説明

自動ワインダの満巻パッケージ搬出装置

【課題】 シャッター12の開放間隔を定めるための面倒なタイマ設定をすることなく、且つ巻取ユニット2の稼動効率やコンベア7の搬送効率を低下させることなく、満巻パッケージ3を搬出できる搬出装置の構成を提供する。
【解決手段】 自動ワインダにおいて、多数設けられる巻取ユニット2の並列方向に沿ってコンベア7を設け、各巻取ユニット2のクレードル部4からコンベア7まで満巻パッケージ3を案内する案内路8を設ける。複数の巻取ユニット2の案内路8を一度に開閉可能なシャッター12を設ける。巻取ユニット2は、玉揚げされた満巻パッケージ3がシャッター12によって待機させられており、更に、クレードル部4の巻取パッケージ3の巻取りが所定程度進んだことを巻取進捗センサ23で検知すると、シャッター12を開き状態として巻取パッケージ3を一斉に払い出す。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、巻取ユニットを複数有する自動ワインダにおいて、各巻取ユニットから玉揚げされる満巻パッケージを搬出する装置の構成に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1はこの種の満巻パッケージ搬出装置の構成を開示する。特許文献1の第2図において、多数の巻取ユニットを並設した自動ワインダの上記ユニットに沿って延在するように搬送コンベアが設けられるとともに、該搬送コンベアと、各巻取ユニットのクレードル部から満巻パッケージが離脱する位置との間に、ストックバー(シャッターに相当)が設けられる。玉揚操作によって満巻パッケージがクレードル部から離脱されると、満巻パッケージはストックバー位置で停止され、所定時間ストックされる。そして、タイマに設定された所定のタイミングでストックバーが開放されて、各巻取ユニットでストックされていた満巻パッケージがすべて一斉に搬送コンベアに供給される。従って、搬送コンベアの短時間の1回の駆動で、多数の満巻パッケージを効率よく搬送できる。
【0003】
なお、特許文献1は、1台の自動ワインダを複数ユニット毎のセクションに分割し、各セクションにおいて異種の糸を巻き取るようにしたワインダにおいて、ストックバーを各セクション毎に独立して設け、作動させる構成についても開示している。
【0004】
更に特許文献2は、上記のように巻取ユニット群ごとにストックバーを設け、当該群ごとに異種の管糸を巻き上げる構成において、各ストックバーが、巻取ユニット群ごとのタイマによって一定時間間隔ごとに開放される構成を開示する。これにより、品種の異なる満巻パッケージが時間的に前後して、かつ同一品種では一斉に搬出されるので、コンベア出口で異種のパッケージ同士が混ざってしまうのを防止できる。
【特許文献1】特公平1−46428号公報(第2図、第3カラム第11〜28行、ストックバーについて第3カラム第39行〜、第5カラム第24行〜、複数セクションについて第7カラム第18行〜)
【特許文献2】特公平2−12869号公報(第6図、特許請求の範囲第1項、第8カラム第18行〜)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、上記特許文献1の構成も、特許文献2の構成も、ストックバー(シャッター)の開放はタイマにより行われる構成である。従って、巻取ユニットの稼動効率を低下させず、且つ搬送コンベアで効率良く多数の満巻パッケージを搬送できるような時間間隔を前記タイマに設定しなければならない。そのためにはパッケージの平均的な巻き上がり時間に対して最適となるようにシャッターの開放の時間間隔を定めなければならないが、巻き上がり時間は巻き取る糸の太さ等の条件に応じて変動するために、その設定あるいは調整作業が煩雑となってしまっていた。
【0006】
上述のように糸の種類等の条件が異なると平均的な巻き上がり時間も異なるのが通常であるので、特許文献2では各ユニット群ごとで標準的な巻き上がり時間が異なることになる。この点、特許文献2では、ストックバー開放のタイミングは各巻取ユニット群でずらして異種のパッケージの混合を回避しているが、その開放の時間間隔は各ユニット群で同じになっている(特許文献2の第8図)。従って、ある群の巻取ユニットでは、ストックされる満巻パッケージの個数が少ない段階でストックバーが開放されてコンベアで効率よく搬送できない一方、他の群の巻取ユニットでは、いつまでたっても満巻パッケージのストックをコンベアへ払い出せず、クレードル部で発生した満巻パッケージを玉揚げできなくなって稼動効率を低下させてしまうおそれがあった。
【課題を解決するための手段及び効果】
【0007】
本発明の解決しようとする課題は以上の如くであり、次にこの課題を解決するための手段とその効果を説明する。
【0008】
