説明

自動分析結果の承認システム、分析結果の承認処理を可能にする自動分析システム及び自動分析結果の承認方法

【課題】分析結果の承認を有識者に依頼し、その結果を記録することで検査結果の信頼性すなわち検査室の質を証明する自動分析結果の承認システム、分析結果の承認処理を可能にする自動分析システム及び自動分析結果の承認方法を提供する。
【解決手段】分析担当者は、自動分析装置100で各分析結果の承認依頼を行う。自動分析装置100は、各分析項目の分析結果を選択し、承認依頼と承認先を指定する表示装置を搭載している。自動分析装置100には、各分析項目の分析結果、分析パラメータ、承認記録等の分析及び分析結果の承認に関するデータが保存を管理する。結果承認サービスサーバ108は、通信手段104,107を介して、自動分析装置100からの承認依頼の受信、受信した承認依頼に基づく承認者PC106への承認依頼通知の配信、承認依頼通知に対して承認者がした承認結果の受信、及び承認結果の自動分析装置に配信を行う。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、免疫・生化学自動分析装置に関し、特に、病院の検査室又は検査センターにおける業務の出力である測定結果に対する承認を効果的に行うための測定結果承認システム、分析結果の承認処理を可能にする自動分析システム及び自動分析結果の承認方法に関する。
【背景技術】
【0002】
病院の検査室又は検査センターにおける基本的な業務は、検査依頼を受け付け、検体を採取して分析し、その結果を依頼元へ報告することである。これらの検査業務を支援するため、従来の自動分析装置は、基本機能として、分析結果を臨床検査システムへ送信し、臨床検査システムが報告書を作成し、報告書に対して一括承認を行う承認処理を行っている。この機能は、一般的には、分析を担当する経験のある検査技師が操作・処理することを想定したものであり、分析担当者自信の判断で分析結果を上位システムへ送信している。したがって、各分析項目毎に誰が分析を行い、誰が結果承認したかの詳細までは記録されない。
【0003】
近年、医療費の抑制の要請を受けて検査室の人員確保が難しくなっており、検査現場においては経験年数が短い者でも単独で分析を担当するという業務が増加してきている。こうした検査業務の実態に対応するため、分析結果に対して担当者の経験に依存することなく常に一定以上の質が確保され、報告される検査結果の信頼性、即ち検査室の質を証明するシステムが要求されている。
【0004】
自動分析装置で測定結果が出力されたとき、分析担当者は結果が異常か正常化を判断し、データを上位システムへ送信する。結果が異常な場合、再度測定を行う。新人の分析担当者などの不慣れな分析担当者は、結果の判断が困難な場合、有識者に結果を確認してもらった後、上位システムへ送信を行う。しかしながら、時間帯によっては、近くに有識者がいない場合がある。
【0005】
臨床検査結果を記憶して管理する情報システムとして、臨床検査結果を記憶する機能と、前記臨床検査結果を承認及び/又は修正する権限を操作者毎に設定する機能と、操作者のIDによって前記権限を識別する機能と、前記臨床検査結果が承認されたことを記憶する機能と、前記臨床検査結果が修正されたことを記憶する機能と、前記臨床検査結果の承認及び/又は修正の履歴を出力する機能を備えた臨床検査情報処理システムが提案されている(特許文献1参照)。このシステムは、各検査結果が誰により承認がなされているのか、誰によりどのような検査結果が修正された等の履歴を管理することを図っている。
【特許文献1】特開2001−76060号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
そこで、分析担当者の近くに上位上長(有識者)がいない場合でも、遠隔地の有識者が承認を行うことを可能にする支援機能が望まれている。
【0007】
