説明

腕装着型の電子機器およびその制御方法

【課題】腕装着型の電子機器の表示の向きを適切に自動制御可能として、腕装着型の電子機器の腕への装着向きの自由度を高めること。
【解決手段】腕時計1において、表示部30を有する本体部2が、バンド部3によって腕に装着されるが、本体部2は腕の内側及び外側の何れにも装着可能であり、且つ、上下何れの向きにも装着可能に構成されている。従って、装着パターンとしては、装着時の表示部30の表示面法線方向と当該表示部30の向きとの組み合わせでなる4通りの装着パターンが考えられる。本実施形態では、装着パターン判別部11が、本体部2に内蔵された加速度センサー60の検知結果に基づいて現在の装着パターンを判別する。そして、表示向き制御部13が、装着パターンの判別結果に応じて表示部30の表示向きを変更制御する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、腕装着型の電子機器等に関する。
【背景技術】
【0002】
腕装着型の電子機器には、腕時計や歩数計、GPS装置、小型コンピューターなど様々なものがある。これらの腕装着型の電子機器は、基本的に左右どちらの腕にも装着可能である。また、例えば腕時計に代表されるように、手首の内側及び外側のどちらに向けても装着可能であるのが通常である。
【0003】
但し、一般的な電子機器は上下の向きが定まっているため、上下の向きを逆にして装着すると、上下逆に表示されてしまう。そこで、上下逆に装着した場合の対応策として、所定のボタンの長押し操作によって表示向きを上下逆にする技術が特許文献1に記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2008−286799号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上下の向きを逆にして装着したいユーザーにとってみれば、上下の表示向きを逆にするためにわざわざボタン操作が必要となるのは手間である。
【0006】
そこで、本発明は、腕装着型の電子機器の表示の向きを適切に自動制御可能として、腕装着型の電子機器の腕への装着向きの自由度を高めることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するための第1の形態は、表示部を有する本体部と、前記本体部を腕に装着するためのバンド部と、前記本体部の所定位置に設けられたGPSアンテナ部と、加速度センサーと、装着時の前記表示部の表示面法線方向と当該表示部の向きとの組み合わせでなる複数の装着パターンのうち、現在の装着パターンを前記加速度センサーの検知結果に基づいて判別する判別部と、前記判別部の判別結果に応じて前記表示部の表示向きを変更制御する表示向き制御部と、を備え、前記本体部を腕の内側及び外側の何れにも装着可能であり、且つ、前記本体部を上下何れの向きにも装着可能に構成された腕装着型の電子機器である。
【0008】
また、他の形態として、表示部を有する本体部と、前記本体部を腕に装着するためのバンド部と、前記本体部の所定位置に設けられたGPSアンテナ部と、加速度センサーとを備え、前記本体部を腕の内側及び外側の何れにも装着可能であり、且つ、前記本体部を上下何れの向きにも装着可能に構成された腕装着型の電子機器の制御方法であって、装着時の前記表示部の表示面法線方向と当該表示部の向きとの組み合わせでなる複数の装着パターンのうち、現在の装着パターンを前記加速度センサーの検知結果に基づいて判別することと、前記判別された結果に応じて前記表示部の表示向きを変更制御することと、を含む制御方法を構成することとしてもよい。
【0009】
この第1の形態等によれば、表示部を有する本体部が、バンド部によって腕に装着されるが、本体部は腕の内側及び外側の何れにも装着可能であり、且つ、上下何れの向きにも装着可能である。従って、装着パターンとしては、装着時の表示部の表示面法線方向と当該表示部の向きとの組み合わせでなる複数の装着パターンが考えられる。第1の形態等によれば、加速度センサーの検知結果に基づいて現在の装着パターンを判別することができる。そして、その判別結果に応じて表示部の表示向きを変更制御することで、適切な表示向きに自動制御することができる。
【0010】
また、第2の形態として、第1の形態において、所定時間分の前記加速度センサーの検知結果に基づいて歩行中か否かを判定する歩行判定部を更に備え、前記判別部が、前記歩行判定部により歩行中と判定された場合の前記加速度センサーの検知結果を用いて装着パターンを判別する、電子機器を構成することとしてもよい。
【0011】
この第2の形態によれば、所定時間分の加速度センサーの検知結果に基づいて歩行中か否かが判定される。そして、歩行中と判定された場合の加速度センサーの検知結果を用いて装着パターンが判別される。歩行中は、腕の動きが概ね一定である。このため、歩行中の加速度センサーの検知結果を用いることで、装着パターンを適切に判別することができる。
【0012】
また、第3の形態として、第2の形態において、前記判別部が、前記加速度センサーにより検知された前記表示部の表示面方向に沿った2次元の加速度に基づいて、装着パターンを判別する、電子機器を構成することとしてもよい。
【0013】