(1)本発明の観点によれば、以下のように構成する、自動ワインダの満巻パッケージ搬出装置が提供される。多数並列して設けられる巻取ユニットの並列方向に沿って延在する搬送コンベアと、各巻取ユニットのクレードル部から前記搬送コンベアまで満巻パッケージを案内する案内路と、前記案内路に設けられるとともに、前記満巻パッケージの前記搬送コンベアへの移動を阻止する閉じ状態と、当該移動を許容する開き状態と、の間で切換可能なシャッターと、クレードル部の巻取パッケージの巻取りが所定の程度まで進んでいるか否かを検出する巻取進捗センサと、を有する。各巻取ユニットは、前記案内路の満巻パッケージが前記閉じ状態のシャッターによって止められた状態で、かつ、クレードル部の巻取パッケージの巻取りが所定の程度進んだことを前記巻取進捗センサが検出したときに、シャッター開放要求信号を発生するように構成する。更に、前記巻取ユニットが前記シャッター開放要求信号を発生すると、シャッターを閉じ状態から開き状態へ切り換えるように制御する制御装置を設けた。
【0009】
この構成は、クレードル部での巻取パッケージの巻取の進み度合いが所定の度合いに達すると、巻取進捗センサがそれを検出し、このときに案内路の満巻パッケージがシャッターで止められていれば、シャッター開放要求を発生して、シャッターが開放される。従って、特許文献1に示すような、シャッターの開放間隔をタイマ設定する煩雑な作業から解放される。また、糸の種類等の条件が変わって標準の巻き上がり時間が変動しても、タイマ設定値を変更する必要がない。従って、例えば糸の種類を頻繁に変更しながら自動ワインダを使用するときには、その効果は特に顕著である。
【0010】
(2)前記の自動ワインダの満巻パッケージ搬出装置においては、以下のように構成することが好ましい。前記シャッターは、複数の巻取ユニット群ごとに対応して設けられる。前記制御装置は、前記巻取ユニットの何れかが前記シャッター開放要求信号を発生すると、当該巻取ユニットが属する巻取ユニット群に対応するシャッターを閉じ状態から開き状態へ切り換えるように制御する。
【0011】
この構成により、巻取ユニット群ごとにシャッターが開閉されるため、異なる巻取ユニット群から搬出される満巻パッケージが混合することがない。
【0012】
(3)前記の自動ワインダの満巻パッケージ搬出装置においては、前記複数の巻取ユニット群ごとに異なる種類の糸を巻き取るように構成したことが好ましい。
【0013】
この構成により、異なる種類の糸を巻いた満巻パッケージが混合するのを防止できるとともに、特許文献1あるいは2に示すような煩雑なタイマ設定の作業から解放される。更に、巻取ユニット群ごとに糸が異なるので、平均的な巻き上がり時間も巻取ユニット群ごとに異なる場合が多いが、本発明では各巻取ユニット群で開放の必要が生じれば開放の順序及び時間間隔に無関係にその巻取ユニット群に対応するシャッターを開放するので、巻取ユニットの稼動効率及び搬送コンベアの搬送効率を向上させ得る。
【0014】
(4)前記の自動ワインダの満巻パッケージ搬出装置においては、以下のように構成することが好ましい。前記巻取ユニットは、クレードル部の巻取パッケージに接触して定速で回転するドラムを有している。前記巻取進捗センサは、前記ドラムの回転を検出する回転センサである。
【0015】
この構成により、糸走行時のドラムの回転を回転センサで検出し、その回転をカウントすることによって巻取りの進み度合いを判断できるので、巻取りの進み度合いを検出するための特別なセンサが不要になり、構成を簡素化できる。
【0016】
(5)前記の自動ワインダの満巻パッケージ搬出装置においては、以下のように構成することが好ましい。前記巻取ユニットは制御部を有している。この制御部は、前記クレードル部から玉揚動作により満巻パッケージが取り外されるとパッケージ待機フラグを立てるとともに、当該パッケージ待機フラグが立った状態でクレードル部の巻取パッケージの巻取りが所定の程度進んだことを前記巻取進捗センサが検出すると、前記シャッター開放要求信号を発生するようにする。更に前記制御部は、前記制御装置からのシャッター動作信号に応じて前記パッケージ待機フラグをリセットする。
【0017】
この構成により、満巻パッケージがシャッターによって待機(ストック)されていることをパッケージ待機フラグによってソフトウェア的に判別できるので、満巻パッケージのストックの有無を判別するための特別なセンサを設ける必要がなく、構成を簡素化できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
次に、発明の実施の形態を説明する。図1は本発明の満巻パッケージ搬出装置を適用した自動ワインダを示す斜視図、図2は自動ワインダの縦断面図、図3は自動ワインダの概略平面図である。図4は自動ワインダの電気的構成を示すブロック図、図5は各巻取ユニットの制御を示すフロー図、図6は自動ワインダのパッケージシャッターコンベア装置の制御を示すフロー図である。
【0019】
図1及び図3において、自動ワインダ1は、機台長手方向に並設された多数(本実施形態においては、60錘)の巻取ユニット2を有している。図2に示すように、各巻取ユニット2は、巻取パッケージ3を支持するクレードル部4や、管糸19からの糸5をトラバースしつつ前記巻取パッケージ3を接触回転させる綾振ドラム6を備えている。
【0020】
なお、図3に示すように、60錘の前記巻取ユニット2には機台の一端から順に1番から60番までの番号を割り当てられている(#1〜#60)。そして、1番〜40番を第1グループG1、41番〜60番を第2グループG2というように、60錘の巻取ユニット2が2つの巻取ユニット群G1・G2に分けられている。そして、第1グループG1と、第2グループG2とでは、異なる種類の管糸19がセットされ、異なる種類の糸5を巻き取るように構成している。
