説明

膣内手術のための支持鉤状器具

本発明は支持鉤状器具およびシステムに指向されており、医療用または診断用の器具を膣内で供給しかつ特に子宮障害治療のために女性患者の子宮用動脈の閉塞を目的としている。組織を把持し、操作しおよび保持する方法も含まれている。支持鉤状器具は消息子付きの末端部分を備え患者に過度の外傷または不快感を起こすことなく入り、かつ患者の子宮頸に係合しかつ保持するように構成されたスパイクのような把持要素付きの保持または組織把持機構を備えている。本発明の特徴を具体化した支持鉤状器具は拡張可能な末端チップを備えて患者の子宮頸管内へより確実に噛み合わせることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
医療手続中に組織を保持し、動かし、かつ維持することはしばしば所望される。組織を把持し、保持し、かつ操作するための器具は医療手続、特に比較的に接近不能または別に接近または維持が困難な組織、器官、および構造体を含む場合に非常に有用である。
【0002】
多くの医療手続においては、女性患者の子宮頸および子宮頸口の位置を捜すことは有用である。例えば、子宮頸口および子宮頸の位置決めは拡張および掻爬手続実施のための適切な位置決めのために必要である。特に膣横断接近手法で子宮摘出を実施するためには、しばしば子宮頸の把持が有用である。これは子宮の方向付け、手続中における子宮の所望されない動きの減少、または治療中に子宮を好ましい位置へ操作することを助け得る。子宮の把持、保持および操作のための器具および方法は多くの他の医療処置においても同様に有用であり得る。
【0003】
子宮摘出(子宮の外科的除去)は米国では年間約800,000人の女性に実施されかつしばしば子宮癌、腺腫、月経過多症、子宮脱出、機能不全子宮出血(腫瘍または成長のような別の解剖学的説明を持たない異常月経出血)、およびレイミョウマまたは子宮筋腫として知られている子宮の筋肉腫瘍の処置のための療法選択である。
【0004】
しかしながら、子宮摘出は子宮の除去とその結果としての生殖機能の喪失をもたらす激しい処置である。このようにして、子宮を除去することなく子宮摘出と医療的に近似した結果となる方法はどのようなものでもこの分野においては顕著な改良となり得る。より新しい治療方法は婦人に子宮摘出を省略し得る或る病気のために開発されてきている。
【0005】
1995年に、子宮筋腫が外科医療を使用することなく子宮摘出なしで処理され、特にその処理が子宮用動脈の双方向内光閉塞を包含していることが発表された(ラビナ他、“子宮筋腫処置のための動脈塞栓”、ランセット 1995年9月9日;Vol.344;pp.671−692、ここにその全体が取り込まれている)。この技術は“子宮動脈塞栓”として知られている。この技術においては、子宮用動脈は通常の大腿動脈から左および右の子宮用動脈へ管横断ルートを介して接近されかつ塞栓コイルが子宮用動脈内に動脈通路の閉塞のために配置されている。
【0006】
子宮は二重(または余剰)の血液供給を受け、1次的血液供給は両側の子宮用動脈からであり、2次的血液供給は両側の卵巣用動脈からである。その結果として、双方の子宮用動脈が閉塞された時、即ち、両通路が閉塞されると、子宮および子宮内に保持されている子宮筋腫は共に血液供給が奪われる。しかしながら、ラビーナ他により発表されたように、子宮筋腫上への効果は子宮上への効果より大きい。多くの例において、子宮筋腫は衰えかつ臨床的徴候の発生が収まる。バーバンク他による“塞栓または子宮筋腫の外科処置による子宮用動脈の閉塞:統一された仮説−過渡的な子宮虚血”を参照されたい。婦人科学用腹腔鏡手術のジャーナル オブ ザ アメリカン アソシエーション、2000年11月、Vol.7、No.4 付録、pp.S3−S49。米国特許No.6,254,801、バーバンク他、“子宮用動脈の閉塞のための方法”は子宮用動脈へ接近するために組織を貫通することにより子宮用動脈閉塞に有用な多数の器具および方法を開示しており、これは参考資料として全てここに組み込まれている。
【0007】
しかしながら、放射線方向に基づくカテーテルベースの子宮用動脈塞栓は専門の設備および複雑な手順を要する。そのため、子宮摘出よりも遙かに少ない子宮用動脈塞栓術が前兆となる子宮筋腫のために実施されている。
【0008】
従って、求められているものは、子宮頸、子宮と関連組織、および近くの解剖学的構造体を捜し、保持しかつ操作するための器具および方法であって、それらが内科医により簡単な臨床的セッテイングまたは医療手続を助ける環境内で使用され得ることである。
【発明の開示】
【0009】
本発明は医療用または診断用の道具を女性患者の子宮頸および関連組織または近くの解剖学的構造体へ膣内でガイドするための支持鉤状器具およびそのような器具を子宮障害および他の疾患の治療に使用する方法に指向されている。
【0010】
本発明の特徴を具体化した器具は末端ガイドレール部分付きの伸長ガイドレールを備え、このガイドレールは患者の膣管を通して患者の子宮頸口内へ非外傷的に入りかつ前進するように構成されている。ガイドレールの他に、この器具は組織把持機構を備え、この把持機構は末端チップ近傍のガイドレール末端部分に、患者の子宮頸および関連組織または近くの解剖学的構造体把持のために固着されている。
【0011】