この第3の形態によれば、加速度センサーの検知方向は、表示部の表示面方向に沿った2次元で済む。このため、3次元の加速度センサーに比べて安価な加速度センサーで済み、電子機器全体の製造コストを低減することが可能となる。
【0014】
また、第4の形態として、第1〜第3の何れかの形態において、前記GPSアンテナ部は、前記バンド部に接続された前記本体部の一端部側或いは他端部側の何れかの側部に設けられてなり、前記判別部の判別結果に基づいて、前記GPSアンテナ部が設けられた前記所定位置が装着腕の親指側にくる装着向きとなっているか否かを判定する好適向き判定部と、前記好適向き判定部の判定結果に応じた報知をする報知部と、を更に備えた電子機器を構成することとしてもよい。
【0015】
また、この場合、第5の形態として、前記報知部が、前記好適向き判定部による判定結果が、前記所定位置が装着腕の親指側にくる装着向きとなっていないと判定された場合に、装着向きの変更を促す報知を行う、電子機器を構成することとしてもよい。
【0016】
第4の形態によれば、バンド部に接続された本体部の一端部側或いは他端部側の何れかの側部にGPSアンテナ部が設けられている。そして、判別された装着パターンに基づいて、GPSアンテナ部が装着腕の親指側にくる装着向きになっているか否かが判定される。GPSアンテナ部は、天空上のGPS衛星からの信号を受信する。そのため、GPSアンテナ部が装着腕の親指側にくる装着向きとなっていれば、GPS衛星からの信号受信に好適となる。
【0017】
そこで、例えば、第5の形態のように、GPSアンテナ部が装着腕の親指側にくる装着向きとなっていない場合に、装着向きの変更を促す報知をすることで、GPS衛星からの信号受信に好適な向きに装着するよう促すことができる。
【0018】
また、第6の形態として、第1〜第5の何れかの形態において、前記本体部に点対称な位置に設けられた複数のボタンと、前記判別部の判別結果に応じて前記複数のボタンそれぞれの機能を切り替えるボタン機能切替制御部と、を更に備えた電子機器を構成することとしてもよい。
【0019】
この第6の形態によれば、本体部には、点対称な位置に複数のボタンが設けられており、現在の装着パターンに応じて、各ボタンの機能が切り替え制御される。本体部は腕の内側及び外側の何れにも装着可能であり、且つ、上下何れの向きにも装着可能である。例えば、本体部の左右に1つずつボタンがある場合、装着パターンに関わらず、ユーザーから見て同一の相対方向(左なら左)に位置するボタンに同一の機能を割り当てるように制御すれば、装着向きを変えたとしても、ユーザーはボタン操作に迷うことがない。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】腕時計の概略外観図。
【図2】方向の定義の説明図。
【図3】歩行時の腕の動きの説明図。
【図4】検出加速度範囲の説明図。
【図5】腕時計の装着パターンの一例を示す図。
【図6】腕時計の装着パターンの一例を示す図。
【図7】腕時計の機能構成の一例を示すブロック図。
【図8】ボタン機能設定用テーブルのテーブル構成の一例を示す図。
【図9】メイン処理の流れを示すフローチャート。
【図10】装着パターン判別処理の流れを示すフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、図面を参照して、本発明を適用した好適な実施形態の一例について説明する。本実施形態は、腕装着型の電子機器の一種であり、手首に装着して利用可能な腕時計の実施形態である。本実施形態の腕時計は、衛星測位システムの一種であるGPS(Global Positioning System)を利用して位置算出可能に構成される。但し、本発明を適用可能な実施形態が以下説明する実施形態に限定されるわけでないことは勿論である。
【0022】
1.概略構成
図1は、本実施形態における腕時計1の概略外観図である。腕時計1は、主要な構成要素として、本体部2と、バンド部3とを備えて構成される。腕時計1は、上下の向きが定まっておらず、本体部2は、正面から見て本体部2の中心に対して上下左右対称の形状を有する。このため、ユーザーは、本体部2を手首の内側及び外側の何れにも装着可能であり、且つ、本体部2を上下何れの向きにも装着可能である。
【0023】
バンド部3は、ユーザーの手首に本体部2を固定・装着するための装着具であり、公知の構成でなる。任意の向きに本体部2を装着する容易性を安価に実現する構成としては、例えば、面ファスナーを備えたバンドや、収縮するゴム製のバンドが考えられる。
【0024】
本体部2は、腕時計1の本体であり、前面中央に表示部30を備える。表示部30は、例えば、液晶ディスプレイや、その駆動回路等を有して構成される。表示部30には、現在の時刻を示す時刻情報の他、本体部2に内蔵されたGPS位置算出部50によって算出された位置情報等が、例えばデジタル形式で表示される。
【0025】
また、本体部2には、加速度センサー60が内蔵されている。本実施形態において、加速度センサー60は、直交する3軸の加速度を検出する3次元の加速度センサーである。本実施形態では、加速度センサー60の検出軸は、図1の右部に示すように、本体部2のカバーガラス面の法線方向であって表示面側を正とする軸を「Z軸」、紙面向かって上方向を正とする上下方向の軸を「Y軸」、紙面向かって左方向を正とする左右方向の軸を「X軸」とする。
