説明

膜貫通薬物送達システムに適用するためのプロサポシン由来の融合タンパク質又はポリペプチドを含む組成物

本発明は、融合タンパク質を用いて、皮膚膜、粘膜及び他の細胞膜内に及び/又はこれらを通して並びに血管脳関門を通して、薬学的因子及び/又は画像化因子を送達する方法を含む。融合タンパク質は、リン脂質膜(例えばリポソーム)と結び付く。リポソームには、負に荷電した長鎖脂質であるジオレオイルホスファチジルセリンが含まれ得る。代替的には、リポソームは、負に荷電した長鎖脂質と、中性長鎖脂質と、中性短鎖脂質との混合物から成る。好ましい融合タンパク質としては、サポシンC、及びサポシンCに由来する他のタンパク質、ポリペプチド及びペプチド類似体が挙げられる。リポソーム内に含有された活性剤は、生体分子及び/又は有機分子を含み得る。この技術は、生体膜内に及び/又は生体膜下に、又は血液脳関門及びニューロン膜を通して、活性剤を送達することを目的とする美容用途及び医学用途に用いることができる。


Notice: Undefined index: DEJ in /mnt/www/gzt_disp.php on line 298

【特許請求の範囲】
【請求項1】
a)長鎖リン脂質、短鎖脂質及びこれらの混合物から成る群から選択される1つ又は複数のリン脂質と、
b)安全で且つ効果的な量の作用因子と、
c)プロサポシン由来の融合タンパク質又はポリペプチドと、
d)薬学的に許容可能な担体と、
を含む組成物を前記膜に適用させることを含み、前記融合タンパク質又はポリペプチドの濃度が該膜を通して前記作用因子を送達するのに十分な量であり、該組成物が前記標的生体膜と融合可能なリポソームを形成する、標的生体膜を通して作用因子を送達する方法。
【請求項2】
前記リン脂質がアニオン性長鎖脂質と中性長鎖脂質との混合物である、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記リン脂質が、アニオン性長鎖脂質と、中性長鎖脂質と、中性短鎖脂質との混合物である、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記リポソームがカチオン性リン脂質を含有する、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
アニオン性長鎖脂質、中性長鎖脂質及び短鎖脂質の量が、([中性長鎖脂質]+[アニオン性長鎖脂質])/(短鎖脂質)=約4である式によって支配される、請求項3に記載の方法。
【請求項6】
前記標的生体膜が、皮膚膜、粘膜、血液脳関門及び細胞膜から成る群から選択される、請求項3に記載の方法。
【請求項7】
前記リポソームが、ジオレオイルホスファチジルセリン、ジパルミトイルホスファチジルコリン及びヘキサノイルホスファチジルコリンから成り、アニオン性長鎖脂質、中性長鎖脂質及び中性短鎖脂質の量が、([中性長鎖脂質]+[アニオン性長鎖脂質])/(中性短鎖脂質)=約4である式によって支配される、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
リン脂質の濃度が、前記融合タンパク質又はポリペプチドの濃度に対してモル比で約1倍〜10倍過剰である、請求項1〜7のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
ジオレオイルホスファチジルセリンと、ジパルミトイルホスファチジルコリンとのモル比が約10:1である、請求項7に記載の方法。
【請求項10】
前記組成物のpHが約6.8〜2である、請求項1に記載の方法。
【請求項11】
前記組成物のpHが約5.5〜約2である、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
pHを中和緩衝液で中性にするさらなる工程を含む、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
平均直径が50nm〜350nmのリポソームを形成するように前記組成物のpHが調整される、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
平均直径が約200nmのリポソームを形成するように前記組成物のpHが調整される、請求項12に記載の方法。
【請求項15】
前記組成物が乾燥粉末状で提供される、請求項1に記載の方法。
【請求項16】
前記組成物が酸で処理される、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記酸が酸性緩衝液又は有機酸である、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記タンパク質の少なくとも一部分にプロトンを付加するのに十分なレベルで前記酸が添加される、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
前記組成物の最終pHが約5.5〜約2である、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
前記タンパク質に実質的にプロトンを付加するのに十分なレベルで前記酸が添加され、前記組成物のpHが約5.5〜約2である、請求項18に記載の方法。
【請求項21】
酸で処理した前記組成物のpHをその後実質的に中性にする、請求項18に記載の方法。
【請求項22】
pHを中性pH緩衝液で中性にする、請求項21に記載の方法。
【請求項23】
前記得られるリポソームのサイズを制御するのに十分、pHを中性pH緩衝液で中性にする、請求項21に記載の方法。
【請求項24】
前記得られるリポソームのサイズを制御して、平均直径が50nm〜350nmのリポソームを提供するのに十分、pHを中性pH緩衝液で中性にする、請求項21に記載の方法。
【請求項25】
前記得られるリポソームのサイズを制御して、平均直径が約200nmのリポソームを提供するのに十分、pHを中性pH緩衝液で中性にする、請求項21に記載の方法。
【請求項26】
pHが約7〜約10の最終組成物を提供するように、前記緩衝液が前記組成物に添加される、請求項25に記載の方法。
【請求項27】
前記膜が粘膜である、請求項1に記載の方法。
【請求項28】