組織把持機構は治療用または診断用の道具がガイドレールを越えて患者の子宮頸へ前進するのと干渉しないようにガイドレールに対して固着されている。組織把持機構は好ましくは第1伸長部材またはハンドルを備え、この第1伸長部材は患者の外で手動操作するための基端セクションおよびアトローマチック末端チップ近傍のガイドレールの末端部分に固着された末端エンド付きの末端セクションを有する。また組織把持機構は第2伸長部材またはハンドルを備え、この第2伸長部材は患者の外で第1伸長部材の基端セクションとの関連で手動操作するための基端セクションおよび組織把持用末端エンド付きの末端セクションを有する。この第2伸長部材は第1伸長部材と第1伸長部材の末端エンドから基端側へ隔たった枢支点で枢着されていて、そのため第2伸長部材の組織把持用末端エンドはガイドレールに対して子宮頸組織または関連組織または近くの解剖学的構造体を把持する。
【0012】
出産したことのない婦人の子宮頸管は通常ガイドレールの末端チップが管内にしっくりとフィットする程度に充分に小さい。しかしながら、出産経験のある婦人では、彼女たちの子宮頸管はガイドレールの末端エンドの緊密なフィットを提供するには大き過ぎることがある。そのような例においては、ガイドレールの末端エンドがひとたび患者の子宮頸管内に入ると管内とのより良いフィットを提供するために拡張可能に構成されることが推奨される。
【0013】
本発明の特徴を有する支持鉤状器具は患者の子宮頸および子宮用動脈閉塞器具のような別の道具との間のガイド、安定化、投錨、または別の位置関係の制御に使用され得る。支持鉤状器具はロック機構を備えることができ、このロック機構はハンドルの基端エンドにおける従来型ラチェット型のようなものであり、これは子宮頸の軸に対するガイドレールの軸方向位置の保持に有効であり、そのように有効なのは子宮用動脈閉塞器具のような診療用または診断用器具がガイドレール上に装着されかつガイドレールを越えて進められる時である。
【0014】
支持鉤状器具上のガイドレールは道具駆動機構を備えており、好ましくはこの道具駆動機構は支持鉤状器具が患者の膣管内に展開されている時に患者の外側から操作され得るものである。一つの実施例においては、患者の子宮頸管内に配置されている部分の基端側のガイドレール部分は少なくとも部分的にねじが切られておりかつねじ通路付きの駆動部材がガイドレールのねじ付き部分上に螺合している。1または2以上の伸長アームがねじ付き駆動部材に対して固着されておりかつ患者の外へ延びる自由エンドを備えている。内科医または他の付き添いはねじ付き駆動部材をガイドレールのねじ部分周りで伸長アームを回すように操作可能である。この手続を実施するための道具はガイドレール上に装着されかつねじ付き部分上のねじ付き駆動部材は道具に噛み合いかつ道具をレールに沿い女性患者の子宮頸、関連組織または近くの解剖学的構造体へと駆動する。
【0015】
1または2以上のハンドルまたは本発明の特徴を具体化した支持鉤状器具の基端側端部は少なくとも部分的に引き離されることができ、従ってひとたび道具が患者の膣管内で作動位置とされると、患者の外へのびている1または2以上のハンドルまたは支持鉤状器具は支持鉤状器具から引き離され得る。これは支持鉤状器具の末端部分が患者の膣管内に充分に保持されることを許容して治療中におけるより大きい移動性および快適さを提供する。
【0016】
本発明の特徴を具体化した支持鉤状器具を使用する時、この器具は患者の膣管を通して進められ、器具の非外傷性消息子または末端チップは患者の子宮頸口内へ挿入されかつ子宮頸管内へ進められる。患者の外へ延びているハンドルが閉ざされると一つのハンドルの末端エンド上の組織把持部材が患者の子宮頸または取り囲んでいる解剖学的構造体を掴みガイドレールに対する子宮頸の位置を固定する。子宮用動脈閉塞クランプまたは他の圧力適用閉塞器具のような医療用道具はガイドレール上に装着されかつレールを越えて患者の膣円蓋近傍に正確に配置されるまで進められる。患者の子宮用動脈が(例えば、ドップラー超音波血流センサーにより)捜された時、クランプまたは他の器具の圧力適用面が患者の膣円蓋の壁に対して子宮用動脈を閉塞するのに充分な圧力で押し付けられる。
【0017】
本発明の特徴を具体化した器具および方法はこのようにして子宮の病気および状態の治療を助けるためのツールおよび方法を提供し、上記の病気および状態は子宮筋腫、腺腫、機能不全性子宮出血(DUB)、分娩後出血、および他の子宮障害を含んでいる。この器具および方法は使用が簡単容易でありかつそのような治療のために現在入手可能な他の方法および器具を越えた多くの利点を提供し得る。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
図1は本発明の特徴を具体化した支持鉤型器具10を示しており、その器具は伸長ガイドレール11および固着された組織把持機構12を備えている。伸長ガイドレール11は末端チップまたは消息子14付きの末端部分13および自由基端エンド16付きの基端部分15を備え、かつ医療器具(図3内に示されている閉塞器具のような)をガイドレールの末端部分へ案内するように構成されている。組織把持機構12はガイドレール11の末端部分13に末端チップ14に対して基端側の連結板17により固着されており、かつ患者の子宮頸、関連組織または近くの解剖学的構造体を把持しかつ安定化するように構成されていてガイドレールを越えて患者の子宮頸への医療用器具の供給を容易にしている。
【0019】
