説明

脱水ケーキのパイプ輸送方法および輸送装置

【課題】 格別な押込み装置を使用することなく、圧送ポンプの吸込み効率は向上し、しかも圧送ポンプの吐出側の輸送パイプ内の圧力損失抵抗の上昇も小さい、脱水ケーキのパイプ輸送方法を提供する。
【解決手段】 圧送ポンプ(20)に供給する前に、脱水ケーキにチョッパ(10)により剪断力をかけ、塑性体である脱水ケーキを流動化あるいは液状化する。流動化あるいは液状化した脱水ケーキを直接あるいはスクリュフィーダ(30)を介して圧送ポンプ(20)に供給する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、汚水処理場等で発生する下水汚泥、屎尿汚泥等から脱水処理して得られる脱水ケーキを圧送ポンプに供給し、そして該圧送ポンプを駆動して、所定箇所へパイプ輸送する、脱水ケーキのパイプ輸送方法および輸送装置に関し、特に圧送ポンプに供給する前の脱水ケーキの処理に特徴を有する脱水ケーキのパイプ輸送方法および輸送装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
下水処理場で発生する下水汚泥、屎尿汚泥等は、フイルタプレスにより60〜80%の含水率になるように脱水処理されて、例えば焼却炉まで搬送され、そして焼却処理されている。このような脱水処理された脱水ケーキは、ベルトコンベア等のエンドレスなコンベアで焼却炉まで搬送することもできるが、パイプ輸送の方がより適している。パイプという閉鎖空間で輸送されるので、環境を汚染することが少ないという利点を有し、輸送量に比較して管路の占有面積も小さく、また配管を変えるだけで輸送ルートを自由に変更できる等の利点も有するからである。
【0003】
このような脱水ケーキをパイプ輸送するためには、脱水ケーキを輸送パイプに圧入するための圧送ポンプ、例えば往復型容積ポンプが必要である。往復型容積ポンプの代表的な例はピストンポンプであり、ピストンの吸入行程で搬送物をシリンダに吸入し、そして吐出行程で輸送パイプに圧入するようになっている。このピストンポンプは、吐出圧力が高く、長距離輸送が可能であるので、多く利用されている。
【0004】
しなしながら、色々な問題もある。例えば、脱水ケーキのような高粘稠性物質をパイプ輸送する場合、輸送パイプ内の圧力損失抵抗により圧送ポンプの吐出圧力が決定されるが、概して含水率が低くなると、圧力損失抵抗は増加し、ポンプの定格吐出圧力を超えてしまう。そのため、輸送量を減じる等の処置をとらなければならないという問題がある。また、脱水ケーキの流動性低下により圧送ポンプへの流入状態が悪くなり、脱水ケーキの吸込効率が悪化し脱水ケーキ自体の吐出量性能に悪影響を与えることもある。さらには、下水汚泥のような脱水ケーキは、発生場所、脱水工程等の相違により同じ含水率であっても、輸送パイプでの圧力損失抵抗、流動性等の物性値が異なることが多いので、これに対処しなければならないという問題もある。
【0005】
【特許文献1】特開平7−291445号公報
【特許文献2】特許第3620871号
【特許文献3】特公平6−12160号公報
【0006】
そこで、従来から色々改良された脱水ケーキのパイプ輸送方法が提案されている。例えば、特許文献1には、スクリュフィーダにより汚泥を往復型容積ポンプに押し込み、そして該ポンプを駆動してポンプ輸送するとき、スクリュフィーダによる押込圧力を汚泥の輸送速度、含水率、密度等により制御し、往復型容積ポンプの充填効率が一定になるようにした輸送方法が示されている。また、特許文献2には脱水ケーキの外周部と輸送パイプ内周壁との間に水注入装置から水等の滑剤を注入して脱水ケーキを輸送するとき、搬送物の輸送パイプ内の目標絶対圧力と測定絶対圧力とを比較し、概ね一致しているときは滑剤の注入量も概ね適当であり、このときは目標圧力損失と、測定圧力損失とが相違していても、注入量は多少変更するに止め、これに対し目標絶対圧力と測定絶対圧力とが相違しているときは、このときは現在の注入量は適当ではないので、注入量を比較的大きく変更する。