説明

自動倉庫装置

【課題】搬送機構部に昇降可能に支持された移載ユニットを、なるべく下方に下降できるようにすること。
【解決手段】格納棚12と、移載ユニット60と、移載ユニット60を移動させる搬送機構部40とを備える。格納棚12が最下段の格納部13の下方に、格納棚12の延在方向に沿って延びる走行用スペース16を有している。搬送機構部40の走行用駆動機構部46及び昇降駆動機構部50のうちの少なくとも一部分が走行用スペース16を走行可能に構成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、自動貸金庫装置等、格納物を自動で出し入れする自動倉庫装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、この種の自動貸金庫装置として、特許文献1に開示のものがある。特許文献1では、物品収納部を上下複数段に備えた収納棚が、互いに対向するように間隔を隔てて設けられている。また、収納棚間には、直線状の走行レールが設けられ、この走行レールを走行するようにスタッカークレーンが設けられている。スタッカークレーンは、走行台車と、この走行台車に立設された昇降マストと、昇降マストに沿って昇降自在な昇降キャリッジとを備えている。そして、走行台車の走行移動及び昇降キャリッジの昇降移動によって、昇降キャリッジが所望の物品格納部前に移動され、この状態で、昇降キャリッジが当該所望の物品格納部に対して物品を出し入れするようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2009−208897号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、上記走行台車には、自走するためのモータ及び昇降キャリッジを昇降させるためのモータが搭載され、昇降キャリッジには物品格納部に対して物品の出し入れを行うための出し入れ機構が搭載されている。このため、昇降キャリッジを下降させると、走行台車側のモータと昇降キャリッジ側の出し入れ機構とが干渉してしまい、昇降キャリッジを十分に下方に下降させることは困難となってしまう。そして、収納棚の最下段高さ位置も、昇降キャリッジの最下降位置に対応させてある程度の高さ位置に設定する必要があることから、格納棚の下方部分がいわゆる無駄な空間となってしまい、収納効率に劣る結果となってしまう。
【0005】
そこで、本発明は、搬送機構部に昇降可能に支持された移載ユニットを、なるべく下方に下降できるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するため、第1の態様に係る自動倉庫装置は、格納物を格納可能な格納部を複数段有する格納棚と、前記各格納部との間で格納物を移載する移載ユニットと、前記格納棚の延在方向に沿って走行可能な走行台車と、前記走行台車に立設状に支持され前記移載ユニットを昇降可能に支持する支柱と、前記走行台車を走行駆動する走行用駆動機構部と、前記支柱に沿って前記移載ユニットを昇降駆動する昇降駆動機構部とを有する搬送機構部とを備え、前記格納棚が、最下段の前記格納部の下方に、前記格納棚の延在方向に沿って延びる走行用スペースを有し、前記走行用駆動機構部及び前記昇降駆動機構部のうちの少なくとも一部分が前記走行用スペース内を走行可能なように、前記走行台車に配設されている。
【0007】
第2の態様は、第1の態様に係る自動倉庫装置であって、前記走行用駆動機構部が走行用モータを含むと共に、前記昇降駆動機構部が昇降用モータを含み、前記走行用モータ及び前記昇降用モータの少なくとも一部分が前記走行用スペース内を走行可能なように、前記走行台車に配設されている。
【0008】
第3の態様は、第1又は第2の態様に係る自動倉庫装置であって、一端部が前記搬送機構部に連結されると共に他端部が固定端とされたケーブルが、前記走行用スペース内であって前記搬送機構部の走行軌跡を避けた位置に、前記走行台車の走行に追随して屈曲可能な態様で、前記走行台車の走行方向に沿って配設されている。
【0009】
第4の態様は、第1〜第3のいずれか一つの態様に係る自動倉庫装置であって、一対の前記格納棚が間隔を有して対向配置され、前記一対の格納棚のうちの一方側に前記走行用スペースが設けられ、前記一対の格納棚のうちの他方側に、前記移載ユニットと外部との間で格納物を搬送する外部側搬送機構部が設けられると共に、前記搬送機構部及び前記移載ユニットを動作制御する制御ユニットが設けられている。
【発明の効果】
【0010】
第1の態様によると、前記格納棚が、最下段の前記格納部の下方に、前記格納棚の延在方向に沿って延びる走行用スペースを有し、前記走行用駆動機構部及び前記昇降駆動機構部のうちの少なくとも一部分が前記走行用スペース内を走行可能なように、前記走行台車に配設されているため、搬送機構部側の前記走行用駆動機構部或は前記昇降駆動機構部と移載ユニットとの干渉を抑制して、当該移載ユニットをなるべく下方に下降させることができるようになる。
【0011】
通常、走行用モータ及び昇降用モータは大きく、移載ユニットと干渉し易い。そこで、第2の態様のように、走行用モータ及び昇降用モータの少なくとも一部分が前記走行用スペース内を走行可能なように、前記走行台車に配設されている構成とすることで、走行用モータ或は昇降用モータと移載ユニットとの干渉を抑制して、当該移載ユニットをなるべく下方に下降させることができるようになる。
【0012】