組織把持機構12は第1伸長部材またはハンドル18を備え、そのハンドルは手動操作のために構成された基端セクション19および連結板17に固着された末端エンド21を有する。また組織把持機構12は第2伸長部材またはハンドル22を備え、そのハンドルは手動操作のために構成された基端セクション23および組織把持用末端エンドまたはスパイク25付きの末端セクション24を有する。第1および第2伸長部材18および22は第1および第2伸長部材18および22の末端エンドから基端側へ隔たった枢軸26部分で枢支されている。第2伸長部材22の枢軸26周りの回動はガイドレール11に対する組織把持末端エンド25の位置を調整して組織把持末端エンド25がガイドレール11に対して子宮頸組織を把持することを可能にする。或る例においては、組織把持用末端エンド25は患者の頸壁を通して貫通し得る。第1および第2伸長部材17および22の基端エンド、これらは処置中には患者の外へ延びるように構成されている、はそれぞれ指グリップ27および28を備えていて手動操作を容易にしている。両基端エンドはまたそれぞれラチェット付きロック部材30および31を備えていて伸長部材18および22の基端エンドを解放可能に固着している。
【0020】
ガイドレール11はその長さの少なくとも一部にねじ付き外側部分32およびガイドレールのねじ付き外側部分32上での摺動運動を許容している内側ルーメンを有する末端カラー33を備えている。駆動部材34はガイドレール11の基端部分を形成しかつ図1A内に示されているようにその中を延びる内側ルーメン35を備えている。連結部材36は駆動部材34の末端エンドを形成しかつ内ねじを備え、この内ねじはガイドレール11のねじ付き外側部分32上のねじに螺合している。調整ノブ37は駆動部材34の基端部分を形成している。駆動部材34上でのノブ37の回動はねじ付き外側部分32上における末端カラー33の位置を調整し、かつこれにより図2内に示されている閉塞器具のような処置または診断器具をねじ付き外側部分32上に摺動可能に装着されている患者の子宮頸へ駆動し得る。
【0021】
支持鉤状器具10は子宮用動脈閉塞器具のような他の診療または診断用道具と係合するように構成されており、これらの道具は患者の子宮用動脈に圧力を供給してその動脈を通して血流を制限しまたは止めることにより子宮の障害を処置する。そのような道具の一例は支持鉤状器具10上に装着された図2内に示されている子宮用動脈閉塞器具40である。子宮用動脈閉塞器具40は圧力適用クランプ要素41および42を備えこれらは患者の子宮頸の両側上にフィットしかつ患者の膣円蓋に対して圧接して患者の子宮用動脈を閉塞する。圧力適用要素付きの子宮用動脈閉塞器具の詳細は同時出願中の米国特許出願No.10/300,116、2002年9月19日出願、表題“血管の検出および閉塞のための展開可能なパドル付きの閉塞器具”および出願番号No.10,300,495、表題“子宮用動脈閉塞のための展開可能締付器”、発明者フレッド H バーバンク他、本譲受人に譲渡されている、に開示されている。両出願はそれらの全てがここに参考資料として取り込まれている。
【0022】
図3内に示されているように、子宮用動脈閉塞器具40は支持鉤状器具10のガイドレール11に対して取付用スリーブ43により作動可能に連結されており、このスリーブはガイドレール11の部分を少なくとも部分的に囲みまたは含むように構成されており、従ってガイドレール上を長手方向に可動である。取付スリーブ43の末端方向への摺動は子宮用動脈閉塞器具40をガイドレール11で限定された通路に沿い動かす。ガイドレール11に沿う閉塞器具40の動きは手動で、機械的に(駆動部材33のような)または他の好適な手段により行われる。しかしながら、上述のように、好ましくは駆動部材33は取付用スリーブ43に係合し(スリーブに対して閉塞器具40は固着されている)従って調整ノブ36の回動はガイドレール11に沿う閉塞器具40の動きを起こす。
【0023】
図3内に示されているように、支持鉤状器具10の組織把持機構12の基端部分19および23は使用中に可動となるように構成され得る。これは組織把持機構12およびガイドレールの末端部分が次の期間中に患者の膣通路内に留まることを許容し、上記期間中においては患者の子宮用動脈がガイドレール11上に装着されている閉塞器具40により閉塞されている。基端部分19および23の除去は患者の治療を受ける際のより大きい安楽および自由を提供する。可動の基端部分19および23はねじ付き連結部またはバヨネットデテント連結部のような好適な手段により組織把持部材の残部に対して連結され得る。
【0024】
支持鉤状器具10は患者の膣通路内へ挿入されかつガイドレール11の末端チップ14または消息子が患者の子宮頸口へ入るまで進められる。ガイドレール11の末端チップ14は患者の子宮頸通路内へ好適な位置まで充分に進められ、そこでは治療用または診断用器具を所望位置まで案内し得る。支持鉤状器具10は第1および第2伸長部材の基端部分19および23を押すことにより所定位置に確保されて組織把持要素またはスパイク25は子宮頸組織内に押圧される。1または2以上のスパイク25が第1伸長部材18の末端エンド上に配置されて支持鉤状器具10を所定位置に保持するために子宮頸組織内に押し込み得る。支持鉤状器具10を患者の体内または体表面上の所定位置に保持するように構成された、鋸歯、溝、または他の要素のような、他の保持要素も採用され得ることは理解されるであろう。
【0025】
ひとたび支持鉤状器具10が固定されると、オペレーターはそれから患者の子宮頸の組織を子宮用動脈閉塞のような次の手続のために所望の位置または方向へ配置するために操作し得る。例えば、支持鉤状器具10のハンドル18および23上を引くことにより、膣円蓋のような子宮頸の隣の組織が引っ張られ、これは順に子宮用動脈を膣側へ引き、従ってこれらの動脈は閉塞のためにより容易に圧縮され得る。閉塞器具40のような医療用または診断用の器具が支持鉤状器具10のガイドレール11に対して固着され、その時期は支持鉤状器具を患者の膣内に配置する前または支持鉤状器具10が患者の子宮頸組織に対して固着された後のような、後の時期に装着され得る。