【0026】
本体部2の所定位置には、GPSアンテナ部5が内蔵配置されている。GPSアンテナ部5は、GPS衛星から発信されているGPS衛星信号を受信するためのアンテナを有する。
【0027】
本実施形態において、GPSアンテナ部5は、バンド部3に接続された本体部2のうち、Y軸負方向の一端部側の側部に設けられている。仮に、紙面向かって上方向を時計の12時方向、下方向を時計の6時方向と定義するのであれば、6時方向の一端部側の側部にGPSアンテナ部5が設けられていることになる。
【0028】
GPSアンテナ部5の近傍所定位置には、GPSアンテナ部5によって受信されたGPS衛星信号を利用して、腕時計1の位置を算出するGPS位置算出装置50が内蔵されている。腕時計1は、GPS位置算出装置50によって算出された腕時計1の位置を表示部30に表示する。
【0029】
また、本体部2は、点対称な位置に設けられた4つの操作ボタン(第1操作ボタン21〜第4操作ボタン24)を側面に有する。図1に向かって左上の操作ボタンから反時計回りに第1操作ボタン21〜第4操作ボタン24として以下説明する。
【0030】
第1〜第4操作ボタン21〜24には、それぞれ異なる機能が割り当てられる。本実施形態では、「ライト点灯」、「モード変更」、「時刻合わせ」及び「位置算出」の4種類の機能を割り当てるものとして説明する。詳細は後述するが、各操作ボタンに割り当てられる機能は、腕時計1の装着パターンの判別結果に応じて切り替えられる。
【0031】
表示部30には、第1〜第4操作ボタン21〜24に割り当てられている機能を簡略化した簡略化表示が、対応する操作ボタンの近傍位置に表示される。具体的には、「ライト点灯」、「モード変更」、「時刻合わせ」及び「位置算出」のそれぞれの機能に対応する簡略化表示として、「LIGHT」、「MODE」、「TIME」及び「POSITION」の4種類の簡略化表示が、表示部30の四隅に表示される。
【0032】
2.原理
図2は、本実施形態における方向の定義の説明図である。図2(1)は、ユーザーの左側面図であり、ユーザーが腕を鉛直下向きに下ろした状態を図示したものである。図2(1)において、紙面向かって右方向を後方向と定義し、紙面向かって左方向を前方向と定義する。つまり、ユーザーを基準とする前後方向と一致するように前後方向を定義する。
【0033】
図2(2)は、ユーザーの背面図であり、ユーザーが両腕を鉛直下向きに下ろした状態を図示したものである。図2(2)において、紙面向かって左方向を左方向と定義し、右方向を右方向と定義する。つまり、ユーザーを基準とする左右方向と一致するように左右方向を定義する。
【0034】
腕時計1は、ユーザーの右腕及び左腕の何れにも装着可能であり、また、手首の内側及び外側の何れにも装着可能である。そのため、腕時計1の装着の態様(装着パターン)として、複数の装着パターンを考えることができる。本実施形態では、上記の方向の定義に基づいて、複数の装着パターンを定義する。
【0035】
腕時計1は、ユーザーが腕時計1を装着した装着時における表示部30の表示面法線方向と表示部30の向きとの組み合わせでなる複数の装着パターンのうち、現在の装着パターンが何れであるかを、加速度センサー60の検知結果に基づいて判別する。具体的には、所定時間分の加速度センサー60の検知結果に基づいて、ユーザーが歩行中か否かを判定する。そして、歩行中と判定された場合に、加速度センサー60により検知された加速度を閾値判定し、その閾値判定の結果に基づいて、腕時計1の装着パターンを判別する。
【0036】
図3は、歩行時におけるユーザーの腕の動きの説明図である。ここでは、腕の動きを簡易化し、ユーザーが常に腕を伸ばした状態で歩行する状況を仮定する。図3には、左腕の外側で且つ標準向きに腕時計1が装着された状態を図示している。すなわち、腕を体側に沿って下ろした状態で、加速度センサー60のY軸正方向が後方向に、X軸正方向がユーザーの手首から肘に向かう方向に、Z軸正方向が左方向にそれぞれ一致するような姿勢で腕時計1がユーザーに装着されている。
【0037】
図3(1)に示すように、ユーザーの腕が真下を向いた時点では、X軸負方向が重力方向と一致する。そのため、X軸の検出加速度はおよそ「−1G」となる。また、Y軸及びZ軸の検出加速度はおよそ「0G」となる。
【0038】
図3(2)に示すように、腕が前方に約「45°」上がった時点では、X軸負方向及びY軸正方向に重力の分力がかかる。そのため、X軸の検出加速度はおよそ「−0.7G」となり、Y軸の検出加速度はおよそ「+0.7G」となる。また、Z軸の検出加速度はおよそ「0G」となる。
【0039】
図3(3)に示すように、腕が前方に約「90°」上がった時点では、Y軸正方向が重力方向と一致する。そのため、Y軸の検出加速度はおよそ「+1G」となる。また、X軸及びZ軸の検出加速度はおよそ「0G」となる。
【0040】
後方にも腕が若干振れるが、歩行時は一般的に図3(1)〜(3)の間で腕が動くと考えられる。そのため、X軸についてはおよそ「−1G〜0G」の範囲の加速度が検出され、Y軸についてはおよそ「0G〜+1G」の範囲の加速度が検出される。また、Z軸について検出される加速度はおよそ「0G」となる。この加速度センサー60によって検出される加速度の範囲(以下、「検出加速度範囲」と称す。)を腕時計1の装着パターン毎に分類してみる。
