説明

脊椎安定化装置

締結具が脊椎システムの椎骨に係合する、脊椎安定化の装置および方法が提供される。締結具はロッドに連結され、ロッドの少なくとも一部分の延在方向を冠状面で選択的に調整することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は一般に脊椎システムに関し、より詳細には脊椎安定化の装置および方法に関する。
【背景技術】
【0002】
脊柱を含む脊椎システムを安定させるために、脊柱における隣接する椎骨間のずれの程度を低減し、および/または隣接する椎骨のそれぞれの対を望ましい空間関係に維持することができる。
【0003】
いくつかの場合では、脊椎システムの近傍内に延びるように適合されたロッドを設けることができ、1つまたは複数のロッドを脊椎システムの1つまたは複数の椎骨に連結するコネクタを設けることができる。ロッドおよびコネクタは脊椎システムを固定および/または安定させる際の助けとなることができ、および/または脊椎システムの1つまたは複数の部分の固定の補助として機能することができる。ロッドを使用する、椎骨のずれを低減するシステムの例は、Foleyらの米国特許第6,248,107号に開示されており、参照によってその開示を援用する。
【0004】
1つまたは複数のロッドを含む脊椎安定化システムでは、他の所望および/または必要事項のなかでも特に、ロッドのうちの1つの少なくとも一部分の延在方向を冠状面で選択的に調整できることが所望され、および/または必要であることがある。本願明細書で使用される「冠状面」という用語は、全体として人体を垂直に通り、全体として正中(矢状)面および水平(または軸方向または横断)面の両方に対して垂直で、全体として人体を前側と後側部分に分断する解剖学的位置の断面を含み、かつ、全体として人体を垂直に通り、全体として水平(または軸方向または横断)面に対して垂直で、全体として正中(矢状)面に対して0度より大きく90度以下の方位角度で傾斜する解剖学的位置の断面をさらに含むことを理解されたい。
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の一態様によれば、脊椎システムの椎骨に連結するように適合されたプレート部材、およびプレート部材に連結され、ロッドの少なくとも一部分の延在方向を第1の冠状面で選択的に調整するための手段を含む、脊椎システムを安定させるための装置が提供され、ロッドが脊椎システムの近傍内に延びるとき、ロッドの少なくとも一部分が調整手段に係合する。
【0006】
本発明の別の態様によれば、締結具を脊椎システムの椎骨に係合する工程、締結具を脊椎システムの近傍内に延びるロッドに連結する工程、およびロッドの少なくとも一部分の延在方向を第1の冠状面で選択的に調整する工程を含む、脊椎システムを安定させる方法が提供される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
図1を参照すると、脊椎システムが全体として参照番号10で示され、椎骨12、14および16を含む。脊椎システム10は、椎骨12、14および16が含まれる様々なタイプの椎骨、1つまたは複数の椎骨と連結し、および/またはそれらの間を延びる、靭帯および/または他の天然および/または人工の構造物から構成される、ヒトの脊柱を含むことを理解されたい。ロッド18および20は、脊椎システム10の近傍内に離間した関係で延びている。椎弓根スクリュー22、24および26の形態である締結具が、椎骨12、14および16の右側の椎弓根とそれぞれねじ込み式に係合し、そこから延びている。同様に、椎弓根スクリュー28、30および32の形態である締結具が、椎骨12、14および16の左側の椎弓根とそれぞれねじ込み式に係合し、そこから延びている。
【0008】
コネクタ34、36および38が、椎弓根スクリュー22、24および26とそれぞれ係合し、ロッド18と連結し、それによりスクリュー22、24および26をロッド18に連結する。同様に、コネクタ40、42および44が、椎弓根スクリュー28、30および32とそれぞれ係合し、ロッド安定化システム20と連結し、それによりスクリュー28、30および32をロッド20に連結する。
【0009】
図2から図4を参照すると、コネクタ36は、端部46aおよびそこから延びる端部46bを有するプレート部材46を含み、端部46aおよび46bは平面46cおよび46dをそれぞれ画成し、その縁部が図2〜図4に示されている。平面46cおよび46dは平面46cおよび46dに対して垂直なオフセット方向に距離Gだけ互いに離れている。
【0010】
端部46aを通って皿穴46eが形成され、皿穴(埋頭孔)部46fおよび皿穴部46fの下に大径部分46gを含む(図4に示す)。端部46aの平面46cと反対側の面に複数の歯46hが形成され、複数の歯46hは皿穴46eの周囲の一部を周方向に延びる。端部46bには、細長孔46iなどの貫通開口が形成されている。端部46aおよび46bはさらに平面46jおよび46kをそれぞれ画成し、穴46eの大径部分46gは平面46lを画成する(図4に示す)。
【0011】
ワッシャ48は、向かい合う一対の全体としてV字形の切込み48aおよび48bならびに向かい合う一対の溝48cおよび48dを含む。ワッシャ48の切込み48aおよび48bならびに溝48cおよび48dと反対側の面に、複数の歯48eが形成される。
【0012】
ハウジング部材50が、中を通って延びる貫通開口50bを有するカラー部50a、および貫通開口50b内へと延びる穴50cを含み、穴50cは雌ねじ結合を有する。カラー部50aには下が切り取られた部分50dおよび50eが形成され、全体として平行に離間した一対の腕部50fおよび50gがカラー部50aから延び、腕部50fおよび50gはそれぞれ、より大きい寸法の遠位端50hおよび50iを有する。