第3の態様によると、一端部が前記搬送機構部に連結されると共に他端部が固定端とされたケーブルが、前記走行用スペース内であって前記搬送機構部の走行軌跡を避けた位置に、前記走行台車の走行に追随して屈曲可能な態様で、前記走行台車の走行方向に沿って配設されていると、スペースの有効活用が可能となる。
【0013】
第4の態様によると、前記一対の格納棚のうちの他方側に、前記移載ユニットと外部との間で格納物を搬送する外部側搬送機構部が設けられると共に、制御ユニットが設けられているため、制御ユニットのメンテナンス等を容易に行える。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】実施形態に係る自動貸金庫装置を示す概略斜視図である。
【図2】同上の自動貸金庫装置を示す概略平面図である。
【図3】同上の自動貸金庫装置を示す概略側面図である。
【図4】棚側搬送機構部を示す概略側面図である。
【図5】棚側搬送機構部を示す平面図である。
【図6】走行駆動用プーリー及び従動プーリーと、長尺走行用ベルトとの関係を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、実施形態に係る自動倉庫装置について説明する。なお、本実施形態では、格納物として金庫ボックスを対象とし、当該金庫ボックスを格納棚に対して自動で出し入れする自動貸金庫装置の例で説明するが、その他、コンテナ等の格納物を格納棚に対して自動で出し入れする自動倉庫装置に対して適用することができる。
【0016】
<全体構成>
まず、自動貸金庫装置の全体構成について説明する。図1は自動貸金庫装置10を示す概略斜視図であり、図2は同自動貸金庫装置10を示す概略平面図であり、図3は同自動貸金庫装置10を示す概略側面図である。
【0017】
この自動貸金庫装置10は、一対の格納棚12と、ブース台20と、ブース側搬送機構部30と、棚側搬送機構部40と、移載ユニット60とを備えている。この自動貸金庫装置10では、上記一対の格納棚12に格納された金庫ボックス90が、移載ユニット60及び棚側搬送機構部40、さらに、ブース側搬送機構部30を介してブース台20に搬送される。これにより、利用者は、当該ブース台20において金庫ボックス90に対する物品(通常は、貴重品)等の出し入れを行う。また、利用者による金庫ボックス90の利用終了後、ブース台20に位置する金庫ボックス90が、ブース側搬送機構部30、さらに棚側搬送機構部40及び移載ユニット60を介して一対の格納棚12に格納される。
【0018】
格納棚12は、金庫ボックス90を格納可能な格納部13を複数段有している。ここでは、格納棚12は、適宜間隔を有して略鉛直姿勢で隣接された複数の側板14間に、複数の棚板15が略水平面に沿った姿勢で鉛直方向に間隔をあけて複数配設固定された構成とされている。これにより、側板14及び棚板15によって画される略直方体空間が、金庫ボックス90を格納可能な格納部13として、縦横に並ぶようにして複数構成されている。かかる格納棚12は、平面視において所定方向に長い長尺状、より具体的には、所定方向に長い長方形状を呈している。もっとも、格納棚は、上記構成に限られず、複数の棒状部材を組合わせた骨組状のフレーム構造によって構成されていてもよい。要するに、格納棚は、金庫ボックスを格納可能な格納部を複数有していればよい。
【0019】
一対の格納棚12は、その長手方向を一方向に揃えた姿勢で、間隔を有して対向配置されている。換言すれば、一対の格納棚12は、間隔を有して並列状に配設されている。この一対の格納棚12間を、棚側搬送機構部40及び移載ユニット60が走行する。もっとも、一対の格納棚12が設けられることは必須ではなく、他方の格納棚12が省略されていてもよい。
【0020】
この一対の格納棚12は、通常、立入りを管理された管理エリア、より具体的には、周囲が金庫壁によって取囲まれた金庫室17内に設置される。
【0021】
一方の格納棚12において、最下段の棚板15(以下、他の棚板と区別して棚板15Lと表記することがある)は、床面に対して離れた高さ位置にある(図1、図3及び図4参照)。床面からの最下段の棚板15Lの高さ寸法は、床面と棚板15Lとの間に後述する棚側搬送機構部40の走行台車42の側方一部分を収容可能で、かつ、下降位置に下降した移載ユニット60との間で金庫ボックス90を移載可能な程度に設定されている。
【0022】
また、一方の格納棚12において、各側板14のうち最下段の棚板15Lよりも下方部分であって他方の格納棚12に面する側の部分を略方形状に切り欠くことにより、凹部14aが形成されている。凹部14aは、格納棚12の奥行方向途中に達する程度(ここでは格納棚12の奥行3分の1程度)の凹形状に形成されている。各側板14に対して上記凹部14aが形成されることによって、一方側の格納棚12において、最下段の格納部13の下方に、複数の各側板14を貫通するようにして当該格納棚12の延在方向に沿って延びる走行用スペース16が形成される。なお、この走行用スペース16の下面は、搬送機構部40が走行する床面と面一状に連なっている。
【0023】
また、他方の格納棚12には、ブース側搬送機構部30を組込むための外部搬送用スペース18が設けられている(図3参照)。ここでは、他方の格納棚12の長手方向に沿って間隔をあけて複数箇所(2箇所)に外部搬送用スペース18が設けられている。各外部搬送用スペース18は、下方から所定数の棚板15を省略することで、上下に連通する空間に形成されている。もっとも、外部搬送用スペース18は一つであってもよく、また、格納棚12の長手方向に沿った外側方に設けられていてもよい。