【0041】
図4は、検出加速度範囲の説明図であり、Y軸正方向と、Z軸正方向と、検出加速度範囲と、装着パターンとを対応付けたテーブルを図示している。腕時計1の装着パターン別に説明する。
【0042】
(1)パターンA
パターンAは、左腕の外側或いは右腕の内側に装着された場合であって、Y軸正方向が後方向となる向きに装着された場合である。座標軸で説明すると、Z軸正方向が左方向となり、Y軸正方向が後方向となる装着パターンである。この場合、検出加速度範囲は、X軸が「−1G〜0G」、Y軸が「0G〜+1G」、Z軸が「≒0G」となる。
【0043】
(2)パターンB
パターンBは、左腕の内側或いは右腕の外側に装着された場合であって、Y軸正方向が後方向となる向きに装着された場合である。座標軸で説明すると、Z軸正方向が右方向となり、Y軸正方向が後方向となる装着パターンである。この場合、検出加速度範囲は、X軸が「0G〜+1G」、Y軸が「0G〜+1G」、Z軸が「≒0G」となる。
【0044】
(3)パターンC
パターンCは、左腕の外側或いは右腕の内側に装着された場合であって、Y軸正方向が前方向となる向きに装着された場合である。座標軸で説明すると、Z軸正方向が左方向となり、Y軸正方向が前方向となる装着パターンである。この場合、検出加速度範囲は、X軸が「0G〜+1G」、Y軸が「−1G〜0G」、Z軸が「≒0G」となる。
【0045】
(4)パターンD
パターンDは、左腕の内側或いは右腕の外側に装着された場合であって、Y軸正方向が前方向となる向きに装着された場合である。座標軸で説明すると、Z軸正方向が右方向となり、Y軸正方向が前方向となる装着パターンである。この場合、検出加速度範囲は、X軸が「−1G〜0G」、Y軸が「−1G〜0G」、Z軸が「≒0G」となる。
【0046】
この結果から分かることは、腕時計1の装着パターンに応じて検出加速度範囲が異なる点である。特に、X軸及びY軸の検出加速度範囲の組み合わせは、装着パターン毎に異なる。従って、加速度センサー60により検知された表示部30の表示面方向に沿った2次元の加速度(X軸及びY軸の検出加速度)から、腕時計1の装着パターンを判別することができる。
【0047】
なお、実際にユーザーが歩行する場合、腕の動きは図3(1)〜(3)の全範囲とはならず、図3(1)〜(2)の範囲で繰り返される場合もある。そこで、例えば、図4の検出加速度範囲に基づき、X軸及びY軸の検出加速度に対する閾値を定めておく。具体的には、検出加速度範囲が「−1G〜0G」となる軸については、例えば、検出加速度の閾値として「−0.4G」を定めておく。また、検出加速度範囲が「0G〜+1G」となる軸については、例えば、検出加速度の閾値として「+0.4G」を定めておく。
【0048】
そして、X軸及びY軸について、所定期間分の検出加速度の平均値を検出軸別に算出し、算出された平均値に対する閾値判定を行うことで、加速度センサー60の検知結果が何れの検出加速度範囲に相当する結果となっているかを判定する。そして、その判定結果から、図4に従って腕時計1の装着パターンを判別する。
【0049】
図4で定義した装着パターンのうち、「パターンA」又は「パターンB」は、GPSアンテナ部5がGPS衛星信号を受信するのに適した向き(以下、「受信好適向き」と称す。)となる装着パターンである。「パターンA」又は「パターンB」では、ユーザーの歩行時にGPSアンテナ部5が天頂側を向くためである。
【0050】
図5は、腕時計1の装着状態の一例を示す図である。図5に示す状態は、ユーザーの左腕の外側に、パターンAの態様で腕時計1が装着された状態を示している。この状態では、GPSアンテナ部5が設けられた位置(所定位置)が装着腕の親指側にくる装着向きとなる。そのため、図5に示すように、歩行時において、GPSアンテナ部5が設けられた一端部側が天頂方向を向くため、GPSアンテナ部5はGPS衛星信号を高感度に受信することができる。
【0051】
それに対し、「パターンC」又は「パターンD」は、GPSアンテナ部5がGPS衛星信号を受信するのに適さない向き(以下、「受信不適向き」と称す。)となる装着パターンである。「パターンC」又は「パターンD」では、ユーザーの歩行時にGPSアンテナ部5が地面側を向くためである。
【0052】
図6は、腕時計1の装着状態の別例を示す図である。図6に示す状態は、ユーザーの左腕の内側に、パターンDの態様で腕時計1が装着された状態を示している。この状態は、受信不適向きである。
【0053】
そこで、加速度センサー60の検出加速度に基づいて判別した装着パターンが「パターンC」又は「パターンD」である場合は、ユーザーに腕時計1の装着向きを変更するように促す所定の報知処理を行う。これは、GPSアンテナ部5の設定位置が装着腕の親指側にくる装着向きとなっていないと判定した場合に、装着向きの変更を促す報知を行うことに相当する。
【0054】
「パターンC」の装着向きを反転させると「パターンA」の装着向きとなる。そこで、装着パターンが「パターンC」であると判定した場合は、「パターンA」の態様に変更するように指示する。また、「パターンD」の装着向きを反転させると「パターンB」の装着向きとなる。そこで、装着パターンが「パターンD」であると判定した場合は、「パターンB」の態様に変更するように指示する。
