説明

脳深部刺激用システムおよび方法

脳深部刺激のためのシステム(10)および方法を提供する。システム(10)は、プローブ(11)とプロセッサ(14)を備える。プローブ(11)は、脳の対応部位で神経細胞活性を示す信号を取得するための感知電極(12)のアレイおよび対応する脳部位に刺激振幅を印加するための刺激電極(12)のアレイを含む。プロセッサ(14)は、感知電極(12)および刺激電極(12)に動作可能に結合され、本発明の方法を実行するため配置される。前記方法は、感知電極(12)から取得した信号を受信する工程(21)、非定型神経細胞活性のある少なくとも1つの脳部位を見いだすため取得信号を処理する工程(22)、取得信号に基づいて刺激電極(12)のアレイ上部の刺激振幅の空間分布を決定する工程(23)、および非定型神経細胞活性のある少なくとも1つの部位を刺激するために刺激振幅の空間分布を刺激電極(12)のアレイに印加する工程(24)を含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は脳深部刺激用システムに関し、このシステムは、対応する脳部位に刺激振幅を印加するための刺激電極のアレイを有するプローブ、刺激電極のアレイ上部の刺激振幅の空間分布を決定し、非定型神経細胞活性のある少なくとも1つの部位を刺激するため、決定した刺激振幅の空間分布を刺激電極のアレイに印加するためのプロセッサを備える。
【0002】
本発明はさらに、脳深部刺激用刺激振幅の空間分布を決定するための方法および本方法を実行するためのコンピュータプログラム製品に関する。
【背景技術】
【0003】
脳深部刺激(DBS)は、病理学的活性を中断させるよう、軽度の電気パルスを脳組織に印加する技術である。既存のDBS機器は、組織に電気パルスを供給するため4つの大きな(通常、6mm)、円筒状の電極を有する。これにより、組織に対して非常に非特異的な電気エネルギーが供給される。DBS標的は1mm以下と小さく、これら既存の機器ではそのような小さな特徴部分を標的として正確に刺激電流を流すことはできない。この非特異的な供給には幾つかの欠点がある。例えば、標的部位に近接する電流励起組織が原因で副次的悪影響を惹起する。さらに、標的の構造を最適にカバーしない電流により、効率性の劣る治療効果をもたらすことがある。開発中の新規DBS機器は、(軸方向および方位的に)アレイ状のプローブに沿って分布させた多数の電極(例えば、16〜128個)を設けることにより解決することができる。そのような高密度の刺激電極のアレイを有することにより、原理上は非常に正確な電流刺激の供給が可能であり、上述の大きな電極の弱点を改善することができる。
【0004】
数多くの刺激電極を有する場合、電気刺激を最適に分布させることが重要である。アレイ上部の最良の刺激分布を見いだす最適化の問題は、新規の高解像度DBS機器により提起される大きな自由度に起因する極めて複雑な問題である。それゆえ、最適な設定を迅速に決定する実用的で信頼性の高い方法が必要である。モデルベースの最適化手法が、この目的のために開発されている。しかしながら、これらの手法は、パラメータ全てが十分詳細ではなく、また知ることもできない(中でも注目すべきは、局所的に不均一で異方性の伝導度が場に強く影響するが、正確にそれを測定することが非常に難しい)ため、本質的な制約を受ける。したがって、これらの手法には不正確さが残る。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は刺激振幅の空間分布を決定するための、より単純でより信頼性の高い方法およびシステムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第1の態様によれば、この目的は、プローブおよびプロセッサを備える脳深部刺激用システムにより実現される。プローブは、脳の対応する位置で神経細胞活性を示す信号を取得するための感知電極のアレイ、および対応する脳部位に刺激振幅を印加するための刺激電極のアレイを含む。プロセッサは感知電極および刺激電極に作動可能に結合される。プロセッサは、感知電極から取得した信号を受信し、取得信号を処理して非定型神経細胞活性のある少なくとも1つの脳部位を見いだし、取得信号に基づいて刺激電極のアレイ上部の刺激振幅の空間分布を決定し、非定型神経細胞活性のある少なくとも1つの部位を刺激するため、刺激振幅の空間分布を前記刺激電極のアレイに印加するために配置される。
【0007】
