説明

膜分離装置

【課題】横置型の膜分離装置であっても、膜エレメントを気体又は気液混相流体によって均一に洗浄することができる膜分離装置を提供する。
【解決手段】耐圧容器2の前端面に原水等の流入口6が設けられ、後端面に濃縮水の流出口10と気体又は気液混相流体の導入口21〜24が設けられている。濃縮水の流出口10は、耐圧容器2の後端面の上部に配置されている。4個の導入口21〜24のうち、導入口21は後端面の下部に配置されている。弁12,15を閉、弁31a〜34a、36、41、45を開とし、コンプレッサ37及びポンプ43を作動させ、気体及び逆洗水の双方を膜モジュール1に供給し、膜エレメント3を気液混相流体で洗浄する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、精密濾過装置、限外濾過装置、逆浸透膜分離装置などの膜分離装置に係り、特に膜エレメントの洗浄時に気体又は気液混相流体を耐圧容器内に供給するように構成された膜分離装置に関する。
【背景技術】
【0002】
耐圧容器内に膜エレメント例えばスパイラル型膜エレメントを装填した膜モジュールを横置型に配置した膜分離装置の従来例について第3図を参照して説明する。略水平に設置された筒状の耐圧容器60内にスパイラル型膜エレメント61が同軸的に配置されている。各スパイラル型膜エレメント61は集水管62の外周に分離膜をスパイラル状に巻回したものである。なお、この従来例では耐圧容器60内に膜エレメント61が複数個配置され、各膜エレメント61の集水管62同士は継手63により接続されているが、膜エレメント61は1個だけ設けられてもよい。原水は耐圧容器60の一方のエンドプレートの流入口64から耐圧容器内に入り、各膜エレメントの原水流路を耐圧容器の軸心線と平行に略水平方向に流れ、耐圧容器60の他方のエンドプレートの流出口65から流出する。透過水は集水管62内に流入し、耐圧容器60の後端側の取出口66から取り出される。67はブラインシール、71はエンドキャップを示す。
【0003】
このような横置型の膜分離装置は、例えば特開平6−15145の図2に示されている。
【0004】
スパイラル型膜エレメントとしては、特開2001−246233等に記載されているように、集水管の外周に複数の袋状の分離膜がメッシュスペーサを介して巻回されたものが多く用いられている。
【0005】
集水管には管内外を連通するスリット状開口が穿設されている。分離膜は袋状のものであり、その内部にはメッシュスペーサ等よりなる流路材が挿入されており、この袋状分離膜(袋状膜)の内部が透過水流路となっている。この袋状膜の内部が該スリット状開口を介して集水管内に連通している。
【0006】
原水は、袋状膜の巻回体の前端面から袋状膜同士の間の原水流路に流入し、そのまま巻回体の長手方向に流れ、巻回体の後端面から濃縮水として流出する。この原水流路を流れる間に水が袋状膜を透過してその内部に入り、集水管内に流入し、該集水管の後端側からエレメント外に取り出される。
【0007】
このような膜分離装置を運転していると、膜面の汚染、目詰まりによりフラックス(透過水量)が低下してくる。そのため、必要に応じて膜面を洗浄する。
【0008】
洗浄方法の一つに気体又は気液混相流体洗浄があり、空気、不活性ガス等の気体又は気液混相流体を膜面に供給し、物理的に膜面の汚濁物を剥離除去する。この洗浄方法としては、気液混相流体を膜エレメントの1次側に膜エレメント分離処理時の流速よりも大きな流速で流すフラッシング操作が効果的である(例えば特開平5−57159、特開平11−104636(特許3615918)、特開2001−259381、特開2007−245121、特開2008−80266)。気体洗浄としてはエアスクラビング、エア逆洗が通常行われる。エアスクラビングは、膜の被処理水(濃縮水)側に気体を供給し、汚れやすい被処理水側を洗浄する。エア逆洗は、透過水側に気体を供給し、膜の透過水側から濃縮水側に気体を通して膜内に侵入した汚染物を押し出し、あるいは膜面に付着した汚染物を膜面から剥離する。
【0009】
気体又は気液混相流体洗浄は、フラックス低下、膜間差圧を目安に実施したり、定期的に実施したりする。また、短時間毎に、例えば数分〜数十分毎にエアスクラビングをして膜面の汚染防止を図ることもある。
【0010】