この発明は、遠隔地の有識者に承認依頼を行い、不慣れな分析担当者に代わり分析結果の承認を上位上長が行うことができる分析結果承認システムを提供することである。また、各分析結果毎に分析担当者、承認者、依頼日時、承認結果、承認コメント等の承認に必要事項を記録可能とし、検査室の質の根拠を記録する自動分析結果の承認システム、分析結果の承認処理を可能にする自動分析システム及び自動分析結果の承認方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するため、この発明による分析結果承認システム、分析結果の承認処理を可能にする自動分析システム及び自動分析結果の承認方法は、自動分析装置で生体試料の成分を自動的に測定・分析し当該分析結果を出力し、当該自動分析装置と自動分析装置の分析結果について承認する権限を有する承認者との間を通信手段で繋ぎ、前記自動分析装置から出力された前記分析結果について前記通信手段を介して前記承認者に承認依頼をするとともに、前記承認依頼に対して前記承認者が承認処理をした承認結果を前記通信手段を介して前記自動分析装置に応答することを特徴としている。
【0009】
更に、分析項目毎に結果と承認記録、承認の根拠となるデータを蓄積、印字することができれば、分析結果の精度を文書で証明することも可能となる。
【発明の効果】
【0010】
この発明による分析結果承認システム、分析結果の承認処理を可能にする自動分析システム及び自動分析結果の承認方法によれば、この時と場所を限定せず分析担当者と上位上長が判定対象となる分析結果及び、分析をする為のパラメータを共有し、分析結果の承認依頼及び、承認結果の記録を保存することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下、図面を参照して、本発明である分析結果承認システムの実施形態を説明する。図1は、本発明の分析結果承認システムの一例を示す構成図である。
【0012】
図1に示す分析結果承認システムは、検査室においては、当該室内に配設されている自動分析装置100とリモート端末103とが通信回線(LAN)101,102を介して接続されている。承認サービスサーバ108は、通常、検査室外に設けられており、リモート端末103と承認サービスサーバ108は通信回線(専用線若しくはインターネット回線)104,107を介して接続されている。承認サービスサーバ108と承認者PC106とは、インターネット回線105,107を介して接続されている。
【0013】
図2は、図1に示す分析結果承認システムにおいて、分析担当者が自動分析装置100で各分析結果の承認依頼を行う際に表示される分析承認依頼画面を示す図である。自動分析装置100は、各分析項目の分析結果を選択し、承認依頼と承認先を指定する画面を表す表示装置を搭載している。自動分析装置100には、各分析項目の分析結果、分析パラメータ、承認記録(分析担当者、承認者、承認依頼日時、承認日時)などの分析及び分析結果の承認に関するデータが保存管理され、これらのデータが図2に示すように表形式で表示される。
【0014】
承認サービスサーバ108には、承認依頼された分析結果の結果値、分析パラメータ、分析担当者、承認者、承認可否、承認コメント、承認依頼日時、承認日時が蓄積される。また承認サービスサーバ108は、詳細については後述するが、図4に示すような承認依頼されている分析結果及び分析パラメータを表示する画面と、図5に示すような過去に承認した記録を表示する画面を搭載している。
【0015】
図2に示す承認依頼を行う画面は、左側から順に、分析項目コード201、項目(分析項目)名202、分析項目の分類203、分析項目の測定結果値204、測定結果値204に対するデータアラーム205、分析を行った担当者206、承認処理を行う承認者207、承認依頼が現在どのような状況かを示す承認状態208、承認された日時209、及び承認者によるコメント210が並んだ表として構成されている。画面の右下近傍には承認依頼を実行する承認依頼ボタン211が配置されている。データアラーム205においては、測定結果値204が正常値範囲外(通常、健康人の検体が示す値の範囲外)である場合に、自動的にマークが表示(図の表示例では黒三角形)される。
【0016】
分析担当者は、結果値204及びデータアラーム205を参照し、有識者の判断が必要と判断した場合、分析項目コード201を選択し、承認権限をもつ承認者207を選択する。分析担当者は、上記作業を複数項目コードに対して行い、承認依頼ボタン211を押下し承認依頼を実行する。
【0017】
分析担当者が承認依頼を実行すると、選択された分析項目コード201に該当する分析パラメータ(項目コード, 項目名、分析結果値、分析法、反応時間、測光点、測定波長、正常値範囲、検体量、試薬量)と当日の精度管理値、キャリブレーション結果値を自動分析装置のデータベースより自動的に収集し、図1に示すリモート端末103を介して承認サービスサーバ108へ承認依頼データを送信する。これにより、承認者に対して分析結果を承認すべきかどうかの判断材料が提供される。