【0013】
クリップ部材(留め具部材)52が、垂直に延びる部分52aならびにそこから延びる一対の離間した脚部52bおよび52cを含み、各脚部52bおよび52cは他方の脚部から離れる方向に延びている。クリップ部材52の脚部52bおよび52cは、以下に説明される条件下で屈曲して、互いに近付き、離れるように適合されている。コネクタ34は、止めねじ54、ナット56およびワッシャ58などの締結具をさらに含み、椎弓根スクリュー24は、椎骨14にねじ込み式に係合するように適合されたねじ切り部24a、およびワッシャ58を通って延び、ナット56にねじ込み式に係合するように適合されたねじ切り部24bを含む。
【0014】
図3および図4に示すように、コネクタ36を組み立てた状態に配置するために、下が切り取られた部分50dおよび50eによって画成されたカラー部50aの垂直に延びる面がワッシャ48の溝48cおよび48dそれぞれに係合しそこに固定されるまで、ハウジング部材50の腕部50fおよび50gがワッシャ48を通して挿入される。ハウジング部材50とワッシャ48の係合前、係合中または係合後に、ハウジング部材50の一部および/またはワッシャ48の一部に、例えばシリコーン接着剤などの接着剤を塗布して、ハウジング部材50とワッシャ48との間をより全体として永久的に係合することができることが理解されよう。例えば、ワッシャ48の溝48cおよび48dによって画成された面に、シリコーン接着剤を塗布することができる。
【0015】
次いで、ハウジング部材50の腕部50fおよび50gをプレート部材46の穴46e内へと挿入する。腕部50fおよび50gが穴46e内へと挿入されると、より大きい寸法の遠位端部50hおよび50iが皿穴部46fに係合し、それにより、腕部50fおよび50gが穴46eを通して挿入できるように、腕部50fおよび50gの少なくとも遠位端部50hおよび50iがそれぞれ互いの方へと屈曲する。
【0016】
遠位端部50hおよび50iは、穴46eの大径の部分46g内へと挿入されると、互いに対して元の位置へと戻り、それによりスナップ嵌めが形成され、ハウジング部材50はワッシャ48を間に配設してプレート部材46に連結される。ハウジング部材50およびワッシャ48は、図4に示すように、プレート部材46に対して、自由度が制限された上下方向の平行移動を有することができることが理解されよう。
【0017】
クリップ部材52が穴46e内へと挿入されることによって、脚部52bおよび52cが互いの方へと屈曲する。クリップ部材52の挿入は、部分52aがプレート部材46の平面46jに係合するまで継続される。この時点で、脚部52bおよび52cはハウジング部材50の腕部50eと50fの間に配設され、脚部52bおよび52cの少なくとも遠位端が、互いから離れるように屈曲し、穴46eの大径の部分46gに配設され、プレート部材46の大径の部分46gによって画成された面46lに係合する。脚部52bおよび52cの向かい合う延在方向により、脚部52bおよび52cは、腕部50eと50fの間に配設されると互いから離れるように付勢され、面46lに係合し、それによりクリップ部材52をプレート部材46に固定する。
【0018】
クリップ部材52の脚部52bおよび52cがハウジング部材50の腕部50fと50gの間に配設されたことにより、腕部50eと50fが互いの方へと動くことを防ぎ、腕部50fと50gのより大きい寸法の部分50hおよび50iが穴46eをそれぞれ通過できるようになる。したがって、クリップ部材52はハウジング部材50をプレート部材46に維持し、それらが外れないようにする。
【0019】
この時点で、図4に示すように、一部には上下方向の平行移動の自由度が制限されていることにより、ハウジング部材50およびワッシャ48は、穴46eの中心軸と実質的に同軸である想像軸周りをプレート部材46に対して360度まで、定位置で自由に回転できる。ハウジング部材50およびワッシャ48を回転すると、貫通開口50bの延在方向が選択的に調整される。穴46eの中心軸、したがってハウジング部材50およびワッシャ48が周りを回転する実質的に同軸の想像軸は、平面46c、46d、46jおよび46kに対して垂直であるので、貫通開口50bの延在方向は、平面46c、46d、46jおよび/または46kと実質的に同一平面または平行である平面において選択的に調整されることが理解されよう。
【0020】
貫通開口50bの延在方向を所望の位置でロックするために、ハウジング部材50およびワッシャ48を回転して貫通開口50bの延在方向を所望の位置に調整することができ、ワッシャ48の複数の歯48eがプレート部材の複数の歯46hと噛み合うように、ワッシャ48をプレート部材46の方へと動かすことができる。複数の歯48eと46hの噛み合いにより、ワッシャ48のプレート部材46に対するさらなる回転を防ぎ、それに対応して、カラー部50aがワッシャ48の溝48cおよび48d内へと延びることにより、ハウジング部材50のさらなる回転を防ぐ。したがって、貫通開口50bの延在方向がロックされる。
【0021】
貫通開口50bの延在方向は、所定の角度増分で選択的に調整しロックすることができ、所定の角度増分はそれぞれ、複数の歯48eおよび46hにおける隣接する歯のそれぞれの対の間の間隔に対応することが理解されよう。例えば、複数の歯48eおよび46hにおける隣接する歯のそれぞれの対の間の山と山または谷と谷の間隔は6度とすることができる。したがって、貫通開口50bの延在方向を選択的に調整し、角度増分を6度にロックすることができる。