【0026】
本発明の特徴を具体化した別の支持鉤状器具50は図4−8内に描写されている。支持鉤状器具50はシャフトの末端部分上に組織把持機構52付きの伸長シャフト51を備えている。組織把持機構52はアーム53の末端エンドに組織噛合部材またはスパイク54付きの伸長アーム53を備えている。外側鞘部材55はシャフト51の外周周りに摺動可能に配置されかつハンドル部材56を備え、このハンドル部材は鞘部材をシャフト上で前進させ、鞘の末端エンド57が外方へ延びているアーム53上に滑りあがりアームをシャフト51側へ駆動しかつ組織噛合部材またはスパイク54を患者の子宮頸58(これは図6および7内に仮想線で示されている)に噛合させるためである。外側鞘55は長手方向に延びるスロット60を備え、このスロットはシャフト51の末端部分62上のピン61を受領するように構成されている。長手方向スロット60は円周方向スロット63まで延びており、この円周方向スロットは外側鞘55がシャフト51上にロックされることを許容し、それは組織把持要素またはスパイク54が図6内に示されているように患者の子宮頸58に噛合している時である。他のロック手段の広範囲の変形例がスパイク54を所定位置にロックするために採用され得る。シャフト51の末端部分62は丸められた非外傷性末端チップ65付きの消息子64を備えている。
【0027】
図4−6内に示されているように外側鞘55は基端部分66および末端部分67に分割されている。基端部分66の末端エンドは半円形段部68を備え、この段部は末端部分67の基端エンド71の半円形段部70に噛み合う。基端部分66の末端側への摺動および回動は半円形段部68および70の噛合、基端部分67の駆動および回動を起こし、シャフト51の末端部分上の位置決めピン61を長手方向スロット60内へ入れ、かつ最後にはロック用の円周スロット63内へ導く。図6A内により詳細に示されているように、シャフト51の末端部分62の上面はD形凹部72を備え、この凹部はアーム53の基端エンド73を受領するためにより円滑な外面を提供するように構成され、従って外側鞘55の末端エンド57が末端側へスライドするとそれはアーム上をスライドし、アームの末端エンド上のスパイク54は患者の子宮頸に噛み合う。D形凹部72内に配置されているアーム53の基端エンド73は凹部内のシャフト14に対して溶接、ピン止め、のり付け、または他の方法で固着され得る。アーム53はステンレススチールのような金属、またはポリマーを含む他の耐久性のある、可撓性材料により作られ得る。示されているようにアーム53はシャフト51の末端部分62から半径方向外方へ延びるように形成されている。代わりに、アーム53の基端エンド73との接続部はばね、またはヒンジジョイント、またはそれらの双方を備えて組織把持要素またはスパイク54を有するアームの末端エンドがシャフト51から離れるように付勢されて患者の子宮頸を掴み易くされ得る。
【0028】
図5および7内に最も良く示されているように、伸長シャフト51にはそれぞれ基端および末端シャフトセクション74および75が形成されており、これらのセクションは共に伸長ねじ部材76により保持されており、このねじ部材は基端シャフトセクション74の内側ルーメン77を通して延びかつねじ付き末端エンド78を備え、この末端エンドは末端シャフトセクション75のねじ付き基端エンド80に螺合している。基端シャフトセクション74の末端エンドは内側ショルダー81を備え、この内側ショルダーは末端シャフトセクション74の基端エンド80を受領している。ねじ付き部材76の拡大ぎざぎざエンド82の時計方向の回動は基端および末端シャフトセクション74および75の間の連結を緊締化する。
【0029】
ひとたび支持鉤状器具50および支持鉤状器具により供給された何か他の器具が所定位置にロックされている組織把持機構52と膣内で展開されると、基端シャフトセクション74および外側鞘55の基端部分66が拡大ぎざぎざエンド82を反時計方向に回すことによりねじ付き部分76を末端シャフトセクション75の基端エンドからねじ戻されて離され、末端シャフトセクションおよび外側鞘55の末端部分67が残され、従って支持鉤状器具10上に装着されている如何なる器具も子宮頸58と係合状態で残る。この解放は支持鉤状器具10の基端部分が患者の膣から外へ延びる量を削除しかつ治療中における不快および不便を削除する。治療の終わりに外側鞘55の基端部分66は組織把持機構12とのロックを解除するために鞘55の末端部分56の基端エンドと再度噛み合わされ、従って支持鉤状器具10および依然として装着されている医療または診断器具の残部は患者から取り除かれる。
【0030】
図8は子宮用動脈閉塞器具85を図示しており、詳細には同時出願No.10/300,116内に記述されており、支持鉤状器具50の末端部分に装着される。パドル状部材86および87は患者の子宮頸の両側に噛み合って子宮用動脈の双方を閉塞するように構成されている。閉塞器具85は支持鉤状器具50上を手動で進められまたは図1−3内で示されている実施例で以前に論述したのと同じ方法で進められ得る。
【0031】
