自動フォーカス及びズームモジュール、バックラッシュ防止方法、移動アセンブリ、個人用電子機器、自動フォーカス及びズームモジュールの光学群の駆動方法、位置感知システム、位置感知方法、安定化システム及び光学モジュール
【課題】バックラッシュを防止する。
【解決手段】光学モジュールは、第1の光学群と、第2の光学群と、イメージセンサとを備え、第1の光学群及び第2の光学群は、フォーカス及び倍率を有する像をイメージセンサに提供する。幾つかの実施の形態においては、第1の光学アセンブリは、第1のリードスクリュの回転によって、第1のリードスクリュの軸に沿って移動するように第1のリードスクリュのねじ部に連結された第1の光学群と、第1のリードスクリュを回転させる第1のアクチュエータと、第1のリードスクリュの回転を検出可能にする第1の感知対象とを備える。幾つかの実施の形態においては、第2の光学アセンブリは、第2のリードスクリュの回転によって、第2のリードスクリュの軸に沿って移動するように第2のリードスクリュのねじ部に連結された第2の光学群と、第2のリードスクリュを回転させる第2のアクチュエータと、第2のリードスクリュの回転を検出する第2の感知手段とを備える。
【解決手段】光学モジュールは、第1の光学群と、第2の光学群と、イメージセンサとを備え、第1の光学群及び第2の光学群は、フォーカス及び倍率を有する像をイメージセンサに提供する。幾つかの実施の形態においては、第1の光学アセンブリは、第1のリードスクリュの回転によって、第1のリードスクリュの軸に沿って移動するように第1のリードスクリュのねじ部に連結された第1の光学群と、第1のリードスクリュを回転させる第1のアクチュエータと、第1のリードスクリュの回転を検出可能にする第1の感知対象とを備える。幾つかの実施の形態においては、第2の光学アセンブリは、第2のリードスクリュの回転によって、第2のリードスクリュの軸に沿って移動するように第2のリードスクリュのねじ部に連結された第2の光学群と、第2のリードスクリュを回転させる第2のアクチュエータと、第2のリードスクリュの回転を検出する第2の感知手段とを備える。
【発明の詳細な説明】
【関連出願】
【0001】
本出願は、米国特許法第119条第(e)項に基づき、2005年9月8日に出願された、係属中の米国仮特許出願第60/715,533号、発明の名称「3Xズームミニモジュール(3X ZOOM MINI MODULE)」の優先権を主張する。この特許文献は、引用により、本願に援用される。
【技術分野】
【0002】
本発明は、カメラの光学素子、特に、自動フォーカス及びズームモジュールに関する。
【背景技術】
【0003】
近年、デジタルカメラ技術は、大きく進歩している。このような進歩の1つとして、光学的及び機械的な部品は、数mm又はそれ以下の寸法に更に小型化されている。カメラの可動部品の小型化により、現代のデジタルカメラ及び光技術は、より広範囲のデバイスに応用されるようになった。また、これらのデバイスの形状的要素の設計及び構成も、日々、小型化が進んでいる。例えば、市販されている個人用電子機器、例えば、携帯電話機、携帯情報端末(personal digital assistant:PDA)、腕時計及び/又は懐中時計に、小型のデジタルカメラが組み込まれている場合がある。更に、より大きい形状的要素を有する機器に、追加的機能が組み込まれていることもある。例えば、一般的なビデオカムコーダには、動画を録画するための機構及び回路と共に、「静止画」すなわち写真を撮影するためのデジタルカメラ全体が組み込まれていることが多い。
【0004】
しかしながら、現代のデジタルカメラの機構には、様々な制約が課せられている。これらの制約には、コスト、サイズ、機能及び複雑性等が含まれる。例えば、小型化によって、通常、コストが高まり、機能が制限され、及び/又は複雑性が高まる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2002−189163号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、光学モジュールを提供する。光学モジュールは、第1の光学群と、第2の光学群と、イメージセンサとを備える。第1の光学群及び第2の光学群は、任意のフォーカス及び倍率を有する像をイメージセンサに供給する。
【0007】
本発明の幾つかの実施の形態では、光学モジュールは、第1のリードスクリュのねじ部に連結された第1の光学群を備える。第1のリードスクリュの回転によって、第1の光学群は、第1のリードスクリュの軸に沿って移動する。第1のアクチュエータは、第1のリードスクリュを回転させる。第1の感知対象は、第1のリードスクリュの回転を検出可能にする。本発明の幾つかの実施の形態では、光学モジュールは、第2のリードスクリュのねじ部に連結された第2の光学群を更に備える。第2のリードスクリュの回転によって、第2の光学群は、第1のリードスクリュの軸に沿って移動する。第2のアクチュエータは、第2のリードスクリュを回転させる。第2の感知手段は、第2のリードスクリュの回転を検出する。
【0008】
本発明に基づく光学モジュールは、ハウジングを備えていてもよい。第1の光学アセンブリ及び第2の光学アセンブリは、ハウジング内に収容される。
【0009】
第1の感知対象は、第1のリードスクリュの軸又は回転に対して対称であり、交互のパターンとなるように配置された異なる光学的特性の隣接した領域を有する閉曲面を有していてもよい。第2の感知対象は、第2のリードスクリュの軸又は回転に対して対称であり、交互のパターンとなるように配置された異なる光学的特性の隣接した領域を有する閉曲面を有していてもよい。第2の感知対象は、好ましくは、第2のリードスクリュに沿った第2の光学群の移動を測定できるように構成されている。第1の感知対象は、第1のリードスクリュに沿った第1の光学群の移動を測定できるように構成されている。最も好ましくは、第1の感知対象は、少なくとも10mmの範囲において、10μm以下の分解能で第1の光学群の移動を測定する。第2の感知対象は、少なくとも2mmの範囲において、10μm以下の分解能で第1の光学群の移動を測定する。
【0010】
幾つかの実施の形態では、第1のリードスクリュは、第1のねじ山外径を有するねじ部と、第1の外径を有する非ねじ部と、第1のアクチュエータ位置合わせ要素とを有する。第1の光学群は、第1のリードスクリュの回転によって、第1のリードスクリュの軸に沿って移動するように、第1のリードスクリュのねじ部に連結される。第1のギアラッシュ防止ばねは、第1の光学群を第1のリードスクリュの非ねじ部に向けて付勢する。第1の筒状の振動アクチュエータは、第1のリードスクリュを回転させる。第1の筒状の振動アクチュエータは、非ねじ部上で支持されるとともに、ハウジング及び第1のアクチュエータの両方に当接する第1の予圧ばねの復元力によって、第1のリードスクリュの第1のアクチュエータ位置合わせ要素に対して付勢される。第1の筒状の振動アクチュエータは、弾性継手によって、ハウジングに対してノードポイントで規制されている。第1の感知手段は、第1のリードスクリュの回転を検出する。
【0011】
幾つかの実施の形態においては、第1のねじ山外径は、第1の外径よりも大きい。他の実施の形態では、第1のねじ山外径は、第1の外径よりも小さい。更に、他の実施の形態では、第1のねじ山外径と第1の外径は、等しい。
【0012】
幾つかの実施の形態では、第2のリードスクリュは、第2のねじ山外径を有するねじ部と、第2の外径を有する非ねじ部と、第2のアクチュエータ位置合わせ要素とを有する。第2の光学群は、第2のリードスクリュの回転によって、第2のリードスクリュの軸に沿って移動するように、第2のリードスクリュのねじ部に連結される。第2のギアラッシュ防止ばねは、第2の光学群を第2のリードスクリュの非ねじ部に向けて付勢する。第2の筒状の振動アクチュエータは、第2のリードスクリュを回転させる。第2の振動アクチュエータは、非ねじ部上で支持されるとともに、ハウジング及び第2のアクチュエータの両方に当接する第2の予圧ばねの復元力によって、第2のリードスクリュの第2のアクチュエータ位置合わせ要素に対して付勢される。第2の筒状の振動アクチュエータは、弾性継手によって、ハウジングに対してノードポイントで規制されている。第2の感知手段は、第2のリードスクリュの回転を検出する。
【0013】
第1のアクチュエータ位置合わせ要素は、好ましくは、第1のリードスクリュのねじ部と非ねじ部との間に配置されている。第2のアクチュエータ位置合わせ要素は、好ましくは、第2のリードスクリュのねじ部と非ねじ部との間に配置されている。
【0014】
幾つかの実施の形態においては、第2のねじ山外径は、第2の外径よりも大きい。他の実施の形態では、第2のねじ山外径は、第2の外径よりも小さい。更に、他の実施の形態では、第2のねじ山外径と第2の外径は、等しい。
【0015】
本発明の幾つかの実施の形態に基づく自動フォーカス及びズームモジュールは、定在波パターンで振動して、シャフトを回転駆動する筒状の振動アクチュエータを備える。これらの実施の形態に基づく自動フォーカス及びズームモジュールは、ハウジングと、光学アセンブリと、イメージセンサとを備え、光学群は、フォーカス及び倍率を有する像をイメージセンサに供給する。光学アセンブリは、ねじ山外径を有するねじ部と、外径を有する非ねじ部と、アクチュエータ位置合わせ要素とを有するリードスクリュを備える。光学群は、リードスクリュの回転によって、リードスクリュの軸に沿って移動するように、リードスクリュのねじ部に連結されている。筒状の振動アクチュエータは、非ねじ部上で支持されるとともに、ハウジング及びアクチュエータの両方に当接する予圧ばねによってリードスクリュのアクチュエータ位置合わせ要素に対して付勢されたリードスクリュを、回転させ、弾性継手によって、ハウジングに対して好ましい定在波パターンのノードポイントで規制されている。感知手段は、リードスクリュの回転を検出する。アクチュエータ位置合わせ要素は、好ましくは、リードスクリュのねじ部と非ねじ部との間に配置されている。
【0016】
本発明の幾つかの実施の形態においては、自動フォーカス及びズームモジュールは、第1のガイドピンと、第2のガイドピンと、第1の光学アセンブリと、第2の光学アセンブリと、イメージセンサとを備え、第1の光学群及び第2の光学群は、フォーカス及び倍率を有する像をイメージセンサに供給する。
【0017】
幾つかの実施の形態においては、第1の光学アセンブリは、第1のねじ山外径を有するねじ部と、第1の外径を有する非ねじ部と、第1のアクチュエータ位置合わせ要素とを有する第1のリードスクリュを備える。第1の光学群は、2つのギア歯付きカップリングアームが対向して配設され、第1のリードスクリュのねじ部に係合された第1のばねヒンジアセンブリを有する。したがって、第1の光学群は、第1のリードスクリュの回転によって、第1のリードスクリュの軸に沿って移動する。第1のばねヒンジアセンブリは、第1のガイドピン及び第2のガイドピンに連結されている。第1のアクチュエータは、第1のリードスクリュを回転させる。第1の感知手段は、第1のリードスクリュの回転を検出する。
【0018】
幾つかの実施の形態では、第1のねじ山外径は、第1の外径よりも大きい。他の実施の形態では、第1のねじ山外径は、第1の外径よりも小さい。更に、他の実施の形態では、第1のねじ山外径と第1の外径は、等しい。
【0019】
また、本発明は、幾つかの実施の形態として、ねじ山を有するリードスクリュを駆動素子として用いた装置において、バックラッシュを防止するバックラッシュ防止方法を提供する。バックラッシュ防止方法は、軸と、ねじ深さ及びねじピッチを有するねじ領域とを有するリードスクリュを準備する工程を有する。更にバックラッシュ防止方法は、複数のギア歯付きカップリングアームが対向して配置され、リードスクリュの回転によって、リードスクリュの軸に沿って光学群が移動するように、リードスクリュのねじ部に係合されたばねヒンジアセンブリを準備する工程を有する。ギア歯付きカップリングアームの歯は、歯の深さと歯のピッチを有し、該歯の深さは、リードスクリュのねじ深さよりも実質的に浅く、歯のピッチは、リードスクリュのねじピッチよりも大きい。
【0020】
本発明に基づく光学モジュールは、好ましくは、光学群に連結され、光学モジュールの水平面に対する任意の角度で光学素子モジュールに像を向けるプリズム素子を更に備える。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本発明の幾つかの実施の形態に基づく自動フォーカス及びズームモジュールの斜視図である。
【図2】本発明の幾つかの実施の形態に基づく自動フォーカス及びズームモジュールの斜視図である。
【図3】本発明の幾つかの実施の形態に基づく自動フォーカス及びズームモジュールのリードスクリュアセンブリの側面図である。
【図4】本発明の幾つかの実施の形態に基づく自動フォーカス及びズームモジュールの断面図である。
【図5A】本発明の幾つかの実施の形態に基づく自動フォーカス及びズームモジュールの部分斜視図である。
【図5B】本発明の幾つかの実施の形態に基づく自動フォーカス及びズームモジュールの部分斜視図である。
【図5C】本発明の幾つかの実施の形態に基づく自動フォーカス及びズームモジュールの部分斜視図である。
【図6】本発明の幾つかの実施の形態に基づく自動フォーカス及びズームモジュールの側面図である。
【図7A】本発明の幾つかの実施の形態に基づく自動フォーカス及びズームモジュールで採用されるカップリング機構を部分的に示す図である。
【図7B】本発明の幾つかの実施の形態に基づくピッチが異なるスレッドを用いた噛合を示す図である。
【図8A】本発明の幾つかの実施の形態に基づく距離センサを示す図である。
【図8B】本発明の幾つかの実施の形態に基づく距離検出の間に生じるビーム拡散を説明する図である。
【図8C】本発明の幾つかの実施の形態に基づく距離検出の間に生じるビーム拡散を説明する図である。
【図9A】本発明の幾つかの実施の形態に基づく距離検出の間に生じるビーム拡散の具体例における距離検出のための直接結像法を説明する図である。
【図9B】本発明の幾つかの実施の形態に基づく距離検出のためのレンズを用いた結像法を説明する図である。
【図9C】本発明の幾つかの実施の形態に基づく距離検出のためのピンホールを用いた結像法を説明する図である。
【図10】本発明の幾つかの実施の形態に基づく位置検出のためのアセンブリの分解斜視図である。
【図11】本発明の幾つかの実施の形態に基づく位置検出のためのアセンブリの分解斜視図である。
【図12A】本発明の幾つかの実施の形態に基づくアクチュエータが取り付けられたアセンブリの一部の断面図である。
【図12B】本発明の幾つかの実施の形態に基づくアクチュエータが取り付けられたアセンブリの一部の断面図である。
【図12C】本発明の幾つかの実施の形態に基づくアクチュエータが取り付けられたアセンブリの一部の断面図である。
【図12D】本発明の幾つかの実施の形態に基づくアクチュエータが取り付けられたアセンブリの一部の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下では、説明のために、多くの詳細事項及び代替例を開示する。なお、これらの具体的な詳細事項を使用することなく、本発明を実施できることは当業者にとって明らかである。また、本発明の特徴を不明瞭にしないために、ブロック図では、よく知られた構造及び機器の構造を簡潔に示す。
【0023】
A.構造
図1は、本発明の幾つかの実施の形態に基づく自動フォーカス及びズームモジュール(以下、単にモジュールという。)1000を示している。図1に示すように、モジュール1000は、フロント光学群400、リア光学群500及びイメージセンサ1010を備える。フロント光学群400及びリア光学群500は、通常、例えば、レンズ等の1つ以上の光学的部品を含む。例えば、図4に示すモジュール1000は、フロント光学群400及びリア光学群500の両方に複数の光学レンズを備える。なお、当業者は、より複雑な又はより単純な構成の光学群を想到することができる。
【0024】
B.アセンブリの詳細
図1及び図2は、モジュール1000の詳細を示している。幾つかの実施の形態において、モジュール1000は、フロントハウジング及びリアハウジングを備え、フロントハウジング及びリアハウジングは、互いに連結され、ガイドピンによってアラインされている。ガイドピンは、更に、バレルの動きを誘導するためにも用いられる。図5Aは、リアコンポーネント1050と、フロントコンポーネント1060とを含むハウジングを示しており、このハウジングモジュール1000の様々なアセンブリの構造的なフレームを提供している。ハウジングには、リードスクリュアセンブリ200、300と、ガイドピン600、700とが係合されている。この係合によって、各コンポーネントが互いに、及びイメージセンサ1010のターゲット領域1012に対して位置決めされ、固定され、任意の倍率及びズームを有する像をターゲット領域1012に提供できる自動フォーカス及びズームモジュールのシャーシが実現されている。
【0025】
フロントハウジングには、フロントバレル及びオプションとしてプリズムが取り付けられている。モジュールのハウジングは、好ましくは、ケーシング及びカバーメカニズムを更に備える。カバーメカニズムは、好ましくは、モジュールの内部部品、特にレンズ群及びイメージセンサを光の漏洩及び埃による汚染から保護する。リアハウジングには、イメージセンサと、オプションとして、赤外線(IR)フィルタ及び/又はローパスフィルタが取り付けられている。
【0026】
イメージセンサ
図に示すように、イメージセンサ1010は、好ましくは、平面を定義する。図1では、この平面は、xy平面に平行な平面である。モジュール1000は、通常、z軸に平行なイメージベクトルに沿って、イメージセンサ1010に像を供給するように構成される。
【0027】
ガイドピン
図1は、幾つかの実施の形態に基づく自動フォーカス及びズームモジュールのガイドピン構成を示している。幾つかの実施の形態は、一対のガイドピンを使用し、幾つかの他の実施の形態では、異なる数のガイドピンを使用する。ガイドピン600、700は、その個数にかかわらず、通常、リアバレル530及びフロントバレル430がイメージセンサ1010に対して移動できるように、モジュール1000の直線的な軸に沿って取り付けられる。モジュール1000においては、第1のガイドピン600及び第2のガイドピン700は、それぞれの軸が互いに及びz軸に対して実質的に平行になるようにアラインされている。更に、リードスクリュアセンブリ200、300は、互いに、z軸対して、及びガイドピン600、700に対して実質的に平行にアラインされている。
【0028】
ガイドピン600、700は、通常、イメージセンサ1010のイメージベクトルの反対側で、ハウジングのフロントコンポーネント1060及びリアコンポーネント1050に連結される。なお、他の構成も可能であることは当業者にとって明らかである。リードスクリュ200、300は、通常、イメージセンサ1010と同じ側で、ハウジングのフロントコンポーネント1060及びリアコンポーネント1050に連結される。