【0022】
貫通開口50bの延在方向を選択的に調整し、所望であれば貫通開口50bの延在方向をロックした後、ロッド18はハウジング部材50の貫通開口50bを通して挿入され、ロッド18の一部分18aがワッシャ48に係合し、切込み48aおよび48bに固定される。止めねじ54が穴50cを通り貫通開口50b内へと延び、ロッドの一部分18aに接触するように、止めねじ54を穴50cにねじ込み式に係合する。止めねじ54と穴50cの間をさらにねじ込み係合することにより、ロッドの一部分18aによる力がワッシャ48の切込み48aおよび48bによって画成された面にかかり、それによりロッド18とハウジング部材50の相対動作を実質的に防ぐ。
【0023】
ロッドの一部分18aがワッシャ48に係合するように、ロッド18が貫通開口50bを通して挿入されるので、貫通開口50bの延在方向を上述の方法で選択的に調整することによってロッドの一部分18aの延在方向も、1つまたは複数の平面46c、46d、46jおよび/または46kと実質的に同一平面または平行である平面において選択的に調整されることが理解されよう。同じ理由で、貫通開口50bの延在方向を上述の方法で所定の角度増分で選択的に調整することにより、ロッドの一部分18aの延在方向も所定の角度増分で選択的に調整されることがさらに理解されよう。また、貫通開口50bの延在方向を上述の方法でロックすることにより、ロッドの一部分18aの延在方向もロックされることもさらに理解されよう。
【0024】
コネクタ34、38、40、42および44はコネクタ36と実質的に同一であり、したがって詳細な説明は行なわない。組み立てられた状態の各コネクタ34、38、40、42および44の配置は、組み立てられた状態のコネクタ36の上述の配置と実質的に同一であり、したがってこれらの配置の詳細な説明は行なわない。
【0025】
ロッド18とコネクタ34および38の係合、およびロッド20とコネクタ40、42および44の係合は、ロッド18とコネクタ36の上述の係合と実質的に同一であり、したがってこれらの係合の詳細な説明は行なわない。しかし、ロッド18のコネクタ34および38に係合した部分のロックされた延在方向はそれぞれ異なることができ、コネクタ36に係合したロッドの一部分18aのロックされた延在方向とも異なることができることが理解されよう。同様に、ロッド20のコネクタ40、42および44に係合した部分のロックされた延在方向も、それぞれ異なることができることが理解されよう。
【0026】
図2〜図4を参照しながら再び図1を参照すると、椎弓根スクリュー24が脊椎システム10から離れて全体として前後方向で椎骨14から延びるように、椎弓根スクリュー24のねじ切り部24aが椎骨14にねじ込み式に係合されている。同様に、椎弓根スクリュー22および28は椎骨12にねじ込み式に係合してそこから延びており、椎弓根スクリュー30は椎骨14にねじ込み式に係合してそこから延びており、椎弓根スクリュー26および32は椎骨16にねじ込み式に係合してそこから延びている。
【0027】
上述の方法でロッド18に係合した後、椎弓根スクリュー24がコネクタ36の細長孔46iを通って延びるように、かつ椎弓根スクリュー22および26がそれぞれコネクタ34および38の対応する細長孔(スロット)46iを通って延びるように、コネクタ34、36および38が配置される。その結果、ロッド18は脊椎システム10の近傍内に延びる。この時点で、椎弓根スクリュー24のねじ切り部24bがワッシャ58を通って延びナット56にねじ込み式に係合するように、ワッシャ58およびナット56を配置することができる。コネクタ34と椎弓根スクリュー22、およびコネクタ38と椎弓根スクリュー26の係合は、コネクタ36と椎弓根スクリュー24の係合と実質的に同様であり、したがって詳細な説明は行なわないことを理解されたい。
【0028】
コネクタ36の細長孔46iによって、コネクタ36が椎弓根スクリュー24および椎骨14に対して冠状面で平行移動することが可能になり、コネクタ34および38の対応する細長孔46iによって、コネクタ34および38が椎弓根スクリュー22および26ならびに椎骨12および16に対してそれぞれ冠状面で平行移動することが可能になることが理解されよう。本願明細書で使用される「冠状面」という用語は、全体として人体を垂直に通り、全体として正中(矢状)面および水平(または軸方向または横断)面の両方に対して垂直で、全体として人体を前側と後側部分に分断する解剖学的位置の任意の断面を含み、かつ、全体として人体を垂直に通り、全体として水平(または軸方向または横断)面に対して垂直で、全体として正中(矢状)面に対して0度より大きく90度以下の方位角度で傾斜する解剖学的位置の任意の断面をさらに含むことを理解されたい。
【0029】
図1に示すように、コネクタ36は冠状面で左に平行移動し、コネクタ38は別の冠状面で右に平行移動し、それらの冠状面は実質的に同一平面とすることができることが理解されよう。コネクタ34、36および/または38はそれぞれ、椎骨12、14および/または16、および/またはそこに連結された、および/またはそれらの間を延びる、他の天然および/または人工の構造物の特徴を回避および/または通過するように、平行移動することができることが理解されよう。
【0030】
コネクタ36を所望および/または必要に応じて配置した後、ナット56をさらに椎弓根スクリュー24のねじ切り部24bにねじ込み式に係合し、それにより、コネクタ36と椎骨14の間の相対的な平行移動および/または動作を防ぎ、平面46dを椎骨14に係合し、それによりコネクタ36を椎骨14に連結するように締結する。平面46cと46dの間のオフセット間隔Gにより、脊椎システム10から離れて全体として前後方向にロッドの一部分18aが突出する程度が低減される。同様に、コネクタ34および38の対応するナット56も締結され、それによりコネクタ34および38を椎骨12および16にそれぞれ連結する。