【0018】
図3は、図2に示す承認依頼画面において分析担当者が承認者を選択する際に表示される分析・承認者情報登録画面を示す図である。分析担当者が図2に示す分析承認依頼画面で選択する承認者207は、図3に示す分析・承認者情報登録画面において選択可能となる。分析・承認者情報登録画面は、分析担当者及び承認者の情報を登録する画面であり、上位の所属1と下位の所属2とを表す所属301,302、役職303、承認レベル304、氏名305、メールアドレス306、個人の詳細情報309、作成ボタン307、閉じるボタン308、及び登録ボタン310で構成される。
【0019】
分析・承認者を登録する際は、作成ボタン307を押下し、分析・承認者として登録しようとする個人の詳細情報309を表示する。個人の詳細情報309に氏名305、所属301、302、役職303、承認レベル304、メールアドレス306を入力・選択し登録ボタン310を押下することで登録が完了する。承認レベル304は、承認者の有識レベルを示し、生化学又は免疫或いはその両方、若しくは権限無を選択可能とする。承認レベル304で権限無しを選択した場合、画面の承認レベル304の欄には「−」が表示され、登録された者を分析担当者として扱う。以上を実行することで、図2の承認者207を選択可能となる。
【0020】
図2に示す承認依頼画面において承認依頼が実施されると、図1に示す承認サービスサーバ108は、図6に示す承認者スケジュール登録をチェックし、承認者が不在であれば、図1のリモート端末103を介して自動分析装置100へ承認者不在通知を送信する。自動分析装置100は、承認者不在通知を受信した場合、図2の承認状態208、承認日時209、承認コメント210に承認者不在を更新する。即ち、承認状態208においては「不在」と表示し、承認日時209においては不在更新の日時を表示し、承認コメント210では、承認依頼者は不在である旨と分析担当者に承認者を変更するよう促すコメントを表示する。
【0021】
承認者として登録された者は、図1においてインターネット回線105,107を介して承認サービスサーバ108のWeb画面にログインし、図6に示す承認者スケジュール登録画面を参照し、承認作業が実施できない日を当該画面で設定することができる。承認者スケジュール登録画面は年及び月602、日付601のカレンダーで表示されており、承認者スケジュール登録画面から、不在日の指定603と、それ以外の日を承認可能日とする指定604とを、登録ボタン605を押すことによって設定することができる。
【0022】
承認サービスサーバ108は、承認者が不在でない場合、承認依頼Noを作成し承認依頼データと関連付けを行い、承認者PC106へ承認依頼Noを記載した承認依頼がメールで通知される。また、承認サービスサーバ108は、自動分析装置100へ承認依頼Noを送信する。承認者は、承認者PC106で承認依頼通知を受信後、承認サービスサーバ108へインターネット回線105,107を介して承認依頼Noでログインする。承認サービスサーバ108は、図4に示す承認依頼Noに該当する承認依頼データ画面を承認者に表示する。承認依頼データは、承認依頼日時を示す依頼元データ401と、承認依頼した分析担当者及び対象となる自動分析装置並びに分析を行った結果を示す分析結果402、測定に使用した分析パラメータ403、自動分析装置が正常に稼動していることを示す精度管理・キャリブレーション結果404、並びに承認依頼者のコメント、承認の可否及び承認者のコメント405で構成されている。
【0023】
承認者は、分析結果402に対して、分析パラメータ403を確認する。分析パラメータ403は測定時に使用した分析法、反応時間、測光点、波長、正常値範囲、検体量、試薬量を表示しており、承認者は分析結果に対して以上のパラメータ値で問題がないかを判断する。また、承認者は、自動分析装置の測定精度が不安定でないことを精度管理・キャリブレーション結果404で確認する。
【0024】
承認者は、以上の確認に問題が無い或いは問題が有ると判断した場合、承認可否405を選択し、送信ボタン406を押下する。送信ボタンが押下されると、図1の承認サービスサーバ108に承認結果が保存され、リモート端末104を介して自動分析装置100に承認結果が送信される。自動分析装置100は、承認結果を受信すると、図2に示す分析承認依頼画面において、承認状態(問題の有無に応じて「否認」又は「完了」と表示)208、承認日時209、必要な場合には(問題が有の場合には特に)承認コメント210を更新し、承認結果を保存する。