女性の生殖器および関連構造の概略が図9内に示されており、前述の支持鉤状器具50の配置および使用方法が図示されている。図9内に示されている解剖学的特徴は子宮90、膣管91、子宮頸92、膣円蓋93、子宮頸口94、および子宮用動脈95および96(これらは子宮用血液供給の大きい部分を提供する)を備えている。子宮壁内の子宮筋腫97も図示されている。上述のように、かつ米国出願09/908,815、出願日2001年7月20日、発明者バーバンク他('''815出願”)、本出願とともに譲渡され、ここに参考資料として組み込まれている、に開示されているように、子宮用動脈内の血流の減少または停止は女性患者の子宮の子宮筋腫および他の障害の治療に有効である。子宮90は膣管91および子宮頸92を通して接近される。膣管91は子宮頸92に近接した子宮頸93を形成している壁を備えている。消息子64は子宮頸口94を通して子宮頸管97内へ延びている。アーム53は消息子64側へ加圧されているのでスパイク54は子宮頸92の外側へ噛み合っている。子宮頸を強固に固定して、支持鉤状器具が子宮頸の位置の調整に採用されて支持鉤状器具50のシャフト上を子宮へ向けて医療器具の前進を容易化している。子宮90には子宮用動脈95および96により大部分の血液が供給され、より少ない量が患者の卵巣用動脈から供給される。図8(または図2)内に示されているような子宮用動脈閉塞器具を進めてそれらのパドルを患者の膣円蓋に対して加圧することにより、パドルが閉じかつ所定位置でロックされると、内在する子宮用動脈が閉塞され得る。
【0032】
出産したことのない女性の子宮頸管は通常本発明の特徴を具体化した支持鉤状器具の消息子を患者の子宮頸に噛み合わされている組織把持機構と共に管内に強固に保持するには充分にきつい。しかしながら、出産したことのある女性の子宮頸管は組織把持機構が子宮頸組織と噛み合っていても消息子を患者の子宮内に効果的に保持するにはしばしば広げられ過ぎている。このような状況のために、図10内に示されているように、消息子100は患者の子宮頸管内とよりしっくりしたフィットを提供するように拡張され得る。消息子100の拡張された二股部分101および102の曲率半径RおよびRは変えられて消息子部分101および102の効果的な保持のために所望の膨張が提供され得る。二股消息子部分101および102は患者の子宮頸口内への挿入を容易にするために非膨張状態に機械的にまたは他の方法で保持され得る。しかしながら、ひとたび二股部分101および102が患者の子宮頸管内に配置されると、二股部分を掴むために使用されている拘束が二股構造の膨張を許容するために除去され得る。円形カラー103が支持鉤状器具のシャフトに沿い末端側へ動かされて膨張した消息子部分101および102を閉ざし得る。ひとたび消息子100が患者の子宮頸管内の位置を占めると、拘束カラー103が消息子100から基端側へ引かれて消息子部分101および102の拡張を許容するようにされ得る。拡張可能な消息子100は前述の図1−3内に示されている実施例にも図4−8内に示されている実施例にも使用され得る。
【0033】
本発明の特定の形態が図示されかつ記述されてきたが、本発明の精神および範囲から離れることなく各種の修正がなされ得ることは明らかであろう。それゆえに、本発明が図示された特定の実施例に限定されることは意図されておらず、むしろ本発明は従来技術が許す限り広く、かつ明細書に鑑み、添付請求の範囲により限定されるべきである。更に、当業者は一つの実施例内で示されている特徴は他の実施例にも適用され得ることを認識するであろう。“要素”、“部材”、“器具”、“セクション”、“部分”、“工程”、“手段”および以下の請求項内で使用される同様な用語は条文35U.S.C.§112(6)によるものと解釈されるべきでなく、それは次の請求項が特定の構造(“手段”の場合)または動作(“工程”の場合)を伴うことなく、用語“手段”または“工程”とそれに続く特定の機能を備えている場合以外である。上述の全ての特許および特許出願はそれらの全体がここに参考資料として組み込まれる。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【図1】本発明の特徴を具体化した支持鉤状器具の斜視図である。1Aは図1の1A−1A横断面図、1Bは図1の1B−1B横断面図である。
【図2】図1内に示されているのと同様な支持鉤状器具の斜視図であり、取り外し可能なハンドル付きである。
【図3】図1内に示されているような支持鉤状器具であり、支持鉤状器具のガイドレール上に子宮用動脈閉塞クランプが装着されている。
【図4】本発明の特徴を具体化した支持鉤状器具の別の実施例の斜視図であり、非係合状態にある組織把持要素付きである。
【図5】図4内に図示された支持鉤状器具の5−5縦断面図である。
【図6】図4内に図示された支持鉤状器具の斜視図で、組織と係合状態にある組織把持要素付きである。6Aは図6内に図示されている支持鉤状器具の6A−6A横断面図である。
【図7】図4内に図示されているような支持鉤状器具の末端部分が基端部分から分離された後の斜視図である。
【図8】図4内に示されているような支持鉤状器具を描写しており、支持鉤状器具のガイドレール上に装着された子宮用動脈閉塞クランプ付きである。
【図9】女性の生殖システムの概略図で、本発明の特徴を具体化した支持鉤状器具が子宮頸口内に配置された位置を示している。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
女性患者の子宮頸、関連組織または近くの解剖学的構造体へ医療用道具を供給するための膣内器具であって:
a. 末端チップ付きの末端部分を有する伸長ガイドレールであって、これは自由基端エンド付きの基端部分を備え、患者の子宮頸、関連組織または近くの解剖学的構造体へ医療用道具を受けかつ案内するように構成されている伸長ガイドレール;および