このとき目標圧力損失と測定圧力損失とが相違していると、注入量を比較的大きく変更するようにしたポンプ輸送方法が開示されている。さらには、特許文献3には高粘稠性物質を圧送ポンプによりパイプ輸送するとき、輸送パイプの途中に水等の潤滑剤を注入する方法において、潤滑剤の注入箇所よりも下流側の2点間の圧力差が設定値の範囲内になるように、潤滑剤を注入するようにしたパイプ輸送方法が示されている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
以上のように、特許文献1に記載の発明によると、圧送ポンプへの押込圧力が汚泥の輸送速度、含水率、密度等により制御されるようになっているので、汚泥を過不足無く圧送ポンプへ押し込むことができるという利点が認められる。また、特許文献2、3のそれぞれに記載されている発明によると、脱水ケーキの外周部と輸送パイプ内周壁との間に水注入装置から水のような滑剤を注入しながら脱水ケーキを輸送するようになっているので、汚泥の含水率が徒に増加することなく、輸送パイプ中の圧力損失抵抗の上昇を抑えることができ、しかも閉塞の問題もなく、長距離輸送が可能になるという特徴が認められる。特に、特許文献2、3に記載の発明によると、水、滑剤等の注入量が、輸送パイプ中の検出圧力値により制御されるので、注入量を必要最小量に制御することができる利点があり、圧送ポンプから下流側においては格別に問題はなく、有効に実施されている。
しかしながら、圧送ポンプの上流側すなわち吸込側に改良の余地が認められる。さらに説明すると、輸送パイプの途中には制御された量の滑剤が注入されるようになっているので、含水率、比重等の物性値が異なる種々の脱水ケーキにも対応した輸送ができるが、圧送ポンプの下流側の輸送パイプ中の、上記したような滑剤の注入操作は、圧送ポンプの吸込側には効果は及ばない。したがって、低い吸込効率を設定するほか無く、充分な輸送効率を上げることができていない。
【0008】
もっとも、特許文献1に記載されている発明は、スクリュフィーダを備えているので、このフィーダにより汚泥を圧送ポンプに過不足無く押し込むことはできるが、このスクリュフィーダは圧送ポンプの下流側の輸送パイプ中で計測される輸送速度、含水率等により制御されるもので、圧送ポンプに供給される脱水ケーキの性質を改善するものではない。また、特許文献2に記載されている発明によると、圧送ポンプにはスクリュフィーダにより供給されるようになっているが、このスクリュフィーダは、脱水ケーキを押し込むだけの作用を奏するに過ぎない。さらには、特許文献3の添付図面には、脱水ケーキを圧送ポンプに供給するためにホッパが設けられ、ホッパ内に攪拌羽根のようなものが示されているが、この攪拌羽根は単なる架橋防止用と推定され、脱水ケーキの物理的な性質を改善するものではない。
【0009】
さらに詳しく説明すると、スクリュフィーダは回転式であるので、連続した供給となるが、このスクリュフィーダによる充填される圧送ポンプは、往復型であるので間欠的に充填されることになる。このように汚泥をパイプ輸送するためには、連続した供給と間欠的な充填とをマッチングさせなければならないので、スクリュフィーダだけでは汚泥の輸送量あるいは輸送速度の変化、汚泥の含水率、比重等の物理的性状の変化等には充分対応することができない。例えば、輸送量あるいは輸送速度が大きくなり、ピストンポンプのピストンの引き速度が早くなると、小さな押込圧力では、汚泥はピストンの引き速度に追従することができなくなる。そうすると、ピストンポンプのシリンダへの充填効率が小さくなる。極端な場合は、シリンダ内に充填されない空隙が生じることも有り得る。このように充填密度が小さいと、ピストンの押行程の初期の段階は、汚泥は輸送されることなく単に圧縮されるだけとなり、輸送効率が低下するばかりでなく、吐出圧力が脈動し、圧送ポンプ、輸送パイプ等の振動の原因にもなる。