【0031】
図1に示すように、コネクタ36のプレート部材46の平面46c、46d、46jおよび46kはそれぞれ全体として脊椎システム10の近傍内の冠状面上にある。上述のように、ロッドの一部分18aの延在方向は平面46c、46d、46jおよび/または46kの1つまたは複数と平行または実質的に同一平面である平面において選択的に調整することができるので、ロッドの一部分18aの延在方向は脊椎システム10の近傍内の冠状面において選択的に調整することができることになる。
【0032】
図1にさらに示すように、コネクタ36のハウジング部材50に係合したロッドの一部分18aが脊椎システム10の近傍内の冠状面で全体として垂直方向に延びるように、コネクタ36のハウジング部材50はプレート部材46に対して回転されている。これとは異なり、コネクタ34および38の対応するハウジング部材50はそれぞれ右および左に回転されている。したがって、ロッド18のコネクタ34および38に係合した部分は脊椎システム10の近傍内の冠状面を延びるが、互いにおよびロッドの一部分18aとは異なる方向である。
【0033】
ロッド18をコネクタ34、36および38に係合し、次いでコネクタ34、36および38をそれぞれ椎骨12、14および16に連結する代わりに、コネクタ34、36および38をそれぞれ椎骨12、14および16に最初に連結し、次いでロッド18をコネクタ34、36および38の貫通開口50bを通して送り込むこともできることが理解されよう。ロッド18を送り込む前に、コネクタ34、36および38の貫通開口50bの延在方向をロックすることができることもさらに理解されよう。
【0034】
脊椎システム10の近傍内の1つまたは複数の冠状面におけるロッド18の様々な部分の延在方向をそれぞれ選択的に調整して、例えば、椎骨12、14および/または16の特徴、および/または椎骨の1つまたは複数に連結し、2つ以上の椎骨間を延び、および/またはロッド18に連結され、および/またはコネクタ34、36および38に連結された、他の天然および/または人工の構造物を回避および/または通過するためなど、多様な理由のために多様な配置を形成することができることが理解されよう。
【0035】
脊椎システム10の近傍でのロッド20、およびそれに係合したコネクタ40、42および44の実施および配置は、ロッド18、およびそれに係合したコネクタ34、36および38の上述の実施および配置と実質的に同一であることが理解され、したがって詳細な説明は行なわない。
【0036】
動作の際は、ロッド18および20、およびコネクタ34、36、38、40、42および44は脊椎システム10を固定および/または安定する際の助けとなり、および/または脊椎システム10の1つまたは複数の部分を固定する補助として機能することができる。椎骨12と14、および/または椎骨14と16、および/または脊椎システム10の脊柱の他の椎骨の間のずれの程度を低減することができ、および/または1つまたは複数の隣接する椎骨の対を望ましい空間関係に維持することができることが理解されよう。
【0037】
図1〜図4を参照しながら図5を参照すると、交差結合部60がロッド18と20に連結し、それらの間を延びている。交差結合部60が、椎骨14、および/または脊椎システム10の1つまたは複数の椎骨に連結され、脊椎システム10の2つ以上の椎骨間を延び、および/またはロッド18および20に連結され、および/またはコネクタ34、36、38、40、42および/または44に連結された、他の天然および/または人工の構造物の1つまたは複数の特徴を回避および/または通過する際の助けとなるように、ロッドの一部分18aの延在方向を、脊椎システム10の近傍内の冠状面で選択的に調整することができることが理解されよう。
【0038】
図6を参照すると、コネクタの別の実施形態が全体として参照番号62で示されており、図1〜図5の実施形態のコネクタ36と同様であり、同じ参照番号で示された図1〜図5の実施形態の部品を含む。図6の実施形態では、コネクタ62はそれを通って形成された細長孔64aなどの開口を有するプレート部材64を含み、平面64bおよび平面64cを画成し、その縁部が図6に示されている。
【0039】
組み立てられた状態のコネクタ62の配置は、組み立てられた状態のコネクタ36の配置と実質的に同一であり、したがってコネクタ62の組立ての詳細な説明は行なわない。図1〜図5の実施形態でハウジング部材50をコネクタ36のプレート部材46に連結するのと同じ方法で、ハウジング部材50がワッシャ48を間に配設してプレート部材46に連結されることが理解されよう。
【0040】
脊椎システム10の近傍内でのコネクタ62の実施、配置および動作は、図1〜図5の実施形態に関連して上述されたコネクタ36の実施、配置および動作と実質的に同一であり、したがって詳細な説明は行なわない。椎弓根スクリュー22、24、26、28、30および32の1つが細長孔64aを通って延び、平面64cが椎骨12、14および16の1つに係合することが理解されよう。平面64bおよび64cはそれぞれ、脊椎システム10の近傍内の冠状面上にあることがさらに理解されよう。
【0041】
