説明

膀胱の移行上皮癌を検出するための非侵襲性invitro方法

本発明は、尿分析により個体における膀胱の移行上皮癌を検出するため、個体における該癌の病期または重篤度を決定するため、または該癌に罹患している個体に行われた処置の効果を監視するための非侵襲性in vitro方法に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、尿分析による個体の尿中の膀胱の移行上皮癌の存在を検出するための非侵襲性in vitro方法、ならびに選択されたタンパク質に由来するペプチド配列の使用およびこの方法を行うためのキットに関する。
【0002】
発明の背景
膀胱癌は尿路の最もよく起こる癌であり;それは男性においては4番目によく起こる癌でありそして女性では8番目によく起こる癌である。それは、膀胱の移行上皮癌(BTCC、90%)、扁平上皮癌(7%)、腺癌(2%)および未分化癌(1%)を含む種々の組織学的タイプの腫瘍の広いスペクトルを含む。
【0003】
腫瘍のグレードおよび病期は、BTCCの最善の予後の指標である。膀胱腫瘍は、世界保健機関(WHO)に従って減少した分化の状態および増加した疾患の攻撃性においてG1(低グレード)からG3(高グレード)まで細胞形態学的に類別されている。病期または浸潤性に関しては、BTCCは表在性乳頭状(superficial papillary)(TaおよびT1)、筋肉浸潤性(muscle invasive)(T2〜T4)、または異常内癌(uncommon in situ carcinoma)もしくは内腫瘍(tumor in situ)(TIS)として分類される。
【0004】
低グレード腫瘍は、通常粘膜に限定されるかまたは表面層に浸潤する(病期TaおよびT1)。最も高いグレードの腫瘍は、少なくともT1病期で検出される(固有層に浸潤)。診断された膀胱癌症例の約75%は表在性である。残りの25%は、診断時に筋肉浸潤性である。表在性BTCCを有する患者は、良好な予後を有するが、70%の再発のリスクを有する。この高いリスクにもかかわらず、Ta腫瘍は、低グレードである傾向がありそして10〜15%のみが2年以内に筋肉浸潤に進行する。しかしながら、T2病期に進行するT1腫瘍の百分率はより高い(30〜50%)。
【0005】
現在、個体における膀胱癌のための最善の診断システムが膀胱鏡検査法および経尿道生検によりまたは切除術により確立され、この両者は侵襲性手順を表す。
【0006】
可動性膀胱鏡は、この技術をより攻撃的でなくするが、侵襲性かつ高度に不快なままであり、依然としてある形態の麻酔を必要とする。
【0007】
BTCCの診断のための広く普及している非侵襲性技術は、尿中の細胞の形態学的検査により新形成細胞を同定することである。従って、現在は膀胱癌を有すると診断されそして膀胱癌について処置された患者を監視するのに細胞学が使用される。尿細胞学は、膀胱鏡検査法により検出できない内腫瘍ならびに膀胱の上端部または上部尿路、即ち、尿管、骨盤および腎臓に位置した腫瘍を検出することができるけれども、いくつかの研究は、細胞学は膀胱癌診断における非常に低い感度を有しており、腫瘍の50%までを見落とすことを示している。細胞学からの所見は、微妙であり、そして反応性プロセスまたは変性プロセスと混同させることがある。細胞学の研究は専門的な個々の評価を必要とし、これは結果の入手可能性を遅延させそして更に最終結果に主観と変動を持ち込む。実際には、膀胱癌を診断するのに利用可能な高感度で且つ特異的な非侵襲性方法はない(Boman H. et al., J Urol 2002, 167: 80-83)。
【0008】
非侵襲性癌検出を改良するために多くの努力がなされた。プロテオーム技術、高分解能二次元電気泳動および質量分析法による癌細胞の発現プロファイリングの最近の進歩は、核マトリックスタンパク質NMP22(Soloway M. S. et al., J Urol 1996, 156:363-367)、ヒアルロン酸およびヒアルロニダーゼ(Pharm H. T. et al., Cancer Res 1997, 57: 778-783)、基底膜複合体(BTA, Pode D. et al., J Urol 1999, 161: 443-446)、癌胎児性抗原(CEA, Halim A. B. et al., Int J Biol Markers, 1992; 7: 234-239)、ウロプラキンII(Wu X. R. et al., Cancer Res 1998; 58:1291-1297)、細胞分散因子/肝細胞増殖因子(SF/HGF, Gohji K. et al., J Clin Oncol 2000; 18:2963-2971)、サイトケラチン20のようなケラチン/サイトケラチンファミリーのタンパク質(Buchumensky V. et al., J Urol 1998, 160: 1971-1974)、サイトケラチン18(Sanchez-Carbayo M. et al., Clin Cancer Res 2000, 6: 3585-3594)、乳癌8−Kaタンパク質(MAT-8, Morrison B. W. et al., J Biol Chem 1995, 270: 2176-2182)およびテロメラーゼ(Lee D.H. et al., Clinical Cancer Research 1998, 4: 535-538)などの膀胱癌のための腫瘍マーカーとして候補タンパク質を同定することを可能とした。
【0009】
Memon A. A et al. (Cancer Detect Prev 2005, 29:249-255)は、細胞系および生検からの膀胱癌中の7つのディファレンシャルに発現されるタンパク質を同定している。しかしながら、比較のためのコントロールは使用されていない。Langbein, S. et al (Technol Cancer Res Treat 2006, 67-71)は、2D−PAGEおよびSELDI−TOF−MS技術を使用した膀胱癌患者からの生検のタンパク質プロファイリングを開示している。
【0010】
Rasmussen H. H. et al. (J Urol 1996, 155 : 2113-2119)は、膀胱癌を有する患者の尿中に存在する最も豊富なタンパク質のデータベースを開示してる。Celis J. E. et al (Electrophoresis 1999, 300-309)は、膀胱癌患者からの生検中に存在するタンパク質のデータベースを記載している。それにもかかわらず、これらの参考文献のいずれにおいてもマーカーは同定されていない。何故ならば、著者は、健常サンプル対腫瘍サンプルにおけるタンパク質の定量化されたディファレンシャルプロファイルを示していないからである。
【0011】
更に、膀胱癌の予後および程度を予想するためのマーカーが臨床試験で有用であることが証明されたことはない(Miyake H. et al., J Urol 2002, 167: 1282-1287)。
【0012】
発明の説明
本発明は、BTCCと関連したタンパク質に関する高感度で効率的で迅速な非侵襲性in vitro方法を提供する。本発明は更に、尿サンプルの分析によるBTCCの診断、予後および監視のための方法に関する。本発明は、驚くべきことに、尿分析によるBTCCの検出のための膀胱癌バイオマーカーを提供する。本発明の好ましい態様は、BTCCの検出、診断、予後および/または監視のために非常に価値のある尿分析によるBTCCの検出のための40個の膀胱癌バイオマーカーに関する。
【0013】
アミノアシラーゼ−1(ACY1)は、アシル化されたL−アミノ酸のL−アミノ酸とアシル基への加水分解を触媒する細胞質ゾルのホモダイマー亜鉛結合酵素であり、そしてアシル化されたアミノ酸の異化作用および再利用において機能すると仮定されている。ACY1は、小細胞肺がん(SCLC)においてホモ接合性に減じた領域である染色体3p21.1に割り当てられ、そしてその発現はSCLC細胞系および腫瘍において減少しているかまたは検出できないことが報告された。ACY1は亜鉛結合酵素の新たなファミリーの最初のメンバーである。
【0014】
アルデヒドレダクターゼ(AKR1A1)は、アルド/ケトレダクターゼファミリーに属し、それは生体および生体異物アルデヒドの還元に関与しておりそして実質的にすべての組織に存在している。
【0015】
フルクトース1−ホスフェートアルドラーゼとも呼ばれるアルドラーゼB(ALDOB)は、肝臓、腎臓および脳において産生される。それはフルクトースの分解のために必要である。
【0016】
α−アミラーゼ(AMY)カルチノイド、すい臓α−アミラーゼおよびα−アミラーゼ1Aはグリコシルヒドロラーゼ13ファミリーに属しそしてオリゴ糖および多糖における1,4−α−グルコシド結合を加水分解し、従って食物デンプンおよびグリコ−ゲンの消化の第1工程を触媒する。ヒトゲノムは、唾液腺またはすい臓において高レベルで発現されるいくつかのアミラーゼ遺伝子のクラスターを有する。
【0017】
アネキシンIV(ANXA4)は、カルシウム依存性リン脂質結合タンパク質のアネキシンファミリーに属する。それらの機能はまだ明らかには規定されていないけれども、アネキシンファミリーのいくつかのメンバーは、エキソサイトーシス経路およびエンドサイトーシス経路に沿った膜関連事象に関係付けられている。ANXA4は、殆ど排他的に上皮細胞で発現される。
【0018】
アポリポタンパク質A−I(APOA1)は、アポリポタンパク質A1/A4/Eファミリーに属しそして、組織からのコレステロール流出を促進しそしてレシチンコレステロールアシルトランスフェラーゼ(LCAT)のための補因子として作用することにより排出のための組織から肝臓へのコレステロールの逆輸送に関与する。
【0019】
ビリベルジンレダクターゼA(BIEA)は、gfo/idh/mocaファミリーおよびビリベルジンレダクターゼサブファミリーに属し、そして開環テトラピロール、ビリベルジンIXα、のγ−メテン架橋を還元して、NADHまたはNADPHの付随する酸化を伴ってビリルビンとする。
【0020】
フラビンレダクターゼ(BLVRB)は、還元されたピリジンヌクレオチドからフラビンおよびメチレンブルー、ピロロキノリン、キノン、リボフラビンまたはメトヘモグロビンへの電子伝達を触媒する。BLVRBは、酸化損傷から細胞を保護することまたは鉄代謝を調節することにおいて可能な役割を有する。肝臓では、それはビリベルジンをビリルビンに転換する。それは、主として肝臓および赤血球において優勢に発現され、そして心臓、肺、副腎および大脳においてより低いレベルで発現される。
【0021】
カテプシンD(CATD)は、ペプチダーゼA1ファミリーに属しそして細胞内タンパク質分解を活性化する酸性プロテアーゼである。それは、膀胱癌(Ozer E., et al., Urology 1999, 54:50-5 and Ioachim E., et al., Anticancer Res 2002, 22:3383-8)、乳がんおよびおそらくアルツハイマー病などのいくつかの疾患の病因に関与している。カテプシンDは、14kDaの2つのポリペプチド(CATD H)および34kDaの1つのポリペプチド(CATD K)から形成された52kDaの不活性前駆体として合成される。不活性ペプチドは、N末端のタンパク質分解により活性化されて48kDaの酵素的に活性なタンパク質が生じる。
【0022】
補体C3前駆体(CO3)は、補体系の活性化において中心的な役割を演じる。C3転換酵素によるそのプロセッシングは、両補体経路における中心的反応である。CO3は、尿生殖器腫瘍に関係付けられている(Dunzendorfer U., et al., Eur Urol 1980, 6:232-6)。
【0023】
細胞質ゾル非特異的ジペプチダーゼ(CPGL1)は、ペプチダーゼM20Aファミリーに属しそして組織カルノシナーゼおよびペプチダーゼAとしても知られている。それは選択的カルノシナーゼというよりはむしろ非特異的ジペプチダーゼである。
【0024】
α−エノラーゼ(ENOA)は、解糖におけるその役割および、成長制御、低酸素耐性およびアレルギー応答などの種々のプロセスにおける役割を演じる多機能性酵素である。それは、白血球およびニューロンなどのいくつかの細胞型の細胞表面におけるプラスミノーゲンのレセプターおよびアクチベーターとして作用するその能力により、血管内および細胞周囲の繊溶系において機能することもできる。哺乳動物エノラーゼは、3つのアイソザイムサブユニット、α、βおよびγから構成され、これらは細胞型および発生特異的なホモダイマーまたはヘテロダイマーを形成することができる。ENOAは、ニューロン形質膜においてPLGと相互作用しそしてその活性化を促進する。それは、多くの腫瘍のための診断マーカーとして使用され、そしてヘテロダイマー形態、α/γ、で心停止後の低酸素脳損傷のためのマーカーとして使用される。それは、膀胱癌に関係付けられている(Iczkowski K.A., et al., Histopathology 1999, 35: 150-6)。
【0025】
フェリチン軽鎖(FRIL)は、フェリチンファミリーに属しそして原核生物および真核生物における主要な細胞内鉄貯蔵タンパク質である。それは、重および軽フェリチン鎖の24個のサブユニットから構成される。フェリチンサブユニット組成の変動は、種々の組織における鉄の取り込みおよび放出の速度に影響を与えることができる。フェリチンの主要な機能は、可溶性且つ無毒状態の鉄の貯蔵である。
【0026】
Rab GDP解離抑制因子β(GDIB)は、rab gdiファミリーに属しそして細胞小器官間の分子の小胞輸送に関与するrabファミリーのメンバー、rasスーパーファミリーの低分子量GTP結合タンパク質、のGDP/GTP交換反応を調節する。GDIBは遍在的に発現される。血漿グルタチオンペルオキシダーゼ(GPX3)はグルタチオンペルオキシダーゼファミリーに属し、そして還元グルタチオンによる過酸化水素、有機ヒドロペルオキシドおよび脂質ペルオキシドの還元を触媒し、そして酸化損傷に対する細胞の保護において機能する。ヒト血漿グルタチオンペルオキシダーゼは、セレン含有酵素であることが示された。GPX3発現は組織特異的であるようである。
【0027】
グルタチオンシンテターゼ(GSHB)は、遊離基による酸化損傷からの細胞の保護、生体異物の解毒および膜輸送を含む、種々の生物学的機能のために重要である。
【0028】
ゲルゾリン(GSN40およびGSN80)は、アクチンモノマーまたはフィラメントのプラス端に結合してモノマー交換を防止する(末端ブロッキングまたはキャッピング)、カルシウムで調節されたアクチン調節タンパク質である。それは、モノマーのフィラメントへの集合(核形成)を促進し、そして既存のフィラメントを切断することができる。更に、このタンパク質はアクチンに結合しそしてフィブロネクチンに結合する。それは、バイオマーカーとしては記載されていない、即ち、その発現レベルは健常個体対癌患者において比較および定量されていないが、それは膀胱癌に関係付けられている(Rasmussen, H. H. et al., J Urol 1996, 155:2113-2119; Haga K, Hokkaido Igaku Zasshi 2003, 78: 29-37; Celis A et al., Electrophoresis 1999, 20:355-61)。
【0029】
グルタチオンS−トランスフェラーゼ(GSTP1)は、多くの疎水性および求電子性化合物の還元グルタチオンとのコンジュゲーションを触媒することにより解毒において重要な役割を演じる酵素のファミリーに属する。
【0030】
細胞質イソクエン酸デヒドロゲナーゼ(IDHC)は、イソクエン酸およびイソプロピルリンゴ酸デヒドロゲナーゼファミリーに属し、そしてイソクエン酸の酸化的脱炭酸を触媒してα−ケトグルタル酸を形成する。
【0031】
小胞内在性膜タンパク質VIP36前駆体(LMAN2)は、初期分泌経路における細胞内レクチンとしての役割を演じる。N−アセチル−D−ガラクトサミンおよび高マンノース型グリカンと相互作用しそしてO結合型されたグリカンに結合することもできる。それは、高マンノース型グリカンを有する糖タンパク質の輸送およびソーティングに関与する。
【0032】
Ly抗原6複合体、ローカス6G6E(LY6G6E)は、Ly抗原6スーパーファミリーに属する。このファミリーのメンバーは、システインに富んでおり、一般に、明確なまたは推定の免疫関連役割を有するGPIアンカー型細胞表面タンパク質である。その特異的機能は未知である。マンナン結合レクチンセリンプロテアーゼ2前駆体(MASP2)は、ペプチダーゼs1ファミリーに属し、そしておそらくマンノース結合レクチン(MBL)補体活性化経路の開始において重要な役割を演じるトリプシンプロテアーゼである。活性化の後、それはC4を開裂してC4AおよびC4Bを生成させる。
【0033】
ニコチン酸−ヌクレオチドピロホスホリラーゼ(NADC)は、nadC/modDファミリーに属し、そしてトリプトファンからのNADのde novo合成経路における中間体でありそしてニューロンにおけるN−メチルD−アスパラギン酸(NMDA)レセプターの過剰刺激により強力な内因性興奮毒として作用する。脳におけるNADCレベルの上昇は、癲癇、アルツハイマー病およびハンチントン病などの神経変性障害の病因に関連付けられている。それは、まだ癌に関連付けられていない。
【0034】
ナプシンA(NAPSA)は、ペプチダーゼa1ファミリーに属し、そしてそれは腎臓で最も高いレベルで、肺で中程度のレベルでそして脾臓および脂肪組織で低いレベルで発現される。それは肺細胞界面活性物質前駆体のプロセッシングに関与している可能性がある。
【0035】
増殖関連タンパク質2G4(PA2G4)は、ペプチダーゼm24cファミリーに属する、核移行における細胞周期特異的変動を示す一本鎖DNA結合タンパク質である。このタンパク質はマイトジェン刺激に応答して発現されるので、それは、増殖している細胞の細胞周期活性を維持する細胞周期調節タンパク質または複製タンパク質の大きなファミリーに属しうる。
【0036】
癌遺伝子DJ1(PARK7)は、すい臓、腎臓、骨格筋、肝臓、精巣および心臓において高度に発現され、そしてアンドロゲンレセプター依存性転写の正の調節因子として作用する。それは、レドックス感受性シャペロンとしておよび酸化ストレスに対するセンサーとして機能することができる。それは、SNCAの凝集を防止しそして酸化ストレスおよび細胞死に対してニューロンを保護する。
