脱毛症を治療するためのビタミンD3およびその類似体
本発明は、化学療法誘発性脱毛症(CIA)などの脱毛症を予防または治療するための方法および医薬組成物を提供する。本発明の医薬組成物は、ビタミンD化合物を表皮層に局所的に送達するが真皮層は実質的に回避する製剤中に有効な量の該ビタミンD化合物を含む。化学療法患者においては、本発明の医薬組成物を該化学療法の投薬前に、または該化学療法の投薬と同時に投与することができる。
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【特許請求の範囲】
【請求項1】
個体において脱毛症を予防または治療する方法であって、該個体に、真皮送達を実質的に回避しつつ表皮に送達されるように製剤化したビタミンD化合物を治療上有効な量で含む医薬組成物を局所的に投与することを含む前記方法。
【請求項2】
前記医薬組成物が、約40%(w/w)のプロピレングリコールおよび約60%(w/w)の無水アブソルートエタノール(200プルーフ、U.S.);または約30%(w/w)のプロピレングリコール、約10%(w/w)のエトキシジグリコールもしくはトランスクトール、および約60%(w/w)の無水アブソルートエタノール(200プルーフ、U.S.)を含む、請求項1記載の方法。
【請求項3】
前記ビタミンD化合物が、化学式(I):
【化1】
〔式中、
aおよびbは各々独立して単結合または二重結合であり
Xはaが二重結合である場合に-CH2であり、またはXはaが単結合である場合に水素もしくはヒドロキシル置換アルキルであり;
R1は、1〜3個のハロゲン、ヒドロキシル、シアノまたは-NR’R”部分で置換されていてもよいアルキル、トリ-アルキルシリル、アルコキシル、ヒドロキシルまたは水素であり;
R2は、水素、ヒドロキシル、-O-トリアルキルシリル、または1〜3個のハロゲン、ヒドロキシル、シアノまたは-NR’R”部分で置換されていてもよいアルキル、アルコキシルもしくはアルケニルであり;
R3はbが二重結合である場合に存在せず、またはbが単結合である場合に、R3は水素、ヒドロキシルもしくはアルキルであるか、またはR3およびR1は、それらが結合している炭素原子と共に連結して5〜7員の炭素環を形成していてもよく;
R4はbが二重結合である場合に存在せず、またはbが単結合である場合に水素、ハロゲンもしくはヒドロキシルであり;
R5はaが二重結合である場合に存在せず、またはR5はaが単結合である場合に水素、ハロゲンもしくはヒドロキシルであり;
R6は、1〜5個のヒドロキシル、オキソ、ハロゲン、アルコキシル、アリール、ヘテロアリール、シアノ、ニトロまたは-NR’R”部分で置換されていてもよいアルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アルキル-O-アルキル、アルキル-CO2-アルキルであり;
R7は、1〜3個のヒドロキシル、ハロゲン、アルコキシル、アリール、ヘテロアリール、シアノ、ニトロまたは-NR’R”部分で置換されていてもよいアルキルであり;かつ、
R’およびR”は各々、独立して、水素、ヒドロキシル、ハロゲン、アルキルまたはアルコキシル〕
で表される化合物または製薬上許容しうるその塩である、請求項1記載の方法。
【請求項4】
前記ビタミンD化合物が、化学式(II):
【化2】
〔式中、
cは単結合または二重結合であり;
R1aは、1〜3個のハロゲン、ヒドロキシル、シアノまたは-NR’R”部分で置換されていてもよいアルキル、トリ-アルキルシリルまたは水素であり;
R2aは、水素、ヒドロキシル、-O-トリアルキルシリル、または1〜3個のハロゲン、ヒドロキシル、シアノまたは-NR’R”部分で置換されていてもよいアルキル、アルコキシルもしくはアルケニルであり;
R3a、R4aは、cが二重結合である場合に存在せず、またはcが単結合である場合に各々独立して、1〜3個のヒドロキシルもしくはハロゲン部分で置換されていてもよいアルキル、アルコキシル、ハロゲン、ヒドロキシルもしくは水素であって
R3b、R4b、R5a、R6a、R7aおよびR8aは各々、独立して、1〜3個のヒドロキシルもしくはハロゲン部分で置換されていてもよいアルキル、アルコキシル、ハロゲン、ヒドロキシルもしくは水素であるか、またはR6a、R7aおよびR8aのうちのいずれか2つが連結して3〜7員の炭素環を形成していてもよい〕
で表される化合物または製薬上許容しうるその塩である、請求項1記載の方法。
【請求項5】
前記ビタミンD化合物が、1,25-ジヒドロキシビタミンD3;1,25-ジヒドロキシ-16-エン-23-イン-コレカルシフェロール;1,25-ジヒドロキシ-16-エン-イン-コレカルシフェロール;1α-ヒドロキシビタミンD3;1α,24-ジヒドロキシビタミンD3、またはMC903である、請求項1記載の方法。
【請求項6】
前記ビタミンD化合物が、1,25-ジヒドロキシビタミンD3;1,25-ジヒドロキシ-16-エン-23-イン-コレカルシフェロール;1,25-ジヒドロキシ-16-エン-イン-コレカルシフェロール;1α-ヒドロキシビタミンD3;1α,24-ジヒドロキシビタミンD3、またはMC903ではない、請求項1記載の方法。
【請求項7】
前記ビタミンD化合物が、正常な角化細胞において当量のカルシトリオールと同様または同一の遺伝子調節プロファイルを呈する、請求項1記載の方法。
【請求項8】
前記ビタミンD化合物が、その発現レベルが当量のカルシトリオールにより促進される1つ以上の遺伝子の発現を促進する、請求項1記載の方法。
【請求項9】
前記ビタミンD化合物が、その発現レベルが当量のカルシトリオールにより抑制される1つ以上の遺伝子の発現を抑制する、請求項1記載の方法。
【請求項10】
