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腐食防止剤
説明

腐食防止剤

驚くべきことに、単純なジオールおよびトリオールは、例えば工場およびプラント内の金属製装置での添加剤として使用される、濃有機および無機酸で、腐食防止剤として働くことが発見された。これらの腐食防止剤は、安価であり、大量に容易に利用可能である。ジオールおよびトリオールは、酸の蒸発を低減させ、したがって作業環境を改善する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ジオールもしくはトリオールまたはこれらの混合物が、微生物増殖を低減または防止するために生産工場またはプラント内の金属または金属製装置中で使用される酸または酸含有組成物に添加されたときに、腐食低減または防止効果を発揮するという発見と関係がある。そのような工場またはプラントは、草(grass)のサイレージ(silage)、魚および/または魚加工品のエンシレージ(ensilage)、食肉処理場の廃棄物および食物廃棄物の連続処理/エンシレージのための工場またはプラント、あるいは家禽やブタなどの家畜(farm house animal)用の飲料設備(drinking facilities)であってもよい。皮なめし工場、冶金工業、およびパルプ工場は、大量の酸が使用される工場またはプラントの他の例である。
【0002】
有機酸は、微生物増殖を抑制するようになるときに、多くの有益な効果を発揮する。このため有機酸は、有機物の保存のために頻繁に使用される。プロピオン酸は、草のサイレージ用の穀物保存剤として、および飼料添加物として使用される。ギ酸は、魚、食肉処理場廃棄物、食物廃棄物、および草のエンシレージで使用され、またブタおよびニワトリの飼料にも使用される。酢酸は、魚の保存に使用される、安息香酸は、魚のエンシレージに使用される。その他の酸、または酸の混合物も使用される。有機酸は、とりわけブタおよび家禽用の飲料水にも使用される。ブタ、ヒツジ、ヤギ、家禽、ウシ、ウマ、イヌ、ネコ、および毛皮動物用の配合飼料(compound feed)への有機酸の添加は、それらの成長および健康に有効な効果を発揮する。さらに、配合飼料に酸を添加することによって、食肉の品質に影響を及ぼす成長の増大を引き起こすことなく、成長1kg当たりで消費される配合飼料の量が減少する。これは、飼養期間の短縮およびより良好なハウジング利用(housing utilization)によって、飼料コストを低下させる。
【0003】
硫酸、亜硫酸、および塩酸のような強酸は、多くのプロセスで使用される。なめし、冶金、およびパルプ化は、ごくわずかな例である。
【0004】
しかし、酸、特にギ酸や鉱酸などの強酸の使用には、装置の腐食を含めたいくつかの問題がある。酸は腐食性であり、これらの酸の取扱いによる毎年の腐食により、何百万ドルも費やされる。特にペレット化飼料の生産ラインにおいて、貯蔵タンク、パイプ、バルブ、および混合装置には、相当な腐食が生じる。これが運転コストを上昇させ、メンテナンスおよびシステム監視の負担増をもたらす。
【0005】
これら製品をハンドリングするための揮発分(volatile)の使用にも、問題がある。ギ酸は、皮膚に対して特に腐食性があり、エッチング(etching)によって損傷を引き起こす可能性があり、それが、全身防護が必要な理由である。例としてペレット化プロセス中に、温度は80〜95℃に上昇し、酸の一部は蒸発することになる。これは、その蒸気が呼吸に有害となり得る酸の一部の蒸発をもたらす。蒸発による酸の損失は、環境問題を引き起こすだけではなく、経済的コストの問題を引き起こす。
【0006】
以前、リグノスルホン酸やその塩などのポリマー強酸を添加することによって、上記悪影響の一部が軽減された(特許WO00/27220、PCT/NO99/00309)。
【0007】
本発明では、酸の使用に関連した上述の問題を、ジオールまたはトリオール、特にグリセロールを添加することによって低減させた。驚くべきことに、低下した腐食速度は、酸の希釈から予測される値をはるかに超えることが示された。
【0008】
ジオールとは、2個のヒドロキシル基を有する任意の有機化合物、例えばエチレングリコールまたはプロピレングリコールを意味する。トリオールとは、3個のヒドロキシル基を有する任意の有機化合物、例えばグリセロールを意味する。ジオールおよびトリオールは、発酵によって、加水分解によって、またはエステル交換によって生成することができる。グリセロールは、脂肪の鹸化、およびバイオディーゼル生産中の、脂肪から脂肪酸メチルエステルへの鹸化から、大量に生成される。
【0009】
ジオールまたはトリオールは、酸との最終混合物の10から90%の量で、好ましくは40から60%の量で添加される。
【0010】
糖および糖アルコールは、以前から腐食防止剤と言われている(FR2391261A)。単純な(simple)ジオールおよびトリオールの利点は、いくつかある。これらは、より安価である。これらは室温で液体であり、したがって任意の配合で使用することが、より容易である。グリコールのようなジオールまたはトリオールグリセロールの使用により、本発明者らは化学的原材料として、乏しい食糧資源を使用していない。
【0011】
グリセロールが、アンモニアで部分中和されたギ酸での皮膚腐食を低減させることが示されている(NO307591B)。本発明者らは、ジオールまたはトリオールが、酸を全く中和することなく金属の腐食防止剤としても機能することを、ここに示す。
【0012】
以下の例は、本発明の範囲をいかようにも限定することなく、本発明を例示することを意味する。
【0013】