【0037】
ポリ(rc)結合タンパク質1(PCPB1)は、オリゴdCに優先的に結合する一本鎖核酸結合タンパク質である。それは、核と細胞質との間で往復することができる。それは、骨格筋、胸腺および末梢血白血球において豊富に発現されるが、前立腺、脾臓、精巣、卵巣、小腸、心臓、肝臓、副腎および甲状腺ではより低い発現が観察される。
【0038】
プログラム細胞死6相互作用タンパク質(PDC6I)は、脳、心臓、胎盤、肺、腎臓、すい臓、肝臓、骨格筋および蝸牛において発現され、そしてアポトーシスおよび細胞増殖の両方の調節において役割を演じることができる。それは、PDCD6/ALG−2およびSH3KBP1と相互作用する。
【0039】
リソソーム酸性ホスファターゼ前駆体(PPAL)は、ヒスチジン酸性ホスファターゼファミリーに属し、そしてオルトリン酸モノエステルをアルコールおよびリン酸に加水分解する。ペルオキシレドキシン2(PRDX2)はahpc/tsaファミリーに属し、そして細胞のレドックス調節に関与している。それは、チオレドキシン系により与えられる還元当量によりペルオキシドを還元する。それは、グルタレドキシンから電子を受け取ることができない。それは、代謝期間中に生成したペルオキシドの除去において重要な役割を演じることができる。それは、Hの細胞内濃度を調節することにより増殖因子および腫瘍壊死因子αのシグナリングカスケードに関与している可能性がある。それはナチュラルキラー(NK)細胞活性を増強させる。
【0040】
グルタミニル−ペプチドシクロトランスフェラーゼ(QPCT)は、ピログルタミルペプチドの生合成を担っている。それはN末端グルタミン酸に隣接した酸性およびトリプトファン残基に対する偏りを有する。
【0041】
血漿レチノール結合タンパク質(RETBP)は、リポカリンファミリーに属し、そして血液中のレチノール(ビタミンAアルコール)のための特異的キャリアーである。それは、肝臓貯蔵から末梢組織にレチノールを送達する。血漿では、RBP−レチノール複合体は、トランスチレチンと相互作用し、これは腎糸球体を通るろ過によるその損失を防止する。ビタミンAの欠乏は、翻訳後に結合タンパク質の分泌を妨害しそして表皮細胞への送達および供給の欠損をもたらす。
【0042】
セレン結合タンパク質(SBP1)は、セレン結合タンパク質ファミリーに属する。セレンは、強力な抗癌性を示す必須の栄養素であり;セレンの欠乏は、特定の神経疾患を引き起こすことがある。癌および神経疾患の防止におけるセレンの効果は、セレン結合タンパク質により媒介されうることが提唱された。
【0043】
ストレス誘導リン酸化タンパク質1(STIP1)は、分子シャペロンHSC70およびHSP90(HSPCAおよびHSPCB)の会合を媒介するアダプタータンパク質である。
【0044】
トランスアルドラーゼ(TALDO)は、トランスアルドラーゼファミリーに属し、そして核酸合成のためのリボース−5−リン酸および脂質生合成のためのNADPHを与える非酸化的ペントースリン酸経路の鍵酵素である。この経路は、還元状態にグルタチオンを維持することもでき、従って、酸素ラジカルからスルフヒドリル基および細胞完全性を保護することができる。
【0045】
トランスチレチン(TTHY、以前はプレアルブミン)は、脊椎動物の血液中に見出される3つの甲状腺ホルモン結合タンパク質の1つである。それは、肝臓において産生されそして血流中に循環し、血流中でそれはレチノールおよびチロキシンに結合する。
【0046】
WDリピートタンパク質1(WDR1)は、wdリピートaip1ファミリーに属し、そしてADF/コフィリンファミリータンパク質と共同してアクチンフィラメントの分解を誘導する。
【0047】
癌は、試験尿サンプルにおける少なくとも1つの膀胱癌バイオマーカーの発現パターンを分析することにより検出されうる。従って、正常な尿と比較しての尿試験サンプル中の少なくとも1つのディファレンシャルに発現されるタンパク質の検出はBTCCを示す。
【0048】
尿サンプルは組成が非常に多様である。従って、正規化は、総タンパク質濃度の差を説明するためおよびサンプル間の偏りを除くために必須である。
【0049】
尿中のその含量が常に一定であるコントロールタンパク質の発現レベルを、シグナルレベルを正規化するのに使用することができる。文献には、これらの非変動性タンパク質の多くの例がある。本発明では、トランスフェリンが非変動性タンパク質であることが示された。
【0050】
本発明で同定された代表的な膀胱癌タンパク質またはバイオマーカーは、TTHY、ACY1、AKR1A1、ALDOB、ANXA4、BIEA、BLVRB、CATD H、CATD K、CO3、CPGL1、ENOA、FRIL、GDIB、GPX3、GSHB、GSTP1、IDHC、LMAN2、LY6G6E、MASP2、NADC、NAPSA、PA2G4、PARK7、PCBP1、PDC6I、PPAL、PRDX2、PTD012、QPCT、SBP1、STIP1、TALDO、WDR1、AMY、APOA1、GSN40、GSN80およびRETBP(40個の膀胱癌バイオマーカーとも呼ばれる)を含むが、これらに限定されない。
【0051】
本発明の1つの局面は、a)個体からの尿試験サンプル中に存在する1つ以上のバイオマーカーを検出しそして定量すること;およびb)正常な尿における対応する標準値に対して試験尿サンプルのa)で得られた発現測定値を比較することを含み、正常な尿における対応する標準値に比較してのa)で得られた測定値の変化はBTCCを示す、非侵襲性in vitro方法に関する。この方法は、BTCCの存在を検出するため、該癌の病期または重篤度を決定するためのスクリーニングに適合させることができる。
【0052】
更に、この方法は、外科切除術の後の疾患の欠如を評価するため、該癌の診断および/または予後を確立するためおよび/または該癌に罹患している個体に行われた処置の効果を監視するために使用することもできる。
【0053】
本発明の別の局面は、尿分析によりBTCCの存在を検出するため、該癌の病期または重篤度を決定するため、外科切除術後の疾患の欠如を評価するため、該癌の診断および/または予後を確立するためおよび/または該癌に罹患している個体に行われた処置の効果を監視するための、尿中に存在するバイオマーカーに由来する1つ以上のペプチド配列の使用に関する。
【0054】
本発明の別の局面は、BTCCを処置するための治療剤のスクリーニング、同定、開発および該治療剤の有効性の評価のための方法における、40個の膀胱癌バイオマーカーまたはその転写変異体もしくは翻訳後変異体に由来する1つ以上のヌクレオチドまたはペプチド配列の、単独でのまたは任意の組み合わせでの使用に関する。
【0055】
本発明は、更に、このような膀胱癌バイオマーカーに対する抗体を提供する。これらの抗体は、例えば可溶性形態、基材上に固定化された形態または薬学的に許容される担体との組み合わせを含む特定の使用のために適当な種々の形態で提供されうる。
【0056】
本発明の別の局面は、1)尿中の1つの癌バイオマーカーを特異的に認識する少なくとも1つの抗体および2)担体を適当なパッケージング中に含む前記した方法を行うためのキットに関する。
【0057】
本発明の別の局面は、1つ以上の膀胱癌バイオマーカーの発現のパターンを含むBTCC参照発現プロファイルに関する。異なるBTCC参照発現プロファイルを確立しそして異なる癌病期に相関させることができる。
【0058】
本発明の目的で、下記の定義が使用された:
用語「癌」は、典型的には、隣接した組織に浸潤することができそして遠位の器官に伝播することができる異常なまたは調節されていない細胞成長により特徴付けられる疾患を指す。用語「癌腫」は、異常なまたは調節されていない細胞成長から生じる組織を指す。用語「膀胱の移行上皮癌」またはその略号「BTCC」は、膀胱上皮細胞における任意の悪性の増殖性障害を指す。用語「腫瘍」は、これが良性(非癌性)であろうと悪性(癌性)であろうと、新形成プロセスにより生成した組織の任意の異常な塊を指す。
【0059】
用語「膀胱癌タンパク質またはバイオマーカー」は、BTCCにおいてディファレンシャルに発現されるタンパク質、即ち、BTCCを有する患者からの尿に比較して健常個体からの尿において異なって発現されるタンパク質を指す。本発明においては、ディファレンシャルに発現されるタンパク質に含まれるタンパク質の群は、TTHY、ACY1、AKR1A1、ALDOB、ANXA4、BIEA、BLVRB、CATD H、CATD K、CO3、CPGL1、ENOA、FRIL、GDIB、GPX3、GSHB、GSTP1、IDHC、LMAN2、LY6G6E、MASP2、NADC、NAPSA、PA2G4、PARK7、PCBP1、PDC6I、PPAL、PRDX2、PTD012、QPCT、SBP1、STIP1、TALDO、WDR1、AMY、APOA1、GSN40、GSN80およびRETBPを含む群より選ばれる40個のバイオマーカー、およびその割合が2つの異なる尿サンプル:即ち健常個体からの尿サンプルおよび移行上皮癌の患者からの尿サンプルを比較するとき(この定量はイメージアナライザーソフトウエア、例えばProgenesis PG220ソフトウエアにより行われる)、少なくとも2倍変化する尿サンプルの任意のタンパク質の両方を含む。本明細書に記載された膀胱癌バイオマーカーは、任意の長さであることができ、そして更にネイティブタンパク質および/または異種配列に由来する追加の配列、任意の転写変異体もしくは翻訳後変異体ならびに上記配列と少なくとも95%の同一性を有する任意の配列(この同一性は、2つの配列間で同一である残基の百分率として定義される)を含む。当業者は、これらの他の部分または変異体も癌の処置および検出において有用でありうることを認識するであろう。
【0060】
用語「1つ以上のバイオマーカーを検出する」は、1つ以上のバイオマーカーの存在を決定することを意味し、これに対して用語「1つ以上のバイオマーカーを定量する」は、1つ以上のバイオマーカーの存在を値として(例えば強度値として)表すことを意味する。用語「BTCCを示す」は、正常な尿における対応する標準値と比較しての試験尿サンプルにおける1つ以上のバイオマーカーの測定値において見出される変化がBTCCの存在の証明として役立つことを意味する。用語「変化」は、タンパク質の発現のレベルの変化を指す。
【0061】
用語「ディファレンシャルに発現されるタンパク質」は、その発現パターンが、健常個体からの尿に比較してBTCC有する患者からの尿において変化する(増加するかまたは減少する)タンパク質を指す。用語「逆に発現された」は、2つのディファレンシャルに発現されるタンパク質であって、その発現パターンが反対である(即ち、サンプルにおいて一方は過剰発現されるが、他方は抑制される、またはその逆)タンパク質を指す。
【0062】
用語「タンパク質抽出物」は、尿サンプルの遠心後に得られた上清に相当する。
【0063】
用語「個体」は、哺乳動物として分類される動物のすべての種を指し、そして家畜動物および農場動物、霊長類およびヒトを含むが、それらに限定されず、そして好ましくは、任意の年齢または人種の男性または女性のヒトを指す。用語「健常個体」は、BTCCに罹患していない個体を指し、そして他の泌尿器疾患を有する患者を含むことができる。用語「以前に診断された」は、BTCCについて最初の陽性の診断を既に受けている個体に関する。用語「以前に診断されていない」は、BTCCについて最初の陽性の診断(de novo診断)を受けたことのない個体に関する。
【0064】
用語「正常な尿における標準値」は、BTCCに罹患していないことが知られている個体の単一尿サンプルにおいて検出される1つ以上のバイオマーカーの平均発現レベルの定量に関する。
【0065】
用語、BTCCの「診断」は、1つ以上のBTCCバイオマーカーの評価によりBTCCの性質および原因を同定するかまたは決定する方法に関する。用語「予後」は、疾患のありうる結果または経過、即ち、回復または再発の見込みを指す。用語「監視」は、異なる時点での個体におけるBTCCの存在または非存在を評価することを意味する。用語「処置」は、個体の状態を直接または間接に改善する目的で個体を医学的手当てに供する、任意のプロセス、作用、適用等を指す。
【0066】
用語「特異性」は、疾患が真に存在しない場合に疾患の存在を排除する試験の能力を指す。特異性は、真の陰性と正しくない陽性試験が存在する健常個体(この群は偽陽性と呼ばれる)の数の和で割った、正しい陰性試験が存在する健常個体(この群は真陰性と呼ばれる)の数として表される。用語「感度」は、疾患が真に存在する場合に疾患を検出する試験の能力を指す。感度は、真の陽性と正しくない陰性試験が存在する罹病患者(この群は偽陰性と呼ばれる)の数の和で割った正しい陽性試験が存在する罹病患者(この群は真陽性と呼ばれる)の数として表される。用語「ロバスト性(robustness)」は、最初のサンプルにおける変動性にもかかわらず同じ結果を与えるための数値的方法の能力を定義する。
【0067】
用語「遺伝子」は、タンパク質をコードしそしてコード配列の一部または完全なコード配列を表すことができるデオキシリボヌクレオチドの分子鎖の領域を指す。用語「タンパク質」は、共有結合または非共有結合により分子間で連結されたアミノ酸の少なくとも1つの分子鎖を指す。この用語は、翻訳後タンパク質修飾のすべての形態、例えば、グリコシル化、リン酸化またはアセチル化を含む。用語「ペプチド」および「ポリペプチド」は、タンパク質フラグメントを表すアミノ酸の分子鎖を指す。用語「タンパク質」および「ペプチド」は、区別できない。
【0068】
用語「抗体」は、抗原刺激、例えば外来性タンパク質、バクテリア、ウイルス、寄生虫または移植された器官に応答して血液またはリンパ液中に分泌されそして「抗原」と呼ばれるターゲット分子に対する特異的結合活性を示す、B細胞の表面におけるY字状タンパク質(免疫グロブリンとして知られている)を指す。免疫グロブリンの抗原結合領域は、F(ab’)またはFabフラグメントに分割されうる。用語「抗体」は、モノクローナル抗体およびポリクローナル抗体(インタクトなまたはそれらに由来するフラグメント)を含み;そしてヒト抗体、ヒト化抗体および非ヒト起源の抗体を含む。「非ヒト抗体」は、Homo sapiens以外の動物種により生成された抗体である。「ヒト化抗体」は、マウス抗体からの最小マウス部分がヒト抗体に融合されている遺伝子操作抗体である。一般に、ヒト化抗体は、5〜10%マウスおよび90〜95%ヒトである。「ヒト抗体」は、ヒト抗体遺伝子を有するトランスジェニックマウスに由来するかまたはヒト細胞に由来する抗体である。「モノクローナル抗体」は、ターゲット分子の単一の抗原性部位または「抗原決定基」に対する均一な、高度に特異的な抗体集団である。「ポリクローナル抗体」は、ターゲット分子の異なる抗原決定基に対する不均一な抗体集団を含む。用語「特異的抗体」は、特異的タンパク質(この場合には特定の膀胱癌マーカーに対する)に対して生成された抗体を指す。用語「抗体−タンパク質複合体」は、抗原とその特異的抗体により形成された複合体を指す。用語「コンビボディ(combibody」(コンビナトリアル抗体)は、バクテリアまたは真核生物系を使用する抗体産生および精製の必要なしに、細胞表面反応性抗体の発現のためのcDNAライブラリーの直接スクリーニングを可能とする繊維状ファージ上にディスプレーされた抗体を指す。用語「Fab組換え抗体」は、一価のFabフラグメントのみを含有しそして抗体がその抗原に対する非常に高いアフィニティーを有するときに有用である組換え抗体を指す。それらは、タンパク質配列が既知であるならば組換えに得られうる。用語「ScFv抗体フラグメント」は、バクテリア培養物中に発現されうる単鎖可変フラグメント(scFv)を指す。
【0069】
用語「エピトープ」は、特異的抗体が認識するタンパク質のアミノ酸の配列であるタンパク質の抗原決定基を指す。このようなエピトープは、アミノ酸の連続したストレッチ(直線的エピトープ)または、ポリペプチド鎖の三次元折たたみによって互いに近接させられる不連続アミノ酸(不連続エピトープ)から構成されることができる。用語「固相」は、抗体を結合させることができる非水性マトリックスを指す。固相のための材料の例は、ガラス、多糖(例えばアガロース)、ポリアクリルアミド、ポリスチレン、ポリビニルアルコールおよびシリコーンを含むが、それらに限定されない。固相形態の例は、プレートのウエルまたは精製カラムである。
【0070】
用語「ディップスティック」は、液体のある性質(化学的、物理的等)を決定および/または定量することができるある種の試験を行うために液体に浸漬される装置を指す。この種のディップスティックは、通常紙または厚紙から作られ、そしてその色の変化が液体のある特徴を示す試薬が含浸させられている。用語「キャリアー」は、それによって何かが運搬されるかまたは導かれる機構または装置を指す。用語「パッケージング」は、製品の購入および使用を促進することを主な目的とする販売の前の封じ込めおよび包装を指す。
【0071】
用語「バイオチップ」は、より高いスループットおよび速度を達成するために、多くの試験を同時に行うことを可能とする固体基材上に配置された小型化された試験部位の集まり(マイクロアレー)を指す。
【0072】
本発明の1つの態様では、膀胱癌を評価するための方法の第1工程は、個体からの尿試験サンプル中のTTHY、ACY1、AKR1A1、ALDOB、ANXA4、BIEA、BLVRB、CATD H、CATD K、CO3、CPGL1、ENOA、FRIL、GDIB、GPX3、GSHB、GSTP1、IDHC、LMAN2、LY6G6E、MASP2、NADC、NAPSA、PA2G4、PARK7、PCBP1、PDC6I、PPAL、PRDX2、PTD012、QPCT、SBP1、STIP1、TALDO、WDR1、AMY、APOA1、GSN40、GSN80およびRETBP(40個の膀胱癌バイオマーカーとも呼ばれる)またはその転写変異体もしくは翻訳後変異体から選ばれる1つ以上のバイオマーカーを測定することを含む。
【0073】
別の態様では、膀胱癌を評価するための方法の第1工程は、個体からの尿試験サンプル中のTTHY、ACY1、AKR1A1、ALDOB、ANXA4、BIEA、BLVRB、CATD H、CATD K、CO3、CPGL1、ENOA、FRIL、GDIB、GPX3、GSHB、GSTP1、IDHC、LMAN2、LY6G6E、MASP2、NADC、NAPSA、PA2G4、PARK7、PCBP1、PDC6I、PPAL、PRDX2、PTD012、QPCT、SBP1、STIP1、TALDOおよびWDR1またはその転写変異体もしくは翻訳後変異体から選ばれる1つ以上のバイオマーカーを測定することを含む。