前記ビタミンD化合物が、正常な角化細胞においてHSPA2またはHSF4 mRNA、HSPB1またはDNAJC6 mRNAの発現をモジュレートする、請求項1記載の方法。
【請求項11】
前記ビタミンD化合物が、正常な角化細胞においてSLC1A1、KCNB2、もしくはKCNN4タンパク質またはSLC1A3タンパク質の発現をモジュレートする、請求項1記載の方法。
【請求項12】
前記ビタミンD化合物が、表3-1および表3-2中の1つ以上のタンパク質の発現を少なくとも約2倍モジュレートする、請求項1記載の方法。
【請求項13】
前記ビタミンD化合物が、正常な角化細胞に約24時間曝露した後に表3-3、3-4、3-5または3-6中の1つ以上のタンパク質の過剰発現を誘導する、請求項1記載の方法。
【請求項14】
前記ビタミンD化合物が、正常な角化細胞において以下:GST、ケラチン1、ケラチン17、ガレクチン1、S100 A9(カルプロテクチン)、またはS100 A13のうちの1つ以上の過剰発現を誘導する、請求項1記載の方法。
【請求項15】
前記脱毛症が、円形脱毛症(AA)、全頭脱毛症(AT)、汎発性脱毛症(AU)、または化学療法誘発性脱毛症(CIA)である、請求項1記載の方法。
【請求項16】
円形脱毛症に、びまん性円形脱毛症、単発型円形脱毛症、多発型円形脱毛症、および髭円形脱毛症が含まれる、請求項1記載の方法。
【請求項17】
前記脱毛症に、男性型脱毛症(アンドロゲン性脱毛症)または化学療法後の脱毛症(PCA)が含まれない、請求項1記載の方法。
【請求項18】
前記個体が霊長類動物である、請求項1記載の方法。
【請求項19】
前記個体がヒトである、請求項1記載の方法。
【請求項20】
前記個体において脱毛症がまだ始まっていない、請求項1記載の方法。
【請求項21】
前記個体が化学療法を受けているかまたは受けようとしている、請求項1記載の方法。
【請求項22】
前記医薬組成物を化学療法前に、または化学療法と同時に前記個体に投与する、請求項21記載の方法。
【請求項23】
前記医薬組成物を化学療法の開始後であるが脱毛症の発症前に前記個体に投与する、請求項21記載の方法。
【請求項24】
前記医薬組成物が化学療法の効力を実質的に低下させることはない、請求項21記載の方法。
【請求項25】
化学療法が全身化学療法である、請求項21記載の方法。
【請求項26】
化学療法が、以下:アントラサイクリン系薬剤(アドリアマイシン/ドキソルビシン、ダウノルビシン、エピルビシン、イダルビシン、バルルビシン)、5-FU、タモキシフェン、イリノテカン、パクリタキセル(タキソール)、カルボプラチン、エトポシド、シトキサン/シクロホスファミド、シスプラチン、エルロチニブ(タルセバ)、ゲムシタビン、スタウロスポリン、ビンクリスチン、イマチニブ(グリーベック)、ゲフィチニブ(イレッサ)、ソラフェニブ、ダサチニブ、ダクチノマイシン、ヘキサメチルメラミン(HMM、アルトレタミン)、イホスファミド、ブレオマイシン、メトトレキサート、ドセタキセル(タキソテール)、ビンデシン、ビノレルビン、トポテカン、アムサクリン、シタラビン、ブスルファン、メルファラン、ビンブラスチン、ロムスチン(CCNU)、チオテパ、ゲムシタビン、カルムスチン(BCNU)、ミトキサントロン、マイトマイシンC、プロカルバジン、6-メルカプトプリン、ストレプトゾトシン、フルダラビン、ラルチトレキセド(トムデックス)、カペシタビン、およびこれらの等価物のうちの1つ以上を含む、請求項21記載の方法。
【請求項27】
前記ビタミンD化合物が、約0.1μgのカルシトリオール/cm2に相当する投薬量で前記個体に局所的に投与される、請求項1記載の方法。
【請求項28】
総投与量が約2〜100μgのカルシトリオール/体重75 kgに相当する、請求項27記載の方法。
【請求項29】
個体において脱毛症を予防または治療する方法であって、該個体に、化学式(I):
【化3】
〔式中、
aおよびbは各々独立して単結合または二重結合であり
Xはaが二重結合である場合に-CH2であり、またはXはaが単結合である場合に水素もしくはヒドロキシル置換アルキルであり;
R1は、1〜3個のハロゲン、ヒドロキシル、シアノまたは-NR’R”部分で置換されていてもよいアルキル、トリ-アルキルシリル、アルコキシル、ヒドロキシルまたは水素であり;
R2は、水素、ヒドロキシル、-O-トリアルキルシリル、または1〜3個のハロゲン、ヒドロキシル、シアノまたは-NR’R”部分で置換されていてもよいアルキル、アルコキシルもしくはアルケニルであり;
R3はbが二重結合である場合に存在せず、またはbが単結合である場合に、R3は水素、ヒドロキシルもしくはアルキルであるか、またはR3およびR1は、それらが結合している炭素原子と共に連結して5〜7員の炭素環を形成していてもよく;
R4はbが二重結合である場合に存在せず、またはbが単結合である場合に水素、ハロゲンもしくはヒドロキシルであり;
R5はaが二重結合である場合に存在せず、またはR5はaが単結合である場合に水素、ハロゲンもしくはヒドロキシルであり;
R6は、1〜5個のヒドロキシル、オキソ、ハロゲン、アルコキシル、アリール、ヘテロアリール、シアノ、ニトロまたは-NR’R”部分で置換されていてもよいアルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アルキル-O-アルキル、アルキル-CO2-アルキルであり;
R7は、1〜3個のヒドロキシル、ハロゲン、アルコキシル、アリール、ヘテロアリール、シアノ、ニトロまたは-NR’R”部分で置換されていてもよいアルキルであり;かつ、
R’およびR”は各々、独立して、水素、ヒドロキシル、ハロゲン、アルキルまたはアルコキシルである〕