b. ガイドレールの末端部分に固着された組織把持機構であって、患者の子宮頸へガイドレールを越えての医療用道具の供給を容易化するために患者の子宮頸を把持するように構成されている組織把持機構
を包含している、膣内器具。
【請求項2】
組織把持機構が:
a. 第1伸長部材であって、手動操作のために構成された基端部分およびアトローマチック末端チップ近傍のガイドレールの末端部分に固着された末端エンド付きの末端セクションを有する、第1伸長部材;および
b. 第2伸長部材であって、手動操作のために構成された基端セクションおよび組織把持用末端エンド付きの末端セクションを有しかつ第1伸長部材と第1伸長部材の末端エンドから基端側へ隔たった枢支点で枢支され従って第2伸長部材の末端エンドが子宮頸組織をガイドレールに対して把持する、第2伸長部材
を包含している、請求項1に記載の膣内器具。
【請求項3】
第2伸長部材の組織把持用末端エンドが第1伸長部材の末端エンドが固着されているのと同じ側のガイドレール上にあってガイドレール上での医療道具の前進との干渉を避けるように構成されている、請求項2に記載の膣内器具。
【請求項4】
第1および第2部材の手動操作可能基端エンドは指グリップを備えている、請求項2に記載の膣内器具。
【請求項5】
第1および第2部材の基端セクションがロック機構を備えて組織把持用末端エンドを患者の子宮頸に対して保持するようにした、請求項48に記載の膣内器具。
【請求項6】
アトローマチック末端チップが丸められた外形を備えている、請求項1に記載の膣内器具。
【請求項7】
ガイドレールの末端セクションが少なくとも部分的に柔順な材料で形成されている、請求項1に記載の膣内器具。
【請求項8】
柔順な材料がソフトメタルである、請求項7に記載の膣内器具。
【請求項9】
ソフトメタルが銀である、請求項8に記載の膣内器具。
【請求項10】
末端チップが患者の子宮頸管内にしっくりとフィットするように膨張可能である、請求項1に記載の膣内器具。
【請求項11】
末端チップが二股部分に分かれている、請求項10に記載の膣内器具。
【請求項12】
二股部分が曲げられている、請求項11に記載の膣内器具。
【請求項13】
曲げられた二股部分が異なる曲率半径を備えている、請求項12に記載の膣内器具。
【請求項14】
ガイドレールは末端の非外傷性チップが患者の子宮頸管内に配置された時患者の外へ延びるように充分長くされている、請求項1に記載の膣内器具。
【請求項15】
組織把持機構はアームであり、このアームは消息子近傍の位置でガイドレールに固着される基端エンドおよび組織把持要素付きの末端エンドを備えている、請求項1に記載の膣内器具。
【請求項16】
組織把持要素がスパイクである、請求項15に記載の膣内器具。
【請求項17】
アームの末端エンドがガイドレールから離れる方向へ付勢されている、請求項16に記載の膣内器具。
【請求項18】
ガイドレールが外側鞘を備え、この鞘が末端方向にスライド可能に配置されて組織把持機構のアームに係合しかつ末端エンド上の組織把持要素をガイドレールおよび組織把持要素の間に配置されている組織と噛み合うように内側へ駆動する、請求項15に記載の膣内器具。
【請求項19】
外側鞘が基端エンドおよび末端エンド付きの独立基端部分、基端エンドおよび末端エンド付きの独立末端部分および基端部分の末端エンドおよび末端部分の基端エンドの間の伝動コネクションを備えて基端部分および末端部分を共に保持するようにした、請求項18に記載の膣内器具。
【請求項20】
伝動コネクションが基端部分の末端エンド上の半円形段部および末端部分の基端エンド上の半円形段部を備えている、請求項19に記載の膣内器具。
【請求項21】
鞘はアームが組織と噛み合う位置にロックされるように構成されている、請求項18に記載の膣内器具。
【請求項22】
外側鞘の基端部分は末端部分21の末端エンドから基端側へ延びる長手スロットを備え、ガイドレールは外側鞘内の長手方向スロットにより受け入れられるように構成されたロックピンを備えている、請求項19に記載の膣内器具。
【請求項23】
外側鞘は長手方向スロットと連通する円周方向スロットを備えており、この円周方向スロットはガイドレール上のロックピンを受け入れかつ鞘を所定位置にロックするように構成されている、請求項22に記載の膣内器具。
【請求項24】
ガイドレールの基端セクションはガイドレール外側鞘の末端セクションに対して解放可能に連結されている、請求項19に記載の膣内器具。
【請求項25】
ガイドレールの基端および末端シャフトセクションは連結ロッドにより解放可能に連結されている、請求項15に記載の膣内器具。
【請求項26】
連結ロッドはその末端エンド上に雄ねじを備えている、請求項25に記載の膣内器具。
【請求項27】
末端シャフトセクションの末端エンドは連結ロッドの末端エンド上の雄ねじを受け入れるように構成された雌ねじを備えている、請求項26に記載の膣内器具。
【請求項28】
ガイドレールの基端シャフトセクションの末端エンドは末端シャフトセクションの基端エンドを受け入れるように構成された内側ショルダーを備えている、請求項25に記載の膣内器具。
【請求項29】
ガイドレールのアトローマチック末端チップは約1インチないし約5インチの長さを備えている、請求項1に記載の膣内器具。
【請求項30】
ガイドレールのアトローマチック末端チップは約1.5インチないし約2.5インチの長さを備えている、請求項29に記載の膣内器具。
【請求項31】