感知電極のアレイは、神経細胞活性の空間的概観を決定するため用いられる。測定した神経細胞活性から、標的となる脳の部位の病的挙動の神経または神経細胞構造物の有無、およびそれらのある場所が決定される。病的な活性局所ホットスポットがある場合、プロセッサは、これらのホットスポットを標的にするために、刺激振幅の空間分布を決定する。
【0008】
本発明のシステムの実施形態において、脳の部位の神経細胞活性は、取得した信号が所定レベルを超える場合非定型とみなされる。より高度な実施形態において、病的な電気活性源を見いだすため、より複雑な処理が用いられる。この処理は、例えば取得信号の帯域通過フィルタ処理を含み得る。例えば、ベータ帯域(8〜30Hz)における増大した活性は、パーキンソン病を発現しうる症状に関連する場合がある。
【0009】
前記処理は、取得信号または取得信号から抽出された固有の特徴の二次空間導関数を計算する工程を含んでいてもよい。取得信号の二次空間導関数は、活性源の明確な指標を与えるため、印加する刺激振幅の適切な空間分布を決定するための有益な情報を提供する。刺激振幅の空間分布は、取得信号の二次空間導関数に比例するよう選択され得る。
【0010】
感知電極のうちの少なくとも1つおよび刺激電極のうちの少なくとも1つは、1つの複合電極に結合されることが好ましい。スイッチング手段が、複合電極の感知機能と刺激機能との間のスイッチング用に設けられてもよい。スイッチングは、複合電極全てに対して同時に、またはそれぞれの複合電極個々に対して行われる。
【0011】
本発明の第2の態様によれば、刺激振幅の空間分布を決定するための方法が提供される。この方法は、脳の対応する位置で神経細胞活性を示す取得信号を、感知プローブ上の感知電極のアレイから受信し、取得信号を処理して非定型神経細胞活性のある少なくとも1つの脳部位を見いだし、取得信号に基づいて刺激電極のアレイ上部の刺激振幅の空間分布を決定する工程を含む。
【0012】
これらおよび他の本発明の態様は、下記の実施態様から明らかであり、また下記の態様を参照して解明される。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明による脳深部刺激用システムを概略的に示す図である。
【図2】本発明による方法のフロー図を示す。
【図3】感知電極のアレイにより取得された信号の例を示す図である。
【図4】図2の信号の二次空間導関数を示す図である。
【図5】刺激振幅の例示的空間分布を示す図である。
【図6】図4の刺激振幅によって生じる細胞外電位分布を示す図である。
【図7】標的神経細胞組織のための活性化関数を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
図1は、本発明による脳深部刺激用システム10を概略的に示す図である。システム10は、電極12のアレイを有するプローブ11を備える。電極12は、プローブ表面の一部の上に規則的に配列されることが好ましい。選択された電極12は感知用に設計され、他の電極は刺激用に備えられる。感知電極12の寸法は、刺激電極12の寸法と異なっていてもよい。正確な測定のため、電極12は小さいことが好ましい。刺激伝達に対する低いインピーダンスのため、刺激電極12は幾分大きいことが好ましい。
【0015】
システム10の好ましい実施形態において、全ての電極12は、感知用にも刺激用にも使用できる。スイッチングユニット13は、電極12の感知機能と刺激機能との間のスイッチング用に設けられる。電極12の寸法は、正確な感知および刺激のための低いインピーダンスの双方を可能にするようにバランスが取られることが好ましい。標的サイズ、例えば視床下核のサブパートは、1mmと小さい場合がある。正確な感知を可能にするため、電極は、0.1〜1mmの範囲の表面積を持つ二重目的の電極であることが好ましい。
【0016】
二重目的電極12を使用する重要な利点は、刺激振幅の適切な分布を決定する電気的問題が対称的になり、それにより最良の結果をもたらすことである。スイッチングユニット13は、プロセッサ14により制御される。プロセッサ14は、全ての電極12を同一のモード(感知または刺激)に設定するようスイッチングユニット13を制御するか、または一部の電極12を感知モードにしながら、他方の電極12を使用するよう選択することができる。
【0017】
プロセッサ14の影響下で、スイッチングユニット13は、電極12を感知コントローラ15、または刺激コントローラ16のいずれかに結合させる。システム10は、電力管理モジュールを含むことのできるバッテリユニット17により電力が供給される。バッテリユニット17は、電力を必要とするシステムの全ての部品に電力を供給する。プロセッサ14はシステム10の機能を制御し、脳深部刺激用刺激振幅の空間分布を決定して電極12に印加するよう、システム10の上記の機能部に指示するよう作動する。