で表されるビタミンD化合物または製薬上許容しうるその塩を治療上有効な量で含む医薬組成物を局所的に投与することを含み、ここで該ビタミンD化合物は1,25-ジヒドロキシビタミンD3;1,25-ジヒドロキシ-16-エン-23-イン-コレカルシフェロール;1,25-ジヒドロキシ-16-エン-イン-コレカルシフェロール;1α-ヒドロキシビタミンD3;1α,24-ジヒドロキシビタミンD3、またはMC903ではない、前記方法。
【請求項30】
前記ビタミンD化合物が、化学式(II):
【化4】
〔式中、
cは単結合または二重結合であり;
R1aは、1〜3個のハロゲン、ヒドロキシル、シアノまたは-NR’R”部分で置換されていてもよいアルキル、トリ-アルキルシリルまたは水素であり;
R2aは、水素、ヒドロキシル、-O-トリアルキルシリル、または1〜3個のハロゲン、ヒドロキシル、シアノまたは-NR’R”部分で置換されていてもよいアルキル、アルコキシルもしくはアルケニルであり;
R3a、R4aは、cが二重結合である場合に存在せず、またはcが単結合である場合に各々独立して、1〜3個のヒドロキシルもしくはハロゲン部分で置換されていてもよいアルキル、アルコキシル、ハロゲン、ヒドロキシルもしくは水素であり、
R3b、R4b、R5a、R6a、R7aおよびR8aは各々、独立して、1〜3個のヒドロキシルもしくはハロゲン部分で置換されていてもよいアルキル、アルコキシル、ハロゲン、ヒドロキシルもしくは水素であるか、またはR6a、R7aおよびR8aのうちのいずれか2つが連結して3〜7員の炭素環を形成していてもよい〕
で表される化合物または製薬上許容しうるその塩である、請求項29記載の方法。
【請求項31】
個体において脱毛症を予防または治療する方法であって、該個体に治療上有効な量のビタミンD化合物を含む医薬組成物を局所的に投与することを含み、ここで該ビタミンD化合物は、該個体に以下(1)または(2)の有効濃度で局所的に投与した場合、
(1) 約50μg/mLでは、少なくとも約25日間連続して薬物を投与した後に毒性を生じず、または
(2) 約100μg/mLでは、少なくとも約7日間連続して薬物を投与した後に毒性を生じない、
前記方法。
【請求項32】
個体において脱毛症を予防または治療する方法であって、同時投与した化学療法剤の効力に実質的に干渉することなく、該個体において脱毛症を予防または治療するためのビタミンD化合物を治療上有効な量で含む医薬組成物を該個体に局所的に投与することを含む前記方法。
【請求項33】
個体において脱毛症を予防または治療する方法であって、該個体に、
(1) 正常な角化細胞において当量のカルシトリオールと同様または同一の遺伝子調節プロファイルを呈するか;
(2) その発現レベルが当量のカルシトリオールによりモジュレートされる1つ以上の遺伝子の発現をモジュレートするか;
(3) 正常な角化細胞においてHSPA2またはHSF4 mRNA、HSPB1またはDNAJC6 mRNAの発現をモジュレートするか;
(4) 正常な角化細胞においてSLC1A1、KCNB2、もしくはKCNN4タンパク質またはSLC1A3タンパク質の発現をモジュレートするか;
(5) 表3-1および表3-2中の1つ以上のタンパク質の発現を少なくとも約2倍モジュレートするか;
(6) ビタミンD化合物に正常な角化細胞を約24時間曝露した後に表3-3、3-4、3-5または3-6中の1つ以上のタンパク質の過剰発現を誘導するか;あるいは、
(7) 正常な角化細胞において以下:GST、ケラチン1、ケラチン17、ガレクチン1、S100 A9(カルプロテクチン)、またはS100 A13のうちの1つ以上の過剰発現を誘導する
ビタミンD化合物を治療上有効な量で含む医薬組成物を局所的に投与することを含み、ここで該ビタミンD化合物は1,25-ジヒドロキシビタミンD3;1,25-ジヒドロキシ-16-エン-23-イン-コレカルシフェロール;1,25-ジヒドロキシ-16-エン-イン-コレカルシフェロール;1α-ヒドロキシビタミンD3;1α,24-ジヒドロキシビタミンD3、またはMC903ではない、前記方法。
【請求項34】
局所投与用の医薬組成物であって、脱毛症を予防または治療するために治療上有効な量のビタミンD化合物を含み、ここで該ビタミンD化合物は真皮送達を実質的に回避しつつ表皮に送達されるように製剤化されている、前記医薬組成物。
【請求項35】
約40%(w/w)のプロピレングリコールおよび約60%(w/w)の無水アブソルートエタノール(200プルーフ、US)、未変性;または約30%(w/w)のプロピレングリコール、約10%(w/w)のエトキシジグリコールもしくはトランスクトール、および約60%(w/w)の無水アブソルートエタノール(200プルーフ、US)、未変性、を含む、請求項34記載の医薬組成物。
【請求項36】
局所投与用の医薬組成物であって、脱毛症を予防または治療するために治療上有効な量のビタミンD化合物を含み、ここで該ビタミンD化合物は化学式(I):
【化5】
〔式中、
aおよびbは各々独立して単結合または二重結合であり
Xはaが二重結合である場合に-CH2であり、またはXはaが単結合である場合に水素もしくはヒドロキシル置換アルキルであり;
R1は、1〜3個のハロゲン、ヒドロキシル、シアノまたは-NR’R”部分で置換されていてもよいアルキル、トリ-アルキルシリル、アルコキシル、ヒドロキシルまたは水素であり;
R2は、水素、ヒドロキシル、-O-トリアルキルシリル、または1〜3個のハロゲン、ヒドロキシル、シアノまたは-NR’R”部分で置換されていてもよいアルキル、アルコキシルもしくはアルケニルであり;
R3はbが二重結合である場合に存在せず、またはbが単結合である場合に、R3は水素、ヒドロキシルもしくはアルキルであるか、またはR3およびR1は、それらが結合している炭素原子と共に連結して5〜7員の炭素環を形成していてもよく;
R4はbが二重結合である場合に存在せず、またはbが単結合である場合に水素、ハロゲンもしくはヒドロキシルであり;
