脊椎動物細胞による非天然アミノ酸の部位特異的組み込み
本発明は、脊椎動物細胞内において遺伝的にコードされたアミノ酸の数を拡張する翻訳成分を製造するための組成物および方法を提供する。該成分は、直交化ｔＲＮＡ、直交化アミノアシル−ｔＲＮＡシンテターゼ、ｔＲＮＡ／シンテターゼの直交化対、および非天然アミノ酸を含んでいる。また脊椎動物細胞内において非天然アミノ酸を有するタンパク質、および該タンパク質を製造する方法も提供される。
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【特許請求の範囲】
【請求項１】
直交化アミノアシル−ｔＲＮＡシンテターゼ（Ｏ−ＲＳ）を含んでいる脊椎動物細胞または細胞株であって、
該Ｏ−ＲＳは、該脊椎動物細胞内において、パラ−アセチル−フェニルアラニン（ＰＡＦ）で直交化ｔＲＮＡ（Ｏ−ｔＲＮＡ）を優先的にアミノアシル化するものである、脊椎動物細胞または細胞株。
【請求項２】
上記Ｏ−ＲＳは、該Ｏ−ＲＳが天然アミノ酸で上記Ｏ−ｔＲＮＡをアミノアシル化するよりも少なくとも１０倍効率よく、上記ＰＡＦで上記Ｏ−ｔＲＮＡをアミノアシル化するものである、請求項１に記載の細胞または細胞株。
【請求項３】
上記Ｏ−ＲＳは、脊椎動物ではない生物に由来するものである、請求項１に記載の細胞または細胞株。
【請求項４】
上記脊椎動物ではない生物が、Escherichia coliまたはBacillus stearothermophilusである、請求項３に記載の細胞または細胞株。
【請求項５】
上記脊椎動物細胞または細胞株が哺乳類である、請求項１に記載の細胞または細胞株。
【請求項６】
上記脊椎動物細胞株がヒト細胞株である、請求項５に記載の細胞株。
【請求項７】
上記Ｏ−ＲＳは、天然アミノ酸と比べて、少なくとも１種の非天然アミノ酸に対する１種以上の改善または向上した酵素特性を有しており、
上記酵素特性は、より高いＫｍ、より低いＫｍ、より高いｋｃａｔ、より低いｋｃａｔ、より低いｋｃａｔ／ｋｍ、およびより高いｋｃａｔ／ｋｍから成る群から選択される、請求項１に記載の細胞または細胞株。
【請求項８】
上記Ｏ−ｔＲＮＡが脊椎動物ではない生物に由来するものである、請求項１に記載の細胞または細胞株。
【請求項９】
上記脊椎動物ではない生物が、Escherichia coliまたはBacillus stearothermophilusである、請求項８に記載の細胞または細胞株。
【請求項１０】
興味のあるポリペプチドをコードするポリヌクレオチドをさらに含んでおり、
該ポリヌクレオチドが上記Ｏ−ｔＲＮＡによって認識されるセレクターコドンを含んでいる、請求項１に記載の細胞または細胞株。
【請求項１１】
上記セレクターコドンが、アンバーコドン、オーカーコドン、オパールコドン、または４塩基以上のコドンから成る群から選択される、請求項１０に記載の細胞または細胞株。
【請求項１２】
上記セレクターコドンがアンバーコドンである、請求項１０に記載の細胞または細胞株。
【請求項１３】
上記セレクターコドンがオーカーコドンである、請求項１０に記載の細胞または細胞株。
【請求項１４】
上記セレクターコドンがオパールコドンである、請求項１０に記載の細胞または細胞株。
【請求項１５】
上記セレクターコドンが４塩基以上のコドンである、請求項１０に記載の細胞または細胞株。
【請求項１６】
少なくとも１種の非天然アミノ酸を含んでいる上記興味のあるポリペプチドの収量が、上記ポリヌクレオチドが上記セレクターコドンを欠損している細胞から得られる興味のある天然発生型ポリペプチドの収量の少なくとも５％である、請求項１０に記載の細胞または細胞株。
【請求項１７】
上記細胞は、少なくとも１種の非天然アミノ酸が存在下しないときは、該少なくとも１種の非天然アミノ酸が存在下するときの興味のあるポリペプチドの収量の３０％未満の収量で、該興味のあるポリペプチドを製造する、請求項１に記載の細胞または細胞株。
【請求項１８】
上記興味のあるポリペプチドが、治療用タンパク質、診断用タンパク質、もしくは工業用タンパク質、またはそれらの一部である、請求項１０に記載の細胞または細胞株。
【請求項１９】
上記興味のあるポリペプチドが、以下のタンパク質から成る群から選択されるタンパク質またはその一部を含んでいる、請求項１０に記載の細胞または細胞株：