腐食試験
炭素鋼試片(coupons)C1018を、腐食試験に使用した。試片を、アセトン中で10分間超音波処理し、次いで加熱キャビネット内で乾燥し、デシケータ内で冷却し、計量した。試片を、酸および添加された腐食防止剤で満たされた試験瓶内で、ポリプロピレンストリップに吊るした。瓶をプラスチックフィルムで密封して、酸の蒸発を防止した。試験瓶を磁気スターラ上に配置して、溶液中の拡散勾配を防止した。3日後、鋼試片を瓶から取り出し、温水およびアセトンで洗浄し、その後、加熱キャビネット内で乾燥し、デシケータ内で冷却し、計量した。全ての実験は二重に行い、それらの平均腐食速度が得られた。
【0014】
腐食速度CR(mm/年)を、次の式を使用して、鋼試片の重量損失から決定した。
【0015】
【数1】

【0016】
ρ鋼=7.718g/cm3
表面積=27.2cm2
【0017】
様々な試験からの結果を、以下の表に示す。
【0018】
【表1】

【0019】
全ての濃度において、グリセロールが、少なくとも商業的に使用されているリグノスルホネートと同様に有効であることがわかる。
【0020】
【表2】

【0021】
全ての濃度において、グリセロールが、少なくとも商業的に使用されているリグノスルホネートと同様に有効であることがわかる。
【0022】
【表3】

【0023】
グリセロールがいくつかの鉱酸および有機酸に有効であることがわかる。
【0024】
【表4】

【0025】
ジオールおよびトリオールが良好な腐食防止を示し、一方、単純なアルコールは示さないことがわかる。
【0026】
蒸発試験
500mlの、50:50重量%のグリセロール:ギ酸、リグノスルホネート:ギ酸、水:ギ酸溶液を作製した。純粋なギ酸を参照として含めた。正確に100gの各溶液を、2つの異なるビーカーに入れた。
【0027】
上記サンプルを、撹拌しながら、また撹拌せずに、室温で保持した。重量を、4時間、26時間、58時間、および89時間において記録した。結果を図1および2に示す。全ての添加剤が、室温での重量損失を低減させたが、トリオールは他の添加剤よりもさらに有効であることがわかる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】種々の添加剤の、時間に対する蒸発損失(撹拌しながら室温で)を示すグラフである。
【図2】種々の添加剤の、時間に対する蒸発損失(撹拌せずに室温で)を示すグラフである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
有機もしくは無機酸、または酸の混合物に対する腐食防止剤としての、ジオールもしくはトリオール、またはジオールおよび/もしくはトリオールの混合物の使用。
【請求項2】
前記ジオールもしくはトリオール、またはこれらの混合物が、全混合物の10から90%を構成する、請求項1に記載の使用。
【請求項3】
前記トリオールがグリセロールであり、前記ジオールがグリコールである、請求項1または2に記載の使用。
【請求項4】
前記混合物が、別の腐食防止剤を含有する、請求項1から3の何れかに記載の使用。

【図1】
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【図2】
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【公表番号】特表2010−539329(P2010−539329A)
【公表日】平成22年12月16日(2010.12.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−524807(P2010−524807)
【出願日】平成20年9月15日(2008.9.15)
【国際出願番号】PCT/NO2008/000329
【国際公開番号】WO2009/035341
【国際公開日】平成21年3月19日(2009.3.19)
【出願人】(510071688)ボレガード インダストリーズ リミテッド ノルゲ (1)
【氏名又は名称原語表記】BORREGAARD INDUSTRIES LIMITED NORGE
【Fターム(参考)】