【0029】
幾つかの実施の形態では、ガイドピン600、700がリアバレル530に提供する動作範囲は、約7mmである。幾つかの実施の形態では、ガイドピン600、700がフロントバレル430に提供する動作範囲は、約2mmである。なお、この動作範囲のために、幾つかの実施の形態において、ガイドピン600、700は、モジュール1000の形状的要素に影響する。したがって、幾つかの実施の形態は、モジュール1000の形状的要素を変更し及び/又は隠す機構を更に備える。
【0030】
プリズム
また、オプションとして、プリズムを設けてもよい。プリズムを設けることにより、自動フォーカス及びズームモジュールを様々な向きに配置し及び/又は取り付けることができる。例えば、特定の具体例では、水平方向の幅が制限され、モジュールを筐体の垂直平面に縦に配置することが望ましい場合がある。この向きによって、幅及び/又は深さの形状的要素がより小さいデバイスにおいて、上述のように、ガイドピンに沿ったフロントバレル及びリアバレルの動作範囲を確保できる。
【0031】
図1及び図5Bは、これらのプリズムの幾つかの実施の形態を示している。図1に示すモジュール1000は、フロントバレル430に取り付けられたプリズム100を備える。プリズム100は、フロントバレル430に対して、任意の角度で像からの光の向きを変更する。上述したように、フロントバレル430は、通常、フロントレンズ群を収容する。フロントレンズ群は、例えば、図5Bに示すフロントレンズ440等、1つ以上のフロント光学部品を備える。したがって、プリズム100により、通常、撮影又は撮像される被写体に対して、所定の角度に保持されるデバイス内でモジュール1000を様々な向きで配置できる。
【0032】
図5Bは、幾つかの実施の形態に基づく、モジュール1000に取り付けられたプリズム100の小さい形状的要素を示している。これらの実施の形態では、プリズムホルダ及びプリズムブラケットの組合せによって、モジュール1000のフロントレンズ440に隣接させて、プリズムを有利に取り付けることができる。上述したように、プリズム100は、通常、モジュール1000のフロントレンズ440に対して所定の角度にある被写体の像からの光の向きを変更する。
【0033】
レンズ系
図に示すように、リア光学群500及びフロント光学群400は、予め定義された構造を有する。リア光学群500は、リアバレル530、リアガイドスリーブ510及びリアガイドスロット520を備える。リアバレル530は、通常1つ以上のレンズ又は他の光学的部品を収容する。図に示すように、リアバレル530は、リアレンズ540を収容する。リアバレル530は、実質的に、中心軸を有する円筒体である。リアレンズ540は、光をリアバレル530の中心軸に沿う方向に向ける。リアガイドスリーブ510は、細長い、実質的な円筒体であり、リアバレル530の中心軸及びリアガイドスリーブ510の軸が実質的に平行となるように、リアバレル530に連結されている。リアガイドスロット520は、シリンダに係合するように構成されたスロットである。
【0034】
フロント光学群400は、フロントバレル430、フロントガイドスリーブ410及びフロントガイドスロット420を備える。フロントバレルは、通常、フロントレンズ440(例えば、図5B)を収容する。フロントバレル430は、実質的に、中心軸を有する円筒体である。フロントレンズ440は、光をフロントバレル430の中心軸に沿う方向に向ける。フロントガイドスリーブ410は、細長い、実質的な円筒体であり、フロントバレル430の中心軸及びフロントガイドスリーブ410の軸が実質的に平行となるように、フロントバレル430に連結されている。フロントガイドスロット420は、シリンダに係合するように構成されたスロットである。
【0035】
レンズ−ガイドピンの係合
図5Bに示すように、フロント光学群400は、第1のガイドピン600に係合されたフロントガイドスリーブ410を備える。この図に示すように、フロントガイドスリーブ410は、フロントバレル430よりも実質的に細長い形状を有している。更に、フロントガイドスリーブ410は、フロントバレル430に固定されている。この構成により、ガイドピン600がz軸に沿って延びているとすると、フロント光学群400は、第1のガイドピン600に対して、yz平面又はxz平面内では回転せず、xy平面内で回転できる。リア光学群500は、第1のガイドピン600に係合されたリアガイドスリーブ510を備える。この図に示すように、リアガイドスリーブ510は、フロントバレル430よりも実質的に細長い形状を有している。更に、リアガイドスリーブ510は、リアバレル530に固定されている。この構成により、ガイドピン600がz軸に沿って延びているとすると、リア光学群500は、第1のガイドピン600に対して、yz平面又はxz平面内では回転せず、xy平面内で回転できる。
【0036】
また、図1に示すように、フロント光学群400は、第2のガイドピン700に係合されたフロントガイドスロット420を備える。フロントガイドスロット420と第2のガイドピン700との間の係合により、フロント光学群400は、ガイドピン600、700のいずれかに対して、xy平面内で回転することができなくなっている。フロント光学群400と、ガイドピン600、700との間の係合によって、フロント光学群400は、2つのガイドピンで定義される軸(図1のz軸)に沿って移動することができると共に、この軸に直交する軸(x軸及びy軸)に沿って移動することができなくされている。
【0037】
また、リア光学群500は、第2のガイドピン700に係合されたリアガイドスロット520を備える。リアガイドスロット520と第2のガイドピン700との間の係合により、リア光学群500は、ガイドピン600、700のいずれかに対して、xy平面内で回転することができなくなっている。リア光学群500と、ガイドピン600、700との間の係合によって、リア光学群500は、2つのガイドピンで定義される軸(図1のz軸)に沿って移動することができると共に、この軸に直交する軸(x軸及びy軸)に沿って移動することができなくされている。
【0038】
リードスクリュアセンブリ
図3に示す例示的なリードスクリュアセンブリ300’は、リアコンポーネント1050’と、フロントコンポーネント1060’とを含む区分されたハウジングに連結されている。リードスクリュアセンブリ300’は、リードスクリュ1の周囲に構成されている。リードスクリュアセンブリ300’は、アクチュエータ20、カップリングナット35及び感知対象50を含む。更に、アセンブリは、予圧ばね10及びギアラッシュ防止ばね(anti-gearlash spring)40を含む。リードスクリュ1は、ねじ領域5と、2つの非ねじ領域とを有する。アクチュエータ20は、第1の非ねじ領域に係合され、感知対象50は、第2の非ねじ領域に係合されている。リードスクリュアセンブリ300’は、ハウジングに連結されると、リアコンポーネント1050’及びフロントコンポーネント1060’の特定の部分に接触する。これらの部分には、リードスクリュ保持ウェル(lead screw retention well)1051”、1065”及びギアラッシュばね基準部(gearlash spring reference feature)1063”が含まれる。これらの部分は、好ましくは、リードスクリュアセンブリ300’の回転を容易にするベアリングを備える。
【0039】
図5Cは、フロントコンポーネント1060及びリアコンポーネント1050を含む区分されたハウジングに連結された図3に示すタイプのリードスクリュアセンブリ300を示している。図に示すように、リードスクリュ300の軸は、リア光学群500及びフロント光学群400のレンズ群を介して形成される光路に対して平行である。
【0040】
感知対象
本発明の幾つかの実施の形態に基づくリードスクリュアセンブリは、感知対象を備える。図3に示すリードスクリュアセンブリ300’は、リードスクリュ保持ウェル1065”と、ギアラッシュばね基準部1063”との間に配設された感知対象50を備える。感知対象は、通常、リードスクリュの第2の非ねじ領域の位置合わせ要素と係合する特徴的要素を備える。例えば、図5Aの部分的な断面図に示すように、リードスクリュ260は、非ねじ領域内に位置合わせ要素を有する。図に示すように、リードスクリュ260の第2の非ねじ領域は、感知対象250のための位置合わせ要素261を有する。位置合わせ要素261は、感知対象250の対応する特徴的要素に係合するように構成されている。
【0041】
アクチュエータ
アクチュエータ20は、第1の非ねじ領域の一部の上に配設されている。アクチュエータ20は、通常、リードスクリュ1の第1の非ねじ領域の位置合わせ要素と係合する特徴的要素を備える。例えば、図5Aに示すように、リードスクリュ260は、第1の非ねじ領域内にアクチュエータ位置合わせ要素263を備える。アクチュエータ位置合わせ要素263及びアクチュエータ220の対応する特徴的要素は、互いに係合するように構成されている。
【0042】
更に、アクチュエータ20は、通常、複数の手法によって、ハウジングに連結される。リードスクリュアセンブリ300’において、予圧ばね10は、アクチュエータ20をハウジングのリアコンポーネント1050に連結し、リードスクリュ1の基準要素(referencing feature)にアクチュエータ20を押し付けている。他の具体例においては、図5Aのリードスクリュアセンブリ200は、予圧ばね210を備え、予圧ばね210は、ハウジングのリアコンポーネント1050とアクチュエータ220との両方に復元力を加え、アクチュエータ220の特徴的部分を、リードスクリュ260のアクチュエータ位置合わせ要素263に対して押し付けている。アクチュエータ、予圧ばね及び位置合わせ要素の他の構成については、図12A〜図12Dを参照して後に説明する。
【0043】
連結のための他の手法として、アクチュエータがリードスクリュを回転駆動できるように、ハウジングに対してアクチュエータの一部を固定された位置に保つアクチュエータコンタクトパッド(例えば、図1の1023、1022)を用いてもよい。例えば、アクチュエータコンタクトパッド1020は、アクチュエータ20がハウジングに対して回転することを防いでいる。
【0044】
アクチュエータ20をリードスクリュに連結することに加えて、予圧ばね10は、リードスクリュを回転させるベアリングにも予圧を加えている。ベアリングは、通常、ハウジングに連結され、リードスクリュ保持ウェル1051、1065に配設されている。幾つかの実施の形態では、ギアラッシュばね基準部1063に更なるベアリングを設けてもよい。適切な動作のために、多くのベアリング設計は、ベアリングの様々な部分を一体に保持するために、最小限の規制力を加える。このような力は、通常「予荷重」と呼ばれる。本発明の幾つかの実施の形態では、予圧ばねが、リードスクリュ保持ウェル1051、1065内に位置しているベアリングに力を加える。
【0045】
本発明では、アクチュエータとリードスクリュとの間の係合に様々な手法を想定する。例えば、図12Aは、本発明に基づく、アクチュエータ20とリードスクリュ60との間の好適な係合を示している。アクチュエータ20は、リードスクリュ60の非ねじ領域に連結されている。アクチュエータ20の特徴的要素は、ハウジング1及びアクチュエータ20に対して力を加える予圧ばね10によってリードスクリュ60のアクチュエータ位置合わせ要素63に押し付けられている。この具体例では、アクチュエータ位置合わせ要素63は、リードスクリュ60の非ねじ領域とねじ領域との間に配設され、非ねじ領域は、ねじ領域よりも外径が小さく、アクチュエータ位置合わせ要素63とねじ領域との間には、比較的短い第2の非ねじ領域が設けられている。
【0046】
他の具体例として、図12Bは、本発明に基づく、アクチュエータ20’と、リードスクリュ60’との間の係合を示している。アクチュエータ20’は、リードスクリュ60’の非ねじ領域に連結されている。アクチュエータ20’の特徴的要素は、ハウジング1及びアクチュエータ20’に対して力を加える予圧ばね10によってリードスクリュ60’のアクチュエータ位置合わせ要素63’に押し付けられている。この具体例では、アクチュエータ位置合わせ要素63’は、リードスクリュ60の非ねじ領域とねじ領域との間に配設され、非ねじ領域とねじ領域は、外径が略々等しい。
【0047】
他の具体例として、図12Cは、本発明に基づく、アクチュエータ20”と、リードスクリュ60”との間の係合を示している。アクチュエータ20”は、リードスクリュ60”の非ねじ領域に連結されている。アクチュエータ20”の特徴的要素は、ハウジング1及びアクチュエータ20”に対して力を加える予圧ばね10によってリードスクリュ60”のアクチュエータ位置合わせ要素63”に押し付けられている。この具体例では、アクチュエータ位置合わせ要素63”は、リードスクリュ60”の非ねじ領域とねじ領域との間に配設され、非ねじ領域は、ねじ領域よりも外径が小さく、アクチュエータ位置合わせ要素63”とねじ領域との間には、比較的長い第2の非ねじ領域が設けられている。
【0048】
他の具体例として、図12Dは、本発明に基づく、アクチュエータ20”’と、リードスクリュ60”’との間の係合を示している。アクチュエータ20”’は、リードスクリュ60”’の非ねじ領域に連結されている。アクチュエータ20”’の特徴的要素は、ハウジング1及びアクチュエータ20”’に対して力を加える予圧ばね10によってリードスクリュ60”’のアクチュエータ位置合わせ要素63”’に押し付けられている。この具体例では、アクチュエータ位置合わせ要素63”’は、リードスクリュ60”’の非ねじ領域とねじ領域との間に配設され、非ねじ領域は、ねじ領域よりも外径が大きい。また、予圧ばね10”’及び筐体部分2は、非ねじ領域とねじ領域との間に配置されている。
【0049】
カップリングナット
リードスクリュアセンブリは、通常、カップリングナットを含む。カップリングナットは、好ましくは、リードスクリュのねじ領域に係合するように構成された歯を有する。カップリングナットの歯は、後述するように、幾つかの機能を有する。典型的な構成では、歯は、リードスクリュが回転すると、カップリングナットがリードスクリュの長軸に沿って移動するように構成される。例えば、図1に示す具体例では、リードスクリュ200が回転すると、カップリングナット230は、リードスクリュのz軸に沿って移動する。移動の方向は、回転方向によって決まり、正確には、リードスクリュのねじ山の向きによって決まる。
【0050】
また、カップリングナットは、通常、カップリングナットの歯をリードスクリュのねじ山に対して付勢する少なくとも1つのスプリングを介してハウジングにも連結される。例えば、図3のリードスクリュアセンブリ300’は、ギアラッシュ防止ばね40を備える。ギアラッシュ防止ばねは、アクチュエータ予圧ばねから独立していることが望ましい。図5Aに示すように、リードスクリュアセンブリ200は、カップリングナット230と、ハウジングのフロントコンポーネント1060のギアラッシュばね基準部1063との間に配設され、これらのそれぞれに復元力を加えるギアラッシュ防止ばね240を備える。また、予圧ばね210は、アクチュエータ220と、リードスクリュ保持ウェル1051に隣接するリアコンポーネント1050の面との間に配設され、これらのそれぞれに復元力を加える。
【0051】
更に、ギアラッシュ防止ばね240は、予圧ばね210から独立してハウジングに連結されており、2つのスプリングの復元力は、互いに機械的に分離されている。以下に示すリードスクリュアセンブリ構成の幾つかの特徴によって、2つのスプリングの復元力が分離される。(1)ハウジングを形成するリアコンポーネント1050及びフロントコンポーネント1060は、固定的に連結されている。(2)リードスクリュ260は、剛性を有する。(3)リードスクリュ260のねじ領域205がカップリングナット230の軸方向の動きを規制する。(4)アクチュエータ位置合わせ要素263が、アクチュエータ220の軸方向の動きを規制する。
【0052】
レンズ−カップリングナット係合
図6に示すように、(例えば、図2に示す)フロント光学群400及びリア光学群500のそれぞれの第1のガイドスリーブ410、510は、カップリングナット230、330を介してリードスクリュに連結されている。第1のガイドスリーブ410、510には、いずれも第1のガイドピン600が挿入されている。リア光学群500の第1のガイドスリーブ510は、カップリングナット330の溝に係合する突起要素512を有する。図5Bは、突起要素512と、カップリングナット330の溝との間の係合状態の斜視図を示している。溝は、アーム335によって形成され、基準面336を有する。基準面336は、カップリングナット330の溝に突出し、突起要素512を受け入れられる寸法の間隙を形成する。この間隙と突起要素512とは、実質的に2つの部品間に「遊び」がなくなるように、互いに一致する寸法を有することが望ましい。
【0053】
同様に、フロント光学群400の第1のガイドスリーブ410は、カップリングナット230の溝に係合する突起要素412を有する。溝は、アーム235によって形成され、基準面236を有する。基準面236は、カップリングナット230の溝に突出し、突起要素412を受け入れられる寸法の間隙を形成する。この間隙と突起要素412とは、実質的に2つの部品間に「遊び」がなくなるように、互いに一致する寸法を有することが望ましい。
【0054】
この好ましい構成では、リードスクリュの軸に沿ってカップリングナットが移動すると、対応するガイドスリーブがガイドピンに沿って移動する。ガイドスリーブは、光学群のコンポーネントに固定的に連結されているので、カップリングナットが移動すると、連結されている光学群も移動する。なお、カップリングナットとガイドスリーブとの間の連結を固定するだけでも、この機能を実現できる。ここに例示する構成では、カップリングナットの軸方向に沿わない動きからガイドスリーブを分離することによって更なる利益を提供している。基準面と、ガイドスリーブの突起要素との間の接触面積が小さいため、摩擦が最小化され、カップリングナットは、リードスクリュの軸に直交する軸において、ガイドスリーブに対して動くことができる。この構成によって、カップリングナットの機械的な振動又は外乱の大部分を光学群から分離することができる。更に、この分離は、光学群の位置決めについて必要な精度を実現するためには、カップリングナットの移動の自由度だけを制御すればよいことを意味する。
【0055】
例示的なリードスクリュアセンブリに含まれるねじは、複数の目的に役立つ。例えば、ギアラッシュ防止ばねは、リードスクリュ基準部をカップリングナットに連結する。この連結によって、両方の要素に復元力が加えられ、カップリングナットは、基準部から離れる方向に付勢される。
【0056】
C.機能
フロント光学群400は、第1のリードスクリュアセンブリ200を含む第1の光学アセンブリの一部である。リア光学群500は、第2のリードスクリュアセンブリ300を含む第2の光学アセンブリの一部である。第1及び第2の光学アセンブリは、モジュール1000の他の要素と共に、イメージセンサ1010に対する光学群400、500の移動及び位置決めを制御する。
【0057】
リードスクリュアセンブリ200は、ねじ領域205を有する。カップリングナット230は、光学群400とねじ領域205との間を係合させ、リードスクリュ260の回転を光学群400の移動に変換する。カップリングナット230は、リードスクリュアセンブリ200の他の要素と連携して、拘束されることなく移動し、外部の基準に対して、光学群400を固定的に位置決めすることができる。
【0058】
また、リードスクリュアセンブリ200は、リードスクリュ260を回転させることによって光学群400の動きを駆動するように構成されたアクチュエータ220を備える。アクチュエータ220の構成は、リードスクリュアセンブリ200の様々なばね要素と連携して、カップリングナット230に対する高い摩擦負荷を回避し、アクチュエータからリードスクリュ260への効率的なエネルギ伝達を実現する。
【0059】
リードスクリュアセンブリ300は、ねじ領域305を有する。カップリングナット330は、光学群500とねじ領域305との間を係合させ、リードスクリュ360の回転を光学群500の移動に変換する。カップリングナット330は、リードスクリュアセンブリ300の他の要素と連携して、拘束されることなく移動し、外部の基準に対して、光学群500を固定的に位置決めすることができる。
【0060】
また、リードスクリュアセンブリ300は、リードスクリュ360を回転させることによって光学群500の動きを駆動するように構成されたアクチュエータ320を備える。アクチュエータ320の構成は、リードスクリュアセンブリ300の様々なばね要素と連携して、カップリングナット330に対する高い摩擦負荷を回避し、アクチュエータからリードスクリュ360への効率的なエネルギ伝達を実現する。
【0061】
第1のガイドピン600及び第2のガイドピン700は、光学群400、500及びカップリングナット230、330と連携して、拘束なしで、光学群の光学的部品のアラインメントを、これらの動作範囲に亘って維持する。
【0062】
モジュール1000の位置センサ1030と共に、位置感知対象250、350をリードスクリュアセンブリ200、300内に設けることによって、非線形アクチュエータ、例えば、アクチュエータ220、320を用いて、リードスクリュ260、360を駆動することができる。
【0063】
D.動作の詳細
ガイドピン構成
図5Bに示すように、フロント光学群400のフロントガイドスリーブ410は、フロントバレル430(図5A)よりも細長い形状を有している。同様に、リア光学群500は、第1のガイドピン600が挿入された細長いリアガイドスリーブ510を備える。この構成により、ガイドピン600がz軸に沿って延びているとすると、フロント光学群400及びリア光学群500は、第1のガイドピン600に対して、yz平面又はxz平面内では回転せず、xy平面内で回転できる。更に、ガイドスリーブは、バレルに固定的に連結されている。この構成により、ガイドピン600がz軸に沿って延びているとすると、光学群は、第1のガイドピン600に対して、yz平面又はxz平面内では回転せず、xy平面内で回転できる。
【0064】
また、図1に示すように、フロント光学群400は、第2のガイドピン700に係合されたフロントガイドスロット420を備える。同様に、リア光学群500は、リアガイドスロット520を備える。これらのガイドスロットと第2のガイドピン700との間の係合により、フロント光学群400及びリア光学群500は、ガイドピン600、700のいずれかに対して、xy平面内で回転することができなくなっている。フロント光学群400及びリア光学群500と、ガイドピン600、700との間の係合によって、フロント光学群400及びリア光学群500は、2つのガイドピンで定義される軸(図1のz軸)に沿って移動することができると共に、この軸に直交する軸(x軸及びy軸)に沿って移動することができなくされている。
【0065】
ねじ−レンズ係合
図4、図7A及び図7Bは、本発明の幾つかの実施の形態に基づくカップリングナットとリードスクリュとの間の係合の詳細を示している。幾つかの実施の形態では、図4に示すように、リードスクリュ260の雄ねじは、カップリングナット230の歯と噛合する。なお、幾つかの実施の形態では、他の構成が使用される。例えば、図7Aに示す具体例では、カップリングナット2230は、第1のカップリングアーム2231及び第2のカップリングアーム2232を備え、これらは、それぞれ、ばね2233によって、リードスクリュ2260に対して付勢されている。更に、カップリングナット2230は、ガイドスリーブ2510に係合している。好ましくは、ガイドスリーブ2510と、カップリングナット2230とは、「非固定的に」係合され、ガイドスリーブ2510と、カップリングナット2230との間では、ガイドスクリュ/ガイドピン軸に沿った動きだけが伝達される。
【0066】
図7Bは、カップリングアーム2231、2232のそれぞれのカップリング歯2231’、2232’と、リードスクリュ2260のねじ山2261との間の噛合を示している。カップリング歯2231’、2232’の角度は、ねじ山2261の角度よりも鈍く形成されている。換言すれば、ねじ山2261の(径方向に測定した)高さは、カップリング歯2231’、2232’の高さよりも高い。この構成では、歯のピッチとスレッドのピッチとが異なる。図7Bに示すように、カップリング歯2231’、2232’のピッチは、好ましくは、ねじ山2261のねじピッチよりも大きい。ねじ山2261のピッチは、好ましくは、リードスクリュ2260に沿って一定である。したがって、カップリングナット2230がリードに沿って移動する間、カップリング歯2231’、2232’のピッチと、これらに噛合するねじ山との間の比は、一定に維持される。
【0067】
カップリング歯2231’、2232’と、ねじ山2261の角度の傾斜と、スプリング2233によるカップリングアーム2231、2232の付勢との連携によって、カップリングナット2230の機械的ハードストップを介する光学群の照合が可能になる。雄ねじ−雌ねじの係合を用いた場合、リードスクリュを回転させると、カップリングナットの機械的ハードストップによって、拘束(binding)及びねじの破損が生じることがある。一方、ここに例示したシステムでは、カップリングナット2230の機械的ハードストップの間にリードスクリュ2260が駆動されると、角度が鋭いねじ山2261は、角度が鈍いカップリング歯2231’、2232’に対するくさびとして機能し、スプリング2233を広げ、カップリングアーム2231、2232を引き離す。このように、回転の間のカップリングナット2230の機械的ハードストップは、カップリング歯2231’、2232’をねじ山2261から解放し、拘束(binding)を防止する。これにより、照合の間、リードスクリュアクチュエータの正確なスイッチングなしで、機械的ハードストップを介してカップリングナットに連結された光学群の位置照合が可能になる。
【0068】
更に、傾斜及び復元力によって、カップリング歯が係合する2つのねじ部の間で各カップリング歯の自然なセンタリングが実現する。ばねが各カップリング歯に均等に力を加える限り、カップリング歯は、ねじ部に対して所定の位置に自然に止まる。このセンタリングによって、ピッチ及び角度が一致するねじ山を有するナットとボルトとの間に起こる「バックラッシュ」の発生を減少させることができる。バックラッシュとは、ナットのねじ山がボルトのねじ溝内で動く余地がある場合に生じるボルトに対するナットのジッタリングである。
【0069】
また、図3に示すように、ギアラッシュ防止ばね40もバックラッシュの防止に役立つ。ギアラッシュ防止ばね40は、カップリングナット30をギアラッシュばね基準部1063”から引き離す復元力を発生する。カップリングナット30の歯は、通常、リードスクリュのねじ領域5のねじ山に係合し、したがって、上述した復元力によって、ギアラッシュばね基準部1063”の基部に近いねじ山の面に向けてカップリングナット30の歯が押し付けられる。
【0070】
アクチュエータ構成
図4に示すように、本発明の幾つかの実施の形態は、リードスクリュ260を回転させるアクチュエータ220を備える。好ましくは、本発明の実施の形態は、アクチュエータの効率的な動作を確実にするための特徴的要素を備える。
【0071】
例えば、本発明の幾つかの実施の形態は、非ねじシャフトの回転を駆動する筒状の振動アクチュエータを備える。この種の例示的なアクチュエータは、摩擦を介して非ねじシャフトと係合し、移動なしでシャフトを回転させる圧電―超音波モータである。好ましくは、筒状のアクチュエータは、共振モードで励起されると、筒状のアクチュエータ内に位置するシャフトを回転させる。これらのアクチュエータは、好ましくは、これらのアクチュエータに作用する実質的に一定の一組の力によって、定義された空間内で動作する。
【0072】
図4及び図6は、本発明に基づくアクチュエータ220、320の好ましい構成を示している。上述のように、振動アクチュエータ220、320は、実質的に一定の力で定義された空間に係合された場合、より効率的に動作する。例えば、図4に示すように、予圧ばね210は、アクチュエータ220をリードスクリュのアクチュエータ位置合わせ要素263に押し付ける。この連結により、アクチュエータ220とアクチュエータ位置合わせ要素263との間で垂直力が生じ、アクチュエータ220とリードスクリュ260との間の潜在的な摩擦力が増加する。アクチュエータ220は、摩擦を介してリードスクリュ260の回転を駆動するので、予圧ばね210は、アクチュエータ220の潜在的な駆動力を高める。なお、アクチュエータ220とリードスクリュ260との間の摩擦力が強すぎると、リードスクリュの回転速度が減少することがある。予圧ばね210の強さは、回転速度を十分に速く保ちながら、効率を最適化するように選択することが望ましい。
【0073】
更に、例示した実施の形態では、アクチュエータ位置合わせ要素263とアクチュエータ220との間の垂直力は、予圧ばね210のみによって決まる。ギアラッシュ防止ばね205は、リードスクリュアセンブリ200に沿った他の位置に力を加えるが、これらの力は、アクチュエータ220から分離される。アクチュエータ220は、リードスクリュ260に沿って移動しないため、アクチュエータ220とハウジング1050との間の間隔は、一定のままである。このように、アクチュエータ220及びハウジング1050の両方に予圧ばね210が加える力は、これらの間の間隔に比例するため、アクチュエータ220の動作の間、この力は、実質的に一定に保たれる。
【0074】
図6に示すように、予圧ばね310は、リードスクリュアセンブリ300内でアクチュエータ320に同様の機能を提供する。更に、図6は、アクチュエータコンタクトパッド1023を介する、アクチュエータ320上の選択された点のハウジング1050への係合を示している。
【0075】
上述のように、アクチュエータ320は、定義された空間で動作することが有利である。予圧ばね310は、リードスクリュ360の長手方向の領域内でアクチュエータ320を維持するのに役立つ。なお、例示した実施の形態で採用されている好適なタイプのアクチュエータは、回転力をリードスクリュに加えるために更なる安定化を必要とする。アクチュエータとリードスクリュとの相互作用によって、一方が他方に対して回転する。モジュール1000は、ハウジング1050に対してリードスクリュ360が回転することを要求するので、アクチュエータ320は、アクチュエータコンタクトパッド1023を介して、ハウジング1050に回転方向に固定されている。
【0076】
アクチュエータコンタクトパッド1023の位置及び構成は、アクチュエータ320の効率に対する負の効果を最小にするように適応化されている。アクチュエータコンタクトパッド1023は、アクチュエータ320の動作の間、好適な一組の共振点において実質的に静止しているアクチュエータ320上のノードポイントと呼ばれる位置に配置されている。更に、アクチュエータコンタクトパッド1023は、好ましくは、伸縮及び反発する弾性材料から形成され、それらの静止位置から離れるノードポイントの動き規制することができる。
【0077】
図6には、2個のアクチュエータコンタクトパッド1023を示しているが、他の実施の形態として、アクチュエータコンタクトパッド1023の数は、これより多くても少なくてもよい。更に、アクチュエータコンタクトパッド1022は、アクチュエータ220をハウジング1050に連結し、リードスクリュ260の回転を可能にする同様の機能を有する。
【0078】
本発明の実施の形態では、好ましくは、アクチュエータを制御するために、位置感知システムからフィードバック情報を受け取る。このようなフィードバック機構を用いることにより、本発明の実施の形態において、非線形アクチュエータを使用することができ、反復性を容易にすることができる。
【0079】
照合
本発明の幾つかの実施の形態は、好ましくは、システムを機械的に拘束することなく、レンズ群の機械的なハードストップを実現するように適応化された特徴的要素を有する。このような機械的な固定(stoppage)は、好ましくは、レンズ群の位置を制御する際の基準として用いられる。
【0080】
図7A及び図7Bに示すように、カップリング歯2231’、2232’と、ねじ山2261の角度の傾斜と、スプリング2233によるカップリングアーム2231、2232の付勢との連携によって、カップリングナット2230の機械的ハードストップを介する光学群の照合が可能になる。雄ねじ−雌ねじの係合を用いた場合、リードスクリュを回転させると、カップリングナットの機械的ハードストップによって、拘束(binding)及びねじの破損が生じることがある。一方、ここに例示したシステムでは、カップリングナット2230の機械的ハードストップの間にリードスクリュ2260が駆動されると、角度が鋭いねじ山2261は、角度が鈍いカップリング歯2231’、2232’に対するくさびとして機能し、スプリング2233を広げ、カップリングアーム2231、2232を引き離す。このように、回転の間のカップリングナット2230の機械的ハードストップは、カップリング歯2231’、2232’をねじ山2261から解放し、拘束(binding)を防止する。これにより、照合の間、リードスクリュアクチュエータの正確なスイッチングなしで、機械的ハードストップを介してカップリングナットに連結された光学群の位置照合が可能になる。
【0081】
位置感知
上述のように、本発明の幾つかの実施の形態は、アクチュエータ制御システムにフィードバックを提供し、非線形アクチュエータモータを使用していても、正確な位置決めを実現する位置感知機能を有する。例示的な位置感知システムは、位置センサ1030と、位置感知対象250及び図1のモジュール1000の350とを備える。
【0082】
位置感知システムは、レンズ群の動作範囲に亘る位置データを提供する。本発明の幾つかの実施の形態では、位置感知システムは、10mmの範囲に亘って、10μm以内の精度で光学群の相対的位置を追跡する。
【0083】
幾つかの実施の形態では、筒状の感知対象に連結された反射符号化センサ(reflection encoding sensor)を用いて、リードスクリュの回転を測定する。光学群は、ねじピッチが既知のリードスクリュに連結されているので、リードスクリュの回転距離は、リードスクリュの軸に沿った光学群の移動距離に正比例する。
【0084】
本発明の幾つかの実施の形態において採用される位置感知システムの詳細を図10に示す。エミッタ/検出器3030は、第1のセンサ3034A、第2のセンサ3034B及びエミッタ3032を備える。マスク構造3030’は、エミッタウィンドウ3032’と、4個のセンサウィンドウ3034A’、3034A”、3034B’、3034B”とを備える。幾つかの実施の形態では、エミッタ/検出器3030は、フォトリフレクタである。幾つかの実施の形態では、エミッタは、LEDである。
【0085】
感知対象3350の暗いバンドは、エミッタから出射された光を吸収し、感知対象の明るいバンドは、エミッタから出射された光を反射する。センサは、センサウィンドウに対するバンドの移動に伴う吸収及び反射の遷移を検出する。第1のセンサ3034A及び第2のセンサ3034Bは、いずれもこの遷移を検出する。第2のセンサ3034Bは、好ましくは、第1のセンサ3034Aの位相外の遷移を検出する。このようにして、2つのセンサからの位相が異なるデータを結合することによって、制御システムは、動きの方向と大きさの両方を検出することができる。この感知装置は、筒状の走査ターゲットを使用しているが、本発明の幾つかの実施の形態では、直線的なターゲットを用いる同様のシステムを用いてもよい。
【0086】
伝統的な反射符号化(reflection encoding)では、使用される光は、感知対象に到達するまで、過度に拡散できない。図8Bは、一連の吸収バンド及び反射バンド(右側)に向かって光を出射する一連の光源(左側の白い正方形)からのビームの最適な最大拡散幅を示している。図8Cの詳細図は、幅20μmの光源を示している。この場合、最大の拡散幅は、10μmである。通常の状況では、これは、間隔「d」が56.7μm未満であるべきであることを意味する。このように、図10の装置に示すような比較的狭い要素の場合、必要とされる公差は、かなり小さくなる。
【0087】
一方、本発明の実施の形態は、これらの公差を緩和し、又は反射符号化で用いられる光の拡散によって生じる問題を低減する様々な特徴及び構成を有する。
【0088】
幾つかの技術では、ハードウェア又はソフトウェア測定を行い、低分解能ターゲットの使用を可能にする。幾つかの実施の形態では、更なるハードウェア及び/又はファームウェア(例えば、タイミング及び分析のためのクロック)を使用し、検出された遷移の間で線形補間を実行する。しかしながら、アクチュエータの非線形性が高い場合、補間によって位置誤差が導入されることもある。
【0089】
幾つかの実施の形態では、繰り返しパターンを有する低分解能ターゲットを採用し、センサデータの更なる処理によって実効分解能を高める。幾つかの具体例では、アナログ回路によってセンサデータ内に記録された遷移の間の複数の閾値を検出し、出力をデジタルデータに変換する。なお、このような実施の形態では、アナログ回路と、センシングの間のアナログ/デジタル変換器の追加的な較正とが必要である。これらの幾つかの実施の形態では、較正は、電源投入時に自動的に実行される。
【0090】
幾つかの実施の形態では、低分解能ターゲットの使用を可能にするために、一次補間と、アナログ−デジタル変換器回路との組合せを採用する。これらの及び他の技術を用いることによって、本発明の実施の形態は、低分解能ターゲットを使用できる。
【0091】
