説明

脱水汚泥フィーダ

【課題】脱水汚泥の安息角が大きくなっても安定的にレベル計を動作させることができる脱水汚泥フィーダを提供する。
【解決手段】脱水汚泥6の堆積レベルを検出するレベル計2の測定電極部端2aが、脱水汚泥投入口4の真下の空間の縁に接する位置となるように配置される。脱水汚泥投入口4から投入される脱水汚泥6の投入量が、脱水汚泥排出ポンプ5の排出量より多い場合、脱水汚泥フィーダ1内の脱水汚泥6は増え、レベル計2をオン(ON)とし、脱水汚泥投入口4からの投入を停止させる。これにより、脱水汚泥性状により安息角が30〜90°に変化する場合に、脱水汚泥6の安息角が大きくなっても安定的にレベル計を動作させることができ、脱水汚泥6が溢れ出るのを防止することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、下水処理場などにおいて運転される脱水汚泥フィーダに関する。
【背景技術】
【0002】
図3に、従来の脱水汚泥フィーダの側面断面図を示す。
【0003】
同図に示すように、脱水汚泥フィーダ1の上部には脱水汚泥投入口4が設けられ、さらに脱水汚泥フィーダ1の下部には脱水汚泥排出ポンプ5が設けられている。また、脱水汚泥6の堆積レベルを検出するレベル計2の測定電極部がその脱水汚泥フィーダ1の側壁から内部に突出した状態で、安息角3を設けて取り付けられている。
【0004】
脱水汚泥6は、脱水汚泥投入口4から投入される。脱水汚泥6の投入量が、脱水汚泥排出ポンプ5の排出量より多い場合、脱水汚泥フィーダ1内の脱水汚泥6は増え、レベル計2をオン(ON)とし、脱水汚泥投入口4からの投入を停止させる。設定されたタイマー時間経過後、再び脱水汚泥6は脱水汚泥投入口4より投入される。
【0005】
なお、脱水汚泥の堆積レベルを検出するレベル計を設け、脱水汚泥がこのレベル計で検出される堆積レベルまで達すると脱水汚泥投入口からの投入を停止させることは、例えば特許文献1に示されている。
【特許文献1】特開2004−243223号公報(第5ページ、図1)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、硬い脱水汚泥の場合は安息角が90°位であるのに対して、軟らかい脱水汚泥の場合は安息角が30°位と、安息角は脱水汚泥性状により、30〜90°に変化する。従って、安息角が極端に大きくなると、従来のような構成では、レベル計2が反応せず、脱水汚泥フィーダから脱水汚泥が溢れ出るという問題があった。
【0007】
本発明は、従来のこのような問題点を解決するために為されたもので、脱水汚泥の安息角が大きくなっても安定的にレベル計を動作させることができる脱水汚泥フィーダを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するために、本発明は、脱水汚泥投入口から投入される脱水汚泥を貯留する脱水汚泥フィーダにおいて、脱水汚泥の堆積レベルを検知するレベル計の測定電極部端が脱水汚泥投入口の真下の空間の縁に接する位置となるように配置されていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、脱水汚泥の安息角が大きくなっても安定的にレベル計を動作させることができ、脱水汚泥が溢れ出るのを防止することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
図1は本発明の一実施形態に係る脱水汚泥フィーダの側面断面図で、図2はその脱水汚泥フィーダの平面図である。図1、図2において、図3に示す従来例と同一部分には同一符号を付している。
【0011】
図1および図2に示すように、脱水汚泥フィーダ1の上部には脱水汚泥投入口4が設けられ、さらに脱水汚泥フィーダ1の下部には脱水汚泥排出ポンプ5が設けられている。なお、脱水汚泥投入口4には、例えば脱水機からの脱水汚泥が投入される。また脱水汚泥排出ポンプ5により排出される脱水汚泥は、例えば脱水汚泥貯留ホッパーあるいは乾燥機などに供給される。また、脱水汚泥フィーダ1内部の下方に脱水汚泥を撹拌する手段が設けられていてもよい。
【0012】