このような気体又は気液混相流体洗浄を行うため、膜エレメントの濃縮水側または透過水側に、または両者に洗浄用気体又は気液混相流体を供給できるようになっている。通常は、原水配管、濃縮水配管又は透過水配管に気体供給配管が接続され、この気体供給配管にコンプレッサから空気が供給される。
【0011】
なお、複数の膜モジュールを並列に配置する場合、配管を減らす目的で高圧ユニフォールド配管をハウジング内部に取り込んだ4ポートのサイドポートタイプの膜モジュールが用いられてきているが、このタイプのものでは、被処理水配管を介して下部からエアを供給すると各モジュールを接続している配管をエアが浮上する。また、濃縮水配管を介して上部から供給すると下方モジュールまでエアを供給するのは困難である。濃縮水配管に延長部を設けるなどして下方よりエアを供給しても各モジュールを接続する配管(濃縮水配管)をエアが浮上し各モジュールを均一にエア供給することが困難である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0012】
【特許文献1】特開平6−15145
【特許文献2】特開平5−57159
【特許文献3】特開平11−104636
【特許文献4】特開2001−246233
【特許文献5】特開2001−259381
【特許文献6】特開2007−245121
【特許文献7】特開2008−80266
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
横置き型の膜分離装置について気体又は気液混相流体による洗浄を行うと、膜分離装置内で気体が浮上して偏在化するため、膜エレメントが均一に洗浄されなくなることがある。
【0014】
本発明は、このような横置型の膜分離装置であっても、膜エレメントを気体又は気液混相流体供給手段によって均一に洗浄することができる膜分離装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0015】
請求項1の膜分離装置は、原水の流入口、透過水の取出口及び濃縮水の流出口を有した耐圧容器と、この耐圧容器内に装填された膜エレメントと、該膜エレメントの濃縮水側又は透過水側に該膜エレメントの洗浄用気体又は気液混相流体を供給する気体又は気液混相流体供給手段とを備えてなり、被処理水が該膜エレメント内を略水平方向に流通される膜分離装置において、該気体又は気液混相流体を耐圧容器内に導入するための導入口が、該耐圧容器の端面に、該原水の流入口、透過水の取出口及び濃縮水の流出口とは別個に設けられていることを特徴とするものである。
【0016】
請求項2の膜分離装置は、請求項1において、前記耐圧容器は筒軸心線方向が略水平となるように配置された筒状のものであり、前記供給手段は、該膜エレメントの濃縮水側に気体又は気液混相流体を供給するように設けられていることを特徴とするものである。
【0017】
請求項3の膜分離装置は、請求項1又は2において、前記気体又は気液混相流体の導入口は、前記端面に複数個設けられていることを特徴とするものである。
【0018】
請求項4の膜分離装置は、請求項3において、少なくとも1つの気体又は気液混相流体の導入口が該端面の下部に設けられていることを特徴とするものである。
【0019】
請求項5の膜分離装置は、請求項3又は4において、前記気体又は気液混相流体の導入口は、少なくとも前記端面の下部、上部及び左右の側部に設けられていることを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0020】
本発明の膜分離装置では、膜分離装置内に膜エレメント洗浄用の気体又は気液混相流体を導入するための導入口が原水の流入口、透過水の取出口及び濃縮水の流出口とは別個に設けられているので、該導入口から気体又は気液混相流体を十分に導入し、膜エレメントを均一に洗浄することができる。また、気体又は気液混相流体の導入口が端面に設けられているため、端面近傍の膜モジュール内スペースを気体が上昇することなく膜エレメント内に供給することができる。
【0021】
本発明によれば、従来法と比べて
(1) 分離膜モジュール外に簡単な設備を設けるだけで、膜表面に付着して汚濁物質に物理的な力を与えて、短時間で剥離することができ、洗浄効果が上がる;
(2) 薬剤浸漬とリンスのために設備を長時間停止する必要が無くなり、洗浄頻度を上げる、または薬剤使用量を減らすことができる;