【0055】
この場合における具体的な報知方法としては、例えば、同じ装着場所に本体部2の向きを上下逆にして腕時計1を装着し直すように指示するメッセージを表示部30に表示させたり、その旨の音声ガイダンスをスピーカーから音出力させることが考えられる。また、同じ腕の反対側に腕時計1を同じ向きで装着するよう指示するメッセージを表示部30に表示させたり、その旨の音声ガイダンスをスピーカーから音出力させることとしてもよい。その他に、所定のランプを表示させたり、圧電振動子を振動させるなどの方法も考えられる。
【0056】
ユーザーが腕時計1の装着向きを変更した場合、腕時計1は、装着パターンの判別結果に応じて表示部30の表示向きを変更制御する。また、腕時計1は、装着パターンの判別結果に応じて第1〜第4操作ボタン21〜24の機能を切り替え制御する。
【0057】
図6を参照して具体的に説明する。変更前の「パターンD」では、第1〜第4操作ボタン21〜24には、それぞれ「モード変更」、「ライト点灯」、「位置算出」及び「時刻合わせ」の機能が割り当てられている。腕時計1の装着向きを変更した場合、腕時計1は、加速度センサー60の検知結果に基づいて、腕時計1の装着パターンを「パターンB」と判別する。
【0058】
そこで、腕時計1は、表示部30の表示向きを制御し、且つ、各操作ボタンの機能を切替制御する。その結果、第1〜第4操作ボタン21〜24には、「位置算出」、「時刻合わせ」、「モード変更」及び「ライト点灯」の機能がそれぞれ割り当てられる。そして、その変更後の機能に応じた簡略化表示が表示部30に表示制御される。
【0059】
3.機能構成
図7は、腕時計1の機能構成の一例を示すブロック図である。腕時計1は、GPSアンテナ部5と、処理部10と、操作部20と、表示部30と、報知部40と、GPS位置算出部50と、加速度センサー60と、通信部70と、時計部80と、記憶部90とを備えて構成される。
【0060】
GPSアンテナ部5は、GPS衛星SVから発信されているGPS衛星信号を含むRF(Radio Frequency)信号を受信するアンテナであり、受信した信号をGPS位置算出部50に出力する。
【0061】
処理部10は、記憶部90に記憶されているシステムプログラム等の各種プログラムに従って腕時計1の各部を統括的に制御する制御装置及び演算装置であり、CPU(Central Processing Unit)やDSP(Digital Signal Processor)等のプロセッサーを有して構成される。
【0062】
処理部10は、例えば、装着パターン判別部11と、表示向き制御部13と、歩行判定部14と、ボタン機能切替制御部15と、受信好適向き判定部17と、報知制御部19とを機能部として有する。但し、これらの機能部は、一実施例として記載したものに過ぎず、必ずしもこれら全ての機能部を必須構成要素としなければならないわけではない。
【0063】
操作部20は、第1〜第4操作ボタン21〜24を有し、押下された操作ボタンの信号を処理部10に出力する。
【0064】
表示部30は、LCD(Liquid Crystal Display)等を有して構成され、処理部10から入力される表示信号に基づく各種表示を行う。
【0065】
報知部40は、上記の表示部30の他に、例えばスピーカーや圧電振動子等を有して構成され、処理部10から入力される報知信号に基づく各種報知を行う。例えば、音声ガイダンスをスピーカーから出力させたり、所定のランプを表示させたり、圧電振動子を振動させることで、ユーザーへの各種報知を行う。なお、表示部30を報知部40と別体として図示しているが、表示部30も報知部40の一種であることは勿論である。
【0066】
GPS位置算出部50は、GPSアンテナ部5で受信されたGPS衛星信号の受信信号に基づいて腕時計1の位置を算出し、算出した位置を処理部10に出力する。
【0067】
通信部70は、処理部10の制御に従って、装置内部で利用される情報をパソコン(PC(Personal Computer))等の外部の情報処理装置との間で送受する。この通信部70の通信方式としては、所定の通信規格に準拠したケーブルを介して有線接続する形式や、クレイドルと呼ばれる充電器と兼用の中間装置を介して接続する形式、近距離無線通信を利用して無線接続する形式等、種々の方式を適用可能である。
【0068】
時計部80は、水晶振動子及びその発振回路でなる水晶発振器等を有して時刻を計時する。時計部80の計時時刻は、処理部10に随時出力される。
【0069】
記憶部90は、ROM(Read Only Memory)やフラッシュROM、RAM(Random Access Memory)等の記憶装置によって構成され、腕時計1のシステムプログラムや、時刻表示機能、装着パターン判別機能といった各種機能を実現するための各種プログラム、データ等を記憶している。また、各種処理の処理中データ、処理結果などを一時的に記憶するワークエリアを有する。
【0070】
記憶部90には、プログラムとして、処理部10によってメイン処理(図9参照)として実行されるメインプログラム91が記憶されている。メインプログラム91は、装着パターン判別処理(図10参照)として実行される装着パターン判別プログラム911をサブルーチンとして含む。これらの処理については、フローチャートを用いて詳細に後述する。