サイトカイン、成長因子、成長因子受容体、インターフェロン、インターロイキン、炎症分子、癌遺伝子産物、ペプチドホルモン、シグナル伝達分子、ステロイドホルモン受容体、エリスロポエチン（ＥＰＯ）、インスリン、ヒト成長ホルモン、アルファ１抗トリプシン、アンギオスタチン、抗溶血因子、抗体、アポリポタンパク質、アポタンパク質、心房性ナトリウム利尿因子、心房性ナトリウム利尿ポリペプチド、心房性ペプチド、Ｃ−Ｘ−Ｃケモカイン、Ｔ３９７６５、ＮＡＰ−２、ＥＮＡ−７８、Ｇｒｏ−ａ、Ｇｒｏ−ｂ、Ｇｒｏ−ｃ、ＩＰ−１０、ＧＣＰ−２、ＮＡＰ−４、ＳＤＦ−１、ＰＦ４、ＭＩＧ、カルシトニン、ｃキットリガンド、サイトカイン、ＣＣケモカイン、単球走化性タンパク質−１、単球走化性タンパク質−２、単球走化性タンパク質−３、単球炎症性タンパク質−１アルファ、単球炎症性タンパク質−１ベータ、ランテス、Ｉ３０９、Ｒ８３９１５、Ｒ９１７３３、ＨＣＣ１、Ｔ５８８４７、Ｄ３１０６５、Ｔ６４２６２、ＣＤ４０、ＣＤ４０リガンド、Ｃキットリガンド、コラーゲン、コロニー刺激因子（ＣＳＦ）、補体因子５ａ、補体抑制因子、補体受容体１、サイトカイン、ＤＨＦＲ、上皮好中球活性化ペプチド−７８、ＧＲＯα／ＭＧＳＡ、ＧＲＯβ、ＧＲＯγ、ＭＩＰ−１α、ＭＩＰ−１δ、ＭＣＰ−１、上皮成長因子（ＥＧＦ）、上皮好中球活性化ペプチド、エリスロポエチン（ＥＰＯ）、表皮剥離脱素、ファクターＩＸ、ファクターＶＩＩ、ファクターＶＩＩＩ、ファクターＸ、線維芽細胞成長因子（ＦＧＦ）、フィブリノゲン、フィブロネクチン、Ｇ−ＣＳＦ、ＧＭ−ＣＳＦ、グルコセレブロシダーゼ、性腺刺激ホルモン、成長因子、成長因子受容体、ヘッジホッグタンパク質、ヘモグロビン、肝細胞成長因子（ＨＧＦ）、ヒルジン、ヒト血清アルブミン、ＩＣＡＭ−１、ＩＣＡＭ−１受容体、ＬＦＡ−１、ＬＦＡ−１受容体、インスリン、インスリン様成長因子（ＩＧＦ）、ＩＧＦ−Ｉ、ＩＧＦ−ＩＩ、インターフェロン、ＩＦＮ−α、ＩＦＮ−β、ＩＦＮ−γ、インターロイキン、ＩＬ−１、ＩＬ−２、ＩＬ−３、ＩＬ−４、ＩＬ−５、ＩＬ−６、ＩＬ−７、ＩＬ−８、ＩＬ−９、ＩＬ−１０、ＩＬ−１１、ＩＬ−１２、ケラチノサイト成長因子（ＫＧＦ）、ラクトフェリン、白血病抑制因子、ルシフェラーゼ、ニュールツリン、好中球抑制因子（ＮＩＦ）、オンコスタチンＭ、骨形成タンパク質、癌遺伝子産物、副甲状腺ホルモン、ＰＤ−ＥＣＳＦ、ＰＤＧＦ、ペプチドホルモン、ヒト成長ホルモン、プレイオトロピン、プロテインＡ、プロテインＧ、発熱性エキソトキシンＡ、ＢまたはＣ、リラキシン、レニン、ＳＣＦ、可溶性補体受容体Ｉ、可溶性Ｉ−ＣＡＭ１、可溶性インターロイキン受容体、可溶性ＴＮＦ受容体、ソマトメジン、ソマトスタチン、ソマトトロピン、ストレプトキナーゼ、超抗原、スタフィロコッカス（Staphylococcal）エンテロトキシン、ＳＥＡ、ＳＥＢ、ＳＥＣ１、ＳＥＣ２、ＳＥＣ３、ＳＥＤ、ＳＥＥ、ステロイドホルモン受容体、スーパーオキサイドジスムターゼ（ＳＯＤ）、毒物ショック症候群毒素、サイモシンアルファ１、組織プラスミノーゲン活性化因子、腫瘍成長因子（ＴＧＦ）、ＴＧＦ−α、ＴＧＦ−β、腫瘍壊死因子、腫瘍壊死因子アルファ、腫瘍壊死因子ベータ、腫瘍壊死因子受容体（ＴＮＦＲ）、ＶＬＡ−４タンパク質、ＶＣＡＭ−１タンパク質、血管内皮細胞成長因子（ＶＥＧＥＦ）、ウロキナーゼ、Ｍｏｓ、Ｒａｓ、Ｒａｆ、Ｍｅｔ；ｐ５３、Ｔａｔ、Ｆｏｓ、Ｍｙｃ、Ｊｕｎ、Ｍｙｂ、Ｒｅｌ、エストロゲン受容体、プロゲステロン受容体、テストステロン受容体、アルドステロン受容体、ＬＤＬ受容体、ＳＣＦ／ｃキット、ＣＤ４０Ｌ／ＣＤ４０、ＶＬＡ−４／ＶＣＡＭ−１、ＩＣＡＭ−１／ＬＦＡ−１、ヒアルリン／ＣＤ４４、ならびにコルチコステロン。
【請求項２０】
直交化アミノアシル−ｔＲＮＡシンテターゼ（Ｏ−ＲＳ）を含んでいる脊椎動物細胞または細胞株であって、
該Ｏ−ＲＳは、該脊椎動物細胞内おいて、パラ−アミノ−フェニルアラニンで直交化ｔＲＮＡ（Ｏ−ｔＲＮＡ）を優先的にアミノアシル化するものである、脊椎動物細胞または細胞株。
【請求項２１】
上記Ｏ−ＲＳは、該Ｏ−ＲＳが天然アミノ酸で上記Ｏ−ｔＲＮＡをアミノアシル化するよりも少なくとも１０倍効率よく、パラ−アミノ−フェニルアラニンで上記Ｏ−ｔＲＮＡをアミノアシル化するものである、請求項１に記載の細胞または細胞株。
【請求項２２】
上記Ｏ−ＲＳは脊椎動物ではない生物に由来するものである、請求項２０に記載の細胞または細胞株。
【請求項２３】
上記脊椎動物ではない生物が、Escherichia coliまたはBacillus stearothermophilusである、請求項２２に記載の細胞または細胞株。
【請求項２４】
上記脊椎動物細胞または細胞株が哺乳類である、請求項２０に記載の細胞または細胞株。
【請求項２５】
上記脊椎動物細胞株がヒト細胞株である、請求項２０に記載の細胞株。