【0074】
別の態様では、膀胱癌を評価するための方法の第1工程は、試験尿サンプル中の少なくとも2つのバイオマーカーまたはその転写変異体もしくは翻訳後変異体を測定することを含む。別の態様では、膀胱癌を評価するための方法の第1工程は、試験尿サンプル中の少なくとも3つのバイオマーカーまたはその転写変異体もしくは翻訳後変異体を測定することを含む。別の態様では、膀胱癌を評価するための方法の第1工程は、試験尿サンプル中の少なくとも4つのバイオマーカーまたはその転写変異体もしくは翻訳後変異体を測定することを含む。別の態様では、膀胱癌を評価するための方法の第1工程は、試験尿サンプル中の少なくとも5つのバイオマーカーまたはその転写変異体もしくは翻訳後変異体を測定することを含む。
【0075】
別の態様では、膀胱癌を評価するための方法の第1工程は、試験尿サンプル中のTTHY、ACY1、AKR1A1、ANXA4、BIEA、BLVRB、CATD H、CATD K、CO3、CPGL1、ENOA、FRIL、GDIB、GPX3、GSHB、GSTP1、IDHC、LY6G6E、MASP2、NADC、NAPSA、PA2G4、PARK7、PCBP1、PRDX2、PTD012、QPCT、SBP1、STIP1、AMY、APOA1、GSN40、GSN80およびRETBPまたはその転写変異体もしくは翻訳後変異体から選ばれる1つ以上のバイオマーカーを測定することを含む。
【0076】
別の態様では、膀胱癌を評価するための方法の第1工程は、試験尿サンプル中のTTHY、ACY1、AKR1A1、ANXA4、BIEA、BLVRB、CATD H、CATD K、CO3、CPGL1、ENOA、FRIL、GDIB、GPX3、GSHB、GSTP1、IDHC、LY6G6E、MASP2、NADC、NAPSA、PA2G4、PARK7、PCBP1、PRDX2、PTD012、QPCT、SBP1およびSTIP1またはその転写変異体もしくは翻訳後変異体から選ばれる1つ以上のバイオマーカーを測定することを含む。
【0077】
別の態様では、膀胱癌を評価するための方法の第1工程は、試験尿サンプル中のTTHY、CATD H、CATD K、ENOA、FRIL、GSHB、GSTP1、IDCH、MASP2、PRDX2、AMY、APOA1、GSN40、GSN80およびRETBPまたはその転写変異体もしくは翻訳後変異体から選ばれる1つ以上のバイオマーカーを測定することを含む。
【0078】
別の態様では、膀胱癌を評価するための方法の第1工程は、試験尿サンプル中のTTHY、CATD H、CATD K、ENOA、FRIL、GSHB、GSTP1、IDCH、MASP2およびPRDX2またはその転写変異体もしくは翻訳後変異体から選ばれる1つ以上のバイオマーカーを測定することを含む。
【0079】
別の態様では、膀胱癌を評価するための方法の第1工程は、試験尿サンプル中のTTHY、AMY、APOA1、GSN40およびGSN80またはその転写変異体もしくは翻訳後変異体から選ばれる1つ以上のバイオマーカーを測定することを含む。
【0080】
別の態様では、膀胱癌を評価するための方法の第1工程は、試験尿サンプル中のAPOA1およびRETBPまたはその転写変異体もしくは翻訳後変異体を測定することを含む。
【0081】
別の態様では、膀胱癌を評価するための方法の第1工程は、試験尿サンプル中のAMY、APOA1およびGSN40またはその転写変異体もしくは翻訳後変異体を測定することを含む。
【0082】
別の態様では、膀胱癌を評価するための方法の第1工程は、試験尿サンプル中のAMY、APOA1およびENOAまたはその転写変異体もしくは翻訳後変異体を測定することを含む。
【0083】
別の態様では、膀胱癌を評価するための方法の第1工程は、試験尿サンプル中の、APOA1、GSN40およびTTHYまたはその転写変異体もしくは翻訳後変異体を測定することを含む。
【0084】
別の態様では、膀胱癌を評価するための方法の第1工程は、試験尿サンプル中の、CATD K、GSN80およびIDHCまたはその転写変異体もしくは翻訳後変異体を測定することを含む。
【0085】
別の態様では、膀胱癌を評価するための方法の第1工程は、試験尿サンプル中のAMY、APOA1、GSN40およびIDHCまたはその転写変異体もしくは翻訳後変異体を測定することを含む。
【0086】
別の態様では、膀胱癌を評価するための方法の第1工程は、試験尿サンプル中のAPOA1、GSN40、GSN80およびTTHYまたはその転写変異体もしくは翻訳後変異体を測定することを含む。
【0087】
別の態様では、膀胱癌を評価するための方法の第1工程は、試験尿サンプル中のCATD H、ENOA、GSTP1およびPRDX2またはその転写変異体もしくは翻訳後変異体を測定することを含む。
【0088】
別の態様では、膀胱癌を評価するための方法の第1工程は、試験尿サンプル中のCATD K、ENOA、PRDX2およびTTHYまたはその転写変異体もしくは翻訳後変異体を測定することを含む。
【0089】
別の態様では、膀胱癌を評価するための方法の第1工程は、試験尿サンプル中のAMY、CATD K、ENOA、IDHCおよびPRDX2またはその転写変異体もしくは翻訳後変異体を測定することを含む。
【0090】
別の態様では、膀胱癌を評価するための方法の第1工程は、試験尿サンプル中のAMY、APOA1、GSN40、GSN80およびTTHYまたはその転写変異体もしくは翻訳後変異体を測定することを含む。
【0091】
別の態様では、膀胱癌を評価するための方法の第1工程は、試験尿サンプル中のCATD H、ENOA、GSTP1、MASP2、PRDX2およびTTHYまたはその転写変異体もしくは翻訳後変異体を測定することを含む。
【0092】
別の態様では、膀胱癌を評価するための方法の第1工程は、試験尿サンプル中のAMY、APOA1、CATD K、ENOA、IDHC、PRDX2およびTTHYまたはその転写変異体もしくは翻訳後変異体を測定することを含む。
【0093】
別の態様では、膀胱癌を評価するための方法の第1工程は、試験尿サンプル中のAMY、APOA1、GSN40、GSN80またはその転写変異体もしくは翻訳後変異体から選ばれる1つ以上のバイオマーカーならびにTTHY、ACY1、AKR1A1、ALDOB、ANXA4、BIEA、BLVRB、CATD H、CATD K、CO3、CPGL1、ENOA、FRIL、GDIB、GPX3、GSHB、GSTP1、IDHC、LMAN2、LY6G6E、MASP2、NADC、NAPSA、PA2G4、PARK7、PCBP1、PDC6I、PPAL、PRDX2、PTD012、QPCT、SBP1、STIP1、TALDO、WDR1およびRETBPまたはその転写変異体もしくは翻訳後変異体から選ばれる1つ以上のバイオマーカーを測定することを含む。
【0094】
別の態様では、膀胱癌を評価するための方法の第1工程は、試験尿サンプル中のAMY、APOA1、GSN40、GSN80またはその転写変異体もしくは翻訳後変異体から選ばれる1つ以上のバイオマーカー、ならびにTTHY、ACY1、AKR1A1、ALDOB、ANXA4、BIEA、BLVRB、CATD H、CATD K、CO3、CPGL1、ENOA、FRIL、GDIB、GPX3、GSHB、GSTP1、IDHC、LMAN2、LY6G6E、MASP2、NADC、NAPSA、PA2G4、PARK7、PCBP1、PDC6I、PPAL、PRDX2、PTD012、QPCT、SBP1、STIP1、TALDOおよびWDR1またはその転写変異体もしくは翻訳後変異体から選ばれる1つ以上のバイオマーカーを測定することを含む。
【0095】
別の態様では、膀胱癌を評価するための方法の第1工程は、CATD H、CATD K、ENOA、GSHB、GSTP1、IDHC、PRDX2およびTTHYまたはその転写変異体もしくは翻訳後変異体から選ばれる1つ以上のバイオマーカーならびにACY1、AKR1A1、ALDOB、ANXA4、BIEA、BLVRB、CO3、CPGL1、FRIL、GDIB、GPX3、LMAN2、LY6G6E、MASP2、NADC、NAPSA、PA2G4、PARK7、PCBP1、PDC6I、PPAL、PTD012、QPCT、SBP1、STIP1、TALDO、WDR1、AMY、APOA1、GSN40、GSN80およびRETBPまたはその転写変異体もしくは翻訳後変異体から選ばれる1つ以上のバイオマーカーを測定することを含む。
【0096】
別の態様では、膀胱癌を評価するための方法の第1工程は、TTHY、CATD H、CATD K、ENOA、GSTP1、IDHC、MASP2、PRDX2、AMY、APOA1、GSN40、GSN80およびRETBPまたはその転写変異体もしくは翻訳後変異体から選ばれる1つ以上のバイオマーカーを測定することを含む。
【0097】
別の態様は、個体からの試験尿サンプル中の40個の膀胱癌バイオマーカーまたはその転写変異体もしくは翻訳後変異体から選ばれる2つの異なるバイオマーカー間の1つ以上の割合を定量すること、および正常な尿における対応する標準値に対して試験尿サンプルで得られた測定値を比較することを含み、その変化はBTCCを示す、非侵襲性in vitro方法に関する。
【0098】
別の態様では、本方法は、同じタンパク質(1つまたは複数)を、BTCC進展内の異なる時点に同じ患者から得られた異なるサンプルから比較する、疾患の進行を決定することを可能とする。
【0099】
別の態様では、本発明のバイオマーカーの1つ以上を使用して薬理学的処置または外科的処置の有効性を監視することができる。
【0100】
別の態様では、分析されるべきサンプルは、以前にBTCCを有すると診断されていない個体から得られる。
【0101】
別の態様では、分析されるべきサンプルは、以前にBTCCを有すると診断された個体から得られる。
【0102】
別の態様では、分析されるべきサンプルは、BTCCに対する処置を現在受けている個体から得られる。
【0103】
別の態様では、この方法は、サンプルのタンパク質の抽出物を得ることを含む。
【0104】
測定は、典型的には、分光法またはイムノアッセイを含む。分光法は、典型的には、表面増強レーザー脱離/イオン化(SELDI)質量分析法またはマトリックス支援レーザー脱離/イオン化(MALDI)質量分析法である。イムノアッセイは、ウエスタンブロット、ELISA(酵素結合免疫吸着検定法)、RIA(ラジオイムノアッセイ)、競合EIA(競合エンザイムイムノアッセイ)、DAS−ELISA(二重抗体サンドイッチELISA)、免疫細胞化学または免疫組織化学技術、特異的抗体を含むバイオチップもしくはタンパク質マイクロアレーの使用に基づく技術、ディップスティックなどの形態のコロイド金の沈殿に基づくアッセイ;またはアフィニティークロマトグラフィー技術、リガンド結合アッセイもしくはレクチン結合アッセイを含む。
【0105】
別の態様では、癌を検出するための方法は、尿サンプルを膀胱癌バイオマーカーに特異的に結合する分子と接触させること、およびこの結合を定量することを含む。
【0106】
別の態様では、タンパク質の検出および定量は、サンプルのタンパク質抽出物をタンパク質(1つまたは複数)の1つ以上のエピトープに対する1つ以上の特異的抗体の組成物と接触させる第1工程、および抗体とタンパク質により形成された複合体を定量する第2工程を含む。
【0107】
別の態様では、タンパク質の検出のために使用される特異的抗体は、ヒト起源であるか、ヒト化されているかまたは非ヒト起源であり、そしてモノクローナル抗体またはポリクローナル抗体、抗体のインタクトなフラグメントまたは組換えフラグメント、コンビボディおよびFabまたはscFv抗体フラグメントから選ばれる。
【0108】
別の態様は、尿中に存在するTTHY、ACY1、AKR1A1、ALDOB、ANXA4、BIEA、BLVRB、CATD H、CATD K、CO3、CPGL1、ENOA、FRIL、GDIB、GPX3、GSHB、GSTP1、IDHC、LMAN2、LY6G6E、MASP2、NADC、NAPSA、PA2G4、PARK7、PCBP1、PDC6I、PPAL、PRDX2、PTD012、QPCT、SBP1、STIP1、TALDO、WDR1、AMY、APOA1、GSN40、GSN80およびRETBPまたはその転写変異体もしくは翻訳後変異体から選ばれるバイオマーカーに由来する1つ以上のペプチド配列の使用に関する。
【0109】
本発明の別の態様は、尿中に存在するTTHY、ACY1、AKR1A1、ALDOB、ANXA4、BIEA、BLVRB、CATD H、CATD K、CO3、CPGL1、ENOA、FRIL、GDIB、GPX3、GSHB、GSTP1、IDHC、LMAN2、LY6G6E、MASP2、NADC、NAPSA、PA2G4、PARK7、PCBP1、PDC6I、PPAL、PRDX2、PTD012、QPCT、SBP1、STIP1、TALDOおよびWDR1またはその転写変異体もしくは翻訳後変異体から選ばれるバイオマーカーに由来する1つ以上のペプチド配列の使用に関する。
【0110】
本発明の別の態様は、癌バイオマーカーに由来する1つ以上のペプチド配列の使用であって、正常な尿における対応する標準値と比較しての尿試験サンプルにおけるこれらのバイオマーカーの測定値の変化がBTCCを示す、使用に関する。
【0111】
別の態様では、尿中に存在する少なくとも2つのバイオマーカーまたはその転写変異体もしくは翻訳後変異体が使用される。別の態様では、尿中に存在する少なくとも3つのバイオマーカーまたはその転写変異体もしくは翻訳後変異体が使用される。別の態様では、尿中に存在する少なくとも4つのバイオマーカーまたはその転写変異体もしくは翻訳後変異体が使用される。別の態様では、尿中に存在する少なくとも5つのバイオマーカーまたはその転写変異体もしくは翻訳後変異体が使用される。
【0112】
本発明の別の態様は、尿中に存在するTTHY、ACY1、AKR1A1、ANXA4、BIEA、BLVRB、CATD H、CATD K、CO3、CPGL1、ENOA、FRIL、GDIB、GPX3、GSHB、GSTP1、IDHC、LY6G6E、MASP2、NADC、NAPSA、PA2G4、PARK7、PCBP1、PRDX2、PTD012、QPCT、SBP1、STIP1、AMY、APOA1、GSN40、GSN80およびRETBPまたはその転写変異体もしくは翻訳後変異体から選ばれるバイオマーカーに由来する1つ以上のペプチド配列の使用に関する。
【0113】
本発明の別の態様は、尿中に存在するTTHY、ACY1、AKR1A1、ANXA4、BIEA、BLVRB、CATD H、CATD K、CO3、CPGL1、ENOA、FRIL、GDIB、GPX3、GSHB、GSTP1、IDHC、LY6G6E、MASP2、NADC、NAPSA、PA2G4、PARK7、PCBP1、PRDX2、PTD012、QPCT、SBP1およびSTIP1またはその転写変異体もしくは翻訳後変異体から選ばれるバイオマーカーに由来する1つ以上のペプチド配列の使用に関する。
【0114】
本発明の別の態様は、尿中に存在するTTHY、CATD H、CATD K、ENOA、FRIL、GSHB、GSTP1、IDCH、MASP2、PRDX2、AMY、APOA1、GSN40、GSN80およびRETBPまたはその転写変異体もしくは翻訳後変異体から選ばれるバイオマーカーに由来する1つ以上のペプチド配列の使用に関する。
【0115】
本発明の別の態様は、尿中に存在するTTHY、CATD H、CATD K、ENOA、FRIL、GSHB、GSTP1、IDCH、MASP2、およびPRDX2またはその転写変異体もしくは翻訳後変異体から選ばれるバイオマーカーに由来する1つ以上のペプチド配列の使用に関する。
【0116】
本発明の別の態様は、尿中に存在するTTHY、AMY、APOA1、GSN40およびGSN80またはその転写変異体もしくは翻訳後変異体から選ばれるバイオマーカーに由来する1つ以上のペプチド配列の使用に関する。
【0117】
本発明の別の態様は、尿中に存在するAPOA1およびRETBPまたはその転写変異体もしくは翻訳後変異体に由来するペプチド配列の使用に関する。
【0118】
本発明の別の態様は、尿中に存在するAMY、APOA1およびGSN40またはその転写変異体もしくは翻訳後変異体に由来するペプチド配列の使用に関する。
【0119】
本発明の別の態様は、尿中に存在するAMY、APOA1およびENOAまたはその転写変異体もしくは翻訳後変異体に由来するペプチド配列の使用に関する。
【0120】
本発明の別の態様は、尿中に存在するAPOA1、GSN40およびTTHYまたはその転写変異体もしくは翻訳後変異体に由来するペプチド配列の使用に関する。
【0121】
本発明の別の態様は、尿中に存在するCATD K、GSN80およびIDHCまたはその転写変異体もしくは翻訳後変異体に由来するペプチド配列の使用に関する。
【0122】
本発明の別の態様は、尿中に存在するAPOA1、GSN40、GSN80およびTTHYまたはその転写変異体もしくは翻訳後変異体に由来するペプチド配列の使用に関する。
【0123】
本発明の別の態様は、尿中に存在するAMY、APOA1、GSN40およびIDHCまたはその転写変異体もしくは翻訳後変異体に由来するペプチド配列の使用に関する。
【0124】
本発明の別の態様は、尿中に存在するCATD H、ENOA、GSTP1およびPRDX2またはその転写変異体もしくは翻訳後変異体に由来するペプチド配列の使用に関する。
【0125】
本発明の別の態様は、尿中に存在するCATD K、ENOA、PRDX2およびTTHYまたはその転写変異体もしくは翻訳後変異体に由来するペプチド配列の使用に関する。
【0126】
本発明の別の態様は、尿中に存在するAMY、CATD K、ENOA、IDHCおよびPRDX2またはその転写変異体もしくは翻訳後変異体に由来するペプチド配列の使用に関する。
【0127】
本発明の別の態様は、尿中に存在するAMY、APOA1、GSN40、GSN80およびTTHYまたはその転写変異体もしくは翻訳後変異体に由来するペプチド配列の使用に関する。
【0128】
本発明の別の態様は、尿中に存在するCATD H、ENOA、GSTP1、MASP2、PRDX2およびTTHYまたはその転写変異体もしくは翻訳後変異体に由来するペプチド配列の使用に関する。