R5はaが二重結合である場合に存在せず、またはR5はaが単結合である場合に水素、ハロゲンもしくはヒドロキシルであり;
R6は、1〜5個のヒドロキシル、オキソ、ハロゲン、アルコキシル、アリール、ヘテロアリール、シアノ、ニトロまたは-NR’R”部分で置換されていてもよいアルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アルキル-O-アルキル、アルキル-CO2-アルキルであり;
R7は、1〜3個のヒドロキシル、ハロゲン、アルコキシル、アリール、ヘテロアリール、シアノ、ニトロまたは-NR’R”部分で置換されていてもよいアルキルであり;かつ、
R’およびR”は各々、独立して、水素、ヒドロキシル、ハロゲン、アルキルまたはアルコキシルである〕
で表される化合物または製薬上許容しうるその塩であり、ここで該ビタミンD化合物は1,25-ジヒドロキシビタミンD3;1,25-ジヒドロキシ-16-エン-23-イン-コレカルシフェロール;1,25-ジヒドロキシ-16-エン-イン-コレカルシフェロール;1α-ヒドロキシビタミンD3;1α,24-ジヒドロキシビタミンD3、またはMC903ではない、前記医薬組成物。
【請求項37】
前記ビタミンD化合物が、化学式(II):
【化6】
〔式中、
cは単結合または二重結合であり;
R1aは、1〜3個のハロゲン、ヒドロキシル、シアノまたは-NR’R”部分で置換されていてもよいアルキル、トリ-アルキルシリルまたは水素であり;
R2aは、水素、ヒドロキシル、-O-トリアルキルシリル、または1〜3個のハロゲン、ヒドロキシル、シアノまたは-NR’R”部分で置換されていてもよいアルキル、アルコキシルもしくはアルケニルであり;
R3a、R4aは、cが二重結合である場合に存在せず、またはcが単結合である場合に各々独立して、1〜3個のヒドロキシルもしくはハロゲン部分で置換されていてもよいアルキル、アルコキシル、ハロゲン、ヒドロキシルもしくは水素であって
R3b、R4b、R5a、R6a、R7aおよびR8aは各々、独立して、1〜3個のヒドロキシルもしくはハロゲン部分で置換されていてもよいアルキル、アルコキシル、ハロゲン、ヒドロキシルもしくは水素であるか、またはR6a、R7aおよびR8aのうちのいずれか2つが連結して3〜7員の炭素環を形成していてもよい〕
で表される化合物または製薬上許容しうるその塩である、請求項36記載の医薬組成物。
【請求項38】
局所投与用の医薬組成物であって、脱毛症を予防または治療するために治療上有効な量のビタミンD化合物を含み、ここで該ビタミンD化合物は、個体に以下(1)または(2)の有効濃度で局所的に投与した場合、
(1) 約50μg/mLでは、少なくとも約25日間連続して薬物を投与した後に毒性を生じず、または
(2) 約100μg/mLでは、少なくとも約7日間連続して薬物を投与した後に毒性を生じない、
前記医薬組成物。
【請求項39】
局所投与用の医薬組成物であって、脱毛症を予防または治療するために治療上有効な量のビタミンD化合物を含み、ここで治療上有効な量のビタミンD化合物は化学療法剤と同時投与した場合に該化学療法剤の効力に実質的に干渉することはない、前記医薬組成物。
【請求項40】
局所投与用の医薬組成物であって、脱毛症を予防または治療するために治療上有効な量のビタミンD化合物を含み、ここで治療上有効な量のビタミンD化合物は、
(1) 正常な角化細胞において当量のカルシトリオールと同様または同一の遺伝子調節プロファイルを呈するか;
(2) その発現レベルが当量のカルシトリオールによりモジュレートされる1つ以上の遺伝子の発現をモジュレートするか;
(3) 正常な角化細胞においてHSPA2またはHSF4 mRNA、HSPB1またはDNAJC6 mRNAの発現をモジュレートするか;
(4) 正常な角化細胞においてSLC1A1、KCNB2、もしくはKCNN4タンパク質またはSLC1A3タンパク質の発現をモジュレートするか;
(5) 表3-1および表3-2中の1つ以上のタンパク質の発現を少なくとも約2倍モジュレートするか;
(6) 該ビタミンD化合物に正常な角化細胞を約24時間曝露した後に表3-3、3-4、3-5または3-6中の1つ以上のタンパク質の過剰発現を誘導するか;あるいは、
(7) 正常な角化細胞において以下:GST、ケラチン1、ケラチン17、ガレクチン1、S100 A9(カルプロテクチン)、またはS100 A13のうちの1つ以上の過剰発現を誘導し、
ここで該ビタミンD化合物は1,25-ジヒドロキシビタミンD3;1,25-ジヒドロキシ-16-エン-23-イン-コレカルシフェロール;1,25-ジヒドロキシ-16-エン-イン-コレカルシフェロール;1α-ヒドロキシビタミンD3;1α,24-ジヒドロキシビタミンD3、またはMC903ではない、前記医薬組成物。
【請求項1】
個体において脱毛症を予防または治療する方法であって、該個体に、真皮送達を実質的に回避しつつ表皮に送達されるように製剤化したビタミンD化合物を治療上有効な量で含む医薬組成物を局所的に投与することを含む前記方法。
【請求項2】
前記医薬組成物が、約40%(w/w)のプロピレングリコールおよび約60%(w/w)の無水アブソルートエタノール(200プルーフ、U.S.);または約30%(w/w)のプロピレングリコール、約10%(w/w)のエトキシジグリコールもしくはトランスクトール、および約60%(w/w)の無水アブソルートエタノール(200プルーフ、U.S.)を含む、請求項1記載の方法。
【請求項3】
前記ビタミンD化合物が、化学式(I):
【化1】
〔式中、
aおよびbは各々独立して単結合または二重結合であり
Xはaが二重結合である場合に-CH2であり、またはXはaが単結合である場合に水素もしくはヒドロキシル置換アルキルであり;