【請求項２６】
上記Ｏ−ＲＳは、天然アミノ酸と比べて、少なくとも１種の非天然アミノ酸に対する１種以上の改善または向上した酵素特性を有しており、
上記酵素特性は、より高いＫｍ、より低いＫｍ、より高いｋｃａｔ、より低いｋｃａｔ、より低いｋｃａｔ／ｋｍ、およびより高いｋｃａｔ／ｋｍから成る群から選択される、請求項２０に記載の細胞または細胞株。
【請求項２７】
上記Ｏ−ｔＲＮＡが脊椎動物ではない生物に由来するものである、請求項２０に記載の細胞または細胞株。
【請求項２８】
上記脊椎動物ではない生物が、Escherichia coliまたはBacillus stearothermophilusである、請求項２７に記載の細胞または細胞株。
【請求項２９】
興味のあるポリペプチドをコードするポリヌクレオチドをさらに含んでおり、
該ポリヌクレオチドが上記Ｏ−ｔＲＮＡによって認識されるセレクターコドンを含んでいる、請求項２０に記載の細胞または細胞株。
【請求項３０】
上記セレクターコドンが、アンバーコドン、オーカーコドン、オパールコドン、または４塩基以上のコドンから成る群から選択される、請求項２９に記載の細胞または細胞株。
【請求項３１】
上記セレクターコドンがアンバーコドンである、請求項２９に記載の細胞または細胞株。
【請求項３２】
上記セレクターコドンがオーカーコドンである、請求項２９に記載の細胞または細胞株。
【請求項３３】
上記セレクターコドンがオパールコドンである、請求項２９に記載の細胞または細胞株。
【請求項３４】
上記セレクターコドンが４塩基以上のコドンである、請求項２９に記載の細胞または細胞株。
【請求項３５】
少なくとも１種の非天然アミノ酸を含んでいる上記興味のあるポリペプチドの収量が、上記ポリヌクレオチドが上記セレクターコドンを欠損している細胞から得られる興味のある天然発生型ポリペプチドの収量の少なくとも５％である、請求項２９に記載の細胞または細胞株。
【請求項３６】
上記細胞は、少なくとも１種の非天然アミノ酸が存在下しないときは、該少なくとも１種の非天然アミノ酸が存在下するときの興味のあるポリペプチドの収量の３０％未満の収量で、該興味のあるポリペプチドを製造する、請求項２０に記載の細胞または細胞株。
【請求項３７】
上記興味のあるポリペプチドが、治療用タンパク質、診断用タンパク質、もしくは工業用タンパク質、またはそれらの一部である、請求項２９に記載の細胞または細胞株。
【請求項３８】
上記興味のあるポリペプチドが、以下のタンパク質から成る群から選択されるタンパク質またはその一部を含んでいる、請求項２９に記載の細胞または細胞株：
サイトカイン、成長因子、成長因子受容体、インターフェロン、インターロイキン、炎症分子、癌遺伝子産物、ペプチドホルモン、シグナル伝達分子、ステロイドホルモン受容体、エリスロポエチン（ＥＰＯ）、インスリン、ヒト成長ホルモン、アルファ１抗トリプシン、アンギオスタチン、抗溶血因子、抗体、アポリポタンパク質、アポタンパク質、心房性ナトリウム利尿因子、心房性ナトリウム利尿ポリペプチド、心房性ペプチド、Ｃ−Ｘ−Ｃケモカイン、Ｔ３９７６５、ＮＡＰ−２、ＥＮＡ−７８、Ｇｒｏ−ａ、Ｇｒｏ−ｂ、Ｇｒｏ−ｃ、ＩＰ−１０、ＧＣＰ−２、ＮＡＰ−４、ＳＤＦ−１、ＰＦ４、ＭＩＧ、カルシトニン、ｃキットリガンド、サイトカイン、ＣＣケモカイン、単球走化性タンパク質−１、単球走化性タンパク質−２、単球走化性タンパク質−３、単球炎症性タンパク質−１アルファ、単球炎症性タンパク質−１ベータ、ランテス、Ｉ３０９、Ｒ８３９１５、Ｒ９１７３３、ＨＣＣ１、Ｔ５８８４７、Ｄ３１０６５、Ｔ６４２６２、ＣＤ４０、ＣＤ４０リガンド、Ｃキットリガンド、コラーゲン、コロニー刺激因子（ＣＳＦ）、補体因子５ａ、補体抑制因子、補体受容体１、サイトカイン、ＤＨＦＲ、上皮好中球活性化ペプチド−７８、ＧＲＯα／ＭＧＳＡ、ＧＲＯβ、ＧＲＯγ、ＭＩＰ−１α、ＭＩＰ−１δ、ＭＣＰ−１、上皮成長因子（ＥＧＦ）、上皮好中球活性化ペプチド、エリスロポエチン（ＥＰＯ）、表皮剥離脱素、ファクターＩＸ、ファクターＶＩＩ、ファクターＶＩＩＩ、ファクターＸ、線維芽細胞成長因子（ＦＧＦ）、フィブリノゲン、フィブロネクチン、Ｇ−ＣＳＦ、ＧＭ−ＣＳＦ、グルコセレブロシダーゼ、性腺刺激ホルモン、成長因子、成長因子受容体、ヘッジホッグタンパク質、ヘモグロビン、肝細胞成長因子（ＨＧＦ）、ヒルジン、ヒト血清アルブミン、ＩＣＡＭ−１、ＩＣＡＭ−１受容体、ＬＦＡ−１、ＬＦＡ−１受容体、インスリン、インスリン様成長因子（ＩＧＦ）、ＩＧＦ−Ｉ、ＩＧＦ−ＩＩ、インターフェロン、ＩＦＮ−α、ＩＦＮ−β、ＩＦＮ−