低分解能の感知対象を使用することによって、任意の如何なる時刻においても、センサの視野内にターゲットの特徴的要素が少ない構成を用いることができる。この種の構成を図8Aに示す。図8Aの横断面図に示すように、位置感知システムは、エミッタ/検出器3030から距離d離間して配設された筒状の感知対象3350を備える。エミッタ/検出器3030の視野は、最大で2つの遷移を含む感知対象3350の領域に広がっている。幾つかの実施の形態では、エミッタ/検出器は、フォトリフレクタである。単一の特徴的要素(例えば、縞)が視野を占めていることが好ましい。これにより、遷移検出におけるアーティファクト又は誤差の可能性が最小化される。通常、ターゲットの特徴的要素のサイズは、視野に基づいて選択される。なお、必要とされる分解能も特徴的要素のサイズを決定する因子となることがある。
【0092】
図11は、本発明の好ましい実施の形態を含む幾つかの実施の形態内で使用される位置感知システムの詳細図である。エミッタ/検出器4030は、センサ4034と、エミッタ4032とを備える。マスク構造4030’は、エミッタウィンドウ4032’と、2個のセンサウィンドウ4034’、4034”とを備える。幾つかの実施の形態では、エミッタは、LEDである。
【0093】
感知対象4350の暗いバンドは、エミッタから出射された光を吸収し、感知対象の明るいバンドは、エミッタから出射された光を反射する。センサは、センサウィンドウに対するバンドの移動に伴う吸収及び反射の遷移を検出する。センサ4034は、センサウィンドウ4034’、4034”の両方において、個別に遷移を検出することが好ましい。幾つかの実施の形態では、エミッタ/検出器4030は、フォトリフレクタである。
【0094】
幾つかの実施の形態では、センサ4034は、2つのウィンドウ間で位相が異なる遷移を検出できる。これらの実施の形態では、2つのセンサからの位相が異なるデータを結合することによって、制御システムは、動きの方向と大きさの両方を検出することができる。この感知装置は、筒状の走査ターゲットを使用しているが、本発明の幾つかの実施の形態では、直線的なターゲットを用いる同様のシステムを用いてもよい。
【0095】
幾つかの実施の形態では、各特徴的要素は、筒状のターゲットの円周の60°の円弧を覆っている。すなわち、一実施の形態として、12mmの円周を有する筒状のターゲットは、合計6個の各2mmの反射性パターン/吸収性パターンが交互に配置された縞模様を有する。なお、感知対象の円周に6個パターン以上の分解能が要求される場合、上述したような更なる処理ステップを用いることが望ましい。
【0096】
更に、幾つかの実施の形態では、LEDから出射された光が感知対象に到達する前に、光に対して更なる処理を実行する。図10に示す手法は、直接結像と呼ばれる。図9Aは、直接結像の他の具体例を示している。エミッタ(白い長方形)からの光は、ターゲットから検出器(ハッチング付きの長方形)に反射する。直接結像では、ターゲットとセンサとを互いに非常に近く配置する必要がある。
【0097】
図9Bは、検出器からの光をコリメートするためのレンズを使用したシステムを示している。コリメートによって、ターゲット−センサ間の距離を長くすることができる。最大距離及び公差は、光の拡散によって決まる。
【0098】
図9Cは、隣接する領域からの「漏洩(bleed over)」によって遷移が検出されてしまうことを防止するために、ピンホールを使用したシステムを示している。この場合、反射光は、検出器に達する前に、ターゲット表面近傍の中心に穿設されたピンホールを通過しなくてはならない。このシステムでは、ピンホールを通る光の量が少ないため、発光量が多いLEDが必要となる場合がある。
【0099】
E.利点
これまで具体例を用いて説明したように、幾つかの実施の形態においては、モジュールは、電気機械的制御によって、異なる光学的位置を連続的に設定することができる。これらの異なる光学的位置の制御は、様々な撮像装置にとって好適である。再現性を有するポジショニング及びソフトウェア制御を介して、様々な位置及び/又は撮像モードを、モジュールの固定フォーカス構成に最適にプリセットできる。したがって、幾つかの上述した実施の形態は、小さな形状的要素における様々な固定焦点長を提供する。これらの実施の形態によって、通常、マルチフォーカス及び/又はカメラメカニズムの能力が限定された小型機器をより高機能に実現することができる。例えば、幾つかの実施の形態は、単純な小型機器に複数の焦点及びズーム位置を提供する。上述した実施の形態は、動きの範囲が限られており、要求される空間が小さいため、超小型携帯型機器、例えば、携帯電話機及び他の民生用機器に様々に応用することができる。本発明は、等の特定の医療機器にも適用できる。
【0100】
更に上述した実施の形態は、マルチフォーカス機能を実現しながら、占有空間が小さく、動きの範囲も限定的であり、低コストに実現できる。
【0101】
上述したように、幾つかの実施の形態においては、光学的部品は、2つの光学群に分割され、一方の光学群は、フロントバレルに収容され、他方の光学群は、リアバレルに収容される。例えば、図4に示すように、フロントバレルの光学群は、レンズ440、442、444、446を含み、リアバレルの光学群は、レンズ540、542、544、546を含む。閉じられた空間内でのこれらの光学群の正確な動きは、上述したメカニズムを使用することによって達成される。
【0102】
ある実施の形態の形態においては、自動フォーカス及びズームモジュールの形状的要素は、プリズムなしの場合、約10×14×22mmであり、プリズムありの場合、約10×14×30mmである。
【0103】
以上、多くの具体的詳細事項を用いて本発明を説明したが、他の特定の形式によっても、本発明の精神から逸脱することなく本発明を実施できることは当業者にとって明らかである。したがって、本発明は、上述した詳細な説明に限定されず、添付の特許請求の範囲によって定義されることは当業者にとって明らかである。
【関連出願】
【0001】
本出願は、米国特許法第119条第(e)項に基づき、2005年9月8日に出願された、係属中の米国仮特許出願第60/715,533号、発明の名称「3Xズームミニモジュール(3X ZOOM MINI MODULE)」の優先権を主張する。この特許文献は、引用により、本願に援用される。
【技術分野】
【0002】
本発明は、カメラの光学素子、特に、自動フォーカス及びズームモジュールに関する。
【背景技術】
【0003】
近年、デジタルカメラ技術は、大きく進歩している。このような進歩の1つとして、光学的及び機械的な部品は、数mm又はそれ以下の寸法に更に小型化されている。カメラの可動部品の小型化により、現代のデジタルカメラ及び光技術は、より広範囲のデバイスに応用されるようになった。また、これらのデバイスの形状的要素の設計及び構成も、日々、小型化が進んでいる。例えば、市販されている個人用電子機器、例えば、携帯電話機、携帯情報端末(personal digital assistant:PDA)、腕時計及び/又は懐中時計に、小型のデジタルカメラが組み込まれている場合がある。更に、より大きい形状的要素を有する機器に、追加的機能が組み込まれていることもある。例えば、一般的なビデオカムコーダには、動画を録画するための機構及び回路と共に、「静止画」すなわち写真を撮影するためのデジタルカメラ全体が組み込まれていることが多い。
【0004】
しかしながら、現代のデジタルカメラの機構には、様々な制約が課せられている。これらの制約には、コスト、サイズ、機能及び複雑性等が含まれる。例えば、小型化によって、通常、コストが高まり、機能が制限され、及び/又は複雑性が高まる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2002−189163号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、光学モジュールを提供する。光学モジュールは、第1の光学群と、第2の光学群と、イメージセンサとを備える。第1の光学群及び第2の光学群は、任意のフォーカス及び倍率を有する像をイメージセンサに供給する。
【0007】
本発明の幾つかの実施の形態では、光学モジュールは、第1のリードスクリュのねじ部に連結された第1の光学群を備える。第1のリードスクリュの回転によって、第1の光学群は、第1のリードスクリュの軸に沿って移動する。第1のアクチュエータは、第1のリードスクリュを回転させる。第1の感知対象は、第1のリードスクリュの回転を検出可能にする。本発明の幾つかの実施の形態では、光学モジュールは、第2のリードスクリュのねじ部に連結された第2の光学群を更に備える。第2のリードスクリュの回転によって、第2の光学群は、第1のリードスクリュの軸に沿って移動する。第2のアクチュエータは、第2のリードスクリュを回転させる。第2の感知手段は、第2のリードスクリュの回転を検出する。
【0008】
本発明に基づく光学モジュールは、ハウジングを備えていてもよい。第1の光学アセンブリ及び第2の光学アセンブリは、ハウジング内に収容される。
【0009】
第1の感知対象は、第1のリードスクリュの軸又は回転に対して対称であり、交互のパターンとなるように配置された異なる光学的特性の隣接した領域を有する閉曲面を有していてもよい。第2の感知対象は、第2のリードスクリュの軸又は回転に対して対称であり、交互のパターンとなるように配置された異なる光学的特性の隣接した領域を有する閉曲面を有していてもよい。第2の感知対象は、好ましくは、第2のリードスクリュに沿った第2の光学群の移動を測定できるように構成されている。第1の感知対象は、第1のリードスクリュに沿った第1の光学群の移動を測定できるように構成されている。最も好ましくは、第1の感知対象は、少なくとも10mmの範囲において、10μm以下の分解能で第1の光学群の移動を測定する。第2の感知対象は、少なくとも2mmの範囲において、10μm以下の分解能で第1の光学群の移動を測定する。
【0010】
幾つかの実施の形態では、第1のリードスクリュは、第1のねじ山外径を有するねじ部と、第1の外径を有する非ねじ部と、第1のアクチュエータ位置合わせ要素とを有する。第1の光学群は、第1のリードスクリュの回転によって、第1のリードスクリュの軸に沿って移動するように、第1のリードスクリュのねじ部に連結される。第1のギアラッシュ防止ばねは、第1の光学群を第1のリードスクリュの非ねじ部に向けて付勢する。第1の筒状の振動アクチュエータは、第1のリードスクリュを回転させる。第1の筒状の振動アクチュエータは、非ねじ部上で支持されるとともに、ハウジング及び第1のアクチュエータの両方に当接する第1の予圧ばねの復元力によって、第1のリードスクリュの第1のアクチュエータ位置合わせ要素に対して付勢される。第1の筒状の振動アクチュエータは、弾性継手によって、ハウジングに対してノードポイントで規制されている。第1の感知手段は、第1のリードスクリュの回転を検出する。
【0011】
幾つかの実施の形態においては、第1のねじ山外径は、第1の外径よりも大きい。他の実施の形態では、第1のねじ山外径は、第1の外径よりも小さい。更に、他の実施の形態では、第1のねじ山外径と第1の外径は、等しい。
【0012】
幾つかの実施の形態では、第2のリードスクリュは、第2のねじ山外径を有するねじ部と、第2の外径を有する非ねじ部と、第2のアクチュエータ位置合わせ要素とを有する。第2の光学群は、第2のリードスクリュの回転によって、第2のリードスクリュの軸に沿って移動するように、第2のリードスクリュのねじ部に連結される。第2のギアラッシュ防止ばねは、第2の光学群を第2のリードスクリュの非ねじ部に向けて付勢する。第2の筒状の振動アクチュエータは、第2のリードスクリュを回転させる。第2の振動アクチュエータは、非ねじ部上で支持されるとともに、ハウジング及び第2のアクチュエータの両方に当接する第2の予圧ばねの復元力によって、第2のリードスクリュの第2のアクチュエータ位置合わせ要素に対して付勢される。第2の筒状の振動アクチュエータは、弾性継手によって、ハウジングに対してノードポイントで規制されている。第2の感知手段は、第2のリードスクリュの回転を検出する。
【0013】
第1のアクチュエータ位置合わせ要素は、好ましくは、第1のリードスクリュのねじ部と非ねじ部との間に配置されている。第2のアクチュエータ位置合わせ要素は、好ましくは、第2のリードスクリュのねじ部と非ねじ部との間に配置されている。
【0014】
幾つかの実施の形態においては、第2のねじ山外径は、第2の外径よりも大きい。他の実施の形態では、第2のねじ山外径は、第2の外径よりも小さい。更に、他の実施の形態では、第2のねじ山外径と第2の外径は、等しい。
【0015】
本発明の幾つかの実施の形態に基づく自動フォーカス及びズームモジュールは、定在波パターンで振動して、シャフトを回転駆動する筒状の振動アクチュエータを備える。これらの実施の形態に基づく自動フォーカス及びズームモジュールは、ハウジングと、光学アセンブリと、イメージセンサとを備え、光学群は、フォーカス及び倍率を有する像をイメージセンサに供給する。光学アセンブリは、ねじ山外径を有するねじ部と、外径を有する非ねじ部と、アクチュエータ位置合わせ要素とを有するリードスクリュを備える。光学群は、リードスクリュの回転によって、リードスクリュの軸に沿って移動するように、リードスクリュのねじ部に連結されている。筒状の振動アクチュエータは、非ねじ部上で支持されるとともに、ハウジング及びアクチュエータの両方に当接する予圧ばねによってリードスクリュのアクチュエータ位置合わせ要素に対して付勢されたリードスクリュを、回転させ、弾性継手によって、ハウジングに対して好ましい定在波パターンのノードポイントで規制されている。感知手段は、リードスクリュの回転を検出する。アクチュエータ位置合わせ要素は、好ましくは、リードスクリュのねじ部と非ねじ部との間に配置されている。
【0016】
本発明の幾つかの実施の形態においては、自動フォーカス及びズームモジュールは、第1のガイドピンと、第2のガイドピンと、第1の光学アセンブリと、第2の光学アセンブリと、イメージセンサとを備え、第1の光学群及び第2の光学群は、フォーカス及び倍率を有する像をイメージセンサに供給する。
【0017】
幾つかの実施の形態においては、第1の光学アセンブリは、第1のねじ山外径を有するねじ部と、第1の外径を有する非ねじ部と、第1のアクチュエータ位置合わせ要素とを有する第1のリードスクリュを備える。第1の光学群は、2つのギア歯付きカップリングアームが対向して配設され、第1のリードスクリュのねじ部に係合された第1のばねヒンジアセンブリを有する。したがって、第1の光学群は、第1のリードスクリュの回転によって、第1のリードスクリュの軸に沿って移動する。第1のばねヒンジアセンブリは、第1のガイドピン及び第2のガイドピンに連結されている。第1のアクチュエータは、第1のリードスクリュを回転させる。第1の感知手段は、第1のリードスクリュの回転を検出する。
【0018】
幾つかの実施の形態では、第1のねじ山外径は、第1の外径よりも大きい。他の実施の形態では、第1のねじ山外径は、第1の外径よりも小さい。更に、他の実施の形態では、第1のねじ山外径と第1の外径は、等しい。
【0019】
また、本発明は、幾つかの実施の形態として、ねじ山を有するリードスクリュを駆動素子として用いた装置において、バックラッシュを防止するバックラッシュ防止方法を提供する。バックラッシュ防止方法は、軸と、ねじ深さ及びねじピッチを有するねじ領域とを有するリードスクリュを準備する工程を有する。更にバックラッシュ防止方法は、複数のギア歯付きカップリングアームが対向して配置され、リードスクリュの回転によって、リードスクリュの軸に沿って光学群が移動するように、リードスクリュのねじ部に係合されたばねヒンジアセンブリを準備する工程を有する。ギア歯付きカップリングアームの歯は、歯の深さと歯のピッチを有し、該歯の深さは、リードスクリュのねじ深さよりも実質的に浅く、歯のピッチは、リードスクリュのねじピッチよりも大きい。
【0020】
本発明に基づく光学モジュールは、好ましくは、光学群に連結され、光学モジュールの水平面に対する任意の角度で光学素子モジュールに像を向けるプリズム素子を更に備える。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本発明の幾つかの実施の形態に基づく自動フォーカス及びズームモジュールの斜視図である。
【図2】本発明の幾つかの実施の形態に基づく自動フォーカス及びズームモジュールの斜視図である。
【図3】本発明の幾つかの実施の形態に基づく自動フォーカス及びズームモジュールのリードスクリュアセンブリの側面図である。
【図4】本発明の幾つかの実施の形態に基づく自動フォーカス及びズームモジュールの断面図である。
【図5A】本発明の幾つかの実施の形態に基づく自動フォーカス及びズームモジュールの部分斜視図である。
【図5B】本発明の幾つかの実施の形態に基づく自動フォーカス及びズームモジュールの部分斜視図である。
【図5C】本発明の幾つかの実施の形態に基づく自動フォーカス及びズームモジュールの部分斜視図である。
【図6】本発明の幾つかの実施の形態に基づく自動フォーカス及びズームモジュールの側面図である。
【図7A】本発明の幾つかの実施の形態に基づく自動フォーカス及びズームモジュールで採用されるカップリング機構を部分的に示す図である。
【図7B】本発明の幾つかの実施の形態に基づくピッチが異なるスレッドを用いた噛合を示す図である。
【図8A】本発明の幾つかの実施の形態に基づく距離センサを示す図である。
【図8B】本発明の幾つかの実施の形態に基づく距離検出の間に生じるビーム拡散を説明する図である。
【図8C】本発明の幾つかの実施の形態に基づく距離検出の間に生じるビーム拡散を説明する図である。
【図9A】本発明の幾つかの実施の形態に基づく距離検出の間に生じるビーム拡散の具体例における距離検出のための直接結像法を説明する図である。
【図9B】本発明の幾つかの実施の形態に基づく距離検出のためのレンズを用いた結像法を説明する図である。
【図9C】本発明の幾つかの実施の形態に基づく距離検出のためのピンホールを用いた結像法を説明する図である。
【図10】本発明の幾つかの実施の形態に基づく位置検出のためのアセンブリの分解斜視図である。
【図11】本発明の幾つかの実施の形態に基づく位置検出のためのアセンブリの分解斜視図である。
【図12A】本発明の幾つかの実施の形態に基づくアクチュエータが取り付けられたアセンブリの一部の断面図である。
【図12B】本発明の幾つかの実施の形態に基づくアクチュエータが取り付けられたアセンブリの一部の断面図である。
【図12C】本発明の幾つかの実施の形態に基づくアクチュエータが取り付けられたアセンブリの一部の断面図である。
【図12D】本発明の幾つかの実施の形態に基づくアクチュエータが取り付けられたアセンブリの一部の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下では、説明のために、多くの詳細事項及び代替例を開示する。なお、これらの具体的な詳細事項を使用することなく、本発明を実施できることは当業者にとって明らかである。また、本発明の特徴を不明瞭にしないために、ブロック図では、よく知られた構造及び機器の構造を簡潔に示す。