【0021】
図2に示すように、前記巻取ユニット2の背部(糸5の走行側を正面側としたときの背部)には搬送コンベア7が設けられる。この搬送コンベア7は図1や図3に示すように、巻取ユニット2の並設方向に沿って延在して配設されている。そして、各巻取ユニット2においては、前記クレードル部4から取り外される満巻パッケージ3を前記搬送コンベア7へガイドする案内路8が設けられている。この案内路8は図2に示すように、底板9と側板10とによって構成されている。前記底板9はやや傾斜しており、クレードル部4から離脱した満巻パッケージ3が自重により搬送コンベア7側へ転動して移動可能になっている。
【0022】
図3に示すように、搬送コンベア7の搬送方向終端にはリフタ41が設けられるとともに、その上方には、複数のフック42を有するオーバーヘッドコンベア43が配設されている。この構成で、搬送コンベア7によって搬出される満巻パッケージ3を、オーバーヘッドコンベア43によって搬送することができるように構成している。
【0023】
図3に示すように、前記案内路8には、前記クレードル部4から離脱する満巻パッケージ3を一時停止させるシャッター装置11が設けられている。このシャッター装置は、前記巻取ユニット2の並設方向に沿って延在するシャッター12と、それを開閉駆動する流体圧シリンダ13と、を主要な構成として備えている。
【0024】
前記シャッター12は、前記巻取ユニット2の並設方向に平行な回動軸14まわりに揺動自在に構成している。またシャッター12は、案内路8を転動してくる満巻パッケージ3の外周に接当して転動を阻止する阻止面15と、満巻パッケージ3の転動を許容する転動面16と、を備えている。
【0025】
前記シャッター12の適宜位置には前記流体圧シリンダ13のシリンダロッドが枢結されている。そして通常時は流体圧シリンダ13は伸長されており、これにより前記シャッター12は、底板9の高さよりも前記阻止面15が上方に突出した状態(閉じ状態)となっている。一方、流体圧シリンダ13が縮退されると、前記シャッター12が下方へ回動されて前記阻止面15を前記底板9の高さよりも下方へ埋没させるとともに、その転動面16が前記底板9にほぼ連続する状態となる(図2の鎖線)。この開き状態では、前記底板9上を転動してきた満巻パッケージ3は、前記転動面16上を転がって、前記搬送コンベア7上へ移動させることができる。
【0026】
なお、前記シャッター装置11は図3に示すように、10錘分の巻取ユニット2の案内路8を一度に開閉できるように構成しており、1番〜10番の巻取ユニット2につき1番のシャッター装置11が、11番〜20番の巻取ユニット2につき2番のシャッター装置11が、・・・というように、1番から6番までの計6つのシャッター装置11が設けられている。そして、前述の巻取ユニット群G1・G2との関係で言えば、第1グループG1の巻取ユニット(1番〜40番)には1番〜4番のシャッター装置11が対応し、第2グループG2の巻取ユニット(41番〜60番)にには5番・6番のシャッター装置11が対応する。この対応関係は、後述する制御装置31のRAM等に記憶されている。
【0027】
図1や図2に示すように、前記搬送コンベア7の側方にはガイドバー18が延設されている。このガイドバー18は、前記底板9→転動面16と転がってきた満巻パッケージ3が搬送コンベア7を通り過ぎて落下するのを防止している。
【0028】
前述のように、前記シャッター12及び流体圧シリンダ13は、60錘の前記巻取ユニット2の10錘ごとに1つ、計6つ設けられている。この構成により、1つのシャッター12を前記閉じ位置としておくことにより10錘分の満巻パッケージ3をシャッター12の部分でストックしておき、シャッター12を開放することで、当該10錘分の満巻パッケージ3を一斉に搬送コンベア7へ排出することができるようになっている。
【0029】
前記各巻取ユニット2の玉揚作業は、図2に示す玉揚台車21により行われる。この玉揚台車21は、前記巻取ユニット2の並設方向に沿って延在する天井レール22から垂下するように設けられており、当該天井レール22に沿って走行可能である。そして、巻取ユニット2のクレードル部4が満巻になると、後述する制御部24が玉揚要求信号を発し、これにより玉揚台車21は、当該巻取ユニット2の手前まで自走して停止する。そして、前記玉揚台車21に装備された図示しない玉揚機構により、満巻パッケージ3をクレードル部4から取り外し、更に、巻取ユニット2の上方に設けた棚26にストックされている空ボビン17を1つ取り出して前記クレードル部4に装着するとともに、管糸19側の糸5を引き出し、図略のバンチ巻装置によって当該空ボビン17にバンチ巻を行う。こうして、巻取ユニット2による巻取りが再開できるようになる。
【0030】
巻取ユニット2の綾振ドラム6には駆動モータ6aが備えられており、この駆動モータ6aには巻取進捗センサとしてのドラム回転センサ23が内蔵されている。この回転センサ23は、ドラム6が回転する毎にパルス信号を発信するように構成している。制御部24は回転センサ23と電気的に接続されており、回転センサ23から送られてくる前記パルス信号(回転パルス)をカウントできるようになっている。