γ、インターロイキン、ＩＬ−１、ＩＬ−２、ＩＬ−３、ＩＬ−４、ＩＬ−５、ＩＬ−６、ＩＬ−７、ＩＬ−８、ＩＬ−９、ＩＬ−１０、ＩＬ−１１、ＩＬ−１２、ケラチノサイト成長因子（ＫＧＦ）、ラクトフェリン、白血病抑制因子、ルシフェラーゼ、ニュールツリン、好中球抑制因子（ＮＩＦ）、オンコスタチンＭ、骨形成タンパク質、癌遺伝子産物、副甲状腺ホルモン、ＰＤ−ＥＣＳＦ、ＰＤＧＦ、ペプチドホルモン、ヒト成長ホルモン、プレイオトロピン、プロテインＡ、プロテインＧ、発熱性エキソトキシンＡ、ＢまたはＣ、リラキシン、レニン、ＳＣＦ、可溶性補体受容体Ｉ、可溶性Ｉ−ＣＡＭ１、可溶性インターロイキン受容体、可溶性ＴＮＦ受容体、ソマトメジン、ソマトスタチン、ソマトトロピン、ストレプトキナーゼ、超抗原、スタフィロコッカス（Staphylococcal）エンテロトキシン、ＳＥＡ、ＳＥＢ、ＳＥＣ１、ＳＥＣ２、ＳＥＣ３、ＳＥＤ、ＳＥＥ、ステロイドホルモン受容体、スーパーオキサイドジスムターゼ（ＳＯＤ）、毒物ショック症候群毒素、サイモシンアルファ１、組織プラスミノーゲン活性化因子、腫瘍成長因子（ＴＧＦ）、ＴＧＦ−α、ＴＧＦ−β、腫瘍壊死因子、腫瘍壊死因子アルファ、腫瘍壊死因子ベータ、腫瘍壊死因子受容体（ＴＮＦＲ）、ＶＬＡ−４タンパク質、ＶＣＡＭ−１タンパク質、血管内皮細胞成長因子（ＶＥＧＥＦ）、ウロキナーゼ、Ｍｏｓ、Ｒａｓ、Ｒａｆ、Ｍｅｔ；ｐ５３、Ｔａｔ、Ｆｏｓ、Ｍｙｃ、Ｊｕｎ、Ｍｙｂ、Ｒｅｌ、エストロゲン受容体、プロゲステロン受容体、テストステロン受容体、アルドステロン受容体、ＬＤＬ受容体、ＳＣＦ／ｃキット、ＣＤ４０Ｌ／ＣＤ４０、ＶＬＡ−４／ＶＣＡＭ−１、ＩＣＡＭ−１／ＬＦＡ−１、ヒアルリン／ＣＤ４４、ならびにコルチコステロン。
【請求項３９】
一過性にトランスフェクションされている、請求項１に由来の脊椎動物細胞株。
【請求項４０】
安定にトランスフェクションされている、請求項１に由来の脊椎動物細胞株。
【請求項４１】
直交化ｔＲＮＡ（Ｏ−ｔＲＮＡ）を含んでいる脊椎動物細胞または細胞株であって、
該Ｏ−ｔＲＮＡは、該Ｏ−ｔＲＮＡによって認識されるセレクターコドンを含んでいるポリヌクレオチドによってコードされたタンパク質に、パラ−アセチル−フェニルアラニンをインビボで組み込むことを媒介するものである、脊椎動物細胞または細胞株。
【請求項４２】
上記タンパク質が少なくとも２種の非天然アミノ酸を含んでいる、請求項４１に記載の細胞または細胞株。
【請求項４３】
上記タンパク質が少なくとも２種の異なる非天然アミノ酸を含んでいる、請求項４１に記載の細胞または細胞株。
【請求項４４】
上記タンパク質が薬学的に許容可能な賦形剤をさらに含んでいる、請求項４１に記載の細胞または細胞株。
【請求項４５】
直交化ｔＲＮＡ（Ｏ−ｔＲＮＡ）を含んでいる脊椎動物細胞または細胞株であって、
該Ｏ−ｔＲＮＡは、該Ｏ−ｔＲＮＡによって認識されるセレクターコドンを含んでいるポリヌクレオチドによってコードされたタンパク質に、パラ−アミノ−フェニルアラニンをインビボで組み込むことを媒介するものである、細胞または細胞株。
【請求項４６】
上記タンパク質が少なくとも２種の非天然アミノ酸を含んでいる、請求項４５に記載の細胞または細胞株。
【請求項４７】
上記タンパク質が少なくとも２種の異なる非天然アミノ酸を含んでいる、請求項４５に記載の細胞または細胞株。
【請求項４８】
上記タンパク質が薬学的に許容可能な賦形剤をさらに含んでいる、請求項４５に記載の細胞または細胞株。
【請求項４９】
細胞内おいて少なくとも１種の非天然アミノ酸を含んでいるタンパク質を製造するためのキットであって、
Ｏ−ｔＲＮＡをコードするポリヌクレオチド配列、およびＯ−ＲＳをコードするポリヌクレオチド配列、またはＯ−ＲＳを含んでいる容器を包含している、キット。
【請求項５０】
少なくとも１種の非天然アミノ酸をさらに包含している、請求項４９に記載のキット。
【請求項５１】
上記タンパク質を製造するための使用説明書をさらに包含している、請求項４９に記載のキット。
【請求項１】
直交化アミノアシル−ｔＲＮＡシンテターゼ（Ｏ−ＲＳ）を含んでいる脊椎動物細胞または細胞株であって、
該Ｏ−ＲＳは、該脊椎動物細胞内において、パラ−アセチル−フェニルアラニン（ＰＡＦ）で直交化ｔＲＮＡ（Ｏ−ｔＲＮＡ）を優先的にアミノアシル化するものである、脊椎動物細胞または細胞株。
【請求項２】
上記Ｏ−ＲＳは、該Ｏ−ＲＳが天然アミノ酸で上記Ｏ−ｔＲＮＡをアミノアシル化するよりも少なくとも１０倍効率よく、上記ＰＡＦで上記Ｏ−ｔＲＮＡをアミノアシル化するものである、請求項１に記載の細胞または細胞株。