【0023】
A.構造
図1は、本発明の幾つかの実施の形態に基づく自動フォーカス及びズームモジュール(以下、単にモジュールという。)1000を示している。図1に示すように、モジュール1000は、フロント光学群400、リア光学群500及びイメージセンサ1010を備える。フロント光学群400及びリア光学群500は、通常、例えば、レンズ等の1つ以上の光学的部品を含む。例えば、図4に示すモジュール1000は、フロント光学群400及びリア光学群500の両方に複数の光学レンズを備える。なお、当業者は、より複雑な又はより単純な構成の光学群を想到することができる。
【0024】
B.アセンブリの詳細
図1及び図2は、モジュール1000の詳細を示している。幾つかの実施の形態において、モジュール1000は、フロントハウジング及びリアハウジングを備え、フロントハウジング及びリアハウジングは、互いに連結され、ガイドピンによってアラインされている。ガイドピンは、更に、バレルの動きを誘導するためにも用いられる。図5Aは、リアコンポーネント1050と、フロントコンポーネント1060とを含むハウジングを示しており、このハウジングモジュール1000の様々なアセンブリの構造的なフレームを提供している。ハウジングには、リードスクリュアセンブリ200、300と、ガイドピン600、700とが係合されている。この係合によって、各コンポーネントが互いに、及びイメージセンサ1010のターゲット領域1012に対して位置決めされ、固定され、任意の倍率及びズームを有する像をターゲット領域1012に提供できる自動フォーカス及びズームモジュールのシャーシが実現されている。
【0025】
フロントハウジングには、フロントバレル及びオプションとしてプリズムが取り付けられている。モジュールのハウジングは、好ましくは、ケーシング及びカバーメカニズムを更に備える。カバーメカニズムは、好ましくは、モジュールの内部部品、特にレンズ群及びイメージセンサを光の漏洩及び埃による汚染から保護する。リアハウジングには、イメージセンサと、オプションとして、赤外線(IR)フィルタ及び/又はローパスフィルタが取り付けられている。
【0026】
イメージセンサ
図に示すように、イメージセンサ1010は、好ましくは、平面を定義する。図1では、この平面は、xy平面に平行な平面である。モジュール1000は、通常、z軸に平行なイメージベクトルに沿って、イメージセンサ1010に像を供給するように構成される。
【0027】
ガイドピン
図1は、幾つかの実施の形態に基づく自動フォーカス及びズームモジュールのガイドピン構成を示している。幾つかの実施の形態は、一対のガイドピンを使用し、幾つかの他の実施の形態では、異なる数のガイドピンを使用する。ガイドピン600、700は、その個数にかかわらず、通常、リアバレル530及びフロントバレル430がイメージセンサ1010に対して移動できるように、モジュール1000の直線的な軸に沿って取り付けられる。モジュール1000においては、第1のガイドピン600及び第2のガイドピン700は、それぞれの軸が互いに及びz軸に対して実質的に平行になるようにアラインされている。更に、リードスクリュアセンブリ200、300は、互いに、z軸対して、及びガイドピン600、700に対して実質的に平行にアラインされている。
【0028】
ガイドピン600、700は、通常、イメージセンサ1010のイメージベクトルの反対側で、ハウジングのフロントコンポーネント1060及びリアコンポーネント1050に連結される。なお、他の構成も可能であることは当業者にとって明らかである。リードスクリュ200、300は、通常、イメージセンサ1010と同じ側で、ハウジングのフロントコンポーネント1060及びリアコンポーネント1050に連結される。
【0029】
幾つかの実施の形態では、ガイドピン600、700がリアバレル530に提供する動作範囲は、約7mmである。幾つかの実施の形態では、ガイドピン600、700がフロントバレル430に提供する動作範囲は、約2mmである。なお、この動作範囲のために、幾つかの実施の形態において、ガイドピン600、700は、モジュール1000の形状的要素に影響する。したがって、幾つかの実施の形態は、モジュール1000の形状的要素を変更し及び/又は隠す機構を更に備える。
【0030】
プリズム
また、オプションとして、プリズムを設けてもよい。プリズムを設けることにより、自動フォーカス及びズームモジュールを様々な向きに配置し及び/又は取り付けることができる。例えば、特定の具体例では、水平方向の幅が制限され、モジュールを筐体の垂直平面に縦に配置することが望ましい場合がある。この向きによって、幅及び/又は深さの形状的要素がより小さいデバイスにおいて、上述のように、ガイドピンに沿ったフロントバレル及びリアバレルの動作範囲を確保できる。
【0031】
図1及び図5Bは、これらのプリズムの幾つかの実施の形態を示している。図1に示すモジュール1000は、フロントバレル430に取り付けられたプリズム100を備える。プリズム100は、フロントバレル430に対して、任意の角度で像からの光の向きを変更する。上述したように、フロントバレル430は、通常、フロントレンズ群を収容する。フロントレンズ群は、例えば、図5Bに示すフロントレンズ440等、1つ以上のフロント光学部品を備える。したがって、プリズム100により、通常、撮影又は撮像される被写体に対して、所定の角度に保持されるデバイス内でモジュール1000を様々な向きで配置できる。
【0032】
図5Bは、幾つかの実施の形態に基づく、モジュール1000に取り付けられたプリズム100の小さい形状的要素を示している。これらの実施の形態では、プリズムホルダ及びプリズムブラケットの組合せによって、モジュール1000のフロントレンズ440に隣接させて、プリズムを有利に取り付けることができる。上述したように、プリズム100は、通常、モジュール1000のフロントレンズ440に対して所定の角度にある被写体の像からの光の向きを変更する。
【0033】
レンズ系
図に示すように、リア光学群500及びフロント光学群400は、予め定義された構造を有する。リア光学群500は、リアバレル530、リアガイドスリーブ510及びリアガイドスロット520を備える。リアバレル530は、通常1つ以上のレンズ又は他の光学的部品を収容する。図に示すように、リアバレル530は、リアレンズ540を収容する。リアバレル530は、実質的に、中心軸を有する円筒体である。リアレンズ540は、光をリアバレル530の中心軸に沿う方向に向ける。リアガイドスリーブ510は、細長い、実質的な円筒体であり、リアバレル530の中心軸及びリアガイドスリーブ510の軸が実質的に平行となるように、リアバレル530に連結されている。リアガイドスロット520は、シリンダに係合するように構成されたスロットである。
【0034】
フロント光学群400は、フロントバレル430、フロントガイドスリーブ410及びフロントガイドスロット420を備える。フロントバレルは、通常、フロントレンズ440(例えば、図5B)を収容する。フロントバレル430は、実質的に、中心軸を有する円筒体である。フロントレンズ440は、光をフロントバレル430の中心軸に沿う方向に向ける。フロントガイドスリーブ410は、細長い、実質的な円筒体であり、フロントバレル430の中心軸及びフロントガイドスリーブ410の軸が実質的に平行となるように、フロントバレル430に連結されている。フロントガイドスロット420は、シリンダに係合するように構成されたスロットである。
【0035】
レンズ−ガイドピンの係合
図5Bに示すように、フロント光学群400は、第1のガイドピン600に係合されたフロントガイドスリーブ410を備える。この図に示すように、フロントガイドスリーブ410は、フロントバレル430よりも実質的に細長い形状を有している。更に、フロントガイドスリーブ410は、フロントバレル430に固定されている。この構成により、ガイドピン600がz軸に沿って延びているとすると、フロント光学群400は、第1のガイドピン600に対して、yz平面又はxz平面内では回転せず、xy平面内で回転できる。リア光学群500は、第1のガイドピン600に係合されたリアガイドスリーブ510を備える。この図に示すように、リアガイドスリーブ510は、フロントバレル430よりも実質的に細長い形状を有している。更に、リアガイドスリーブ510は、リアバレル530に固定されている。この構成により、ガイドピン600がz軸に沿って延びているとすると、リア光学群500は、第1のガイドピン600に対して、yz平面又はxz平面内では回転せず、xy平面内で回転できる。
【0036】
また、図1に示すように、フロント光学群400は、第2のガイドピン700に係合されたフロントガイドスロット420を備える。フロントガイドスロット420と第2のガイドピン700との間の係合により、フロント光学群400は、ガイドピン600、700のいずれかに対して、xy平面内で回転することができなくなっている。フロント光学群400と、ガイドピン600、700との間の係合によって、フロント光学群400は、2つのガイドピンで定義される軸(図1のz軸)に沿って移動することができると共に、この軸に直交する軸(x軸及びy軸)に沿って移動することができなくされている。
【0037】
また、リア光学群500は、第2のガイドピン700に係合されたリアガイドスロット520を備える。リアガイドスロット520と第2のガイドピン700との間の係合により、リア光学群500は、ガイドピン600、700のいずれかに対して、xy平面内で回転することができなくなっている。リア光学群500と、ガイドピン600、700との間の係合によって、リア光学群500は、2つのガイドピンで定義される軸(図1のz軸)に沿って移動することができると共に、この軸に直交する軸(x軸及びy軸)に沿って移動することができなくされている。
【0038】
リードスクリュアセンブリ
図3に示す例示的なリードスクリュアセンブリ300’は、リアコンポーネント1050’と、フロントコンポーネント1060’とを含む区分されたハウジングに連結されている。リードスクリュアセンブリ300’は、リードスクリュ1の周囲に構成されている。リードスクリュアセンブリ300’は、アクチュエータ20、カップリングナット35及び感知対象50を含む。更に、アセンブリは、予圧ばね10及びギアラッシュ防止ばね(anti-gearlash spring)40を含む。リードスクリュ1は、ねじ領域5と、2つの非ねじ領域とを有する。アクチュエータ20は、第1の非ねじ領域に係合され、感知対象50は、第2の非ねじ領域に係合されている。リードスクリュアセンブリ300’は、ハウジングに連結されると、リアコンポーネント1050’及びフロントコンポーネント1060’の特定の部分に接触する。これらの部分には、リードスクリュ保持ウェル(lead screw retention well)1051”、1065”及びギアラッシュばね基準部(gearlash spring reference feature)1063”が含まれる。これらの部分は、好ましくは、リードスクリュアセンブリ300’の回転を容易にするベアリングを備える。
【0039】
図5Cは、フロントコンポーネント1060及びリアコンポーネント1050を含む区分されたハウジングに連結された図3に示すタイプのリードスクリュアセンブリ300を示している。図に示すように、リードスクリュ300の軸は、リア光学群500及びフロント光学群400のレンズ群を介して形成される光路に対して平行である。
【0040】
感知対象
本発明の幾つかの実施の形態に基づくリードスクリュアセンブリは、感知対象を備える。図3に示すリードスクリュアセンブリ300’は、リードスクリュ保持ウェル1065”と、ギアラッシュばね基準部1063”との間に配設された感知対象50を備える。感知対象は、通常、リードスクリュの第2の非ねじ領域の位置合わせ要素と係合する特徴的要素を備える。例えば、図5Aの部分的な断面図に示すように、リードスクリュ260は、非ねじ領域内に位置合わせ要素を有する。図に示すように、リードスクリュ260の第2の非ねじ領域は、感知対象250のための位置合わせ要素261を有する。位置合わせ要素261は、感知対象250の対応する特徴的要素に係合するように構成されている。
【0041】
アクチュエータ
アクチュエータ20は、第1の非ねじ領域の一部の上に配設されている。アクチュエータ20は、通常、リードスクリュ1の第1の非ねじ領域の位置合わせ要素と係合する特徴的要素を備える。例えば、図5Aに示すように、リードスクリュ260は、第1の非ねじ領域内にアクチュエータ位置合わせ要素263を備える。アクチュエータ位置合わせ要素263及びアクチュエータ220の対応する特徴的要素は、互いに係合するように構成されている。
【0042】
更に、アクチュエータ20は、通常、複数の手法によって、ハウジングに連結される。リードスクリュアセンブリ300’において、予圧ばね10は、アクチュエータ20をハウジングのリアコンポーネント1050に連結し、リードスクリュ1の基準要素(referencing feature)にアクチュエータ20を押し付けている。他の具体例においては、図5Aのリードスクリュアセンブリ200は、予圧ばね210を備え、予圧ばね210は、ハウジングのリアコンポーネント1050とアクチュエータ220との両方に復元力を加え、アクチュエータ220の特徴的部分を、リードスクリュ260のアクチュエータ位置合わせ要素263に対して押し付けている。アクチュエータ、予圧ばね及び位置合わせ要素の他の構成については、図12A〜図12Dを参照して後に説明する。
【0043】
連結のための他の手法として、アクチュエータがリードスクリュを回転駆動できるように、ハウジングに対してアクチュエータの一部を固定された位置に保つアクチュエータコンタクトパッド(例えば、図1の1023、1022)を用いてもよい。例えば、アクチュエータコンタクトパッド1020は、アクチュエータ20がハウジングに対して回転することを防いでいる。
【0044】
アクチュエータ20をリードスクリュに連結することに加えて、予圧ばね10は、リードスクリュを回転させるベアリングにも予圧を加えている。ベアリングは、通常、ハウジングに連結され、リードスクリュ保持ウェル1051、1065に配設されている。幾つかの実施の形態では、ギアラッシュばね基準部1063に更なるベアリングを設けてもよい。適切な動作のために、多くのベアリング設計は、ベアリングの様々な部分を一体に保持するために、最小限の規制力を加える。このような力は、通常「予荷重」と呼ばれる。本発明の幾つかの実施の形態では、予圧ばねが、リードスクリュ保持ウェル1051、1065内に位置しているベアリングに力を加える。
【0045】
本発明では、アクチュエータとリードスクリュとの間の係合に様々な手法を想定する。例えば、図12Aは、本発明に基づく、アクチュエータ20とリードスクリュ60との間の好適な係合を示している。アクチュエータ20は、リードスクリュ60の非ねじ領域に連結されている。アクチュエータ20の特徴的要素は、ハウジング1及びアクチュエータ20に対して力を加える予圧ばね10によってリードスクリュ60のアクチュエータ位置合わせ要素63に押し付けられている。この具体例では、アクチュエータ位置合わせ要素63は、リードスクリュ60の非ねじ領域とねじ領域との間に配設され、非ねじ領域は、ねじ領域よりも外径が小さく、アクチュエータ位置合わせ要素63とねじ領域との間には、比較的短い第2の非ねじ領域が設けられている。
【0046】
他の具体例として、図12Bは、本発明に基づく、アクチュエータ20’と、リードスクリュ60’との間の係合を示している。アクチュエータ20’は、リードスクリュ60’の非ねじ領域に連結されている。アクチュエータ20’の特徴的要素は、ハウジング1及びアクチュエータ20’に対して力を加える予圧ばね10によってリードスクリュ60’のアクチュエータ位置合わせ要素63’に押し付けられている。この具体例では、アクチュエータ位置合わせ要素63’は、リードスクリュ60の非ねじ領域とねじ領域との間に配設され、非ねじ領域とねじ領域は、外径が略々等しい。
【0047】
他の具体例として、図12Cは、本発明に基づく、アクチュエータ20”と、リードスクリュ60”との間の係合を示している。アクチュエータ20”は、リードスクリュ60”の非ねじ領域に連結されている。アクチュエータ20”の特徴的要素は、ハウジング1及びアクチュエータ20”に対して力を加える予圧ばね10によってリードスクリュ60”のアクチュエータ位置合わせ要素63”に押し付けられている。この具体例では、アクチュエータ位置合わせ要素63”は、リードスクリュ60”の非ねじ領域とねじ領域との間に配設され、非ねじ領域は、ねじ領域よりも外径が小さく、アクチュエータ位置合わせ要素63”とねじ領域との間には、比較的長い第2の非ねじ領域が設けられている。
【0048】
他の具体例として、図12Dは、本発明に基づく、アクチュエータ20”’と、リードスクリュ60”’との間の係合を示している。アクチュエータ20”’は、リードスクリュ60”’の非ねじ領域に連結されている。アクチュエータ20”’の特徴的要素は、ハウジング1及びアクチュエータ20”’に対して力を加える予圧ばね10によってリードスクリュ60”’のアクチュエータ位置合わせ要素63”’に押し付けられている。この具体例では、アクチュエータ位置合わせ要素63”’は、リードスクリュ60”’の非ねじ領域とねじ領域との間に配設され、非ねじ領域は、ねじ領域よりも外径が大きい。また、予圧ばね10”’及び筐体部分2は、非ねじ領域とねじ領域との間に配置されている。
【0049】
カップリングナット
リードスクリュアセンブリは、通常、カップリングナットを含む。カップリングナットは、好ましくは、リードスクリュのねじ領域に係合するように構成された歯を有する。カップリングナットの歯は、後述するように、幾つかの機能を有する。典型的な構成では、歯は、リードスクリュが回転すると、カップリングナットがリードスクリュの長軸に沿って移動するように構成される。例えば、図1に示す具体例では、リードスクリュ200が回転すると、カップリングナット230は、リードスクリュのz軸に沿って移動する。移動の方向は、回転方向によって決まり、正確には、リードスクリュのねじ山の向きによって決まる。
【0050】
また、カップリングナットは、通常、カップリングナットの歯をリードスクリュのねじ山に対して付勢する少なくとも1つのスプリングを介してハウジングにも連結される。例えば、図3のリードスクリュアセンブリ300’は、ギアラッシュ防止ばね40を備える。ギアラッシュ防止ばねは、アクチュエータ予圧ばねから独立していることが望ましい。図5Aに示すように、リードスクリュアセンブリ200は、カップリングナット230と、ハウジングのフロントコンポーネント1060のギアラッシュばね基準部1063との間に配設され、これらのそれぞれに復元力を加えるギアラッシュ防止ばね240を備える。また、予圧ばね210は、アクチュエータ220と、リードスクリュ保持ウェル1051に隣接するリアコンポーネント1050の面との間に配設され、これらのそれぞれに復元力を加える。