(3) 分離膜モジュール全体を均一に洗浄することが可能となる
等の効果が得られる。
【0022】
本発明は請求項2の通り、横置き型の筒状耐圧容器を有した膜分離装置に適用するのに好適である。この場合、膜エレメントの濃縮水に気体又は気液混相流体を供給することにより、膜エレメントを効率良く洗浄することができる。
【0023】
請求項3の膜分離装置によると、複数の導入口を設けることにより気体又は気液混相流体を膜分離装置内に均等に導入することができる。
【0024】
請求項4の通り、この導入口の少なくとも1つを端面の下部に設けることにより、膜エレメントをより均一に洗浄することができるようになる。
【0025】
請求項5の膜分離装置によると気体又は気液混相流体が膜分離装置内により均等に導入されるようになり、膜エレメントが均一に洗浄される。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】本発明の実施の形態に係る横置型の膜分離装置の断面図である。
【図2】膜分離装置の濃縮水及び透過水取出側の斜視図と配管系統図である。
【図3】従来のスパイラル型膜モジュールの断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下図面を参照して発明の実施の形態について説明する。
【0028】
第1図は本発明の実施の形態に係る横置型の膜分離装置の断面図、第2図は膜分離装置の濃縮水及び透過水取出側の斜視図と配管系統図である。
【0029】
第1図の通り、この実施の形態に用いられている膜モジュール1は、スパイラル型膜モジュールであり、円筒形の耐圧容器(ベッセル)2内にスパイラル型膜エレメント3が該耐圧容器2と同軸的に配置されている。この膜モジュール1は、筒軸心方向を水平とした横置型である。
【0030】
この膜エレメント3は、集水管4の外周に袋状分離膜が網目状スペーサ(図示略)を介して巻回されたものである。
【0031】
集水管4には管内外を連通する開口が多数穿設されている。分離膜は袋状のものであり、その中央部が集水管4に接着されるか、又は集水管4をくるんでいる。この袋状分離膜の内部にはメッシュスペーサ等よりなる流路材(図示略)が挿入されており、この袋状分離膜の内部が透過水流路となっている。
【0032】
膜エレメント3の外周面と耐圧容器2の内周面との間にはリング状のトップ側シール材(図示略)が配置されている。
【0033】
集水管4の前端部(図の左端)にはエンドキャップ5が装着され、後方側端部(図の右端)は、耐圧容器2に設けられた透過水取出口7に嵌合されている。この実施の形態では、集水管4の後端(図の右端)から透過水が取り出されるよう構成されているが、集水管4の前端部を耐圧容器2から突出させて前端から流出させるようにしてもよく、両端から流出するよう構成されてもよい。
【0034】
膜モジュール1内には、膜エレメント3の前端面に臨んで原水流入スペース8が形成され、後端面に臨んで濃縮水流出スペース9が形成されている。
【0035】
耐圧容器2の前端面に原水等の流入口6が設けられ、後端面に濃縮水の流出口10と気体又は気液混相流体の導入口21〜24が設けられている。
【0036】
濃縮水の流出口10は、耐圧容器2の後端面の上部近傍に配置されている。4個の導入口21〜24のうち、導入口21は後端面の下部に配置され、導入口22,23は後端面の上下方向の中間付近の左右の側部に配置され、導入口24は後端面の上部に配置されている。導入口24は濃縮水流出口10よりも上位に配置されている。透過水の取出口7は、円形の後端面の中心部に位置している。
【0037】
流入口6には、原水が原水ポンプ11、弁12、配管13を介して導入される。この配管13のうち弁12よりも流入口6側から後述の洗浄排水排出用配管50が分岐している。
【0038】
濃縮水流出口10には、濃縮水等の流出用配管14が接続され、この配管14に弁15が設けられている。
【0039】
導入口21〜24には、それぞれ膜エレメント洗浄用の気体又は気液混相流体を導入するための配管31〜34がそれぞれ接続されている。
【0040】
各配管31〜34は、各々に設けられた弁31a、32a、33a、34aを介して集合配管35に接続され、さらに弁36を介してコンプレッサ37に接続されており、該コンプレッサ37から空気が各導入口21〜24に導入されるよう構成されている。