【請求項３】
上記Ｏ−ＲＳは、脊椎動物ではない生物に由来するものである、請求項１に記載の細胞または細胞株。
【請求項４】
上記脊椎動物ではない生物が、Escherichia coliまたはBacillus stearothermophilusである、請求項３に記載の細胞または細胞株。
【請求項５】
上記脊椎動物細胞または細胞株が哺乳類である、請求項１に記載の細胞または細胞株。
【請求項６】
上記脊椎動物細胞株がヒト細胞株である、請求項５に記載の細胞株。
【請求項７】
上記Ｏ−ＲＳは、天然アミノ酸と比べて、少なくとも１種の非天然アミノ酸に対する１種以上の改善または向上した酵素特性を有しており、
上記酵素特性は、より高いＫｍ、より低いＫｍ、より高いｋｃａｔ、より低いｋｃａｔ、より低いｋｃａｔ／ｋｍ、およびより高いｋｃａｔ／ｋｍから成る群から選択される、請求項１に記載の細胞または細胞株。
【請求項８】
上記Ｏ−ｔＲＮＡが脊椎動物ではない生物に由来するものである、請求項１に記載の細胞または細胞株。
【請求項９】
上記脊椎動物ではない生物が、Escherichia coliまたはBacillus stearothermophilusである、請求項８に記載の細胞または細胞株。
【請求項１０】
興味のあるポリペプチドをコードするポリヌクレオチドをさらに含んでおり、
該ポリヌクレオチドが上記Ｏ−ｔＲＮＡによって認識されるセレクターコドンを含んでいる、請求項１に記載の細胞または細胞株。
【請求項１１】
上記セレクターコドンが、アンバーコドン、オーカーコドン、オパールコドン、または４塩基以上のコドンから成る群から選択される、請求項１０に記載の細胞または細胞株。
【請求項１２】
上記セレクターコドンがアンバーコドンである、請求項１０に記載の細胞または細胞株。
【請求項１３】
上記セレクターコドンがオーカーコドンである、請求項１０に記載の細胞または細胞株。
【請求項１４】
上記セレクターコドンがオパールコドンである、請求項１０に記載の細胞または細胞株。
【請求項１５】
上記セレクターコドンが４塩基以上のコドンである、請求項１０に記載の細胞または細胞株。
【請求項１６】
少なくとも１種の非天然アミノ酸を含んでいる上記興味のあるポリペプチドの収量が、上記ポリヌクレオチドが上記セレクターコドンを欠損している細胞から得られる興味のある天然発生型ポリペプチドの収量の少なくとも５％である、請求項１０に記載の細胞または細胞株。
【請求項１７】
上記細胞は、少なくとも１種の非天然アミノ酸が存在下しないときは、該少なくとも１種の非天然アミノ酸が存在下するときの興味のあるポリペプチドの収量の３０％未満の収量で、該興味のあるポリペプチドを製造する、請求項１に記載の細胞または細胞株。
【請求項１８】
上記興味のあるポリペプチドが、治療用タンパク質、診断用タンパク質、もしくは工業用タンパク質、またはそれらの一部である、請求項１０に記載の細胞または細胞株。
【請求項１９】
上記興味のあるポリペプチドが、以下のタンパク質から成る群から選択されるタンパク質またはその一部を含んでいる、請求項１０に記載の細胞または細胞株：
サイトカイン、成長因子、成長因子受容体、インターフェロン、インターロイキン、炎症分子、癌遺伝子産物、ペプチドホルモン、シグナル伝達分子、ステロイドホルモン受容体、エリスロポエチン（ＥＰＯ）、インスリン、ヒト成長ホルモン、アルファ１抗トリプシン、アンギオスタチン、抗溶血因子、抗体、アポリポタンパク質、アポタンパク質、心房性ナトリウム利尿因子、心房性ナトリウム利尿ポリペプチド、心房性ペプチド、Ｃ−Ｘ−Ｃケモカイン、Ｔ３９７６５、ＮＡＰ−２、ＥＮＡ−７８、Ｇｒｏ−ａ、Ｇｒｏ−ｂ、Ｇｒｏ−ｃ、ＩＰ−１０、ＧＣＰ−２、ＮＡＰ−４、ＳＤＦ−１、ＰＦ４、ＭＩＧ、カルシトニン、ｃキットリガンド、サイトカイン、ＣＣケモカイン、単球走化性タンパク質−１、単球走化性タンパク質−２、単球走化性タンパク質−３、単球炎症性タンパク質−１アルファ、単球炎症性タンパク質−１ベータ、ランテス、Ｉ３０９、Ｒ８３９１５、Ｒ９１７３３、ＨＣＣ１、Ｔ５８８４７、Ｄ３１０６５、Ｔ６４２６２、ＣＤ４０、ＣＤ４０リガンド、Ｃキットリガンド、コラーゲン、コロニー刺激因子（ＣＳＦ）、補体因子５ａ、補体抑制因子、補体受容体１、サイトカイン、ＤＨＦＲ、上皮好中球活性化ペプチド−７８、ＧＲＯα／ＭＧＳＡ、ＧＲＯβ、ＧＲＯγ、ＭＩＰ−１α、ＭＩＰ−１δ、ＭＣＰ−１、上皮成長因子（ＥＧＦ）、上皮好中球活性化ペプチド、エリスロポエチン（ＥＰＯ）、表皮剥離脱素、ファクターＩＸ、ファクターＶＩＩ、ファクターＶＩＩＩ、ファクターＸ、線維芽細胞成長因子（ＦＧＦ）、フィブリノゲン、フィブロネクチン、Ｇ−ＣＳＦ、ＧＭ−ＣＳＦ、グルコセレブロシダーゼ、性腺刺激ホルモン、成長因子、成長因子受容体、ヘッジホッグタンパク質、ヘモグロビン、肝細胞成長因子（ＨＧＦ）、ヒルジン、ヒト血清アルブミン、ＩＣＡＭ−１、ＩＣＡＭ−１受容体、ＬＦＡ−１、ＬＦＡ−１受容体、インスリン、インスリン様成長因子（ＩＧＦ）、ＩＧＦ−Ｉ、ＩＧＦ−ＩＩ、インターフェロン、ＩＦＮ−α、ＩＦＮ−β、ＩＦＮ−γ、インターロイキン、ＩＬ−１、ＩＬ−２、ＩＬ−３、ＩＬ−４、ＩＬ−５、ＩＬ−６、ＩＬ−７、ＩＬ−８、ＩＬ−９、ＩＬ−１０、ＩＬ−１１、ＩＬ−１２、ケラチノサイト成長因子（ＫＧＦ）、ラクトフェリン、白血病抑制因子、ルシフェラーゼ、ニュールツリン、好中球抑制因子（ＮＩＦ）、オンコスタチンＭ、骨形成タンパク質、癌遺伝子産物、副甲状腺ホルモン、ＰＤ−ＥＣＳＦ、ＰＤＧＦ、ペプチドホルモン、ヒト成長ホルモン、プレイオトロピン、プロテインＡ、プロテインＧ、発熱性エキソトキシンＡ、ＢまたはＣ、リラキシン、レニン、ＳＣＦ、可溶性補体受容体Ｉ、可溶性Ｉ−ＣＡＭ１、可溶性インターロイキン受容体、可溶性ＴＮＦ受容体、ソマトメジン、ソマトスタチン、ソマトトロピン、ストレプトキナーゼ、超抗原、スタフィロコッカス（Staphylococcal）エンテロトキシン、ＳＥＡ、ＳＥＢ、ＳＥＣ１、ＳＥＣ２、ＳＥＣ３、ＳＥＤ、ＳＥＥ、ステロイドホルモン受容体、スーパーオキサイドジスムターゼ（ＳＯＤ）、毒物ショック症候群毒素、サイモシンアルファ１、組織プラスミノーゲン活性化因子、腫瘍成長因子（ＴＧＦ）、ＴＧＦ−α、ＴＧＦ−β、腫瘍壊死因子、腫瘍壊死因子アルファ、腫瘍壊死因子ベータ、腫瘍壊死因子受容体（ＴＮＦＲ）、ＶＬＡ−４タンパク質、ＶＣＡＭ−１タンパク質、血管内皮細胞成長因子（ＶＥＧＥＦ）、ウロキナーゼ、Ｍｏｓ、Ｒａｓ、Ｒａｆ、Ｍｅｔ；ｐ５３、Ｔａｔ、Ｆｏｓ、Ｍｙｃ、Ｊｕｎ、Ｍｙｂ、Ｒｅｌ、エストロゲン受容体、プロゲステロン受容体、テストステロン受容体、アルドステロン受容体、ＬＤＬ受容体、ＳＣＦ／ｃキット、ＣＤ４０Ｌ／ＣＤ４０、ＶＬＡ−４／ＶＣＡＭ−１、ＩＣＡＭ−１／ＬＦＡ−１、ヒアルリン／ＣＤ４４、ならびにコルチコステロン。
【請求項２０】
直交化アミノアシル−ｔＲＮＡシンテターゼ（Ｏ−ＲＳ）を含んでいる脊椎動物細胞または細胞株であって、
該Ｏ−ＲＳは、該脊椎動物細胞内おいて、パラ−アミノ−フェニルアラニンで直交化ｔＲＮＡ（Ｏ−ｔＲＮＡ）を優先的にアミノアシル化するものである、脊椎動物細胞または細胞株。
【請求項２１】
上記Ｏ−ＲＳは、該Ｏ−ＲＳが天然アミノ酸で上記Ｏ−ｔＲＮＡをアミノアシル化するよりも少なくとも１０倍効率よく、パラ−アミノ−フェニルアラニンで上記Ｏ−ｔＲＮＡをアミノアシル化するものである、請求項１に記載の細胞または細胞株。
【請求項２２】
上記Ｏ−ＲＳは脊椎動物ではない生物に由来するものである、請求項２０に記載の細胞または細胞株。
【請求項２３】
上記脊椎動物ではない生物が、Escherichia coliまたはBacillus stearothermophilusである、請求項２２に記載の細胞または細胞株。
【請求項２４】
上記脊椎動物細胞または細胞株が哺乳類である、請求項２０に記載の細胞または細胞株。
【請求項２５】
上記脊椎動物細胞株がヒト細胞株である、請求項２０に記載の細胞株。
【請求項２６】
上記Ｏ−ＲＳは、天然アミノ酸と比べて、少なくとも１種の非天然アミノ酸に対する１種以上の改善または向上した酵素特性を有しており、
上記酵素特性は、より高いＫｍ、より低いＫｍ、より高いｋｃａｔ、より低いｋｃａｔ、より低いｋｃａｔ／ｋｍ、およびより高いｋｃａｔ／ｋｍから成る群から選択される、請求項２０に記載の細胞または細胞株。
【請求項２７】
上記Ｏ−ｔＲＮＡが脊椎動物ではない生物に由来するものである、請求項２０に記載の細胞または細胞株。
【請求項２８】
上記脊椎動物ではない生物が、Escherichia coliまたはBacillus stearothermophilusである、請求項２７に記載の細胞または細胞株。
【請求項２９】
興味のあるポリペプチドをコードするポリヌクレオチドをさらに含んでおり、
該ポリヌクレオチドが上記Ｏ−ｔＲＮＡによって認識されるセレクターコドンを含んでいる、請求項２０に記載の細胞または細胞株。
【請求項３０】
上記セレクターコドンが、アンバーコドン、オーカーコドン、オパールコドン、または４塩基以上のコドンから成る群から選択される、請求項２９に記載の細胞または細胞株。
【請求項３１】