【0010】
このように充填効率が低いと、パイプ輸送に支障をきたすが、この問題はスクリュフィーダの押込圧力を高くすることにより、ある程度解決することはできる。しかしながら、必要以上に高くすると、スクリュフィーダの動力費が嵩み、また構造も強固なものとしなければならなくなり、コスト的な問題が生じる。さらには、押し込み圧力が高いと、ピストンポンプの吸入口において閉塞することもあり得る。
【0011】
本発明は、上記したような従来の問題点あるいは欠点を解消した脱水ケーキのパイプ輸送方法および輸送装置を提供することを目的とし、具体的には格別な押込み装置を使用することなく、圧送ポンプの吸込み効率は向上し、しかも圧送ポンプの吐出側の輸送パイプ内の圧力損失抵抗の上昇も小さい、脱水ケーキのパイプ輸送方法および輸送装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0012】
汚泥処理場等から発生する汚泥は、一般に含水率が60〜80%に脱水処理され脱水ケーキ化されている。このような含水率の脱水ケーキは柔らかいが、そのままの形状を保持できる程度の塑性体である。そこで、本発明は上記目的を達成するために、圧送ポンプに供給する前に脱水ケーキに剪断力をかける。そうすると、塑性体である脱水ケーキは流動化あるいは液状化する。流動化あるいは液状化した脱水ケーキを直接あるいはスクリュフィーダのような機械式回転フィーダを介して圧送ポンプに供給するように構成される。かくして、請求項1に記載の発明は、汚水処理場等で発生する下水汚泥、屎尿汚泥等から脱水処理して得られる脱水ケーキを圧送ポンプに供給し、そして該圧送ポンプを駆動して、所定箇所へパイプ輸送するとき、脱水ケーキを、前記圧送ポンプに供給する前に、剪断羽根により流動化あるいは液状化処理して供給するように構成される。
請求項2に記載の発明は、汚水処理場等で発生する下水汚泥、屎尿汚泥等から脱水処理して得られる脱水ケーキを圧送ポンプに供給し、そして該圧送ポンプを駆動して、所定箇所へパイプ輸送するとき、脱水ケーキを、前記圧送ポンプに供給する前に、攪拌羽根で粗粉砕すると共に剪断羽根により流動化あるいは液状化処理して供給するように構成される。請求項3に記載の発明は、請求項1または2に記載の輸送方法において、流動化あるいは液状化処理された脱水ケーキを、回転式供給装置により圧送ポンプに供給するように構成される。
請求項4に記載の発明は、圧送ポンプと、該圧送ポンプの上流側に設けられ、そして脱水ケーキを前記圧送ポンプに供給するための供給装置と、前記圧送ポンプの下流側に接続されている輸送パイプとを備え、脱水ケーキを、前記供給装置を介して前記圧送ポンプに供給すると共に、前記圧送ポンプを駆動すると、脱水ケーキが前記輸送パイプを介して所定箇所へ圧送されるようになっているパイプ輸送装置であって、前記供給装置には、脱水ケーキを流動化あるいは液状化処理する剪断羽根が設けられている。請求項5に記載の発明は、請求項4に記載のパイプ輸送装置において、供給装置がケーキ貯留ホッパからなり、該ケーキ貯留ホッパ内に攪拌羽根と剪断羽根とが設けられている。請求項6に記載の発明は、請求項4に記載のパイプ輸送装置において、供給装置が機械式回転フィーダからなり、該フィーダの供給側と排出側の少なくといずれかの一方に剪断羽根が設けられている。そして請求項7に記載の発明は、請求項4に記載のパイプ輸送装置において、供給装置が圧送ポンプの吸込口に連なっている脱水ケーキ導入部材からなり、該導入部材の内部に剪断羽根が設けられている。