【0129】
本発明の別の態様は、尿中に存在するAMY、APOA1、CATD K、ENOA、IDHC、PRDX2およびTTHYまたはその転写変異体もしくは翻訳後変異体に由来するペプチド配列の使用に関する。
【0130】
本発明の別の態様は、尿中に存在するAMY、APOA1、GSN40およびGSN80またはその転写変異体もしくは翻訳後変異体から選ばれるバイオマーカーに由来する1つ以上のペプチド配列ならびにTTHY、ACY1、AKR1A1、ALDOB、ANXA4、BIEA、BLVRB、CATD H、CATD K、CO3、CPGL1、ENOA、FRIL、GDIB、GPX3、GSHB、GSTP1、IDHC、LMAN2、LY6G6E、MASP2、NADC、NAPSA、PA2G4、PARK7、PCBP1、PDC6I、PPAL、PRDX2、PTD012、QPCT、SBP1、STIP1、TALDO、WDR1およびRETBPまたはその転写変異体もしくは翻訳後変異体から選ばれるバイオマーカーに由来する1つ以上のペプチド配列の使用に関する。
【0131】
本発明の別の態様は、尿中に存在するAMY、APOA1、GSN40およびGSN80またはその転写変異体もしくは翻訳後変異体から選ばれるバイオマーカーに由来する1つ以上のペプチド配列ならびにTTHY、ACY1、AKR1A1、ALDOB、ANXA4、BIEA、BLVRB、CATD H、CATD K、CO3、CPGL1、ENOA、FRIL、GDIB、GPX3、GSHB、GSTP1、IDHC、LMAN2、LY6G6E、MASP2、NADC、NAPSA、PA2G4、PARK7、PCBP1、PDC6I、PPAL、PRDX2、PTD012、QPCT、SBP1、STIP1、TALDOおよびWDR1またはその転写変異体もしくは翻訳後変異体から選ばれるバイオマーカーに由来する1つ以上のペプチド配列の使用に関する。
【0132】
本発明の別の態様は、尿中に存在するCATD H、CATD K、ENOA、GSHB、GSTP1、IDHC、PRDX2およびTTHYまたはその転写変異体もしくは翻訳後変異体から選ばれるバイオマーカーに由来する1つ以上のペプチド配列ならびにACY1、AKR1A1、ALDOB、ANXA4、BIEA、BLVRB、CO3、CPGL1、FRIL、GDIB、GPX3、LMAN2、LY6G6E、MASP2、NADC、NAPSA、PA2G4、PARK7、PCBP1、PDC6I、PPAL、PTD012、QPCT、SBP1、STIP1、TALDO、WDR1、AMY、APOA1、GSN40、GSN80およびRETBPまたはその転写変異体もしくは翻訳後変異体から選ばれるバイオマーカーに由来する1つ以上のペプチド配列の使用に関する。
【0133】
本発明の別の態様は、尿中に存在するTTHY、CATD H、CATD K、ENOA、GSTP1、IDHC、MASP2、PRDX2、AMY、APOA1、GSN40、GSN80およびRETBPまたはその転写変異体もしくは翻訳後変異体から選ばれるバイオマーカーに由来する1つ以上のペプチド配列の使用に関する。
【0134】
別の態様は、1)これらのタンパク質の1つ以上を特異的に認識する抗体の任意の組み合わせおよび2)担体を適当なパッケージング中に含む前記した方法を行うためのキットであって、BTCCの存在を検出するため、該癌の病期または重篤度を決定するため、外科切除術の後の疾患の欠如を評価するため、該癌の診断および/または予後を確立するためおよび/または該癌に罹患している個体に行われた処置の効果を監視するために使用されるキットに関する。
【0135】
上記キットは、尿サンプル中に存在するバイオマーカーに結合する少なくとも1つの作用物質を収容するための容器;およびBTCCの状態を決定するための少なくとも1つの作用物質の使用のための説明書を含むことができる。このようなキットは、各々がこの方法で使用されるべき別々のエレメントの1つを含むバイアル、チューブ等のような1つ以上の容器を受けいれるために区画化されている、キャリアー、パッケージまたは容器を含むことができる。例えば、容器(1つまたは複数)は、標識されそして更に検出されるかまたはされうるプローブを含むことができる。プローブは、それぞれ、膀胱癌タンパク質または膀胱癌遺伝子に対して特異的な抗体またはポリヌクレオチドであることができる。あるいは、キットは、質量分析法(MS)プローブを含むことができる。キットは、ターゲット核酸配列の増幅またはサイレンシングのためのヌクレオチド(1つまたは複数)を含む容器および/または検出可能な標識、例えば、酵素標識、蛍光標識または放射性同位元素標識に結合されたレポーター手段、例えば、ビオチン結合タンパク質、例えば、アビジンまたはストレプトアビジンを含む容器を含むこともできる。キットは、膀胱癌バイオマーカーのアミノ酸配列またはこのようなアミノ酸配列をコードする核酸分子のすべてまたは一部を含むことができる。本発明のキットは、典型的には、上記した容器、ならびにバッファー、希釈剤、フィルター、針、注射器および使用するための指示を有するパッケージ挿入物を含む商業的観点および使用者の観点から望ましい材料を含む1つ以上の他の容器を含むであろう。更に、ラベルを、組成物が特定の治療または非治療用途に使用されることを示すために容器上に設けることができ、そしてラベルは使用のための指図、例えば上記した指図を示すこともできる。指図およびまたは他の情報は、キットと共に含まれる挿入物上に含ませることもできる。
【0136】
別の態様は、バイオチップを含む前記した方法を行うためのキットに関する。
【0137】
別の態様は、バイオチップを含む前記した方法を行うためのキットであって、該バイオチップは、40個の膀胱癌バイオマーカーまたはその転写変異体もしくは翻訳後変異体から選ばれる1つ以上のバイオマーカーの検出のための抗体を含む、キットに関する。
【0138】
特異的抗原−抗体複合体の形成を検出および/または定量するために利用可能な広範な免疫学的アッセイがあり;多数の競合または非競合タンパク質結合アッセイが以前に記載されておりそしてこれらの大多数は市販されている。従って、タンパク質は、例えば、タンパク質に対して特異的なモノクローナル抗体、ポリクローナル抗体、これらのインタクトなフラグメントまたは組換えフラグメント、コンビボディおよび抗体のFabまたはscFvフラグメントなどの抗体を用いて定量されうる。これらの抗体は、ヒト起源であるか、ヒト化されているかまたは動物起源であることができる。他方、それらは、標識されていてもよくまたは標識されていなくてもよく、そして広範なアッセイで使用されうる。抗体を標識するのに使用されうるマーカー分子は、放射性核種、酵素、フルオロフォア、化学発光試薬、酵素基質または補因子、酵素阻害剤、粒子、着色剤および誘導体を含む。抗体結合特異性が高ければ高いほど、検出されうる抗原濃度は低い。
【0139】
標識されていない抗体(一次抗体)および標識された抗体(二次抗体)を使用する、本発明で使用されうる当業者に周知の広範なアッセイがあり;これらの技術は、ウエスタンブロットまたはウエスタントランスファー、ELISA(酵素結合免疫吸着検定法)、RIA(ラジオイムノアッセイ)、競合EIA(競合エンザイムイムノアッセイ)、DAS−ELISA(二重抗体サンドイッチELISA)、免疫細胞化学または免疫組織化学技術、特異的抗体を含むバイオチップもしくはタンパク質マイクロアレーまたはディップスティックなどの形態のコロイド沈殿の使用に基づく技術を含むが、それらに限定されない。タンパク質を検出および/または定量するための他の方法は、アフィニティークロマトグラフィー技術、リガンド結合アッセイまたはレクチン結合アッセイを含む。本発明のこの局面の好ましい態様は、タンパク質マイクロアレーおよび二重抗体サンドイッチELISA(DAS−ELISA)である。これらのイムノアッセイにおいて、本発明の40個のタンパク質の1つ以上のエピトープに対して特異的な任意の抗体または抗体の組み合わせを使用することができる。このアッセイの多くの可能な形態の1つの例として、本発明の40個のタンパク質の1つ以上のエピトープを認識するモノクローナル抗体もしくはポリクローナル抗体またはこの抗体のフラグメントまたはこれらの抗体の組み合わせを、固相支持体の表面に結合させそして分析されるべきサンプルと接触させそして特定の時間適切な条件でインキュベーションして抗原−抗体複合体を形成させる。非特異的複合体を除去するのに適切な条件下で洗浄した後、シグナル生成分子に結合した、モノクローナル抗体もしくはポリクローナル抗体またはこの抗体のフラグメントまたはこれらの組み合わせからなりそして本発明の40個のタンパク質の1つ以上のエピトープを認識する指示試薬を時間および温度の適切な条件において抗原−抗体複合体とインキュベーションする。分析されるべきサンプル中の本発明の40個のタンパク質から選ばれる1つ以上のタンパク質の存在を検出しそして定量しそして生成したシグナルを測定する。サンプル間の全タンパク質濃度の差によるシグナル変動を防止するために、すべての測定値を正規化する。
【0140】
上記したとおり、本発明の方法は、尿サンプル内のディファレンシャルに発現される可溶性タンパク質を特異的抗体により定量することにより膀胱癌の病期を監視することを含む。当業者により認識されるとおり、これらのタンパク質を特異的に同定しそして定量するための任意の手段が意図される。
【0141】
下記の説明において、ヒト尿サンプル(ここではサンプルと呼ばれる)の全タンパク質含有物を得そして分析するための一般化された方法を開示する。この方法は、サンプルの処理、サンプル内のタンパク質を分離するための2D電気泳動の使用、異なるサンプルの画像分析および統計学によるディファレンシャルに発現されるタンパク質の選択および膀胱癌マーカーとして使用されるべきタンパク質特異的抗体を生成するための本発明のディファレンシャルに発現されるタンパク質の1つ以上の使用を含む。
【0142】
膀胱癌の種々の病期においておよび膀胱癌進行期間中ディファレンシャルに発現されるタンパク質を同定する試みにおいて、健常個体から得られたサンプル(コントロール)と、BTCCを有すると診断された患者(Ta、T1低グレード、T1高グレードおよびT2)から得られたサンプルとの間の比較プロテオーム分析を行った。ディファレンシャルな発現を示したすべてのタンパク質の中でも、40個のタンパク質は2倍より大きく再現性よく変化した。それらは、質量分析法およびデータベースサーチを使用するペプチドマスフィンガープリンティングにより同定された。
【0143】
本発明を下記の実施例により更に説明する。これらの実施例は説明のためにのみ与えられたものであり、限定するものとみなすべきではない。
ディファレンシャルに発現されるタンパク質の同定
膀胱癌の進行に沿ってディファレンシャルに発現されるタンパク質を同定するために、健常尿のタンパク質プロファイルを、プロテオームアプローチを使用して早期および進行膀胱腫瘍患者のタンパク質プロファイルと比較した。
【0144】
尿サンプル(合計150個)を健常個体および、Spanish Public Health Networkに属するUrology units of Hospitalsに来診した移行性膀胱癌を有する患者から集めた。これらのサンプルを下記のとおり分類した:
a)以下を含む癌腫なし(63サンプル):
−コントロール(CV、32サンプル):膀胱癌を有していたことがありそして腫瘍を切除されておりそして管理されている患者(膀胱鏡検査法は他の疾患を示さなかった)、
−他の泌尿路疾患を有する患者(31サンプル、とりわけ前立腺良性過形成、前立腺癌を含む)。
b)BTCC(87サンプル):以下を含む発達の異なる病期の疾患を有すると診断された患者:
−Ta(21サンプル)、
−T1低グレード(29サンプル)、
−T1高グレード(19サンプル)、
−T2(18サンプル)
【0145】
サンプルのBTCC群は、膀胱癌の発達の病期におけるそれらの分類のための重要事項である生検を伴った。
【0146】
A.尿サンプルの処理およびタンパク質の分離
尿サンプルを−80℃で凍結しそして低音連鎖を中断することなくドライアイス中で実験室に輸送した。サンプルを、それらを処理するまで−80℃に保った。サンプルは、きわめて不均一であり、淡黄色尿から血液凝集塊を含む赤色尿までの範囲にあり、透明であるかまたは懸濁液中に組織を含有した。全容積も、5〜100mLと非常に多様であった。サンプルのタンパク質濃度は20μg/mL〜2mg/mLの範囲にあった(150μg/mLが平均濃度であった)。タンパク質含有物を得るために、サンプルを氷上で解凍しそして2000×gで4℃で5分間遠心した。上清を使用してタンパク質の濃度を決定した。タンパク質100μgを沈殿させるのに必要な容積は、トリクロロ酢酸(TCA)15%w/vによるタンパク質沈殿の効率が75%であることを考慮に入れて計算した。尿サンプルの残りを−80℃で再び凍結しそして更なる2D電気泳動(必要であれば)のために貯蔵した。TCAおよび尿を氷上で1時間混合し、次いで16000×gで4℃で20分間遠心して、沈殿したタンパク質のペレットを得た。このペレットをアセトンで洗浄し、−20℃で貯蔵しそして溶媒蒸発により乾燥した。
【0147】
二次元(2D)電気泳動実験を行うために、一次元目はIEF(等電点電気泳動)であり(ここでタンパク質はそれらの電荷(pl)により分離される);二次元目はSDS−PAGEであった(ここでタンパク質はそれらの分子量により分離される)。一次元目を行うために、タンパク質の乾燥したペレットを再水和バッファー(尿素7M、チオ尿素2M、CHAPS2%、IPGバッファー2%、ブロモフェノールブルー0.002%)450μLで室温にて1時間再懸濁させた。IEFがpH3〜10の範囲にあるようにIPGバッファー(Amersham,ref# 17−600−88)を使用した。IEFでは、AmershamからのEttan(商標)IPGphor(商標)Isoelectric Focusing Systemを、製造者の指図に従って使用した。Amershamから購入したIPGストリップと名付けられた固定化されたpH勾配(ref# 17−6002−45)においてIEFを行った。可溶化されたタンパク質を、一次元目においてゲルの16時間の能動的再水和の後に該ストリップにおいて30Vで泳動させた。次いで電圧を8000Vに増加させ、強度はゲル当たり50μAより決して高くしなかった。電圧が90000V時に達したときIEFを終了した。
【0148】
二次元目には、26×20cm12.5%アクリルアミドを、AmershamからのEttan DALT twelve Gel Casterを使用して実験室で重合した。ゲルをEttan DALT twelve Large Format Vertical System において、製造者の指示に従って電気泳動の最前部がゲルから出るまで泳動した。ゲルを、製造者の指図に従ってAmershamからの染料キット(17−1150−01)を使用して硝酸銀染色した。次いでゲルを乾燥しそしてその後のタンパク質スポットの画像分析(図1A)のために貯蔵した。いくらかの尿サンプルについて、1つより多くの2Dゲルを泳動した。
【0149】
B.ゲル上のタンパク質スポットの分析
すべてのゲルをスキャンして画像分析のためのスポットのマップを得た。Nonlinear Dynamics(UK)からのProgenesis PG220ソフトウエアを使用して300dpi(ドット/インチ)フォーマットおよび8ビット/チャンネルで画像フアイルを分析した。解像度を増加するために、ゲルの分散した区域で分析を行った。A(図1B)、K(図1C)、R(図1D)およびS(図1E)と名付けられた各区域について、最善のゲルを選びそして画像分析のためにスキャンした。Progenesis PG220ソフトウエアは、平坦な画像の情報を3D画像に変換し、ここで各スポットの強度は、その容積と相関しそして個体の尿中の対応するタンパク質の相対的量と相関していた。ソフトウエア表によって、各スポットについての強度を各ゲルで得た。これらの生のデータはその後の統計分析のための基礎であった。
【0150】
各々の個々のスポットの統計分析を行いそして2つの異なる群(例えばCVおよびTa)においてその強度を比較するために、データのこれらのブロックにおいて正規分布が証明されなければならなかった。2つの群に属するスポットを比較するために、スチューデントt検定を適用しそしてp値を得た:これは、スポットを1つのサブグループまたは別のサブグループに割り当てることの理論的誤差であった。p値≦0.05を有するスポットのみを選んだ。これらのスポットのフォールド変化(fold change)または平均割合を計算し、これらを1)サンプルの全スポット容積(即ち、理論的全タンパク質含量)、または2)一定に発現されるタンパク質(その量はすべてのサンプルにおいて一定である)、または3)同じサンプルの第2のディファレンシャルに発現されるタンパク質という。
【0151】
n値またはサンプル数も考慮した。
【0152】
40個のタンパク質は、コントロール患者からの尿サンプルを移行性膀胱癌を有すると診断された患者からの尿サンプルと比較するとき、それらのフォールド変化における統計学的有意性およびロバスト性を示した。
【0153】
これらのスポットの同定は、MALDI−TOF(マトリックス支援レーザー脱離/イオン化飛行時間型)分析法により行った。その2D電気泳動が統計学的に有意なスポットを示したこれらの尿サンプルを再び2D電気泳動に付し、そしてスポットをゲルから切り出した。タンパク質を消化しそしてMALDI−TOF分光計により分析した。ペプチドマスフィンガープリントは、TTHY、ACY1、AKR1A1、ALDOB、ANXA4、BIEA、BLVRB、CATD H、CATD K、CO3、CPGL1、ENOA、FRIL、GDIB、GPX3、GSHB、GSTP1、IDHC、LMAN2、LY6G6E、MASP2、NADC、NAPSA、PA2G4、PARK7、PCBP1、PDC6I、PPAL、PRDX2、PTD012、QPCT、SBP1、STIP1、TALDO、WDR1、AMY、APOA1、GSN40、GSN80およびRETBP(表1参照)として同定された40個のタンパク質の同定を可能とした。かくして、BTCCを有すると診断された患者においてディファレンシャルに発現されることが証明されたこれらの40個のタンパク質は、疾患の診断、予後、監視および処置のために非常に価値のある生物学的マーカーとして同定された。
【0154】
【表1】