【0041】
また、各配管31〜34は、弁31a〜34aを介して集合配管40に接続され、さらに弁41、配管42を介して逆洗水用ポンプ43に接続されており、逆洗水が各導入口21〜24に導入されるよう構成されている。
【0042】
この配管42は、配管44及び弁45を介して配管14に接続されており、逆洗水が濃縮水流出口10にも導入可能とされている。
【0043】
このように構成された膜分離装置の作動を次に説明する。
【0044】
[原水の膜分離処理運転]
原水を膜分離処理するときには、コンプレッサ37及びポンプ43は停止状態とされ、弁31a〜34a,45,51は閉とされる。
【0045】
弁12,15を開とし、原水ポンプ11を作動させると、原水が流入口6から流入スペース8に流入し、次いで膜エレメント3の前端面から分離膜同士の間の原水流路に流入し、そのまま膜エレメント3の長手方向に略水平方向に流れ、膜エレメント3の後端面から流出する。この原水流路を流れる間に水が分離膜を透過してその内部に入り、集水管4内に流入し、該集水管4の後端側から透過水取出口7を経て膜モジュール1外に取り出される。
【0046】
膜エレメント3の後端面を通り抜けた濃縮水は、流出スペース9から、流出口10及び配管14、弁15を介してハウジング2外へ取り出される。
【0047】
[膜モジュール1の気体又は気液混相流体による洗浄]
膜モジュール1の1次側を気体を用いて洗浄するときには、弁12を閉とし、弁31a〜34a、36、51を開とし、弁15、41、45を閉とし、コンプレッサ37を作動させる。これにより、気体(空気)が導入口21〜24から膜モジュール1内に導入され、配管50を介して流出する。
【0048】
気体及び逆洗水の双方を膜モジュール1に供給し、膜エレメント3を気液混相流体で洗浄するには、弁12,15を閉、弁31a〜34a、36、41、45、51を開とし、コンプレッサ37及びポンプ43を作動させる。これにより、気体(空気)及び逆洗水が各導入口21〜24を介して膜モジュール1内に導入されると共に逆洗水が濃縮水流出口10を介して膜モジュール1内に導入され、気液混相状態の逆洗排水が配管50を介して流出する。
【0049】
膜モジュールを逆洗するには、この気液混相流体による逆洗を行うのが好ましいが、気体逆洗、気液混相流体による逆洗及び水のみによる逆洗のうちのいずれか複数の逆洗を順次に行ってもよい。
【0050】
気体又は気液混相流体による逆洗を行う場合、上記のように、導入口21〜24から気体又は気液混相流体を導入して膜の表面に付着した付着物質を気泡で物理的に剥離させる。この場合、濃縮水流出口10から逆洗水を膜モジュール1内に導入すると、剥離した汚濁物質を配管50へスムーズに流出させることができる。ただし、濃縮水流出口10からの逆洗水流入は行わなくてもよい。
【0051】
気体又は気液混相流体を膜モジュール1内に導入する場合、下部の導入口21からの導入量を他の導入口22,23又は24からの導入量よりも多くするのが好ましい。これは、膜モジュール1内に導入された流体が膜モジュール1内を原水流入口6側に向って流れている間に、気体が膜モジュール1内で上昇し、膜モジュール1内の上部に溜り易くなるからである。具体的には、単位時間当りに膜モジュール1内に導入される気体又は気液混相流体の導入量の30〜70体積%特に40〜60体積%を下部の導入口21から膜モジュール1内に導入するのが好適である。
【0052】
なお、導入口21〜24を介して膜モジュール1内に導入される気液混相流体中の気体の標準状態での体積比(Nm−空気/Nm−気液混相流体)は30〜85%特に50〜70%程度が好適である。また、導入口21〜24を介して導入される気液混相流体と濃縮水流入口10から導入される逆洗水との合量における濃縮水流入口10からの逆洗水量の割合は、標準状態での体積比で30〜85%特に50〜70%程度が好ましい。
【0053】