【0018】
なお、本発明は、別個の測定システムの埋め込まれたプローブから感知信号を受信するオフラインシステムにも使用できる。オフラインシステムは、本発明に従う信号を処理し、刺激信号の空間分布を埋め込まれたプローブに送信する。埋め込まれたプローブは、受信した刺激信号の空間分布に従い刺激を供給する。
【0019】
図2は、本発明の方法のフロー図を示す。この方法は、プロセッサ14の制御の下で、図1のシステム10により実行される。この方法は、神経細胞活性を示す信号をプローブ11上の電極12から取得する感知ステップ21から開始される。このため、プロセッサ14は、スイッチングユニット13に電極12の少なくとも一部を感知コントローラ15に結合するよう指示する。電極12は、電極で(またはその近くで)神経細胞活性を示す信号を捕捉する。次にプロセッサ14は、感知コントローラ15を介して取得信号を受信する。電極12から受信される感知信号の例を、図3に示す。
【0020】
図3は、感知電極12のアレイにより取得された信号31の例を示す。図3に示す信号31は、例示の目的で示される模擬信号31である。この測定された神経細胞活性信号31をもたらす模擬環境において、一次元プローブ11は、0.5mmの等間隔距離で配置された33個の電極12が用いられる。電極のアレイの高さは、0から16mmまでである。病理学的(電気的)神経細胞活性のソース/シンクは、対応する電極12において測定されるピーク振幅を生じさせるそれぞれ高さ7mmおよび10mmにおいて、プローブ11から横方向1mmに配置される。
【0021】
脳の神経細胞活性測定後、プロセッサ14は、非定型神経細胞活性のある1つ以上の脳部位を見いだすため、信号処理ステップ22(図2)において取得信号31を処理する。このような非定型神経細胞活性のある部位は、電気刺激による効果が期待できる病的挙動の神経細胞を示す。信号処理ステップ22において、非定型または疑わしい神経細胞活性を認識するため、多数の異なるアルゴリズムを用いることができる。非常に基本的なアルゴリズムにおいて、プロセッサ14は、所定の(正または負の)トリガレベルを超える信号振幅を探すことができる。刺激振幅は次に、過大な神経細胞活性を測定する電極12に向けられる。
【0022】
より高度なアルゴリズムで、取得信号31から特徴を抽出することができる。例えば、帯域通過フィルタが、特定周波数範囲の神経細胞活性を検出するため用いられる。ベータ帯域(8〜30Hz)における増大した活性は、例えば、パーキンソン病の症状に関連する可能性がある。これは、処理された信号の最も高い振幅を持つ電極12を刺激して処置することができる。ベータ帯域の例において、8〜30Hzの大部分の信号を捕捉する電極12が刺激され得る。
【0023】
非定型的に動作する神経細胞組織を探索する好適なアルゴリズムは、図4から6を参照して以下に説明される。この好適なアルゴリズムは、ヘルムホルツ相反定理と組み合わされた電流源密度イメージング(current-source-density imaging)として知られる技術を用いる。
【0024】
図4は、図3の信号31の二次空間導関数41を示す。計算された二次空間導関数は、その活性源が取得した信号31から直接可視しにくい場合も、神経細胞活性源の空間位置を非常に明確に示す。代替として、システムは帯域通過フィルタ処理された信号または測定信号から抽出された他の特徴の二次空間導関数を用いることができる。
【0025】
振幅選択ステップ23(図2)において、刺激振幅の適切な空間分布が決定される。この空間分布は、取得信号31から直接、または追加の処理ステップを経て間接的に算出される。ヘルムホルツ相反定理に従い、計算された二次空間導関数値に直接関係する電極12アレイに対する電流分布の適用により、電気刺激が測定された活性源に向けられる。
【0026】
図5は、図4に示す二次空間導関数値41に基づいて決定された例示的な刺激振幅の空間分布51を示す。この分布51に対して、2つの独立するパルス発生器のみが利用可能であると考えられる。先ず、ゼロから最も外れる二次空間導関数の2つの領域:6.5〜7.5mmおよび9.5〜10.5mmが決定される。2つの領域の両方において、3つの電極が利用できる。2つの領域にわたり平均化し、基準化すると、3つの電極の第1領域に刺激振幅+0.15が、3つの電極の第2領域に−0.15が印加される。刺激振幅の空間分布51の決定は、プロセッサ14により実行される。
【0027】