【0024】
また、他方の格納棚12には、制御ユニット96を組込むための制御ユニット収納用スペース19が設けられている(図3参照)。ここでは、他方の格納棚12の長手方向に沿って一端部よりの位置に制御ユニット収納用スペース19が設けられている。制御ユニット収納用スペース19は、下方から所定数の棚板15を省略することで、上下に連通する空間に形成されている。もっとも、制御ユニット96は、格納棚12の長手方向に沿った外側方等、他の場所に設けられていてもよい。
【0025】
また、金庫室17の近傍、ここでは、他方の格納棚12の背面側に隣設して利用ブース28が設けられている。ここでは、上記複数(2つ)の外部搬送用スペース18に対応して、複数(2つ)の利用ブース28が設けられており、各利用ブース28内にブース台20が設けられている。ここで、利用ブース28は、通常、立入りを管理された管理エリアであり、より具体的には、周囲がブース壁によって囲まれると共に施錠可能な扉29(図3参照)を通じて入退室可能なエリアである。この利用ブース28と金庫室17との間も、仕切壁26によって仕切られている。また、仕切壁26のうち上記制御ユニット収納用スペース19に対向する部分には、メンテナンス用扉27が開閉可能に設けられている(図3参照)。メンテナンス用扉27は、通常、錠装置によって施錠された状態に保たれている。そして、本自動倉庫装置10のメンテナンス時等に、権限あるメンテナンス管理者等が鍵を用いてメンテナンス用扉27を開くことにより、当該メンテナンス管理者が制御ユニット96にアクセス可能となる。
【0026】
ブース台20は、上部に天板22を有する略筺状に形成されている。天板22には、略方形状の天板開口23が形成されており、ブース台20内部の金庫ボックス90が、当該天板開口23を通じて天板22に突出するように配設される。このように、ブース台20の天板22に突出するように金庫ボックス90が配設されることで、金庫の利用者は金庫ボックス90に対して物品の出し入れを行えるようになる。なお、上記天板開口23は、その内部に金庫ボックス90が配設されていない状態では、開閉自在な蓋によって塞がれていることが好ましい。
【0027】
また、ブース台20の内部空間は、上記仕切壁26を貫通して金庫室17内の外部搬送用スペース18に連通しており、金庫室17内の金庫ボックス90はその連通部分を経由してブース台20内に搬送される。
【0028】
また、移載ユニット60は、一対の格納棚12の双方に対して金庫ボックス90を移載可能に構成されている。そして、移載ユニット60が各格納棚12のいずれかの格納部13と対向する位置に配設された状態で、当該対向する格納部13に格納された金庫ボックス90を自己に取込むように移載して載置状に支持し、或は、自己に載置状に支持した金庫ボックス90を対向する格納部13に送込むように移載して当該格納部13に載置状に格納する。
【0029】
この移載ユニット60が金庫ボックス90を移載する構成としては、爪状部分を格納部13に対して進退移動させて当該爪状部分を金庫ボックス90に係合させるようにして引込み或は押出す構成、或は、フォーク状部分を格納部13に対して進退移動させて当該フォーク状部分で金庫ボックス90を持上げるようにして移載する構成等、周知構成を含む種々構成を採用することができる。
【0030】
棚側搬送機構部40は、上記移載ユニット60を、一対の格納棚12の任意の格納部13に対向させる位置と、ブース側搬送機構部30に対向させる位置との間で移動させるように構成されている。
【0031】
より具体的には、棚側搬送機構部40は、走行台車42と、支柱44とを備えており、一対の格納棚12間の隙間の延在方向に沿って走行可能に構成されると共に、移載ユニット60を支柱44に沿って格納棚12の最下段の格納部13と最上段の格納部13との間で昇降移動させるようになっている。これにより、移載ユニット60が、各格納部13及び各ブース側搬送機構部30に対向する位置に移動されるようになっている。
【0032】
この棚側搬送機構部40については後でより具体的に説明する。
【0033】
ブース側搬送機構部30は、上記2つのブース台20それぞれに対応して設けられ、それぞれ上記棚側搬送機構部40との間で金庫ボックス90を移載可能に構成されると共に、金庫ボックス90をブース台20に対して搬出入可能に構成されている。より具体的には、ブース側搬送機構部30は、ブース側水平移動部32と、ブース側昇降移動部36とを有している。ブース側水平移動部32は、他方の格納棚12の外部搬送用スペース18に設けられ、ブース側昇降移動部36はブース台20内に設けられている。ブース側水平移動部32は、一対の格納棚12間の隙間に隣接する位置と、ブース側昇降移動部36に隣設する位置との間で金庫ボックス90を往復移動させるように構成されている。このようなブース側水平移動部32としては、複数のローラが所定方向に沿って適宜間隔をあけて略並列姿勢で回転可能に支持されると共に、当該ローラがモータ等の駆動により搬送方向に沿って回転駆動されるようにしたコンベア等、周知の水平移動機構を含む種々構成を採用することができる。ブース側昇降移動部36は、ブース台20内部であって天板開口23の下方に設けられており、上記ブース側水平移動部32から金庫ボックス90が移載されると、当該金庫ボックス90を天板開口23から突出させるように上昇させると共に、天板開口23から突出する金庫ボックス90をブース側水平移動部32に移載可能な位置に下降させるように構成されている。このようなブース側昇降移動部36としては、上記昇降駆動機構部50と同様に、モータと環状ベルト等を利用した構成、リニアモータを用いた構成等、周知技術を含む種々の昇降機構を採用することができる。