【発明の効果】
【0013】
以上のように、本発明によると、脱水ケーキを圧送ポンプに供給し、そして該圧送ポンプを駆動して、所定箇所へパイプ輸送するとき、脱水ケーキを圧送ポンプに供給する前に、剪断羽根により流動化あるいは液状化処理して供給するので、圧送ポンプが往復型で間欠的な吸い込みであっても、脱水ケーキはピストンの引き速度にも充分に追従することができ、脱水ケーキの圧送ポンプへの吸込み効率が向上する。したがって、圧送ポンプの性能も向上する。また、脱水ケーキを流動化あるいは液状化処理して供給するので、輸送パイプ中の圧力損失抵抗も低下し、圧送ポンプの吐出圧力を低減させるために、従来のような水、潤滑剤等の特別な滑剤の注入も不必要となる。すなわち、水などの滑剤の注入はパイプ輸送を可能にするためとはいえ、脱水処理された脱水ケーキに再び水を加えるという矛盾した操作であり、このような操作が不必要になる。したがって、圧送後の後工程である燃焼処理などのエネルギの低減に寄与する効果も得られる。これらの効果により、パイプ輸送装置は安価になり、しかも圧送ポンプの総合効率は向上し、また圧送動力費すなわちランニングコストは低減するという、本発明に特有の効果が得られる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下、図1の(イ)〜(ハ)により本発明の実施の形態を説明する。初めに、図1の(イ)に示されているように、供給装置としてケーキ貯留ホッパ1が適用され、そして圧送ポンプに往復型容積ポンプ20が適用された例について説明する。本実施の形態によるパイプ輸送装置は、ケーキ貯留ホッパ1、往復型容積ポンプ20、輸送パイプ25等から構成されている。脱水ケーキは、従来技術に関して説明したようにして得られ、そしてケーキ貯留ホッパ1に一時的に貯留され、流動化あるいは液状化される。そして、往復型容積ポンプ20に供給され、この往復型容積ポンプ20を駆動することにより流動化あるいは液状化された脱水ケーキは目的地、例えば焼却炉あるいは焼却炉に付随して設けられている貯留ビンまで輸送されるようになっている。
【0015】
ケーキ貯留ホッパ1は、従来周知の形態をしたホッパ2を備えている。ホッパ2の上部には、脱水ケーキ投入口3が設けられ、そして下方の開放端4は往復型容積ポンプ10の吸込口に接続されている。このように構成されているホッパ2の内部に、供給される脱水ケーキを粗粉砕する粉砕羽根としてのスクレーパ5、5が設けられている。また、流動化あるいは液状化するための剪断羽根として複数枚の羽根からなるチョッパ10が設けられている。スクレーパ6、6のアーム6、6は、ホッパ2の上部に回転自在に設けられている回転体7に取り付けられ、この回転体7がベルトとのような動力伝達手段8を介して電動モータあるいは油圧モータ9により、比較的低速で回転駆動されるようになっている。
【0016】
剪断羽根すなわちチョッパ10は、図1においては模式的に示されているが、その1枚の羽根は例えばプロペラ形状あるいは平羽根形状を呈している。そして、これらの羽根が所定の間隔をおいて回転軸11に複数段にわたって、回転に対してバランスするようにクロス状あるいは螺旋状に設けられている。このように構成されているチョッパ10は、図示の実施の形態では、ホッパ2の下方に位置している。回転軸11は、上方へ延び、変速機12の出力軸に接続され、電動モータあるいは油圧モータ13により比較的高速で回転駆動されるようになっている。
【0017】