【0155】
例として、図2は、健常個体の尿サンプル(図2A)、Ta病期の癌に罹患している患者の尿サンプル(図2B)、T1低グレード病期の癌に罹患している患者の尿サンプル(図2C)、T1高グレード病期の癌に罹患している患者の尿サンプル(図2D)およびT2病期の癌に罹患している患者の尿サンプル(図2E)から得られた二次元電気泳動(2D)ゲルのR区域におけるBIEAに対応するスポットR211を示す。スポットR211の強度は、健常尿サンプルと比較すると、異なる病期の癌を有する患者のサンプルにおいて明らかに減少していることが分かる。これらの差は、Progenesis PG220ソフトウエアによる統計分析の後に有意であることが示された。図3は、サンプルCV、Ta、T1低グレード、T1高グレードおよびT2におけるスポットR211の強度を示す。各群のサンプル数を括弧内に示す。図4は、異なる尿サンプルにおけるスポットR211についての強度測定のロバスト性を示す。これは、分析したすべてのゲルにおけるスポットR211の存在または非存在を維持するゲルの百分率として表現される。各群のサンプル数を再び括弧内に示す。表2は、非癌個体(CV)のサンプルに比較しての癌の異なる病期のサンプルにおけるスポットR211についての統計分析のp値およびフォールド変化値を示す。スポットR211のフォールド変化を、各々の個々のゲルの全スポット容積(TSV)により正規化した。
【0156】
【表2】