ガイドレールが約1インチないし約12インチの長さを備えている、請求項1に記載の膣内器具。
【請求項32】
ガイドレールが約3インチないし約6インチの長さを備えている、請求項1に記載の膣内器具。
【請求項33】
ガイドレールが約0.125インチないし約0.25インチの直径を備えている、請求項1に記載の膣内器具。
【請求項34】
子宮頸および頸口を有する女性患者に膣内医療または診断手続を実施するためのシステムであって:
a) 医療用道具の供給のための膣内器具であって:
i. 伸長ガイドレールであって、これが末端エンドおよび基端エンド付きの基端セクション付きの伸長シャフトを備え手続中に患者の外へ延びるように構成されかつその上に医療道具の装着を許容しかつ基端エンドおよび末端エンド付きの末端セクションが女性患者の頸管内への挿入可能に構成されかつ患者の子宮頸に対して医療用道具を膣内へガイドするように構成された伸長ガイドレール;および
ii. 組織把持アセンブリーを備えた膣内器具
b. 第1伸長部材であって、これは基端部分および末端部分を備え、上記末端部分が末端エンド近傍のガイドレールの末端セクションに固着されている末端エンド付きである第1伸長部材、および
c. 第2伸長部材であって、これは基端部分および末端部分を備え、上記末端部分が組織把持末端エンド付きであり、かつ第1伸長部材の末端エンドから基端側へ離れた枢支点で第1伸長部材に対して枢支され、従って第2伸長部材の組織把持末端エンドが子宮頸組織をガイドレールに対して第1伸長部材の末端エンドが固着されているのと同じ側で把持し、それはガイドレールの末端チップが患者の頸管内に配置された時に行われるようにされた第2伸長部材;および
d. ガイドレール上にスライド可能に配置されている医療または診断用の医療道具
を包含している、システム。
【請求項35】
子宮頸および頸口を有する女性患者に膣内医療または診断手続を実施するためのシステムであって:
a) 医療用道具の供給のための膣内器具であって:
i. 伸長ガイドレールであって、これが末端エンドおよび基端エンド付きの基端セクション付きの伸長シャフトを備え手続中に患者の外へ延びるように構成されかつその上に医療用道具の装着を許容しかつ基端エンドおよび末端エンド付きの末端セクションが女性患者の頸管内への挿入可能に構成されかつ患者の子宮頸に対して医療用の道具を膣内へガイドするように構成された伸長ガイドレール;および
ii. アームを包含している組織把持アセンブリーであって、それは消息子近傍の位置でガイドレールに固着された基端エンドおよび組織把持要素付きの末端エンドを備えかつ組織把持要素がガイドレールから離れる側へ付勢されている組織把持アセンブリー;を備えた膣内器具および
b. ガイドレール上にスライド可能に配置されている医療または診断用の医療用の道具
を包含している、システム。
【請求項36】
組織把持要素がスパイクである、請求項35に記載のシステム。
【請求項37】
ガイドレールが外側鞘をスライド可能に備えて組織把持機構のアームと係合するように末端側へ動かしかつ末端エンド上の組織把持要素をガイドレールおよび組織把持要素の間に配置されている組織に噛み合うように内方へ駆動するようにした、請求項35に記載のシステム。
【請求項38】
子宮頸および接近可能な頸口を有する女性患者に膣内医療または診断手続を実施するための方法であって:
a) 膣内供給のための支持鉤状器具を提供し、この器具が
i. 伸長ガイドレールであって、これが患者の膣管内の所望位置へ医療用道具を案内するように構成されかつ患者の子宮頸口内へ挿入するための末端チップを備えている伸長ガイドレール;および
ii. 組織把持アセンブリーであって、これはガイドレールの末端セクションに固着される末端セクションを有する第1伸長部材を備えており、かつ手続中に患者の外へ延びるように構成されている基端セクションを備えかつ第2伸長部材を備え、この第2伸長部材は患者の子宮頸を掴むように構成された末端セクションおよび手続中に患者の外へ延びるように構成された基端セクションを備えて患者の子宮頸の把持を容易にしている組織把持アセンブリーを備えており;
b. 支持鉤状器具を患者の膣管内へ導入しかつその中の支持鉤をガイドレールのアトローマチック末端チップが子宮頸口を通過しかつ少なくとも一部が患者の子宮頸内に配置されるまで進め;かつ
c. 医療道具をガイドレール上で患者の膣管内へ進めてその中で手術を実施する工程を包含している、方法。
【請求項39】
ガイドレール上を前進する医療道具が子宮用動脈閉塞器具である、請求項38に記載の方法。
【請求項40】
女性患者の子宮頸の位置を調整して医療または診断用道具の膣内供給を容易化するための支持鉤状器具であって:
a. 伸長ガイドレールであって、これが手続中に患者の外へ延びかつその上への医療道具の装着を許容するように構成された基端エンド付きの基端部分および患者の子宮頸管内へ挿入可能に構成されかつ患者の子宮頸への医療道具を膣内ガイドするように構成された末端チップ付きの末端部分を備えている伸長ガイドレール;および
b. 組織把持アセンブリーであって
i. 第1伸長部材であって、これは基端セクションおよびガイドレールのアトローマチック末端チップ近傍に固着された末端エンド付きの末端セクションを備えている第1伸長部材、および
ii. 第2伸長部材であって、これは基端セクションおよび末端エンド上の組織把持要素付きの末端セクションを備え、かつ第1伸長部材の末端エンドから基端側へ離れた枢支点で第1伸長部材に対して枢支され、従って第2伸長部材の末端エンド上の組織把持要素が子宮頸組織をガイドレールに対して第1伸長部材の末端エンドが固着されているのと同じ側で把持し、それは末端チップが患者の頸管内に配置された時に行われる第2伸長部材を包含している組織把持アセンブリー