前記リポソーム複合体が前記血液脳関門に浸透することを目的とする、請求項1に記載の方法。
【請求項29】
前記融合タンパク質又はポリペプチドが、サポシンA、サポシンC、配列番号1、配列番号2、配列番号3、及びそれらの混合物から成る群から選択される、請求項1に記載の方法。
【請求項30】
前記組成物の投与が、経皮パッチ、経腸、経鼻、静脈内、筋肉内又は局所から選択される、請求項1に記載の方法。
【請求項31】
前記作用因子が生体活性剤である、請求項1に記載の方法。
【請求項32】
前記生体活性剤が、診断剤、調合薬、薬物、合成有機分子、タンパク質、ペプチド、ビタミン、ステロイド及び遺伝物質から成る群から選択される、請求項31に記載の方法。
【請求項33】
前記作用因子が画像化因子である、請求項1に記載の方法。
【請求項34】
前記画像化因子が、磁気共鳴、蛍光、又はCT/PET検出用標識から成る群から選択される1つ又は複数の作用因子である、請求項33に記載の方法。
【請求項35】
前記画像化因子が2つ以上の画像化特性を有する、請求項33に記載の方法。
【請求項36】
前記画像化因子が磁気共鳴画像法(MRI)又は共焦点蛍光顕微鏡法によって検出することができるフルオロフォア及びGd(III)部の両方を含有するPTIR色素である、請求項33に記載の方法。
【請求項37】
前記血液脳関門の膜を通して薬学的因子又は画像化因子を送達する方法であって、
a)アニオン性長鎖リン脂質、中性長鎖脂質、中性短鎖脂質、アニオン性短鎖脂質及びこれらの混合物から成る群から選択されるリン脂質と、
b)安全で且つ効果的な量の前記薬学的因子又は画像化因子と、
c)プロサポシン由来の融合タンパク質又はポリペプチドと、
d)薬学的に許容可能な担体と、
を含む組成物の前記膜への投与を含み、リポソームの濃度が前記膜を通して安全で且つ効果的な量の前記薬学的因子を送達するのに十分な量であり、前記リン脂質が全体的に負に荷電したリポソームを形成する、前記血液脳関門の膜を通して薬学的因子又は画像化因子を送達する方法。
【請求項38】
前記リン脂質がアニオン性長鎖脂質と中性長鎖脂質との混合物である、請求項37に記載の方法。
【請求項39】
前記リン脂質が、アニオン性長鎖脂質と、中性長鎖脂質と、中性短鎖脂質との混合物である、請求項37に記載の方法。
【請求項40】
前記リポソームがカチオン性リン脂質を含有する、請求項39に記載の方法。
【請求項41】
アニオン性長鎖脂質、中性長鎖脂質及び短鎖脂質の量が、([中性長鎖脂質]+[アニオン性長鎖脂質])/(短鎖脂質)=約4である式によって支配される、請求項38に記載の方法。
【請求項42】
前記リポソームが、ジオレオイルホスファチジルセリン、ジパルミトイルホスファチジルコリン及びヘキサノイルホスファチジルコリンから成り、アニオン性長鎖脂質、中性長鎖脂質及び中性短鎖脂質の量が、([中性長鎖脂質]+[アニオン性長鎖脂質])/(中性短鎖脂質)=約4である式によって支配される、請求項37に記載の方法。
【請求項43】
前記組成物のpHが約5.5〜約2である、請求項37に記載の方法。
【請求項44】
前記融合タンパク質又はポリペプチドがサポシンCである、請求項37に記載の方法。
【請求項45】
前記リポソームの濃度が、プロサポシン由来の前記融合タンパク質又はポリペプチドの濃度に対してモル比で少なくとも約1倍〜約10倍過剰である、請求項37に記載の方法。
【請求項46】
ジオレオイルホスファチジルセリンと、ジパルミトイルホスファチジルコリンとのモル比が約10:1である、請求項42に記載の方法。
【請求項47】
q値が1〜10である、請求項38に記載の方法。
【請求項48】
前記画像化因子が、磁気共鳴、蛍光、又はCT/PET検出用標識から成る群から選択される1つ又は複数の作用因子である、請求項38に記載の方法。
【請求項49】
前記画像化因子が2つ以上の画像化特性を有する、請求項38に記載の方法。
【請求項50】
前記画像化因子が磁気共鳴画像法(MRI)又は共焦点蛍光顕微鏡法によって検出することができるフルオロフォア及びGd(III)部の両方を含有するPTIR色素である、請求項49に記載の方法。
【請求項51】
ゴーシェ病を治療する方法であって、このような治療が必要な被験者に、
アニオン性長鎖リン脂質、中性長鎖リン脂質、中性短鎖リン脂質、アニオン性短鎖リン脂質及びこれらの混合物から成る群から選択される1つ又は複数のリン脂質を含有するアニオン性リポソーム(アニオン性長鎖脂質、中性長鎖脂質及び中性短鎖脂質の量が、([中性長鎖脂質]+[アニオン性長鎖脂質])/(中性短鎖脂質)=約4である式によって支配される)と、
安全で且つ効果的な量の酸β−グルコシダーゼと、
プロサポシン由来の融合タンパク質又はポリペプチドと、
薬学的に許容可能な担体と、
を含む組成物の投与を含み、該組成物のpHが約5.5〜約2であり、前記融合タンパク質又はポリペプチドの濃度が前記膜を通して前記薬学的因子を送達するのに十分な量であり、このサポシンCが静電気的な疎水性相互作用によって前記リポソームの表面と結び付く、ゴーシェ病を治療する方法。
【請求項52】
前記リポソームの濃度が、融合タンパク質又はポリペプチドの濃度に対してモル比で少なくとも約1倍〜約10倍過剰である、請求項51に記載の方法。

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図6】
image rotate

【図1】
image rotate

【図5】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate


【公表番号】特表2009−535348(P2009−535348A)
【公表日】平成21年10月1日(2009.10.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−507842(P2009−507842)
【出願日】平成19年4月27日(2007.4.27)
【国際出願番号】PCT/US2007/010357
【国際公開番号】WO2007/127439
【国際公開日】平成19年11月8日(2007.11.8)
【出願人】(500469235)チルドレンズ ホスピタル メディカル センター (40)
【Fターム(参考)】