【0051】
更に、ギアラッシュ防止ばね240は、予圧ばね210から独立してハウジングに連結されており、2つのスプリングの復元力は、互いに機械的に分離されている。以下に示すリードスクリュアセンブリ構成の幾つかの特徴によって、2つのスプリングの復元力が分離される。(1)ハウジングを形成するリアコンポーネント1050及びフロントコンポーネント1060は、固定的に連結されている。(2)リードスクリュ260は、剛性を有する。(3)リードスクリュ260のねじ領域205がカップリングナット230の軸方向の動きを規制する。(4)アクチュエータ位置合わせ要素263が、アクチュエータ220の軸方向の動きを規制する。
【0052】
レンズ−カップリングナット係合
図6に示すように、(例えば、図2に示す)フロント光学群400及びリア光学群500のそれぞれの第1のガイドスリーブ410、510は、カップリングナット230、330を介してリードスクリュに連結されている。第1のガイドスリーブ410、510には、いずれも第1のガイドピン600が挿入されている。リア光学群500の第1のガイドスリーブ510は、カップリングナット330の溝に係合する突起要素512を有する。図5Bは、突起要素512と、カップリングナット330の溝との間の係合状態の斜視図を示している。溝は、アーム335によって形成され、基準面336を有する。基準面336は、カップリングナット330の溝に突出し、突起要素512を受け入れられる寸法の間隙を形成する。この間隙と突起要素512とは、実質的に2つの部品間に「遊び」がなくなるように、互いに一致する寸法を有することが望ましい。
【0053】
同様に、フロント光学群400の第1のガイドスリーブ410は、カップリングナット230の溝に係合する突起要素412を有する。溝は、アーム235によって形成され、基準面236を有する。基準面236は、カップリングナット230の溝に突出し、突起要素412を受け入れられる寸法の間隙を形成する。この間隙と突起要素412とは、実質的に2つの部品間に「遊び」がなくなるように、互いに一致する寸法を有することが望ましい。
【0054】
この好ましい構成では、リードスクリュの軸に沿ってカップリングナットが移動すると、対応するガイドスリーブがガイドピンに沿って移動する。ガイドスリーブは、光学群のコンポーネントに固定的に連結されているので、カップリングナットが移動すると、連結されている光学群も移動する。なお、カップリングナットとガイドスリーブとの間の連結を固定するだけでも、この機能を実現できる。ここに例示する構成では、カップリングナットの軸方向に沿わない動きからガイドスリーブを分離することによって更なる利益を提供している。基準面と、ガイドスリーブの突起要素との間の接触面積が小さいため、摩擦が最小化され、カップリングナットは、リードスクリュの軸に直交する軸において、ガイドスリーブに対して動くことができる。この構成によって、カップリングナットの機械的な振動又は外乱の大部分を光学群から分離することができる。更に、この分離は、光学群の位置決めについて必要な精度を実現するためには、カップリングナットの移動の自由度だけを制御すればよいことを意味する。
【0055】
例示的なリードスクリュアセンブリに含まれるねじは、複数の目的に役立つ。例えば、ギアラッシュ防止ばねは、リードスクリュ基準部をカップリングナットに連結する。この連結によって、両方の要素に復元力が加えられ、カップリングナットは、基準部から離れる方向に付勢される。
【0056】
C.機能
フロント光学群400は、第1のリードスクリュアセンブリ200を含む第1の光学アセンブリの一部である。リア光学群500は、第2のリードスクリュアセンブリ300を含む第2の光学アセンブリの一部である。第1及び第2の光学アセンブリは、モジュール1000の他の要素と共に、イメージセンサ1010に対する光学群400、500の移動及び位置決めを制御する。
【0057】
リードスクリュアセンブリ200は、ねじ領域205を有する。カップリングナット230は、光学群400とねじ領域205との間を係合させ、リードスクリュ260の回転を光学群400の移動に変換する。カップリングナット230は、リードスクリュアセンブリ200の他の要素と連携して、拘束されることなく移動し、外部の基準に対して、光学群400を固定的に位置決めすることができる。
【0058】
また、リードスクリュアセンブリ200は、リードスクリュ260を回転させることによって光学群400の動きを駆動するように構成されたアクチュエータ220を備える。アクチュエータ220の構成は、リードスクリュアセンブリ200の様々なばね要素と連携して、カップリングナット230に対する高い摩擦負荷を回避し、アクチュエータからリードスクリュ260への効率的なエネルギ伝達を実現する。
【0059】
リードスクリュアセンブリ300は、ねじ領域305を有する。カップリングナット330は、光学群500とねじ領域305との間を係合させ、リードスクリュ360の回転を光学群500の移動に変換する。カップリングナット330は、リードスクリュアセンブリ300の他の要素と連携して、拘束されることなく移動し、外部の基準に対して、光学群500を固定的に位置決めすることができる。
【0060】
また、リードスクリュアセンブリ300は、リードスクリュ360を回転させることによって光学群500の動きを駆動するように構成されたアクチュエータ320を備える。アクチュエータ320の構成は、リードスクリュアセンブリ300の様々なばね要素と連携して、カップリングナット330に対する高い摩擦負荷を回避し、アクチュエータからリードスクリュ360への効率的なエネルギ伝達を実現する。
【0061】
第1のガイドピン600及び第2のガイドピン700は、光学群400、500及びカップリングナット230、330と連携して、拘束なしで、光学群の光学的部品のアラインメントを、これらの動作範囲に亘って維持する。
【0062】
モジュール1000の位置センサ1030と共に、位置感知対象250、350をリードスクリュアセンブリ200、300内に設けることによって、非線形アクチュエータ、例えば、アクチュエータ220、320を用いて、リードスクリュ260、360を駆動することができる。
【0063】
D.動作の詳細
ガイドピン構成
図5Bに示すように、フロント光学群400のフロントガイドスリーブ410は、フロントバレル430(図5A)よりも細長い形状を有している。同様に、リア光学群500は、第1のガイドピン600が挿入された細長いリアガイドスリーブ510を備える。この構成により、ガイドピン600がz軸に沿って延びているとすると、フロント光学群400及びリア光学群500は、第1のガイドピン600に対して、yz平面又はxz平面内では回転せず、xy平面内で回転できる。更に、ガイドスリーブは、バレルに固定的に連結されている。この構成により、ガイドピン600がz軸に沿って延びているとすると、光学群は、第1のガイドピン600に対して、yz平面又はxz平面内では回転せず、xy平面内で回転できる。
【0064】
また、図1に示すように、フロント光学群400は、第2のガイドピン700に係合されたフロントガイドスロット420を備える。同様に、リア光学群500は、リアガイドスロット520を備える。これらのガイドスロットと第2のガイドピン700との間の係合により、フロント光学群400及びリア光学群500は、ガイドピン600、700のいずれかに対して、xy平面内で回転することができなくなっている。フロント光学群400及びリア光学群500と、ガイドピン600、700との間の係合によって、フロント光学群400及びリア光学群500は、2つのガイドピンで定義される軸(図1のz軸)に沿って移動することができると共に、この軸に直交する軸(x軸及びy軸)に沿って移動することができなくされている。
【0065】
ねじ−レンズ係合
図4、図7A及び図7Bは、本発明の幾つかの実施の形態に基づくカップリングナットとリードスクリュとの間の係合の詳細を示している。幾つかの実施の形態では、図4に示すように、リードスクリュ260の雄ねじは、カップリングナット230の歯と噛合する。なお、幾つかの実施の形態では、他の構成が使用される。例えば、図7Aに示す具体例では、カップリングナット2230は、第1のカップリングアーム2231及び第2のカップリングアーム2232を備え、これらは、それぞれ、ばね2233によって、リードスクリュ2260に対して付勢されている。更に、カップリングナット2230は、ガイドスリーブ2510に係合している。好ましくは、ガイドスリーブ2510と、カップリングナット2230とは、「非固定的に」係合され、ガイドスリーブ2510と、カップリングナット2230との間では、ガイドスクリュ/ガイドピン軸に沿った動きだけが伝達される。
【0066】
図7Bは、カップリングアーム2231、2232のそれぞれのカップリング歯2231’、2232’と、リードスクリュ2260のねじ山2261との間の噛合を示している。カップリング歯2231’、2232’の角度は、ねじ山2261の角度よりも鈍く形成されている。換言すれば、ねじ山2261の(径方向に測定した)高さは、カップリング歯2231’、2232’の高さよりも高い。この構成では、歯のピッチとスレッドのピッチとが異なる。図7Bに示すように、カップリング歯2231’、2232’のピッチは、好ましくは、ねじ山2261のねじピッチよりも大きい。ねじ山2261のピッチは、好ましくは、リードスクリュ2260に沿って一定である。したがって、カップリングナット2230がリードに沿って移動する間、カップリング歯2231’、2232’のピッチと、これらに噛合するねじ山との間の比は、一定に維持される。
【0067】
カップリング歯2231’、2232’と、ねじ山2261の角度の傾斜と、スプリング2233によるカップリングアーム2231、2232の付勢との連携によって、カップリングナット2230の機械的ハードストップを介する光学群の照合が可能になる。雄ねじ−雌ねじの係合を用いた場合、リードスクリュを回転させると、カップリングナットの機械的ハードストップによって、拘束(binding)及びねじの破損が生じることがある。一方、ここに例示したシステムでは、カップリングナット2230の機械的ハードストップの間にリードスクリュ2260が駆動されると、角度が鋭いねじ山2261は、角度が鈍いカップリング歯2231’、2232’に対するくさびとして機能し、スプリング2233を広げ、カップリングアーム2231、2232を引き離す。このように、回転の間のカップリングナット2230の機械的ハードストップは、カップリング歯2231’、2232’をねじ山2261から解放し、拘束(binding)を防止する。これにより、照合の間、リードスクリュアクチュエータの正確なスイッチングなしで、機械的ハードストップを介してカップリングナットに連結された光学群の位置照合が可能になる。
【0068】
更に、傾斜及び復元力によって、カップリング歯が係合する2つのねじ部の間で各カップリング歯の自然なセンタリングが実現する。ばねが各カップリング歯に均等に力を加える限り、カップリング歯は、ねじ部に対して所定の位置に自然に止まる。このセンタリングによって、ピッチ及び角度が一致するねじ山を有するナットとボルトとの間に起こる「バックラッシュ」の発生を減少させることができる。バックラッシュとは、ナットのねじ山がボルトのねじ溝内で動く余地がある場合に生じるボルトに対するナットのジッタリングである。
【0069】
また、図3に示すように、ギアラッシュ防止ばね40もバックラッシュの防止に役立つ。ギアラッシュ防止ばね40は、カップリングナット30をギアラッシュばね基準部1063”から引き離す復元力を発生する。カップリングナット30の歯は、通常、リードスクリュのねじ領域5のねじ山に係合し、したがって、上述した復元力によって、ギアラッシュばね基準部1063”の基部に近いねじ山の面に向けてカップリングナット30の歯が押し付けられる。
【0070】
アクチュエータ構成
図4に示すように、本発明の幾つかの実施の形態は、リードスクリュ260を回転させるアクチュエータ220を備える。好ましくは、本発明の実施の形態は、アクチュエータの効率的な動作を確実にするための特徴的要素を備える。
【0071】
例えば、本発明の幾つかの実施の形態は、非ねじシャフトの回転を駆動する筒状の振動アクチュエータを備える。この種の例示的なアクチュエータは、摩擦を介して非ねじシャフトと係合し、移動なしでシャフトを回転させる圧電―超音波モータである。好ましくは、筒状のアクチュエータは、共振モードで励起されると、筒状のアクチュエータ内に位置するシャフトを回転させる。これらのアクチュエータは、好ましくは、これらのアクチュエータに作用する実質的に一定の一組の力によって、定義された空間内で動作する。
【0072】
図4及び図6は、本発明に基づくアクチュエータ220、320の好ましい構成を示している。上述のように、振動アクチュエータ220、320は、実質的に一定の力で定義された空間に係合された場合、より効率的に動作する。例えば、図4に示すように、予圧ばね210は、アクチュエータ220をリードスクリュのアクチュエータ位置合わせ要素263に押し付ける。この連結により、アクチュエータ220とアクチュエータ位置合わせ要素263との間で垂直力が生じ、アクチュエータ220とリードスクリュ260との間の潜在的な摩擦力が増加する。アクチュエータ220は、摩擦を介してリードスクリュ260の回転を駆動するので、予圧ばね210は、アクチュエータ220の潜在的な駆動力を高める。なお、アクチュエータ220とリードスクリュ260との間の摩擦力が強すぎると、リードスクリュの回転速度が減少することがある。予圧ばね210の強さは、回転速度を十分に速く保ちながら、効率を最適化するように選択することが望ましい。
【0073】
更に、例示した実施の形態では、アクチュエータ位置合わせ要素263とアクチュエータ220との間の垂直力は、予圧ばね210のみによって決まる。ギアラッシュ防止ばね205は、リードスクリュアセンブリ200に沿った他の位置に力を加えるが、これらの力は、アクチュエータ220から分離される。アクチュエータ220は、リードスクリュ260に沿って移動しないため、アクチュエータ220とハウジング1050との間の間隔は、一定のままである。このように、アクチュエータ220及びハウジング1050の両方に予圧ばね210が加える力は、これらの間の間隔に比例するため、アクチュエータ220の動作の間、この力は、実質的に一定に保たれる。
【0074】
図6に示すように、予圧ばね310は、リードスクリュアセンブリ300内でアクチュエータ320に同様の機能を提供する。更に、図6は、アクチュエータコンタクトパッド1023を介する、アクチュエータ320上の選択された点のハウジング1050への係合を示している。
【0075】
上述のように、アクチュエータ320は、定義された空間で動作することが有利である。予圧ばね310は、リードスクリュ360の長手方向の領域内でアクチュエータ320を維持するのに役立つ。なお、例示した実施の形態で採用されている好適なタイプのアクチュエータは、回転力をリードスクリュに加えるために更なる安定化を必要とする。アクチュエータとリードスクリュとの相互作用によって、一方が他方に対して回転する。モジュール1000は、ハウジング1050に対してリードスクリュ360が回転することを要求するので、アクチュエータ320は、アクチュエータコンタクトパッド1023を介して、ハウジング1050に回転方向に固定されている。
【0076】
アクチュエータコンタクトパッド1023の位置及び構成は、アクチュエータ320の効率に対する負の効果を最小にするように適応化されている。アクチュエータコンタクトパッド1023は、アクチュエータ320の動作の間、好適な一組の共振点において実質的に静止しているアクチュエータ320上のノードポイントと呼ばれる位置に配置されている。更に、アクチュエータコンタクトパッド1023は、好ましくは、伸縮及び反発する弾性材料から形成され、それらの静止位置から離れるノードポイントの動き規制することができる。
【0077】
図6には、2個のアクチュエータコンタクトパッド1023を示しているが、他の実施の形態として、アクチュエータコンタクトパッド1023の数は、これより多くても少なくてもよい。更に、アクチュエータコンタクトパッド1022は、アクチュエータ220をハウジング1050に連結し、リードスクリュ260の回転を可能にする同様の機能を有する。
【0078】
本発明の実施の形態では、好ましくは、アクチュエータを制御するために、位置感知システムからフィードバック情報を受け取る。このようなフィードバック機構を用いることにより、本発明の実施の形態において、非線形アクチュエータを使用することができ、反復性を容易にすることができる。
【0079】
照合
本発明の幾つかの実施の形態は、好ましくは、システムを機械的に拘束することなく、レンズ群の機械的なハードストップを実現するように適応化された特徴的要素を有する。このような機械的な固定(stoppage)は、好ましくは、レンズ群の位置を制御する際の基準として用いられる。
【0080】
図7A及び図7Bに示すように、カップリング歯2231’、2232’と、ねじ山2261の角度の傾斜と、スプリング2233によるカップリングアーム2231、2232の付勢との連携によって、カップリングナット2230の機械的ハードストップを介する光学群の照合が可能になる。雄ねじ−雌ねじの係合を用いた場合、リードスクリュを回転させると、カップリングナットの機械的ハードストップによって、拘束(binding)及びねじの破損が生じることがある。一方、ここに例示したシステムでは、カップリングナット2230の機械的ハードストップの間にリードスクリュ2260が駆動されると、角度が鋭いねじ山2261は、角度が鈍いカップリング歯2231’、2232’に対するくさびとして機能し、スプリング2233を広げ、カップリングアーム2231、2232を引き離す。このように、回転の間のカップリングナット2230の機械的ハードストップは、カップリング歯2231’、2232’をねじ山2261から解放し、拘束(binding)を防止する。これにより、照合の間、リードスクリュアクチュエータの正確なスイッチングなしで、機械的ハードストップを介してカップリングナットに連結された光学群の位置照合が可能になる。
【0081】
位置感知
上述のように、本発明の幾つかの実施の形態は、アクチュエータ制御システムにフィードバックを提供し、非線形アクチュエータモータを使用していても、正確な位置決めを実現する位置感知機能を有する。例示的な位置感知システムは、位置センサ1030と、位置感知対象250及び図1のモジュール1000の350とを備える。
【0082】
位置感知システムは、レンズ群の動作範囲に亘る位置データを提供する。本発明の幾つかの実施の形態では、位置感知システムは、10mmの範囲に亘って、10μm以内の精度で光学群の相対的位置を追跡する。