【0031】
次に、図4を参照して、自動ワインダ1の電気的構成について説明する。巻取ユニット2の制御部24は公知のマイクロコンピュータで構成されており、CPU(演算手段)、ROM、RAM、EPROM等(記憶手段)を備えている。そして、それぞれの巻取ユニット2の制御部24においては、その巻取ユニット2に割り当てられた1番、2番、・・・等のユニット番号と、当該巻取ユニット2がどのグループG1、G2に属するかの情報が、RAMあるいはEPROM等に記憶される。
【0032】
制御部24は満巻状態での回転パルス数(以下、「満巻カウント値」と称する)を設定値としてRAMあるいはEPROM等に予め記憶しており、前記回転センサ23からのパルス信号をカウントした値が満巻カウント値に達すると、それをもって満巻と判断するように構成している。また、巻取りがある程度(例えば、9割程度)進んで、あと少し巻き取れば満巻となる時点での回転パルス数(以下、「満巻直前カウント値」と称する)についても設定値として予め記憶しており、満巻時と同様にその状態を認識できるようになっている。
【0033】
更に図4に示すように、自動ワインダ1には、装置全体を統括して制御する上位の制御装置31が備えられている。この制御装置31も公知のマイクロコンピュータとして構成されており、CPU(演算手段)、ROM、RAM(記憶手段)等を備えている。この制御装置31は、1番から60番までの各巻取ユニット2に対し信号線を介して接続されており、各種信号をやり取りできるようになっている。なお、制御装置31のRAM等には、各巻取ユニット2がどの巻取ユニット群G1・G2に属するかの情報(グループ割当て情報)が予め記憶されている。
【0034】
制御装置31は更に、6つの前記シャッター装置11や、搬送コンベア7、玉揚台車21、管糸供給装置32に接続されている。そして制御装置31は、シャッター装置11のシャッター12を開閉駆動させたり、玉揚台車21に前述の玉揚作業を行わせたり、搬送コンベア7上の満巻パッケージ3を搬出させたりする制御を行う。
【0035】
次に図5を参照して、それぞれの前記巻取ユニット2の制御部24のフローについて説明する。フローは、パッケージ待機フラグがOFFの状態から始める(S101)。パッケージ待機フラグとは、制御部24の前記RAM等に記憶領域を確保されたフラグ変数であり、ONとOFFの2とおりの値をとり得る。ONであれば前記のシャッター装置11によって満巻パッケージ3がストックされている状態を意味し、OFFであればシャッター装置11の部分に満巻パッケージ3が無い状態を意味する。
【0036】
次にステップS102で綾振ドラム6を駆動して、管糸19の糸5を巻き取ってゆく。前述したように、巻取り中は制御部24は回転センサ23によって前記綾振ドラム6の回転を検出しており、回転センサ23からのパルス信号を受信するたびに、RAM等に記憶しているカウンタ変数の値をカウントアップしている。そしてステップS103の分岐では、巻取りが9割程度進んだかどうか、即ち、上記カウンタ変数が前述の満巻直前カウント値に達したか否かが調べられる。ステップS103において巻取りが9割程度までは達していないと判定された場合は、後述のステップS112以降の処理を行う。
【0037】
ステップS103において巻取りが9割程度進んだと判定された場合には、前述のパッケージ待機フラグの内容を調べる(S104)。パッケージ待機フラグの内容がONだった場合(即ち、シャッター装置11に満巻パッケージ3がストックされている場合)は、上位の制御装置31に対してシャッター開放要求信号を送信する(S105)。そして、シャッターが開放された旨の信号(シャッター動作信号)を上位装置31から受信すると(S106)、パッケージ待機フラグをOFFにリセットする(S107)。ステップS104においてパッケージ待機フラグの内容がOFFだった場合(即ち、シャッター装置11の部分に満巻パッケージ3がストックされていない場合)は、前述のS105〜S107の処理はスキップする。
【0038】
そして、ステップS108で、満巻が検出されるまで(即ち、カウンタ変数のカウント値が前述の満巻カウント値に達するまで)、巻取りを継続する。満巻になると綾振ドラム6の回転を直ちに停止して巻取りを終了し(S109)、前述の玉揚台車21による玉揚動作を行わせる(S110)とともに、パッケージ待機フラグをONにする(S111)。その後はステップS102に戻って、新しいボビンに糸5を巻き取らせる。
【0039】
ステップS103において巻取りが9割程度までは達していないと判定された場合は、制御装置31からシャッター動作信号を受信したか否かを調べ(S112)、受信されていない場合は上記ステップS103に戻る。受信されていた場合はパッケージ待機フラグの内容を調べ(S113)、OFFだった場合はステップS112に戻る。ONだった場合はOFFにリセットし(S114)、ステップS103に戻る。
【0040】
次に、上位の制御装置31の制御について、図6のフローを参照して説明する。なお、制御装置31は玉揚台車21の制御や管糸供給装置32の制御など種々の制御を行うように構成されているが、図6には満巻パッケージ3の搬出に関する制御のみを抽出して示してある。
【0041】