【0025】
承認者は、図1においてインターネット回線105,107を介して承認サービスサーバ108のWeb画面にログインし、図5に示す承認履歴画面を参照することができる。図5に示す承認履歴画面は承認履歴検索と承認履歴検索結果で構成されている。承認履歴検索は、図5の上半分に示されているように、承認依頼日501、承認日502、所属503、承認依頼者504、検索ボタン505で構成されており、承認者が過去に承認を行った承認結果を絞りこむことができる。承認者が絞り込み範囲を選択後、検索ボタン505を押下すると、承認履歴検索結果が図5の下半分に表示される。承認履歴検索結果は、承認依頼日506、承認日507、所属508、依頼者509、承認結果510、項目名511、及び詳細確認ボタン512で構成されており、承認者が過去に承認した承認結果を一覧で表示する。
【0026】
承認者は、承認結果の一覧から詳細を参照したい場合、その承認結果を選択し、詳細確認ボタン512を押下する。承認確認ボタン512を押下すると選択した承認結果の承認依頼データ(図4)を参照することができる。
【0027】
図7には、本発明による分析結果承認システムにおける処理フローが示されている。図7に示す処理は、図1の自動分析装置100で分析担当者が測定項目の承認依頼を行ってから承認結果が返信されるまでの各処理を示す。
【0028】
分析担当者が承認依頼701を実施したとき、分析結果承認システムは、自動分析装置に承認者登録情報があるか否かの判定702を行う。承認者登録情報が登録されてない場合、画面において承認者が登録されていないことの表示703の処理が行われる。承認者登録情報がある場合、承認依頼の対象となる分析項目から分析結果、分析パラメータ、精度管理値、及びキャリブレーション結果値が自動分析装置のデータベースより取得され、承認依頼データの作成704の処理が行われる。承認依頼データの作成704が処理された後、作成した承認依頼データについては承認サービスサーバへの送信705の処理が行われる。承認サービスサーバは、承認依頼データの受信時に、承認者不在かの判定706を行う。承認者が不在の場合、承認サービスサーバは、承認者不在データを作成し、不在通知707を処理して自動分析装置に承認者不在通知を行う。
【0029】
承認者が不在でない場合、承認依頼データに対して依頼No作成708を処理する。依頼No作成708により承認依頼データを一意に特定することを可能とする。依頼No作成708を処理後、承認者PCへ送信709を処理する。承認者PCへの送信処理は、承認依頼データに含まれる承認者メールアドレスを取得し、依頼Noと依頼概要をデータを承認者メールアドレスに通知する。メール通知を基に承認サービスサーバ上で承認710を判定する。承認判定は、承認者が承認サービスサーバ上で承認依頼データに対し承認したか否認したかを判定する。否認された場合、否認データ作成711を処理する。否認データは依頼Noと否認と承認者コメントを結合する。承認された場合、承認データ作成712を処理する。承認データは依頼Noと承認と承認者コメントを結合する。
【0030】
承認、否認データ作成処理の後、承認サービスサーバで承認結果保存713を処理し、自動分析装置へ結果送信714を処理する。自動分析装置へ結果送信714は、承認データ、否認データを自動分析装置へ送信する。自動分析装置へ結果送信714を処理後、自動分析装置に結果保存715を処理する。自動分析装置に結果保存715は、承認データ、否認データに含まれる依頼Noを基に分析装置で処理した分析結果に承認データ、否認データを格納し、保存管理する。以上の各処理により分析担当者と遠隔地の承認者が自動分析装置の分析結果と分析をする為のパラメータの共有が可能となり、遠隔地の有識者に承認を依頼し、自動分析装置上に承認履歴を保存することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【図1】本発明の実施例である承認サービスシステムの構成図。
【図2】本発明の実施例である分析結果を承認依頼する分析承認依頼画面を示す図。
【図3】本発明の実施例である分析担当者・承認者を登録する登録画面を示す図。
【図4】本発明の実施例である承認依頼データ画面を示す図。
【図5】本発明の実施例である承認履歴画面を示す図。