R1は、1〜3個のハロゲン、ヒドロキシル、シアノまたは-NR’R”部分で置換されていてもよいアルキル、トリ-アルキルシリル、アルコキシル、ヒドロキシルまたは水素であり;
R2は、水素、ヒドロキシル、-O-トリアルキルシリル、または1〜3個のハロゲン、ヒドロキシル、シアノまたは-NR’R”部分で置換されていてもよいアルキル、アルコキシルもしくはアルケニルであり;
R3はbが二重結合である場合に存在せず、またはbが単結合である場合に、R3は水素、ヒドロキシルもしくはアルキルであるか、またはR3およびR1は、それらが結合している炭素原子と共に連結して5〜7員の炭素環を形成していてもよく;
R4はbが二重結合である場合に存在せず、またはbが単結合である場合に水素、ハロゲンもしくはヒドロキシルであり;
R5はaが二重結合である場合に存在せず、またはR5はaが単結合である場合に水素、ハロゲンもしくはヒドロキシルであり;
R6は、1〜5個のヒドロキシル、オキソ、ハロゲン、アルコキシル、アリール、ヘテロアリール、シアノ、ニトロまたは-NR’R”部分で置換されていてもよいアルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アルキル-O-アルキル、アルキル-CO2-アルキルであり;
R7は、1〜3個のヒドロキシル、ハロゲン、アルコキシル、アリール、ヘテロアリール、シアノ、ニトロまたは-NR’R”部分で置換されていてもよいアルキルであり;かつ、
R’およびR”は各々、独立して、水素、ヒドロキシル、ハロゲン、アルキルまたはアルコキシル〕
で表される化合物または製薬上許容しうるその塩である、請求項1記載の方法。
【請求項4】
前記ビタミンD化合物が、化学式(II):
【化2】
〔式中、
cは単結合または二重結合であり;
R1aは、1〜3個のハロゲン、ヒドロキシル、シアノまたは-NR’R”部分で置換されていてもよいアルキル、トリ-アルキルシリルまたは水素であり;
R2aは、水素、ヒドロキシル、-O-トリアルキルシリル、または1〜3個のハロゲン、ヒドロキシル、シアノまたは-NR’R”部分で置換されていてもよいアルキル、アルコキシルもしくはアルケニルであり;
R3a、R4aは、cが二重結合である場合に存在せず、またはcが単結合である場合に各々独立して、1〜3個のヒドロキシルもしくはハロゲン部分で置換されていてもよいアルキル、アルコキシル、ハロゲン、ヒドロキシルもしくは水素であって
R3b、R4b、R5a、R6a、R7aおよびR8aは各々、独立して、1〜3個のヒドロキシルもしくはハロゲン部分で置換されていてもよいアルキル、アルコキシル、ハロゲン、ヒドロキシルもしくは水素であるか、またはR6a、R7aおよびR8aのうちのいずれか2つが連結して3〜7員の炭素環を形成していてもよい〕
で表される化合物または製薬上許容しうるその塩である、請求項1記載の方法。
【請求項5】
前記ビタミンD化合物が、1,25-ジヒドロキシビタミンD3;1,25-ジヒドロキシ-16-エン-23-イン-コレカルシフェロール;1,25-ジヒドロキシ-16-エン-イン-コレカルシフェロール;1α-ヒドロキシビタミンD3;1α,24-ジヒドロキシビタミンD3、またはMC903である、請求項1記載の方法。
【請求項6】
前記ビタミンD化合物が、1,25-ジヒドロキシビタミンD3;1,25-ジヒドロキシ-16-エン-23-イン-コレカルシフェロール;1,25-ジヒドロキシ-16-エン-イン-コレカルシフェロール;1α-ヒドロキシビタミンD3;1α,24-ジヒドロキシビタミンD3、またはMC903ではない、請求項1記載の方法。
【請求項7】
前記ビタミンD化合物が、正常な角化細胞において当量のカルシトリオールと同様または同一の遺伝子調節プロファイルを呈する、請求項1記載の方法。
【請求項8】
前記ビタミンD化合物が、その発現レベルが当量のカルシトリオールにより促進される1つ以上の遺伝子の発現を促進する、請求項1記載の方法。
【請求項9】
前記ビタミンD化合物が、その発現レベルが当量のカルシトリオールにより抑制される1つ以上の遺伝子の発現を抑制する、請求項1記載の方法。
【請求項10】
前記ビタミンD化合物が、正常な角化細胞においてHSPA2またはHSF4 mRNA、HSPB1またはDNAJC6 mRNAの発現をモジュレートする、請求項1記載の方法。
【請求項11】
前記ビタミンD化合物が、正常な角化細胞においてSLC1A1、KCNB2、もしくはKCNN4タンパク質またはSLC1A3タンパク質の発現をモジュレートする、請求項1記載の方法。
【請求項12】
前記ビタミンD化合物が、表3-1および表3-2中の1つ以上のタンパク質の発現を少なくとも約2倍モジュレートする、請求項1記載の方法。
【請求項13】
前記ビタミンD化合物が、正常な角化細胞に約24時間曝露した後に表3-3、3-4、3-5または3-6中の1つ以上のタンパク質の過剰発現を誘導する、請求項1記載の方法。
【請求項14】
前記ビタミンD化合物が、正常な角化細胞において以下:GST、ケラチン1、ケラチン17、ガレクチン1、S100 A9(カルプロテクチン)、またはS100 A13のうちの1つ以上の過剰発現を誘導する、請求項1記載の方法。
【請求項15】
前記脱毛症が、円形脱毛症(AA)、全頭脱毛症(AT)、汎発性脱毛症(AU)、または化学療法誘発性脱毛症(CIA)である、請求項1記載の方法。
【請求項16】
円形脱毛症に、びまん性円形脱毛症、単発型円形脱毛症、多発型円形脱毛症、および髭円形脱毛症が含まれる、請求項1記載の方法。
【請求項17】
前記脱毛症に、男性型脱毛症(アンドロゲン性脱毛症)または化学療法後の脱毛症(PCA)が含まれない、請求項1記載の方法。
【請求項18】
前記個体が霊長類動物である、請求項1記載の方法。
【請求項19】