汚泥のような粘性の高い脱水ケーキを圧送するための往復動型容積ポンプは、文献名を挙げるまでもなく従来周知であり、一般にシリンダとピストンとから構成され、ピストンの後退運動で、脱水ケーキはシリンダ内に吸引され、前進運動で吐出口から圧送されるようになっている。このような往復動型容積ポンプの復列型ポンプは、本出願人によって特願昭58−60662号によって提案されているので、詳しくは説明しないが、往復動複列型容積ポンプは、脱水ケーキを圧送するための一対の圧送用のピストン・シリンダユニットと、このユニットを交互に駆動する駆動用のピストン・シリンダユニットと、これらのユニットに対応して設けられている油圧回路を適宜切り換える方向切換弁とから概略構成されている。前述したように、往復動複列型容積ポンプは、従来周知であり、また本出願人の前記特許願にも開示されているので、図1の(イ)には模式的にシングルタイプの往復動型容積ポンプ20と、駆動用のピストン・シリンダユニット21とが示されている。
【0018】
次に、上記実施の形態の作用について説明する。ホッパ2に脱水ケーキを供給する。そして、モータ4によりスクレーパ5、5を比較的低速で回転駆動する。また、チョッパ10はモータ13により高速で回転駆動する。そうすると、塊状で供給される脱水ケーキは、スクレーパ5、5により粗粉砕され、チョッパ10により剪断力が加えられ流動化する。あるいは液状になる。駆動用のピストン・シリンダユニット21に作動油を給排する。そうすると、前述したようにして流動化された脱水ケーキは圧送用の往復動型容積ポンプ20に吸い込まれ、そして輸送パイプ25中に吐出される。これにより、脱水ケーキは輸送パイプ25中を順次所定箇所へ圧送される。
【0019】
本実施の形態によると、脱水ケーキは往復動型容積ポンプ20に供給する前に流動化あるいは液状化されているので、格別な押込装置がなくても、また往復動型容積ポンプ20のピストンの引き速度が早くても、シリンダに効率よく吸込まれ、ポンプのシリンダへの充填効率が低下するようなことはない。また、流動化あるいは液状化されているので、輸送パイプ25中での圧力損失抵抗も小さく、従来の技術の項で述べたような滑剤の注入も格別に必要としない。
【0020】
供給装置の第2の実施の形態が、図1の(ロ)に示されている。本実施の形態によると、ホッパ2’と2個のチョッパ10’、10’とから構成されている。これらのチョッパ10’、10’は、いずれもホッパ2’の下方の側壁に取り付けられ、モータ13’により直接的に回転駆動されるようになっている。図1の(ロ)には、スクレーパは示されていないが、粉砕羽根としてスクレーパあるいは攪拌羽根を設けることもできる。本実施の形態も前述した実施の形態と略同じように作用することは明らかである。
【0021】
図1の(ハ)に供給装置の第3の実施の形態が示されている。本実施の形態によると、水平方向に配置されたスクリュフィーダ30からなり、その上流側は図示されないホッパに接続され、下流側は下方に曲げられ、その先端部は前述したような往復型容積ポンプの吸込口に接続されるようになっている。このように構成されているスクリュフィーダ30の供給側と、排出側とにチョッパ10’、10’がそれぞれ設けられている。スクリュフィーダ30のスクリュ31を駆動するモータは示されていないが、このモータは例えばインバータ回路により回転数が制御され、往復型容積ポンプへの脱水ケーキの押込圧力を所定値に保つことができるようになっている。全体として第1、2の実施の形態と同様に作用することは明らかである。
【0022】