【図6】本発明の実施例である承認者が承認不可能日を登録する画面を示す図。
【図7】分析結果の承認依頼からを承認終了までの処理フローを示す図。
【符号の説明】
【0032】
100・・・自動分析装置 101・・・通信回線(LAN)
102・・・通信回線(LAN) 103・・・リモート端末
104・・・通信回線(専用線、インターネット回線)
105・・・通信回線(専用線、インターネット回線)
106・・・承認者PC 107・・・通信回線(インターネット回線)
108・・・承認サービスサーバ
201・・・分析項目コード 202・・・項目名
203・・・分類 204・・・結果値
205・・・データアラーム 206・・・分析者
208・・・承認状態 209・・・承認日時
210・・・承認コメント
301・・・所属1 302・・・所属2
303・・・役職 304・・・承認レベル
305・・・氏名 306・・・アドレス
307・・・作成ボタン 308・・・閉じるボタン
309・・・個人の詳細情報 310・・・登録ボタン
401・・・依頼元データ 402・・・分析結果
403・・・分析パラメータ 404・・・精度管理・キャリブレーション結果
405・・・承認依頼者のコメント、承認の可否、承認者のコメント
406・・・送信ボタン
501・・・承認依頼日 502・・・承認日
503・・・所属 504・・・依頼者
505・・・検索ボタン 506・・・承認依頼日
507・・・承認日 508・・・所属
509・・・依頼者 510・・・承認結果
511・・・項目名 512・・・詳細確認ボタン
601・・・日付 602・・・月
603・・・不在日 604・・・承認可能
605・・・登録ボタン
701・・・承認依頼判定処理 702・・・承認者登録有無判定処理
703・・・承認者無し表示処理 704・・・承認依頼データ作成処理
705・・・承認サービスサーバへ依頼送信処理 706・・・承認者不在判定処理
707・・・承認者不在通知処理 708・・・承認サービスサーバで依頼No作成処理
709・・・承認者PCへ送信処理 710・・・承認判定処理
711・・・否認データ作成処理 712・・・承認データ作成処
713・・・承認結果保存処理 714・・・自動分析装置へ結果送信処理
715・・・自動分析装置に結果保存処理

【特許請求の範囲】
【請求項1】
生体試料の成分を自動的に測定・分析し当該分析結果を出力する自動分析装置に適用されており、前記自動分析装置と当該自動分析装置の分析結果について承認する権限を有する承認者との間を通信手段を介して繋いでおり、前記自動分析装置から出力された前記分析結果について前記通信手段を介して前記承認者に承認依頼をするとともに、前記承認依頼に対して前記承認者が承認処理をした承認結果を前記通信手段を介して前記自動分析装置に応答することを特徴とする自動分析結果の承認システム。
【請求項2】
請求項1記載の自動分析結果の承認システムにおいて、
前記自動分析装置と前記承認者との間を前記通信手段を介して接続された結果承認サービスサーバを備えており、前記結果承認サービスサーバは、前記通信手段を介して、前記自動分析装置からの前記承認依頼の受信、受信した前記承認依頼に基づく前記承認者への承認依頼通知の配信、前記承認依頼通知に対して前記承認者がした前記承認結果の受信、及び前記承認結果の前記自動分析装置に配信を行うことを特徴とする自動分析結果の承認システム。
【請求項3】
請求項2記載の自動分析結果の承認システムにおいて、
前記結果承認サービスサーバは、前記承認者については、少なくとも氏名、所属、承認権限及び電子メールアドレス等の連絡手段を蓄積して登録し、前記自動分析装置について担当する分析担当者については、少なくとも氏名及び所属を蓄積して登録し、前記承認依頼の際には、登録された前記承認者の中から依頼先が選択されることを特徴とする自動分析結果の承認システム。
【請求項4】
請求項3記載の自動分析結果の承認システムにおいて、
前記結果承認サービスサーバは、前記承認者及び前記分析担当者の登録の際に送信される前記自動分析装置を特定する登録情報を蓄積することを特徴とする自動分析結果の承認システム。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれか1項記載の自動分析結果の承認システムにおいて、