前記個体がヒトである、請求項1記載の方法。
【請求項20】
前記個体において脱毛症がまだ始まっていない、請求項1記載の方法。
【請求項21】
前記個体が化学療法を受けているかまたは受けようとしている、請求項1記載の方法。
【請求項22】
前記医薬組成物を化学療法前に、または化学療法と同時に前記個体に投与する、請求項21記載の方法。
【請求項23】
前記医薬組成物を化学療法の開始後であるが脱毛症の発症前に前記個体に投与する、請求項21記載の方法。
【請求項24】
前記医薬組成物が化学療法の効力を実質的に低下させることはない、請求項21記載の方法。
【請求項25】
化学療法が全身化学療法である、請求項21記載の方法。
【請求項26】
化学療法が、以下:アントラサイクリン系薬剤(アドリアマイシン/ドキソルビシン、ダウノルビシン、エピルビシン、イダルビシン、バルルビシン)、5-FU、タモキシフェン、イリノテカン、パクリタキセル(タキソール)、カルボプラチン、エトポシド、シトキサン/シクロホスファミド、シスプラチン、エルロチニブ(タルセバ)、ゲムシタビン、スタウロスポリン、ビンクリスチン、イマチニブ(グリーベック)、ゲフィチニブ(イレッサ)、ソラフェニブ、ダサチニブ、ダクチノマイシン、ヘキサメチルメラミン(HMM、アルトレタミン)、イホスファミド、ブレオマイシン、メトトレキサート、ドセタキセル(タキソテール)、ビンデシン、ビノレルビン、トポテカン、アムサクリン、シタラビン、ブスルファン、メルファラン、ビンブラスチン、ロムスチン(CCNU)、チオテパ、ゲムシタビン、カルムスチン(BCNU)、ミトキサントロン、マイトマイシンC、プロカルバジン、6-メルカプトプリン、ストレプトゾトシン、フルダラビン、ラルチトレキセド(トムデックス)、カペシタビン、およびこれらの等価物のうちの1つ以上を含む、請求項21記載の方法。
【請求項27】
前記ビタミンD化合物が、約0.1μgのカルシトリオール/cm2に相当する投薬量で前記個体に局所的に投与される、請求項1記載の方法。
【請求項28】
総投与量が約2〜100μgのカルシトリオール/体重75 kgに相当する、請求項27記載の方法。
【請求項29】
個体において脱毛症を予防または治療する方法であって、該個体に、化学式(I):
【化3】
〔式中、
aおよびbは各々独立して単結合または二重結合であり
Xはaが二重結合である場合に-CH2であり、またはXはaが単結合である場合に水素もしくはヒドロキシル置換アルキルであり;
R1は、1〜3個のハロゲン、ヒドロキシル、シアノまたは-NR’R”部分で置換されていてもよいアルキル、トリ-アルキルシリル、アルコキシル、ヒドロキシルまたは水素であり;
R2は、水素、ヒドロキシル、-O-トリアルキルシリル、または1〜3個のハロゲン、ヒドロキシル、シアノまたは-NR’R”部分で置換されていてもよいアルキル、アルコキシルもしくはアルケニルであり;
R3はbが二重結合である場合に存在せず、またはbが単結合である場合に、R3は水素、ヒドロキシルもしくはアルキルであるか、またはR3およびR1は、それらが結合している炭素原子と共に連結して5〜7員の炭素環を形成していてもよく;
R4はbが二重結合である場合に存在せず、またはbが単結合である場合に水素、ハロゲンもしくはヒドロキシルであり;
R5はaが二重結合である場合に存在せず、またはR5はaが単結合である場合に水素、ハロゲンもしくはヒドロキシルであり;
R6は、1〜5個のヒドロキシル、オキソ、ハロゲン、アルコキシル、アリール、ヘテロアリール、シアノ、ニトロまたは-NR’R”部分で置換されていてもよいアルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アルキル-O-アルキル、アルキル-CO2-アルキルであり;
R7は、1〜3個のヒドロキシル、ハロゲン、アルコキシル、アリール、ヘテロアリール、シアノ、ニトロまたは-NR’R”部分で置換されていてもよいアルキルであり;かつ、
R’およびR”は各々、独立して、水素、ヒドロキシル、ハロゲン、アルキルまたはアルコキシルである〕
で表されるビタミンD化合物または製薬上許容しうるその塩を治療上有効な量で含む医薬組成物を局所的に投与することを含み、ここで該ビタミンD化合物は1,25-ジヒドロキシビタミンD3;1,25-ジヒドロキシ-16-エン-23-イン-コレカルシフェロール;1,25-ジヒドロキシ-16-エン-イン-コレカルシフェロール;1α-ヒドロキシビタミンD3;1α,24-ジヒドロキシビタミンD3、またはMC903ではない、前記方法。
【請求項30】
前記ビタミンD化合物が、化学式(II):
【化4】
〔式中、
cは単結合または二重結合であり;
R1aは、1〜3個のハロゲン、ヒドロキシル、シアノまたは-NR’R”部分で置換されていてもよいアルキル、トリ-アルキルシリルまたは水素であり;
R2aは、水素、ヒドロキシル、-O-トリアルキルシリル、または1〜3個のハロゲン、ヒドロキシル、シアノまたは-NR’R”部分で置換されていてもよいアルキル、アルコキシルもしくはアルケニルであり;
R3a、R4aは、cが二重結合である場合に存在せず、またはcが単結合である場合に各々独立して、1〜3個のヒドロキシルもしくはハロゲン部分で置換されていてもよいアルキル、アルコキシル、ハロゲン、ヒドロキシルもしくは水素であり、
R3b、R4b、R5a、R6a、R7aおよびR8aは各々、独立して、1〜3個のヒドロキシルもしくはハロゲン部分で置換されていてもよいアルキル、アルコキシル、ハロゲン、ヒドロキシルもしくは水素であるか、またはR6a、R7aおよびR8aのうちのいずれか2つが連結して3〜7員の炭素環を形成していてもよい〕
で表される化合物または製薬上許容しうるその塩である、請求項29記載の方法。
【請求項31】