本発明は、上記の実施の形態に限定されることなく、色々な形で実施できる。例えば、脱水ケーキの性質に応じてモータ4、13、13’の回転速度を変えるように実施できる。また、スクレーパおよびチョッパの数、配置位置も図示の実施の形態に限定されないことは明らかである。さらには、スクリュフィーダ30に代えてロータリフィーダで実施できることも明らかである。また、図1の(ロ)には、2個のチョッパ10’、10’が示されているが、1個でも実施できるし、他の攪拌羽根と組み合わせることもできる。図1の(ハ)に示されている実施の形態では、チョッパ10’は、スクリュフィーダ30の供給側と排出側とにそれぞれ設けられているが、少なくともいずれか一方に設けても同様な効果が得られることは明らかである。さらには、図1には示されていないが、圧送ポンプの吸込口に脱水ケーキ導入部材を設け、この導入部材の内部にチョッパ10’を設けることもできる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】本発明の実施の形態を模式的に示す図で、その(イ)は全体を、その(ロ)は供給装置の第2の実施の形態を、そしてその(ハ)は供給装置の第3の実施の形態をそれぞれ示す断面図である。
【符号の説明】
【0024】
1 ケーキ貯留ホッパ1 2、2’ ホッパ
5 スクレーパ 10、10’ チョッパ
20 往復動型容積ポンプ 25 輸送パイプ
30 スクリュフィーダ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
汚水処理場等で発生する下水汚泥、屎尿汚泥等から脱水処理して得られる脱水ケーキを圧送ポンプに供給し、そして該圧送ポンプを駆動して、所定箇所へパイプ輸送するとき、
脱水ケーキを、前記圧送ポンプに供給する前に、剪断羽根により流動化あるいは液状化処理して供給することを特徴とする脱水ケーキのパイプ輸送方法。
【請求項2】
汚水処理場等で発生する下水汚泥、屎尿汚泥等から脱水処理して得られる脱水ケーキを圧送ポンプに供給し、そして該圧送ポンプを駆動して、所定箇所へパイプ輸送するとき、
脱水ケーキを、前記圧送ポンプに供給する前に、攪拌羽根で粗粉砕すると共に剪断羽根により流動化あるいは液状化処理して供給することを特徴とする脱水ケーキのパイプ輸送方法。
【請求項3】
請求項1または2に記載の輸送方法において、流動化あるいは液状化処理された脱水ケーキを、回転式供給装置により圧送ポンプに供給する脱水ケーキのパイプ輸送方法。
【請求項4】
圧送ポンプと、該圧送ポンプの上流側に設けられ、そして脱水ケーキを前記圧送ポンプに供給するための供給装置と、前記圧送ポンプの下流側に接続されている輸送パイプとを備え、
脱水ケーキを、前記供給装置を介して前記圧送ポンプに供給すると共に、前記圧送ポンプを駆動すると、脱水ケーキが前記輸送パイプを介して所定箇所へ圧送されるようになっているパイプ輸送装置であって、
前記供給装置には、脱水ケーキを流動化あるいは液状化処理する剪断羽根が設けられていることを特徴とする脱水ケーキのパイプ輸送装置。
【請求項5】
請求項4に記載のパイプ輸送装置において、供給装置がケーキ貯留ホッパからなり、該ケーキ貯留ホッパ内に攪拌羽根と剪断羽根とが設けられている脱水ケーキのパイプ輸送装置。
【請求項6】
請求項4に記載のパイプ輸送装置において、供給装置がスクリュフイーダからなり、該スクリュフイーダの供給側と排出側の少なくといずれかの一方に剪断羽根が設けられている脱水ケーキのパイプ輸送装置。
【請求項7】
請求項4に記載のパイプ輸送装置において、供給装置が圧送ポンプの吸込口に連なっている脱水ケーキ導入部材からなり、該導入部材の内部に剪断羽根が設けられている脱水ケーキのパイプ輸送装置。

【図1】
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【公開番号】特開2007−820(P2007−820A)
【公開日】平成19年1月11日(2007.1.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−185985(P2005−185985)
【出願日】平成17年6月27日(2005.6.27)
【出願人】(000207724)大平洋機工株式会社 (7)
【Fターム(参考)】