図7および図8を参照すると、コネクタの別の実施形態が、全体として参照番号68によって示されている。プレート部材70は、それを通って形成された、先細面70bを画成する穴70aおよび細長孔70cなどの開口を含む。プレート部材70は平面70dおよび平面70eを画成し、その縁部が図7に示されている。プレート部材70の平面70dには周方向の一部を延びる複数の溝70fが形成されており、複数の溝70fのそれぞれの溝は穴70aに隣接し、複数の溝70fの他の溝と直径方向に向かい合っている。
【0042】
柱状部材(円柱)72は肩部72bを画成する頭部72a、および頭部72aから延びる筒部(円筒部)72cを含む。貫通開口72dが筒部72cを横切って延びている。穴72eが貫通開口72d内へと延び、穴72eは雌ねじ結合を有する。コネクタ68は止めねじ74などの締結具をさらに含む。
【0043】
図8に示すように、コネクタ68を組み立てた状態に配置するために、肩部72bが穴70aの先細面70bに接触するまで、柱状部材72の筒部72cがプレート部材70の穴70a内へと挿入される。この時点で、柱状部材72は穴70aの中心軸と実質的に同軸である想像軸周りをプレート部材70に対して360度まで、定位置で自由に回転する。柱状部材72を回転すると、貫通開口72dの延在方向が選択的に調整される。穴70aの中心軸、したがって柱状部材72が周りを回転する実質的に同軸の想像軸は平面70dおよび70eに対して垂直であるので、貫通開口72dの延在方向は、平面70dおよび/または70eと実質的に同一平面または平行である平面において選択的に調整されることが理解されよう。
【0044】
貫通開口72dの延在方向を選択的に調整した後、ロッドの一部分18aが複数の溝70fの貫通開口72dの延在方向に対応する向かい合う溝の対に固定されるように、ロッド18を貫通開口72dを通して挿入する。したがって、柱状部材72を回転して貫通開口72dの延在方向を選択的に調整することによって、ロッドの一部分18aの延在方向も、平面70dおよび/または70eと実質的に同一平面または平行である平面において選択的に調整されることが理解されよう。
【0045】
止めねじ74が穴72eを通り貫通開口72d内へと延び、ロッドの一部分18aに接触するように、止めねじ74を穴72eにねじ込み式に係合する。止めねじ74と穴72eをさらにねじ込み係合することにより、ロッドの一部分18aによる力が複数の溝70fの向かい合う溝の対にかかり、それによりロッド18と柱状部材72の相対動作を実質的に防ぐ。
【0046】
ロッドの一部分18aを複数の溝70fの向かい合う溝の対に固定することによって、ロッドの一部分18aの延在方向がロックされることが理解されよう。ロッドの一部分18aの延在方向を所定の角度増分で選択的に調整しロックすることができ、所定の角度増分は複数の溝70fにおける隣接する溝の間の間隔に対応することがさらに理解されよう。例えば、複数の溝70fにおける隣接する溝の中心と中心の間の間隔は30度とすることができる。したがって、ロッドの一部分18aの延在方向を角度増分30度に選択的に調整することができる。
【0047】
脊椎システム10の近傍内でのコネクタ68の実施、配置および動作は、図1〜図5の実施形態に関連して上述されたコネクタ36の実施、配置および動作と実質的に同一であり、したがって詳細な説明は行なわない。椎弓根スクリュー22、24、26、28、30および32の1つが細長孔70cを通って延び、平面70eが椎骨12、14および16の1つに係合することが理解されよう。平面70dおよび70eはそれぞれ、脊椎システム10の近傍内の冠状面上にあることがさらに理解されよう。
【0048】
図9および図10を参照すると、コネクタの別の実施形態が、全体として参照番号76によって示されている。プレート部材78は大径の部分78bを有し先細状の内面78cを画成する穴78aを含む。プレート部材78を通って細長孔78dなどの開口が形成されている。プレート部材78は平面78eおよび平面78fを画成し、その縁部が図9および10に示されている。
【0049】
柱状部材80は、肩部80bを画成し、肩部80bは先細状の外面80cを画成する、頭部80aを含む。筒部80dが頭部80aから延び、貫通開口80eが筒部80dを横切って延びている。穴80fが貫通開口80e内へと延び、穴80fは雌ねじ結合を有する。コネクタ76は止めねじ82などの締結具をさらに含む。
【0050】
図10に示すように、コネクタ76を組み立てた状態に配置するために、柱状部材80の先細状の外面80cがプレート部材78の穴78aによって画成された先細状の内面78cに対合するまで、柱状部材80の筒部80dがプレート部材78の穴78a内へと挿入される。この時点で、柱状部材80は穴78aの中心軸と実質的に同軸である想像軸周りをプレート部材78に対して360度まで、定位置で自由に回転する。柱状部材80を回転すると、貫通開口80eの延在方向が選択的に調整される。穴78aの中心軸、したがって柱状部材80が周りを回転する実質的に同軸の想像軸は平面78eおよび78fに対して垂直であるので、貫通開口80eの延在方向は、平面78eおよび/または78fと実質的に同一平面または平行である平面において選択的に調整されることが理解されよう。
【0051】
貫通開口80eの延在方向を選択的に調整した後、ロッドの一部分18aが柱状部材80に係合するように、ロッド18は貫通開口80eを通して挿入される。したがって、柱状部材80を回転して貫通開口80eの延在方向を選択的に調整することによって、ロッドの一部分18aの延在方向も、平面78eおよび/または78fと実質的に同一平面または平行である平面において選択的に調整されることが理解されよう。貫通開口80eおよびロッドの一部分18aの延在方向を両方とも、平面78eおよび78fと実質的に同一平面または平行である平面において選択的に調整するように、柱状部材80を柱状部材80に係合したロッドの一部分18aとともに回転することができることがさらに理解されよう。