上記セレクターコドンがアンバーコドンである、請求項２９に記載の細胞または細胞株。
【請求項３２】
上記セレクターコドンがオーカーコドンである、請求項２９に記載の細胞または細胞株。
【請求項３３】
上記セレクターコドンがオパールコドンである、請求項２９に記載の細胞または細胞株。
【請求項３４】
上記セレクターコドンが４塩基以上のコドンである、請求項２９に記載の細胞または細胞株。
【請求項３５】
少なくとも１種の非天然アミノ酸を含んでいる上記興味のあるポリペプチドの収量が、上記ポリヌクレオチドが上記セレクターコドンを欠損している細胞から得られる興味のある天然発生型ポリペプチドの収量の少なくとも５％である、請求項２９に記載の細胞または細胞株。
【請求項３６】
上記細胞は、少なくとも１種の非天然アミノ酸が存在下しないときは、該少なくとも１種の非天然アミノ酸が存在下するときの興味のあるポリペプチドの収量の３０％未満の収量で、該興味のあるポリペプチドを製造する、請求項２０に記載の細胞または細胞株。
【請求項３７】
上記興味のあるポリペプチドが、治療用タンパク質、診断用タンパク質、もしくは工業用タンパク質、またはそれらの一部である、請求項２９に記載の細胞または細胞株。
【請求項３８】
上記興味のあるポリペプチドが、以下のタンパク質から成る群から選択されるタンパク質またはその一部を含んでいる、請求項２９に記載の細胞または細胞株：
サイトカイン、成長因子、成長因子受容体、インターフェロン、インターロイキン、炎症分子、癌遺伝子産物、ペプチドホルモン、シグナル伝達分子、ステロイドホルモン受容体、エリスロポエチン（ＥＰＯ）、インスリン、ヒト成長ホルモン、アルファ１抗トリプシン、アンギオスタチン、抗溶血因子、抗体、アポリポタンパク質、アポタンパク質、心房性ナトリウム利尿因子、心房性ナトリウム利尿ポリペプチド、心房性ペプチド、Ｃ−Ｘ−Ｃケモカイン、Ｔ３９７６５、ＮＡＰ−２、ＥＮＡ−７８、Ｇｒｏ−ａ、Ｇｒｏ−ｂ、Ｇｒｏ−ｃ、ＩＰ−１０、ＧＣＰ−２、ＮＡＰ−４、ＳＤＦ−１、ＰＦ４、ＭＩＧ、カルシトニン、ｃキットリガンド、サイトカイン、ＣＣケモカイン、単球走化性タンパク質−１、単球走化性タンパク質−２、単球走化性タンパク質−３、単球炎症性タンパク質−１アルファ、単球炎症性タンパク質−１ベータ、ランテス、Ｉ３０９、Ｒ８３９１５、Ｒ９１７３３、ＨＣＣ１、Ｔ５８８４７、Ｄ３１０６５、Ｔ６４２６２、ＣＤ４０、ＣＤ４０リガンド、Ｃキットリガンド、コラーゲン、コロニー刺激因子（ＣＳＦ）、補体因子５ａ、補体抑制因子、補体受容体１、サイトカイン、ＤＨＦＲ、上皮好中球活性化ペプチド−７８、ＧＲＯα／ＭＧＳＡ、ＧＲＯβ、ＧＲＯγ、ＭＩＰ−１α、ＭＩＰ−１δ、ＭＣＰ−１、上皮成長因子（ＥＧＦ）、上皮好中球活性化ペプチド、エリスロポエチン（ＥＰＯ）、表皮剥離脱素、ファクターＩＸ、ファクターＶＩＩ、ファクターＶＩＩＩ、ファクターＸ、線維芽細胞成長因子（ＦＧＦ）、フィブリノゲン、フィブロネクチン、Ｇ−ＣＳＦ、ＧＭ−ＣＳＦ、グルコセレブロシダーゼ、性腺刺激ホルモン、成長因子、成長因子受容体、ヘッジホッグタンパク質、ヘモグロビン、肝細胞成長因子（ＨＧＦ）、ヒルジン、ヒト血清アルブミン、ＩＣＡＭ−１、ＩＣＡＭ−１受容体、ＬＦＡ−１、ＬＦＡ−１受容体、インスリン、インスリン様成長因子（ＩＧＦ）、ＩＧＦ−Ｉ、ＩＧＦ−ＩＩ、インターフェロン、ＩＦＮ−α、ＩＦＮ−β、ＩＦＮ−γ、インターロイキン、ＩＬ−１、ＩＬ−２、ＩＬ−３、ＩＬ−４、ＩＬ−５、ＩＬ−６、ＩＬ−７、ＩＬ−８、ＩＬ−９、ＩＬ−１０、ＩＬ−１１、ＩＬ−１２、ケラチノサイト成長因子（ＫＧＦ）、ラクトフェリン、白血病抑制因子、ルシフェラーゼ、ニュールツリン、好中球抑制因子（ＮＩＦ）、オンコスタチンＭ、骨形成タンパク質、癌遺伝子産物、副甲状腺ホルモン、ＰＤ−ＥＣＳＦ、ＰＤＧＦ、ペプチドホルモン、ヒト成長ホルモン、プレイオトロピン、プロテインＡ、プロテインＧ、発熱性エキソトキシンＡ、ＢまたはＣ、リラキシン、レニン、ＳＣＦ、可溶性補体受容体Ｉ、可溶性Ｉ−ＣＡＭ１、可溶性インターロイキン受容体、可溶性ＴＮＦ受容体、ソマトメジン、ソマトスタチン、ソマトトロピン、ストレプトキナーゼ、超抗原、スタフィロコッカス（Staphylococcal）エンテロトキシン、ＳＥＡ、ＳＥＢ、ＳＥＣ１、ＳＥＣ２、ＳＥＣ３、ＳＥＤ、ＳＥＥ、ステロイドホルモン受容体、スーパーオキサイドジスムターゼ（ＳＯＤ）、毒物ショック症候群毒素、サイモシンアルファ１、組織プラスミノーゲン活性化因子、腫瘍成長因子（ＴＧＦ）、ＴＧＦ−α、ＴＧＦ−β、腫瘍壊死因子、腫瘍壊死因子アルファ、腫瘍壊死因子ベータ、腫瘍壊死因子受容体（ＴＮＦＲ）、ＶＬＡ−４タンパク質、ＶＣＡＭ−１タンパク質、血管内皮細胞成長因子（ＶＥＧＥＦ）、ウロキナーゼ、Ｍｏｓ、Ｒａｓ、Ｒａｆ、Ｍｅｔ；ｐ５３、Ｔａｔ、Ｆｏｓ、Ｍｙｃ、Ｊｕｎ、Ｍｙｂ、Ｒｅｌ、エストロゲン受容体、プロゲステロン受容体、テストステロン受容体、アルドステロン受容体、ＬＤＬ受容体、ＳＣＦ／ｃキット、ＣＤ４０Ｌ／ＣＤ４０、ＶＬＡ−４／ＶＣＡＭ−１、ＩＣＡＭ−１／ＬＦＡ−１、ヒアルリン／ＣＤ４４、ならびにコルチコステロン。