【0034】
なお、ブース側水平移動部32とブース側昇降移動部36と間における金庫ボックス90の移載は、別途、モータ等の駆動により金庫ボックス90を押圧移動させるプッシャー機構を設け、当該プッシャー機構の駆動によって行ってもよいし、或は、ブース側昇降移動部36にブース側水平移動部32と同様のコンベアを設け、当該コンベアとブース側水平移動部32との協動的な搬送動作により行われるものであってもよい。
【0035】
さらには、自動倉庫装置として構成する場合には、ブース台20、ブース側搬送機構部30等を省略し、棚側搬送機構部40と外部との間で直接格納物を出し入れするようにしてもよい。
【0036】
また、この自動貸金庫装置10は、制御ユニット96と入力部98とを備えている。入力部98は、キーボード、タッチパネル等、本自動貸金庫装置10に対する諸指示を受付け可能に構成されており、受付けた諸指示を制御ユニット96に入力可能なように当該制御ユニット96に接続されている。入力部98は、利用ブース28内に設けられていてもよいし、別箇所に設けられていてもよい。制御ユニット96は、CPU、ROMおよびRAM等を備える一般的なマイクロコンピュータによって構成されており、上記ブース側搬送機構部30と棚側搬送機構部40と移載ユニット60とのそれぞれに対して諸動作指令を付与可能に接続されている。この制御ユニット96は、上記他方の格納棚12の制御ユニット収納用スペース19内に配設されている。そして、この制御ユニット96は、予め格納されたソフトウエアプログラム及び入力部98を通じて入力された諸指示に従って、次述するように、本自動貸金庫装置10の全体動作を制御する。
【0037】
この自動貸金庫装置10による金庫ボックス90の出し入れ動作について説明する。
【0038】
まず、一対の格納棚12の各格納部13にそれぞれ金庫ボックス90が格納されている。なお、金庫ボックス90を各格納棚12に格納するに際して、各格納部13の位置と金庫ボックス90の特定情報とを対応づけた格納位置情報が作成され、当該格納位置情報が制御ユニット96の記憶部又は当該制御ユニット96からアクセス可能な記憶部に記憶されている。
【0039】
この状態で、入力部98に対して所定の金庫ボックス90の特定情報及び当該金庫ボックス90を利用したい旨の指示を入力する。入力部98に対する入力は、本自動貸金庫装置10の利用者が行ってもよいし、別途存在する係員等が行ってもよい。すると、制御ユニット96は、格納位置情報を参照して特定された金庫ボックス90が存在する格納部13の位置を特定し、当該特定された格納部13に対向する位置に移載ユニット60を移動させるように、棚側搬送機構部40に動作指令を与える。これにより、移載ユニット60は当該特定された格納部13に対向する位置に移動する。この状態で、制御ユニット96から移載ユニット60に金庫ボックス90の取込み指令が与えられ、移載ユニット60は特定された格納部13から金庫ボックス90を取込むようにして移載動作を行う(図2の矢符P1参照)。
【0040】
上記動作が終了すると、制御ユニット96は、移載ユニット60をブース側水平移動部32と対向する位置に移動させるように、棚側搬送機構部40に動作指令を与える。これにより、移載ユニット60は、一方の外部搬送用スペース18に対応する位置で、ブース側搬送機構部30と対向する位置に配設される(図2の矢符P2参照)。この状態で、制御ユニット96から移載ユニット60に金庫ボックス90の送出し指令が与えられ、移載ユニット60は、自己に載置された金庫ボックス90をブース側水平移動部32に送込むようにして移載動作を行う(図2の矢符P3参照)。
【0041】
上記移載動作が完了すると、制御ユニット96からブース側水平移動部32及びブース側昇降移動部36に金庫ボックス90をブース台20側へ搬送する指令が与えられ、ブース側水平移動部32及びブース側昇降移動部36は金庫ボックス90を搬送してブース側昇降移動部36に送込む(図2の矢符P4参照)。金庫ボックス90がブース側昇降移動部36に移載されると、制御ユニット96からブース側昇降移動部36に金庫ボックス90を上昇させる旨の指令が与えられ、ブース側昇降移動部36は金庫ボックス90を上昇させる。これにより、金庫ボックス90が略方形の天板開口23から突出するようにしてブース台20に配設される。そして、利用者は、当該金庫ボックス90を、自己に貸与された鍵等を用いて解錠し、蓋を開いて利用することができる。
【0042】
金庫ボックス90を格納部13に格納する場合には、上記とは逆の動作が行われる。
【0043】
すなわち、利用者が金庫ボックス90の利用終了後、蓋を閉じて施錠した後、入力部98に対して金庫ボックス90を格納する旨の指示を入力する。入力部98に対する入力は、本自動貸金庫装置10の利用者が行ってもよいし、別途存在する係員等が行ってもよい。
【0044】
格納指示入力後、制御ユニット96による制御下、ブース側昇降移動部36が金庫ボックス90を下降移動させ、その後、ブース側昇降移動部36及びブース側水平移動部32は金庫ボックス90をブース側昇降移動部36から一方の格納棚12の外側方位置に搬送する。