個体において脱毛症を予防または治療する方法であって、該個体に治療上有効な量のビタミンD化合物を含む医薬組成物を局所的に投与することを含み、ここで該ビタミンD化合物は、該個体に以下(1)または(2)の有効濃度で局所的に投与した場合、
(1) 約50μg/mLでは、少なくとも約25日間連続して薬物を投与した後に毒性を生じず、または
(2) 約100μg/mLでは、少なくとも約7日間連続して薬物を投与した後に毒性を生じない、
前記方法。
【請求項32】
個体において脱毛症を予防または治療する方法であって、同時投与した化学療法剤の効力に実質的に干渉することなく、該個体において脱毛症を予防または治療するためのビタミンD化合物を治療上有効な量で含む医薬組成物を該個体に局所的に投与することを含む前記方法。
【請求項33】
個体において脱毛症を予防または治療する方法であって、該個体に、
(1) 正常な角化細胞において当量のカルシトリオールと同様または同一の遺伝子調節プロファイルを呈するか;
(2) その発現レベルが当量のカルシトリオールによりモジュレートされる1つ以上の遺伝子の発現をモジュレートするか;
(3) 正常な角化細胞においてHSPA2またはHSF4 mRNA、HSPB1またはDNAJC6 mRNAの発現をモジュレートするか;
(4) 正常な角化細胞においてSLC1A1、KCNB2、もしくはKCNN4タンパク質またはSLC1A3タンパク質の発現をモジュレートするか;
(5) 表3-1および表3-2中の1つ以上のタンパク質の発現を少なくとも約2倍モジュレートするか;
(6) ビタミンD化合物に正常な角化細胞を約24時間曝露した後に表3-3、3-4、3-5または3-6中の1つ以上のタンパク質の過剰発現を誘導するか;あるいは、
(7) 正常な角化細胞において以下:GST、ケラチン1、ケラチン17、ガレクチン1、S100 A9(カルプロテクチン)、またはS100 A13のうちの1つ以上の過剰発現を誘導する
ビタミンD化合物を治療上有効な量で含む医薬組成物を局所的に投与することを含み、ここで該ビタミンD化合物は1,25-ジヒドロキシビタミンD3;1,25-ジヒドロキシ-16-エン-23-イン-コレカルシフェロール;1,25-ジヒドロキシ-16-エン-イン-コレカルシフェロール;1α-ヒドロキシビタミンD3;1α,24-ジヒドロキシビタミンD3、またはMC903ではない、前記方法。
【請求項34】
局所投与用の医薬組成物であって、脱毛症を予防または治療するために治療上有効な量のビタミンD化合物を含み、ここで該ビタミンD化合物は真皮送達を実質的に回避しつつ表皮に送達されるように製剤化されている、前記医薬組成物。
【請求項35】
約40%(w/w)のプロピレングリコールおよび約60%(w/w)の無水アブソルートエタノール(200プルーフ、US)、未変性;または約30%(w/w)のプロピレングリコール、約10%(w/w)のエトキシジグリコールもしくはトランスクトール、および約60%(w/w)の無水アブソルートエタノール(200プルーフ、US)、未変性、を含む、請求項34記載の医薬組成物。
【請求項36】
局所投与用の医薬組成物であって、脱毛症を予防または治療するために治療上有効な量のビタミンD化合物を含み、ここで該ビタミンD化合物は化学式(I):
【化5】
〔式中、
aおよびbは各々独立して単結合または二重結合であり
Xはaが二重結合である場合に-CH2であり、またはXはaが単結合である場合に水素もしくはヒドロキシル置換アルキルであり;
R1は、1〜3個のハロゲン、ヒドロキシル、シアノまたは-NR’R”部分で置換されていてもよいアルキル、トリ-アルキルシリル、アルコキシル、ヒドロキシルまたは水素であり;
R2は、水素、ヒドロキシル、-O-トリアルキルシリル、または1〜3個のハロゲン、ヒドロキシル、シアノまたは-NR’R”部分で置換されていてもよいアルキル、アルコキシルもしくはアルケニルであり;
R3はbが二重結合である場合に存在せず、またはbが単結合である場合に、R3は水素、ヒドロキシルもしくはアルキルであるか、またはR3およびR1は、それらが結合している炭素原子と共に連結して5〜7員の炭素環を形成していてもよく;
R4はbが二重結合である場合に存在せず、またはbが単結合である場合に水素、ハロゲンもしくはヒドロキシルであり;
R5はaが二重結合である場合に存在せず、またはR5はaが単結合である場合に水素、ハロゲンもしくはヒドロキシルであり;
R6は、1〜5個のヒドロキシル、オキソ、ハロゲン、アルコキシル、アリール、ヘテロアリール、シアノ、ニトロまたは-NR’R”部分で置換されていてもよいアルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アルキル-O-アルキル、アルキル-CO2-アルキルであり;
R7は、1〜3個のヒドロキシル、ハロゲン、アルコキシル、アリール、ヘテロアリール、シアノ、ニトロまたは-NR’R”部分で置換されていてもよいアルキルであり;かつ、
R’およびR”は各々、独立して、水素、ヒドロキシル、ハロゲン、アルキルまたはアルコキシルである〕
で表される化合物または製薬上許容しうるその塩であり、ここで該ビタミンD化合物は1,25-ジヒドロキシビタミンD3;1,25-ジヒドロキシ-16-エン-23-イン-コレカルシフェロール;1,25-ジヒドロキシ-16-エン-イン-コレカルシフェロール;1α-ヒドロキシビタミンD3;1α,24-ジヒドロキシビタミンD3、またはMC903ではない、前記医薬組成物。
【請求項37】
前記ビタミンD化合物が、化学式(II):
【化6】
〔式中、
cは単結合または二重結合であり;
R1aは、1〜3個のハロゲン、ヒドロキシル、シアノまたは-NR’R”部分で置換されていてもよいアルキル、トリ-アルキルシリルまたは水素であり;