一般的な、横置き型の直径8インチのスパイラル型逆浸透膜モジュールの導入口21〜24に気液混相流体を供給し、濃縮水流入口10に逆洗水を供給して逆洗を行う場合、各導入口21〜24からの気液混相流体の空気対水混合比を気体の標準状態での体積比として6:1〜6:5特に約3:2とし、導入口24(上側)からの供給量を2〜4m/hr特に約3m/hrとし、導入口22,23(中側)からの供給量を各々2〜4m/hr特に約3m/hrとし、導入口21(下側)からの供給量を5〜7m/hr特に約6m/hrとし、濃縮水流入口10からの供給量(水のみ)を0.5〜2m/hr特に約1m/hrとし、下側の導入口からの流量を多くすると、分離膜モジュール全体を均一に洗浄することができる。この方法であれば洗浄時間は40秒程度で十分である。
【0054】
逆洗後は、弁51、31a〜34a、45を閉とし、弁12,15を開とし、ポンプ11を作動させ、膜モジュール1内に残っている逆洗水を濃縮水配管14を介して流出させ、その後、定常運転に復帰するのが好ましい。
【0055】
膜モジュール内の残留逆洗水を配管14へ流出させる場合、通常の膜分離工程より速い流速にて原水を流入スペース8側から流出スペース9側に向って通液し、剥離された汚濁物質を濃縮側に押し出すのが好ましい。上記のスパイラル型逆浸透膜モジュールに於いては、通常流量の1.2倍以上例えば2倍程度にすると効果的である。押し出し時間は30秒程度で十分である。これにより洗浄工程が完了する。
【0056】
かかる気体又は気液混相流体による逆洗を1日2〜5回程度特に3回程度行うことで、膜モジュールの薬品洗浄頻度を大幅に減らすことができる。例えば、開放式冷却塔のブロー水を原水として、従来法では平均2週間毎におよそ30分間の薬液浸漬が必要であったものが、上記の条件で逆洗を行うと4ヵ月以上薬品洗浄を行わなくても、所期の膜透過水量を維持することができる。
【0057】
上記実施の形態では1個の膜モジュールのみが用いられているが、複数の膜モジュールを並列に設置した膜分離装置にも本発明を適用することができる。また、上記実施の形態では原水等の流入口6や濃縮水の流出口10は耐圧容器2の端面に設けられているが、これらを側面に設けても良く、高圧ユニフォールド配管をハウジング内部に取り込んだ4ポートのサイドポートタイプの膜モジュールにも通用することができる。さらに、スパイラル膜エレメントのみならず、中空糸膜エレメントやその他の膜エレメントを用いることができる。本発明では、キャビテーションポンプを用いて気液混相流体を膜モジュールに供給し、逆洗を行うようにしてもよい。
【符号の説明】
【0058】
1 膜モジュール
2 耐圧容器
3 膜エレメント
4 集水管
6 原水流入口
7 透過水取出口
10 濃縮水流出口
21〜24 導入口

【特許請求の範囲】
【請求項1】
原水の流入口、透過水の取出口及び濃縮水の流出口を有した耐圧容器と、
この耐圧容器内に装填された膜エレメントと、
該膜エレメントの濃縮水側又は透過水側に該膜エレメントの洗浄用気体又は気液混相流体を供給する気体又は気液混相流体供給手段と
を備えてなり、被処理水が該膜エレメント内を略水平方向に流通される膜分離装置において、
該気体又は気液混相流体を耐圧容器内に導入するための導入口が、該耐圧容器の端面に、該原水の流入口、透過水の取出口及び濃縮水の流出口とは別個に設けられていることを特徴とする膜分離装置。
【請求項2】
請求項1において、前記耐圧容器は筒軸心線方向が略水平となるように配置された筒状のものであり、
前記供給手段は、該膜エレメントの濃縮水側に気体又は気液混相流体を供給するように設けられていることを特徴とする膜分離装置。
【請求項3】
請求項1又は2において、前記気体又は気液混相流体の導入口は、前記端面に複数個設けられていることを特徴とする膜分離装置。
【請求項4】
請求項3において、少なくとも1つの気体又は気液混相流体の導入口が該端面の下部に設けられていることを特徴とする膜分離装置。
【請求項5】
請求項3又は4において、前記気体又は気液混相流体の導入口は、少なくとも前記端面の下部、上部及び左右の側部に設けられていることを特徴とする膜分離装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2010−158607(P2010−158607A)
【公開日】平成22年7月22日(2010.7.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−914(P2009−914)
【出願日】平成21年1月6日(2009.1.6)
【出願人】(000001063)栗田工業株式会社 (1,536)
【Fターム(参考)】