【0045】
この後、制御ユニット96による制御下、棚側搬送機構部40は、移載ユニット60をブース側水平移動部32と対向する位置に移動させ、続いて、移載ユニット60はブース側水平移動部32上の金庫ボックス90を取込むように移載する。続いて、棚側搬送機構部40は、移載ユニット60を、金庫ボックス90を格納すべき格納部13と対向する位置に移動させる。金庫ボックス90を格納すべき格納部13の位置は、取出し前に格納されていた位置であってもよいし、他の空き位置であってもよい。後者の場合、格納位置情報を当該格納位置に合わせて更新するとよい。そして、移載ユニット60は、金庫ボックス90を格納すべき格納部13と対向する位置に移動した状態で、自己に載置された金庫ボックス90を当該格納部13に送込むようにして移載する。これにより、金庫ボックス90が格納部13に格納され、動作を終了する。
【0046】
<棚側搬送機構部について>
棚側搬送機構部40についてより具体的に説明する。図4は棚側搬送機構部40を示す概略側面図であり、図5は棚側搬送機構部40を示す平面図である。
【0047】
棚側搬送機構部40は、上記のように、走行台車42と支柱44とを備えている。
【0048】
走行台車42は、平面視略方形状の基台42aの幅方向略中央部に車輪42bが回転可能に支持されると共に、基台42aの一側部にスライド走行部材42cが設けられた構成とされている。車輪42bは、一対の格納棚12間の床面を走行可能に構成されている。スライド走行部材42cは、一対の格納棚12間の床面に、一対の格納棚12の隙間の延在方向に沿って敷設されたガイドレール100に沿ってスライド移動可能に配設されている。そして、車輪42b及びスライド走行部材42cが一対の格納棚12の隙間の延在方向に沿って移動することで、走行台車42が、一対の格納棚12間で格納棚12の延在方向に沿って走行可能に構成されている。
【0049】
また、この走行台車42に、一対の支柱44が間隔を有して立設状に支持され、この一対の支柱44に移載ユニット60が昇降可能に支持されている。一対の支柱44の上端側部には、支柱スライド走行部材44aが側方に延出するようにして片持ち状に支持されている。また、一対の格納棚12の隙間の天井面に、当該隙間の延在方向に沿って天井用ガイドレール45が取付固定されており、支柱スライド走行部材44aが当該天井用ガイドレール45によって格納棚12の延在方向に沿って移動可能に支持されている。これにより、一対の支柱44の鉛直方向延在姿勢が一定となるように支持されている。また、支柱44の真上より側方にずらした位置で、支柱スライド走行部材44aを天井用ガイドレール45によって移動可能に支持することで、一対の支柱44の上端部を天井近くに達する位置まで配設することができる。これにより、移載ユニット60をなるべく上方に移動させて、天井に比較的近い格納部13に対しても移載ユニット60によって金庫ボックス90を移載できるようにしている。
【0050】
これらの走行台車42及び支柱44に、走行台車42を走行駆動する走行用駆動機構部46と支柱44に沿って移載ユニット60を昇降駆動する昇降駆動機構部50とが組込まれている。また、その組込態様で、走行用駆動機構部46と昇降駆動機構部50のうちの少なくとも一部が走行用スペース16を走行可能とされている。
【0051】
より具体的には、走行用駆動機構部46は、走行用モータ47と、走行駆動用プーリー48と、従動プーリー49とを備えている。走行用モータ47は、モータ本体部47aと回転駆動力伝達部47bとが一体化されて、全体として略長尺状の部材に形成されている。モータ本体部47aは電力供給により回転駆動力を発生させる部分であり、回転駆動力伝達部47bは、モータ本体部47aの回転駆動力を、平歯車及び傘歯車等を介して、そのモータ駆動軸に対して略直交する出力回転軸47cに適宜減速比にて伝達する機構として構成されている。この走行用モータ47は、基台42aのうち一方の格納棚12よりの側部であって基台42aの走行方向一方側よりの位置に取付固定されている。この取付固定状態では、走行用モータ47は、その長手方向を基台42aの走行方向に沿って配設した姿勢とされており、その出力回転軸47cが前記走行方向に対して略直交する方向に延出している。そして、その出力回転軸47cに走行駆動用プーリー48が固定されており、走行用モータ47の回転駆動によって前記走行駆動用プーリー48が正逆両方向へ回転可能とされている。また、一対の従動プーリー49が、走行駆動用プーリー48の側方下方位置に、ブラケット等を介して回転可能に支持されている(図6参照)。また、長尺走行用ベルト49Bが、一対の格納棚12間の隙間の床面に、当該隙間の延在方向に沿って配設されている。長尺走行用ベルト49Bの両端部は、一対の格納棚12間の隙間の床面の延在方向両端部に固定されており、長尺走行用ベルト49Bの長手方向中間部が引張られた状態とされている。この長尺走行用ベルト49Bが一対の従動プーリー49と走行駆動用プーリー48との間を通り、走行駆動用プーリー48に巻かけられている。そして、走行駆動用プーリー48を回転させると、その回転方向に応じて長尺走行用ベルト49Bが走行台車42の走行方向いずれか側へ送られる。これにより、走行台車42が一対の格納棚12間の隙間の延在方向に沿って走行駆動する構成とされている。
【0052】