前記承認依頼の際に、依頼元データと、1つ又は複数の単位で選択された分析項目、当該分析項目に応じた項目コード、項目名、測定値等から成る前記分析結果と、分析法、反応時間、測光点、測定波長、正常値範囲、検体量、試薬量等から成る分析パラメータと、前記自動分析装置に異常がないことを示す精度管理結果と、キャリブレーション結果とを前記自動分析装置から自動的に収集して承認依頼データを構成し、当該承認依頼データを前記結果承認サービスサーバに送信することを特徴とする自動分析結果の承認システム。
【請求項6】
請求項5記載の自動分析結果の承認システムにおいて、
前記結果承認サービスサーバは、前記承認依頼データを受信、蓄積し、前記承認者への前記承認依頼を電子メールで通知することを特徴とする自動分析結果の承認システム。
【請求項7】
請求項1〜6のいずれか1項記載の自動分析結果の承認システムにおいて、
前記結果承認サービスサーバは、前記承認者に対してのみ、少なくとも前記分析結果を含む前記承認依頼に関するデータをWeb上で公開し、前記承認処理を前記承認者が入力することを特徴とする自動分析結果の承認システム。
【請求項8】
請求項1〜6のいずれか1項記載の自動分析結果の承認システムにおいて、
前記分析担当者が前記承認する権限を有している場合、前記自動分析装置上で前記分析担当者が前記承認処理を行えることを特徴とする自動分析結果の承認システム。
【請求項9】
請求項1〜8のいずれか1項記載の自動分析結果の承認システムにおいて、
前記承認処理は、前記分析結果の承認、否認又はコメントから成ることを特徴とする自動分析結果の承認システム。
【請求項10】
請求項1〜9のいずれか1項記載の自動分析結果の承認システムにおいて、
前記承認結果は、前記分析結果について、前記承認者の前記権限の水準を示す承認レベル、前記承認者が属している所属、前記承認者の氏名、及び前記承認者がした前記承認処理を含むことを特徴とする自動分析結果の承認システム。
【請求項11】
請求項1〜10のいずれか1項記載の自動分析結果の承認システムにおいて、
前記結果承認サービスサーバは、前記分析結果に前記承認結果を付加し、前記承認結果が付加された前記承認依頼データを印字する、若しくは臨床検査システム等の上位システムへ送信することを特徴とする自動分析結果の承認システム。
【請求項12】
請求項1〜10のいずれか1項記載の自動分析結果の承認システムにおいて、
前記結果承認サービスサーバは、前記承認結果及び承認履歴を保存、蓄積、印字可能であることを特徴とする自動分析結果の承認システム。
【請求項13】
請求項1〜4のいずれか1項記載の自動分析結果の承認システムにおいて、
前記結果承認サービスサーバは、前記承認者にだけ過去に承認した前記分析結果及び分析法、反応時間、測光点、測定波長、正常値範囲、検体量、試薬量等から成る分析パラメータをWebで公開し参照可能することを特徴とした自動分析結果の承認システム。
【請求項14】
請求項1〜10のいずれか1項記載の自動分析結果の承認システムにおいて、
前記結果承認サービスサーバは、前記承認者が承認できない日付を入力・指定するWeb画面を公開し、指定日に前記自動分析装置より前記承認依頼が通知された場合、不在通知を前記自動分析装置に自動で返信することを特徴とする自動分析結果の承認システム。
【請求項15】
生体試料の成分を自動的に測定・分析し当該分析結果を出力する自動分析装置と、前記自動分析装置と当該自動分析装置の分析結果について承認する権限を有する承認者との間を繋ぐ通信手段とを備え、前記自動分析装置から出力された前記分析結果について前記通信手段を介して前記承認者に承認依頼をするとともに、前記承認依頼に対して前記承認者が承認処理をした承認結果を前記通信手段を介して前記自動分析装置に応答することを特徴とする分析結果の承認処理を可能にする自動分析システム。
【請求項16】
生体試料の成分を自動的に測定・分析し当該分析結果を出力する自動分析装置と当該自動分析装置の分析結果について承認する権限を有する承認者との間を通信手段で繋ぎ、前記自動分析装置から出力された前記分析結果について前記通信手段を介して前記承認者に承認依頼をするとともに、前記承認依頼に対して前記承認者が承認処理をした承認結果を前記通信手段を介して前記自動分析装置に応答することを特徴とする自動分析結果の承認方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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