【請求項３９】
一過性にトランスフェクションされている、請求項１に由来の脊椎動物細胞株。
【請求項４０】
安定にトランスフェクションされている、請求項１に由来の脊椎動物細胞株。
【請求項４１】
直交化ｔＲＮＡ（Ｏ−ｔＲＮＡ）を含んでいる脊椎動物細胞または細胞株であって、
該Ｏ−ｔＲＮＡは、該Ｏ−ｔＲＮＡによって認識されるセレクターコドンを含んでいるポリヌクレオチドによってコードされたタンパク質に、パラ−アセチル−フェニルアラニンをインビボで組み込むことを媒介するものである、脊椎動物細胞または細胞株。
【請求項４２】
上記タンパク質が少なくとも２種の非天然アミノ酸を含んでいる、請求項４１に記載の細胞または細胞株。
【請求項４３】
上記タンパク質が少なくとも２種の異なる非天然アミノ酸を含んでいる、請求項４１に記載の細胞または細胞株。
【請求項４４】
上記タンパク質が薬学的に許容可能な賦形剤をさらに含んでいる、請求項４１に記載の細胞または細胞株。
【請求項４５】
直交化ｔＲＮＡ（Ｏ−ｔＲＮＡ）を含んでいる脊椎動物細胞または細胞株であって、
該Ｏ−ｔＲＮＡは、該Ｏ−ｔＲＮＡによって認識されるセレクターコドンを含んでいるポリヌクレオチドによってコードされたタンパク質に、パラ−アミノ−フェニルアラニンをインビボで組み込むことを媒介するものである、細胞または細胞株。
【請求項４６】
上記タンパク質が少なくとも２種の非天然アミノ酸を含んでいる、請求項４５に記載の細胞または細胞株。
【請求項４７】
上記タンパク質が少なくとも２種の異なる非天然アミノ酸を含んでいる、請求項４５に記載の細胞または細胞株。
【請求項４８】
上記タンパク質が薬学的に許容可能な賦形剤をさらに含んでいる、請求項４５に記載の細胞または細胞株。
【請求項４９】
細胞内おいて少なくとも１種の非天然アミノ酸を含んでいるタンパク質を製造するためのキットであって、
Ｏ−ｔＲＮＡをコードするポリヌクレオチド配列、およびＯ−ＲＳをコードするポリヌクレオチド配列、またはＯ−ＲＳを含んでいる容器を包含している、キット。
【請求項５０】
少なくとも１種の非天然アミノ酸をさらに包含している、請求項４９に記載のキット。
【請求項５１】
上記タンパク質を製造するための使用説明書をさらに包含している、請求項４９に記載のキット。
【図１】
【図２】
【図３】
【図２】
【図３】
【公表番号】特表２０１０−５０２２２１（Ｐ２０１０−５０２２２１Ａ）
【公表日】平成２２年１月２８日（２０１０．１．２８）
【国際特許分類】
【出願番号】特願２００９−５２７４４８（Ｐ２００９−５２７４４８）
【出願日】平成１９年９月７日（２００７．９．７）
【国際出願番号】ＰＣＴ／ＵＳ２００７／０１９６５４
【国際公開番号】ＷＯ２００８／０３０６１２
【国際公開日】平成２０年３月１３日（２００８．３．１３）
【出願人】（５０８０４８４８１）アンブルックス，インコーポレイテッド (22)
【氏名又は名称原語表記】Ａｍｂｒｘ，Ｉｎｃ．
【住所又は居所原語表記】１０９７５ Ｎｏｒｔｈ Ｔｏｒｒｅｙ Ｐｉｎｅｓ Ｒｏａｄ，Ｓｕｉｔｅ １００，Ｌａ Ｊｏｌｌａ，Ｃａｌｉｆｏｒｎｉａ ９２０３７，Ｕｎｉｔｅｄ Ｓｔａｔｅｓ ｏｆ Ａｍｅｒｉｃａ
【Ｆターム（参考）】
【公表日】平成２２年１月２８日（２０１０．１．２８）
【国際特許分類】
【出願日】平成１９年９月７日（２００７．９．７）
【国際出願番号】ＰＣＴ／ＵＳ２００７／０１９６５４
【国際公開番号】ＷＯ２００８／０３０６１２
【国際公開日】平成２０年３月１３日（２００８．３．１３）
【出願人】（５０８０４８４８１）アンブルックス，インコーポレイテッド (22)
【氏名又は名称原語表記】Ａｍｂｒｘ，Ｉｎｃ．
【住所又は居所原語表記】１０９７５ Ｎｏｒｔｈ Ｔｏｒｒｅｙ Ｐｉｎｅｓ Ｒｏａｄ，Ｓｕｉｔｅ １００，Ｌａ Ｊｏｌｌａ，Ｃａｌｉｆｏｒｎｉａ ９２０３７，Ｕｎｉｔｅｄ Ｓｔａｔｅｓ ｏｆ Ａｍｅｒｉｃａ
【Ｆターム（参考）】
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