図6に従って説明する。先ずステップS201で、前述のシャッター開放要求信号(巻取ユニット2側から図5のステップS105の処理で送信される信号)が受信されていないかを調べる。受信されていない場合は、受信されるまで待機する。
【0042】
シャッター開放要求信号が受信されていた場合には、搬送コンベア7が駆動中であるか否かを調べる(S202)。搬送コンベア7が駆動中の場合は、搬送コンベア7が駆動を終了するまで待機する(S203)。
【0043】
次に、ステップS204で、前記シャッター開放要求信号を解析して、何番の巻取ユニット2から当該信号が送信されてきたのかを調べる。そして、取得された送信元の巻取ユニット2が2つの巻取ユニット群G1・G2の何れに属するかを調べて、属する巻取ユニット群に対応するシャッター装置11のシャッター12を開く。具体的には、所定時間(例えば、数秒程度)だけシャッター12を開き状態とし、再び閉じ状態となるように、前記流体圧シリンダ13を駆動する。こうして、シャッター12によってストックされていた満巻パッケージ3が、搬送コンベア7上へ移動する。
【0044】
次にステップS205で、1番から60番までの全ての巻取ユニット2に対し、前記巻取ユニット群に対応するシャッターを駆動した旨のシャッター動作信号を送信する。そして搬送コンベア7を所定時間駆動して、搬送コンベア7上に乗っている満巻パッケージ3を、すべてオーバーヘッドコンベア43側へ払い出す(S206)。こうしてシャッター開放要求信号に対する一連の処理が完了し、ステップS201に戻り、新たなシャッター開放要求信号の受信まで待機する。
【0045】
以下、上記制御を行うことによる作用について説明する。なお、自動ワインダ1の制御の開始当初は、6つのシャッター装置11においてシャッター12は閉じ状態とされており、各シャッター12の位置に満巻パッケージ3が全くストックされていないものとする。更に、搬送コンベア7上には満巻パッケージ3は全く払い出されておらず、当該搬送コンベア7は停止状態とされているものとして以下説明する。
【0046】
まず、各グループG1、G2の計60錘の巻取ユニット2において、図5のS101の処理が行われ、60錘の巻取ユニット2すべてにおいてパッケージ待機フラグはOFFとされる。
【0047】
その後、60錘の巻取ユニット2は同時並行的に巻取りを行っていく(S102)。そして、各巻取ユニット2では、糸の巻取りの進捗を前述の回転センサ23からの信号をカウントすることで監視するとともに(S103)、糸の巻取りが9割までは達していない場合は、シャッター動作信号を受信したかを監視する(S112)。ステップS103で糸の巻取りが9割程度進んだことが検知されると、パッケージ待機フラグの内容が調べられる(S104)。しかしながらフローの開始当初はパッケージ待機フラグの内容はOFFとされているので、ステップS105〜S107の処理は行われず、シャッター開放要求信号は送信されない。
【0048】
そして、ある巻取ユニット2(例えば、42番の巻取ユニット2)において前記カウンタ変数が満巻カウント値に到達すると(S108)、当該42番の巻取ユニット2は巻取りを直ちに停止するとともに(S109)、玉揚台車21による玉揚動作を行う(S110)。この玉揚げによって満巻パッケージ3はクレードル部4から離脱されて案内路8上に落下し、落下した満巻パッケージ3は前述のように傾斜状の案内路8上を自重で転動していく。しかしながら、前記シャッター装置11は制御装置31によってシャッター12が閉じ位置となるよう制御されているので、当該シャッター12によって満巻パッケージ3は、搬送コンベア7への移動を阻止されて、いったん停止する。また42番の巻取ユニット2は、上記玉揚動作の完了後は、パッケージ待機フラグをONにする。即ち、パッケージ待機フラグを立てる(S111)。その後、42番の巻取ユニット2は、新しい空ボビン17について巻取りを行う(S102〜)。
【0049】
同様に、他の巻取ユニット(例えば、52番、15番、・・・)について満巻が検知されると(S108)、当該巻取ユニット2において巻取りが停止されるとともに前記玉揚動作が行われ(S109、S110)、閉じ状態のシャッター12によって満巻パッケージ3がストックされる。その後、52番、15番、・・・の巻取ユニット2は、パッケージ待機フラグをONにし(S111)、新しい空ボビン17について巻取りを行う(S102〜)。
【0050】
次に、前記15番の巻取ユニット2において新しい空ボビン17への巻取りが進んで、巻取りが9割程度終わった状態になったとする。この場合、15番の巻取ユニット2の制御部24はカウンタ変数が満巻直前カウント値に達したことを検出し(S103)、パッケージ待機フラグの内容を調べる(S104)。パッケージ待機フラグは、前回の巻取りでパッケージが満巻となった際に、ONになっている。従って、15番の巻取ユニット2は、上位の制御装置31に対し、シャッター開放要求信号を送信する(S105)。なお、このシャッター開放要求信号には、信号の送信元のユニット番号(今回の場合は、15番)の情報を含めるようにする。
【0051】
制御装置31側では、上記シャッター開放要求信号を受信すると(図6のS201)、搬送コンベア7が駆動中かどうかを調べる(S202)。稼動開始当初は搬送コンベア7は停止中であるので、ステップS204の処理に移る。