【0157】
II尿サンプルに見出されたタンパク質のための抗体発生
入手可能なポリクローナルおよび/またはモノクローナル抗体(商業的に購入または免疫感作プロトコールに従って生成)を、反応性および感度について試験し、この方法は、一般に、監視されるべきタンパク質についての標準(「用量応答」)曲線の作成を含む。
【0158】
A.免疫感作プロトコール
1.ポリクローナル抗体
ポリクローナル抗血清は、標準方法、例えば当該分野で入手可能な多数のテキストに開示された方法および一般に当業者に知られている方法を使用して所定のタンパク質に対して惹起させることができる。この実施例では、雄ニュージーランド白色ウサギを、最初に完全フロイントアジュバント(Gibco,Grand Island N.Y)中のタンパク質調製物で免疫感作し、次いで毎月不完全アジュバントを用いてタンパク質で3ヶ月間免疫感作させる。融合前のウサギ血清およびマウスからの血清をポリクローナル抗血清として使用しそしてタンパク質調製物と反応性であることが標準ウエスタンブロット技術により示される。
【0159】
2.組換えタンパク質発生
免疫感作のためには少なすぎる量でゲル中に見出されたタンパク質を、E.coliにおいてpET28b(+)クローニングベクターを使用してクローニングしそして発現させる。粗抽出物を以前に記載されたとおりに得(Boronat A., et al., J. Bacteriol. 1981, 147:181-85)そしてSDS−PAGEゲルで泳動する。組換えタンパク質をゲルから切り出しそしてアクリルアミドから遊離させる。組換えタンパク質に対する抗体の発生のために、遊離させたタンパク質を直接使用して上記したとおりにウサギを免疫感作する。
【0160】
B.ウエスタンブロット実験
タンパク質サンプル(全タンパク質20μg)を5%β−メルカプトエタノールを補充したSDS−PAGEゲルローディングバッファーと混合し、そして100℃で5分間インキュベーションし、その後6%ポリアクリルアミドゲル上にローディングした。電気泳動の後に、タンパク質をニトロセルロース膜に移した。二連のゲルを泳動しそしてブロッティングした。1つの膜を、本発明の選ばれた40個のタンパク質の1つ以上に対して惹起された抗体(Santa Cruz Biotech. Inc., Santa Curz, CA, USA) を用いて調べ、一方第2の膜を、タンパク質ローディングのためのコントロールとしてのアクチン(Amersham, Little Chalfont, UK)に対して惹起された抗体を用いて調べた。最後に、膜を、ペルオキシダーゼとコンジュゲーションされた二次抗体(Amersham)とハイブリッド形成させ、そして化学発光シグナルを高性能化学発光フイルム(Hyperfilm ECL, Amersham)と共にECLシステム(Amersham)を使用して検出した。
【0161】
III.ウエスタンブロット実験を使用する尿試験サンプルの評価
いくつかのバイオマーカーを、
a)癌腫なし(12サンプル)
b)以下を含むBTCC:Ta(8サンプル)、T1低グレード(6サンプル)、T1高グレード(6サンプル)およびT2(8サンプル)、
を含む40個の盲検尿サンプルに関して試験した。
【0162】
感度、特異性および精度の得られた値を表3に示す。感度、特異性および精度の値は、これらの式:
【数1】