刺激ステップ24において、プロセッサ14は次に、スイッチングユニット13がプローブ、または少なくとも必要な電極12を刺激モードに設定すると同時に、刺激振幅の空間分布51を電極12に印加するよう刺激コントローラ16に指示する。
【0028】
図6は、本発明の方法による刺激電場電位(stimulation field potential)を示す。その電位は、横方向1mmで高さ7mmおよび10mmに位置する神経細胞活性(図4)に対する二次導関数に基づいたものである。このプロットは、推定される神経細胞活性の位置で強い電位勾配が生じることを示す。
【0029】
図7は、(神経細胞活性化を促進する)いわゆる活性化作用を示し、それは7mmおよび10mmの所望の位置で印加された刺激電場ピークの二次導関数に比例する。
【0030】
本発明の方法の実施形態において、神経細胞活性は電極12で二度測定される。一度は患者に投薬した状態で、一度は患者に投薬しない状態で測定される。活性(または引き出された特徴)における最大の差異が測定されるこれらの電極12は、刺激振幅を供給するために用いられる。そのため、薬剤反応は、どちらの電極を用いるかについてのプレフィルタ処理を提供する。
【0031】
当然のことながら、本発明はコンピュータプログラム、特に本発明を実行するのに適応するキャリア上またはキャリア内のコンピュータプログラムにも及ぶことが理解される。プログラムは、ソースコード、オブジェクトコード、部分的にコンパイルされた形式などの中間のソースおよびオブジェクトコードの形式、または本発明の方法を実行するのに適した任意の他の形式であってよい。このようなプログラムは、多くの異なるアーキテクチャ設計を持つことができることも理解されよう。例えば、本発明による方法またはシステムの機能を実行するプログラムコードは、1つ以上のサブルーチンに再分割することができる。機能性をこれらのサブルーチン間に分配する多くの異なる方法は、当業者には明らかである。サブルーチンは、1つの実行ファイルにまとめて保存され、自己内蔵型プログラムを構成することができる。前記の実行ファイルは、例えばプロセッサ命令および/またはインタプリタ命令(例を挙げるとJava(登録商標)インタプリタ命令)などのコンピュータ実行可能な命令を含む。代替として、サブルーチンの1つ以上または全てを、少なくとも1つの外部ライブラリファイルに記憶し、例えば実行時に、メインプログラムに静的または動的どちらかでリンクさせることができる。メインプログラムは、少なくとも1つのサブルーチンに対して少なくとも1つの呼出しを含む。また、サブルーチンは互いに関数呼出しを含むことができる。コンピュータプログラム製品に関する実施形態は、前述の方法の少なくとも1つの処理ステップのそれぞれに対応するコンピュータ実行可能な命令を含む。これらの命令は、サブルーチンに再分割および/または静的または動的にリンクできる1つ以上のファイルに記憶することができる。コンピュータプログラム製品に関する別の実施形態は、前述のシステムおよび/または製品の少なくとも1つの手段のそれぞれに対応するコンピュータ実行可能な命令を含む。これらの命令は、サブルーチンに再分割および/または静的または動的にリンクできる1つ以上のファイルに記憶することができる。
【0032】
コンピュータプログラムのキャリアは、プログラムを持ち運ぶことができる任意の構成要素または機器であり、例えばキャリアは、CD−ROMまたは半導体ROMなどのROM等の記憶媒体、またはフレキシブルディスクあるいはハードディスクなどの磁気記録媒体を含んでもよい。さらにキャリアは、電気ケーブルまたは光ケーブル、あるいは無線または他の手段で伝達することできる電気または光信号のような伝送可能なキャリアであってもよい。プログラムがそのような信号で具現化される場合、キャリアは前記のケーブルまたは他の機器あるいは手段で構成される。代替として、キャリアはプログラムが具現化される集積回路でもよく、その集積回路は関連のある方法を実行するよう、または関連のある方法の実行に用いられるよう構成される。
【0033】
上記の実施形態は本発明を限定するものではなく、当業者が添付請求の範囲から逸脱しない限り多くの代替実施形態を設計できることに留意されたい。請求項において、括弧内のいかなる参照符号も、請求項を限定するものとして解釈されてはならない。動詞「備える」およびその語形変化の使用は、請求項に記載された以外の要素またはステップの存在を除外しない。要素に先行する不定冠詞は、そのような要素の複数の存在を除外するものではない。本発明は、いくつかの個別要素を含むハードウェア、および適切にプログラムされたコンピュータにより実行することができる。いくつかの手段を列挙する装置請求項において、これらの手段のいくつかは、同一のハードウェアの要素により具現化することができる。特定の手段が互いに異なる従属請求項に記載される単なる事実は、これらの手段の組合せが優位性のために使用できないことを示すものではない。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