もっとも、走行台車は、床面に接触する車輪を回転駆動させることで走行駆動する構成等、各種走行機構を用いることができる。
【0053】
また、昇降駆動機構部50は、昇降用モータ52と、昇降用駆動力伝達機構部54と、昇降用ベルト機構部56とを備えている。
【0054】
昇降用モータ52は、モータ本体部52aと回転駆動力伝達部52bとが一体化されて、全体として略長尺状の部材に形成されている。モータ本体部52aは電力供給により回転駆動力を発生させる部分であり、回転駆動力伝達部52bは、モータ本体部52aの回転駆動力を、平歯車等を介して適宜減速比にて出力回転軸52cに伝達する機構として構成されている。この昇降用モータ52は、基台42aのうち一方の格納棚12よりの側部であって基台42aの走行方向他方側よりの位置に取付固定されている。つまり、走行用モータ47と昇降用モータ52とが、走行台車42のうち一方の格納棚12よりの位置に隣合って固定されている。この取付固定状態では、昇降用モータ52は、その長手方向を基台42aの走行方向に沿って配設した姿勢とされており、その出力回転軸52cが前記走行方向に沿って外方向に延出している。そして、その出力回転軸52cに昇降駆動用プーリー54aが固定されており、昇降用モータ52の回転駆動によって前記昇降駆動用プーリー54aが正逆両方向へ回転可能とされている。
【0055】
昇降用ベルト機構部56は、一方の支柱44の上下端部に設けられた一対の歯車56aと、当該一対の歯車56aに巻かけられた環状チェーン56bとを備えている。上記移載ユニット60は、一方の支柱44側で環状チェーン56bに固定されており、歯車56aの回転により環状チェーン56bを回転させることで、当該環状チェーン56bの正逆両方向への回転により、移載ユニット60が昇降移動可能とされている。
【0056】
昇降用駆動力伝達機構部54は、上記昇降用モータ52側の出力回転軸52cに固定された昇降駆動用プーリー54aと、下側の歯車56aと一体的に回転するように固定された受側プーリー54bと、これらのプーリー54a、54bに巻かけられた環状ベルト54cとを有している。なお、昇降駆動用プーリー54aと受側プーリー54bとの間に、環状ベルト54cが昇降駆動用プーリー54a及び受側プーリー54bにより強い力で押付けられるように、環状ベルト54cにテンションを付与する補助プーリー54eが設けられている。そして、昇降用モータ52による回転駆動力が昇降駆動用プーリー54aから環状ベルト54c、受側プーリー54bを介して下側の歯車56aに伝達される。これにより、昇降用モータ52の正逆両方向への回転駆動に応じて、環状ベルト54cが回転駆動されて、移載ユニット60が昇降駆動されるようになっている。
【0057】
これらの走行用駆動機構部46と昇降駆動機構部50は、走行台車42上において比較的大きな空間を占有し、基台42aの上方に大きく突出してしまう。特に、走行用駆動機構部46の走行用モータ47及び昇降用駆動力伝達機構部50の昇降用モータ52としては、比較的重量が大きい棚側搬送機構部40或は移載ユニット60を移動させるため、高出力特性を持つ大型のモータが採用される。このため、走行用モータ47及び昇降用モータ52が基台42aの上方に大きく突出してしまうこととなる。
【0058】
そこで、本実施形態では、上記のように、走行用モータ47と昇降用モータ52とを、走行台車42のうち一方の格納棚12よりの位置に固定している。また、この固定状態で、走行用モータ47と昇降用モータ52とが、その外側部分を基台42aの外側上方に延出させるようにした片持ち状に支持されている。これにより、棚側搬送機構部40の走行時に、走行用モータ47の外側一部分(ここでは外側半分程度)と昇降用モータ52の外側一部分(ここでは外側半分程度)とが、一方の格納棚12の下方の走行用スペース16内を走行可能なようにしている。
【0059】
また、この自動金庫装置10は、一端部が棚側搬送機構部40に連結されると共に他端部が固定端とされたケーブル110を備えている。すなわち、棚側搬送機構部40には、走行用駆動機構部46の走行用モータ47及び昇降用駆動力伝達機構部54の昇降用モータ52等に対して給電するための給電ケーブルが接続される。また、棚側搬送機構部40には、走行用モータ47及び昇降用駆動力伝達機構部54の昇降用モータ52等に対する制御信号を送信するための信号用ケーブルが接続され、さらに、必要に応じて、棚側搬送機構部40の各種動作状態を検出する検出信号を伝送するための信号用ケーブルも接続される。同様に、移載ユニット60に対する給電ケーブル及び信号用ケーブルも接続される。上記ケーブル110は、これらの給電ケーブル及び信号用ケーブルを含んでいる。
【0060】
もっとも、制御信号及び検出信号については、無線方式で伝送されてもよい。つまり、ケーブル110は、少なくとも給電ケーブルを含んでいればよい。
【0061】
上記ケーブル110は、走行用スペース16内であって搬送機構部40の走行軌跡を避けた位置、ここでは、走行用スペース16の床面に沿って配索されている。そして、ケーブル110の一端部が搬送機構部40の走行台車42に連結されると共に、ケーブル110の他端部が走行用スペース16の長手方向一端部において床面或は一方の格納棚12の下部に固定され、そこからさらに図示省略の中継用ケーブル等を介して格納棚12或は天井面等を通って制御ユニット96或は電源等に接続されている。
【0062】