R2aは、水素、ヒドロキシル、-O-トリアルキルシリル、または1〜3個のハロゲン、ヒドロキシル、シアノまたは-NR’R”部分で置換されていてもよいアルキル、アルコキシルもしくはアルケニルであり;
R3a、R4aは、cが二重結合である場合に存在せず、またはcが単結合である場合に各々独立して、1〜3個のヒドロキシルもしくはハロゲン部分で置換されていてもよいアルキル、アルコキシル、ハロゲン、ヒドロキシルもしくは水素であって
R3b、R4b、R5a、R6a、R7aおよびR8aは各々、独立して、1〜3個のヒドロキシルもしくはハロゲン部分で置換されていてもよいアルキル、アルコキシル、ハロゲン、ヒドロキシルもしくは水素であるか、またはR6a、R7aおよびR8aのうちのいずれか2つが連結して3〜7員の炭素環を形成していてもよい〕
で表される化合物または製薬上許容しうるその塩である、請求項36記載の医薬組成物。
【請求項38】
局所投与用の医薬組成物であって、脱毛症を予防または治療するために治療上有効な量のビタミンD化合物を含み、ここで該ビタミンD化合物は、個体に以下(1)または(2)の有効濃度で局所的に投与した場合、
(1) 約50μg/mLでは、少なくとも約25日間連続して薬物を投与した後に毒性を生じず、または
(2) 約100μg/mLでは、少なくとも約7日間連続して薬物を投与した後に毒性を生じない、
前記医薬組成物。
【請求項39】
局所投与用の医薬組成物であって、脱毛症を予防または治療するために治療上有効な量のビタミンD化合物を含み、ここで治療上有効な量のビタミンD化合物は化学療法剤と同時投与した場合に該化学療法剤の効力に実質的に干渉することはない、前記医薬組成物。
【請求項40】
局所投与用の医薬組成物であって、脱毛症を予防または治療するために治療上有効な量のビタミンD化合物を含み、ここで治療上有効な量のビタミンD化合物は、
(1) 正常な角化細胞において当量のカルシトリオールと同様または同一の遺伝子調節プロファイルを呈するか;
(2) その発現レベルが当量のカルシトリオールによりモジュレートされる1つ以上の遺伝子の発現をモジュレートするか;
(3) 正常な角化細胞においてHSPA2またはHSF4 mRNA、HSPB1またはDNAJC6 mRNAの発現をモジュレートするか;
(4) 正常な角化細胞においてSLC1A1、KCNB2、もしくはKCNN4タンパク質またはSLC1A3タンパク質の発現をモジュレートするか;
(5) 表3-1および表3-2中の1つ以上のタンパク質の発現を少なくとも約2倍モジュレートするか;
(6) 該ビタミンD化合物に正常な角化細胞を約24時間曝露した後に表3-3、3-4、3-5または3-6中の1つ以上のタンパク質の過剰発現を誘導するか;あるいは、
(7) 正常な角化細胞において以下:GST、ケラチン1、ケラチン17、ガレクチン1、S100 A9(カルプロテクチン)、またはS100 A13のうちの1つ以上の過剰発現を誘導し、
ここで該ビタミンD化合物は1,25-ジヒドロキシビタミンD3;1,25-ジヒドロキシ-16-エン-23-イン-コレカルシフェロール;1,25-ジヒドロキシ-16-エン-イン-コレカルシフェロール;1α-ヒドロキシビタミンD3;1α,24-ジヒドロキシビタミンD3、またはMC903ではない、前記医薬組成物。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4A】
【図4B】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20A】
【図20B】
【図21】
【図22A】
【図22B】
【図22C】
【図23】
【図24】
【図25A】
【図25B】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図30】
【図31】
【図32】
【図33】
【図34】
【図35】
【図36】
【図2】
【図3】
【図4A】
【図4B】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20A】
【図20B】
【図21】
【図22A】
【図22B】
【図22C】
【図23】
【図24】
【図25A】
【図25B】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図30】
【図31】
【図32】
【図33】
【図34】
【図35】
【図36】
【公表番号】特表2013−501790(P2013−501790A)
【公表日】平成25年1月17日(2013.1.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−524762(P2012−524762)
【出願日】平成22年8月6日(2010.8.6)
【国際出願番号】PCT/US2010/044765
【国際公開番号】WO2011/019617
【国際公開日】平成23年2月17日(2011.2.17)
【出願人】(511181278)バーグ バイオシステムズ,エルエルシー (7)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成25年1月17日(2013.1.17)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年8月6日(2010.8.6)
【国際出願番号】PCT/US2010/044765
【国際公開番号】WO2011/019617
【国際公開日】平成23年2月17日(2011.2.17)
【出願人】(511181278)バーグ バイオシステムズ,エルエルシー (7)
【Fターム(参考)】
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