そして、脱水汚泥6の堆積レベルを検出するレベル計2の測定電極部が脱水汚泥フィーダ1の側壁から内部に突出した状態で取り付けられるが、このレベル計2は次のような位置に取り付けられる。例えば、脱水汚泥フィーダ1の深さは1m程度であるが、レベル計2は脱水汚泥投入口4の下方20cm位の位置に設けられ、レベル計2の測定電極部端2aが、脱水汚泥投入口4の真下の空間の縁に接する位置となるように配置される。
【0013】
また、例えば、脱水汚泥投入口4が、図2に示すように、長方形(長辺が40〜50cm、短辺が20〜30cm)である場合、レベル計2の測定電極部端2aの位置は、脱水汚泥投入口4の長辺の中央の真下の位置とする。この場合、レベル計2の測定電極部端2aから脱水汚泥フィーダ1の壁面までの測定電極部の長さは15cm位となる。
【0014】
なお、脱水汚泥投入口4が長方形である場合、上述のように、レベル計2の測定電極部端2aの位置は、脱水汚泥投入口4の長辺の中央の真下の位置とするのが最適であるが、次に好ましい位置として、レベル計2の測定電極部端2aの位置を、図2に破線で示したように、脱水汚泥投入口4の短辺の中央の真下の位置となるようにしてもよい。この場合、レベル計の測定電極部端から脱水汚泥フィーダ1の壁面までの測定電極部の長さは20〜25cm位となる。
【0015】
次に、このような構成からなる本実施形態の作用について説明する。
【0016】
脱水汚泥6は、脱水汚泥投入口4から投入される。脱水汚泥6の投入量が、脱水汚泥排出ポンプ5の排出量より多い場合、脱水汚泥フィーダ1内の脱水汚泥6は増え、レベル計2をオン(ON)とし、脱水汚泥投入口4からの投入を停止させる。設定されたタイマー時間経過後、再び脱水汚泥6は脱水汚泥投入口4より投入される。
【0017】
本実施形態においては、レベル計2の測定電極部端2aが、脱水汚泥投入口4の真下の空間7の縁に接する位置となるように設けられているので、安息角が90°位の硬い脱水汚泥の場合であっても、レベル計2の測定電極部でこれを検出することができるので、脱水汚泥性状により安息角が30〜90°に変化する場合であっても、脱水汚泥の安息角が大きくなっても安定的にレベル計を動作させることができる。
【0018】
特に、脱水汚泥投入口4が長方形である場合、レベル計2の測定電極部端2aの位置を、脱水汚泥投入口4の長辺の中央の真下の位置とすることにより、安息角が30〜90°に変化する場合でも、安定的にレベル計2を動作させることができる。
【0019】
なお、従来は図3に示すようにレベル計2の測定電極部端2aを脱水汚泥投入口4の真下の空間の縁よりも壁面方向に後退させていたのを、図1に示すように本実施形態においては、レベル計2の測定電極部端2aを脱水汚泥投入口4の真下の空間の縁に接する位置まで突出させたが、このことにより落下してくる脱水汚泥の粉末でレベル計2が誤検知する恐れがある場合には、レベル計2の感度を従来の場合より若干下げて、脱水汚泥の粉末では検知しないように調整すればよい。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本発明の一実施形態に係る脱水汚泥フィーダの側面断面図。
【図2】本発明の一実施形態に係る脱水汚泥フィーダの平面図。
【図3】従来の脱水汚泥フィーダの側面断面図。
【符号の説明】
【0021】
1…脱水汚泥フィーダ
2…レベル計
2a…レベル計の測定電極部端
3…安息角
4…脱水汚泥投入口
5…脱水汚泥排出ポンプ
6…脱水汚泥

【特許請求の範囲】
【請求項1】
脱水汚泥投入口から投入される脱水汚泥を貯留する脱水汚泥フィーダにおいて、脱水汚泥の堆積レベルを検知するレベル計の測定電極部端が脱水汚泥投入口の真下の空間の縁に接する位置となるように配置されていることを特徴とする脱水汚泥フィーダ。
【請求項2】
前記脱水汚泥投入口が長方形の投入口である場合に、前記レベル計の測定電極部端が前記長方形の長辺の中央の真下の位置となるように配置されていることを特徴とする請求項1に記載の脱水汚泥フィーダ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2010−468(P2010−468A)
【公開日】平成22年1月7日(2010.1.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−162748(P2008−162748)
【出願日】平成20年6月23日(2008.6.23)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】