【0083】
幾つかの実施の形態では、筒状の感知対象に連結された反射符号化センサ(reflection encoding sensor)を用いて、リードスクリュの回転を測定する。光学群は、ねじピッチが既知のリードスクリュに連結されているので、リードスクリュの回転距離は、リードスクリュの軸に沿った光学群の移動距離に正比例する。
【0084】
本発明の幾つかの実施の形態において採用される位置感知システムの詳細を図10に示す。エミッタ/検出器3030は、第1のセンサ3034A、第2のセンサ3034B及びエミッタ3032を備える。マスク構造3030’は、エミッタウィンドウ3032’と、4個のセンサウィンドウ3034A’、3034A”、3034B’、3034B”とを備える。幾つかの実施の形態では、エミッタ/検出器3030は、フォトリフレクタである。幾つかの実施の形態では、エミッタは、LEDである。
【0085】
感知対象3350の暗いバンドは、エミッタから出射された光を吸収し、感知対象の明るいバンドは、エミッタから出射された光を反射する。センサは、センサウィンドウに対するバンドの移動に伴う吸収及び反射の遷移を検出する。第1のセンサ3034A及び第2のセンサ3034Bは、いずれもこの遷移を検出する。第2のセンサ3034Bは、好ましくは、第1のセンサ3034Aの位相外の遷移を検出する。このようにして、2つのセンサからの位相が異なるデータを結合することによって、制御システムは、動きの方向と大きさの両方を検出することができる。この感知装置は、筒状の走査ターゲットを使用しているが、本発明の幾つかの実施の形態では、直線的なターゲットを用いる同様のシステムを用いてもよい。
【0086】
伝統的な反射符号化(reflection encoding)では、使用される光は、感知対象に到達するまで、過度に拡散できない。図8Bは、一連の吸収バンド及び反射バンド(右側)に向かって光を出射する一連の光源(左側の白い正方形)からのビームの最適な最大拡散幅を示している。図8Cの詳細図は、幅20μmの光源を示している。この場合、最大の拡散幅は、10μmである。通常の状況では、これは、間隔「d」が56.7μm未満であるべきであることを意味する。このように、図10の装置に示すような比較的狭い要素の場合、必要とされる公差は、かなり小さくなる。
【0087】
一方、本発明の実施の形態は、これらの公差を緩和し、又は反射符号化で用いられる光の拡散によって生じる問題を低減する様々な特徴及び構成を有する。
【0088】
幾つかの技術では、ハードウェア又はソフトウェア測定を行い、低分解能ターゲットの使用を可能にする。幾つかの実施の形態では、更なるハードウェア及び/又はファームウェア(例えば、タイミング及び分析のためのクロック)を使用し、検出された遷移の間で線形補間を実行する。しかしながら、アクチュエータの非線形性が高い場合、補間によって位置誤差が導入されることもある。
【0089】
幾つかの実施の形態では、繰り返しパターンを有する低分解能ターゲットを採用し、センサデータの更なる処理によって実効分解能を高める。幾つかの具体例では、アナログ回路によってセンサデータ内に記録された遷移の間の複数の閾値を検出し、出力をデジタルデータに変換する。なお、このような実施の形態では、アナログ回路と、センシングの間のアナログ/デジタル変換器の追加的な較正とが必要である。これらの幾つかの実施の形態では、較正は、電源投入時に自動的に実行される。
【0090】
幾つかの実施の形態では、低分解能ターゲットの使用を可能にするために、一次補間と、アナログ−デジタル変換器回路との組合せを採用する。これらの及び他の技術を用いることによって、本発明の実施の形態は、低分解能ターゲットを使用できる。
【0091】
低分解能の感知対象を使用することによって、任意の如何なる時刻においても、センサの視野内にターゲットの特徴的要素が少ない構成を用いることができる。この種の構成を図8Aに示す。図8Aの横断面図に示すように、位置感知システムは、エミッタ/検出器3030から距離d離間して配設された筒状の感知対象3350を備える。エミッタ/検出器3030の視野は、最大で2つの遷移を含む感知対象3350の領域に広がっている。幾つかの実施の形態では、エミッタ/検出器は、フォトリフレクタである。単一の特徴的要素(例えば、縞)が視野を占めていることが好ましい。これにより、遷移検出におけるアーティファクト又は誤差の可能性が最小化される。通常、ターゲットの特徴的要素のサイズは、視野に基づいて選択される。なお、必要とされる分解能も特徴的要素のサイズを決定する因子となることがある。
【0092】
図11は、本発明の好ましい実施の形態を含む幾つかの実施の形態内で使用される位置感知システムの詳細図である。エミッタ/検出器4030は、センサ4034と、エミッタ4032とを備える。マスク構造4030’は、エミッタウィンドウ4032’と、2個のセンサウィンドウ4034’、4034”とを備える。幾つかの実施の形態では、エミッタは、LEDである。
【0093】
感知対象4350の暗いバンドは、エミッタから出射された光を吸収し、感知対象の明るいバンドは、エミッタから出射された光を反射する。センサは、センサウィンドウに対するバンドの移動に伴う吸収及び反射の遷移を検出する。センサ4034は、センサウィンドウ4034’、4034”の両方において、個別に遷移を検出することが好ましい。幾つかの実施の形態では、エミッタ/検出器4030は、フォトリフレクタである。
【0094】
幾つかの実施の形態では、センサ4034は、2つのウィンドウ間で位相が異なる遷移を検出できる。これらの実施の形態では、2つのセンサからの位相が異なるデータを結合することによって、制御システムは、動きの方向と大きさの両方を検出することができる。この感知装置は、筒状の走査ターゲットを使用しているが、本発明の幾つかの実施の形態では、直線的なターゲットを用いる同様のシステムを用いてもよい。
【0095】
幾つかの実施の形態では、各特徴的要素は、筒状のターゲットの円周の60°の円弧を覆っている。すなわち、一実施の形態として、12mmの円周を有する筒状のターゲットは、合計6個の各2mmの反射性パターン/吸収性パターンが交互に配置された縞模様を有する。なお、感知対象の円周に6個パターン以上の分解能が要求される場合、上述したような更なる処理ステップを用いることが望ましい。
【0096】
更に、幾つかの実施の形態では、LEDから出射された光が感知対象に到達する前に、光に対して更なる処理を実行する。図10に示す手法は、直接結像と呼ばれる。図9Aは、直接結像の他の具体例を示している。エミッタ(白い長方形)からの光は、ターゲットから検出器(ハッチング付きの長方形)に反射する。直接結像では、ターゲットとセンサとを互いに非常に近く配置する必要がある。
【0097】
図9Bは、検出器からの光をコリメートするためのレンズを使用したシステムを示している。コリメートによって、ターゲット−センサ間の距離を長くすることができる。最大距離及び公差は、光の拡散によって決まる。
【0098】
図9Cは、隣接する領域からの「漏洩(bleed over)」によって遷移が検出されてしまうことを防止するために、ピンホールを使用したシステムを示している。この場合、反射光は、検出器に達する前に、ターゲット表面近傍の中心に穿設されたピンホールを通過しなくてはならない。このシステムでは、ピンホールを通る光の量が少ないため、発光量が多いLEDが必要となる場合がある。
【0099】
E.利点
これまで具体例を用いて説明したように、幾つかの実施の形態においては、モジュールは、電気機械的制御によって、異なる光学的位置を連続的に設定することができる。これらの異なる光学的位置の制御は、様々な撮像装置にとって好適である。再現性を有するポジショニング及びソフトウェア制御を介して、様々な位置及び/又は撮像モードを、モジュールの固定フォーカス構成に最適にプリセットできる。したがって、幾つかの上述した実施の形態は、小さな形状的要素における様々な固定焦点長を提供する。これらの実施の形態によって、通常、マルチフォーカス及び/又はカメラメカニズムの能力が限定された小型機器をより高機能に実現することができる。例えば、幾つかの実施の形態は、単純な小型機器に複数の焦点及びズーム位置を提供する。上述した実施の形態は、動きの範囲が限られており、要求される空間が小さいため、超小型携帯型機器、例えば、携帯電話機及び他の民生用機器に様々に応用することができる。本発明は、等の特定の医療機器にも適用できる。
【0100】
更に上述した実施の形態は、マルチフォーカス機能を実現しながら、占有空間が小さく、動きの範囲も限定的であり、低コストに実現できる。
【0101】
上述したように、幾つかの実施の形態においては、光学的部品は、2つの光学群に分割され、一方の光学群は、フロントバレルに収容され、他方の光学群は、リアバレルに収容される。例えば、図4に示すように、フロントバレルの光学群は、レンズ440、442、444、446を含み、リアバレルの光学群は、レンズ540、542、544、546を含む。閉じられた空間内でのこれらの光学群の正確な動きは、上述したメカニズムを使用することによって達成される。
【0102】
ある実施の形態の形態においては、自動フォーカス及びズームモジュールの形状的要素は、プリズムなしの場合、約10×14×22mmであり、プリズムありの場合、約10×14×30mmである。
【0103】
以上、多くの具体的詳細事項を用いて本発明を説明したが、他の特定の形式によっても、本発明の精神から逸脱することなく本発明を実施できることは当業者にとって明らかである。したがって、本発明は、上述した詳細な説明に限定されず、添付の特許請求の範囲によって定義されることは当業者にとって明らかである。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
(1)第1のリードスクリュの回転によって、該第1のリードスクリュの軸に沿って移動するように該第1のリードスクリュのねじ部に連結された第1の光学群と、
(2)上記第1のリードスクリュを回転させる第1のアクチュエータと、
(3)上記第1のリードスクリュの回転を検出可能にする第1の感知対象と、
(4)第2のリードスクリュの回転によって、該第2のリードスクリュの軸に沿って移動するように該第2のリードスクリュのねじ部に連結された第2の光学群と、
(5)上記第2のリードスクリュを回転させる第2のアクチュエータと、
(6)上記第2のリードスクリュの回転を検出可能にする第2の感知対象と、
(7)イメージセンサとを備える光学モジュール。
【請求項2】
上記第1の光学群及び第2の光学群は、フォーカス及び倍率を有する像を上記イメージセンサに提供することを特徴とする請求項1記載の光学モジュール。
【請求項3】
上記イメージセンサは、相補型金属酸化膜半導体(CMOS)及び電荷結合素子(CCD)からなるグループから選択されることを特徴とする請求項1記載の光学モジュール。
【請求項4】
上記第1の光学群に連結され、当該光学モジュールの水平面に対する任意の角度で該第1の光学素子モジュールに像を向けるプリズム素子を更に備える請求項1記載の光学モジュール。
【請求項5】
上記第1の感知対象及び第2の感知対象のうちの少なくとも1つは、上記第2のリードスクリュの軸又は回転に対して対称であり、交互のパターンとなるように配置された異なる光学的特性の隣接した領域を有する閉曲面を有することを特徴とする請求項1記載の光学モジュール。
【請求項6】
信号を出射し、該出射した信号の反射率の変化に基づいて、上記第1の感知対象及び第2の感知対象の少なくとも1つの動きを検出する能動センサアレーを更に備える請求項5記載の光学モジュール。
【請求項7】
上記能動センサアレーは、視野を有することを特徴とする請求項6記載の光学モジュール。
【請求項8】
上記感知対象の領域は、該領域が上記能動センサアレーの視野の略全てに広がるような大きさを有し、該能動センサアレーに対して配置されていることを特徴とする請求項7記載の光学モジュール。
【請求項9】
上記第1の感知対象は、上記第1のリードスクリュに沿った上記第1の光学群の移動を測定できるように構成されていることを特徴とする請求項5記載の光学モジュール。
【請求項10】
上記第1の感知対象は、少なくとも10ミリメートルの範囲において、10ミクロン以下の分解能で上記第1の光学群の移動を測定することを特徴とする請求項9記載の光学モジュール。
【請求項11】
上記第2の感知対象は、上記第2のリードスクリュに沿った上記第2の光学群の移動を測定できるように構成されていることを特徴とする請求項5記載の光学モジュール。
【請求項12】
上記第2の感知対象は、少なくとも2ミリメートルの範囲において、10ミクロン以下の分解能で上記第2の光学群の移動を測定することを特徴とする請求項11記載の光学モジュール。
【請求項13】
(a)ハウジングと、
(b)第1の光学アセンブリと、
(c)第2の光学アセンブリと、
(d)イメージセンサとを備え、
上記第1の光学アセンブリは、
(1)第1のねじ山外径を有するねじ部と、第1の外径を有する非ねじ部と、第1のアクチュエータ位置合わせ要素とを有する第1のリードスクリュと、
(2)上記第1のリードスクリュの回転によって、該第1のリードスクリュの軸に沿って移動するように該第1のリードスクリュのねじ部に連結された第1の光学群と、
(3)上記第1の光学群を上記第1のリードスクリュの非ねじ部に向けて付勢する第1のばねと、
(4)上記非ねじ部に連結され、第1の予圧ばねの復元力によって、上記第1のリードスクリュのアクチュエータ位置合わせ要素に対して付勢され、該第1のリードスクリュを回転させる第1のアクチュエータと、
(5)上記第1のリードスクリュの回転を検出する第1の感知手段とを備え、
上記第2の光学アセンブリは、
(1)第2のねじ山外径を有するねじ部と、第2の外径を有する非ねじ部と、第2のアクチュエータ位置合わせ要素とを有する第2のリードスクリュと、
(2)上記第2のリードスクリュの回転によって、該第2のリードスクリュの軸に沿って移動するように該第2のリードスクリュのねじ部に連結された第2の光学群と、
(3)上記第2の光学群を上記第2のリードスクリュの非ねじ部に向けて付勢する第2のばねと、
(4)上記非ねじ部に連結され、第2の予圧ばねの復元力によって、上記第2のリードスクリュのアクチュエータ位置合わせ要素に対して付勢され、該第2のリードスクリュを回転させる第2のアクチュエータと、
(5)上記第2のリードスクリュの回転を検出する第2の感知手段とを備える自動フォーカス及びズームモジュール。
【請求項14】
上記第1のばねと第2のばねの少なくとも1つは、ギアラッシュを防止することを特徴とする請求項13記載の自動フォーカス及びズームモジュール。
【請求項15】
上記第1のばねは、上記第1の予圧ばねより実質的に低いばね定数を有することを特徴とする請求項13記載の自動フォーカス及びズームモジュール。
【請求項16】
上記第2のばねは、上記第2の予圧ばねより実質的に低いばね定数を有することを特徴とする請求項13記載の自動フォーカス及びズームモジュール。
【請求項17】
上記第1のアクチュエータ及び第2のアクチュエータの少なくとも1つは、筒状の振動アクチュエータであることを特徴とする請求項13記載の自動フォーカス及びズームモジュール。
【請求項18】
上記第1の予圧ばねは、上記ハウジング及び上記第1のアクチュエータの両方に当接することを特徴とする請求項13記載の自動フォーカス及びズームモジュール。
【請求項19】
上記第2の予圧ばねは、上記ハウジング及び上記第2のアクチュエータの両方に当接することを特徴とする請求項13記載の自動フォーカス及びズームモジュール。
【請求項20】
上記第1のアクチュエータ及び第2のアクチュエータの少なくとも1つは、上記ハウジングへの柔軟性を有する係合によって、ノードポイントにおいて規制されていることを特徴とする請求項13記載の自動フォーカス及びズームモジュール。
【請求項21】
上記第1の光学群及び第2の光学群は、フォーカス及び倍率を有する像を上記イメージセンサに提供することを特徴とする請求項13記載の自動フォーカス及びズームモジュール。
【請求項22】
上記イメージセンサは、相補型金属酸化膜半導体(CMOS)及び電荷結合素子(CCD)からなるグループから選択されることを特徴とする請求項13記載の自動フォーカス及びズームモジュール。
【請求項23】
上記第1のねじ山外径は、上記第1の外径より大きいことを特徴とする請求項13記載の自動フォーカス及びズームモジュール。
【請求項24】
上記第1のアクチュエータ位置合わせ要素は、上記第1のリードスクリュのねじ部と非ねじ部との間に配置されていることを特徴とする請求項13記載の自動フォーカス及びズームモジュール。
【請求項25】
上記第2のアクチュエータ位置合わせ要素は、上記第2のリードスクリュのねじ部と非ねじ部との間に配置されていることを特徴とする請求項13記載の自動フォーカス及びズームモジュール。
【請求項26】
上記第2のリードスクリュの非ねじ部は、上記第2のアクチュエータ位置合わせ要素とねじ部との間に配置されていることを特徴とする請求項13記載の自動フォーカス及びズームモジュール。
【請求項27】
上記第1のリードスクリュの非ねじ部は、上記第2のアクチュエータ位置合わせ要素とねじ部との間に配置されていることを特徴とする請求項13記載の自動フォーカス及びズームモジュール。
【請求項28】
(a)第1のガイドピンと、
(b)第2のガイドピンと、
(c)第1の光学アセンブリと、
(d)第2の光学アセンブリと、
(e)イメージセンサとを備え、
上記第1の光学アセンブリは、
(1)第1のねじ山外径を有するねじ部と、第1の外径を有する非ねじ部とを有する第1のリードスクリュと、
(2)第1及び第2の2つのギア歯付きカップリングアームが対向して配置され、上記第1のリードスクリュの回転によって、該第1のリードスクリュの軸に沿って移動するように該第1のリードスクリュのねじ部に係合し、上記第1のガイドピン及び第2のガイドピンに連結された第1のばねヒンジアセンブリを有する第1の光学群と、
(3)上記第1のリードスクリュを回転させる第1のアクチュエータと、
(4)上記第1のリードスクリュの回転を検出する第1の感知手段とを備え、
上記第2の光学アセンブリは、
(1)第2のねじ山外径を有するねじ部と、第2の外径を有する非ねじ部とを有する第2のリードスクリュと、
(2)第1及び第2の2つのギア歯付きカップリングアームが対向して配置され、上記第2のリードスクリュの回転によって、該第2のリードスクリュの軸に沿って移動するように該第2のリードスクリュのねじ部に係合し、上記第1のガイドピン及び第2のガイドピンに連結された第2のばねヒンジアセンブリを有する第2の光学群と、
(3)上記第2のリードスクリュを回転させる第2のアクチュエータと、
(4)上記第2のリードスクリュの回転を検出する第2の感知手段とを備えることを特徴とする自動フォーカス及びズームモジュール。
【請求項29】
上記第1の光学群及び第2の光学群は、フォーカス及び倍率を有する像を上記イメージセンサに提供することを特徴とする請求項28記載の自動フォーカス及びズームモジュール。