【0052】
このステップS204では、まず、シャッター開放要求信号の送信元(即ち、シャッター開放要求ユニット)のユニット番号を、当該シャッター開放要求信号の内容を解析することにより取得する。この処理により、15番の巻取ユニット2がシャッターの開放を要求していることを、制御装置31側で認識することができる。次に、この15番の巻取ユニット2が、前記巻取ユニット群G1・G2のうち何れに属するかを、制御装置31に予め記憶しているグループ割当て情報と照合することで得る。これにより制御装置31では、15番の巻取ユニット2は第1グループG1に属していると判断できる。
【0053】
次に制御装置31は、その第1グループG1に属しているシャッター装置11について、シャッター12を開き状態とし、数秒後にシャッター12を再び閉じ状態とするように制御する。今回の場合は、対象となる1番〜4番のシャッター12のみが数秒間開かれ、それ以外の5番・6番のシャッター12は閉じ状態のままとされる。この結果、1番〜40番の巻取ユニット2のクレードル部4から取り外されてシャッター12によりストックされていた満巻パッケージ3が、一斉に搬送コンベア7に向かって転動し、搬送コンベア7上に載った状態となる。
【0054】
次に制御装置31は、「第1グループG1についてシャッターの駆動を完了した」旨のシャッター動作信号を、1番から60番までの全ての巻取ユニット2に向けて送信する(S205)。これを受信したそれぞれの巻取ユニット2では(図5のS112)、シャッター動作信号に含まれるグループ番号(今回の場合は、第1グループG1)に自己が属しているかどうか判断し、自己が属している場合には、パッケージ待機フラグの内容を調べ(S113)、ONだった場合はOFFにリセットする(S114)。今回の例では、第1グループG1に属している1番から40番までの巻取ユニット2について、パッケージ待機フラグがONだった場合は全てOFFにリセットされることになる。
【0055】
更に制御装置31は、図6のステップS206で搬送コンベア7を一定時間駆動し、第1グループG1の巻取ユニット2から玉揚げされた満巻パッケージ3を全てオーバーヘッドコンベア43側へ払い出すのである。
【0056】
次に、例えば前記42番の巻取ユニット2(第2グループG2に属する)について、新しい空ボビン17に対し9割程度巻取りが進んだ場合は(図5のS103)、パッケージ待機フラグの内容がONであるので(S104)、上記と同様にシャッター開放要求信号を送信することになる(S105)。そして制御装置31側では、前記の搬送コンベア7の駆動が終了していない場合は終了するまで待った上で(図6のS202、S203)、第2グループG2に対応する5番・6番のシャッター装置11を開く(S204)。これにより、41番〜60番の巻取ユニット2から玉揚げされシャッター12によってストックされていた満巻パッケージ3が、搬送コンベア7上に一斉に払い出される。そして、「第2グループG2についてシャッターの駆動を完了した」旨のシャッター動作信号を、1番から60番までの全ての巻取ユニット2に向けて送信する(S205)。この結果、41番〜60番の巻取ユニット2においては、パッケージ待機フラグがONであった場合にはOFFにリセットされる(図5のS112〜114)。
【0057】
以上に具体的な制御を説明したが、各巻取ユニット2においては、糸切れ回数の多寡などの種々の条件により満巻になる時間に差異を生じ、巻取りを同時に開始したとしても各ユニットごとで玉揚のタイミングが異なることになる。しかしながら本実施形態では、玉揚げされた満巻パッケージ3は、閉じ状態の上記シャッター12によっていったん停止させてストックするように構成している。そして、何れかの巻取ユニット2において上述の所定の条件(即ち、前記案内路8の満巻パッケージ3が前記閉じ状態のシャッター12によって止められた状態、つまり、パッケージ待機フラグがONの状態で、かつ、クレードル部4の巻取パッケージ3について9割程度巻取りが進んだとき)を満たすと、シャッター12が開き状態となるように切り換えられる。従って、その巻取ユニット2が属する巻取ユニット群から、同時かつ一斉に満巻パッケージ3を搬送コンベア7に排出できる。
【0058】
これを仮に、ランダムなタイミングで発生する玉揚作業の都度、搬送コンベア7に満巻パッケージ3を直接排出することとすると、搬送コンベア7で搬送中の満巻パッケージ3へ、玉揚げされて案内路8を転動してきた他の満巻パッケージ3が衝突するおそれがある。本実施形態ではこのようなトラブルを防止できるのである。
【0059】
また、巻取ユニット2が属する巻取ユニット群に対応するシャッター12のみが開放されるので、異なる種類の糸の巻取パッケージ3が混合してしまうことも回避されている。
【0060】
更に、本実施形態の構成では、巻取りの進み具合を前記回転センサ23により検出し、シャッター12で満巻パッケージ3を待機させた状態で巻取パッケージ3の巻取りが9割程度進むと、シャッター開放要求信号を送信して、シャッター12を開くように制御している。即ち、1回玉揚動作を行ってシャッター12の部分に満巻パッケージ3をストックさせた状態で、更にクレードル部4において巻取パッケージ3が満巻手前(9割程度)の状態であれば、同じ巻取ユニット群に属する他の巻取ユニット2においても、その殆どが玉揚動作が済んでおり、満巻パッケージ3がシャッター12によってストックされている筈である。従って、1回のシャッター装置11の駆動及び1回の搬送コンベア7の駆動で、多数の満巻パッケージ3を効率よく搬送できるのである。