を使用して計算した。
【0163】
例えば、バイオマーカーAMYは、85%の精度値について89%の感度および75%の特異性を示す。
【0164】
【表3】

【0165】
これらの実験において得られたデータの二項ロジスティック回帰により、表4に示されたとおり、診断方法の感度および特異性を一般に増加させるバイオマーカーの異なる組み合わせを得ることが可能であった。
【0166】
【表4】

【図面の簡単な説明】
【0167】
【図1】尿サンプルから得られそして4つの異なる研究した区域A、K、RおよびS(図1A)、区域A(図1B)、区域K(図1C)、区域R(図1D)および区域S(図1E)を示す二次元電気泳動(2D)ゲル。
【図2】健常個体の尿サンプル(図2A)、Ta病期の癌に罹患している患者の尿サンプル(図2B)、T1低グレード病期の癌に罹患している患者の尿サンプル(T1−LG、図2C)、T1高グレード病期の癌に罹患している患者の尿サンプル(T1−HG、図2D)およびT2病期の癌に罹患している患者の尿サンプル(図2E)から得られた二次元電気泳動(2D)ゲルのR区域におけるBIEAに対応するスポットR211。
【図3】サンプルCV、Ta、T1低グレード(T1−LG)、T1高グレード(T1−HG)およびT2におけるスポットR211の強度。各群のサンプル数を括弧内に示す。
【図4】異なる尿サンプルにおけるスポットR211についての強度測定のロバスト性。これは、分析したすべてのゲルにおけるスポットR211の存在または非存在を維持するゲルの百分率として表現される。各群のサンプル数を括弧内に示す。
【図1A】