【0052】
止めねじ82が穴80fを通り貫通開口80e内へと延び、ロッドの一部分18aに接触するように、止めねじ82を穴80fにねじ込み式に係合する。止めねじ82と穴80fの間をさらにねじ込み係合することにより、ロッドの一部分18aによる力が平面78eにかかり、それによりロッド18と柱状部材80の相対動作を実質的に防ぐ。
【0053】
止めねじ82と穴80fをさらにねじ込み係合することにより、図10に示すように、柱状部材80が上方に引き寄せられ、柱状部材80の外面80cとプレート部材78の内面78cが対合されて柱状部材80とプレート部材78の間の先細状のロックが形成され、それにより柱状部材80のプレート部材78に対するさらなる回転を防ぐ。柱状部材80とプレート部材78の間に先細状のロックが形成されることにより、ロッドの一部分18aの延在方向がロックされることが理解されよう。ロッドの一部分18aの延在方向は無限数の角度増分で選択的に調整しロックすることができることもさらに理解されよう。
【0054】
脊椎システム10の近傍内でのコネクタ76の実施、配置および動作は、図1〜図5の実施形態に関連して上述されたコネクタ36の実施、配置および動作と実質的に同一であり、したがって詳細な説明は行なわない。椎弓根スクリュー22、24、26、28、30および32の1つが細長孔78dを通って延び、平面78fが椎骨12、14および16の1つに係合することが理解されよう。平面70eおよび70fはそれぞれ、脊椎システム10の近傍内の冠状面上にあることが理解されよう。
【0055】
脊椎システムの椎骨に連結するように適合されたプレート部材、およびプレート部材に連結され、ロッドの少なくとも一部分の延在方向を第1の冠状面で選択的に調整するための手段を含み、ロッドが脊椎システムの近傍内を延びるとき、ロッドの少なくとも一部分が調整手段に係合する、脊椎システムを安定させるための装置を説明した。
【0056】
締結具を脊椎システムの椎骨に係合する工程、締結具を脊椎システムの近傍内を延びるロッドに連結する工程、およびロッドの少なくとも一部分の延在方向を第1の冠状面で選択的に調整する工程を含む、脊椎システムを安定させる方法を説明した。
【0057】
脊椎システムの椎骨に連結するように適合されたプレート部材を含み、プレート部材はそれを通って形成された開口を有する、脊椎システムを安定させるための装置であって、締結具が開口を通って延び脊椎システムの椎骨に係合するように適合され、開口によってプレート部材が椎骨および締結具に対して平行移動できるようになる装置と、プレート部材に連結され、ロッドの少なくとも一部分の延在方向を第1の冠状面で選択的に調整するための手段であって、ロッドが脊椎システムの近傍内を延びるとき、ロッドの少なくとも一部分が調整手段に係合し、調整手段がプレート部材に対して定位置で回転して、ロッドの少なくとも一部分の延在方向を第1の冠状面で調整することができる手段と、ロッドの少なくとも一部分の延在方向を第1の冠状面でロックするための手段とを説明した。
【0058】
「上部」、「下部」、「上方」、「下方」、「間」、「垂直」、「角度」、「上」、「下」、「右」、「左」等、空間を示す上述の用語は、例示のためのものに過ぎず、上記の構造の特定の向きまたは位置を制限するものではないことを理解されたい。
【0059】
さらに、任意の上述のコネクタ34、36、38、40、42、44、62、68および/または76は、任意の位置で、任意のタイプの椎骨および/または脊椎システム10内の椎骨へ、または椎骨から延びる、任意の天然および/または人工の構造でも使用することができることを理解されたい。さらに、任意の上述のプレート部材46、64、70および/または78は、それに係合した任意のロッド18および/または20に対して、および/またはそれに係合した任意の椎弓根スクリュー22、24、26、28、30および/または32に対して、回転することができることを理解されたい。さらに、従来の安定装置の部品を上述のプレート部材46、64、70および/または78の1つまたは複数に形成された溝に配設することができ、任意のプレート部材46、64、70および/または78に係合した任意の椎弓根スクリュー22、24、26、28、30および/または32が、安定装置の部品を通って延びることもできることも理解されたい。脊椎システム10の近傍内に延びるロッド18および/または20の断面は、変化させることができ、ロッド18および/または20が中を通って延びる、対応する貫通開口50b、72dおよび/または80eの断面も、それに対応して変化させることができることも理解されたい。
【0060】
また、上述の実施形態はそれぞれ、全体的または部分的に他の上述の実施形態の1つまたは複数と組み合わせることができることを理解されたい。さらに、上述の実施形態はそれぞれ、全体的または部分的に、当業者には既知である脊椎を安定させるための他の部品、デバイス、システム、方法および/または手術法と組み合わせることができることを理解されたい。
【0061】
以上、本発明の例示的な実施形態を詳細に説明したが、例示的な実施形態には本発明の新規の教示および利点から大きく脱落せずに多くの他の修正が可能であることを、当業者であれば容易に理解するであろう。したがって、すべてのそのような修正は、添付の特許請求の範囲に規定される本発明の範囲内に含まれるものである。特許請求の範囲では、ミーンズプラスファンクション節は、述べられた機能を実施すると説明された構造をカバーするものであり、構造的な等価物だけでなく、等価の構造も含まれることを意図する。
【図面の簡単な説明】