【請求項30】
上記第1のギア歯付きカップリングアームの歯は、上記第1のリードスクリュのねじ部のねじ山より実質的に浅く形成されていることを特徴とする請求項28記載の自動フォーカス及びズームモジュール。
【請求項31】
上記第2のギア歯付きカップリングアームの歯は、上記第2のリードスクリュのねじ部のねじ山より実質的に浅く形成されていることを特徴とする請求項28記載の自動フォーカス及びズームモジュール。
【請求項32】
上記イメージセンサは、相補型金属酸化膜半導体(CMOS)及び電荷結合素子(CCD)からなるグループから選択されることを特徴とする請求項28記載の自動フォーカス及びズームモジュール。
【請求項33】
上記第1のねじ山外径は、上記第1の外径より大きいことを特徴とする請求項28記載の自動フォーカス及びズームモジュール。
【請求項34】
上記第2のねじ山外径は、上記第2の外径より大きいことを特徴とする請求項28記載の自動フォーカス及びズームモジュール。
【請求項35】
上記第1のアクチュエータ位置合わせ要素は、上記第1のリードスクリュのねじ部と非ねじ部との間に配置されていることを特徴とする請求項28記載の自動フォーカス及びズームモジュール。
【請求項36】
上記第2のアクチュエータ位置合わせ要素は、上記第2のリードスクリュのねじ部と非ねじ部との間に配置されていることを特徴とする請求項28記載の自動フォーカス及びズームモジュール。
【請求項37】
上記第2のリードスクリュの非ねじ部は、上記第2のアクチュエータ位置合わせ要素とねじ部との間に配置されていることを特徴とする請求項28記載の自動フォーカス及びズームモジュール。
【請求項38】
上記第1のリードスクリュの非ねじ部は、上記第2のアクチュエータ位置合わせ要素とねじ部との間に配置されていることを特徴とする請求項28記載の自動フォーカス及びズームモジュール。
【請求項39】
(a)ハウジングと、
(b)光学アセンブリと、
(c)イメージセンサとを備え、
上記光学アセンブリは、
(1)ねじ山外径を有するねじ部と、外径を有する非ねじ部と、アクチュエータ位置合わせ要素とを有するリードスクリュと、
(2)上記リードスクリュの回転によって、該リードスクリュの軸に沿って移動するように該リードスクリュのねじ部に連結された光学群と、
(3)定在波パターンで振動し、シャフトを回転駆動して、上記リードスクリュを回転させ、上記非ねじ部に連結され、上記ハウジング及びアクチュエータの両方に当接する予圧ばねによって上記リードスクリュのアクチュエータ位置合わせ要素に対して付勢された上記ハウジングへの柔軟性を有する係合によって、好ましい定在波パターンのノードポイントにおいて規制されている筒状の振動アクチュエータと、
(4)上記リードスクリュの回転を検出する感知手段とを備え、
上記光学群は、フォーカス及び倍率を有する像を上記イメージセンサに提供する自動フォーカス及びズームモジュール。
【請求項40】
上記ねじ山外径は、上記外径より大きいことを特徴とする請求項39記載の自動フォーカス及びズームモジュール。
【請求項41】
上記アクチュエータ位置合わせ要素は、上記ねじ部と非ねじ部との間に配置されていることを特徴とする請求項39記載の自動フォーカス及びズームモジュール。
【請求項42】
ねじ山を有するリードスクリュを駆動素子として使用する装置において、バックラッシュを防止するバックラッシュ防止方法において、
(a)軸と、ねじ深さ及びねじピッチを有するねじ領域を有するリードスクリュを準備する工程と、
(b)歯の深さが上記リードスクリュより実質的に浅く、歯のピッチが上記リードスクリュより大きい複数のギア歯付きカップリングアームが対向して配置され、上記リードスクリュのねじ部に係合され、該リードスクリュの回転によって、該リードスクリュの軸に沿って光学群を移動させるばねヒンジアセンブリを準備する工程とを有するバックラッシュ防止方法。
【請求項1】
(1)第1のリードスクリュの回転によって、該第1のリードスクリュの軸に沿って移動するように該第1のリードスクリュのねじ部に連結された第1の光学群と、
(2)上記第1のリードスクリュを回転させる第1のアクチュエータと、
(3)上記第1のリードスクリュの回転を検出可能にする第1の感知対象と、
(4)第2のリードスクリュの回転によって、該第2のリードスクリュの軸に沿って移動するように該第2のリードスクリュのねじ部に連結された第2の光学群と、
(5)上記第2のリードスクリュを回転させる第2のアクチュエータと、
(6)上記第2のリードスクリュの回転を検出可能にする第2の感知対象と、
(7)イメージセンサとを備える光学モジュール。
【請求項2】
上記第1の光学群及び第2の光学群は、フォーカス及び倍率を有する像を上記イメージセンサに提供することを特徴とする請求項1記載の光学モジュール。
【請求項3】
上記イメージセンサは、相補型金属酸化膜半導体(CMOS)及び電荷結合素子(CCD)からなるグループから選択されることを特徴とする請求項1記載の光学モジュール。
【請求項4】
上記第1の光学群に連結され、当該光学モジュールの水平面に対する任意の角度で該第1の光学素子モジュールに像を向けるプリズム素子を更に備える請求項1記載の光学モジュール。
【請求項5】
上記第1の感知対象及び第2の感知対象のうちの少なくとも1つは、上記第2のリードスクリュの軸又は回転に対して対称であり、交互のパターンとなるように配置された異なる光学的特性の隣接した領域を有する閉曲面を有することを特徴とする請求項1記載の光学モジュール。
【請求項6】
信号を出射し、該出射した信号の反射率の変化に基づいて、上記第1の感知対象及び第2の感知対象の少なくとも1つの動きを検出する能動センサアレーを更に備える請求項5記載の光学モジュール。
【請求項7】
上記能動センサアレーは、視野を有することを特徴とする請求項6記載の光学モジュール。
【請求項8】
上記感知対象の領域は、該領域が上記能動センサアレーの視野の略全てに広がるような大きさを有し、該能動センサアレーに対して配置されていることを特徴とする請求項7記載の光学モジュール。
【請求項9】
上記第1の感知対象は、上記第1のリードスクリュに沿った上記第1の光学群の移動を測定できるように構成されていることを特徴とする請求項5記載の光学モジュール。
【請求項10】
上記第1の感知対象は、少なくとも10ミリメートルの範囲において、10ミクロン以下の分解能で上記第1の光学群の移動を測定することを特徴とする請求項9記載の光学モジュール。
【請求項11】
上記第2の感知対象は、上記第2のリードスクリュに沿った上記第2の光学群の移動を測定できるように構成されていることを特徴とする請求項5記載の光学モジュール。
【請求項12】
上記第2の感知対象は、少なくとも2ミリメートルの範囲において、10ミクロン以下の分解能で上記第2の光学群の移動を測定することを特徴とする請求項11記載の光学モジュール。
【請求項13】
(a)ハウジングと、
(b)第1の光学アセンブリと、
(c)第2の光学アセンブリと、
(d)イメージセンサとを備え、
上記第1の光学アセンブリは、
(1)第1のねじ山外径を有するねじ部と、第1の外径を有する非ねじ部と、第1のアクチュエータ位置合わせ要素とを有する第1のリードスクリュと、
(2)上記第1のリードスクリュの回転によって、該第1のリードスクリュの軸に沿って移動するように該第1のリードスクリュのねじ部に連結された第1の光学群と、
(3)上記第1の光学群を上記第1のリードスクリュの非ねじ部に向けて付勢する第1のばねと、
(4)上記非ねじ部に連結され、第1の予圧ばねの復元力によって、上記第1のリードスクリュのアクチュエータ位置合わせ要素に対して付勢され、該第1のリードスクリュを回転させる第1のアクチュエータと、
(5)上記第1のリードスクリュの回転を検出する第1の感知手段とを備え、
上記第2の光学アセンブリは、
(1)第2のねじ山外径を有するねじ部と、第2の外径を有する非ねじ部と、第2のアクチュエータ位置合わせ要素とを有する第2のリードスクリュと、
(2)上記第2のリードスクリュの回転によって、該第2のリードスクリュの軸に沿って移動するように該第2のリードスクリュのねじ部に連結された第2の光学群と、
(3)上記第2の光学群を上記第2のリードスクリュの非ねじ部に向けて付勢する第2のばねと、
(4)上記非ねじ部に連結され、第2の予圧ばねの復元力によって、上記第2のリードスクリュのアクチュエータ位置合わせ要素に対して付勢され、該第2のリードスクリュを回転させる第2のアクチュエータと、
(5)上記第2のリードスクリュの回転を検出する第2の感知手段とを備える自動フォーカス及びズームモジュール。
【請求項14】
上記第1のばねと第2のばねの少なくとも1つは、ギアラッシュを防止することを特徴とする請求項13記載の自動フォーカス及びズームモジュール。
【請求項15】
上記第1のばねは、上記第1の予圧ばねより実質的に低いばね定数を有することを特徴とする請求項13記載の自動フォーカス及びズームモジュール。
【請求項16】
上記第2のばねは、上記第2の予圧ばねより実質的に低いばね定数を有することを特徴とする請求項13記載の自動フォーカス及びズームモジュール。
【請求項17】
上記第1のアクチュエータ及び第2のアクチュエータの少なくとも1つは、筒状の振動アクチュエータであることを特徴とする請求項13記載の自動フォーカス及びズームモジュール。
【請求項18】
上記第1の予圧ばねは、上記ハウジング及び上記第1のアクチュエータの両方に当接することを特徴とする請求項13記載の自動フォーカス及びズームモジュール。
【請求項19】
上記第2の予圧ばねは、上記ハウジング及び上記第2のアクチュエータの両方に当接することを特徴とする請求項13記載の自動フォーカス及びズームモジュール。
【請求項20】
上記第1のアクチュエータ及び第2のアクチュエータの少なくとも1つは、上記ハウジングへの柔軟性を有する係合によって、ノードポイントにおいて規制されていることを特徴とする請求項13記載の自動フォーカス及びズームモジュール。
【請求項21】
上記第1の光学群及び第2の光学群は、フォーカス及び倍率を有する像を上記イメージセンサに提供することを特徴とする請求項13記載の自動フォーカス及びズームモジュール。
【請求項22】
上記イメージセンサは、相補型金属酸化膜半導体(CMOS)及び電荷結合素子(CCD)からなるグループから選択されることを特徴とする請求項13記載の自動フォーカス及びズームモジュール。
【請求項23】
上記第1のねじ山外径は、上記第1の外径より大きいことを特徴とする請求項13記載の自動フォーカス及びズームモジュール。
【請求項24】
上記第1のアクチュエータ位置合わせ要素は、上記第1のリードスクリュのねじ部と非ねじ部との間に配置されていることを特徴とする請求項13記載の自動フォーカス及びズームモジュール。
【請求項25】
上記第2のアクチュエータ位置合わせ要素は、上記第2のリードスクリュのねじ部と非ねじ部との間に配置されていることを特徴とする請求項13記載の自動フォーカス及びズームモジュール。
【請求項26】
上記第2のリードスクリュの非ねじ部は、上記第2のアクチュエータ位置合わせ要素とねじ部との間に配置されていることを特徴とする請求項13記載の自動フォーカス及びズームモジュール。
【請求項27】
上記第1のリードスクリュの非ねじ部は、上記第2のアクチュエータ位置合わせ要素とねじ部との間に配置されていることを特徴とする請求項13記載の自動フォーカス及びズームモジュール。
【請求項28】
(a)第1のガイドピンと、
(b)第2のガイドピンと、
(c)第1の光学アセンブリと、
(d)第2の光学アセンブリと、
(e)イメージセンサとを備え、
上記第1の光学アセンブリは、
(1)第1のねじ山外径を有するねじ部と、第1の外径を有する非ねじ部とを有する第1のリードスクリュと、
(2)第1及び第2の2つのギア歯付きカップリングアームが対向して配置され、上記第1のリードスクリュの回転によって、該第1のリードスクリュの軸に沿って移動するように該第1のリードスクリュのねじ部に係合し、上記第1のガイドピン及び第2のガイドピンに連結された第1のばねヒンジアセンブリを有する第1の光学群と、
(3)上記第1のリードスクリュを回転させる第1のアクチュエータと、
(4)上記第1のリードスクリュの回転を検出する第1の感知手段とを備え、
上記第2の光学アセンブリは、
(1)第2のねじ山外径を有するねじ部と、第2の外径を有する非ねじ部とを有する第2のリードスクリュと、
(2)第1及び第2の2つのギア歯付きカップリングアームが対向して配置され、上記第2のリードスクリュの回転によって、該第2のリードスクリュの軸に沿って移動するように該第2のリードスクリュのねじ部に係合し、上記第1のガイドピン及び第2のガイドピンに連結された第2のばねヒンジアセンブリを有する第2の光学群と、
(3)上記第2のリードスクリュを回転させる第2のアクチュエータと、
(4)上記第2のリードスクリュの回転を検出する第2の感知手段とを備えることを特徴とする自動フォーカス及びズームモジュール。
【請求項29】
上記第1の光学群及び第2の光学群は、フォーカス及び倍率を有する像を上記イメージセンサに提供することを特徴とする請求項28記載の自動フォーカス及びズームモジュール。
【請求項30】
上記第1のギア歯付きカップリングアームの歯は、上記第1のリードスクリュのねじ部のねじ山より実質的に浅く形成されていることを特徴とする請求項28記載の自動フォーカス及びズームモジュール。
【請求項31】
上記第2のギア歯付きカップリングアームの歯は、上記第2のリードスクリュのねじ部のねじ山より実質的に浅く形成されていることを特徴とする請求項28記載の自動フォーカス及びズームモジュール。
【請求項32】
上記イメージセンサは、相補型金属酸化膜半導体(CMOS)及び電荷結合素子(CCD)からなるグループから選択されることを特徴とする請求項28記載の自動フォーカス及びズームモジュール。
【請求項33】
上記第1のねじ山外径は、上記第1の外径より大きいことを特徴とする請求項28記載の自動フォーカス及びズームモジュール。
【請求項34】
上記第2のねじ山外径は、上記第2の外径より大きいことを特徴とする請求項28記載の自動フォーカス及びズームモジュール。
【請求項35】
上記第1のアクチュエータ位置合わせ要素は、上記第1のリードスクリュのねじ部と非ねじ部との間に配置されていることを特徴とする請求項28記載の自動フォーカス及びズームモジュール。
【請求項36】
上記第2のアクチュエータ位置合わせ要素は、上記第2のリードスクリュのねじ部と非ねじ部との間に配置されていることを特徴とする請求項28記載の自動フォーカス及びズームモジュール。
【請求項37】
上記第2のリードスクリュの非ねじ部は、上記第2のアクチュエータ位置合わせ要素とねじ部との間に配置されていることを特徴とする請求項28記載の自動フォーカス及びズームモジュール。
【請求項38】
上記第1のリードスクリュの非ねじ部は、上記第2のアクチュエータ位置合わせ要素とねじ部との間に配置されていることを特徴とする請求項28記載の自動フォーカス及びズームモジュール。
【請求項39】
(a)ハウジングと、
(b)光学アセンブリと、
(c)イメージセンサとを備え、
上記光学アセンブリは、
(1)ねじ山外径を有するねじ部と、外径を有する非ねじ部と、アクチュエータ位置合わせ要素とを有するリードスクリュと、
(2)上記リードスクリュの回転によって、該リードスクリュの軸に沿って移動するように該リードスクリュのねじ部に連結された光学群と、
(3)定在波パターンで振動し、シャフトを回転駆動して、上記リードスクリュを回転させ、上記非ねじ部に連結され、上記ハウジング及びアクチュエータの両方に当接する予圧ばねによって上記リードスクリュのアクチュエータ位置合わせ要素に対して付勢された上記ハウジングへの柔軟性を有する係合によって、好ましい定在波パターンのノードポイントにおいて規制されている筒状の振動アクチュエータと、
(4)上記リードスクリュの回転を検出する感知手段とを備え、
上記光学群は、フォーカス及び倍率を有する像を上記イメージセンサに提供する自動フォーカス及びズームモジュール。
【請求項40】
上記ねじ山外径は、上記外径より大きいことを特徴とする請求項39記載の自動フォーカス及びズームモジュール。
【請求項41】
上記アクチュエータ位置合わせ要素は、上記ねじ部と非ねじ部との間に配置されていることを特徴とする請求項39記載の自動フォーカス及びズームモジュール。
【請求項42】
ねじ山を有するリードスクリュを駆動素子として使用する装置において、バックラッシュを防止するバックラッシュ防止方法において、
(a)軸と、ねじ深さ及びねじピッチを有するねじ領域を有するリードスクリュを準備する工程と、
(b)歯の深さが上記リードスクリュより実質的に浅く、歯のピッチが上記リードスクリュより大きい複数のギア歯付きカップリングアームが対向して配置され、上記リードスクリュのねじ部に係合され、該リードスクリュの回転によって、該リードスクリュの軸に沿って光学群を移動させるばねヒンジアセンブリを準備する工程とを有するバックラッシュ防止方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5A】
【図5B】
【図5C】
【図6】
【図7A】
【図7B】
【図8A】
【図8B】
【図8C】
【図9A】
【図9B】
【図9C】
【図10】
【図11】
【図12A】
【図12B】
【図12C】
【図12D】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5A】
【図5B】
【図5C】
【図6】
【図7A】
【図7B】
【図8A】
【図8B】
【図8C】
【図9A】
【図9B】
【図9C】
【図10】
【図11】
【図12A】
【図12B】
【図12C】
【図12D】
【公開番号】特開2013−92809(P2013−92809A)
【公開日】平成25年5月16日(2013.5.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2013−32159(P2013−32159)
【出願日】平成25年2月21日(2013.2.21)
【分割の表示】特願2008−530180(P2008−530180)の分割
【原出願日】平成18年9月5日(2006.9.5)
【出願人】(506380075)フレクストロニクス エーピー,リミテッド ライアビリティ カンパニー (15)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年5月16日(2013.5.16)
【国際特許分類】
【出願日】平成25年2月21日(2013.2.21)
【分割の表示】特願2008−530180(P2008−530180)の分割
【原出願日】平成18年9月5日(2006.9.5)
【出願人】(506380075)フレクストロニクス エーピー,リミテッド ライアビリティ カンパニー (15)
【Fターム(参考)】
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