【図1B】

【図1C】

【図1D】

【図1E】

【図2A】

【図2B】

【図2C】

【図2D】

【図2E】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
a)個体からの尿試験サンプル中に存在する1つ以上のバイオマーカーを検出しそして定量すること;およびb)正常な尿の対応する標準値に対して試験尿サンプルのa)で得られた発現測定値を比較することを含み、正常な尿の対応する標準値に比較してのa)で得られた測定値の変化は膀胱の移行上皮癌を示す、非侵襲性in vitro方法。
【請求項2】
工程a)が、TTHY(配列番号1)、ACY1(配列番号2)、AKR1A1(配列番号3)、ALDOB(配列番号4)、ANXA4(配列番号5)、BIEA(配列番号6)、BLVRB(配列番号7)、CATD H(配列番号8)、CATD K(配列番号9)、CO3(配列番号10、配列番号11)、CPGL1(配列番号12)、ENOA(配列番号13、配列番号14)、FRIL(配列番号15)、GDIB(配列番号16)、GPX3(配列番号17)、GSHB(配列番号18)、GSTP1(配列番号19)、IDHC(配列番号20)、LMAN2(配列番号21)、LY6G6E(配列番号22)、MASP2(配列番号23)、NADC(配列番号24)、NAPSA(配列番号25)、PA2G4(配列番号26)、PARK7(配列番号27)、PCBP1(配列番号28)、PDC6I(配列番号29)、PPAL(配列番号30)、PRDX2(配列番号31)、PTD012(配列番号32)、QPCT(配列番号33)、SBP1(配列番号34)、STIP1(配列番号35)、TALDO(配列番号36)、WDR1(配列番号37)、AMY(配列番号38、配列番号39、配列番号40)、APOA1(配列番号41)、GSN40(配列番号42)、GSN80(配列番号43)およびRETBP(配列番号44)またはその転写変異体もしくは翻訳後変異体を含む組から選ばれる1つ以上のバイオマーカーを検出しそして定量することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
工程a)が、TTHY、ACY1、AKR1A1、ALDOB、ANXA4、BIEA、BLVRB、CATD H、CATD K、CO3、CPGL1、ENOA、FRIL、GDIB、GPX3、GSHB、GSTP1、IDHC、LMAN2、LY6G6E、MASP2、NADC、NAPSA、PA2G4、PARK7、PCBP1、PDC6I、PPAL、PRDX2、PTD012、QPCT、SBP1、STIP1、TALDOおよびWDR1またはその転写変異体もしくは翻訳後変異体から選ばれる1つ以上のバイオマーカーを検出しそして定量することを含む、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
工程a)が、TTHY、AMY、APOA1、GSN40およびGSN80またはその転写変異体もしくは翻訳後変異体から選ばれる1つ以上のバイオマーカーを検出しそして定量することを含む、請求項2に記載の方法。
【請求項5】
工程a)が、AMY、APOA1、GSN40およびGSN80またはその転写変異体もしくは翻訳後変異体から選ばれる1つ以上のバイオマーカーならびにTTHY、ACY1、AKR1A1、ALDOB、ANXA4、BIEA、BLVRB、CATD H、CATD K、CO3、CPGL1、ENOA、FRIL、GDIB、GPX3、GSHB、GSTP1、IDHC、LMAN2、LY6G6E、MASP2、NADC、NAPSA、PA2G4、PARK7、PCBP1、PDC6I、PPAL、PRDX2、PTD012、QPCT、SBP1、STIP1、TALDOおよびWDR1またはその転写変異体もしくは翻訳後変異体から選ばれる1つ以上のバイオマーカーを検出しそして定量することを含む、請求項2に記載の方法。
【請求項6】
工程a)が、CATD H、CATD K、ENOA、GSHB、GSTP1、IDHC、PRDX2およびTTHYまたはその転写変異体もしくは翻訳後変異体から選ばれる1つ以上のバイオマーカーならびにACY1、AKR1A1、ALDOB、ANXA4、BIEA、BLVRB、CO3、CPGL1、FRIL、GDIB、GPX3、LMAN2、LY6G6E、MASP2、NADC、NAPSA、PA2G4、PARK7、PCBP1、PDC6I、PPAL、PTD012、QPCT、SBP1、STIP1、TALDO、WDR1、AMY、APOA1、GSN40、GSN80およびRETBPまたはその転写変異体もしくは翻訳後変異体から選ばれる1つ以上のバイオマーカーを検出しそして定量することを含む、請求項2に記載の方法。
【請求項7】
工程a)が、TTHY、CATD H、CATD K、ENOA、GSTP1、IDHC、MASP2、PRDX2、AMY、APOA1、GSN40、GSN80およびRETBPまたはその転写変異体もしくは翻訳後変異体から選ばれる1つ以上のバイオマーカーを検出しそして定量することを含む、請求項2に記載の方法。
【請求項8】
工程a)が、請求項2に記載される組から選ばれる少なくとも2つのバイオマーカーを検出しそして定量することを含む、請求項2〜7のいずれかに記載の方法。
【請求項9】
工程a)が、請求項2に記載される組から選ばれる少なくとも3つのバイオマーカーを検出しそして定量することを含む、請求項2〜7のいずれかに記載の方法。
【請求項10】
工程a)が、請求項2に記載される組から選ばれる少なくとも4つのバイオマーカーを検出しそして定量することを含む、請求項2〜7のいずれかに記載の方法。
【請求項11】
工程a)が、請求項2に記載される組から選ばれる少なくとも5つのバイオマーカーを検出しそして定量することを含む、請求項2〜7のいずれかに記載の方法。
【請求項12】
工程a)が、バイオマーカーAPOA1、GSN40およびTTHYまたはそのそれぞれの転写変異体もしくは翻訳後変異体を検出しそして定量することを含む、請求項2に記載の方法。
【請求項13】
工程a)が、バイオマーカーAPOA1、GSN40、GSN80およびTTHYまたはそのそれぞれの転写変異体もしくは翻訳後変異体を検出しそして定量することを含む、請求項2に記載の方法。
【請求項14】
工程a)が、バイオマーカーAMY、APOA1、GSN40、GSN80およびTTHYまたはそのそれぞれの転写変異体もしくは翻訳後変異体を検出しそして定量することを含む、請求項2に記載の方法。
【請求項15】
工程a)が、バイオマーカーCATD H、ENOA、GSTP1、MASP2、PRDX2およびTTHYまたはそのそれぞれの転写変異体もしくは翻訳後変異体を検出しそして定量することを含む、請求項2に記載の方法。
【請求項16】
工程a)が、バイオマーカーAMY、APOA1、CATD K、ENOA、IDHC、PRDX2およびTTHYまたはそのそれぞれの転写変異体もしくは翻訳後変異体を検出しそして定量することを含む、請求項2に記載の方法。
【請求項17】
膀胱の移行上皮癌の存在を検出するため、該癌の病期または重篤度を決定するため、外科切除術の後の疾患の欠如を評価するため、該癌の診断および/または予後を確立するためおよび/または該癌に罹患している個体に行われた処置の効果を監視するために使用される、請求項1〜16のいずれかに記載の方法。
【請求項18】
分析されるべき尿サンプルが、膀胱の移行上皮癌を有すると以前に診断されていない個体から得られる、請求項1〜17のいずれかに記載の方法。
【請求項19】
分析されるべき尿サンプルが、膀胱の移行上皮癌を有すると以前に診断された個体から得られる、請求項1〜17のいずれかに記載の方法。
【請求項20】
分析されるべき尿サンプルが、膀胱の移行上皮癌に対する処置を現在受けている個体から得られる、請求項1〜17のいずれかに記載の方法。
【請求項21】
タンパク質の検出および定量が、尿サンプルのタンパク質抽出物を請求項2に記載されるタンパク質の1つ以上のエピトープに特異的な1つ以上の特異的抗体の組成物と接触させる第1工程、および得られる抗体−タンパク質複合体を定量する第2工程を含むことを特徴とする、請求項1〜20のいずれかに記載の方法。
【請求項22】
前記抗体が、ヒト起源であるか、ヒト化されているかまたは非ヒト起源であり、そしてモノクローナル抗体またはポリクローナル抗体、抗体のインタクトなフラグメントまたは組換えフラグメント、コンビボディおよびFabまたはscFv抗体フラグメントから選ばれることを特徴とする、請求項21に記載の方法。
【請求項23】
得られる抗体−タンパク質複合体の検出および定量において、使用される技術が、ウエスタンブロット、ELISA(酵素結合免疫吸着検定法)、RIA(ラジオイムノアッセイ)、競合EIA(競合エンザイムイムノアッセイ)、DAS−ELISA(二重抗体サンドイッチELISA)、免疫細胞化学または免疫組織化学技術、特異的抗体を含むバイオチップもしくはタンパク質マイクロアレーの使用に基づく技術、ディップスティックなどの形態のコロイド金の沈殿に基づくアッセイ;またはアフィニティークロマトグラフィー技術、リガンド結合アッセイもしくはレクチン結合アッセイを含む群から選ばれることを特徴とする、請求項21または22に記載の方法。
【請求項24】
薬理学的処置または外科的処置の有効性を監視するために使用される、請求項1〜23のいずれかに記載の方法。
【請求項25】
同じタンパク質を、膀胱の移行上皮癌の進展内の異なる時点に得られた同じ患者からの異なる尿サンプルから比較する、疾患の進行を決定するために使用される請求項1〜24のいずれかに記載の方法。
【請求項26】
尿分析により膀胱の移行上皮癌の存在を検出するため、該癌の病期または重篤度を決定するため、外科切除術の後の疾患の欠如を評価するため、該癌の診断および/または予後を確立するためおよび/または該癌に罹患している個体に行われた処置の効果を監視するための、尿中に存在するバイオマーカーに由来する1つ以上のペプチド配列のin vitro使用。
【請求項27】
TTHY(配列番号1)、ACY1(配列番号2)、AKR1A1(配列番号3)、ALDOB(配列番号4)、ANXA4(配列番号5)、BIEA(配列番号6)、BLVRB(配列番号7)、CATD H(配列番号8)、CATD K(配列番号9)、CO3(配列番号10、配列番号11)、CPGL1(配列番号12)、ENOA(配列番号13、配列番号14)、FRIL(配列番号15)、GDIB(配列番号16)、GPX3(配列番号17)、GSHB(配列番号18)、GSTP1(配列番号19)、IDHC(配列番号20)、LMAN2(配列番号21)、LY6G6E(配列番号22)、MASP2(配列番号23)、NADC(配列番号24)、NAPSA(配列番号25)、PA2G4(配列番号26)、PARK7(配列番号27)、PCBP1(配列番号28)、PDC6I(配列番号29)、PPAL(配列番号30)、PRDX2(配列番号31)、PTD012(配列番号32)、QPCT(配列番号33)、SBP1(配列番号34)、STIP1(配列番号35)、TALDO(配列番号36)、WDR1(配列番号37)、AMY(配列番号38、配列番号39、配列番号40)、APOA1(配列番号41)、GSN40(配列番号42)、GSN80(配列番号43)およびRETBP(配列番号44)またはその転写変異体もしくは翻訳後変異体から選ばれるバイオマーカーに由来する1つ以上のペプチド配列の請求項26に記載の使用。
【請求項28】
TTHY、ACY1、AKR1A1、ALDOB、ANXA4、BIEA、BLVRB、CATD H、CATD K、CO3、CPGL1、ENOA、FRIL、GDIB、GPX3、GSHB、GSTP1、IDHC、LMAN2、LY6G6E、MASP2、NADC、NAPSA、PA2G4、PARK7、PCBP1、PDC6I、PPAL、PRDX2、PTD012、QPCT、SBP1、STIP1、TALDOおよびWDR1またはその転写変異体もしくは翻訳後変異体から選ばれるバイオマーカーに由来する1つ以上のペプチド配列の請求項27に記載の使用。
【請求項29】
TTHY、AMY、APOA1、GSN40およびGSN80またはその転写変異体もしくは翻訳後変異体から選ばれるバイオマーカーに由来する1つ以上のペプチド配列の請求項27に記載の使用。
【請求項30】
AMY、APOA1、GSN40およびGSN80またはその転写変異体もしくは翻訳後変異体から選ばれるバイオマーカーに由来する1つ以上のペプチド配列、ならびにTTHY、ACY1、AKR1A1、ALDOB、ANXA4、BIEA、BLVRB、CATD H、CATD K、CO3、CPGL1、ENOA、FRIL、GDIB、GPX3、GSHB、GSTP1、IDHC、LMAN2、LY6G6E、MASP2、NADC、NAPSA、PA2G4、PARK7、PCBP1、PDC6I、PPAL、PRDX2、PTD012、QPCT、SBP1、STIP1、TALDOおよびWDR1またはその転写変異体もしくは翻訳後変異体から選ばれるバイオマーカーに由来する1つ以上のペプチド配列の請求項27に記載の使用。
【請求項31】
CATD H、CATD K、ENOA、GSHB、GSTP1、IDHC、PRDX2およびTTHYまたはその転写変異体もしくは翻訳後変異体から選ばれるバイオマーカーに由来する1つ以上のペプチド配列ならびにACY1、AKR1A1、ALDOB、ANXA4、BIEA、BLVRB、CO3、CPGL1、FRIL、GDIB、GPX3、LMAN2、LY6G6E、MASP2、NADC、NAPSA、PA2G4、PARK7、PCBP1、PDC6I、PPAL、PTD012、QPCT、SBP1、STIP1、TALDO、WDR1、AMY、APOA1、GSN40、GSN80およびRETBPまたはその転写変異体もしくは翻訳後変異体から選ばれるバイオマーカーに由来する1つ以上のペプチド配列の請求項27に記載の使用。
【請求項32】
TTHY、CATD H、CATD K、ENOA、GSTP1、IDHC、MASP2、PRDX2、AMY、APOA1、GSN40、GSN80およびRETBPまたはその転写変異体もしくは翻訳後変異体から選ばれるバイオマーカーに由来する1つ以上のペプチド配列の請求項27に記載の使用。
【請求項33】
正常な尿の対応する標準値と比較しての尿試験サンプルのこれらのバイオマーカーの測定値の変化が、膀胱の移行上皮癌を示す、請求項27〜32のいずれかに記載の使用。
【請求項34】
少なくとも2つのペプチド配列の請求項27〜32のいずれかに記載の使用。
【請求項35】
少なくとも3つのペプチド配列の請求項27〜32のいずれかに記載の使用。
【請求項36】
少なくとも4つのペプチド配列の請求項27〜32のいずれかに記載の使用。
【請求項37】
少なくとも5つのペプチド配列の請求項27〜32のいずれかに記載の使用。
【請求項38】
APOA1、GSN40およびTTHYまたはそのそれぞれの転写変異体もしくは翻訳後変異体に由来するペプチド配列の請求項27に記載の使用。
【請求項39】
APOA1、GSN40、GSN80およびTTHYまたはそのそれぞれの転写変異体もしくは翻訳後変異体に由来するペプチド配列の請求項27に記載の使用。
【請求項40】
AMY、APOA1、GSN40、GSN80およびTTHYまたはそのそれぞれの転写変異体もしくは翻訳後変異体に由来するペプチド配列の請求項27に記載の使用。
【請求項41】
CATD H、ENOA、GSTP1、MASP2、PRDX2およびTTHYまたはそのそれぞれの転写変異体もしくは翻訳後変異体に由来するペプチド配列の請求項27に記載の使用。
【請求項42】
AMY、APOA1、CATD K、ENOA、IDHC、PRDX2およびTTHYまたはそのそれぞれの転写変異体もしくは翻訳後変異体に由来するペプチド配列の請求項27に記載の使用。
【請求項43】
膀胱の移行上皮癌を処置するための治療剤のスクリーニング、同定、開発および/または該治療剤の有効性の評価のための方法における、請求項2に記載される組から選ばれる1つ以上のタンパク質に由来する1つ以上のヌクレオチドまたはペプチド配列の、単独のまたは任意の組み合わせでの使用。
【請求項44】
1)請求項2に記載されるタンパク質の1つを特異的に認識する少なくとも1つの抗体および2)担体を適当なパッケージンク中に含む、請求項1〜25のいずれかに記載の方法を行うためのキット。
【請求項45】
膀胱の移行上皮癌の存在を検出するため、該癌の病期または重篤度を決定するため、外科切除術の後の疾患の欠如を評価するため、該癌の診断および/または予後を確立するためおよび/または該癌に罹患している個体に行われた処置の効果を監視するために使用される、請求項44に記載のキット。
【請求項46】
バイオチップを含む請求項44または45に記載のキット。
【請求項47】
バイオチップが、請求項2に記載される組から選ばれるタンパク質の検出のための抗体を含む、請求項46に記載のキット。

【図3】
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【図4】
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【公表番号】特表2009−511028(P2009−511028A)
【公表日】平成21年3月19日(2009.3.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−534919(P2008−534919)
【出願日】平成18年10月10日(2006.10.10)
【国際出願番号】PCT/EP2006/009768
【国際公開番号】WO2007/042256
【国際公開日】平成19年4月19日(2007.4.19)
【出願人】(501048446)ラボラトリオス・サルバト・ソシエダッド・アノニマ (8)
【氏名又は名称原語表記】LABORATORIOS SALVAT, S.A.
【Fターム(参考)】