【0062】
【図1】複数のコネクタを含む脊椎システムの斜視図である。
【図2】本発明の実施形態による、図1に示すコネクタの分解斜視図である。
【図3】図2のコネクタの非分解斜視図である。
【図4】線4−4に沿った、図2のコネクタの断面図である。
【図5】図2のコネクタの別の動作モードを表す、脊椎システムの斜視図である。
【図6】本発明の別の実施形態によるコネクタの斜視図である。
【図7】本発明の別の実施形態によるコネクタの分解斜視図である。
【図8】図7のコネクタの非分解斜視図である。
【図9】本発明の別の実施形態によるコネクタの分解斜視図である。
【図10】線10−10に沿った、図9のコネクタの非分解断面図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
脊椎システムを安定させるための装置であって、
前記脊椎システムの椎骨に連結するように適合されたプレート部材と、
前記プレート部材に連結され、ロッドの少なくとも一部分の延在方向を第1の冠状面で選択的に調整するための手段とを含み、
前記ロッドが前記脊椎システムの近傍内に延びるときに、前記ロッドの少なくとも一部分が前記調整手段に係合する、装置。
【請求項2】
前記調整手段が前記プレート部材に対して定位置で回転して、前記ロッドの少なくとも一部分の延在方向を前記第1の冠状面で調整することができる、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記ロッドの少なくとも一部分の延在方向を前記第1の冠状面で所定の角度増分で調整する、請求項2に記載の装置。
【請求項4】
前記調整手段が360度回転可能である、請求項2に記載の装置。
【請求項5】
前記プレート部材を通って開口が形成され、締結具が前記開口を通って延び前記脊椎システムの椎骨に係合するように適合される、請求項2に記載の装置。
【請求項6】
前記開口によって前記プレート部材が前記椎骨および前記締結具に対して第2の冠状面で平行移動できるようになる、請求項5に記載の装置。
【請求項7】
前記第1および第2の冠状面が実質的に同一平面である、請求項6に記載の装置。
【請求項8】
前記プレート部材が、
前記調整手段が連結し、第1の平面を画成する第1の部分と、
前記第1の部分から延びる第2の部分であって、当該第2の部分が第2の平面を画成し、前記プレート部材が前記椎骨に連結するときに、前記第2の平面が前記椎骨に係合するように適合される、第2の部分とを含み、
前記ロッドの少なくとも一部分が前記調整手段に係合するときに、前記ロッドの一部分が前記脊椎システムから離れて全体として前後方向に突出する程度が低減されるように、前記第2の平面が前記第1の平面からオフセットされる、請求項1に記載の装置。
【請求項9】
前記第2の部分を通って開口が形成され、締結具が前記開口を通って延び前記脊椎システムの椎骨に係合するように適合され、
前記開口によって前記第2の部分が前記椎骨および前記締結具に対して第2の冠状面で平行移動できる、請求項8に記載の装置。
【請求項10】
前記調整手段がハウジング部材を含み、前記ハウジング部材が、
前記ロッドの少なくとも一部分が中を通って延びるように適合された貫通開口を有するカラー部と、
前記カラー部から延び、前記ハウジング部材を前記プレート部材に連結するための手段とを含む、請求項2に記載の装置。
【請求項11】
前記連結手段が一対の腕部を含み、前記一対の腕部が、前記カラー部から、前記プレート部材を通って形成された穴を通って延びて、前記ハウジング部材と前記プレート部材との間のスナップ嵌めを形成し、
前記調整手段が、前記腕部間に配設されたクリップ部材をさらに含み、前記ハウジング部材が前記プレート部材から外れることを阻止する、請求項10に記載の装置。
【請求項12】
前記クリップ部材が一対の脚部を含み、それぞれの脚部が前記プレート部材に係合し、前記クリップ部材が前記ハウジング部材の前記腕部間に配設されるときに、他方の脚部から離れる方向に付勢される、請求項11に記載の装置。
【請求項13】
前記ハウジング部材と前記プレート部材との間に配設されたワッシャをさらに含み、前記ロッドの少なくとも一部分が前記ハウジング部材の前記貫通開口を通って延びるときに、前記ロッドの少なくとも一部分が前記ワッシャに係合する、請求項10に記載の装置。
【請求項14】
前記ロッドの少なくとも一部分と前記ハウジング部材の間の相対動作を防ぐ手段をさらに含む、請求項13に記載の装置。
【請求項15】
前記防ぐ手段が、前記ハウジング部材にねじ込み式に係合する締結具を含み、前記ロッドの少なくとも一部分による力が前記ワッシャにかかるように、前記締結具が前記ハウジング部材に形成された穴を通って前記貫通開口内へと延びて、前記ロッドの少なくとも一部分に接触する、請求項14に記載の装置。
【請求項16】
第1の複数の歯が前記ワッシャに形成され、前記ロッドの少なくとも一部分の延在方向を前記第1の冠状面においてロックするように、前記プレート部材に形成された第2の複数の歯と噛み合うように適合され、
前記ロッドの少なくとも一部分の延在方向が所定の角度増分で調整され、前記第1の複数の歯の隣接する歯のそれぞれの対の間の間隔が、それぞれ対応する前記所定の角度増分を画成する、請求項13に記載の装置。
【請求項17】
前記調整手段が柱状部材を含み、前記柱状部材が、
肩部を画成する頭部と、
前記頭部から、前記プレート部材を通って形成された第1の穴を通って延びる筒部と、
前記筒部を通って形成され、前記ロッドの少なくとも一部分が中を通って延びるように適合された貫通開口とを含む、請求項2に記載の装置。
【請求項18】
周方向の一部を延びる複数の溝が前記プレート部材に形成され、それぞれの溝が前記第1の穴に隣接し、
