこに前記横ロッドを受けるような大きさにして構成され、前記ブッシングは、第3の端部及び第4の端部と、該第3の端部から該第4の端部まで延びる第2の貫通孔とを含み、該第2の貫通孔は、そこに該固定スリーブを受けるような大きさにして構成されていることを特徴とする請求項56に記載のトランスコネクタ。
【請求項62】
前記ブッシングは、前記固定スリーブに沿って摺動可能に移動可能であるような大きさにして構成されていることを特徴とする請求項61に記載のトランスコネクタ。
【請求項63】
前記固定スリーブは、第1及び第2のフランジを更に含むことを特徴とする請求項62に記載のトランスコネクタ。
【請求項64】
前記固定スリーブは、前記第1の端部で第1の外径、及び前記第2の端部で第2の外径を有し、該第2の外径は、該第1の外径よりも大きいことを特徴とする請求項61に記載のトランスコネクタ。
【請求項65】
前記固定スリーブは、前記第1の端部から前記第2の端部まで延びるスリットを更に含み、前記ブッシングは、前記第3の端部から前記第4の端部まで延びるスリットを更に含むことを特徴とする請求項61に記載のトランスコネクタ。
【請求項66】
前記固定スリーブ及び前記ブッシングは、前記非固定構成では軸線方向及び回転方向に調節可能であり、前記固定構成では軸線方向及び回転方向に固定されることを特徴とする請求項61に記載のトランスコネクタ。
【請求項67】
第1の位置から第2の位置まで前記横ロッドに沿って前記固定スリーブを移動することは、前記非固定位置から前記固定位置までの前記自在継ぎ手を構成することを特徴とする請求項66に記載のトランスコネクタ。
【請求項68】
前記第1の位置から前記第2の位置まで前記固定スリーブを移動することは、前記固定要素を前記横ロッドに対して軸線方向及び回転方向に更に固定することを特徴とする請求項67に記載のトランスコネクタ。
【請求項69】
少なくとも一方のフック凹部は、第1の半径を有し、その関連する縦ロッドは、第2の半径を有し、該第1の半径は、該第2の半径と実質的に同一であることを特徴とする請求項51に記載のトランスコネクタ。
【請求項70】
少なくとも一方の楔部材は、その関連する縦脊椎ロッドの外面に実質的に適合するような形状にして構成された座面を有することを特徴とする請求項51に記載のトランスコネクタ。
【請求項71】
前記楔部材は、位置決めネジ又は四分の一回転カムから成る群から選択されることを特徴とする請求項51に記載のトランスコネクタ。
【請求項72】
フック係合部材又は横ロッドから成る群に形成された少なくとも1つの器具係合凹部を更に含むことを特徴とする請求項51に記載のトランスコネクタ。
【請求項73】
第1の器具係合凹部と該第1の器具係合凹部の反対側に形成された第2の係合凹部とを更に含むことを特徴とする請求項72に記載のトランスコネクタ。
【請求項74】
前記少なくとも1つの器具係合凹部は、鉗子を備えたフック係合部材又は横ロッドから成る群を把持するように構成されていることを特徴とする請求項72に記載のトランスコネクタ。
【請求項75】
前記少なくとも1つの器具係合凹部は、フック係合部材又は横ロッドから成る群が係合する時に上方から把持するように構成されていることを特徴とする請求項72に記載のトランスコネクタ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5A】
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【図5B】
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【図5C】
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【図6A】
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【図6B】
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【公表番号】特表2007−508062(P2007−508062A)
【公表日】平成19年4月5日(2007.4.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−534422(P2006−534422)
【出願日】平成16年10月8日(2004.10.8)
【国際出願番号】PCT/US2004/033369
【国際公開番号】WO2005/034779
【国際公開日】平成17年4月21日(2005.4.21)
【出願人】(505377463)ジンテス ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング (186)
【出願人】(306047756)
【出願人】(306047767)
【出願人】(306047778)
【上記3名の代理人】
【識別番号】100082005
【弁理士】
【氏名又は名称】熊倉 禎男
【Fターム(参考)】