を包含している、支持鉤状器具。
【請求項41】
更にガイドレールの末端エンドが上記子宮頸管内に配置されている時、組織把持要素を組織と接触状態に保持するように構成された確保要素を包含している、請求項40に記載の器具。
【請求項42】
組織把持要素が鋭利ポイントを備えている、請求項40に記載の器具。
【請求項43】
ガイドレールが医療器具に固着されたスライド可能カップリング要素を受けるように構成され、上記医療器具は医療器具をガイドレール上でガイドするためにガイドレールの長手方向に沿い動かすように構成されている、請求項40に記載の器具。
【請求項44】
長手方向に動くように構成されたカラーがガイドレール上に装着されている、請求項40に記載の器具。
【請求項45】
ガイドレールがその外面上にねじを備えかつカラーが外側のねじに作動可能に螺合する内ねじを備え、ガイドレールの長手軸周りのカラーの回転がカラーのガイドレールに沿う長手方向の運動の提供に有効である、請求項44に記載の器具。
【請求項46】
女性患者の子宮頸、関連組織または近くの解剖学的構造体へ医療用の道具を供給するための膣内器具であって:
a. 伸長ガイド手段であって、これが末端チップ付きの末端部分を備え、医療用の道具を患者の子宮頸、関連組織または近くの解剖学的構造体を受けかつガイドするように構成された自由基端エンド付きの基端部分を備えた伸長ガイド手段;および
b. 組織把持手段であって、ガイド手段の末端部分に対して固着され患者の子宮頸〔、関連組織または近くの解剖学的構造体〕を掴むように構成されて医療用の道具のガイドレール上から患者の子宮頸への供給を容易にするようにした組織把持手段
を包含している、膣内器具。
【請求項47】
子宮障害のための女性患者の治療方法であって:
a. 膣内供給のために構成された支持鉤状器具を提供し、この器具が
i. 伸長ガイドレールであって、これは患者の膣管内へ挿入するために構成された末端チップを備えている伸長ガイドレール;および
ii. 組織把持アセンブリーであって、これはガイドレールの末端チップ近傍位置の伸長ガイドレールに固着された伸長組織把持部材付きの末端を備えており、かつ患者の子宮頸を把持するように構成されかつ手続中に患者の外へ延びるように構成されている基端セクションを備えて患者の子宮頸の把持を容易にしている組織把持アセンブリーを備えており;
b. 支持鉤状器具を患者の膣管内へ導入しかつその中の支持鉤をガイドレールの末端チップが子宮頸口を通過しかつ少なくとも一部が患者の子宮頸内に配置されるまで進め;かつ
c. 少なくとも一つのクランプ部材付きの子宮用動脈閉塞器具をガイドレール上で患者の膣管内をクランプ部材が患者の膣円蓋に閉塞されるべき子宮用動脈を押し付けるまで進め;かつ
d. 子宮用動脈閉塞器具のクランプ部材を膣円蓋に対して少なくとも子宮用動脈の一部を患者の子宮障害に対する医療効果を与えるのに有効な期間だけ閉塞するように押し付ける工程を包含している、方法。
【請求項48】
医療用の道具を女性患者の子宮頸、関連組織または近くの解剖学的構造体へ供給するための膣内器具であって:
a. 伸長ガイドレールであって、これは膨張可能な非外傷性末端チップを備えかつその上に装着されている医療用の道具を患者の子宮頸、関連組織または近くの解剖学的構造体へ案内するように構成されている伸長ガイドレール;および
b. 組織把持機構であって、これはガイドレールの末端部分に固着され患者の子宮頸を把持するように構成されて医療用の道具をガイドレール上で患者の子宮頸へ容易に供給するようにした組織把持機構
を包含している、器具。
【請求項49】
医療用の道具を女性患者の子宮頸、関連組織または近くの解剖学的構造体へ供給するための膣内支持鉤状器具であって、伸長ガイドレールを包含し、このガイドレールは膨張可能な非外傷性末端チップ付き末端部分を備えかつその上に装着された医療用道具をガイドするように構成されている、膣内器具。
【請求項50】
末端チップが患者の子宮頸管内にしっくりとフィットするように膨張可能である、請求項49に記載の膣内器具。
【請求項51】
膨張可能な末端チップが二股部分に分割されている、請求項50に記載の膣内器具。
【請求項52】
二股部分が曲げられている、請求項51に記載の膣内器具。
【請求項53】
曲げられた二股部分が異なる曲率半径を有する、請求項52に記載の膣内器具。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図10】
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【図9】
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【公表番号】特表2006−506193(P2006−506193A)
【公表日】平成18年2月23日(2006.2.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−553957(P2004−553957)
【出願日】平成15年11月18日(2003.11.18)
【国際出願番号】PCT/US2003/037028
【国際公開番号】WO2004/045430
【国際公開日】平成16年6月3日(2004.6.3)
【出願人】(501231679)ヴァスキュラー・コントロール・システムズ・インコーポレーテッド (6)
【Fターム(参考)】