また、ケーブル110は、走行用スペース16内において、走行台車42の走行に追従して、走行用スペース16の長手方向任意の位置で略U字状に折返すように屈曲可能に配設されている。ここでは、ケーブル110は、次に説明するケーブルガイド120によって屈曲可能に支持されている。
【0063】
すなわち、ケーブルガイド120は、いわゆるケーブルベアと呼ばれるものであり、複数のコマ部材122が所定の屈曲範囲内で屈曲可能に線状に連結されており、全体的な屈曲変化態様が一定態様となるように制限されている。より具体的には、コマ部材122は、一対の側片同士が間隔をあけて連結された部材であり、内部にケーブル110を挿通可能な空間が形成されている(図5参照)。そして、複数のコマ部材122が軸部123を介して一軸周りに屈曲可能に連結されている。複数のコマ部材122が線状に数珠つなぎ状に連結されることで、所定平面において屈曲可能な構成とされている。また、各コマ部材122が相互に一軸周りに回転する際、互いの側片同士が干渉し合うことで、直線状態から一方向にのみ屈曲できるようになっている。これにより、ケーブルガイド120は、全体として複数のコマ部材122が直線状態から一方向にのみ所定の屈曲範囲内で屈曲可能な構成とされている。
【0064】
そして、上記ケーブル110が直線状に連結された各コマ部材122内を挿通されることによって、直線状態から一方向にのみ所定の屈曲範囲内で屈曲可能とされている。なお、ケーブルガイド120の長さ寸法は、棚側搬送機構部40の最大移動距離よりも長い寸法に設定されている。
【0065】
上記ケーブルガイド120は次のようにして配設されている。すなわち、ケーブルガイド120は、走行用スペース16内であって搬送機構部40の走行軌跡を避けた位置、ここでは、走行用スペース16の床面に沿って配設されている。床面上で、ケーブルガイド120は、当該ケーブルガイド120が屈曲する平面を床面に沿って配設した姿勢とされている。ケーブルガイド120の一端部は走行台車42のうち走行用スペース16側の側部に連結されている。また、ケーブルガイド120の他端部が走行用スペース16の長手方向一端部において床面或は一方の格納棚12の下部に固定されている。ケーブルガイド120の端部の固定は、ブラケット等を介したねじ止固定の他、係合構造、接着剤等で行われてもよい。そして、ケーブルガイド120の中間部が略U字状に折返されている。
【0066】
そして、上記ケーブル110がケーブルガイド120内に挿通されることによって、ケーブル110がケーブルガイド120に沿って配設されて当該ケーブルガイド120の屈曲態様に従って屈曲する構成とされている。
【0067】
上記ケーブルガイド120は、棚側搬送機構部40の位置及び走行状態に応じて次のように屈曲変形する。すなわち、棚側搬送機構部40が走行用スペース16に沿ってその延在方向略中間部に位置する状態では、ケーブルガイド120のうち固定端である他端側の所定部分(例えば、全長のうち4分の3程度の部分、図2参照)が走行用スペース16に沿って床面上に直線状に延在する。また、ケーブルガイド120が途中部分で略U字状に折返され、その屈曲部分よりも可動端である一端側の部分(例えば、全長のうち4分の1程度の部分,図2参照)が一方端側の所定部分と略平行な姿勢に配設された状態となる。そして、走行台車42の走行に追随して、ケーブル110の略U字状の屈曲部分が変る。すなわち、前記状態から棚側搬送機構部40が走行用スペース16に沿って、ケーブルガイド120の固定端である他端側に近い位置に移動すると、ケーブルガイド120の略U字状屈曲部分が前記固定端に近い位置に順次変位し、その屈曲部分よりも前記固定端側部分が順次短くなると共にその屈曲部分よりも前記可動端側部分が順次長くなる。逆に、前記状態から棚側搬送機構部40が走行用スペース16に沿って、ケーブルガイド120の固定端である他端側から遠い位置に移動すると、ケーブルガイド120の略U字状屈曲部分が前記固定端から離れた位置に順次変位し、その屈曲部分よりも前記固定端側部分が順次長くなると共にその屈曲部分よりも前記可動端側部分が順次短くなる。これらの各状態において、複数のコマ部材122が所定方向に所定角度で屈曲するように制限されているので、屈曲部分よりも前記固定端側部分と屈曲部分よりも前記可動端側部分とが略平行姿勢に配設された状態が維持され、ケーブルガイド120の両端部分間での干渉は抑制されている。このように、ケーブルガイド120は、棚側搬送機構部40の走行に伴って屈曲部分が変位すると共にその屈曲部分から前記可動端側部分及び前記固定端側部分が略平行姿勢に配設される態様で、つまり、全体的に見て略U字状形態の直線部分の長さを変えるような態様で変形する態様で設けられている。
【0068】
このため、棚側搬送機構部40の位置及び走行状態に拘らず、ケーブル110がケーブルガイド120の屈曲態様によって規制される空間内に配設され、ケーブル110同士の干渉及び棚側搬送機構部40等への干渉等が抑制されている。
【0069】
以上のように構成された自動金庫装置10によると、格納棚12が、最下段の格納部13の下方に、格納部13の延在方向に沿って延びる走行用スペース16を有し、走行用駆動機構部46及び昇降駆動機構部50のうちの少なくとも一部が走行用スペース16を走行可能なように走行台車42に搭載されている。このため、移載ユニット60を下降させる際に、走行用駆動機構部46及び昇降駆動機構部50との干渉を抑制することができる。これにより、移載ユニット60をなるべく下方に下降させることができ、最下段の格納部13の高さ位置をなるべく下方に設定することができる。そして、格納部13のより多くのスペースを、格納スペースとして用いることができる。