前記複数の溝のそれぞれの溝は、前記第1の穴にわたって前記複数の溝の他の溝と直径方向に向かい合い、前記ロッドの少なくとも一部分が向かい合う溝の一対に固定されて、前記ロッドの少なくとも一部分の延在方向をロックするようになっており、
前記ロッドの少なくとも一部分の延在方向が所定の角度増分で調整され、前記複数の溝の隣接する溝のそれぞれの対の間の間隔が、それぞれ対応する前記所定の角度増分を画成する、請求項17に記載の装置。
【請求項19】
前記筒部にねじ込み式に係合する締結具をさらに含み、前記締結具が前記筒部に形成された第2の穴を通って前記貫通開口内へと延び、前記ロッドの少なくとも一部分に接触し、前記ロッドの少なくとも一部分による力が前記向かい合う溝の一対にかかり、前記ロッドと前記筒部との間の相対動作を防ぐ、請求項18に記載の装置。
【請求項20】
前記肩部が前記柱状部材の先細状の外面を画成し、前記第1の穴が前記プレート部材の先細状の内面を画成し、
前記先細状の外面および内面によって前記柱状部材と前記プレート部材との間の先細状のロックが形成されることにより、前記ロッドの少なくとも一部分の延在方向が第1の冠状面でロックされる、請求項17に記載の装置。
【請求項21】
前記筒部にねじ込み式に係合する締結具をさらに含み、前記締結具が前記筒部に形成された第2の穴を通って前記貫通開口内へと延びて前記ロッドの少なくとも一部分に接触し、
前記締結具と前記ロッドの少なくとも一部分との間の継続的なねじ込み式の係合に応じて、
前記ロッドの少なくとも一部分による力が前記プレート部材にかかり、前記ロッドと前記筒部との間の相対的動作を防ぎ、
前記柱状部材と前記プレート部材との間の先細状のロックが形成される、請求項20に記載の装置。
【請求項22】
脊椎システムを安定させる方法であって、
締結具を脊椎システムの椎骨に係合する工程と、
前記締結具を前記脊椎システムの近傍内に延びるロッドに連結する工程と、
前記ロッドの少なくとも一部分の延在方向を第1の冠状面で選択的に調整する工程とを含む、方法。
【請求項23】
前記ロッドの少なくとも一部分の延在方向を所定の増分で調整する、請求項22に記載の方法。
【請求項24】
前記ロッドの少なくとも一部分の延在方向をロックする工程をさらに含む、請求項22に記載の方法。
【請求項25】
前記連結する工程が、装置を前記締結具に係合し、前記装置を前記ロッドに連結する工程を含む、請求項22に記載の方法。
【請求項26】
前記装置と前記締結具の間の係合を維持しながら、前記装置を第2の冠状面で平行移動する工程をさらに含む、請求項25に記載の方法。
【請求項27】
前記第1および第2の冠状面が実質的に同一平面である、請求項26に記載の方法。
【請求項28】
前記装置を組み立てる工程を含み、当該組み立てる工程が、
前記締結具が中を通って延びる、開口が形成されたプレート部材を設ける工程と、
前記プレート部材に連結され、前記ロッドの少なくとも一部分の延在方向を前記第1の冠状面で選択的に調整するための手段とを含み、
前記ロッドの少なくとも一部分の延在方向を前記第1の冠状面で選択的に調整する工程が、前記プレート部材に対して定位置で前記調整手段を回転する工程をさらに含む、請求項25に記載の方法。
【請求項29】
脊椎システムを安定させるための装置であって、当該装置は、
前記脊椎システムの椎骨に連結するように適合されたプレート部材であって、前記プレート部材が、当該プレート部材を通って形成される開口を有し、締結具が、前記開口を通って延びて前記脊椎システムの前記椎骨に係合するように適合され、前記開口によって前記プレート部材が前記椎骨および前記締結具に対して平行移動できるようにされる、プレート部材と、
前記プレート部材に連結される手段であって、当該手段は、前記ロッドの少なくとも一部分の延在方向を第1の冠状面で選択的に調整するためであり、前記ロッドが前記脊椎システムの近傍内に延びるときに、前記ロッドの少なくとも一部分が調整手段に係合し、当該調整手段が前記プレート部材に対して定位置で回転することができて、前記ロッドの少なくとも一部分の延在方向を前記第1の冠状面で調整する、手段と、
前記ロッドの少なくとも一部分の延在方向を前記第1の冠状面でロックする手段とを備える、装置。
【請求項30】
前記調整手段が定位置で360度回転することができ、前記プレート部材が第1の部分を含み、前記調整手段が前記第1の部分に連結し、前記第1の部分が第1の平面を画成し、第2の部分が前記第1の部分から延び、前記第2の部分が第2の平面を画成し、前記プレート部材が前記椎骨に連結するときに、前記第2の平面が前記椎骨に係合するように適合され、前記ロッドの少なくとも一部分が前記調整手段に係合するときに、前記脊椎システムから離れて全体として前後方向に前記ロッドが突出する程度が低減されるように、前記第2の平面が前記第1の平面からオフセットされる、請求項29に記載の装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公表番号】特表2008−539816(P2008−539816A)
【公表日】平成20年11月20日(2008.11.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−509224(P2008−509224)
【出願日】平成18年5月1日(2006.5.1)
【国際出願番号】PCT/US2006/016534
【国際公開番号】WO2006/119151
【国際公開日】平成18年11月9日(2006.11.9)
【出願人】(506298792)ウォーソー・オーソペディック・インコーポレーテッド (366)
【Fターム(参考)】