【0071】
記憶部90には、データとして、ボタン機能設定用テーブル93と、装着パターン判別用データ95とが記憶される。
【0072】
ボタン機能設定用テーブル93は、各操作ボタンの機能を設定するために用いられるテーブルであり、そのテーブル構成例を図8に示す。ボタン機能設定用テーブル93には、装着パターン931と、操作ボタン933と、機能935とが対応付けて記憶されている。
【0073】
装着パターン931には、「パターンA」〜「パターンD」の4種類のパターンが定められている。操作ボタン933には、「第1操作ボタン」〜「第4操作ボタン」の4つの操作ボタンが定められている。また、機能935には、「ライト点灯」、「モード変更」、「時刻合わせ」及び「位置算出」の4種類の機能が定められている。
【0074】
具体的には、パターンAについて、第1操作ボタン21には「ライト点灯」が、第2操作ボタン22には「モード変更」が、第3操作ボタン23には「時刻合わせ」が、第4操作ボタン24には「位置算出」がそれぞれ対応付けて定められている。
【0075】
パターンAの機能に対し、パターンCの機能が点対称に定められている。つまり、パターンCについて、第1操作ボタン21には「時刻合わせ」が、第2操作ボタン22には「位置算出」が、第3操作ボタン23には「ライト点灯」が、第4操作ボタン24には「モード変更」がそれぞれ対応付けて定められている。
パターンB、Dについても同様である。
【0076】
装着パターン判別用データ95は、腕時計1の装着パターンを判定するために用いられるデータである。例えば、各軸の検出加速度に対する装着パターン別の閾値のデータがこれに含まれる。
【0077】
また、記憶部90には、検出加速度データ97と、算出位置データ99とが記憶される。検出加速度データ97は、加速度センサー60によって検出された3軸の加速度が時系列に記憶されたデータである。また、算出位置データ99は、GPS位置算出部50によって算出された腕時計1の位置が時系列に記憶されたデータである。
【0078】
4.処理の流れ
図9は、記憶部90に記憶されているメインプログラム91が処理部10によって読み出されることで、腕時計1において実行されるメイン処理の流れを示すフローチャートである。メイン処理では、処理部10は、加速度センサー60によって検出された加速度のデータを随時取得して検出加速度データ97に記憶させ、また、GPS位置算出部50によって算出された位置のデータを随時取得して算出位置データ99に記憶させるものとして説明する。
【0079】
先ず、処理部10は、加速度センサー60によって検出された加速度のデータを、所定期間分検出加速度データ97に記憶させるまで待機する(ステップA1;No)。そして、所定時間分の検出加速度のデータが記憶されたと判定すると(ステップA1;Yes)、歩行判定部14は、当該所定時間分の検出加速度のデータに基づいて、ユーザーが歩行中であるか否かを判定する(ステップA3)。
【0080】
歩行判定部14により歩行中ではないと判定された場合(ステップA3;No)、処理部10は、ステップA1に戻る。それに対し、歩行判定部14により歩行中と判定された場合(ステップA3;Yes)、処理部10は、記憶部90に記憶されている装着パターン判別プログラム911に従って装着パターン判別処理を行う(ステップA5)。
【0081】
図10は、装着パターン判別処理の流れを示すフローチャートである。
装着パターン判別部11は、加速度センサー60のX軸及びY軸について、過去所定期間分の検出加速度の平均値を算出する(ステップB1)。所定期間としては、例えば現在時刻から過去1秒分としてもよいし、過去2秒分としてもよい。
【0082】
次に、装着パターン判別部11は、記憶部90に記憶されている装着パターン判別用データ95を用いて、算出した検出加速度の平均値に対する閾値判定を実行する(ステップB3)。そして、装着パターン判別部11は、閾値判定の結果に基づいて腕時計1の装着パターンを判別した後(ステップB5)、装着パターン判別処理を終了する。
【0083】
図9のメイン処理に戻り、装着パターン判別処理を行ったならば、ボタン機能切替制御部15は、ボタン機能切替制御処理を行う(ステップA7)。具体的には、ボタン機能切替制御部15は、記憶部90に記憶されているボタン機能設定用テーブル93を参照し、ステップA5で判別された装着パターン931に対応付けられた機能935を、各操作ボタン933に設定する。
【0084】
また、表示向き制御部13が、表示向き制御処理を行う(ステップA9)。具体的には、表示向き制御部13は、ステップA5で判別された装着パターンに基づいて、表示部30に表示させる時刻情報や簡略化表示、位置情報等の表示向きを制御する。
【0085】
次いで、受信好適向き判定部17は、ステップA5で判別された装着パターンが「パターンC」であるか否かを判定する(ステップA11)。そして、この条件を満たす場合は(ステップA11;Yes)、報知制御部19が、「パターンA」の装着に促す報知制御を行う(ステップA13)。そして、処理部10は、ステップA1に戻る。
【0086】