【0061】
また、特許文献1や特許文献2のようにタイマによって所定の時間間隔をおいてシャッターの開放動作を繰り返す制御に比べ、最適の時間間隔となるようにタイマを設定する必要がない。特に、近年の多品種少量生産のニーズから、自動ワインダ1において巻き取る糸5の種類等を頻繁に変更しなければならず、それに応じて平均的な巻き上がり時間が変動する場合も生じてきているが、本実施形態によれば、そのような場合でも、タイマの設定値をその都度変更する煩雑な作業を省略できるのである。
【0062】
また、上記のような制御は、本実施形態のように、巻取ユニット2が複数のグループ(巻取ユニット群G1・G2)に分けられて、各巻取ユニット群G1・G2で異なる種類の糸5を巻き取る場合に好適である。即ち、巻き取る糸5の太さ等の条件が各グループごとに異なると、巻取ユニット群G1・G2ごとに平均的な巻き上がり時間も異なることになるが、上記特許文献2の構成では、各巻取ユニット群G1・G2を交互に1回ずつ排出することしかできないため、タイミングによっては、シャッターに満巻パッケージが少数しかストックされていない状態でシャッターを開放せざるを得なかったり、シャッターの開放が遅れてしまって玉揚作業ができず巻取ユニットの稼働率を低下させてしまっていたのである。この点本実施形態では、巻取りの進んだ巻取ユニット2の属する巻取ユニット群について、シャッター12を順序や時間間隔にこだわらずに随時開放できる。例えば、一方の巻取ユニット群G1で太い糸5が巻き取られており、巻き上がり時間が他方の巻取ユニット群G2よりも短い場合には、必要に応じてその巻取ユニット群G1に対応するシャッター12を2回連続して開放するような制御も可能である。従って、搬送コンベア7の搬送効率及び巻取ユニット2の稼働率を向上させることができる。
【0063】
更に本実施形態では、巻取ユニット2の制御部24は、クレードル部4から玉揚装置により満巻パッケージ3が取り外されたときにパッケージ待機フラグをONにする(立てる)とともに、当該パッケージ待機フラグが立った状態でクレードル部4の巻取パッケージ3について9割程度巻取りが進むと、前記シャッター開放要求信号を発生するように構成している。そして、制御装置31からシャッター動作信号を受信すると、パッケージ待機フラグをOFFにする(リセットする)ように構成している。
【0064】
従って、シャッター12の位置に満巻パッケージ3がストックされているか否かを検出するためのセンサを巻取ユニット2に設ける必要がなく、前記パッケージ待機フラグによってストックの有無をソフトウェア的に判別できる。この結果、巻取ユニット2の構成を簡素化することができる。
【0065】
以上に本発明の好ましい実施形態を説明したが、上記構成は以下のように変更して実施することもできる。
【0066】
(1)シャッター12は、案内路8を通過しようとする満巻パッケージ3に対し、その移動を阻止する状態と許容する状態とに切り換えられるものであれば、どのような構成でも良い。例えば、特許文献2に開示されるようなストックバー方式のシャッターであっても差し支えない。
【0067】
(2)上記実施形態では巻取進捗センサとして回転センサ23を採用したが、その代わりに例えば、巻取パッケージ3の径が所定以上になったことを検出するセンサを採用しても良い。また、巻取パッケージ3の単位時間あたりの回転をセンサで検出するように構成し、巻太りに伴って巻取パッケージ3の回転速度が所定値まで低下したことをもって満巻あるいは満巻直前の状態と判断するようにしても良い。
【0068】
(3)シャッター12により阻止されている状態の満巻パッケージ3を検出するセンサを特別に設けても良い。ただし、上記実施形態のようにパッケージ待機フラグを用いてソフトウェア的に満巻パッケージ3のストックの有無を判別する方が、センサを省略できる分、構成を簡素とでき有利である。
【0069】
(4)巻取進捗センサ(回転センサ23)によって、クレードル部4の巻取パッケージ3の巻取りがどの程度まで進んだときにそれを検出するか(即ち、前述の「所定の程度」)については、任意に定めて良い。ただし、搬送コンベア7の搬送効率を高める観点からは、巻取りの初期でシャッター開放要求信号を送信するのは好ましくなく、巻取りが少なくとも半分程度以上進んだ時点を、前記巻取進捗センサで検出するようにする方が良い。更に言えば、満巻直前の程度(例えば8割、あるいは9割を巻き終わった状態)になったことを検知して前記シャッター開放要求信号を発生するようにすると、一度のシャッター12の開放動作によって、より多数の満巻パッケージ3を一斉に搬送コンベア7へ払い出せるために好ましい。
【0070】
(5)上記実施形態では1番から60番までの巻取ユニット2を2つの巻取ユニット群G1・G2に分割した例を示しているが、巻取ユニット2の数はこれより多くても少なくても良いし、また分割の仕方も自動ワインダ1の用途などに応じて適宜定めれば良く、例えば3グループ以上の巻取ユニット群に分割しても構わない。