【0070】
特に、走行用モータ47及び昇降用モータ52は、棚側搬送機構部40の各部を移動させる都合上、大型化しがちである。そこで、走行用モータ47の少なくとも一部及び昇降用モータ52の少なくとも一部が走行用スペース16を走行可能なように、走行台車42に搭載されている構成とすることで、移載ユニット60を、走行用モータ47及び昇降用モータ52との干渉を抑制してより下方に下降させることができる。これにより、格納部13のより多くのスペースを、格納スペースとして用いることができる。
【0071】
しかも、ケーブル110が走行用スペース16内であって棚側搬送機構部40の走行軌跡を避けた位置に配設されているため、スペースの有効活用が可能となり、例えば、一対の格納棚12間の隙間を小さくし易い。
【0072】
もっとも、他方の格納棚12の延在方向に沿ってケーブルが配線されていてもよい。
【0073】
また、一対の格納棚12のうちの他方側に、ブース側搬送機構部30及び制御ユニット96が設けられているため、それらに対するメンテナンスを容易に行える。すなわち、ブース側搬送機構部30は、通常、出入口に近くアクセス容易な側に設けるのが一般的である。そこで、当該他方の格納棚12にブース側搬送機構部30及び制御ユニット96を設けることで、それらに対するメンテナンスを容易に行えることとなる。
【0074】
<変形例>
なお、上記実施形態では、走行用モータ47の一部及び昇降用モータ52の一部の両方が、走行用スペース16を走行する構成としているが、必ずしもその必要はない。走行用モータ47の一部若しくは全部、又は、昇降用モータ52の一部若しくは全部が、走行用スペース16を走行する構成であってもよい。
【0075】
また、走行用モータ47或は昇降用モータ52が走行用スペース16を走行することは必須ではなく、走行用駆動機構部46の他の一部分或は昇降駆動機構部50の一部分等が走行用スペース16を走行する構成であってもよい。
【0076】
また、一対の格納棚12の双方に走行用スペースが設けられ、走行用駆動機構部46及び昇降駆動機構部50のうちの2つの部分が2つの走行用スペースを別々に走行する構成であってもよい。
【符号の説明】
【0077】
10 自動金庫装置
12 格納棚
13 格納部
16 走行用スペース
18 外部搬送用スペース
19 制御ユニット収納用スペース
30 ブース側搬送機構部
32 ブース側水平移動部
40 棚側搬送機構部
42 走行台車
44 支柱
46 走行用駆動機構部
47 走行用モータ
50 昇降駆動機構部
52 昇降用モータ
60 移載ユニット
90 金庫ボックス
96 制御ユニット
110 ケーブル
120 ケーブルガイド

【特許請求の範囲】
【請求項1】
格納物を格納可能な格納部を複数段有する格納棚と、
前記各格納部との間で格納物を移載する移載ユニットと、
前記格納棚の延在方向に沿って走行可能な走行台車と、前記走行台車に立設状に支持され前記移載ユニットを昇降可能に支持する支柱と、前記走行台車を走行駆動する走行用駆動機構部と、前記支柱に沿って前記移載ユニットを昇降駆動する昇降駆動機構部とを有する搬送機構部と、
を備え、
前記格納棚が、最下段の前記格納部の下方に、前記格納棚の延在方向に沿って延びる走行用スペースを有し、
前記走行用駆動機構部及び前記昇降駆動機構部のうちの少なくとも一部分が前記走行用スペース内を走行可能なように、前記走行台車に配設されている、自動倉庫装置。
【請求項2】
請求項1記載の自動倉庫装置であって、
前記走行用駆動機構部が走行用モータを含むと共に、前記昇降駆動機構部が昇降用モータを含み、
前記走行用モータ及び前記昇降用モータの少なくとも一部分が前記走行用スペース内を走行可能なように、前記走行台車に配設されている、自動倉庫装置。
【請求項3】
請求項1又は請求項2記載の自動倉庫装置であって、
一端部が前記搬送機構部に連結されると共に他端部が固定端とされたケーブルが、前記走行用スペース内であって前記搬送機構部の走行軌跡を避けた位置に、前記走行台車の走行に追随して屈曲可能な態様で、前記走行台車の走行方向に沿って配設されている、自動倉庫装置。
【請求項4】
請求項1〜請求項3のいずれか一つに記載の自動倉庫装置であって、
一対の前記格納棚が間隔を有して対向配置され、
前記一対の格納棚のうちの一方側に前記走行用スペースが設けられ、
前記一対の格納棚のうちの他方側に、前記移載ユニットと外部との間で格納物を搬送する外部側搬送機構部が設けられると共に、前記搬送機構部及び前記移載ユニットを動作制御する制御ユニットが設けられている、自動倉庫装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2011−241070(P2011−241070A)
【公開日】平成23年12月1日(2011.12.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−116134(P2010−116134)
【出願日】平成22年5月20日(2010.5.20)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.ケーブルベア
【出願人】(000139780)株式会社イトーキ (833)
【Fターム(参考)】