脳の対応する位置で神経細胞活性を示す信号を取得するための感知電極(12)のアレイおよび対応する脳部位に刺激振幅を印加するための刺激電極(12)のアレイを有するプローブ(11)と、
前記感知電極(12)および前記刺激電極(12)に動作可能に結合されたプロセッサ(14)であって、
前記感知電極(12)から前記取得信号を受信し、
前記取得信号を処理して非定型神経細胞活性のある少なくとも1つの脳部位を見いだし、
前記取得信号に基づいて前記刺激電極(12)のアレイ上部の刺激振幅の空間分布を決定し、
前記非定型神経細胞活性のある少なくとも1つの部位を刺激するため、前記刺激振幅の空間分布を前記刺激電極(12)のアレイに印加するためのプロセッサ(14)と
を備える脳深部刺激用システム(10)。
【請求項2】
前記感知電極(12)のうちの少なくとも1つおよび前記刺激電極(12)のうちの少なくとも1つは、1つの複合電極(12)に結合される、請求項1に記載の脳深部刺激用システム(10)。
【請求項3】
前記電極(12)は、0.1〜1mmの範囲の表面積を持つ電極表面を有する、請求項2に記載の脳深部刺激用システム(10)。
【請求項4】
脳部位の神経細胞活性は、前記取得信号または前記処理された信号が所定レベルを超える場合、非定型とみなされる、請求項1に記載の脳深部刺激用システム(10)。
【請求項5】
前記処理は、前記取得信号の二次空間導関数を計算する工程を含む、請求項1に記載の脳深部刺激用システム(10)。
【請求項6】
脳部位の神経細胞活性は、前記取得信号の二次空間導関数が所定の限界値を超える場合、非定型とみなされる、請求項5に記載の脳深部刺激用システム(10)。
【請求項7】
前記刺激振幅の空間分布が、前記取得信号の二次空間導関数に実質的に比例する、請求項5に記載の脳深部刺激用システム(10)。
【請求項8】
前記処理は、前記取得信号を帯域通過フィルタ処理することを含む、請求項1に記載の脳深部刺激用システム(10)。
【請求項9】
脳部位の神経細胞活性は、前記帯域通過した信号が過大な活性を示す場合、非定型とみなされる、請求項8に記載の脳深部刺激用システム(10)。
【請求項10】
前記処理は、前記取得信号から少なくとも1つの固有の特徴を抽出することを含む、請求項1に記載の脳深部刺激用システム(10)。
【請求項11】
前記処理は、前記抽出した固有の特徴の二次空間導関数を計算することを含む、請求項10に記載の脳深部刺激用システム(10)。
【請求項12】
脳深部刺激用の空間分布刺激振幅を決定するための方法であって、
感知プローブ上の感知電極のアレイから、脳の対応する位置で神経細胞活性を示す取得信号を受信する工程(21)と、
非定型神経細胞活性のある少なくとも1つの脳部位を見いだすため、前記取得信号を処理する工程(22)と、
前記取得信号に基づいて前記刺激電極のアレイ上部の刺激振幅の分布を決定する工程(23)と
を含む、方法。
【請求項13】
脳深部刺激用の空間分布刺激振幅を印加するための方法であって、
脳の対応する位置で神経細胞活性を示す信号を取得するための感知電極のアレイを有する感知プローブを用いる工程と、
非定型神経細胞活性のある少なくとも1つの脳部位を見いだすため、前記取得信号を処理する工程(22)と、
前記取得信号に基づいて、刺激電極のアレイ上部の刺激振幅の空間分布を決定する工程(23)と、
前記非定型神経細胞活性のある少なくとも1つの部位を刺激するため、前記刺激振幅の空間分布を刺激電極のアレイに印加する工程(24)と
を含む、方法。
【請求項14】
プロセッサが請求項12または13の方法を実行するように動作する、コンピュータプログラム製品。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公表番号】特表2013−500115(P2013−500115A)
【公表日】平成25年1月7日(2013.1.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−522298(P2012−522298)
【出願日】平成22年7月23日(2010.7.23)
【国際出願番号】PCT/IB2010/053352
【国際公開番号】WO2011/013041
【国際公開日】平成23年2月3日(2011.2.3)
【出願人】(511255465)
【Fターム(参考)】