また、ステップA11において条件を満たさないと判定した場合は(ステップA11;No)、受信好適向き判定部17は、ステップA5で判別された装着パターンが「パターンD」であるか否かを判定する(ステップA15)。そして、この条件を満たす場合は(ステップA15;Yes)、報知制御部19が、「パターンB」の装着に促す報知制御を行う(ステップA17)。そして、処理部10は、ステップA1に戻る。
【0087】
また、ステップA15において条件を満たさないと判定した場合は(ステップA15;No)、処理部10は、ステップA1に戻る。
【0088】
5.作用効果
腕時計1において、表示部30を有する本体部2が、バンド部3によって腕に装着されるが、本体部2は腕の内側及び外側の何れにも装着可能であり、且つ、上下何れの向きにも装着可能に構成されている。従って、装着パターンとしては、装着時の表示部30の表示面法線方向と表示部30の向きとの組み合わせでなる4通りの装着パターンが考えられる。本実施形態では、装着パターン判別部11が、本体部2に内蔵された加速度センサー60の検知結果に基づいて現在の装着パターンを判別する。そして、表示向き制御部13が、装着パターンの判別結果に応じて表示部30の表示向きを変更制御する。これにより、適切な表示向きに自動制御することができる。
【0089】
また、腕時計1では、本体部2に点対称な位置に、第1〜第4操作ボタン21〜24の4つのボタンが設けられている。ボタン機能切替制御部15は、装着パターン判別部11による装着パターンの判定結果に応じて、第1〜第4操作ボタン21〜24それぞれの機能を切り替える制御を行う。本体部2は腕の内側及び外側の何れにも装着可能であり、且つ、上下何れの向きにも装着可能である。従って、ユーザーから見て同一の相対方向に位置するボタン(例えば左上なら左上)に同一の機能を割り当てるように制御することで、装着向きを変えたとしても、ユーザーはボタン操作に迷うことがなくなり、至便である。
【0090】
腕時計1には、バンド部3に接続された本体部2の一端部側の側部にGPSアンテナ部5が設けられており、GPSアンテナ部5で受信されたGPS衛星信号を利用して、GPS位置算出部50が位置算出処理を行う。受信好適向き判定部17は、装着パターン判別部11の判別結果に基づいて、GPSアンテナ部5が設けられた位置(所定位置)が装着腕の親指側にくる装着向きとなっているか否かを判定する。そして、報知制御部19は、報知部40を介して、受信好適向き判定部17の判定結果に応じた報知を行う。
【0091】
具体的には、報知制御部19は、受信好適向き判定部17による判定結果がGPSアンテナ部5の設置位置が装着腕の親指側にくる装着向きとなっていないと判定した場合、装着向きの変更を促すよう報知部40を介して報知する。これにより、GPSアンテナ部5がGPS衛星からの信号受信に好適な向きとなるように、ユーザーに装着向きの変更を促すことができる。その結果、GPSアンテナ部5はGPS衛星信号を高感度に受信することができるようになり、ひいてはGPS位置算出部50による位置算出の正確性を向上させることができる。
【0092】
6.変形例
本発明を適用可能な実施例は、上記の実施例に限定されることなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能であることは勿論である。以下、変形例について説明する。
【0093】
6−1.電子機器
上記の実施形態では、本発明を手首に装着する腕時計に適用する場合について説明したが、あくまでもこれは一例であり、他の電子機器に対しても本発明を同様に適用可能であることは勿論である。
【0094】
電子機器の種類としては、歩数計やGPS装置、小型コンピューター等の電子機器に適用してもよいし、ユーザーの生体情報を測定する装置として、脈拍を計測する脈拍計や血圧を計測する血圧計に適用してもよい。
【0095】
また、電子機器の装着部位も、ユーザーの手首に限られない。例えば、上腕部に装着して利用可能な電子機器であってもよい。腕装着型の電子機器であれば本発明を適用可能である。
【0096】
6−2.GPSアンテナ部
上記の実施形態では、バンド部に接続された本体部の一端部側(Y軸負方向側)の側部にGPSアンテナ部が設けられているものとして説明したが、本体部の他端部側(Y軸正方向側)にGPSアンテナ部を設けることとしてもよいことは勿論である。この場合も、上記の実施形態と同様に考えることができることは言うまでもない。
【0097】
6−3.加速度センサー
上記の実施形態では、電子機器に内蔵される加速度センサーを3次元の加速度センサー60として説明した。しかし、原理で説明したように、表示部の表示面方向に沿った2次元の加速度に基づいて装着パターンを判別することが可能である。
【0098】
そこで、表示部30の表示面方向に沿った2次元の加速度(X軸及びY軸の加速度)を検出する2次元の加速度センサーを電子機器に内蔵することとしてもよい。この場合は、3次元の加速度センサーに比べて安価な加速度センサーで済むため、電子機器全体の製造コストを低減させることができる。
【0099】
6−4.操作ボタン
上記の実施形態では、操作ボタンとして第1〜第4操作ボタンの4つの操作ボタンが左右対称に配置されるものとして説明したが、操作ボタンの配置構成や個数はこれに限られるわけでないことは勿論である。例えば、本体部2の左右に1つずつボタンを配置することとしてもよい。