【0071】
(6)また、巻取ユニット群ごとの分割を行わず、60錘すべての巻取ユニット2で同時にシャッター12を開閉する構成でもよい。この構成でも、特許文献1の構成に比べて、前述のタイマ設定の煩雑さを解消できるメリットがある。
【0072】
(7)上記実施形態では10錘の巻取ユニット2ごとに、その10錘の巻取ユニット2の案内路8を同時に開閉できるシャッター12を設けているが、10錘単位に限定されない。例えば1番から40番までの40錘の巻取ユニット2について1つのシャッター12を設け、41番から60番までの20錘の巻取ユニット2について1つのシャッター12を設けても良い。要は、同一の巻取ユニット群に属する巻取ユニット2の案内路8を実質的に同時に開閉でき、かつ、巻取ユニット群ごとに案内路8を独立に開閉できれば良い。
【0073】
(8)前記の巻取ユニット2からのシャッター開放要求信号によってシャッター12を開放させる制御(第1制御モード)と、特許文献1や2に示すようなタイマによりシャッター12を開放させる制御(第2制御モード)とを、切換可能に構成しても良い。
【図面の簡単な説明】
【0074】
【図1】本発明の満巻パッケージ搬出装置を適用した自動ワインダを示す斜視図。
【図2】自動ワインダの縦断面図。
【図3】自動ワインダの概略平面図。
【図4】自動ワインダの電気的構成を示すブロック図。
【図5】各巻取ユニットの制御を示すフロー図。
【図6】自動ワインダのパッケージシャッターコンベア装置の制御を示すフロー図。
【符号の説明】
【0075】
1 自動ワインダ
2 巻取ユニット
3 満巻パッケージ、巻取パッケージ
4 クレードル部
6 綾振ドラム
7 搬送コンベア
8 案内路
12 シャッター
23 回転センサ(巻取進捗センサ)
24 巻取ユニットの制御部
31 制御装置
G1・G2 巻取ユニット群

【特許請求の範囲】
【請求項1】
多数並列して設けられる巻取ユニットの並列方向に沿って延在する搬送コンベアと、
各巻取ユニットのクレードル部から前記搬送コンベアまで満巻パッケージを案内する案内路と、
前記案内路に設けられるとともに、前記満巻パッケージの前記搬送コンベアへの移動を阻止する閉じ状態と、当該移動を許容する開き状態と、の間で切換可能なシャッターと、
前記クレードル部の巻取パッケージの巻取りが所定の程度まで進んでいるか否かを検出する巻取進捗センサと、
を有し、
各巻取ユニットは、前記案内路の満巻パッケージが前記閉じ状態のシャッターによって止められた状態で、かつ、前記クレードル部の巻取パッケージの巻取りが所定の程度進んだことを前記巻取進捗センサが検出したときに、シャッター開放要求信号を発生するように構成し、
更に、前記巻取ユニットが前記シャッター開放要求信号を発生すると、前記シャッターを閉じ状態から開き状態へ切り換えるように制御する制御装置を設けたことを特徴とする、自動ワインダの満巻パッケージ搬出装置。
【請求項2】
請求項1に記載の自動ワインダの満巻パッケージ搬出装置であって、
前記シャッターは、複数の巻取ユニット群ごとに対応して設けられるとともに、
前記制御装置は、前記巻取ユニットの何れかが前記シャッター開放要求信号を発生すると、当該巻取ユニットが属する巻取ユニット群に対応する前記シャッターを閉じ状態から開き状態へ切り換えるように制御することを特徴とする、自動ワインダの満巻パッケージ搬出装置。
【請求項3】
請求項2に記載の自動ワインダの満巻パッケージ搬出装置であって、前記巻取ユニット群ごとに異なる種類の糸を巻き取るように構成したことを特徴とする、自動ワインダの満巻パッケージ搬出装置。
【請求項4】
請求項1から請求項3までの何れか一項に記載の自動ワインダの満巻パッケージ搬出装置であって、
前記巻取ユニットは、前記クレードル部の巻取パッケージに接触して定速で回転するドラムを有しており、
前記巻取進捗センサは、前記ドラムの回転を検出する回転センサであることを特徴とする、自動ワインダの満巻パッケージ搬出装置。
【請求項5】
請求項1から請求項4までの何れか一項に記載の自動ワインダの満巻パッケージ搬出装置であって、
前記巻取ユニットは制御部を有しており、
この制御部は、前記クレードル部から玉揚動作により満巻パッケージが取り外されるとパッケージ待機フラグを立てるとともに、当該パッケージ待機フラグが立った状態でクレードル部の巻取パッケージの巻取りが所定の程度進んだことを前記巻取進捗センサが検出すると、前記シャッター開放要求信号を発生するようにし、
更に前記制御部は、前記制御装置からのシャッター動作信号に応じて前記パッケージ待機フラグをリセットすることを特徴とする、
自動ワインダの満巻パッケージ搬出装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2006−1683(P2006−1683A)
【公開日】平成18年1月5日(2006.1.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−178453(P2004−178453)
【出願日】平成16年6月16日(2004.6.16)
【出願人】(000006297)村田機械株式会社 (4,916)
【Fターム(参考)】