【0100】
6−5.装着態様の判別
表示部30の表示面方向に沿った2次元の加速度と併せて、表示面法線方向の加速度を用いることで、電子機器の装着態様をより詳細に判別することも可能である。
【0101】
例えば、上記の実施形態の腕時計1を左腕の外側に装着した場合、手の甲を上にして腕を前方に伸ばした状態では、加速度センサーのZ軸負方向が重力方向と一致する。このため、Z軸の検出加速度は「−G」となる。他方、左腕の内側に腕時計1を装着した場合、同じく手の甲を上にして腕を前方に伸ばした状態では、加速度センサーのZ軸正方向が重力方向と一致する。このため、Z軸の検出加速度は「+G」となる。右腕に腕時計1を装着する場合も同様に考えることができる。
【0102】
そこで、例えば、装置側からユーザーに手の甲を上にして腕を前方に伸ばすように指示し、その際に加速度センサーによって検出されるZ軸の加速度の正負の符号を記憶しておく。また、歩行時に検出されるX軸及びY軸の加速度に基づいて、上記の実施形態と同様に装着パターン(パターンA〜パターンD)を判別する。そして、予め記憶しておいたZ軸の加速度の正負の符号と、判別した装着パターン(パターンA〜パターンD)とに基づいて、腕時計1の装着腕(右腕又は左腕)及び装着場所(外側又は内側)を判別する。
【0103】
この場合は、腕時計1の装着腕及び装着場所を判別することができるため、腕時計1の装着向きが受信不適向きである場合は、腕時計1の装着向きを受信好適向きに変更するよう促す報知として、より詳細な指示を報知内容に含めることができる。例えば、ユーザーが左腕の内側に受信不適向きで腕時計を装着している場合は、左腕の内側に本体部2を上下逆にして腕時計1を装着し直すように指示する報知を行うことができる。或いは、左腕の外側に同じ向きで腕時計1を装着し直すように指示する報知を行ってもよい。
【符号の説明】
【0104】
1 腕時計、 2 本体部、 3 バンド部、 5 GPSアンテナ部、 10 処理部、 20 操作部、 30 表示部、 40 報知部、 50 GPS位置算出部、 60 加速度センサー、 70 通信部、 80 時計部、 90 記憶部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示部を有する本体部と、
前記本体部を腕に装着するためのバンド部と、
前記本体部の所定位置に設けられたGPSアンテナ部と、
加速度センサーと、
装着時の前記表示部の表示面法線方向と当該表示部の向きとの組み合わせでなる複数の装着パターンのうち、現在の装着パターンを前記加速度センサーの検知結果に基づいて判別する判別部と、
前記判別部の判別結果に応じて前記表示部の表示向きを変更制御する表示向き制御部と、
を備え、前記本体部を腕の内側及び外側の何れにも装着可能であり、且つ、前記本体部を上下何れの向きにも装着可能に構成された腕装着型の電子機器。
【請求項2】
所定時間分の前記加速度センサーの検知結果に基づいて歩行中か否かを判定する歩行判定部を更に備え、
前記判別部は、前記歩行判定部により歩行中と判定された場合の前記加速度センサーの検知結果を用いて装着パターンを判別する、
請求項1に記載の電子機器。
【請求項3】
前記判別部は、前記加速度センサーにより検知された前記表示部の表示面方向に沿った2次元の加速度に基づいて、装着パターンを判別する、
請求項2に記載の電子機器。
【請求項4】
前記GPSアンテナ部は、前記バンド部に接続された前記本体部の一端部側或いは他端部側の何れかの側部に設けられてなり、
前記判別部の判別結果に基づいて、前記GPSアンテナ部が設けられた前記所定位置が装着腕の親指側にくる装着向きとなっているか否かを判定する好適向き判定部と、
前記好適向き判定部の判定結果に応じた報知をする報知部と、
を更に備えた請求項1〜3の何れか一項に記載の電子機器。
【請求項5】
前記報知部は、前記好適向き判定部による判定結果が、前記所定位置が装着腕の親指側にくる装着向きとなっていないと判定された場合に、装着向きの変更を促す報知を行う、
請求項4に記載の電子機器。
【請求項6】
前記本体部に点対称な位置に設けられた複数のボタンと、
前記判別部の判別結果に応じて前記複数のボタンそれぞれの機能を切り替えるボタン機能切替制御部と、
を更に備えた請求項1〜5の何れか一項に記載の電子機器。
【請求項7】
表示部を有する本体部と、前記本体部を腕に装着するためのバンド部と、前記本体部の所定位置に設けられたGPSアンテナ部と、加速度センサーとを備え、前記本体部を腕の内側及び外側の何れにも装着可能であり、且つ、前記本体部を上下何れの向きにも装着可能に構成された腕装着型の電子機器の制御方法であって、
装着時の前記表示部の表示面法線方向と当該表示部の向きとの組み合わせでなる複数の装着パターンのうち、現在の装着パターンを前記加速度センサーの検知結果に基づいて判別することと、
前記判別された結果に応じて前記表示部の表示向きを変更制御することと、
を含む制御方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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